カリオストロ「へへ、完成だぜ…特製惚れ薬…!」 (33)

ーーカリオストロの部屋ーー

コポコポ…カチャカチャ…

カリオストロ「…これにヤモリの尻尾と、亀の甲羅の粉末を入れて、っと…」パラパラ


カリオストロ「…よし、後は一煮立ちさせるだけだ…!」コトコト


紫色をした液体に、何やら怪しい材料を次々と入れていくカリオストロ。


最後の材料を入れ終わり、真剣な面持ちでそれを煮詰めていると…


パアアアアッ!!


カリオストロ「!!…よっ、よし…!!これだ…!」


謎の液体は突然光を発し始め、見る見るうちに明るいピンク色へと変化した。


カリオストロ「ははっ…!やっぱりオレ様は、天才だぜ…!」


カリオストロ「完成だ…オレ様特製、惚れ薬!!」ドン!!

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カリオストロ(ここまで来るのに苦労はしたが、開祖のオレ様に不可能はねえ…!)


カリオストロ(理論通りなら、この薬を飲んだ人は…その後すぐに見た相手を、好きになるはずだ!)


カリオストロ(こっ…こいつを使えば、グランの奴も…っ///)カアアアッ


ーーーグラン「…カリオストロ、愛してるよ…」ニコォッ ーーー


カリオストロ「~~!!!///」ゴロゴロゴロ


カリオストロ「はあっ、はあっ…!はっ、早くこれをもって、あいつの所に行かねえと…!」ムクッ


コンコン


カリオストロ「うぎゃああっ!!」ビクウッ!!!


クラリス「あ、あの~…うち、ノックしただけなんだけど…」


カリオストロ「なっ、何だ…クラリスか…!ビックリさせるんじゃね
え…!」ハアハア


クラリス「あのねししょー!美味しいクッキーがあるから一緒に食べよっ!!入っていい??」


カリオストロ「なっ!?だ、ダメだ!!お前一人で食べてろ!」


クラリス「ええー、せっかくだんちょーが作ってくれたのに…」


カリオストロ「…何!?グランが作ったって!?」ガタッ


クラリス「まあでも、忙しいならしょうがないかぁ…また今度一緒にお菓子食べようねっ!」タッタッタッ


カリオストロ「あっ、おっ、おい待て!待ってくれええええ!!」

カリオストロ「ク…クラリスの奴……後でみっちりしごいてやるからな……!」ギリギリ


カリオストロ「……いや……別にクラリスから貰わなくっても、グランに直接貰いに行きゃいいじゃねえか……?」


カリオストロ「その時自然にこの惚れ薬を飲ませてやれば…!」


カリオストロ「んー!カリオストロってやっぱり天才!☆」キャピキャピ


カリオストロ「そうと決まればこうしちゃいられねえ!!さっさと薬を瓶詰めして、グランの部屋に持って行かねえと!!」


ーーーグランの部屋ーーー
グラン「うーん、初めてお菓子作りなんかしたけど…成功したみたいでよかったなぁ」


グラン「疲れちゃったし、しばらく休憩しよう…」


コンコン


グラン「…?はーい、入っていいよ!」


カリオストロ「ねえねえ団長さん!カリオストロも、団長さんの作ったクッキー食べてみたいなっ!☆」ガチャ


グラン「…あー…ごめん、ついさっきクラリスに上げて無くなっちゃった…」


カリオストロ「」

カリオストロ「クソッ…!!あの野郎…絶対許さねえ…!!」ゴゴゴゴ


グラン(な、なんかブチギレてる…)


グラン「…い、一応余った材料があるから、少しならこれから焼いてあげられるけど…」


カリオストロ「…ホント!?ありがとっ団長さん!☆」キャピキャピ 


グラン「…」(怒ったりぶりっ子したり、忙しい子だなぁ…)


グラン「とりあえずしばらく時間かかるから、その辺にかけといてよ。」


カリオストロ「わかった!」ピョコッ

グラン「~♪」コネコネ


カリオストロ「…それにしても、グランが菓子作りなんて…一体どういう風の吹き回しだ?」


グラン「ん?いや、ルリアにしつこく甘い物が食べたいってねだられてさ。やった事なかったけど、楽しそうだったからやってみたんだ。」コネコネ


カリオストロ「ふーん…ルリアにねぇ…」ムス-


グラン「ーーよし、あとはオーブンで焼くだけだ…」


カリオストロ「…!ねっ、ねえ団長さん!カリオストロ、何だか喉も渇いてきちゃった!一緒にティータイムにしよっ!」


グラン「…そうだね、そしたら紅茶も一緒に入れるか」


カリオストロ「こっ、紅茶はカリオストロが入れるよっ!☆団長さんはクッキー作りで忙しいもんね?」


グラン「いや、もう後は焼くだけだし別に…」


カリオストロ「忙しいよな!?!?」グワッ


グラン「アッハイ」

グラブルの世界には多分オーブン無いな

竃とかのがよかったかも

カリオストロ(ふふ、完璧だったぜ…オレ様の演技…!)


グラン(び、びっくりした…何であんなに紅茶を淹れるだけのことにこだわるんだ…!)アセアセ


カリオストロ(…後は、グランの奴の隙を見計らって、この薬を入れてやれば…!)コポコポ


グラン「…おっ、そろそろ時間かな…?」スクッ


カリオストロ(…!今だ!!)トクトクトク


グラン「…よし、よく焼けてる。カリオストロ、一緒に食べるよ!」


カリオストロ「お、おう。こっちもちょうど出来上がったぜ。」


カリオストロ(ククク…計画通りだ…!後はこいつに、惚れ薬入り紅茶を飲ませるだけ…!!)

カリオストロ「いっただっきまーす☆」ヒョイパクヒョイパク


グラン「頂きます」サクサク


カリオストロ(さあ飲め…オレ様が作った、その紅茶をな…!)ククク


グラン「うん、我ながらいい出来だと思う…」カチャッ


カリオストロ(来たぁっ!!)

グラン「…」ゴクゴク


グラン「…う、うん…紅茶も美味しい」


グラン(…変な味がする…)


カリオストロ(っしゃあああっ!!!!)グッ


グラン「…?さっきから一体どうしたんだよ…?」


カリオストロ「ねえ団長さん☆なんか、体に変わった所ない??」ズイッ


グラン「えぇ…変わった所なんて特に…」


グラン「っ!ま、まさか何か仕込んだのか!?」


カリオストロ「そんな訳無いじゃん☆それよりほらほら!何か変わった所は??」ムギュウウ


グラン「うわっ!!///ち、ちょっとくっつきすぎだって!」カアアッ

カリオストロ「…?ほ、本当に何にも変わらないのか…?」


グラン「だ、だから近いって!///それで一体何を入れたんだよ!!」


カリオストロ(嘘だ…!調合は完璧だった!一体どこで間違えたってんだ…?)


ガチャッ!!


ルリア「グラン!!さっきのクッキーの余りないで…すか…」


グラン「あっ、ごめん今ちょうど売り切れちゃった…」


ルリア「…っ」ポ-


グラン「…?一体何が…」


ルリア「…あ、あの…グラン…その…私…」モジモジ


カリオストロ「…?はっきりしねえ奴だな、今オレ様たちは忙しい…」


ルリア「…ごめんなさい、グラン…っ!」ギュウウウッ


カリオストロ「…はっ!?」


グラン「!?なっ、ル、ルリア!?///」


ルリア「わ、私なんだか…変なんです…!あなたの顔を見た途端…突然こうしたくなっちゃって…!」ムギュ-


カリオストロ「こっ、これは…もしかして…!」


ルリア「あっ、ああ…グランの匂い…!」スリスリ


カリオストロ(間違いない…!グランは今、あの薬で『惚れられやすい体質』になってやがるッ!!)

グラン「どうしたんだよ!?今日は何か皆おかしいよ!!」


ルリア「グラン…!お願いです…チュー、してくれませんか…?」


グラン・カリオストロ「…はっ!?」


ルリア「もう私、抑えきれません…!…グランからしてくれないなら、私から…!」ズイッ


グラン「なっ…やめ…!」


ルリア「…やめません…いただきます…!///」ガシッ


カリオストロ「うおおおおおっ!!」ドンッ!!


ルリア「きゃあっ!な、何するんですかカリオストロさん!!」


カリオストロ「グ、グラン!!さっさとここから逃げるぞ!!」ダッ


グラン「う…うん…!」ダッ

グラン「はあっ、はあっ……!カリオストロ!!い、一体何をしたんだよ…!」ダダダ


カリオストロ「はっ…はあっ…いや、それは…その…」ゴニョゴニョ


グラン「クソッ…あっ!!おーい>>12!!助けてくれ!!」


カリオストロ「…!やめろ!今他の奴を呼んだら…!!」

マリー

マリー「うわっ、団長!?どうしたのよそんなに汗びっしょりになって…」


グラン「ルリアが…はあっ…お、おかしくなっちゃって…はあっ…」


マリー「…と、とりあえず、アタシの部屋に入って!ほら!」


グラン「ありがとう、恩に着る!!」バタン


カリオストロ「ま、待て…!!今、マリーと二人きりになるのはマズイ…」ゼエゼエ


カリオストロ「おい、グラン開けろ!!おーーい!!」ドンドンドン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マリー「…全くもう、何で君はいつもトラブルを抱えてくるのよ…」


グラン「ご、ごめん…」


マリー「…ま、それももう慣れたから、気にしてないけどね」ハァ


グラン「…ありがとう…やっぱりマリーは優しいね」ニコッ


マリー「!?」キュウン


マリー(なっ、何なの!?今の感覚…まるで、真綿で胸を締め付けられるような…!)ドキドキ


マリー「な、何言ってんのよ…ほとぼりが冷めたら、すぐに出ていってもらうから…!」


グラン「分かってるって…うう、汗で体がベトベトだ…」パタパタ


マリー(…!グランの匂いが…こっちまで…!)


マリー(汗の匂いなんて、嫌なはずなのに…何でだろう、ずっと嗅いでいたくなっちゃう…っ///)モジモジ


マリー(も、もっと…近くで…)

マリー「あ、あのさ…汗かいてるなら、これ…使っていいよ」スッ


グラン「ん…?いいの?これ、マリーのタオルでしょ?」


マリー「大丈夫よ!そっ、それにほら、汗でアタシの部屋を汚されても困るじゃない!」シドロモドロ


グラン「…確かにその通りだ…ありがとう、使わしてもらうよ」ゴシゴシ


マリー「…」ジト-


グラン「…?どうしたの?」


マリー「ほら、使ったなら返してよ!はやくはやく!!」ソワソワ


グラン「えっ、いや流石にそれは…洗って返すよ…」


マリー「それじゃ意味ないじゃない!!ほら、はやく!!」


グラン「意味ないって何!?」ガ-ン


マリー「えーい、まどろっこしい!アタシに早くそれをよこしなさい!!」ガシッ


グラン「だ、ダメだってマリー…ちょっ、うわああっ!!」ドサッ!!


マリー「フ、フフ…もう逃さない…!!」ワキワキワキ


グラン「やめ、やめてくれ…!」


マリー「すんすん…ぷはっ…!だ、団長の匂い…もっと、嗅いでたい…っ///」ムギュウウ


グラン「う、うわああっ!!!助けてくれえええええっ!!!」

カリオストロ「アルス・マグナああああっ!!」ドゴオオオオン!!!


マリー「きゃあっ!!な、何!?」ビクゥッ


カリオストロ「あ、危ねえ…どうやら逆レ○プ寸前、ってとこだったらしいな…」


グラン「おっ、女の子がそんなこと言っちゃいけませんよ!?!?」


カリオストロ「馬鹿言ってねえで早く逃げろ!!今のお前からは、女を惹きつけるフェロモンがムンムン出てんだよ!!」


マリー「待って…お願い、行かないで、団長…!」ウルウル


グラン「う、ぐっ…!///」


カリオストロ「…」イラッ


カリオストロ「早く逃げるぞって、言ってんだろうがあああっ!!」ムンズ


グラン「ぎええええっ、く、くびがじまるゥッ!!」ズズズズ


マリー「ああっ、だ、だんちょおおっ…!」

カリオストロ(クソッ、この状況は一体何が原因なんだ…!?)


カリオストロ(調合は完璧だった…!本来ならあそこで、グランはオレ様のことをすっ…好きになって…それで全部が終わるはずだったのに!)


カリオストロ「どうして、こんなことになっちまったんだよっ!!」ガンッ


グラン(120%お前のせいやんけ?)


グラン「あ、あのさ…だから、カリオストロは紅茶に何入れたんだよ…」


カリオストロ「あぁ!?栄養補助剤だ!!死ね!!」キッ


グラン「な、何だこの理不尽すぎる生物は…」


カリオストロ「くそっ…!あっ、おい!!向こうに>>22がっ!!」

コワフュール

コワフュール「うーん…団長、どこ行ったのかしら…」キョロキョロ


グラン(やっ…やばい…!こっちに来る…!)


カリオストロ(とにかくどこでもいいから隠れる場所は…あった!あそこの物置に入ってろ!)ゲシッ


グラン(痛い痛いっ!わ、わかったから蹴るなって!!)バタン

コワフュール「…あっ、カリオストロ!団長がどこに行ったのか知らない?」


カリオストロ「! さっ、さあな…」メソラシ-


コワフュール「…そっか…せっかくこのお花、団長にあげようって思ってるのに…」スッ


カリオストロ「…!?おまっ、それ今までずーっと大切にしてた花壇の…!?」


コワフュール「うん、そうなんだけどねー…何でかわかんないけど、突然団長にあげたくなってきちゃって…」


コワフュール「へへ、喜んでくれるかな…?」テレテレ 


カリオストロ「で、でも…お前それ、誰にも触らせてなかったのに…本当にいいのかよ…?」


コワフュール「うん、いいの。団長にあげるなら、私の1番大切な物がいいかなって…」


コワフュール「それに、団長ならこの子を大切にお世話してくれるだろうし…」


カリオストロ(ざ、罪悪感が…)ズキズキ

カリオストロ「…あ、あのな?コワフュール。その花は、お前が世話した方がいいと思うぞ…」


コワフュール「…?なんで?」


カリオストロ「ほら、グランの奴は優しいからよ…自分のことよりも、お前が喜んでることの方が嬉しいだろうぜ」


カリオストロ「あー…だから、グランはその花を貰うことよりも、お前がが楽しくそれを育ててる方が、喜んでくれるっていうか…」


コワフュール「…わかった…やっぱり団長って、とっても素敵な人だね…」ポ-


カリオストロ(…オレ様がいうのも何だけど、ベタ惚れだな…)


コワフュール「だけど私、どうしても何か団長にしてあげたい…何したら喜んでくれるか考えてみる!」ルンルン


カリオストロ「おっ、おう…頑張れよ」


コワフュール「じゃあね、カリオストロ!」ツカツカ


カリオストロ(…あいつ、彼氏にどんどん貢いちまうタイプだな…悪い男に騙されないといいが…)

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