勇者「淫魔の国で風邪をひくとこうなる」 (688)
このスレはSS速報にて更新していた
魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
の後日談です。
尚、板が変わった事によって酉は変わっておりますが本人です、後ほどtwitterでも告知いたします
ろくに書き貯めもできず、少量ずつですがひとまず毎日の投下になる事、ご容赦ください
それでは始めます
あれ、酉は変わってないか
それなら安心
twitterやってたのか...どこだっけ?
*****
始まりは、城の廊下で起きた、たった一度の咳からだった。
勇者「――――――けほっ」
サキュバスB「……陛下? 大丈夫? お風邪ひいちゃいましたですか?」
勇者「いや……分からないから、近寄らない方がいい。“お手伝い”に戻れ。心配してくれてありがとう」
サキュバスB「誰が“お手伝い”ですか! でも、お具合悪かったら……言ってくださいね?
わたしの必殺、“ヒーリング☆フェラ”で治しちゃいますよ? おケガ以外なら何でも治っちゃうんですからね?」
勇者「気持ちだけ受け取るよ。無理はしない」
舌をぺろりと出し、いたずらっぽく微笑みながらサキュバスBは去っていく。
しかし、勇者は内心妙だと感じていた。
ここへ来て一年が経つのに……今のは、少し悪い咳だった。
喉に何かが絡んだり、空気の乾燥のせいではない。
勇者(……今日は、早く寝よう)
*****
次の日になると、起きてすぐ喉が荒れているのが分かった。
昨日は何もせずに寝たのに。
酒も断って、暖かくして眠ったのにも関わらず、喉の痛みが酷い。
勇者「……な゛ん、だ……ごれ゛……?」
水を飲んでも、咳払いをしても、荒れた喉が発声の邪魔をして、治らない。
イガが突き刺さったような不快感が、消えない。
堕女神「おはようございます、陛下」
勇者「ああ。……お゛……っ」
いつものように起こしに来た堕女神に挨拶しようとして、息が詰まり……喘鳴を含んだ、タチの悪い咳をしてしまった。
勇者「う゛、げほっ……! がふっ……!」
堕女神「え……!? へ、陛下?」
勇者「ああ゛……心配、しなくて……っ!!!」
威嚇するように震えた咳とともに、喉に鋭い痛みが走った。
続けて、込み上げてくる熱と、胃へ向けて下りて行く熱の両方を感じた。
それは気管にまで入り込み、思わず咽て咳き込み……口から、“熱”の正体が吐き出されてベッドを汚す。
堕女神「陛下っ!」
赤く飛び散る、その飛沫を見たのは、一年ぶりに。
“魔王”との戦い、以来だった。
勇者「堕女神……だい……じょう、ぶ……だ……っ!」
落ち着けようと言葉を発しようとしても、言葉にならない。
彼女の呼びつけた近くのメイドが部屋に入ってくるまで。。
*****
サキュバスA「……つまり、何ですの。咳のしすぎで喉が破れて、血を吐いたと?」
勇者「あぁ……ぞ、う゛……なる゛……」
サキュバスA「お話しにならなくて構いませんわよ。それにしても……ねぇ」
勇者「……?」
サキュバスA「堕女神様も……気が気でなかったでしょう」
喉の奥が、息をするだけでも痛んだ。
少し声を出そうとするだけでズキズキと疼いて、滲み出た血が喉へ流れ込む。
サキュバスA「まぁ、今日はお眠りなさいな。命に関わる事ではありませんし」
勇者(……体調を崩すなんて、なぁ)
怪我でも呪いでも毒でもなく、“病気”にかかるのは久しぶりだった。
もしかすると……“勇者”になる前にまで遡れる。
サキュバスA「ただ……陛下もそろそろ、落ち着いてこれたのでしょうね」
勇者「え……?」
サキュバスA「だって、そうでしょう。陛下のこれまでのご人生。病床に伏す暇も恐らくは無かったのでしょう」
勇者「まぁ……ぞう゛、だな」
サキュバスA「何せ貴方は、世界の希望。絶望たる“魔王”と双極。魔王があくせく働いているのに、“勇者”が休む訳には参りませんもの」
勇者(……なるほど。俺もようやく……感冒にかかって寝る事が、できるのか)
受けた毒、負わされた怪我、かけられた呪い、身体を侵す能力低下の魔法。
そうした“戦い”の傷ではなく、ただ何となく流行るお決まりの感冒。
思えば、かかり始めの事ぐらいは旅の中でもあったのに、それに気付いてはならないから無理を押して旅をし、戦い続けてきた。
今、発熱と倦怠感、それと喉の痛みと咳をようやく自覚できる。
ようやく命の危機なく、何に遠慮をすることもなく眠って治す事ができる。
ようやく――――“病人”を、やれる。
サキュバスA「……ちなみにこの状況、サキュバス族の“定番のシチュエーションベスト10”の常連ですわね。
病で寝込む殿方、忍び込む淫魔、『うふふ……こんなに硬く張ってて、苦しそうねぇ……』。
そう言ってズボンと下着を下ろさせると、長く身体も拭けずに溜まったオスの香りが鼻をつき、
ひたすら高まり熟成されたモノがぎっちりと詰まって……」
勇者「待で」
サキュバスA「加えて病床の殿方は命の危機に瀕している本能か、ともかく精力が増していて。
“ふふっ……いっぱい出たわね”の一言で〆るのが定番で」
勇者「そう、いう話は……今、ば……」
サキュバスA「あら、知識より実践がお好み? それでしたら私が僭越ながら……」
堕女神「何をしているのですか」
ベッドの向こう側の椅子、サキュバスAの対面に座っていた堕女神がそれを制する。
サキュバスA「何、って……まぁ、ナニなど」
堕女神「いけません。弱っておられる陛下の寝込みを襲うなど」
サキュバスA「いいえ、イケます。それにあまり高熱ですと、精子を作る機能が弱ってしまいますし」
堕女神「陛下は微熱です」
サキュバスA「じゃあもう、あれです。……病で少し弱々しくなった陛下にもうちょっとうざったく絡みたいだけで他意は……」
堕女神「他意そのものじゃないですか!」
勇者「いい゛、から……静かに……」
堕女神「……申し訳ありません」
サキュバスA「ほぅら怒られた。病人の部屋で騒ぐなんて……いただけませんわねぇ」
堕女神「誰のせいだと……!」
サキュバスA「では、私はこれで。堪能させていただきましたわ。それではまた明日。おやすみなさいませ」
サキュバスAがようやく退出すると、寝室の中は一気に静まり返った。
勇者は声を出すのも億劫なばかりか、姿勢を変える事でさえ酷く気だるく感じる。
いがらっぽさがまだ喉に残り、咳き込むたびにズキズキ痛んだ。
ぼうっとした熱が頭の中に籠もり、目も潤んできたのに、それに反して寒気がある。
“勇者”じゃなかった時代にかかった、何という事も無い感冒と同じで……懐かしさだけがある。
堕女神「まったく、彼女ときたら……。そろそろお眠りくださいませ。明日は、お体をお拭き致します。今日のところは……どうか」
勇者「……悪い、な」
堕女神「いえ、陛下の御身体の為……と、申し上げたいところですが……」
勇者「え……?」
布団の中で――――温感の鈍くなった手を、それでも熱く感じる華奢な手が握った。
ふと、堕女神の顔を見れば……黒真珠のような眼が潤み、その中にある紅と細い瞳孔が、たよりない火のように揺れていた。
堕女神「私、は……あんなに、怖くなったのは……初めて、でし、た……」
絞り出すような声は、震えている。
幾度も詰まる言葉の終わりには、とうとう嗚咽までも混ざった。
手を握り返してやって……しばらくも、彼女の震えは治まらない。
堕女神「……申し訳ございません、陛下」
どれだけ時間が経ったか、ようやく堕女神は落ち着きを取り戻す。
勇者「……心配かけて、ごめん」
堕女神「その……陛下。今日はお側で眠らせてくださいませんか」
勇者「え……? いや、駄目だ。君にうつる」
堕女神「ご心配には及びません。私は、かつてとはいえ“神”の眷族ですから……病にかかる事は、ありません」
勇者「でも……」
堕女神「どうかお願い致します。もし私が自室に戻ったとしても……きっと、眠れません」
勇者「……分かったよ」
こうなってしまうと、もう堕女神は引き下がらない。
いくら“大丈夫だ”と言い聞かせても埒が明かないだろう。
まして理由がこちらであって……仮に引きさがらせても、余計に堕女神の心労が嵩むだけだと悟った。
目を閉じると衣擦れの音と、脱いだそれを折り畳む音が聴こえた。
どれだけ寝ても満たされない眠気にまた身を浸し、沈む直前。
布団の中に入り、寄り添ってきた堕女神の少し冷えた肌が当たる。
それはとても心地よくて……体の熱さと怠さが、吸い取られ、どこかへ消えていってしまうような気がした。
堕女神「……もし、お辛いようでしたらなんなりとお申し付けください。何でも……いたします」
一日目、投下ここまでで終了です
>>3
https://twitter.com/inmayusha
こちらになります
もうスレは立てないと言ったけれど、まぁ一年に一度ぐらいなら構やしないだろうと
まだ一応は正月だし景気を付ける意味でも
それではまた明日、日付けは変わるか変わらないかの頃にまた会いましょう
別にageようとsageようと荒れようと、俺は書いて投下していくんだぜ
もうそれでモチベーションの下がるような事も無いのでさ
見直して、十分後ぐらいから投下始めていきます
*****
深夜になり、痛みが目を覚まさせた。
倦怠感に覆われた身体を、それでもよじらせるような……そんな堪えがたい、熱を持った痛み。
その根源にあるのは……まさしくサキュバスAが指摘した通りの場所だ。
勇者「ぐぅっ!」
寝返りを打とうとして、シーツに触れた一瞬。
昂ぶり切った神経が、一瞬の摩擦を痛みに替えて背骨に走らせた。
思わず苦痛の声が漏れ出て、とっさに堕女神を起こしてしまっていないか、気配を探った。
だが、彼女に特に目を覚ました気配はない。
ひとまず安堵するも、それより何より……ひどく、昂ぶってやまない。
彼女を起こして、落ち着かせてくれと頼む事はいくらなんでもできない。
しかし堕女神が隣で寝ているのに自分で鎮めるのも無理だった。
勇者(寝、る……なんとか、寝るしか……!)
ずきずきと痛むほど血が巡るそこは、厄介な傷になった。
ほんの少しの摩擦でも痛い。
貫かれ、突き出た剣先を指で掴まれて傷口を広げられるような、感覚の暴走。
実際そうされた傷なら耐え忍べたのに……あまりに、部位がまずい。
一度として味わった事の無い痛みが、もっとも脆弱な部分を襲っていた。
勇者「……い、たっ……!」
堕女神「……陛……下?」
情けなくも声を漏らしてしまうと、向けた背中越しに、堕女神の声がはっきりと聴こえた。
気付かない振りも、寝ている振りも、もうできない。
勇者「起こして、悪い。……でも、何でも無いんだ」
堕女神「陛下。私を慮っていただけるのなら、どうか正直に申して下さい。どこか……悪いのですか?」
布団の中で、すっかりと暖まった堕女神の手が差し伸ばされ、腹部を抱くように撫でられた。
じわりとした暖かさが沁みるような、優しく細い手の感触。
それは――――紛れもなく、彼女が“女神”であった事を何より語る。
同時に、勇者は恥じて……恥じながらも、正直に告げる。
勇者「分かった。でも、腹とかじゃない。……その、下だ」
堕女神「下?」
そのままゆっくり、女神の掌が腹筋から臍、と滑りおりて――――熱く高まった“それ”の気配を感じて、動きを止めた。
勇者「……だから別に、どこか痛いわけでも、気分が悪いわけでもない。寝ていてくれ」
病気じゃない。
薬を飲んだり、水を飲んで治まるものでもない。
男がそうなった時は、とにかく時が経つのを待つしかない。
なのに。
堕女神「……かしこまりました、陛下。私が……お鎮めします」
勇者「何っ……え!?」
布団の中に潜り込んだ堕女神が、その中でこちらの下着を優しく下ろす。
屹立したそれが引っかからないように、布団の中、それでなくても暗闇だというのに気を遣っているのが分かる。
時間にして、ほんの数秒。
彼女は、何の痛みも届ける事無く――――こちらの剣を、抜かせてみせた。
堕女神「んっ……こんなに、硬くなされて……これも、症状なのでしょうか……?」
勇者「分からない……な……」
堪えきれず布団を剥ぎ取ると、窓から差し込む明けかけた夜の薄明りに、情けないほど屹立した“自分”と、堕女神の顔が見えた。
彼女と眼が合う事はない。
その視線は異常なほどに昂ぶるモノに向けられていた。
布団をかぶっていなくても、寒気は無い。
それどころか……火照った体に具合の良いほどだった。
堕女神「あの、陛下。もし……痛みがありましたら、どうかお申し付け下さいね」
それだけ言って、彼女は目を閉じ、根元からゆっくりと舐め上げる。
その刺激は……痛みに感じない。
むしろ何かが癒されて行くような、不思議な心地よさがある。
普段するそれとは――――“性感”とは、また違うものだった。
何かが満たされて行くような、摩訶不思議な感覚。
堕女神「ん……大き、くて……、んぶっ……! まる、で……腫れてる……みたいで……!」
今日の堕女神は、普段とは違い……早く出させるために、余裕のない口淫を行っていた。
持ち前の豊かな二つの果実を使う事も無く、手指を添えて焦らす事も無く、ただ、早く射精を促すため。
これまでで知った性感帯をなぞり、最短距離でそこへ到達するための。
それは、“愛の女神”の振る舞いそのものだ。
激痛を及ぼす傷口を、慈悲深く癒すための施術。
全ての世界で――――勇者、ただ一人だけがそれを受けられる。
それは熱くて邪な昂ぶりが、まるで浄化されるような不思議な感覚だった。
勇者「っ……だ、めだ……! 出るっ……!」
堕女神「はむぅっ……! どうか我慢なさらないで……私のお口に、吐き出してください。
……貴方の……苦しいの、私が、飲み干しますから……!」
呆気なく、その時を迎えた。
彼女がぱくりと銜え込んだ亀頭から、放熱するようにそれは迸り、口腔を穢す。
ごぷごぷと垂れ流される精液という名の“膿”は激流のように堕女神の口から喉へ、流れ込む。
ぴったりとモノに貼り付いた唇を窄め、飲み下していく彼女の頭は、小刻みに震えていた。
彼女の口の中、舌とすべすべの歯、頬の粘膜、体温を……上書きするように、吐き出された精液のぬめった温もりが絡みつく。
それなのに、一滴たりとも……こぼれる事は無い。
女神はそう誓約を果たすように、浄めていった。
やがて治まり、モノが硬さを失い始めてようやく堕女神は、ゆっくりと口を離していった。
口の粘膜と舌で、こびりついた精液を拭い去るように。
最後の一滴までも味わうように――――ゆっくりと、唇からモノを離す。
軽い咳払いを一度してから、彼女は言った。
堕女神「……陛下、お具合はいかがでしょうか?」
勇者「ああ……助かった」
堕女神「それは何よりです。……陛下」
勇者「?」
剥ぎ捨てた布団を再び首までかけてくれ、堕女神も再び寝床へ横たわる。
その中で探り、引き寄せられた腕が、彼女の胸の間へ吸い込まれて……二つの柔らかさの中で、鼓動を伝えられた。
堕女神「快癒なされたら……しましょう、ね……?」
いきなりの感冒で潰れた一日。
その終わりは――――彼女の、そんな“お願い”で終わった。
翌朝……起きた時には、もう身体の不調はなくなっていた。
完全にではなくとも、普段とあまり変わらない程度には、熱もだるさも、寒気も薄れていた。
しかし、目が覚めると――――自然、“そこ”は張ってしまっていて。
勇者「…………」
堕女神「お断りします」
勇者「何も言ってない」
堕女神「言わずとも分かります。……日が昇ったばかりですよ? 少し回復されたようで何よりです」
勇者「くっ……」
堕女神「慎んでください。さて……朝食を運んで参ります。それでは」
昨晩とはうって変わって冷たく突き離され、勇者は独りで部屋に残された。
誰もいなくなった部屋で、冷静に今一度自分の体調を確認する。
頭を軽く振っても、頭痛も目眩もしない。
ぼんやりと焦点の狂っていたような視界もなく、額や脇に手を当てても、熱は引いていた。
シーツの端を掴んだり、離したり、色々とまさぐってみても手の触感もおかしくなく、自由だ。
血を吐くまで咳き込んだ喉も、今はもう痛くない。
一晩明けてみれば、昨日の不調がまるで嘘だったように、けろりと治ってしまう。
勇者(大人になると……こういうのは長引かないものなのか?)
釈然としないまま、サイドテーブルの水差しに手を伸ばす。
窓から差し込む朝日と、鳥の声に聴き入りながら、ひとまずは朝の時を過ごした。
その間に朝立ちは収まった。
収まったが……それでも、おかしな半勃起状態より下にはならない。
本日投下分終了です
ではまた明日
今日の分投下始めます
>>56より
*****
そして、変化がまた起きたのは二日後のことだ。
勇者(……眠れない)
大事を取って休まされていた晩になる。
妙に明るい満月の夜で、そのせいなのか妙に体がざわついて眠れない。
似たような事は過去にあっても、こんな胸騒ぎまでは無かった。
それに――――
勇者「くそっ、またか!」
ズキズキと痛むような、酷い昂ぶりが襲った。
二度めになれば慣れはしても、無視はできない。
かれこれ二時間もの間、鎮まる気配がない。
寝ようとしても、寝つけないまま、落ち着かないまま、ただ時だけが過ぎる。
勇者(……仕方ないな、少し……歩いてこよう)
もう、歩いても支障はない。
この城内の沈黙と性欲の昂ぶりは、どうも冬の事件を思い起こさせる。
城に前触れなく現れたインキュバスと、その魔力。
女性を眠らせ、精気を少しずつ吸い取り集める能力だった。
あれと同時に唯一の男だった勇者は妙に昂ぶってやまなかった事もある。
だが――――その杞憂は、すぐに消えた。
何かないか、と思って入った厨房に、サキュバスが起きていたからだ。
サキュバスA「あらら……こんな所で何をしておいでですの?」
勇者「お前こそだ。……何だ、その酒瓶」
サキュバスA「何、と申されても……寝酒としか」
勇者「何だ、お前も眠れないのか?」
サキュバスA「えぇ。お酒もお肌には悪いのでしょうが……眠れぬよりはまし、ですわね」
勇者「……」
サキュバスA「いや。陛下、ご提案がございます」
勇者「え?」
サキュバスA「今から、出かけて……呑みに参りませんこと?」
勇者「今から……?」
サキュバスA「大丈夫、まだ日を跨いだばかり。それに、少し歩きますし……ね? 娑婆の空気を吸いに行くのも、立派な“治療”ですわよ?」
勇者「しかし」
サキュバスA「……陛下。ここは“淫魔の国”です。淫魔の国で、夜遊びをなさらないなんてそちらの方が不謹慎ですのよ」
勇者「…………」
腹は、減っていた。
外に出たいとも、軽く酒を入れたいとも思っていた。
何も断る理由はないし、いつか堕女神に注意された事もあったがあれはあくまで、“独りで出歩くな”という意味合いの事だ…………と、勇者は認識していた。
結局。
――――――断る理由は、なかった。
*****
勇者「すまない、火酒を一本。温野菜と魔界牛のグリル、それとオーク風ソーセージを一皿と……」
サキュバスA「グラスと氷を私の分も追加で。あとは……海老と蛸、海鮮のサラダもありますけれど」
勇者「…………いや、俺はいい。しばらくはいい」
サキュバスA「かしこまりました。まぁ、私は食べますが」
勇者「じゃあ何で訊いたんだ……。とりあえず注文は以上で。請求書は城へ送ってくれ」
給仕「はい。しばらくお待ちくださいね、国王陛下どの?」
勇者「国王陛下はよせよ。今ここにいる俺は、ただの人間だ」
眠れない日に抜け出してここへ来るうちに、彼女らの上に立つ王だというのに、常連になった。
料理の全てが逸品であり、酒もまた人界では呑んだ事もない美酒ばかりだ。
店主も給仕も、務めるのは年経た“狐”が魔族となった、ふさふさの尾を持つ美女だ。
金色とも白色ともつかない、強いて言えば“きつね色”の髪を束ね、尾を生やしているが本数にばらつきがあった。
彼女らはどちらかといえば、雇用関係よりは師弟関係に近いらしい。
サキュバスA「人間界では……ブラッドソーセージと呼ぶのでしたか?」
勇者「だったかな。俺も食べたことはあっちでは一度しかないかな」
サキュバスA「あら、意外ですわね。注文するからには好物かと」
勇者「というか……食べたいと思っても、その地に長くいられなかったからさ」
サキュバスA「“急き立てられた根無し草”のつらい所ですのね」
奥のカウンター席に座って店内を見回すと、思っていたより客は少ない。
冬も終わって屋内に籠もりがちだったラミアも出て歩くようになって、様々な種族でいつもはごった返しているのに。
今、店内にいるのは勇者とサキュバスA、いつもの給仕と料理番、サキュバスが二、三人だけだ。
勇者「俺は、世界中を旅したけど……世界をじっくりと味わう事はできなかったんだな」
サキュバスA「世界は“飲み物”ではなく“美食”でしたのに。……ともあれ、今はまず腰を据えて乾杯としましょうか。“元”勇者の人間どの?」
勇者「ああ。……乾杯」
氷の浮かぶ琥珀色の火酒。
それを充たされたグラスには――――ある魔法がかかっていた。
ガラスに彫り込まれた細工がひとりでに動き、物語を演じている。
サキュバスAのグラスの中では、山羊角の生えた女が木の下で旅人をかどわかす様が、
まるで生きているかのようになめらかに動いて語られている。
“無声劇のグラス”はまた、場面ごとにその細工の色までも変わる。
情熱的な場面では赤く、たとえば哀しみに沈む場面では青くなると聞く。
しかし、悲劇を演じるグラスは存在しない。
喜劇であったり、淫魔におあつらえの場面であったりはしても、酒に哀しみを背負わせる事は、人間も淫魔も同じく嫌っているに違いない。
そして、勇者の掲げ持つグラスの中の世界では……どちらかといえば拙いが味のある絵柄で、
姫君をさらった暴竜へ立ち向かう勇敢な少年の冒険物語が演じられていた。
勇者「……効くな、これは」
一口含むだけで、口の中が焼けるようだ。
強烈な酒精と火を吐くような辛さ、しかしその奥深くにあるのは、深遠な甘さ。
どこか潮の香りのするような味わいは、荒波とともに吹く熱い海風を吸い込むような後味を残した。
氷が解けてゆけば丸くはなるし、少しずつ間を置いて飲めば柔らかくなる。
しかしサキュバスAは乾杯直後で半分ほど空けてしまっていた。
サキュバスA「これは……良い酒を仕入れております。私も飲むのは59年ぶりです。
もっとも、最高の出来栄えだったのは2275年前。あれは当たり年でしたわね」
勇者「……気になっていた事がある」
サキュバスA「何でしょう」
勇者「お前は……妙に、数字に細かいな」
サキュバスA「そうでしょうか?」
勇者「その……気を悪くするかもしれないけど、数万年生きていると、十年単位の時間なんてどうでもいいのかと思ってたんだ」
サキュバスA「あら、そうでもありませんわよ。どれだけの生があったとしても、今この瞬間の長さは皆同じ。
酒が喉を下りるのも、噛み締めた肉汁がほとばしるのも、一瞬。“時間“はすなわち思い出です。
……それに、誕生日を迎えるのも、一年にたったの一度。つまりは……今日」
勇者「え……って事は」
サキュバスA「ええ。私……今日で、20940歳になりましたのよ」
言って、サキュバスAは霜の降りたような海魚の薄切りと葉野菜をまとめて口に運んだ。
どこか得意げで満ち足りたような表情は……いつもの彼女とは違って、不敵さがない。
サキュバスA「……そういう訳ですので、今日の酒代は無料とする訳には」
給仕「いくわけないだろ。二万数回目の誕生日はおめでとうと言ってやるけどさ」
サキュバスA「あら……いけず」
給仕「こっちだって生活があんの。……まぁ、少しぐらいまけてやってもいいよ。八掛けにしてやる」
サキュバスA「それはどうもありがとうございます」
給仕「いいからその分酒でも頼みな、サキュバスさんよ」
サキュバスA「それでは、火酒をもう一本いただきましょうか。もう少しスムーズな口当たりのがあれば、それを。」
給仕「あいよ」
もう一度火酒を含むと、解けた氷で薄まって、だいぶ飲みやすく変わっていた。
しかし喉越しは相変わらず焼かれるようで、胃に下りてからも余韻が残る。
グラスの中の世界は、半ばまで減った火酒の琥珀色を背景に、ドラゴンと“勇者”が戦っている場面に変わっていた。
勇者「誕生日、おめでとう。……すまないな、贈れるものもない」
サキュバスA「ふふっ、お構いなく。陛下と共に過ごせるだけで、私には過ぎたる幸せですもの」
相変わらず――――彼女は本心が見えない。
勇者「そう言われるとな。……ところで、手洗い場は?」
サキュバスA「お酷い。私の言葉があまりに居心地悪いからといって……」
勇者「違う! 飲めば行きたくもなるだろ。それで、どこだ」
サキュバスA「ありませんわよ」
勇者「……はぁ?」
サキュバスA「お手洗いなど、ありません」
勇者「いや、無いはずがない」
サキュバスA「……陛下、サキュバス族がお手洗いに行くはずなんてないでしょう、常識的に考えていただかないと」
勇者「え……、え?」
給仕「……いや、ウソつくなよあんた。陛下、外出て建物を右側に回った離れですからね」
サキュバスA「いきなりボケを潰さなくても良いでしょうに」
給仕「陛下が一瞬本気にしただろ。それで十分じゃないのさ」
サキュバスA「……まさか、本気になさったの?」
――――――何も、言えなかった。
手洗いに立つと……ますます酷くなる。
飲んでいても、話していても、治まりがつかず……むしろ、悪化の一途を辿る。
勇者(……! 何だ、これ……いったい、何時間……!?)
血が引かない。
見てみると、いつにも増して硬く、そして大きく太く変わっていた。
勇者(しかも……何だ、これは)
左手に、奇妙なアザが浮き出ていた。
指の骨をたどるように、黒く太い線が五本。
その縁は紫色に輝いて不気味な光を放っているが、痛くも痒くもなく、他の身体の不調も無い。
収まらない勃起と、左手の紋様。
それが関係ない事とはどうも思えなかった。
勇者(まさか……呪いか?)
勃起のせいでしづらくなっていた排泄を終えて戻ると、サキュバスAが、蕩けた目で迎えた。
サキュバスA「んふっ……。陛下、随分とお時間がかかりましたのね?」
勇者「……大丈夫か?」
サキュバスA「ええ、大丈夫ですわ。……でも……そう、ですわね。陛下の御顔を、もう少し……間近で……」
勇者「どう見ても大丈夫じゃないぞ」
サキュバスA「んふふふ……」
見れば、もう解けてなくなってしまったグラスに直に注いで、原酒のままで傾けていた。
氷を浮かべてさえも喉が焼けるように強い火酒を、直でだ。
勇者「おい、そんな飲み方するなって!」
サキュバスA「え? ……あぁ……すみません、気がつかず……」
勇者「違うって! 俺のに注げとは言って……やめ、こぼれるこぼれるこぼれる!」
サキュバスA「あらぁ……もったいなぁい……」
勇者「口をつけてすするな!」
サキュバスA「んふっ……美味しい」
勇者「……おい、一体何があったんだ?」
給仕「何でしょうねぇ……。こいつ、そんな弱くないのに……こんな量じゃ酔わないはずですよ」
サキュバスA「ひっどぉい……酔って、まぇんって……」
勇者「酔ってる奴はみんなそう言うんだよ!」
給仕「ベタベタな酔い方ですねぇ。水持ってきます?」
勇者「頼む」
サキュバスA「えぇ……? お水なんて飲んだら、酔いが醒めちゃうじゃないですかぁ……」
勇者「醒めろって言ってんだ!」
結局、とっぷりと更けた夜の街を、サキュバスAを背負って城へ帰る事になった。
うなじには酒臭く熱い吐息がかかり、しっとりと湿ったこそばゆさが背筋をその度に走る。
勇者「……何でこうなった?」
サキュバスA「んふふ……申し訳ありませぇん、陛下ぁ……」
勇者「まぁ、いいよ。少しかかるぞ。寒くないか?」
サキュバスA「お優しい……陛、下……」
勇者「ちょっと一杯ぐらいのはずだったのに。どうして……」
サキュバスA「……はしゃいで、しまい……ました」
勇者「え?」
サキュバスA「私、が……貴方と、二人きりで……誕生日、祝杯を、挙げられ……て……嬉しかった、のです……か?」
勇者「……俺に訊くなよ」
背中越しにサキュバスAの体温と、必然として当たる感触が伝わる。
酔い潰れてしまった彼女の声はか細く、どこか健気で……普段の掴みどころのなさは形を潜める。
サキュバスA「……陛、下……ぁ……んふっ……」
勇者「っ!」
後頭部に鼻先をうずめられ、そのままくしゃくしゃと飼っている猫にでもするように嗅がれる。
生暖かく熱い吐息の逃げ場がなく、頭皮が湿るのを感じて背中が粟立った。
サキュバスA「……お風呂……入った方が……良い、ですわ……」
勇者「うるさい悪かったな、病み上がりだ。明日入るよ」
サキュバスA「でも……好き……この、匂い……」
勇者「……ああ、そう」
サキュバスA「……思い出しますわね……。あの日……の……」
勇者「あの日?」
サキュバスA「兵士を……看取った、事が……あって……」
勇者「ちょっと待った……縁起の悪い話じゃないよな」
サキュバスA「……彼、は……まるで、安心して、眠るみたいで……目が覚めたら、何をしようか、っと……考えていた、ような……っ」
勇者「サキュバスA?」
サキュバスA「っ……ぅ…っふう……んっ……」
勇者「大丈夫か?」
サキュバスA「ん、くっ……うぅぅぅ……」
勇者「…………いいさ、拭け」
服の背中が、押し付けられたサキュバスAの顔を通して湿っていくのを感じた。
小刻みに震え、その中にしゃくりあげるような波も混じっていた。
密着した背中からは心臓の鼓動も伝わる。
サキュバスA「陛下……ごめ、なさい……う、うぅっ……もう……」
勇者「……サキュバスA?」
サキュバスA「もう、耐え……られ……」
それはもう嗚咽ではなくなっていた。
もう……間合いに入ってしまっていたと気付き、勇者の顔は青ざめた。
勇者「耐え……? おい、耐えられないって……まさか!」
サキュバスA「んぐっ……うぷっ……」
勇者「待て! 待てコラ! 今下ろすから!」
サキュバスA「…………おえっ」
勇者「待っ」
本日分投下終了です
もう少しアレシーンはお預けだ、悪いな
それではまた明日
どうもこんばんは
それでは投下開始
>>85から
*****
堕女神「おかえりなさいませ、陛下。随分とお元気そう――――うっ……」
勇者「言いたい事は分かる。説明もする。怒られる。だけど、その前に」
堕女神「……浴場ですね。それと彼女も一旦どこかへ寝かせて」
勇者「うん。……とりあえず、部屋まで運ぼう。こいつの部屋は分かる」
堕女神「その間に……お召し替えの準備を致します」
勇者「ああ、頼む」
最も堕女神に見つかる可能性の高いルートを選んだのに勝手口の扉を開けるなり、
そこには凄まじい読みの冴えで待ち伏せ、微笑んでいる堕女神がいて。
しかし用意していた言葉も凍りつかせて、彼女の顔は引きつった。
酔い潰れて勇者の背におぶさるサキュバスA、しかも、その姿は――――。
勇者「……なぁ、俺……一応、ここで一番偉い人だよね?」
堕女神「えぇ、まぁ……はい」
サキュバスAを私室まで送り届け、ベッドに寝かせてから大浴場を目指した。
服から刺すようなものが立ち上って、首回りから鎖骨、服の胸元までがべっとりと濡れる。
旅の途中で“魔法使い”が毒に倒れた時にもこうなった事があるが、流石に酒でこうされた事は一度もない。
脱いだ服を置かれていた籠に入れて、さすがに誰も入る者のいなくなった湯に浸かる――――前に、身体を清める。
手近にあった桶で湯を組み、全身に浴びると、ようやく解き放たれた。
石鹸と香油でいつもより念入りに体を洗い、二度、三度と繰り返す。
サキュバスAにやられた分だけではなく、風呂に入れなかった数日間の分も含めて、
頭髪も泡が立ち、指が入るようになるまで幾度も洗う。
あれだけ火酒を乾したのに、酔いはもうすっかりと抜け……というよりも、一気に醒めさせられた。
勇者(酷い……いくらなんでも、酷すぎる……)
湯船に身を浸しても、まるで気分は晴れなかった。
そして、裸になってみればイヤでも目が行く。
“自分自身”は、酒場に行く前に起きてからずっと、飲んでいる間も、あの目に遭っても、城に帰るべく歩いていても、今も。
ずっと――――滾ったままだった。
勇者(これも……いくらなんでも変だ。普通じゃない)
左手に浮き出た不気味な紋様も、湯の中で奇妙にたゆたっていた。
*****
堕女神「……陛下。私は今どういう気持ちでいるとお思いですか?」
勇者「…………いや、その」
堕女神「安静にしているよう申した筈です。それなのに貴方は抜け出し、酒場に出掛けた。……病み上がりのその御身体で、です」
勇者「……はい」
堕女神「酒場に赴く事は禁じておりませんが、ご自愛下さいと申しました。飲酒はお体に良い事ですか?」
勇者「いえ……」
堕女神「お分かりになられているのなら、何故ですか?」
勇者「……つい。サキュバスAも、無理に俺が誘ったんだ」
堕女神「それともう一つ。今は何時ですか」
勇者「……昼」
堕女神「そう、昼です。もう少々で昼食のお時間です。私から陛下へ苦言を申し上げている最中です。……それなのに、貴方は」
勇者「はい……」
堕女神「なぜ――――“昨日の晩から、ずっと勃起が治まっていない”などというお話を?」
勇者「…………」
堕女神「陛下。私の話を聞いておられますか?」
時刻は翌日、昼の執務室。
机の向こうに堕女神が立ち、じっくりと説教を受けている最中。
一晩明けても、まだ“それ”は……屹立していた。
勇者「本当なんだ、信じてくれ。昨日の晩からずっと……!」
堕女神「……陛下。いくらなんでも苦しいとは思われませんか?」
勇者「違っ……本当だって!」
堕女神「いえ……本当であれば、確かにお苦しいのでしょう。ですが申し上げたように、このようなお話の逸らし方はいくらなんでも……看過いたしかねます」
勇者「そうじゃないって!」
その時、執務室の扉が開く。
サキュバスA「……陛下……」
堕女神「申し訳ございませんが、今は取り込み中です、後に……」
青い肌をことさらに二日酔いで蒼白にさせて、サキュバスAがいつになく疲弊したまま入室してきた。
彼女は、溺れたようによどんだ目のまま、勇者が机に隠していた左手を視線で示す。
サキュバスA「陛下の……言っている事は、本当です……わ」
堕女神「え?」
サキュバスA「陛下、左手を……机の、上に……」
勇者「あ、あぁ……」
謎の紋様の浮いた左手を出し、二人に見えるようにかざす。
それを見ると堕女神は目を丸くして驚き、サキュバスAは、にやりと笑った。
サキュバスA「……極まれに、この国に迷い込んだ人間の男が罹患する、あるタチの悪い風邪がございました。
名前は特に付けられておりませんでしたが……私たちは、単純に“淫魔熱”と呼んでおりました」
堕女神「……それは?」
サキュバスA「一日、二日は咳や熱、頭痛と腹痛といった症状。ところがそれが治まると、後遺症で……“あちら”が滾ったままで決して治まらない。寝ていても起きていても、ずっとです」
勇者「まさか一生このままって事か!?」
サキュバスA「……いえ。治療法はございます」
堕女神「どのような……」
サキュバスA「セックスです」
堕女神「……は?」
サキュバスA「左手の紋様がカウントである事は分かっております。それが消えるまで射精すれば良いのです。
……お疑いのようでしたら、城の書庫に詳しい文献が……」
勇者「え、え……? 放っておくとどうなる?」
サキュバスA「……さぁ。これまでの罹患者は三~五十回で治りましたし。
とりあえず……一度、抜いてみて……紋様の減少を見てみましょうか?」
堕女神「お待ちください、このような場所で……」
サキュバスA「大丈夫。……脱ぐ、必要は……ございません。触れる、必要も」
ほんの少し体調を取り戻したサキュバスAの指先が、妖しい光を放つ。
軽く握っていたその手を、きゅっ、と握り締めた時、光が強まり――――。
勇者「うっ……!」
何の前兆もなくズボンの中で、弾けるように……達してしまった。
堕女神「陛下!?」
勇者「お前、今……! 何した……!?」
サキュバスA「簡単です。因果律を書き換え“射精した”という結果だけを作り出しました。
いわば因果を超えた性技、抵抗は不可能。フォースとともにあれ」
勇者「変な技を使うなって前も言ってる!」
サキュバスA「ちなみにこれもイタズラにしか使えなくて……習得難度だけが高くて。私も使いこなせるようになったのはつい最近の事」
堕女神「それはそれとして……陛下、お手を拝見いたします」
勇者「……見たところ……減ってないな?」
依然として変わらないまま、紋様はその手に残る。
不気味にうねる五本の線に、何も変化はない。
サキュバスA「もう一回、かけましょうか?」
勇者「おい」
堕女神「…………? いえ、変化が……」
堕女神が縦に細い瞳孔を更に絞るように、赤黒の眼で左手の紋様を食い入るように見つめる。
やがて、確かに紋様は変化した。
小指の骨をなぞるような一本線がほどけて、指の骨を刻むように九本の太線になる。
そして、最も指に近い側に……九個の点が更に打たれた。
勇者「……線が九本、点が九。つまり……これは?」
堕女神「線が十の区切りだとして、点は一。つまりは百が、九十九になったのかと」
サキュバスA「……残りの太い紋様は四本。それぞれが百だとすると、あと……四百九十九回射精するまで、
陛下の勃起は治まらないようですわね」
勇者「はぁ!?」
サキュバスA「さすがは陛下……。記録も更新いたしましたわ。つまりまだまだ長く愉しめるという事に」
勇者「ふざけるなよ、あれ……ヒーリング……何とか、で治らないのか!?」
サキュバスA「お試しになるのも構いませんが、たぶん……普通に一回分としてしかカウントされませんよ。
まぁ、別に困るものでもないではありませんか。いつかは全て消費しますわよ」
勇者「困るよ。……動きづらいし、その……用も足しづらい。痛いし……」
吐き出せば少しの間はマシになるとはいえ、単純に行動の邪魔になる。
立っていても座っていても寝ていても邪魔で、何より、気分的に非常に情けないものがある。
サキュバスA「そんな重大にお考えにならないで。ボーナスステージと思って楽しめばよろしいかと」
堕女神「……陛下、ひとまずお休みになって下さい。私はその間に書庫にて調べて参ります。サキュバスA、余計なことをしないように」
サキュバスA「はぁい。……それでは、私もこれで。少し、下町の淫具店等で話を聴いてきましょう。
心配なさらずとも、陛下が絶賛勃起中という事は伏せますので」
勇者「そんな話聞こうとする時点で察される気がするんだけどな……まぁいい、任せた」
今日の分投下終了です
それではまた明日
それでは、投下始めたいと思います
>>105より
*****
勇者「……それで、どうだった? まずサキュバスA」
サキュバスA「はい。かつて魔界、この国に迷い込んでしまった旅人は……だいたい三日ほどで使い果たして治って人間界へ帰りましたし。
……それと、下町で他の治療法が無いかも訊ねたのですが……」
勇者「何かあったか?」
サキュバスA「それが……」
*****
淫具店主「セックスだね。何か買ってく? 触手化ポーションでアレの本数を増やせば一気に削れるよ? 数倍よ、数倍。
あ、精力増強剤いる? 強力すぎて、三分に一回射精しないとタマタマが破裂するけど」
酒場店主「夜伽ね。陛下にいつもご贔屓いただきありがとうと伝えてね。……それと、頑張ってねと。何でしたらうちのお店に来ていただければ一晩で……ふふ」
書店主「あらあら……陛下ったらもう……ふふっ」
書店主娘「……わ、分かりません! 分かりませんから! おち、ん……って……! 知りませんよ!」
ラミア母「……え、こんな時期に? うそ? 陛下って……季節感があまり……」
ラミア子A「ぼっきって何?」
ラミア子B「おちんちんが……硬くなることだったっけ?」
ラミア子A「へー……お母さんの鱗とどっちが硬いのかな? 見に行っていい? ママ」
*****
サキュバスA「……とまぁ、こんな具合に」
勇者「途中から完全に言いふらしてるよな? 言いふらしてるよな??」
サキュバスA「いえ、私からは別に……。陛下の御人徳では?」
勇者「……社会的に抹殺されていってる気がするんだ」
サキュバスA「大丈夫。私を含めて、この国の者は陛下に対して幻滅する事などございませんもの」
勇者「ああ、そう……」
サキュバスA「ちなみに昨晩、通りを見ていた者からちょっと噂が広まって、
陛下と私が繋がりながら歩いていたとか陛下が『待て、まだ耐えろ!』と絶叫していた……とか頭がフットーしかけてたとか」
勇者「もう殺せよ! ちくしょう!」
サキュバスA「大丈夫です、すぐに噂は消えますから。……何でしたら、実際にそうした遊びをしていただいても私は一向に構いません」
勇者「うるさい!」
サキュバスA「何も照れなくとも」
勇者「……で、堕女神の方は」
堕女神「はい、陛下。……城で働く者達にも訊ねましたが……やはり、答えは同じです」
勇者「……はぁ……」
サキュバスA「まぁ、ともかくしてみましょうか。それで……」
堕女神「私が」
サキュバスA「え?」
堕女神「私が引き受けます。……まず、陛下の御身体に何が起こっているのかを調べねば……なりませんから。よろしいですか、陛下?」
勇者「他に方法は、あるのか無いのか分からないんだな」
堕女神「はい。僭越ながら……よろしくお願いいたします」
サキュバスA「結局……する事はやっぱり普段と変わらないじゃありませんの」
勇者「……まぁ、そうなったな」
サキュバスA「……なら、少し……一手間……」
堕女神「サキュバスA? 何か?」
サキュバスA「ああいえ、別に何でも。それでは……今夜はひとまず堕女神様と……」
勇者「……何か企んでないだろうな?」
サキュバスA「いえ、滅相も。それでは、私はこれにて失礼いたします」
*****
それからも、期待はしていても……やはり、治まる事は無かった。
少しだけ大きいサイズのズボンを穿くようにしても、膨れ上がったそれは単純に邪魔でならない。
歩きづらく、用も足しづらく、妙に感覚が鋭敏になり、挙句に、それに追い付くように悶々とした気分まで出てきた。
休んでいても何かしていても、食事をしている時でも、それは去らない。
勇者(……情けない。情けなさすぎる)
歩く時はいつも前かがみでなければならないというのが、その情けなさに拍車をかけた。
勇者「……一日二十回するとしても、二十五日。一ヶ月近くこのままなのか……」
堕女神「一日百回ならたったの五日ですね」
勇者「死んじゃうだろう、それ」
堕女神「ほんの冗談です」
勇者「もしかして、まだ怒ってるか」
堕女神「お体を大事になさってくださいと私は申しました」
勇者「悪かった、本当に」
堕女神「…………反省なさっておいでなら、……お体で、お返しくださいね」
勇者「もしかして、昨晩……部屋に?」
堕女神「何の事なのか分かりかねます」
昨晩、城の裏手の勝手口で出くわした堕女神は――――思えば、髪型も作り、透けるような真新しいドレスを着てはいなかったか。
今になって、その姿が蘇る。
寝室の前まで着いて、抱き寄せながら扉を開けると。
サキュバスC「お? よォ。聞いたぜ? ……って、何だ。テメーもいんのかよ」
ベッドの上に、無作法に寝そべりながら出迎えたのはサキュバスC。
凶鳥のような脚甲を半ばベッドからはみ出させ、サイドテーブルの上に数本の酒瓶を並べ、そのうち一本は彼女の手の中だ。
堕女神はその姿を認めて、靴音高く歩み寄って行った。
堕女神「……何故ここにいるのですか?」
サキュバスC「はァァ? サキュバスの用件なんて一つっきゃねーだろ、胸に二つも詰まってる脳ミソで考えてみやがれ」
堕女神「ご足労痛み入りますが、お引き取り下さい。貴方の出番はございませんので」
サキュバスC「コッチの台詞。テメーこそ帰って寝な」
堕女神「面白い事ばかり仰いますね。たまには真面目な事を喋ってはいかがでしょう?」
サキュバスC「やんのか、コラ」
堕女神「ふむ、ご自分で決められないのですか?」
サキュバスC「……っし。殺るか」
勇者「待て、待て二人とも! サキュバスC、お前は何でここに来たんだ!?」
サキュバスC「さてね。さっきも言ったろ、サキュバスが忍び込んで何がいけねェんだよ」
堕女神「城の寝室に外から忍び込むのは暗殺者でしょう」
サキュバスC「あー、そうさ。ただし死因は腹上死だぜ」
堕女神「……自供により、賊とみなしました。粛清いたします」
勇者「だから、待てって言ってるだろ! 落ち着け!」
サキュバスC「おいおい、“おーさま”よォ。そーんな様子で止めに入っても全然説得力ねェぜ?」
勇者「……俺のせいじゃないのは分かってるんだろ」
サキュバスC「まァね。……そういうワケで、診てやるよ。おねーさんに任せときゃ安心だぜ? 一晩で治してやる」
堕女神「いえ、私が。もう一度言います、お引き取りください」
勇者「……はぁ」
サキュバスC「……よーし、じゃあこうしようや。アタシとお前、どっちが奴から絞り取れるかってのはどうだ?」
堕女神「いけません、そんな……陛下を何と心得ているのですか?」
サキュバスC「審判だよ。それとも何だ、自信ねーか」
堕女神「いいえ。……勝つと分かっている勝負は“いじめ”です。そのような事はしたくありません」
勇者「おい……」
サキュバスC「……奇遇だねェ。アタシも、“いじめ”なんてしたくねェんだけどな?」
堕女神「は?」
サキュバスC「あ?」
勇者「…………」
今日の分、終わりです
いつになく煽っていくスタイルの堕女神を書くのは割と楽しかった
それではまた明日
それでは、始めます
こっちに時間を使いすぎてなろう分の書くのが追いつかなかったマヌケみ……
>>125より
*****
――――どうして、こうなった。
ただそれだけの言葉が幾度も去来し、目の前の光景にかぶさって見えた。
堕女神「日が昇るまでです。いいですね?」
サキュバスC「ああ、いいぜ。……まずはアタシだ」
片や、下着姿の堕女神。
片や、同じく下着のサキュバスC。
二人はそれぞれ、白と黒の……色が反対ながらも、どこか似た意匠のものを身に着けていた。
恐らくは同種の色違い。
上は、レースで飾り立てたもので……サキュバスCも負けてはいないものの、軍配は堕女神に上がる。
下は側面を紐で結ぶタイプのもので、どちらもよく似合う。
特にサキュバスCの方は真鍮の義足が蝋燭の光を照り返し、どこかアンバランスで、背徳的で雅な光を放つようだった。
雪のように白い堕女神の脚線とはまた異なる色気は、この剣呑な寝室で見てすら引き寄せられる。
サキュバスC「うっわ……何だこれ、ガッチガチじゃん。お前、こんなんで一日過ごしたのかよ」
剥き出しにされていた、反り立つモノへまずサキュバスCが指先を触れた。
勇者「っ……」
サキュバスC「相変わらず立派なモン持ってんじゃねーの。……なぁ、どうしたい?
どうして欲しいんだ? 舐めて欲しいか? 手がいいか? それとも……」
サキュバスCは――――いつになく嬉しそうに、蛇の囁くように問い詰めてくる。
指先は屹立をなぞり、身を乗り出すように覗き込んできて。
透明に近い水色の瞳は、淫魔そのものの魔力を宿していた。
堕女神「……陛下」
左手側、顔のすぐ近くでもう一つの声がした。
そちらへ顔を向けると、顎に、堕女神の指先が触れて、優しく引き寄せられる。
目を閉じた彼女の顔が近づき、唇が重ねられた。
堕女神「んっ……は、ふっ……っ!」
柔らかくほのかに湿った唇は、いつにもまして天上の味がした。
更に、彼女の方から舌を差し伸ばしてくるのが分かると、口の中で迎え入れ、もつれ合わせた。
舌をなぞり、唇を擦り合わせると彼女の身体がぴくぴくと跳ねる。
堕女神は特に唇の感覚が鋭敏で……時には、それだけで達してしまう事すらあった。
サキュバスC「……オイ、アタシの番だって……言ってたよな?」
堕女神「ん、ちゅっ……。ええ、ご自由にどうぞ。私はこちらで自由にしますので、お構いなく」
サキュバスC「そうかよ。……じゃ、こっちだって遠慮しねェぞ」
面白くなさそうな表情は、すぐに露悪的なものへ変わる。
サキュバスCは息を深く吸い込むと――――そのままの勢いで、屹立したモノを喉の深くまで銜え込んだ。
勇者「くぁっ……!」
前触れもなく飲み込まれた、獲物だった。
何が起こったのか分からないまま、背筋を快感が走り抜けて――――堕女神とのキスから離れ、悶える。
唾液の糸が繋がりながら、天蓋を仰ぐ。
やがて視界を戻せば、そこには――――
サキュバスC「ん、ふっ……ろーあ? ひもひ、いいらろ?」
してやったり、といった表情で、銜えたまま上目遣いに見つめていた。
無作法にも“口の中に食べ物が入ったまま”喋る様子は、彼女の性格をそのまま表すようだ。
堕女神はそれを見て一瞬眉を顰め、気を取り直したように首筋を甘噛みしてくる。
痛いとも痒いともつかない奇妙なこそばゆさが薄い首の皮膚から伝わり、またしても背筋が震えた。
加えて彼女の手は頭を抱きかかえるように回され、右の耳介をこりこりと按摩するように指先を遊ばせてきた。
その指先には、ぬめりと――――微かな花の香りが漂う。
堕女神「……香油を持って参りましたので、御耳のマッサージでもいたしましょうか。お暇でしょう、し」
たっぷりと含みを持たせたまま、堕女神は言って……香油をまとった手で、右の耳を優しく解きほぐしてくれる。
触れてはいても、羽衣が触れるような絶妙な力の具合で。
たおやかな指先に耳たぶをなぞられ、軟骨を優しくほぐすようにこりこりと揉まれ、
耳元でぬめる香油の水音が心地よく眠気さえ誘う。
反対側の左耳は彼女の舌が這わされ、耳朶を唇で挟まれ、吸われ、
そして耳孔に向けて堕女神の細い息が吹きかけられた。
勇者「んっ……あっ……堕……」
――――耳は、五感の内の一つを担う。
湿る粘膜を持つ目や鼻、唇と違って乾いたままで振動と空気の流れを拾って、感覚へと変える器官だ。
音は人のみならず獣や虫にとってすら貴重な情報であり、それを届ける敏感さは言うまでもない。
堕女神の指が蠢くたびに、身体の奥に滓のように残っていた疲れも、気だるさも、溶けていく。
脳の奥までとろんと蕩けさせるような、耳への愛撫。
負けじと繰り出される、モノへのサキュバスCの舌と唇。
サキュバスC「んぶっ……く、ふっ……! お、ら……! いへっ……いっひあえ、ぉ……!」
殊更に音を立てるような、下品な口淫。
啜り込むような高い水音は、堕女神に溶かされている耳にそれでも飛び込んで来る。
ただただ無遠慮に、行儀悪くしゃぶるような口淫は、慈しむような堕女神のそれとも、
弄ぶようなサキュバスAとも、献身的なサキュバスBとも違う。
がぽ、がぽ、と間の抜けた音が響き、口を放すたびに、唇が置いてけぼりをくらって引っ張られ、ほんの一瞬だけすぼめたような顔になる。
いつも強気で底意地の悪い顔をしているサキュバスCは、それを止めればどこか頼りなく倦んだ美形に変わる。
それが、荒々しいフェラで崩れていくのはどこか退廃的で――――彼女の身に着ける、黒いレースの下着とも絶妙に噛み合った。
振り乱される銀髪が彼女の目にかかり、目元の表情が見えなくなるのもまた、それに拍車をかけた。
堕女神「んちゅっ……。どう、ですか? ……ふー……」
風を受けたような音がして、耳の奥に“女神”の吐息が吹きかけられた。
身体が粟立つようにぞくぞくとした快感は、ほんの一瞬、魂が抜け出てしまったと思うほどだ。
サキュバスCが根元まで銜え込むのとそれは同時で――――決定打がどちらであったのかは、分からない。
分からないまま、達してしまう。
勇者「っぐっ、うぅぅぅ! あっ……!」
全てを振り払うようにびくびくと身体を震わせて、サキュバスCの口の中へ、いつ果てるとも分からない長い射精が撃ち込まれた。
彼女は、幾度もえずきながら喉を鳴らして、勝利の美酒を嗜むように、にやにやとした上目遣いのまま、飲み込んでいった。
やがて――――射精の波が終わると彼女は口を放し、拭い、舌で口の周りをぺろりと舐め上げてから、八重歯を覗かせながら訊ねた。
サキュバスC「へっ。……まずアタシに一点だな?」
堕女神「いえ。――――私に入りました」
サキュバスC「あぁ!? フザけてんのか、てめェ!」
堕女神「私です。……ですよね、陛下?」
サキュバスC「いや、アタシだ! アタシの方が良かっただろ!?」
堕女神「陛下、ご決断を」
詰め寄ってくる二人を見て……虚脱感の余韻は、もう消えてなくなってしまった。
今日の分終了です
ではまた明日
乙
やっぱりこっちに時間食われてたか
>>151
時間もそうだけど集中力も……。
こっちやろうとすればあっち気になり、あっちしようとすればこっち気になり
中途半端はイカンです
それでは今夜も始めます
>>145より
そして、今度は。
堕女神「……それでは、陛下。私がお務め致します」
ほんの数分ほどの小休止の後、堕女神が下着を脱ぎ捨て裸身となって、身を晒した。
今夜は二人きりでなく人目があり、しかもそれが……反りの合わない、サキュバスCのものだ。
自然、彼女は身構えてしまう。
が――――突き刺さる視線の性格は、はたから見ていても違った。
堕女神「……何ですか?」
サキュバスC「あ? え、アタシ……か? いや、別に……何も」
毒気は無かった。
それどころか、違う意味での生ぬるさを伴った、しかし悪くしたものではない視線だ。
サキュバスCは見とれてしまった事を不覚に思うように顔を背け、目頭を押さえた。
ベッドに寝そべったまま、先ほどのサキュバスCの野生的な口淫と堕女神の耳への繊細な愛撫の余韻をかき集めて浸っているも、
硬さはまだ失われていない。
それどころか、ますます高まってしまい……硬度も、大きさも、むしろ増した。
堕女神「それ、では……私が……吐き出させて、差し上げますね」
影の衣のような艶めく黒髪をなびかせ、堕女神は膝立ちのまま“入り口”にあてがい、少しずつ――――腰を下ろした。
堕女神「んはぁ、あぁぁぁっ……! か、硬……い……!」
蜜に濡れていた秘部は、何の抵抗もなく、いつものようにそれを迎え入れた。
無数の濡れた肉の粒が一つ一つ、まるで意思を持つ生き物のように、“侵入者”を撫でる。
しかも今夜は淫魔の熱病の余韻か、感覚が鋭い。
屹立にまとわりつく肉のうねり、伝わる彼女の脈拍、そのひとつひとつまでも数え上げられてしまいそうなほどだ。
堕女神「んっ……ふふっ。私の、中……きっと……貴方の、形に……されてしまって、ますね。
もう、貴方だけの……もの、ですよ」
彼女が、そんな蠱惑的で熱っぽい事を口にするのは、もしかすると……“観客”への対抗意識がそうさせたのかもしれない。
ずぶっ、ずぶっ、と呑み込んでいく秘部はみっちりと隙間なく埋まって、広げられた膣口の肉は紙のように薄くなり、
引けば裂けてしまいかねないほどに見えた。
かすかに立ち、覗かせているクリトリスの色は……巻貝の中でつくられた桃色の真珠を思い出すように艶美を醸し出している。
堕女神「あ、んっ……! だ、駄目…… もう、まだ……そんな、イ……!」
まだ、七割。
残り三割がまだ入り切っていない状態のまま――――彼女は、早くも迎えかけていた。
括約筋が収縮を繰り返して、きゅっ、と締め付けてくる感覚が……少しずつ、速まる。
堕女神「……! す、すみません……陛下……少し、だけ……落ち着かせて、くださ……」
サキュバスC「いや、そんな必要はねーな」
勇者「お前……何する、つもり……!」
サキュバスC「いいから、アタシに合わせな。さもなきゃ、折れちまうぞ。いいな? 3、2、――1、っと!」
堕女神「え!? 何、し――――きゃぁっ!?」
サキュバスCの合図に合わせて……慌てて、後ろへ引き倒された堕女神を追うように身を起こした。
そうされた彼女は、サキュバスCの胸に背中を預けるように寝かされ、それを正常位に近い姿勢で見下ろす事になった。
堕女神「……サキュバスC、何のおつもりですか?」
サキュバスC「なに……手伝ってやるよ。いや、邪魔された分のお返しかな?」
後ろから堕女神を抱きかかえたまま、サキュバスCの手は、ふたつの果実へ伸びる。
堕女神「っ! な、何するん、です……あふぁっ……」
サキュバスC「うっわ……何だ、この重さ……ヤッベ……肩凝んねーのかよ? 足元とか見えねーだろ、こんなの……」
堕女神「や、め……!」
サキュバスC「スゲ……指埋まってんぞ。しかも、何だ……手に吸い付いてきて、離れね……やべェぞ、これ……」
まるで未知の物に触れるような、しかし見定めるような様子でサキュバスCは無防備な堕女神の乳房を揉みしだく。
口にするのは――――直接言えはしなかったが、勇者が思い浮かべていたものとほぼ同じだ。
それが無遠慮な彼女の口から、感心したように次々と放たれる。
耳のすぐ近くで、笑われるでもなく客観的に言われていく事で……堕女神の肌は紅潮していく。
堕女神「やだ、み、見ないで……見ないで、ください……陛下……!」
かぶりを振って、どうにか片手で顔を隠そうとするも、おぼつかない。
ちっとも顔を隠せないまま、更にサキュバスCの検分は続く。
サキュバスC「……ん、何だこれ? 右のデカパイの下……? こんなトコにあんのかよ。絶対見えねーだろ……」
サキュバスCは、目ざとく――――否、手ざとくそれを見つけ出す。
堕女神の右の乳房、その下。
脱いでいてさえ決して見えない、肌との境目に小さなほくろはある。
堕女神と勇者だけが知っていた、彼女の小さな秘密だ。
堕女神「や、ぁ……言わないで……言わないで、くださ……」
話を逸らしてやろうとして――――残っていたモノの三割、いや衝撃で少し抜けた分の四割までを収めていく。
組み敷かれ、後ろから好き放題に乳房を揉まれたままの堕女神へ、介錯するように突き刺す。
堕女神「あぁぁっ! 陛、下……だめ、そんな……深いっ……ひゃぁぁ!」
サキュバスC「ははっ。元気だな、ほら、もっといい声で啼いてやれよ。ほら」
ぐにぐにと好き勝手に柔肉を揉まれる中、、サキュバスCの両人差し指の尖った爪が、乳房の突端――――乳首に触れる。
つんつんと触れるたびに彼女の身体は小さく震えて、それがまたサキュバスCの嗜虐心に火をつけた。
サキュバスC「オイオイ、随分やらしーなァ? これじゃ……アタシらサキュバスの立場がねェだろ」
堕女神「や、めっ、て……! ちく、び……そんな……刺さ、ない……で……!」
サキュバスC「ほらほら、集中しろよ、“おーさま”。さっさと出しちまえ。じゃなきゃ、アタシもやめてやんねーぞ?」
勇者「……楽しそうだな、お前っ……うくっ!」
サキュバスCがそうする度に、締まりが強まる。
腰は動かせても、快感が高まり過ぎてほぼ何もできない。
抜けかけた腰に任せてぎこちなく動く事しかできないまま、ついに――――。
堕女神「きゃふ、あぁぁっ! 熱っ……こんな、いっぱ……い……っ!!」
十数回の脈動を終えてなおもやまない射精が、堕女神の中を焼いた。
どろどろに煮え立ち、行き場を失った精液は……押し出されるように、子宮口を通って彼女の中へ絞り込まれていった。
今日の分はこれで終いです
明日もまた会いましょう
それでは今夜も
>>163より
サキュバスC「さぁて、出した出した。ゆっくり寝てな。次はアタシの番だな」
意識は残っていても、脱力してしまった堕女神を横目で見て、サキュバスCは彼女を寝かせてゆっくりとベッドの上を這ってくる。
勇者「お前、あまり無茶な事するなよ」
サキュバスC「あれぐらい、全然ムチャじゃねェだろ?しかし、お前……毎日あんなの揉んでんのかよ。どんだけ贅沢だ。でも、まぁ……」
間を置いて、サキュバスCの右手がこちらの胸板の上に置かれた。
左手は隠すように後ろへ回され、留め金を外した下着がぱさり、と落ちて、その下にある蒼い乳房が晒された。
サキュバスC「……アタシだって、負けてるつもりはねェよ」
言葉通り――――彼女のそれもまた、充分にたわわに実っている。
あまり胸を見せる服装をせず着痩せするから、隠れて見えるというだけ。
微かに内側に沈んだ乳首は、肌の蒼さに際立たせられる濃い桃色。
沈んでいても、その中で……硬くなっているという事は、伺い知れた。
サキュバスC「それにしても、スッゲェな。二回も出してんのに、全然柔くならないじゃん。まだまだタップリ愉しめるなァ、おい?」
勇者「……これは、お前が呪いをかけたって事は無いだろうな」
サキュバスC「アタシが? こんな便利な事できるんならもっと早くやってるよ」
勇者「するなよ」
サキュバスC「カタい事言うなって。さ、何する? 邪魔は入らねーし、もう一回口でしてやろうか?
それとも……こっちで、絞って欲しいか? 何でもしてやるぜ? ククッ」
勇者「あ……」
サキュバスC「あ?」
その時、先ほどとは逆を辿るように雌猫のようにのしかかりかけていたサキュバスCの身体が後ろへ引かれ、
不思議なほど抵抗がないまま、仰向けに倒れた。
ベッドに投げ出された衝撃で乳房がぶるん、と揺れて――――肺から空気が吐き出される苦し気な吐息が聴こえた。
サキュバスC「くはっ……何、だよ……!」
堕女神「先ほどはどうもありがとうございます。今度は……私が貴女を啼かせて差し上げます」
仰向けのサキュバスCのすぐ隣に、堕女神が見守るようにぺたりと座っていた。
とうに息を整えた彼女は、左手を閃かせて……サキュバスCの最後に身に着けていた下着の紐を解き、するりと抜き取って見せた。
サキュバスC「ばっ、か、返せよテメェ!」
堕女神「勿論です。明日までお待ちください。きちんと洗って乾して、アイロンをかけてからお返ししますので。どうかご遠慮なさらぬよう、“お客様”」
そっと両鎖骨の間へ堕女神が手を添えているだけなのに、サキュバスCは起き上がれない。
されるがままにされている風でも無いのに、その証左にシーツが引き裂けるほど強く、両手を握り締めているのにだ。
起き上がり、跳ねのける事を体が拒んでいる。
羞恥と怒りに血走った眼をしていて――――なおも。
堕女神「……獣は、繋がなければなりませんね」
短く、諳んじるような詠唱の後――――サキュバスCの手首と足首に、ぼんやりと灯る光の環が現れる。
サキュバスC「ンだ、よ……これっ! 離せ! 離せっつってんだ!」
口ではそう言えても、彼女の身体は違う。
シーツを握り締めていた手も、突き立てていた義足のつま先も、弛緩したようにだらりと開いて
上腕にも大腿にも力が感じられず、胴体と首から上にしか神経が伴っていないかのようだった。
堕女神「怠いでしょう。ご心配なく。終われば、術は解いて差し上げますので……」
恐ろしくも思えるような微笑みとともに、彼女がサキュバスCの左の内腿を指先でなぞると――――
サキュバスC「ひあぁんっ!」
鼻にかかった喘ぎが漏れて、胴と頭だけが震えた。
堕女神「運動機能を奪った分、感覚は高まっているはずです。さて……言ったでしょう、啼かせて差し上げます、と。さぁ、陛下」
サキュバスC「クソ、ふざけんな……! やめ、やめだ! アタシに……触んなっ!」
サキュバスCの、必死に訴えかけるような視線は……こちらのモノに向けられている。
かろうじて動く頭だけが、それを捉える。
光の枷で力を奪われた彼女は、ベッドシーツを握り締める事もできず、堕女神の華奢な体を押しのける事もできはしない。
堕女神「……陛下。待ちきれない御様子ですよ?」
堕女神が指先でサキュバスCのそこを左右に開くと――――またしても、彼女の身体が震えた。
食いしばった歯から漏れる吐息は荒く、猫の威嚇に似た声が聴こえる。
サキュバスC「やめ、ろよ……! 挿れんな、挿れたら、殺すぞ……!」
堕女神「……どうか遠慮なさらず。陛下も、貴女も。ほら――――」
手招きされるがまま、鈴口をサキュバスCのそこへ触れさせる。
肉の入り口へ触れるだけでサキュバスCの身体はぎくり、と跳ねて……自由の利く背筋が大きく反れる。
サキュバスC「うああぁぁぁぁっ! やめろ、やめろ、テメェ! やめ――――」
言葉とは裏腹に、とろとろに濡れたそこへ――――何に遠慮する事も無く、堕女神に告げられたように一気に刺し貫く。
ぬめるように脈動していた秘部は、抵抗もなく……根元まで飲み込んでしまう。
再びサキュバスCの背筋が強張り目を見開き、酸素を一瞬で奥まで吸い込んだ後。
サキュバスC「き、ひっ……あぁぁぁぁあ! やあぁぁぁぁぁ!!」
びりびりと肌まで震えるような嬌声。
裏返った高い声での快楽の鳴き声に――――思わず堕女神も一瞬顔をしかめ、次いでにまりと笑った。
堕女神「――――貴女も、良い声で啼きますね。まだ……私の仕返しは終わっておりませんよ?」
軽い絶頂の中にいるサキュバスCを、更に遠くへ連れ去るように抽挿を続ける。
突くたびに彼女の身体は震え、足をばたつかせる事も、手をこちらへ回す事もできないままのサキュバスCをひたすら苛む。
ぎくぎくと揺れて、背が砕けそうなほど反れるたびに乳房が震える。
高まり過ぎた彼女が上げているのはまるで――――断末摩だ。
サキュバスC「あっ、が、がぁ……! いっ、や、やめ……壊、れる……! 死ぬっ……! やめ、ろ、よぉ……!」
堕女神「貴方が、“お願いします”と言えばすぐに術は解きますが」
サキュバスC「ふざ、けん……んあぁぁ! そこ、擦る……なっ……!」
ぎちぎちに締め上げられる感覚と、溶けるような弛緩、その落差が肉棒を苛む。
締め上げられたかと思えば、蜜を湛えた内側が緩み、蠕動するように開く。
子供が乳を吸うような動作で、サキュバスCの中で自分自身が絞られる。
彼女は力の入らない脚をだらしなく広げて、磔のカエルのようにだらしなく秘部をさらけ出す。
堕女神はさらに、彼女の両手首を頭の上まで引っ張り上げ、そこで片手を使って押さえ込み――――必要のない羞恥まで与えていた。
サキュバスC「離せっ……離せ、ってば……ぁ……!」
堕女神「貴女は離してくれなかったでしょう。……そうそう、返しといえば……こちらもですね?」
堕女神の手が次に伸びたのは、されるがままの彼女の乳房。
片方に、ゆっくりと唇を寄せ……先ほど勇者にそうしたように、息を吹きかける。
サキュバスC「うひゃっ!? や、まさか……テメ……」
堕女神「ご心配なさらず。――――きっちりと、両方ともお返しいたします」
そう言って堕女神はゆっくりと口を開く。
そして――――サキュバスCの左の乳首を、含んで歯を立てた。
サキュバスC「んああぁぁっ! やだ、やめろよぉ! やめ……きゃあぁぁぁ!」
勇者「っ……お前、そんな声出るのか?」
絹を裂くような――――と言える、高く可愛らしい叫びが上がる。
それにも構わず、堕女神は口の中で、サキュバスCの乳首を吸い込み、引き出す。
顔を出したそれには軽く歯を立て、先端に舌先をねじ込み、穿るように蠢かせる。
そうする度にサキュバスCの顔は上気し、拒絶の声は減っていく。
サキュバスC「あっ……あ、くぅぅっ……や、だぁ……吸う、なっ……て……」
途中からは、勇者もそれに加わる。
空いた片方の乳首に吸いつき、前歯と舌で責め苛む。
もう、揚げられた魚のようなばたつきもない。
甘い声と、彼女の双球を舐る卑猥な水音が寝室へ響き渡る。
サキュバスC「ひっ、くっ、うぅぅぅ……なんで、だよぉ……なんでやめて、くれないんだよぉ……っ やめ、て、よぉ……!」
抽挿、愛撫、繰り返す内に――――とうとう彼女は、根を上げ、泣きを入れた。
それを見て堕女神は一瞬だけ勝ち誇った顔を浮かべたものの……すぐに、曇った。
堕女神「そろそろ……陛下。出されては?」
勇者「あぁ、そうだな」
――――気の毒になってきてしまった。
謂れのない罪悪感がこみ上げてきてしまい――萎えかける。
ならば、さっさと終わらせてやらねばならない。
抽挿のスピードを上げて、サキュバスCの肉の襞を削る。
サキュバスC「んっ、あ、あっぅ……は、早く……早く、出せ……よぉ……!」
勇者「だから、今……って……っ!」
三度めの射精。
それなのに、長さも、量もまるで減る様子が無い。
どくどく、と流し込まれて行く精液にサキュバスCは震えるが、しかし反応は鈍い。
反応するだけの体力が、もう無いのだろう。
射精が終わり、引き抜くと同時に――――堕女神は、彼女にかけた魔力の枷を解いた。
堕女神「……休憩にしましょうか」
今日の分終了です
それではまた明日
途中でおーぷんの全然関係ないスレに誤投下しかけたのはないしょだぞ
こんばんは
ぼちぼち今日も始めましょうか
*****
サキュバスC「……オイ」
堕女神「……はい」
サキュバスC「冷静に考えると、だ。アタシらは何やってたんだ?」
堕女神「さぁ……」
サキュバスC「趣旨がだんだんズレていってたよな?」
堕女神「同感です」
サキュバスC「“邪魔しあいっこ”だったよな」
堕女神「不毛でしたね」
勇者「今さら……」
サキュバスC「オメーも止めろよ」
勇者「さんざん止めただろ! 何聞いてたんだ!!」
サキュバスCの持参した酒で喉を潤し、ほんのつかの間の休憩を過ごす。
勇者はベッドの枕側で壁に背を預けて座り、堕女神は傍らで杯を持つ。
サキュバスCは独りだけ背中を向けてベッドの縁に腰かけ、ばつの悪さを誤魔化すように酒瓶から直に仰いでいた。
そして、三人とも、裸のまま。
サキュバスC「邪魔しっこはナシにしようぜ。キリがねぇ」
堕女神「そうしましょうか。恨み合いも無しという事に」
勇者(……戦いを通じて、戦いの空しさを知る?)
堕女神「……それで、陛下。最初の御射精は……どちらが心地良かったのですか?」
サキュバスC「アタシだろ」
堕女神「貴女には訊いていません」
勇者(……あ、終わってないんだ)
サキュバスC「まぁ、最初は引き分けにしといてやってもいいぜ、アタシは。んで、次は……お前か?」
堕女神「ですね。……それでは、陛下。お手柔らかに」
勇者「あ、あぁ……頼む」
サキュバスC「おい。コレ旨ェぞ、飲んでみろよ」
勇者「……? あぁ、貰う」
渡された酒瓶に口をつけ、傾けると――――それは、随分と甘い果実酒だった。
そして、サキュバスCは薄笑いを浮かべながら堕女神へ言う。
サキュバスC「おい、堕女神」
堕女神「はい?」
サキュバスC「――――間接キス」
瞬間、酒を噴き出してしまうと同時にまたも、二人の間に何かが燃え盛るのが分かる。
咽てしまい、全てを吐き出す前に……顔を両手で引き寄せられ、ぐっと固定され――――唇を塞がれ、口の中に直にワインを注ぎこまれる。
堕女神の口の中で暖められたワインの味はほんの少し、丸みを帯びていた。
堕女神「何か、今言いましたか?」
サキュバスC「……どんだけ負けず嫌いだ、お前?」
堕女神「いえ、別に。さ、陛下。ベッドに仰向けになってください。私が……お務めいたします」
酒瓶を置くと、中断されていた“夜”を続ける合図となった。
堕女神がもう一度上に跨り、サキュバスCは横へ寝そべり、勇者の頭を抱え込むように、胸の中に沈め、挟み込む。
サキュバスC「へへっ……。どうした? アタシの胸、吸いたいんじゃなかったのか? 遠慮してんなよ、オラ」
まだ――――夜明けまでは、遠い。
*****
朝、目が覚めた勇者はまず左手の紋章を顔の前まで上げて、星の減り方を見た。
勇者「……三十一回」
昨晩だけで、三十一回。
こんな回数を重ねたのは、もしかすると過去にもあったかもしれないが……数字で数えたのは、初めてだ。
勇者「こんなの、身体が……もたない……」
身体のふしぶしが痛み、それでも“そこ”だけは直立したままだ。
身を起こす事さえも億劫になり、ふと左右を交互に見渡せば――――誰もいない。
サキュバスB「陛下、おはよーございます! 入ってますよ!」
勇者「入る前に言え」
しゃっ、と窓にかけられたカーテンを開けつつ、朗々と言ってのけたサキュバスBへ抗議するも、聞き入れられるはずもない。
サキュバスB「だってお返事なかったんですもん。昨日は、いっぱいして疲れたんですね?」
勇者「……そうだけど」
サキュバスB「それで、結局何回したんです?」
勇者「三十一回。二十回めぐらいで意識が朦朧としてきた……と思う」
サキュバスB「そんなに!? どおりで美味しそうな匂いがしてるんですね、このお部屋」
勇者「まだ四百回以上ある。触手化ポーションでペースを上げて……いや、体力の消費も数倍になるのか」
サキュバスB「マジメですねー。もっと楽しめばいいじゃないですか、いっぱいできるんですから。あ、それとも“おめざ”のえっちします? 五回ぐらい」
勇者「トドメ刺しに来たのか?」
サキュバスB「……すごく疲れてます?」
勇者「これまでになく」
サキュバスB「そんな陛下の為にです。わたし、久々に……“あれ”しちゃいに来ました」
勇者「あれ? ……いや、でも」
サキュバスB「陛下、身体つらくて起きれないんじゃないですか? わたしの必殺技で、疲れなんてやっつけちゃいますよ。さ、早く」
そう言うと、サキュバスBは返事も待たずベッドの上に這い寄り、黄金の眼をきらきらと輝かせて、屈託ない笑顔で、“それ”へ顔を近づけていく。
サキュバスB「必殺、“ヒーリング☆フェラ”、いっちゃいますね。ついでに……いただきます、ね」
勇者「どっちが目的なんだ……う」
サキュバスB「んっふっふ。そんなのぉ……両方ですよ、両方」
今日の分、終了です
それでは続きはまた明日
こんばんは
30分後ほどに投下開始したいと思います
サキュB場面なんて全然予定してなかったんだが、これもまた醍醐味ですね
では開始
>>194より
起き上がる事すら億劫な勇者の目の前に、小ぶりな桃尻が突き出される。
サキュバスB「ふふっ。陛下ってば、わたしのお尻……好きなんですよねー?」
声は、下半身の方から。
互い違いに覆いかぶさるように、サキュバスBは上からモノを見下ろして、跨るように勇者の顔の前に尻を差し出していた。
彼女が今朝着ていたのは、見慣れない形状の衣服だ。
上から下まで一枚成型され、伸縮する布のようなもので胸から股間までを包むそれはつるりとした質感と光沢を放ち、
淡いピンク色が蒼い肌とよく映えていた。
肌にぴったりと張り付く素材は乳房をくっきりと浮き立たせ、
足ぐりが腰まで切り込まれた扇情的な構造は、サキュバスBの小柄ながらも細くしなやかな脚線をさらに輝かせる。
そんな踊り子の衣装のようなデザインなのに、どこか活発な、
肢体の艶めかしさよりは身体の動き、ラインを際立たせる運動着のようにも見受けられた。
かつてカーニバルで見かけた軽業の芸人が似たものを着ていたが、露出度は遥かに高い。
見慣れない素材、見慣れない肌着をまとった彼女の小さな尻が今、目前にある。
臀部の谷間に股布が食い込み、隠そうともされないそこから、さながら南方のフルーツのように甘酸っぱい香りを振り撒く。
淫魔の放つものとは思えないほど爽やかでも、魅了するのは紛れもなくフェロモンそのものだ。
サキュバスB「触りたいですか? でも、まだダメですよー。先に、癒しちゃいますからね?」
言われなくても、そこまで器用に手は動かせない。
少し動かすだけでも倦怠感が酷く、そうする体力もない。
それを知ってか知らずか、サキュバスBは眼前で小さなヒップを振り立てながら、未だなお屹立するそれに口を寄せた。
サキュバスB「えへへっ。……Aちゃんの言ってたとおりだ。弱ってる陛下って、すっごくカワイイんですね」
その時とは意味合いが違う。
しかし、そんな事は些細なものだと言うように、幼気な淫魔は、唇を亀頭へ乗せた。
勇者「……っ!」
罅割れ一つない、暖かな唇での口づけ。
それは、依然として高まっているペニスには、少し刺激が強い。
思わず、たったそれだけの事でびくりと震えて、情けなく鈴口が開くのが分かる。
サキュバスB「あれ、もう“おつゆ”が出てきちゃいましたね? 待ちきれないよーって言ってますね、陛下のおちんちん」
勇者「仕方、ないだろ……! 朝から……そん、な……」
サキュバスB「それじゃ、いただきまーす。……はむっ」
再び、唇を被せられて……そのまま小さな口を割り開き、飲み込まれて行くのが分かる。
ずる、ずる、と半ばまでがサキュバスBの口内へ侵入し、咽頭に差し掛かる寸前で止まる。
行き場を失った舌がペニスの上側に這わされ、すぼめられた頬の粘膜の感触が冷たい。
そして――――“魔法”が、かかる。
勇者(んっ、ぐっ、……あ……!)
似た表現を探すのなら、旅の中で見つけた安らぎの泉に浸かった時が最も近い。
マナの祝福を受けて湧き出た暖かな泉は、そこに肌を浸すだけで、体力・魔力を限界まで回復し、疲労感を消し飛ばせた。
そればかりか充実感まで沸き起こり、気力も回復し……全ての悪い感情を忘れる事すらできた。
それほどの安らぎが、今ある。
身体に圧し掛かっていた疲労感は、サキュバスBとの繋がりの部分から吸い出されていく。
関節の痛みも和らぎ、肩の凝りも、首の痛みも淡雪のように消え去る。
堕女神とサキュバスCの間に散っていたものによる心労も、忘れられた。
サキュバスB「んぐっ……! ぶ、ふぇうぅ……はふっ……」
ごく、ごく、と喉を鳴らすサキュバスBは、苦しげに呻きながらも、モノから口を離す意思はない。
全てを飲み込み、吸い出し、癒すようにして……彼女は、“治療”を続ける。
腕にかかっていただるさは消えた。
これまでに無いほど、身体が軽い。
干乾びかけていた身体に、再び生気が戻ってくるのが実感できる。
やがて、治療、搾精の二つを兼ねた口淫が終わる。
サキュバスB「ん、……けぷっ。陛下、どうですか? お体、治っちゃいましたか?」
口の端から垂れた精液の雫を、いたずらっぽくぺろりと舐め取りながら、サキュバスBは振り向いて訊ねた。
サキュバスB「えへへへ。それじゃ……もうちょっとだけ、しちゃいましょっか?」
勇者「最初から、それが目的で……んぐっ!?」
サキュバスB「違いまーす。だって、陛下が……したそうなんですもんね」
勇者「っ、ん、ぶ……」
奇妙な肌着を着けたままの尻が下ろされて――文字通り、顔を尻に敷かれた。
吸い込めば甘酸っぱさが肺の奥まで薫り、南国の花園にいるような錯覚にまで囚われた。
顔を押し潰すような事無い、絶妙な塩梅での騎乗。
まるで綿のような軽さと、酸い果実の匂いと、艶めかしい体温、悪戯な腰の振り。
それらが渾然一体となって、一瞬にして術中に落とされた。
サキュバスB「わたしのお尻で……陛下のこと、窒息させちゃうぞー?」
鼻の先が、肌着の股布をなぞる度に……“果汁”が沁み出してくるのが分かる。
蒼とピンク、淫魔の肌と下着の為すその世界に、視界が埋まる。
つるつるとした薄布一枚を隔てて、サキュバスBの秘部から匂いと蜜とが下りてくる。
吸い込めば吸い込むほど正気を蝕まれると分かっているのに、そこから呼吸するしかない。
逃げ場のない淫魔の媚香がぐりぐりとすり込まれ――――息苦しさと相まって、遠くへ連れて行かれるような感覚だった。
サキュバスB「きゃっ!?」
勇者(意識、が……くそっ!)
思い切って、唇を突き出し、濡れて透けた秘部の割れ目を押した。
得意げに腰をくねらせていた彼女は一瞬硬直し、見た目相応の幼さを残した声で啼いた。
自由に動くようになった手を持ち上げて、小さな桃を捕まえ、
予想していた通りよく伸びる肌着の股布をずらして直にそこを露出させた。
サキュバスB「あ、あの……陛下? 怒ってます?」
勇者「いや。……怒ってなんかいない」
股布をずらした利き手はそのまま、左手で反対方向にぐっと尻肉を割り開く。
とろりと垂れた蜜と、その源泉。
そして――――柔らかそうな、蕾までも覗けた。
サキュバスB「お、怒ってますよね、これ? 怒ってますよね!?」
人の顔の真上で騒ぐ彼女を戒めるように……舌を突き出し、秘裂を舐る。
ほのかな甘みすら感じる淫魔の蜜が舌を湿らせ、寝起きの清水のように喉を潤した。
サキュバスB「やっ! あ、そんな……! 舐め、ないで……くださ……!」
耳を貸すはずもなく、更に舌をねじり込む。
肉の洞穴に這わせた舌をつたって、口の周りまでもべたべたの“果汁”で汚されていく。
サキュバスB「や、だ……元気に、なりすぎ……ですって……!」
ついた膝を必死の支えにしながらも、サキュバスBは離れられない。
立ち上がる事もできず、体重を下ろしてしまう訳にもいかない。
ぷるぷると生まれたての小鹿のように震えて、その姿勢を、時にシーツの上に膝を滑らせ、また元の場所に少しずつ引き戻して。
その繰り返ししかできない。
立つ事も力を抜く事もできず、無防備なそこを舐られ続けるサキュバスBは、いつしか、甘く蕩けた目を虚空に晒していた。
サキュバスB「んっ……あ……なん、で……そんな……上手、なんですかぁ……ひゃうっ!」
勢い余って、後ろの蕾まで舌先がかすめた。
“邪神ダコ”の媚薬成分に中てられて貪った、不浄の孔。
見た目は小さく閉じた、桃色の蕾なのに……する時には、彼女は根元までも銜え込む。
そんな――――“魔性”そのものだ。
サキュバスB「や、ぁ、待ってぇ……! そんな、とこ……嗅がないで、くださ……」
蕾を撫でる鼻息に彼女が反応するが、もう鼻腔に感覚は無い。
彼女の放つ、フェロモンを含んだ果実香を嗅ぎ続けた結果だ。
しかしそれが無かったとしても、彼女の身体はどこを嗅ぎ、どこを舐めたとしても穢さはない。
サキュバスB「も、もう……! いたずらばっかりする陛下には、お仕置きしちゃいますよ!?」
勇者「っ!」
やられてばかりでは、いられない――――とでも言うように、サキュバスBも反撃する。
未だ眼下にあるのは、そそりたつモノ。
下肢に力を入れて姿勢を保ちながら、落ちていく身を支えるようにして、小さな両手が掴んだ。
やがて、“落下”の途中で枝を掴めた彼女が、それを扱く。
だかその動きにキレはなく、絶え絶えの息でとりあえずそれを上下にしごく、無様な手淫でしかない。
勇者の舌が止まる事は無く――――更に深く、少女の秘裂を味わった。
サキュバスB「んにゃあああぁぁっ!! だめ、そんな……入り口、ちろちろ……しないでください、よぉ……ひっ!」
水音は、更に高まる。
もはやサキュバスBのそこは、泉そのものだ。
口ではそう言い、手では反撃していても……体は、サキュバスBの“女”は快楽を求めて、
勇者の顔に自らの蜜を塗りたくるように腰を前後させていく。
サキュバスB「あひっ、いい……気持ち、いい、からぁ……止まらない、、です……!」
とうとう、彼女の手も止まり――――ずしり、と顔に体重が乗るのが分かる。
踏ん張りの利かなくなった脚は、それでもまだ多少力が残ってはいても、体重の多くを支え切れなくなった。
必然、視界が彼女の股間と、肌と、肌着で埋まり、酸素を求めて伸びた舌が更に深くサキュバスBの股穴を進んだ。
サキュバスB「あ、んっ! い、イくっ……イっちゃいますぅ! 陛下のお顔の上で……あぁぁぁぁんっ!!」
その身体がぶるぶると震え、鼻先に押し付けられた尻穴がひくひくと震え、
手を離したせいで戻る肌着が頬と尻たぶの間を濡れながら割り込み、元の位置に戻ろうとする。
サキュバスB「い、いっちゃい……ましたぁ……陛下のお顔に、乗っかった……ままで……え、えへへ……っ」
彼女がくたりと、こちらの下肢側に倒れて体重を預けた時、ようやく……その小さな桃の圧し掛かりから逃れて……空気を吸えた。
勇者(…………腹、減った……)
何はともあれ、ひとまず……彼女のおかげで、朝の景気は、確かについたのだった。
今日の分投下終了です
ではまた明日
こんばんは、今日もやっていきたいと思います
>>212より
*****
食堂へ行くと、堕女神の他……普段はいないサキュバスCまでが待っており、そればかりか、同じ食卓についていた。
それを対面から制するようにして、堕女神までも。
サキュバスC「……おい、一回分減ってんぞ? なんで?」
勇者「ぶっ!」
堕女神「そのようですね。朝から……まぁ、想像はつきましょう」
勇者(そうだ、回数が丸わかりなんだ……これ!)
結局――サキュバスBの得意技でも、このカウントを全て消し切る事はできなかった。
一回分としてしかカウントされなかったのは、サキュバスAの予想通り。
サキュバスC「まァ、いいんだけどさ。それより朝飯食えよ、冷めんぞ」
堕女神「ええ、今朝は……恐縮ではありますが、私もご一緒いたします」
勇者「……ん、あぁ、でも……珍しいな。何でサキュバスCまで」
サキュバスC「あ? 作るだけ作らして、食うなっつーのかお前」
勇者「え……作ってくれたのか? 朝」
サキュバスC「オメーら二人がいつまで経っても起きねえからだ。途中から起きたそいつも混ざったけどな」
堕女神「私が止めなければ、朝からリブステーキとワインが並んでいたところでしたけれど」
サキュバスC「いーじゃねーかよ。男は肉を食うモンだ。なぁ?」
勇者「いや……朝からはちょっとな」
サキュバスC「なっさけねェ。そんなんだから尻に敷かれんだよ」
堕女神「……誰が、誰にと?」
勇者「だから、朝からやめないか」
しかし思ったよりも、緊張感は無い。
昨晩のように火花は散っていない。
一晩やり合い、吐き出すものは吐き出したのか、どちらも落ち着いて、しかし黙ったままではなくやり返す。
敵のようにではなく、憎まれ口を叩き合う仲と言った具合まで落ち着いていた。
それは昨晩を経てなのか――――朝だから互いにスイッチが入っていないのか、分からない。
堕女神「それと、陛下。明日には隣女王様がお着きに。早ければ朝にでも」
勇者「ああ、そうだったな。……このオムレツはどっちが? ふわっとしてて……溶けるみたいで。美味しい」
サキュバスC「あ、それアタシだよ」
勇者「え……!?」
サキュバスC「えっ、て何だよ。アタシを何だと思って……」
堕女神「……意外でした。確かにこれは絶品です。まさか……サキュバスCが……とは」
サキュバスC「ホメんなら普通にホメろや!」
勇者「……それはともかく、今回は何の用事だったか」
堕女神「ちょうど、陛下が即位なされて一年経ちましたので。お祝いの言葉と……数日の滞在を予定し、会いたいと」
サキュバスC「チンコ勃ててるヤツに?」
勇者「うるさいな!」
堕女神「……その事ですが、どうも引っかかるのです」
サキュバスC「確かに、引っかかってて歩きづらそうだよな。早いトコ抜けよ、あと四百回以上」
堕女神「いえ、そうではなく……何故、こんな紋章でわざわざカウントダウンするのでしょう?」
勇者「……分かりやすくするためだろ?」
堕女神「胸騒ぎがするのです。もしそのカウントを使いきれなかったら……何かが起こるのかも、と」
サキュバスC「一生勃たなくなるとかか?」
堕女神「確かにそれは、困……こほん。んっんっ……、もとい、それ、が維持され通しというのは……何らかの猶予時間なのかもしれません」
勇者「猶予……。確かに、俺も妙な予感はするよ」
堕女神「ひとまず、今日はお好きにお過ごし下さい」
勇者「いいのか?」
堕女神「良くはありませんが……私も、もう一度詳しく調べてみたいと思います。この病、かかった者がどうなるのか」
サキュバスC「オッケーオッケー。よし、そんじゃメシ食ったらアタシと」
堕女神「貴女はお引き取り下さい」
サキュバスC「じゃあ、“おーさま”が帰れっつったら帰るよ」
堕女神「この……!」
勇者「……気持ちは嬉しいけど、俺は執務室にいるよ」
堕女神「え……?」
勇者「執務室にいる事にする。……それはそうと、サキュバスC。お前はどこで聞きつけた?」
サキュバスC「あ? サキュバスAのヤツだよ。城下で触れ回ってた」
勇者「やっぱりか」
サキュバスC「言いふらしてたもんで、つい……アタシの出番かな、って」
勇者「なんで」
サキュバスC「いいじゃんかよ少しぐらいさ。それとも何だ、五百回全部こいつにブチ込むつもりだったのか?」
勇者「指差すな、指」
堕女神「……わ、私としては……それでも、一向に……」
勇者「俺がもたないんだ!」
サキュバスC「ま、いーや、それでも。じゃ、アタシは一旦家に帰るかな。またあそこに戻る準備もあるしさ」
勇者「戻るのか?」
サキュバスC「あぁ。ちょっとした別邸みてーなカンジかな、今はさ。ま、二週に一ぐらいでこっちには来るしな」
勇者「……そうか」
昨年の夏に訪れた――――というにはいささか語弊がある。
崖から落ちて、その先で見つけて介抱してくれたのが彼女だった。
そこで“ポチ”と出会って連れ帰り、冬になって城下町へしばし移り住んだ彼女と再会し、今がある。
サキュバスC「何だよ、寂しいのかー?」
勇者「少し」
サキュバスC「じゃあ最後にもう一回だけさせてやってもいいぜ?」
堕女神「……せめて朝から、それも朝食の場でそういった話はやめましょう」
サキュバスC「アタシらに取っちゃ、『昼は何食う?』ぐらいの話題だけどな」
今日の分終わりです、続きはまた明日
次はサキュAになるかどうなるか、はてさて
実はセキュリティはわざとガバガバにされてる説
それではまた明日会いましょう
エロが書きたくて死にそうなんだ、こっちは
こんばんは
二時~二時半ごろに今日も投下いたしますー
しばしお待ちを
全裸投下
>>224から
朝食を終えてサキュバスCが去ってから、しばらく執務室で過ごしていた。
勃起が治らなくなってから、二日が経つ。
今ではもうベルトの穴はいくつか緩めて、堕女神に頼んで、少し大きめのズボンと緩めの下着を用意させた。
それでも、立ち歩くにはやはり邪魔だった。
何なら自慰で少しでも減らそうかと考えたが、やめる。
サキュバスAがニヤニヤしながら現れそうだし、抜けば左手の紋章が変動する。
それがなんとも、気恥ずかしかったからだ。
勇者(くそっ、何だこの嫌がらせみたいな症状は!)
心の中で毒づいても、それに変化はない。
嘲笑うように依然として剣の柄のように滾っていた。
勇者(……サキュバスAが言いふらしたんなら……街にも行けないぞ、しばらくは)
状態に加えて、触れ回られた。
さすがに街に下りられるほど、肝は太くない。
とてもではないが、無理な事だった。
勇者「ダメだ、考えがまとまらない。少し歩いて来よう」
考えないようにしても、ムダだ。
いくら考えを逸らそうとしても疼きのせいでまとまらず、引き戻される。
いっそ、城の中を一回りして気分だけでも落ち着かせるしかない。
扉の外に出ようと腰を浮かせた時――――扉が叩かれる。
勇者「……誰だ?」
サキュバスA「陛下、私です。入ってよろしいですか? ズボンをお上げになってくださいな」
勇者「下ろしてない!」
サキュバスA「んふっ。それでは、失礼いたします」
勇者「……何の用だ、チェスならしないぞ」
サキュバスA「まさか。いくらなんでも執務中ですもの」
勇者「ならいいが……俺の事を触れ回ったそうだな」
サキュバスA「いえ、直接は。ただ、この御病気の治し方を知らないか、とだけ……」
勇者「それ、俺の事を言ってるのが丸わかりじゃないか……!」
もしこれが人間世界の出来事だったら、社会的地位も威厳も吹き飛ぶ事は間違いない。
“勃起の治らぬ国王”など、吟遊詩人の格好のネタだ。
道化師は面白おかしく演じるだろうし、街を歩くたびに、馬車を隔ててさえも忍び笑いが聴こえてきて癇癪の種にもなるだろう。
“淫魔の国”ではそうした物笑いにはならないだろうが……居心地はやはり悪い。
勇者「もう少しうまく言えなかったのか」
サキュバスA「私は可能な限り包んで言いました。ですが……まぁ、こうなりましたわね」
勇者「お前のせいなんだよ!」
サキュバスA「そんな、怒鳴らないで下さいな。感じてしまうではありませんか」
勇者「……」
サキュバスA「冗談ですわよ。それはそれとして、私も待っておりましたのに」
勇者「待ってた?」
サキュバスA「私が触れ回ったのを知って、陛下がお怒りになって『サキュバスAはどこだ! サキュバスAのバカはどこへ行った!!』
と、悪鬼の如き形相で現れるのを」
勇者「そこまでするか!」
サキュバスA「終わりを告げた次週の月曜の朝、喪失感に包まれたものです。“ああ、もう会えないのだな”と。
永遠にそこにいると思った者が去り、不覚にも、最終頁の目次を見ながら涙が……」
勇者「…………もういい」
目頭を押さえながら大仰に振る舞う姿を見ていると、怒鳴りつける気力も薄れた。
触れ回った事については、ともかく――――不問。
やり方はともあれ、彼女もあくまで調べようとしてやった事だ。
それに、こうなる事も半ば予測してはいた。
任せたこちらが悪いのだ。
サキュバスA「して、陛下。どうでしたか? 板挟みの寝室の寝心地」
勇者「……良い、とも良くない、とも言えないな。意味がいくつかある」
サキュバスA「ふむ。緊張感がおありでしたでしょう」
勇者「ああ、凄くスリルがあったよ。おかげで死にそうだった」
サキュバスA「お礼には及びません。楽しんでいただけて何より」
勇者「……まさか、お前か?」
サキュバスA「ええ。実は街に出て一番最初に出会ったのがサキュバスCで……。いや、これ自体は全くの偶然でしたが。
つい口を滑らして……“行かないように、絶対行かないように”と」
勇者「ネタ振りだ、それは!」
サキュバスA「結果的には。……ですが陛下、あの子もあの子で、陛下の為にとした事ですのよ。素直に申せないだけで」
――――それも分かっているから、怒る事ができなかった。
勇者「意外といえば、……いつになく堕女神も強気だったな」
サキュバスA「それは是非、見たかったところですわね」
勇者「あの二人、合わないのは分かっていたが……あんなにか」
サキュバスA「いえいえ、恐らくあの二人も楽しんでいたのでしょう。特に堕女神様」
勇者「楽しんでいた?」
サキュバスA「だって、そうでしょう。本当に腹の立つ相手同士なら、手が出ているはずではありませんか?」
勇者「……あ」
サキュバスA「本当に憎み合っているなら、相手の前で服を脱いだり、掴むでも殴るでもなく身体に触れたり。
そんな事もしないでしょう。結局、楽しんでいたのでしょう。堕女神様、ああした応酬ができる相手も初めてのはずです。
あれで仲は良いのかもしれませんわ」
勇者「……なるほどな」
覚えは、あった。
サキュバスAの言う通り、本当に憎ければどちらかが出ていくか血を見るかだったはずだ。
じゃれあい、茶化しあい、意地悪の言い合い。
それが、発展する事も無く続けられるのは――――結局、仲の良い相手だけなのだ。
言ってはいけない一言、してはいけない事が分かっているから、そうできる。
さして面識もないはずなのに、二人がそうできたのは……正反対の人格だからこそ、なのかもしれないと。
サキュバスA「……まぁ、私どもでは務まらない位置ですわね。破滅的に仲が悪いのなら、口も聞かないはずでしょう」
勇者「なるほど、ありがとう。少し……腑に落ちた」
サキュバスA「それで……陛下、何度?」
勇者「?」
サキュバスA「昨夜から今朝にかけて、何度お出しに?」
勇者「……三十二回だ」
サキュバスA「あら、意外と捗らない御様子。ふふっ。この期に及んで自制されても……お苦しいだけでは?」
サキュバスAが、虚空にすいっと尻尾をくねらせてから窓辺へ近づく。
窓の外には、よく晴れた空が広がっている。
小鳥の声がして、庭園で剪定する音が聴こえて、そこにいる者達の声も。
もはやさして感慨もない、麗らかな“普通の日”だ。
彼女の今日の服装は、いつにもまして、紐を組み合わせただけのような下着を覗かせる黒い革のスカートが強烈だった。
尻の割れ目に沿って食い込む黒の下着、その横紐が骨盤に引っかかる。
少し下げて穿いたスカートのせいで、尻の切れ込みの始まりが見える。
サキュバスA「それにしても、良いお天気ですこと。思い出されませんか? 陛下と初めて差したあの日――――」
振り返った彼女は、びくりと震え――――その細い肩の横を通り、追い込むように窓枠へ手を当てた。
サキュバスA「え、陛下? え……?」
勇者「……思い出したぞ。二日前の事だ、覚えてないのか?」
サキュバスA「え? ……あの、何が……?」
二日前、彼女と二人でこっそり飲みに出かけて――――帰り路で、その悲劇は起きた。
勇者「反撃はしないとな」
泥酔しきっていた彼女は、恐らく覚えていない。
だが完全に酔いが醒めたこちらは、何もかも覚えていた。
窓辺まで追い込まれたサキュバスAは不意を打たれたのか、瞳を忙しなく動かし、身体を小刻みに震わせる。
自分がしでかしてしまった事が何なのかを、必死に思い出そうとしている様子で。
サキュバスA「へ、陛下……?」
勇者「根に持ってなんかいない。謝る事もない。……ただお前にはやり返す。今、ここでだ。倍で済むと思うな」
今日の分投下終了でございます
ではまた明日お会いしましょう、さようなら
サキュバスCの得意料理はオムライスだとか
こんばんは
今日も昨日と同じ時間ぐらいで始めていきます
サキュバスAは構ってほしいだけなんです
>>244から
サキュバスA「あ、あの……陛下、いったい……うあっ!?」
窓枠に彼女を押し付け、空いた左手を腰へと這わせる。
見えている下着の紐へ指をかけると、そのまま一思いに、続く股を吊り上げるように上に引いた。
サキュバスA「あ、ぐっ……! く、食い……込ん、で……っ!」
全ては見えていなくとも、手応えで分かる。
この下着は、まるで意味など果たしていない。
三又に分かれた紐をただ股間から腰骨に引っかけるだけのような、ただ男を誘うためだけのものだ。
淫魔の淫らな英知が生み出した、夜を羽ばたく蛾の色彩。
娼館の姫君達でさえ頬を染めるような、恥など捨て去る、ひどく退廃的な淫具でしかない。
咎めるように、そのまま吊り上げていると……サキュバスAの踵が浮き、つま先で体重を支え、こちらへ身を預けるように寄りかかってきた。
サキュバスA「くっ……あ、うぅ……い、痛っ……陛下、どうか……」
きりきりと抓みあげた身体は、小刻みに震え始めた。
今スカートの中では、糸のように細く、しかし強靭な繊維が縊り殺すように彼女の秘部へ食い込み、苛んでいる。
傀儡を持ち上げるように、更に引っ張り――――指先を使い、不規則に爪弾くように刺激を与えていく。
サキュバスA「あはぁっ! ひぎ、く、うぅぅっ……! い、やぁっ……! どう、か……御止め……」
秘裂を更に裂くような、紐下着の愛撫は――――快楽よりは痛みに近いはずだ。
それなのに彼女が苦痛に喘いだのは、最初でしかない。
段々とこなれて――――というには、まだ早すぎる。
くい、くい、と更に傀儡を操っていくと、今勇者が掴んでいる部分まで、しっとりと含まれた水気が上がってきた。
勇者「痛いようには聞こえないな」
サキュバスA「違……ほ、本当に……痛く、て……あんっ!」
更に持ち上げると、彼女の身体が一瞬浮き、靴の爪先がかつかつと音を立てた。
胸の中で熱く悶えるサキュバスAの顔は見えずとも、浮かべている表情は分かる。
恐らくは――――喜悦、快感、充足感。
痛みへの苦悶も間違いなく混ざってはいても、それは打ち消され、塗り重ねられているだろう。
サキュバスA「あ、はっ……痛っ……陛下……陛、下ぁ……」
赦しを乞う声では無い。
鼻にかかった、甘えた媚声。
それはさながら、猫の“盛り”だ。
勇者「今日はいい天気だな、本当に」
サキュバスA「はっ……あ、あぁ……陛下……? え……?」
勇者「一緒に、――――外でも見ようか」
言って、サキュバスAの体を反転させ――――胸に引っかかっているだけのような上衣を腰まで引き下げ、上半身を丸ごと露出させた。
サキュバスA「あ、あのっ、陛下、きゃあぁぁっ!?」
窓ガラスへ乳房を押し付けるように――――後ろから、その身体を押しやる。
やや厚い窓ガラスは、サキュバスAが体重を預けた程度では割れない。
よく磨かれ、冷えた窓ガラスに乳首を押し付けられ、サキュバスAの体は再び震えた。
眼下には、晴天の空を頂く華やかな庭園がある。
そこには今も行き交う淫魔達の姿があり――――いつその視線が上に向いても、おかしくはない。
サキュバスA「いや、あぁ……! 陛下……やめ、て……! こんな、見られ、たら……あぁ!」
勇者「やめない」
軽く押さえつける程度の力しか、与えてはいない。
いくら厚いとはいえ、所詮はガラスだ。
二人分の体重には耐えられるはずもなく、割れてしまえば彼女の肌を傷つけてしまう。
それなのに、サキュバスAは――――裸の胸を窓に押し付けられたまま、離れようとしない。
眼下の使用人を、豊かな緑を、太陽を、遠くに見える山を、観客と捉えた踊り子のように。
受ける視線を快感へ変え、淫らで昏い快楽をじわじわと飲むように。
サキュバスA「あ、あぁん……! み、見られ……ちゃう……見られ、て……しまいます……わ……」
スカートをたくし上げると、サキュバスAのそこは――――想像通りの有り様だった。
勇者「……しかし、酷い下着だな。いや、下着か……これ? 何も意味がないだろう」
手応えで伝わった、“三又の組み紐”という感覚は間違っていない。
何も隠してなどいない。
糸のように食い込んだ秘部からは涎が垂れて内腿を流れ、散々に引っ張って弄んだそれは殊更に食い込み、
存在をすっかりと尻肉の谷間の中に消してしまっていた。
それを詰るように言ってやっても、彼女は何も意に介さない。
サキュバスA「……は、早く……早く……私を……!」
乳房で窓を拭うようにしながら、サキュバスAは身をくねらせる。
吐息で窓は白く曇り、かき始めた汗が逆に窓を濡らし、汚す。
もとより、臨戦態勢は最初から整っている。
彼女を貫く準備は、既に――――できていた。
勇者「このままいくぞ、……脚に力を入れておくんだ」
サキュバスA「そ、そんなのぉ……無理、で……」
ズボンを下ろし、こちらも同じくさらけ出す。
血管の浮いた“それ”は何をするでもなく高まり、鞘を求めて切れ味を増していた。
紐下着にゆとりを持たせるべく、今度は下に若干引き下ろし、秘部に食い込んだ部分を引き離すと、ねっとりと糸が引いていた。
ずらした紐の隙間から、亀頭の先をあてがうと……サキュバスAは震え、
その拍子に乳房を押し当てられたままの窓が揺れて音を立てた。
勇者「音を立てるな。……見られたいのか?」
耳元に息を吹きかけるように囁いてやると、膣口がきゅっと引き締まるのが亀頭から伝わる。
サキュバスAが窓枠に立てていた左手を絡め取り、後ろ手に押さえ込むと、更に。
サキュバスA「あ、あぁぁ……陛下ぁ……お許し、を……」
赦しを乞うとは思えない、その懇願。
答えるように。
もしくは却下するように。
勇者はただ、突き入れた。
今日はこれで終わり、いいじゃないか明日も来るんだから!明日も来るんだから!
それではまた明日
こんばんは
あと三十分後に始めるぞ
開始します
>>264から
サキュバスA「んあぁぁっ、くっ……! は、入……て……!」
ほぼ直立するような姿勢のまま、文字通りに下から突き入れる。
何の抵抗もなく受け入れたサキュバスAの肉窟はぎゅっと締め付けてきて、しかし飲み込む事に抵抗は無い。
突き上げてその中を進んでいくと、必然――――彼女の身体を、“そこ”を支点にして持ち上げる事になる。
サキュバスA「んぐっ、う、うぅぅ……! そん、な……深い、ところ……まで……」
こつんっ、と子宮口に行き当たっても、進むのを止めない。
彼女が震えるたびに、窓が揺れ動く。
べったりと押し付けた乳房がぐにぐにと形を変えながらガラスを拭い、湿らせる。
勇者「窓を揺らすなよ、外にばれるぞ」
サキュバスA「そんなの……無、理……ですわ……あはぁんっ!」
勇者「サキュバスでも……こんな風に見られたら恥ずかしいのか?」
サキュバスA「い、淫魔にだって……恥じらい、というものが……ありましてよ……!?
こ、こん、な……風、に……い、苛め……られる、顔なんて……見られ、たく……っ!」
サキュバスの通念では単なる裸体ならまだしも、責められ、苛まれ、感じている姿を見られるのは恥だという。
相手にだけ見られるのならばともかく、第三者――――それも、同性に見られる事を酷く嫌うのだと聞いた事があった。
サキュバスの沽券、種族の生態上、男に対して上位の態度でなければならない風潮。
そういったものがサキュバスAに対してさえも根深く残り、結果、彼女はこんな難儀な性癖を抱える事となった。
勇者「……サキュバスCもだったな。堕女神に拘束されて、責め返されて……泣いてたぞ」
昨夜のサキュバスCも、思えばそれだ。
堕女神の魔法で手足の自由を奪われ、自慢にしていた胸を嬲られ、やがて――――堰を切ったように。
ちょうど、今……サキュバスAがそうされているように。
サキュバスA「あ、あっ……! わ、私の……おっぱい……見られ、て……しまいますぅ……! い、いやあぁぁ……!」
だが、彼女は嫌がらない。
それどころか――――ますます身体をくねらせるように、誰かに気付いてほしい、
見てほしいとでもいうように、窓に押し付け、押し潰させた胸を振り乱す。
その度に膣肉は収縮を繰り返し、剛直との間からしたたる愛液が伝い、こちらの太腿までも濡らした。
そんな彼女を“手伝う”ように、こちらも動きを始める。
絡め取っていた左手を離し、彼女の下腹へ回し――――支えるようにして、直角の抽挿を始める。
サキュバスAの体を持ち上げながら身を微かに落とし、今度は逆に――彼女の身体を下ろしながら、こちらは伸び上がる。
サキュバスA「ん、ぶうぅっ!」
一瞬で深くまで打ち抜かれ、震えた喉から獣のような声とともに、唾液が撥ねて窓に散った。
内側に秘めた無数の泡粒が尖り弾けるように、一斉に……モノを刺激し、こちらにも背筋が痺れるような快感が急襲した。
今までに味わった事の無いほどの興奮がサキュバスAの中に渦を巻いていると、それで伝わる。
勇者「っ……! やっ、ぱり……興奮、してる……だろ……!?」
サキュバスA「ち、違……こん、な……見られるの、嫌……あぁぁぁ! ひ、きゃはぁぁっ! み、見られちゃう……見られちゃううぅぅ!!」
窓に映った彼女の顔が見えた。
深い紫色の瞳は、まるで水底に投げ込まれたアメジストのように揺れ動いていた。
だらしなく力が抜け、あわあわと開いた口もとからは唾液がいくつもの筋を落とし、
ときおり窓に顔を預ける度に映った唾液の筋が、窓にも雨垂れのように流れる。
淫魔とは思えないほどの蕩け切った表情は、人間の女でさえここまでにならないはずだ。
勇者「……お、い。見えるか? 今、どんな顔をしてると思う?」
サキュバスA「あはっ、あ……こんな……だらしな、い……っ! や、やだ……そ、外……向かせない、で……陛下……!」
自由な右手を使い、彼女の細面の顎を掴み、強引に窓の外、正面をやや俯き気味に向かせる。
もちろん、それは……眼下で働く者達が顔を上げたとき――――サキュバスAのだらしなく緩んだ顔が、よく見えるようにするため。
その間にも腰の動きは止まず、抉るたびに先ほどと同じ刺激がこちらを削り、うねる肉の中で、彼女からも“反撃”を喰らう事になる。
サキュバスA「や、らぁぁ……見ら、れ……ひゃ……うぁ、あうぅぅっ! やめ、ぇ……そこ、ぐりぐり……しない、でぇぇ……!」
更に右手を進ませ、力が入らず、呂律すら回らなくなりかけた彼女の口内を指で蹂躙する。
陶器のようにつるつるとした、整然とした歯列は……触っているだけでも、くせになりそうな心地よさがあった。
ぐちゃぐちゃに濡れた口の中は、とめどなく溢れる唾液で満たされ、こぼれ、
原初の海のように熱いそこから放たれるのは濃密な、谷間の薔薇園から直接吸い込むように甘い香り。
突っ込んだ指を、サキュバスAの舌がべろべろと舐め回す様はまるで赤子だ。
サキュバスA「う、ぇっ……!」
指を開いて顎を開かせ、奥歯まで中指を届かせて内側の側面をなぞっているとサキュバスAの喉が震え、苦し気な呻きが涙とともに吐き出された。
あの晩の“狼藉”を思い出すような声色は……日頃飄々とした彼女がそうするだけにどこかいやらしく……そして、嗜虐心に火をつけた。
押し潰された乳房と、口の中を指で犯されて恍惚感と嘔吐感を覚える、堕落の表情を窓の外へ投げかけて。
震えながらの爪先立ちで幾度も勇者を奥の奥まで迎えて。
ごつごつと子宮口を叩かれるたびにカエルのような声が漏れ出て、窓を吐息が曇らせる。
勇者「もう、そろそろ……一回目……」
サキュバスA「っ、あぁぁぁぁ! こ、こっひ……向い、れ……やあ、見られ、見られて、うぅっ……!」
視線を追うと、確かに庭園の端にいる誰かが――――こちらを見ていた。
その表情までは見えないが、顔がこちらを向いているのは分かった。
それを認識したサキュバスAが、これまでにないほどギチギチと締め付けてきて、
食いしばりかけた歯が指を噛み締め、歯型を刻むのも分かる。
サキュバスA「あ、ふぅぅうぁぁっ! イ、イく……もう、だめ……ぇ……! 見られて、あ、あぁぁぁひゃあぁぁぁっ!!」
擦り潰すように食い締められて、背筋と脳裏で火花の散るような感覚とともに――――“恐らく”こちらも放った。
ぎっちりと銜え込まれたまま、幾度も脈動してモノを何かが駆け上るのは分かっても、
隙間なくみっちりと熱く飲み込まれたままでは、中に放てたかどうかも分からなかった。
あるのは、ただ――――打ち震えるサキュバスAから伝わる火照った体温。
ぬるっ、と抜け落ちた時、彼女の身体もまた、ゆっくりと……窓から身を隠すように、崩れ落ちた。
それではまた明日
悪魔超人にも友情があるんだから
サキュバスに羞恥心があってもいいじゃないか
明日少し出掛けが早いので、今日は少し早め&量少なめの繋ぎシーンのみで失礼
>>285より
*****
サキュバスA「……んふっ。それにしても、本当に……萎えないのですね」
勇者「笑いごとじゃないんだぞ」
サキュバスA「そんな事。褒めておりますのに」
勇者「症状を褒められても嬉しくない。……そろそろいいだろ!」
サキュバスA「だって……まだまだ出ますわよ?」
窓辺で今なおむしゃぶりついたままのサキュバスAを諫めても、まるで聞き入れない。
しおらしかったのもほんの少しの間だけで、今はすっかりと戻ってしまった。
時折庭園からこちらに顔を向ける者がいるが、もうそこにはサキュバスAの痴態はない。
サキュバスA「窓に押し付けて責め立てるなんて……誰かに見られてしまったかもしれませんわね」
外からは見えない、窓の下。
彼女はまだ膝をついて、しつこく残りを吸い出そうと唇と舌を遊ばせていた。
“残り”を管の中から吸い取り、飲み込み、糸を引いて口を離す。
サキュバスAはそこで一段落したのか、立ち上がって衣服を整える。
サキュバスA「乱暴なのも好きですけれど……こうしているのも、堪りませんわ」
勇者「……何だか、うまく乗せられてる気もするんだ」
サキュバスA「いえ、そんな滅相も無い。……この間など、浴場で……床にこぼれた精を私に舐め取らせたではありませんか。
あれもまた……屈辱的で堪らないものが。本気で悔しいのがまた何とも言えず」
勇者「俺は何も命令してないからな!?」
サキュバスA「そこがまた、陛下の気の利かない処でしたけれど」
勇者「何を言ってる、何を」
いつも、いつも――――彼女に口実を作られているようだった。
そうする理由でもなければ、叶えてやれない。
散々におちょくられ、仕置きの理由を作らされ、こうなる。
流石に、酒場の帰り道での惨事はわざとではないと思いたくとも……否定も、できない。
サキュバスA「それでも、まだまだ楽しめそうですわね。今夜はいかがいたしましょうか? 私としては、地下牢で是非していただきたい事が……」
勇者「しない。というか困っているのは俺で……」
サキュバスA「……折角ですから、淫具店にも顔を出せばよろしいのに。色々と楽し気な逸品が揃っておりますわよ?」
勇者「しばらくは下りられない。それに変な薬はもうたくさんだ」
サキュバスA「あら、他に気の利いた物もございますわよ。例えば、これ」
勇者「……それは?」
見ても、まるで何に使う物なのか分からなかった。
口の閉じられた小袋の封を開けて彼女が取り出したのは、細長い形の、何に使うのか分からないよく伸びる袋状の“何か”だった。
サキュバスA「使い方は簡単。まず、なさる前に“あちら”にこれを装着して……そのまま、後は至って普通にするだけ。
出た精液は、先端部に溜まる構造になっております」
勇者「……つまり妊娠避けか?」
サキュバスA「え――――」
何となしに掴めた用途を口にすると、サキュバスAは目を丸くして動きを止めた。
モノをそれで包み、後は性交するだけとなれば……望まぬ妊娠を避けるための何か、と思った。
が、それは――――。
サキュバスA「……そう、ですわね。なるほど……なるほど、そう使う事もできますわね……これ……まさか……」
しきりに頷く彼女の様子を見る限り、違ったようだ。
勇者「……おい、違うのか? じゃあ何に使うんだ、そんなもの」
サキュバスA「何、って……持ち帰り用の保存袋ですわよ。出された精液の鮮度を落とさないまま持ち運び、いつでも補給できるようにと」
勇者「……え?」
サキュバスA「特に人間界では、いつも殿方のいる場所で過ごせる訳でもありませんもの。
確かにこの袋からでは味気ないものですが、その惨めさもまた良し。そうですわ、陛下。
折角ですし、この袋に詰めてお売りになられては?」
勇者「色々と失う気がする、却下だ」
サキュバスA「マージンは私が六割……いえ、何でもございません。それで、次は何にいたしますか?」
勇者「……一応、俺は……今、仕事中だったんだが」
サキュバスA「そんな事お気になさらないで。私も仕事中でしたもの。今頃サキュバスBは私を探しているでしょうね」
勇者「働けよ!」
サキュバスA「だって……陛下が、私を引き留めて……無理やり……」
勇者「結果はそうだけどな……!」
サキュバスA「ほら、そろそろ……」
ノックの音が、今度は低い位置からした。
背丈から判断して、恐らくは。
勇者「……入れ、サキュバスB」
??「っえ? は、入ります!」
おそるおそる扉を開けて、サキュバスBが姿を見せた。
サキュバスB「あの、どうして……分かったんですか?」
勇者「ん、まぁ……色々と」
サキュバスA「仕事してなきゃダメじゃないの、油売ってないで」
サキュバスB「えっ……? Aちゃんこそ何してるの、こんな所で!」
サキュバスA「何って、休憩よ。栄養補給」
サキュバスB「ずるい! 陛下、わたしもっ! Aちゃんだけ……!」
サキュバスA「私はいいのよ。それで、何の用だったの?」
サキュバスB「だから……Aちゃん探してたのっ! そしたらこんな所で……! お仕事中でしょ!?」
サキュバスA「そこがまたいいんじゃないの」
サキュバスB「もーーーーーーーっ!!」
それではまた明日お会いしましょう
では
まぁ今回は難しい事何も考えないスレですよ
始めますが今日も少し短い
>>299より
*****
勇者「……今、なんて言った?」
夕食から少ししてから、ようやく堕女神は城へと帰ってきた。
書庫で煮詰められなかった情報を補うべく、城下の書店へ出かけて――――大急ぎで執務室へ入ってきて、そう言った。
堕女神「……もしも左手の紋章を減らし切れない場合……恐ろしい事が起きてしまう、と」
勇者「恐ろしい事……?」
堕女神「はい。……ある敬虔な修道士が、いつかこの国へ迷い込んだそうです。彼もまた陛下と同じ御病気にかかり、
熱が引いてもなお……そこに血が廻ったまま、戻らず」
勇者「使いきれなかった……のか?」
堕女神「彼は幼少から神に身を捧げ、貞淑の誓いを立てておりました。
それ故、淫魔達の誘惑を強靭な精神力で跳ねのけて、誰と契る事もなく人間界へ戻ったと」
勇者「……凄い男だな」
堕女神「ところが、それは――――悲劇の始まりでしかなかったのです」
勇者「何が――――?」
とうに日が落ち、揺れる室内灯に照らされた彼女の顔はひどく青ざめていた。
堕女神「帰ってなお、昂ぶり続ける陰茎は血の廻りを悪くさせたまま、ついには腐り落ちたと」
勇者「っ――――」
その言葉に思わず椅子から腰が浮き、言葉に詰まる。
男として生まれて、最も聞きたくない種類の話題だった。
堕女神「……失ったにも関わらず、左手に浮かんだ紋章は消えない。減らす手段を失ったまま時は過ぎ、
やがて紋章は日ごとに黒く沈みゆき――――彼が罹患した七日後にそれは消え、同胞の修道士が更に翌日、
起きてこない彼の部屋を訊ねたそうです」
勇者「死んで……しまって、いたのか?」
堕女神「いえ、不明。そこには……彼の身体と同量の、白い粘液の塊だけがあったと記されております。
この国へ迷い込んだ者達の記録を調べ、その後、怪事件を記した人界の古書を探し回って
ようやくそれらしき記述を見つける事ができたのです」
勇者「……何かの間違いだろ?」
堕女神「その可能性もありますが――――まず同一の人物の事かと。むろん確実ではありませんが……」
勇者「……すると、何だ。七日以内に五百回しないと、俺も……そうなる?」
堕女神「……その、可能性が……」
思わず、頭痛がした。
感冒に始まるこの病気はとことん嫌がらせのようで――――悪質な呪いだと。
今日を含めて、あと五日と少ししかない。
残り回数は、まだ四百五十を上回る。
まともにやっていては、減らし切れない。
日数で割れば、一日に……九十回。
堕女神「ですが、不明確な部分も多すぎます。一日一度でも、とにかくペースを守って継続さえしていれば良いのか。
ただ期間と回数だけが見られるのか。申し訳ありませんが……力不足で、これ以上は調べ上げられませんでした」
勇者「哀しいけど、呪われ慣れてはいる方だ。でも、これは……こんなのは、初めてだな」
そんな恐ろしい話を聞かされてもなお、情けない事に、弛む様子が無い。
相変わらず下着とズボンの布は持ちあげられたまま。
勇者「……この事、誰か知っていそうな様子は?」
堕女神「いえ……今のところ」
勇者「なら、黙っていよう。要するに減らし切ればいい。心配はしなくていい。
それに、酷い結末になる病気と決まった訳でも無いんだ。案外その修道士が悪戯を仕掛けたのかも」
堕女神「……畏まりました。この事は秘密としましょう」
*****
翌朝、朝食から少し経った頃。
隣女王が――――雪が解けて初めて、この国へ訪れた。
彼女は背が伸びて、顔つきも少し大人びて、育ち盛りの少女のように見違えていた。
かつての“七日”で会った時と同じ程度の外見年齢を得て。
またも明日早い為、今日も繋ぎの少量で失礼
今思うとマジメにもの考えて書いてたのって初代スレぐらいなもんなんだぜ……
それではまた明日
乙
色々考察しちゃうのも名作の要素なんだぜ
淫魔の王は市井の民と交わることはないのかな
堕女神ABC隣女王だけだとデモ起こりそうなもんだけど
こんばんはなのかおはようなのか微妙な時間に俺参上
繋ぎのシーン三日連続で申し訳ないが、さっさと切り上げてエロに行くぜ
>>316より
*****
隣女王「陛下、ご健勝の事と…………? あの、そちらの膝掛け布は?」
勇者「あ、いや……気にしないでくれ、最近脚が冷えるからね」
隣女王「はぁ……大丈夫ですか? 申し訳ありません、長居は決してしませんので……」
勇者「さぁ、座ってくれ」
玉座の間で会うのはやめ、城内のサロンで彼女とは顔を合わせる事にした。
立場は、同じなのだ。
加えて堅苦しいのは性に合わないし――玉座にふんぞり返って腰かけたままでは、隠しようもない。
対面に座る彼女は、思いもよらないだろう。
今こうしている間にも――――勇者のそこは、滾っていると。
それも、言いようのない焦りが募り、焦りのせいで更に血は巡り。
座るだけでも辛いほど、硬く張ってしまっていると。
隣女王「……陛下、顔色が……」
勇者「気にしないでくれ。気分が悪い訳じゃない」
ほんの一年。
最後にあった日から数えて、三~四カ月のはずだ。
なのに隣女王は、既に、“最初”に会った時と変わらぬ見た目に成長していた。
背は伸び、顔つきから幼さは抜け始める。
膨らみの残っていた腹部にはくびれができて、切れ込ませたような臍を露わに見せる服装を見事に着こなす。
砂漠の王族のような膨らんだふくらはぎまでのズボンに隠れてはいるが――――脚も、ほっそりと長いはずだ。
それは、隠れていないふくらはぎの半ばから足首までを見れば、容易に想像できる。
褐色の肌は冬を超えて少し濃くなり、香油を塗り込んだように艶々と水気を湛え、今にもこぼれ落ちそうな溌剌さを表す。
起伏の少ない胸、その先端のみを覆い隠すような胸の前で交差する二つの布だけが、彼女の上半身を覆う。
テーブル越しではそこから頭までしか見えないため、必然……視線は、彼女の顔に向く。
隣女王「陛下?」
勇者「あ……その、見違えたな。ずいぶんと変わったよ」
隣女王「そ、そんな……事はありませんよ」
羊毛のようなゆるく巻いた銀髪と、そこをかき分ける小さな“乳歯”のような角が、彼女を飾る。
同じく銀色の眉毛は細く整い、赤い虹彩にかかる長い銀睫にもまた隙が無い。
彼女はもう――――“淫魔”としての美貌を、手に入れていた。
隣女王「早いもので……もう、陛下が即位なされてから一年になるのですね」
勇者「ああ、あっという間だった。……ただ、少し物足りなくもあるか」
隣女王「物足りない……と?」
勇者「命を狙われない。毒矢も受けない。魔法の火から身を隠したりもしない。襲撃に備えながら眠ったりもしない。少しだけ……寂しいかな」
隣女王「それは、その……お戯れ、ですよね?」
勇者「うん」
そんな冗談を挟むと、隣女王の緊張は少し緩んだようだった。
彼女の緊張は、王と会うから、以上のものがある。
その正体は――――恐らく、誰もが少女の時に出会うものだ。
ふと、隣女王が注がれた茶に手をつけていない事に気付く。
しかし、その目はちらちらと琥珀色の水面へ向けられていることにも。
察して、先に手をつけ――――ごくりと喉を鳴らして飲み込むと、隣女王も続いてカップを持ち上げた。
隣女王「ところで、陛下……。近頃何かお変わりは?」
勇者「そりゃ、色々と変わるが……何か気になったのか?」
隣女王「……何か、そわそわとなされておいでに見えて……」
勇者「何でもないと言っただろ。……来てくれて嬉しいよ。疲れを癒すといい。後で浴場の準備もさせるから」
隣女王「その事ですが、今回も……陛下に、お願いしたい事があります」
勇者「何?」
隣女王「そ、そのですね……? この度も、陛下に……ご教授、頂きたいのですが……」
勇者「……待ってくれ、少し考える」
冬に訪れた隣女王の目的は、人間の男の身体に慣れたい、という事だった。
サキュバスBを間に加えて過ごし、途中から異変が起きて、搾り殺される寸前までいった。
それ自体は予想外のアクシデントだったが、今回は違う事情がすでに起きている。
彼女の好奇心を抑える事は難しいが……説得をまず、試みた。
勇者「……そんなに、焦るような事でもないだろう?」
隣女王「いえ……こうしてお会いできる機会も少ないのですから。どうか、お願いいたします、私めに……どうか、陛下」
まっすぐに見つめてくる瞳は、淫魔としてのものではなく――――純粋な勉強熱心からに見えた。
探求心に蓋をする事などできないように、彼女はまっすぐに見つめる。
勇者「でも、だ……」
堕女神の報告を受けてから、妙に下半身への意識が強まった。
ともすれば、命の危機かもしれない。
それなのに依然硬いそこは、あと四百回以上の回数を残したままだ。
タイムリミットがあるとすれば、あと四日。
綱渡りをするような緊張感が、あの夜はあった。
それは、隣女王の本性を一度知っていたからだ。
彼女の種族は淫魔としてひどく獰猛で、相手の命を何とも思わずに搾る。
温厚で落ち着いた性格の隣女王ですらそうで、その他の者は尚悪い。
子供ならではの無邪気な残酷さのまま、彼女らの種族は男を喰らう。
そんな彼女に、もしこの病で治まらないモノを見せたら……どんな火がつくのか分からなかった。
勇者「……考えさせてくれ、夕食の後まで」
隣女王「はい……畏まりました」
隣女王もこれ以上説得は踏み切れないと判断したのか、引き下がる。
煙に撒いてはいない。
ただ――――相談の時間が欲しかった。
堕女神と、サキュバスBと。
今のところは城内の者には口止めをしてあるから、この病の事が漏れる事はない。
明かすか、明かさないか。
それが――――目下の課題。
今日はこれまで
繋ぎの場面を書きながらフルチャージ中です
明後日(2/9~2/10の間)はちょっと来れるか分からないと先に申しておきます
多分大丈夫だとは思うけど……
>>320
俺は何も考えていないんだ、本当なんだ……!
>>322
実は結構……
それではまた明日
なんだか投下時刻遅くなってるな、良くない
そして開始だ、>>330より
*****
勇者「……という事なんだ。どう思う?」
執務室に呼びつけたサキュバスBと堕女神に、そう訊ねた。
サキュバスB「どう、って……別にいいんじゃないですかね?」
勇者「そうか……?」
堕女神「左手の紋章は隠し切れないでしょう。ならばいっそ正直に……とはいえ、全てを伝える訳には参りませんね」
サキュバスB「全て? ずっと勃ったまんまで、出すと減るんですよね。他に何かあるんですか?」
堕女神「……っ」
勇者「それをどう伝えるかだ。全て消したらどうなるのか、消せなかったらどうなるのか、
興味を持たれたらどう答えればいいんだ。こっちだって分からないのに」
うっかり……珍しく、本当にうっかり口を滑らせてしまった堕女神に助け船を出す。
こんな事も、初めてだった。
サキュバスB「ちょっとしたチャレンジ中だって言えばいいじゃないですか?」
勇者「どんな?」
サキュバスB「えっと……“セックス強化週間”?」
勇者「……また社会的に抹殺される……」
堕女神「構わないではないですか。サキュバスAが言外に言い回ったせいで既に陛下は……」
勇者「言うな」
サキュバスB「いいじゃないですかー。精力の強い男の人ってステキですよ?」
勇者「強いられてんだよ! 今は!」
サキュバスB「それじゃ、堕女神様とサキュバスCちゃんとエッチしたのも楽しくなかったんですか?」
勇者「ぐっ……!」
堕女神「ともかく、変に隠し立てすると逆に掘り下げられかねません」
サキュバスB「ええ、勃ててるのを隠すなんてできませんよね?」
堕女神「……そういう意味ではありませんが、そうですね、ハイ」
勇者「……分かったよ。“どれだけ短期間で五百回できるか”を試している最中という事にしよう。俺が変に思われるぐらい、どうだっていい」
サキュバスB「男前ですねー。お話しが終わったんなら、エッチします?」
勇者「今は真面目な話をしてただろ」
サキュバスB「これもマジメですよ? それにAちゃんとはしてたでしょ」
堕女神「……え?」
勇者「あれは……その」
堕女神「……構いませんよ。どの道、それは鎮めなければなりませんから」
サキュバスB「じゃあ……」
堕女神「今はだめです。じきに隣女王陛下が戻って参りますから」
勇者「今はどこに?」
堕女神「庭園です。見て回っておいでのようです」
サキュバスB「そんなに見て回れるほど、珍しいモノありますかね?」
堕女神「貴女は毎日見ているからそう思うのです。……それで、陛下。隣女王陛下のご要望には」
勇者「今日はダメとも言えないだろう、前回応えたんだから」
堕女神「畏まりました、ではそのように。サキュバスB、この件については任せます、頼みましたよ。
……用意するものがあれば今言っていただけますか?」
サキュバスB「ありがとーございます! えっと……お風呂、かな」
堕女神「浴場?」
サキュバスB「お風呂だけでいいですよー。後はわたしが持ってきますから」
勇者「何をするんだ?」
サキュバスB「えへへ、それは秘密ですよー」
*****
それからは、何という事も無い時間が過ぎた。
サキュバスBはごそごそと夕食を終えるまでの時間、姿を現さなかった。
ほんの数十分だけ隣女王と話していたのを見かけたものの、内容までは分からない。
隣女王の顔がわずかに赤かったのは、伝えられた内容によるものだとは思うが、
もともと隣女王は初心なので、予測の材料にはできない。
その間、空いた時間の隙間に堕女神との逢瀬、三回。
サキュバスA、一回。
聞きつけたメイドのサキュバス、四人にそれぞれ一回。
城の一角で隠れるようにする事になり……一度はあやうく隣女王に見つかりかけた。
隣女王と話している間にもサキュバスAは死角で口淫を止めず、こちら以上に、彼女自身がそのスリルを楽しんでいるように見えた。
もし見つかってしまったら――――と。
隣女王が去ってからサキュバスAの跪いていた場所を見れば、ぬめる液体で湿っていた。
サキュバスA「んふっ……ドキドキ、しちゃいますわ。もし見つかったら……私、隣女王陛下にどんな目で見られてしまうのかしら、と」
勇者「本っ当に危ないな、お前……!」
サキュバスA「軽蔑? それともビックリするかしら? でも、陛下も……いつもより、いっぱい出ましたわよ?」
勇者「……そうなのか?」
サキュバスA「ええ。陛下の御射精の量は数十分の一滴単位で把握しておりますもの。味も……とっても、濃くて……」
勇者「覚えるなよ。というかよくそんな事ができるな」
サキュバスA「人間にも香りだけでワインの産地を当て、口に含むだけで銘柄を当てる者がおりますでしょう。
別に私が特別鋭い訳でもありませんわ」
勇者「なるほど」
サキュバスA「んふっ、さてご馳走様でした、陛下。今夜は頑張ってくださいね? そろそろ夕食ですよ。それではまた」
*****
そして、いつもより心なしか精のつくような晩餐を終えて、今勇者は浴場で一心地ついていた。
相変わらずそれは滾ったままで……今やもう、慣れつつある。
前かがみに歩く煩わしさも、あまり感じないようになってしまった。
堕女神に脅されるようにされた報告も、彼女は不思議がっていた。
確かに勃起が続けばそこに重篤な異変を起こすが、それはもっと早くに起こるはずだと。
三日どころか、半日でそうなってしまう、と。
しかしそうならないのは……これもまた症状の一つなのだと結論づけるしかない。
ただでさえ鬱陶しく摩訶不思議な病気なのだから、考えるだけ無駄だ、と。
勇者「……何だ、この湯の色?」
今日の湯は、奇妙な薄いピンク色に透き通っていた。
数十人が一度に入れるような浴場は一面がピンク色で、ただでさえ幽玄な香りのする浴場が更に淫靡な空間に変わってしまっている。
勇者「いったい……何入れたらこんな色になるんだ?」
湯船に浸かりながらそんな事をぼんやり考えていると、小さな足音が二つ、濡れた床面を蹴るのが聴こえた。
湯煙りの中に見えた人影も、ふたつ。
サキュバスB「お待たせしました、陛下―! それじゃ、久しぶりに隣女王陛下と二人でご奉仕しますね」
隣女王「よ、よろしくお願いいたします……あの、お手柔らかに……」
首を捻って見ると、二人は揃いの肌着を着ていた。
昨日の朝にサキュバスBが着ていたような、足ぐりを深く切れ込ませた、上と下が一体となったつくりで伸び縮む、不可思議な繊維の肌着だ。
サキュバスBは、薄い桃色。
隣女王は、褐色の肌によく映える白色。
彼女はむしろ裸より恥ずかしいのか……ずっと胸と股間を隠したままで、俯き気味だ。
サキュバスB「ふふっ、隣女王陛下、似合ってますよねー? わたしからの贈り物なんですよ?」
隣女王「あ、あの……どうか、あまり見ないでくださいまし……陛下……」
今すぐにでも消えてしまいたい――――とでも言いたげな恥じ入る声は、むしろ誘惑だ。
あまり凝視するつもりもなかったのに、むしろ……釘付けにされてしまう。
サキュバスB「それじゃ、陛下。……すぐに準備しますからね。ちょっと待っててください!」
今日の分投下終了です
無理やり? いいじゃねーか、丁寧にやってたらエロまで遠く回りくどくなるんだから!
そしてすみません、明日は来れなくなってしまった……
誰か会社にサキュバス30人ぐらい刺客で送り込んでくれたら俺も早く帰れるのに
それではまた明後日
すまんね、待たせた
>>348から
****
サキュバスB「お待たせしました、陛下」
勇者「ん、あぁ……いいのか?」
そこから待ちぼうけを食わされて、十数分も湯船に浸かったり、上がって体を冷ましたりを繰り返していた。
その間、サキュバスBは小さめの寝台ほどの、奇妙な素材でできた“何か”に息を吹き込み続けた。
人間界のどこかで見た“気球”に似ていたが、形状は大きく違う。
段上に波打つ、空気で膨らませられたつるつるとした延べ板、といったところだ。
ベッドに見えなくもないものの、その用途が眠るためでないのは明白だった。
サキュバスB「ふぅ……、ふぅ……。つ、疲れたぁ……」
隣女王「あの、私も手伝いましょうかと申しましたのに……」
サキュバスB「い、いいんですよ! 女王さまなんですから!」
サキュバスBがそうしている間、勇者も隣女王も“替わろうか”と何度も訊ねた。
彼女が顔を真っ赤にしてそれを膨らませている間、ずっと彼女は固辞し続けて、湯に浸かって休んでいるようにとの一点張りだった。
結果――――彼女はもう疲労困憊したように、空気の吹き込み口に栓をして息を整えていた。
サキュバスB「お、待たせ……けほっ……しま、した……陛下、さ……ここに、横に、なっ……て……はぁ、はぁ……」
勇者「大丈夫か? 少し休まないか? 水でも……」
サキュバスB「げほっ……大丈夫、ほんと……大丈夫ですから……」
勇者「こんなもんに吹き込んでパンパンに膨らませるって……相当だぞ。しかもこんな暑い浴場で……死ぬぞ、最悪」
見れば、それは勇者がその上に横になってもなお余りある大きさだ。
大人が横になれる大きさの、空気のベッドを一人で膨らませるのは、容易くない。
勇者「……それに、膨らませてから持ってくるか、ここに置いておけばよかったんじゃないのか?」
サキュバスB「…………あっ」
勇者「まぁ、いい。で……これは一体、何なんだ? っと……!」
サキュバスB「あ、気を付けてくださいね? 滑りますから!」
サキュバスBに仰向けになるように誘導されて、空気のベッドの上に寝そべる。
これもまたサキュバスBの着ていた肌着にも似て、捉えどころのない不思議な触感がある。
その中に満たされたサキュバスBの吐息が勇者の身体を受け止め、浮かせ、奇妙な浮遊感が、火照った体へ眠気すら呼び起こすようだった。
サキュバスB「本当ならうつ伏せなんですけど……あそこ、潰れて……痛いですよね?」
勇者「だから、これ……何だ? いったいどこから……」
サキュバスB「え、城下町で買ってきたんですけど」
勇者「あの店か……」
サキュバスB「ええ。……昔は人間界に色々卸していたみたいですけど、“時代を先取りしすぎて全然売れなかった”って言ってて。
大安売りでしたよ、これ」
勇者「……ああ、そう」
そんな言葉を交わしている間――――湯船の縁に腰かけた隣女王は、ずっと赤面して黙り込んでいた。
しかし好奇心は惹かれるのか、その目はちらちらと、勇者の身体、その中心にあるものに注がれていた。
隣女王「あ、あの……陛下? どうして、もう……?」
勇者「ああ、これは……気にしないでくれ。しばらく勃ちっぱなしなんだ。もうしばらくは」
隣女王「え? 大丈夫なのですか? お体に何か障りがあるとか……?」
彼女は何か勘が働くのか、そう訊ねてきた。
言ってしまえば、確かに奇妙な病気。
だが――――そう伝えてしまうと、本気で心配されてしまうだろう。
サキュバスB「えへへっ……違いますもんね? ただ元気なだけで……ね?」
話に割り込むように、サキュバスBは上からのしかかって――――ぬるり、とした液体をまとった手で無遠慮に屹立を撫でた。
勇者「わっ!?」
それだけではない。
彼女は体にぬめりのある暖かな液体をすり込んでから、右半身を覆うように妖艶に身を寄せてきた。
右脚はサキュバスBの暖かく弾力ある太腿、ふくらはぎを押し付けるように絡め取られた。
上腕にもまた彼女の稚気に似つかわしくない乳房を押し当てられ、谷間に腕が沈みかけた。
奇妙な肌着の繊維が、その液体を吸って、柔毛に取り込まれるような危うい快感を届けてくる。
サキュバスB「これも一緒に買ってきたんですよ、ローション。大丈夫、媚薬成分は……あんまり入ってませんから」
勇者「あんまり、って何だ!?」
サキュバスB「比較的ですよ、比較的。……サキュバスの常識の範囲で」
勇者「いや、かなり入ってるよな? それ。かなり……っ! あ、ぐっ!」
サキュバスB「もぉ。四の五のいうコには、お仕置きですよ?」
小さな手が、とろりとローションを滴らせながら胸板を撫で、乳首を擦る。
もしかすれば湯に何かを混ぜ込まれていたのか――――身体の感覚が、鋭くなっていた。
サキュバスB「あはっ、硬ぁい。いや、おちんちんじゃないですよ? 胸板の話ですよー?」
そのまま、指先でなぞられ――背筋が跳ねる。
上目遣いに覗き込んで来る瞳は、金色に輝き……彼女が使えないはずの“魔眼”の力が本当は宿っているのではないかと思えた。
その眼力は……紛れもなく、淫魔のものだった。
身体をすりつける猫のような動きで、サキュバスBはさらにローションをなすりつけるように身を寄せてくる。
全身がすでにぬらぬらと光沢を放つのが分かる。
肌の上で揮発した媚薬成分が、鼻から、口から、目の粘膜から浸透し――――徐々に意識を刈り取られていく。
こぼれたローションは空気のベッドの溝を流れ、背面にまで浸透してきた。
サキュバスB「あはは、陛下ったら……もう、おつゆが出て来ちゃってますよー? どうします?
一回、ぴゅっ、ってしちゃいますか? このまんまだと苦しいですよね?」
一方、彼女も同量の揮発した媚薬を吸っているはずなのに変わらない。
金色の瞳は爛々と輝き、肌着越しに乳房をなすりつけ、柔らかい太腿の肉で右脚を挟んで扱き、
その右手は先ほどからずっと、やわやわと屹立を上下に扱いていた。
サキュバスB「えへへ、気持ちいいですか? ぬるぬるの手でおちんちん触られるの、気持ちいいでしょ? ね?」
声すら、上げられない。
彼女の肌着は濡れて透け、乳首まで浮きあがっているのに……まるで、気にする様子はない。
隣女王は食い入るように見つめていて――――もう、顔すら覆わない。
全てを吸収するように、褐色の肌を紅潮させ、目の前で繰り広げられているそれに乳首を尖らせ、白い肌着に浮き立たせていた。
ちりちりとした意識が、やがて一度飛んだ。
取り戻して気付けばサキュバスBは、右手に掬い取った“白”を啜り込み、指の間についたそれを舐め取っていた。
サキュバスB「あはっ……。陛下ったら、いっぱい出ましたね? でも、まだまだこれからですよ? ね、隣女王陛下?」
投下終了 また明日だ
それでは
待たせたな
始めます、>>370から
思考に靄がかかる。
薄紅色の湯の色が煙になったように、視界の端が煙る。
サキュバスB「次は二人でしちゃいますか? 大丈夫ですよー、わたしと同じようにすればいいんですから」
隣女王「で、でも……」
サキュバスB「大丈夫大丈夫、陛下ったら喜んでますから。ね? 昨日も……わたしにお顔乗られて、コーフンしてましたもんねー?」
隣女王「え、そ……そんな事を!?」
勇者「言って、おくが……! あれは、お前が勝手に……」
サキュバスB「抵抗しなかったじゃないですかー。聞こえませーん」
勇者「……お前……何だか、意地が悪くなってないか」
サキュバスB「えへへ、そんな事ないですって。陛下が喜ぶから悪いんですよ?」
くすくすと笑う顔は、見た目の年相応のいたずらなものだった。
彼女はあの日の一件を、手柄話をするように、おもに隣女王の前で年上ぶりたいからそうしているようだった。
隣女王「……それでは、私も失礼いたします、陛下。もし何かあれば……すぐに教えてくださいね?」
勇者「あ、あぁ……」
サキュバスBが差し出した桶から、潤滑性の液体を掬い取り、まじまじと彼女は見つめる。
指の間から緩慢に流れ落ちる様はそれ自体が淫靡な生き物のようにうごめき、脚を閉じて床に座る隣女王の秘所へ垂れた。
褐色の少女王はささやかに喘いで、その感触に身震いする。
隣女王「んっ……何、か……変な、感じですね……」
困惑するように、ぎこちない動作で彼女はそれらを体に塗り広げる。
褐色の肌を締め付ける、伸縮する薄手の肌着の白はやがて透けていき――――その下の肌色と混ざる。
ミルクを注いだ珈琲に似た、喉の鳴るような……極上の彩りへ。
隣女王「え、っと……これぐらいでしょうか……?」
サキュバスB「はい。さ、隣女王陛下はそっちがわです。滑るから気をつけてくださいね」
隣女王「は、はい……わ、きゃっ!?」
勇者「!」
彼女がおずおずとサキュバスBと、勇者の身体を挟んで反対側へと身を寄せようとした時――――床に垂れただろう潤滑液についた手をとられ、
バランスを崩して倒れてしまいかけた。
勇者はそれを見て左腕を伸ばし、すんでの処で隣女王の身体を抱き寄せると――――勢い余り、彼女の唇が一瞬鎖骨下に触れた。
サキュバスB「だ……大丈夫ですか!?」
勇者「ケガは、ないか?」
隣女王「はい……ありがとうございます、陛下……えっと……その……」
勇者「?」
隣女王「い、いえ何でもありません! 何でも……」
しきりに唇を気にし、銀の睫毛に縁どられた目はその度に唇の触れた鎖骨へ振れる。
自分の今した事に比べ、これからする事は更に淫らでどうしようもない堕落への導きだというのに、少女王の声はうわずっていた。
隣女王「……では、今度こそ……始めますね」
気を取り直して、と――――隣女王は、見よう見まねで、ぬめる自らの肉体を使って、拙い奉仕を始めた。
隣女王の肉体は、サキュバスBの小柄ながらもメリハリのある肢体に比べ平坦だ。
しかしふくらはぎと太腿はほっそりとしていながら、張りがある。
彼女はその褐色の脚線を勇者の脚にすがりつくように絡ませ、未熟な胸を押し当てるように抱きついて来た。
隣女王「陛下、あの……不安定で、怖い、ので……どうか、抱き寄せていてはくれませんか?」
勇者「……ああ、分かったよ」
彼女に求められるまま、細い肩と頼りない首を護るように左腕を伸ばして抱き寄せた。
必然、彼女の頭を肩口と胸板で受け止める事になり、心地よい重量を感じる。
サキュバスB「あ、隣女王陛下だけずるいです。陛下、わたしも!」
勇者「お前……」
同じ程度の背丈のサキュバスBを同じように引き寄せ、“両手に花”のまま呆れて虚空を仰ぐ。
これは一体何のための行いだったのか、と。
隣女王「えっ、と……こう、ですか?」
隣女王の身体が蠢き、肌を艶めかしく輝かせながら勇者の肌と擦れ合わせる。
彼女の身体は気恥ずかしさのせいか暖かさを通りこして、熱さすら感じた。
それなのにも関わらず隣女王は一所懸命に蠢き、先ほどのサキュバスBの動きをなぞるようにしながら、いじらしく身体を這わせていた。
勇者「……別に、サキュバスBの真似をする必要はないんじゃないか」
隣女王「?」
勇者「その……動きたいように、動いてみるといい。できれば、君も気持ちよくなれるようにさ」
サキュバスB「そうですよー。だって、エッチって……お互い気持ちよくなれなきゃいけないんですから」
隣女王「はい……やってみます」
そう言うと、隣女王は絡めた脚に力を入れ、股間を擦りつけるような動きに変わる。
慰みを覚えたての少女が、何かの角に“そこ”を押し付けるように。
ぶじゅ、ぶじゅ、と股布からしみ出す潤滑液と自分の蜜とを混ぜ合わせ、マーキングのように隣女王は小さな体を上下させる。
段々とその吐息は甘やかに変わり、熱を持った吐息が胸板へかけられ、露となって濡らした。
隣女王「んっ、あ……これ、気持ち……いい、です……!」
しがみつくように、隣女王の尺取りのような愛撫は段々と速まる。
塗りこめたローションが馴染み、互いの肌との摩擦を打ち消し、ひとつの生き物へ溶け合うかのようにだ。
隣女王のいじましさと、潤んでいく瞳、そしてぬめり輝く肌の色は、
サキュバスの蒼肌とも、堕女神の白雪の肌とも違った凄艶な色気を放っていた。
視線を動かし、寝そべったままの限られた視界でそれを見ると……背筋にぞくぞくとした物が走るのが分かる。
性的な快感からではない。
自分は今、とてつもない淫香の渦中にあり、得難いものを受け止め、禁断の舞踊を目にしていると感じて。
隣女王「ん、あっあぁ……あそこが……擦れてしま、って……あうっ……!」
サキュバスB「んふふふっ……それじゃ、隣女王陛下。いっしょに……陛下の、触りましょっか」
隣女王「あっ……は、はい……分かりました……」
二人の手が競い合うように、間にある“柄手”に這わされた。
先に到達したのは、隣女王の小さな左手。
続いてサキュバスBの右手が伸びて、互いの指を絡めて握り合うように、ぴったりと屹立を包み込んだ。
サキュバスB「それじゃ、いきますよー。おいっちに、さんし。おいっちに、さんしー……」
勇者「んくっ……!」
二人の握手の間で扱き上げられる圧力は、絶妙なものだ。
苦しくなく、緩くなく。
サキュバスBの精妙な力加減がそのまま隣女王と繋がるように、シンクロして責め立ててくる。
サキュバスBが握りを弱めれば隣女王が応じて、締めれば同じ力の具合で隣女王が応じる。
右の胸板にはサキュバスBの乳房。
左には、隣女王の控えめながらも柔らかく、ぽっちりと浮いた乳首がこりこりと当たる。
サキュバスB「えへへっ……もう、陛下、気が利かないですねぇ。おっぱい触ってくれないんですかー? ほら、ここの……隙間からどうぞ?」
サキュバスBが身振りで胸元を示し、下から覗き込んでくる。
持ち上げられた谷間と、肌着の脇を見て――――全てを察し、右手を彼女の右脇から差し入れ、
ぬめぬめとした肌着と包まれた肌の間を這い進んで乳房をなぞり、頂点を目指す。
サキュバスB「きゃはっ……もう、いきなり乳首探さないでください! めっ、ですよ?」
勇者「仕方、ない……だろ……もう、まずいんだ……!」
サキュバスB「ほら、隣女王陛下も」
勇者「なんで、お前が仕切る……」
左手を下げていき、隣女王の肌にぴったり貼り付いた肌着を剥がすように、左脇の下から手を入れる。
すっかりその下にもローションが浸透し、また勇者の左手にもまとわりついていたため、抵抗なく滑り込めた。
隣女王「っ!!」
びくんっ、と彼女の背が跳ねた。
予想外の刺激が強すぎたのか、それとも……胸の薄さのせいか、すぐに乳首に行き当たってしまった、せいか。
隣女王「んはっ……はぅ、ぅぅ……陛下の、御手が……胸、撫で、て……」
強く揉めば痛みを与えてしまいそうなほど、皮膚も脂肪も薄いなだらかな胸。
つとめて優しく撫でさするも、その小ささのせいで、幾度も乳首と乳輪をかすめる事になる。
右手と左手でまったく違った感触があり、違った動きを求められ――――忙しなく動く事になった。
サキュバスB「あはっ……陛下ってば、たいへんですねー。ほら、もっと……あんっ、乳首ばっかり触っちゃ“めー”ですってば」
隣女王「あ、はぁぁっ……もっと、もっと……擦って、ください……まし……」
両者の胸を揉み比べるたびに、モノへの上下動に乱れが生じる。
しかし、それすらも不規則な刺激となり――段々と、高まりが股間をせり上がる。
サキュバスB「くぅんっ、あ、あふっ……わ、わたし……気持ちよくなって……きて……」
サキュバスBも、いつの間にか股間をすりすりと寄せてくる。
隣女王に倣ったように、段々とその動きは速まる。
隣女王「ご、ごめんなさい……私も、もう……何、か……き、て……」
隣女王も、いくつもの刺激と、揮発する媚薬成分に中てられたか――――顔を上気させ、息が段々と荒くなる。
二人の間にある屹立も、先走りが既に吐き出されている。
まとわりつくローションの中に溶けて混ざり、ぐちゅぐちゅと音を立てているから誰も気付けない。
恐らくは、当の勇者でさえも。
やがて――――三人は溶け合うように、同時に達した。
隣女王「ひっ……う、あぁぁぁぁっ!」
サキュバスB「わ、わたしも……っ――――――!」
両側の二人はびくびくと身体を跳ねさせ、勇者の左脚には生暖かい液体が伝うのを感じた。
隣女王の肉体は刺激に耐えかね……緩めてしまったのだと悟る。
二つの小さな手の間で、閉じ込められるように白濁が脈打ちながら吐き出されるのを感じながら、
勇者はさながら大型生物に消化されてしまうように身を任せ、脱力した。
今日の投下はこれで終了です
彼は真顔でこれを書き終えた
サキュバスBは……それなりに大きいといえば大きいけどちっぱいも似合うのかもしれない
それではまた明日
こんばんは、今日もいきます
>>391から
*****
“遊び”の後の片付けは、虚しいのが常だった。
勇者「おい、全然落ちないぞ……これ……」
サキュバスB「ご、ごめんなさい……陛下……」
隣女王「髪が……ネトネトします……」
勇者「さっきから何回流しても肌に貼り付いて……! くそ、まだついてる」
サキュバスB「う、うぅぅ……石鹸じゃ全然落ちないですね……」
勇者「……俺は何とかするから、お前は隣女王の身体を洗え。……いったいどうやって作ってんだこれは!」
隣女王「あっ……も、申し訳ありませんっ……」
勇者「君は謝らなくていい!」
サキュバスB「ごめんなさい! ごめんなさい!」
湯で洗い流しても、垢落としの布で擦っても、身体に付着した粘性の潤滑液はとれない。
はた目には洗い流せたように見えても、布でこするとべったりと付着し糸を引く。
石鹸も香油も用を為さない。
勇者「お前……こういう物を使うんなら使うで、ちゃんと後処理の方法も訊いてこい!」
サキュバスB「こんなに落ちないなんて思いませんよ……」
腰かけに座ったまま向かう壁面の突起を拳で押し込むと、その上部にある、無数の穴の開いた管から湯が吐き出される。
幾度もこのシャワー装置を使って洗浄しても、粘りが体から剥がれない。
そこで勇者は、今しがた押し込んだスイッチの脇にある紅と蒼水晶の二つのスイッチのうち、紅い方を数度押すと、湯の温度が上がる。
勇者「っ……ちっ!」
紅を押せば熱くなり、蒼を押せば温度が下がる。
原理は不明なものの、身体を洗う際にはとても重宝するものだ。
勇者「……ふむ、熱い湯を使えばわりと落ちるな」
サキュバスB「え、ホントですか? それじゃ、隣女王陛下……いいですか? 熱かったら教えてくださいね?」
隣女王「はい、お願いいたします」
同じく隣女王をシャワーへ向けて俯かせて座らせ、サキュバスBは後ろから装置を操作し、そのローションがまとわりついた銀髪に指を通した。
隣女王「……っ」
サキュバスB「大丈夫ですか?」
隣女王「は、はい。……ただ、びっくりしただけ……でっ……」
勇者「……うわっ――――!?」
隣女王「え? き、きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」
サキュバスB「あっ……ポチ……」
髪を流しながら何気なく、勇者が視界の端に蠢くものを捉えて焦点をやると――――排水溝のフタを持ち上げて、赤黒い触手が生えていた。
それは見慣れた、地下牢の主のものだ。
まるで何かの卑猥な罠のように揺れる三本の触手は、勇者の目の前で身振りを示して、意味ありげに動く。
勇者「……何? 『粘液は塩をすり込むと落とせるぞ。軽く叩きながら洗い流すのもいい。騙されたと思って試してみろ』?
ご丁寧にありがとうよ、こんな所まで」
隣女王「……あの、そちらは……?」
勇者「地下牢に勝手に住みついてる巨大ローパーだ。名前はポチ。強いぞ」
サキュバスB「……ありがとうね、ポチ。おりこーさんだね。よしよし」
勇者「『……よせよ。礼には及ばないぜ』。お前はそれだけ教えにわざわざ来たのか」
触手の助言に従って、肌を軽く叩きながら流れる湯を馴染ませていくと確かに、体から粘液が剥がれていく。
ローパーのアドバイスに従い、粘液を洗い流すシュールさに耐えていると、更に別の触手が現れ、袋に詰まった塩を差し出してきた。
サキュバスB「『大丈夫だ、嬢ちゃん。俺に視覚はないぜ。それじゃあな、頑張れよ』」
隣女王「はぁ……。ありがとう、ございます……」
塩の袋を置いて、ご丁寧に排水溝の蓋も戻しながら、ポチの触手は元来た場所へ引っ込んでいった。
隣女王「……不思議なこともあるものですね」
そう呟く隣女王は、まだ……目の前で起きた事を、信じ切れていない様子だった。
*****
サキュバスB「ふー……一時はどうなるかと思いましたねぇ」
勇者「お前が絡むといつも何かオチがつく気がする」
サキュバスB「気のせいですって、気のせい! ……隣女王陛下も、すみませんでした」
隣女王「あ、いえ……ご教授いただき、ありがとうございました、陛下も、サキュバスB様も」
勇者「“様”はいらない」
サキュバスB「なんで陛下が言うんですか!?」
ようやく体に付着したローションを落とし終えて、湯船の中で一息つけた。
二人とも肌着を脱いでいるのに、隣女王に照れの表情は見えない。
透明度の低い湯のせいという事もあるし――――先ほどした行為に比べれば、湯に浸かっているだけならましなのだろう。
サキュバスB「……そんな事言うんなら、わたしだって言いますよ? わたしのおっぱい飲みながら甘えてきた事とか」
隣女王「えっ……えっっ!?」
勇者「言うな!」
幻覚・媚薬成分の食材のせいで、そんな事になってしまった事は確かにあった。
堕女神不在の状況で彼女に厨房を任せたせいで、いつものようにオチがつき、そんな危険な不覚の状態で一晩。
酒では無いから記憶も残り、今思い出すたびに身悶えしそうになるほどだ。
それも、――――勇者、だけが。
隣女王「……出るのですか」
サキュバスB「え? ……まぁ、そういう魔法もありますけど……わたしが編み出した訳じゃないですからね?」
授乳搾精、と彼女は言った。
出るはずもないものを、魔法で乳腺を活発化させて恵みを絞り出す……何とも業の深い魔法。
隣女王「なるほど……私でも使えるでしょうか? その魔法」
サキュバスB「え? う、うーん……どうでしょうかね? 陛下」
勇者「俺に訊かれてもな……」
隣女王の視線は、サキュバスBの湯に浮かぶ双丘と虚空、そして自らの平原の間をちらちらと行き来する。
その口は……何かを言おうとして、そのたびに強靭な何かが中断させているように見えた。
サキュバスB「……吸って、みますか?」
隣女王「えっ……!? い、いえ、その、そういう、何も……」
彼女の申し出は、勇者は半ば耳を疑い……半ば、予想通り。
どきりと跳ねた心臓をごまかすように、隣女王はとりあえずの言葉をかき集める。
サキュバスBは、それを笑う事もせず続ける。
サキュバスB「……今日は、いっぱい恥ずかしい事したじゃないですか。何も恥ずかしくないですよ?
陛下だって、いっぱい飲んじゃったんですから。ね?」
勇者「…………ん、まぁ……」
水音を立ててサキュバスBは立ち上がり、湯船の端――――なだらかな傾斜を描く一角へと湯の中を進んだ。
隣女王の、手を引きながらだ。
行きつくと彼女は誘惑するように傾斜の上に座り、“波打ち際”で隣女王へなお説く。
サキュバスB「……誰にも言ったりしませんよ。三人だけの秘密です。だから……ね、隣女王陛下。わたしに……甘やかさせてくれませんか?」
彼女が指先へ光を灯し、乳房の上で躍らせる。
隣女王が、おずおずと怯えるように彼女の胸の中へ、抱かれるように身を寄せるまでは短かった。
隣女王「んっ……く……」
隣女王は、母の乳の味を知らない。
王族の立場だからではなく、彼女を産んですぐに臥せり、言葉を交わし、手を握ることしかできなかったから……甘えられなかった。
サキュバスB「っ……ふふ。隣女王陛下……ゆっくりしていいんですからね?」
そんな彼女を、初めて甘やかしてやれたのは……そう見た目の変わらない、稚気の抜けないサキュバスの一人だったのは、皮肉だろうか。
隣女王は戸惑いながらもサキュバスBの乳房に口を寄せ、歯を立ててしまわないように、おっかなびっくりと“恵み”を受ける。
口の中に流れ込む暖かな甘さと、頭を抱きしめてくれる腕と、落とされる優しい眼差し。
隣女王が、生まれて初めて触れた――――“母性”。
サキュバスB「よしよし、隣女王陛下……いつも、頑張ってますもんね。でも、今は……甘えちゃっていいんです。慌てないで、いいんですからね」
隣女王「……お、母……様……っ、ぅ……ふうぅ……」
サキュバスB「……泣かなくて……いえ、いっぱい泣いていいんです。ずっと、ずっと……頑張ってきたの、
私も陛下も、知ってるんですから。えらーい、えらーい……」
サキュバスBが、胸の中の少女王の頭を優しく撫でる手つきは、“母の手”そのものだ。
どこかで学ぶ事ではない。
心の中に眠る弱さを見つけ、認め、受け止め、癒しを与える。
サキュバスBは、淫魔の嗅覚、天性を……そういう風に使う。
大浴場に、ちゅぱ、ちゅぱ、と“母”の奏でる音が響く。
“人”が誕生してから、絶滅するその時まで止む事の無い生命の韻律だった。
石と棒の時代から、遠き彼方の未来に至っても消えない音。
隣女王「……っ……ん、ふはっ……ぁ……」
サキュバスB「くぅんっ……、いいですよー。わたしのおっぱい……空っぽになるまで吸って、ね」
子供に還ったように。
否、生まれて初めて“子供”になれたように、隣女王は夢中でそれを吸い、飲み込む。
サキュバスBは、そんな彼女を心から慈しみ、愛おしむように優しく撫で続ける。
サキュバスB「ふふっ。いっぱい飲んでくださいね、わたしの……ミルク」
彼女は言って――――腕の中の“子供”に、優しく微笑みかけた。
投下終了です
意外とできるもんだ、毎日更新
それではまた明日
じゃあの
こんばんは
明日も少々早いので少量の更新になる事をご容赦を
>>405より
*****
翌朝、目が覚めても――――もうすっかり不自由にも慣れてしまった。
ようやく、残り回数は四百回を切る寸前だ。
左手の“呪いの紋章”の一本が、いくつかの点を残して消えている。
このままでいると、本当に肉体が消滅してしまうのか……疑念が尽きない。
事実は、ひとつ。
かつて訪れた男が同じ病気に罹り何もしないまま人間界に戻り、その後も禁欲を続けた結果、彼は一週間で粘液になって消失した。
“しない”からなのか、回数を減らせないまま期限を迎えたからなのか、分かるはずもない。
それと言うのも――――淫魔の国でこんな病気をやれば、国の誰もが放っておかないだろうし、誰も我慢しないだろうからだ。
答えの手掛かりになりそうな話が、一つしかない。
勇者「……どうせ、ポチに訊いても分からないだろうなぁ」
起き上がり、固まった首をほぐしながら着替えに袖を通す。
傍らには、サキュバスBが丸まって眠っていた。
隣女王は彼女に寝かしつけられて――――その後、この寝室へ来た。
勇者「……起きろ、ダメ人間製造魔」
サキュバスB「んー……やだ……」
勇者「“やだ”って何だ!」
サキュバスB「もぉ……後、三回……してくれないと起きないです……」
勇者「……時間じゃなくて?」
サキュバスB「あと三回してくれなきゃ……起きない……」
勇者(……寝ぼけてるのか? それとも本気でせがんでるのか? どっち……?)
サキュバスB「じゃぁ、もう……ちゅー……でいいですから……起こして、くださいよぉ……」
布団の中でくるまったまま、彼女は顔だけを出して、目も開けずにそう言った。
サキュバスBにしては珍しく寝起きが悪い事を怪訝に思いながら……勇者は、ベッドの上を這い進んで近づいた。
サキュバスB「ん……っ? うむぅぅっ!? っふは……な、陛……下……! くは、ぷちゅっ……んぐ、るぅっ……!」
彼女の望み通り、布団でくるんだまま、上から乗って押さえ込むように唇へ目覚めを告げてやった。
片手で顎を抑えながら何の前触れもなしに唇を奪い、その内に舌を這い回らせると、彼女は苦しそうに酸素を求めて呻いた。
サキュバスB「んぐ、ぅんっ……! ひゃ、らぁ……やぇ……やめて、なん、で……ぷはっ、いきなり……!?」
呂律の回らない声での抗議も聞かず、更に彼女の動きの鈍い舌を捕捉し、ねぶる。
サキュバスBの口と肺に残った空気を吸い出し、代わりに朝の静謐な空気を口移しで送り込んでやると、跳ねのけようとする動きが段々と強くなる。
寝室に忍び込んだ暴漢が少女を襲う、そんな危うげな快感が朝からもたげてくるのを自覚した時……勇者は飛びのき、ベッドから下りた。
サキュバスB「げほっ……! な、なんですかぁ、朝からいきなり……ダメですよ!?」
勇者「お前が寝ぼけてるからついな」
サキュバスB「もー……。あ、の……陛下?」
勇者「……?」
サキュバスB「せっかく、ですし……あの……ね? ちょっとだけ……しません?」
勇者「しません」
サキュバスB「ひどい!」
勇者「俺は腹が減ったんだよ!」
サキュバスB「色気より食い気ですか!?」
勇者「色気に走り過ぎた結果だ」
サキュバスB「うっ……」
勇者「それに、お前の“あれ”でも、空腹は治らないだろ?」
サキュバスBの“得意技”、全回復の口淫奉仕は万能ではない。
外傷、内傷、病や筋肉疲労の類は治せて体力を補充する事はできても、空腹感は消せない。
それは体の不調ではなくむしろ“健康”だから起こり、それは治すべきものとして認識できないからだ。
食事で補充すべき体力そのものは回復できても、空腹感だけはそのまま残る。
勇者「……後でな、後で。とりあえずはお前も起きて着替えて、隣女王に挨拶でもしに行け」
サキュバスB「はーい……」
勇者「ときに、隣女王の様子はどうだった? あの後だ」
サキュバスB「ん? んー……普通でしたよ、上がってからは。すごくかわいい寝顔でした」
勇者「それは良かったよ」
サキュバスB「少しお話したんですけど……隣女王陛下、お辛かったんですね」
勇者「“王”が早世する理由は……恐らく、弱さを誰にも見せられないせいなのかもな。誰にも辛さを打ち明けられないからか」
サキュバスB「ですから、陛下も。いつでもわたしに甘えていいんですよー?」
勇者「お前はバラすからもう嫌だ」
少量ですが今日はここまで
多分あとエロシーン、2+αぐらいか……まぁ、今月一杯をメドに
それではまた明日
明日も早い……というか数時間後に出社なのだが構わず投下だ
あと2スレかー……やれと言われればやれるモチベーションは今ならあるけどちょっと遠慮しよう、諸事情で
>>417より
*****
午後になり、城内にしばしの静寂が戻る。
隣女王も、この城にいる間は年相応の少女へ戻れているのだと勇者は感じた。
今はサキュバスBと娯楽に興じており、姿は見えない。
すっかり緑の濃くなった庭を歩いていると……見慣れた片翼の淫魔がベンチに腰掛け、酒瓶らしきものを仰いでいるのに出くわした。
勇者「また入り込んでるのか、サキュバスC」
サキュバスC「よー。寝室じゃねェんだからいいじゃん? ま、座れや」
勇者「お前の家か?」
呆れながらも隣へ座ると、彼女は少しだけ、ほんの少しだけ尻をずらし、勇者の方へ近寄った。
その手に持つのは、濃い色の酒瓶ではない。
透明な瓶に詰められた――――葡萄酒ではない薄い黄色。
それを見て、勇者はかすかな悪戯心を起こした。
勇者「……サキュバスC、そういうのは良くない」
サキュバスC「あ? 何だいきなり」
勇者「いくらなんでも、トイレなら……使っていいんだぞ」
サキュバスC「はぁ? ……ばっ、ち、違ェーぞ! 何言ってんだテメーは!?」
勇者「…………」
サキュバスC「……テメーな、いい加減にしねェとコイツで頭割るぞ? オイ?」
真意を汲んだか、怒りだし、落ち着き――――サキュバスCはからかわれた事に気付いて、立ち上がりかけた脚から力を抜いた。
目頭を押さえてしばし黙り込み、彼女は言葉を探そうとしたが、諦めたのか……その瓶を差し出してきた。
受け取り、口に含むと懐かしく、しかしこの淫魔界では出回らない味がした。
勇者「酒だと思ってたら、ジュースか。禁酒するのか」
サキュバスC「するかよボケが。アタシに死ねっつーのか?」
勇者「生きててほしいから勧めてるんだ」
サキュバスC「……あぁ、そ」
勇者「で……これは? ラベルも何も貼ってないみたいだな」
サキュバスC「アタシが作った。使い切れねぇ分をジュースにして保存してたんだよ」
去年の夏に出会った時、彼女はここから離れたのどかな場所で一人、およそサキュバスらしくない晴耕雨読の日々を送っていた。
鶏を世話し、いくつもの果樹を育て、数杯のエールを一日の楽しみにして、土と風に触れる日々。
それは全て、かつて人間界で受け取った、“リンゴ”の種を植え、実らせるために。
勇者「で、これを持って……何か悩んでたのか?」
サキュバスC「あァ。いや……下町の本屋の女いるだろ?」
勇者「ああ」
サキュバスC「あの女な、前に……変な事、言ってやがったのよ。それが気になってさ」
勇者「でもだからって、何でこんな所で……」
サキュバスC「緑多くて落ち着くんだよ、近いし。まぁ……ともかくな」
*****
書店主「あら、サキュバスCさん。こんにちは~」
サキュバスC「うす。……今日はガキいねーの?」
書店主「ええ、今日はお友達と出掛けてるの。何か御用でした?」
サキュバスC「いんや。……とりあえず一杯くれよ。また何か試してたか?」
書店主「分かる~? さ、座って~」
サキュバスC「……いや、ちょっと探すモンあるからさ。淹れたら呼んでくれや」
書店主「はいはい、分かりました~」
店の奥に消えた書店主を尻目に、サキュバスCは書架に向かう。
木造の床を真鍮の右脚が踏み締めるたびに硬い足音と床の軋みが店に反響した。
目指すのは、人間界の出来事を記した、“人間界で作られた”古書の棚。
数千年前のものにも関わらず、どれもまるで製本したばかりのようにくっきりと表紙のエンボス加工まで読み取れて、紙も崩れてくる事がない。
これが人間界に存在すれば、恐ろしく希少な価値を持つだろう。
しばし、手に取っては眺め、手に取っては眺めを繰り返していると――――。
書店主「も~……またエッチな本読んでるんですか~……?」
サキュバスC「ぎゃああぁぁぁっ!?」
気配も無く後ろに立った彼女が、囁いてきた。
取り落としかけた本をばたつきながら受け止め、棚に戻すと向き直り――――。
サキュバスC「いきなりなんだよ? また、ってなんだよまたって!?」
書店主「え、だって……この間も買っていったじゃないですか。つんけんした男装の女騎士様と、従士の青年の……」
サキュバスC「エロくねーだろ! ……っつか、あれ……エッチ、する場面……ないし……」
書店主「え? ……じゃああれ、どういう終わりだったんですか?」
サキュバスC「どう、って……色々あったけどチューして、その後結婚して、子供できてて……終わりだよ」
書店主「……あ~……でしたっけ。好きなんですか、ああいうの?」
サキュバスC「……人間にはハッピーエンドを迎えてほしいだけなんだよ、アタシは。苦い結末は嫌いだ、いくらそこにテーマがあってもさ」
書店主「でも、単純に好きなんですよね? ロマンチックなのも」
サキュバスC「あんたと話してると誘導されてはめられそうだから、もうこの話は終わりだよ」
カウンター前の席で“コーヒー”を嗜んで時を過ごしていると、自然、話題は“陛下”の事になった。
書店主「そういえばぁ……陛下、おちんちんが固まったままになって大変みたいですねぇ」
サキュバスC「あーね。しかし、一年も経つのにまだかかってなかったのがビックリだ」
書店主「ですよねぇ。まだ治りませんかねぇ」
サキュバスC「無理だろ、まだ四百回以上あるし……」
書店主「……え? “五百回近く”じゃないんですか? あ、もしかして……ふふっ」
その時、サキュバスCの顔はさっと青ざめ――――今自分が何を告白したかを理解した。
サキュバスC「い、いや待て違うんだって! 違うからな!?」
書店主「いえいえ、隠さなくてもいいんですよぉ。サキュバスじゃないですか。してる事、してるんですね~」
サキュバスC「あーーーーーっ! あーーーーーーっ!!」
書店主「それはともかく、本当は何をお探しになってたんですか~?」
サキュバスC「……いや、何って事もねェんだけどさ……気になって。あれ、減らし切れねェとどうなんのかなって」
書店主「ん~……どうだったかしら。おちんちんがもげちゃうとか……?」
サキュバスC「んなユルい口調で言うか、それをさ」
書店主「ところで、サキュバスCさん。風の噂ですけど……また、どこかお行きになるとか」
サキュバスC「あぁ、“別荘”な。今までもちょくちょく戻ってたけど、リンゴの実が生るって分かったから色々世話して、試したくてさ」
書店主「リンゴ……? ああ、あれですか。あれでお酒作ると美味しいんですよぉ。お口の中でしゅわ~ってして、甘酸っぱくて……」
サキュバスC「へー……美味そうじゃん、それ。どこで飲んだ?」
書店主「…………あれ? そういえば……どこでしょうか?」
サキュバスC「おい、おい……頼むよ」
書店主「でも……何でしょう。美味しかったし、すごく……幸せだった気がします。どこでか、誰とかは……思い出せません、けど」
言って、書店主は……何かを探るように、カウンターの上の一輪挿しのワスレナグサへ視線をやった。
今日の分投下終わり
本当、時間はともかく毎日更新できてて自分でビックリなんだ……
それにしても、書き専だから分からないけれど
やはりリアルタイムに追えるのは特別な何かがあるものでしょうか?
読んでいただけて何よりです
それではまた明日
乙
ワスレナグサ…
日々乙
リアルタイムだと作者とやり取りできたりも…な所か
さてどんな方向に進むのか明日も楽しみだ
おはようございます
>>431から
*****
サキュバスC「ま、そういう訳さ。アタシはアタシで、興味が出てきたんだよ。こいつで酒作れるってんならね」
勇者「動機は酒か、それも作る方で?」
サキュバスC「どうなんだ? 飲んだ事あったりするのか」
勇者「……確か、ある。リンゴを発酵させて作る酒で、発泡がきつかったな。すいすい行けるから調子に乗って飲んだせいで翌日酷かったな」
サキュバスC「ふーん……。まぁ、多分できんだろ。酒の造り方なんてどれもこれも似たようなもんだし」
勇者「密造酒の話を俺の前でするか……」
サキュバスC「あ? なんだ、逮捕か? いいよ、身体で払わせてやる」
勇者「俺が払うのか!」
サキュバスC「いいだろ? ……で、だ。マジメな話になる。お前、ヤベーぞ」
それまでから一転して……急に、サキュバスCは真剣な表情を向けてきた。
サキュバスC「……あと何回だ?」
勇者「え?」
サキュバスC「あと何回だっつってんだ!」
勇者「……四百と数回だ」
サキュバスC「そうか、クソっ……間に合わねェんじゃねーか……」
勇者「いったい何だ?」
サキュバスC「アタシも調べた。いいか、ソイツは……一週間しかない。淫魔熱は最初の症状が治まってから、“そう”なる。
なった後、一週間以内に回数を減らし切れないと……」
勇者「……消えるのか」
サキュバスC「…………知ってやがったのか?」
勇者「堕女神から聞いた、そうなった人間が過去に居たって。……一致したって事は間違いないのか」
サキュバスC「落ち着いてる場合じゃねェ。今日を含めてあと四日。四日で四百回、一日で割れば百回。……まずいだろ」
初日に堕女神と交わしていた言葉が、真実になってしまった。
一日当たり百回、しなければならない。
堕女神からだけ聞いた時にはまだ楽観できていたが――――今はそうはいかない。
サキュバスCからも同じ話をされた以上、徐々に焦りが生まれてくるのが勇者に分かる。
その話は……真実になってしまったと。
勇者「ちなみに、その話は……どこから? 修道士の話なら聞いたけれど……」
サキュバスC「違う、そいつじゃない。別人だ。別人がここで風邪ひいて病気を人間界に持ち帰って、
誰かにうつりこそしなかったが……同質量のドロドロになって死んだ」
勇者「……くそっ」
サキュバスC「ともかく、時間がねぇ。どんな手を使ってもいいから削り切るんだ。さもなきゃ、お前……」
勇者「……っ、待て!」
制するのが、一瞬遅れた。
話を遮る間もなく、焦燥感に駆られたままいたせいで――――気配に気付けなかった。
すなわち……ベンチの後ろにいつからか立っていた、隣女王の。
隣女王「……陛下……あの……」
勇者「……どのあたりから、聞いてた?」
立ち上がるとサキュバスCもきまりの悪そうな顔で立ち上がり、舌打ちする。
あくまで隣女王の方へ顔を向けないのは――――非礼ではあるが、誰も咎める余裕がなかった。
隣女王「陛下、が……その、回数を……減らせ、なければ……お体が……と」
傍らにサキュバスBはいない。
褐色の肌は光を失った土気色へ変わってしまい、その目は虚ろに、かつ涙を浮かべて揺れていた。
勇者「落ち着くんだ、決まった訳じゃない。……すまない、サキュバスC。また後で話せるか」
サキュバスC「ああ、分かった。……ごめん」
サキュバスCが去っても、隣女王は硬直したまま動かない。
座るように勧めても、彼女は地面に縫いとめられたようだった。
勇者「……隠すつもりじゃなかった。ただ不確かな事を言って動揺させたくなかった。分かってくれるか?」
隣女王「……左手を、お見せ願えますか?」
左手に灯った紫の四本線と、いくつかの点。
残る射精回数を示すそれを彼女へ見せると、その手は震えていた。
立ち聞きした話と、それを照らし合わせているのか……震えは止まない。
隣女王「そん、な……陛下、こうしている場合では……っ」
勇者「いや、大丈夫。気にしないでくれ、頼……」
隣女王「いけません!」
勇者は、彼女の激した声を聴くのは初めてだった。
思わず背筋が伸び、後ずさりかけた。
それでも左手は手放されず、隣女王の目が注がれている。
隣女王「……陛下、お願いがございます。どうか……これだけは」
勇者「……何かな」
隣女王「お伝えする前に、約束してください。必ず聞き入れて下さい。何と引き換えにしてでも、決して断らないで下さい」
勇者「それは……中身を聞いてから、じゃないと……いや。俺に出来る事ならば」
隣女王「約束ですよ?」
回りくどく、外堀を埋め固めるような言葉は、詰めが甘く、乏しい。
しかし、だからこそ伝わる事もある。
隣女王の中には、今――――決心がある。
勇者「……約束する。俺に出来る事なら」
隣女王「それでは」
彼女の唇は震えながら……それなのに、はっきりと言葉を紡いだ。
隣女王「私に。私、だけに……お手伝いさせてください。私を使って……下さい」
短くてすまないのですが、今日はここまで
>>433-435
書店主のあの話、今でも結構お気に入りなのです自分で
ただどういうテンションで書いていたのかはもう思い出せない
>>436
進む方向なんてエロに決まってるじゃないですか、少なくともこのシリーズでは
そして申し訳ない
明日はまた投下できない可能性が高い、というかほぼ……
では、また明後日……ちくしょう
会社は倒した
俺が倒した
二時~三時にまた来ます
こんばんは
投下を始める
>>447から
*****
勇者「今更言うのは良くない、それは分かる。……だけどだ。本当に良かったのか?」
隣女王「はい。覚悟は……できております、陛下の為ですから……」
勇者「俺の事なんてどうでもいい。君の話だ」
隣女王「陛下。去年の、……私達を助けて下さった時の事を覚えておいででしょうか?」
勇者「……忘れもしないよ。トロールの巣があんな近くにあったなんて。怖い思いをさせたな、ごめん」
隣女王「いえ……あの時は、本当にありがとうございました。私は……今、陛下をお助けしなければなりません。
こうする事、ぐらい、しか……。それに」
勇者「……それに?」
隣女王「私……凄く、嬉しいんです。ですから、その……」
隣女王「優しく……してください、ね」
蝋燭の灯が、艶めかしく汗に濡れた褐色の肌を照らし出す。
純白のシーツの上だからこそ映える肌の色は扇情的だった。
ましてその肢体の持ち主が淫魔であり、年端も行かぬ少女であり、そして、高貴な身分の者であるという事実。
興奮を覚えない者など、いないだろう。
隣女王「で、でも……少し……怖いです……ね、これは……」
じゃらり、と似つかわしくない硬質な音が部屋に響く。
見ると、ベッドに仰向けにされた隣女王の両手首には手枷がはめられ、そこから伸びる鎖が頭側へと伸びて壁に留められ、固定されていた。
隣女王はまるで監禁され、性奴隷として使われるような姿のまま、ベッドに横たわる。
自由に動く脚にも、動きを鈍らせ、筋力を奪い抑制するための魔法の足枷がはめられていた。
彼女が自由に動かせるのは、胴体と頭、それだけだ。
勇者「……外そう、やっぱり。こんなのは……」
隣女王「いえ、平気です。聞き及んでおりますから……」
これは、彼女の内側に眠る“淫魔”を抑制するための措置だ。
一たび切り替わってしまえば、彼女は止まらない。
文字通り共に過ごす男の全てを絞り出し、干乾びさせ、その精力を食らい尽くすまで。
かつて、彼女の種族を見た時もそうだった。
この幼い淫魔へ滾りをぶつけていたオークは……逆に生命力を吸い取られ、殺された。
ベッド脇には、淫魔の手になる強壮剤の瓶が数十本に渡って並べられている。
一瓶飲めば、三日三晩は精力を保てる強烈なものだ。
疲労回復効果も折り紙付きであり、製法は淫魔の秘伝。
そして――――既に一瓶、飲んである。
隣女王「……陛下、その……」
もじもじと、裸身をくねらせながら隣女王は頬を赤らめて呟いた。
隣女王「あの、怖い……ので……口づけ、を……していただけませんか……?」
一糸まとわぬ裸体で、手枷と足枷をはめられたまま、彼女は照れながら言った。
ささやかな胸を隠す事も、産毛のような銀毛がまばらに生えた秘所を隠す事もできないのに。
乱れた銀髪でせめて目元を隠しながら、そう望んだ。
応えるべく――――勇者はゆっくりと圧し掛かり、ぎゅっと目を閉じた隣女王の唇を、奪う。
隣女王「んっむ……っちゅ……はっ……ふぅ……!」
覚えた口淫とは違い、ひどく拙いキスだった。
舌を差し入れ合い、前歯と口の粘膜を溶け合わせるようなものではない。
むしろ、その前。
初めて触れた物の感触を、互いの唇の結び合う感覚を必死で覚え込もうとするような、切なげな文字通りの“接吻”だ。
*****
堕女神「…………推奨はできかねます」
勇者「……ああ、そういう事も分かってる」
サキュバスA「命、いらないんですの? ダー○シュ○イダーでさえ絶頂死するような……」
勇者「それも聞いた事がある」
隣女王の申し出は、慎重にならざるを得ないものだった。
互いの身分の意味するところもだが、何より迂闊に手を出せば殺される。
ただ精力を糧とするだけのこちら側のサキュバスと違い、隣国の淫魔は根こそぎ奪い尽くす、
悪く言えばイナゴのような生態を持つサキュバスだ。
その中でも隣女王は最上位であり、一度眼を覚ましてしまえば……何が起こるか、分から無い。
ドラゴンの尾をくすぐるような、一歩間違えば殺されかねない危険がつきまとう。
それが分かっているから堕女神も、サキュバスAも、説得に回る。
執務室にいるのは、勇者を含めた三人だけ。
堕女神「……もはや、説得はできないのですか?」
サキュバスA「……私は止めましたわよ?」
勇者「……だから、安全策を可能な限り考えてほしいんだ」
隣女王の暴走を防ぐ、もしくはしてもコントロールできる手段を考えなければならない。
堕女神とサキュバスCの結論が一致し、残り回数を消化できなければ何が起きるか分から無い。
そして何より、隣女王を説得する事はもうできない。
彼女の眼を見れば、分かる。
あれは――――本当に、勇者の身を案じて、その上での申し出だったからだ。
堕女神「……主導権を奪わせないようにしましょう。魔力を込めた枷を準備します」
サキュバスA「では、私は各種回復剤を調達して参りますわ。それと……」
勇者「ポチにも頼もう。もし何かあれば、割って入ってくれるように」
地下牢のキングローパー、ポチには途轍もない特性が一つある。
それは――――“特性を含めた、魔族の魔力を完全に無効化する”点だ。
最高位の魔族が生み出した攻撃魔法も効かず、魔族の結界を意に介さず通り過ぎ、とにかく魔力は効果がない。
物理的破壊には弱くとも再生能力がそれを補い、寿命は恐らく無限。
動きが緩慢な点だけが弱点だが、補って余りある。
ただ勇者の放つ雷だけが、彼を打てた。
そして……いくつもの安全策を重ねた上で、今に至る。
ではここまでだ
続きはまた明日
……当初予定していた文字数を圧倒的にオーバーしているのはないしょだぞ!
始めます
>>467から
*****
隣女王の小さな唇は接吻の最中にも細かな震えが止まらない。
緊張か、歓喜か、その両方なのか――――蠢きはしても、ぎこちなさが勝る。
嫌がる素振りはなくとも、彼女は赤らめた顔をわずかに動かし、ぴったりと覆われた唇の端から、少しでも酸素を取り込もうと試みていた。
やがて、口づけの波は一時治まり、至近で隣女王に覆いかぶさり向き合う姿に戻る。
頭の上まで持ち上げられ、鎖でくくられた二の腕に汗が一筋流れる。
甘酸っぱさの混じる香りが露わに広げられた脇から立ち上り、鼻腔をくすぐる。
サキュバスBのものに似てはいても、花のニュアンスが強い。
もし人界の男がこれを嗅げば彼女を貪る、獣と化し―――――やがては、貪られる草と化す。
隣国のサキュバスの放つ媚香は、獲物を罠に嵌めるための誘惑。
一時たりとも、油断はできない。
罠に落ちれば、食い殺される。
隣女王「あの……陛下……触れて、くださらないのですか……?」
眉を寄せ、困り顔を作って彼女は懇願する。
罠と知っても、尚――――応えねばならない。
彼女は今夜、決心とともにこうしているのだから。
一糸まとわぬ隣女王の裸身は、さながら悩ましき名画の中の少女。
ムラない薄褐色の肌は計算されたように均一で、汗をまとえば艶めかしく輝きを放ち――――舌を乗せれば、極上の甘味を味わえそうだ。
滑らかな胸の中心にある乳首は鮮やかなピンク色をしており、今は口づけと、視線に晒されているせいで硬くしこり、
呼吸するたびにぴくぴくと胸の上下に合わせて揺れていた。
薄い皮膚からは肋骨の凹凸も数え上げられるほどに透けて、そこから続く腰は細くくびれており、
両腰を結ぶ線上には小さく美しいへそが細く切れ込んでいる。
小さな胸に手を伸ばすと――――
隣女王「んっ……!」
彼女は、急に身を悶えさせて声を上げた。
指先はまだ触れておらず……乳輪の外縁に近づいても、紙二重ほど離れているのに。
勇者「隣女王、まだ……何も触ってないぞ」
隣女王「す、すみませ……っ。その、陛下の体温が、近くに……感じて……!」
まだ、何も触れていない。
触れていないのに、彼女の鋭敏化した触覚が、体温を捉えただけで体を跳ねさせたという。
もし触れてしまえば……もはや何が起こるか、どちらにも分からない。
隣女王「陛下? ……ふぇっ!」
生殺しに、隣女王の乳首へ息を吹きかける。
左胸には触れるか触れないかの位置で手を置きながら、上下する微かな丘へ唇を寄せる。
隣女王「はぅっ……ふ、ぁぁぁ……! そ、んな……苛めない、で……くださ……ひゃあっ……くっぅ……」
細く息を吹きかけ、指先の熱をかざしているだけで、彼女の身体は面白いように跳ねる。
快楽の砂鉄を寄せ集め、彼女の乳首の内側へ固めるような楽しさがそこにはあった。
その指は磁石、その吐息もまた磁石。
数分そうしているだけで、分かる。
今――――彼女のなだらかな胸は、“性器”となったと。
隣女王「んんっ、ぅ……くは、う……っ! さ、触って……は、くださらないの……ですか……?」
勇者「……触ってほしいのか?」
隣女王「っ……陛下……いじわる……なの、ですか……?」
彼女の口から、そんな子供じみた言葉が出た事に苦笑し、そして――――嬉しく、思う。
幼い見た目ながらに凛と振る舞う彼女でも、きちんと……“幼い”、と。
更に、すぼめた唇を解いて、吹くように――――ではなく、吐きかけるように暖かな息を、桃色の頂を飲み込む雲のようにかける。
隣女王「ひゃ、ああっぁぁ……! ちく、び……ばか、り……ぃ……!」
ぞくぞくぞくっ、と隣女王の体が小刻みに震え、結ばれていた唇からとろけた息が漏れた。
目を落とせば、彼女の脚の間にある肉厚の割れ目からは清水が滲み、小さなクリトリスの下にぷくりと水玉が浮かび、流れる時を待っていた。
悪戯心は、ここまで。
今から、その水玉を破裂させる。
隣女王がのけぞり、顔を背けた一瞬のうちに――――右手は彼女の左乳首を抓み、唇は右の乳首を挟みこむ。
隣女王「――――――ひっ! き、あっ、あぁぁぁぁぁっ!!」
自由に動く胴体を思いきりのけ反らせ、逃れようとするように彼女の背は暴れ、アーチを描く。
その抵抗に振りほどかれまいと、浮いた腰の下に左手を差し入れて、それを“無駄な抵抗”へと変える。
隣女王「あひっ、……っぎっ……! は、離し……離し、で……くだ……きゃあぁぁん!!」
唇の中で隣女王の乳首を吸い込み、転がし、舌先でねぶる。
まるで彼女もまた“呪い”を受けたように、その乳首は硬く勃起していた。
刺激を加えるたびに、彼女の細い体の中で何かが弾み、反響を繰り返すのが分かる。
折れそうなほどのけぞる背骨の悲鳴に加え、引き延ばされる腹斜筋が体をひねって逃れようとし――――胸部の快感に負け、力を失って縮む。
隣女王「あっ、うぅ……! んぁ、……も……だめ……離し、て……ぇ……!」
右手の指で弄ぶ乳首もまた、硬い。
隣女王の体は強張り、弛み、また跳ねて――――彼女の目は焦点を失い、口元の締まりも失う。
隣国の淫魔の持つ、肉棘の生えた猫のような舌がぴんと天蓋を差して伸びる。
とうに局部の堤防は決壊し、とろとろと蜜がこぼれ、シーツに染みを作っていた。
存分に、彼女の小ぶりな胸を慰め終えると――――右手を離し、唇を離し、そして腰を浮かさせていた左腕を離し、
再び彼女に仮初めの自由を返した。
隣女王「はぁっ……はぁっ……そん、な……胸、ばかり……いや、です……」
勇者「どうして」
隣女王「だ、だって……私、こんなに……小さくて……申し訳……なくて……」
この国に来て、幾度となく彼女は比べたのだろう。
堕女神と、サキュバスAと、サキュバスCと、そして――――見た目の歳はそう変わらない、サキュバスBと。
隣女王「ふひゃっ!? へ、陛下……そこは……!」
それ以上、彼女に自分を卑下する言葉を吐かせないために、勇者は体の位置を下げる。
ぐっ、と隣女王の細い腿を持ち上げ、左右に開かせ……秘部へと顔を近寄せた。
今日の投下はこれまで
ではまた明日
たぶん今週……今週で終わる、ような気がする
きっと
たぶん
おそらく
こんばんは、遅くなった
>>479から
隣女王「はぁ、う……! くっ、んっ、んうううぅぅ! そこ、は……ぁ……!」
膝裏を手で押さえ、自由に動けない彼女を更に固めるようにしてから、舌を差し入れる。
高まった体温は彼女の剥き出しの粘膜に灼けるような熱を与え、そこから沁み出る愛液を、煮立てたスープへと変える。
隣女王「ひうっ!」
膣口を取り巻く、花弁のような薄い肉のフリルへ舌を這わせる。
それは未だ切られていない、隣国の少女王の“封”だ。
迂闊に指を差し入れれば、ほぐれていないそれは簡単に裂けて赤い雫を落としたはずだ。
隣女王は、寝室に入り腕を繋がれ、足首に魔法の枷をかけられ、それでも視線を勇者の股間へ注いでいた。
浴場で見たそれの大きさを思い出し、ゆとりを持たせたズボンの上からでもふくらみが見て取れ、その暴性を恐れているように。
これから――――彼女は、これを呑み込む。
しかも、未通の聖所へ。
充分にほぐしてやらなければならない。
何よりも、彼女は……“初めての夜”なのだから。
隣女王「あぅっ……ん、そんな、ところ……きた、な……っ!」
隣女王は打ち震える。
指でまさぐる事がせいぜいのそこへ、生暖かい息をかけられ、恥丘を目線の高さで覗き込まれ、膣口を舌で舐られる事に。
彼女にはまだ、そこは排泄に用いる部分というイメージの方が強すぎた。
サキュバスBに何度か教えられても、なお……そこで快楽を貪る事への忌避感が残る。
それも――――畏れ多くも、初恋の相手であり、初めて見る“男”であり、呼び方は同じでも遥かに上位にある“王”に。
自分がそうしたように、“舌”で奉仕される事に、彼女は抵抗ばかりが募る。
だが、勇者はそんな事にも構わず、少女王の薄肉のフリルを、壊してしまわないように粘膜同士の愛撫を続ける。
舌を乗せるだけでも薄さと儚さが伝わり、小さな体の上下に合わせてリズムを整えひたすら、舐る。
流れ、顎先にまで垂れる愛液の蜜はシーツへ伝い落ちる。
すぐ目の前で恥丘に生えた銀の薄毛が揺れて、鼻先で尿道口が収縮を繰り返し、禁を堪えていた。
その小さな排泄口から香るほのかな匂いは、むしろ――――股間に優しくない。
楚々とした少女王のそこから香るからこそ、生臭さはむしろ官能的とすら言えた。
汗まみれの褐色の肌は上気し、血色を増す。
カエルのようにだらしなく開いた脚は幾度となく痙攣し、小さな桜貝のような爪を従える足指は開いて閉じてを繰り返した。
ムラ無い焼き菓子のような肌は――――禁断の果実の味付けを施されつつあった。
彼女に振りかけられる仕上げのソースの名は、“快楽”。
隣女王「はぁぁっ……! そ、そこ……くり、くりっ……されたら……で、出て……しまい、ますぅ……!」
勇者「……何を?」
隣女王「うっ、う……うぅ……そんな、訊か、ないで……ください……まし……」
答えない彼女へ罰を与えるように、“するな”と懇願された事を更に強める。
膣口の上側、収縮する尿道口との間を幾度も往復し、仕上げに膣口をすっぽりと唇で覆い、舌先で柔らかくなった肉のフリルを内側からこじるように蠢かせた。
隣女王「んにゃ、あ、ああぁぁっ!! 出、おしっこ……おしっこ、ですっ! 出ちゃう、出ちゃいます、からあ、あぁぁぁぁっ!
やめて、やめてくださ……っ!」
余裕を失った彼女は、ついにそれを言葉にした。
本来はそのためだけにしか使っていなかったはずの、最も恥ずべき、王族として口に出してはいけない言葉を。
禁じられた鍵穴を解錠するように、尚も下は止まない。
かつて覚えた解錠技術を思い出すように。
尿道口の収縮の周期は速まり、そこから押し出された尿臭が近づいてくる。
解錠の最後の一息を放つように、こっそりと忍ばせた指で、舌を離すと同時に膣口をこりっ、と撫でると。
緩み切った彼女の最上部の穴から噴き出たそれが、シーツへ放物線を描いて落ちる。
隣女王「やぁっ……見ないで、こんなの……いや、あぁぁ……見ないでください……っ!」
顔を覆う事すらできないまま、隣女王はかぶりを振って、それを見まいとする。
脚の間に見える勇者の顔を振り払おうとして目をつぶる事はできても、
シーツに落ちる放水の音を聞くまいと耳を塞ぐ事はできない。
死んでしまいたいと思うような羞恥心に耐えながら、彼女は耐えられない放出を続ける。
もはや――――自分の意思では、止められない。
だらしなく広げられた股間からの放尿を終えると、隣女王は嗚咽とともに身体を震わせる。
浴場での密やかなそれとは違い、他に何も音のない寝室で、意識がはっきりした状態で間近にそれを見られたのだ。
自分を信じられない思いが彼女の内側に渦巻き、涙となって流れた。
隣女王「っ、ひっ……ご、ごめんなさい……ごめん、なさい……!」
言葉よりも先に、彼女の頭を撫でてやる。
何かを言おうとしても、それはむしろ逆効果だ。
少しの間撫でてやると、嗚咽はやがて止み、隣女王は落ち着きを取り戻す。
勇者「珍しい事じゃない。それより……続けても、いいかな」
隣女王「……は、い。次は……私の、番……なのです、ね」
そして勇者は、取り出す。
未だ呪いに包まれたまま、止む気配のない“それ”を。
隣女王「……そん、なに……お苦しそうに……。私が……陛下を、お救い致しますから。どうか……私を、刺して……下さい」
彼女の頭を抱え、撫で、その瞳を覗き込みながら。
太腿を触れ合わせながら――――膣口へ、亀頭を押し当てた。
ではここまでだ
書いてる間、犯罪感が酷すぎてさぁ……もうね……
それではまた明日
乙!
ロリっ娘拘束からの失禁は股間に悪いですねぇ(ゲス顔)
堕女神さん今日一人で慰めてるんだろうな
隣女王との初夜は最初の一週間のときと勇者のヤル手順が似てるのがなんともww
ヤリ方一緒なんだあって読んでた
三時きっかりにスタートします
>>492
だから犯罪臭が酷いのです
>>496
だが俺は一度スレを立てた以上、堕女神をこのままフェイドアウトさせて終わらせてスレをHTML化申請をするつもりはないのだ
>>497
ね、狙ってるんだから!
決して引き出し少ないとかそういうんじゃないから!
始めよう
>>490から
いくら馴染んではいても、弛まってはいても、彼女のそこはひどく小さい。
肉の薄襞が誘うようにぴったりと亀頭へ貼り付き、蠢いた。
隣女王「お願いいたします、陛下。私を……貫いて……」
腕を拘束されたまま、隣女王がこちらを見据えて呟く。
彼女は、かすかに怯えていながら、視線はまっすぐ勇者の目に向いていた。
敏感になった肉の花弁からは、亀頭の熱さも、分厚さも、太さも、感じ取れるはずだ。
それなのに、彼女は――――。
勇者「もしも、耐えられなかったら……すぐ、言ってくれ。約束だ」
隣女王「……はい、約束いたします」
隣女王は怯むものの、ほぼ即答でそう答えた。
彼女へ応えるためには……もはや、やめる訳にはいかない。
亀頭に貼り付いた薄襞、そのせいで狭まっている膣孔へゆっくりと進ませる。
ささやかな抵抗をするような処女膜は、すぐに内側へ向かってぴんと張って……。
隣女王「い゛っ……!」
息の詰まったような声とともに彼女は身を強張らせる。
快感に震えていた先ほどとは違い――――痛覚によるものを、必死に堪えて。
それは、動きの激しさ、鋭さを見ればすぐに分かる。
勇者「大丈夫か……?」
隣女王「あ、あ……はい……お気に、なさらないで……少し、驚い、た……だけで」
勇者「少しだけ、少しだけ……耐えてくれ。もしも本当に嫌だったら、すぐに止めるから」
隣女王「嫌、なんかじゃ……! ありません……!」
破瓜の痛みに耐える少女王は強がっていた。
艶めかしくうねる肌に浮かんでいるのもまた、先ほどとは意味の違う脂汗だ。
もがく事も、シーツを握り締めて痛みを逃がす事もできないまま、彼女は秘部を切り裂かれる痛みに集中するしかなかった。
それが分かったから、勇者は手を伸ばして、ささやかな胸を撫でて、桜色の飾りを弾き、
――――持ち上げた彼女の右足、その爪先を口へ運び、優しく舐めた。
隣女王「えっ……!? 陛下、そんな事……おやめ、ください……! どうか!」
足の指を、銜えさせ、舐めさせる。
それはおよそ相手に屈辱を強いる事であると、隣女王は理解していた。
なのに勇者は進んで行い、せめて彼女の苦痛を和らげさせようとした。
口の中に広がるのは、塩気を含んだ汗の味と、浄めるのに使った薬草湯の香り。
混じり合ったそれらは馥郁たる美酒のように、口内を味覚として楽しませてくれた。
歯を立てるだけで切り取れてしまいそうな儚い足指は、一本一本がまるで耳たぶのように柔らかかった。
そこに乗った足指の爪もまた、貝殻のようにつるつるとしていて、
ゆるいカーブが黄金律を描いて爪の生え際から指先へ向かっているのが分かる。
ほんの少しの凹凸もないなめらかな爪は、芸術と言っていい。
水音をわざとらしく立てて、少女王のほっそりとした脚の終端を飾る、小さな足の指をしゃぶり上げる。
“そうさせている”という彼女の罪悪感と不安の入り混じる顔を楽しむ内に、屹立はさらに硬さを増した。
爪と肉の間に舌を滑り込ませ、根元を甘噛みし、親指の付け根――――母指球を、乳首にそうするように口づけする。
隣女王「いやっ……! そんな事、なさらないで下さい……! お、お願いですから……ぁ……ひゃっ!?」
指の股の一つ一つに至るまで、舐め清めながら同時に腰を突き入れる事も忘れない。
亀頭の半ばまでが、だましだまし、彼女の膣孔へ埋まっていた。
花弁型の処女膜が張り詰め、いつ裂けてもおかしくない。
目論み通り、彼女は脚への愛撫によってそこから意識を遠ざける事ができていたようだった。
――――ほんの少しの間、だけは。
隣女王「あっ、くっ……うぅ……! へ、陛……下……もう、全て……入りましたか……!?」
再び侵入の痛みに気付いて、彼女は声を上げた。
だが、まだ――――まだだ。
隣女王「いっ……ぎっ……! そ、そんな……まだ、なんてぇ……!」
まだ、彼女から――――止めるよう懇願されてはいない。
その間にも腰は突き入れられ、屹立は少しずつ埋まり、亀頭の径が太くなるに従い、膣口から感じる圧迫も強くなる。
膜が裂けるか、こちらが締められるか。
隣女王「ぐっ、あ、あぁぁぁっ……! や、やめないで……ください、ね……?」
苦痛を噛み殺しながら、隣女王は言った。
これ以上、じわじわと苦しめるよりは。
決心して勇者は屹立を埋めるペースを速めて、ひと思いに彼女を貫く事にした。
隣女王「っ、あ、うぅぅあぁぁぁぁぁっ!! い゛っ……ううぅぅぅっ……!」
――――――ぎりっ、ぎりぎり、ぷち、ぷちっ……ぶつんっ。
そんな、音と手応えが互いの体へ伝導し、響き合った。
張り詰めた膜の一角が圧に耐えかね、裂けた。
後は、あっという間だった。
その裂け目が広がるように小さく塞いでいた膣口の“封”は切られ、ぷつぷつと血の玉を生じて迎え入れたモノの周りを染めた。
亀頭を呑み込み、さらに勢い余って指三本分のモノを……少女王の膣孔は受け入れた。
ずくずくと締め付けてくるのは、痛覚の為す収縮によるものだ。
指先でさえ入るか怪しかったものが、今この時――――彼女の手首に近いサイズのモノを受け入れてしまったのだから、
その激痛は計り知れない。
隣女王「う、ぅぅっ……はぁっ……は、ぐっ………!」
動かずにいても、糸を巻くような痛々しい締め付けが、モノを苛む。
彼女は拙い知識と本能を総動員して少しでも痛みを逃し、散らそうと試みていた。
勇者「っ……くっ。大丈夫、か……? 少し、休……」
隣女王「い、え。……動いて、ください」
勇者「だけど……」
隣女王「私、なら……す、すご……く、気持ち、いいです……よ……?」
隣女王の言葉は、ウソだ。
顔に浮かぶ脂汗も、未だ続く鋭い締め付けも、ムダな力が入って反る背筋も、身じろぎするたびに漏れる押し殺した悲鳴も、それを示す。
だがそれでも少女王は気丈を演じてそう言った。
誰の目から見ても明らかだからこそ――――暴いてはいけないものもある。
勇者「……動くよ」
隣女王「はいっ……んあぁぁっ!」
指二本の幅を抜き、再挿入する。
ほんのそれだけなのに隣女王の声は痛みを逃すように張り上げられた。
“練習”の段階を踏むように、少しずつ、少しずつ――――破れたばかりの純潔を拭うように。
隣女王「はぅっ、ぎっ、うあぁっ……! い、だっ………!」
指二つ分の抽挿が、彼女には未だ苦痛のようだ。
かつての“七日間”では、彼女が慣れるまでそう時間はかからなかった。
――――――その向こうに潜む、“捕食者”が目を覚ますまでにも。
今、この瞬間こそ……竜の尾をくすぐるような、危険な競争だ。
追い詰められているのはどちらなのか、分からない。
十ストロークほどの後、隣女王の声に変化が生じた。
隣女王「あは、ぁんっ……!」
結合部に、汗と聖血以外の液体が混じっていた。
ぬめりを増すそれは、モノにまとわりついて……抜くたびにべっとりと糸を引き、泡立つ。
それを受けて挿入の深度は少しずつ深くなる。
大きく抜いて、深く差し込む。
数ミリずつの進撃が、隣女王の秘部を裂き、内側の粒の一つ一つを滑らかにさせる。
隣女王「あ、あんっ……きもち、いぃ……気持ちいぃ、ですぅ……」
彼女は、自分で腰をかすかにくねらせる事すら覚えていた。
獣がすぐに立ち方、歩き方を覚えるように。
思えば、彼女は性的な事への物覚えがあまりに早い。
前回の来訪でも、今回の来訪でも、彼女はまるで――――“思い出す”ように全てを吸収した。
もう、モノにまとわりつくのはぎこちない痛覚による遮断ではない。
膣口の筋肉はゆるみ、海棲の軟体動物のように貪欲に勇者のモノを呑み込み、吐き出し、再び呑み込む。
その中の肉の粒がぐじゅぐじゅとうねって、迎え入れた剛直を溶くように揉み込み、消化されゆくような熱い柔らかさを以て刺激する。
ぴんぴんに尖ったクリトリスは包皮の先端を割って真珠のように覗かせ、その生白さは――――彼女を包む褐色と相まって、至宝のごとく輝く。
隣女王「あんっ……あ、ふぅぅっ……おま〇、こぉ……気持ちいい、ですっ……気持ちい、気持ちいい、気持ちいィ……っ!」
少女王の表情は、振り乱された髪で顔の半分を覆い隠してなお見える、薄笑いを湛えていた。
快感によるものだけではない。
目を覚ましつつある何かが、彼女の小さな体へ表出し始めた。
もはや、抽挿はおっかなびっくり行ってはいない。
彼女の小さな体を壊しかねないほど危険なペースで行っていた。
亀頭が抜けかけるほど引き抜き、小さな体の奥にある子宮を潰すように叩きつける。
眠りから覚める前の魔物へ全力の攻撃を注ぐように――――。
隣女王「あはぁんっ……あ、うぅ……そ、こぉ……入り口ぃ……! あ、何、かっ……何か、変、ですぅっ……怖、い……お腹の、奥、がぁ……!」
彼女の中で、快楽の爆発の予兆が起こる。
恐らく、あと数合で達する。
それを察した勇者は、更に腰の動きを早め――――。
隣女王「あっひいぃぃぃあぁぁぁっ! お股、がぁ……だめ、ですっ何……か、これ……ふあああぁっ! あ、あぁぁぁぁっ!」
やがて隣女王は、暴力的に突かれながら達した。
針のように尖った乳首が震えるほど背筋を反らして、悪魔に憑かれたような痙攣の後に脱力し――――同時にこちらも放つ。
勇者「っ…く、あっ……! 何っだ……と……!?」
視界が一瞬暗転し、暗闇の果てに吸い込まれるような長い射精が起きた。
彼女の膝を広げて押さえ込む左手の紋章。
それが――――“十回分”ほど消えるのを、勇者は確かに見た。
今日はここまでだ
それではまた明日
いやぁ、書こうと思えばあと5個ぐらい濡れ場は書けるのよ
文字通りヤりたい事は結構あってね
今日は零時くらいに始めますので予告
そんではぼちぼちと始めます
>>507から
ベッド脇の蝋燭が不自然なほど、風に煽られたように揺らいだ。
加えて――――芯まで冷えるような悪寒がぞくりと身体に走る。
止まない射精、熱くうねる彼女の膣壁、吸い取られゆく体力。
左手甲のカウントは、十一回に相当する射精を告げた。
寝台の上に、小さく空気の漏れるような音が断続的に響く。
根源を探せばそれは、隣女王の口もとからだ。
振り乱した前髪の奥には彼女の赤眼があるが、薄暗い中でも見て取れるほど瞳孔が広がっている。
少女王は内に眠るものを解き放ち、その歓喜を漏れ出る笑いへ変えた。
クスクスと笑う、か細く高く……それゆえに底冷えのするような声は、“魔族”そのものだ。
隣女王「……もう、そんなに気持ちよかったのですか? 沢山出せて良かったですね」
削られた体力は、まさしく――――射精十一回分に相当する。
それだけの量を一度に出してしまえば、肉体には想像を絶する過負荷がある。
全身を鉛のような疲労が襲い、精力を奪われた精神の疲弊が内側から責め苛んだ。
常人であれば死に至ってもおかしくはない。
解放の一瞬だけは、腰が砕けそうなほどの快感があっても……それは、生命力と引き換えに得たものだ。
勇者「くっ……! はっ……はぁっ……!」
隣女王「どうしたのですか? さぁ……続き、しましょう?」
たまらず隣女王の体の上に身を投げ出し倒れ込んでしまうが、耳元で魔力を含んだような声が囁く。
腕を拘束され、脚には魔法の枷がはめられ、身動きを取れていないのにも関わらず彼女は淫魔そのものの妖艶さを声に宿す。
一見して、どちらが縛めを受けているのか分からないほどに。
犯されたのは――――どちら、なのか。
隣女王「ほぅら、早く……腰を振りなさいな。私をこんな風に……まるで性奴隷のように繋いでいるのですから、
貴方が動かなければならないでしょう?」
勇者「っ!」
内側に埋めたままのモノが、きゅんきゅんと締め上げられる。
まるで内側にもう一つの“口”が存在するように、子宮口が降りてきて鈴口へ貼り付き、白濁の海のなかで口づけを交わしていた。
原初の海、生命のスープの中で命を交わらせ合うように。
淫魔と化した少女王は艶めいた忍び笑いとともにささやきながら、筋力を奪われ自由に動かせなかったはずの脚を勇者の腰へ絡めた。
隣女王「腰を振りなさい、“人間”」
それは――――冷たく言い放つ“命令”だった。
ベッドサイドに並べていた魔法薬の小瓶を手に取り、飲み干すと――――体力は一瞬で全回復した。
サキュバスBに施されたあの回復淫魔術に比肩する効力は、何を使って調合されたものなのか……想像すれば、危険な答えばかりが脳裏を過る。
空になった小瓶を放って、ベッドの上に手を突いて隣女王の体から離れ、しかし脚を絡められながら動きを再開する。
隣女王「あんっ……! もう……お元気、す、ぎっ……んはぅっ……」
勇者(……気を抜けば、殺されるかもしれないな)
鎖の奏でる硬質な金属音は、その勢いを増した。
肉を打つ快音に合いの手を入れるように、止まない。
隣女王「あはっ……、そう、ですよ……貴方の、太くて、逞しくて……っもう、私の……そこ、使い物に、ならなく、なってしまい……そう……」
彼女の下腹部に浮きあがるほど激しく抽挿を繰り返しているのに、隣女王の惑わすような妖艶さは崩れない。
内臓を抉り抜かれるような物理的衝撃で時折唾液とも胃液ともつかぬ水気をごぷっ、と吐き出すものの……彼女は決して懇願するような事は無い。
むしろ、その逆。
荒々しい凌辱を受けてなおも脚には力が注がれ、ぎゅっと抱え込んできている。
隣女王「うぇっ……ぐ、ごふっ……! フフっ……焦り、すぎ……では……?」
がつんがつんと腰を振るうち、早くも二度めの射精の時が来る。
生命としての危険信号。
背徳的退廃的な現在の状況。
そして――――隣女王の宿した、精気を吸い取る暗黒の引力。
それらが混じり合い、先ほど以上の昂ぶりが股間へ凝集していくのが分かった。
隣女王「ぐぷっ……! フフフ、もう……出すのですか? まるで、浅ましい猿のようです、ねっ……っあふっ!」
彼女が平素であれば絶対に吐かない言葉は、完全に勇者を下と見なすものだ。
幾度も膣奥を突き上げられ愛液を絶え間なく吐き出し、口もとからは胃液と唾液のカクテルが流れ出ているのに、それでもだ。
軋みを上げる小さな身体なのに、それでも――――彼女を殺してしまえるとは思えない。
殺されるのがどちらなのか……勇者は、未だもって掴めていなかった。
瞳を覗き込めば、妖しく輝く赤色の瞳に、所持者を呪い殺す魔の宝石を見るような威圧感を覚えた。
その危険な気配が早まらせたのか、再び長すぎる射精を吐き出し、隣女王の体内へ向け、
下腹部がカエルのように盛り上がるほどの量を放ってしまった。
隣女王「んあ、あぁあぁがああぁぁぁっ!」
それでも崩れていなかったはずの気品ある声は、達する際に禽獣のような叫びに変わった。
万力で締め付けるように絡めた脚に力が注がれ、彼女の一番深い部分で吐き出す事を強いられてしまった。
勇者「ふうっ……! が、はっ!」
いったいどれほどの量が精道を通り、鈴口から放たれているのか――――目視はできない。
盛り上がっていく彼女の下腹部を超えてでしか分からないため、果たしてどんな馬鹿げた量の精液が吸い取られたのか、
手がかりは左手の紋章だけだ。
数夜で消えるはずの、“十”を示す線形が呆気なく消えていく。
またしても十回分以上に相当する量の精液が、ほんの一瞬で吸い込まれてしまった。
がくがくと震える腰、背筋から脳天までを突き抜ける熱い快楽。
十数秒にも匹敵する時間を、ただ射精するためだけに費やす、危険な恍惚感。
補充したばかりの体力も精力も、またしても空にされた。
備えはしていたのに……既に、これは危険な泥仕合となってしまった。
隣女王「ふふふふふふふ。とっても気持ちよかったですよ? でも……」
再び倒れかかるも、直前で手を突いて彼女を押し潰してしまう事を防ぎはした。
間近には彼女の小さな胸が呼吸とともに揺れていた。
勇者「…………えっ!?」
頬に、冷たい感触が確かにあった。
彼女の手が。
確かに拘束し鎖でつないでいたはずの、冷えた手が。
隣女王「お疲れでしょうし、今度は私が動きます」
彼女を縛るものは、もう――――ない。
今度は、勇者の背が……隣女王のあらゆる体液で濡れたシーツを舐めた。
咄嗟に二本目の小瓶へ伸ばした手を、隣女王は黙って見送る。
それを乾すと同時に、今度は勇者の腕が鎖に繋がれていた。
隣女王「……もう、逃がしませんよ?」
収容違反発生とともに今夜はこれまで
明日はものすごい気乗りしない用事があるのでかなり怪しいです、投下
もし三時過ぎて来れなかったら、無いとお思いください……
それと恐らくあと三~四回で終わると思います、たぶん
それでは
よう
時間めちゃくちゃだけど書けちまったから投下しちゃうぜ
>>528から
*****
柔らかく湿った舌が、肌の上を滑る。
舌の表面から生えた微細な肉の棘は、獲物の身体を捉えて離さないためにある。
隣女王「くすっ……。さっきと立場が逆になりましたね?」
隣女王は無邪気に笑いながら、舌で勇者の胸筋を愛撫していた。
胸板を棘舌が這うたびに、ちりちりとしたくすぐったさが軌跡を残す。
乳頭に触れるたびにぴくりと震えて――――また、嘲笑われる。
ざらついた舌の刺激と、舌を這わせながら上目遣いに歪ませた眼光を投じられる度に思い知る。
今、自分は――――魔物に囚われたのだと。
隣女王と捉えていた手枷と鎖は、今は自分の手にかけられていた。
頑強な鎖は、隣女王の力では引きちぎる事などできないはずだった。
それなのに彼女はどうやったのか――――手を傷つける事も無く、鍵をこじ開ける事も無く、気付けば亡霊のように抜け出ていた。
魔法とすれば、それはいつ為された?
答えが何も浮かばず、たとえ訊ねたとしても彼女が答えるはずもない。
勇者「うっ、くっ……!」
隣女王「暴れてもダメですよ? だって……もう、離しませんから」
身体をくねらせ、舌から逃れようとしても叶わない。
腕は鎖に絡め取られ、そして何よりも――――今なお、治まらぬ逸物は彼女の中に残されていた。
逃げようとした奴隷を罰するように、隣女王は自らの意思で雁首を膣口で締め上げた。
勇者「――――――っ!!」
隣女王「くすくす……。お馬鹿なおちんちんですね。私の中に、あんなに出したのに……まだ足りないんですね? 哀れな猿の“盛り”のようです」
勇者「くそっ、離――うあぁぁぁっ!」
またしても……達してしまった。
それが果たして、何回分の射精だったのか、唯一の確認手段すらない。
ただ隣女王が膣口を締め付けただけで――――軽い射精感が巻き起こり、腰ががくがくと震える。
生命力を吸い取る魔の花弁が……もう、勇者を逃さない。
全てを吸い尽くすまで、もはや隣女王は治まらないだろう。
隣女王「……そうだ、こうしましょう。貴方を、連れて帰って……私のお部屋で、ずっと飼ってあげるのです」
数十回分の精液を受けて、カエルのように膨らんでいたはずの下腹部は……今はもう、ほっそりとしたフォルムへ戻る。
大量に飲み込んだはずの精液は、どこかへ消えてしまったかのように。
隣女王「毎日、毎日、……私がいいというまで、奉仕させてあげます。嬉しいでしょう? 貴方は、残りの人生……私の性奴隷です」
その声は、人を飼う魔族に相応しい魔性を秘めていた。
ともすれば、彼女は――――このまま、二度と元の性格に戻らないのではないかと。
隣女王「さて、それはそれとし……私が自ら腰を振ってあげましょう。大丈夫です、きっと……死にませんから」
勇者「っ……ぐっ……! よ、止せ……ああぁぁぁあっ!!」
隣女王「止せ? ……“お願いします、やめてください”でしょう? 人間。まぁ、止めませんけれど……ね」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、という水音が、蝋燭の光すら消えた部屋へ淫らに響く。
暗闇の中でモノにまたがり、“淫魔の女王”そのものと化した少女王が腰を上下させる。
不規則な動きで横にくねらせる腰遣いは、彼女が身に着けていていいものではない。
誰も教えていないはずの動きだ。
彼女に飲み込まれっぱなしのモノにはいつまでも離れない熱さとうねる肉襞の感触が追いすがり、しかし鈍麻させてもくれない。
勇者「う、あっ……! あ、あぁぁ……」
敏感になり続けたままの快楽神経が直に撫でられるような、正気を奪われる臨死の快感。
天蓋の中で二重星のように輝く二つの瞳が、こちらを見下ろしてくる。
粘土に切れ込みを入れたように喜悦と快楽、そして支配とに歪む口元は、まるで地獄の炎を宿すように暗闇の中でもはっきりと見えた。
隣女王「ふふふふふふ。どう? 気持ちいいでしょう? もう貴方は私のもの。……脳髄の奥まで焼いてあげますよ。じっくりと、ね」
酸素を求めて半開きにした口の中へ、何かが伝い下りてくる。
目を可能な限り見開いて見れば、それは少女王がつぅっと落とした、唾液の筋だ。
拒否する事もできずそれは舌の上に下り……瞬間、熱が全身を駆けた。
それは――――紛れもない快感そのものだ。
口に入れるだけで、その瞬間耐えがたい“快感”へと変わる。
それは違法的な薬ですら叶えられない“魔法”に近い。
勇者「お、前……ッ何、飲ませっ……! くっ……!」
隣女王「……そう怖がらないで。“女王”は蜜を与えるものでしょう? 私を満足させてくれるのなら、好きなだけ飲ませてあげますよ」
舌に載せるだけで快楽を得られる、淫魔の蜜。
恐ろしい事に――――彼女の責めで消耗した体力が戻り、疲弊していたはずの身体からも疲れが消えてしまった。
それだけでなく、彼女と繋がっている部分、その真下。
二つの精液袋が、かっと熱くなり、漲るとまで感じた。
隣女王「さぁ、吐き出しなさい、人間。私の中……暖かいでしょう? 我慢しなくていいのですよ。
ほら……私の中に、その浅ましい欲望を充たすのです」
またがって腰を振る少女王は、更にその動きを早めた。
ごすん、ごすん、と内側を抉られ形を変える下腹部の圧迫も、もはや感じていない。
暗黒の空間を内側に広がらせているかのように。
隣女王「あ……はははははははっ! どれぐらい出るでしょうね? 見えないのが残念ですね……っ?」
やがて、極限に達した快楽は少女王の内側深くで弾け飛んだ。
勇者「うぐっ……! っ、ひっ……ぐ、うぅぅぅ!!」
精道が、大量の精液で押し広げられる感覚は初めてだった。
それは酷い圧迫感であり、耐えがたい苦痛の部類に近い。
それらは我先にと譲り合う事無く精道を駆け抜け、隣女王の膣奥を目指して遡る。
瞬間――――隣女王の下腹が再び、内側で小爆発でも起こったように膨らんだ。
隣女王「げぷっ……! ぐ、えぇっ……! あはっ……出し、すぎ……でしょう……?」
またも圧迫に耐えかねた彼女の胃液が押し出され、口元から漏れ……とっさに手で口を覆うのが見えた。
続けて二度、三度、散弾砲のように吐き出され……否、撃ち込まれた精液が彼女の腹をまるで妊婦のように膨らませた。
隣女王「うぇっ……ぐぷっ……! わ、私を……精液袋、にでも……するおつもり、ですか?」
左手の甲が、酷く痒く感じた。
加えて四度、五度、と回数を重ね……やがてようやく、射精の波は治まる。
体力はもはや、限界に近い。
だがしかしそれは、隣女王も同じだった。
隣女王「っ……は、ぁぁぁ……この、私に……よくも……こんな……人間、めっ……」
汗まみれで乱れた銀髪が彼女の額に貼り付き、煉獄のような瞳は光を弱まらせていた。
その時、勇者は気付く。
手が――――自由になっている事に。
勇者「っ……何だ? これは……」
拘束されていた両手を、ようやく下ろす事ができた。
鈍っていた手首から先の感覚を確かめると同時に、左手の紋章を眺める。
勇者「っ……嘘、だろ……!?」
五本の太線で構成されていた無慈悲な紋章は、もうない。
残っているのは、細い線が二本と、小さな点が五つ。
すなわち残り射精回数は、二十五回。
三百以上の射精が、この数刻の間で奪われてしまったのだ。
隣女王「? 何……だと?」
暗闇の中に、生臭くぬめる気配がいくつも漂っている事にもようやく気付けた。
隣女王も遅れてそれを察知したのか、内側からぬるん、と滑り落ちてモノが抜ける事にも構わず腰を浮かせた。
――――その瞬間、無数の触手が天蓋の中へと飛び込んでくる。
隣女王「何、う、あっがあぁぁぁぁっ! くっ、離――――っ!?」
勇者「……助けるのが遅いぞ、ポチ」
隣女王の身体は引きはがされ、ベッドの上に大の字で拘束され、その視界もまた幅広の触手で目隠しを施されていた。
更に四肢は軟体の奇虫のように変異した触手にそれぞれ肘と膝まで飲み込むように捕縛され、もはや動かす事は能わない。
勇者の目の前で揺れる一本の触手の言う事は……いつしか、理解できるようになっていた。
勇者「……『待たせたな』……じゃない」
今日はこれまでだ
ではの
ポチが現れるとき、それは処刑用BGMのイントロが入る
>>543から
幾条もの触手に絡め取られた隣女王の姿に、先ほどの傲岸不遜の魔族の面影はない。
ベッドの支柱と天蓋を巻き込んで形成された苗床に捧げられた生贄のように、彼女は動きを再び奪われていた。
隣女王「くっ……。何、の……おつもりですか……?」
勇者「……ポチ?」
隣女王「くだらない、ローパー如きに、私が……何っ!?」
目の前に躍り出た数本の触手が枝分かれしながら変異し、十数の触手へそれぞれ分かれた。
その形状は、一目で用途が想像できないものも少なくない。
ヒルのように平たい外観の腹に、粘液を滲ませる肉粒をびっしりと埋め込んだもの。
先端から四つに分かれた口内に、糸のように微細な触手を舌のように蠢かせるもの。
スライムのように半透明な粘液の塊が人間の手の形を成したもの。
連なる肉の粒を刺した串のようなもの。
それらが皆、彼女の褐色の幼い肢体を目指し、その時を待つ。
しかし隣女王が驚いているのは、そこではない。
彼女は恐らく、魔力を行使して触手を払おうとした。
肘まで、膝までを呑み込む触手を焼き払い、その縛めから逃れようと。
だが、それは――――叶わない。
淫魔では決して、この触手の持ち主には勝てず、殺す手段そのものも世界に存在しない。
隣女王「何故っ……きゃあ、あぁぁぁぁっ!!」
ヒル状の触手が、彼女の努力を嘲笑うようにささやかな胸へ伸び、ぐじゅりと粘液に湿る腹を押し付けるように、ぐねぐねと動いた。
隣女王「や、めっ……! な、何が起きて――――離せ、無礼な! 離……あんっ!」
すっぽりと覆われた小山を飲み込み、桃色の頂を捉え、内側の肉粒が粘液をなすりつけながら揉み込む。
淫らに響く水音は、視界を奪われた彼女の嫌悪感までも刺激してやまないはずだ。
自分が今何をされているのか――――次に何をされるのか、掴めない。
勇者「……『悪いな、嬢ちゃん。あんたに怨みはないが……あんたをそのまま帰す訳にはいかないんだ』」
隣女王「はっ……!? 何……を、言って……」
勇者「『せっかく起きた処、悪いが……もう一度、寝てもらうぜ。悪く、思……って、くれ』」
隣女王「先ほどから、何を……あぎっ! ぎ、ふぁっ……!」
微細な針状の触手が、彼女の肌に突き立つ。
しかし、血の滴る気配はない。
数秒して触手が脈打ち、何かを飲み込むように脈動していくと、謎は解けた。
針状の触手から吸い上げているのは血液、体液の類ではない。
紫色の燐光が瘤となって、地下深くのポチの本体へ向け、吸い込まれて行く。
ポチが吸収しているのは、彼女の――――淫魔としての力、そのものだった。
ポチ『旦那、手伝うぜ。残りはあと数回か? 気にする事ねぇ。あんたが一回動く度に、俺の吸収触腕は射精十回分もの淫魔力を取り上げる。
それに……一本じゃねぇからな』
勇者「……分かった、頼んだぞ」
隣女王に突き立ち、魔力を吸収する触手は合わせて五本。
それぞれ両上腕、へその下、左の尻たぶ、そして首。
五ヵ所から容赦なく淫魔の力を吸い上げ、彼女の身体に漲った凶暴性を吸い取り、無力化させていく。
口裂けの触手はヒル状のものと交代し、その乳首を内側の舌で締め上げ、ちゅぱちゅぱと音を立ててすすり込んでいた。
隣女王「あっ、あ……わ、私が……こんな……低級な……モノ、……に……?」
吸収されるたびにびくん、びくんと揺れる体は、もがく事すら許されていない。
彼女の四肢を飲み込んだ触手の中で暴れる手はさながら大蛇に飲まれた獲物のようだった。
ポチ『……低級でいたかったよ。淫魔を倒せる力なんて、欲しくなかったよ。でも、まぁ……仕方ないよな。
生きていたかったんだよ、俺はさ。もう、しがみつくのをやめても、落ちる事すらできねぇのさ』
勇者(……それにしても一体何なんだ、こいつの喋りは? ローパーの発言じゃないぞ)
ポチ『ほら、旦那。……ボサっとしてるな、間もなく夜が明けるぜ。急ぎな』
勇者「……ああ、そうだな」
触手に磔にされ、嬲られ続ける隣女王へ残りの数回全てを吐き出した。
驚くべき事に、この対淫魔の触手の洗礼の中でも、彼女の膣内は貪欲に蠢き、求めてきた。
それでも命がまだあるのは――――こちらが優位を奪えたからだ。
視界も、四肢の自由も、そして口も塞がれて、隣女王の中に宿った魔性は薄らぎゆき、やがて、消えた。
それが現れた時と同じように、淫靡な香りを放つ風が寝室を駆け抜け、背骨が折れそうなほどに身体を持ち上げ
――――やがて、ぷつりと糸が切れたように脱力。
ポチはそれを見届け、責め苛んでいた触手を全て仕舞い込むと、更に十数秒間の残心を以て警戒し、やがて、彼女の身体を解放する。
そこに残されたのは、隣女王の、無邪気な寝顔と、ささやかな寝息で揺れる裸身だった。
加えて左手の紋章は消えて、もうすっかりと、ようやく大人しくなれた“自分自身”。
勇者「……ようやく、だ。ようやく……楽になれた……」
ポチ『フッ、人生長いもんだ。たまには柔らかいナニが恋しい時もあるさ。葉巻、持ってないか?』
勇者「今度持っていってやる」
隣女王を寝かせ、ガウンを体にかけてやり――――服を着てから、力無く窓辺の椅子に座る。
部屋を埋め尽くした触手はすでになく、一本だけが残り勇者の横で蠢く。
ポチ『……まぁそれは置いといて、だ。あんたの世界に残されていた淫魔の悪名。その正体は、こいつらだ』
勇者「何だって?」
ポチ『かつてこいつらの寿命はもっと長く、身体も大きく、そして……無邪気さはなく、残忍性だけがあった。
だが……気付けばこいつらはガキのまま成長しないようになり、魔力も少なくなり、その精神にもフタがかぶせられた』
勇者「それは、……人間界の誰かが?」
ポチ『いや、恐らくは前女王――――の前に連なる誰かだろう。俺だって流石に全知じゃない。
ただ、誰かがこいつらの暴威を危ういと感じ、止めたのさ』
勇者「何のために?」
ポチ『分かるんだろう、色男。淫魔は……少なくとも、こっちの国の淫魔は、“人間”が好きなのさ。こいつらと違い、エサとしてじゃなくてだ』
勇者「隣女王は……これから、どうなる?」
ポチ『ひとまずあんたがつぎ込んだ魔力は全部取り上げたから、目が覚めたら元通りだろう。
だがこんなのはこれっきりにしろ。こいつらは男が死ぬまでやめないぞ』
勇者「分かった。……ありがとう、済まない、ポチ」
ポチ『礼には及ばねぇさ。恐らく嬢ちゃんが起きたら何も覚えていないだろう。……後はあんたに任せたぜ、それじゃあな』
そう言って、ポチの最後の触手は暗闇の中へ引っ込んでいく。
窓から差す朝の陽射しを背中に感じながら、勇者はベッドの上を見つめた。
そこには、憑き物の落ちたような顔で微笑むように眠る、銀髪の女王の姿があった。
勇者「…………ありがとう、隣女王」
彼女もまた――――紛れもなく、勇者を助けてくれたのだ。
投下終了
たぶんあと二回ぐらいの投下で終わります
だが終わらせるにはまだスレが余り過ぎているから、まぁそういう事になる
ではまた明日
よう、二回と言ったが今日の投下で終わりだ、騙して悪いな
そういう訳で、>>560から
*****
隣女王「それでは、皆さん。短い間でしたが、お世話になりました」
彼女が馬車に乗り込むのを、堕女神、サキュバスB、その他使用人達で見送る。
隣女王は、結局―――――あの変貌の事を、何一つ覚えていない。
最初に迎えた結合の記憶までしかなく、その後の異変も、ポチの事も、何一つ。
手枷が外されていた事に目が覚めてすぐ驚きはしたものの、“寝づらそうだから外した”とフォローするだけで彼女は納得した。
四百発もの射精を受け止めたというのに、とうとう、彼女の“そこ”から精液が漏れ出る様子も見えなかった。
恐らく、測るには桶が必要なはずだ。
それなのに彼女は全てを吸い込み、貪欲に力に変えてしまった。
勇者の背に、今朝から幾度も恐ろしい予感が走っている。
もし彼女があのままの勢いでいたら――――彼女に勝てる者は、この国にポチを除いていたのか、と。
隣女王「……陛下、いかがいたしました?」
勇者「……いや、何でもないよ。それより隣女王、体調に変わりはないか?」
隣女王「いえ、すこぶる快調ですが……どうして?」
勇者「それならいいんだ、何でもない。またいつでも来てくれ」
隣女王「はい、必ず。……それでは陛下も、お風邪など召されぬように……」
勇者「……肝に銘じるよ」
*****
サキュバスC「よーォ、フニャチン陛下」
勇者「またお前はそういう事を言う」
サキュバスC「何だよ祝ってやってんじゃねーか、バカ。快気祝いって事で何かやるか? いいぜ、お前になら何でもしてやるよ?」
勇者「……今、何でもするって言ったか?」
サキュバスC「えっ……?」
開け放っていた執務室の窓に、右半身を乗り出すように隻脚甲の淫魔が座っていた。
揺れるレースカーテンからは新緑の香りが風とともに吹き込み、その中に、サキュバスCの纏う嗅ぎ覚えのある果実香が忍んでいた。
勇者「今、何でもするって言ったよな?」
サキュバスC「え、あ、いやっ、ちょ、何……え?」
わざとらしく音を立てて椅子を引き、立ち上がり、大股で近づいていけば彼女は分かりやすく狼狽した。
無表情を作ってそう演じているだけに、更に。
サキュバスC「ば、バカお前……ふざけろ、こんな明るいトコで……! 誰か、来ちまうだろっ……!」
堕女神「いえ――――もういますので、その心配はありませんよ」
勇者「……違う」
堕女神「何が?」
勇者「……冗談だったんだ。脅かしてやりたかっただけで」
堕女神「存じております。よもや――――職務を放棄して白昼堂々と、等と企てておいでではないと理解しておりますので」
真後ろに冷たい気配とともに佇んでいるのが、振り向かずとも分かった。
風に揺れた髪が、シャツの背に当たるのも――――。
サキュバスC「……ケッ、くだらねぇ恐妻家かよ、お前も。アタシはただ、ちょいお別れを言いに来ただけなんだぜ」
勇者「……やっぱり、行くのか?」
サキュバスC「ああ。下町の狐どもとナシ付けてさ、あれで酒作ってみようって事になったんだよ。
……で、そうするんなら原料がなきゃハナシにならねぇわけだ」
勇者「それは、楽しみだけど……」
サキュバスC「ならそうしてな。……まぁ、ウンザリしたら逃げて来い。アタシがたっぷり甘やかしてやるよ? ククッ」
堕女神「いえ、そうはさせませんよ」
サキュバスC「うわぁ、怖ぇ。アタシの命日は今日かー、参ったなー」
堕女神「……御望みですか?」
勇者(…………またこれだよ)
堕女神(陛下、何か?)
勇者「脳内に!?」
サキュバスC「はぁ?」
把握できないサキュバスCだけが、しばし窓辺に座ったまま右脚をぶらつかせ――――やがて、立ち上がった。
勇者と堕女神を見下ろしたまま、彼女はにやりと笑う。
サキュバスC「まぁ別に、一週に一度ぐらいは色々しにこっちに来るからよ。お前こそ来たくなったらいつでも来いよ。 それじゃあ、な」
彼女が後ろへ倒れ込むように身を投げ出すと、一枚しかない右の翼が閃き、矢のように早い蒼影だけが空を走った。
隣女王に続いて彼女を見送ると、ようやく、城内にはいつもの静寂が戻った。
股間の苦しさも無い。
普通に立ち歩く事ができ、用足しの時も邪魔にならず、左手にうねる妙な紋章もない。
それだけの事の贅沢さを思い知らされた数日間だった。
勇者「……俺はもう、しばらくはいいかな」
堕女神「はぁ……?」
勇者「一晩で四百回。四百回分も吸い取られたんだぞ」
堕女神「恐らく人類史上最高記録でしょう。それで……いい、とは?」
勇者「だから……その、分かるだろ?」
堕女神「……分かりますが、困ります」
勇者「え……?」
堕女神「ですから、その……私が……私、と……」
言いづらそうにする彼女の姿は、それもまた、まさしくいつものように婉曲だ。
口では言ったばかりの勇者も、また自覚する。
勇者「……分かったよ、今日だな」
ここへ迷い込んだ男が時にかかる、奇病。
治療法は、ただ一つ。
そして治療が済んでも――――この国では、誰も抗えない。
ここは――――――“淫魔の国”だから。
終
一ヶ月以上お付き合いありがとうございました
とりあえず酒を私は飲む
飲むと言ったら飲むんだ
書き始めればペースも保てるのに、どうも立ち上がりが俺は悪い
それでは、また
…………HTML化を出すには、ちょっと余りすぎてるね?
外伝扱いだった『ワルキューレ達のその後(近況報告みたいなもの)』とか・・・?
そういや、『ポチの断片を売ってた道具屋』と『酒場のマスター』のストーリーは語られてないなぁ。珍道中になるやら、どうなのか。
こんばんは、とりあえず日曜を期限としておまけH投下します
もう少しだけ待っていてください
こんな時間だが悪いな、おまけの投下だ
三日ほどまた付き合ってもらいます
では
*****
サキュバスB「あっ、陛下。探してたんですよ? ……これ、どうぞ」
ある日の午後、廊下を歩いている時にサキュバスBから風変わりな物を渡された。
勇者「……? 何だ?」
サキュバスB「ほら、この間の隣女王陛下と“お風呂でぬるぬるえっち”した時の……忘れてないですよね?」
勇者「あー……あれか。……むぅ」
隣女王に性教育を施す、という名目で三人で行った、あの退廃的、堕落的な行為の事だ。
妙な空気のベッドの上に横たわり、媚薬分を含んだ粘性の液体に全身を包んで――――そして後処理に苦慮した、あの出来事。
結局その後に“実践”を行ってしまったから、今後二度とできないだろうと思われた。
無類の快楽、苦々しい思い出、口惜しさ。
色々と含んだ感情が表情に出て、唇を引き結んだまま、黙り込んで少々波打たせる事しかできない。
サキュバスB「いや、受け取ってくださいってば。なんですか、そのビミョーすぎる反応!?」
勇者「あ、あぁ……うん、うむ」
受け取ったのは、瓶とも革袋とも違う、片手の中に納まる奇妙な材質の容器だった。
形状は瓶のようであっても、握れば凹む、つるつる、ぺこぺこ、とした手触りは初めてのものだ。
煙のかかったような半透明の内部には、微かな桃色の液体が半ばまで満たされているのが見えた。
勇者「……なんで?」
サキュバスB「え? 余ったからですけど」
勇者「お前は使わないのか?」
サキュバスB「んー……。あれ、気持ちよかったですけど……一回すれば満足かなー、って思って」
勇者「勝手に飽きてヒトに押し付けるなよ」
サキュバスB「あ……それとも陛下、またやりたいです?」
勇者「いや……」
サキュバスB「いや、って事ないでしょう。とにかくそれ差し上げますから、何かの時にでもどうぞ。それじゃ!」
勇者「あ、おいっ! 待て!」
一方的にそれを押し付けてサキュバスBは小走りで去ってしまい、
およそ用途の思い付かない“淫具”を持たされてただ一人残され、呆然と勇者はそれを見つめた。
勇者「何に使えって……?」
*****
動きづらい数日間を過ごした今だからこそ、ありがたみの分かる事もある。
それを教えてくれた地下牢の恩人へ礼の品を届けに行けば、その恩人――――ローパーは、触手の一本を蛇状に変化させてまず一本、銜えた。
ポチ『もう持ってきてくれたのか? ……ありがとうよ』
勇者「なぁ……それ、本当に吸えるのか?」
ポチ『ああ、もちろんだ。久々だよ』
吸い口は、尖らせた触手で斜めに切り落とされた。
火は、地下牢の壁にかかっている燭台へおもむろに触手を伸ばし……“自ら”に燃え移らせてから、着火した。
勇者「熱くないのか」
ポチ『熱いさ。我慢してるに決まっているだろ』
勇者「言えば火種くらいはやるぞ?」
ポチ『よせよ。“王様”に火をつけさせるような間抜けじゃない』
勇者「……そう」
ポチ『それはそうと……お前さん、もったいない事をしたなぁ』
勇者「はぁ?」
ポチ『お前さんの事情を知ってから、城下町の連中は期待してたんだぜ。狐の女将さんも、
お前さんに“もふもふ膝枕手コキ”がしたかったらしいんだ』
勇者(……何だ、その……魅惑的な?)
ポチ『だがまぁ、しなくて正解かもな。あれを味わってしまうと、女将さんの膝でしか眠れなくなっちまうそうだ』
勇者「…………」
ポチ『後は、城下のラミアのおっかさんもだ。“粉砕開放骨折ホールド”という全治三ヶ月の禁断の体位が……』
勇者「それは攻撃? 攻撃だろ?」
ポチ『女は魔物さ。笑って許してやるもんだ』
勇者「確かに魔物だけどさ!」
ポチ『まぁ、いいじゃあねぇか。……ところで、あんたもどうだい、一本?』
勇者「俺はやめておく。……ん?」
階段を下りてくる、重い足音。
思わずそちらに目をやると、照らされた人影は、足音に見合わず小さい。
やがて、白金髪の貫頭衣の少女――――人間に変身した姿のナイトメアが、バスケットを片手に提げて現れた。
ナイトメア「……何でいるの?」
勇者「ポチに礼を。……お前こそ、何でこんな所に」
ナイトメア「誰も外に出ないからヒマ。お昼はここで食べる」
彼女は、勇者の前を通り過ぎてから、ポチの牢屋に対面する壁に背を預け、ぺたんと座って、バスケットの中身を漁る。
出てきたのは生のままの、彼女の前腕ほどもある人参だ。
ナイトメア「……いただきます」
白く、小さな歯列が……ごり、ごり、と音を立てて人参を咀嚼し、飲み込む。
またたく間にそれは半分ほどまで彼女の胃に消え、口の周りに食べかすが付着した。
ナイトメア「なに、見てる?」
勇者「いや……」
ナイトメア「……それとも、一緒に食べる?」
勇者「いや、遠慮する」
ナイトメア「ところで、何話してたの?」
まるで祝祭の揚げ菓子を銜えて食べる子供のように、人参の茎を口からはみ出させながらナイトメアが訊ねた。
ポチ『……旦那のかかった厄介なアレについてだよ、ナの字』
ナイトメア「ああ……なんだ、あれのこと?」
勇者「何で知ってんだよ!」
ナイトメア「ポチから聞いた。のべつまくなし? 乾くひま、なかった? ビーストモード?」
勇者「お前が言うか……。ところで、お前は……」
ナイトメア「興味ない」
勇者「え?」
ナイトメア「馬とエッチしたいの? 変態」
勇者「……お前……」
続けて取り出した人間の頭ほどある葉野菜の塊をぼりぼりと噛みながら、何の興味もなさそうな眠たげな眼で彼女はそうまで言った。
馬の姿が本来、とだけあって……とにかく、彼女は勇者に対して冷たかった。
ポチ『もったいねぇな。あん時の旦那ときたら馬並みだったってのに……』
ナイトメア「おおきさよりも空気づくりが大事」
勇者「…………」
人外の一頭と一匹になじられながら、勇者は居心地悪く、ここへ足を運んだ事を後悔する事になった。
やがて――――夜。
*****
執務室での残務を終えると、時計は就寝時刻近くを差した。
書類とペンを片付け、寝室へ向かうと……扉を開けた直後、外から声がかかる。
立っていたのは、就寝用の薄衣に身を包んだ――――
勇者「堕女神、どうしたんだ? ……いや、その、ごめん。勝手に切り上げて……その」
堕女神「……陛下。貴方は、このところ……私を小言ばかりと思っておいででは?」
勇者「…………いや、そんな……」
濃紺の薄衣と、そこから真っ直ぐに伸びる白く艶やかな肢体が目映く映る。
口ではそうふくれるように言いながらも、怒っている様子はない。
勇者「……入るか?」
堕女神「ええ。失礼いたします」
扉を開け、室内へ導き入れると……そこで、就寝時刻を示す鐘が、廊下のどこかの時計から響き渡った。
寝室に通された堕女神は、そのまま……押し切るように、勇者をベッドの上まで押しやった。
*****
堕女神「ん、はむっ……ふ、ぅぅ……ちゅっ……!」
時にして、十分近く。
堕女神の様子は、妙だ。
勢いを付けるように、一方的に唇を押し付け、貪るようにことさら水音を立てて、歯列ひとつひとつを磨くように舌を差し入れてきた。
息継ぎにも困るような長い口づけを経て……ようやく、離れる。
勇者「っ……は……! 堕……」
堕女神「す、すみません……陛下、つい……その……夢中、に」
堕女神に押し倒される姿のまま、靴も脱げていない。
ベッド縁に座った直後、こうなったのだ。
彼女の顔には緊張がまだある。
何かを誤魔化すか、もしくは勢い付けるようにか……それはまだ、定かでない。
勇者「いったい……どうしたんだ?」
堕女神「……あ、う……」
いつになく――――歯切れが悪い。
日中のはっきりとした物言いの彼女とも、いつもの夜とも違う……おかしな様子だった。
靴を脱ぎ、ベッドの中央へ上る準備をしてから、堕女神を抱き寄せるように、左手は背を、右手は下肢、太ももへ伸ばす。
かすかに震えた堕女神は、身を任せるように力を抜き、耳を胸板へ預けた。
そのまま、更に数分。
ようやく――――意を決したのか、堕女神が口を開く。
堕女神「……陛下。今宵は……その……」
何も、返事はしない。
恐らく今、堕女神はとてもしらふで切り出せないような事を口走る。
下手に相槌を打てば、それは引っ込められてしまうからだ。
堕女神「その、聞き及びました。噂で……サキュバス、Bと……」
彼女の手が、右手に重なる。
やがて、それは薄衣の裾の中へと導かれ、レースの下着に覆われた尻を撫でるように誘われた。
引き続き……返答は、しない。
堕女神「……私にも、教えてはいただけませんか?」
意味するところを分かりかね、思わず、背へ回した左手に力を込めた。
微かに震えた堕女神は、そのまま。
胸板の上にはっきりと顔が熱くなるのを直接に伝えながら、言葉にする。
掴まれたままの右手が、尻の谷間をなぞらされた。
堕女神「…………私の、初めてを……もうひとつ、だけ……陛下に……」
ようやく――――彼女の意図が、掴めた。
それではまた明日だ、これが終わったらHTML化を出す予定
では
乙乙
ナイトメアちゃんのジト目足コキとかもふもふ膝枕手コキのシーンが無い……だと…
>>623
足コキ(ただし体重400kg超)なんて俺には危なくて書けないんだ……玉ヒュン過ぎて
それでは始める
*****
堕女神「んっ……う、あ……あぁ、はぅ……っ!」
薄い寝間着を脱がせ、下着姿にさせ、今度は押し倒して責め立てる。
隔てるもののなくなった上半身には、圧倒するような質量を備えた双房が揺れる。
どちらの突端も、自らの告白による早まった興奮のせいか、すでに硬くしこっていた。
隣女王の楚々としてなだらかな美丘とも違い、どこまでも白く、頭ほどもある、口に含んでも含み切れない二つの巨丘。
堕女神「あんっ! ん、うぅう……そんな、吸、っては……いけ、ませ……!」
しかし、鈍いという事も無く……感覚がみっちりと詰まっているかのようで、揉み転がしても、唇の力の限り吸っても、
下乳の肌と触れ合う部分を舐めて、ちゅぱちゅぱと吸いつけて痕を残しても、彼女の喉は甘えて震えた。
幾度味わおうとも、決してその甘美さが衰える事は無い。
この世界で、勇者だけが、淫魔の国の王だけが味わえる、至上の果実だ。
堕女神「ふっ、うっ……! へ、陛下……胸、そんな……感覚、が、おかしくなって……しまいます……!」
むろん、胸だけを苛めているわけではない。
右手は彼女の下着の隙間から差し入れ、ぐちぐちと湿らせた音とともに、股間の柔肉にも愛撫の手を休めていない。
堕女神「あぅっ!」
その感覚に慣れさせてから……不意打ちに、蜜をまとった中指で後ろの窄まりをぬるりと撫でた。
弾みできゅっとそこが絞られるのが分かり、集中するように切れ込んだ皺が深くなるのが指の感覚で分かる。
勇者「力……抜いて。まず、慣らさないと……」
堕女神「はい……こう、でしょうか……?」
指を当てたままでいると、ひくひくと震える後ろの門が、警戒を解く小動物のように緩んでいくのが分かった。
鍵を開いた“門”へ、再び引き戻した指で堕女神自身の蜜を掬いとってから、もう一度指先を押し当てた。
堕女神「んっ……」
彼女の喉から空気が漏れる。
それとともに、指の最初の関節までが、後孔へ吸い込まれていった。
まだ入り口ゆえ、門に挟まれている感覚の方が強い。
熱くうねるような肉にも、とろとろに湿り蠢く感覚もない。
それこそ、まるで……遠巻きに侵入者を見るように、彼女の内の肉は指先を恐る恐る迎えていた。
更に、押しすすめ……二つ目の関節までを、うずめていく。
堕女神「ふあぁっ!!」
びくんっ――――と、彼女の身体が大きく揺れた。
勇者「すまない、痛かったか……?」
堕女神「い、い、え……ただ、変な……感覚、が……しただけで……痛みでは……」
身体の震えたはずみで前髪がひと房、堕女神の目の前へ垂れる。
同時に、口の端に一筋の唾液が漏れて、顎との中間に玉を浮かべていた。
そのまま一時、なじませるように、それ以上侵入させる事無く、膣側へ向けて幾度か指を折り曲げながら、きつく締めた肉蕾をこじる。
葡萄酒の杯を回し、空気に触れさせる時の動きと似ていた。
事実、指を動かす余裕を持たせるたびに、彼女の後ろの孔へ空気を触れさせ、なじませ、その“味”を――――変化させているようなものだ。
堕女神「はう、ぅぅ……きゃひっ! ……そん、な……中、こね、回しては……やっ……!」
勇者「……痛いのか?」
堕女神「ちがっ……何だか、へんな……感じで……背筋、ぞくぞくっ、して……きひっ!?」
未だ、余裕は指一本分。
ずるずると指を抜き取ると、彼女の声が明らかな快感の艶を帯びた。
爪の半ばまで抜ければ、再びずぶずぶと埋め込んでいく。
今度は、抵抗は薄い。
まとわせた蜜のおかげで、スムーズに指が入り……二つ目の関節まで、すんなりと飲み込まれてしまった。
堕女神「やっ、あっ……陛、下……そんな……」
更にそのまま二度、三度、入り口を磨くように指を抽挿する。
握り締めた枕には皺がより、堕女神の口から後を追うように唾液の筋が流れた。
穿いたままのショーツは前からの蜜が盛大にあふれたせいで、単なるびしょ濡れの布へと変わっていた。
勇者「……もう、脱がせてもいいかな」
それを結ぶ、左右の紐を余った左手でやや苦心させながら解く。
濡れて締まったせいでやや摩擦が増していたものの、解く事はできた。
そして――――どろどろに壊れたように蜜を噴き出す淫裂と、はしたなく指を埋めさせた女神の美肛が晒された。
指を抜き取ると、あれだけ出し入れを行ったのにもかかわらず、きゅっとすかさず締められた。
怯えた生き物の巣穴のように……そこは、再び綴じられる。
せめて、両手で腿を掴んで左右に押し広げ……赤ん坊の姿勢のように、開脚させた。
堕女神「い、いや……そんな、見ないで……恥ずかしい……」
まじまじとした視線を感じてか、彼女の声は曇る。
幾度も交わり、幾度も見た。
もはや彼女の膣孔は勇者のモノの形に掘り込まれて刻まれているのに。
それはきっとこれから行う、ひどく恥じ入るべき淫らな行いを思い、恥じているのかもしれない。
彼女の後ろの蕾は、控えめに見ても美しかった。
鮮やかなピンク色であるばかりか、すり鉢状に刻まれた皺も美しく黄金律を描くようだった。
上から流れ込む蜜を受け、照る様は……まるで、砕いた宝石を散らしたような輝きに満ちていた。
これから、するのだ。
彼女のその穴を。
優しさ故に堕ちた女神の、もう一つの“純潔”を奪い――――滾った欲望のはけ口にするのだ。
股間に、むくむくと起き上がりを感じる。
淫魔熱の後遺症のようなメリハリのないそれではなく、あくまで自らの意思すら超えた本能のもと、天意のように。
だが、先に引き寄せられたのは肉の剣ではない。
――――舌、だった。
堕女神「え、陛下っ……きゃはぁっ! そ、そんな所……お止め、くださ……どうか……く、あぁぁぁっ!!」
指先で押せば沈むようなそこへ、更に感覚の鋭い舌で触れる。
充血した熱さが、内側に秘められているのがよく分かる。
彼女の内側、最も深い部分へ連なる期間の末端を、舌で確かめた。
肛門の皺ひとつひとつをなぞり、舐め上げると……彼女の声は快感よりむしろ、恐縮するような響きを伴った。
堕女神「だめ、だめです! あ、あっ……お尻、穴……そんな……御口で、など……きっ……ひ、ひゃああぁっ……! だめぇ……」
しかし、やがて――――締め付けはゆるんだ。
すかさず舌先をねじ込み、彼女の蕾の内側をねぶっていると、声はさらに艶気を増した。
脚を閉じる事すら許されず、逃げる事も許されず、美蕾を舌で味わわれて、少なからず恐怖と畏れ多さの混じる快感に耐えているようだった。
だが――――堕女神の蕾は、さながら文字通り、花弁の中に秘された蜜を味わうようで……本当に“その部位”なのかと疑うばかりの甘美さだった。
ただ、そう人に真似て意匠されただけの、もう一つの淫らな器官なのではないかとすら思えた。
堕女神「あ、あっうぅ……も、もう……だ、めぇっ……」
尻穴を嬲られ続け、そして……堕女神は、確かに軽く身体を震わせ、上の秘裂から蜜をしめやかに吹いた。
*****
彼女の身体が落ち着くのを待って、姿勢を変えた。
向き合う姿勢ではなく、膝をついて尻を高く上げた、四つん這いの姿勢へ。
嬲られ、ねぶられた蕾は依然として輝きを保ち、ひくひくと震えて収縮を繰り返す。
堕女神「陛下……い、いつでも……お待ち、しております……から」
勇者「……ん」
だが、やはり――――まだ抵抗がある。
それは文字通りの抵抗でもあり、“自身”と見比べた結果の抵抗。
本当に貫いてしまって良いのか、彼女が壊れてしまいはしないか、堕女神のみならず勇者にも微かな恐れがある。
そこで目についたのは――――無造作にサイドテーブルに置かれていた小瓶。
封を開けて、とろりとした中身の液体を右手の指先にたっぷりと垂らすと……むせ返るような媚香が立ち上る。
堕女神が怪訝に思って振り返る寸前、その液体を馴染ませた人差し指と中指を束ね、ゆっくりと押し入れた。
堕女神「っ! つ、冷たっ……陛下、何をなさって……」
勇者「もう少しだけ……馴染ませないと。我慢、してくれよ」
ぬぶ、ぬぶっ、と差し入れて行くと……尻穴を左右に開く姿勢のせいか、それとも先ほどからの愛撫のせいか、
容易く指二本を根元まで銜え込んだ。
ぬるりとした液体の助けも借りて、引き抜く事もスムーズだった。
堕女神「あ、あぁぁんっ……これ、何……お尻、熱く、なって……きて……うあ、あぁぁ……」
湿った音とともに指を差し入れ、根元まで銜えさせて軽く開く。
すると、意外なほどやわらかく堕女神の蕾は追従して開き、隙間から垂らすように、追加の“液体”を流し込む事すらできた。
堕女神「あふ、ぅんっ……い、いぃ……気持ち、いい……です……」
指を動かさずにいると、鼻にかかった甘ったるい声とともに――――彼女の方から尻をくねらせた。
尻尾を振るように、踊るように、堕女神は指二本を銜えたまま盛んに尻を振り立てた。
ベッドの上に響くのは、ぐりぐりと肛門を穿る魔性の韻。
見れば、堕女神の身体は赤く上気し、振り返ったその細面は……恐らく液体に含まれた媚薬成分によるものか
目が潤み、口もとは喘ぐように締まりなく蕩けきり、淫魔そのものとなって更なる刺激を求めていた。
堕女神「は、早く……御情けをぉ……私の、お尻の穴で……精液、受け止めさせて……ください……!」
自ら腰を振り、指を陰茎に見たててずぼずぼと尻を慰める姿は、もはや――――見ているだけで留まる事は無理だ。
蕩け、弛み、小刻みに震えるその蕾から指を引き抜く。
堕女神「あはっ……も、もう……指、抜くだけ……で、達して、しまいそうです……早くぅ……!」
べっとりと濡れた、今まで彼女に埋めていた右手で“自身”を掴む。
もう、彼女も……そして、勇者自身も、限界だった。
これ以上はもう、耐えられない。
勇者「それ、じゃ……いくぞ」
それでは、また明日会いましょう
では
始めるぜ
>>633から
女神の蕾を、太く極まった肉の棒が割り開く。
ローションと蜜と、勇者の舌から這わせた唾液で濡れそぼったそこにもはや抵抗はない。
堕女神「あ、ひっ……ん、うぅぅ……お尻、に……本当に、入って……きて……!」
勇者「苦しかったら……言ってくれ。休みたかったら……」
堕女神「いえ、や、やめ……ないで……くださ……」
慣れさせても、やはり締め付けは強い。
引き絞られるような肉の窄まりは、彼女のそこがやはり初めてだという事を如実に示していた。
堕女神「お、お尻……お尻の、穴が……熱く、て……こ、こんなの……初めて、で、すっ……!」
勇者「く、ぐっ……!」
亀頭の粘膜と腸内の粘膜が触れ合い、その熱さが直に炙られるように伝わる。
入り口の締め付けは強く、しかし……吐き出すような動きはない。
内側へ、内側へ。
銜え込むように堕女神のそこは蠢き、侵入を迎え入れていく。
堕女神「あ、あっ! ふ、太い……! お、奥まで……来て……」
痛がる様子も、苦しむ様子もない。
入り込むほどに細く白い背中が震えるものの、彼女に苦痛を与えていない事に安堵し、気付けばその手は彼女の腰を掴んだ。
そして――――。
堕女神「うああぁぁぁぁぁっ! そ、そんな、深くっ……!」
ぎちぎちと締め付ける位置は、“自身”の根元になっていた。
ようやくそれは彼女の美肛を貫き終え、子宮口の代わりに……直腸の突き当たりを亀頭が圧した。
堕女神「う、うぅ……は、入りました、か……?」
勇者「うん。……全部」
堕女神「陛下、どうか……動いて、ください」
勇者「いいのか? 少し、休まなくて……」
うずくような括約筋の締め付けが、確かに感じ取れる。
未通だったそこを貫けば――――いくら慣らしたとて、圧迫感や痛痒も感じるはずだ。
それなのに、堕女神はまるで強がるように、そうする時間を惜しむように答える。
堕女神「か、構いません……私、も……熱くて、耐えられそうにありませんから、それよりも……」
彼女が再び腰をくねらせ、ほんの数ミリ肉茎を自ら――――排泄するように引き抜き、尻を押し付けるように再び飲み込む。
その微かな動きだけでも露わになった背筋の痙攣が認められる。
彼女は、今――――確かに、性感を得ていた。
勇者「……分かった」
堕女神「あ、ぎっ……いひいいぃぃっ!! あうっ! ……うぅぅんっ!」
引き抜けば追いすがり、内側からめくれ上がるように、ピンク色の蕾が吸い付いてきた。
ぬるぬるとしたローションの滑りがしかしそれを許さず、ずるるるっ、と肛肉との間に絶妙な摩擦係数の低下をもたらす。
媚薬を含んだローションは、内側……腸内から堕女神の快楽神経を刺激し、昂ぶらせていく。
もはや、彼女のそこは性器となり……魔性の淫具そのものとなった。
堕女神「あ、ふぅぅっ……! お尻、穴……広が、て……あぅ、んっ……も、もっと……突いてぇ……」
――――あの聡明で知的、ともすれば堅物の時もある堕女神が、アヌスを貫かれて悶え、淫らな嬌声を上げる。
それはますます滾らせ、嗜虐的な気分を高揚させ、仄暗い快感と――――そしてたまらない愛しさが芽生えた。
視線を落とせば、彼女の尻穴がぐぱっ、と広がりながら肉欲の化身を飲み込み、吐き出し、ローションと中に塗り込んだ愛液、
先走りの汁、そして異物の侵入に際して分泌された腸液が包み込んでくるのが分かる。
堕女神「ん、ふぁっ! あんっ! きゃぅっ! そんなに、したら……あぁっ……! お、お尻が……壊れっ……!」
勇者「じゃあ……やめ、る、かっ……?」
耳朶を甘く噛みつつ囁くように訊ねると、そうはさせじと肛門が強く引き締められる。
瞬間、精液を吐き出してしまいそうになり――――思わず勇者も力を込め、耐えた。
堕女神「や、やめ、ないで……お願い……! き、きもち……イ……ィ……気持ち、いい……
もっとぉ……もっと、犯して……くだ、さい……私の、お、お尻……」
喉の奥に絡んだ唾液にむせ返り、過呼吸に陥ったような喘ぎに確かな淫靡さを混ぜ込みながら、堕女神は懇願した。
そして――――体位を入れ替えた。
*****
堕女神「あぁぁぁぁんっ! うんっ! ふあ、あぁぁっ! きもちいい、気持ちいいっ!! お尻の穴ぁっ……きゃふうぅっ!」
堕女神は、長い黒髪を振り乱しながら、仰向けの勇者にまたがるように腰を振っていた。
もはや、後ろの孔に抵抗はない。
ぶぢゅぶぢゅと下品な音を立てながら、幾度も飲み込み、幾度も吐き出し、嬌声と混じり合って寝室に響く。
直腸の熱量が、更に増した。
門は、もはや拒まない。
直腸の行き止まりへ突きあたるたびに、彼女の声はひときわ甘さと高さを増し、糖蜜の奔流のように寝室を埋め尽くした。
前側の秘部――――今宵の脇役となったそこからは、滝のように愛液が沁み出し、勇者の下腹部をべったりと濡らす。
決壊した水門の如き溢れる蜜は、まるで彼女の理性が溶け出してしまっているのを表すようだった。
そして、目の前でぶるん、ぶるん、と大きく揺れる二つの質量。
引力を振り切ろうとするように存在を誇示する爆乳は、迫力の一言に尽きた。
手を伸ばし、揉み上げても……彼女の腰の勢いで揺れ、ただ掴まえることすらできない大質量そのものになった。
堕女神「あ、あぁぁぁっ! イく、イきますっ……! お尻の穴、あ、あっ……」
彼女はここに至るまで、幾度も達した。
勇者だけが、未だ達していない。
射精を吐き出す前に彼女が達し、腰の動きを止めてしまっていたため……幾度もの生殺しを受けていた。
涙と唾液、そして汗でぐしゃぐしゃになった顔を見られている事も、堕女神はもはや意に介する事ができない。
ローションの媚薬成分か、禁断の快楽によるものか……もはや、彼女に理性はひと欠片も残っていない。
普段の凛としたる様子からは想像すらできない乱れぶりは、この国の象徴。
ここにいるのは底知れぬ魔性を秘めた女性型種族、“淫魔”の一人だった。
勇者「んっ、くっぅ……! お、俺も……もう……っ!」
堕女神「く、下さいっ……私のお尻の穴、どろどろに、して……あ、あぁぁぁ――――――!」
ふっ、と力の抜けた堕女神が腰を打ち付け、根元まで飲み込んだ瞬間、焦らされに焦らされた欲望を、彼女の不浄へ吐き出す。
熱く滾る快楽の奔流はとどまるところを知らず、直腸から遡り、胃にまで届いてしまうのではないかと思えるような大量の精液を吐き散らかし、
堕女神の、もう一つの“処女”だった中を……真っ白く、満たしていった。
脱力してしなだれかかる彼女を受け止め、ゆっくりと、刺さりっぱなしだった欲望を引き抜く。
堕女神「んっ……!」
ずるっ、と抜け落ちると、堕女神の蕾は萎れるように再び閉じ……
堕女神「んぁっ!?」
手で作る水鉄砲のように、一度だけ――――ごびゅっ、と白濁を漏らした。
*****
堕女神「陛下、その……先ほどの、私は……」
勇者「ああ、……物凄かったな」
堕女神「ち、違うのです! あんなの、私じゃ……あ、ああ……! あんな、はしたない……言葉……」
身体の熱が引いたのか、向き合いながら横になっていると彼女はそう弁解を始めた。
はっきりと覚えている自らの痴態を、認めたがらないかのように。
勇者「でも、どうして……こんな事……」
堕女神「え、と……それは……その……」
勇者「言いたくないんなら、構わないんだが」
堕女神「どうしても、陛下に……私の、もう一つの“初めて”……奪って、いただき、たくて……」
彼女は、観念したように目を伏せながらそう言った。
勇者「……それは、また何故……今?」
訊ねてから、なんとなしに勇者は理解した。
隣女王と夜を明かし、その純潔を受け取り――――しかしこちらは殺されかけたのだ。
後半部分はさておいて、前半への嫉妬が、彼女の中には芽生えたのかもしれない。
だから、こんな事を提案してきた。
堕女神「それと、もうひとつ……だけ。その……はしたない、と思わないで……くださいますか?」
勇者「?」
堕女神「……お、お尻の……穴、で……御精液を、受け止めたら……どうなるのか、その……興味、が……」
一息にそれを言ってのけると、彼女の顔は一気に赤みを増し、目を伏せる。
その様子を見て、勇者は……自分の“それ”が、再び力を増していくのを感じた。
太ももでそれを感じた堕女神はびくりと反応し、続けて口を開く。
堕女神「陛下……もう一度、いえ……もっと、しません、か?」
勇者「……どっちでが、いい?」
からかうように訊ねると、堕女神はおずおずと答える。
堕女神「……陛下の、お好きな場所で。前も、後ろも、胸も……唇も、全て……貴方のもの、ですから」
――――――翌朝、勇者は筋肉痛で動けなかった。
堕女神もまた、さながら生まれたての仔鹿のようにぷるぷると脚が震え、動く事もできず……
公務のほとんどを疎かにしてしまったのは、必然の話。
そして、城内の使用人達の忍び笑いと苦笑もまた、必然だった。
終
これにて、今回のスレは全て終了とさせていただきます
一ヶ月以上お付き合いいただき、ありがとうございました。
明日か明後日にでもHTML化の依頼を出す事にいたします
しかし、ナイトメアが割と人気だと知ってれば……。
今になって、寝バックで突かれて感じて声を漏らすのを「か、感じて、ないっ……!」みたいに強がるシチュエーションとか浮かんじゃったじゃないか
まぁいい、次のスレか何かのために練っておこう
それでは、依頼を出す前に再び顔を出させていただきます
ひとまずおやすみなさい
乙です
高貴(強気?)な女性がアナルが弱いのはお約束ですよね
ところで、ワルキューレはもう出てこないのでしょうか…?
そういや、サキュAがひどく泥酔していたのは、なにかあったのかなー
狐のマスターも不思議そうに眺めてたし。
このSSまとめへのコメント
最高すぎてやばいな。
最高すぎる