勇者「………は?嘘だろ」 (105)

ー遺跡、最深部【つるぎの祭壇】


勇者「………は?嘘だろ」

勇者「待て待て待て、意味がわからないぞ」

賢者「これは…驚きですね……」

狩人「まさか、ね」

商人「誰も思わないでしょうな…」



勇者「伝説のつるぎが砕け散るなんてな………」



5分前ーー
ー遺跡、最深部【つるぎの祭壇】


勇者「ようやく見つけた…」

賢者「これが伝説と謳われる剣ですか」

狩人「岩に刺さってるのを抜けばいいのかな?」

商人「売ったら高いでしょうなぁ」

勇者「売らねーわ。何のためにここまで来たと思ってやがる」

賢者「魔王の側近に出会い、魔王の恩恵を受けたとかなんとかで普通の剣じゃ勝てなかったから」

狩人「いやー、あれはしょうがない。だって剣が通らないんだもの」

賢者「まあ力では圧倒的にこっちが勝っていましたので、縛り付けて放置してきた訳ですが…」

勇者「このつるぎさえあれば勝てるんだな」

商人「サクッと抜いて持って帰るとしましょう」


商人は ぬすっとのごくいを つかった▼


商人「《全盗全商》、世の全ては利益の為に」キュヴヴヴヴヴンッッ

商人「ふんっ……ふんっ……」グググッ

商人「はて…なかなか固いですぞ」フゥ

賢者「全盗全商でも抜けないとなると…」


賢者は 握力強化呪文を となえた!▼
勇者の あくりょくが あがった▼

賢者は 握力強化呪文を となえた!▼
勇者の あくりょくが あがった▼

賢者は 腕力強化呪文を となえた!▼
勇者の こうげきりょくが あがった▼

賢者は 腕力強化呪文を となえた!▼
勇者の こうげきりょくが あがった▼

賢者は 身体強化呪文を となえた!▼
勇者の (以下略

・・・
・・



勇者「っしゃー!みなぎってきたァ!」ギュンギュンギュン

賢者「一通り強化しておいたので、まあ抜けるかと」

狩人「さあ、1回目で抜けるかな?勇者」

勇者「任せとけコノヤロー」

賢者「抜けないということはまずないでしょう」

勇者「よっ…」ガシッ

勇者「ぬぅぅぅおおぉぉりゃああぁぁぁぁ!!」メキメキメキッ


伝説の剣「」バキィィィンッ

勇者「………は?嘘だろ」

勇者「待て待て待て、意味がわからないぞ」

賢者「これは…驚きですね……」

狩人「まさか、ね」

商人「誰も思わないでしょうな…」

勇者「伝説のつるぎが砕け散るなんてな………」

賢者「どうしましょうか。このままでは魔王は倒せません」

狩人「うーん、まずいなぁ」



ドォォンッ
ドォォォンッ

ドッゴォォォン!


側近「フハハハハハハ!こんなところまで逃げていたか!」

勇者「チッ……縄を抜けやがったか」

賢者「しかもこんなところまで追ってくるとは」

側近「ククククク、あの程度で私の動きをゴフッ」ガクッ

商人「先手必勝」ヒュンヒュン

勇者「よーし、一気に畳むぞ!」ジャキン


勇者の こうげき!▼
側近に ××のダメージ▼


賢者「……ダメージが通っている?」


狩人の こうげき!▼
側近に ××のダメージ▼


賢者「以前は打撃などで態勢を崩すことは出来てもダメージは入らなかったはず…」


商人は 側近のふところを あさった!▼
5000G を手に入れた▼
商人は がっかりしている▼


賢者「この遺跡の空間そのものが作用しているのでしょうか…試してみますか」


賢者は 広範囲爆破呪文を となえた!▼
祭壇の遺跡は くずれおちた!▼


勇者の こうげき!▼
しかし 側近は ダメージをうけない▼


賢者「やはり…」

勇者「ええええええちょっと賢者さんなにしてんの!なにしてくれちゃってんの!?」

賢者「あ、すみません実験です」

狩人「はぁ…一言言ってよね」

勇者「やはり…じゃねえよ馬鹿!」

賢者「失礼。以後気をつけます」

側近「」

勇者「お、でもさっきの爆発で結構ダメージ入ったみたいだな」

商人「次は埋めておきましょうぞ」


側近は 土にかえった▼




ー宿屋、客室【205号】


勇者「さて…」

賢者「これからどうしましょうか」

狩人「伝説の剣が折れるなんてね」

商人「まだ希望はありますぞ」

賢者「…なんでしょう」

商人「魔王の恩恵とやらのせいで側近にダメージを与えられなかったわけですな?」

賢者「側近の話が事実ならばそうです」

商人「しかしあの遺跡で戦った時は確実にダメージが入っていた」

狩人「遺跡が壊れるまでは、ね」

商人「遺跡の謎を解けばあるいは」

勇者「一理あるな」

賢者「行ってみる価値は充分にあると思います。何かあると思い、爆破してしまいましたが」

勇者「他の検証方法はなかったのか、まったく…」

狩人「じゃ、明日もまた遺跡行きだね」

勇者「おめーらさっさと寝とけよ。おやすみ」

賢者「おやすみなさいませ」

商人「景気の良い夢を」

狩人「おやすみー」





翌日ーー
ー遺跡跡地


勇者「跡形もねーな」

賢者「ありがとうございます」

勇者「褒めてねぇから」

狩人「誰か何か感じる?」

勇者「んんー、特に…」

商人「祭壇のあたりまで行きませんかな?何かあるかもしれない」

勇者「どの辺だったっけ」テクテク

賢者「確かそのあたりの地下かと」

勇者「建物の残骸で地下が埋もれてるな」

勇者「せいっ!」ブォン


勇者は まりょくをこめて けりとばした▼
なんと!がれきが ふきとんだ!▼


勇者「あったあった、地下への入り口」

賢者「初めからこうして入れば早かったですね」

商人「そうしたら途中のお宝が手に入りませんぞ」

狩人「楽しくないしね」

賢者「そうですか…」

勇者「どうした、早く行くぞ」ガラガラ



ー遺跡跡地、地下【滅びた祭壇】


勇者「あーあ。つるぎの祭壇が滅びた祭壇になっちまったよ」

狩人「まあ、ボロボロだからね」

賢者「何か感じますか?」

勇者「………気のせいか、右手がムズムズするんだ」

賢者「剣を砕いた影響でしょうか」

狩人「祭壇に右腕指してみたら?」

商人「面白そうですな。やってみては?」

勇者「ええー…なにそれ…」

賢者「もしかしたら何か起こるかも知れないですよ」

勇者「まあやらないよりは…」


勇者は さいだんをゆっくりと のぼりはじめた▼


勇者「おお、どんどんムズムズが強くなる」

賢者「もしや本当に…」

勇者「で、右手を突き刺すのか?」

勇者「意味あんのかこれ…ふんっ」ドスッ


勇者は 右手をさいだんに つきさした▼
さいだんから 光があふれだす!▼


勇者「おわっ」

狩人「わあ、綺麗じゃん」


光が 右手にすいこまれていく…▼
光は しょうめつした▼


賢者「なんだったんでしょうか、今のは…」

勇者「なんか右手から力が湧き出てくるぞ」

賢者「はて、強化呪文の類でしょうか」

商人「伝説のつるぎの力が流れ込んだ、とか」

勇者「そんな馬鹿なと言いたいがその可能性はあるな」

狩人「試して見たら? ほら、そこの土から側近が」


なんと! つちのなかから 側近がよみがえった!▼


勇者「なんというご都合主義」

勇者「でもちょうどいい。死ねぃ!」バキィィ

側近「ギャアアアァァァァァ」ドサッ


側近を たおした!▼



勇者「おお……これは」

狩人「手刀で一撃か」

賢者「伝説のつるぎの効果と同等とみて、まず間違いないでしょう」

商人「いやー、勇者殿の腕がそのまま伝説のつるぎとはこりゃまた…」

狩人「まあ、面白そうだしいいんじゃない?」

商人「お前はいつもそうだな…」

勇者「そんなこと言ってー、商人だって俺が祭壇に腕刺す時面白そうとか言ってたじゃねーか」

商人「うぬ、これは一本取られましたな。わっはっはっは!」





数週間後ーー
ー北の大雪原


ビュオオォォォォォォ……

勇者「寒っ」ブルブル

商人「寒いですなぁ…」ブルブル

狩人「みんな情けないなぁ」ブルブル

勇者「お前だって震えてるぞ」ブルブル

狩人「武者震いさ…」ブルブル

商人「賢者殿は…寒くないのですかな?」ブルブル

賢者「ええ、賢者ですから」ホカホカ

勇者「……んー? あ!お前!」

賢者「なんでしょうか?」

勇者「魔法で暖かくしてるだろ!ずるい!まりょくせつやく!!」

賢者「チッ…しょうがないですね」ポゥッ



2分後ーー

賢者「寒いです」ブルブル

勇者「お前もこの寒さを味わえ」ブルブル

商人「次の街はどこに…」ブルブル

狩人「そういえば遠いねぇ」ブルブル

勇者「さっきの村の村長の話だと5時間あれば着くって…」ブルブル

商人「もう6時間半は歩き通しですぞ…?」ブルブル

賢者「幻惑魔法にでもかかっているのでしょうか……」ブルブル

勇者「……」ブルブル

商人「……」ブルブル

狩人「……」ブルブル

賢者「……」ブルブル

賢者「もしかして本当に?」ブルブル

勇者「ありうる……」ブルブル


賢者「あっ、丁度いいですね。勇者様の右腕聖剣の力を試してみますか」

勇者「そういえばあれからずいぶん経つけど1度も戦闘で使ってないな、右腕聖剣」

商人「側近を倒してしまったせいで大した魔物もいませんし、右腕聖剣使うまでもなかったというか」

狩人「あのさ、どうでもいいけど右腕聖剣って名前ダサすぎて…」

勇者「そうか?……そうだな」

賢者「確かにそうですね」

商人「ふーむ、何がよろしいか」

勇者「伝説の手刀」

賢者「やめましょう。勇者様のネーミングセンスが疑われます」

商人「手刀丸」

賢者「手刀から離れましょうよ」

狩人「勇者の腕」

賢者「効果がなにも伝わって来ませんね」

勇者「つーか元々俺の腕は勇者の腕だろ」

賢者「そうですけど」

狩人「スキルみたいな物と考えようか?」

賢者「それはいい案ですね」

勇者「スキル《魔物殺し》とか?」

商人「魔物はもとから殴り殺せますぞ」

勇者「そうか…あ、スキル《魔王殺し》」

賢者「まだ確実に殺せると決まった訳ではないですし」

勇者「……賢者、さっきから文句しか言ってねーじゃねーか。お前もなんか考えろよ」

賢者「そうですね……」

賢者「スキル《×××××》などはどうですか」

勇者「……? なんて?」

賢者「《×××××》ですよ」

勇者「???」

狩人「僕も聞き取れないな」

商人「うむー、さっぱり」

賢者「魔界の言葉です」

勇者「なんでそんなの喋れんの」

賢者「賢き者と書いて賢者です」

狩人「範疇超えてない?」

賢者「魔族の言葉を研究していたら喋れるようになっていました」

勇者「ふぅん…もうそれでいいや」

狩人「でもそれだと賢者しか言えないよ」

商人「そうですぞ。我々が呼ぶために考えてるのに」

勇者「じゃあやめだ。お前ら考えろ」

商人「…スキル《聖拳》」

商人「聖なる拳で聖拳。いかがですかな」

勇者「おー、いいじゃん。もっといいの出るまでそれにしよう」

狩人「正拳突きがややこしいことになるね」


勇者は スキル せいけん をおぼえた!▼


賢者「………そういえばさっきからあまり寒くないですね」

商人「確かにそうですな……はて?」

狩人「勇者、なんか右腕光ってない?」

勇者「おわっ、ほんとだ。気付かなかった」

賢者「魔力……それも暖かい」

勇者「聖拳カイロだ」ホカホカ

商人「カイロ扱いとはなんとも」


ヴヴヴヴッ
『勇者達…選ばれし者どもよ……』


勇者「おっ、なんだこの声」

賢者「私にも聞こえます」

狩人「こいつ…直接脳内に…っ!?」

商人「聞こえないですぞ…?あ、今聞こえた」


『聞け…我が声を……』


勇者「いや聞いてるよ」

賢者「聞いてるというより聞かされてますね」

狩人「なんか偉そうだなこの声」

商人「いや聞こえな……あ、聞こえた」

勇者「なんか時間差発生してんぞ」

賢者「そういうの『ラグ』というらしいですよ」


『勇者よ…我は聖剣……』


勇者「はぁ?聖剣?何言ってんだお前」

狩人「聖剣は砕け散ったんだよ?」

賢者「聖剣……もしや」ハッ

商人「なかなか聞こえませんな……おお、聞こえ(ry」


『我は聖剣の意思…本体といったところか……』


勇者「ああ、あの光か?」

狩人「やっぱりあれは聖剣の力だったんだね」

賢者「聖剣に意思があったなんて…」

商人「聞こ(ry」


『…この喋り方疲れるから普通に喋ってもいいか』


勇者「初めからそうしろ」

狩人「この聖剣なんか残念」

賢者「というかどうやって喋ってるんでしょうか」

商人「(ry」

聖剣『思念を送り込むのは疲れる』

勇者「知るか」

狩人「じゃあ今はどうやって喋ってるの?」

聖剣『勇者の右腕から直接音を発している』

勇者「そんなことできるのか」

商人「こっちだとラグがなくて助かりますな」

聖剣『すまなかったな、商人』

賢者「それで、何か用があって話しかけてきたのでは?」

聖剣『そうだ。文句を言いたくてな』

勇者「ほー、この俺に文句を言おうってのか」

聖剣『うるさい。我の力がなければ魔王の恩恵も破れぬくせに』

狩人「文句言われるようなことしたの、勇者?」

勇者「いや、記憶にねーな」

聖剣『はー!?正気か貴様!?』

聖剣『この我の身を粉々に打ち砕いておきながらよくもそんなッ!』

勇者「あれはわざとじゃないし、お前が勝手に折れただけだし」

聖剣『まだ言うか!』

賢者「聖剣殿、そろそろ本題を」

聖剣『ほぅ、文句を言いに来たことが本題ではないと見抜いたか』

狩人「いや、普通に考えれば分かるよ」

商人「そんなくだらない理由でわざわざ話しかけてくるとは思えませぬからな」

勇者「そういうことだ、で?用件は?」

聖剣『ぐぬぅ…いいだろう』

聖剣『選ばれし者達よ、そなたらの力は強大だ。しかしまだ魔王を倒すには足りん』

勇者「へぇ、側近あんなに弱かったのに…」ボソッ

聖剣『勇者よ、仲間たちよ!魔王を倒したくば己の"レベル"を限界まで引き上げるのだ!』クワッ

_____________
[勇者]Lv.99 称号:驍勇無双
[賢者]Lv.99 称号:聖人賢者
[狩人]Lv.99 称号:迅雷風烈
[商人]Lv.99 称号:商売繁盛
_____________


勇者「え?」

聖剣『え?』

勇者「レベルがなんだって?」

聖剣『……………なんかすいませんでした』シュゥゥ

勇者「あっ、おい!」

賢者「右手から光が消えましたね」

ビュオオォォォォォォ……

狩人「さっ、寒っっ!」ガタガタ

商人「おお…聖剣の光が消えた途端冷えますな…」ブルブル

賢者「き…【極大火炎魔法】っ」
ゴオォォォオオッ!


賢者は 極大火炎魔法をとなえた!▼
なんと!あたりに 春が おとずれた▼


勇者「なんてことしてくれちゃってんの…」

賢者「少しやり過ぎましたか…しかし暖かいですね」

商人「おお、次の街が見えてきましたぞ」

狩人「うわほんとだ」

賢者「やはり吹雪による副次的な効果でもあったのでしょうか」

勇者「知らんわもう。行くぞ」





ー要塞都市、北の大門


若手兵士「あっ、ゆ、勇者様!」

勇者「おう、お疲れさん。通っていい?」

賢者「これ通行許可証です」ピラッ

重兵士「勇者様御一行の証、でございますね。お通しします」ビシッ

重兵士「門を開けぇぇえい!!」

ギギイィィィイィィィイイッ……ズゥン

狩人「どうもー」

若手兵士「ごゆっくりなさってくださいませ!」ビシッ

??「ちょっと待ちな」

商人「おや、なにか御用ですかな」

??「てめぇみたいな肥えた豚腹に用はねぇ。俺は魔法剣士ってもんだ」

商人「ほっほ、口が悪いですな」

魔法剣士「おい勇者、お前この街のアレには出るのか?」

勇者「は?呼び捨てかてめぇ殺すぞ」

賢者「アレ、とはなんでしょうか」

魔法剣士「チッ、知りもしねぇのかよ。じゃあお前らに用はない」

重兵士「貴様、勇者様に無礼は許さんぞ」ガシャン

魔法剣士「糞が、知ったことか!ったくどいつもこいつも勇者様勇者様ってよぉ!そんなに勇者様が偉いかよ!」

勇者「おう、偉いぞ」

狩人「勇者だからね」

商人「世界の救世主様ですからな」

賢者「そしてその救世主の旅のお供である我々も偉い」

重兵士「…お、おほんっ。とにかく貴様ごときが逆らって良い相手ではない!」

魔法剣士「…ゴミが」

勇者「おうこら、そんなに言うならそのアレ、ってのに出てやるよ。何だか教えろ」

魔法剣士「…闘技会だよ」

賢者「討議会?」

若手兵士「私から説明させていただきます!闘技会というのは参加者がトーナメントで戦闘を行い、優勝したものには豪華景品が贈られるというこの街の伝統的な行事です」

賢者「闘技会か…」

勇者(なんか勘違いしてたんだな)

若手兵士「参加者は毎年の様に猛者が集まり、優勝はかなり困難とも言われているにも関わらず更に多くの参加者が…というような具合に毎年出場者が増え、それにつれて景品も毎年どんどん豪華になっています!」

重兵士「今ではこの街の一大行事となっていまして…闘技会が開かれるとそれはそれは多くの見物人が集まるのです」

勇者「へぇ、面白そうだな」

賢者「魔法の使用は許可されているのですか?」

魔法剣士「当たり前だ。魔法も使わないで何が戦闘だ」

狩人「狩るよ?」ニコッ

魔法剣士「魔力もないくせによくいうぜ」ペッ

若手兵士「お申し込みされれば詳しい説明もされるかと思いますよ」

勇者「面白そうだしやってみるか」

魔法剣士「おい、1つ言っておく」

勇者「まだあんのかよ…」

魔法剣士「闘技会で負けたらお前は勇者を引退しろ」

勇者「いいよ別に」

重兵士「勇者様!?な、何を…」

魔法剣士「言ったな?確かに聞いたぞ。後から何言っても無駄だからな!?」

勇者「だってどうせ負けねーもんwww」

賢者「そうですねwww」

狩人「やめたげてwww可哀想だよwww」

商人「腹がwwwよじれるwww」

魔法剣士「ふざけやがって…!今すぐその口きけなくしてやろうか!」

狩人「へー大した自信だね、やってごらんよ」

魔法剣士「舐めんじゃ、ねぇ!」ゴウッ


魔法剣士は ほのおをまとった剣で 斬りかかった▼



狩人「【狩場の暴力】」ユラァ…



なんと! 狩人のすがたが かききえた!▼

かたちのない暴力が 魔法剣士をおそう!▼



シャッ ズバッ ブシュッ

魔法剣士「ぐっ、なんだこれは…!」

バキッ ドスッ メキッ

魔法剣士「ぐがあぁっ」ガクッ

ズドンッ !

魔法剣士「がっ、げふっ」ボタボタ


狩人のすがたが あらわれた▼


狩人「まだ足りない?」ヒュッ

魔法剣士「…」ピクピク

勇者「もう喋れないみたいだぜ」

狩人「やりすぎたかな、これじゃあ僕が悪者みたいだ」

賢者「回復させましょうか?」

勇者「死ぬと困るからな。とりあえずここじゃ目立つし、宿まで行こう」

重兵士「なんて容赦がない…」

商人「敵に容赦などすれば死ぬのはこちらですぞ」

若手兵士「ひっ」ガクガク

勇者「じゃ、ありがとな。こいつは連れてくぜ」ズルズル




ー要塞都市、宿屋


賢者は 小回復呪文をとなえた!▼

魔法剣士のキズが みるみるふさがっていく▼


魔法剣士「ぐっ、はぁっ、はぁっ」

狩人「全く、僕らの何がそんなに気に入らないんだろうね」

勇者「さあな、知ったこっちゃねぇ」

賢者「私は闘技会の申し込みをしに行こうと思いますが…参加する人?」

勇者「俺はやるぜ。面白そうだ」

狩人「僕もやってみようかな」

商人「ワシは見物人相手に商売を…」

賢者「商人殿らしいですね。では3人参加ということでよろしいですか?」

勇者「ああ、いいんじゃねぇか?」

賢者「では行ってまいります」ガチャ

バタン

狩人「でさ、こいつどうするの?」

魔法剣士「くっ…」

勇者「もう俺らに勝ち目はないって分かっただろうし、その辺に捨てとこう」

魔法剣士「いい加減にしろよ…!」

狩人「まだ何か?」ニコッ

魔法剣士「」ビクッ

勇者「あーあ、プライドもクソもねえなこりゃ」

商人「おふたりは先に休んで結構ですぞ。ワシが捨ててきますゆえ」

勇者「おー、そうか。悪いな」

狩人「ありがとー」

商人「いえいえ、では…」ガチャ ズルズル

バタン
クソッ ハナセェ! キタナイテデサワルナァ! …



ー要塞都市、裏路地


商人「普段なら金目のものは全て奪うところですが…今回は許してやりましょう」

ポイッ

魔法剣士「ぐがっ」ドシャァ

商人「では」スタスタ

魔法剣士「………」

魔法剣士「……糞」

魔法剣士「糞が糞が糞が糞が糞がぁっ!」ドカッ

魔法剣士「人をボロ布みてぇに扱いやがって!殺してやる!糞があぁぁっ!!」ガアンッ バキッ

魔法剣士「はあっ、はあっ」


ヒュウゥゥゥ ヴヴヴヴヴッ


魔法剣士「!? なんだ…頭が…」ズキン

『魔法剣士よ…勇者が憎いか…』

魔法剣士「…ああ、憎い!今すぐ殺したいほどにな!」

『力が欲しいか?勇者を屠る力が…』

魔法剣士「…貴様は誰だ?」

『ククク、そんなことはどうでもいい』

魔法剣士(魔のものか…?だが勇者を殺すためなら…!)

『力が欲しくば強く願うがいい。勇者を亡きものにするためならいくらでも力を貸そう』

魔法剣士「…分かった。本当に殺せるだけの力なんだろうな?」

『俺を信用しなければ力も手に入らない。それだけだ』

魔法剣士「……いいだろう」

『クックック…《×××××××××》』

ギュゥウウウウンッ

魔法剣士「うっ、ぐっ!かはっ」ドクン

ドクン…ドクン…

魔法剣士「くそ、今日は何度も苦しむな」

『その苦しみもこれで終わりだ』

魔法剣士「ああ、力が湧き上がってきた…黒い力が…」

魔法剣士「感謝する」

『闘技会でやつを消せ。俺は彼方から視ている』

魔法剣士「…分かった」

ヴヴヴヴヴッ プツッ

魔法剣士「………ふふふふ」

魔法剣士「ふははははははは!!!」

魔法剣士「はーっははははははは!」




1時間後ーー
ー宿屋、客室【201号室】


ガチャ
賢者「ようやく終わりました。申込所混んでましたよ」バタン

勇者「おう、おかえり」

狩人「お疲れさん」

商人「それで、詳しい規定などの説明は?」

賢者「ありましたよ。一応書面でもいただきましたが、全て暗記してあるので私から話します」

勇者「おお、さすが賢者だな」

賢者「賢き者と書いて賢者と読みます」

狩人「それこないだも聞いたよ」

賢者「おほん。では説明をします」

賢者「まず武器、防具、道具類全ての持ち込みは不可とのことです」

賢者「これは闘技会を公平に行うためだそうです。防具は全員全て同じものが支給されますが、装備するか否かは自由だそうです」

狩人「武器はどうなるの?」

賢者「武器も同じように支給されますが、初歩的な武器のみとなるそうです。死人が出ないようにという配慮もあるのでしょうか」

狩人「弓はある?」

賢者「落ち着いてください。順番に全て話しますから」

賢者「用意されている武器の種類ですが、かなり豊富なようです。これは口頭で述べるより書類を確認した方がよいかと」ガサッ ピラ


__________________________

[支給武器一覧]

・ロングソード
・片手剣
・短剣
・斧
・槍
・弓矢
・モーニングスター
・杖
・ハルバード
・投げナイフ(30本まで)
・棍棒
・鎖鎌
・鎌

以上の中から2種類まで選択可能。
ただし、一種類につき2本まで(投げナイフは例外とする)。

__________________________

勇者「おおー、結構あるんだな」

狩人「ふーん、最後の説明はなに?」

賢者「持ち込める武器の数量制限についての説明ですね」

狩人「ちょっと分かりにくいんだけど、分かりやすく言い換えてくれない?」

賢者「持ち込める武器は2種類まで、とあります。これは、ロングソードと片手剣、投げナイフと斧、といったように2種類持ち込むことも出来ますし、ロングソードのみ、というように一種類だけでも構いません」

狩人「それくらいわかるさ」

賢者「ではこの一種類につき2本まで、という記述ですが」

賢者「ロングソードと片手剣を持ち込む場合、ロングソード2本と片手剣2本、計4本持ち込める訳です」

賢者「ですが一種類につき、なのでロングソードのみといったように一種類だけ選択している場合はロングソード2本しか持ち込めません」

狩人「あー、じゃあ2種類選んだ方がたくさん持ち込めるわけか」

賢者「そうですね」

勇者「なるほどなぁ。武器がぶっ壊れることもあるんだろ?」

賢者「まあなにぶん初歩的な武器ですからね…耐久度に関してはあまり期待出来ないかと」

商人「トーナメント方式ということでしたな?」

賢者「ええ、トーナメントは第一ブロックから第八ブロックまであり、各ブロックかr」
勇者「開催はいつだ?」

賢者「説明を遮らないでください…三日後です」

商人「近いですな」

賢者「ええ、なので混んでいました」

勇者「よぉし、狩人、お前何使う?」

狩人「うーん、どうしようかな。弓矢は絶対だけど」

勇者「だよな。俺はじゃあロングソードと…いや、ここはあえて」ブツブツ

賢者「まあ武器を選ぶのは明日以降にでも。とりあえず今日は寝ましょう」

商人「そうですな。休養なくして利益なし、ですぞ」

狩人「別に利益を求めてるわけじゃないんだけど」

商人「いやいや、人間は全て利益のために動いているとワシは確信しております」

勇者「ええー、そうかよ」

商人「そうですとも。利益というのはなにも金銭だけではありませんからな」

狩人「あー、そう考えると確かに」

賢者「商人殿も賢者に向いているのではありませんか?」

商人「わっはっは、ワシは商売のことしか興味ありませんからなぁ!魔王を討伐しようとしているのも、魔王の身体でも売ろうかと思ってるだけでして…」

勇者「商人にかかれば魔王も商品候補か…おお怖い怖い」

狩人「じゃあ、寝ようかな。おやすみ」

商人「どうか景気の良い夢を」

賢者「おやすみなさいませ」

勇者「おう、おやすみ」




三日後ーー
ー闘技会場、選手控え室


勇者「くそ、紙みたいな防具だな」ガチャガチャ

狩人「弓も大したことないや」グイッ

賢者「結局皆さんはどの武器を?」

狩人「僕は弓矢と投げナイフだ。もちろん限界まで持っていくよ」

勇者「動きづらくないのか?」

狩人「平気平気、この程度。気配消すには十分だよ」

賢者「闘技会で気配を消して戦うつもりですか…」

狩人「もちろん。狩りの基本だからね。獲物は自分が殺されたことに気が付かないうちに死ぬのさ」

勇者「かー、相変わらずだな」

狩人「勇者は何を選んだの?」

勇者「ロングソード2本とハルバード2本」

狩人「うわ、めちゃくちゃ動きづらそう」

勇者「こんな闘技会、動かなくても勝てるだろ」ガシャン

賢者「ハルバード…槍に斧と鎌が付いたような武器、ですか」

勇者「いままで売ってたのは何回か見たけど使ったことなかったなと思って」

狩人「初見で使うのか。勇気あるな」

勇者「勇気ある者と書いて勇者と読みます」

賢者「真似されました」

勇者「はっはっは、さてと。そろそろ行こうか?」

賢者「トーナメント表はもう発表されていましたね。どうやら3人とも違うブロックのようです」

勇者「そうか、じゃあ決勝ブロックの何処かで戦うことになるな」

狩人「もちろん手加減はなしだ。よろしくね」



数十分後ーー
ー闘技会場、第二ブロック


勇者「もう俺の番か。早いな」ガシャン

勇者「ここから入るのか?」ガシャンガシャン


ワアアァァァァァァア……


勇者「うひょー、すげぇ人だな」

司会「さぁてロングソード2本とハルバード2本という大質量を担いで入ってきたのはぁ!訳あって名前は明かせないと申請があった勇者様だああぁぁぁっ!!!」

勇者「バレバレじゃねーかおい」


キャアアァァァァァァユウシャサマァァァァ!!


勇者「うお、結構人気あるんだな俺」

司会「そしてぇ!対するはこちらもハルバード1本を担いできた大男ぉ!果たして勇者を倒すことは出来るのかぁ!?」

大男「フン、勇者殿か!相手にとって不足なし!」ズンッ

司会「さぁ試合開始ぃぃいい!」

ゴオォォォオオン…

勇者「まずはロングソード2本だな」シャキンッ シャキンッ

司会「勇者まずはロングソード二刀流!この時点でもはや意味がわからないぃぃ!!」

勇者「なんでだよ」

大男「闘技会の規定限界まで武器を持ち込んでるアホはお前ぐらいなもんだ!」ズンッズンッ

勇者「えっ、そうなの」

大男「そんな何本も持ち込んだら移動が阻害されるだけだろう!こちらから行かせてもらうぞ!!」ブオッ

勇者「ほっ」ギィン

大男「まだまだぁ!」ブウンブウン

勇者「よっ、とっ」ギィン ガィン

大男「であああぁ!《兜割り》!」


大男は かぶとわりをはなった!▼


勇者「当たらなければどうということはない」ヒョイ


勇者は ひらりと身をかわした▼


大男「ぬぅぅ!なぜ攻撃してこない!」ブンッブンッ

勇者「あ、攻撃していい?」シャッ

大男「!?」ゾクッ


勇者は すばやく後にまわり、斬りかかった!▼

勇者「お、よく受けたな」

大男(な、なんて重い一撃なんだ…っ!手が痺れる…!)

勇者「でも避けるべきだったと思うぜ」

大男「なっ…え!?」バキビシビシィ

バキャアァン


なんと! 大男のハルバードは こなごなにくだけちった▼


司会「なぁんという威力だぁぁ!相手の武器を粉々に打ち砕いたぁ!」

ワアアァァァァァァアッ

勇者「へへ、どうする?素手で戦うか?」

大男「うぬぅ、しかたあるまい!素直に負けを認めよう!」

勇者「お前良い奴だな」

司会「大男降参んん!!!勝者、勇者ぁぁぁっ!!!」

ゴオォォォオオン…
ワアアァァァァァァァァァァァァア




数時間後ーー
ー闘技会場、決勝ブロック控室


賢者「案の定この3人は残りましたね」

勇者「残らなきゃまずいだろ」

狩人「優勝もこの3人の誰かだろうねー」

賢者「あ、ここに決勝トーナメント表が」


     ____|____
  __|_      _|__
 |    |    |    |
| |  | |  | |  | |
勇 魔  狩 斧  賢 武  魔 槍
者 法  人 使  者 闘  法 使
  使    い    家  剣 い
  い            士


勇者「魔法使い…」

狩人「知り合い?」

勇者「いや、これっぽっちも知らん」

狩人「相手は斧使いかぁ」

賢者「あ、このあいだの魔法剣士がいますよ」

狩人「わぁ、ほんとだ。相手の槍使いっていうのは強いのかな?」

勇者「さぁな。でもリーチ長い武器は基本的に有利だから」

賢者「そろそろ始まりますよ、勇者様」

勇者「お、マジ?んじゃちょっくら行ってくるわ」




ー闘技会場、決勝ブロック


ワアアァァァァァァアッ
司会「皆様、長らくお待たせいたしましたぁぁぁっ!!!いよいよ決勝ブロックが始まります!」

司会「それでは第一回戦、勇者対魔法使い!!開始いぃぃぃい!!」

ゴオォォォオオン…

魔法使い「初めまして勇者様」スッ

勇者「おう、よろしくな」スラァン

勇者(どんな魔法飛ばしてくるか分からんからな…まずは1本で様子見するか)


勇者は ロングソードをかまえた▼


魔法使い「《極限広域爆破呪文》」
キュウゥイイイイィィィィインッッ


魔法使いは 極限広域爆破呪文をとなえた!▼
おぞましいほどの ばくはつがまきおこる!▼


ズッ ドグアッバアアアァァァァンッ!


勇者「うおぉ!最初っから飛ばしすぎだろ!」シャッ


勇者は すばやくみをかわした▼


魔法使い「詠唱短縮:《爆》!」


勇者のまわりに ばくはつがまきおこる!▼


勇者「詠唱短縮か…やるなぁ」ブオンッ


勇者は 剣のひとふりで すべてをかわした!▼


勇者「次はこっちの番だなっ」ダンッ

魔法使い「っ……!《甲》!」キュゥン

勇者「せああああああっ!!」ドッ


勇者は そらたかく跳びあがり きりつけた!▼
しかし ダメージをあたえられない▼


魔法使い「!!」ズシャァアアア

勇者「ダメージは遮断できても衝撃は遮断出来ないだろ!」ガシャガシャン


勇者は ハルバードをかまえた▼
勇者は ハルバードをかまえた▼


勇者「ふんっ!」ズドンッ

魔法使い「な、なにを…」ガアァン

勇者「その防御結界をぶっ壊すんだ、よっ!」ドゴォンドゴォン

魔法使い「くっ、《炎》!」ゴオオオォッ


地獄の業火が 勇者をつつみこむ!▼


勇者「はははははは!もう避けねぇぞ!」ドゴォンドゴォンドゴォン

魔法使い「ば、ばかなっ!この男狂っている!《甲》!《甲》!」キュヴゥン

勇者「ぬうりゃあああ!」ドッゴォン


勇者は 2本のハルバードをどうじに ふりおろした!▼
魔法使いの結界は こなごなにくだけちった▼


魔法使い「」

勇者「お?気絶しちまった」

司会「勝者、勇者ァァァ!心とプライドを木っ端微塵にしての勝利ィ!なんて鬼畜なんだぁぁあ!」

ワアアァァァァァァワアアァァァァァァア

勇者「あちち、ちょっと火傷したか…」





ー闘技会場、決勝ブロック


司会「さあ圧倒的なパワープレイで勝利を決めた勇者に続く勝者は誰だぁ!?決勝ブロック第二試合、狩人対斧使い!!開始いぃ!!」

ゴオォォォオオン…

狩人「先手必勝投げナイフ」ヒュヒュヒュ ヒュッ

ドドドドドドドドスドスドドドッ

斧使い「がふっ」ボタッボタッ

狩人「おりゃ」ヒュッ

ドスッ

斧使い「 」ガクッ ドサッ

司会「なんとぉ!異例の開始7秒チェックメイトーーーー!!信じられない速度の投げナイフだあぁぁ!!!勝者、狩人ぉーーーー!」

ゴオォォォオオン…
ワアアァァァァァァアッ

狩人「なんだ、面白くないなぁ。次の勇者戦に期待かな」ニヤッ




ー闘技会場、決勝ブロック


司会「さぁて準々決勝も残すところあと2回となりました!第三試合は賢者対武闘家、まさに魔法対物理ィ!盛り上がってまいりましたよぉぉおお!それでは!試合開始ぃぃ!!」

ゴオォォォオオン…


賢者「お手柔らかにお願いします」

武闘家「ああ、こちらこそ」ペコリ

賢者「先手はお譲りしますよ」

武闘家「舐められたものだな」

武闘家「《背水の陣》!」


武闘家は 後ろにさがれなくなった▼
武闘家の こうげきりょくがあがった!▼


賢者「ほう、そんな技があるのですね」

武闘家「でりゃあああ!」


武闘家は いきりたっておそいかかった!▼


シュッビュッブオッ

賢者「当たったら痛そうですね、まあ当たればの話ですが」スッスッ

武闘家「くっ…!」ズバババババッ

賢者「残念、外れです」ススススススッ

武闘家「なぜ当たらない!?」ブンッ

賢者「あなたが遅いからじゃないですか?」スッ

武闘家「舐めるなぁああ!!」ブオッ

賢者「当たりませんね…では私の番です」ヒョイ

賢者「《×××××》」


闇が武闘家を つつみこむ▼
武闘家は 圧倒的なトラウマをうえつけられた!▼


武闘家「うわああぁぁぁあ!!」ガクガク

賢者「魔界の呪文です。古い文献で見つけました」

武闘家「もう止めてくれぇぇ!俺の負けでいい!俺の負けでいいから!」ガクガクガク

賢者「ちなみに、この国にこの呪文の使用を禁ずる法律がないのは確認済みですのでご安心を」

司会「勝者、賢者ああぁぁあ!勇者に勝る鬼畜がここにいたぁぁ!!!なんて恐ろしい勝ち方なんだぁ!絶対に敵に回したくありません!!」

ゴオォォォオオン…
ザワ…ザワ…

賢者「歓声がないですね…残念です」


賢者は ××××をとなえた!▼
武闘家の きぶんがよくなった▼


武闘家「はぁっ…はぁっ…俺もまだまだ修行が足りんな…」

賢者「いえいえ、私が強すぎるだけですよ」



すまん、更新再開する
ちなみに見てくれてる人どのくらいいます?
初投稿で不安なんだ

二十分後ーー
ー闘技会場、決勝ブロック


司会「……皆様大変お待たせしております!たった今入った情報によりますと、第四試合、魔法剣士さんの相手である槍使いさんが控え室にて死亡していたとのことです!」

ザワ…ザワ…

司会「よって、第四試合は魔法剣士の不戦勝とし、準決勝戦を開始いたします!!」

ワアアァァァァァァイイゾォォヒャッハァァァァ

司会「人が死んでも止まらない!!これが要塞都市名物闘技会だああああっ!!!」

司会「それではっ!準決勝第一試合、選手のお2人は入場をお願いしまぁすっ!!」

ワアアァァァァァァ

司会「まずは狩人ぉ!全ての試合を1分以内に片付けてきた駿風の選手!爽やかな笑顔の下に隠されたおぞましい殺気!この試合でもいったいどれほどのスピードを見せてくれるのかぁ!?」

司会「対するは!こちらも当然のように軽々と敵を圧倒的な力量で屠ってきた勇者ぁっ!魔法使いの広域呪文すらものともしない華麗な剣技ぃ!狩人のスピードをどう対処するか見ものでありまぁす!!」

司会「皆様長らくお待たせいたしました!準決勝でこんなに盛り上がってもいいのだろうか!?試合っ!開始ぃぃいい!!」

ゴオォォォオオン…


狩人「…」ザッ

勇者「…」ザッ


狩人は 殺気をはなっている▼
勇者は 殺気をはなっている▼


勇者「…手加減はなしだ」コォォォォオ

狩人「…もちろんさ」スゥゥゥウッ


勇者「《轟雷剣撃》」バチィィイッ

狩人「《狩猟之極意》」ギュンッ


たがいのすがたが きえた!▼
ざんぞうと しょうげきがぶつかりあう!▼


ドッ バアアァァァァアアァンンッ

ズゴォンッ バヂヂヂヂヂヂィィイィッ
ズウゥゥンドウゥンッ
ガッ ミシミシミシッ ドゴォ


司会「な、なんて壮絶な戦いなんだぁぁ!!観客席、いえ、もはや実況席まで衝撃波が届いております…っ!」

司会「観客席には高位の僧侶が結界を何重にも張っていますが…それでもこの威力!!もはや怪物だぁぁあああっ!!」

ドゴオオォォォォォォオンッッ

勇者「《重力斬り【覇】》」ズズズズズズ

狩人「《天翼射【覇】》」ピシュウゥ



ド ッ



キイィィィィイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ン ッッ

見てくれてる人ちゃんといて嬉しい
よーし最後までがんばろ
どしどし書き込んでくれると喜んだりするぞ


ー闘技会場、決勝ブロック


ザワ…ザワ…

司会「うぅ…ん」

司会「…! 一体何が……」

司会「………え?」

勇者「はぁっ、はぁっ」

狩人「げほっ、がはっ」ボタボタッ

司会「な、なんと!!地面の約七割が消し飛んで……っ!!私も正直まだ状況が理解出来ていませんが…どうやら狩人の方が深手を負っているようです!!」

司会「私衝撃波だけで数秒気絶されられてしまいました!なんと凄まじい試合でしょう!!」

勇者「ごほっ…おい狩人、まだやれるだろ?」ジャキッ

狩人「ふぅーーー」スゥゥウ

狩人「《瞑想》」ギュヴヴンッ


なんと 狩人のキズがみるみるふさがっていく!▼


狩人「…かはぁっ!はぁ…はぁ…」

司会「おおおおおお!!狩人、あの傷を一瞬で治してしまいました!!いったいどんなテクニックを使ったのでしょうか!!」

狩人「ふふ、精神を研ぎ澄まし、治癒能力を一瞬で飛躍的に高め、傷を癒す」

勇者「そうこなくっちゃな、まだまだ行くぜ?」スッ

狩人「当然さ」スゥ

司会「信じられません!!あの大規模攻撃の後、まだ戦う気力が残っているとは!!」

勇者「でやああぁぁぁぁぁああ!!!!」ダッ

狩人「はあああぁぁぁぁぁああ!!!!」タタッ


ギィンッ ガィンッ ギチギチギチッ

勇者「くくく、力比べか…っ!?」ギリギリギリ

狩人「鍔迫り合いなら負けないよ…っ」ギリッ

勇者「俺のロングソードに投げナイフごときで対抗できるのはお前くらいなもんだな…!!」

司会「す、すごい!こんなに迫力のある近接戦闘はかつて見たこともありません!!」

勇者「喰らえ!!《炎滅》」ゴォォッ


勇者の剣に ほのおがまとう!▼


狩人「させるか!《氷壁》」パキパキパキピキィッ


狩人の剣に こおりがまとう!▼


ピシィッ

パアアァァァアンッ


司会「おおっとぉ!!2人とも武器が粉々になってしまいましたぁ!!」

狩人「予備はまだ29本ある!!」ジャラッ

勇者「こっちもロングソードはまだ一本残ってるぜ!」ガシャンッ

司会「おおお!!二人とも当然のように武器を複数持ち込んでいたぁっ!!!激闘が再び始まるぅぅぅ!!!」

勇者「おりゃああぁぁぁぁぁぁあ!!!!」ブンッ

司会「おおおおお!?ロングソードを投げたあぁぁ!!??」

狩人(陽動だ…!まだハルバードが残っている…!!)ピタッ

勇者「チッ、避けねえ!?流石に読まれてるか…」ダダダッ

狩人(投げナイフでハルバードの相手は無理がある…逃げに徹して隙を突く!)

勇者「おらあぁっ!!」ブンッ

司会「また武器を投げたぁぁあ!!勇者はハルバードを投げナイフと勘違いしているのかぁ!?」

勇者「な訳あるかアホおぉぉお!!」ドシュンッッ

狩人「なっ、後ろに…!」

司会「最後の一本になったハルバードを構えて一瞬で後ろに回り込んだ勇者!前からは先ほど投げたハルバードが迫る!!」

狩人(挟み撃ちか…上になら避けれる!)ダンッ

勇者「っしゃあ狙い通りぃぃ!!」ブオンッ

狩人「なっ…!し、しまっ———」


ドズンッ

狩人「ぐっ…がはっ」

勇者「トドメだあぁああ!!」ガシッ ブンッ


ドシュウッ

狩人「おごっ…」ドサッ

司会「おおお飛んできたハルバードをキャッチしてまた上に投げたあああ!!容赦が全くありません!!」

勇者「さあ降参しやがれ!」ジャキンッ

司会「落ちてきた狩人に先ほど投げたロングソードを突きつけ降伏勧告!!流石の狩人も負けを認めるかぁ!?」

狩人「ぐ…っ…この出血量…僕の、負け……だ」ゴフッ


司会「決まりましたぁぁあああ!!準決勝一回戦、勝者は勇者になりましたああぁぁぁあ!!決勝進出けってぇぇぇい!!」

ワアアアァァァァアアアアア

内容的に何でRスレでなんだろう?っと戸惑ってる人が多そう

>>41
それについては作者自身よくわかっていない
というのも普通に全年齢板にスレ立てたつもりだったんだが何故か勝手にこっちに立っていたんだ…
正直初めてのスレ立てで仕様とかよくわかってないから誰か原因教えてクレメンス

勝手にRで立ってしまうバグは割りと報告されてるみたい
まあ、読む人によっては残酷描写もあるような気もするから特に違和感は感じないけど

>>42
通常のWebブラウザ(IEやらChromeやら)から全年齢板にスレ立てするとRスレにスレが立つっといったバグがあるとか
匿名掲示板専用ブラウザ(Jane StyleやらChMateやら)なら大丈夫らしい

>>43
>>43
バグだったのか…
もういっそR要素ガンガン突っ込んでこうかな(ヤケクソ)
何はともあれ教えてくれてありがとう
更新再開する

三十分後ーー
ー闘技会場、決勝ブロック


司会「えー、先ほどの試合で消し飛んだ地面の修復が終わったようですので、準決勝二回戦を開始したいと思います!!」

ワアアアァァァアアイイゾオオォォォオマチクタビレタァァアア

司会「では選手入場です!!」

司会「まずは魔法剣士ぃ!決勝ブロック初戦を戦うことなく勝ち進んだ幸運の持ち主!!しかし予選を勝ち抜いてきた実力は本物であります!!!一体どんな剣技を見せてくれるのでしょうかぁ!!」

司会「対するは歩く魔道図書館、賢者ぁああ!!膨大な知識量と絶大な魔翌力、そしてそれを使いこなす技量!!戦う前から勝敗は決したと言わんばかりの自信に満ち溢れた顔は、しかして可憐であります!!」

ウワアァァァァァァアワアァァァァアア

司会「魔法と剣技の合わせ技に対するは純粋な魔術暴力!!勝つのはどちらなのかあぁぁぁあ!?それでは試合ッ開始ぃいいい!!!」

ゴオォォォオオン…

賢者「よろしくお願いしますね」ザッ

魔法剣士「……」ギロリ

賢者「あ、そうそう。先に言っておきますが、この試合で魔界の呪文は使わないことにしました。あれはどうやら人間に対して使うには少々効力が強すぎるようです」

賢者「というわけで安心して戦っていただいて結構ですよ」ニコッ

魔法剣士「てめえ…どこまでも舐め腐りやがって…」ペッ

賢者「おや…先ほどの沈黙はてっきり恐怖で喋れなかったのかと」

魔法剣士「フザけるのも大概にしやがれ!!」ボゥッ


魔法剣士は ほのおのざんげきを はなった!▼

賢者は ひらりとみをかわした▼


司会「先手を取ったのは魔法剣士だぁっ!!しかし賢者の身のこなしも素早いぞ!!」

賢者「ふむ、ではお返ししましょう」キイィィィィンッ


賢者の拳に 魔翌力があつまっていく▼

賢者は 腕力極限強化呪文を となえた!▼ 
賢者の こうげきりょくが あがった▼ 

賢者は 速度極限強化呪文を となえた!▼
賢者の すばやさが あがった▼


魔法剣士「隙だらけだ!!」ブアッ

賢者「遅い」ス…


賢者は 魔翌力をこめた拳で突きをはなった!▼

ミ”シャアアァァァァアンッッ


司会「おおお賢者のカウンターが綺麗に決まったぁぁあああ!!しかし人を殴ったとは思えない音がしたぞお!!?やはり勇者パーティー、容赦がなぁぁああいっ!!!」

賢者「もちろん容赦していますとも。本来不得手な格闘戦をハンデとして選択して差し上げているのですよ?」

魔法剣士「きっさまぁぁぁあああ!!殺してやる!!絶対にぃいい!!!!」ゴシュウゥゥ

賢者「はぁ…殺気だけは一人前ですね」フッ


賢者の すがたがかき消えた▼


司会「けっ、賢者が消えたぁ!?」

魔法剣士「チッ卑怯な…だが見えないからなんだってんだ!!」ズッ ヴヴヴヴヴン


魔法剣士は 広域爆滅呪文を となえた!▼

グアッ ズドドオオォォォン…

巻き起こる爆発が あたりをつつむ▼


司会「ここで魔法剣士の反撃!見えないなら周りごと吹き飛ばしてしまおうという脳筋思考!!しかし効果のほどは…おや?」


ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ…

賢者「魔翌力を貯める時間稼ぎだと気付かぬようではまだまだですね…私の姿が消えたらすぐに防御呪文をありったけ唱えるのが正解でしたよ?」ゴゴゴゴゴゴ


なんと! 賢者がすがたをあらわした!▼


司会「な、なんという魔翌力量だぁぁああ!!一体何をやるつもりなのでしょうか…!」

魔法剣士「ぐっ…」ヴンッ


魔法剣士は 防御力強化呪文を———
賢者「ですから遅い、と言っているのです」


賢者「《天体操作》」カッ










キラッ

司会「まさか…あれは…いや、そんなバカな…!?」

勇者(あーあ、相手死んだな…殺しても勝ち判定なんだっけ…?)

ザワザワ…ドヨドヨ…

係員A「かっ、観客の避難を…!」

係員B「もう間に合わねえ!それより結界の強化を———」

客A「なんだなんだ…賢者のやつ何してんだ?」

客B「ばっか上見ろ上!」

客A「…ひっ!?」


なんと! 巨大ないんせきがふってくる!▼


ワアアァァァァアアキャアァァアアアニゲロオォォオ


魔法剣士「考えがぶっ飛んでやがる…!大勢死人が出るぞ!!」

賢者「私たちを殺すと豪語するような人間が今更善人面ですか?」


ゴオオォォォォォオオオオオオオオ…!

魔法剣士「くそったれめ!!」バッ

賢者「ご安心を、観客に死人は出ません」ギンッ

賢者「《捕縛結界》《防護結界【覇】》」ヴヴンッ

魔法剣士「あがっ」ピタァ


いんせきが 落下した!▼
あたりをはかいの熱風と 衝撃波がおそう▼

しかし 防護結界にはねかえされた▼
にげばをうしなった暴力が 結界内であばれくるう!▼


勇者「うーわえげつな」

狩人「結界で作った密閉空間内で隕石の威力を無駄なくぶつける…塵も残らないだろうね」

勇者「おっ、治ったのか狩人」

狩人「いつまでも寝てられないさ。こんな面白いものが見れるんだからね」ニヤァ

勇者「お前性格悪いぞ…」

遅くなった
更新再開します


賢者「結界はもういらないでしょう」パチン


賢者は 結界をといた▼
何かがうごめいている▼


賢者「…!あの威力でまだ形が残っているなど…」

司会「な、なんとまだ生きて…生きて…あれは生きているのでしょうか……?」

ザワザワ…


勇者「…何か邪悪な気配がするな」

狩人「念のため商人を呼んでこようか?」

勇者「ああ…そのほうがいいかもしれん」

狩人「わかった」シャッ


『感謝するぞ…賢者よ…』

司会「…!声が……!」

賢者「感謝されるようなことをした覚えはないんですがね」

『貴様がこの者を殺したことによって私の”依代”への憑依と支配は完全なものとなった』

賢者「…貴方は何者ですか?魔法剣士ではないようですが」

『ククク…まあ聞け…貴様が形も残さず消しとばしてくれたおかげで元の肉体の形に依存せず完全に復活できそうだ』

賢者「…つまり貴方は魔法剣士に憑依していた力の本体だと?」

『気づいていたか…』

賢者「当然です。何やら不吉な予感がしたので影も形も残さず消しとばすつもりだったのですが…まさか逆効果とは」

『クククク…流石の賢者様でもわからなかったようだな…』



気配があつまり かたちができていく▼
なんと! 魔王があらわれた▼


司会「」ドサッ

客A「」バタン

ウワアアァァァマオウダアァァキャアアァァァァァ

勇者「魔王……!」バッ

賢者「勇者様!狩人はどこへ?」

勇者「商人を呼びに行った!それよりなぜこんなところに魔王が…!?」

魔王「ククク…本来なら魔法剣士が死んだ時、その肉体を使って復活するはずだった」

勇者「そもそも復活していなかったのか!?俺たちは何のために…」

魔王「だが肉体に依存した復活は本来の力が出せない…器の方が力に耐えられないのだ」

魔王「だからといって依代なしでの復活は膨大なエネルギーの浪費になる」

魔王「元々ある魂を奪った方が効率がいいのだ」

賢者「…しかし私がその器を消しとばしてしまったから限界がなくなり、魂だけを使って本来の力と姿で復活が可能になったと?」

魔王「さすがに賢者だ、理解が早いな」


狩人「勇者!!商人がいない!どこにもだ!」ダダダッ

書き溜めしてるからもう少し待ってほしい
すまん


勇者「なっ…なんだと!?」

賢者「こんな時にいなくなるような人ではないはずですが…」

魔王「ククク…フハハハ…ハーーッハッハッハ!!!」

勇者「何を笑っている!」

魔王「いくら探したところで無駄だ。商人は見つからん」

狩人「どういうことだ?商人をどこへやった…!」

魔王「ククク…愚鈍どもめ。誰一人として気付きもせぬ」

賢者「………!ま、まさか…そんな…!?」

魔王「人間の姿が1番エネルギー消費量が少なくて済む。復活する見込みがない以上、商人として貴様らを見張っている方が都合がよい」

勇者「……!!」

狩人「なっ……」

賢者「そうでしたか…あの時…聖剣が語りかけてきた時……商人だけラグがあったのは…!」

魔王「そういうことだ、愚かな英雄諸君。どんな気分だね?共に成長してきた仲間に裏切られたのは」

魔王「いや、裏切られたというよりは真の姿を知ってしまったと言うべきか?」

勇者「くそッ、話がややこしくなってきた!」

賢者「《破》ァ!!!」


賢者は 詠唱極短:破壊呪文を となえた!▼
はめつのあらしが ふきあれる!▼
魔王には ダメージをあたえられない▼


魔王「ククク、忘れたのか?魔王に攻撃を与えられるのは聖剣のみだと」

勇者「忘れるわけあるかよぉぉぉおお!!」


なんと! 死角から勇者がとびだした!▼


勇者「《聖拳突き》!!」


聖なるちからをまとった いちげき!▼
魔王に ××のダメージ▼


魔王「ふん、つまらぬ」


魔王の カウンター!▼
勇者に ××のダメージ▼
勇者は おおきくふきとんだ▼


勇者「ぐあっ」ドォォン

聖剣『勇者!我の力は纏うものではない!接触し、流し込むものだ!』

勇者「もっと早く言え約立たずが!」バッ

狩人「【狩場の暴力】」ユラァ…


なんと! 狩人のすがたが かききえた!▼
かたちのない暴力が▼
魔王「甘い!」ズドンッ


魔王の カウンター!▼
狩人は おおきくふきとんだ▼


狩人「あっぶな…っ」

魔王「ほう?後ろに飛んで威力を殺したか」

あんまりにも更新遅れてなんだか申し訳ないからsageてこっそり更新したんだ…
すまん…忙しくて…

あったけえ…みんなありがとう…

狩人「なぜ見えた…」

魔王「見えないとでも?」

賢者「《×××××》」


闇が魔王を つつみこむ▼
魔王は 闇をはねのけた!▼


賢者「やはり…魔王に魔界の呪文は通じませんか」

魔王「人間風情が魔界の産物を使いこなせるとでも本気で思っていたのか?」

賢者「…!?」

魔王「《×××××》」ゴオォッ


#°]*が賢者を つつみこむ▼
₽:•’r1§0¡łhæ!▼


賢者「!」ドサッ

勇者「賢者!しっかりしろ!」ダッ

狩人「くそっ、僕達がLv.99になったのと同じ様に商人のレベルも上がっていたから…!」

勇者「手強い……!」

魔王「…魔界で貴様らを待つ。一ヶ月以内に来なかった場合、我は復活を宣言し、本気で人間界に攻め込むぞ」

勇者「けっ、一ヶ月だと?余裕だなおい」

魔王「ククク、当たり前だ。魔界に戻れば我はさらに力が増す。貴様らのような羽虫ごときに負ける道理がないわ」

狩人「言ってくれるじゃないか…!」ギリッ

勇者「落ち着け狩人、今の俺らじゃ勝てないのも事実だ」

狩人「くそ…」

魔王「そういうことだ。ではまた会おう」ボンッ


あたりが えんまくにつつまれた▼


勇者「ごほっ、ゴホッ…ちくしょう……」

狩人「この煙玉は間違いなく商人の持っていたアイテムだ」

勇者「…もう魔王はいないみたいだな…おい賢者」

賢者「………」

勇者「おい賢者」

賢者「…はい」ムクッ

勇者「趣味が悪いぞお前」

狩人「死ぬはずはないとは思ってたけど全然こたえてないの?」

賢者「ええまあ、即死に対する完全耐性がありますので」

勇者「なんだそのクソチートは」

賢者「そういうアイテムです。即死系もしくは即死するダメージの呪文を受けた際一度だけ身代わりになる」

勇者「ああ…どっかの遺跡で見つけたんだったか」

狩人「そんなことより、これからどうするのさ」

賢者「この国はもうパニックでしょうし、魔王復活の噂が世界中に広まるのもすぐでしょうね」

勇者「…先に王国に戻って報告した方がいいな」

賢者「それがいいでしょうね。それから今後についても話し合いましょう」

狩人「……なあ勇者」

勇者「なんだ?」

狩人「俺が言ったこと覚えてるか?正拳突きの話」

勇者「『正拳突きがややこしいことになるね』…だったか?」

賢者「ああ、右腕聖剣の名称を考えていた時の…」

狩人「まさかほんとに使うとは思ってなかったよ」

勇者「ちょっと言ってみたかっただけだ」

賢者「…もう行きますよ。この国のパニックや闘技場の惨状は放置でいいですね?」

勇者「かまわんだろ」


賢者は 帰還魔法をとなえた▼



ー王都、王城【謁見の間】


王様「よくぞ戻った、勇者たちよ。疲れておるだろう、貴賓室を4室用意した。しかと疲労を癒すがよい」

賢者「ありがとうございます。ですが…そうも言っていられない事態です」

王様「…魔王のことであるな?要塞都市で復活したと聞いた」

勇者「すでに耳に入ってたみたいだな。なら話が早い。魔王は1ヶ月後に本気で侵攻を開始すると宣言した」

王様「なんと…では至急兵を集めて防衛線を構築せよ」

大臣「し、しかし…魔界との門はどこに開かれるかも不明ですので…」

賢者「防衛線の構築よりも兵力の増強と素早い行動訓練を重点的に行った方がいいでしょう。周辺諸国にも通達を」

大臣「おお、ありがとうございます。ではそのようにいたしますぞ」

王様「して、勇者よ。商人殿の姿が見えないが…」

勇者「ああ、あいつは…なんだ、その…」

王様「おぬしが言葉を濁すとは珍しい。何事だ?」

狩人「……死んだよ」

勇者「狩人…?」

王様「おお、死んでしまうとは情けない。しかしすまぬことを聞いたの」

勇者「あ、ああ、構わない」

賢者「我々は20日ほど鍛錬を積み、残りの10日で魔王に挑もうと考えています。ですので一度報告を、と」

王様「ふむ…倒せるのだな?」

狩人「普通の方法じゃ無理だ。僕達はもう限界まで成長してしまったからね」

賢者「恐らくですが…我々は人間の枠組みを超えることになります」

勇者「限界まで成長したっていうのはあくまで人間として、だ。だから俺達は人をやめる」

王様「ふむ……そうか。では王立図書館に向かうがよい。司書には伝えておく」

賢者「…!ありがとうございます」

勇者(賢者は何か知ってるのか…?)

狩人「じゃあ我々はこれで」

王様「うむ、ご苦労であった」




ー王都、メインストリート


勇者「ふう…相変わらずの賑わいだな」

ワイワイザワザワアァラッシャァアアーイ

賢者「すいません、教会に寄っても?」

狩人「そういえば賢者は元僧侶だっけ」

賢者「ええ、孤児だったところを神父様に拾われて」

勇者「一応俺らも祈りに行くか。神様に顔向け出来るのも最後かもしれないし」

狩人「そうだね…教会は西の区画だったよね?」

賢者「はい。では3人で行きましょう」


ー王都、教会


ギイィ…
賢者「こんにちは」

狩人「おじゃまします」

勇者「誰もいねえのか?」

賢者「いえ、奥の部屋にいるはずです」

狩人「神父様ーーー!」

ガチャ
神父「……なんだ賢者か」

賢者「なんだとは失礼な」

神父「使いに出したシスターが帰って来たのかと」

勇者「スケベめ」

神父「神に誓ってそんなことはない」

狩人「変態」

神父「言ってろ。商人はどうした」

勇者「あいつは…あー、死んだ」

神父「おお、死んでしまうとは情けない」

勇者(王も神父も情けないって言わなきゃ気がすまないのかよ…)

神父「で、何の用だ」

賢者「相変わらず無愛想ですね…。我々は魔王を倒すために旅に出るので挨拶を、と」

神父「…?今まで行ってたんじゃないのか」

狩人「勝てなかったんだ、魔王に」

賢者「ですので、我々はこれから人間の限界を破るために孤島にでも引きこもるつもりです。人の形を保っているかも怪しいのでご挨拶をと思いまして」

勇者「人間として神に祈るのもこれが最後だろうしな」

神父「……そうか、寂しくなるな」

勇者「ならもうちょっと寂しそうな顔しやがれってんだ」

賢者「祈りを」

神父「聞こう」





ぼうけんのしょに きろくしています…▼



賢者「お救い頂いたこの身を滅ぼしかねない選択をした私を、我が身を犠牲にせんとする私達を、どうかお許しください」



ぼうけんのしょに きろくしています…▼



神父「…汝らが罪、しかと聞き届けた。神は償いを求むるだろう」



でんげんを きらないでください▼



賢者「償いを聞きましょう」



ぼうけんのしょに きろくしています…▼



神父「生きて帰ってこい。それを以て償いとしよう。それが為された時、汝は許されるだろう」



きろくされました▼



賢者「………ありがとうございます」



まだぼうけんをつづけますか?▼



勇者「言われなくても帰ってきてやらぁ」

狩人「当然負ける気もないしね。ちゃんと狩ってくるさ」

神父「では、征くがよい。神の御加護がありますように…」


………がんばって▼



ー王都、王立図書館


勇者「はー、でっけ」

狩人「そりゃあ王立だもの」

賢者「図書館ではお静かに」

司書「ようこそ王立図書館へ」

賢者「お久しぶりです、司書さん」

勇者「なんだ知り合いか」

司書「ええ、賢者様がまだ僧侶だった頃によくこの図書館にいらしたんですのよ」

狩人「へぇー、その頃から本読んでたのか」

賢者「賢者になれたのも司書さんのおかげと言っても過言ではありません」

司書「あら、私は何もしてないのよ。あなたに知識を与えたのはあくまで本達」

勇者「ふーん、それで王様は俺らに何を見せようって腹なんだ?」

司書「その件に関しては王様から直接ご連絡をいただいていますわ」

賢者「おそらく…『勅命禁書』では?」

司書「さすがに賢者ね。ご名答」

狩人「勅命禁書ってことは王が直々に閲覧を禁じた本じゃないか…」

司書「その通りですわ。くれぐれも慎重に扱ってくださいね?では案内しますので」

勇者「ああ、よろしく」

ー王都、王立図書館【禁書庫】


狩人「こういう所はワクワクするね」

勇者「空気が違うな」

賢者「魔導書なんかもちらほら見えますから、それの影響ではないでしょうか」

司書「ここにある本は全て勅命禁書ですわ。全部読んでいただいて構わないとのお達しですので、どうぞ遠慮なさらずに」

狩人「結構多いなぁ…どこから読もうか」

司書「そうですわね…こちらなどはいかが?」

勇者「『転職と転生』……?」

司書「遠くの世界では、限界まで成長した者はそういった手段でさらに上を目指すそうですわ」

狩人「へぇ…転生とはまた…」

勇者「つーかよ、司書さんはいつこんなの読んだんだ?」

司書「いいえ、読んでませんわ」

狩人「え?じゃあなんで内容知ってるのさ」

司書「書物を司ると書いて司書と読むのです」

狩人(おや……どこかで聞き覚えが……)

賢者「しかしそれではおそらく間に合いません。転生したら一から鍛え直す必要がありますし…」

司書「あら、お気に召しませんで?ではそうですね……こちらはどうでしょう」

狩人「えーと、『地殻から吹き飛ばす呪文集〜"nuclear"編〜』……すごいタイトルだね」

賢者「……覚えておいて損はなさそうですね」

勇者「危なすぎるだろ」

司書「いくつかの文明はこれによって滅んでいきましたわ」

勇者「げ……」

賢者「……範囲を極限まで絞って……に集中……すれば………エネルギーが……しかし……」ブツブツ

狩人「いったいどこを目指してるのさ賢者は」

賢者「当然目標は魔王討伐です。それ以上でも以下でもありません」

司書「良い心がけですわね」

勇者「これなんかどうだ?『人間の壁とその突破法』」

狩人「へえ、ぴったりじゃないか」

司書「それは…その、文字通りの"人間の壁"ですので…」

勇者「うげ、本当だ…戦略指南書みたいな感じか」ペラッ

賢者「なぜこの本が禁書に?」

司書「その突破法というのがあまりに非人道的、残酷で読むに耐えないものだからですわ」

勇者「………読まなきゃよかった」パタン

司書「具体的にどういった方法がお好みでいらっしゃるのかしら?」

賢者「そうですね…短期間で魔王を倒す力が手に入り、なおかつ命の危険が少ないものでしたら贅沢は言いません」

狩人「すでに結構贅沢だけどね」

司書「でしたらこちらでしょうか」スッ

勇者「『巡る時の迷宮書』、だってよ」

狩人「巡る時かぁ、文字通りの意味なのか比喩なのか気になるところだけども」

賢者「迷宮ですか……あまり好きではないですね」

司書「この『迷宮書』は魔翌力を一定量注ぎ込むとその秘められた効力を発揮しますの。その本に触れている者を『巡る時の迷宮』へと誘いますわ」

狩人「へー、どういう迷宮なの?」

司書「一度入ると最下層に達するまで出てくることは出来ません。一階層から段々と時が進んで行き、あるいは未来にまで到達することもあるでしょう。様々な文明を辿って己の強化を図ることが出来ますわ」

賢者「しかしそれでは時間がかかってしまうのではないでしょうか」

司書「時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ」

勇者「ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…」

司書「今のあなた方なら"確実に"大丈夫だと言っておきましょう」

賢者(断言するとは珍しいですね……根拠が知りたいところですが)

賢者「では迷宮行きは確定でよろしいですか?」

狩人「もちろん。時間もかからないとなれば行くしかない」

勇者「そうだな。実に好都合だと思う。しかしこんなもん保有してるなんて底が知れねえ国だよな……」

司書「ふふ……もう準備が整っているのでしたら今すぐにでも出発できますが?」

勇者「いや、特にないな」

狩人「全部済ませてからここに来たしね」

司書「では迷宮書に触れてくださいな」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼


賢者「魔翌力を流し込めばよろしいのでしたよね?」

司書「ええ……お手伝いした方がよろしいでしょうか?」

賢者「問題ありません。ふっ………くく…」シュウウゥゥゥゥゥゥウウ


賢者は 魔翌力をこめた!
しかし なにもおこらない▼


賢者「はあ、はあ、馬鹿な……!」

勇者「賢者の魔翌力量でも発動しないとかどういうことだよ」

司書「やはり足りませんでしたわね。時と空間、さらには強い力を持った人間3人の存在をも捻じ曲げなければならない訳ですので……当然膨大な魔翌力が必要になりますわ」

狩人「どうすんのさ?賢者で足りないとなると……」

勇者「意外なとこで足止め食らったな…」

司書「ではもう一度触れていただけますか?」

狩人「え?いやでも……」

賢者「まさか……」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼


司書「それでは行ってらっしゃいませ」スッ

勇者「おい行ってらっしゃいっつったって……」

司書「ふっ」ヴンッ


司書は 魔翌力を込めた!
なんと! めぐるときのめいきゅうしょが ひかりかがやきはじめた!▼


狩人「な……っ!」

勇者「おいおいマジかy———」フッ


勇者たちは めぐるときのめいきゅうへ たびだった!▼






待たせたな!!!(すいませんでした)


ー巡る時の迷宮、一階層【白亜紀前期】


勇者「うおっ、一瞬で景色が切り替わったぞ……!」

狩人「ということは、ここが巡る時の迷宮なんだね」

賢者「迷宮というのでもっと迷路のようなものを想像していましたが、森……のようですね」

狩人「木だらけだ。あったかいね」

勇者「どっちに進めばいいのか見当もつかねえ」

狩人「この森、ずいぶんと大きな生物が棲んでいるみたいだよ。それもかなりたくさん」

賢者「さすが狩人ですね。頼りになる」

狩人「見て、こんなでかい足跡見たことない」

賢者「巨人族より大きいのでは?」

勇者「それにあいつらは人の形してるけどよ、こいつはトカゲに似てるな」

狩人「そうだね、大きな爪があるようにも見える」

ズン…ズン…

勇者「おお……なんだ………?」グラグラ

狩人「何か近づいてきてるみたいだ。用心した方が——」ズゥンッ


アルゼンチノサウルスが あらわれた!▼


勇者「なんだこのでけえドラゴン!?」

賢者「私の知りうる限り、最大のドラゴンでせいぜい10m……!!」

狩人「こいつは30mを軽く超えている!!巨大だ!!」

勇者「おいちょっと待て……!翼も角もない……よく見りゃデカいだけであんま怖くねえぞ!!」


アルゼンチノサウルスは ようすをみている▼


勇者「……大人しいぞ」

狩人「何もしてこないな、牙もないみたいだ。草食かな」

賢者「《破》ァ!!!」


賢者は 詠唱極短:破壊呪文を となえた!▼
はめつのあらしが ふきあれる!▼

アルゼンチノサウルスを たおした▼


勇者「おお……ええ………」

賢者「魔王相手には無力でしたが本来はこういう呪文です」

狩人「魔王がそれだけ強大ってことか」

賢者「癪に障りますがそういうことです。先に進みましょう」

勇者「つってもどっちに行けばいいのか」

賢者「巡る時の迷宮ですから、恐らく時代が進んでいる方へ——」






ー巡る時の迷宮、二階層【白亜紀中期】


賢者「——行けばいいのでは。おや」

勇者「転移したみたいだな。景色が変わった」

賢者「……すごいですね。一体どうやったのか」

狩人「え?転移呪文の類じゃないの?」

賢者「それはそうなんですが、呪文を唱えると通常は光や音が発生します」

勇者「あー、エネルギーの損失か」

狩人「というと?」

勇者「そういや狩人は魔法を使えないんだった。わかりやすく説明してやれ」

賢者「わかりました。いいですか、呪文を唱えると発生する光や音は魔翌力エネルギーの損失です。つまり、魔翌力を物理エネルギーに変換する際にどうしてもこぼれてしまう分ですね」

勇者「魔法陣の発光も同じだぞ。無駄な損失がない魔法陣は見えない」

狩人「はぁー、つまりあの転移は光も音もなく転移したから無駄がないってことね」

賢者「それが恐ろしいんです」

勇者「え?そうなのか」

狩人「勇者もわからないんだ」

賢者「通常、魔翌力の消耗が大きい呪文ほど損失は大きくなります。転移ともなると相当なはずですが……」

勇者「でも賢者も出来るだろそれくらい」

賢者「世界中の魔法学者達が必死に無駄を省こうとして研究を重ねていますが、成功例はありません。私も視認出来ない程度の魔法陣なら描けます。ですが音まで完全に消すとなると現段階では無理です」

狩人「魔法って難しいんだな…」

勇者「ま、それはさておき。ここは第二階層ってことでいいんだろうな」

賢者「ええおそらく」

狩人「どっちに進もうか」

賢者「相変わらず森の中ですね」

狩人「植物は少し違うみたいだ」

賢者「やはり時代が変わっていますか?」

狩人「うん、よく分からないけど多分……」

勇者「階層が進むとよ、未来に進むのか?それとも過去に進んでいくのか?」

賢者「この段階では判断しにくいです」

狩人「ここに人がいれば判断もつくんだけど」

勇者「まあ適当に歩いてようぜ。そのうちなんかあるだろ」

賢者「どの程度の広か確かめるいい機会かもしれません。とりあえず一方向にだけ歩きましょう」


賢者は 全体速度強化呪文を となえた!▼
全員の すばやさが あがった▼


勇者「よし!」スタタタタタタタ

狩人「わぁ……歩いてるだけ、だよねあれ」

賢者「数秒で見えなくなりましたね」


狩人「…!後ろからなにか来るよ」

賢者「私も視認しました……おや」

勇者「………ぉぉおおおお!!!」ズザザザッ

狩人「あれ?なんで後ろから勇者が来るんだ」

勇者「はぁ…はぁ…めっちゃ早い……」

賢者「……前………後ろ……球体………?」ブツブツ

賢者「試してみますか」


賢者は 雷光呪文を となえた!▼
まぶしいひかりが ほとばしる!▼


勇者「うぎゃあ!」バヂチィィッ

賢者「確定ですね、間違いない」

狩人「今後ろから……?」

賢者「この階層はどうやら球体のようです。先ほど私が”前に”撃った呪文は”後ろから”飛んできました。まあ、そういうことです」

勇者「だからって俺を実験に使うなよ」

狩人「いいじゃない、たまには」

勇者「よくねえよ。勇者をなんだと思ってんだ」

賢者「とにかく、球体である、もしくはなんらかの作用で反対の端に転送される等の仕掛けがある以上は下手に歩き回っても仕方ないですね」

狩人「そうだね。どうしようか」

賢者「第一階層はおそらくあの巨大なドラゴンがボスだったのでしょう」

勇者「ははぁ、各階層のボスを倒して先に進みましょうってことだな」

狩人「なるほどね。じゃあボスを探して倒さなきゃいけないんだね」

賢者「そういうことになるかと」

勇者「っしゃ、ガンガンいこうぜ!」

狩人「《探知》!」ブ…ン


狩人を ちゅうしんに さざなみがひろがる▼
なにかが いるようだ!▼


狩人「ええと、生き物は全部で50匹くらい。その中で一番強そうなのはここから北西に向かって距離1300!」

勇者「よくそこまでわかるな。探知ってそんな技だったか?」

狩人「『…今のはメラゾーマでは無い…。メラだ…』」

勇者「んだそりゃ」

狩人「あれ、知らない?そっか……」

勇者「とにかくこっから北西だな?北西ってこっちか」

賢者「あっ勇者様、まだ魔法の効果中でs 勇者「よし行こうぜ」スタタタタタ

狩人「あーあ、またすごい速度で歩いてっちゃった」

賢者「追いましょう」ダッ

狩人「はーい」ダンッ





ー巡る時の迷宮、二階層【白亜紀中期】


狩人「追いついた」タタタタタ

勇者「遅かったな」タタタタタ

賢者「そろそろですよ」タタタタタ

勇者「おっ、あれか?」タタタタタ

狩人「うわぁ……またなんかずいぶんデカいね」

賢者「ワニとトカゲとニワトリを混ぜたみたいな」


スピノサウルスが あらわれた!▼
スピノサウルスは いきなりおそいかかってきた!▼


スピノサウルス「ゴアァァアアアアア!」ブォン

勇者「うおっ」スパァン


勇者は なぎ払われたしっぽを 切り落とした!▼


スピノサウルス「ギャアァァアアス!!」

狩人「こいつが二階層のボスってことでいいのかな?」

賢者「ええ、状況から判断するに間違い無いでしょう」

勇者「よおしこのまま一気に行くぞ!ガンガンいこうぜ!」


勇者は 剣をよこなぎにふりはらった!▼
スピノサウルスのくびが 宙をまう!▼


勇者「あれ?思ったよりあっけなかったな」

賢者「まだ二階層ですし、こんなものでしょう」

狩人「先は長そうだね」

勇者「そろそろ転送かn——」

勇者たちはこうして順調に迷宮を進んでいった▼

ー巡る時の迷宮、九十九階層【???】


勇者「はぁ、はぁ、流石に疲れてきたな……ッ」ドゴッ

狩人「六十階層越えてきた、あたりからッ、周りの雑魚も無視できなくなって、きた、からね!!」パシュゥン ドォォオン

賢者「おそらくあと少しでボスです!!今九十九階層なのでキリよく次が最下層だといいですねッ!!《全体回復》!!」パァァァァア

勇者「助かる賢者!」

狩人「あれかな!?ここのボス!!」


機械龍が あらわれた!▼


勇者「そうらしいな!クソっ雑魚が邪魔だ!《爆》!!」ドゴォォォオンッ

賢者「また金属の敵ですか、厄介な!」

勇者「確か雷撃が効いたよな!はぁぁあああ!」バチバチバチッ


勇者は でんきをまといはじめた!▼


勇者「食らええぇぇえ!!」バヂヂィッ


雷撃をまとった剣が 機械龍をおそう!▼

ギィィイインッ


勇者「なっ!!馬鹿な!!効いてない!?」

賢者「電気は全て地面に流れた様です!」

狩人「反撃が来る!!避けて!」


機械龍「」キュィィィイイイイイン゙ッ

勇者「時間がねぇ!」スッ


勇者は みんなのまえにたちふさがり うけながしのかまえをとった!▼


賢者「《身体強化・剛極》!!」

勇者「助かる!!」


機械龍「」 ド ッ 


機械龍は ひかりの束をはなった!▼
勇者は うけながした!▼


勇者「うおおおおおおおああああああ!!」ズズズズズズ


しかし うけながせなかった▼


勇者「あああああぁぁあぁぁあああああ!!!」ジュンッ

賢者「《結界》!!」パァァアアンッ

狩人「勇者あぁぁぁぁああ!!!!」

賢者「彼は蒸発しました!!助かりません!!この結界も直に破られます!!回避を!」バチッ ピキピキ パキィ

賢者(考えろ、考えろ、助かる方法、帰還、生存、全滅回避……ッ!)

賢者(可能性を模索しろ、状況を打開しろ、最悪は避けねばならない!)

賢者(結界はあと15秒も保たない、魔翌力も尽きた、あとは……!)

賢者(……っ!迷宮に入る前、何か大事なことを言われたはず!!何か、鍵になることッ!!)




〜〜〜

司書『時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ』

勇者『ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…』

司書『今のあなた方なら"確実に"大丈夫だと言っておきましょう』

〜〜〜



賢者「そうだ………思い出した、”確実”……!!」

狩人「な、何がさ!?」

賢者(あの司書様が断言した!断言したんですっ!!ならば……)

賢者「やるべきことは!!信じることです!!!」

狩人「だから何を———」




結界が やぶれた!▼













勇者たちは 全滅した▼

更新遅れます…

来年ちまちま更新したいと思ってます、ごめん……
うんこしないで……


ー王都、王立図書館


勇者「はー、でっけ」

狩人「そりゃあ王立だもの」

賢者「………ッ!?」バッ

司書「ようこそ王立図書館へ」

賢者「な……何が…」

勇者「どうした賢者」

司書「ふふ、それともおかえりかしら?」

狩人「おかえり……?はじめましてのはずだけど」

勇者「会ったことねぇよなぁ」

賢者「二人とも、これは何かの冗談ですか……?」

狩人「何がさ」

勇者「賢者こそ知り合いか?」

司書「ええ、賢者様がまだ僧侶だった頃によくこの図書館にいらしたんですのよ」

狩人「へぇー、その頃から本読んでたのか」

賢者(これは……時が戻っている……?気がついているのは私だけ?)

賢者「賢者になれたのも……司書さんのおかげと……」

狩人「歯切れが悪いね、どうしたの?」

賢者「い、いえ、なんでもありません……その、本を……」

勇者「ああ、そうそう。それで王様は俺らに何を見せようって腹なんだ?」

賢者「……『勅命禁書』」

司書「さすがに賢者ね。ご名答」

狩人「勅命禁書ってことは王が直々に閲覧を禁じた本じゃないか…」

司書「その通りですわ。くれぐれも慎重に扱ってくださいね?では案内しますので」

勇者「ああ、よろしく」

賢者(やはり時が巻き戻っている。新しい時間軸ではない、過去をそのままなぞっているだけ……そんなことが可能なのか?なぜ私だけ記憶が残っている?)

勇者「おい賢者、なにぼーっとしてんだ?置いてくぞ」

賢者「失礼しました、今行きます」

賢者(追々考えましょう。とりあえずは同じ道を進んで相違点の洗い出しと……)ブツブツ

ー王都、王立図書館【禁書庫】


狩人「こういう所はワクワクするね」

勇者「空気が違うな」

賢者「魔導書なんかもちらほら見えますから、それの影響ではないでしょうか」

司書「ここにある本は全て勅命禁書ですわ。全部読んでいただいて構わないとのお達しですので、どうぞ遠慮なさらずに」

狩人「結構多いなぁ…どこから読もうか」

賢者「これはどうですか?」スッ

勇者「『巡る時の迷宮書』、だってよ」

狩人「迷宮かぁ、そういえば賢者って迷宮嫌いじゃなかった?」

賢者「ええ、ですが手段も選んでいられませんし」

司書「『巡る時の迷宮書』ですね。この『迷宮書』は魔翌力を一定量注ぎ込むとその秘められた効力を発揮しますの。その本に触れている者を『巡る時の迷宮』へと誘いますわ」

狩人「へー、どういう迷宮なの?」

司書「一度入ると最下層に達するまで出てくることは出来ません。一階層から段々と時が進んで行き、あるいは未来にまで到達することもあるでしょう。様々な文明を辿って己の強化を図ることが出来ますわ」

狩人「でもそれじゃ時間がかかるんじゃない?」

司書「時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ」

賢者(そうか、時間への干渉……しかし時間が経過しないだけで過去に戻るわけでは……となるとこれが直接の原因ではない?)

勇者「ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…」

司書「ふふ、大丈夫だと思いますよ。ねえ賢者?」

賢者「……ええ」

勇者「?」

狩人「何か知ってるの?」

賢者「詳しくは……確証がない話はしないように心がけているので」

狩人「まだ検証中ってわけ?」

勇者「ま、賢者が何考えてるかなんて俺らにわかるわけもねえしな」

司書「ではこちらでよろしいですか?」

狩人「もちろん。時間もかからないとなれば行くしかない」

勇者「そうだな。実に好都合だと思う。しかしこんなもん保有してるなんて底が知れねえ国だよな……」

司書「ふふ……もう準備が整っているのでしたら今すぐにでも出発できますが?」

勇者「いや、特にないな」

狩人「全部済ませてからここに来たしね」

賢者「いつでも構いません」

司書「ああそうだ、ちょっと待ってくださいね。賢者に渡すものがあるのを忘れていました」ゴソゴソ

賢者(なんでしょうか、前回は何も渡されませんでしたが……)

司書「これです。迷宮の中ででも読んでください」スッ


賢者は 『ロトのぼうけん』を うけとった▼


賢者「これは……?」

司書「ちょっとしたおとぎばなしですよ。あなたなら意味がわかるはずです」

勇者「へえ、俺にも後で読ませろよ」

賢者「ええ、わかりました」

司書「では、迷宮書に触れてくださいな」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼



賢者「触りました。司書さん、よろしくお願いします」

狩人「え?どういうこと?」

賢者「この迷宮書は魔翌力を流し込めば発動する単純なものですが、私の魔翌力量では足りません」

勇者「待て待て、その言い方だとお前より司書さんの方が魔翌力量が多いってことか?」

賢者「そういうことでしょう」

勇者「信じられねえ……」

司書「ふふ、では参りましょうか」

賢者「よろしくお願いします」

司書「それでは行ってらっしゃいませ」スッ

司書「ふっ」ヴンッ


司書は 魔翌力を込めた!
なんと! めぐるときのめいきゅうしょが ひかりかがやきはじめた!▼


狩人「ほえーー」

勇者「おいおいマジかy———」フッ


勇者たちは めぐるときのめいきゅうへ たびだった!▼






ー巡る時の迷宮、一階層【白亜紀前期】


勇者「うおっ、一瞬で景色が切り替わったぞ……!」

狩人「ということは、ここが巡る時の迷宮なんだね」

賢者(六十階層を越えるまでは敵も強くない……階層の突破は二人に任せておきましょう)


賢者は 全体速度強化呪文を となえた!▼
全員の すばやさが あがった▼

賢者は 全体腕力強化呪文を となえた!▼
全員の こうげきりょくが あがった▼


勇者「お、助かる」

狩人「よーし、どんな敵が出てくるのかな」

賢者「この迷宮は百近い階層に分かれていて、各階層にボスがいます。そのボスを撃破すると次の階層に進むシステムのようです。百近いと言いましたが、百階層以降も存在する可能性があります。できる限り体力等を温存して戦ってください」

勇者「おお……的確な指示どうも……けどよ、なんでそんな詳しいんだ?」

狩人「賢者だし、の一言で片付けるのにも限度があるよね」

賢者「先程も言いましたが、私自身信じきれていないので……」

勇者「そうか……。ま、言えるようになったらいつでも言ってくれ」

賢者「感謝します。私は少し検討しなければならない事象があるので階層の突破はお任せしてもよろしいでしょうか」

勇者「ああ、構わねえ」

狩人「賢者はいつだって正解を僕達に与えてくれるからね。任せて」グッ

賢者「では頼みましたよ」

賢者(さて……まずは司書さんに持たされたこの本……)


賢者は 『ロトのぼうけん』を よみはじめた▼



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