男「な、なんか出た!?」(12)
弾丸
銃口
男「痛っ、こらヤメッ! やめなさい! やめろったら!!」
妹「アハハハハ~! や~~だ~~よっ♪ バキューンバキューン!」 パンパンッ
男「いっ、だっ……こンの……っ、悪い子はお仕置きだぁぁあああ!!」
妹「!! きゃ~~っ! お兄ちゃんが怒った~~!こ~わ~~いっ」 ポーイ
男「あっ、コラ! 待ちなさい! 妹!!……クソ! 逃げ足は相変わらずだな」
男「…………はぁ……それにしても……これで少なくとも4度目、か」
少なくとも4度目か×
4度目か◯
・・・
妹「むにゃ……んふ~」 スヨスヨ
男(……ふぅ、やっと寝たか) ソローリソローリ
ゴンゴンゴンゴン!
「オーイ、おろこ~! いるんらろ~! でへこいや~~!!」
男(ゲッ、あの馬鹿! なんつータイミングで……あぁっクソ!!) サササッ
ガチャ
男「おいコラ友!静かにしろって、せっかく妹が寝たってのに……って酒臭っ」
友「あ~~? おろこ! やっはいココにいはか! いるはらさっはと出てこいってぇ~の~」
男「あ~ハイハイハイハイ悪かった悪かった、悪かったから静かにしろ?」
友「あ~~ん? あんれ~~? 別にい~じゃんよ~お?」
男「良くねぇの、妹が寝てんだよバカ……ほれ、一杯付き合うから静かに頼むよ」
・・・
友「はぁ? 妹ちゃんが何だっへ?」
男「いや、だからさぁ……ここの所はさ、笑ってることが増えてたっつーの?」
男「前みたいに無理してるって感じじゃなくホントに楽しそうにしてるな~って思ってはいたんだよ」
友「ほ~ん……別に良いことじゃんよ」
男「そうなんだよ……でだ、なんか良いことでもあったのかと思って聞いてみた訳だ、そしたら」
友「そしたら?」
男「『お兄ちゃんにはヒミツ~』って」
友「へぇ~妹ちゃんが? めっずらし~」
男「だろ? 今までならこっちが聞く前に妹から話してきてたろうに」
友「なるなる、そしたらアレだ? お兄様としては妹ちゃんの兄離れの気配に寂しさもひとしお、と?」
男「バッカ、ちげーよ別にそこに関しちゃ大歓迎だっての、問題はそこじゃ無くてだな」
友「何さ、まだ続きがある系? だったら勿体ぶらずにさっさと言いなさいな」
男「……なぁ、ここ最近でこの辺りに余所から誰か来たとかそういう話って聞いた覚えあるか?」
友「はぁ? 何それ、どうしたのいきなり」
男「いや、そういうの友なら耳に入ってくるだろ? どうなんだ?」
友「……特に聞かないねぇ、人の出入りについてだと次の行商が来るのはいつもより少し遅れるかもって位だ」
友「この時期にこんな僻地を旅してまわる物好きがいたとして、うちの宿に立ち寄らないって事は無いだろうしね」
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