俺「超本格的雰囲気SS書く」 (64)
──ザァァァァ……
じゃあ誰が……
ザァァァァ……
ザァァァ…
誰が、守ってくれるってんだ!!?
…ザァァァァ…
ザァァ…
ザ、ザ… ザザ… ザ──
「おにいちゃん」
男「はッ!?」 ガバッ
男「……………ハァ……」 ギシ…
ラジオ『さて、時刻は早朝5時をお知らせします。 ではでは次のコーナー…』
男「またあの夢か……」
男「……」
男「……はぁ」
男「……」 チラ
男「5時、か……」
ラジオ『お、いいですね~ 僕もこの曲大好きです! 』
男「うえ、汗びっしょり」
男「……もう、寝れる気もしないな」
男「シャワー浴びて、大学行くか……」
ラジオ『では、お聞きいただきましょう! 今日の一発目!』
ラジオ『Jerry Lee Lewisで、Great Balls of Fire!』
You shake my nerves and you rattle my brain
俺の神経を刺激して 脳を揺さぶるお前
男「……」 ジャー
Too much love drives a man insane
あまりに大きな愛は男を狂気へと駆り立てる
男「……んむ…」 モグモグ
You broke my will
俺の意志は吹っ飛んで
男「……」 シュル…
But what a thrill
でも全く退屈しねぇ
男「……」ゴソゴソ
Goodness gracious great balls of fire!
嗚呼! 最高だぜ全く!!
男「……よし」
男「行ってきます」 ガチャ
バタン!
───
「行ってらっしゃい」
「? どうした?」
「何でもないわ」
「まあいい、次の仕事だ」
「またなの」
「そりゃそうだ」
「……」
「お前はその為に、造られたんだからな」
───
男「……」 テクテク
男(……曇り、か……)
男(一雨来るかもな……)
男「……」
───
───
男「……」
教授「……で、あるからして」
男「……」 ボォ~
教授「つまりは歴史認識という枷の中の囚人たる我々を含むアジアのみならずユーラシアの括りに」
男「……」 ボォ~~
教授「しかして、奔流は亜流であってもその性質を以て時代を動かすという回帰性の」
男「……」 ボォ~~
「おい」
男「……」 ボォ~~~
友「おいってば」
男「ん」
友「何、今日は一段と上の空じゃん」
男「そう、かな」
男「……そう、だな」
友「何なに、恋でもしちゃってんの」
男「恋?」
友「女の子のこと考えて、夜も寝られなーい! みたいな」
男「……」
男「そうだよ」
友「えぇッ!? マジ!?」
教授「……ゴホン」
友「あ…… すみません」
教授「あー、ゴホ で、あるからして、史実とは多次元史料の複合体かつ構成物という見方を以てすれば」
友「……で、でどんな子よ」 ヒソヒソ
男「え?」
友「その女の子だよォ! ロリ? 年上? はたまたガチムチ系~?」 ウヒョォォオ
男「……」
「おにいちゃん」
男「……」
「助け」
友「男?」
男「えっ、あ、うん」
男「年下かな」
友「ほぉォ! そうかぁ そうかぁ ふぅん へぇー」 ニヤニヤ
友「で、で? どこで知り合ったの? バイト? 合コン? ナンパ? ナンパ?」
男「……昔の……昔の、知り合い」
友「幼馴染ッスかぁ~~!?」
男「ううん……もう長い間会ってない。 たまたま夢に出てきて……」
男「寝れなくなった」
友「ほーぉ。 ふぅーん。 フロイトなら欲求不満と診断するとこだな」
男「フロイトってほとんどソレじゃん……」
友「ま、なーんか思ったより面白くない話でガッカリだわ」
男「勝手に面白さを求めるなよ」
友「っちぇー。 男×恋バナ とか絶対面白いのにぃー のにぃー」
男「はぁ……」
教授「そしてさらに…… お、もうこんな時間か」
教授「えー、では、今日のまとめ」
教授「昨今のグローバリズムとはテロリズムの拡散と同義である。 内容を良く復習しておくように。」
教授「本日は以上」
友「やれやれ、やっと終わっ」
教授「友君はあとで教授室に来ること」
友「え゙ぇ───z____ ッ!?」
男「友、どんまい」 ポン
友「トホホ……まーた追加レポートだよ……あのドS教授……」 ヨヨヨ
男「まあ、キツかったら手伝うよ」
友「ッ!」 キラン!
友「男~~っ」 ギュゥゥ
男「はは」 グイ
男「……」
『……とはテロリズムの拡散と……』
男「……」 ズキ
男「う……?」
友「男? すまん、情熱的に抱きしめすぎたか?」
男「あ、いや、何でもないよっ」
友「分かる。分かるぞ。 俺の悲劇を、我が事のように実感し嘆いてくれているのだな?」
男「う、うん」
友「っよ~し! 景気づけに学食で大盛りハヤシライスだ!」
男「友、ほんとそれ好きだね」
友「おう。 モリでハヤシなのに、一切緑色が無いあのアンニュイなフォルムが俺の心をとらえて離さ」
男「長くなりそうだった! いいから行こう! 学食込みやすいから!」
友「まーまー、歩きながらゆっくり俺のモリハヤシ愛を語ってやるから」
友「そもそもハヤシライスの語源は様々で」
友「その中でも"早死"という強烈なインパクトの説があって」
チナミニソレガ
ソシテサラニ
アーダコーダ
────
──
─
刑事「変死体だぁ?」
新米「はい。 今度は小学校の屋上で、輸入業者の社長が……」
刑事「小学校? 社長? なんだそりゃ……"変"死体にも程が……」
刑事「……待て、"今度は"だと?」
刑事「そりゃつまり……」
新米「……はい。 また、です」
新米「今回も、『ありません』でした。」
刑事「……」
刑事「……これで、何件目だ」
新米「4件目、です」
刑事「……4件……」
刑事「……ったく、どこのどいつなんだ?」
新米「……」
刑事「だーれが、殺し歩いてやがる?」
新米「……」
刑事「どこのどいつが」
刑事「ホトケの『脳と脊髄』をゴーッソリ取り出してやがる?」
───
───
ザワザワ…
ザワザワ…
男「ふぅ、今日の講義終わりっと」
友「お。 男、次の食文化学(Ⅱ)、受けねーの?」
男「うん。 今日は急なバイトのシフトが入っちゃって」
友「マジかー ま、頑張りんさいよ」
男「うん。 じゃね」
ガタ
タッタッタッ…
───
ガチャ
男「すいません、少し遅れましたー」
マスター「あ、こっちこっちー」
マスター「おら、咥えろよ」
男「こんなに腫らして...しょうがないですね」チュパチュパ
男「あ、はーい」 タタタ
マスター「これ運んで~」
男「わ、何ですかこのおっきいダンボール」
マスター「ふっふっふー この喫茶店もそろそろリニューアルしようと思ってね」 ゴソゴソ
マスター「じゃーん! でっかくてオサレな照明買っちゃいましたー!」
男「おぉ~」
マスター「で、これは女にはちと運べないから、男くん、お願い!」
男「マスターの方が背が高いのに~」
マスター「ん~いくらあたしがモデル体型でも? 女の子だし? 女子だし?」
男「はいはい。 分かりましたよー」 ヨイショ
マスター「おぉ~。さっすが男子ぃ 頼りにしてますっ」
男「あ、これどこに置けば……」 プルプル
マスター「奥のテーブル!」
男「了解です~……」 ヨロヨロ
ヨイショ-
あ、次これも運んでー
エー ホラハヤクー ヒィー
男「はぁ……はぁ……」
マスター「やー、おつかれさん! 男子力発揮しまくったねー!」
男「お、男ですから……」
マスター「んー、男くんって実は男らしいんだね」
男「実はって何ですか実はって」
マスター「んー気にしない」
マスター「ご褒美あげよっか」
男「え」
マスター「ご褒美にホッペにチューだ!」
ギュッ
男「あ、わ、い、いいですよ!」
マスター「ほれほれ遠慮すんなー」 ギュゥゥ…
男「あ、だ、だめですよっ」 ワタワタ
マスター「何ぃ? あたしじゃ不満だってのー?」
男「そ、そうではなくってぇ~」
ワーワー バタバタ
男「き、今日はおつかれさまでした……」
マスター「お疲れさーん! 今日もいっぱい働いてくれちゃってー! ありがとねー!」
男「は、はい…… では、僕はこれで……」 フラフラ
マスター「……男くん」
男「はい?」
マスター「……ほんとに、感謝してるよ 男くんには」
男「なんですかー急に改まって」
マスター「男くんがバイトに来てからね、 何か、楽しい」 ニカッ
男「もう、おだてたって賃金引下げには応じないですからねー!」 ニヤッ
マスター「もう! そんなんじゃなーい!」
男「あははっ! じゃ、また明日!」 ヒラヒラ
マスター「うん! また明日~!」 ブンブン
───
男「やれやれー、もう、明日筋肉痛だよ!」
男「……」
男「………」 ホッペスリスリ
男「……ふふっ」
男「……全く、しょうがないんだから、マスターは」
男「あ、そういえば、明日のシフト……何時からだっけ」
男「えーと、メモ帳……」 ゴソゴソ
男「あれ?」
マスター「いつもいつも楽しいコトをしてくれるからね…」
男「一回だけですよ?」
男「……無い」
男「あー、喫茶店で荷物運んでるときに落としちゃったのか……」
男「……まだ、店を出てから10分ぐらいだし」
男「取りに戻ろう」
タッタッタッタッ
男「マスター、さっき別れたばっかりなのに」
タッタッタッタッ
男「すぐ戻ってきたら」
タッタッタッタッ
男「なんて言うかな」 クスッ
タッタッタッタッ
ドン ドン ドン
男「すみませーん」
ドン ドン ドン
男「すみませーん」
シーン
男「……あれ?」
ガチャ
男「! 鍵は開いてる……」
ギィィ…
男「あ、失礼しまーす」
男「マスター? いますー?」
男「マスター?」
男「暗いな……電気つけなきゃ……」 ゴソゴソ
男「マスター? いるんでしょ? 返事してくださいよー」
男「ねえ、マス」
ピチャ
男「っうわ 何か顔に……」
男「……雨?」
男「いや、店の中だし……何だ?」
ピチャ
ポタ
ポタ ピチャ
男「電気……あ、あった」 ゴソ
パチン
男「お、点いた」
男「え」
まばゆい光。そこに逆光の影を作っていた物は、何。
天井の照明に
引っ掛かっているモノは何。
男「あ、え」
ズル…
┣” チ ャ ッ !!!
ビチャァッ
男「うわああ゙あぁああぁぁ゙あああ゙あああぁ!!!!!!」
男「嘘だああ゙あ゙ああ゙ああ゙あぁあああああああぁあああ!!!!!!」
目の前に、落下。
だからこそ、 だからこそ、判ってしまった。
今一番、 会いたくて 会いたくない 人。
男「マスタア゙ア゙ア゙アア゙ア゙ァァァアアアア!!!!!!!!!」
原型。
留めている、と、言うのだろうか。
頭──後頭部"だけ"が、無い。
削られたように。 抉られたように。
男「マァァスタアアァァァぁぁああぁ!!!」
男「あ゙あ゙あ゙ぁああ゙あぁ゙あああ!!!」
男「嘘だあああぁあああぁああ!!!」
男「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あああああああああああああああああああああ!!!」
ヴーン ヴーン
ヴーン ヴーン
<< 着信 友 >>
───
友「……」
友「んー? 出ねぇな」
友「……」
友「………」
友「……………」
友「………………」
友「……」
最 高 だ ね ま っ た く !
友「Goodness gracious great balls of fire!!!」
────── To be continued....
おしまい
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、雰囲気だけのSS書きたくなったのが始まりでした
本当に話のネタは何も無いのですが←
スレを無駄にするわけにはいかないので雰囲気だけ本格的にしてみた所存ですw
以下、男達のみんなへのメッセジをどぞ
男「みんな、見てくれてありがとう
ちょっとショタっぽいところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
友「いやーありがと!
私の黒幕感は二十分に伝わったかな?」
妹?「出してくれたのは嬉しいけどちょっと伏線ブン投げね・・・」
教授「見てくれありがとな!
ほとんど講義聞いてないよね!」
刑事「・・・ありがと」ファサ
では、
男、友、妹?、教授、刑事、俺「皆さんありがとうございました!」
終
男、友、妹?、教授、刑事「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
雰囲気バリバリのSS書きたいけど元ネタが無い
誰か原作くれ
つまりどういうことだってばよ
じゃあ攻殻で
ふざけんな
なんならやりようあったろハゲ
>>57
やりようってなんハゲってなんだとゴラアアアアアアアア!!!
プロットのそこそこ秀逸なssにお得意の雰囲気をまぶして自作扱いしたいのね
アホか
>>59
自作扱いはしないわ
SS書きたいのに書くものがないからもどかしいんだよ
話を作る才能が欲しい
>>56
つまり妹が本当は妹じゃなく友と一緒に幼少期を過ごした幼なじみで、男は偽りの幼少期を生きてきてたとか
友に接触されるたびに記憶は喰われて改変され、そのソースに他人の記憶や脳を使ってるとか
それっぽい続きやら内容考えればいいのか
>>61
ほほーメモったわ
友は男に恋心から執着してるのかな
俺が聞くのも変な話だが
ははー妹の裏かー
男が苦悩しそうでええね
㌧㌧
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