幼馴染「美味しい?」男「美味しい」 (43)
幼馴染「本当?」
男「うん、美味しいよ」
幼馴染「良かった、まだ有るけど食べる?」
男「本当?食べる食べる」
幼馴染「うん、じゃあ少し待っててね」
男「良かったぁ、お腹空いてたんだ」
幼馴染「ふふふ、慌てないの。すぐ持ってくるから」
男「うん、待ってるね」
幼馴染「はいどうぞ」
男「ねぇ、質問いいかな」
幼馴染「うん?どしたの」
男「さっきから出してる料理、いったいなんなの?」
幼馴染「ねぇ、食べないの?」
男「うん?あぁ、食べるよ。いただきます」
幼馴染「美味しい?」
男「美味しいよ」
幼馴染「まだまだ有るよ?」
男「食べたいな。それで、質問なんだけどさ」
幼馴染「ちょっと待っててね」
男「うん、待ってるよ」
幼馴染「ふふふ」
幼馴染「よく食べるね」
男「うん、美味しいからね」
幼馴染「ねぇ、質問いい?」
男「うん。どうしたの?」
幼馴染「さっきから食べてる料理、なんなのか気にならない?」
男「ねぇ、もう無いの?」
幼馴染「えっ?まだ有るけど」
男「じゃあ持って来てよ」
幼馴染「うん。それでさ、質問なんだけど」
男「早く持って来てよ」
幼馴染「あっ、うん。ちょっと待っててね」
男「幼馴染って料理上手いよね」
幼馴染「嬉しいな、ありがとう」
男「それでいてちょっと抜けてるところも有るし」
幼馴染「それ、褒めてる?」
男「あの、待ってるんだけど」
幼馴染「えっ?ごめん、すぐ持って来るね」
男「それでさ、さっきから食べてる料理はいったい何なのかな」
幼馴染「はいどうぞ」
男「質問に答えてよ」
幼馴染「食べないなら下げるよ?」
男「いただきます」
幼馴染「男ってよく食べるよね。作りがいが有るよ」
男「嬉しいな、ありがと」
幼馴染「よく食べる人はモテるよ。まぁ男は無理そうだけど」
男「それ、褒めてる?」
幼馴染「あの、早く食器洗いたいんだけど」
男「えっ?ご、ごめん。すぐ食べきるから」
幼馴染「……」
男「あのさ、何回目か分からないけどこの料理って
幼馴染「早く食べてよ」
男「あ、うん。ごちそうさま」
幼馴染「お粗末さまでした」
男「ねぇ」
幼馴染「ん~?今食器洗ってるんだけど」
男「ここ、俺が住んでる家だよね?」
幼馴染「そうだね。お邪魔してます」
男「妹の姿が見えないよ?」
幼馴染「2階なんじゃないかな」
男「母さんは?」
幼馴染「買い物でしょ」
男「父さんは?」
幼馴染「さぁね、そこまでは分かんない」
男「ふーん」
幼馴染「よし、食器洗いお終い」
男「俺の部屋にでも行こうか」
幼馴染「そうだね」
幼馴染「ねぇ」
男「ん?ごめん、今ちょっと探し物してる」
幼馴染「男って、彼女とか居ないんだよね」
男「そうだよ。欲しいけどなかなか出来ないんだ」
幼馴染「こんなぬいぐるみ持ってたっけ?」
男「知り合いの女の子とゲーセンに行った時にだったっけな」
幼馴染「このプリクラは?」
男「ゲーセン行った時だよ」
幼馴染「この香水は?」
男「さぁね、いつ買ったか覚えてないよ」
幼馴染「ふーん」
男「暇だしコンビニ行こうか」
幼馴染「そうだね」
~コンビニ~
男「あっ」
女「……」
幼馴染「声掛けるの?」
男「駄目なの?」
幼馴染「別に…あの子だよね」
男「うん、そうだよ」
幼馴染「可愛いね」
男「嫉妬?」
幼馴染「別に」
男「じゃあ声掛けてくるね」
幼馴染「うん、買いたい物選んでるね」
男「じゃあね」
女「うん…」
男「ごめんね、待った?」
幼馴染「あっ」
男「どうしたの?」
幼馴染「いや、なんでもないの。これ買ってもいい?」
男「ハサミ?」
幼馴染「駄目なの?」
男「別に…ハサミって何に使うの?」
幼馴染「お父さんの誕生日プレゼント作るのに使うの」
男「へぇ」
幼馴染「嫉妬した?」
男「別に」
~帰宅路~
幼馴染「ごめんね、ちょっと待ってて」
男「うん?」
幼馴染「ちょっとね」タッタッタ
男「あ~あ行っちゃった」
男「………」
幼馴染「ごめん、待ったかな」
男「息切らしてるけど大丈夫?」
幼馴染「大丈夫。すぐ見つかったから」
男「見つかった?」
幼馴染「なんでもない」
男「そっか、じゃあ帰ろうか」
幼馴染「うん」
~男の部屋~
男「ごめん、ちょっと待ってて」
幼馴染「へ?」
男「妹にお菓子渡してくる」
幼馴染「えっ?あっ……行っちゃった」
幼馴染「もう居ないのに」
男「ごめん、待った?」
幼馴染「別に、どうだった?」
男「ベッドの中で寝てた」
幼馴染「だよねぇ」
男「??」
幼馴染「なんでもなーい」
幼馴染「ねぇ男」
男「ん~?」
幼馴染「私ね、ずっと考えてた事が有るの」
男「コーラ取って」
幼馴染「どうやったら素直になれるのかなってさ。ほら、私って奥手な方だよね?」
男「そうなの?」
幼馴染「そうなの。それでね、答えが出なくてモヤモヤしてたの」
男「そうなんだ、それは辛いね」
幼馴染「けどね、少しづつ答えに近づいた気がする」
男「……そっか」
幼馴染「そろそろ答え、出そうだよ」
男「頑張れよ」
幼馴染「うん……だから男にプレゼント」
男「??なにこれ」
幼馴染「分からない?」
男「うん、真っ赤だし」
幼馴染「耳だよ」
男「へぇ~、精肉店で買ったの?」
幼馴染「ううん、さっき手に入れたの」
男「そうなんだ。誰の?」
幼馴染「嫌いな人の」
男「要らないよ」
幼馴染「要らないの?もう欲しがってもあげないよ」
男「気持ち悪いもん」
幼馴染「これ、この人の」
男「プリクラの?」
幼馴染「さっきコンビニ行ったでしょ?ハサミ買ったよね」
男「うんうん。それでハサミで耳を?」
幼馴染「うん。嫌いな人だからね」
男「未来の彼女を殺しちゃったの?」
幼馴染「まだ死んでないよ。けど死ぬよ」
男「そっかぁ…」
幼馴染「助けに行かなくていいの?」
男「行かせてくれるの?」
幼馴染「行きたいの?」
男「行きたいよ」
幼馴染「駄目だよ」
男「諦めるよ」
幼馴染「ふふっ、ありがと」
男「どうしてハサミで耳を切り落としたの?」
幼馴染「嫌いな人だったからだよ?だって私の知らないところでこんな事されたらね」
男「可愛いね、そういう性格」
幼馴染「ポジティブだね。ありがと」
男「俺の為にだよね?ヤンデレの極みだよ」
幼馴染「ヤンデレ?ヤンデレは人を傷付けたりしないよ?」
男「まぁね。ちょっと言って見たかっただけ」
幼馴染「……好き」
男「急だね」
幼馴染「駄目?」
男「考えさせて」
幼馴染「期待してもいいの?」
男「さぁ?」
幼馴染「この人とは何処まで?」
男「言ったら怒るよ」
幼馴染「言ってよ」
男「キスはしたよ」
幼馴染「ふ~ん」
男「怒った?」
幼馴染「トドメを刺しに行きたいよ」
男「駄目だよ」
幼馴染「どうせ助からないよ」
男「一応だよ」
幼馴染「……うん。私も一秒でも一緒に居たいから我慢する」
男「うん、そうしなよ」
幼馴染「私のこと嫌い?」
男「え?」
幼馴染「私達は友達?」
男「そうだね」
幼馴染「けど親友では無いよね」
男「そうだね、親友では無いね」
幼馴染「親友には慣れないのは分かってるもん。けど友達以上だよね?」
男「そうだね。付き合い長いしね」
幼馴染「恋人にはなれないのかな」
男「どうなんだろ、なりたい?」
幼馴染「なれたら嬉しさが爆発して可笑しくなりそう」
男「じゃあ駄目だね」
幼馴染「そっか…」
男「死なれたら困るからね」
幼馴染「うん、ありがと」
~玄関~
幼馴染「また明日ね」
男「会わなくちゃ駄目?」
幼馴染「駄目」
男「どうして?」
幼馴染「私が私じゃ無くなっちゃう」
男「それは困るよ、待ってるから家に来てね」
幼馴染「うん、必ず」
男「俺が幼馴染をどう思ってるか教えてあげる」
幼馴染「う、うん」
男「友達以上親友未満、これは良い言い方」
幼馴染「??」
男「悪く言うとね?好きでも無いけど嫌いでも無いんだよ。サヨナラ、また明日ね」
幼馴染「えっ?それってどういう
男「また明日ね」
~妹の部屋~
男「寝るの早いなぁ」
妹「……」
男「ポッキー買って来たんだよ?トッポも有るよ?」
妹「……」
男「返事無しね」ユサユサ
男「揺らしても反応無しなんだ、おかしいね」
男「ダイエットしたのかな?やけに軽いけど」
妹「……」
男「………そっか、そういう事」
男「お腹、割れてるね。綺麗になってて素敵だよ」
~翌朝~
幼馴染「不思議な事が起きたの」
男「何があったのかな」
幼馴染「朝起きたらお父さんが居なかったの」
男「仕事が早く始まるからでしょ」
幼馴染「お母さんも居なかったの」
男「へぇ、なんでかな」
幼馴染「分からないよ、知ってる?」
男「知らないよ、それにどうでもいいと思ってる」
幼馴染「冷たいね」
男「暖めてあげようか?」
幼馴染「甘えていいの?」
男「そんな言い方やめてくれよ」
幼馴染「ごめんね」
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