藤原肇「不真面目な振る舞いを振りまいて」 (32)
これはモバマスssです
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P「カタカタカタカタ」カタカタカタカタ
P「やばい…終わらない。何故だ、さっきまで喫煙所でのんびりし過ぎてたのが悪いのか…」カタカタカタカタ
ちひろ「プロデューサーさん、終わりそうですか?」
P「一応日を跨ぐ前には終われそうです」
ちひろ「お付き合いしますよ?少しこちらに回して下さい」
P「いえいえ、自分の頭は自分で拭います。ハゲてませんよ」
ちひろ「色々気にしているのは分かりましたから。では、今終わっている分此方へ、チェックしますから」
P「すみません、お願いします」
ちひろ「困った時はお互い様ですよ」
P「ほんと、いつも助けてもらってばかりで…ありがとうございます」
ちひろ「…ふぅ」
P「よし、あと半分もない。23時には終われそうです」
ちひろ「では一息つきましょうか。コーヒーかお茶買ってきますよ」
P「じゃあ無糖お願いします」
ちひろ「了解しました」
バタンッ
P「…ふぅ、ツイッターチェックするかな」
肇「お疲れ様です」
P「うわあっ?!えっ!?!」
肇「…そんなに驚かなくてもいいじゃないですか…」
P「誰だって机の下から美少女が出てきたら驚くわっ!」
肇「び、美少女だなんて…ふふっ」
P「…なんで机の下にいたんだ?」
肇「机は本来勉強や仕事をする物です。そこであえて本来の用途と違う事をする…言うなれば、不良です」
P「意味が分からない…あっ、て言うか時間大丈夫なのか?もう22時になるぞ」
肇「不良は時間を守らないんです。私はワルですから」
P「…誰かからマンガ借りたか?」
肇「…その…ヤンキーマンガを拓海さんから」
P「終電までには帰れよ」
肇「逃したら、プロデューサーが送ってくれますよね?」
P「…別にいいが、だとするともっと遅くなるぞ」
肇「お付き合いしますよ。私も勉強してます」
P「真面目な不良だなぁ…」
P(藤原肇、16歳)
P(見た目は落ち着いた感じに可愛くて、精神的にも性格的にも非常に大人びている)
P(和服の似合う、清純派キュートだ)
P(気遣いも出来て、とりあえずかわいい)
P(…のだけれど)
肇「プロデューサー、お茶のみますか?」
P「いや、いいよ。ちひろさんがコーヒー買いに行ってくれてるし」
肇「他の人の好意を無駄にさせる…不良ですね。…流石に申し訳ないですよね…でも…」
P(割と他のものに影響され易くて、それでも芯はしっかりしている)
P(今も不良になり切れずに、結局いつも通り)
P(つまるところ、かわいい女の子だった)
肇「不良っぽく、ヤンキーっぽくする為には何をすればいいんでしょう?」
P「さぁ?タバコ吸ったりお酒飲んだりじゃないか?」
肇「そんな事しません!私はアイドルですし、第一に未成年ですから」
P「だよな、ほんとにやろうとしたら流石に俺が止めてるわ」
肇「他には…授業中、ずっとスマホを見ていたり…」
P「あー、俺もよくやってたわ。仕事中とか授業中って余計ツイッターきになるんだよな」
肇「ちゃんと集中しないとダメですよ?」
P「…すみません」
肇「あっ、人の筆箱に何か仕込むとか…」
P「小学生のイタズラかよ」
肇「プロデューサーのペンケースに私の万年筆をコッソリ忍ばせて、何時でも私を近くに感じて貰ったり…」
P「…顔赤いぞ」
肇「…すみません、聞かなかった事にして下さい。言ってしまっては意味がありませんね」
P「あとは…人のお菓子勝手に食べたりとか?」
肇「あ、それは良いですね。あとできちんと謝って買い直せば」
P「不良、不良ってなんだ」
肇「そうと決まれば冷蔵庫に…あ、シュークリームが入ってます」
P「あ、それ俺が昼買ってきた肇への差し入れ。かなり美味しいやつだぞ」
肇「ありがとうございます。私もお茶淹れて一息つくとします」
P「まぁ机の下にずっといたら疲れるよな…」
肇「その代わり、驚いて貰えましたから。イタズラは大成功です」
P「…かわいい」
P「…食べないの?」
肇「今更ながら、こんな時間にシュークリームは怖くなってきてしまって…」
P「まぁそうなるよな。明日でもまだ期限保つだろうし明日で良いんじゃないか?」
肇「…あ、プロデューサー。半分こしませんか?」
P「構わないぞ、じゃあ俺もちひろさん帰ってきたらコーヒーと一緒に頂くか」
肇「カロリーを半分押し付ける…自分が恐ろしいです」
ガチャ
ちひろ「戻りました。あら、肇ちゃんまだ残ってたんですね」
肇「お疲れ様です、ちひろさん。居残りは不良の嗜みですから」
ちひろ「…あー、では私はそろそろ帰りますから最後は鍵をお願いしますね、プロデューサーさん」
P「お疲れ様でした」
肇「お疲れ様です」
ちひろ「では、不良と言えど明日は遅刻しないようにお願いしますね」
バタンッ
肇「そう言えば、プロデューサーはいつもこんな遅い時間まで残ってるんですか?」
P「いや、今日はちょっとのんびりし過ぎててな。普段はもっと早くに帰れるよ」
肇「手が止まっていますよ。早くしないと私まで帰るのが遅くなるんですから」
P「そう言えば、肇は宿題だかやるって言ってなかった?」
肇「…や、やらない方がこう…不真面目な感じが…」
P「…数学、科学、英語、国語、社会どれだ?」
肇「…数学です」
P「苦手って訳じゃないしいけるかな。問題は?」
肇「こちらになります」
P「あー、なるほど…式は途中まで立てられてるのか。ならあとは右辺を変形させて…」
肇「あ、これなら解けそうです!」
P「また分からないところがあったら聞いてくれよ。不良の本分は勉強なんだから」
肇「…また行き詰まりました」
P「あー、ここはこの二個目の公式をだな」
肇「将来文系に進むなら、数学は必要ないのでは?」
P「国立受けられなくなるぞ。それにさ、普段授業中寝たり保健室にバックレる不良が黒板で解かされた時ビシッと決めてどよめかれるとかカッコ良くない?」
肇「…なるほど!私は別に授業はきちんと受けていますが」
P「っと、俺は早く終わらせないと」
肇「あっ、すみません時間を取ってしまって…」
P「あと30分あれば終わりそうかな」
肇「お茶、淹れましょうか?」
P「いや、今はいいかな。一気に終わらせたいし」
肇「…そう、ですか…」
P「ごめん今凄く喉乾いてきたわ。お茶もらっていいか?」
肇「はいっ!…成る程、プロデューサーはしょげた表情に弱い、と」
P「おい」
肇「でも、プロデューサーに休んで欲しかったのは本心からですよ。かなり疲れた顔してますし」
P「まじか…まぁでも後少しで帰れるから」
肇「私も気分転換したかったので」
P「あー、勉強してる時ってやたら他のことしたくなるもんな」
肇「少し、お腹も空いてきてしまって…」
P「この時間に近くで空いてる店って言うと牛丼屋とかラーメン屋くらいになるかなぁ」
肇「…誘惑を断ち切らないと…」
P「…終わったら食べに行かない?」
肇「行きます!」
肇「どうぞ、熱すぎるので気を付けて下さい」
P「注意がなんかおかしくない?熱すぎる?」
肇「ちょっとしたイタズラです」
P「うっわ湯気凄い」
肇「冷ましてほしい、ですか?」
P「…まぁ、熱いの好きだし大丈夫かな」
肇「仕方ありませんね、私が冷ましてあげます」
P「人の話聞こう?な?」
肇「ふー、ふー…はい、どうぞ」
P「…それやりたかっただけだろ」
肇「さあ、どうでしょう…あつっ…」
P「あーほら自分の分も熱いんだから」
肇「プロデューサー、冷まして貰っていいですか?」
P「…しょうがないな…ふー、ふー」
肇「…ふふっ、ありがとうございます」
肇「さて、一息ついたところでそろそろ真面目にやらないと…」
P「俺もラストスパートかけるかな」
肇「シャキッと目も覚めましたし、一気に終わらせます」
P「ファイト、お互い頑張ろう!」
肇「…もし、ですよ?もしプロデューサーが直ぐに終わったら私の宿題を手伝ってくれたり…」
P「そろそろちゃんとやりなさい」
肇「冗談です。どちらが先に終わるか勝負しませんか?」
P「いいぞ、何か賭けるか?」
肇「賭け事はいけませんよ」
P「ういっす、さてやるか」
P「…」カタカタカタ
P「…よしっ!おわり!」
P「肇ー、こっちは終わったぞー」
肇「……Zzz」
P「…もう23時半回ってるし、仕事もあったからな。仕方ないか」
P「宿題は…終わってるのかな?」
P「…なんだ、前のページに全部解いてあるんじゃないか」
P「にしても、起こすのも悪いけど帰らなきゃいけないからな…」
P「おーい、肇ー帰るぞー」
肇「…んん…だっこ…」
P「寝惚けてるな。子供かお前は…まだ16なんだよな」
P「仕方ない、車までおぶってくか…」
肇「…お姫様だっこだとなお良し…」
P「…起きてるなら歩きなさい」
P「あっ、やばい。俺今日車の鍵見つからなかったから電車で来てるんだ」
肇「きちんと整理整頓すればいいんですよ」
P「わっ、唐突に起きたな」
肇「あった場所にきちんと戻し、不必要な物は置かなければ物を失くすなんて起こりません」
P「耳が痛い…」
肇「あ、でしたら今度家のお掃除を手伝いましょうか?」
P「なら頼んじゃおうかな」
肇「任されました!」
P「で、まだ電車は残ってるか?」
肇「それが…あと2分で終電が…」
P「俺もなんだよな…タクシー呼ぶか」
肇「そんなもったいない事は出来ません。歩いて帰りますよ」
P「いや肇の家こっから遠いだろ?いいよ経費でなんとかなる様ちひろさんに土下座するから」
肇「プロデューサーにそんな事はさせられません。所でプロデューサーの家はどの辺りなんですか?」
P「…ここから車で2時間くらいかな」
肇「毎朝2時間もかけて出社ですか?」
P「…1時間だった気がする」
肇「本当は?」
P「…30分だったかな?」
肇「もう一声」
P「15分です」
肇「でしたら、今から歩いてでも行けますね」
P「いやいやいや、いやいやいやいや。流石に泊めるのはまずいって」
肇「流石にプロデューサーの家は不味いですよね…」
P「それに肇、着替えが無いだろ?明日もあるんだから」
肇「それに関しては大丈夫です。ところでそう言えば、この事務所は仮眠室がありますよね?」
P「あぁ、あるっちゃあるぞ。正直俺は今日泊まるつもりだったし」
肇「でしたら、今晩はそこに泊めて頂きたいです」
P「あいよ、取り敢えずラーメン食べに行くか」
肇「…コンビニでサラダに…いえ、恐れてはいけませんよね」
P「いや別にそっちでいいんじゃないか?コンビニも近いし」
肇「そうします…」
~コンビニ~
P「ふー、寒かった」
肇「あ、おでん70円セールやってますね。おでんにします」
P「じゃあ俺もおでん買おうかな」
肇「ちくわと、ちくわぶとソーセージ巻きと…」
P「あ、コーヒーとカード買ってくるか。支払いは俺がするから待っててくれ」
肇「いえ、別で大丈夫です。安いですから」
P「いやいや、安いからこそさ」
肇「別で大丈夫ですから」
P「うぃっす」
『780円になりまーす』
P「おでん以外にも何か買ったのかな」
P「あー、そう言えば最近カレーヌードルばっかだったしシーフードにするかな」
『あざっしたー』
P「最後にカードを添えて…お願いしまーす」
『10350円でーす』
P「コーヒーって高いなぁ」
~事務所~
肇「寒かったですね。もう少し厚着すればよかったです」
P「寒い日のおでんって凄く美味しいよな…あれ?買ったのおでんだけか?」
肇「そうですよ、四品で充分ですから」
P「あれ?まぁいいか」
肇「頂きます」
P「頂きます。ところで、さっき聞いた気もするけど着替えはあるのか?俺のはロッカーに常備してあるんだけどさ」
肇「たまたま運良く、カバンに着替えがワンセット入っていたんです」
P「おー、そりゃ運が良いな…運が良いな!」
肇「ご馳走様でした。プロデューサー、私はシャワー浴びて来ちゃいます」
P「あいさー。んじゃ終わったら仮眠室前で」
肇「プロデューサーは浴びないんですか?」
P「仮眠室の鍵借りたら浴びるよ。二つ借りてくるから」
肇「一つで充分ですよ?」
P「いやいや、何言ってるんだ」
肇「…冗談ですよ」
P「だ、だよなーびっくりしたわ」
~仮眠室~
P「いやー、さっぱりした」
肇「一日お疲れ様でした、さて…」
P「さて…じゃ、俺は寝るからさ、うん」
肇「どうかしましたか?」
P「なんでナチュラルにこっち入ってきたんだ?鍵渡したよな?」
肇「きちんと持ってますよ。誰かさんと違って、失くすような事はしませんから」
P「耳が痛い…じゃなくて」
肇「プロデューサー。先ほどのコンビニで、私は780円の買い物をしました」
P「あーだよな、やっぱり聞き間違えじゃなかったか」
肇「おでんが四品で280円です。ここで問題です、残りの500円は何の代金でしょうか?」
P「…じ、実はこっそりタバコ買ってたり…」
肇「私は不良じゃないんですから!真面目に答えて下さい」
P「…まぁ、普通に考えて偶然着替えが入ってるなんてありえないよな」
肇「プロデューサーが今日は帰る気なくて仮眠室に泊まるのも、ちひろさんから聞いていましたから」
P「…あの人は…」
肇「さて、プロデューサー。私は今日は不真面目な不良なんです」
P「頑張って装ってたけどなんやかんや割と普通だったぞ」
肇「ごほんっ、それでなんですが…こう、今からもっと不純異性交遊の様な事を…」
P「…明日、仕事あるんだぞ?」
肇「きちんと起きられますよ。寝坊も遅刻もした事が殆どありませんから」
P「…絶対起きろよ?」
肇「プロデューサーこそ、寝坊しそうなら私が起こして差し上げますから」
P「…と言うか、最初からそのつもりだったのか」
肇「普段は真面目に真っ直ぐにしているつもりです…」
P「実際、肇は真面目だよ。それは俺が多分一番よくしってる」
肇「ですが、時には不真面目になってみるのも悪くないですね」
P「成り切れてなかった、なんて言うのは野暮なのかな」
肇「なら…今から、なればいいんです」
P「…精一杯、お手伝いするよ」
不真面目ぶるけどなりきれない肇ちゃんが見たいです
お付き合い、ありがとうございました
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