チノ「今年のレコード大賞はチマメ隊です!」 (18)

チノ「今年のレコード大賞は私たちチマメ隊が受賞します!」

マヤ「えっ、マジで!?」

メグ「でもまだ年末じゃないし、そもそも私たちレコード大賞にノミネートされるかもわからないよ」

チノ「心配いりません。買収すればいいんです」

マヤメグ「「買収!?」」

チノ「たくさんお金を用意して太田プロダクションやレコード大賞の審査員たちを買収するんです。そうすれば私たちチマメ隊が今年のレコード大賞受賞は間違いありません」

マヤ「なるほど! お金の力ですべて解決ってわけだね!」

メグ「でも、買収するのに一体いくらくらいかかるの?」

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>>1の誤字を訂正。

×太田プロダクション
◯大手プロダクション

チノ「そうですね……だいたい1億円くらいでしょうか?」

マヤ「1億円!? そんなにするのか」

メグ「そんな大金私たちだけじゃ用意できないよ」

チノ「ええ、ラビットハウスでも到底儲けられる額じゃありません」

マヤ「じゃあどうすんの?」

チノ「そこで私に考えがあります!」ドヤァ…

マヤメグ「「か、考え……」」

数日後、ラビットハウスにて、



青山ブルーマウンテン「うう~ん……新作のネタがなかなか思いつきませんね。ラビットハウスで寛ぎましょう」

ガチャ

ワイワイワイ……ガヤガヤガヤ

青山「あら? なにやらお店が騒がしいですね」

客A「おらおら、早くチケット渡せよーー!」

客B「そうだぞ、こっちは1万円以上使ったんだぞ!」

ココア「わわ、押さないでください!」

リゼ「レジの前に順番に並んでください!」

青山「まあ!? 珍しくお店が混雑しています!! しかも男性客ばかり……」

ココア「あ、青山さんだ。いらっしゃいませ!」

青山「珍しくお店が賑わっていますね。せっかく人のいない静かなところで原稿を書こうと思ったのに」

ティッピー「大きなお世話じゃ」ムッ

リゼ「ああ、店が繁盛するのは良いんだがおかげで大忙しだよ」

ココア「しかも汚いおじさんばかりで汗臭いよぉ~~」

客C「おーーい、早く会計してくれ」

ココア「はい、ただいまーー!」

そしてお店が落ち着き____、


リゼ「ふぅ……ようやく落ち着いたか」

ココア「今日は疲れたよ……」

ティッピー「大繁盛じゃわい」

青山「ところで、何故いつもは人の少ないラビットハウスが賑わっていたのでしょうか?」

リゼ「きっとチマメ隊のチケットが目的だろうな」

青山「え?」

ココア「今キャンペーンをやってて、ラビットハウスで1万円以上注文するとチマメ隊のライブチケットを渡してるの」

青山「ライブ? チノさんたちってアイドルデビューでもしたんですか?」

リゼ「アニメのEDがあるだろ?あの曲だよ」

青山「ああ、『ときめきポポロン』のことですね」

ティッピー「わしも出てるぞ」

青山「なるほど、それであんなにお客さんが来ていたんですね。しかも男性客ばかり、見事な特典商法ですね」

ティッピー「なんか棘のある言い方じゃの……」

ココア「みんなチマメ隊のライブチケット欲しさにコーヒー飲みまくってたよね」

リゼ「おかげでコーヒー豆の在庫がなくなったよ」

チノ「さすがはわしの孫娘じゃわい」エッヘン

青山「あら? そういえばそのチノさんがいませんが」

リゼ「チノちゃん達ならマスターと一緒に衣装を選びに行ったよ」

青山「タカヒロさんと?」

ココア「チマメ隊を売り出すためにチノちゃんのお父さんがプロデューサーになったみたいだよ」

ティッピー「本当はわしがプロデューサーをしたかったが何せわしはうさぎじゃからの……」シュン

青山「随分と張り切っていますね。チマメ隊でラビットハウスを盛り上げようということでしょうか」

ココア「まあ、そんなとこかな」

リゼ「本当は別のところに狙いがあるらしいが……」

その頃、甘兎庵にて____、




千夜「どうかしか? ご要望通り大きなお友達が喜びそうないかがわしい衣装よ」

マヤ「ちょっとこれ、露出度高過ぎるんじゃ……///」モジモジ

メグ「スカートの丈も短いし、恥ずかしいよぉ……///」モジモジ

シャロ「確かにフルールよりもいかがわしいわね」

タカヒロ「恥ずかしがることはないさ。とても似合ってるよ」

チノ「お父さんの言う通りです。このくらいで恥じらっているようでは年末のレコード大賞で人前で踊れませんよ」

マヤ「チノは恥ずかしくないの?」

メグ「そうだよ。こんなほぼ裸見たいな衣装、アイドルというより着エロだよ」

チノ「大きなお友達はこれくらいしないとお金を使ってくれません。レコ大を買収する費用を稼ぐために我慢です」

マヤ「うぅぅ……そうだね! 恥ずかしいけど頑張るぞ!」

メグ「そうだね! これもレコ大買収のためのだもんね」

タカヒロ「ああ、チノたちのことは俺が責任を持ってプロデュースするから安心してくれ」

シャロ「でもこんな過激な衣装でキモいおっさんたちの前に立って大丈夫かしら?」

千夜「確かにそうね。ステージに上がって来たりしないか心配ね」

マヤ「確かに……」ガクガク

メグ「怖いよぉ~」ブルブル

タカヒロ「心配いらないさ。リゼくんの家に警備を頼んであるよ」

マヤ「え、リゼんち?」

チノ「ライブ当日はリゼさんの家に頼んで警備をしてもらいます。もし私たちのライブの最中に興奮してステージに上がって来た大きなお友達がいたらその場で即射殺してもらうんです」

シャロ「ああ、あのですかいさんたちね」

千夜「それは安心ね」

タカヒロ「さて、そうと決まれば当日に向けて準備を進めないとな」

再びラビットハウスにて____、



リゼ「今日はオヤジもですかいたちも用事で留守にしてるから泊まるよ」

ココア「わ~~い、リゼちゃんがお泊まりだ!」

ティッピー「さて、わしはバータイムの店番をするか」

リゼ「うさぎ1匹で大丈夫なのか……」

ココア「チノちゃんたちは千夜ちゃんのところに泊まるって。衣装の他にもいろいろ準備するって」

リゼ「ならココアと二人か」

ココア「そうだ。寝る前にテレビでも観ようか」

ポチッ


タモさん『さあ、今週もランキングのコーナがやってまいりました』

ココア「あ、タモさんだ!」

リゼ「今日は音楽番組の日か」

タモさん『今週の一位はAKB48でーす』

AKB『ありがとうございまーーす』

ココア「うわっ、またAKBが一位だよ……」

リゼ「こいつらいっつも一位だよな」

ココア「でもその割には私AKBの曲詳しく知らないよ」

リゼ「私もだよ。どうせこいつらのCD買ってるのって握手券目当てで買ってるオタクだろ」

ココア「あんまり良いやり方じゃないね」

リゼ「……なあ、ココア?」

ココア「何かな、リゼちゃん?」

リゼ「そういやチマメ隊も今度ライブやるけど、どうせ金儲けが目的ならAKBみたく握手券を付けたら良かったんじゃないか?」

ココア「ああーー、それなんだけどね、最初はそういう案があったらしいんだけどボツになったみたいだよ」

リゼ「どうしてだ? 大きいお友達から金を搾り取れそうなのに」

ココア「チノちゃんたちもさすがに気持ち悪いおじさんたちの手は握りたくないって。だから握手会はしないみたいだよ」

リゼ「なるほど、確かに今日も店の中汗臭かったからな」

ココア「私もレジでおつり渡す時汚い手に触れて本当に嫌だったよぉ……。これじゃ握手会じゃなくて悪臭会だよ」

リゼ「接客業は大変だからな」

その頃、バータイムのラビットハウスでは……


ティッピー「はぁ……。昼間はあんなに客がいたのにバータイムは暇じゃのう。所詮は特典がなければコーヒー一杯も売れんか……」


カランカラン

ティッピー「おや、客が来たかの?」

タカヒロ「俺だよ、親父」

ティッピー「タカヒロか!? お前は今日はチノたちとあのババアの家に泊まりのはずじゃ」

タカヒロ「店の様子が気になって戻って来たのさ。昼間は賑やかだったのに夜はこのざまか」

ティッピー「わしのせいじゃないないわい!! 昼間の客たちはチノたちのチケット目当てで来たキモオタじゃわい!!」プンプン

タカヒロ「バータイムにも何か特典が必要かもしれないな……そうだ、10万以上注文した客に青山くんの脱ぎたてストッキングをその場でプレゼントさせるか」

ティッピー「…………タカヒロよ」

タカヒロ「どうした? 浮かない顔をして」

ティッピー「これで本当にいいのかのぉ……。こんな、特典もなければ売れない喫茶店で……こだわりの一杯のコーヒーも特典なしでは売れんとは……」

タカヒロ「親父…………時代は変わったんだよ」

ティッピー「…………懐が暖かくなっても、なんじゃか寂しいのぉ……」




終わり

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