瀬尾「兄ちゃん!! 遊園地行こうぜ!!」 (20)

遼介「遊園地ぃ?」

瀬尾「ほらチケット!! 四人分!!」

瀬尾「友達からいらないからってくれた!!」

遼介「四人……あと二人は誰だよ」

瀬尾「私と兄ちゃんと千代と鹿島で四人!!」

遼介「あーなるほどな……」

瀬尾「明日兄ちゃん大学もバイトも休みだろ!? 行こうぜ!!」

遼介「まぁ確かに暇だけどな……」

遼介「つーかなんで俺を……?」

遼介(……!! そうか)

遼介(なんだかんだ言って『お兄ちゃんと行きたい!!』とか思ってたりしてな)

瀬尾「もう一人誰も捕まらねーからさー。 チケット勿体ねぇし。 消去法で兄ちゃん」

遼介「」

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遼介「折角なんだからお前……若松くんと行きゃあいいじゃねぇか」

瀬尾「若、部活の試合で行けねーんだって」

瀬尾「このチケット明日までだからさぁ、明日しかないんだよなー」

瀬尾「なぁなぁ、遊園地行こーぜー」ユッサユッサ

遼介「分かった分かった!! 行くから揺するのやめろ!!」

瀬尾「わーい」

当日

遼介「よーし、みんないるかー?」

佐倉・鹿島「います!!」

瀬尾「兄ちゃん兄ちゃん!! 速く行こうぜ!!」

遼介「分かった分かった、焦るな」

遼介(ここは大学生の俺がちゃんとリードしないとな)

遼介(できる大学生ってとこをこの女子高生達に見せてやるぜ)

遼介「よーし、じゃあ出発するぞー」

瀬尾・鹿島「おーー!!」

佐倉「……」














野崎『遊園地に?』

佐倉『うん!! 結月達と行くことになったんだ!!』

野崎『そうか……なぁ佐倉』

佐倉『私、野崎くんの言いたい事が分かるよ!!』

野崎『……本当か?』

佐倉『うん!!! ネタ集めでしょ!?』

野崎『!! よく分かったな……』

佐倉『色んなカップルとか背景とかいっぱいネタ集めてくるからね!!』

野崎『……ありがとう佐倉』












佐倉(野崎くんの為に今日は頑張るぞ!!)

遼介「……おし、着いた」

遼介「じゃあみんな、最初は何に……」

瀬尾「いやっほー!!」ダッ

鹿島「お兄さん!! 結月がマスコットキャラクターに向かって走って行きました!!」

遼介「お、おい!! 待て結月!!!」

佐倉「あっ!! あそこにカップル!!」ダッ

鹿島「お兄さん!! 千代ちゃんがいちゃいちゃしてるカップルに向かって走って行きました!!」

遼介「千代ちゃん!!?」

遼介「……ええい、俺は結月を追いかけるから鹿島くんは千代ちゃんを……」

鹿島「お兄さん!! あそこの女の子、可愛くないですか!?」

遼介「鹿島くん!!!!」

遼介「あー……君達に聞きたい事がある」

遼介「君達は……小学生かな?」

佐倉・鹿島「高校生です!!」

瀬尾「兄ちゃん、自分の妹の学年も分かんねえの?」

遼介「そういうことを言いたいんじゃない!!」

遼介「いいか、高校生ってのはもうすぐで大人になるんだ」

遼介「だったら団体行動ぐらいはちゃんとしないとまともな大人になれねぇぞ!!」

遼介(……我ながらいい事を言った。 これであいつらも……)

瀬尾「あそこのアイスクリームすげー美味そう!!」

鹿島「食べよう食べよう!!」

佐倉「そうだね!!」

遼介「……帰りたい」

遼介「えーと……じゃあ最初に乗るのは……」

瀬尾「ジェットコースター!!」

鹿島「おー!! 最初から飛ばすねー!! 私も賛成ー!!」

遼介「……まぁ別にいいけど……千代ちゃんは?」

佐倉「わ、私も乗ります!!」

遼介「そうか、じゃあ決まりだな」

佐倉「……」

佐倉(いつの日か野崎くんと二人で遊園地に行くとき……ジェットコースターに慣れとかないと!!)

佐倉(折角二人で来ても怖くて乗れないなんて事があったら困るからね!!)

遼介「じゃあ乗るか」

瀬尾「楽しみだなー」

鹿島「千代ちゃん、無理してない?」

佐倉「ううん!! そんな事ないよ!!」

遼介「……おっ、もう次みたいだな」

ゴオオオオオ……

瀬尾「いやっほおおおおおおおおお!!!」

遼介「うおおおおおおおおおお!!!」

鹿島「わああああああああああ!!」















佐倉「……」ポツン

佐倉「……身長伸ばしたいなぁ」

佐倉「……」トボトボ

遼介「そ、そんなに落ち込むなよ千代ちゃん。 ジェットコースター以外にもあるんだしさ」

鹿島「そ、そうだよ千代ちゃん!!」

鹿島「……ほら!! コーヒーカップは!? あれなら身長は関係ないし……」

瀬尾「あっ!! お化け屋敷あんじゃん!! 面白そう!!」

佐倉「!!!」

佐倉(お化け屋敷……もしかしたらもしかすると!!)

マミコ『怖いよぉ……鈴木くん……』

鈴木『大丈夫だよマミコ……僕が守ってあげるからね』







佐倉(私が実体験することで細かい描写が描ける!!)

佐倉「私もお化け屋敷行きたい!!」

遼介(急に元気になったな……)

遼介「お化け屋敷か……鹿島くんは?」

鹿島「私もいいですよー」

遼介「じゃあ行くかお化け屋敷」

瀬尾「なんか二人一組で行くっぽい」

鹿島「組み合わせどうします?」

遼介「グッパでいいんじゃねえか?」

佐倉「グッパ……」

佐倉(……仮に私がマミコだとして……)

佐倉(この中で一番鈴木に相応しいのは鹿島くん!!)

遼介「グッとっパーで分かれま」

瀬尾「しょ!!」

瀬尾「お化け屋敷楽しみだな鹿島!! どんな面白いやつがいるんだろうなー」

鹿島「先生だとお化けと仲良くなれそうだよねー」







遼介「俺は千代ちゃんとか」

遼介(頼もしい俺がいるから千代ちゃんもさぞかし安心して……)

佐倉「……」ションボリ

遼介「」

遼介「あいつらはもう先に行ったか……」

遼介「……よし、行こうか千代ちゃん」

佐倉「は、はい」








遼介「……」スタスタ

佐倉「お化け……出ないですね」スタスタ

遼介「そうだな……」

お化け「……」バァン!!

佐倉・遼介「うわあああああああああ!!!」ガシッ!!!

遼介「に、逃げるぞ千代ちゃん!!」ダッ

佐倉「はい!!」ダッ

遼介「……!!」

遼介(待て、これでいいのか俺?)

遼介(ここは男らしくドンと構えなきゃいけねぇ場所じゃねえのか?)

遼介(それにいつか都とお化け屋敷デートする時にこんなんじゃあ……格好つかねえ!!)

遼介「……」ピタッ

佐倉「りょ、遼介さん!?」

遼介「……千代ちゃん、大丈夫だ。 冷静になれば全然怖くねぇよ」

佐倉「速く行かないと!!」

遼介「大丈夫だって。 そ、それにしてもよくできた特殊メイクだなぁ」

佐倉「いや、そういう事じゃなくて!!」

遼介「えっ?」

佐倉「後ろ人詰まってるから私達が速く行かないと!!」

遼介「」

瀬尾「いやーすげー面白かったなー」

鹿島「堀ちゃん先輩の怪談と比べたら全然怖くなかったよ!!」

瀬尾「マジで!? その怪談聞きてー!! すげー面白そう!!」

鹿島「……千代ちゃん達はそろそろかな」

瀬尾「じゃね?」

鹿島「……あっ!! 帰ってきた!!」











佐倉・遼介「……」ゲッソリ

鹿島「だ、大丈夫二人共!!?」

瀬尾「ちょ……その顔……あははははははは!!」

遼介「……帰りたい」

鹿島「あ、もう昼だ」

遼介「前半から飛ばしすぎたか……休憩するか」

鹿島「はーい」

瀬尾「兄ちゃんの奢りだって!!」

遼介「はぁ!? 何言ってんだお前!?」

瀬尾「こういうのは歳上が奢るもんだろ? 私だっていつも若には奢ってるし」

鹿島「ちょ、ちょっと先生……」

遼介「ここの昼飯高いのばっかじゃねえか……自分で払えよ」

瀬尾「そんなんだからモテねーんじゃねーの」

遼介「!!!」

佐倉「結月!!!」

遼介「……」

遼介(そうだよな、都がこれを見てたら軽蔑するよな……)

佐倉「遼介さん、落ち込んで……」

遼介「ほら!! 奢りだ奢り!!!」

瀬尾「わーい!」

鹿島「いいんですか!?」

遼介「当たり前だ!! 大学生だぞ俺は!!!」

鹿島「ありがとうございます!!」

佐倉(遼介さん、いいように操られてるなぁ……)

数時間後

遼介「さてお前ら、いよいよシメだ」

佐倉「観覧車ですね!!」

瀬尾「えージェットコースターじゃねーの」

遼介「お前だけ乗ってろ」

鹿島「先生、観覧車も楽しいよ?」

瀬尾「分かった分かった、乗るって」










佐倉「うわーーー! 凄い景色!!」

瀬尾「すっげー!! たけーー!!」

遼介「……」

遼介(やっと1日が終わるんだな……なんかどっと疲れたな)

遼介(みんなをまとめるってのもそう簡単じゃねえな)

鹿島「あの雲、堀ちゃん先輩にそっくりだ!!」

佐倉「本当だ!!」

遼介(……まぁこの子達が喜んでくれて何よりだ)

遼介「じゃあ千代ちゃん、鹿島くん。 気をつけて帰れよ」

佐倉「はい!! 今日はありがとうございました!」

鹿島「ありがとうございました!!」

遼介「いいっていいって」

遼介(流石うちの妹と違ってちゃんと挨拶が出来てるな)

瀬尾「やっぱ若と行きたかったなー」

佐倉「ちょっと結月!!」

遼介「いいよいいよ千代ちゃん、全然気にしないから」

佐倉「確かに野崎くんと行った方がよかったけど!!」

鹿島「そうだよ先生!! そんな事言ったら私も堀先輩と……」

遼介「ごめん、気にするわ」

後日

御子柴「あれ……なぁ野崎」

野崎「どうした」

御子柴「これ……鈴木が幽霊にビビってるぞ。 なんからしくねぇな」

野崎「佐倉の頑張りを無駄にするわけにはいかないからな」

御子柴「??」

終わり

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