岸辺露伴、木組みの町へ行く(86)
適当に書いていく
よかったらどうぞ
編集「本日はよろしくお願いします」
露伴「ああ。よろしく。で、用ってのは?」
編集「ええ……先生、今度の短編の『ネタ』なんかはもうお決まりですか?」
露伴「いや、最近なかなか忙しくてね……『これ』といったものがないんだ」
編集「なら丁度よかった、先生が好きそうなのを持ってきたんですよ」
露伴「ほう、どれ……『木組みの町』?写真を見る限り、ヨーロッパの町並のようだが」
編集「いえ、そこは日本です」
露伴「ほう、新しくオープンしたレジャー施設か何かか?『イタリア村』みたいな」
編集「いえ……実は、本当に人が住んでいるんです。『町』なんです」
露伴「何だって?そんなの聞いたことがないぞッ!」
編集「でしょう。こんなに美しい町が、なぜかメディアにも取り上げられてない……とすれば」
露伴「裏があるね」
編集「そういうことです。今度、行ってみてはどうですか?」
露伴「そうするよ……でも」
編集「でも?」
露伴「君はこれをどこで知った?こんな特ダネを」
編集「いえ……友人がここ出身なもので……よかったら町を案内させますけど」
露伴「いや、いい。ネタは自分の足で探すよ」
編集「そうですか。これは木組みの町への行き方です。列車の乗り換えなんかが複雑なので」
露伴「ありがとう。次の休みにでも行ってこよう」
編集「そうですか。お役に立ててよかった。では……『お気をつけて』」
期待してもらってるところ悪いが明日仕事なんで今日はここまで
続きは明日の夜書くよ
今のところ即興だからちょっとストーリーも練りたいし
再開します
数日後 列車内
ガタンゴトン ガタンゴトン
露伴(ふう……ずいぶん遠いな。これが最後の乗り換えか。早朝に出発してもう昼近い)
露伴(ネットでも情報は見つからなかったし、一体どんなところなんだ……?)
露伴「ふあ……」
露伴(少し眠いな……乗客はぼく以外誰もいないし、寝てしまおう。確か終着駅だったな)
zzz……
「お……くさん。お客さん」ユサユサ
露伴「ん……」
車掌「終点です。切符はお持ちですか」
露伴「(着いたらしいな……)ああ、これ」
車掌「はい。ご乗車ありがとうございます」
露伴「さて、行くか……!?」
露伴(なんだこれはッ!?)
―木組みの町―
露伴(木組みの建物、石畳の道……ヨーロッパの風景そのままじゃあないかッ!)
露伴「すごい……本当に日本なのか……」
露伴(おっと……見とれてる場合じゃない。さっそく取材しなければッ!)
露伴(GPSで現在地を見れば、何か情報は掴めるだろう。スマホは……)ゴソゴソ
露伴「無い……?まさか」ゴソゴソ
露伴(なんてこった……スられたか。最近は「カメラ」も「手帳」もあれ一つだからな……大切な仕事道具なのに)
露伴(まあ、財布や鞄がやられなくてよかったよ)
露伴「歩きがてら、昼を食べるか」スタスタ
露伴(いいところだ。街並みのシルエットが実に美しい。いつか引っ越すのもいいかもな)
露伴「どこか店は……喫茶、ラビットハウス……?ここにでも入るか」カランコロン
ココア「いらっしゃいませーー!」
チノ「いらっしゃいませ」
リゼ「いらっしゃいませ!」
露伴(なんだ、この店は……女ばかりだな)
ココア「お好きな席へどうぞ!」
露伴「ああ」
ココア「メニューはこちらです!ご注文がお決まりになったら呼んでください♪」
露伴(ほう……コーヒーの種類が豊富だ。期待できそうだ)
リゼ「なんか凄いのが来たな」ヒソヒソ
チノ「髪型といい、服といい、センスが変わってますね。似合ってますけど」ヒソヒソ
露伴「おーい」
ココア「はーい♪」
露伴「モカとナポリタンを」
ココア「かしこまりました!チノちゃん、モカひとつ!リゼちゃん、ナポリタンだよ!」
チノ「はい」
リゼ「了解!」
露伴(あんな小学生みたいな子がコーヒーを淹れられるのか?)
数分後
ココア「お待たせしました。モカです!」
露伴「ああ」
露伴(いい香りだ……どれ)ゴク
露伴(!?なんだ……これはッ!甘味、酸味、苦味が完璧な「ハーモニー」を奏でているッ!
まるで「味」全体が美しい「球」になって舌にぶつかってくるようだ……)
露伴「うっ……美味すぎる」
チノ「……」ボーッ
露伴(人を見かけで判断してはいけないということか……)
数十分後
露伴(コーヒーはぼくの人生の中でもトップクラスだった。ナポリタンも及第点だったし、この店は「当たり」だな)
露伴「ふう……」
露伴(さて……どうするか。この町についてぼくは何も知らないことだしな)
「あの~」
露伴(情報をどうやって集めるか……)
青山「すみませ~ん」
露伴「ん?」
青山「もしかして、岸辺露伴先生ですか?」
今日はここまで
遅筆ですまんな
再開します
レスくれたひとありがとう
露伴「ああ」
青山「やっぱり!私、先生の『ピンクダークの少年』いつも読んでるんですよ~」
露伴「どうも」
ココア「青山さん、そのひと有名なの?」
青山「ええ。『週刊少年ジャンプ』に連載されてる、プロの漫画家さんです~」
ココア「へえ~すごいんですね」
露伴(なんか面倒くさいことになりそうだな……)
ココア「でもね、この青山さんもすごいんだよ!なんたってベストセラー作家で映画化もアニメ化もされてるんだから!」
チノ「張り合わないでください。お客さんに迷惑ですよ」
青山「恐縮です~」
露伴「(まだ若いのにやるな……)ほう……?ちなみになんてタイトルだ?」
ココア「んーと、『うさぎになったバリスタ』と『怪盗ラパン』だよ」
露伴「いや……すまないが聞いたことがない」
ココア「ええー!知らないのー!『うさぎになったバリスタ』はすごく泣けるし、『怪盗ラパン』なんてとっても面白いのに!」
チノ「ココアさん、いい加減に……」
露伴(ん……?妙だな)
露伴(こんなその辺の女の子が見る「映画」や「アニメ」を、ぼくが「聞いたこともない」なんてありえるのか?)
露伴(ぼくはネタ集めのために「本」はもちろん「テレビ」や「映画」もたくさん見る)
露伴(少なくとも人より強く「アンテナ」を張っているはずだ。特に「映画」ならCMをどっかで見ているだろう)
露伴(考えすぎか……?ここはもっと話を聞いてみるべきか)
露伴「どんな話だ?」
ココア「えーとね、
『うさぎになったバリスタ』は、喫茶店のマスターやその息子さんの活躍を描いた話で……
『怪盗ラパン』は、夜にやってる「子供向け」アニメでね、ラパンと警部の対決を描いた話だよ」
露伴「……」
露伴(やはりな……どちらも知らない)
露伴(美しい景観を持つのにネットにすら全く情報の無い「町」、「ベストセラー」で「映画化」「テレビアニメ化」しているのに
町の外に住む人、少なくともぼくには全く知られていない「本」)
露伴(少し面白くなってきたな……)
露伴(だが、ひっかかるのは……)
露伴「なあ」
青山「はい?」
露伴「ぼくの漫画、読んでくれてるんだったな?」
青山「ええ。毎週『ジャンプ』読んでますし、コミックスも全巻持ってますよ~」
露伴(町の外の情報、少なくともぼくの漫画は入ってくるということだ)
露伴(これが謎だ……ぼくもこの町に入れたんだし、「閉鎖」しているワケじゃあない……)
露伴(どういうことなんだ?つまり「外」から「内」はあるが「内」から「外」は無いとでもいうのか?)
今日はここまで
風邪ひいて頭が回らんわ
別に話の流れには全然影響してないからいいけど、露伴がスマホを持っているのはどういうことなんだ
>>40
動かない、グッチ、ルーヴルへ行くだとガンガン使ってるから多分その世界線
ココア「へえ~青山さんがそんなにハマってるんだったら、今度私も買ってみようかな」
青山「なんだったら貸しますよ~」
ココア「いいの!?ありがとう!」
露伴(そろそろおいとまするか……向こうの会話が始まったことだし、こっちもいろいろ調べなければならないし)
露伴「会計を頼む」
チノ「1080円です」
露伴「ああ……ところで、その頭に載っている毛玉はなんなんだ?」
チノ「これは『うさぎ』のティッピーです。」
露伴「へえ……変な『うさぎ』だな」
ティッピー「何じゃと!?」ピョンッ!
露伴「!?」
露伴「おいッ!今その『うさぎ』しゃべらなかったかッ!?」
チノ「『気のせい』です。私の『腹話術』ですよ」
露伴(『腹話術』だと……いくらなんでもこんなダンディーな声を出せるわけがないじゃあないかッ!)
露伴「(一応確かめてみるか……)すごいな。ちょっと、そのうさぎを抱かせてもらってもいいか?珍しい『うさぎ』のようだから、後学のためにも触ってみたいんだ」
チノ「いいですよ。優しく抱いてあげてくださいね」
露伴「ありがとう」
露伴(今だッ!「ヘブンズ・ドアー」!!)
露伴(この『うさぎ』はこの喫茶店の『マスター』……『人間』じゃあないかッ!)
露伴(『マスター』が亡くなったあと、この『うさぎ』に『マスター』の『霊』が宿った……)
露伴(なんてことだ……こんなことが本当に……)
露伴「返すよ。ふわふわだな」
チノ「はい」
露伴「じゃあな。コーヒーが美味かったから釣りはいらん」カランカラン
チノ「ありがとうございました。またお越しください」
ココア「ありがとうございましたー!」
リゼ「ありがとうございました!」
青山「あっ!サインをもらい忘れました~」
露伴(「一方通行」の情報、元「人間」のうさぎ…………いよいよ『奇妙』になってきたな)
露伴(町についての資料のある「図書館」の場所を聞いておくんだったな……)
露伴(入り組んでいて、さっきいた場所すらわからない……)
露伴(その辺の人に聞くか)
シャロ「フルール・ド・ラパンです!よろしくお願いします!」
露伴(なんだ……あの恰好は……)
シャロ「お願いします!」ピラッ
露伴「(「コスプレ」ってやつか?)すまん『図書館』の場所を……!?」
チラシ「心も体も癒します」
露伴「……きみ、『未成年』だろう?こんないかがわしいチラシを、それも『昼間」から……捕まっても知らんぞ」
シャロ「誤解です!」
今日はここまで
途中「」と『』の使い方が滅茶苦茶だったわ
適当に補完しといてください
あと体調の心配してくれたひとありがとう
再開します
シャロ「うちは喫茶店ですからね!?」
露伴「わかったわかった。『図書館』の場所を教えてくれないか?」
シャロ「あっ、それならすぐ近くですよ。あのおっきい建物です」
露伴「わかった。ジャマしたな」
シャロ「いえ。フルール・ド・ラパンをよろしくお願いします」ペコリ
図書館
露伴(とりあえずこの町についての資料を探すか)
マヤ「もう読書感想文なんてイヤだ……漫画が読みたい!」
メグ「でもそしたら宿題終わんないよ~?」
露伴(うるさいな……これだから子供は)
マヤ「あれ!?あの人って岸辺露伴じゃね!?」
メグ「知ってるの?」
マヤ「兄貴の持ってる漫画の作者なんだよ。『ジャンプ』で連載してたやつ」
メグ「すごいね。この辺に住んでるのかなあ?」
露伴(なんか面倒くさそうな子たちに目をつけられたな)
マヤ「取材に来たんじゃね?メグ、サインもらいに行かない?」
メグ「でも私その漫画知らないし……」
マヤ「まあ行こうよ!すみませーん、岸辺露伴先生ですよね?良かったらサインしてもらってもいいですか?」
露伴「(やっぱりな……でもまあサインなら)いいよ。でもここみたいな『公共の場』では静かにしろ。いいな?」
マヤ「はーい。ごめんなさーい」
メグ「す、すみません」
露伴「ほれ。できたぞ」
マヤ「ありがとう!……あっ!」
メグ「どうしたの?」
マヤ「これ読書感想文の原稿用紙じゃん!これ一枚しかないのに!」
メグ「あーあ……」
露伴「(ぼくは気づいてたけどな)じゃあな」
マヤ「マジかよお……まあいいや!ありがとう、先生!」
露伴(いいのか……?)
今日はここまで
結構反応あってびっくり
再開します
露伴(それから色々と調べてみたが、これといった情報はなかった)
露伴(普通、「図書館」にはその地域のコーナーなんかが設けてあるものなんだが……)
露伴(喫茶店に居た青山とかいう作家のはあったな。どうでもいいが)
露伴「そういえばあの喫茶店……夜はバーをやってるんだったな」
露伴(あの「人間」の「うさぎ」にまた会えるかもしれんな……もう日も暮れてるし行ってみるか)
図書館の外
露伴「綺麗だ……」
辺りはすっかり暗くなり、点々と明かりが灯っていた。
露伴(昼間とは違った味わいがあるな……)
露伴(おっとまた見とれてしまった。行かないと)
ラビットハウス
露伴(途中道に迷いそうになったが、なんとか辿りつけたな)
タカヒロ「いらっしゃいませ。何にしますか」
露伴「(適当に頼んでおくか)『ハイボール』を」
タカヒロ「かしこまりました」
露伴(さて、あの「うさぎ」は……)
ティッピー「……」
露伴(いたな。よし……)
露伴(この店は定期的に「ジャズ」の演奏とかの「出し物」をやっているらしい)
露伴(幸運なことに、今日がその日……)
露伴(その時ならこの「うさぎ」に怪しまれずに話しかけられるだろう)
タカヒロ「どうぞ、『ハイボール』です」
露伴「どうも。んっ……」
露伴(結構美味いじゃあないか……)
今日はここまで
なんかみんな待ってたみたいで恐縮
再開します
果たして覚えてるひとはいるのだろうか
10分後
タカヒロ「それでは演奏を始めたいと思います」
パチパチパチパチ
露伴(……よし。これでやっと動けるな)パチパチ
露伴「おい、ティッピーとか言ったか……?お前、『人間』だったんだろう?」ボソボソ
ティッピー「!?なぜそれを知っているんじゃ!」
露伴「静かにしろ。少なくともぼくには『腹話術』なんて言い訳は通用しないし、そーゆー『不思議』は見慣れてるんだ」ボソボソ
ティッピー「……」
ティッピー「……どこまで知っている?」
露伴「さあ、どうだろうな。ぼくが偶々寄っただけの喫茶店の前マスターのことなんてなあ?」
ティッピー「……」
露伴「次の曲が終わったら、ぼくに続いてこっそり店を出ろ。話がしたい」
ティッピー「……わかった。いいじゃろう」
露伴(案外話がわかるんだな)
今日はここまで
ジャンプの某ハンター漫画並みの遅筆ですまん
再開します
公園
ティッピー「で、話とはなんじゃ」
露伴「ぼくは『漫画家』をやっている岸辺露伴という者だ。きみが『うさぎ』に生まれ変わったことについて『取材』をさせてもらいたい」
ティッピー「まあいいじゃろう。だが、どこでそれを知った?」
露伴「ぼくは特定の人の情報を『見る』という『力』があるんだ。昼間、きみを『抱っこ』させてもらったとき使った」
ティッピー「わしといい、お前といい……つくづく不思議なことがあるもんじゃなあ」
露伴「そうかもな。まあそれは置いといて……どうして『うさぎ』になったんだ?」
ティッピー「わからん。ただ、わしは孫が心配だっただけじゃよ。その『思い』がこんなカタチで『お天道さま』に通じたのかもしれんな」
露伴「つまり自分から『何か』したワケじゃあないのか」
ティッピー「そうじゃ。気づいたら、うちの看板うさぎの『ティッピー』に『乗り移って』おった……」
露伴「そうか……」
ティッピー「それにしてもいきなり核心を突きおって……心臓に悪かったぞ」
露伴「ぼく以外にこのことを知っている人はいるのか?」
ティッピー「孫と息子だけじゃよ。みんな『腹話術』にだまされとるわい」
露伴「アホが多いんだな」
ティッピー「そこは『素直』と言ってやれ……」
それから露伴とティッピーは少しの間語り合った。
露伴「参考になったよ。じゃあな」
ティッピー「自分から呼びつけておいて勝手に帰る気か?」
露伴「そうだが」
ティッピー「ふん……まあいいじゃろ」
露伴(割といいじいさんだったな)
今日はここまで
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