リバイバル・ザ・ギャンブラー【ジョジョSS】 (87)

杜王町の夕方
この時間帯は学校が終わり、下校中の生徒たちが多く見られる
その中に仗助たちもいた

仗助「飯行こうぜェ~。オレ腹が減ってんだよ。」

康一「そうだね。行こうよ。」

億泰「オレ…金欠なんだよなァ~………」

仗助「心配すんな億泰ッ。トニオさんの所だからツケにしてもらおうぜ。」

億泰「それなら大丈夫だな。」

康一「ツケならなおさらじゃあないかなァ~……………」

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億泰「あ、そうだ。おい知ってっかァ? 最近魂を奪い取るギャンブラーが出没してるらしいぜ。」

康一「ギャ…ギャンブラー…………?」

億泰「噂で聞いたんだけどよォ、何でも夜、とある建物に入ると、そこには1人の男が座っててギャンブルを挑んでくるらしいんだ。で、そのギャンブルに負けると、魂だけ吸い取られちまうんだって。」

仗助「そんな噂信じる方がおかしいぞ。あくまでも噂だよ噂。」

億泰「でもよォ〜〜〜…………会ってみてぇな〜…そのギャンブラーと………金をたくさんもらえるかもしれねーし…」

仗助「!」

仗助「そ…そうだなァ〜………」

康一「でも、負けたら金を取られるかもしれないんだし、止めといた方がいいね。」

仗助「………康一の言うとおりだ。ギャンブルなんてやっても得はねーよ!」

億泰「何でそんなにムキになってんだよ仗助ッ。………………まぁ〜それもそうだな。」

仗助「………………」

仗助「そんじゃあオレは用事があるからここでいいや。そんじゃあな。」タッタッ

億泰「おう。じゃあな。」

康一「バイバイ。」

ガシィッ

康一「ど…どうしたの億泰くん………肩なんか掴んで………」

億泰「あのよォ〜………オレたちだけでその噂のギャンブラーを見つけねえか…?」

康一「え?」

億泰「気になるじゃあねーか…魂を奪い取るギャンブラーってよォ〜〜〜。会った所でギャンブルをしなきゃあ魂は吸い取られねえんだし、探そうぜ。」

康一「そ…それだったら承太郎さんや仗助くんに相談した方が………」

億泰「ダメダメ。承太郎さんはこういうの嫌いそうだし、仗助は金にがめついからな。ここはオレと康一がベストだぜッ。」

康一「う〜ん………本当にギャンブルはしないんだよね?」

億泰「当然だッ。男億泰に二言はねえッ!」

康一「それじゃあ僕も気になるし、ついていくよ。でも、危険って感じたらすぐに逃げるからねッ。」

億泰「わかってるよッ。」

露伴「おや…康一くんじゃあないか………それに虹村億泰か………何をしているんだ2人で。」

康一「あ、露伴先生。実は………」

億泰「今から遊びに行くんすよッ!」

露伴「2人でか?」

億泰「うっす。」

露伴「怪しいな……………」

億泰「ゴクッ………………」

露伴「………まあいいか………精々楽しみたまえ。」タッタッ

億泰「ふぅ〜〜〜〜………何とかごまかせた………」

康一「………露伴先生もダメなの?」

億泰「あの人はめんどくせえからな。オレたちだけの方が動きやすいぜ。」

康一「そ…そうだよね………それじゃあ夜に億泰くんの家で待ち合わせにしようよ。」

億泰「おう! 絶対に噂のギャンブラーを見つけるぞ! じゃあな。」

ザッザッ

露伴「噂のギャンブラー…? 興味深いな………」

そして夜
康一は億泰の家で待っていた

康一「おっそいな〜億泰くん。もう10分もたつのに………」

ガチャ

億泰「すまねえッ。待たせた康一。」

康一「億泰くんは時間にルーズだよね。はやく行こうよ。暗くなっちゃうよ。」

億泰「おう!」ザッ

露伴「どこへ行くんだ2人とも。」

億泰「ウゲッ!」

康一「ろ…露伴先生!」

露伴「噂のギャンブラー………だったかな? 君たちが探しているのは………」

億泰「ど…どうしてそれを………」

露伴「実は僕もその噂のギャンブラーの事について調査していたんだ。一緒に協力しないか?」

億泰「協力ゥ〜?」

康一「露伴先生が………」

億泰「珍しいこともあるもんだな。」

康一「うん。」

露伴「では行こうか。調べに行くぞ。」

億泰「おい! まだ協力するなんて一言も言ってねえぞッ。」

露伴「………僕が協力して何か都合が悪い事でもあるのか?」

億泰「ね…ねえけどよォ………どうする?」

康一「しょうがないよ………人数は多いほうが探しやすいしね。」

康一「わかりました。それじゃあ行きましょう。」

露伴「うむ。」

億泰「めんどくせえなァ〜………」

億泰たちは夜の杜王町を歩いた
明かりは街灯以外なく、足元もあまり見えない状態であった
しばらく歩くと、億泰はとある建物の前で立ち止まった

億泰「噂によるとここに出るらしいぜ。」

康一「誰もいなさそうだね。」

露伴「よくある廃墟ビルだな。入るぞ………」ザッ

玉美「あれェ? なんでこんなとこにあんたらがいるんだァ?」

億泰「お、玉美じゃあねえか。ちょっとした散歩だよ。お前こそこんな夜に何してんだ?」

玉美「オレも散歩だよ。こんな夜中に歩いてると風邪引きやすぜ康一どの。」

康一「………そうだ! ねえ億泰くん………」

億泰「ン?」

康一「ゴソゴソゴソゴソ。」

億泰「あぁ〜〜………それもそうだな。」

億泰「おい玉美、お前も散歩付き合えよ。」

玉美「何でそんなに上からなんだよお前!」

億泰「別に…どっちが上か……今ここで決めてもいいんだぜ……………」

玉美「………ついて行きやす億泰どのォ。」

玉美「あ! あなたもしかして岸辺露伴先生じゃないっすか! この前はサインあざした!」

康一「知り合いですか?」

露伴「覚えてない。」

玉美「3人でこのビルに何の用なんすか?」

康一「来れば分かるよ。」

玉美「?」

4人は壊れかけたドアを開け、ビルの中へと入った
中は意外とちゃんとしており、壊れた物は置いてなかった
テーブルやイス、本や飲み物………まるで誰かが生活しているかのように………

玉美「冗談きついっすね〜露伴先生。サインもらった後もチンチロでオレの事呼んでくれたじゃあないですか。」

露伴「あの事は僕の記憶から削除した! だからおまえの事も忘れたんだ!」

玉美「すいやせん………」

玉美「ところでここは皆さんの秘密基地みたいなとこっすか?」

康一「ここにね…魂を奪い取るギャンブラーがいるらしいんだ。それで僕たちはその人を探しに来たんだ。」

玉美「へ?」

露伴「変に整いすぎてるな。誰かいるのか………?」

カラーンカラン

玉美「ウヒィィィィィッ。」

康一「な…何だ…?」

億泰「すまねえ………なんか蹴飛ばしちまった。」

康一「驚かせないでよぉ………………」

チャリィーン

全員「!」

コロコロ………

コロコロ………

チャリ

露伴「…………………」

露伴「今……誰か動いたか…?」

玉美「う…動いてないっす……………」

康一「僕も………………」

億泰「オレもだ………………」

露伴「それじゃあなぜ……………コインが転がってきたんだ?……………しかも二階からだ………誰もいないはずなのに………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

億泰「お…おい………玉美見てこいよ……………一番下っ端だろッ。」

玉美「ま…待てッ。それとこれとは話が別だ…………ここは平等にジャンケンだろ。」

康一「み…みんなで行こうよ……………みんなで………」

露伴「行くぞ………」ガッガッ

康一「ま…待ってくださいッ。」

玉美「置いてかないでくれーーーーーーーッッッ!」

億泰「こんなとこに本当にいんのかよォーーーーッッッ!」

露伴「あまり大声を出すな。誰かいたらどうするッ。」

ペラペラ………

康一「な…何か聞こえる………」

ペラペラ………

億泰「紙をめくってるような音だ………やっぱり誰かいるぜ………」

玉美「幽霊じゃありませんよーに……………」

4人は音が聞こえる部屋の前に集まった

露伴「僕がドアを開けるから君たちは僕の後に続いてくれ。向こうが攻撃してきたら康一くんと億泰がスタンドで反撃してくれ。いいな。」

億泰「うっす………」

康一「はい………」

玉美「オ…オレは……?」

露伴「行くぞ…………」

ガチャ

バッ

ダダダダダ

億泰「そこにいんのは誰だッ!」

玉美「攻撃したらどうなるか分かってんだろうなーッ!!」

康一「僕の後ろに隠れないでよッ!」

ペラペラ…

?「………………」

露伴たちの目の前にはテーブルとイスがあり、そのイスに1人の男が腰かけていた
その男はテーブルの上でトランプのカードをシャッフルしており、露伴たちが入ってきてもシャッフルを続けていた

露伴「………質問させてもらう。僕の名前は岸辺露伴。あなたはひょっとして噂のギャンブラーじゃあないか?」

?「……………噂になっていたのかね………」

露伴「やはりか………」

億泰「う…噂は本当だったんだ…!」

康一「も…もう帰りましょうよ………外も暗いですし………」

玉美「そうですよぉ〜…………康一どのの言うとおりですッ!」

露伴「イスに座っても構わないか?」

?「……………どうぞ。」

玉美「マジっすか露伴先生…………」

露伴「帰りたければ帰ればいい。僕1人で大丈夫だ。」

玉美「そんじゃあお言葉に甘えて………さあ、帰りましょう皆さん………康一どのも………」

康一「………………」

康一「露伴先生1人を残して帰れません………僕も残ります。」

玉美「ウソォ………」

億泰「オレもだ。こうなったら正体を暴いてやりたいからな。」

玉美「……………………」

玉美「しょうがないっすね………オレも残りますよ。」

3人は露伴の後に続き、イスに座った
これから4人は夜が明けるまで、この建物を出る事は出来ないことになる

?「今日は何をしにここへ…?」

露伴「君への取材を申し込みにきた。」

?「ホッホォ………私に取材ですか……………珍しいですね。」

露伴「返事は?」

?「もちろん。構いませんよ。ですが、タダで取材を受けるのはあまり面白くありません。どうです? 私とギャンブルでもしませんか?」

露伴「ギャンブル?」

?「ここに1つの小さなボールがあります。このボールを3つのコップでシャッフルし、どこにあるか当てるんですよ。どうですか? 簡単でしょ?」

?「もし、あなた方がボールがどこにあるか当てれば何でもお答えいたしましょう。その代わり、外れればあなた方の負けです。」

露伴「わかった。その話乗ろう。」

?「グッド! おっと失礼。昔の口癖が出てしまいました。」

露伴「それじゃあ早速………」

億泰「ちょっと待ってくれ。オレにやらしてくれよ。」

露伴「なにィ?」

億泰「ここはオレが先陣をきって噂の真偽を確かめる………露伴先生が出る幕もねえぜ。」

露伴「きさまのバカな脳みそで勝てるのか?」

億泰「この勝負はバカでも勝てるぜェ〜〜〜。まあ見ときな。」

露伴「待て!」

?「始めてもいいのかい坊や……?」

億泰「いいぜッ。やってやるよ。」

?「これでこのギャンブルはこの少年と私との勝負になった。プレイヤーチェンジは出来ませんよ。」

露伴「億泰きさま………」

億泰「早く始めろよッ。」

?「そう慌てないでください………まずは何を賭けるかコールしてください。」

億泰「コールゥ〜〜〜?」

?「私は自分の情報を賭けました。君も何か賭けないとギャンブルにはならないでしょ?」

億泰「そ…そんな事言われてもよォ……………実は……オレ………金持ってねえんだよ………」

?「構いませんよ。お金じゃあなくても賭けれる物はあります。例えば………」

?「君自身の魂とかどうです?」

億泰「!!」

康一「お…億泰くん!!」

露伴「面白い………億泰…勝負に乗ってやれ。それで噂の真偽がわかるぞ。」

玉美「面白ェ〜じゃねえか。そのギャンブラーに甘えてそうさせてもらえよ。」

康一「億泰くんダメだよッ! ギャンブルはしないって約束したじゃあないか! それにもしかしたら億泰くんの魂が!」

億泰「魂を奪い取るギャンブラーか………まさか本当にいるとは思いもよらなかったぜェ〜〜〜〜〜。」

康一「億泰くんッ!!!」

億泰「やってやろうじゃあねーかッ! 命を賭けてやるぜッッッ!!」

?「グッド!」

康一「はぁ〜〜〜…………」

カッカッカッ

ギャンブラーはテーブルの上に3つのコップを平行に並べた

?「どうぞ先に調べてください。イカサマがあるといけませんから。」

億泰「………どうやらイカサマはねえようだな。」

露伴「…………………」

?「まずは練習しましょう。これで勝っても負けても何もありませんからあしからず。」

?「勝負は簡単。今から私がコップをシャッフルするのでどこにボールが入ってるかを当てるゲームです。では…始めますよ………」

億泰「いつでもいいぜ。」

?「スタート………」

カッカッカッ

シャッシャッシャッ

玉美「けっこう早いな………」

サッ!

?「さあ………どこにボールはあると思いますかァ?」

億泰「間違いねえ左だッ。最後にボールが入ったのは左のコップだ。」

露伴「真ん中だ………」

康一「え?」

露伴「ボールは真ん中のコップに入っている。最初からな………」

玉美「マジっすか!?」

?「お見事です。まさか見破られるとは思いませんでした。」

スッ

?がコップをあげると、確かに真ん中のコップにボールが入っていた

億泰「ウソだろォッ!? 確かに左にボールが入ったの見たぜッ。」カッ

億泰は左のコップの中を見たが、中には何も入ってはいなかった

露伴「よく手品師がやるトリックだ。最初から手の中にもう一つ小さなボールを用意しておき、それを相手から見えないように真ん中のコップに入れた。最初のボールは今手の中にあるはずだ。」

?「………正解です。」

億泰「すげぇ〜〜〜〜〜〜ッ。そこまで見えてたのかよ。」

露伴「ギャンブルでイカサマを疑うのは当然だ。もっとも…僕の目の前でイカサマは出来ないがな。」

?「どうやらあなたたちの目の前でイカサマは出来ないようだ。それじゃあ正々堂々勝負といきましょう………」

カッ

?「ここからは先ほどよりスピードを上げさせてもらう。」

シャッシャッシャッ

カッカッカッカッカッ

シャッシャッシャッ

康一「速いッ!」

玉美「ど…どこに行ったんだ…?」

億泰「……………」

サッ!

?「さあ………ボールはどこにあると思いますか?」

億泰「右だ。今度こそ間違いなく右だ。他のコップも注目してたが、ボールが入るような動きはなかったぜ。」

露伴「バカのくせに鋭いじゃあないか。僕も右だ。」

玉美「お! 露伴先生と億泰どのの意見が合致したぜ。」

康一「これは間違いないよッ。」

?「フフフフフ………」

露伴「何がおかしいんだ?」

?「果たしてどうでしょうね……」

カッ

ギャンブラーは右のコップを開けた

全員「!!?」

露伴「そ…そんなバカなッ!?」

康一「ボ…ボールが………ない……!」

ダービー「正解は真ん中でした……残念です。」

億泰「そんなはずはねえーーッ! 間違いなくボールは右に入ったはずだ! イカサマしてんじゃあねーぞッ!!」グアッ

?「イカサマ…? 証拠はあるんですか? この私があなた方にバレずにイカサマをした証拠が? もちろんあるから私の胸ぐらを掴んでいるのでしょう。」

億泰「ぐ………」

?「どうやらないようですね………このゲームは私の勝ちだ……………約束通り払っていただきましょう………」

億泰「はっ!」

?「あなたの魂を!」

ドォクァァ

露伴「スタンドだとォーーッ!?」

玉美「このギャンブラーもスタンド使いだったのかッ………」

康一「億泰くんッ!」

?「名乗るのが遅れたな………私の名はダービー。D'.A.R.B.Y。Dの上にダッシュがつく…億泰くんは私とのゲームに負けたから魂を吸い取らせてもらった。」

康一「億泰くんッ! 億泰くんッ!」

露伴「無駄だ………すでに脈も心拍もない………死んでいる………」

康一「そ…そんな……………」

玉美「魂を奪い取るギャンブラー…………噂は本当で、正体はスタンド使いだったんだ………そして相手は死んじまう………」

グシャグシャグシャグシャ

バーーーン

パ!

コローン

ダービー「安心したまえ。まだ億泰くんは死んではいない。このコインが彼の魂だ。」

ダービー「私との勝負に勝てば、取材も出来るし、億泰くんの魂も取り返す事ができる………一石二鳥ですね。」

康一「人の命を何だと思ってるんですか…?」

ダービー「?」

康一「人の命をギャンブルの道具に使うなんて………」

康一「許さない…………」

玉美「康一どの………」

露伴「康一くん。やめておけ。」

康一「露伴先生………」

露伴「………僕はこのダービーという男を甘く見ていた。魂を奪い取る瞬間をこの目で見てやろうと思っていたが、スタンド使いなら話は別だ。」

露伴「こいつはスタンドを使ってギャンブルを楽しんでいる。人の命を使ってな………人として間違っている。」

露伴「そういうやつは負けた時の顔を眺めてやると清々しい気持ちになる。見てやろうじゃあないか………その顔を………」

ダービー「スタンドをご存知でしたか………スタンドを知っている人に会うのは何年ぶりだろうか………そうそう…エジプト以来だ………」

ダービー「だが…あの記憶は私にとって忌々しい記憶でしかない………私が負けた日だからな………名前もはっきりと覚えている………」

玉美「!! 露伴先生、康一どのッ。これを見てくださいッ。」

露伴「こ…これはッ。」

玉美「コップの中でボールが張り付いてます………」

露伴「こ…こいつまさか…!」

ダービー「今ごろ気づきましたか……もう少し早く気づいてれば億泰くんの魂を助けれたのに。」

康一「どういうことですか露伴先生…?」

露伴「………このコップは練習の時の物と違うんだ。練習の時のコップは何の変哲も無いコップだった。だが、このコップは中にテープが貼られている。おそらく僕たちが目を離した瞬間にすり替えたんだろう…」

露伴「そしてシャッフルをした時に強くコップでテーブルを叩くことでボールが下に落ちてくる仕組みだ。」

露伴「僕たちが右にあると思ったボールは………」

カッ

露伴「コップの中に張り付いている………」

露伴「真ん中にボールが入ってたのはイカサマだったというわけだ………ッ。」

康一「ダービーーーーーッ!」

ダービー「おっと………私を殺せば億泰くんの魂はなくなってしまいますよ。取り返したければ私に勝つしかないのです。」

康一「ク…」

露伴「それなら話は早い。勝負だダービー。次のギャンブルをしよう。」

ダービー「オーケー。何でしますか?」

玉美「………露伴先生ちっとばかしいいっすか?」

露伴「なんだ?」

玉美「実はこの小林玉美、お二人の友情を見ていたらとても感動しちゃいましてねぇ………泣いちまったんですよ。」

玉美「それと同時にこのイカサマギャンブラーにも殺意が湧いてきましてね………」

玉美「こんなところで露伴先生が出るのはもったいねえです。ここは1つ…この小林玉美に勝負させていただけませんか………」

露伴「………勝つ自信はあるのか…?」

玉美「もちろん………億泰の魂はオレが取り返しやす…男の約束です………」

露伴「…………いいだろう。やりたまえ。」

玉美「どうも………」

ザッ

ダービー「おや、先ほどまで怯えていた君が相手か。大丈夫かね?」

玉美「あまり見た目で判断してっと足元すくわれるぜ。ちゃんと踏みしめとけよペテン師………」

ダービー「………何で勝負するんだ?」

玉美「そうだな………カードもある事だしババ抜きってのどうだ。シンプルで早く決着が着く。」

ダービー「では…何を賭けるかね?」

玉美「もちろん…男小林玉美の魂だ。」

ダービー「グッド! 先ほどまでの君とは違うようだ。これは楽しめそうだ。」

玉美「あと…この勝負は1つルールを追加させてもらいやす。」

ダービー「なんだね?」

玉美「実はオレもスタンド使いなんすよ………だからあんたがイカサマできないように監視させていただきます。」

玉美「この心にかかる錠前でな………」

玉美「このスタンドはあんたがイカサマをすればでっかくなるんすよ。今までは相手が罪悪感を持たなければでかくなることはなかったんすけど、スタンドが成長して相手の精神の動揺に反応するようになりやした………少しでもイカサマをすれば錠前に反応があります。ようするに普通にしとけば何もないということです。」

玉美「どうっすか…?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ダービー「いいだろう………ちょうどいいハンデだ。」

露伴「僕がカードを配る。ジョーカーは一枚すでに抜いておいた。」

サッ

サッ

露伴がカードを配り終わり、互いにペアとなったカードを捨てていく
玉美の手札は6枚、ダービーの手札は7枚となった

玉美(ハートの6と8、スペードの3とK……それからクローバーのJとA…………ジョーカーはダービーが持っている………………)

玉美「今の所イカサマはしてないようっすね………」

ダービー「フフフ………」

玉美「薄気味悪い笑い方だぜ…」

ダービー「早く引きたまえ。」

玉美「分かってるよ!」シュッ

玉美「お! よっしゃペアだ。」

玉美はハートの6を捨てる

シュッ

ダービー「ハートの8だ。」

ダービーはハートの8を捨てる

シュッ

玉美「スペードの3。」

玉美はスペードの3を捨てる

シュッ

ダービー「クローバーのAだ。」

ダービーはクローバーのAを捨てる

玉美(これで残るはスペードのKとクローバーのJだけだ………イカサマは………)

玉美(してねえみたいだな………あとはオレがジョーカーを引かないようにするだけだ。)

玉美(だが…オレには絶対ジョーカーを引かない確信がある………なぜならオレはジョーカーがどれか分かってるからだ………)

玉美(露伴先生もなかなかの策士だぜぇ………自分の小指にわざとインクをつけてジョーカーの裏側につけるなんてよ…………オレじゃあなかったら見逃してたぜ……………)

玉美(ダービーも何も言わねえって事はまだこのイカサマに気づいてねえって事だ………そしてそのジョーカーはあいつの1番左にあるッ。あれさえ取らなければオレは勝てるんだ!)

玉美「さてと………それじゃあ引かしていただきますぜ………」

ダービー「どうぞ…………」

シュッ

玉美(もう勝ちは見えたぜぇ………ペア完成っと……………………………)

ガタッ

玉美「な…なんだとォォォーーーーーーーーーーーッッッッ!」

康一「ど…どうしたの!?」

ダービー「大声を出してどうなされたんですか? まさか………」

ダービー「ジョーカーを引いたんじゃあないでしょうね………………」

ドドドドドドドドドドドド

玉美が引いたカードはジョーカーだった

露伴(そ…そんなバカな………僕は確かにジョーカーにインクをつけたぞ………こいつもそれに気づいたから1番左のカードを引かなかったのに………)

ビュン

玉美は錠前の方を見た
錠前の大きさは最初の頃とまったく変わってはいなかった

玉美(あ…ありえねえ………オレのザ・ロックはどんな精神の動揺でも反応するようになったんだ………あいつがどんなにポーカーフェイスな野郎でもだ……………)

玉美「ど…どんなイカサマを使いやがったダービーッ!」

ダービー「イカサマ? 私がイカサマを使ったんならその錠前が大きくなるんじゃあなかったですか? 私の目ではまったく大きくなっていないように見えるが……………」

玉美「うぐぐぐ………」

ダービー「GO AHEAD! 早く引かしてくれ。そうやって私を焦らすきか。」

玉美「くっ……」ブルブル…

玉美(ひ…引け………頼むからジョーカーを引けよ……………)

シュッ

ダービー「スぺードのKのペアだ。」

玉美「……………」

康一「た…玉美くんッ!」

ブワッ

ドヒャアアーァン

ダービー「私の勝ちだ……………」

グシャグシャグシャグシャ

ダービー「なかなか緊張感のあるゲームだったよ。イカサマがバレるかヒヤヒヤしながらな。」

露伴「なに…?」

バーーーン

コロォーン

ダービー「これで二枚………あとはあなた達を回収するだけだ………」

露伴(小林玉美の錠前が動かなかった………つまり…ダービーはギャンブル中にはイカサマをしなかったという事……………まさか…!)

サッ

露伴は最初に抜いていたもう一枚のジョーカーを調べた

ペラッ…

露伴「!」

すると、ジョーカーの後ろにはスぺードのKが重なっていた

露伴「最初からイカサマをしていたのか…!」

ダービー「その通りだ。二枚のジョーカーにはあらかじめスペードのKを貼り付けておきました。つまり…スペードのKは三枚存在してたんですよ。」

ダービー「ですが気づくのが遅かったですね。もう少し早ければ彼もコインにならずに済んだのに………」

露伴「フフフ……」

露伴「フハハハハハハハハハハハッ。」

康一「ろ…露伴先生…?」

露伴「気に入った………気に入ったぞ………………僕は意地でも君を負かしたくなってきたッ。この際取材はどうでもいい!」

ダービー「取材しないんですか? せっかく楽しみにしていたのに………そうだ……それじゃあこうしませんか? 私に勝てば取材、そしてさらにこの二つの魂とお金もプレゼントします。どうです? 悪い話じゃあないでしょ?」

露伴「確かにな………お金もくれて取材もできるのならこれ以上ない報酬だ。」

康一「……………」

ダービー「それではこれでいいですね?」

露伴「だが断る。」

康一「!」

ダービー「なに………?」

露伴「僕の目的は変わったんだよ。自分が強いと思っているきさまを打ち負かすことにな。ついでに二人の魂も取り返す。」

康一「露伴先生………」

ダービー「フフフ………私も気に入りましたよあなたの事が………あなたをぜひ私のコレクションに収めたくなりました。」

ダービー「では……何を賭けるか聞きましょう。」

露伴「もちろん………僕の魂を賭けるよ。」

ダービー「グッド! あなたは楽しませてくれそうだ。」

〜to be continued〜

ここまでが前編です
後編も書いてますのでお待ちください

ダニエル・J・ダービー
彼は昔…ある男に雇われていた
その名はDIO

弟しか恐れる者がいなかった彼は小さい頃から数々のギャンブルで百人以上もの人々をコインにしてきた
しかし、そんな彼の目の前にDIOが現れたのだ

ダービーは直感でこの人には勝てないと判断した
それと同時に弟よりも恐ろしいと思ったのだ

DIOに雇われる事となった彼は承太郎一行を倒すためにイカサマに協力してくれる仲間を集めることにした

集めることは簡単だった
金をチラつかせるだけで皆仲間になるのだ

そしてついにその時が来た

承太郎たちに逃げられないように、まずは飼い慣らした猫を使い、ポルナレフの魂を吸い取る事に成功した

次にポルナレフの魂を取り返そうとしたジョセフをジョセフが得意な表面張力で打ち負かした
ダービーが仕入れてた情報では承太郎一行の中で1番頭が回るのがジョセフと聞いていたのでダービーは勝ち誇っていた

しかし、次に現れた空条承太郎によって彼は人生で初めての敗北を…しかも得意のポーカーで味わったのだ
すべては精神の動揺による敗北
後から聞いた話によると承太郎の手札はブタだったらしいのだ

ダービーは全財産をイカサマ仲間に持っていかれ、職もなく、精神不安定で生きていく気力をなくしていた

しかし、彼はある結論にいたったのだ

承太郎にリベンジし、再び勝てばいいのだと

そのためにダービーは精神を鍛える事にした
どんなことを言われようと動揺しないために…そして、誰も恐れないようになるために……

そして今…彼はこの杜王町に承太郎がいると聞き、彼が勝負に来るのを待っていたのだ
コインを増やしながら………

ダービー「何で勝負するんだね? 私は何でも構わないが…」

露伴「そうだな………よくあるギャンブルはさすがに面白くない。例えば………」

露伴「相手が何を考えてるか当てる……………というのはどうだろうか。」

ダービー「ほぉ〜〜〜………面白そうだ。」

露伴「お互いに質問をしあって、先に答えを当てた方が勝ちだ。考察力と知識力を必要とするが大丈夫か?」

ダービー「それは私に知識力があるか聞いているのか?」

露伴「ギャンブルばかりしていて知識が無さそうに見えたからな………」

ダービー「フフフ………そんじゃそこらにいるやつらよりは知識はあるさ。さて…さっそく………」

ガチャ

全員「!」

全員が扉の方を振り向く

キィィィ

?「あのォ〜〜〜………おじゃましてま〜す………」

康一「その声は………」

仗助「………ってあれェ? 康一じゃあねえか。ウゲッ、それに露伴まで………」

露伴「東方仗助…ッ!」

康一「こんな所になにしに来たの?」

仗助「こっちが聞きたいぜ。オメーあんだけギャンブルはやめといた方がいいって言ってたじゃあねえかッ。」

康一「その口ぶりだと仗助くんもギャンブルしにきたの…?」

仗助「な…なに言ってんだよォ〜。オレは康一たちがここに来てないか確かめに来ただけだぜ。」

露伴「なぜここがそのギャンブル会場だときさまは知っているんだ?」

仗助「へ?」

仗助(い…言えるわけねえだろ………金が稼ぎたいがために学校の奴らから情報を集めてここに辿り着いたなんて…………)

仗助「そんな事よりなんで億泰と玉美が端っこで寝てるんだ? それにこの人が噂のギャンブラーなんスか?」

露伴「話をすり替えるな。まだ話は………」

ダービー「その2人は突然眠たくなったらしくて寝ているんですよ。起こさないであげてください。とても疲れていますから………」

仗助「そうなんスか。分かりました。」

ダービー「あ、そうだ。良いこと思いつきましたよ。」

露伴「なに?」

ダービー「そこにいる彼はまだ事情をよく知りません。どうです? 彼の考えてることを当てるというのは…」

露伴「こいつの考えてる事だと………?」

ダービー「ええ………彼なら公平に………」

ダービー「ハッ!」

露伴「………?」

ダービー「………そこの君…名前は何と言うんだ…?」

仗助「オ…オレェ〜? オレの名前は東方仗助っス………」

ダービー「…………そうか………では仗助くん。今からルールを説明するからその通りにして欲しい。」

ダービー(こいつの目………あの男に似ていたが………気のせいか………名前も違うし大丈夫か………)

仗助「え……なんスか突然…………そんな急に言われても………」

ダービー「金は出そう…」

仗助「…」ピクッ

ダービー「五万円でどうだぁ?」

仗助「………………」

仗助「………で、ルールはなんスか?」

露伴「貧乏人め………」

康一「億泰くんの言うとおりだ………金にがめつい………」

ダービー「まず…何でもいいから一つイメージして欲しいんだ。今から私たちで君に交互に質問をしていく。そしてそれを何か答えるから合ってたら教えて欲しい。」

ダービー「それを三回繰り返し、先に二回当てた方が勝ちだ。」

ダービー「これなら私はイカサマは出来ないだろう? そして君もイカサマは出来ない………公平な勝負だ。」

露伴「いいだろう………東方仗助の考えてる事を当てるのは嫌だがな………」

仗助「そうっスか………オレもあんたに考えてる事当たられるのは嫌っスけど………」

仗助「あ、一ついいっスか? ええと…………」

ダービー「ダービーだ。ダニエル・J・ダービー。」

仗助「じゃあダービーさん。例えばオレとこいつらが知っててあんたが知らないもんとかだったらどうするんスか?」

ダービー「構いませんよ…ただし………全て身内しか知らない情報は勘弁してもらいたいな〜………それだけだ。」

仗助「なら………最初に想像するのはそれにします。」

ダービー「念のため想像したものはこの紙に書いておいてください。そして正解ならばその紙を見せてほしい………」

仗助「了解っス。」

露伴「………………」

康一(仗助くんは知らないんだ………この勝負に億泰くんたちの魂が賭かってるということに……………)

康一(教えたいけど………教えたら仗助くんは間違いなくこちら側についてしまう……………ダービーもそれはさせてくれないはずだ………)

康一(この勝負は本当に平等なんだ………ダービーにも露伴先生どちらにも負ける可能性がある………! ギリギリのところで二人は勝負しているんだ…!)

康一(露伴先生………頑張ってください……………)

仗助「書いたっス。」

ダービー「質問した後に回答するかどうか宣言する事にしよう。もし…外れた場合はペナルティーとして一回パスでどうだね?」

露伴「妥当だな………先攻は譲ろう。」

ダービー「お言葉に甘えて………では質問するぞ仗助くん………」

仗助「は…はい………」

ダービー「それは人間かね?」

仗助「そうっス。人間です。」

ダービー「回答はしないでおこう………君の番だ露伴くん………」

露伴「東方仗助に質問する………そいつは若いか?」

仗助「若くはねえな…………」

露伴「………回答はしない。」

ダービー「質問するぞ。その人はズバリ………老人かね?」

仗助「はい。」

康一(仗助くんの知ってる人で老人の人って言ったら……………)

露伴(あの人の可能性が出てきたな………あの人の特徴を聞いてみるか…………)

露伴「その男性は………義手をつけているか…?」

仗助「……………つけてるぜ。」

ゴゴゴゴゴゴ

康一(や…やったッ!)

露伴(間違いなくジョセフ・ジョースターだ………だが…)

露伴(この勝負はダービーの出方を伺いたいところだ………ジョセフ・ジョースターと答えたいが…スルーしておこう………)

露伴「回答はしない………君の番だ。」

康一(え?)

ダービー「ふむ………老人で義手か……………私でも答えられる人であってほしいが………」

ダービー「質問しよう…………」

露伴(どう攻めてくるダービー………)

ダービー「その老人はスタンド使いじゃあないかね?」

露伴「!!」

康一(ま…まさかね………)

仗助「なんであんたがスタンドを知ってるんスか…?」

ダービー「答えたまえ………これは真剣勝負なんだ………」

仗助「………そ…そうっス。」

露伴(たとえスタンド使いと分かったところで答えられるはずがないッ。この男がジョセフ・ジョースターの事を知っている可能性は極めて低い。いくら不動産王でも表舞台にあまり立たない人だから大丈夫な………)

ダービー「一か八か答えてみることにしようか………」

露伴「な…なにィッ!?」

ダービー「この勝負は私に不利だからねェ〜………ここで外れたら次の勝負に賭ける事にするよ。」

康一(あ…当たるもんか!)

露伴(当たる確率は1パーセントあるかないかだ………)

露伴「…………………」

ダービー「では答えよう………」

ドドドドドドドドドドドド

ダービー「その男は…………」

ダービー「ジョセフ・ジョースターじゃあないかね…?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

露伴「!?」

康一「ウソォッ!?」

仗助「マ…マジ………かよ………なんであんたがその名前を………」

ダービー「フフフ………たまたま会ったことがあったんですよ………」

ダービー(フフフフフ………まさか…まさかジョセフ・ジョースターだったとはな………この勝負は岸辺露伴の出方を伺うつもりだったが………勝ってしまうとは………フフフ………笑いがとまらんよ………)

ダービー(ギャンブルは運だ………そして…その運をイカサマと言い通すのもギャンブルだ。)

ダービー「いやぁ〜〜〜〜…こんな偶然あるもんなんですねェ〜〜〜〜………ビックリして笑ってしまいましたよ。」

露伴「どんなイカサマを使ったんだ…ッ!」

ダービー「イカサマ? はて…なんのことやら………」

露伴「とぼけるなッ! なぜジョセフ・ジョースターが義手である事やスタンド使いである事を知っているッ!」

ダービー「言う必要はないでしょ? 私は勝ったんですよ。さあ…勝負を続けましょう………」

ダービー「あ、そうそう………言い忘れてましたよ………」

ダービー「バレなければイカサマとはいわないのだよ。」

露伴「く……………!」

仗助「おい康一………」ボソ…

康一「な…なに…?」ボソ

仗助「一つだけ教えてくれ………」ボソ

仗助「こいつはただのギャンブラーか敵………どっちだ………?」ボソ

康一「…………………」ボソ

仗助「答えてくれ………」ボソ

康一「……………言えないよ………」

仗助「十分な答えだ………」

露伴「クソッ………」ガン

露伴(これで僕はもう負けられない………今のは僕の油断だ……こいつのイカサマを見抜けなかった………あそこで答えておけば………)

仗助「あの〜〜〜…一応これが書いてた紙です………ジョセフ・ジョースターって書いてある事を確認してください………」

ダービー「………確認した。」

露伴(くそ……………)

仗助「おい………紙をちゃんと確認してくれよ。」

露伴「うるさいぞッ。僕は今考えているんだッ。邪魔をするな!」

仗助「確認してくれたらもう何も言わねえよッ。」

露伴「………チッ。」

露伴「……………確認したぞ。」

ダービー「では次の勝負だ。仗助くんは紙にイメージしたものを書いてくれ。この勝負で私が勝てば………分かってるな?」

露伴「あぁ…分かってる。」

ダービー「フフフ………」

仗助「書いたぜ。」

ダービー「さっきは私が勝ったから先攻はそちらに譲るよ。」

露伴「………東方仗助に質問する………」

露伴「それは道具か?」

仗助「ああそうだ。」

露伴「回答はしない………お前の番だ。」

ダービー「質問しよう………それは手より小さいかね………?」

仗助「物によりますね。でも…大体の物は手より小さいっス。」

ダービー「回答はやめておく。」

露伴「質問する………それは食べれるか?」

仗助「食べられねえな。」

露伴「回答はやめておく。」

ダービー「質問するぞ………それは四角い物か?」

仗助「四角いですね………」

ダービー「フフフ………分かってきたぞ………次に私の番が回ってきたら答えれるだろう………今回は回答しないでおこう………」

康一(ろ…露伴先生…!)

露伴「…………………」

ダービー「お手上げかね? 岸辺露伴先生?」

露伴「質問するぞ東方仗助………」

ダービー「フフ………」

露伴「それはギャンブルで使うものか…?」

ダービー「!」

仗助「ええ………使いますよ………」

露伴「回答する。それはサイコロだッ。」

仗助「正解だ………オレが書いたのは確かにサイコロだ。」ヒラッ

康一「や…やったァーーーッ! これでイーブンに持ち込んだぞッ!」

ダービー「くっ………やるじゃあないか………偶然当たって良かったな………」

露伴「偶然などではない………必然だ。」

仗助「言いますねェ〜………露伴先生。」

露伴「フン………」

露伴(この勝負………気に食わんがあいつに助けられた……………)

露伴(あいつが僕たちに紙を確認させた時…そこに書いてあったのは………)

『ジョセフ・ジョースター!
次はサイコロでいくからな!』

露伴(………あいつは一度、二行目の文字を書いて消したんだ………そして僕が紙を確認した時にクレイジー・ダイヤモンドで文字を元に戻したんだ………)

露伴(感謝はしないぞ………東方仗助………)

仗助「そんじゃあ紙の確認を………」

ダービー「もういいだろう………紙の確認は私だけが行うよ。」

仗助(ウゲェー………)

露伴(バレたか………ここからは僕とダービーの一騎打ちというわけか………)

ダービー「この勝負で勝った方が勝者だ………いいね?」

露伴「言われなくても分かってる。」

ダービー「今回は私の先攻でも構わないかね?」

露伴「いいとも………ご自由に。」

ダービー「質問するぞ。そいつは人間か?」

仗助「あ、まだ紙書いてないんスけど………」

ダービー「HURRY UP! 書きながら答えたまえッ!!」

仗助「人間っスッ!!」カキカキ

露伴(人間………また身内か………)

仗助「………………」ギラッ

露伴(………何で睨んでるんだ東方仗助………八つ当たりで睨んできてるのか………うっとおしいぞ………)

仗助「…………………」ジィー

露伴「…………………」

ダービー「さあ君の番だ露伴くん……はやく質問したまえ。」

露伴「礼は言わないぞ……」

仗助「………………」

康一「な…何がですか?」

露伴「僕は質問はしない……」

康一「な…何言ってるんですか露伴先生!?」

ダービー「勝負を諦めたのか? せっかく勝負が面白くなってきたのに………」

露伴「だが…回答はさせてもらおう………」

康一「え!?」

ダービー「………なんだと…?」

仗助「……………」

ダービー「人間というだけで何が分かったというのかね……?」

露伴「ダービー……先に紙を見ていていいぞ…………間違いないからな………」

ダービー「その自信は一体どこから湧いてきたんだね? ハッタリをかけるならもう少し………」

露伴「回答する………」

露伴「東方仗助がイメージしたのは…………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

露伴「この僕………岸辺露伴だ。」

仗助「……………」

ダービー「……………正解はどうなんだ仗助くん……?」

仗助「………見たら分かりますよダービーさん。」

ダービー「……ま…まさか……!」

ドドドドドドドドドドドド

ダービー「そ…そんなハズは………」

ヒラッ

ダービー(イカサマをする時間などなかったのに…………そんなハズは…………)

バッ

『オレがイメージしたのは憎たらしい岸辺露伴!』

ダービー「な…なにィィぃーーーーーッ!!?」

康一「か…勝ったの?」

ボーーーン

康一「あ!! 億泰くんと玉美くんの魂が戻ってきたッ!! ってことは………」

康一「露伴先生が勝ったんだァーーーッ!!」

仗助「うわぁ………魂を奪い取るギャンブラーの噂は本当だったのかよ………」

ダービー「なぜだッ!! どんなイカサマを使ったんだきさまらッ!!」バァン

露伴「イカサマ? イカサマなんか使わなくたってお前ごときには勝てる………」

ダービー「なんだとォ………ッ!」

仗助「あんた言ってたじゃあないっスか………バレなきゃイカサマじゃあないって………」

ダービー「グググググググググ………」

パシャ

ダービー「!」

露伴「その顔とてもいいねッ。僕のアルバムの1枚にさせてもらうよ。タイトルは敗北だな。」

仗助「おい! いつまで寝てんだよお前らッ! さっさと帰るぞッ。」

億泰「へ? もう朝?」

玉美「ダ…ダービーを倒さねえと……」

仗助「ダービーはもう倒したぜ。寝言言ってねえで帰るぞ。」

億泰「何で仗助がいるんだァ〜〜〜?」

玉美「わけがわかんねぇぜ……」

康一「それじゃあお邪魔しましたダービーさん。」

露伴「失礼だぞ康一くん。失礼したなオービーさん。」

全員「ハハハハハハハハハハハハッ。」

ガチャン

5人はダービーがいる部屋を出て行った。

ダービー「……………………」

ダービー「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」

バタァーン

ガシャーン

パリィーン

バリッ

ドガァァァン

ダービー「ハァー、ハァー、ハァー、ハァー………あんなガキどもに……私が負けるだなんて…………ぐぅおおおおお………」グググ

玉美「太陽が出てきやしたね。もう朝ですぜ。」

康一「一晩中あの部屋の中にいたのか………すごく短く感じたよ………」

康一「ところで…どうして最後……仗助くんが露伴先生をイメージしてるって分かったんですか?」

露伴「僕と東方仗助は互いに嫌ってるからな………あいつが僕の事を睨んでる時に分かったんだよ。」

仗助「いつまでたっても感謝の一言もねえもんな。そりゃあ睨みますとも。」

康一「でも…それってお互いの事を分かってたからこそだよね。もし2人が本当に嫌ってたらあそこで負けてたよ。」

仗助「オレとォ〜?」

露伴「こいつが?」

露伴「こいつと仲良くするぐらいならダービーに魂を吸い取られる方がマシだ。」

仗助「こいつと仲良くするぐらいならオレは地獄に落ちてもいいぜ。」

康一「本当仲良いね2人は………」

露伴・仗助「どこがだッ!」

康一「ほらぁ〜……」

億泰「ところでお金は?」

仗助「あ! まだオレお金もらってねえよ! おい行くぞ億泰!」ダダダダダ

億泰「おう!」ダダダダダ

玉美「露伴先生…助けていただいてありがとうございました………小林玉美、このご恩は一生忘れません。」

露伴「礼はいらない。自分の命を大切にしろ。」

玉美「分かりやした!」

康一「本当に………生きてて良かったなァ〜〜〜〜〜………」

仗助「ダービーさん。約束の五万円まだもらってないっすよォ〜………」ガチャ

億泰「あ! いねぇぞあいつ! 逃げやがったなッ!」

仗助「お…オレの五万円が………」

その頃ダービーは杜王町を出て行こうとしていた

ダービー「クソ………屈辱だ………あんなガキどもにしてやられるなんて……………もうこの町にはいられない………」

ダービー「あ!」

ダービー(あ…あの男は!)

承太郎「…」バァァァーン

ダービー(空条承太郎ッッ!!! まさか…こんな所で出会うとは…!)

ダービー(ちょうどいい………お前に会う前に負けてしまったが、あいつらには後でリベンジすればいい………まずは承太郎にリベンジするとしよう………)

ザッザッ

ダービー「……………」

承太郎「……………」

ダービー(み…みてろ………話しかけてやるぞ…………)

ザッザッ

承太郎「……………」

ダービー「ゴクッ………」

ダービー(話し……かけて…………)

承太郎「おいあんた………」

ダービー「!」ギクッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ダービー「は…はい?」

承太郎「どこかで会ったことがないか?」

ダービー「…………い…いいえ………誰かと間違えているのではないでしょうか………人違いですよ……」

承太郎「そうか………悪かったな………」

承太郎「昔…戦った相手と似ていたものでな…………」

ダービー「…………そうですか。」

承太郎「ダービー……という名だったな…………」

ダービー「!!」ギクッ

承太郎「もし…あんたがダービーだったなら……………」

ダービー「ハァー、ハァー、ハァー…………」

承太郎「? どうした? 顔色が悪いぞ…」

ダービー「ち…近寄るなッ! 近寄るんじゃないッ!」

承太郎「汗かいてるぜ………何を焦ることがあるんだ……………あんたがダービーじゃあなかったら何もない話だ………」

ダービー「ハァー、ハァー………」

承太郎「だが…ダービーだったなら………」

承太郎「もう一度手合わせ願いたかったがな………」ドドドドドドドドドドドド

ダービー「ヒ…ヒィイイイァァァーーーーッ。」ダダダダダ

承太郎「……………………」

承太郎「……やれやれだぜ。」

〜to be continued〜

終わりです。
読んでいただきありがとうございました。

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