岸辺露伴時計を買う (30)
平岡「露伴先生…あのぉ~…えと…その」
露伴「何だよ一体…何か話したいなら早く話せ」
平岡「はい…それでは 露伴先生は…時計に興味はおありですか?」
露伴「時計?それは部屋の壁にかけておく時計か?それとも目覚まし時計か?腕時計のことか?」
平岡「そう!腕時計です!露伴先生はステキな時計を着けていらっしゃいますね」
露伴「急に元気になったな…この腕時計はグッチの時計だ」
平岡「はぁー!グッチですか!すごいなぁ!流石ですね」
露伴「まさか君この時計がグッチだと知らなかったのか?」
平岡「えぇっ!?あぁッ…はい…すみません」
露伴「全く呆れたぜ…自分から時計の話を持ってきたくせに
時計の知識もろくにないだなんて」
平岡「じゃあ露伴先生は時計の知識がおありで?」
露伴「あるわけないだろ?」
平岡「へ?な、ないんですか?」
露伴「はぁー…君とぼくは考え方が違うらしいな」
平岡「どういうことです…?」
露伴「いいか?話題を振るヤツは必ずその知識がある例えばぼくが漫画の話を振るとするだろ?漫画の知識がないヤツにはその知識を与え共有することが出来る逆にあるヤツとは話を広げていける」
平岡「あぁ!なるほど!つまり!」
露伴「つまり全く時計の知識がないのに時計の話題を振る君はバカ丸出しなんだよ」
平岡「で、でも知識がなくても話題は振れますよね?質問とか」
露伴「それは質問であって話題じゃないそれに君の話題の振り方だ」
平岡「話題の振り方?」
露伴「そうだよぼくに時計に興味があるかないかときいてきただろ?」
平岡「はい、そうですね…」
露伴「君のその話題の振り方はまるで時計の知識があるような言いぶりなんだよ」
平岡「あ…はぁ…おっしゃる通りです」
露伴「もう分かったろ?それじゃあ漫画の打ち合わせをさっさと終わらせよう」
平岡「それですよそれ!」
露伴「いきなり大声を出すな!周りの客に見られてるだろ!」
平岡「あっ…はい、すみません」
露伴「で、今度はなんだ?」
平岡「先生の漫画のネタになるかと思いまして…ここからバスで2~30分程北に行ったところにとある時計店があるんですよ」
露伴「そんな遠いところ滅多に行かないから知らなかったな」
平岡「えぇ私も最近知ったんですがね何でも変な噂があるんですよ」
露伴「噂?噂だと?そんなのリアリティに欠けるじゃあないか…」
平岡「ただの噂じゃあないんですよ!」
露伴「ただの噂じゃないなら一体いくらの価値がある噂なんだ?」
平岡「その噂と噂の価値知りたくはないですか?」
露伴「どんな噂かも知らないのに興味なんて出てこないね」
平岡「あれ?」
露伴「だがただの噂じゃないなら話は別だ君の知っている噂を聞いてから行くことにしよう」
平岡「ではその時計店の噂についてお話します…噂は一つや二つじゃあないんです複数あるんです私が知ってるのはそのうちの一つなんですがその店の近くに行くと不思議と体が吸い込まれるんです」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1462655329
面白そうだけど句読点が無いから読み辛い
>>2最初はちゃんと句読点もつけて改行もして読みやすかったんですが…改行のし過ぎですって出てきてこれでもかってくらいやったらこの結果に…申し訳ないです
段落に出来そうなところで適当に区切るといいよ
1. 平岡「露伴先生…あのぉ~…えと…その」
2. 平岡「じゃあ露伴先生は時計の知識がおありで?」
3. 平岡「で、でも知識がなくても話題は振れますよね?質問とか」
4. 露伴「もう分かったろ?それじゃあ漫画の打ち合わせをさっさと終わらせよう」
5. 平岡「ただの噂じゃあないんですよ!」
仕事の都合上深夜4時くらいに上がります
次からはしっかりと区切って読みやすくしておきます
露伴「店に吸い込まれる?まさか引力が働いてるとでも言うのか?それとも、店に自然と魅力を感じて入ってしまうということか?」
平岡「そのとおり!自然と足を踏み入れたくなるんですよ!」
露伴「ふーん、それで?まさか君はこれで終わりと言うつもりじゃあないだろうな…」
平岡「へ?そ、それで…?えと、話はまだ続きます!安心してください!」
露伴「では聞かせて貰おうか、ただ店に魅力を感じてつい足を踏み入れる。なんてことはどこの店でもあることだ」
平岡「で、ですよねぇ〜!モチロン店に吸い込まれたあとの噂もあります!」
露伴「早く話せ」
平岡「はい…実は、その店に入ると無数の時計が置いてあるんですが…どの時計も時間がバラバラなんです…現在時刻を指す時計は、どこにもないんです」
露伴「どこにもないだって…?」
平岡「えぇ、そうなんです不思議でしょ?時計店なのに…」
露伴「そんな店じゃ、どんなに魅力的でもそこで時計を買おうとは思わないね。ぼくはゴメンだ」
平岡「えぇ、その時計店に訪れた人は皆、露伴先生と同じように時計は買いたくなくなったそうなんです…気味が悪いんですよ」
露伴「だろうな、全ての時計がバラバラの時間を示していて…さらに、現在時刻もわからないとなっちゃあ気味悪がられて当然だな」
平岡「どうです?興味湧いてきました?漫画のネタにどうです?」
露伴「君は、ぼくの担当になってまだ3ヵ月だが…このぼくに興味を湧かせるなんて褒めてやるぞ」
平岡「それじゃあ!」
露伴「あぁ!俄然興味が湧いてきた!時計店でも時計でもなくその店の店主に」
担当の平岡と一緒に、バスの中で37分間も過ごすのは骨が折れる…バスに酔ったと思いきや、ありきたりな風景をみてまるで小学生のバス遠足みたいにはしゃぎまくるし…バスの中は空気が淀んでて気分は最悪だった。バスを降りてようやく外の空気に触れたが、清々しいくらい気持ちが良かったね
平岡「こ、腰が…いててて…」
露伴「おい、散々はしゃいでぼくに迷惑をかけた挙句休憩しようだなんて言うんじゃないだろうな?」
平岡「め、滅相もございません!」
露伴「はやく案内してくれその店はどこにあるんだ?」
平岡「ここから少しまた歩きます。ここの道を道なりに歩いて、15分ほどで着きます」
露伴「ふむ、そうか…退屈だから散歩がてら歩きながら風景をスケッチしておこう」
民家、電柱、木、鳥、変なところに作られた蜘蛛の巣、歩きながらスケッチはしているがこれといったものもない
平岡「着きました…あそこですよ、露伴先生」
露伴「これは…」
露伴「なんだこれは…!古いだとか、ボロっちいとかいう以前の問題だ!建物は洋式…のようだが」
平岡「ね、すごいでしょ!興味そそられますね!露伴先生!」
露伴「うるさい!お前は黙っていろ!ぼくは今この店をスケッチすることに集中したいんだ!」
平岡「ひぃッ…す、すみませぇ〜ん!」
露伴「何なんだこの店は…中の怪しさが外に溢れ出てきているのか?」
その時だったよ、ぼくは自分の目を疑ったね。ギィっと嫌な音をたてて、ガラス窓のついた木の扉が開いたんだ…誰が開けたわけでもなく、独りでに
露伴「ん?おい平岡君…ドアが…開いたぞ」
ぼくがチラリと目を向けると平岡がスゥーッと店の中へ歩いていくのが見えた…自分の意思ではない。何かに呼ばれたように操られたようにいや、吸い込まれるように歩いていた
露伴「待て!何かある!ワナだ!この怪しさは異常だ!」
平岡は止まることなくそのまま店の中に入っていってしまった
露伴「不味い…これは非常に不味いぞ…とにかくぼくも中に入ってしまうのはダメだ、窓から様子を伺おう…」
露伴「ダメだ!窓をのぞき込んでも真っ暗で何も見えやしない!僕の顔と周りの風景が映り込むだけだ!クソッ!返事をしろ!」
ぼくは思いっきり窓を叩いたね…おかげで手が真っ赤になったよ…そんなことより続きを話せって?そう焦らなくても話すよ
露伴「中に入るのが不味いことだとわかる…だがこれはもう行かなくちゃあいけないよな…」
ドアを開けて中に入るそこには棚やテーブルに置かれた腕時計と目覚まし時計そして壁を埋め尽くすほどの掛け時計と振り子時計があった
少し進むと左奥の棚とテーブルの間に人影が見えた
露伴「あれは…平岡君じゃあないか!おい!しっかりしろ!」
平岡「ん…んん?ここは一体…確か露伴先生がスケッチを始めて、ドアが開いて…思い出せない…」
露伴「(ヘブンズ・ドアーを使っても無駄みたいだな…)とにかく、中に入っても無事だったんだ取材をしようじゃあないか…」
平岡「それにしても、不気味ですね…電気はついてないし、そこら中に埃は舞ってるし…蜘蛛の巣だってあんなに…それに」
露伴「あぁ…噂はどうやら本当だったみたいだな、どの時計も全部狂ってやがるここに着いたのが午後2時半…なのにここにある全ての時計がその時刻を指してない」
平岡「こ、この時計見てください…針が、長針と短針がそれぞれ反対方向に動いてますよ…」
露伴「それだけじゃあないぜ…見ろ、ぼくの時計を今まで一度たりとも狂ったことのない時計の針が逆方向に進んでる…」
平岡「少し奥に進んでみましょう、誰かいるかもしれませんし、その人に話を聞いて、さっさと帰りましょう!こんな所にいたんじゃ頭がどうにかなっちゃいそうです」
露伴「おい待て!勝手に行動するな!一人で行くな!」
平岡「あれ?なんで私こんな服を来てるんだ?さっきまでしっかりとスーツを来ていたのに…」
露伴「平岡君、服だけじゃあないぞ髪型も違う。つい一ヵ月くらい前に、打ち合わせで会ったときの髪型そっくりだ…」
一ヶ月前だと…!?
平岡「ふ、服装や髪型が変わったくらいじゃあ、この私はひ、怯みませんよぉ〜…」
露伴「ダメだ!それ以上進んじゃあいけない!」
ズン!
露伴「平岡君…なのか…いや平岡君だ…間違いない…だがこれは…子どもになってしまったのか?」
平岡「露伴先生…これは…ぼくは、一体…」
露伴「(記憶はあるが知識が拙くなっているらしいな…もしかしたら記憶がなくなるのも時間の問題かもしれん)」
露伴「とにかくこれ以上は危険だな…『ヘブンズ・ドアー』!!!!」
ぼくはこれ以上先には進めない
露伴「これでひとまず安心だな…だがどういうことだ…平岡君はここまで来て子どもになったのにぼくには何の影響もないぞ…」
露伴「おそらく、この時計の中のどれかがスタンドだろうな…店自体がスタンドならぼくにも何かあるはずだ」
ぼくは店の奥に進みながら周りの時計を一つずつじっくりと確かめたが何もなかった…だが
露伴「!?しまった!いつの間にかぼくの服が変わっているぞ!」
ガタッ…
露伴「誰だ!一体この店は何なんだ!」
「おやおや、何だか騒がしいと思ったら久々のお客さんじゃあないか…この老いぼれの耳にまで届くほど元気なお客さんは初めてじゃなぁ…」
露伴「おい、じいさん…もしかしてあんたがこの店の店主…なのか?」
元店主「いえいえ、わしはもう息子に店を引き継がせて引退した身じゃよ…おや?おやおやこれは、これは…お兄さんの坊やかい?」
露伴「いえ、そいつは、なんというかその…知り合いの子です(なんだ?スタンド使い…ではなさそうだぞ…とぼけている様子もない)」
元店主「そうかい、そうかいそれにしても可愛らしい坊やじゃあないか、あとでお菓子をあげよう」
露伴「あの、おじいさん」
元店主「あなたの顔、生き生きとしておる…とても輝いておる…時計はその人の一生に寄り添うもの、持ち主の一番輝いていた時代を刻んでいる…自分の思い出そのものじゃ」
露伴「一体なんの話を…」
元店主「わしはもうこんなに歳をとってしまったが…今でもこの時計を貰ったときのことは覚えておる…」
露伴「その時計!(今まで見てきた時計とは明らかに違う!あれはスタンドだ…)」
元店主「わしがこの時計を貰ったのはわしがまだ五つのときじゃった…今でもこの時計が動いているのが不思議なくらいじゃ…ん?お兄さんやその時計いい時計じゃな」
露伴「時計…?な、直っている…!他の時計も全て!同じ時間を刻んでいる!」
元店主「お兄さん、わしはこの時計を譲るべき人間を、ずっと探しておった…お兄さんにならこれを譲ってもいいと思えた…」
露伴「なぜ、初対面のこのぼくに…」
元店主「なぜだかは、わしにもわからん、わからんが、この時計がお兄さんを気に入ったことはわかる…」
露伴「…(この時計はスタンド…それは間違いない…だが、何か変だ…)」
元店主「受け取ってくれるかね?」
露伴「わかりました…」
元店主「ありがとう…」
露伴「おじいさん…?こ、これは一体…」
ぼくが時計を受け取った瞬間におじいさんは煙のように消えていった…
露伴「なぜだかわからないが、この感覚はどこかでかで感じた覚えがある…ほんの小さな懐中時計だが…冷たく軽くなっていく…この感覚は…」
おじいさんから受け取った時計の針は止まっていた。店に置いてあった時計は消え、そこには何もかもがなくなっていた
露伴「ぼくの服が元に戻っている…それに…」
平岡「あれ…?も、戻った…!戻ったぞ!アハハハハハ!やった!子どもの姿から戻ったぞ!あれ?と、時計がない!この店の時計がないぞ!」
露伴「落ち着け、取材は終わりだ…もう帰ろう」
平岡「取材?先生、誰にも会ってなかったですよねぇ…」
露伴「あぁ…店主はいなかったよこの店には誰もいなかった…(どうやらおじいさんの姿とぼくとおじいさんの会話は見えなかったし聞こえてもいなかったらしいな)」
平岡「そうなんですか…ちょっと残念です…でもすごいですよね!子どもの姿になったんですよ!ぼく!」
露伴「おいおい、君は入ってすぐに気絶してたじゃあないか…夢だよ夢(無理矢理だが納得させるしかないな…)」
平岡「えぇ〜…おかしいなぁ…確かに子どもの姿になったのになぁ…」
露伴「何をぼさっとしてるんだ帰るぞ」
これでぼくの話は終わりだ
この懐中時計はおじいさんの死後、スタンドとなったのだろう…能力はおそらく、対象の時を戻す能力…まぁ、あくまでぼくの憶測だがな
懐中時計?あぁ、今は全く動かないよスタンドでもない…ただの壊れた懐中時計さ
読みづらくてすみません!
以上で岸辺露伴時計を買うは終わりです!
最初はネタSSにしようかとも思ってました
解説
おじいさんの懐中時計はおじいさんの死後スタンドになったものですアヌビス神もしくはノトーリアスBIGと大体同じです
能力はその人が一番輝いていたときの姿に戻すこと。因みに記憶は保たれるんですが言葉や計算などの思考力はその当時のものになるというものです
この話の元は、歌の大きな古時計です。おじいさんが貰った古時計をスタンドにしようとしたんですが、どうしても時計を誰かに与えることでおじいさんが成仏するようにしたかったので、懐中時計にしました。
お付き合いくださった皆様ありがとうございました
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