関裕美「楽しさを作り上げて」 (27)
とても短いですが、アイドルマスターシンデレラガールズの関裕美と西島櫂のSSです。
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『私の笑顔がみんなの笑顔になるの……嬉しいね、プロデューサーさん!』
『おかげで吹っ切れたよっ!よーし、こうなったらやっちゃうよ、プロデューサー!』
『Pさんのおかげで私、変われたと思うの。アイドルのお仕事も、アイドルの自分も……その、楽しめてると思うから』
『ステージからの景色は光の海みたい!でもあたし一人で泳いでるわけじゃないんだ。プロデューサーこれからもヨロシク!』
『私ね……アイドルになってよかった。……自分のことを嫌わなくていいから。Pさんが私を変えてくれたからね』
『アイドルってたくさんいるから、一等星になるのは大変だよねっ。でもあたし、プロデューサーを信じてるからさっ!』
◇
「……っぷはぁー!んー……っ、やっぱり泳ぐのは気持ちいいねプロデューサー!」
「櫂が楽しかったならよかった。裕美も一緒に泳いで来たらどうだ?」
関裕美「私そんなに泳げないから……こうやってプールサイドでぱちゃぱちゃしてるのも楽しいし……」
西島櫂「そんなこと言わないでさー。裕美もプロデューサーも泳がない?楽しいよー!」
裕美「櫂さんみたいに上手に泳げないし、それに髪もくるくるしちゃうから……」
櫂「あははっ、気にしない気にしない!髪は濡れても乾かせばいいんだからっ!……そーれ!」
裕美「えっ?か、櫂さん足引っ張らないでぇー……!」
P「お、裕美が着水した」
裕美「わっ、……もうっ、櫂さんっ」
櫂「泳げないってわけじゃないんでしょ。プールにきたなら折角だし、泳いで行かないとね!」
P「楽しんでいけよー。この後の予定は特に決めてないけど、夜には事務所に戻るからな」
櫂「分かってるよっ。それじゃ裕美、25m泳いでみよっか」
裕美「いけるかな……。やってみるけど」
櫂「それじゃ、よーいスタート!」
裕美「えっ、競争なの!?すぅー……やっ!」
P「(勝負にならんだろうと思ったけど、櫂の方時々止まって様子窺ってるな)」
裕美「ぷはっ……、……はっ……、んっぅ……!」
櫂「足の先まで意識して!もう少し!もう少しだよ!」
P「(勝負でもなんでもなくなってるな)」
裕美「はっ、はっ、はーあぁーっ……!」
櫂「おめでとっ!しっかり泳げるじゃん!もう一本行く?」
裕美「ちょっと……待って……、いき、ととのえ、させて……ください」
櫂「あははっ、ごめんごめん。裕美と一緒に泳ぐの楽しいから、ついテンション上がっちゃって。無理はしなくていいよ」
裕美「レッスンで体力ついたと思ったけど……はっ、櫂さんと比べると……まだまだだって……思えちゃうな」
櫂「んーん。身体の使い方の違いかな?普段のレッスンと水泳じゃ力の入れるところも違うし、普段のレッスンだと裕美もあたしについてきてるの中々やるやん?」
裕美「私もアイドルだから……ねっ。はぁ、でも、泳ぐと髪が……」
櫂「水に濡れてる裕美の髪も可愛いと思うけどなっ。さーてとっ、もう一本、は厳しいかな?」
裕美「はい、ちょっと……」
櫂「わかったよっ、それじゃ……おーい、プロデューサー。ビーチボール膨らませてーっ!」
P「あいよっ。膨らましてくるから待っててくれー」
櫂「ボールで遊ぼうかっ。こう、ぽんぽーんってね」
裕美「ビーチーバレー……?でも、砂浜じゃないし、なんて言うのかな?」
櫂「難しい事考えなくていいって!楽しめればそれでよしっ」
裕美「うん。私と、櫂さんとPさんとで、折角のプール楽しまないと、だねっ」
櫂「そーそー!プロデューサーにお休み調整してもらって来たんだから、プロデューサーからの誕生日プレゼント楽しまないと!」
裕美「はいっ」
P「夜にはまた事務所でパーティーするから、その時には別のプレゼント用意してあるからなー。はい、膨らませてきたぞ」
櫂「ありがとうプロデューサー。よしっ、それじゃ落とさないようにして……いくよっ、裕美!」
裕美「わっ、わっ……、ぴ、Pさんっ!?」
P「OK、それじゃ、櫂、これとれるかなー!」
櫂「遠いけど、いけるいける!」
裕美「届くんだ、すごい……あ、私!?あ、あー……っ」
櫂「あははっ、裕美落としちゃったね。それじゃ、次は裕美からどっちでもいいよっ」
裕美「それじゃあ……えいっ!」
櫂「ナイストース!チームの子たちともこんな風に遊んだっけな!」
P「(……楽しそうでよかった。やっぱりアイドルは笑顔だよなぁ……それにしても……)」
櫂「そーれっ、とぉー!」
裕美「ふわっと、ふわっと……やっ!」
P「(ビーチボールが3つ、ソフトボールが2つ…)」
櫂「アタッーーーク!!!」
P「ほべらっ!!!!」
裕美「Pさーーーん!?だ、大丈夫?」
櫂「ごめんっ、ついテンションあがちゃって……。大丈夫?痛くない」
P「痛くない痛くない。むしろありがとうございます」
裕美「……なにそれ」
P「謝るからその冷たい目線止めて」
◇
P「『それじゃ、着替えて入り口で待ち合わせなー』……とは言ったけど……。遅いな」
P「裕美が髪を乾かすのに苦戦してるとか……でも、更衣室にドライヤーあったよな?」
裕美「Pさん、おまたせっ」
櫂「……おまたせしましたぁー……」
P「櫂元気ないけどどうした?」
櫂「いやー……、裕美って髪凄いやん?」
P「あぁ、凄いな」
櫂「それでさぁー……。ちょっと眺めてたの。どうやってあんな風に編みこんだりするのかなーって……じーっと」
P「ふむふむ」
裕美「じっと見られてたから、ちょっと編んでみます?って櫂さんにお願いしたの」
P「あぁ、それで遅くなったのか。別に待っていたのは気にしていないぞ。何なら今来たところだ」
櫂「そうじゃなくて……全く綺麗にできなくてへこんでる……」
裕美「多分、私の教え方が悪いから、櫂さんは気にしなくてもいいのに……」
櫂「あたし髪のセットとかしたことないからさ……ちょっと憧れてたけどこんなにも上手くいかないのかってのが……」
P「櫂の髪形俺は好きだぞ。それに人の髪を触るのは難しいって聞くし、気にしない気にしない!それじゃ、事務所で2人の誕生日パーティーだ!美味しい料理とプレゼントとケーキ用意してるからな!」
◇
櫂「はーっ……。事務所のみんな、こんなにたくさんプレゼント用意してくれてたんだ」
P「なんたって同じアイドルの仲間だからな。みんな櫂や裕美のことが好きなんだよ」
櫂「アイドル……アイドルかぁ、今でも時々怖くなるんだよね。あたしがこんな風に楽しんでいていいのかなーって」
櫂「最初は不審者としか思わなかったあんたが実はアイドルのプロデューサーで、アイドルになってプールの代わりに光の海を泳いで……」
櫂「楽しいけど、楽しいけど……。また、前みたいに伸び悩むんじゃないかって、思うんだ」
櫂「好きなものが好きなまま嫌いになっていく……。そんな、漠然とだけど不安が背中に貼り付いてくるんだ。そんなこと、誰にも言えないけど」
P「俺には今言ってないか」
櫂「プロデューサーはいいのっ、何たってあたしのプロデューサーだからさっ!」
P「そう言って貰えると嬉しいな。不安があるのなら、俺や事務所の皆が支えるから、櫂は自分の好きなようにすればいい。それがきっと櫂が一番魅力的に輝く手段だから」
櫂「もちろんっ!あたしはあたしらしく、自由形でこのアイドルの荒波を乗り越えるからねっ!」
P「おうっ!目指すはトップアイドル!改めて、誕生日おめでとう!」
櫂「……へへっ、面と向かって言われると恥ずかしいけど……悪い気はしないね。……ありがと、プロデューサー」
◇
裕美「お疲れ様、片付け手伝うよ」
P「今日の主賓にそんなことさせられないって。座っていていいから」
裕美「ううん。私がやりたいからやるの。スポンジと洗剤借りるね」
P「そんなに言うなら……コップ頼む。皿は俺がやる」
裕美「分かったよ。……ねぇ、Pさん。もしも、私がPさんにスカウトされなかったらどうなってたと思う?」
P「んー……どうだろうな」
裕美「ずっと自分が嫌いで……俯いたまま大人になってたのかな。そう思うと、怖いよね」
裕美「でも、きっとそんな人がたくさんいるんだよね。私はPさんに見つけてもらえて……世界が輝いているって気づいたけど、そうじゃない人の方が多いのかなって思うんだ」
P「そんなこと考えてたのか、飛鳥じゃあるまいし」
裕美「それってどういう意味?……まぁいっか。続きなんだけど、そんな自分を変えてくれたのはPさんだから……。うん、ごめん。言葉が思いつかないや……」
裕美「みんながいるところだと恥ずかしいから、こうやって手伝いの代わりにPさんのところに来たけど……いざとなったら思いつかないね」
P「裕美の言いたいこと、そのままの言葉でいいぞー」
裕美「うん……。あのね、Pさん。私に優しい気持ちと、笑顔をくれて……ありがとうっ」
P「俺も、毎日裕美から優しい気持ちと笑顔を貰ってるから、おあいこだな」
裕美「それならっ、私ももっとPさんにたくさんのありがとうをあげるよっ」
P「なら俺はその上を行く!……ってキリが無いな」
裕美「ふふっ、そうだね。でも、こうやって大事な思いだから、こういう時に言葉にしておかなくちゃって思って」
裕美「ねぇ、Pさん。私を見つけてくれて、ありがとう!」
おわり
以上でおわりです。後でHTML化依頼を出します。最後まで見てくれてありがとうございました。
誕生日が一緒と言うことで気になっていた関裕美と西島櫂がまさか公式でユニット化し、櫂の裕美呼びに膝から崩れ落ちるほどの衝撃があったエンジョイメイカー。2人とも誕生日おめでとうございます。ギリギリ間に合いました。
このあとホットアートジャンピンの愛野渚が西島櫂にツイストティアラの練習台にされたり、2人とユニット組んでるのに残念ながらプールに行けなかった藤原肇がぷくーっとしているかもしれないです。
関裕美と西島櫂。本当に誕生日おめでとうございます。また1年よろしくお願いします。2人が輝かしいステージに立つ日を目指して、次の1年頑張ります。
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