モバP「伸びゆく姿」 (28)

短いですが、アイドルマスターシンデレラガールズの関裕美がメインのSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389364114

差出人:プロデューサーさん

宛先:関裕美 

件名:コデマリ、な

 コマデリじゃなくて、コデマリが正式な名前だからな。

 漢字で書くと小手毬。小さい白い花が集まってまるで

 手毬みたいに咲くからそういう名前がついたらしい。

 調べたらさ、花言葉は、裕美にぴったりの花だったよ



「元気があまってる人は、助け合いの輪をもぉーっと広げましょうー」

「雫さん、おつかれさまで……!?」

「雫殿、お疲れ様で……!?」

及川雫「あっ、裕美さんにあやめさんお疲れ様ですー。ライブの方は、終わったんですかー?」

浜口あやめ「は、はいっ!わたくしと裕美殿のライブは見事成功を収め」

関裕美「一旦休憩にはいったので、こっちの様子を見にきたんだけ……ど」

関裕美(14)
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及川雫(16)
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浜口あやめ(15)
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雫「こっちは、みんないい人ばかりですー。色んな人が献血に協力してくれてるんですよー」

裕美「うん……。雫さんの献血のキャンペーンガール、凄く似合ってると思います……けど」

雫「ありがとうございますー。何だかこの衣装、獣医さんみたいで牛さんも喜んでくれそうですねー」

裕美「(おっきい……。凄い……)」

あやめ「(里美殿もそうですが……、一体何をどうすればあのように……?)」

「ねー雫ちゃん。ジュースとお菓子のおかわり頂戴?」

雫「周子さん、待っててくださいー。今持っていきますねー」

裕美「あれ……?周子さんも雫さんと一緒にキャンペーンガールしてたのかな?」

あやめ「予定では雫殿お一人だった筈ですが、急遽呼ばれたということでしょうか?」

雫「はい、ジュースとお菓子ですよー。腕のガーゼはまだ外したらダメですからねー」

塩見周子「ありがとー!いやーやっぱり成分献血じゃないから、早く済んだねー」

榊原里美(17)
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塩見周子(18)
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裕美「って周子さん!?キャンペーンガールの仕事中に献血してたの!?」

周子「やほやほ裕美ちゃんにあやめちゃん。あたしは仕事も何もプライベートで来てるだけだからさー」

雫「周子さんは献血が趣味らしくてー。私が献血のお仕事をする時に、色々教えてくれたんですよー」

周子「ついでにあたしも最近してなかったから、ついでにね。2人もやってく?ってまだ年齢がダメだったね」

雫「私もまだ16だから、できないんですよねー。代わりに、みなさんから元気をわけてもらいましょー」

雫「受付に人が来たみたいなので、私は行きますねー。周子さん、急に立ち上がったらダメですよー」

周子「雫ちゃん頑張ってねー。……裕美ちゃんとあやめちゃんは今日お仕事なの?」

裕美「はいっ。今日は近くでライブがあって……、あやめちゃんと一緒に休憩に入ったので、こっちの様子を見に来たんです」

あやめ「裕美殿の白兎もまた、見事な出で立ちでした!」

周子「それはお疲れ様ー。それじゃ、あたしもそろそろ行くね。やっぱりだけど、今日の献血は男の人が多いからさ、何かあると嫌だしね」

あやめ「確かに、殿方の姿が多く見受けられますな。……雫殿の気持ちが世の殿方に助け合いの輪を生み出したということですね!」

周子「いやいやそんな大層なもんなじゃないって、下世話な目的ばっかりだよ。例えば……ほら、今受付している人見てみ、目線がすごく分かりやすいからさ」

裕美「目線……?あ、あー……」

周子「横から見ると凄い分かりやすいよねー。それじゃ、あたしはこれにて御免……で、いーんだよねあやめちゃん」

あやめ「はい、お気をつけて!裕美殿、わたくしもそろそろ戻ります。くノ一あやめ!いざ推して参る!」

裕美「私も戻ろうかな。次も頑張らないと……!」

あやめ「では、2人で戻りましょう!」

裕美「うん、次のステージ、私は新しい衣装を着てライブするんだ」

あやめ「裕美殿の新しい衣装ですか……どんな衣装でしょうか……ハッ!もしやくノ一で……!?」

裕美「違うよっ!……普通の、可愛い衣装……だよ」

あやめ「そうですか!裕美殿が新たな装束を纏い、ライブで舞う姿、陰ながら応援させていただきます!」

裕美「ありがとう。あやめちゃん。……ふふっ、私も楽しみなんだ」

あやめ「楽しみ……とは、一体?」

裕美「応援してくれるファンのみんなに、笑顔を返すことができるから、ね♪」



裕美「どうかな?Pさん?……似合ってるかな?」

モバP「おう!凄く似合ってるぞ!」

裕美「ありがとう、Pさん。……もうすぐ、私の出番だね」

モバP「そうだな。緊張しているか?」

裕美「しているよ。でも、それ以上に、早くステージに立って、この可愛い衣装をファンのみんなに見せたいの」

モバP「おいおい、その言い方だと、可愛いのは衣装だけみたいになるだろ?」

裕美「ふふっ、この衣装、可愛いから、……私なんかが……って昔の私なら思ってたかも」

裕美「でも今は違うんだ、可愛い衣装、似合ってるかは自信がないけど……だからこそ、笑顔で頑張るからね」

裕美「ねぇ、Pさん……私、変われたのかな?」

モバP「変わったなぁ。初めて会った頃は、アンタなんて呼ばれてたのが、もう昔の話みたいだ」

裕美「……!そ、それは忘れて!は、恥ずかしいから……!」

モバP「忘れられるか。……昔の、自分なんかがって言い張る裕美がさ、どんどんアイドルとして成長していって……」

モバP「本当に綺麗に笑うようになってさ……。それを忘れるなんて、とんでもない!」

裕美「む、昔はいいでしょ!私だってあの頃は色々とあって……!」

モバP「私って可愛くないよね……?目つきがきついし……別に可愛くもないし……」

裕美「それ私なの!?似てないっ!全然似てないよっ!」

裕美「もうっ……!」

モバP「ははっ、悪い。でも、裕美が変わったのは本当だからな。自分に自信がなかったのに、変わりたいってアイドル続けて」

モバP「それで笑顔が可愛いアイドル、裕美に変われたんだ。……よく頑張ってきたな」

裕美「Pさん、それは違うよ」

裕美「私はね、ずっと自分に自信がなかったんだ。……目つきがきつくて、怖がられて……。そんな自分が嫌で、変わりたかったの」

裕美「でも、私みたいな可愛くないのがどんなに頑張っても意味がないのかなって思い始めて……」

裕美「そんな時にね、Pさんにスカウトされたんだ」

裕美「私が変わりたいって思えたのは、Pさんが手を差し伸べてくれたからなんだよ」

モバP「俺はそんなに大層なことをしていないぞ。ここまでこれたのは、裕美が頑張ってきたからだ」

裕美「私が頑張れたのは、Pさんがいたからだよっ……だから、ステージに上がる前に、これをあげるね」

モバP「これは……ネックレスか?」

裕美「うん。私が作ったんだ。Pさんスーツばっかりだから、付けないかなって思ったんだけど」

裕美「Pさんに似合うアクセを考えて作ったから、貰ってほしいな……。前の人が終わりそう……そろそろだね」

モバP「出番だな。……裕美、ネックレスありがとうな、毎日事務所に付けてくるよ」

裕美「ふふっ、いいよ、無理に付けなくても」

『ありがとうございましたー!次のアイドルは―――』

裕美「出番だね……。私がどれだけアイドルとして成長できてるのかPさんに見てほしいんだ」

『ファンシースパイリーア、関裕美さんです!』

裕美「じゃあ……いってきます!」



裕美「今日のLIVE、楽しかったなぁ……」

裕美「新しい衣装も可愛かったし……あ、そういえば……」

裕美「携帯、携帯……。えへっ、衣装の写真撮ってもらったから、Pさんに送ってあげようっ」

裕美「それと、衣装のモチーフのスパイリーアって、コマデリって花なんだって。Pさんにも教えてあげよっ。……送信っ」

裕美「……もう返ってきた。えっと……えっ、あの花コマデリって名前じゃないの!?」

裕美「間違えてたんだ……うぅ、恥ずかしい……」

裕美「でも、花言葉って……、私にぴったりってどういうことかな?」

裕美「どういう意味なんですか……っと、送信」

裕美「えっと、コデマリの花言葉は―――」

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