【学校】
毒舌少女「……」ポツン…
男「あいつ……いつも一人でいるけど、どうしてなんだ?」
友「知らないのか? あの女、噂によるとすっげえ毒舌らしいぞ。近寄らない方が身のためだ」
男「毒舌ねえ……」
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放課後――
毒舌少女「……」スタスタ
男「なぁ」
毒舌少女「!」
男「お前、毒舌なんだってな?」
毒舌少女「そうよ」
男「ふぅーん」
男「だったら俺にもその毒舌っぷりを見せてくれよ」
毒舌少女「いいわよ」
男「まあ、毒舌を自称してる奴の毒舌なんてたかが知れてるけどな」
毒舌少女「……」
毒舌少女「……」ベローン
男「!?」ギョッ
毒舌少女「どう?」ベローン
男(こいつ、ベロの長さが……1メートルぐらいある!)
毒舌少女「それっ」ベロォン
男「うわっ!(なめられた!)」
男「!」ビクビクッ
男「うっ、体が……!?」ドサッ
毒舌少女「私の舌には即効性の麻痺毒が備わってるの」ベロンッ
毒舌少女「私のことをいじめようとした奴は、みんなこの毒で倒してきたわ」
毒舌少女「今じゃこのことを知らない人も、私のことを毒舌と認識するようになって」
毒舌少女「おかげでわずらわしい交友関係を持たなくて済んで感謝してるわ」
毒舌少女「ああ、安心して。毒自体は10分ぐらいで消えるし、後遺症も残らないから」
毒舌少女「じゃあね、おバカさん」スタスタ
男「ううう……」ピクピク…
翌日――
男「よう」
毒舌少女「昨日の今日でなんの用よ」
男「リターンマッチだ」
毒舌少女「バカじゃないの? ま、ヒマだから相手してあげるけど」
毒舌少女「……」ベローン
毒舌少女「てやっ」ペロォン
毒舌少女「はい、おしまい」
男「……」ニヤッ
毒舌少女「!」
毒舌少女「な、なんで!? なんでシビれないのよ!」
男「実は昨日帰ってから、お前の毒の症状を知り合いの医者に相談したら、解毒剤をくれたんだよ」
男「で、今は事前にそれを飲んであるってわけだ。だから毒は効かない」
毒舌少女「な……!」
男「今日は俺の勝ちだ!」
毒舌少女「毒をどうにかしたぐらいで私に勝ったと思ってるの? バカね」ベロォン
男「うわっ!(舌が腕に巻きついてきやがった!)」
毒舌少女「そらっ!」グイッ
男「わっ!」ドシーン
男「いたたたた……!」
毒舌少女「ざまあないわね」
毒舌少女「私の舌は最長二メートルまで伸びて、しかも結構力が強いのよ」レロレロ
毒舌少女「つまりあんたみたいなバカ、簡単に投げ飛ばせるってわけ!」
男「うぐぅぅ……!」
三日後――
男「ちわっす」
毒舌少女「またあんた? まだ懲りてないなんて、ホントにバカなのね」
男「三度目の正直だ! 今日こそお前に勝つ!」
毒舌少女「ふん、かかってらっしゃいな」
毒舌少女「ていっ!」ベロォン
男「解毒剤を飲んであるから、毒は通じない!」
毒舌少女「だったら舌を巻きつかせてやる!」シュバッ
男「お前の舌の動きを思い出し……この三日間、どう動けばいいかシミュレートしてきた!」ササッ
毒舌少女「かわしたっ!?」
男「今だッ! 一気に接近する!」ダッ
毒舌少女「ぐ……!」
男「さあ、近づいたぞ。この距離じゃ、舌を巻きつかせるのもかえって難しいだろ」
毒舌少女「私の負けね……」ベロォンッ
毒舌少女「さあ、とっとと好きにしなさいよ! このバカ!」
男「分かった……じゃあ好きにさせてもらう」
毒舌少女「うう……」ビクッ
男「ずっと前から好きでした。付き合って下さい!」
毒舌少女「へ……?」
男「実は俺、ずっと前からお前のこと可愛いと思ってたんだ」
男「だから付き合いたいなぁ、と思って話しかけたら……変なことになっちゃったけど」
毒舌少女「ハァ? バカじゃないの!? あんたこの舌の長さを見たでしょ!?」ベローン
男「ああ、おかげでさらにお前に惚れちまったよ……」
毒舌少女「な……!」
男「付き合ってくれるのか? くれないのか?」
毒舌少女「……ま、まあ別にいいけど。暇つぶしにバカと付き合うのも悪くないし」ベロンッ
男「ホント!? やったぁ!」
男「……ところでさ」
毒舌少女「なによ、バカ」
男「お前って、毒舌なわりに悪口のボキャブラリーは少ないよな」
毒舌少女「ほっといてよ、バカ!」ベロンッ
おしまい
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