穂乃果「もうひとりじゃないよ」 (40)

ことほの。

TVアニメとはルートが違います。ご了承ください。

更新は不定期。

よろしくお願いします。

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ことりちゃんが海外へと留学した。

それはあまりにも突然で。

あまりにも急すぎる出来事で。

信じられなかった。

ことりちゃんがいなくなるなんて。

この音ノ木坂からいなくなるなんて。

私の前からいなくなるなんて。

信じられなかった。

今までずっと隣にはことりちゃんがいてくれたのに。

いつも傍で笑っていてくれてたのに。

ある日、突然私の目の前から消えてしまったのだ。

「穂乃果、あなたは何も悪くないのですから……」

海未ちゃんはそう言って私のことを慰めてくれる。

「だからそんなに自分を追い込まないで下さい」

私、知ってるんだ。ことりちゃんは何も悪くないってこと。

もちろん、海未ちゃんだって何も悪くない。

全ては、私が悪かったんだなって。

心の中では分かってたのに。

私は、ことりちゃんを責めてしまったのだ。

「どうして、言ってくれなかったの」

「私と海未ちゃんとことりちゃんはずっと……」

「分からないよ!!」

私はことりちゃんを一方的に責めてしまった。

そして。

そのままことりちゃんは、私の前から去っていった。

「穂乃果」

「まだ自分を責めているのですか?」

「何度も言いますが、穂乃果に非はありません。」

海未ちゃんはいつも私の味方をしてくれる。

「ことりはいつも言ってました。」

「穂乃果に相談したら、何て言うんだろうって。」

「いつもそればかりでした。」

「ことりは穂乃果を悪く言ってたことなど、一度もありませんでした」

「でも」

それでも私は。

「ことりちゃんは他人のことを悪く言うような人じゃないよ。」

「ことりちゃんだって私のことを悪く思ってるに違いないよ」

それでも私は自分を責め続ける。

「逆に問います。穂乃果のどこに非があると言うのですか?」

「私がちゃんと周りを見てれば」

それでも。

「ことりちゃんのことをもっと気にかけていれば」

「間違いなくこんなことにはなってなかった」

「目の前のことにしか目を向けてなくて」

「自分のことにしか目を向けてなかったから」

「だからことりちゃんは」

私に非があるようにしか思えなかった。

自分を責めることしか、出来なかった。

果たして私は。

高坂穂乃果は。

南ことりという1人の人間に必要とされていたのだろうか。

私はことりちゃんの幼馴染みだ。

小学生の頃から常に一緒。

登下校も、遊ぶときも、何でも。

いつも隣にはことりちゃんがいた。

ある時は海未ちゃんも交じって3人で、ある時はことりちゃんと2人だけで。

たくさん遊んだ。

ある時は公園でかくれんぼをして。

ある時は木の上に登って。

いろんなことをした。

ある時はことりちゃんに誘われて。

ある時はちょっと強引に連れていって。

ある時は笑って。

ある時は泣いて。

そしてまた笑って。

いろんな思い出をを共有してきたことりちゃんは

もう私の前には、いない。

心には決して癒えることのない、大きな、大きな穴が空いていた。

今日はここまで。間隔が空きすぎてました、すみません。次の投稿まで少し間が空きそうです。

次もよろしくお願い致します。

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