穂乃果「海未ちゃんが増えた」 (301)

穂乃果「海未ちゃーん」

海未「はい」

海未「なんですか?」

海未「どうしたんですか穂乃果」

穂乃果「……え?」

海未「「「………」」」

海未「「「……あれ?」」」

海未1「一体何が起こったって言うんですか…」

海未2「本当に私…?ニセモノなんじゃ…」

海未3「わ、私は本物ですよ!?」

海未4「穂乃果…穂乃果、かわいいです!穂乃果…!」スリスリ

海未5「わけが分かりません…」

海未6「夢でも見てるんでしょうか…」

穂乃果「はわわ…どんどん増えてる…!?あと海未ちゃん離れて」

海未4「穂乃果ぁ…」ハァハァ

穂乃果「誰が本当の海未ちゃんなの…?」

海未's「「「「「「私です!」」」」」」

海未's「「「「「「…人の真似をしないでください!なんなんですか貴女達は!」」」」」」

海未4「穂乃果、結婚しませんか?」

穂乃果「埒があかないなぁ…あと海未ちゃんちょっと黙ってて」

穂乃果「……そうだ!」

穂乃果(穂乃果と海未ちゃんはこれから一緒に遊びに行く約束してたんだった)

穂乃果(その事を知ってる海未ちゃんが本物の海未ちゃんだ!)

穂乃果「海未ちゃん達!」

海未's「「「「「「はい?」」」」」」

穂乃果「問題です!今から穂乃果と海未ちゃんは何をする予定だったでしょう!?」

海未1「今から穂乃果と遊びに…」

海未2「ラブライブに向けて練習です」

海未3「予定?そんなのありましたっけ…?」

海未4「レズセ」

海未5「スクールアイドルフェスティバルに向けてのミーティングです」

海未6「これから9人目のメンバーを探しに行くと言ったじゃないですか」

海未7「私はこれから弓道部の練習ですが…?」

穂乃果「この海未ちゃんが本物です!!」

海未1「穂乃果…!」パアァ

海未's「「「「「「え!?」」」」」」

海未4「どういう事ですか穂乃果!?今日の夜は二人だけで朝まで体で語り明かそうと」

穂乃果「黙って」

海未2「遊びに行く?そんな暇はありません!今が一番大事な時期なんですから!」

海未3「練習の話も、遊びに行く話も聞いていませんが?今日は真っ直ぐ帰るって言ったじゃないですか」

海未5「よく分かりませんが…ミーティングはどうするんですか?穂乃果」

海未6「練習?ミーティング?…それも大事ですがまずはメンバーを」

海未7「ら、ラブライブ?フェスティバル?何の事やらさっぱり…!」

穂乃果「みんな別々の事言ってる」

海未1「でも言い分を聞いていると、全員私のようではありそうですね…いったいなんなんでしょう」

希「これはこれは、ファンタスティックな光景やね」

穂乃果「希ちゃん!」

海未1「希、どういう事ですか?まさかこれ、希の仕業じゃ…」

希「まさか、いくらうちがスピリチュアルやからってこんな事できるわけないやん!」

海未4「希!穂乃果に近づかないでください!!穂乃果の半径1m以内に近寄っていいのは私と」

希「プシュッ☆」ゴシャアァ

海未4「ごふっ…!」ドサッ

穂乃果「っしゃあ!!」

海未1(変態とは言え、自分と同じ姿をしていると哀れですね…)

希「さて…」

海未3「希、今日はアルバイトだと言ってませんでしたか?」

海未6「……今日の希は何か制服が違うような」

海未7「生徒会副会長!」ビクッ

穂乃果「見た目は全員海未ちゃんなんだけど、言ってる事がみんな違くて…」

海未「これは一体どういう事なんでしょう」

希「これは……全員海未ちゃんであって海未ちゃんでない」

穂乃果「?」

希「ここにいる海未ちゃん達は、並行世界からやってきた違う時間軸の海未ちゃん達や!」バーン

穂乃果「えーーーーーーーっ!!?」

海未「並行世界…?」

希「『もしも』の世界、ゆーことやね。たとえば…」

希「そこの海未ちゃんはきっと、穂乃果ちゃんと海未ちゃんが付き合ってる世界から来たんとちゃうかな」

海未4「そうです!私と穂乃果は赤い糸で結ばれた運命!!心と体で繋がった関係なんです!」ハァハァ

穂乃果「うわ復活した」

海未4「こっちの穂乃果は少々素っ気ないですが…それもまたいいですね!やっぱり穂乃果は最高です!!」ハァハァ

穂乃果「この海未ちゃんやだ…」

海未4「あっはああああん!言葉責めえええええええええ!!」ビクンビクン

海未1「うっわ…」

穂乃果「この変態海未ちゃんも海未ちゃんなの…?」

希「うん、世界が変わっても人は変わらない。ただそこでどんな生き方をしたかだけは違う…」

希「だから海未ちゃんが穂乃果ちゃんへの愛に目覚めたらきっとみんなこうなるんやと思うよ」

海未1「はぁ!?私がですか!?」

海未2「ありえません!こんなふしだらな…!!」

海未3「そうです!私はもっと、しゃきっとしてます!」

海未5「こんな変態になるなんてありえません!」

海未6「それは、穂乃果の事は好きですが…って、何言ってるんですか私は!」

海未7「この私は弓を引いて心を落ち着けるべきですね」

海未8「クズ!!」

希「キミ、みんなから拒絶されとるよ」

海未4「私は穂乃果さえいれば他はどうでもいいですよ」

希「ともかく…この状況をどうにかする必要があるね」

海未1「どうすればいいんでしょう」

穂乃果「みんな元いた世界に戻ればいいんだよ、みんなはどこから来たの?」

海未4「私はいつでも穂乃果のいるところにいますよ」

海未2「どこ…と言われても」

海未7「私はいつも通り練習に行こうとしたんです、なのにいつの間にここに…」

海未's「「「「私達もいつの間に…」」」」

穂乃果「うーん…?」

希「八方ふさがりやね」

希「仕方ない、一回みんなのところに行ってみよか」

穂乃果「部室にも別の海未ちゃんがいたりしてね」

海未1「止めて下さいよ…頭が痛くなってきました」



穂乃果「みんなー、いるー?」ガチャ

凛「あ、穂乃果ちゃん!それに希ちゃんと……海未ちゃん!?」

ことり「え!?」

海未9「………えっ」

海未1「…なんでいるんです」

真姫「え!?海未ちゃんが二人!?」

海未2「あ、みんなお揃いで」

海未4「この部室も懐かしいですね」

海未7「この教室の中…こんな風になってたんですね」

海未6「知りませんでした」

にこ「二人じゃない!?」

花陽「海未ちゃん増えちゃったのぉ!?」

希「かくかくしかじかなんよ」

海未1「これで、えっと…9人?ですか…」

穂乃果「何人増えるのかな…」

にこ「なんとか世界?の海未ちゃん…なんかキャラ違うから変な感じねー」

ことり「すごーい♪全部海未ちゃん?可愛い~♪」

海未5「世界が変わっても、ことりはあんまり変わらないですね」

穂乃果「9人…海未ちゃんだけでμ'sが組めるよ!!」

海未1「嫌な光景ですね…」

絵里「残念ながら9人だけじゃ終わらないみたいよ」ガラッ

希「あ、絵里ち」

海未1「終わらないと言うと…まさか」

絵里「こっちにも一人、海未が来てたわよ」

海未10「絵里ちゃーん!海未ですよー!!」

穂乃果「また増えた!!」

海未1「次から次へと…!!」

にこ「なんか…この海未ちゃんどっかで見たことあるような…?」

ことり「部室が一気ににぎやかになったね♪」

真姫「にぎやかになりすぎでしょ!……っていうか狭いし!!」

海未1「何人か外に出てください!」

海未4「穂乃果から離れたくありません!!」ギュッ

穂乃果「離れて」

希「海未ちゃんが増えるばっかりで、問題は何も解決せんね」

穂乃果「海未ちゃん達、今日の宿はどうするの?」

海未3「どうするもなにも…普通に家に帰りますが」

海未1「ダメですよ、この世界の海未は私一人なんですから」

海未1「突然10人の私が帰ってきたら家の者がびっくりします」

海未4「じゃあ私は穂乃果の家に泊まります!!」バッ

穂乃果「え!?」

海未6「だ、ダメですよ!他はともかく貴女が穂乃果の家に泊まるのは絶対に許しません!!」

海未4「私に死ねと!?」

海未8「死ねよ」

海未10「あたしは絵里ちゃんちに泊まりたいです!」

絵里「え…?まぁいいけど…」

かくして決戦の火蓋は斬って落とされた
海未ちゃん4と海未ちゃん6の大舌戦
絵里ちにべったりな海未ちゃん10
居心地の悪そうな海未ちゃん7
スマフォをいじりはじめる海未ちゃん5
その他もろもろ
海未ちゃん'sの真剣勝負、女と女のじゃんけんバトルの結果…
穂乃果ちゃんの家には海未ちゃん2が泊まる事になり、
他の海未ちゃんもμ'sのメンバーの家に泊まらせてもらう事になったのだった
ちなみに海未ちゃん4は誰も引き取り手がいなかったのであった


海未2「それではすいませんが…よろしくお願いします」

穂乃果「うん!いいよ!」

穂乃果4「穂乃果!!穂乃果ぁ!!穂乃果穂乃果穂乃果ああああああああああ!!!」

希「あかん!発狂しおった!」

真姫「誰か止めて!!」

穂乃果「今日はなんだか大変な一日だったね…」

海未2「はい…正直、ちょっと疲れました」

穂乃果「ご飯もお風呂も済ませたし…もう寝ちゃおっか?」

海未2「穂乃果、宿題は済ませたんですか?」

穂乃果「……まだです」

海未2「まったく…手伝ってあげますから早く終わらせましょう」

穂乃果「海未ちゃん2は宿題ないの?」

海未2「私の世界では今日は宿題は出てませんから」

穂乃果「ちぇー、ずるいなー」

穂乃果「ねぇ海未ちゃん」

海未2「なんですか?」

穂乃果「海未ちゃんのいた世界の音ノ木坂ってどんなところ?」

海未2「そんなにこっちと変わらないですよ、みんな頑張って練習してます」

穂乃果「…音ノ木は廃校になりそう?」

海未2「…なりそう、ですね」

穂乃果「そっか…やっぱりそうなんだ」

穂乃果「他の海未ちゃん達がいた世界には、廃校にならない音ノ木があったりするのかな?」

海未2「そうかもしれませんね」

穂乃果「並行世界の音ノ木はどんなところなのかな」

穂乃果「気になるな…変態な海未ちゃんがいたところとか」

海未2「あの私は…何故あぁなったのか…」

穂乃果「そういえば希ちゃんは、世界が変わっても人は変わらないって言ってたけど」

穂乃果「他の海未ちゃんも何かあったらあぁなっちゃうかもしれないって事かな?」

海未2「な!?わ、私はなりませんよ!!そんなわけないじゃないですか!」アタフタ

海未2(……たぶん)

穂乃果「あはは、冗談だよ!」

穂乃果「……ふわぁ~あ」

海未「あ、もうこんな時間…そろそろ寝ましょうか」

穂乃果「うん」

海未2「おやすみなさい、穂乃果」

穂乃果「おやすみ…」



海未2「………」

穂乃果『他の海未ちゃんも何かあったらあぁなっちゃうかもしれないって事かな?』

海未2(なるわけないじゃないですか、あんなの私じゃありません)

海未2(穂乃果とは長い付き合いですし、嫌いじゃないですけど…あんな病的なまでな好意は流石に)

海未2(私の穂乃果への想いはもっと純粋です、あんな力任せに求めるようなものでは…)モヤモヤ

穂乃果「………」

穂乃果(そういえば、変態海未ちゃんはどうしただろう…泊まる家ないよね)

穂乃果(よく考えてみたら女の子が泊まる場所が無いなんて危ないよね…)

穂乃果(海未ちゃん…!)ガバッ

ガチャッ バタン

海未4「……へっくしょん」

海未4「うぅ…寒いですね、流石にこの時期に野宿は辛いです」

海未4「ですがここは穂むらの軒下!!すぐそこに穂乃果がいると思えば寒さなど!!」

海未4「空腹も!寒さも!眠気も!穂乃果がいてくれれば我慢できますっ!!」

海未4「何故なら私を突き動かす全ての原動力は穂乃果から供給しているからです!穂乃果は私の……あっ」ドサッ

海未4(あ、あれ…体に力が)

海未4「ど、どうやら私は…自分が思ってたより疲れてたみたいですね…」

海未4「………くっ」

???「…………」ザッ

海未4「だ、誰……?」

穂乃果「海未ちゃん!」

海未4「ほの……か………」

穂乃果「よかった…!思ったより近くにいた…!っていうか店先だった…」

穂乃果「ごめんなさい!海未ちゃんの事、ほったらかしになんてして…!」

穂乃果「寒かったよね?早く家の中に…」

海未4「穂乃果……」ギュッ

穂乃果「ひゃっ!?冷たっ!!」

海未4「ちょ、ちょっとの間…このままで…」ブルブル

穂乃果「うん…ごめんね…」

穂乃果「よしよし…」スリスリ

海未4「あぁ…穂乃果は暖かいですね」

穂乃果「今は海未ちゃんが冷たいんだと思うよ?」

海未4「いえ、穂乃果は暖かいですよ。いつもベッドの中で…」

穂乃果「止めなさい」

海未4「すいません」

穂乃果「もうっ!この海未ちゃんは本当にエッチなんだから」

海未4「エッチじゃないです!これは私と穂乃果との間での愛情表現なんです!」

穂乃果「え…向こうの世界の穂乃果といつもこんな感じなの…?」

海未4「はい!」

穂乃果「うっわ」

穂乃果(向こうの穂乃果…海未ちゃんとどんだけラブラブなの…?)

海未4(おや…穂乃果が考え事モードに入りましたね、暗くても匂いで分かります)クンカクンカ

穂乃果(穂乃果がもし海未ちゃんと付き合ったら、この海未ちゃんみたいになっちゃうって事かな…)

海未4(チャンスです!今のうちにパジャマ穂乃果の体温と香りと感触を思う存分堪能です!)ハァハァ

穂乃果(いやいや無い無い!っていうか穂乃果と海未ちゃんは女の子同士だし!)

海未4(世界が変わっても穂乃果の体温と香りと感触は変わらない、素晴らしいですね)ハァハァ

穂乃果(そう考えるとこの海未ちゃんの世界って…?『女の子同士で恋愛してる世界』とか?)

海未4「はぁはぁ…穂乃果…!」デレデレ

穂乃果「って、何してるの?」

海未4「おっと、つい声が」ハッ

海未2「結局連れてきちゃったんですか」

海未4「お邪魔します」

穂乃果「だって流石に野宿は…」

海未2「それはそうですが…」

穂乃果「静かにしてれば家族のみんなにもバレないと思うし…ね?」

海未4「穂乃果の布団はいつ潜っても最高ですね」モゾモゾ

穂乃果「何してるの!!?」

海未2「穂乃果!しーっ!!」

海未4「すー…すー…」Zzz

穂乃果「寝ちゃった」

海未2「なんて厚かましい私……っていうか本当に私ですかこの人」

穂乃果「うーん…でもずっと外にいて疲れてたみたいだし、仕方ないんじゃないかな?」

海未2「穂乃果、こっちの布団で寝ますか?」

穂乃果「…………」

穂乃果「うぅん、穂乃果はベッドで寝る」

海未2「!?」

穂乃果「だ、大丈夫だよ!変態海未ちゃんも寝てれば無害だし…」

海未4「穂乃果……穂乃果、うふふふふふ」Zzz

海未2「………本当に無害ですか?」

穂乃果「たぶん、おそらく……きっと」

海未2「それじゃ…おやすみなさい穂乃果」ゴロン

穂乃果「うん、おやすみ海未ちゃん」

穂乃果「………」

海未4「………」Zzz

穂乃果「おやすみ、海未ちゃん」



穂乃果「…………」

海未4「…………」Zzz

穂乃果(なんだか眠れないなぁ)

穂乃果(明日も学校だし、早く寝ないと…)

海未4「穂乃果、眠れないんですか?」

穂乃果「っ!?」ビクッ

穂乃果「う、海未ちゃん起きてたの」

海未4「いえ、寝てましたが穂乃果が眠れない気配を感じて…」

穂乃果「なにそれ怖い」

海未4「元いた世界では私と穂乃果はいつも一緒に寝てますからね!穂乃果が寝てるかどうかなんて寝てても分かります」

穂乃果「………」

海未4「穂乃果?」

穂乃果「ほ、ほんとに一緒に寝てるの…?」

海未4「えぇ、一緒に住んでますから」

穂乃果「住んでる!?同棲してるの!?」

海未4「はい」

穂乃果(一体どんな世界なの…!)

穂乃果「えーと、あの…海未ちゃん?」

海未4「なんですか?」

穂乃果4「海未ちゃんのいた世界の穂乃果って…どんな感じ?」

海未4「どんな感じと言われても…そうですね、とても素敵です」ニコッ

海未4「でも今ここにいる穂乃果も十分魅力的ですよ、やっぱり穂乃果は最高です」

穂乃果「そういう事じゃなくてね」

穂乃果「あの…海未ちゃんと一緒にいて、どんな生活してるのかな…とか」

海未4「えっと…まず朝はお目覚めのキスから」

穂乃果「いきなりレベル高い!!!」

海未4「二人で布団の中で抱き合って、30分くらいはそうしてます」

穂乃果「長ッ!?え、何!?深いほう!?キスって深いほうの!?」

海未4「朝は忙しいからそれでもギリギリです、それなのに穂乃果は何度も求めてくるから…困ります」ポッ

穂乃果「穂乃果から!?穂乃果から求めてるの!?」

海未4「えぇ!」

穂乃果「キツい…!海未ちゃんのいた世界は一体何の世界なの…」

海未4「私のいた世界ですか」

海未4「………私の世界ではμ'sはもう解散してしまっています」

穂乃果「………え?」

海未4「他の世界の私達はμ'sに所属、もしくはこれからμ'sを作る様子でしたけど私の世界だけは違う」

海未4「私の世界は、μ'sが解散した世界です」

穂乃果「そ、それって…どういう…」

海未4「…文化祭のライブの練習で無理をして、穂乃果が倒れてしまったんです」

海未4「結果、私達はラブライブへの出場を辞退しμ'sは活動を休止」

海未4「9人は…バラバラになってしまいました」

穂乃果「そんな…」

海未4「穂乃果は…ひどく落ち込んでいました、自分のせいで何もかもが台無しになったと」

海未4「勿論誰一人としてそんな風には思っていません、運が悪かったんです」

海未4「だけど穂乃果は自分を許そうとはしなかったんです」

海未4「見ていられない程に憔悴した穂乃果を…私は支えたかった」

海未4「だから私はできうる限り。穂乃果のそばにいて、穂乃果を励ましました」

海未4「…そして、なんとか穂乃果も立ち直り、今に至るというわけです」

穂乃果「今って…」

海未4「24時間365日いつでも一緒一蓮托生一心同体新婚夫婦となった今です」

穂乃果「え…結婚まで…?」

海未4「大丈夫ですよ、私達はもう16歳ですからね」

穂乃果「そういう問題じゃな……もういいや」

海未4「…元いた世界の穂乃果、今頃どうしてるでしょう」

海未4「私は穂乃果分を補給できたからいいものの、今頃海未分不足で干上がってるのでは…心配になってきました」

穂乃果「…早く帰れるといいね」

海未4「そうですね」

次の日


絵里「……集まる時の事を考えてなかったわね」

にこ「分身した海未ちゃん達が朝から校門前に集まるところ、ばっちし見られたわね」

海未1「あぁ…どうしてこうなるんですか…!」

花陽「部室の前に人がいっぱい集まってます…!」

海未ちゃんファンA「開けてください!どうして園田先輩がいっぱいいるんですか!?」ドンドン

海未ちゃんファンB「サインください!っていうか一人下さい!!」

海未ちゃんファンC「いっぱいいるんですか!?園田先輩がいっぱいいるんですか!?」

海未ちゃんファンD「うみたそ~」

海未ちゃんファンE「出てきてください!一目だけでも!」

海未ちゃんファンF「私の周りを全員で取り囲んでください!10秒でいいです!」

海未ちゃんファンG「うーみ!うーみ!!」

海未ちゃんファンH「シャーロック!!」

穂乃果「海未ちゃん相変らずモテるねぇ」

海未2「嬉しくないです…」

凛「どうするの?このままじゃ凛たち、部室から出られないにゃ」

ことり「お母さん呼ぼうか」

海未5「理事長パワー使うんですか!?」

真姫「かくなる上はそうするしか…」

絵里「その必要はないわ」

穂乃果「絵里ちゃん?」

海未11「ここがラブライブの世界か…」ザッ

希「11人目!?」

花陽「また増えちゃったのぉ!?」

海未7「なんですかこの世界とか破壊しそうな私」

11人目の海未ちゃんの、なんかカメンにライドとかしそうな力のおかげで並行世界の海未ちゃん達は帰っていきました


海未ちゃんファンA「園田先輩いないじゃないですか!」

真姫「見間違いでしょ、人が増えるわけないじゃない」

海未ちゃんファンH「私は増えます」

希「はいはい、みんな解散!授業始まるよ?」

海未ちゃんファンF「なんだぁ…せっかく園田先輩に取り囲んでもらえると思ったのに」

海未ちゃんファンG「海未ちゃん!増えたらまた呼んでね!」

海未「あはは…増えませんよ」



海未「はあぁ…疲れました」

ことり「海未ちゃん、お疲れ様♪」

穂乃果「………」

穂乃果(変態海未ちゃん、ちゃんとあっちの穂乃果のところに帰れたかなぁ)

真姫「それにしても、海未ちゃんって本当穂乃果ちゃんの事好きよね」

海未「え…?い、いきなり何の話ですか?」

真姫「だって昨日、私の家に泊めた海未ちゃん…ずっと穂乃果ちゃんの心配してたんだもの」

にこ「あ、それにこも思った!『私がいなくて穂乃果は平気でしょうか…』って」

穂乃果「え?」

ことり「ことりも海未ちゃんと、穂乃果ちゃんの事いっぱいお喋りしたよ?」

凛「凛もにゃー!」

花陽「は、花陽も…」

希「うちはわしわししました」

海未「人の体に何してるんですか!?」

絵里「まぁ、世界が変わっても海未は海未って事よね」

穂乃果「あ…昨日、希ちゃんも同じ事言ってたような…」

希「そうそう、根本的に海未ちゃんは穂乃果ちゃんが大好き♪ってことやんな」

真姫「え…じゃあ一人だけやけに変態だった海未ちゃんいたけどもしや…」

にこ「海未ちゃん………」

海未「え゛っ…!な、なんですか!?私も同じように変態だって言うんですか!?」

穂乃果「………」

穂乃果(うぅん、穂乃果は知ってるよ)

穂乃果(あの海未ちゃんは変態なだけじゃなくて…穂乃果の事を本当に大事に思ってくれてるって事)

穂乃果(……それが、どの海未ちゃんも同じなんだって事も)

海未「誤解です!あの私はきっと何かの間違いでっ…!!」オロオロ

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「穂乃果…!貴女からも何か言って…」

穂乃果「いつも穂乃果の事、支えてくれてありがとうっ!」

穂乃果「…大好きっ!!」

海未「………っ!!」カアァ

ことり「きゃ~!!これってこれって、愛の告白!?」

希「ほらほら海未ちゃん!応えてあげな!」

海未「いっ…いきなり何を言い出すんですかっ…!?」ドキドキ

海未「あの…その、私は別に穂乃果を支えてるつもりなど無くて…!」

海未「むしろ、私の方が元気づけられる事も多くて…だから、なんというか…!」

海未「わ、私もっ…穂乃果の事……!」

海未「……~~~~~っ!!」

海未「……ちょっと外走ってきますっ!!」ダッ

穂乃果「あ!?海未ちゃん!?海未ちゃーーーーーん!!」


海未ちゃんは走った、力の限り走った
本当は聞こえていたけど、後から追ってくる穂乃果ちゃんの声が聞こえないフリをして
他の世界の自分を見ても、自分の心に聞いてみても、出すべき答えは明らかなのに
いや、だからこそ今はまだ素直になれないのかもしれない
青春とは簡単なくせに複雑なのであった
その、複雑に絡み合った迷路の上を海未ちゃんは走って走って走り抜いて…そして


海未「………ここ、どこでしょう」フラフラ

海未11「ここがほのうみの世界か…」

海未「いや…多分、違います」


海未ちゃんの冒険はまだ始まったばかりだ


おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月27日 (水) 17:13:37   ID: _drMOk3F

うむ

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