鈴「恭介!助けてくれ!理樹が泣きながら追ってくる!」恭介「……どういうことだ」 (3)

裏庭

恭介(鈴が凄い形相で読書中の俺の元に駆け寄ってきた。全力で走ってきたんだろう。既に肩で息をしている)

鈴「どーもこーもない!今日、中庭で猫の世話してたらなんかあたしを見つけるなり近づいてきたんだ!」

恭介(今の説明だけだとまったく問題がないように感じるのは俺だけだろうか)

恭介「おいおい、そりゃ理樹はお前の彼氏なんだし近寄るくらい当たり前だろ。むしろなんで逃げてくるんだよ」

恭介(もしや、もう倦怠期という奴なのか。最近の若者はませてるなあ)

鈴「だって……あっ、来た」

「……ぅ……ぐす……」

恭介「ん?………うおっ!?」

恭介(鈴が走ってきた道からノロノロと己の体を引きずるような歩きでこちらに近づいてくる生徒がいた。よく見ると、それは俺もよく知っている男だった)

理樹「鈴…鈴……なんで僕の元から離れるのさ…僕はこんなにも鈴のことを愛してるのに……!」

恭介(何故か理樹がボロ泣きで鈴に愛を囁いている。いったいどうしたらこんな事になるんだ)

鈴「……恭介はあんな状態の理樹が追ってきても逃げないのか?」

恭介「いや…えっと……」

恭介(確かに俺だったら一旦部屋に籠って真人達に助けを要請するだろうな)

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