【555】「直枝理樹 0930 心臓停止確認」【リトバス】【AB】 (330)

直枝理樹は修学旅行の最中バス事故が起こった。

友達を必至に助けた理樹、そこで最後の一人であり理樹の兄貴分でもある恭介を救いだそうとした時バスの爆発に巻き込まれた。

バス事故の時、爆発に巻き込まれた恭介と理樹。恭介の無事が確認された矢先に、みんなに対して送られてきたのは__________
_________絶望を知らせる一報だった

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401641083

葉留佳「うそだよね……理樹君」

クド「こんなのありえません」

鈴「こんなこと……あるわけない。せっかく……せっかくみんなを助けたのになんで助けたお前が……」

小鞠「うわあああああ!!理樹君が。理樹君がああああ」

唯湖「……」

美魚「どうして……どうして直枝さんが……」

謙吾「認めん……俺は絶対に認めんぞ!」

真人「理樹……あの時俺が起きていられたら……すまねえ……理樹。」

医者「皆さん。申し訳ありません。全力を尽くしたのですが……及ばず」

医者はそう語った。

謙吾「ふざけるな!!あんたのせいで……あんたのせいで理樹は!!」

真人「よせ謙吾……この人せいでこんな事になったんじゃねえんだ。」

謙吾「だが真人」

真人「皆……見送ろうぜ理樹の事」

皆が泣きながら理樹に涙ながらに別れを告げているの見ている者が居た。それは……

???「あれ、どうしてみんな泣いてるんだ?」

理樹自身だった。

理樹(あれ僕……どうしたんだろう。皆を助けて……最後に恭介を運ぼうとして……それで爆発に巻き込まれて……)

クド「ありがとうなのです……理樹」

理樹(それから体が動かなくて入院することになって……でもなおるはずで……)

理樹(皆……)

葉留佳「理樹君、助けてくれて……ありがとう。」

理樹(どうして僕が死んだみたいに話すんだ?)

真人「理樹……あの世界で交わした言葉が最後になると思ってたけど……見送る側の言葉になるとは思わなかった。」

理樹(違う僕は……)

小鞠「理樹君死んじゃやだよおおおおおおおお!!!」

理樹(死んじゃったのか?)

謙吾「お前の事は……」

理樹は目の前に暗い道があるのを感じた

理樹(あの暗い道を行くのか。それが……死なのか?)

唯湖「少年……少年……」

理樹(泣いてる。皆泣いている。あのクルガヤさんまで)

美魚「直枝さん。あなたの事は生涯忘れません」

理樹(このまま皆に看取られて死ぬのか?それも悪くないかな?)

???(本当にそうか?)

理樹(……)

???(……生きたいか?それとも死にたいか?と言うだけの話だ)

理樹(……)

???(お前は生き返ることができる。)

理樹(!!)

理樹には本能的にそれが悪魔の誘惑に思えてならなかった。いつかここでした選択を後悔し自身を地獄に突き落とすんじゃないのだろうかとすら思える。だが理樹は____

理樹(悪いけどそんな手には乗らないよ。)

???(?)

理樹(君は悪魔だ。僕の全身がそれを訴えている。僕はあの世界で皆に力を貰った。だから僕は……君のそんな甘言には騙されない!!)

???(そんなきれいごと……反吐が出るよ!!!)

理樹(!)

???(このまま君の仲間を泣かせたまま死んでもいいの?僕が悪魔?力を貰った?そんなの何の関係がある!)

理樹(それは……)

???(まあ僕は良いけどね。このまま君が死んでも。)

理樹(いやだいやだいやだ)

鈴「理樹……いままでありがとう」

理樹(このまま死んじゃうなんて……皆を泣かせたまま……このままお別れなんて)

鈴「私……理樹の事……」

理樹(もう皆と会えない何て_______)

理樹「いやだ!!!」

気付けば理樹は鈴の手を掴んでいた

医者「信じられん。ありえん。完全に心臓は止まっていたはずなのに」

看護師「奇跡だ……奇跡が起こりました。」

医者「み、皆さん下がってください。精密検査をします」

しばらくして

医者「精密検査の結果、理樹君は何処にも異常が見当たりませんでした。」

謙吾「と言うことは」

医者「ええ、もうしばらく経過を見ますがもう安心と言ってもいいでしょう。」

皆「やったーーー」

三日後

理樹「皆……ただいま」

葉留佳「理樹君」

クド「よかったのです。本当によかったのです。」

真人「ああ」

美魚「直枝さん……これからもよろしくお願いします」

小鞠は理樹を抱き寄せた

理樹「ちょ、小鞠さん」

小鞠「また大切な人……失うんじゃないかって不安だったんだよ。」

理樹「ごめん」

小鞠「もう……遠くに行ったりしないでね?」

理樹(ずき)

理樹の頭に浮かんだのはあの悪魔であった。いつかあの悪魔が僕たちの日常を壊しに来る。そんな予感が頭をよぎった

理樹「うん」

鈴「うむ、今日だけは特別に許す」

理樹「鈴は何様だよ~」

ハッハッハ

その頃……恭介は就職のために北海道に行っていた

恭介(はあ~)

恭介(こんな時まで就職活動に出ないといけないとは……就職組はつらいな。)

恭介(理樹の事は心配だが……鈴の将来のことを考えたら、会社に入らないわけにもいかないよな。そう言われて就職に来たはいいものの……そのせいで就職試験に身が入らなかったから本末転倒だな。)

ちなみに新幹線で二時間以上かかるところに歩いて行った、ボロボロ状態で面接に行った所でどんなに気合を入れても落ちる。

(しかも……携帯を忘れるしな。)

(……気を取り直して、ここらで飯でも)

???「おばちゃん味噌カツ定食一つ」

恭介(!!こいつは……)

恭介「朱鷺戸!!」

沙耶「!!」

恭介(つい叫んでしまった。だがこの反応にこの容姿間違いないこいつは朱鷺戸だ!何故こいつが……)

沙耶「ちょっと」

恭介(……いや変ではないのか?よく考えてみればあの世界に朱鷺戸が居た以上現実世界に朱鷺戸が居る可能性は低くない。だが俺は正直あの世界に居た以上死んだものと思っていた。だが……生きていても別段不思議ではないか?)

沙耶「あんたちょっと」

恭介「すまない人違いだ」

恭介(まあこれは喜ばしいニュースだな。後で理樹に報告するか……いや理樹もあの時の事を忘れているんだったな)

沙耶「ねえ、朱鷺戸なんて妙な苗字、簡単に当てはまると思わないんだけど?」

恭介(まあそう思うよな。……さてどう誤魔化すか……)

沙耶「ちょっと面貸しなさい」

恭介「ちょ……おま」

店員「ちょっと、食事は?」

沙耶「後で食う!」

店裏

沙耶「あんたスパイでしょ」

沙耶はいわゆるカツアゲの要領で恭介から話を聞いていた

恭介「何の話だ?」

沙耶「分かってるのよ。スパイである私の正体について知っているのは同じスパイ以外あり得ないでしょ?」

恭介「……お前スパイなのか?」

沙耶「………………え?」

恭介(こいつ間違いなく朱鷺戸沙耶だ)

沙耶「ひょっとして……勘違い?」

沙耶「ははは、笑えばいいじゃない。滑稽よね。勘違いで白昼堂々スパイ宣言するスパイがどこにいるって笑えばいいじゃない。はははそうよ……」

恭介(笑えん……)

沙耶「それじゃあ申し訳ないけど」

沙耶は拳銃を突きつけた

恭介(こっちの世界でもまだこんなことをやっているのか……)

沙耶「死んでもらえるかな」

恭介「ずいぶんと穏やかじゃないな?」

恭介(さて……どうするか……)

沙耶「スパイの正体を知ったものは死。当然でしょ?」

恭介「いやお前がばらしたんだがな?完全な自爆で」

沙耶「……」グス

恭介「(この方法行けるか?)というか自分から話しておいて殺すとかただのテロリストだろ?」

沙耶「ほほほ、そうよ。笑えばいいじゃない。私はスパイどころかテロリストよ。でもね、これだけは言わせて別に本当に殺すつもりなんてなかったの。死体の処理だって面倒だしってはは、これじゃ本当にテロリストじゃない。……」

恭介(今の内逃げるか)

沙耶「ちょっと待った!!!」

沙耶「こうなったら最終手段よ」

m-(_~_)-m

沙耶は土下座をした

沙耶「お願いします。どうか私の事は秘密にしてください」

恭介(……普通こっちが先じゃないのか?)

恭介「元々誰かにしゃべるつもりなんてない。」

沙耶「よかった。逆に脅迫されて体かなんか求められたら本当に殺さなくちゃいけなくなるところだったわ。」

恭介(拳銃突きつけられてそんなこと言えるやつは正真正銘の勇者だな)

沙耶「私まだ処女だし」

恭介「……」

沙耶「……」

沙耶「そうよ私は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

恭介(もう……いい加減にしてくれ。)

恭介はそそくさとその場所を後にした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後全回復した理樹は皆と野球をしていた。

理樹「それじゃあ皆。久しぶりに野球しようか?」

真人「よし今日は理樹復帰祝いに筋肉祭りだ!」

謙吾「筋肉イエイイエイ」

唯湖「まああのバカ二人は放っておけ。」

小鞠「ははは」

理樹「今日は恭介もいないし僕が受けるよ」

鈴「わかった」

皆それぞれのポジションについた

鈴「よし行くぞ。それ」

パシン

理樹「うん。いいよ。ナイスボール」

ズキュン

鈴「そ、そうか、きゃ」

理樹「どうしたの鈴」

鈴は理樹の投げたボールを弾いてしまった

鈴「おまえ、強く投げ過ぎだ!殺す気か!」

理樹「ち、違うよ」

クド「どうやら理樹は本調子じゃないみたいです」

美魚(それで球が速くなるというのは不自然な気もしますが)

唯湖「ふむ、とりあえずバットを振ってみてはどうだろう」

理樹「う、うん」

鈴「行くぞ、それ」

理樹「うりゃ」

ブン

理樹(……普段より少し体調がいいってくらいだし考えすぎかな?)

理樹「!!葉留佳さん!危ない!!」

葉留佳「ふえ」

ゴツン

保謙室

葉留佳「いたた」

理樹「ごめんね、打球ちょっと早かったかな?」

理樹(もしかして……僕が……)

葉留佳「うんん、私が完全に前方不注意だったよ。」

理樹(よかった……僕のせいじゃないんだ……。ってそう言う問題じゃないだろ!)

唯湖「どうしたんだ。この前から理樹君が元気になったというのにずっと上の空じゃないか?」

理樹「え」

理樹(そうだったかな?)

真人「そうだぜ。理樹も心ここに非ずって感じだったけど。お前はそれよりひどかったぞ」

クド「見るからに元気がなかったのです」

理樹(そんなの……気付きもしなかった。皆気付いてたのに、僕は……自分の事ばっかり気にして)

理樹「話してよ。葉留佳さん。」

葉留佳「理樹君……わかったよ」

葉留佳「あの世界でのこと……理樹君はどのくらい覚えてる?」

理樹「なにがあったかは大体……」

葉留佳「じゃあ、知ってるよね?私の……お姉ちゃんの事」

理樹「……二木さんの事?」

葉留佳「そう、そのお姉ちゃんから、昨日話が有って」

葉留佳「お姉ちゃん今日転校するんだって」

理樹「え」

葉留佳「政略結婚だって……この時代に笑っちゃうでしょ?でも二木の家は本気でそんなことをやろうとしてる。」

理樹「それじゃあ……野球なんてしてる場合じゃないじゃないか!!」

葉留佳「無理だよ……お姉ちゃん昨日の内にどっかに行くって言ってた……」

理樹「そんな」

クド「でも昨日佳奈多さん私の部屋に居ましたよ?」

皆「え」

葉留佳「ほんと!クド公」

クド「はい、間違いありません」

佳奈多(いや……行きたくない。本当は行きたくないのに……)

理樹「二木さんの声だ!」

鈴「なに!」

理樹「校門の方だ!行ってみよう!」

葉留佳「でもお姉ちゃん昨日にはもう出たって……」

理樹「二木さんの事だからきっと心配させない様に、嘘をついたんだよ!」

美魚「よかったですね」

謙吾「安心するのはまだ早い。全ては佳奈多君を連れ戻した後だ!」

唯湖(しかし……理樹君はどうして彼女の声を聴くことができたんだ?私にはまったく聞こえなかったぞ?)

理樹「急ごう!」

校門前

鈴「あそこ!なんか怪しい黒服が居る」

真人「待ちやがれ!!」

葉留佳「お姉ちゃんを返せ!」

黒服「早く車をだせ!」

ブロロロ

クド「そんな……間に合わなかったなんて」

葉留佳はさめざめと泣いていた。

そんな葉留佳を見て理樹は

理樹(葉留佳さんをこんなに泣かして……僕達から日常を奪おうなんて)

理樹(絶対に許すもんか)

???(殺す、殺す、殺す)

理樹「ぶっ殺してやる!!」

鈴「り、理樹」

唯湖「落ち着け少年!」

理樹「ご、ごめん」

理樹(……僕はいったいどうしたんだ?いくらなんでも殺すなんて……)

真人「まあお前の気持ちもわかるけどよ」

謙吾「今は怒りを抑えておけ。」

小鞠「そうだよ。その……言いにくいけど……今の理樹君ものすごく怖いよ……」

理樹「う、うん。大丈夫、大丈夫。本気では言ってないから。」

理樹(本気では言ってない……よな?)

理樹「問題はこれからどうしよう……って事だ」

理樹(こんな時……恭介がいてくれたら……)

葉留佳「お姉ちゃんを追いかける。」

葉留佳は静かに言った。

美魚「本気ですか?とても追いつけ_____」

葉留佳「追いつけなくても行くんだよ!例え1%よりも確率は低くても探し出すよ。それが姉妹ってもんでしょ!!」

美魚「そう……ですね!」

真人「そうなると手分けして探した方がいいな。」

謙吾「まだ道は混んでいるし探せば見つけられるんじゃないか?」

唯湖「そうだな真人君にしては良い案だ。」

真人「俺にしては、てなんだよ」

唯湖「ちなみにナンバーは●●―▼▼▼だったよ」

理樹「さすが来ヶ谷さん!あの一瞬でナンバーを覚えるなんて!」

葉留佳「姉御さすがっす」

理樹「よし、皆手分けして探そう!」

葉留佳「うん!」

唯湖「待て……って行ってしまったか」

謙吾「どうした」

唯湖「いや普通に行き先もナンバーもわかっているのだから国家権力(かいせつ)に頼ればいいだろう?」

真人「でもよ、相手は言っちまえばヤクザだぜ。警察が動いてくれんのか?」

唯湖「悪いが我々が個々に動いて佳奈多君を奪還するというよりも遥かに確率は高いと思うぞ。」

美魚「そうですね。現状ではもし見つけたところでどうしようもないですからね。」

クド「それにしても理樹ものすごいスピードで行ってしまいましたね。」

鈴(あいつ……あんなに足早かったか?)

~~~~~~~~~~~~~

恭介(もう夜か……)

恭介(今日はここで野宿かな……)

パンパン

恭介(……何の音だ?)

沙耶「あの……連れを待たせているので」(本当にしつこいわねこいつら)

チンピラA(以下A)「そう言わずにさ~俺達と一緒に遊ぼうぜ~」

チンピラB(以下B)「そうそう、何も変なことしないからさ~」

恭介(いかにも何かするやつの常套句なんだが……)

沙耶(しつこいわね……そうだわ!)

沙耶「あの~この辺りに連れが居るのですけどこう髪は茶色で目つきが鋭い」

恭介(あいつ……俺を探してたのか……)

沙耶「彼、この辺りに居るらしいのですが……もし彼を見つけたら考えてもいいですわよ。」

A「マジかよ」

B「んじゃ、超探しちゃう。なあC」

チンピラC「……」

そう言ってBはCの肩をたたくと______
______Cの体がまるで砂の様に崩れて行った

A「        」

沙耶「まさか本当にいるっていうの!?」

恭介(う、嘘だろ……)

B「お、俺は何も知らねーよ。ただ触っただけだ」

A「ん、んなこと言ってる場合じゃ……この辺りに犯人が居るかもしれないんだぞ。」

B「そ、そうか。それもそうだな。とりあえず警察じゃね―のか?」

恭介(……こんな中で黙ってるのはさすがに怪しいか?)

恭介「おい!」

B「あいつひょっとして犯人……ひいいいい助けて~」(タタタタタ

恭介(あれひょっとして……勘違いされてないか!?)

恭介「ち、違う俺じゃない。」

恭介(……いかにも犯人役が言いそうなセリフだな)

沙耶(あいつは)

A「あいつがきっと犯人だ逃げよう」(ガシ

沙耶「あ、ちょ」

てってってって

恭介「おいちょっと話を聞けって」

恭介はBの肩をつかむと

恭介「お……い」

Bは肩から崩れて灰になった

恭介「……嘘だろ」

沙耶「ちょ、放して」

A「でも逃げなきゃ」

沙耶「まだあいつが犯人とは限らないでしょ」

沙耶(なんか……あいつ……悪い奴に思えないのよね……)

沙耶「それにここまで逃げれば」

A「ふ……ははははは」

沙耶「ちょ、何がおかしいのよ」

A「ベルトを寄越せ!!」

Aは怪物に変身した

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

気付けば夜になっていた

佳奈多(どうして……せっかく姉妹で仲直りできたのに)

半ば拉致されたように連れてこられた佳奈多は自らの現状に嘆いていた。その嘆きは近くにいた黒服すら気づかない程の小さなものだった。しかし

理樹(なんでだろう……声が聞こえる佳奈多さんの……居場所がわかる)

理樹(どうして……車が信号に捕まってるからって……)

佳奈多(もう一度会いたかった……葉留佳)

理樹の目はすでに車を捉えていて_______

理樹(なんで……なんで僕は)

理樹「車に追いつけるんだろう?」

________理樹は車の前に飛び出していた。

黒服は車を急停止した

黒服「お前……車の前に飛び出るんじゃねーよ!」

クラクションが飛び交う

黒服「こいつ全然動かねえぞ」

黒服「構わねえ。ひき殺しちまえ!」

佳奈多「直枝……?どうして……」

理樹(こいつらのせいで……葉留佳さんと二木さん……そして、皆が悲しい思いをした。僕の日常を壊そうとした)

???(こいつらは絶対に許すな)

理樹「そうだ絶対に______
            許すもんか____」

そして理樹は……

「何だこいつ」「ひ……ひい化け物だ」

理樹(化け物……誰の事を言ってるんだ?)

理樹は変化した。その顔は長い顔をしておりながら凛々しく、先刻の中性的な顔立ちとは似ても似つかず、全身は皮膚は鎧のようになり、髪の毛がなくなり代わりに顔の頭頂部から鬣の様なものが出ていて、二本足で歩いているものの、全身が灰色となり、その姿はまるで馬の様であった。そして何より……見るもの全てを魅了するほどに美しく____
____そして

「ば、化け物が!」

誰がどう見ても化け物であった。
後日の話である。ある会社がこの化け物に対して、名前をつけこう呼んだ
ホースオルフェノクと

黒服は銃を取り出した

黒服「死ね。この化け物が!」

拳銃は当たる

ホースオルフェノク(どうしてだろう?弾向かって来ているのに……)

ホースオルフェノク(何も怖くないや……)

しかしかすり傷一つ負わなかった。

黒服「ひ、ひい」

黒服「に、逃げろ!」

黒服はすごい勢いでUターンしていた。

ホースオルフェノク「逃がすか!!」

ホースオルフェノクの脚部が変形し足が生えてきた。まるで本当に馬になったかのように……いや違う。馬にあんな上半身はない。ホースオルフェノクはまるで伝説の生物ケンタウロスのようになったのだ。
ホースオルフェノクは後ろ脚に力を籠め、ひとっ跳びで走っている車を飛び越えた。必然、先ほどと同じように車の前に飛び出す形になる。

ホースオルフェノク(疾走態)「ぐるふぁ!!」

黒服「お、おいあいついきなり車の前に来たぞ」

黒服「構うな!ひき殺せ!」

今度の黒服に躊躇はない。完全にひき殺すつもりだ

黒服「うおおおおおお」

そしてそれをホースオルフェノクは……片腕で止めた

黒服「なに!!!」

そして車を持ちあげ佳奈多が傷つかない様にそっと車を倒すと、車の扉を無理やり開けた。

黒服「ひ」

そして何処からともなく剣を取り出した。見えない所にしまっていたとかそういう類のものではない。本当に何もないところからいきなり剣を取り出したのだ。

黒服「い、命だけは、命だけは」

理樹(こいつらは……)

ホースオルフェノクは剣を胸に突き立てた。

ホースオルフェノク「死ね」

そしてホースオルフェノクは剣を突き刺した

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶はスカートの中に入れた銃を素早く取り出した

パンパン

乾いた銃声が響く。

沙耶「あんた……いったい何者なのよ!」

オルフェノク「ベルトを寄越せ!!」

沙耶(ベルトって……やっぱりあれの事よね)

沙耶「あれはあんたらみたいな化け物に……オルフェノクに渡せるものじゃないのよ!」

パンパン

スティングフィッシュオルフェノク「寄越せえええ」

沙耶(うそ……全然効いてない……)

沙耶「きゃ!」

沙耶は胸倉を掴まれた。

スティングフィッシュオルフェノク「ベルトは……何処だああああ!!!」

沙耶「あいにく……あんたらに渡せるようなものは……一つたりとも持ってちゃいないのよ!!」

沙耶は腰から素早くスタングレネードを取り出すとそれを爆発させた

スティングフィッシュオルフェノク「ま、まぶし、ベルトおおおお!!」

沙耶「今の内に」

スティングフィッシュオルフェノク「ベルトおお!!!ベルトオオオオオ!!!」

恭介「朱鷺戸!!」

恭介が来ていた

恭介(朱鷺戸の奴……あんな携帯どうしたんだ?というかいまどきガラケーって目づらしいな。警察でも呼ぶのか?)

ところが沙耶は驚いたことに警察を呼ばず、ベルトを巻いた。そのベルトはおかしな構造をしていた。ベルトと呼ぶにはあまりにも機械的だったのだ。左にはレーザーポインター右にはカメラがついている。

沙耶「これが古い遺産……頼むわよ動いて。」

555

沙耶が携帯にそう打ち込むと……

『STANDING BY ……』

突如携帯が鳴り出したのだ

恭介はあの携帯に護身用の機能がついているのだと思った。

恭介「あのバカ。そんな機能……」

携帯についている護身機能ごときで、あれをどうにかできるとはだれが見ても思わないだろう。しかしそれから沙耶がとった行動は恭介の理解を超えていた。

「変身!!」

 沙耶はそう言うとベルトに携帯を差し込んだ。そして……
 
『Error』

沙耶「きゃ!」

ベルトから強烈な光が出たかと思うと、沙耶は後方に吹き飛んでいた。

沙耶「まったくこのポンコツ!!」

沙耶は逃げ出した。

沙耶(どうしよう……もし私が死んだとしても……この555ギアだけは守りきらなくちゃ。)

恭介「おい、大丈夫か?」

沙耶「……あんたまだ居たの?良いからとっとと逃げ……」

そう言っていると沙耶は妙案を思い付いた

沙耶「……私があの怪物を引き付ける。だからこのベルトと携帯をスマートブレインって会社に持って行ってくれない?」

恭介「いやだよ。あの怪物が狙ってるのはそのベルトだろ」

沙耶の顔が驚きに染まる。

沙耶「あんた……見てたの?」

恭介「まあな」

沙耶「まったく女の子がいたぶられてるのを見て喜んでるなんて変態ね。」

恭介「喜んでない。俺が来た時にはあの怪物がのた打ち回ってたぞ。」

沙耶「そう……」


沙耶「ねえ聞いて。これはあの怪物たちを倒すための兵器なの。」

恭介「だったらどうした?俺には関係ない」

沙耶「関係あるのよ。あんな怪物を倒せるほどの兵器があいつらの手に渡ったらどうなると思う?」

恭介「それは……」

沙耶「この兵器を奴らに渡すくらいなら……ここで壊した方がいい」

沙耶「今ならあんたは無関係の一般人、オルフェノクもあんたを襲ったりしないでしょ。だから携帯をどこか別の場所に隠して……なんなら捨ててきてもいい。」

恭介「……」

沙耶「私がベルトを持っていたら私を狙ってくるはず。その隙に逃げて。」

恭介「……」

沙耶は携帯……555フォンを渡した。

沙耶「頼むわよ」

恭介「おいちょっと」

沙耶はオルフェノクの方に向かって行った。

沙耶「こっちこっち」

スティングフィッシュオルフェノク「逃がすか!」

オルフェノクは体を鞭のようにしならせ追ってくる

しかし……

恭介「おっと……こっちにいることも忘れてもらっちゃ困るな~」

沙耶「ちょ」

スティングフィッシュオルフェノク「貴様それは……」

沙耶「何やってるのよ!逃げなさいって言ったでしょ!!」

恭介「俺は一度もわかったなんて言ってないぞ。」

恭介(おれだって逃げたかったんだけどな……でも俺はあの世界で一度お前を殺している。お前を二度も見捨てるなんてできない。)

しかし……恭介なら例え赤の他人だったとしても助けに行っただろう。そういう男だ。

沙耶「あんたね~状況をわかってんの」

オルフェノクはそんな状況もお構いなしに二人を襲う。しかし二人の身体能力が高いおかげか何とか避けた。

恭介「分かってる!そのベルトを貸せ!」

沙耶「はあ!?」

恭介「俺が使う!!」

沙耶「あんた……使い方わかるの?」

恭介「あんたの使い方見てた。」

沙耶「まったく……」

沙耶はベルトを投げ渡した。それに気を引き付けた一瞬を突いて沙耶が攻撃に転じた。

パンパン

沙耶(やっぱりこの程度の銃じゃびくともしないか……)

沙耶「今の内に!それと使えなかったら逃げなさいよ!」

恭介「おう」

恭介(えっと確か5を三回おして)

555

STANDING BY

恭介(その後このベルトに差し込む……と)

COMPLETE
 
恭介(よしうまく行ったぞ)

恭介「くらえ~~~~~ってあれ?」

恭介は兵器と言うくらいだからベルトからレーザーか何か出るものだと思っていた。だが……なんとベルトから光がでて体を覆いこんだ。その光は鎧にかわり……そして恭介は

仮面ライダー555(ファイズ)となった。

555「なんだ……これ……」

沙耶「成功……した。」

~~~~~~~~~

ホースオルフェノクは剣を突き刺した

______後ろの壁に

ホースオルフェノク「消えろ……」

黒服「ひい」

ホースオルフェノク「消えろ!!二度と僕たちの前に現れるな!!」

黒服達「ひいいいいいい」

黒服達は去って行った

理樹(これで……よかったんだよね。恭介……)

???(今日は殺さずに済んだな……)

理樹(今日は?今日はってなんだ?)

理樹(僕はもう二度と変身しない。それで……元の日常に戻れるはずだ)

いつもの理樹に戻っていた。姿も……そして心も

理樹「さあ帰ろう。二木さん」

佳奈多「……ないで」

理樹「え?」

佳奈多「近寄らないで!!この化け物!!」

理樹「そんな……」

佳奈多「助けて……助けて葉留佳……」

佳奈多は一目散に逃げて行った

理樹の守りたかった日常は……音もなく崩れた

Open your eyes. for the next Φ's!
 
沙耶「これ以上あなたを巻き込むわけには行かないわ……」

恭介「旅は道連れ、世は情けだ。付いていくさ。」

二木「化け物……二度と葉留佳に近寄らないで!」

理樹「オルフェノク?」

天使「そうあなたは見事オルフェノクとして覚醒したのです。パチパチパチ」

恭介「変身!!」

直枝理樹……修学旅行中バス事故に巻き込まれた少年。またその事故において危機的状況にあったバスの乗客全員を救い出すという快挙を成し遂げるが、その際の爆発に巻き込まれ死亡。その結果オルフェノクとなる。

恭介……就職活動中の少年。理樹に命を助けられた

ホースオルフェノク……理樹がオルフェノクとして変化した姿。馬をモチーフとしている。再生能力を持つ剣と盾を出せる。またケンタウロスの様になる疾走態に変身することが可能。その時の時速は350km/h

555……ファイズギアにファイズフォンをセットすることで変身できる。詳しいことは現在不明。

スティングフィッシュオルフェノク……魚型のオルフェノク。モチーフはオコゼ。ベルトを狙って敵が送ってきた刺客。敵の正体は現状不明

今日はここまで。

555「なんだ……これ」

スティングフィッシュオルフェノク「ファイズううう。ベルトを渡せえええ」

555「ってそんなこと言ってる場合じゃないか。」

555「くらえ」

555の拳が顔面に向かう。その拳がオルフェノクを吹っ飛ばした。

スティングフィッシュオルフェノク「げるるうううう」

スティングフィッシュオルフェノクは吹っ飛んで行った。

555(おいおい殴っただけでこれかよ)

沙耶「何ぼーっとしてるの!!早く逃げるわよ!!」

555「おう!でもこれどうやっても元に戻すんだ?」

沙耶「ベルトを外せば元に戻れるわよ!」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第二話

理樹(僕の体は……いったいどうなっちゃったんだろう?)

プルルルル

理樹(携帯が鳴ってる)

理樹「もしもし」

葉留佳『理樹君!きいて!あのねお姉ちゃんが帰ってきたんだよ!』

理樹(二木さんが……)

理樹「そうか……よかったね」

葉留佳『うん。……って理樹君はうれしくないの?』

理樹「も、もちろんうれしいよ。ちょっと驚いただけだってそれで……」

理樹にとっていま最も重要な事を聞いた

理樹「佳奈多さんどうやって帰ってきたって?」

葉留佳『なんか自力で帰ってきたって言ってたよ。さすがお姉ちゃんだよね』

理樹「そうか……よかった。僕も帰るよ」

理樹は佳奈多が帰ってきたことよりも自分の事を話していないことに安堵した。

理樹(僕は……ひどい奴だな……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「お前……どこ行くんだ?」

沙耶「スマートブレインの本社。」

恭介「スマートブレイン?ああ、あのでかい会社か?」

沙耶「でかい会社って大雑把ね。……まあその通りだけど……まあいいや。そこにこれを送るのが私の任務ってわけ」

恭介「一つ提案なんだが」

恭介「俺も付いて行ってもいいか?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チンピラA「くっそあいつら。よくも」

黒いマントの男「お前失敗したようだな……」

チンピラA「そんなことはない!次こそは必ず……」

黒いマントの男「お前に次はない!」

黒いマントはオルフェノクになった。そしてAの体を押しつぶした。

A「うわああああああ」

Aの体は灰となって消えた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「付いてきたい?」

恭介「ああ、そうだ」

恭介はそう言った

沙耶「なんでまた?」

恭介「お前を放っておけないんだ。」

沙耶「ひょっとして……あんた私の事好きなの?」

沙耶「ストーカーっぽくて気持ち悪いんだけど」

命の恩人に向かってあんまりだった。

沙耶「そういやあんた私の名前知ってたわよね。どうして」

恭介「違う。そんなんじゃない。こんなところで放っておいて、死なれたら最高に目覚めが悪いんだよ。」

恭介(あっちの世界で同じ事やったからな)

沙耶「そ、そうなんだ。そう、あんなことしてくれた後だったから勘違いしちゃったじゃない。自意識過剰ね。笑えばいいじゃない。自意識過剰だなって笑いなさいよ。だいたい私なんかが」

それから五分程度沙耶の自虐が続いた後

恭介「もういいか」

沙耶「……」

恭介「なあ頼むよ。あんたのバイクに乗せてってくれ。」

沙耶「ひょっとしてそれが狙い?」

恭介「それもある。俺は一刻も早く帰りたいんだが、いかんせん金が無くてな。」

沙耶「……まあ、守られてるだけっていうより幾分かいいからそこはいいけど。」

恭介「なら」

沙耶「でも駄目よ」

恭介「な、どうして」

沙耶「あなたみたいな素人が居ても迷惑なだけだもの。しょうがないでしょ?」

恭介「おれはそのベルトを動かせる。あんたには無理なんだろ?」

沙耶「それが出来るだけの素人になんてようはないって言ってるの。ベルトが使えてもっと優秀な人員を持ってくるわよ」

沙耶(まあそんな人員いないけどね。……これは私達の問題。あなたを巻き込むわけには行かない)

恭介「でもよ」

沙耶「まあ、その話は後で。あいつがうろついてるかもしれない以上あんまり動くのも危険だしここで今日は寝ましょう。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

葉留佳「理樹君帰ってくるって」

佳奈多「そう……」

佳奈多「ねえ葉留佳。」

葉留佳「なあに?」

佳奈多「もう理樹君に近づくのは止めなさい。」

葉留佳「え」

佳奈多「分かった?」

葉留佳「どうしてよ……そんなのお姉ちゃんには関係ないじゃん!!」

佳奈多「どうしてでもこうしてでもいいから、理樹君に近づくのは止めなさい!」

唯湖「落ち着け佳奈多君。どうして君はそんなことを言うんだ?」

佳奈多「それは……」

佳奈多は意を決してこう言った

佳奈多「私が直枝の事を好きで、もう付き合ってるからよ」

皆「ええええ」

小鞠「ちょっとまって。えっと理樹君と佳奈多ちゃんが~えええ~」

鈴「わけがわからんぞ」

クド「わふーー」

佳奈多「と言うわけで皆には直枝に近づいて欲しくないの。わかった?」

唯湖「つまり君は『うふ~ん、私の理樹君に近づかないで、私が嫉妬狂っちゃうから。いや~』と言うわけだな?」

佳奈多「そう言うことよ」

唯湖「……」

美魚「そんな様子全くなかったのですが……」

クド「わふ~ラブラブです~」

美魚「その割に転校の事について知らなかったみたいですが……」

葉留佳「例えお姉ちゃんに何と言われたって私たちは変わらないよ。」

鈴「そうだ。そんなことで理樹を一人にさせられるか」

唯湖「うむ、例え理樹君が誰と付き合っていようが関係ない」

謙吾「そうだ」

真人「なんたって俺達はリトルバスターズだからな。」

佳奈多「……」

佳奈多「……冗談よ」

葉留佳「ふえ」

佳奈多「だから付き合ってるとか、今言ったの冗談だから。さっさと忘れなさい。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日、朝になり沙耶は周りを見渡し……

沙耶「どうやらあいつらはあきらめたみたいね。とっとと行きましょう」

恭介「おう」

沙耶「乗って。安全なところまで逃げましょう!」

恭介「……何処掴めばいいんだ?」

沙耶「好きな所つかみなさいよ。」

恭介「……」

そう言うと沙耶はバイクを走らせた。

ちなみに恭介がつかんだのは肩だった。

沙耶「あんたは安全なところで下すからそしたら逃げなさい!」

恭介「でもよもしあいつらがまた出てきたら……」

沙耶「あんな化け物そう簡単に出るわけないでしょ。大じょ……」

そう言っていた時だった。オルフェノクが襲ってきた。

恭介「うお、なんだこいつ」

沙耶「この前のとは違うオルフェノクみたいね。」

そう明らかに違っていた。容姿もそうだったがそれ以上に体格が違っていた。昨日襲ってきたオルフェノクの大きさは人間と大して変わらなかったが、今日襲ってきたオルフェノクの体長はそれを遥かに超え近くにあった車よりも大きく、象の様だった。

沙耶は素早く拳銃を取り出した

沙耶「あんたは逃げなさい!早く!!」

恭介「ベルトを貸せ!!俺も戦う」

沙耶「早く逃げて!」

恭介「変な意地張ってる場合か!借りるぞ!」

恭介は沙耶のバイクから、(勝手に)ベルトを取り出すと素早くボタンを押した。

555

STANDING BY

恭介(えっとあいつは確か)

沙耶「何やってるの!やるなら早く」

恭介「変身!!」

COMPLETE

555「さって、と行かせてもらう」

555は拳を固めるとオルフェノクに撃ちつけた

エレファントオルフェノク「ぴしゃああ」

555「でかくて心配だったが普通に効くみたいだな。」

555(だが……)

555は何発も拳を叩き込んだ。しかし……

エレファントオルフェノク「ふぃっしゃ」

555「っうわ」

オルフェノクの攻撃で吹き飛ばされた。決定打には至らなかった

555「決定打にならない。朱鷺戸!何かいいアイディア無いか!?」

沙耶「えっと確か……」

それを沙耶が言おうとした時、オルフェノクは車を持ちあげるとすぐさま沙耶に投げつけた。

沙耶「んな」

555「くそ」

555が車と沙耶の間に入り車を止めた。

沙耶「……ありがとう」

555「気にするな。ただあいつほとんどこっちの攻撃効いてないみたいなんだよな。あいつ一撃で倒せるような必殺技なんかない?」

555は冗談交じりに聞いたが……

沙耶「あるわ」

555「あるのかよ……」

沙耶「貸して。」

そう言うと沙耶は555フォンに付いていたメモリーを取り出しそれをレーザーポインターに付けた。

555「まさかこれでレーザーが出るとかいうんじゃないよな?」

沙耶「そうよ。あとはそれを足に付けて、携帯のエンターキーを押してくれればそこから出るようになってる……はずよ。後は自動でも何とかなるわ。」

555「……マジかよ」

沙耶「無駄話している場合じゃないわ。来るわよ!!」

555「仕方ない……やってみるか!!」

555はポインターを足に付けて携帯のエンターを押した。

『EXCEED CHARGE』

その掛け声とともに携帯から足に付けたポインターに

足につけたレーザポインターからレーザーが飛び出す。そこから放たれたレーザーがオルフェノクを捉えた。そのレーザーは三角錐上に広がった。

555「くらええええ」

555はオルフェノクに突っ込んだ。555ギアがそうさせたのだ。ファイズは飛び蹴りの要領で怪物に攻撃を仕掛けると、一瞬その姿を消した。と思ったらオルフェノクの後ろに姿を現したように沙耶は感じた。

しかし実際は違う。レーザーと一体となった555がオルフェノクをすでに潰していたのだ。

沙耶「オルフェノクは……」

そしてその攻撃を受けたオルフェノクは青い炎に包まれ灰となった。そこにφの文字が刻まれていた。

555「やった……のか?」

沙耶「ええ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次の日

佳奈多「直枝君は居る?」

理樹「……佳奈多さん」

佳奈多「直枝君。少しいいかしら?」

理樹「うん……わかったよ」

謙吾「春か?」

理樹が連れて行かれたのは校舎裏だった

理樹「二木さん言わないでくれてありがとう。」

佳奈多「こんなこと……誰にも言えるわけないじゃない。私の頭がおかしくなったって思われるだけよ。」

理樹「二木さん」

佳奈多「近づかないで!!」

佳奈多は叫んだ。理樹は酷く消沈した

理樹「……ごめん」

佳奈多「正直あなたとは、もう話していたくないわ。でもね、これだけは言わせて。もう葉留佳に……うんんリトルバスターズのみんなに近づくのは止めて!」

理樹「……いやだ」

佳奈多「あなたみたいなのと一緒に居られたら……怖いのよ」

理樹「そんな」

???(ふざけるな、なんでいったい誰のために……僕だって……化け物になりたくてなったわけじゃ)

理樹(……この人に……こんなこと言われる筋合いわない!)

佳奈多「いい、今後一切皆と関わるのは止めて頂戴。それが無理ならできるだけ近づかない様に……」

理樹「なんで佳奈多さんにそんなことを言われなくちゃならないんだ……」

佳奈多「え」

理樹「僕は……」

激情に身を任せてしまったせいで理樹は……

ホースオルフェノク「こんな姿になってまで君を助けようとしたのに!!」

再びホースオルフェノクとなった。そしてそのまま佳奈多の首を掴む……

佳奈多「ア、ガ」

ホースオルフェノク「お前の……お前のせいで僕は……お前さえいなければ僕はこんな姿にならずに済んだのに!!」

ホースオルフェノクはすさまじい力で佳奈多の首を絞めていた。それこそ首が折れるのではないかと言う程に……

佳奈多「ハ」

佳奈多が今際の際に呼んだのは

佳奈多「葉留佳……」

たった一人の妹の名前だった

そしてその名前が……

理樹(!!!)

理樹に正気を取り戻させた。

佳奈多「かは、かは」

理樹(僕は今……なんてことをしようとしてしまったんだ……)

理樹(いくら嫌な事を言われたからって……だからって二木さんを殺そうとするなんて……。これじゃあ……本物の化け物じゃないか……)

佳奈多「この化け物!!二度と葉留佳に近づかないで!!」

佳奈多はそう言うと一目散逃げて行った。

理樹(僕は、僕はいったいどうすれば良いんだ……)

理樹は学校の屋上に来ていた。

理樹(死のう……)

???(いやだ!死にたくない)

理樹(……生きてたら……また人を襲って……今度こそ人を殺してしまうかもしれない。だから……そうならないためには……死ぬしかない)

そんな時、理樹の携帯に電話が入った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「これでわかっただろ?俺が居ないと危険みたいだ。だからおとなしく連れていけ。」

沙耶「……わかったわよ。今度あの怪物から逃げられる保証はないからね。でも危なくなったらちゃんと逃げてね。最悪ベルトは置いて行ってもいいから……」

恭介「……おう」

沙耶「じゃあ行くわよ。」

沙耶は恭介をバイクに乗せようとして……

恭介「なあ、ちょっと待ってくれ」

沙耶「なによ、私こう見えても急いでるんだけど?」

恭介「ケータイ貸してくれないか?久しぶりに仲間に電話がしたいんだ。」

沙耶「あんたケータイも持ってないの?」

恭介「家にそんな金がないだけだ」

沙耶「まったく、そのベルトに刺さってるケータイ、555フォンっていうんだけどそれでも連絡出来るからそれでしなさい。」

恭介「……本当に電話できるのか?正直単なるスイッチみたいなものだと思ってたぞ。」

沙耶「衛星携帯だからどこでも連絡できる上、特殊な粒子を使って通信するから盗聴の心配もない優れモノなのよ?」

恭介「かなり高性能なのか。まあいいやとりあえず理樹の番号は」

ピ、ポ、パ、ポ、ピ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

まったく知らない電話番号からだったので、無視しようかとも思ったが、死ぬ前に来たことに奇妙な因縁を感じ理樹は電話をとった。

恭介『よう理樹』

理樹「恭介!!」

理樹は最後の電話が恭介から来たことに心からうれしく思った。

恭介『繋がったって事はもう退院したって事か?……て、どうした……理樹?』

理樹「……」

理樹は悩んだ。もしも恭介なら自分が思い付かないような方法でひょっとしたら、僕の悩美魚解決してくれるかもしれないと思ったからだ。しかしそれで事態が解決しない。恭介にも無理だ。と理性が言っていた。そして、もし言ってしまえば自分が化け物になってしまったと恭介に話すことになる。

理樹(今なら……僕はまだ人間だ。皆が僕の事を人間だと思ったまま……死んでいける。でも話してしまったら恭介に僕が……ばれる。)

???(イヤだ。嫌だ。どっちも嫌だ)

理樹(僕は……)

理樹は先ほどの佳奈多の視線を思い出す。化け物を見る目だった。大して親しくもなかった佳奈多の視線すらとても悲しくなった。……もし彼らに同じ目で見られたら……そう思い付いてしまえば……

理樹「何でもないよ。そんな事より恭介、就職試験どうだった?」

理樹は相談などできなかった。

恭介『すまん。お前を置いてまで行ったのに……多分不合格だ』

理樹「気にしないでよ恭介。僕が鈴のためにも就職試験に行ってって言ったんだから。」

恭介『そうだな。まあでもお前が元気なのが不幸中の幸いだな』

理樹「……そうだね」

それから理樹と恭介はだらだらと短い世間話をした。

「ねえ恭介?」

『なんだ?』

「リトルバスターズに入れてよかった」

『な、なんだ急に』

「じゃあね」

『お、おい』



理樹は電話を切った

理樹(さあ飛び降りよう。もう恐怖は無い……とは言えないけど大切な仲間を傷つける位なら……死んだ方がましだ。)

理樹は屋上から飛び降りた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「おい理樹?」

恭介はリダイヤルボタンを押すが全く返事が返ってこず、留守番電話に変わった辺りであきらめた。

恭介(授業中だったか?……いや様子がおかしかったからな。何かあったか?)

恭介(一応他の奴とも連絡を)

沙耶「早くしてバイクに乗ってくれる?私こう見えて急いでるんだけど?」

恭介「ああ、わかった」

恭介(まあ後ででもいいか。)

この選択を恭介は後に後悔することになる。

沙耶「それじゃあ後ろに捕まって」

恭介「何処掴めばいいんだ?」

沙耶「適当によ。」

恭介「……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹は目を覚ますと白い部屋の中に居た。

理樹(ここは何処だ)

???「あ、君起きた?」

理樹「君は?」

目の前に居たのは見た目十一、二歳程度の子供だった。理樹は妙だと思ったここがあの世なのかと思った。

理樹「ひょっとして天使?」

天使「それは正解でもあり間違いでもあるかな?多分君の言う意味での天使じゃないよ。でも私のコードネームは天使。きゃ、偶然ってすごいね?」

理樹「……ここは……」

天使「はーい、ここはスマートブレインの本部で~す。」

理樹「スマート……ブレイン?」

スマートブレインとは理樹の認識だと、この国で一二を争う大企業である。しかしそれ以上の事を理樹は知らない。

理樹「というか……僕は死んだんじゃ?」

天使「まあ屋上から飛び降りちゃったからね?まったく普通の救急車で運ばれてたら事だったんだよ、プンプン。でも結果的にはこうしてあなたと話せてラッキーかしら?キャ」

理樹「つまりこの会社はどういう会社なの?君はどういう人なの?」

天使「スマートブレインは貴方達オルフェノクの監視と警備を任されたものです。私はそのナビゲーターってところかな?」

天下の大企業スマートブレインがそんなことを影でやっていることは驚いたが、それ以上に驚くべきことがあった。

理樹(こんな子供にナビゲーターを任せるって……)

理樹「オルフェノク?なにそれ?ひょっとして……僕みたいなのって他にもいるの?」

天使「そう。普通の人間はしんだらそれまで。バタンキュー。でもあなたみたいに死んだ人間の中に生き返るものが居る。それオルフェノク。」

理樹「オルフェノク……」

天使「そうあなたは見事オルフェノクとして覚醒したのです。パチパチパチ」

理樹「オルフェノクって……僕にいったい何をさせるつもりですか?」

天使「それは社長から自分で聞いて。でも社長もそうとう忙しいから会えるのは……数日後になるかしら?」

理樹「そんな……」

天使「それともう一つ忠告」

理樹「?」

天使は急に顔色を変え……

天使「オルフェノクになった以上、簡単に死ねるなんて思うなよ。」

と言った。……釘を刺したという方が正しいかもしれない。先ほどの子どもの様な顔を浮かべていた人と同一人物とは思えない顔つきだった。

天使「それじゃあね♪」

天使は笑顔で去って行った

理樹(……まあいいか、胡散臭いのは確かだけどここに居れば人を襲わずに済むだろうし。)

理樹(しばらくはここに居るか……)

理樹はここにとどまることにした。ここがリトルバスターズと同じかそれ以上に忘れられない空間になることを、理樹はまだ知らない

Open your eyes. for the next Φ's!

古式「ここは……いったい」

謙吾「理樹が……自殺した。古式と同じ場所で……恭介今どこにいる!」

恭介「おい待て!謙吾」

恭介「理樹……」

沙耶「恭介!行くわよ」

朱鷺戸沙耶……スパイ、らしい。スマートブレインに555ギアを持って行くのが目的。それ以外は不明

ファイズフォン……いまどき珍しいスマートフォンではなくガラケー。しかしその能力は一般の携帯をはるかにしのぐ。またスタートキーを入力し、ファイズドライバー(ベルト)にセットすることで仮面ライダー555に変身できる。携帯の表面に付いているメモリーは555の各種必殺技を使用するのに必要。

ファイズポインター……ファイズドライバーに付いているレーザーポインター。普通に使うとレーザーポインターである。

天使……正体、年齢、一切不明。見た目は十一、二歳程度。

今日はここまで

次回から会話者の名前のオルフェノクの文字は省略します。

ホースオルフェノク「」→ホース「」

翌日

沙耶「そういやあんた名前聞いてなかったわね。なんだっけ?」

恭介「そういや言ってなかったか。俺の名前は棗 恭介だ。」

沙耶「そう。恭介ね。私の名前は朱鷺戸 沙耶……ってあんた知ってるんだけ?……そういやなんで知ってるのよ?」

恭介「それは……」

恭介(さてどう誤魔化すか……)

プルルルルル

その時ファイズフォンに着信が来た

恭介「おっと電話か」

沙耶「ちょっとファイズフォンに来たって事はそれ私のじゃないの?」

恭介「いや、昨日電話かけた奴からだ。つまり俺宛だ」

沙耶「そう……わかったわ。」

恭介(どうやらうまく話題を逸らせた、が……)

恭介(理樹……こんな朝早くにいったい何の用だ?昨日様子が変だったがそれとなにか関係あるのか?)ポチ

恭介「何のよう……」

謙吾「あんたはいったい何者だ!?」

恭介「その声……謙吾か?」

謙吾「この声、お前は恭介!?」

恭介「どうしたんだよ、こんな朝っぱらから。しかも理樹の携帯で」

謙吾「その様子じゃ知らないみたいだな……」

謙吾「昨日……理樹が……屋上から飛び降りたんだ。」

恭介「は?」

恭介は謙吾の言っている意味が分からなかった。いや、理解したくなかったのだ。

謙吾「理樹が古式先輩と同じ場所で……恭介今どこにいる!」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第三話

恭介「うそ……だろ……自殺」

謙吾「正確には古式と同じで自殺未遂だった。理樹は生きている……俺は運がいい」

恭介「ほ、よかった……」

謙吾「よかったじゃない!!理樹が自殺したちょうどその時間に電話していたのがお前なんだ!!」

恭介「なんだと……」

恭介(確かに……相当様子が変だったが……まさか……自殺なんて。)

謙吾「いいからとにかく帰ってこい!いや今どこにいる?」

恭介「●▼だ。」

謙吾「理樹が居るのは●▼■病院だ。来い!」

恭介「分かった!」

沙耶「どうかしたの?」

恭介「病院に来いって。」

沙耶「はあ、止めなさいよ。」

恭介「大丈夫だ。ここの近くだし、どうせちょっと覗くだけだ。その位問題ないだろ?」

沙耶「ありまくりよ。私は一分一秒でも早く会社に行きたいのに……。いやそれを除いたって私たちはオルフェノクに狙われているのよ!行くのはスマートブレインに行ってからでもいいでしょ?」

恭介「……理樹が……親友が死にかけているらしいんだ……」

沙耶「……」

恭介「だから……頼む。」

沙耶「……はあ、分かったわ。ちょっと寄るだけにしなさいよ」

恭介(今行くぞ理樹。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「私、もう弓道ができない。生きている意味なんてない」

「馬鹿なこと言うんじゃない!」

「こ、来ないで!」

「こらーー」

「うわああああ!」

「古式いいいいいいい!!」

みゆき「は、ゆ、夢?」

みゆき「……私は……ここは何処?」

みゆき(確か昨日は……よく覚えてない。でもここが……尞じゃないのだけは確か。)

天使「は~い。ようやくお目覚めですね?古式 みゆきさん。」

ようやく意識がはっきりしたみゆきは余計、混乱した。

みゆき「あなたは誰?ここは何処なの?私はどうしてここに居るの?」

天使「まとめて聞かないでよ。それじゃあまず最初に私の名前は天使で~す。あ、本名じゃないから気にしないで。こんな仕事してるせいで勝手にこんな名前付けられて大迷惑。プンプン」

みゆき(天使って……いったい)

天使「ここはスマートブレイン本社です。ここはあなたの様なオルフェノクを管理、護衛、隠匿する場所で~す」

みゆき「オ、オルフェノクってなんですか?」

天使「オルフェノクっていうのは人間の上位種。人が死んだ時その因子を持つ者はそれになるの。」

みゆき「よくわからないんですけど……」

天使「つまり______
              あなたは一度死んだの」

みゆき「え」

みゆきは先ほど見たのが夢でないことを理解した。

天使「でも安心して。貴方はオルフェノクとして第二の人生を歩んでいくの。まあ人じゃないけどね、なんちゃって。テヘ。」

みゆき「そんな……」

天使「まあ自殺なんてした自分を恨むことね。私、自殺するような人間って嫌いなのよ~テヘ」

みゆき「……私、本気でやってたわけじゃないのに……」

天使「冗談よ。でも思い出してくれたみたいね♪」

みゆき(そうか私はあの時……自殺しようとして……でも怖くてできなかった。でも足を踏み外して……そのせいで……)

天使「まあ詳しい説明と今後の予定は追って伝えるから。取り得ず今は自由に動いていいわよ?これ鍵ね?」

みゆき「は、はい。ありがとうございます」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「謙吾!」

謙吾「恭介か……」

恭介「理樹は……」

唯湖「絶対安静で面会謝絶……だそうだ。」

美魚「でもとりあえず命に別状はない……らしいです。」

恭介「……とりあえず……安心だな。」

鈴「おまえ……理樹になんて言ったんだ!」

小鞠「やめなよ!鈴ちゃん」

鈴「でも……」

葉留佳「恭介さんが変なこと言うわけないよ。」

鈴「なら、佳奈多……」

葉留佳「お姉ちゃんがそんなことするはずない!!」

鈴「……ごめん」

謙吾「畜生……まただ。また……救えなかった。」

謙吾は古式みゆきを目の前で失っていた。それも理樹と同じ自殺と言う形で……。だからこそ、この中で最もつらく最も悲しい。

恭介「理樹……」

謙吾「おまえ……」

恭介「すまん皆……今は離れなくてはならない。」

鈴「なんだと!」

謙吾「恭介えええ!!!」

恭介(ここに居れば……皆を巻き込むことになる……理樹すまない。今は……)

恭介「なるべくすぐに帰るようにする。」

謙吾「待て!恭介!!」

沙耶「行くわよ。」

恭介「……ああ」

沙耶「……何だったらここに残っててもいいのよ?」

恭介「お前のベルトをきっちり見届けてからだ。」

恭介(それに理樹だって……もしあの時の記憶が有ればお前に死んでほしくないと思うだろうからな。それこそ自分の命を犠牲にしても。だから……俺が今は動けない理樹の代わりだ)

沙耶「……わかったわ。その、ありがとう」

恭介「気にするな」

謙吾「待て、恭介!」

沙耶「とっとと出るわよ。捕まって!」

恭介「おう。」

しかしバイクは進まなかった。謙吾がバイクの前に出たからだ。

恭介「どけ、謙吾!」

謙吾「理由を話せ。そうじゃなきゃどくわけにはいかない!」

恭介「謙吾……お前……」

沙耶「……はあ、事情……話してもいいわよ。」

恭介「……いいのか?」

沙耶「別に極秘任務って訳じゃないし。それにどいてくれないと先に進めないしね」

恭介「わかった。」

沙耶「手早く済ませなさいよ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき(自由っていわれても……いったい何をすればいいか……)

みゆきの人生は弓道がすべてだった。……それを奪われたことに失望して身を投げ出すほどに……みゆきは眼帯を外してみた。

みゆき(眼帯……ためしに外してみたけど視力が回復したわけじゃない……)

みゆき「……家に戻ろうかな?」

みゆきは部屋のドアを開けた。

みゆき「宮沢さん……何しているのかな?」

~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾「つまり何か?あの子は狙われていて、それを守るためにお前は傍に居なくてはならない。そう言うことか?」

恭介「ああ、それにそれだけじゃない。ここに理樹が居る以上早くここから離れなくちゃいけない。ここが狙われたら理樹も危険だからな。」

謙吾「恭介……からかうのもいい加減にしろ!それは何処の映画の話だ!!」

恭介「信じられないかもしれないが本当なんだ。信じてくれ……」

謙吾「……例えそれが本当だとしても、なんでお前があいつを守らなくちゃならないんだ!?」

恭介「それは……」

あの世界の事を全て正確に覚えているのは恭介のみである。謙吾と沙耶の接点は薄かったため沙耶の事を全く覚えておらずそう考えるのも仕方がない。しかし……

謙吾「いや、恭介。お前の事だ……例え見ず知らずの他人であったとしても助けるだろう」

恭介「謙吾……」

謙吾「だがな恭介、それならその子を警察に届けるだけでいい!警察に行けないならその子はお尋ね物だ。理樹を置いて、わざわざ守る必要はない!」

恭介「俺じゃなきゃ……いけない事情があるんだ」

謙吾「それでも!!……それでも今は……理樹の傍に居てやってくれないか……」

実は理樹が病院に運ばれたというのは嘘で、本当は違う部屋居る。だからそこは理樹の傍でなかった。それは……とても皮肉だった。

恭介「……すまない、謙吾……理樹を頼む」

謙吾「恭介!!」

沙耶「いいの?」

恭介「ああ、あいつを巻き込むわけには行かないからな。」

謙吾「待て!恭介!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき「家についたけど……」

みゆき(この家に……私の居場所なんてないんです……よね……きっと。)

みゆき「……ただいまもどりました。」

古式母「……おかえり」

みゆきはお帰りと言われたことに安堵した

古式母「……別に帰ってこなくてよかったのに……」

そしてその一言に絶望した。

みゆき(やっぱり私の存在は……親にとってはその程度なんだ)

みゆきの家は弓道の名家である。何人もの姉妹が居て、その姉妹たちは華々しい弓道において華々しい成績を上げていた。その名家にとって弓を使えなくなったみゆきは……
いなくてもいい存在になった。

その証拠として、みゆきの母も父も視力がなくなったとわかった途端、例え自殺未遂を起こしても古式に会おうとはしなかった。

古式母「お父さん、ご飯出来たわよ。」

古式父「おお、そうか」

みゆきの父に至ってはみゆきが寮生活だったので半年近くぶりに会う子供に対して、なんの反応も示さなかった。

みゆき「あ、あのお母さん」

古式母「……」

みゆき「おかあさん!」

古式母はめんどくさそうに答えた

古式母「……ああん、何?」

古式母はそっけなく答えた。

みゆき「私の……分は?」

古式母「そんなの自分で作りなさいよ。」

みゆき「え」

古式母「え、じゃないわよ。なんで私があんたの分作らなくちゃなんないのよ?」

みゆき「……はい」

みゆきが突然帰ってきたため、ご飯がないのも当然だ。しかし……

みゆき(この人は例え明日になってもみゆきのご飯を作ることはないだろう。)

みゆきはそのことに気付き、愕然とした。

みゆき(帰ろう……ここよりは……まだ……あの白い部屋の方が落ち着く……)

みゆきは出て行こうとして

古式父「おい」

みゆき「お父さん……」

古式父「もう帰ってくるな。帰ってきてもお前の居場所なんてない。邪魔だ」

みゆき「   」

みゆきは言葉を失い、家を出て行った。……もう何も言うことはなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「どうした謙吾?」

謙吾「どうしたじゃない。俺はまだお前が言ったことに納得していない……」

険悪な雰囲気が流れる。

???「おい」

そんな険悪な雰囲気の中一人の青年が話しかけてきた。

謙吾「なんだ!今取り込み中だ!」

その少年は謙吾の事を無視し、恭介に話しかけた。

???「ベルトを寄越せええ」

青年は牛の様な角を持ち、まるでボクサーのグローブの十倍の大きさをもつ手を持つ怪物……オックスオルフェノクに変化した。

謙吾「な、なんで人が怪物に……」

沙耶「こいつ……」

恭介「オルフェノクか!!謙吾!離れろ!!」

沙耶「恭介!!」

沙耶は恭介にベルトを投げ渡した。

恭介「ナイスタイミングだ。朱鷺戸」

恭介はコードを入力した。

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は変身した。

謙吾「恭介……お前……」

555「話は後だ」

555はオックスオルフェノクに向き合った。

555はファイズポインターを使おうとするが……

オックス「ブルルラアアア」

オックスオルフェノクは隙を見せずボクサーのグローブの様な拳を振り回してきた。中々攻めに移れない。

555「おっと」

恭介(どうするか……一度距離を取りたいけど、今は避けるの精いっぱいだしな……)

沙耶「恭介!ファイズフォンに……」

555「あ、その手があったか。」

沙耶「え?」

555はファイズフォンを外し携帯に番号を入力した。

『103』

『ブラスターモード』

その掛け声とともに携帯は銃の様に変形した。

そして555が携帯の引き金を引くと携帯から光が出て、オルフェノクを襲った

オックス「がは……」

555「結構効くみたいだな、次は……」

『106』

『バーストモード』

555「よっと」

オックス「は……は……いてえ。てめえ……」

今度は先ほど出た光が連続でオックスオルフェノクを襲う

555「やっぱりこれだけじゃ倒せない……か」

沙耶「恭介、カメラを」

555「了解」

555は銃弾によって一瞬できた隙で素早くファイズギアの左からカメラを取り出すとそれをグローブの様に腕に付けた。

555「拳には拳を……てな!」

そしてミッションメモリーをセットするとエンターキーを押し。

『EXCEED CHARGE』

その掛け声とともにベルトから光が伝わり、カメラに光がともった。

オックスも拳を555に向けてふるった。そして恭介はその拳に合わせる形でカメラを振った。

オックス「グググ」

555「セイヤアア」

オックスオルフェノクは吹っ飛び、先ほど拳をぶつけ合った所では、φの文字が刻まれていた。

オックスオルフェノクは動かなくなった。ためしに謙吾が触ってみるとオックスオルフェノクの体は灰となって崩れた

沙耶「あんた……何時からそんなにファイズギアを使えるようになったの?」

恭介「あのフェイズギアが入ってる箱の中説明書あるだろ。それ読んでおいたんだよ。」

沙耶「いったいいつ読んだのよ?」

恭介「昨日の内に……またオルフェノクに襲われることもあるかも、と思ってな。」

沙耶「……抜け目ないのね。」

恭介「というかあんたが抜けすぎ……」

と、恭介はそこまで言ってしまったと思った。

沙耶「そうよ。どうせ私は隙だらけよ。こんな隙だらけがスパイなんて滑稽よね。笑えばいいじゃない。ほら笑いなさいよ。大体こんな大変な事に一般人を巻き込むだけでも大変なのに……」

恭介(……別に抜けててもいいから、その自虐癖は治らないだろうか?)

しかし今回の自虐はここで終わった。

謙吾「恭介!!」

沙耶「!!」

恭介「謙吾か?なんだ?」

謙吾「なんだじゃない!今の怪物はなんだ!そのベルトはなんなんだ!?」

恭介「……」

謙吾「全部答えてもらうぞ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき(とりあえず……今日はもう帰ろう)

みゆきは帰る途中、人通りの少ない路地を歩いていると、怪しい男達がバイクに乗って声をかけてきた。

怪しい男A「おい姉ちゃんいま暇?」

怪しい男B「遊ぼうぜ~~」

みゆき(知らない人が話しかけてきたど、どうしよう)

みゆき「す、すいません、私急いでますから」

そういってみゆきは走り去ろうとしたがバイクで先回りされた。

怪しい男A「つれねーこと言うなよ。」

怪しい男C「そうそう」

みゆき「本当に!やめてください!!警察呼びますよ!!」

怪しい男A「そこまで言うんじゃしょうがねえ」

みゆき(ようやく解放される……)

そう安心したみゆきだったが背後から近づいてくる男に気付かなかった。その男に羽交い絞めにされた

怪しい男D「へへへ、おとなしくしてろよ。」

みゆき「た、たすけ……う、ううう」

助けを呼ぼうとしたが手で口を塞がれた。

みゆき(どうして……私ばっかりこんな目に合うんだろう)

みゆき「……あな……せい。」

怪しい男A「あん今更命乞いか?大丈夫だよ。これから楽しいショウの始まりなんだからよ。」

男たちはみゆきが何と言ったのか聞こえなかったがみゆきは

みゆき(……あなたたちのせいだ)

と言ったのだ。

みゆきの体が光り出したかと思うとみゆきの体は装いの様なもので包まれた。服でいう所の襟や袖、足や腰の部分には美しい翼を象った模様があり、全体的にそれは白鳥を思わせるほどに美しく、女性的な身体つきで……それでいて誰が見ても間違いなく____
_________________化け物のだった。

ある会社……スマートブレインは彼女をこう名付けた。クレインオルフェノクと

怪しい男A「ひい、なんなんだよ、こいつ!」

クレイン「……」

Open your eyes. for the next Φ's!

みゆき「私……いったいどうしなったんでしょうか……」

謙吾『これはおれがスマートブレインに持って行く』

謙吾「変身!」

555「   」

恭介「あれは……ファイズ!?」

理樹「君の……仲間だ。」

古式みゆき……弓道少女。大会でもかなりいい成績をのこし将来有望だったが、事故で片目の視力を失った。そのため特に距離感が大事な弓道が出来なくなった。またそのことに絶望し自殺をはかり、その際オルフェノクとしてよみがえった。

ファイズショット……X線、サーモグラフィ、暗視モードを備え、静止および動画も記録可能という高性能カメラ。ただしその実態はファイズポインター同様ファイズフォンのミッションメモリーをセットすることで、パンチングユニットとしても使える。高エネルギーを放出。直接エネルギー体をぶつけることになり、その破壊力は凄まじい。

ファイズブラスター……ファイズフォンに103あるいは106と入力することでファイズフォンが変形した姿。103で単発型に106で連発型に変わる。

クレインオルフェノク……鶴をモチーフにしたオルフェノク。美しい見た目に反しかなりの戦闘能力を持つ。

宮沢謙吾……剣道少年。恭介、理樹と幼馴染である。以前、古式みゆきの自殺を目の前で見ており、その際自分が止められなかったことを非常に悔いている。また、今回の理樹の行動についても自分が気付けなかったことに後悔している。

今日はここまで

書き溜め分がなくなったので明日から遅れるかも。

すいません>>1です。
>>37
三角錐じゃなくて円錐です。以後、気を付けます

怪しい男A「何なんだよお前……」

クレイン「……」

クレインオルフェノクは何も言わない。彼女は背中から光る翼をだした

その光る翼が男たち四人心臓を貫いた。そして、しばらくすると男たちは灰になった。

気付けば、みゆきは変化を解いていた

みゆき「はあはあ……私……どうなっているの?」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第四話

謙吾「つまりあれか?この沙耶って子はこのベルトをあのスマートブレインに届けようとしててこのベルトを狙っているのがさっきの怪物……って事でいいのか?」

恭介「そう言うことだ。あんなの警察に行ってもしょうがないだろ。」

謙吾「にわかには信じがたい話だが……先ほどのあの光景を見せられては、信じざるを得ないな。」

沙耶「私は一人でも大丈夫と言っているんですけどね。」

謙吾(なんかさっきと口調が違くないか?)

恭介(そういやこいつって知らない奴には基本猫をかぶっていたな……)

恭介「そう言うな、さっきだってお前一人だったら危なかっただろう?」

沙耶「……はい、その通りです。いつもありがとうございます。」

謙吾「そういえば……あんた、名前は?」

沙耶「そう言う時って、自分から名乗るものじゃないかしら?」

謙吾「その通りだな。俺の名前は宮沢謙吾。こいつの親友だ。」

沙耶「私の名前は朱鷺戸 沙耶と言います。よろしくお願いします」

沙耶「こんな大変な時に恭介さんの力をお借りして、申し訳ありません。ですが彼の力が今私にはどうしても必要なのです」

謙吾「いやこいつが勝手にやっていることなんだろう。あんたには関係ない。」

沙耶「いえ、私がふがいないばかりに恭介さんに助けられているのは事実です。でも……恭介さんはもう少し借りていきます。明日にはスマートブレインに着きますのでそれまででいいので貸してくれませんか?」

恭介「人を物みたいに言うな……」

謙吾「わかった。だが……俺も同行させてもらう。」

沙耶「……残念ですがそれはできません。危険になりますし……あいにくバイクが一つしかありませんので……」

謙吾「……わかった。」

~~~~~~~~~~

沙耶「さて……行ったか。」

恭介「お前……変わりすぎだろ」

沙耶「女なんてみんなそんなもんよ。さて今日はもう遅いし、この辺りで野宿しますか。」

恭介「それなら病院の中でもいいんじゃないのか?……できれば理樹の傍に……」

沙耶「病院で襲われたら、たまったもんじゃないでしょ?」

恭介「……それもそうだな。」

恭介(あの病院に理樹が居るというのならなおさら……か)

沙耶「あのさ恭介、前にも言ったけど……」

恭介「なんだ」

沙耶「感謝してるって言ったの、あれ、建前じゃないから。あんたが居なかったらベルトは取られていたと思うし……多分、私も死んでた。……本当にありがとう、恭介。」

恭介「……謙吾も言っていたが俺が好きでやってることだ。気にすんな。」

沙耶「いつか必ずこのお礼はするから。」

恭介「……期待してるぜ。とりあえず今日は寝ちまおう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆきはあの場から逃げ出して、あの白い部屋に戻っていた。

みゆき「わたし……一体……」

天使「だから言ったでしょお?オルフェノクとして覚醒したって。」

みゆき「オルフェノクって……あんな化け物の事だったんですか!?」

天使「その言い方は傷つくなあ。私も一応そのオルフェノクの一人だし。」

みゆき「ご、ごめんなさい。でも私、人を……それも四人も……」

天使「まあまあ、今回は正当防衛だったんだし仕方ないんじゃないかな~。」

みゆき「み、見てたんですか!?」

天使「私じゃないけどね。監視はしてたのよ。キャ、ごめんちゃい。」

みゆき「なら、助けてくれてもいいじゃないですか!そしたら私……」

天使「ごめんね。監視してた人と私は違う管轄だから。私その時いなかったの。」

みゆき「す、すいません」

天使「まあ、詳しい話は社長がするから。難しいことはその時決めて。」

みゆき「……はい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ある時ひとりのバイク乗りがガススタンドに立ち寄った

店員A「レギュラー満タンで値段は六千円となります。」

???「そうか……」

男はおもむろに手を出すと

???「お代はこれだ」

そういうと男はオルフェノクに変化した。その体には無数のトゲが存在し、それをその店員の心臓に一刺した。

店員A「ありがとうございました」

???「おう」

店員B「なんか感じの悪い客だったな」

店員A「    」

店員B「って聞いてるのか……」

そう言って店員Aを見てみると……体が崩れて灰となっていた。

店員B「うわああああ」

しばらくすると店員Aは灰になった。オルフェノクに殺されたものはすぐには死なずわずかの間動くことができる。そしてその後、灰になるのだ。

そして店員Bもすぐ後ろにいたオルフェノクに切り殺されていた。

???「……」

そしてさっきの男を追いかけていく。

???「おい、赤井!」

赤井「なんだよ。緑川」

緑川「派手にやりすぎだ。あれではオルフェノクの存在がばれるかもしれないぞ。」

赤井「ち、わかったよ」

赤井「……うるせーやつ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「おい……起きろ沙耶。」

沙耶「何よ恭介……」

恭介「ベルトがなくなってるぞ!」

沙耶「え!?」

恭介「オルフェノクの仕業か……」

沙耶「いえ、オルフェノクなら私たちを殺してるだろうし、何よりオルフェノクに限らず誰かが来たらわかるわ……」

恭介「どうしてわかる?トラップかなんかでもあるのか?」

沙耶「私、こう見えてもスパイですから。ちゃんと寝てても、人が来れば起きるように訓練されてるのよ」

恭介「誰か夜の内に来なかったか?」

沙耶「怪しい人は誰も……いえ、一人だけ来たわ。さっき宮沢君が……」

恭介「謙吾が?何のために?」

沙耶「恭介に話が有るって……」

恭介「俺は何も話を聞いてないぞ……ひょっとしてあいつ……」

恭介はファイズフォンで謙吾の携帯に電話を掛けようとしたがファイズフォンもベルトと共に取られていたため連絡することができなかったが。……がファイズフォンを探した際

恭介「手紙?……謙吾からだ!」

その手紙にはこう書かれていた

謙吾『恭介へ
勝手な真似をしてすまない。だが要はこのベルトをスマートブレインに届ければいいんだろ?それなら俺でも出来る。必ず届けてみせる。だから恭介……お前は少しでも近く理樹の傍に居てやってくれ。悔しいが俺よりもお前が居てやった方が理樹は喜ぶからな……頼むこれが理樹に対して俺が出来る唯一の罪滅ぼしだ。
                          謙吾より』

恭介「あの馬鹿!勝手な事を……自分を責めすぎだ。」

沙耶「そんなこと言ってる場合じゃないわ。早く行かないとオルフェノクに襲われるかもしれない。早く宮沢さんを追うわよ!乗って!!そんな遠くには行っていないはずよ。」

恭介「ああ!」

沙耶はバイクを走らせた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

行くあてのないみゆきは自分の学校の弓道部に来ていた

後輩「あれ、古式先輩じゃないですか?」

先輩「どうしたんだ」

みゆき「その……ちょっと懐かしくて……つい……」

先輩「へええ。あんたでもそんな気持ちになるんだね?」

後輩「みゆきさんならいつでも歓迎ですよ。」

みゆき「はい」

みゆきは少し嬉しい気持ちになり部室を出て行った。

そしてしばらく離れた後……先輩たちの声が聞こえてきた。

先輩『はあ……ようやく出て行ったね』

後輩『そうっすよね。まったくあいつのせいで私たちまでいい迷惑っていうか……』

先輩『部内でいじめにあったせいだなんていう人もいたし……はっきり言って迷惑よね……』

後輩『あの人あの事故で死んじゃえばよかったのにっすね……』

先輩『それは言いすぎだ。』

後輩『それじゃあ先輩は思わなかったんすか?』

先輩『そりゃあ……思わなくもないけど』

みゆき(……ひどい。私……そんな)

みゆきはもう地球上に自分の居場所が存在しないかのような気分になった。

そして涙ながらにその場を後にして当てもなく走り去って行った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾はタクシーの中に居た。

謙吾(恭介……お前は理樹の傍に居てやれ。朱鷺戸さん騙してしまってすまない。だが必ずこのベルトは届ける。だから待っていてくれ。)

運転手「お兄ちゃん。その箱鳴ってるよ?」

運転手はファイズギアが入った箱を指して言った

謙吾「ああ、大丈夫だ。気にしないでくれ」

謙吾(恐らく朱鷺戸の携帯からかけてきているのだろう.……だますようなまねをしてすまない、だが、恭介……お前は理樹の隣に居てやれ。)

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「だめだ。謙吾の奴、全然出ねえ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

運転手「うわ!」

謙吾「どうしたんだ!?」

運転手「いきなり人が飛び出してきたんだ。あぶね-引いちまうところだったよ」

緑川「ベルトを寄越せ」

 赤井「さっさと寄越せえええ!」

そう言うと緑川と赤井は変化した。緑川はカマキリの特徴を持つマンティスオルフェノクに、赤井はサボテンを元にしたカクタスオルフェノクに……

運転手「ひ、ひい、なんだ、あの化け物」

謙吾「早く逃げろ!」

謙吾がそう言うや否や、我に返った運転手が急速にバックした。だがオルフェノクはすぐに後ろに回り込む。

マンティス「逃がすものか」

運転手「ひええええ」

そう言うと運転手はタクシーからすぐに出て、一目散に逃げ出そうとした

カクタス「逃がすと思う?ひひひ」

運転手がやられる。そう思った謙吾は助手席から車を急発進し、オルフェノクにぶつけた。

運転手「ひいいい」

運転手はその隙に逃げた。

カクタス「逃がすか……」

マンティス「待て。とりあえず、あれはいいそれよりも目の前の奴だ。こいつがファイズギアを持っている」

カクタス「……なんで一々偉そうなんだよ……」

マンティス「何か言ったか?」

カクタス「別になにも……さっさとそいつ片付けちまおうぜ……」

謙吾「くっそ」

 謙吾(だが……こうなるかもとは思っていた。これが狙われているということは知っていたからな。だから……)

謙吾(それに俺は剣道をやってきた。恭介よりも使いこなすことが出来るはずだ……)

謙吾(確か恭介は……)

『555』

『STANDING BY』

謙吾「変身!」

『ERROR』

謙吾「何!」

謙吾はいつかの沙耶の様に後方にふっとんだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆきはいつの間にか自分の家に帰っていた。当てもなく走っていたらいつの間にかここにきてしまっていたのだ。

みゆきは自分の居場所をここに求めたのだ。決して希望を持ってはいけないとわかっていながら。

そうして家の前をうろうろしていると……

古式父「……」

みゆきの父親が現れたのだ。

みゆき「お父さん……」

みゆきは帰ってきてくれ。と言って欲しかった。

弓なんていいからとりあえず家に居なさい。と言って欲しかった。

やはり噂になっては迷惑だ。とりあえず家に居ろ。でもよかった。

そんな言葉を期待した。どんな言葉でもいい、この家に居てもいい……そう言って欲しかった。

しかし……現実とは非常なものである。

古式父「出て行けと言ったはずだ!何しに帰ってきた!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾「うわああああ」

謙吾(ど、どういうことだ……)

謙吾「もう一度だ!」

『555』

『STANDING BY』

謙吾「変身!!」

『ERROR』

謙吾「うわあああ」

謙吾(おかしい……俺と恭介で何が違うというんだ?)

謙吾「も、もう一度……」

カクタス「おままごとに付き合っている暇はないんだよ」

カクタスオルフェノクは謙吾から強引にベルトを奪うと、なんと自分にまきつけた。

カクタス「はっはっは、馬鹿な奴だぜ。このベルトは誰でも使えるわけじゃない」

そう言うとカクタスオルフェノクはファイズフォンにコードを入力した

『555』

『STANDING BY』

カクタス「これは選ばれた者だけが使えるベルトなんだよ……」

恭介「謙吾!!」

そこに駆け付けた恭介たちだったが……

謙吾「恭介……すまない……」

カクタス「変身……」

『COMPLETE』

オルフェノクの体が光に包まれその光が鎧に変わり、オルフェノクは仮面ライダー555となった。

恭介「あれは……ファイズ!?」

沙耶「どうやら一足遅かったみたいね……」

555「これがファイズ……どんどん力が湧いてくるぜ」

マンティス「浮かれるな、あいつらは生かしておけない。さっさと始末しろ」

謙吾「来るか……」

555「威張りすぎなんだよ、お前」

マンティス「は?」

しかしファイズが最初に攻撃したのは恭介たちではなかった。ファイズは仲間のオルフェノクを攻撃し始めたのだ。

マンティス「あ、か、」

555「死ね、死ね!」

ファイズは執拗に何度もオルフェノクを殴りつけた。

恭介「こいつ……自分の仲間を」

沙耶「仲間割れ……ね」

謙吾「今の内に……」

そう言っている内に、マンティスオルフェノクは炎に包まれ灰になった。

555「ああ、すっきりしたぜ。次はお前らだ……」

沙耶はスカートから拳銃を取り出すとそれをファイズに向けて発射した。

沙耶「やっぱり、気休めにもならないか。」

555「何しやがる!!」

そう言うとファイズは沙耶の首根っこを掴んだ。

恭介「沙耶!」

謙吾「その子を離せええ!!」

謙語はファイズの体制を崩そうとするが、そんな健吾をファイズは軽く払いのけると沙耶の首を絞め続けた。

沙耶は消え入りそうな意識の中……

沙耶「たす……け……」

と言った。

消え入るようなそのかすかな声に反応したかのように……

突如としてバイクが変形した。

『うぃいいんんん』

変形した姿は人を思わせる形をしていた。

555「なんだこいつ……」

変形したバイクは555に体当たりをした

555「がは、」

その際の衝撃でベルトが外れ変身が解ける。

恭介はすぐさま落ちたベルトを拾った。

謙吾「助かったが……あのバイク……なんだ?」

沙耶「わからない……ベルトと一緒に送られてきたんだけど……」

恭介「分からないが、今はそんなこと考える時じゃない」

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は変身した。

555「さてっと、とっととやるか」
 
カクタスオルフェノクはすぐさま攻撃を繰り出そうとするが、それに先んじてファイズの拳が届く。

カクタス「がは」

ファイズは拳を二三発撃ちつけたがカクタスは離れた。

カクタス「ま、待ってくれ……頼む見逃してくれ……」

555「!!」

カクタス「お、俺達は誰かに雇われただけなんだよ。頼むもうお前達を襲わねえから。な?」

555「敵とは言え……仲間をこんな風にしたお前を信用できない。」

恭介は怒っていた。沙耶をいたぶったこともそうだが、なにより仲間を大事にしなかった事を恭介は怒っていた。

カクタス「頼むよ……」

555「……わかった。ただしバイクはここに置いていって、見えなくなるまで向こうに向かって走れ」

カクタス「わ、分かった。」

カクタスは後ろを向き。

カクタス「なあんてな!」

いきなり振り返ったかと思うと、振り返りざまにカクタスオルフェノクはトゲを沙耶たちに向かって発射した

555「!!」

ファイズは沙耶とカクタスオルフェノクの間に入った。そしてトゲは無情にも命中した……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

古式父「出て行け!二度と帰ってくるなと言ったはずだ!」

希望なんて持ってはいけないと思っていた。そんな事……わかっていたはずなのに。

みゆき「そんな……私……私……」

友達だと思っていたものに裏切られ、親に見捨てられたみゆきの痛みは……希望を捨てていてなお想像以上の苦しみであった。

クレインオルフェノク「うああああああ」

そしてみゆきの記憶は飛ぶ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

変形したバイクが自ら盾となったのだ。

カクタス「ちいい」

555はすぐさまファイズポインターを抜くと足にセットした。

『EXCEED CHARGE』

ポインターから出た光がオルフェノクに当たりその光が円錐状に広がる。そこにファイズは飛び蹴りと同じ要領で突っ込む。

カクタス「ひい、あああ」

555「せいやあああ!」

ファイズはその光と一体となってオルフェノクを押しつぶした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆきが我に返った時には……もう何もかもが終わっていた。

クレイン「私……私……」

古式父「あぐ」

クレイン「あ、お父さん!……いやあああああ!!」

みゆきの父親はみゆきの目の前で灰に変わった。

古式母「く、くそ」

クレイン「お母さん、お母さん」

古式母「この!化け物が!!」

それが母の残した最後の言葉になった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「あ~もうあんたのせいで大変なことになったじゃない!」

謙吾(あれ、こいつ口調変わってないか?)

謙吾「すまない……返す言葉もない」

恭介「謙吾……理樹とは必ずいつか話を付ける。だが今はこれを届けることが先決だ。」

謙吾「……そうだな。あんな怪物が居たんじゃ理樹も安心して寝れんだろう」

恭介「そう言うことだ。」

謙吾「ただし俺も付いていく……お前に怪我でもされたら、理樹もきっと悲しむからな。」

恭介「わかったよ。俺が運転するからレンタカーを呼んでくれ」

謙吾「運転できるのか?」

恭介「まあ理樹が入院してる間にちょちょちょっとな……本当は理樹が退院したら皆を誘って修学旅行の続きを……って思っていたんだがな。」

謙吾「……」

恭介「あ、そうだ、朱鷺戸……」

沙耶「さっきみたいに沙耶でいいわよ。付き合い短いけど死線を一緒に潜り抜けた仲だしね。」

恭介「んじゃ、沙耶。そういや、お礼頼んでもいいんだったよな。」

沙耶の方へ近づいた。

沙耶「え、あ、ちょ、その、あんまり変なお願いは……その……げげごぼうおぇっ」

そして沙耶の後ろにあるバイクに手を当てると

恭介「だったら……このバイクがいいな。こいつには助けられたからな。」

沙耶「ば、バイクね……バイク。」

恭介「沙耶?」

沙耶「そうよ笑えばいいじゃない!自意識過剰な女だって笑えばいいじゃない!ハーハハハって。そうよ。私はちょっとだけあんたに襲われるんじゃないかって思っちゃったのよ。滑稽でしょ!間抜けでしょ!哀れでしょ!バイクに負けるような女だって笑えばいいじゃない!ハーハハハって~~~~~~」

謙吾「恭介……この女……」

恭介「ああ、実はこいつ相当かわいそうな奴なんだ。気にするな。今の内にレンタカー呼んどけ」

謙吾「わ、わかった」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき「私……私……」

???「古式さん」

みゆき「あなたは……宮沢さんと一緒に居た人。……来ないで……今来たら私は……あなたを殺してしまうかもしれない……」

???「大丈夫だよ。古式さん」

理樹「僕は……君の仲間だ

Open your eyes. for the next Φ's!

理樹「オルフェノクっていったい何なんですか?」

戸田「これはね、オルフェノクと人間の戦いなんですよ。」

マスター「どうだ……またうちで働いてみないか」

理樹「いやだ!僕は嫌だ!!」

恭介「俺は裏切られるのが怖いんじゃない。俺が人を裏切るのが……怖いんだ……。俺がいつかあいつらを……」

オートバジン……バイクの名前。変形してロボットになることが可能。自己搭載したAIで自身が555の持ち主だと認識した人間のサポートをする。現在は沙耶。

マンティスオルフェノク……カマキリを題材にしたオルフェノク。両手のカマを武器に戦う。

カスタスオルフェノク……サボテンの特質をもったオルフェノク。トゲによる打撃が主な攻撃手段。また発射することも可能

今日はここまで

明日か明後日辺りにABキャラを本格参戦させたい。

天使「はああい、お使いご苦労様★」

理樹「……君は僕と彼女が知り合いだって知ってたの?」

天使「それはもう、スマートブレインの情報網を甘く見ちゃ、メ!だよ。」

みゆき「……それでこれから私達どこに連れて行かれるんですか?」

天使「社長の所……って言いたいところだけど、社長の用事がいつ終わるかめどが立たないんだって……」

理樹「それじゃあ……オルフェノクについての説明はしてくれない……と言うことですか?」

天使「いいや、君達には教育係を付けさせていただきま~す。」

天使は二人を車に乗せた。

理樹「あの……運転できるんですか?」

天使「見た目子供でも免許が有れば大丈夫よ。」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第五話

謙吾「ふうう。……恭介もう少し優しく運転できないのか?」

謙吾は顔色を蒼白にしながら、恭介に尋ねた

恭介「目の前の奴に言え。あっちがこっちの事を考えずガンガン飛ばすからこういうことになる」

しかし沙耶が浮足立つのも無理のないことである。

沙耶「ようやくついたわね」

恭介「ここが……スマートブレインの本社か……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そんな二人の後ろに付いている影が一つあった

???「……」

天使「はぁい戸田さん」

戸田「何の用だ」

天使「お仕事の変更をお伝えに来ました」

戸田「なんだと……」

戸田はその場を後にした

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

プルルルル

恭介「謙吾、電話なってるぞ?」

謙吾「ばい、もじもし」

唯湖『なんだ謙吾君元気がないな。』

謙吾「来ヶ谷……か、……何の用だ?」

唯湖『理樹君についてだ』

謙吾「何、理樹についてだと?」

恭介「理樹がどうかしたのか!?」

謙吾は飛びあがった。

唯湖『ところで、今そこに恭介氏は居るか?』

謙吾「ああ、そうだが……恭介にも伝えた方がいいのか?」

唯湖『そうだな。恭介氏にも聞かせてくれ』

恭介「ああわかった。」

唯湖『実は……理樹君が退院した』

謙吾「なんだと!」

恭介「そいつは朗報だな」

謙吾「わかった。こちらの用事が終わったら恭介と一緒に会いに行く。」

唯湖『それはできない』

謙吾「な、」

恭介「来ヶ谷……どういうことだ?」

唯湖『理樹君は……私達とは会いたくないらしい。』

謙吾「そんな……どうして……」

唯湖『理由はわからんが……自殺するほど追いつめられていたのだ……私たちと会いたくないと言っても不思議ではあるまい?』

恭介「そうかも……しれないな。」

唯湖『しかも、精神療養のための施設に連れて行かれたとかでもう病院にはいないそうだ……』

謙吾「そんな……理樹……」

恭介「……」

唯湖『ただ……』

謙吾「どうした来ヶ谷」

唯湖『いやなんでもない。とりあえずこちらは大丈夫だから、そちらの要件に集中してくれ』

謙吾「……わかった」

恭介「謙吾変わってくれるか?」

謙吾「……わかった」

唯湖『恭介氏か。どうした?こちらから言えることはこれが全てだが……』

恭介「……その……鈴はどういう様子だ?」

唯湖『こうして見ている分には平常だな。「とりあえず理樹が生きていたからそれでいい」と言っていた。』

恭介「そうか……本当に強くなったな、鈴」

唯湖『もう切るぞ』

恭介「ああ、ありがとう。来ヶ谷」

ピ ツーツーツー


謙吾「……」

謙吾は意気消沈していた。

謙吾(理樹……俺達に会えなくなるほど……それほどまでに理樹は追い詰められて……)

恭介「謙吾……気持ちはわかるが、とりあえず理樹は元気になったんだ。今はそれでいいんじゃないか?」

謙吾「恭介……ああそうだな。悔しいが今は理樹に出来ることは何もない。沙耶の事に集中しよう」

恭介「ああ」

恭介(ただ……来ヶ谷も引っかかっていたみたいだが、運がいいにしても、理樹の回復があまりに早いのは気になるな……)

沙耶「二人とも、早く行くわよ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天使「ってことにしておいたから。」

理樹「えっと、どうしてそんな面倒な事を?」

天使「君たちが死んだって言ったら、生きている所見られるのは面倒なのよ。だけどオルフェノクになった今これまでと同じ生活も難しい。だから『生きているけど別の所に住んでいる』て、ことにした方が都合がいいのよね。」

理樹「なるほど……」

天使「古式さんも同様にしておいたから……」

みゆき「あ、ありがとうございます。」

天使「それじゃあ、係の人間が来るまでちょっと待っててくださいね?」

理樹「は、はい」

みゆき「ここは……一体……」

理樹「スマートブレインって会社……らしいよ」

みゆき「それはわかってるんですけど……スマートブレインってあの有名な大企業ですよね。確か最新医療技術から日常用品まで何でも作っているっていう……そんな大企業がどうして私たちを?そもそもオルフェノクって一体……」

理樹「僕も良くわからないけど……多分これから説明してくれるんじゃないかな?」

天使「はあい、お連れしました。彼が君達の教育係の戸田さんよ。」

戸田「ご紹介に預かった戸田と申します。以後お見知りおきを……」

理樹「はい……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「社長に会えない!どういうことですか!」

係員「ですから社長にはアポなしでは会えないというのが決まりになっているのですよ……」

沙耶「私は……私たちは社長に呼ばれてここまで来たんですよ!?」

係員「そう言われましても、規則ですので」

恭介「……それならいつなら会えるんだ?」

係員「それは社長に確認してみないとわかりませんね」

沙耶「それじゃあ確認を取ってください!」

係員「それが、それを取るにも色々と規則が……」

会社の外

沙耶「むぎいいいい、あの係員むかつくううううう。何よ、規則規則って鬱陶しいのよ。連呼されなくてもわかるてーの。」

沙耶は地団太を踏んだ。

謙吾「そう怒るな。あの人だって仕事でやってるんだ。」

沙耶「でもこっちは命がけでこれ運んできたのにこの仕打ちよ!いらっと来るじゃない」

恭介「お前との縁ももう少し続きそうだな」

沙耶「……そうね」

謙吾「これからどうする?」

沙耶「何の当てもなくこんな場所まで来ると思う?私にだって当てはあるのよ」

恭介「どんな?」

沙耶「実はね……私、警察官採用試験の勉強をしようと思ってるの。」

謙吾「ほお、いいんじゃないか」

恭介「……お前スパイじゃなかったのか?」

沙耶「スパイじゃ命がいくつあっても足りないし、転職しようと思っていたのよ。警察ならスパイの経験も生かせるでしょ?それに……お嫁さんと並んで子供のころからの夢だったの……色んな人の幸せを守るのが……」

恭介「……」

謙吾「ずいぶんとかわいらしい夢だな。」

沙耶「……ふふふ」

謙吾(あ、しまった)

沙耶「そうよ、笑えばいいじゃない。お嫁さんと警察官って子供みたいだって笑えば……」

謙吾(まずいな……さっきの調子だとここから長くなるぞ……)

しかし沙耶の自虐はそこで止まった

恭介「笑わねえよ。」

沙耶「別に笑ってもいいのよ。だって……」

恭介「俺なんて夢すらないからな。……笑う資格なんてねえよ」

沙耶「え、えっと、ご、ごめん」

恭介・謙吾・沙耶「……」

謙吾「そ、それで今日泊まるところはどうするんだ」

沙耶「え」

恭介「……それは考えてなかったのか」

沙耶「……うん」

恭介・謙吾・沙耶「……」


三人は微妙な空気になった。空気を変えようと謙吾はこう提案した。

謙吾「そ、そうだ。この辺りに昔、恭介が働いていた店がなかったか?」

恭介「そう言えば……」

謙吾「そこに皆で行かないか?ほら、ちょうどおなかも空いたし」

恭介「……そうだな」

沙耶「どのあたりにあるの?」

恭介「角曲がった先だな」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

戸田「君たちはオリジナルだね?」

みゆき「オリジナル?それっていったいどういう意味ですか」

戸田「オルフェノクには大きく分けて二種類居てね、君達みたいな事故か何かで普通に死んでしまった後にオルフェノクとして覚醒したものの事をオリジナルと言うんだ。」

理樹「はあ」

戸田「オリジナルは能力が高いものが多い上貴重だ。幹部クラスのオルフェノクは基本的にオリジナルだと思っていい。」

みゆき「もう一つの方のオルフェノクっていうのは何なんですか?」

戸田「もう一方のオルフェノクは使徒再生と呼ばれている。それは後で説明するよ」

ここで理樹はもっとも聞きたかったことを聞いた。

理樹「あの……オルフェノクっていったいなんなんですか」

戸田「オルフェノクと言うのは……人類の敵だ。逆もまたしかりだけどね」

理樹「なんで人類が敵なんですか?共存し合えると……思うんですけど」

戸田「そう思うならオルフェノクの姿で街中を闊歩してみるといい。すぐに捕まるからね」

理樹「でも……だからって敵だなんて」

戸田「理樹君……と言ったね。人間と言うのは愚かな生き物だ。歴史を見てみればわかる通り、自分とは違うものに対しては排他的になる。君達も大なり小なりそう言う経験をしたことあるんじゃないかな?」

理樹とみゆきはオルフェノクの姿を見た人間の反応を思い出していた。

佳奈多『この……化け物。葉留佳に近づかないで!』

古式母『この!化け物が!!』

理樹「……確かに人間とオルフェノクがわかり合うのは難しいかもしれません」

理樹(でも……それでも僕は……)

みゆき「あの……それで私たちは何をすればいいんですか?」

バイト「すいません清掃のバイトに来ました」

戸田「……ちょうどいい。これからそれを見せよう」

そういうと戸田はいきなりオルフェノクに変化した。イカの性質をもったオルフェノク……スクィッドオルフェノクだ

バイト「ひい、化け物……」

スクィッド「ふん」

スクィッドオルフェノクは墨を吐くとそれはバイトに当たりバイトの心臓は溶けて行った

理樹「そんな……」

みゆき「……ひどい」

戸田「こいつはくじ引きでいう所のはずれだな。当たりならオルフェノクとしてよみがえるはずなんだ。それがさっき言った使徒再生のオルフェノクだ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

三人は客のあまりいない喫茶店に入った

マスター「いらっしゃい……って君は棗君じゃないか」

恭介「おう、厄介になるぜ。マスター」

マスター「元気にしていたかい?」

恭介「まあな。マスターの方も元気そうで何よりだ」

マスター「店は繁盛してないがね」

恭介「んじゃ、とりあえずコーヒー三つにサンドイッチ三つ」

マスター「了解」

沙耶「ずいぶんと仲良いのね?」

謙吾「マスターは恭介の恩人だからな」

沙耶「恩人って?」

謙吾「そうだな……これ以上は恭介に聞いてくれ。恭介のプライバシーにかかわるからな。俺の口からは言えん」

恭介「俺は別にかまわないぜ。謙吾。別段隠すような話じゃないからな。」

謙吾「それじゃあ話すが……恭介は苦学生でな……中学の頃学費が無くてな」

沙耶「ここで働いていたってことね。でも別にそれなら恩人っていう程じゃないんじゃないの?」

恭介「それは一度中学の教師がここにきてな、中学はじゃバイトが禁止されていたんだ……だがマスターは俺の事情を知っていてここに置いておいてくれたんだ」

沙耶「そうなんだ」

恭介「その時のバイト資金があったから俺達兄妹は中学を卒業できたし、今高校にも無事通えてるって事だ」

沙耶「なるほどね。……兄弟?って事は恭介、弟居たの?」

恭介「弟じゃなくて妹な」

沙耶「へええ。」

マスター「ヘイお待ち」

謙吾「それじゃあ食べるか……」

恭介「おう」

恭介「ごちそうさん」

マスター「棗君、少し話が有るんだけどいいかな?」

恭介「はい」

恭介は言われた通り話を聞きに行った。

マスター「君、まだバイトやっているのかい?」

恭介「いえ……今は就職活動中でして……」

マスター「君は大学に行かなくていいのかい?」

恭介「はい……」

マスター「それは妹さんのためかな?」

恭介「……」

恭介は質問の意図が見えなかった。マスターが何を聞きたいかわからなかった。そしてその後提案されたマスターの案は恭介にとって予想外の提案だった。

マスター「もしよかったら、君達の学費を少し負担させてくれないか?」

恭介「え、いや、そんなの悪いです」

マスター「……実はね、この店は明日で閉店なんだ」

恭介「な、どうしてですか?」

マスター「実は……ここ最近、景気が悪くてね……赤字経営もいいところだったんだ」

恭介「そうだったんですか……」

マスター「そこにこの店を買いたいという人が現れたんだ。それはもう目玉が飛び出るような大金でね。君らの学費を負担しても問題がないほどに……」

恭介「それは……よかったですね」

マスター「まあね。でもそうなってくると今度は急にやる気がなくなってきてね」

恭介「……」

マスター「この喫茶店は……私が若いころから培ってきた……いわば私の人生の様なものだった……それがなくなり大金のみがぽつんと置かれても……何とも言えなくてね」

恭介「ならこの店をつぶさない様に戦えばいいじゃないですか。俺も協力しますよ」

マスター「いいや、この店がなくなることはしょうがないんだ。時代のだからね……でもこのままただ大金を食いつぶしていくだけなんて……虚しいじゃないか」

恭介「……」

マスター「金はゆっくり返してくれればいい。私は天涯孤独の身だ。私が大金を持っていても得するものなどいない……だから」

恭介「うれしい提案ですが……お断りします」

マスター「……そうかい」

マスターは半ば恭介がそう答えるのはわかっていた。

マスター「それじゃあもう一つお願いだ。明日もこの店に来てくれ……最後のコーヒーになる。君に飲んでもらいたい」

恭介「そっちは……必ず」

恭介たちは店を出て行った

沙耶「どうしてマスターの提案を受けなかったの?」

恭介「お前……聞いてたのか?」

沙耶「聞こえたのよ。内緒話に耳を傾けられないんじゃスパイ失格よ」

恭介「そうか……」

沙耶「いい話じゃない。学費だって後で返せばいいんでしょ?これならあなたもその妹さんも大学に行けるじゃない」

恭介「いや……そもそも俺は大学に行く気はないんだ」

沙耶「どうして?夢が見つかるかもしれないじゃない」

恭介は煩わしくなったのか……それとも痛いところを突かれたのか不機嫌そうに答えた。

恭介「うるさい。俺にも色々都合があるんだ」

沙耶「分かったわよ。まったくこっちは心配して声かけてやったっていうのに……」

恭介「余計なお世話だ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「今日はどうもありがとうございました」

天使「気にしなくていいわよ」

みゆき「いえ……」

天使「着いたわよ」

車は理樹が居た白い部屋のあるマンションに着いた。

理樹「あ、それじゃあ僕はここで」

みゆき「はい、また明日」

天使「何言ってるの、二人とも降りて」

みゆき「あの……私の部屋は……」

天使「あの部屋もう引き払っちゃった。テヘ★」

みゆき「え」

理樹「それじゃあ古式さんは今日何処で泊まるんですか!?」

天使「君の部屋に泊めてあげてよ」

みゆき「それは、その……」

理樹「昨日まで住んでた部屋に止めた方がいいんじゃないですか?一応男女だし別の部屋に止めた方が……」

天使「ここだけの話二人分の家賃払うのって結構大変なのよ……だからごめんね☆」

みゆき・理樹(自腹だったのか……)

二人は何も言えず部屋に入った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾「それで……今日は何処で泊まるんだ?」

沙耶「そうね……どこかにビジネスホテルかなんかないかしら?」

謙吾「金はないぞ」

沙耶「私が出す……って言いたいけどいつまでかかるかわかんないし、やっぱり野宿かな」

謙吾「それなら俺の家がここから近いからそこで泊まらないか」

恭介「……行きたくねーな」

沙耶「それじゃああんただけ野宿にする」

恭介「……」

沙耶「ちょっと反応しなさいよ!」

恭介はさらに憂鬱になった

謙吾の家

沙耶「結構広いのね」

謙吾「まあな」

恭介「おい……お前の両親はどうしたんだ」(コソ

謙吾「この時代に武者修行だと。まったく時代遅れな親だよ。」

それを聞いて恭介は安心した。

恭介「謙吾も人の事言えんだろう」

謙吾「だからこの家は好きに使っていい」

沙耶「ふん。なにビビってるのよ」

恭介「なに……」

謙吾「二人とも野宿したくなかったら、喧嘩は止めろ」

沙耶・恭介「……」

夜は更けて行った

~~~~~~~~~~~~

翌日

天使「昨夜はお楽しみでしたね。きゃ」

理樹「変なこと言わないでよ。別に同じ部屋で寝たわけでもないのに」

みゆき「そうですよ」

天使「ごめんちゃい♪今日も戸田さんが呼んでるから付いてきて」

理樹「……はい」

戸田「今日は君たちにオルフェノクの生き方について教える」

そういって車が向かったのは昨日恭介たちと話したマスターの居る店だった

~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「……」

沙耶「……」

謙吾「おい、お前ら」

恭介「なんだ」

沙耶「なによ……」

謙吾「仲直りしろ」

沙耶「別に喧嘩なんてしてないわよ」

恭介「そうだ、謙吾」

謙吾「はああ、そう言うなら一緒にマスターの店行ってこい。あとで行くって言ってたよな?」

沙耶「なんで私も……」

謙吾「いいから行ってこい!」

恭介「……おう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹(ここ……昔、恭介が働いていた店だ……)

マスター「いらっしゃいませ、ご注文は?」

店の中にはすでに戸田が居た

戸田「コーヒー三つだ」

マスター「かしこまりました」

理樹(そう言えば一度だけ来たことがある……懐かしいな)

戸田「どうかしたか?」

理樹「い、いえ別に」

みゆき「それでお話と言うのは……」

戸田「君達にも仕事をしてもらいたい」

その答えは決まっていた。昨日の内に理樹とみゆきで話し合っていた。

理樹「……お断りします。いくら人間をやめたからって人を襲うなんてできません」

戸田「君たちはオルフェノクになって日が浅い。だからそんなことを言う。だが慣れればどうということ言うことはない」

そう言うと戸田はまたもやいきなりオルフェノクに変化し……

スクィッド「ふん」

スクィッドは墨を店に居た客全員にかけた。その墨がそこに居た人達の心臓を溶かした。

客A「きゃあああ」

客B「うわあああ」

???「ぐはあ」

スクィッド「さあ君達もやるんだ」

その時、理樹が見たのは

マスター「うう」

理樹(マスターが……それに人もこんなに……)

理樹「いやだ!僕は嫌だ!!」

そう言うと理樹はみゆきを連れて店から出た。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それと同時に入ったものが居た

理樹「うわあああああああ」

恭介「マスター約束通り今日も来た……理樹!?それに古式か?」

理樹「ああああああ」

理樹は恭介すら目に入らず一目散に逃げて行った。

そして恭介も理樹を追う余裕などなかった。

恭介「これは……」

恭介は目を覆ったこの惨状に

店には五人近くの人間が居て……それらは灰となっていく

恭介「マスター!」

マスター「棗……君……」

恭介「マスター――――!!」

それがマスターの最後の言葉となった

恭介「お前……よくもマスターを……」

スクィッド「お前は……ファイズだな」

恭介「お前がマスターを……」

沙耶「逃げるわよ恭介!」

そういうと沙耶は恭介の手を引っ張った。

沙耶「待ってて、今謙吾にベルトを持ってきてもらうから」

恭介「くっそ、あいつマスターを殺しやがった。」

沙耶「ねえ、恭介……なんでマスターの申し出受けなかったの?」

恭介「今それ重要か?」

沙耶「このまま喧嘩したままお別れなんて嫌でしょ?せめて理由位聞いておきたいじゃない……」

恭介「……そうだな」

恭介は少し間を置くとこういった

恭介「俺はそもそも大学に行くつもりなんてないんだ……」

沙耶「それはお金がないからでしょ?」

恭介「違う。そもそも大学に行くつもりがなかったんだ……」

沙耶「どうして?夢がないから?」

恭介「違う。俺が大学に行ったら鈴が……俺の妹が付いてくると思うんだ」

沙耶「?それが何か問題なの?」

恭介「俺は、今までずっと妹を甘やかしていた……俺は妹にもう俺を頼るのをやめてほしいんだよ」

沙耶「それは……妹さんが重荷って事?」

恭介「違う。あいつには俺なんかが居なくても幸せになってほしいんだ」

沙耶「そんなの……一緒に居てあげればいいじゃない」

恭介「……怖いんだよ。いつかあいつがどっかに行くのがじゃない……俺がいつかぽっくり死んだ時……あいつは生きていけるのか……それが怖いんだよ」

沙耶「……」

恭介「俺は裏切られるのが怖いんじゃない。俺が人を裏切るのが……怖いんだ……。俺がいつかあいつらを……」

そう言った時だった。

スクィッド「ひしゃああああ」

恭介「ち、おい俺が時間を稼ぐ。その間に逃げろ」

沙耶「何言ってるの!あんたを置いて逃げられるわけないでしょ!」

恭介「お前……」

謙吾「恭介!」

謙語はファイズギアを投げ渡した

恭介「謙吾……ナイスタイミングだ」

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は変身した。

555「離れてろ」

沙耶「……わかったわ」

スクィッドオルフェノクは墨を吐いた。ファイズはそれを受けるが……

555「少しひりひりするな」

ファイズにはあまりダメージにはならなかった。

スクィッド「やはり効かぬか。ならば……」

そう言うとスクィッドはマントを翻すと、姿を見えなくなった。

555「くっそ何処だ」

ファイズは見えなくなった敵を探すが見つからない。その隙にスクィッドオルフェノクは棍棒を取り出すとそれでファイズを攻撃した

555「がは」

スクィッド「くらえ」

スクィッドオルフェノクの猛攻は続く

ファイズは転がりながらそれを避けつつ、ファイズフォンからメモリを抜くとファイズポインターにセットした。そして足にファイズポインターをセットする。

スクィッド「うおおお」

555「うぐ」

スクィッド「何!」

555「捕まえたぜ」

スクィッドオルフェノクの棍棒を体で止め掴んだ。その一瞬でファイズのエンターキーを押すと……

『EXCEED CHARGE』

そして棍棒を掴んだまま片足を前に出すとそこから光が出てそれが円錐状に広がる。

555「マスターの敵だ!」

そういうとファイズは光に前蹴りの要領で飛び込むとその光と一体となりスクィッドオルフェノクを押しつぶした。

スクィッド「うは……くそ」

スクィッドオルフェノクはマントで姿を隠すと逃げだした。

沙耶「やったわね」

恭介「ああ」

謙吾「さすがだ恭介!」

恭介(そう言えば……理樹の奴この辺りに住んでるのか?)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「はあ……はあ……」

戸田「……」

逃げ出していた理樹の前に戸田が現れた

理樹「あなた一体何しにここへ……」

みゆき「直枝さん……ちょっと待って」

戸田「お前達に最後の授業をしよう……オルフェノクの最後……それは」

戸田の体から青い炎が出た。

戸田「完全な消滅だ……」

そういうと戸田の体は灰になって行った……

みゆき「ひ」

理樹「戸田さん……」

二人は複雑な気持ちで戸田を見ていた

そこに男が現れた。

???「……」

みゆき「あなた……店に居た……」

そう、そこに居たのは本来ならすでに灰になっているはずの男であった。

理樹「もしかして君も……」

???「うああああああ」

Open your eyes. for the next Φ's!

???「おれは……」

おっさん「うおおおおお」

謙吾「人が、オルフェノクに襲われている!」

理樹「僕の仲間に……手を出すなあああ!」

スクィッドオルフェノク……イカの特性を持つオルフェノク。口から吐く墨は通常の人間なら一瞬で心臓を溶かすほど強力。戦闘の際はマントで隠れて棍棒で攻撃する。

オルフェノク……人間が一度死ぬと適性のあるものがオルフェノクになる。動植物の特性を備えている。

オリジナル……事故等で死亡した際にオルフェノク因子を持っていて蘇ったもの。

使徒再生……オルフェノクに殺された際オルフェノクになったもの。オルフェノクに殺されるとき、オルフェノク因子を注入されるため通常よりオルフェノクになりやすいが、その分適正が低くてもオルフェノクになれるため、オリジナルより弱いことが多い。

今日はここまで

次回はABキャラ本格参戦。……明日(というかもう今日だけど)中に上げられるといいな。

???「うあああああ」

男はそう叫んだあと、たおれこんだ。

みゆき「あの直枝さん……この人どうしますか?」

理樹は少し悩んで

理樹「……とりあえず家に運んで様子を見よう」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第六話

翌日

謙吾「それじゃあ俺は学校に行くからな」

恭介「……おう、行ってこい」

謙吾「恭介は行かないのか?」

恭介「……学校行っている間にベルトが狙われたら面倒だからな。かといって学校にベルト持って行くわけにもいかないだろ?それに一応就職活動中で、授業免除だしな」

恭介「それに……学校って気分でもないしな」

謙吾「……わかった。出かけるときは、鍵は玄関のいつもの場所に隠しておいてくれ」

恭介「了解」

沙耶「……」

沙耶「やっぱり学校に行った方がいいと思うのよね」

恭介「何の話だ?」

沙耶「だからあんたよ、あんた」

沙耶「マスターの事がつらいのはわかるけど……でも……」

恭介「……それはあんまり関係ない」

沙耶「でも……」

恭介「……だったら、とっととベルト届けようぜ。そうすりゃ俺も学校に行ける」

沙耶「……それもそうね。それじゃあ今日もベルトを届けに行きましょう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「一応家に運んだは良いけど……どうしようか?」

みゆき「そうですね……昨日も言いましたけど……とりあえずスマートブレインの方に話を聞いてみるというのはどうでしょう?」

理樹「それは……その……」

みゆき「確かに彼らに頼るのは危険な気もしますけど……この状況じゃ仕方ないですよ」

理樹「……そうだね。まずは話を聞いてみよう。それに……まだ彼らには聞きたいことおあるし。それじゃあ古式さんはその人をお願いできる?」

みゆき「はい、任せてください。でも聞きたいことって?」

理樹「オルフェノクってなんなのか?とか、僕たちはこれからどうすれば良いのか?とか僕たちは戸田さんみたいには成れないし……」

みゆき「そう……ですね」

みゆき「あの……直枝さんは人間が好きなんですか」

理樹は間髪入れずに答えた

理樹「当然だよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

係員「規則ですのでそれはできません」

沙耶「何よ。こっちはあんたらの所の社長に呼べれてここまで来てるってのに……」

係員「何度来られましても社長に呼べれない限り社長に合わせることはできません。お引き取り願います」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「きいい、あの係員、相変わらずむかつくわね」

恭介「落ち着けって」

沙耶「これが落ち着いていられるか!全くいつもいつも邪魔ばかり……」

恭介「それじゃあこういうのはどうだ?」

沙耶「なによ……」

恭介「スマートブレインに潜入して社長に会いに行く」

沙耶「でもそれって犯罪じゃない?」

恭介「それじゃあいつ来るかもわからないアポを気長に待てっていうのか?」

沙耶「……それしかないか」

恭介「ミッションスタートだ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「社長に会わせてください!」

天使「ごめんなさい、それはできません★」

理樹「どうしてですか!?」

理樹「聞きたいことがあるんです。オルフェノクとはいったい何なのか。人間を襲ってオルフェノクを増やすことが正しいのかどうか……」

天使「あなた……人間を襲うことに躊躇があるみたいね。そんなの気にしなくていいのよ?オルフェノクっていうのは人間の進化系。オルフェノクを増やすって事は人間の進化を促すって事なんだから……」

理樹は天使の人を食ってかかる態度にますます苛立ちを募らせた……

理樹「オルフェノクが人間の進化形だというなら……どうして戸田さんが死んだんですか!?」

天使「それは君も仕事をすればわかることよ。オルフェノクにも敵がいるって事……」

理樹「もういいです。貴方じゃ話になりません。社長に会わせてください!」

天使「残念だけど……社長は今、山に芝刈りに行っているの……ごめんね」

理樹「……分かりました。今日はもう帰ります」

天使「は~い。それじゃあご案内するわね」

そう言うと天使は案内しようとして歩きだし……理樹は天使を抜いて走り出した

天使「あ、ちょっと!」

理樹は天使を抜き去るとすぐさまエレベーターに乗り込みそのまま扉を閉じた

理樹(社長室は……五十七階!)

理樹は五十七のボタンを押すとエレベーターはゆっくりと動き出した。

理樹(ここが……社長室!)

そして社長室の中には……誰もいなかった。

天使「だから言ったでしょ?社長はいないって」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

???「うん……ここは?」

みゆき「あ、起きましたか?」

???「あの、あんたは一体……」

みゆき「私の名前は古式みゆきです。貴方の名前は?」

???「ああ俺の名前は___」

日向「日向……。日向……秀樹……」

みゆき「日向さん?ですか」

日向「ああそうだ、俺ここで何日くらい寝てた?」

みゆき「一日ほど……」

日向「……ってことはまずい。今何時!」

みゆき「え、ええっと……二時ですけど」

日向「やっべ~遅刻しそうじゃん。あんた助けてくれたみたいだし、ありがとうな?」

みゆき「いえ、どういたしまし……じゃなくて、大事な話が……」

日向「ああ、それあとでな!俺、この後仕事の面接があるんだわ」

みゆき「ちょ」

日向「じゃあな」

みゆき「ま、待って」

みゆきの制止も聞かず日向は部屋を飛び去って行った。

みゆきも日向を追いかけて部屋を出る。

しかし、みゆきは日向を見つけることはできなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「よし……潜入するぞ」

沙耶「どうするの?」

恭介「そうだな……まずは、正攻法で行ってみるか」

恭介と沙耶は係員の所を素通りし、そのまま会社に入ろうとした

しかしそれは黒服によってはばまれ

係員「すいません。IDのないお客様をお通しするわけには行きません」

沙耶「な、どうしてですか!」

係員「規則ですから」

恭介たちは会社から放り出された

沙耶「やっぱり無理だったわね」

恭介「ふ、まあここまでは予想通りだ。」

沙耶「じゃあ最初からやらせないでよ……」

恭介はそんな沙耶のつぶやきを無視した

恭介「次はオペレーションイレイザーを実行する」

沙耶「オペレーションイレイザーって?」

恭介「それはな……」

そう言うと恭介は持ってきた鞄からあるものを取り出した。

恭介と沙耶は清掃員の服に身を来るんだ……

恭介「すいません、モップ通ります」

沙耶「すいません、雑巾通ります」

沙耶「よし、これならいけそうね」(コソ

恭介「ああ完璧な作戦だろ!」(コソ

ゴン

目の前にはまた黒服が……

係員「すいません。IDのないお客様をお通しするわけには行きません、規則ですから」

恭介たちは会社から放り出された

沙耶「……そりゃそうよね」

恭介「オペレーションイレイザーも失敗か……よし、次はオペレーションバックだ!」

沙耶「オペレーションバックだか……悪い予感しかしないけど……」

恭介「まあ聞け。いいか……」

恭介達は普通に裏口から侵入した。

ちなみにバックはバックドアのバックである。

沙耶「最初からこうしておけばよかったんじゃない?」

恭介「まあ、そういうな、遊び心もひつよ……」

ゴン

黒服「……」

係員「すいません。IDのないお客様をお通しするわけには行きません、規則ですから」

恭介たちは会社から放り出された。

沙耶「ああ、もうどうすりゃいいっていうのよ!もう!」

恭介「……こうなったらしょうがない。オペレーションシーフだ……これだけはしたくなかったんだがな……」

沙耶「……作戦名からして嫌な予感しかしないけど、どうするのよ?」

恭介「……IDを盗む」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「……あの社長は何処に?」

天使「いま社長はうんちゃらかんちゃらしてるから今ここにはいないのね☆」

理樹「うんちゃらかんちゃらってなんですか?」

天使「わあ、そこは聞き流してほしいかな。とにかく今社長はいないから来ても無駄って事。OK?」

理樹「……分かりました。また来ます」

天使「ばいばい、あ、送って行こうか?」

理樹「いいです……」

天使「遠慮しないの?ね☆」

理樹「……はあ」

理樹「あ、そう言えば、あの、多分オルフェノクになった人を拾ったんですけど」

天使「あなたに任せるわ。戸田さんがあなた達に教えたことを彼に教えてあげて♪部屋は好きに使っていいから」

理樹「……わかりました」
 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹の部屋(正確には天使の部屋だが)を勢いよく飛び出した日向は……

日向「……ここは何処だ?」

道に迷っていた。

日向「えっと、俺は確か喫茶店でコーヒー飲んでそれで……あれ、そっから記憶がねーな」

日向「ん、この匂いは……何時も行ってるラーメン屋の匂いだ」

日向は二百メートル以上先のラーメン屋の匂いをかぎ取った

日向「あっちの方角だ」

日向「よし、ここまでくれば、大分道がわかるぞ」

日向はまだ自分の体の変化に気付いていない

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「この車の中にあるあれが多分IDだな」

沙耶「全く、こういうこと気が乗らないんだけどなあ」

言ったこととは裏腹に沙耶はピッキング装置を嬉々として出した

恭介「なんでお前そんなノリノリなんだ?」

沙耶「久しぶりにスパイの力が使えてうれしいのよ」

恭介「……んじゃ頼む」

沙耶「了解」

沙耶がピッキングを初めてものの二十秒で車の扉を開けた

沙耶「よし空いたわ!」

理樹「君達、そこで何してるの?」

そこで話しかけてきたのは

恭介「理樹!」

理樹「恭介!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向は仕事の面接に来ていた。

面接官「えっと何々日向秀樹二十一歳職業はフリーターっと」

日向「はい、自分、そろそろふらふらするのをやめて真面目に生きたい思い、ここに来ました!」

面接官「……」

面接官「君、特技は何かな?」

日向「えっとそれは……なんでしょうか」

面接官「君ねえ……」

日向「あ、元気とかどうですか?自分こう見えても昔、運動部に入ってたもんで中々体力ありますよ」

面接官「はああ……元気だけが取り柄なんてそこら探せば百は良そうだけどね」

日向「ははは……そうですよね」

面接官「他に何かないの?」

日向「えっとそれは……」

そして日向は気付いた。

日向「自分鼻がいいみたいですよ?」

自分の嗅覚が異常なまでに良くなっていることに

面接官「君、みたいって」

日向「なんか、おじさんから臭ってくるんですよ……ほらさっきカレー食ってたでしょ」

面接官「な、なぜそれを!」

日向「それから、たばこに天丼、ウナギ……いいもの食ってるっすね?」

面接官「君は一体……」

日向「それから……血?あれ、あなたどこか怪我したんですか?」

面接官「出て行け!君はクビだ!」

日向「え!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天使「理樹君どうしたの?私の車に誰かいた?」

理樹「い、いえ、友達が居たからちょっと話してて」

恭介「ど、どうも」

沙耶「り、理樹君にはいつもお世話になっています」

天使「そうなんだ、それじゃあ今から理樹君の家に行くけど付いてくる?」

理樹「て、天使さん!」

沙耶(天使?変な名前ね)

恭介(……一応理樹は療養中なんだよな。行ってもいいのか?)

天使「だってそのつもりで二人を呼んだんでしょ?それとも……他に何か理由があるの?」

天使は何か含んだ笑いをした。

理樹「な、ないです。わかりました」

天使は二人を車に乗せるとそのまま発進した

理樹「恭介……」

唯湖『理樹君は……自殺したそうだ』

恭介は何を話していいか少し迷ったが……

恭介「……久しぶりだな理樹。元気にしてたか?」

理樹「うん……」

恭介「……」

理樹「……」

結局それしか言うことができなかった。

天使「ついたわよ」

沙耶「理樹君……けっこうすごいところに住んでいるんですね」

理樹「いえ……これはその、療養中で借りているだけです。僕がすごいわけじゃ……」

恭介「んじゃ上がるぞ」

理樹「あ、うん入って、恭介」

理樹(古式さんは……いないな、どうしたんだろう?あの人もいないや)

恭介「どうしたんだ?理樹?」

理樹「う、うんん何でもないよ」

理樹(今はいいか)

天使「それじゃあ私は帰るから……理樹君またね☆」

理樹(僕はもう会いたくないよ……)

理樹「あ、恭介……」

恭介「な、なんだ理樹!?」

理樹「あれ普通に犯罪だからね!今度からやらないでよ!」

恭介「あ、ああ、すまない俺も浮かれていたんだ」

沙耶「ごめんなさい。私が恭介君を引っ張ったばっかりにこんなことに」

理樹「ああ、気にしなくていいよ。どうせ恭介が勝手にやらせたことだろうし」

恭介(理樹……どうしてそんな風に思うんだ?)

日ごろの行いである。

理樹「でも本当にこれっきりにしてよ。今日はたまたま僕だったから良いけど他の人に見られてたら、シャレにならなかったんだから」

恭介「あ、ああ、そうだな」

理樹「ほら、君……えっと名前なんだっけ」

沙耶「さ、沙耶です。朱鷺戸 沙耶……」

理樹「そう、朱鷺戸さん。朱鷺戸も恭介に勧められたからってこんなことしちゃダメだよ」

沙耶「は、はい」

沙耶の顔が赤くなっていた

沙耶(私どうしちゃったの、彼に話しかけられるだけで顔が熱くなっちゃう)

理樹(?)

恭介(沙耶……無意識にあの世界での記憶が残ってるのか?)

恭介「でもよかったよ。理樹」

理樹「何が?」

恭介「思ったより元気そうじゃないか……結構、心配していたんだぞ」

理樹「う、うん、まあそうだね……」

恭介「学校にはこれそうか?」

理樹「……まだ無理そうかな……」

恭介「そうか……気にするな。お前の来たいときに来ればいい。俺達はみんな待ってるぜ」

沙耶(この人……すてき……)

沙耶「はあ、はあ」

理樹「どうしたの!?朱鷺戸さん!顔すごいよ!」

沙耶「沙耶……でいいです」

沙耶(ひょっとして……これが恋!?)

恭介「気にするな。……今日はもう帰るな」

沙耶「そ、そうねあんまり長くいたら迷惑だろうし……」

理樹「う、うん」

恭介「おう、なんかあったら呼べよ。すぐに駆けつけるから」

理樹「うん、またね恭介!」

恭介「おう」

二人はその場を後にした

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹(そう言えば古式さんどうしたのかな……電話してみよう)

みゆき『あの直枝さん。大変なんです!』

理樹「どうしたの!古式さん!」

みゆき『私たちの部屋で寝てた人が起きて部屋を飛び出したんです。』

理樹「なんだって!」

みゆき『それで今私も探しているんですけど』

理樹「わかった僕もすぐに探しに行くよ……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その夜

日向(はあ……面接落ちちまった……あそこラス一だったんだけどな……これからどうするか……)

面接官「待て」

日向(あれ、この人あの時の面接官?)

日向「えっと、なんのご用件で?」

面接官「お前……知っているな……」

日向「な、なにがですか?」

面接官「とぼけるな……貴様……俺が保険金目当てで妻を殺したことをだ」

日向(え、えええええええいきなり何言ってるのこの人?)

日向「あ、あの」

面接官「貴様……探偵かなんかだろう!?それで俺の昼食の事も知っていた……俺の事を見張っていたからな!?」

日向「いや、それはあんたから臭ってきただけだから……」

面接官は懐から包丁を取り出した

日向(やべえ、この人完全に狂ってやがる)

面接官「死ねえええええええ!!」

日向「うわああ」

避ける暇もなかった日向はそれをまともにくらってしまう

日向(うわあああ、俺死んだ痛いイタイ痛い痛いイタイ……)

日向(あれ?思ったより痛くない?)

面接官「どうだ!思い知ったか!」

日向(なんか思ったより血も出ないし……でもなんだろう、なんかこんなこと前にもあったような?)

日向『うわあああああ』

日向(思い出した……俺あの時……あの喫茶店で……墨が当たって……それで……)

面接官は去ろうとして……そして目撃した。

日向が変化した姿を

皮ジャンにも見えるそれは明らかに肉体と融合しており、頭からは蛇を思わせる尻尾が生えている。頭と体からは無数の牙が生え、その姿は何より____
_____化け物であった
スマートブレインは彼にこう名付けたスネークオルフェノクと

面接官「ひい、なんだお前!」

スネーク「何だって言われても俺にも何が何だかよくわからなくてな……」

謙吾(今日は部活で遅くなってしまった……恭介たちは何をしているかな?)

面接官「だ、誰か助けてくれ……」

スネーク「シャアア、シャアア」


スネーク(とりあえずもう二度と襲われない様に適当に脅しておこう)

謙吾(……オルフェノクだ!オルフェノクが人を襲っている)

ピポパ


恭介『どうした?謙吾?』

謙吾「オルフェノクが現れた!人を襲っている。今すぐ来てくれ!」

恭介『あ、ああわかった。場所は!?』

謙吾「俺の家のすぐ近くの橋の上だ」

恭介『分かった!今行く』

面接官「うわああああああ」

スネーク「よし、行ったかよし!」

謙吾「どうやらあの人は逃げたようだな……」

恭介「謙吾!人を襲っていたのはどいつだ!」

謙吾「あいつだ!」

スネーク(とりあえずもう二度と襲われない様に適当に脅しておこう)

謙吾(……オルフェノクだ!オルフェノクが人を襲っている)

ピポパ

恭介『どうした?謙吾?』

謙吾「オルフェノクが現れた!人を襲っている。今すぐ来てくれ!」

恭介『あ、ああわかった。場所は!?』

謙吾「俺の家のすぐ近くの橋の上だ」

恭介『分かった!今行く』

面接官「うわああああああ」

スネーク「よし、行ったかよし!」

謙吾「どうやらあの人は逃げたようだな……」

恭介「謙吾!人を襲っていたのはどいつだ!」

謙吾「あいつだ!」

スネーク「うん?なんだお前ら?」

恭介「通りすがりの高校生……ってところかな?」

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は変身した。

555「行くぜ!」

スネーク「おちょ、ま」

そんなスネークの話も聞かずファイズはスネークオルフェノクを襲った。スネークはファイズに攻撃を仕掛けるが大したダメージにはならなかった。

そんなスネークにファイズの拳が突き刺さる。

スネーク「うが!」

555(こいつ……今まで戦った中で一番弱いかもな)

それもそのはずである。スネークはオリジナルの様な特別なオルフェノクでもなければ今まで戦ったオルフェノクの様に人を襲ったことすらなくそれどころか変化自体が初めてなのだから。

スネーク(うわ、こいつやべーよ。とっとと逃げるが吉だぜ)

スネークはファイズの圧倒的な力を見るや一転逃げ腰になる。スネークは橋から飛び降りて逃げだした。

555「逃がすか!」

だが、ファイズは許さない。逃げたスネークに先回りする形で、橋を飛び降てスネークの前に立つと、特攻をしかけ、こぶしを連打する。

555「うおお」

スネーク(あれ、俺死んじまうの?せっかく生き返った……ぽいのに?こんなところで?まじで?)

555(ちょっと変な奴だな?本当に人を襲っていたのか?)

そんな時だった。離れた場所で日向を探していた理樹がその光景を目撃したのは……

理樹(あれは……オルフェノク!それと、あいつは誰だ!?)

スネーク「ぐへ、もうやめて……ちょ、痛い」

理樹(しかし……助けるべきなのか)

理樹は戸田について思い出す。

理樹(あのオルフェノクは……戸田さんの様に人を襲っていたのかもしれない)

そしてまたも思い出したのは……戸田の事だった。

戸田『オルフェノクの死……それは完全な消滅だ』

理樹(それでも……僕は……)

理樹「やめろ!」

理樹(あんなのは……もうごめんだ!)

理樹はホースに変身した

ホース「僕の仲間に……手を出すなあああ!」

ホースはファイズに襲いかかった

555(なんだこいつは?)

ホース「うおおおおおお」

Open your eyes. for the next Φ's!

恭介「なんなんだあいつは……」

日向「ばーかお前を見捨てて逃げられるかよ」

天使「あなた……人間を憎んでる」

日向「多分……俺達と同じオルフェノクが居る」

スネークオルフェノク……相手を出血死させる猛毒を口に備えた牙から放ち、円と直状の刃が一体となった剣を武器としている。

余談

面接官は捕まった。そして刑務所から二度と出ることはなかった


案の定深夜になってしまった……

今日はここまで

理樹「やめろ!」

理樹はホースに変身した

ホース「僕の仲間に……手を出すなあああ!」

そう言うとホースオルフェノクはファイズとスネークオルフェノクの戦いに乱入した。

ホース「ふあ!」

ホースは剣を出すとそれをスネークオルフェノクとの戦いに集中していたファイズにむけて振った。

ファイズ「うわ!」

体制を崩しつつもファイズはそれを避ける。

ホース「ひあ!」

ホースオルフェノクは何度も剣を振うがファイズはことごとく避けられてしまう。しかしファイズも避けるのに手いっぱいで反撃の手立てがない。

スネーク「ふん」

555「あが」

ファイズがホースオルフェノクにかかりっきりになっている内に、スネークオルフェノクはファイズの背後を取り、ファイズを羽交い絞めにした。

ホース「ふん!」

555「ああ」

そしてその隙にホースはファイズに何度も剣を振った

555「うぐ」

スネーク「あがああ」

ファイズはスネークオルフェノクの足を思い切り踏みつけると、うまく転がりスネークオルフェノクの羽交い絞めから逃げた。

555「くそ」

ファイズはその隙にファイズポインターを足にとりつける。

ホース「うおおおおおおお!!」

『EXCEED CHARGE』

ファイズは向かってくるホースオルフェノクに向けて赤い光を発射した。その光は円錐状に広がり、ホースを捉える。

555「うおおおおお!!」

ファイズはその赤い光に向かって飛び込む。そしてその赤い光と一体になったかと思うとその光はホースを押しつぶす

ホース「ぐぐぐ!」

ホースオルフェノクは剣を光となったファイズに振い、なんとその光を止めた。その光はホースオルフェノクの胸部をかすめなおも貫こうとする。

しかし、ホースオルフェノクは剣でその光をそのまま押し返した。

光となっていたファイズははるか後方に吹き飛んだ。

ファイズ「うわああああああ!」

ホース「はあ……はあ……」

しかし、ホースオルフェノクの方も無傷とは言えずかなりの重傷を負ったためファイズを追撃することができなかった。

遥か後方で変身の解けた恭介は言った。

恭介「なんなんだあいつは……」

これからこの二人は幾度となく戦いを繰り広げることになる。

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

第七話

恭介も無傷とは行かなかったが、理樹もファイズの猛攻を受けかなりのダメージを負っていた。その理樹を運んでいたのは……日向だった。

理樹「日向君……だったよね?」

日向「おう、どうした?」

理樹「僕の事は……置いて……君は逃げて……まだ近くに……さっきの奴が……居るかも……」

日向「ばーかお前を見捨てて逃げられるかよ。それに……お前には聞きたいことがあるしな」

理樹「日向君……」

日向「分かったらとっとと逃げるぞ。俺、ここら辺道わからないから道案内頼むな」

理樹「うん、任せて」

理樹たちは足早くその場から去って行った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾「恭介!」

恭介「謙吾か」

謙吾「大丈夫か?」

恭介「ああ、大したことはない。でもあのオルフェノク達、逃がしちまった」

謙吾「気にするな、今は逃げることが先決だろ」

恭介「ああ、そうだな」

謙吾「恭介肩貸した方がいいか?」

恭介「必要ない。自分で歩ける」

そう言うと恭介たちも謙吾の家に戻って行った。

「沙耶……」

沙耶(理樹君か……今頃何やってるのかな?)

「おーい沙耶」

沙耶(天使さんって言ってたけどあの人とどういう関係なんだろう)

「沙耶~」

沙耶(……あれ、そう言えばあの子)

恭介「沙耶?」

沙耶「あひゃ、お帰り恭介……って、恭介その怪我どうしたの!?」

恭介「オルフェノクにやられた」

沙耶「そんなに強かったの?」

恭介「ああ、今まで出会った中では一番だ。それに二対一だったからな」

沙耶「でも無事でなによりよ。ファイズギアも取られてないみたいだしね」

恭介「そうだな。そういうお前は何考えてたんだ?」

沙耶「い、いや何も考えてなんていないわよ?」

恭介「いや話しかけても思いっきり上の空だっただろ?」

沙耶「上の空だった?私が?」

恭介「気付いてなかったのか?何度話しかけても返事が来なかったんだぞ」

沙耶「……ふふふ」

沙耶「そうよ。笑えばいいじゃない。スパイにあるまじき油断だって。もしここが敵地なら何かい殺されてるかって話よね。こんな私が生きてるなんて奇跡よね。滑稽でしょ哀れでしょ笑えばいいじゃない。ハーハハハって笑えよ。笑いなさいよ。こんな~~~~~~~」

恭介「謙吾、こっち忙しいから、飯作ってくれ」

謙吾「…………わかった」

十分後

恭介「んで、結局何について考えていたんだ?」

沙耶「いや、そのちょっと昼間にあった人の事考えててね」

恭介「理樹達か……」

謙吾「恭介……理樹に会ったのか?」

恭介「あ、ああ、すまん、言い忘れてた。今日偶然な。とりあえず元気そうだった」

謙吾「そうか……よかった」

恭介「それで沙耶……惚れたか?」

沙耶「げげげぼぼえ」

恭介「うお、なんだいきなり……」

沙耶「そ、そんなわけないでしょ。私が昨日今日会った男に惚れるような、そんな安っぽい女に見えるわけ?」

恭介(理樹とは昨日今日会ったわけじゃないんだが……それを今こいつに言ってもわからないか)

恭介「んじゃ、なんについて考えていたんだよ?」

沙耶「なんか、あの子に会ったことがある気がするのよね……」

恭介「理樹の事か?」

沙耶「ち、違うっつってんでしょ!天使ちゃんよ、天使ちゃん!」

恭介「あ、あの痛い名前の……」

沙耶「それ言っちゃかわいそうでしょ。自分じゃ名前決められないわけだし」

恭介「んで、お前あの子に会ったことあるのか?」

沙耶「あったような……なかったような……とにかく曖昧なのよ」

恭介「それじゃあ気のせいじゃないのか?それともやっぱり理樹か?」

沙耶「だから違うっつってんでしょ!もういいわよ!」

謙吾「二人とも喧嘩は止めろ。ご飯に抜きにするぞ」

沙耶「はい」

恭介「……了解」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向たちは理樹の部屋に戻っていた。みゆきはすでに理樹の連絡で部屋に戻ってきている。

日向「それで……俺の体……どうなっているんだ?お前ら何か知ってるのか」

みゆき「それは……」

日向「って、そんなこと言ってる場合じゃないか……」

みゆき「はい……」

理樹は寝込んでいた。ファイズにやられた傷が痛みだしたのだ。

理樹「あ、ぐ、」

日向「これ、どうすりゃいいんだ?医者呼んだ方がいいのか?」

みゆき「でも……私達普通の医者に診せて大丈夫なんでしょうか?」

日向「そんなこと言ってる場合じゃ……」

???「はあい。二人ともお困りの様ね」

みゆき「あなたは……天使さん。どうやってこの中に」

天使「ここはそもそも私が家賃を払っているのよ~。合鍵くらい持っています♡」

みゆき「何しに来たんですか?」

天使「ちょっとあなたにお願い事を……って言いたいけど今はそんな状況じゃなさそうね?」

日向「見た目小っちゃいけど、あんたこいつらの関係者なのか?こいつどうすれば良いかわかるか?」

天使「ちょっと、どいてて……傷口からフォトンブラッドが入ってる。こりゃ普通の方法じゃ治せないわね……」

そう言うと天使は背中から羽をはやした。

みゆき「な、直枝さんをどうする気ですか!?」

天使「治すのよ」

天使は傷口に手を当てるとそこからオーラの様なものが出て、理樹は見る見るうちに治って行った。

日向「うおお」

みゆき「すごい……」

その様子を見ていた、みゆきと日向は天使の事を文字通りの天使のようだと思った。

天使「は~い。後は安静にしていれば大丈夫です☆」

みゆき「あ、ありがとうございます」

日向「おう……」

>>165
>目を覚ませば The time go
正しくは「目を覚ませば The time to go」ですよ

天使「それじゃあみゆきちゃん。ちょっとお話があるから来てくれる?」

みゆき「は、はい」

日向「え、お、俺は。その俺も何が起こったのか……」

天使「もう、理樹君しゃべれるから理樹君から聞いてよ。とりあえず私はみゆきさんにお話が有るから」

理樹「ま、待ってください」

天使「なに?」

理樹「助けてくれた事には感謝します……でも、古式さんをどうするつもりですか?」

天使「取って食いはしないわよ~。ただちょっとお願いっていうかお話が有るだけ……」

理樹「わかりました。……それともう一つ……あれは一体なんなんですか?」

天使「それって君がさっき戦った相手の事?」

理樹「は、はい」

天使「ファイズ……この前言った私達オルフェノクの敵です。」

理樹「それだけ……ですか?」

天使「そう、彼が持つベルトの力で変身するとっても厄介な奴。でも同時にベルトを奪っちゃえばオルフェノクと人類の戦いを勝利に導くキーパーソンの一つよ」

理樹「あれが……オルフェノクの敵……」

天使「それじゃあ彼にオルフェノクがなんたるかを教えてあげて?」

理樹「……はい」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき「そ、それで話ってなんですか?」

天使「それはね~このままだと理樹君大変な目に会っちゃうんだ」

みゆき「そ、それっていったい」

天使「今はまだ隠しているんだけど……実は人を襲わないオルフェノクは、裏切り者としてスマートブレインに刺客を送り込まれるのよ……」

みゆき「な、なんですって」

天使「ほら彼って結構かわいいでしょ?それに面白そうだし、私としてはまだまだ死んでほしくないのよ。でも私が言っても人を襲わないって融通が利かなくてね、だから……あなたが彼を大人にしてくれない?」

天使はつまりこう言いたいのだ。理樹に人を襲うように説得してほしい……と。

みゆき「そんな……私にはできません」

天使「あなたには出来るわよ。私にはわかる」

天使「あなた……人間を憎んでる」

みゆき「そんな事……ありません」

天使「ここには私しかいない。だから隠すことなんてないのよ♪人間が起こした事故のせいで夢を失い、弓を失ったら手のひらを返す部活の人達、さらに自分を見捨てる家族……ここまで材料がそろってて、人間を恨まない方がおかしいもの」

みゆき「ど、どこでそれを……」

天使「スマートブレインの情報網を甘く見ないでって言ったでしょ?あれ言ったのは理樹君にだっけ?まあいいや」

みゆき「……でも」

天使「まあそう言うことだから。あ、あと今の一応理樹君にも伝えておいてね☆多分それでも人を襲わないだろうけど……」

みゆき「……」

天使「じゃあ頼んだわよ」

天使は満足そうにその場を去って行った。

天使(面白そうなのは彼だけじゃない……あなたもなのよ?みゆきちゃん)

天使は悪魔の様に微笑んだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向「なあ、俺の体いったいどうしちまったんだよ?」

理樹「僕も詳しく知っているわけじゃありません。でもわかるのは僕たちは一度死んで……オルフェノクとしてよみがえったんです」

日向「つまり……どういうことなんだ?」

理樹「僕たちは一度死んであの姿に変身できるようになった……それ以上の事は僕にもわからないんです」

日向「……そう、か」

理樹「それと……」

理樹は一瞬躊躇し……

理樹「オルフェノクは人間を襲って仲間を増やすことができます……そしてそれがオルフェノクの仕事……らしいです」

理樹は話すべきか悩んだが、他の人から聞かされるよりも自分から話した方がいいと考えた。

日向「あ、そっか。そういや俺を襲ったのもその、オ、オルなんとかって奴だったな」

理樹「……僕たちはそんな事するつもりはありません。それが正しいことなのかもわかりません」

日向「人を襲うのが仕事なんじゃないのか?」

理樹「それはスマートブレインが言っていることです。少なくとも僕達は人を殺すつもりはありません」

日向「……そうか」

理樹「日向さんはどうしますか?もしよかったら僕達と一緒に行動しませんか?」

日向「……ちょっと考えさせてくれ。」

日向(許せない人間はいるけど……でも殺すなんて……でもせっかく力を手に入れたのに、ちょっともったいない気もするんだよなあ……)

日向「どうするかはともかくとして、今日はここで寝ていいか?」

理樹「分かりました」

日向「あ、それとため口でいいぜ。敬語って使われるとむずがゆくなっちまう。あんた年下みたいだけど、俺もため口使うし、あんたは命の恩人だしな」

理樹「わかったよ、日向」

日向「おう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日

沙耶「よく寝た~」

恭介「今日もスマートブレインに行くのか?」

沙耶「あれだけやって駄目だったんだから、向こうから会ってくれない限り、多分無理じゃない?」

恭介「そりゃそうか」

沙耶「それに私行きたいところあるのよね……」

恭介「何処だ?」

沙耶「ちょっと予備校の体験入学に行こうと思って。ほら、私警察官目指してるって言ったでしょ、その勉強に……」

恭介「そりゃ、いいじゃないか」

沙耶「それでその間ベルトを預かっておいて欲しいんだけど」

恭介「おう、まあ昨日みたいなことあった時も便利だからな」

沙耶「へへへ、ありがとう恭す……って別にちょっとしか感謝してないんだからね!」

恭介「いいからとっとと行ってこい」

沙耶「……うん、行ってくる」

謙吾「それじゃあ、お前もそろそろ学校に来るか?」

恭介「でも、襲われるかもしれないしな……」

謙吾「そう言うがここ数日ベルト目当てでの襲撃はないだろ?ここに居たってしょうがないんじゃないか?」

恭介「……いや、やっぱりリトルバスターズのメンバーを巻き込みたくない。俺はここに居る。皆には俺は就職活動頑張っているって言っておいてくれ」

恭介(それに皆に会えないのは寂しいが……鈴が兄離れするいい機会かもしれないしな)

沙耶(とか、考えているのかな?)

謙吾「わかった。それじゃあその間うちのクリーニング屋をやらないか?」

恭介「クリーニング屋?おまえんち道場だろ?」

謙吾「母の仕事だ。今時剣道場一つじゃ先行きが不安だからな。売上の半分はお前の給料でいい。どうだ?ただここで時間つぶすよりかはよっぽど有意義だろ?」

恭介「それもそうだな。それでそのクリーニング屋は何処にある?」

謙吾「剣道場の裏だ。集客とかは任せてもいいか?」

恭介「まかせろ!俺が史上最高のクリーニング屋にして見せるぜ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向「理樹、俺は決めた」

理樹「どうするの?日向」

昨日一晩考えて出した答えは……

日向「俺は自由に生きる」

理樹「え!?」

突っ込みどころ満載であった

日向「俺は殺したくなった人間は殺すし、そんなんしたくないと思ったらしない。」

理樹「結局どっちなのさ!?」

日向「まあ、適当って事で」

理樹「そんな~」

理樹(なんかこの人……真人と同じにおいがする)

つまり日向は何も決めていなかった。

日向「と言うわけで、とりあえず俺は外に出て遊んでくるぜ。自由だからな」

理樹「……わかったよ。でも人は殺さないようにしてね?」

理樹(この調子ならきっと人は襲わないだろう……)

日向「おう!」

日向は理樹の部屋を出てゲームセンターに来ていた。

日向「さて……これからどうしたもんかな?」

日向はそこで暇をつぶそうと足を運ぶが……

「おい、あれ日向じゃね―か?」

「おう」

日向(っげ、あいつらは……)

そこに居たのは日向の高校時代の先輩たちであった

先輩A「おい、日向元気してたか?ひひひ」

日向「あ、あの」

先輩B「おい、これ一発やっておくか?」

どういって先輩Bは白い粉を渡した

日向「あ、あの俺こういうのはもう……」

先輩C「あん、てめえ先輩の言うことが聞けねえのか!?」

先輩B「そこは『お願いします飲ませてください』だろうが!?」

日向「いや、あの」

先輩D「ああん」

先輩B「生意気なんだよ!」

日向(ああ、くそ……こいつらなら……もう殺していんじゃないのか?)

日向(そうだ……俺は力を手に入れた。だからもう過去を悔やむ必要もないし、この人達の言うことも聞く必要ないんだ……)

日向「おい……」

先輩A「あんなんだその態度?」

???「待ってください!」

先輩B「お前は……」

そこに現れたのは日向の同級生の金子だった

金子「あの、あの時の事はすいません。でもこいつを責めないでやってくれませんか?」

先輩A「でもよ……」

金子「お願いです……」

先輩B「……わかったよ。ふふ。お前が言うなら、な」

そう言って先輩たちはにやにやしながら帰って行った。

日向「助かったぜ、ありがとうな、金子……」

金子「気にするなって」

日向「金子はどうしてこんなところに?」

金子「……そこら辺ふらふらってしていたら、たまたま見かけただけさ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介(ああは言ったものの……なかなか客来ねえな……)

そう言っていると客が入ってきた。

恭介「いらっしゃいませ」

おばさん「あら、お兄さん。このクリーニング屋再開したの?」

恭介「はい」

おばさん「それじゃあこれお願いできるかしら?スーパーの方に届けようとしたんだけどここの方が近いし……」

恭介「かしこまりました」

おばさん「それじゃあ住所ここだから後で届けてくれる?」

恭介「えっと……」

おばさん「あれやってくれないの?前はやってくれたんだけど……」

恭介「そんなことは有りません。あとでちゃんとお届けいたします」

恭介(勝手にサービス変えるわけにもいかないか……まあ車もあるし問題ないだろ)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向「はあ……どこに行こうか……」

そんな時日向の目の前に白球が転がってきた

日向(これは……野球ボール?)

少年「おにいさん!そのボール取って!?」

日向「おう」

日向(へへ、野球ボール投げるなんて何年振りだろう……そういや化け物になったし、肩は治ったかな?)

そう思い日向は全力で投げた

日向(いっ……つ)

しかしボールはあらぬ方向に飛んで行った。そしてそのボールは家の方に飛んでいき……

ッパリン

少年「おいおい、何やってんだよ!」

日向「わ、わりい。俺取ってくるわ」

日向(結局一回死んでも肩は治らなかった……か。俺は一生野球できないのかな……もう死んだけど)

日向「あの、すいません……」

呼び鈴を鳴らした

その中から出てきたのはお姉さんだった。

???「あの、どちら様ですか?」

日向「こちらにボールが飛んできませんでしたか?」

そしてその物静かそうなお姉さんは

お姉さん「何してくれとんじゃ!おどれ!」

いきなり飛び蹴りをかましてきた。

日向「す、すいません」

お姉さん「あんたのせいでうちの娘は大変危険な目にあったんじゃ!もし傷物になったらどう責任とってくれるんじゃ我!」

日向「あ、あの弁償」

お姉さん「こっちは誠意を見せろ言うとんのじゃ!」

日向「ひ、ひい。す、すいません!」

日向(なんなんだこのお姉さん、怖えよ)

お姉さん「分かったらうちの娘にちゃんと謝ってきーや。わかったな」

日向「はい!」

このお姉さんの娘はどれだけ恐ろしい人だろう……そう思っていた日向だったが

日向「失礼します……ボール取りに来ました」

???「ベッドの下にありますよ。取ってもらっていいですか」

日向「は、はい」

その少女は活発そうな見た目とは裏腹に物静かな少女だった。

ボールはその少女のベッドの上に置いてあった

日向「あの……ベッドから動いてもらってもいいか?」

???「ごめんなさい。私……首から下が動かないんですよ」

日向「そ、そうだったのか……ごめん」

???「あ、謝らないでください。私も久々にお母さん以外の人と話せてうれし……」

そして少女は日向の顔をまじまじと見ると……

???「あなた……ひょっとして、日向さんじゃないですか!?」

日向「あれ?俺のこと知ってるのか?」

???「はい、テレビで県大会見てました」

日向「そ、そっか」

???「うわあ、すごいなあ、テレビに居た人が前に居るなんて……申し遅れました」

ユイ「私の名前はユイと言います。ちょっとお話聞いてくれませんか?」

日向「お、おう」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「ただいま~」

恭介「おう、どうだった?」

沙耶「まあ、大変そうだけど……何とか入れそう」

恭介「そうかよかったな」

沙耶「ええ、夢への第一歩……って所ね」

恭介「……それじゃあ今は暇って事でいいのか?」

沙耶「まあそうね……」

恭介「それじゃあ俺……配達行ってくるから店番頼んでいいか?」

沙耶「いいわよ、それくらい」

恭介「んじゃ、言ってくる」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ユイ「私……子供頃、車に引かれちゃって……それで、その時体が……動かなくなっちゃたんです」

日向「……」

日向はどういう言葉をかければいいかわからなかった

ユイ「それでさ、私いつかテレビに出ている人みたいに……そう、日向さんみたいに色々な事がしたいんだ……多分かなわないけど……」

日向「そ、そんなことねえって……」

ユイ「いえ、いいんです。こうして憧れだった日向さんに会えたんですから。日向さんに出会えて光栄です!」

お姉さん「あらあら話が弾んでるみたいね?」

お姉さんから先ほどの般若の様なオーラは消えていた

お姉さん「ごめんなさい、この子あんまり人と話すことがないから」

日向「お姉さんはこの子の姉か何かですか?」

ユイ「違うよ、お母さんだよ!」

日向「嘘だろ!ありえねえよ!!」

ユイの母親は誰がどう見ても二十代前半にしか見えなかった。

ユイ母「あらお世辞がうまいのね?」

日向「い、いえ、そんな……」

ユイの母は先ほどの様子とは打って変わって物静かな雰囲気を出していた。

日向「そ、それじゃあ僕はこの辺で……」

ユイ「え~もう行っちゃうの?」

日向「そ、外に友達待たせてるんだ……」

ユイ「そっか、それじゃあ仕方ないね……」

ユイ母「それじゃあ送りますね」

日向「あ、はい本当にすいませんでした」

日向(この人……娘の前だと猫被ってるのかな?)

ユイ母「さっきはああ言ったけど……ユイのあんな顔久しぶりに見ました。あの子テレビしか見れないから……テレビに映っていたあなたに会えてうれしいんだと思います」

日向「そうだったんですか」

ユイ母「もしよければ……また来てくださいね?」

日向「……はい」

日向は少し名残惜しそうにその場を……

ユイ母「あ、それと……さっきの事は秘密でね」(ゴゴゴ

日向「し、失礼しました!」

脱兎のごとく走り去って行った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向(まったく……怖え人も居たもんだ)

ユイ母『もしよろしければまた来てくださいね?』

日向(あの時は、はいって答えちゃったけど……もう来ない方がいいよな……俺は……)

日向(だって……俺はもう……)

少年「にいちゃん、ボールとってきた?」

日向「お、おう取ってきたぞ」

そんな時だった。日向をオルフェノクが襲ったのは……

日向「うわ」

そのオルフェノクは黒い目をしていてまるで猛禽類の様なかぎ爪と翼をもっていた。それは梟を元にしたオルフェノク、オウルオルフェノクだ

日向は逃げ出すが……

少年「うわあああ、なんだこいつ」

少年が腰を抜かしていた

日向「馬鹿野郎早く逃げろ!」

しかしオルフェノクは少年を狙わず日向の方に襲いかかった

日向「え、なんで……」

日向は少し疑問だったがとりあえず……

日向「逃げろ!」

日向「こ、ここまでくれば……」

オウル「うおお~おお」

日向「まだ襲ってくるのかよ」

オウルは、逃げようとする日向に黒い煙を出した。

日向「なんだこ……う、ぐ」

日向(息が……できねえ……)

日向(こうなったら……俺も変身して)

???「やめろ!」

日向(あいつは……たしか)

そこに現れたのは……

恭介「全く配達中に出くわすとは運がねーぜ」

恭介だった

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介はファイズに変身した。

555「さてやらせてもらうぜ……」

オウル「……」

オルフェノクはかぎ爪を使いファイズに攻撃する

オルフェノクの攻撃は基本的にヒットアンドアウェイ。かぎ爪を使って攻撃した後、すぐさま飛んでいく。

555(次の攻撃に……)

ファイズはファイズショットを取り出すとメモリーを取り付け、それを拳に付けた……

『EXCEED CHARGE』

ベルトから光が腕にあるフェイズショットに流れていく。

オウルがカギ爪を使い襲ってくる

555「せいやあ!」

その攻撃はオルフェノクに掠ったものの、ほとんど空を切っていた。オウルが後ろに飛んでいたのだ。

555(くそ……次こそ)

ファイズは再びファイズフォンのエンターキーを押す。

『EXCEED CHARGE』

ファイズの左腕に光がたまる。しかし……

オウル「くほおお!」

555「あ、待て!」

オウルは先ほどの一撃で危険と判断したのかファイズの遥か遠くに飛んで行った。

555「……逃がしたか」

ファイズも変身を解いた

恭介「あの人は……っていない。逃げたのか」

恭介洗濯物を拾いながらこう言った

恭介「また洗濯しなおさないとな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向は理樹の部屋に帰っていた。

理樹「お帰り、日向」

日向「……さっきオルフェノクに狙われた」

みゆき「え……ひょっとしてスマートブレインの人達ですか?」

理樹「いや違うと思う。さすがに昨日今日なった日向を襲うっていうのはさすがに無理がある。順番ならまず僕らが襲われるはずさ」

日向「それに俺の居場所を知っていたようだし……」

みゆき「でも、それじゃあ誰が……」

日向「あいつらだ」

理樹「え」

日向「俺の野球部の先輩だった奴らだ」

日向「多分……あの中にオルフェノクが居る。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「まったく店番って言っても全然客来ないじゃない」

そしてそんな沙耶を見つめる影が一つ

???「……」

Open your eyes. for the next Φ's!

日向「お前……夢持った事無いだろ?」

ユイ「あ、日向さんだ!」

沙耶「私は小さくても大きくても構わない……みんなの幸せを守れる人間になりたいのよ」

恭介「俺には夢がない。でもな、 夢を守ることは出来る。」

フォトンブラッド……ファイズの鎧を形成する要素の一つ。人間にとっては猛毒である。オルフェノクにとっても毒であることに変わりはないがある程度の耐性はある。

リトルバスターズ……幼馴染の五人恭介・理樹・謙吾・鈴・真人が集まって作ったチーム。最近新メンバーが五人小鞠・美魚・唯湖・クド・葉留佳が入った。いつもこの面々で遊んでいる、いわば遊び仲間だが、絆は深い。

ユイ……人間の少女。子供の頃の事故で、首から下が動かない寝たきり状態になっている。テレビしか見れないため深い憧れを抱く。

今日はここまで

>>170
ありがとうございます

来週から直します

沙耶「はあ……客来ないわね……」

???「……」

プルルルル

???「なんだ」

天使「は~い私です。残念ですがファイズギア奪還作戦は中止になりました」

???「なんだと!ふざけるな!」

天使「それは社長に言ってください。私はただ社長の伝言を伝えただけですので……」

ピ、ツーツーツー

???「……おれは認めんぞ」

広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time to go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean

理樹「先輩だった人たちにオルフェノクが居る?どういうこと?」

日向「そのオルフェノクに会う前、俺その人達に会ったんだよ。俺を狙ったって事は俺に恨みがある人物……その上、あそこにいたことを知っていたってなると……さっき会って付いてきた。って、考えられるだろ?」

理樹「えっと、その先輩たちに恨まれる心当たりでもあるの?」

日向「まあな」

みゆき「それなら……その中に居る可能性は高そうですね」

日向「そうだろう?つまりだ……」

日向「あいつら全員襲えば、オルフェノクの正体が見れるって訳だ」

理樹「ちょ、ちょっと待ってその中には人間も居るんでしょ?それに、そのオルフェノクがいない可能性だって……」

日向「お前……人間が好きなのか?」

理樹はいきなり何のことを聞かれたのかわからなかった。

理樹「う、うん、もちろんだよ」

みゆき「私は……その……」

みゆきが答えを濁していると……

日向「俺は嫌いだね」

日向がきっぱり答えた。

理樹「え、どうして!」

日向「実はさあ、俺、野球やってたんだよ高2の時までな……」

みゆき「そう言えば……日向って聞いたころが有ります。たしかプロ目前と言われて……その後……」

日向「薬物発見により学校を出場停止にさせられた……だろ」

みゆき「は、はい」

理樹「そうだったのか……」

日向「一つ言っておくが俺は自分の意志で薬物なんてやってないぞ」

理樹「……」

日向「先輩だよ……そいつらに……無理やりやらされたんだ」

日向「おれさ……野球にそこそこの才能が有ったんだ。将来の夢はでっかくプロ野球選手!」

日向「だから俺、一生懸命頑張ったよ。そのおかげで二年にしてレギュラーが取れたポジションは二塁……んで、チームはそこそこ強豪だったし俺も結構活躍したしであと一つで甲子園ってところまで行ったんだ」

日向「最終回……簡単なセカンドフライだった。それを……取れなかったんだ。その失点のせいで俺達のチームは負けた」

日向「皆、俺の事を責めたんだ。まあ当然だよな。あと一つで甲子園だったんだ」

日向「そんな時だったよ。いきなり先輩に白い粉渡されて『飲め。飲んだら許してやる』って言われた」

日向「俺は断った。でもそしたら先輩たちに羽交い絞めにされて無理やり飲まされた……」

日向「それを先生に報告されて、バックからも薬が見つかり、そんで年少……って言ってもわからないか、少年院行きになったんだ」

日向「こうして俺は野球の表舞台から去ったって訳さ」

理樹「そう……だったんだ」

日向「でもこれだけじゃ、まだ人を恨まなかったかもな……フライ取れなかった俺の責任とも思った。すげー思考回路だろ?そんな風にされたのに、俺先輩たちを恨まなかったんだぜ?」

理樹「それは……君がいい人だからだよ」

日向「そうかもな。でももういい人じゃねーぜ……あの事件があった」

日向「俺は年少を去った後も俺は、過去を隠しながら……野球を続けた……」

日向「俺がバイクに乗っていた時……事故にあって……それで今度は肩を壊してな……本当に野球が出来なくなったんだ」

理樹「そんな……」

日向「そんでそのバイクを調べてみたら……誰かにブレーキオイルを抜かれていたって訳だ」

みゆき「ひどい……」

日向「そうだろう?これでもお前人間が好きって言えるか?」

理樹「……それは……わからないよ。その時になってみないと……でも、だからって人を襲うなんて……」

日向「お前……夢持ったことないだろ?」

理樹「そ、その通りだけど」

日向「それじゃ、わかんないな……」

日向「いいか……俺に言わせればな、夢ってのは、呪いと同じなんだ。
呪いを解くには、夢を叶えなくちゃならない。
でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたままだ。
俺の苦しみは……お前にはわからない。」

みゆき「それ……わかります」

日向「お、わかってくれる」

みゆき「はい……私も、弓道を志して……でも事故で目を」

日向「そうか……あんたもつらかったんだな」

理樹「それじゃあ……これからどうするの?先輩たちを……」

日向「……やっぱりわかんねえ。無関係な人間を殺しちまえとまでは考えてねえ。けどな……あいつらなんてやっぱり死んでいいんじゃないか?とも思うんだ」

理樹「そんなの……」

日向「でも、人を襲っちゃいけないって気持ちも確かにあるんだ……それが例えどんなに憎いやつでも」

理樹「日向……」

日向「でもやっぱり……わかんねえよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日

沙耶「今日も行ってくる」

謙吾「店番頼むぞ、恭介」

恭介「おう……行ってこい」

恭介(とは言ったものの……)

恭介「暇だな……もっと売り出す戦略とか考えた方がいいか?」

???「……」

恭介(うん……あいつは……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向は部屋を出ようとした

日向「……」

理樹「日向、どこに行くんだ?まさか昨日言った人達を……」

日向「どこ行こうと勝手だろ……」

理樹「ダメだよ!」

日向「お前……あの話を聞いてまだあいつらを庇うのか?」

理樹「違うよ……その人達を心配してるんじゃない。きっと君は人を殺したらダメだ……君は人を殺して今のままでいられない」

日向「……そんな訳ねーだろ」

理樹「わかるよ……君は否定するけど、君は良い人だから……」

日向「……」

理樹「君を襲ったオルフェノクは僕たちが探すから、だから人を殺すのは……」

日向「……」

理樹「……」

日向「……はあ、わかったよ。お前には命を救われたからな」

理樹「ありがとう、日向」

日向「でもこれで貸し借りなしって事でいいな」

理樹「うん、それでいい」

日向「……ちょっと外出てくる」

理樹「え……ひょっとして」

日向「大丈夫だよ。別にあいつら襲いに行くわけじゃねーよ。ただ、その……風に当たりたくなっただけだ」

そう言うと日向は部屋を出て行った

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「……ただいま」

沙耶は沈んだ面持ちで家に帰ってきた。

恭介「どうした……今日はやけに機嫌が悪いな……」

沙耶「……」

沙耶「うんがああああああああああああああああ」

沙耶はいきなり奇声を発した

恭介「沙耶……大丈夫か?」

恭介(いろんな意味で)

沙耶「へ、どうせいろんな意味でこいつ大丈夫か?とか思ったんでしょ。とうとう私の頭が壊れたって思ったんでしょ?」

恭介「いや、そんなこと思ってないぞ」

恭介(ちょっとしか)

沙耶「ふ、いいわよ笑えばいいじゃない。私の事を、どうせ私は帰ってくるなり奇声を上げる醜い女よ。笑えばいいじゃない、笑いなさいよ、笑え、どうせ世界はいつも私を笑ってるのよ。ホーホホホ~~~~~~~~~」

恭介(また長くなりそうだな)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向の足は自然とユイの方向に向かっていた。

日向(なんで俺こんなところに来たんだろう……)

ユイ『あ、日向さんだ!』

ユイ母『また来てくださいね』

日向はユイの家のピンポンを押そうとする……しかし……

日向(……やっぱり止めるか)

日向は吉備津を返して帰ろうとすると

ユイ「あ、日向さんだ!」

ユイ母「あら、こんにちは」

日向「ど、どうも」

ユイ「ねえ日向さん。私たちと一緒に病院にいってくれませんか?」

ユイ母「こら、日向さんを困らせちゃだめでしょ!」

ユイ「うう……日向さん来てくれないの?」

ユイ母「だから」

日向「あ、あのそれくらいならいいですよ?昨日迷惑かけちゃったお詫びもかねて……」

日向(オルフェノクは……まあ理樹が探してくれてるし大丈夫だろ)

ユイ「本当!?」

日向「ああ」

ユイ「やった~日向さんと一緒だ!」

ユイ母「すいません。この子のわがままにつき合わせて……」

日向「いいんです。気にしないでください」




???「……」

病院

日向「結構近いですね」

ユイ母「ユイに何かあった時すぐに対応できるからね。私は先生とお話が有るから、日向君、その間ユイの事任せてもいいかしら?」

日向「ええ、まかせてください」

ユイの母は治療室に一人で入って行った。

そんな中、ユイは病室の一つを見て言った。

ユイ「あれ、あなたひょっとして……岩沢さんじゃないですか?」

岩沢『……』

少女は何も答えない

日向「誰なんだそいつ?」

ユイ「知らないの!ソロ歌手の岩沢さん。最近テレビに出なくなったけど、

日向「ああ、そういや名前くらい聞いたことあるな」

ユイ「私、大ファンなんです!いつか岩沢さんみたいになれたらって思ってました。えっとサインを……」

日向(こいつ、俺にも同じような事言わなかったか?調子のいいやつ。……いや違うか。テレビしか見てないから、テレビに出てたやつはみんな憧れの対象なのか……)

岩沢はペンを持つと、紙に何かを書き始めた。ユイはサインを書いてくれているのだろうと思っていたがそれは違った。

岩沢『やめて』

ユイ「そ、そうですか。すいません」

日向にはわざわざ紙に書いて否定したことが嫌がらせにしか見えなかった。

日向「何でだよ。わざわざサインペン出して、字で書いて否定しなくたっていいだろ!そんな事するくらいならサインくらい書いてやってもいいだろ!」

ユイ「やめてください。いいんです日向さん。岩沢さんを困らせては……」

岩沢は悲痛そうな顔でこう書いた

岩沢『私 もう 歌えないから』

日向「え」

ユイ「どう……して」

岩沢『もう 声が出ないの』

岩沢の字にはもう歌えない悲しさと……そして触れられたくない部分を触れられた、ほんの少しの怒りが文字に込められていた。

岩沢『わかったら帰って』

ユイ「……すいませんでした」

日向「……すまねえ」

二人は申し訳なさそうに帰っていった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「んで、結局何があったんだ」

沙耶「……予備校、退学になっちゃった」

恭介「いや退学も何もまだ入ってなかったんだろ?」

沙耶「もう入学届を出しても入れてくれないってこと。ひょっとしたら近くの予備校全部……」

恭介「何があったんだ?」

沙耶「……セクハラされた」

恭介「は?」

沙耶「だからセクハラされたのよ!こうお尻を触られて……それでつい教師に手を……」

恭介「上げてしまった、と」

沙耶はコクリとうなずいた

恭介「いいんじゃないか?別にそんな事する教師がいる予備校なんて別に退学になっても……」

沙耶「そうだけど……あそこが一番就職率がよかったし……それにこの噂が広がって、もし他の予備校にも入れなくなったら……」

恭介「そんな、落ち込むなよ」

沙耶「落ち込むわよ!」

沙耶は声を張り上げた。

沙耶「……ごめん」

恭介「……なんでそんな警察官に拘るんだ?」

沙耶「え」

恭介「スパイをやめたいって言うのはわかるけど、それにしたってほかの仕事があるだろ?スパイほどじゃないにしろ警察だって危ない仕事だしな。そんな目にあってまで拘ることないんじゃないか?」

沙耶「……あんたになら話していいかもね」

恭介「おう、相談に乗ってやる」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ユイ「日向さんのバーカ!バーカ!」

日向「何だと、俺はお前のために……いや、すまん」

ユイ「ふん」

ユイ母「ごめんなさい、あの子も本気で言ってるわけじゃないと思うので、その、また来てくださいね?」

日向「……」

日向(あそこにも呪いに蝕まれた人がまた一人……か)

???「おい」

日向「うわ、ビックリした。なんだ金子か。脅かすなよ……」

金子「見てたぞ……さっきの子お前のこれか?」

金子はそう言うと小指を突きたてた

日向「ち、違えよ!」

金子「そっか、ちぇ。つまんねーの」

そんな二人を見つめる影がひとつ



???「……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「……わたしね、小さいころこことは違う国に住んでいたの。今と名前も違ったわ」

恭介(その名前はきっと……あや、なんだろうな)

沙耶「その国はこの国と違ってぜんぜん平和じゃなかった。毎日内戦が起こるようなところだったわ。……毎日が地獄だった」

沙耶「私はお父さんが教えてくれた技術で何とか生き抜いてきた……。そうスパイの技術をね」

沙耶「でもそれもそう長くは続かなかった……ある日私とお父さんの部屋に爆弾が入れられた……」

沙耶「お父さんは死んじゃったわ……でも私は命からがら生き残った。でも子供の力だけで戦場を行きぬく事はできない……私はそう遠くない日に死ぬのかな?って本気で思ったわ」

沙耶「でもね……そんな時だった、私が流星塾に入ったのは……」

恭介「流星塾?」

沙耶「スマートブレインが作った施設よ。私みたいに身寄りのない人を拾って養っていた施設よ」

恭介「それとこのベルトを運んでいることと何か関係あるのか?」

沙耶「まあね。でもその話は今度でいい?」

恭介「おう、放したいときに話せ」

沙耶「ありがとう……まあそんなわけで流星塾に居ることになったんだ。そしてそんな時、ある刑事ドラマを見てね……その時に私は思ったんだ……こうなりたいって」

恭介「どうして?」

沙耶「子供のときだから覚えてないけど……決定的だったのは銃かしら」

恭介「銃?」

沙耶「ええ、私が暮らしていたところには銃があった。でもそれは人の命を奪うためのものだった……」

恭介「でも、それが銃だろ?」

沙耶「ええ、でもその刑事ドラマの刑事は銃を使って犯人から人質を救ったの……今考えるとありきたりだったけどね。それがその頃の私には衝撃的だった。だから……子供のときからあこがれた。『ああ人を殺せる銃で人を守ることが出来るんだ』ってね」

恭介「……」

沙耶「それから私はその流星塾から出ることになったんだけど……外国の人に引き取られて……結局、スパイになったの」

沙耶「その後、日本に戻ることになって……そしたら子供のころあきらめた夢がふつふつと湧き出したってわけ。いつかスパイをやめて警察官になってやる……って」

沙耶「私は小さくても大きくても構わない……みんなの幸せを守れる人間になりたいのよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向は岩沢のところに来ていた

日向「あ、あのさ思いついたんだけど……」

岩沢『何を?』

日向「あいつに歌を教えてやってくれないか?」

岩沢『どうして?私が』

日向「あいつやりたいこといっぱいあってでもできなくて……でも歌なら声さえ出ればできるだろ?」

少し苛立たしい様子でメモを書いた。その字は怒りで少し歪んでいるように見えた。

岩沢『そんなついでくらいのつもりで歌をやれる程、歌はそんな甘くないよ』

日向「でもさ……俺がこんなこと言うのもなんだけど、あいつそれしかできないから、きっと全てを注いでくれるぜ。それに……あんた、楽器だってできるんだろ?あいつが歌って、お前が楽器引いて……それじゃだめか?」

日向「夢を掴めない気持ちは俺にもわかるよ……でも、だからこそ俺はユイにもあんたにも、夢を掴んでほしいんだ!」

その言葉を聞き岩沢から怒りが消えた。日向の言葉から誠意を感じたからだ。だが……

岩沢『ありがとう。でも、私は自分で歌を歌わないと意味無いから。ごめん』

日向「そうか……そうだよな」

そして影はその場にもいた。

影はこうつぶやく。

???「日向……」

またユイの家に日向は戻った

日向「あ、あのさ、岩沢って奴にお前歌えないかって誘ってみたけど……だめだった!」

ユイ「どうしてそんな勝手なことしたんですか!私、岩沢さんにまた、嫌われちゃうかもしれないじゃにですか!」

日向「ごめん……おまえ岩沢みたいになりたいって言ってただろ。お前にとっては数あるやりたかった事のひとつだったのかもしれないけど……その……歌なら、楽器やる奴さえいれば、体が動かなくても大丈夫かなって思ったんだ」

ユイ「……日向さん」

日向「本当にごめん」

そう言って謝る日向にユイはこう言った。その声にはさっきの怒りは含まれていなかった。

ユイ「……気にしないでください。私のためにそこまでしてくれて、ありがとうございます」

日向「……」

ユイ「あ、あの私歌ってみてもいいですか?」

日向「えっと」

ユイ「そ、その岩沢さんみたいに歌えるとは思えないですけど……確かに歌うだけならできるし、暇なとき一人では結構、歌ってたから……」

日向「ははは、いいぜ」

ユイ「それじゃあ、岩沢さんの歌でcrow song」



背後にはシャッターの壁―――――

『秀樹全くそんな近くで見て……』

指先は鉄の匂い―――――

『しょうがないわよ。秀樹はプロ野球大好きだもんね』

進め 弾け どのみち混むでしょ―――――

『野球おもしれえ』

find a way ここから―――――

『それに……すげえ』

found out 見つける――――――

『どうやればこれだけの人数わかせられるんだよ……』

rockを奏でろ ――――――

『いつか俺もプロ野球せんしゅになって』

遠くを見据えろ ――――――

『いつか、俺もあんな風に……』

息継ぎさえできない街の中 ――――――

『子供に夢を与えられる人になりたいな……』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「……そうか」

沙耶「だから私は警察官になる。それが……私の夢」

沙耶「でも……その夢も立たれちゃったかもしれない」(グス

恭介「でも、だからってそんな泣かなくてもいいんじゃないか?」

沙耶「あんたには夢がないからわからないかもしれないわね。ねえ、知ってる恭介?夢を持つと時々すっごいせつなくなるけど時々すっごく熱くなるの」

恭介「そんなもんか?」

沙耶「ええ、その夢の力で私はスパイ組織をつぶすことがたわ。」

恭介「それは本当にすごいな!」

沙耶「うん、話している内に元気でた……私がんばるわ。せっかくスパイやめてまでここに来たんだもん、勉強は図書館でもがんばれるし、他の予備校だってある。しばらくは図書館で勉強するわ」

恭介「そうか……がんばれよ、沙耶」

沙耶「ええ!あんたに愚痴聞いてもらったらすっきりしたわ。やっぱり私は警察官になるんだ、って。ありがとう!恭介」

恭介「いや、俺は話聞いただけだぞ?」

沙耶「あんたじゃなきゃ、電柱にだってこんな話できなかったわよ」

沙耶の顔は晴れ晴れとしていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ユイ「どうでしたか……ってガチ泣き!どうしたんですか日向さん」

日向「お前すげえよ。本当に……すげえよ」

日向(こいつは……俺ですら忘れてたことを思い出させてくれた。大切だったはずの子供の頃の……思い出を)

日向「ちょっと、もう一回岩沢のところに行って来る!」

ユイ「ええ~」

ユイたちはまた病院に来た。

岩沢『君か』

日向「一度でいい!あいつの歌を聞いてくれ。あいつ……すげーんだよ。なんていうかあいつの歌は心がなんていうか……とにかくすげーんだ!一度で良い!聞いてみてくれ!」

岩沢は少し悩んだが……

岩沢『そこまでいうなら。ただし聞いたとしても組むかどうかは別問題だぞ?』

日向「あ、ああ、ありがとう」

ユイ「ええええええ!岩沢さん。私の曲を聴いてくれるんですか!?」

岩沢『ああ、』

~~♪

~~♪

ユイ「どうですか!?」

岩沢はぽろぽろ泣いていた

ユイ「うお、あの音楽に詳しい岩沢さんまでも泣かせるとは……私ひょっとして天才!?」

日向「かもな……」

ユイ「ですよねえ~」

岩沢『いや、音程はぐちゃぐちゃだし、音量はめちゃくちゃだしで、正直聞いてられなかったよ』

ユイ「そんな、ひどい!」

岩沢『しかも実は私その曲、歌いたくなかったんだよ』

ユイ「そ、そうだったんですか!?」

岩沢『もちろん愛着はあったよ。でも私が本当に歌いたかったのはアカペラをだったんだ。事務所の方針でね。アカペラはもっと売れた後にって事になったんだ』

ユイ「それじゃあ……」

しかし岩沢のメモはそこで終わっていなかった。

岩沢『でもなぜか』

そこでメモが終わり。そして岩沢は口を開いた。それはか細く耳を澄ませなければ聞こえない程の音量だったが……二人は確かに聞いた。

岩沢「こ こ ろ が ゆ さ ぶ ら れ る」

ユイ「岩沢さん……」

岩沢『この曲で私がこんなに揺さぶられるなんてびっくりしたよ』

日向「じゃあ組んでくれるのか!」

岩沢『むしろこっちからお願いするよ。ユイさん。もしよければ私とバンドを組んではくれないかい?』

ユイ「は、はいよろしくお願いします、い、いつかアカペラも歌えるようになります。岩沢さん。あ、それとユイでいいです……そのこれから組んでいくわけだし」

岩沢『なら私もまさみでいい』

ユイ「う、うん、まさみ」

二人は握手をするとその場を離れて行った。

日向「あのさ、ユイ」

ユイ「何?」

日向「夢……叶えろよ」

ユイ「叶えてくれるの!」

日向「いや、自分で叶えろよ……」

ユイ「でも私の夢って私だけじゃどうしようも……」

日向「あんなに真剣なんだ。岩沢なら大丈夫だと思うぞ?」

ユイ「いや、そう言う意味じゃないんだけどな。ははは」

日向「?」

~~~~~~~~

謙吾「ただいま……」

沙耶「謙吾も帰ってきたし、それじゃあ私は図書館に行ってきていいかしら?」

恭介「おう、行ってこい」

沙耶「いってきます!」

???「   」

恭介「……」

恭介「謙吾……店番頼んでいいか?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向はユイの母親に岩沢と売り出していくことを話した。

日向「すいません勝手にこんな……」

ユイ母「いいんですよ。ユイの」

ユイ母「正直……私心配だったんですよ。もしも私が死んでしまったらあの子はどうするんだろうって。もしあの子が成功出来たら……いえ期待するのは早いですかね?」

日向「きっと……大丈夫だと思います」

ユイ母「あなたは幸運を呼んでくれたのかも……」

日向「そういってくれるとありがたいです」

ユイ母「また来てください」

日向はその場を後にした。

日向は理樹の部屋に帰ってきた。

みゆき「あ、日向さん。おかえりなさい」

日向「あれ、理樹は」

みゆき「昼にどこかに行ってしまって……それっきりです」

日向「そっか……まだ探してくれてるのか。それじゃあ、お前でいいや」

日向「ちょっとキャッチボール付き合ってくれ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

金子は一人ユイの家の前にいた

金子「……」

???「どこに行くの、金子君」

そこにいたのは先ほどから日向をつけていた男……

金子「お前は誰だ……」

直枝理樹だった

理樹「僕のことなんてどうでもいいだろ。どうしたのかって聞いてるんだけど?」

金子「お前……俺のストーカーか?それともあいつの?」

理樹「ストーカーは君だろ?ずっと日向について回って」

金子「……何の話だ」

理樹「とぼけないでよ
           君が日向を襲ったオルフェノクでしょ?」

金子「……」

理樹「肯定……って事でいいのかな?」

金子「どうしてわかった?」

理樹「昼からずっと日向と一緒に居たからね、君。それで怪しむなって方が無理だよ」

金子「……見られてたって訳か」

理樹「どうして日向を狙うの?ひょっとして甲子園にいけなかったことへの復習?でも野球は連帯責任だよ。日向はどう思っているか知らないけど、大事な場面でエラーしたからって彼を責めるのは、はっきり言って、逆恨み甚だしいよ」

理樹は日向にはあえて言わなかったことをぶつけた。

金子「は、そんなことはどうでもいい。俺はな、あいつの苦痛に浮かぶ顔がすきなんだよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「ふんふ~ん」

???「……」

恭介「お前クリーニング屋の前にいた奴だろ?」

???「誰だお前は?」

恭介「通りすがりのクリーニング屋だ。そんなのはどうでもいい。沙耶に何のようだ」

???「奴を襲ってベルトを奪う……ただそれだけだ」

恭介「そうか」

恭介「おい知ってるか。
夢ってのはな、
時々スッゲー熱くなって、時々スッゲー切なくなる……
らしいぜ。」

恭介「俺には夢がない」

『5』

恭介「でもな」

『5』

恭介「夢を守ることは出来る。」

『5』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

ファイズギアから光が出る。その光が恭介を包み仮面ライダーファイズに変身した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

金子「あいつはな、俺からポジションを奪いやがったんだ。まったくむかつく奴だった。あいつが居なきゃ俺がレギュラーだったのにな。あいつが凡ミスしたときはチャンスだと思ったぜ。先輩に口聞かせてうまーくあいつに薬の罪をかぶせることができたしな」

理樹「君は……友情を利用したのか?」

金子「おれとあいつに友情なんてねーよ。あいつがあるって思ってるだけ。でもあいつのせいで、俺たちの学校は出場停止になった。だからだよ、あいつのバイクに細工して事故らせたんだ」

聞くに堪えないその言葉に理樹は珍しく……本当に珍しく理樹は怒った。

理樹「もういい……だまれ」

金子「あいつの顔は最高だったぜ。今度はあいつの女を目の前で灰にしてやるんだからもう一回俺はあの顔を見るんだ。その後で俺の正体をさらす。その顔を想像しただけで笑いが……くくく。だからそこどけよ」

金子のその問いに答えず理樹はこう答えた。

理樹「ねえ、知ってるかな?夢って言うのは呪いと同じなんだ……」

金子「いきなり何の話だ?」

理樹「途中で挫折したものはずっと呪われたまま……らしい」

金子「だから何の話だ、つってんだろ!」

理樹「あなたの……罪は重い!!」

理樹はホースオルフェノクに変化した。

同族である目の前のオルフェノクを倒すのに、もはや何の躊躇もなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

???「ふん」

相手もオルフェノクに変化する。小金黄金虫の特性を備え、手にはサーベルを持ち両肩には固い盾がある。……スカラベオルフェノクだ。

スカラベオルフェノクの猛攻を避けるファイズ。近距離専用のファイズショットは使えない。ここでファイズポインターを使えば勝てるかもしれないが……

555(この前の奴みたいに躱される可能性もあるからな……ある程度ダメージを与えてからだ)

そう結論付けた555はファイズフォンをファイズドライバーから抜き

『103』

『ブラスターモード』

ファイズフォンを銃に変えたファイズブラスターで対抗しようとするが、

スカラベ「ふん」

あえなく肩の盾に防がれてしまう。しかも剣による攻撃で中々打ち続けることができない。

スペックで言えば、相手はファイズよりも多少格下である。しかし……

(さすがに武器あるとこうも面倒とは……)

ファイズは成れない武器での攻撃に戸惑っていた。

(やばいやられる)

その時だった、恭介のバイク……オートバジンが助けに来たのは

そしてオートバジンは元はタイヤだった盾から弾丸を何発も発射した。……ファイズごと

スカラベ「な!」

555「うお」

オートバジンはファイズ助けるために行動したしかし結果的にファイズを攻撃することになってしまう。そしてファイズは……

555「さすがだ!助かったぜ!」

と言った。

555「もう機械でも関係あるか!お前はおれの友達だ!……でも次からは俺を巻き込まないでくれるとうれしいかな?」

オートバジンはうなずいた……ようにファイズは思った。

555「お、これってあの説明書に乗ってたやつか?ちょっと借りるぞ」

ファイズはオートバジンに左ハンドルのグリップにメモリーをセットした。するとその左グリップから光が出て剣になった。

555「さあて、行くか!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

金子はオウルオルフェノクに変化……

したとともにオウルオルフェノクはその場から飛んだ

オウル「ばーか!だれがまともにやるか!お前は」

あの女を殺した後にゆっくり殺してやる。そう言おうとして……

オウル「ぎゃあああああああ」

その言葉が発せられることはなかった。それはオウルオルフェノクの絶叫に紛れ込んだのだ。ホースオルフェノクが剣をオウルオルフェノクに投げつけ羽を切り落としたのだ。

剣はブーメランのようにホースオルフェノクの元に戻っていていく。

オウル「てめえ……殺してやる。ころしてやる」

そう言うとオルフェノクは黒い霧を発生させた。前に日向を窒息させた毒霧だ。しかしホースオルフェノクはこれを意にも解さない。

オウル(さすがにオルフェノクには効きずらいか……まあいい、この霧の中で殺してやる)

そしてオウルはかぎ爪で、理樹を攻撃した

オウル(へ、これからじわじわといたぶって……)

オウルオルフェノクは離れようとしたが離れることができなかった。オウルのかぎ爪をホースオルフェノクは掴んでいたのだ。

そしてホースオルフェノクの手元には先ほどオウルオルフェノクの翼を切断した剣がある。

オウル「や、やめ」

ホースオルフェノクはオウルオルフェノクを一刀両断した。

オウルオルフェノクは灰となって消えた。

戦闘時間はわずか三十秒にも満たない。しかもホースオルフェノクは最初の位置から一歩も動いていない。

格が違いすぎたのだ。オルフェノクとしても……そして人間としても。

~~~~~~~~~~~~~~

先ほども言ったようにスペックは元々ファイズの方が格上である。今までファイズが劣勢だったのは慣れない剣の戦いだったからだ。そして恭介にはそもそも剣の心得が多少あった。(謙吾に昔、少しだけ教わった)

つまり……ファイズの一方的な戦いになった。

スカラベオルフェノクが攻撃しようとするとそれよりも早くファイズの攻撃が当たる。そしてファイズの剣はスカラベオルフェノクは止めることができない

敗北を悟ったスカラベは逃げようとする……が

『EXCEED CHARGE』

光はファイズの剣に集まり……その光は地面を抜けた

そしてその光がスカラベを捕獲する。

555「せいやあ!」

そして捕獲されていたオルフェノクをファイズは切った。スカラベは青い炎に包まれ灰となった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向「俺さ、思い出したんだ」

みゆき「何を……ですか?」

日向「プロ野球選手って俺の夢の過程だったんだ」

みゆき「過程……ですか?」

日向「ああ、過程だ。俺の本当の夢は……子供に夢を与えられる人間になることだったんだ」

みゆき「そう、だったんですか……」

それは日向がユイの歌を聞いた時、思い出したことだった。

日向「ああ、でももういいんだ。俺の代わりに……形は違うけど、きっと夢を叶えてくれる奴がいてくれるから。そいつの手伝いが出来たから……」

日向「だから……これはもういいんだ」

そう言うと日向はグローブとボールを川に放り投げた。

そしてグローブとボールは川を流れ……もう日向の下に戻ってくることはなかった。

Open your eyes. for the next Φ's!

???「ベルトをこちらにお返しいただきたい」

沙耶「そんな……母さんが……」

???「まったく下の下ですね」

ファイズエッジ……オートバジンの左ハンドルグリップがミッションメモリーの挿入により変形、凄まじい出力のエネルギーを収束する。刃ではなく放出するエネルギーで敵にダメージを与える。

オウルオルフェノク……日向を狙っていたオルフェノク。毒霧で人を殺し、戦闘時はその毒霧で隠れつつ、かぎ爪で攻撃する。日向を狙った理由は完全な逆恨みである。

スカラベオルフェノク……肩に二つの盾を持ち、長い剣も持つ攻防一体のオルフェノク。……名前どころか俗称すら出なかった

日向……将来有望な野球選手だったが、人間による度重なる仕打ちでその夢を断念。それでも彼がいまだに人を襲っていないのは彼が紛れもない善人だからである。

岩沢……昔のプロミュージシャン。華々しい大成を掴みかけるも不仲の父親とけんかした際頭をけがしたため失語症、正確には皮質下運動失語になり話せなくなってしまった。

今日はここまで

明日は上げれないかも

正直今日で使い果たした感が有る

>>1です。今日は

すいません途中で送信しちゃいました

>>1です。今日は上げません。

少し書き溜めようと思います。

それと間違いを見つけたので訂正しておきます

>>130

使徒再生……オルフェノクが人間の心臓にオルフェノク因子を注入する。適性がなければそのまま心臓は消え去り死亡。使徒再生の方法はオルフェノクにより異なる。

コピー……オルフェノクが使徒再生した際オルフェノクになったもの。オルフェノク因子を注入されるため通常に死ぬよりオルフェノクになりやすいが、その分適正が低くてもオルフェノクになれるため、オリジナルより弱いことが多い。

>>223

岩沢……昔のプロミュージシャン。華々しい大成を掴みかけるも不仲の父親とけんかした際頭をけがしたため失語症(正確には運動性失語症)になり話せなくなってしまった。

オルフェノクに殺されてオルフェノクになったものはコピーと言うらしいです。最近知りました

それと私、実は皮質下運動失語のこと運動性失語のことだと思っていました。正確には少し違うようです。

申し訳ありませんでした。

特にコピー等については本文が少し変な感じになってしまいます。

いつか訂正するかもしれません。

今後はこういうことが無いように努めます。

ある日、スマートブレインの社員に緊急招集がかかった。

ある男がスマートブレインに戻ってくるからだ。

その男は自転車に乗り颯爽とスマートブレイン前に戻ってくると、その自転車を折り畳み自転車を担ぎながらスマートブレインに入った。

その男が帰ると、百を超える社員が、皆一斉にお辞儀し口をそろえてこう言った。

一同「お帰りなさいませ。社長様……」





広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time to go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean





恭介「まったく日曜はすがすがしい気分だな」

謙吾「恭介、貴様は変わらんだろ?」

恭介「人の事、働いていないみたいに言うな」

謙吾「今日は日曜だが……理樹の奴、なにしているかな……」

恭介「人の話を聞いてんのか……」

謙吾のその独り言に反応したのは沙耶だった

沙耶(理樹って、な、直枝君の事?///)

沙耶「ねえ、宮沢君」

謙吾「なんだトキド改まって」

沙耶「な、直枝君ってどんなことが好きなのかな///」

謙吾「な、まさか貴様!それを聞いて理樹を誘惑するつもりじゃないだろうな!」

沙耶「そ、そんなわけないじゃない!ばっかじゃないの!」

謙吾「いや、お前の事だ。あり得ない話じゃない」

沙耶「なんですって!!」

恭介「お前ら食事は静かに食べろよ」

プルルルルル

沙耶「はい、もしもしトキドです」

謙吾「……どうしてトキドはあんなに変わり身が早いんだ?」

恭介「スパイだからじゃないか?」

謙吾「お前は漫画の見すぎだ」

恭介「なら女だからじゃないのか?」

沙耶「なんですって!!」

恭介「そう怒るな。冗だ……」

しかし恭介のその言葉は届かず……

沙耶「すいません。はい……はい。わかりました」

謙吾「どうした?トキド」

沙耶「スマートブレインが……ベルトを持って、来いって……」

沙耶「社長が、帰ってきたって」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向「……」(ポー

理樹「日向、あれからずっとあんな感じだね。」

みゆき「無理ないですよ……夢を捨てたこと、口では色々言っていても……まだ心の整理がつかないんだと思います」

理樹「……今は放っておいた方がいいかな?」

みゆき「そう、ですね……今、何か声をかけても逆効果な気がします。時間が解決してくれるのを待つしかないんじゃないですか?」

しかしそんな二人の心配をよそに日向は元気よく立ち上がった。

日向「決めたぜ」

理樹「日向?」

日向「俺はスマートブレインに入る」

みゆき「そんな……」

日向「だってスマートブレインって大会社だろ。あそこに入ればウハウハの人生が待ってるって事だぜ!」

理樹「日向……スマートブレインに入るって事は、人を殺すことになるかもしれないって事なんだよ!」

日向「……構うもんか。俺は、オルフェノクとして生きる」

理樹「そんな……君は人間として生きるべきだよ!僕も……人間として、人間を守っていきたい!君も……」

日向「お前の人間主義は聞き飽きたよ。悪いがこの前ので借りはチャラだ。俺はここを出てスマートブレインに入る!」

理樹「待って日向!」

みゆき「待ってください!」

日向は部屋を飛び出した。理樹とみゆきも日向を追って部屋を飛び出すが、見つけることはできなかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「今更になって呼び出しか」

沙耶「まったくどういうつもりなんだか……」

恭介「気持ち悪いのはわかるが、まあ、いいじゃないか。ようやくオルフェノク達から狙われる日々から解放されるんだぜ?」

沙耶「それは、そうなんだけど」

恭介「まあ、なんかの罠だったら俺がそれで暴れるから問題ないだろ?」

沙耶「……それもそうね。元々これを届けるのが仕事だったんだし」

恭介「でも、謙吾の店せっかくまた始めたのに、いきなり臨時休業じゃ悪いか?」

謙吾「今日は日曜だし俺はここで店の留守番をしていよう。店の事は気にするな」

恭介「おう」

沙耶「じゃあ、行ってくるわ」

謙吾「気を付けろよ!」

係員「いらっしゃいませ」

沙耶「ここの社長に呼ばれてきたんだけど?」

係員「聞いております。どうぞこちらへ」

沙耶「……なんかイラっとするわね」

恭介「通れたんだ。別にいいだろ?」

沙耶「そうだけど……なんかこう手のひら返しがむかつくって言うか……」

恭介「まあ気持ちはわかるぞ。でもようやく社長とご対面だ。気を引き締めようぜ?」

沙耶「……それもそうね」

黒服「それではあちらでこの服にお着替えください」

そう言って出されたのは絵本に出てくるようなパーティなどに出てくる西洋貴族顔負けの正装であった。

沙耶「うわ……」

黒服「さあ、こちらでお着替えを……」

~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「……」

沙耶「なによ、なんか言いなさいよ」

恭介は沙耶の恰好に……少し、見とれた。

恭介「似合ってるな」

沙耶「……いやそう言われたって///」

恭介「馬子にも衣装、だな」

沙耶「ありがとうございました!!そう言うあんたもね」

恭介たちが来たのはとても客室とは思えないほどの豪華な部屋であった。

???「お待たせいたしました」

沙耶「いえいえ、今来たところです」

???「その服、気に入っていただけましたでしょうか?こちらから上の上の物を用意させていただいたのですが……」

沙耶「ええ、こんな素敵な服初めてです」

恭介「……まあ、センスはあると思います」

???「ははは、気にいっていただけたようで何よりです。良かったら上げますよ」

???「さてと、ああ、腰を掛けてくださって結構です」

沙耶「あの、あなたは社長の秘書か何かですか?」

恭介「あれ、この人が社長じゃないのか?」

???「その通り私が現社長の……

村上「村上と申します」

沙耶「あの、申し訳ないのですが社長は違う人だったと思うのですが?」

村上「ああ、すいません。社長と言っても正確には社長代行の様なものでしてね。社長の花形さんは今現在行方不明になっているんですよ」

沙耶「そんな……母さんが」

恭介(ん、母さん?)

村上「心中お察しします」

沙耶「それで、今母さ……社長はどうなっているんですか!?」

村上「花形さんも行方は、社の総力を挙げて調べております」

恭介「どこまで進んでいるんだ?捜査状況は?」

村上「それはお教えできません。ですが見つかり次第、報告させていただきます……それで、例の物は持ってきていただけましたでしょうか?」・

沙耶「……ええ」

村上「これがファイズギアですか。すばらしい……上の上です」

村上は恭介や沙耶には見向きもせずじっとファイズギアを見つめた。


村上「失礼、実はですね……その前に、あなた方はオルフェノクと言うものをご存知ですか?」

沙耶「え、ええ。何度か襲われました」

村上「この装置はわが社がオルフェノクに対抗するために作られた装置なのです」

恭介「……そんなものをどうして沙耶に送ったんですか?」

村上「前社長がしたことなので正直わかりかねますが……トキドさんは何か知っていますか」

沙耶「そ、その私も突然手紙とこの装置とバイクが送られてきて、その手紙には『それをもって私に会って欲しい』とだけ書かれていたので……」

恭介「いや……すまない」

村上「……おそらく花形さんは貴方にこのベルトを使い自分を守って欲しかったのでしょう……しかし、我々ならこれをもっと有効に活用することができる渡していただけますね?」

そういって村上はファイズギアに手を伸ばすが……

それを止めたのは恭介の腕だった。

村上「何か?」

恭介「……いや、すまない」

そう言うと恭介はファイズギアから手を放した。

村上「そのバイクも渡していただけますか?」

沙耶「バイクは……彼に渡す約束をしているんです。命を助けていただいたお礼に、だから、その……」

村上「知っての通りそのバイクもオルフェノクに対抗するために作られたものです。こちらに渡していただきたい」

恭介「……しょうがないさ。沙耶」

沙耶「……ごめん、恭介」

村上「ファイズギアを運んでいただき感謝します。それではお引き取りを」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天使「は~い、日向さん何の御用かしら?」

日向「俺をスマートブレインに入れてくれないか?」

天使「ほほう、それはまたなんで……」

日向「金を貰ってウッハウハな生活を満喫するためさ」

天使「ふ~~~~ん」

天使は日向をじっと見つめた。

日向「な、なんだよ。俺の顔になんかついてんのか?」

天使「……まあいいわ。ちょうどあなたにぴったりの仕事があるの……やってくれるかな?」

日向「おう、任せろ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹(結局見つけることができなかった……ひょっとしたら部屋に帰ってくるかもしれないし、古式さんにも連絡して、家で待っていてもらおう……!)

恭介「……なんかしっくりこない終わり方だな」

理樹(あ、あれは)

沙耶「でも、しょうがないじゃない……私だってこんなの……」

恭介「……まあ元々はスマートブレインまであれ運ぶのが役目だったしな」
 
沙耶「そういうこと……バイク上げちゃってごめんなさい……その代り今日あんたにおごってあげる!」

恭介「……おう、たらふく食っちまうか!」

恭介「お前との腐れ縁もここまでかな……」

沙耶「そうかもね」

恭介「……そういや母さんってどういうことだ?お前、社長の娘なのか?」

沙耶「違うわ。ただ流星塾に居た頃そこであったことがあるのよ」

恭介「社長だったのにか?」

沙耶「流星塾ってほとんど社長の道楽だったの。身寄りのない人達を拾って親になってくれる人を見つけるまで勉強をさせる機関なの。そういう人が見つからない子は社長が引き取る。だから私を含め、流星塾に居た人は皆感謝をこめて、社長の事母さんって呼ぶわ。」

恭介「そうか……じゃあ不安だな……」

沙耶「そうね」

恭介「んじゃ帰るか」

沙耶「そうね」

そして沙耶は重大な事に気付いた

沙耶「お金が……足らない……」

沙耶「恭介!お金は!」

恭介「おいおい、俺も今日そんな持ってきてないぞ!?」

そして二人は財布を逆さにしてお金を持ち寄るが……

恭介「二人足しても二百円たらん」

沙耶「もう、どうすんのよ!」

恭介「お前がおごるって言ったんだろ」

沙耶「そうです!ごめんなさい!」

恭介「……謙吾に持ってきてもらおう」

沙耶「おごりだからって言ってあんたがたくさん食べるから……」

恭介「お前の方がいっぱい食べただろ、スパイのくせに、にしてはお前迂闊すぎるだろ。いや正確には元スパイか?」

沙耶「はははそうよ笑えばいいじゃない。自己管理もできない間抜けなスパイだって笑えばいいじゃない。そのうち体格もぶよんぶよんになっておなかがでてくきて子供に『まま~あの人妊娠してるの?』って言われちゃうかもしれないわね。ふふふ」

恭介「とにかく謙吾呼ぶから」

理樹「恭介、足りない分僕が出そうか?」

恭介「理樹!」

沙耶「な、直枝君!?何時からそこに?」

理樹「二人とも、ちゃんと食べる前に財布の中身は見ておかなきゃだめだよ?」

恭介「助かったぜ、理樹」

沙耶「な、直枝君ってこの辺りに住んでるの!?」

理樹「うん、まあそうかな?」

恭介「おい沙耶……」

理樹「そうだ、よかったら僕の部屋寄ってく?ここから結構近いんだ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして日向が連れてこられたのは先ほど恭介たちがファイズギアを渡したのと同じ部屋だった。

日向(うわ……すんげえ部屋)

村上「ほう……天使さん。彼がそうなのですか?」

天使「は~い、間違いなく適任者ですう★」

村上「そうですか、わかりました。では彼と二人きりで話したいので席を外していただけますか?」

天使「ええ、もちろんですよ」

村上「あなたにやってもらいたい仕事が有るのです」

日向「えっと。なんですか?」

村上「その仕事は裏切り者のオルフェノクの……抹殺」

日向(人を襲わなくてよか……じゃない!俺は人間を捨てるって決めたんだ)

村上「引き受けてもらえますね?」

日向「はい、もちろんです」

村上「では、これを……」

そう言って村上は日向にあるものを渡した

日向(これって……)

日向「これを俺に?」

村上「ええ、それで裏切り者のオルフェノクと戦っていただきたい」

日向「報酬は?」

村上「そうですね……ざっとこんなもんでいかがでしょう?」

日向は目が飛び出るかと思った。

日向「分かりました社長。この不肖日向、謹んでお受けいたします」

村上「頼みましたよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹(まだ古式さんは帰っていない……か)

恭介「どうした理樹?」

理樹「うんん、何でもないよ……さあ、入って」

沙耶「ほんと、二人でどうしようかと思いました」

沙耶は少し顔を赤らめていた

沙耶(うわー直枝君だ。どうしよう、どうしよう、どうしよう……)

沙耶「ほんと、ごめんなさい」

理樹「いえ、そんな気にしないでください。どうせ恭介が変ないたずらしたせいでしょ?」

恭介「いや理樹こいつは自分がおごると言った挙句、あまつさえ自分の方が多く食い、その上金が足りないと言ってきたんだぞ?」

理樹「またまた~」

恭介「理樹ぃ~信じてくれぇ~」

普段の行いのせいである。

しかし……それ以降の会話はプツリと途絶えた

恭介・沙耶・理樹「……」

沙耶はもちろんの事、恭介にも聞きたいことが山の様にあった。

恭介(どうしてお前は自殺なんてしたんだ。どうしてみんなと離れるようなことを?いままでどうやって過ごしていたんだ……)

だがしかし山のように会った質問は、実際に口に出そうとしても……

恭介「……」

言葉にならなかった

沙耶はこの状況をじれったく思ったのか、こんなことを聞いた。

沙耶「それで、その、直枝君はどうしてこんなところに?」

恭介(地雷踏みやがった)

理樹「うんと、ちょっとね」

沙耶「あ、ごめんなさい。こんなこと聞かれるのは嫌ですよね?」

理樹「……ちょっと恥ずかしいんだけど、精神療養のためだよ?これ以上はちょっと」

恭介(この感じ……俺が気にするほど理樹は気にしていないのかもな)

恭介「理樹……おれさ……」

恭介「今、謙吾の家のクリーニング屋で働いているんだ。今度来いよ」

理樹「あれ謙吾の家って剣道場じゃなかったの?」

恭介「その裏にな……」

理樹「うん、洗濯物がたまったら行かせてもらうよ」

恭介「理樹、今はお前にまた会えるなら……それでいい」

理樹「うん、いつかみんなの所にも帰ってみせるよ」

理樹(もしも僕が……人間として生きていける自信がついたなら、その時には……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^

村上は重役たちの会議に出ていた

重役「村上さん!あなたの手は強引すぎる。花形社長はこんなに強引では……」

村上「私が新社長になったんです。私のやり方が気にくわなければ出て行ってくださって結構」

重役「そんな……」

「おいおい聞いたか?村上新社長、他の敵対会社全部つぶして回ってるらしいぞ」

「しかも自分の意見に従わない奴は容赦なく切り捨てって……」

「こんなの会議の意味ねーよな」

村上(やれやれ、下の中……ですかね)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

謙吾「それで……トキドは今日何処に泊まるつもりだ?」

沙耶「ビジネスホテルにするつもり」

謙吾「それじゃあ高くつくだろ?」

沙耶「……」

謙吾「どうだ?しばらく家で泊まり込みで働かないか?」

沙耶は少し考えたのち

沙耶「……それもそうね、よろしくお願いします」

恭介「俺達の腐れ縁もまだまだ続きそうだな?」

沙耶「そうね」

謙吾「それじゃあ俺は飯食ってくるからな?」

謙吾と入れ違いに入ってきたのはリトルバスターズの葉留佳と美魚であった。

葉留佳「恭介さ~ん」

美魚「遊びに来ました……」

葉留佳「鈴ちゃんが遊びに行くついでに馬鹿兄貴の様子を見てこいだってさ~」

沙耶「誰その子達?」(コソ

恭介「俺達リトルバスターズの仲間さ!」(コソ

沙耶「つまりどういうことよ?」(コソ

恭介「……平たく言うと友達だ」(コソ

沙耶「ふ~ん」(コソ

美魚「あの、その人は?」

恭介「ああ、こいつは」

葉留佳「みなまで言わさんな。なるほど……その人が恭介さんの愛人(らまん)ってやつですね?」

沙耶「げげげぼぼえ」

恭介「違うが」

葉留佳「それならひょっとして、謙吾っちのですか?」沙耶「だから!どうしてそう言う結論になる!……んですか……」

葉留佳「だってお二人退寮までしてここに居るんでしょ?こりゃもう他に考えようがないっすよ」

美魚「私から見ると……恭介さんが謙吾さんと付き合いだしたと考えるのが自然だと思います」

恭介「そんな自然はない」

それらの声が耳に入っているのかいないのか、沙耶は顔を真っ赤にして反論した。

沙耶「そ、その私、宮沢君の親戚で、ここに住まわせてもらうことになったんですけど、宮沢君の両親が居ないのでいい年をした女性をの一人暮らしは不安ってことで棗君と、あと男女二人きりは怖いって事で宮沢君を、てなったの!」

恭介(よくこいつこんなすらすら嘘言えるな……さすがスパイ)

葉留佳「なんかすらすら言い過ぎててちょっと嘘くさいっすね。しかも親戚なのに苗字呼びですし」

沙耶「ひ、人前だからです」

沙耶「ちょっと恭介あんたからも説明してよ」(コソ

恭介「わかった」(コソ

恭介「よし、葉留佳、お前に本当の事を話そう。実はな、この子の名前はトキド沙耶と言って、怪物に狙われていてな、それらから守るために一緒に住んでるんだ」

沙耶(ちょ、きょ……)

葉留佳「そんな事より大変なんすよ、この辺に空き巣が良く入るらしくって……」

美魚「私の実家も入られましてその捜索をお願いしたいのですが……」

沙耶(……まあこんな話信じないわよね)

恭介「よし、俺達の手で捕まえよう」

沙耶「警察に任せれば?」

恭介「沙耶……お前は警察官を目指す端くれなら何故燃えん!?」

沙耶「まだ警察官じゃないですし~」

恭介「まあいい……それで被害は?」
葉留佳は物々しい顔で被害状況を伝えた。

葉留佳「それがなんと……夕飯の残り物を食っちまうんでさあ!」

恭介・沙耶「……そんだけ?」

葉留佳「いいえ!その上、入った家はきっちり掃除する徹底ぷり。その魔の策略から入った人には『または入って欲しい』という悲鳴も上がっています」

美魚「恐ろしいです……怖くて夜も眠れません」

沙耶「つまり大した強盗じゃないってこと?」

葉留佳「まあ、ぶっちゃけその通りです、はい」

恭介「……まあ、暇つぶしにはちょうどいいか。よし、さっそく調べてみよう」

沙耶「今あんた、さらっと本音言ったわよね?」

恭介「そういや他のメンバーどうしてる?謙吾からはみんな元気だと聞いているんだが」

葉留佳「……みんな元気っすよ。ただ野球はあんまりしなくなったかな。いやー、二人とか三人では集まるんですけど……」

クド「皆でってなると中々集まらないことが多くって……」

葉留佳「そうなんす」

恭介「そうか……」

美魚「二木さんの件は来ヶ谷さんが何とかしてくれたのに、今度は直枝さんが帰ってこないなんて……せめて恭介さんだけでも帰ってきてくれませんか?」

恭介(二木?)

恭介「……すまんな、この機会に鈴に兄離れさせたくてな」

美魚「もう十分しています」

葉留佳「そうっすよ、そんな理由なら戻ってきて戻ってきてくださいよ」

恭介「……俺も妹離れしなくちゃいけないのさ」

美魚「了解しました」

葉留佳「あ、納得したっす。皆に伝えときますね!」

二人とも間髪入れずに言った。

沙耶(……こいつのシスコンって周知の事実なのね)

恭介「おう!またいつでも来いよ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その夜

村上の車は黒い車に囲まれていた

村上は面倒くさそうに車から出ると……

村上「まったく、あなた達の会社はつぶれたでしょ。今更私に何の用ですか?」

男A「とぼけてんじゃねーよ!お前が俺の会社をつぶしたせいで俺も俺の家族も俺の社員も露頭を迷う羽目になっちまったんだ!復讐してやる」

その男たちは村上により会社をつぶされたもの達だった。

運転手が懐から何か取り出そうとしてそれを村上は手で制した。

村上「まったく、下の下ですね」

男「なんだと!」

村上「ふん」

男B「な!」

男たちは目を疑った。なんと村上は手を掲げ上げるとそこから青い炎を生み出したのだ。

男C「ひ、ひいい」

村上「ふん!」

村上は炎の球を男たちにぶつけた。

それによって、男たちは灰となってこの世を去った。

村上「全く余計な時間を取らされました、先を急ぎましょう……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「んで見張ることになったわけだが……」

沙耶「そういや謙吾……あんたの事名前で呼んでいい?」

謙吾「何故だ?」

沙耶「まああんたとも死線潜り抜けてきたし」

恭介の方を指差すと

沙耶「こいつと変な仲だと疑われるのが嫌」

恭介「こいつって……」

謙吾「わかった。俺もお前の事を沙耶と呼ぼう」

沙耶「OK」

恭介「というか謙吾はいいとして、なんでお前居るんだよ?」

沙耶「なによ、居ちゃ悪い?」

恭介「お前……あんなに色々言ってたのに」

沙耶「まあ警察官目指してますから。いざという時は銃持ってますし」

恭介「そういやなんで銃持ってんだ?」

沙耶「密輸」

謙吾「……」

沙耶「ベルト届けるのに必要かな?て、スパイだった時の人脈生かして」

恭介「将来はこれが警察官かと思うと……」

沙耶「何よそれ!」

謙吾「!きたぞ」

そこに居たのは目出し帽をかぶった男が空き家に入って行った。

恭介「よし、捕まえるぞ!」


泥棒「誰だ!あんたらは!」

沙耶「あんた一体どうしてこんなこと……」

泥棒「オラはつかまんねえ。付かまんねえっぺ」

そう言ったがその男はいきなりオルフェノクに変化した

謙吾「オルフェノクだ!」

しかし三人にはファイズギアはもうない。

沙耶は瞬時に銃を抜くとそれを発砲する。オルフェノクにはダメージは無かった。

オルフェノク「うお、なんな、おま、な!」

……が混乱させることには成功した。

沙耶「逃げるわよ!」

しかしこの言葉に恭介は一瞬反応できなかった。

恭介「……」

謙吾「何をしている恭介!」

恭介(くそ、こんな時ファイズギアが有れば……)

その時現れたのは……

555「……」

ファイズだった。

謙吾「ファイズ……なんでまた」

オルフェノク「なんだよおまえ……なんなんだよお前!」

オルフェノクはファイズに攻撃しようとするが

ファイズはその攻撃を止める

ファイズはオートバジンを変形させて攻撃に移った。

恭介「おまえ……」

オートバジンの体当たりでオルフェノクの態勢が崩れる。そこをファイズは逃さず、ファイズフォンを取ると

『106』

『バーストモード』

その音と共にファイズフォンはファイズブラスターに変形しその攻撃はオルフェノクに当たる。

オルフェノク「ああああ~」

オルフェノクは走り去って行った。ファイズはブラスターを当てようとするが……

555「弾切れかよ……」

そう言うと555はオートバジンをバイクに戻し……

555「逃げたか……」

そこに腰かけた。

555「はああ」

555は変身を解いた。そこに現れたのは

日向だった

日向「まったく、この仕事も楽じゃねーな」

恭介「こいつ……一体」




Open your eyes. for the next Φ's!



村上「次に倒してほしいオルフェノクはこの男です」

日向「こいつは……」

恭介「まったく俺の方がましだな」

オートバジン『ウィイイン』

村上峡児……スマートブレインの新社長。その正体は謎に包まれている

花形……正体不明のなぞの女社長。流星塾創始者

流星塾……花形が完全に自身の権力で作り上げた塾。身寄りのない子供や、行き場を失た子供、トラウマで学校生活困難なもの。色々な人を花形が集めた。

今日はここまで

日にちが空くとうまくかけないのでやはり今まで通り基本一日一話書いていきます。

ただ日によって三日位もしかしたら一週間位あくときもあるかもしれません。

基本一日一話で行きます

恭介「おい、ちょっと待て」

日向「あん?」

日向(こいつあん時の奴か……)

日向「……」

恭介「おい!」

日向は何も言わずその場を去って行った




広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time to go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean





翌日

謙吾「あれから恭介元気ないな」

沙耶「口では色々言っていたけど、今まで自分が使っていたベルトを目の前で使われて複雑なのかもね……」

謙吾「そうかもな……」

沙耶「それにオートバジンも向こうに取られちゃったからね……」

謙吾「……あのバイクのこと恭介は大事にしてたからな」

沙耶「そりゃあ気にするのもわかるけど、しょうがないじゃない」

沙耶「とりあえず昨日借りたお金返したいから、理樹君の所に行きたいんだけど付き合ってくれない?」

恭介「……お前は理樹に会いたいだけだろ?」

沙耶「な、そんなわけないでしょ!」

恭介「……悪いが行く気分じゃない。一人で行ってくれ」 

沙耶「恥ずかしいから言ってるんじゃない!」

恭介「……なら謙吾を誘え。理樹に行ってもいいか聞いとくから」

沙耶「そう」

謙吾「なに?理樹の所に一緒に行かないか?だと……」

沙耶「そう、お金を借りたんだけど、一人じゃちょっと恥ずかしくて……」

謙吾「しかし……俺が行ってもいいものなのか?」

恭介「今、電話したらいいとさ……」

謙吾「そうか……それならこちらからお願いするくらいだ」

沙耶「そう交渉成立ね!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹(久しぶりだな……謙吾。元気にしてたかな?)

日向「ただいま……」

理樹「お帰り!心配したよ、日向」

みゆき「今までどこに行っていたんですか?」

日向「おう、俺ちょっとスマートブレインに入ってきたんだわ」

理樹「何だって!」

日向「そんで、俺にしかできない仕事って社長直々に言われてな。“これ”を渡されちゃたよ」

そう言うと日向は机の上にファイズギアを置いた

理樹「これは……」

理樹は箱を開けた。

理樹「これって……あの時君を襲った奴がつけてたやつじゃない!」

日向「そうそう、それで裏切り者のオルフェノクを始末するのが俺の役目って訳、了解?」

理樹「……」

日向「な、なんだよ……ちゃんとお前の主義にも合う人を殺さない仕事選んできただろ?」

理樹「その人達は僕たちの仲間かもしれないんだよ!?」

日向「んなわけあるかよ!そいつ人を襲ってたぞ!」

理樹「……それでも、あのスマートブレインに従うのは危険な気がするよ」

日向「……は、別にお前には関係ないだろ」

みゆき「……」

翌日

理樹「スマートブレインに行ってくる」

みゆき「な、なんでですか」

理樹「昨日の日向の話だと、社長が居たんだろ?」

日向「あ、ああ」

理樹「今度こそ社長に……会ってくるよ」

みゆき「そんな、危険ですよ!」

理樹「行ってくる」

理樹(こんどこそ社長の真意を聞き出してやる)


日向「んじゃあいつが居ない内に、俺もこんなところからはおさらばしようかな……」

みゆき「日向さんまで」

日向「もう会うこともないだろう……じゃあな!」

日向が行ったのはユイの家であった。

日向「……」

日向は何も言わずそこに立ち尽くしていた……

日向は前来た時のの会話を思い出していた。

みゆき「あの、ここがどうかしたんですか?」

日向「なんでもねえ、行くぞ!」

結局、日向は何もせずにその場を立ち去った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「……あなたはいつもどこから現れるんですか?」

天使「それは企業秘密で~す」

理樹「……社長の所まで連れて行ってくれませんか?」

天使「元々そのつもりよ。社長に理樹君を連れてくるようにって頼まれたの……」

理樹「そうですか、ありがとうございます。僕もちょうど社長に用が有ったので」

天使「どうぞ」

村上「君が理樹君だね?」

理樹「はい……あなたは?」

村上「私は新社長の村上だ。さて単刀直入に言おう
                 君には人を襲ってもらいたい」

理樹は即答した。

理樹「嫌です」

村上「それは許されない。私が社長になったからには人間を襲わないオルフェノクには死んでもらうことになる」

理樹「それでも……お断りします」

村上「……なぜだ。君はオルフェノクだろ?」

理樹「

僕は人間です

             」

村上「そうか……残念だ。君には近いうちに刺客が向かうことになるだろう。せいぜいそれ迄人間ごっこを楽しんでおきなさい」

理樹「……失礼しました」

村上「直枝理樹……全く下の下ですね」

理樹は部屋に帰ってきていた。

理樹「ただいま……」

理樹が帰ってくるとすでにみゆきが先に帰っていた

みゆき「お帰りなさい。どうでしたか?」

理樹「……近いうちにスマートブレインからの刺客が送り込まれてくるらしい」

みゆき「え、どうして?」

理樹「どうやら人を襲わない僕に新社長はご立腹だったみたいだ」

みゆき「そんな……」

理樹「それで、そっちは何かわかったかい?」

みゆき「それは……」

ピンポン

理樹「謙吾だ……」

みゆき「え、宮沢さん!」

理樹「あ、ごめん、古式さんの事考えてなかった。呼んじゃダメだったかな?」

みゆき「いえ、そんなことはないんですけど……」

理樹「謙吾……久しぶり」

謙吾「理樹……」

謙吾は人目を(と言うより沙耶の目だが)はばからることなく理樹を抱きしめた.

理樹「ちょ、謙吾」

謙吾「よかった。本当によかった……」

理樹「……ごめん謙吾。心配をかけたね」

謙吾「……すまんな」

沙耶「え、何どういうこと?」

理樹「苦しいよ、謙吾」

謙吾「す、すまない理樹」

理樹「と、とりあえず二人とも部屋に上がる?」

謙吾と沙耶は部屋に入って行った

謙吾「しかし驚いたな。古式もこの部屋に住んでいたとは……」

みゆき「はい」

沙耶「ま、まさか二人は付き合っているの?」

謙吾「そ、そうなのか!?理樹!」

理樹「ち、違うよ」

みゆき「あ、そっちの人は宮沢さんと一緒に居た人でしたね。どうも改めまして私は古式 みゆきです」

みゆき「直枝さん?その人達は」

理樹「朱鷺戸さん……であっていたよね?」

沙耶「は、はい。朱鷺戸です」

沙耶「沙耶って呼んでください。私、その、と、朱鷺戸って苗字が嫌いで。なんか男っぽい感じがして……」

もちろん理樹に名前を呼んでほしいための嘘である。

理樹「そうかい?じゃあ僕も理樹でいいよ」

沙耶「あ、うん、理樹君……理樹君……」

謙吾「ところで理樹、なんで古式と一緒の部屋に居るんだ?」

理樹(う~んここは適当に答えておくか……)

理樹「その、恥ずかしい話なんだけど……精神療養のためにルームシェアしてるんだ。ほら、僕と古式さんってその……一緒でしょ?だから……」

沙耶「えっと、それってどういうこと?」

謙吾(そう言うことか……確かに同じ様に……自殺、未遂だからな……)

謙吾「詳しく聞いてやるな。深い事情がある」

沙耶「べ、別にそんな詳しく聞かないわよ」

謙吾「……でもそれにしたっていい年した男女が一つ屋根の下二人というのはいただけないな」

理樹「それも大丈夫、僕達の部屋にはもう一人住んでいるんだ。今は、その……いないけど」

謙吾「ほう、今度紹介してくれ」

理樹「……うん」

理樹(帰ってくるよね、日向……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき「あの直枝さん少しお話が……」

みゆきは日向が行った所がユイの家であることを話した。

みゆき「ひょっとして、日向さんがスマートブレインに入ったのに、何か関係が有るのでしょうか?」

理樹「……そういうことか」

プルルルルル

理樹は着信記録をみるとそこには予想通りの名前が書いてあった。

理樹「もしもし」

日向『俺だ、今から会えないか?ちょっと大事な話が有るんだ……』

理樹「うん……わかった」

みゆき「誰からですか?」

理樹「日向からだったよ。これから会えないかだって」

みゆき「ひょっとして、帰ってくるって事ですか!?」

理樹「……うん、そうだよ。それじゃあ行ってくる」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

空き巣「……」

天使「は~い」

空き巣「ひ、ひい、あんたはスマートブレインの!?」

天使「安心してください。私は貴方に社長からの伝言を伝えに来ただけ出すから」

空き巣「伝言」

天使「『君が人間を襲わないというのなら……君に待っている未来は死だけだ』だそうです♡」

空き巣「う、な」

天使「それじゃあ、がんばってくだあさい」

空き巣「ま、待ってくれ~」

天使は空き巣を一瞥すらせずその場を去って行った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みゆき(それにしても直枝さん様子がおかしかったな……なにかあったのかしら)

みゆき(そういえば……人を襲わない直枝さんに社長が刺客を送るって言ってました。……もしかして日向さんの目的って!!)

みゆきは部屋を飛び出した。

みゆき(どこいっちゃの?直枝さん、日向さん……)

チンピラA「ねえそこの彼女、俺達と遊ばない?」

チンピラB「ついでに有り金全部おいて行ってよ?」

みゆき(あああ、もう急いでるときに!)

みゆき「あの、私急いでますから……」

チンピラC「どうせ、親からもらった金なんでしょ?いいじゃない?」

みゆき母『この、化け物が!』

みゆき(ああ、もう、やめて!)

そしてみゆきの感情はなくなった。

みゆき「……いいですよ」

チンピラC「マジでやった」

こうして人気のないところにやってきたみゆきは……

チンピラD「さあ、あそぼうぜ~」

みゆき「ええ、遊んであげます」

そういうとみゆきは

クレインオルフェノクとなり……

「ああああ!」

その後チンピラたちを見た者はいない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹「やあ日向……」

日向「おう理樹……要件は、わかっているか?」

理樹「うん、次のターゲットは僕って事?」

日向「……そう言うことだ。悪いな」

理樹「……一つ聞いてもいいかな?」

日向「なんだ?」

理樹「日向がお金を欲しいのってユイさんのため?」

日向はこの前、ユイの家に行ったとき聞いた話を思い出す。


『はあ、少し家計きついわね……』

『お母さん……』

『あれ、ユイに岩沢さん。何時の間に居たの?』

『ユイお母さんお金ないの?』

『……あなたはそんな事気にしなくていいのよ?』

『私……お母さんに迷惑かける位ならあきらめるよ』

『ユイ……』


日向「……さあな」

『555』

『STANDING BY』

日向「変身!!」

『COMPLETE』

日向の体が光に包まれ、それが鎧に変わり日向は仮面ライダー555に変身した。

理樹「日向……」

555「……いまさら命乞いしたって無駄だぜ」

理樹「……しないよ」

そう言うと理樹もホースオルフェノクに変化した。

ホース「君に僕は倒せない」

555「はあ、いくらなんでもなめすぎじゃね―か!?」

その言葉を合図にファイズとホースオルフェノクの戦闘が始まった。

ファイズとホースオルフェノクの戦いは接戦を極めたが、ファイズ有利に運んでいた。

555「どうした、どうして俺がお前を倒せないんだ!?」

ホース「……」

ファイズはとどめの一撃をさそうとして……

555「せいや」

そしてそこで

ホースオルフェノクは急に動き止めた

555「な、に!」

それに合わせファイズも動きを止めてしまう。その一瞬の隙を突き

ホース「ああ!」

555「うわあああ!」

ホースオルフェノクの剣がファイズのベルトに当たる。それにより、ファイズの変身が解かれた。

ホースオルフェノクも変化を解いた。

理樹「ほら、倒せないでしょ?」

理樹は虫も殺さぬ笑顔でそんなことを言った。

理樹「日向、考え直しなよ。そんな汚いお金貰って成功したって、ユイさんたちは喜ばないよ……」

日向「うるせえ、てめーに何がわかる。夢を持ったこともねえお前に……」

理樹「……そうだね、ごめん」

理樹は日向に手を伸ばした。

理樹「ほら、日向、立って。家に帰ろう?」

そう言って理樹が伸ばした手を日向は振り払った。

日向「……一人にしてくれ」

理樹「……わかったよ。でもいつでも帰ってきていいからね」

日向「……」

理樹はその場を立ち去った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

空き巣(どうする、どうする、どうする)

空き巣は空き屋に入りながら今後の事を考えていた。

空き巣(とりあえず飯でも食っておちつくか……)

そういっていつも通りその家にある飯を食べようとした時だった。

「うわ、なんなんだお前は」

空き巣「!!」

「け、警察」

空き巣「やめろおおおおお!!!!」
 
そう言うとオルフェノクになった空き巣はその男を襲った。それはカタツムリの特性をもったオルフェノク、スネイルオルフェノクだ

「う、うわああー」

スネイル「そうか……こんな簡単な事だったのか。ははは、ははははは!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「どうするか。とりあえず洗濯物届けに行くか……」

恭介はワゴン車に乗り込んだ。そして昨日までバイクがあった場所をみてこう思った。

恭介(ああ、もうあいつはいないのか。それに……ベルトも)

恭介「肩の荷が下りたってもんだ。さあ、仕事仕事」

しかしそんな恭介は出た後すぐ……

スネイル「ふぃしゃ」

恭介「んな、こいつは!」

さきほど人を襲ったスネイルオルフェノクに出会ってしまった。車を運転していたらいきなり目の前に現れたのだ。

恭介(こいつ……昨日会ったオルフェノクか!?何しに着やがった)

スネイル「アア」

恭介「くそ、なんでこんなときにオルフェノクに会うかね」

恭介(こんな時ファイズギアが有れば……)

スネイル「フィア」

恭介「畜生、逃げるしかない」

そんな時、恭介は目の前にある奇妙なバイクを見つけた。

日向「オルフェノクかよ」

日向(くっそ、ベルトどこ行ったかな?理樹の奴遠慮なしに飛ばしやがって)

恭介(んな……逃げるのか?目の前で襲われてる人がいるのに?)

恭介「はあ、俺の方がましだったな」

スネイル「うが」

恭介「って言ってる場合じゃないな」

恭介(これは……オートバジン!)

恭介は日向の乗っていたオートバジンを発見し、恭介はオートバジンの始動キーを押した。

恭介「頼む!」

オートバジン『ウィイイイ』

オートバジンは起動した。そして、オルフェノクを殴りつけ、その隙にガトリングを斉射する。

そしてオルフェノクがひるんだ隙にガトリングを打ちながら移動した。理樹が弾き飛ばしたベルトのある場所に……

日向「あったあった、てうお……」

近くにいた日向を弾き飛ばし、そしてそのまま恭介にベルトを渡した。

謙吾「……やっぱり、ファイズは恭介じゃないと、ってこのバイクも言ってくれてるんじゃないか?」

バジン『ウィイ』

恭介は少し嬉しそうにこう言った。

恭介「……はあ、しょうがねえな!」

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は仮面ライダー555に変身した。

555「さて、いっちょもんでやるか」

スネイルオルフェノクはオートバジンの弾丸を転がることで回避した

555「逃がすか!」

スネイルは草むらに隠れ死角からの一撃を狙う。ファイズにもその考えがわかった。だからファイズはファイズショットを腕に付けるとファイズフォンのエンターキーを押した。

555「謙吾!!」

謙吾「任せろ!」

『EXCEED CHARGE』

謙吾も……

謙吾「今だ!後ろだ!」

555「うおおおお」

言わずともわかっていた。

振り向きざまの攻撃にまるで反応できなかったスネイルオルフェノクはファイズの攻撃をよけきることができなかった。

そしてそこに刻まれるφの文字。そして、スネイルオルフェノクは灰となり死んだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

黒服『はい、オートバジンの妨害に会い、ファイズのベルトが奪われました。奪い返しますか?』

村上「ふう、いえ、あなたが行って返り討ちにあった場合戦闘データをも失うことになります。撤収してください。戦闘データだけでも回収しなくては」

そして村上は目の前の少女を強くにらんだ。

村上「どういうことですか?天使さん」

天使「あら~私はちゃんとあなたに言われた通りの人を推薦したわよ。ファイズそのものの力を見たいから、オルフェノクになってから日が浅く、可能な限り戦闘を行っていないオルフェノクを教えてくれって言うね♪あの日向君はそれらの条件を最も満たしていたわ」

日向はオルフェノクになって日が浅く、戦闘は555と戦った一回こっきりであり、さらにその戦闘においても理樹のサポートに回っていた。つまり確かに彼以上の適任者はいなかった。

村上「しかし、あんな下の下のオルフェノクでなくても、もっと優秀なものはいなかったんですか?」

天使「そんな条件効いてないもの~。それに戦闘データは手に入ったんでしょ?私を責めるのは筋違いだと思うな~」

村上「……わかりました、それではもう一つ」

天使「何かしら?」

村上「我々はオートバジンの主人データを日向秀樹に置き換えていました。しかし、いつの間にかそのプログラムが外されていたようです。それは誰か……知っていますか?」

天使「さあ、しらないわ」

村上(ファイズギアを失ったのは痛手ですが、やはりこの少女は信用ならない……それがわかっただけでも良しとしましょう)

天使(ごめんね村上君。貴方にライダーズギアを独占されては困るの。だって

つ ま ら な い で す も の)

村上「しかし全く困ったものです。カイザギアも向こうの手にあるというのに……仕方ありません彼らを動かしましょう」

天使「そう……」

村上「暗黒の四葉……ラッキークローバーにライダーズギアの奪還を命じます。狙いは現状行方が分かっている、ファイズ……そして
カイザのベルトを」

Open your eyes. for the next Φ's!

恭介「流星塾の仲間から連絡が来た?」

沙耶「二本目の……ベルト」

村上「あなた方はオルフェノクの中でも上の上の方たちだ」

???「……」

スネイルオルフェノク……カタツムリの特性を持ったオルフェノク。顔から突き出た眼は全方位を見渡す事が出来、獲物を補足する能力に長けている。武器は鈍器状に発達した左腕で、物陰から殴り掛かる卑劣な戦法を得意とする

今日はここまで

>>272 ちょっと訂正

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介「とりあえず洗濯物届けに行くか……」

謙吾「恭介、付き合うぞ」

沙耶「じゃあ私は店番してるわね」

恭介はワゴン車に乗り込んだ。そして昨日までバイクがあった場所をみてこう思った。

恭介(ああ、もうあいつはいないのか。それに……ベルトも)

恭介「肩の荷が下りたってもんだ。さあ、仕事仕事」

謙吾(……恭介)

しかしそんな恭介は出た後すぐ……

スネイル「ふぃしゃ」

恭介「んな、こいつは!」

さきほど人を襲ったスネイルオルフェノクに出会ってしまった。車を運転していたらいきなり目の前に現れたのだ。

恭介(こいつ……昨日会ったオルフェノクか!?何しに来やがった)

スネイル「アア」

恭介「くそ、なんでこんなときにオルフェノクに会うかね」

恭介(こんな時ファイズギアが有れば……)

スネイル「フィア」

恭介「畜生、逃げるしかない」

そんな時、恭介は目の前にある奇妙なバイクを見つけた。

日向「オルフェノクかよ……」

日向は草むらに入って行った

日向(くっそ、ベルトどこ行ったかな?理樹の奴遠慮なしに飛ばしやがって)

謙吾(んな……逃げるのか?目の前で襲われてる人がいるのに?)

恭介「はあ、俺の方がましだったな」

スネイル「うが」

恭介「って言ってる場合じゃないな」

恭介(これは……)

恭介はオートバジンの始動キーを押した。

恭介「頼む」

オートバジン『ウィイイイ』

村上「天使さん」

天使「何かな?」

村上「クローバーまで送ってもらえますか?」

天使の顔から珍しく余裕の様子が消える。

天使「……あの人達を動かすの?」

村上「ええ、暗黒の四葉、ラッキークローバーを動かします。」






広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time to go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean




理樹に倒され傷心中の日向は当てもなくさまよっていた。

日向(はあ、ベルト取られちまったから、スマートブレインには帰れねーし、かといって理樹の家に戻るのは、なんというかプライドが……)

日向「……しょうがないか、あの家に泊めさせてもらうか」

そう言って来たのはユイの家である。

ユイ母「あら、いらっしゃい」

日向「おじゃまします」

ユイ「い ろ は に ほ て と ち り ぬ る を !」

日向「あれ、何やっているんですか?」

ユイ母「歌の練習だって張り切っちゃって」

日向はその言葉に驚いていた。

日向「あの、歌をやる金ないんじゃ……」

ユイ母「ああ、ひょとして聞こえてました?いやはや、はずかしい。そんな大きな声出したつもりはなかったんですけど」

日向「あ、いや、その俺昔っから耳が良くって」

日向はオルフェノクになって耳が良くなったためその声が聞こえたのだ。

ユイ母「そうなの……でも大丈夫よ。岩沢さんが直々に教えてくれるって。声に出してなかったから聞こえなかったのね」

日向「そうですか……」

日向は少しがっかりした。そしてそんな自分に驚いていた。

日向(おれ、なんでちょっとがっかりしてるんだろう)

ユイ「あ、日向さん」

日向「よう、元気にしてたか?」

ユイ「うん、えへへ。元気だよ」

そこに居たのは岩沢であった。岩沢は手にあるメモに書き始めた。

岩沢『日向君 こんにちは』

日向「おう……ひょっとして邪魔だったか?」

岩沢『そんなことないさ』

日向「あの、お金とか大丈夫なのか?」

岩沢『当面は何とかするさ 私がおしえる こう見えて音楽の本はかなり見てきているし 耳にも自信はある なんとかするさ』

日向「その他もろもろは?」

岩沢『楽器は私が昔使っていた物を使うし オーディションも昔のコネでなんとかできそうだ 君の心配は最もだがこの家に迷惑はかけない』

日向「いや、すまん。そんなつもりで言ったんじゃないんだ」

日向(結局理樹の言う通りだったって訳か。あんな汚いお金をもらっても喜ばないし……それに俺の助けなんてそもそもいらなかったって訳か。)

日向(結局……おれはこいつらのために何かしてやりたかっただけ。俺の夢をこいつらに背負わせようとしていたのか……)

日向(理樹……)

日向「それじゃあ俺帰ります」

ユイ「あれ、日向さんもう帰っちゃうの?」

日向「おう……」

ユイ「また来てくれる?」

日向「……ああ」

ユイ「あ、ちょっとまって」

そう言うとユイは口にペンをとるとそれを白紙の髪にすらすらと当てて行き……

ユイ「ほい」

ユイはそれを日向に渡した。

日向「何だこれ?」

ユイ「ユイのサイン結構うまいでしょ?」

日向「……おう」

それは口で書いたとは思えない程上手なサインだった。

ユイ「何時かそれがものすごい価値が出るようになるから。それまで持っててね?」

日向「……期待して待ってるよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

恭介は沙耶に事情を説明した。

恭介「と言うわけでベルトとバイクを取ってきたんだが……スマートブレインに返した方がいいか?」

沙耶「いいんじゃないかしら?元々私に送られてきたものだし、そんな逃げ腰の人が持つより、あんたが持っていた方がいいと思うし」

沙耶「それに、どうもあの村上って人、気にくわないのよね……」

謙吾「それは女の勘と言うやつか?」

沙耶「どちらかと言うとスパ……いやなんでもないわ」

沙耶はうっかり口が滑りそうになるのを抑えた。

恭介「まあ俺もあの人からは嫌な予感がしてるが……」

沙耶「でしょ?あの人どうも胡散臭いのよね、まあ少なくとも母さんの居場所がわかるまでは預かっておいてもいいんじゃ……」

ピルルル

そんな話をしている時だった。沙耶の携帯にメールが届いた。

沙耶「なにかしら?」

そういって沙耶は携帯を見た。するとどんどん表情が変わってい行き……

沙耶「うそ、二本目の……ベルト」

恭介「どうしたんだ?沙耶」

沙耶「同級生……私と同じ流星塾生の犬飼君からなんだけど……」

そういうと沙耶は携帯を恭介達に見せた

沙耶「私の携帯にこんなものが送られてきたの……」

恭介「これは……」

そこに映っていた物は……ファイズギアと酷似していたベルトであった。

謙吾「どういうことだ?あれ以外にもベルトが有ったということか?」

恭介「おそらくそういうことだろうな。それで、送ってきた奴はなんて言ってるんだ?」

沙耶「明日、■◆遊園地で待っているから来てくれって……恭介、一緒に来てくれない?」

謙吾「なんで恭介を?」

沙耶「そのベルトめぐってオルフェノクが何回襲ってきたと思っているの」

謙吾「罠かもしれないって事か?」

沙耶「いえ、でも……襲われる可能性は否定できないわ」

恭介は少し悩み

恭介「……確かに、何かあるかもしれん、俺も一緒に行こう。謙吾、店番頼んでもいいか?」

謙吾「俺は学校があるんだが……そんなこと言ってる場合じゃないか。わかった。俺は明日の午前中は学校休んで店番しておくからその間に行ってきてくれ」

恭介「おう、恩に着るぜ」

沙耶「ありがとう、謙吾」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日向は理樹の家の呼び鈴を鳴らす

理樹「どちら様……」

そこに居たのは日向であった。

日向「……うん、あ、ううん」

日向がばつが悪そうにしていると……

理樹「……お帰り日向」

みゆき「日向さん、おかえりなさい」

日向「……ただいま」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

天使は村上をBAR『クローバー』まで運んだ。

村上「ここまでで結構です」

天使「そう、それじゃあここで待ってるわね♡」

そう言うと村上はクローバーに入って行った

そこには三人の人がいた

???「あら、久しぶりね?村上君」

まず話しかけてきたのはシェイカーを振る知的な女性である。

村上「お久しぶりです、冴子さん」

???「僕たちに何の用ですか?」

村上「すいません琢磨さん……」

次に話しかけたのは、イェーツの本を読んでいる、神経質そうな男であった。

???「オウ、チャコ」

村上「ジェイさんも変わらず何よりです」

最後の黒人の男は村上の事を目にも入れず、恐らく自分の愛犬であろう犬をかわいがっていた。

村上「ところで北崎さんは……」

冴子「あの人は、気紛れだから……召集には応じなかったみたいね」

村上「そうですか」

シェイカーを振る美女・冴子、イェーツの詩集を読む神経質そうな男・琢磨、愛犬をひざに抱く巨漢の黒人男性・ジェイ。この3名に、呼び出しに応じなかった気まぐれな北崎を加えた4名が、ラッキー・クローバーというわけだ。

村上「さて、皆さんにお尋ねしますが……私が、スマートブレインの社長、と言うことでよろしいですか?」

冴子「別にかまわないわ。恐らく北崎君もそう言うでしょう」

琢磨「ええ、僕たちはスマートブレインに忠誠を誓っているわけではありませんし……」

ジェイ「オウ、チャコ」

村上「ありがとうございます」

スマートブレインと全く関係のないこの場所にわざわざこの事を聞きに来るということが、ラッキークローバーの異常性を示していた。

琢磨「ですが、くだらない要件で僕達を使うことだけは勘弁していただきたい。僕たちはあくまであなたから依頼を受けて仕事をする。ということです」

村上「ご安心を、あなた方はオルフェノクの中でも上の上の方達だ。そんなもったいない使い方はしません」

冴子「なら、もんだいないわ」

村上「では、早速依頼させていただいていいでしょうか?」

ジェイ「チャコ……」

琢磨「構いませんよ」

村上「ではまずは一つ目の依頼、それはライダーズギアの奪還です。これはジェイさん、お願いできますか?」

ジェイ「……ワカッタ」

冴子「なんでジェイなのかしら?」

村上「ライダーズギアの力はいまだ未知数ですから。あなた方の力を信用していないわけではありませんが、念のために」

冴子「なるほど、まあいいわ」

琢磨「僕達としてもどの程度の力があるか見せてもらいましょう」

村上「それと……」

そういうと、村上は上着の内ポケットから写真を取り出した

村上「あなた方どちらか一方に裏切り者のオルフェノクの抹殺を依頼したい」

琢磨「これは僕がやってもよろしいですか?冴子さん」

冴子「ええ、構わないわ」

村上「それではお二方よろしくお願いします」

そう言うと村上はバーを後にした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日

恭介「ここが、その約束の場所か?」

沙耶「うん、ここで待っていれば来るはず……なんだけど」

平日の朝だったためか、その遊園地には全く客が居なかった。だが……

沙耶「いくらなんでも係員まで居ないっていうのはおかしいわよね……」

恭介「その友達って遊園地貸切に出来るほど裕福なのか?」

沙耶「そんなことはない……はずだけど」

恭介「それじゃあいったいここで何があったんだ?ひょっとしてもう潰れてたとか?」

沙耶「そんな情報ネットには乗ってなかったけど……」

そんなことを言いながらと携帯をいじっていた沙耶にメールが送られてきた。

沙耶「やっぱり犬飼君からだわ」

沙耶がメールを開くと……

『逃げろ』

とだけ打たれ本文は何もなかった。

沙耶「犬飼君!」

恭介「どうした、何があった!」

沙耶「犬飼君が逃げろってメールを……」

恭介「……」

沙耶「犬飼君を探さないと……」

恭介「やめろ!危険だ!」

沙耶「大丈夫、いざとなったら銃で対応するわ」

恭介の制止も聞かず沙耶は飛び出していた。

恭介「く!」

沙耶と恭介は二人で犬飼を探す。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ジェイ「チャコ」

チャコ「く~ん」

ジェイはチャコを柱につないだ。

ジェイ「マッテテ、チャコ……」

チェコ「く~ん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「あそこ!あのメリーゴーランドだけ回ってる」

恭介「……行ってみるか?」

沙耶「いえ、何かの罠って可能性も」

しかしメリーゴーランドに乗っていた者を見た瞬間沙耶は息をのんだ。

沙耶「犬飼君!どうしたの!」

犬飼「に、にげろ沙耶……」

しかし、近づいてくる沙耶にその言葉は届かない。

沙耶「犬飼君……犬飼君!」

そしてその言葉が犬飼の最後の言葉となり……犬飼は灰となった。

沙耶「犬飼君!」

そして物陰に隠れていた男が姿を現した。それは黒人だった。そうジェイである

全く客が居なかったのは平日の朝だからではない。全ての人間をジェイが襲っていたからだった。

ジェイ「……」

ジェイは何も言わず変化した。わにの特性を持ち、特徴的な三つの斑点が胸に有り、その胸は強力なうろこで守られ両腕にはかぎ爪を持っているクロコダイルオルフェノクに。

クロコダイル「aaaaaaaaaaaaaaaaa」

クロコダイルオルフェノクは二人に襲いかかる。

沙耶「きゃあああ!」

恭介「く、」

恭介は飛び出して沙耶と一緒に、地面を転がる。そうしてクロコダイルオルフェノクの攻撃を避けた。

恭介は持ってきていたファイズギアを腰に取り付ける。それを見てクロコダイルオルフェノクは目標を恭介に変更した。

『555』

『STANDING BY』

クロコダイルオルフェノクの一撃が目の前に迫るが、それを躱しつつ恭介は……

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

恭介の体が光に包まれ、それが鎧に変わり恭介は仮面ライダー555に変身した。

なおも追撃してくるクロコダイルオルフェノクの攻撃をよけつつ、ファイズはけりを当てた。しかし……

555「!!」

ファイズの蹴りはうろこに阻まれクロコダイルオルフェノクにはまるでダメージがない。

クロコダイル「ooo!」

そしてその隙を突いたクロコダイルオルフェノクはファイズをかぎ爪で攻撃した。そのカギ爪はファイズの鎧を貫きはしないものの、相当のダメージをファイズに与える。

555「ぐ」

クロコダイル「aaaaAAA」

クロコダイルオルフェノクの攻撃にひるむファイズ。その隙に二回三回とかぎ爪を鎧に食い込ませた。

沙耶「く!」

沙耶は拳銃でクロコダイルオルフェノクの額を打つがまるで意に介さない。

555「沙耶!」

そう言うとファイズはファイズフォンからメモリーを抜き、沙耶に投げ渡した。クロコダイルオルフェノクはそれでも沙耶には見向きもせずファイズを追う。

沙耶(そういうことね!)

沙耶はファイズフォンにコードを入力する。

『103』

『ブラスターモード』

沙耶(犬飼君の敵!)

そして沙耶はクロコダイルのあたまを正確に射撃した。しかし反動で後ろに吹っ飛んでしまう。

沙耶(きゃ!)

その狙撃にクロコダイルオルフェノクは一瞬ひるんだ。その隙にファイズは窮地を抜け出す。

クロコダイル「ugaaaaaa」

クロコダイルが沙耶に標準を合わせようとした隙にファイズポインターを取り出しメモリーをセットする。

555「沙耶、渡せ!」

沙耶はファイズフォンをファイズに投げ渡す。

そして改めてファイズフォンをセットするとエンターキーを押した。

『EXCEED CHARGE』

そしてファイズポインターから光が飛び出てそれが円錐状に広がる。そしてファイズはそこに飛び蹴りの要領で突っ込んでいく。

555「うおおおおお!」

そして光と一体になったファイズはクロコダイルオルフェノクを押しつぶした。

……はずだった。

クロコダイル「ugaga」

しかし、クロコダイルオルフェノクは腕にあるかぎ爪でその攻撃を受け止めた。そしてその光を跳ね返す。

それと同時に変身が解けてしまう。

恭介「うわあああああ!」

恭介が変身しようにもベルトは遠くにあり、すぐには変身できない。変身しようとしてベルトに近づく前に殺されるのは明らかだった。

恭介(ここまでか、しょうがないか……)

その時、数発の銃弾がクロコダイルの足元に炸裂した。

振り向いたクロコダイルが見つめる先に居たのは……

ライダーだった。

ファイズと姿かたちは似ていたが顔には×の文字が付き、なにより、ファイズの赤い光の線があるところが、このライダーは黄色であった。

沙耶(あのベルトは、犬飼君がメールで送ってきた……)

恭介(ファイズ……いや違う)

そのライダーの名は

カイザ

913「……」

Open your eyes. for the next Φ's!

冴子「まさかジェイがやられるなんてね」

???「それは、呪われたベルトなの」

???「あのさ???って同窓会休んでたよね?」

沙耶「そうだと思うけど……」

???「あの日……君たちは……」

クロコダイルオルフェノク……ワニの如く頑強な鱗による高い防御能力と怪力を誇る。上位オルフェノクの集団であるラッキークローバーの一員。

今日はここまで

深夜投稿は止めたいと思っているが中々うまくいかない。

カイザはクロコダイルオルフェノクに突撃すると、そのまま恭介から引き離した。

913「うおおおおお!!」

クロコダイル「ugaaaaa!」

クロコダイルオルフェノクはカイザを引き離すとすぐさま攻撃に転じた。

クロコダイルオルフェノクは猛攻を続ける。かぎ爪を持つ右手、左手を振り回し攻撃した。

だがカイザはそれらの攻撃を見切り、紙一重でかわしたが、それが永遠に続けられる訳もなく、クロコダイルオルフェノクに捕まってしまう。

しかしその瞬間、腰から十字のアイテム(形状は銃に近い)を取り出すとそれをクロコダイルオルフェノクに突き立てた。そして銃の安全装置を外すかのように十字のアイテムの先端を引っ張り、十字の中心にある引き金を引いた。

すると持っていた十字のアイテムから銃弾が発射される。それにクロコダイルオルフェノクは、たじろぐ。

その隙にファイズのファイズフォンに当たる部分……カイザフォンからミッションメモリーを取り出すとそれを十字のアイテム……カイザブレイガンにセットした。すると、カイザブレイガンのカイザが握っている部位から光が出て、それが剣の形状になる。

913「おらあああ!」

クロコダイル「igiiiii!」

そしてそれで何度か切り裂いた後に、カイザはカイザフォンの上面をずらし、エンターキーを押した。

『EXCEED CHARGE』

カイザブレイガンの剣の部分が発光しはじめ……

カイザ「うおおおおお!」

カイザはそれでクロコダイルを切り伏せた。するとクロコダイルオルフェノクは青い炎に包まれ灰となった。

恭介「おまえは……一体」

沙耶「恭介!大丈夫!!」

恭介「ああ、俺は……」

913「!!……」

そしてカイザは沙耶の姿を見かけ近寄ろうとしたが……

『Error』

その音声と共にベルトから青白い雷がバチバチと鳴り出た。

沙耶「な、なに」

そしてカイザはその場を去って行った





広がる宇宙の中Can you feel?

小さな地球(ほし)の話をしよう

Tell me the truth信じてた未来が

崩れ去ろうとしてる

悲しみを繰り返し

僕らは何処へ行くのだろう?



今1人1人の胸の中

目を覚ませば The time to go

強くあるために

また護ることと戦うこと

Dilemmaは終わらない…走りつづけても

The end justiΦ’s the mean





謙吾「おう、恭介どうだった……」

謙吾は恭介の傷を見て顔色を変えた

謙吾「襲われたのか?」

恭介「ああ、それで待っていた犬飼って奴が……やられてた」

謙吾「そうか……沙耶は?」

沙耶は少し複雑そうな顔をするが……

沙耶「……今はそれよりもあれが誰だったのか、って話よ」

謙吾「あれって誰だ?」

沙耶「多分、もう一人のファイズ……」

謙吾「もう一人のファイズ?」

恭介「ああ」

謙吾「あの、メールにあった奴か?」

沙耶「ええ、間違いないわ」

謙吾「……本当か?」

恭介「ああ、間違いない」

謙吾「恭介が言うのなら間違いないな」

沙耶「……どうして私じゃだめなのよ?」

謙吾「いや、深い意味はない」

沙耶「……」

恭介「多分、あそこで……お前にメールを送った奴の仲間じゃないか?」

恭介は言葉を濁した。謙吾を気遣ったようだ。

沙耶「……かも、しれないわね。他の流星塾生に話を聞いてみるわ」

沙耶はかなでという所で決定ボタンを押した。

プルルルル

沙耶「……でないわね」

恭介「メールで聞いてみたらどうだ?」

沙耶「そうね、他の塾生にも聞いておくわ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■◆遊園地

チャコが柱から抜ける。そしてクロコダイルオスフェノクの灰の所まで歩いていくと……

チャコ「く~ん」

チャコが寂しそうに泣いた。自らの主人の死を悟っていたのかもしれない。

そしてそんなチャコの寂しそうな声に反応したように……

クロコダイルオルフェノク灰が集まり始めた

それは一つの大きな集合となり、一つの形を作る。ジェイとなったのだ。

ジェイ「チャコ……」

チャコ「く~ん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

理樹は夕飯の買い物に出ていた。

理樹(はあ、どうしよう。日向帰ってきてから口数なくなったし、古式さんは古式さんで気まずそうだし……)

そんなことを考えながらどうしようか考えていると

天使「は~い、理樹君、ちょっといいかしら?」

前を走っていた車から天使が現れた。

理樹「……」

理樹は無視して歩き出す。

天使「ちょっと、ちょっと。待ってよ理樹君」

理樹「……なんですか?」

理樹は不快そうに答えた。

天使「あなたはスマートブレインの社長を本気で怒らせちゃったみたいなの。私、心配なの♪このままじゃ理樹君、オルフェノク粛清の対象になっちゃう~」

天使(あなたせっかく面白そうな玩具なのに)

理樹「……社長に伝えてください」

理樹「僕は絶対人を襲わないって」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

琢磨「まさかジェイ、あなたがやられてしまうとは思いませんでした」

チャコ「く~ん」

村上「最強のオルフェノクのラッキークローバーの一人であるあなたがやられてしまうとは、予想外でした」

冴子「問題ないわよ、ジェイは三つの命を持っている、後二つもあるんだから」

琢磨「ジェイさん、よければこの僕が力を貸しましょうか?」

その問いにジェイは

ジェイ「チャコ……」

琢磨「……」

答えなかった。自分一人で十分ということだろう。

……いや、自分の愛犬を可愛がるのに夢中になっていただけかもしれない。

村上「ともかくジェイさん次こそはファイズギアとカイザギアの奪還を」

ジェイ「……」

村上「それと琢磨さんは」

琢磨「分かってますよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その夜

あるキャンピングカーの近く、

そのバスから何人もの人がでて草むらのあたりを捜索していた。

草むらにカイザが倒れ伏していた。

913「!!」

かなで「西田君!」

西田「……」

カイザの力が彼に悪影響を与えている。そう考えた彼らはすぐに変身を解く。

西田「増田先生……やりましたよ。俺オルフェノクをやっつけました」

増田「……よくやった」

その腕はどんどん灰色になっていき……

そしてついに灰になり崩れた。

皆、悲しみを抑えきれない様子でキャンピングカーに戻ると

かなで「……メール、来てたわ」

上条「こんな時に、誰よ!?」

かなで「……沙耶から、多分ベルトについて、だと思う」

音無「俺のとこにも来てる、沙耶に悪いことしちまったかな?」

勇樹「でも、しょうがないよ、音無……あんなことが有ったんだ」

音無「……そうだな、それで沙耶にはどうする?」

かなで「巻き込みたくはないけど、伝えた方がいいと思う。彼女も……ベルトを持っているみたいだから」

音無「そうかじゃあかなで、連絡してくれ」

かなで「うん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「メールが帰ってきた!かなでからだわ!」

恭介「かなでって?」

沙耶「流星塾で私と唯一成績で争っていた、まあ行ってみれば秀才かな?私の一、二を争う程の親友よ!」

恭介「それでそのメールにはなんて書いてあるんだ?」

沙耶「えっと」

『沙耶ベルトについて話が有るの。できれば会いたいんだけどどう?』

沙耶「!!かなでもベルトに関わっていたのね」

恭介「……それは驚いたな。あれはかなでって奴だったのか?」

あれとはもちろんカイザの事である。

沙耶「そこまではわからないけど……続きが書いてある。明日会えないかだって」

沙耶「恭介、あなたも来てくれない?」

謙吾「恭介が行っても大丈夫なのか?」

沙耶「罠の可能性もあるわ。それに……いままでファイズを使っていた人として来てほしいのよ」

恭介「……明日はクリーニング屋定休日だしな。問題ないだろ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日

沙耶「それじゃあ行ってくるわね」

謙吾「おう、俺は学校だから行けんが、昨日言っていた通りの罠の可能性もある。十分気を付けろよ」

沙耶「わかってる」

恭介「んじゃ行くか?」

沙耶「ええ」

沙耶たちが指定した場所に行くと、そこにはキャンピングカ―があった。

沙耶「ここかしら……」

かなで「きたわね、沙耶」

沙耶「かなで……」

沙耶は彼女の顔を見るや否や笑顔に変わり

沙耶「かなで~!」

沙耶はかなでに抱き着いた。

音無「来たか……」

沙耶「ひょっとして、音無君?」

音無「ああ、他の流星塾生も集まっている。それと増田先生もな」

沙耶「そっか……」

音無「二人とも中に入れ」

そう言った音無は恭介を見た。

音無「……あんたは誰だ?」

恭介「おれは……」

沙耶「彼はいままでファイズに変身して戦ってきた棗恭介よ。私の命の恩人ね」

そしてそれを聞いて二人の顔がこわばった。

かなで「あなた、変身して何ともないの?」

恭介「?ああ、そうだが」

沙耶「どういうこと」

音無「……付いてきてくれ」

そう言って、音無は二人をキャンピングカーに乗せた。

沙耶「あれ、みんなそろってないの?」

かなで「それについても後で話すわ」

沙耶「そう、わかったわ。あ、増田先生、お久しぶりです」

増田「やあ久しぶりだね。沙耶君」

沙耶はこれまでの事を話した。

かなで「そう、沙耶の元にもベルトが届いたのね……」

沙耶「元にも?他にも届いた人がいたの?」

かなで「ええ、私たちの元に届いたのはそれ……カイザのベルト」

沙耶「へえ、ちょっと見せて……」

勇樹「触るな!」

勇樹は激高した。

沙耶「ご、ごめんなさい勇樹君」

勇樹「いや、俺こそすまない。だがそのベルトは、そのベルトのせいで……」

沙耶「えっとどういうこと?」

かなで「そのベルトは……呪われているの」

恭介「呪われている?どういうことだ?」

神道「おまえには関係ない!」

かなで「やめて神道君。彼は沙耶を……」

神道「……すまん」

かなで「私達も沙耶とほとんど同じ、突然母さんからこのベルトを送られてきた。でも……このベルトはファイズとは違うの、呪われている。そう表現してもいいくらいに」

沙耶「だからどういうこと?」

かなで「装着者が……死亡するの。灰になってね」

沙耶「うそ……」

恭介「それじゃあ俺を助けてくれた奴も……」

かなで「ええ、灰になってしまったわ」

沙耶「それじゃあ、ここに全員がそろってないのって……ひょっとして睦美も直井君も遊佐も……」

沙耶は最悪の想像をするが、即座にかなではそれを否定した。

かなで「いえ、ここに居る以外の人が全員死んだって訳じゃないわ。安心して……とは言えないかしら、でもとりあえず連絡がつかないだけよ」

沙耶はそれを聞いて安堵した。

沙耶「そっか。とりあえず一安心……かしらね」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

沙耶「音無君はその、言っちゃ悪いけどこんなことしてていいの?医学の勉強大変な時期なんでしょ?」

音無「……ああ、大変だけど流星塾の仲間を……なにより恋人のかなでを放っておくわけには行かないからな。まあ何が何でも医者になってみせるよ」

沙耶「こ、恋人……げげげぼぼえ」

上条「ふふ、まだ恋愛恥ずかしがり症は治ってないのね……」

沙耶「……そうよ、笑えばいいじゃない。いい年して恋愛できないじゃないって笑えばいいじゃない。はーははって~~~~~~~」

音無「その自虐癖もなつかしいな……」

はははははは

それを見ていた恭介は違う印象を持っていた。

恭介(そうか……沙耶はいままでスパイとして孤独に過ごしていたわけじゃなかったのか。ちゃんと自分の素を出せる友達も居たんだな……よかった)

上条「音無君は医大の勉強で忙しかったけど時間を作って集まってくれたの。でも、まさかこんなことになるなんて思わなくて……」

沙耶「……そう、でもしょうがないじゃない。」

音無「そんなこと言ってる場合じゃないしな……」

恭介「でも夢か……夢なら追っ駆けた方がいいんじゃないのか?」

そんなことを言った恭介に勇樹は唐突に言った。

勇樹「なあ、棗君だったか?これは流星塾の問題なんだ。君は口を出さないでくれるかな?」

恭介は自分の失言に気付いた。

沙耶「ちょ、ちょっと音無君その言い方……」

恭介「いや、いいんだ、沙耶。確かに部外者が気軽に口を出すのは間違っていたかもな。すまない」

神道「……すまない。いままで沙耶を守ってくれたことには感謝する。でもこれは勇樹の言ったように流星塾の問題なんだ。だから君は……ファイズのベルトを置いて帰ってくれ。……君自身のためにも」

そう言う神道をかなでが制した。

かなで「いえ神道君、もしファイズギアにカイザギアと同じ力が備わっているとしたらすでに何度か変身している棗君に託した方がいいと思う……」

沙耶「でも私が変身した時は吹っ飛んだだけで何もなかったわよ?」

かなで「いえ、もしかしたら偶々運よく灰にならなかっただけかもしれない。それは棗さんも同じだけど……」

恭介「大丈夫だ。十回位変身して何ともないからな。いきなり灰になるって事は無い、だろ?」

沙耶「そうね。……どちらにしろ、あえて危険な橋は渡らないに越したことはないわね」

実は謙吾も変身し同じ様に吹っ飛んでいたのだが、それを知らない沙耶達がそう結論付けるのは無理のないことだった。

増田「沙耶君、彼はいったい何者なのかね?どうして彼は変身できる?」

沙耶「オルフェノクが前言っていたのは」

恭介「このベルトは選ばれた人間にしか使えないとかなんとかだったか?」

沙耶「そう、確かそんなことを……」

増田「……そうか」

~~~~~~~~~~

恭介「それじゃあこの辺で」

沙耶「私は……まだ残るわ、積もる話もあるし」

恭介「そうか……あんまり遅くなるなよ?」

沙耶「ええ」

恭介はその場を後にした。

かなで「……あの人とどういう関係なの?」

沙耶「だからさっきも言ったでしょ?まあ恩人ね」

音無「でも、今同棲しているみたいなこと言ってなかったか?」

沙耶「あんたのところみたいに同棲なんてしてないわよ。ただ下宿先が一緒なだけ。しかも他に人もいるし」

かなで「そう……」

神道「オルフェノクは俺達が倒そう。母さんはそれを望んで俺達にベルトを託したんだと思う」

勇樹「ああ」

そして沙耶に話を聞くために上条が皆に話しかけた。

上条「あのさ、あの事沙耶に聞いてみない?」

かなで「そうね」

音無「あの件はもういいだろ」

上条「でも、今回の事と何か関係があるのかもしれない……」

沙耶「何の話?」

かなでは神妙な様子でこう答えた。

かなで「直井君って同窓会休んでいたわよね?」

沙耶「確かそうだったと思うけど……」

かなで「これ、同窓会の寄せ書きなんだけど」

そこにはいま上がった、居ないはずの直枝の文字が有った。

沙耶「……何かの間違いじゃないの?もしくはいたずらとか」

かなで「でもみんなに聞いたら誰もこんなことしてないっていうの……」

沙耶「そんなはず……」

そんなことを言っていた時だった

増田「皆、大変だ!オルフェノクが!」

しかしそれ以上言葉は出なかった。聞けなかった。増田はオルフェノクに襲われ心臓を奪われたからだ。

沙耶「うそ、あいつは死んだはずじゃ……」

それは死んだはずのクロコダイルオルフェノクであった。しかし形状が少し違った。かぎ爪がなくなった代わりに肉体は大きくなり胸に有った斑点はより大きくなっていた。

そしてそうこう迷っている内に今度は上条が捕まってしまう。

上条「ああああ……」

そして上条は灰になってしまった

神道「増田先生!上条!くそ!」

神道はカイザギアに手を出した。

音無「止めろ!神道!」

音無の制止を振り切り神道はコードを入力した。

『913』

『STANDING BY』

神道「変身!!」

『COMPLETE』

ベルトからファイズと同様の光が神道の体を包むそして神道は……仮面ライダーカイザになった。

913「うおおおおお!」

沙耶はそうこうしている内に恭介に連絡を入れた

沙耶「恭介!早く来て!オルフェノクが!」

913「うおおおお」

クロコダイル「gaaaaa」

カイザの拳がクロコダイルオルフェノクに命中するしかし大したダメージにはなっていない。クロコダイルオルフェノクは復活するたびに強くなる。今のクロコダイルオルフェノクのそれは以前カイザに負けた時をしのいでいた。

クロコダイル「rarara」

クロコダイルオルフェノクはお返しとばかりにカイザに拳を与えた。一発二発と当たったその拳はカイザの鎧を砕き、カイザの変身を解かせてしまう

神道「うわああああああ!!」

かなで「神道君……」

沙耶「たってしっか……り……」

しかしその言葉が届くことはなかった、カイザのベルトが外れた瞬間彼は灰化し、死んでしまった。

クロコダイルオルフェノクはそのベルトを拾い上げる。

音無「くそ」

しかしそんな時現れたのが……

恭介「うおおおおお!」

恭介が到着した。恭介は到着するや否やファイズギアを装着し、

『555』

『STANDING BY』

恭介「変身!!」

『COMPLETE』

555「今日も頼むぜ、相棒!」

そう言うとファイズはオートバジンを変形させた。

オートバジン『ウィイイイ』

二人係りでクロコダイルオルフェノクを倒すつもりだ。

555「うおおおおおお!!」

ファイズはクロコダイルオルフェノクに向かって突っ込んでいきながら、オートバジンはタイヤ型ガトリングを斉射する。

ひるんだ隙にクロコダイルオルフェノクに体当たりして、カイザギアを落とした。その隙に奪い返した。

555「行くぞ!」

ファイズはファイズポインターを足に取りつける

『EXCEED CHARGE』

クロコダイルオルフェノク「!!」

しかしそれで攻撃をする前に……

クロコダイルオルフェノクは逃げ出した。向こうに二本のベルトがあることが先日の遊園地での出来事を思い出させたのだ。

増田がキャンピングカーの中から出てきた……そして

増田「君たちに、言っておかなければならないことがある・・・あの同窓会の日、あの日・・・君たちは・・・」

しかしその続きを言うことなく……増田は灰になってしまった。

Open your eyes. for the next Φ's!

かなで「いっそこのベルト向こうに渡してもいいんじゃないかしら?」

沙耶「あれが……直井君」

913「  」

クロコダイルオルフェノク(格闘態)……最初に恭介達を襲った姿。かぎ爪を武器に戦う

クロコダイルオルフェノク(剛強態)……クロコダイルオルフェノクが一度目の強化蘇生を行った姿、ワニの歯のような特殊な形状の剣「ファキールス・ホーン」を武器とする。

カイザギア……ファイズギアと酷似点は多いがキーとなる携帯の形状や武装が異なる。(ファイズフォンが折り畳み式であるのに対し、カイザフォンはスライド式である)また、ファイズより出力が上であり、単純な力はファイズをしのぐ。その代償として適性のないものが変身した場合その者を死に至らしめてしまう。

カイザブレイガン……十字の武器。基本は拳銃のように使いミッションメモリーをセットすることで近接戦闘用の剣が出すことができる。

カイザショット……ファイズショットと同様。

この二つが現状のカイザの武装である。

今日はここまで

遅くてごめんよ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月10日 (木) 23:56:51   ID: m5s_CPre

え、これって音無が草加ポジ?

2 :  SS好きの774さん   2014年08月21日 (木) 06:18:22   ID: 6x5HgOXe

いや、草加ポジションは直井だど思う

3 :  SS好きの774さん   2014年08月21日 (木) 06:24:30   ID: 6x5HgOXe

後、草加は(朱鷺戸とゆりの関係上)野田が入ると思ったんだがw

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom