来ヶ谷「真人少年がイケメン……だと?」美魚「はい」 (89)

【来ヶ谷の部屋】


来ヶ谷「いやいや、何を言っているんだ美魚くん。そんな冗談は君らしくないぞ?」

美魚「……いえ、冗談ではありません。リトルバスターズで行った『2回目の修学旅行』を写真を整理していたらこのような写真が……」

つ http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4846709.jpg

来ヶ谷「!」

美魚「……」

美魚「……どうですか?」

来ヶ谷「……これは、イケメン、だな。うん……」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391445698

美魚「そもそも井ノ原さんは世間一般的に考えたら『イケメン』なのではないでしょうか?」

来ヶ谷「……確かに。普段の彼を見すぎているせいで誤解しがちだが……」

・イケメン
・スタイル良し
・明るくて良いやつ
・スポーツ万能

来ヶ谷「モテる素質が目白押しだな、真人少年は」

美魚「なんとなくですが年下の女の子に好かれそうですよね、井ノ原さん」

来ヶ谷「普段は情けないんだがいざという時には頼りになるお兄ちゃん、という感じだな。彼は」フッッ

美魚「そうですね」クスッ

来ヶ谷「だが真人少年は現実問題モテてはいないよな」

美魚「わたしはクラスのそういう事情にあまり詳しくはないですが、そういう噂は聞きませんね」

美魚「ただそれはさっき来ヶ谷さんが仰ったように普段の彼の行動に問題があるのではないでしょうか」

来ヶ谷「まぁそうだろうな。私がさっき挙げた長所をすべて打ち消してお釣りがくるほど彼は阿呆だしな」

来ヶ谷「だが原因はそれだけではないと思うんだよ、私は」

美魚「と仰いますと?」


ピーーーーッ


来ヶ谷「む、お湯が沸いたな。コーヒーでも淹れよう」スタッ

美魚「ありがとうございます……何かお手伝いいたしましょうか?」

来ヶ谷「君は客人だ。座っていてくれて構わないよ。ほら、熱いから気をつけてな」

つコーヒー

美魚「それではいただきます……」ゴクッ

来ヶ谷「……♪」ゴクッ

美魚「やはり冬の夜はホットコーヒーですねぇ……」ホカホカ

来ヶ谷「だな……」ホカホカ

来ヶ谷「……ん?それで何の話をしていたのだったかな?」

美魚「井ノ原さんがなぜモテないか、という話ですね」


来ヶ谷「そうだな……」カチャッ

来ヶ谷「やはり、彼の周りにいる男どものせいというのも多分にあると思う」

美魚「! なるほど……」

来ヶ谷「例えば彼の周りにいるのが冴えない……いや、ごく一般的な男子であっても彼はモテると思う」

来ヶ谷「さっき挙げたようにステータスは高いからな」

来ヶ谷「ただ今彼の周りにいるのは……」

・ただ読書している姿を、他のクラスや学年から見に来る女子がいるほどのイケメン。しかも人気者
・剣道部のエースでイケメン。真人少年と同等の運動神経を持ちながら、バスターズメンバーの前以外では基本クール。
・中世的な顔立ち。可愛い。やさしく気遣いができる。可愛い。割と根性もある。可愛い。

来ヶ谷「この3人だからな」

美魚「……ツッコみませんよ、わたしは。でも確かにこのお三方と比べられてしまうと、先ほど挙げた長所は霞みマイナス面である部分が浮き彫りになってしまいますね」

来ヶ谷「あの3人は学校内でも屈指のモテキャラ達だからな。そう考えればある意味被害者だな、真人少年は」ゴクッ

美魚「本当にそうですね。まぁその3人のうち、お二人は既に彼女がいるようですが」ゴクッ

来ヶ谷「だな……」コトッ

美魚「ええ……」コトッ


来ヶ谷「……え?」


美魚「どうされました?来ヶ谷さんらしくもない顔ですが」

美魚(まぁ勿論そんなわけはないんですけど。来ヶ谷さんを驚かせることができるなんて貴重な体験です)フッ

来ヶ谷「二人、か。むむむ……ということはおねーさんが知らない彼女持ちが一人いるということか……」


美魚「そういうことで……え?」

来ヶ谷「しかし私にバレずに女子高生との逢瀬を楽しむとは……許しがたい。……ん?」

美魚(な、なんということでしょう……まさか本当にお一人は彼女がいるなんて)

美魚(しかし残った二人でも直枝×棗(兄)や直枝×宮沢の希望は……!)

来ヶ谷「おーい、美魚くん?」ブンブン

美魚「はっ。すいません、少々考え事を」

来ヶ谷「そ、そうか。それで美魚くん、君の知っている彼女持ちの二人の名前を教えてもらおうか?」ニヤッ


美魚(勿論そういう流れになりますよね。しかしこのギラギラした来ヶ谷さんの瞳、今更でまかせでしたとは……)チラッ


来ヶ谷「さあっ!」ギラッ


美魚(無理ですね。もうこうなればヤケになりましょう)グッ

美魚「恭介さんと直枝さんです」キッパリ

美魚(正直この二人に彼女がいたら色々とショックですが……)

来ヶ谷「……なるほどな。やはり一人は私の知っている人物だし、確か情報のようだ」

美魚「」

来ヶ谷「それでその彼女というのは?まぁ一人は知っているが」クスッ

美魚「それは流石に教えられません」アセダラダラ

来ヶ谷「ふむ、最後の最後でガードが固いな君は」

美魚「もう遅いですし、そろそろ失礼します」スタッ

美魚「おやすみなさい、来ヶ谷さん」ガラッ

来ヶ谷「ああ、おやすみ」


バタンッ


来ヶ谷「しかし彼にも彼女がいたとはな……」

【美魚の部屋】



美魚(どうしましょう……ただ井ノ原さんの写真を持っていっただけで驚愕の事実を知ってしまいました)

美魚(……そういえば途中から井ノ原さんの話は一切なかったですね)

美魚(いえ、とりあえず井ノ原さんは置いておいて状況を整理しましょう)


・直枝さんか棗さんのどちらか一人には彼女がいる
・それを来ヶ谷さんは知っている


美魚(直枝さんに彼女、ですか。考えられなくもないですが……)

美魚(しかし大半はバスターズメンバーと一緒ですし、その中の一人と親密になっているという感じはありませんね)

美魚(それに対して棗さん……)

美魚(この人も大半はバスターズメンバーと一緒に行動していますが、学年が違いますしわたしたちが見ていない部分も多いはず……)

美魚(……怪しいですね)

【理樹と真人の部屋】


恭介「っ!」クシュン

理樹「大丈夫?恭介、風邪?」

恭介「いや、そんなことはないと思うが……」

謙吾「どうせ何処かで噂でもされているのだろう、勿論よくない噂を」

恭介「お前な……」

真人「まぁまぁ恭介の噂なんてどうでもいいじゃねぇか。それより恭介今日はなんか話があるんじゃなかったのか?」

恭介「あぁ、今日お前らに集まってもらったのは他でもない……」

理樹・謙吾・真人「……」ゴクッ


恭介「リトルバスターズの女子メンバーの中で誰が一番モテると思う?」

理樹「えぇぇ……すごい改まっといてそんな話?」

恭介「そんなとはなんだ、そんなとは」

謙吾「下らん……と言いたいところだが微妙に興味はあるな」

理樹「え?謙吾??」

恭介「さすがロマンティック大統領だぜ、話が分かる」

真人「盛り上がってるとこ悪いんだけどよぉ……」ポリポリ


真人「あいつ等全員モテてなくね?」



理樹・恭介・謙吾「」

謙吾「そういえば……いや確か鈴は告白されたこともあったような気がするが」

理樹「他の皆はそういう噂聞かないね」

真人「外面は悪くないよなぁ、全員」

恭介「……よし。つまり議題は『リトルバスターズ女子メンバーで誰が一番モテるか』ではなく!」


恭介「『なぜリトルバスターズ女子メンバーはモテないか』ということだな!」バーン


理樹「えぇ!?なにその失礼すぎる議題!?」

真人・謙吾「しゃあぁぁ!燃えてきたー!!!」マーン

理樹「えぇ……」





恭介「よし……とりあえずメンバーの様々な特徴を書き出してみたわけだが……」


・ド天然。抜けてる。運動音痴。
・犬っぽい。胸小さい。日本語がところどころおかしい。
・騒がしい。トラブルメイカー。遅刻常習犯。
・授業さぼり常習犯。怖い。帯刀している? 偉そう。
・物静か。でもドS。そんでもって腐女子。


謙吾「とりあえず鈴は除外して書いてみたが……」

真人「これはモテねぇわ……」

理樹「あと全員にリトルバスターズに所属してるっていう結構なマイナスポイントがつくしね」ハハハ……

恭介「しかし、そういえば妙だな」

理樹「? 何が?」

恭介「確かにマイナス要素はたくさんあるが、真人が言った通り見た目は悪くない」

謙吾「何が言いたいんだ?」


恭介「いや……一人ぐらい彼氏がいても可笑しくないだろう?

謙吾・真人・理樹「!」

恭介「ウチの学校は共学だし、リトルバスターズはA○Bと違って恋愛禁止でもない」

恭介「そこに女子6人が揃ったら一人ぐらいいそうなもんじゃないか?」

真人「そーか?別にいないものも珍しくないと思うが」

理樹「みんな、あんまり恋愛に興味ないんじゃないかな……」

真人(つーか全員理樹が好きなんじゃねぇの?)コソッ

謙吾(一概にそうとも言えない気がするが……)コソッ

恭介「まぁメンバーのモテ具合も彼氏の有無もわかるであろう絶好の機会がもう迫っているがな」ニヤッ

真人「あーなるほど、な」


理樹「そっか……もうすぐバレンタインデーだね」


プロローグ 終了

【翌日・食堂】


美魚(昨日は結局いろいろ考えてしまいましたが……)チラッ

理樹「―――――!」ペチャクチャ

恭介「―――――」ペチャクチャ

美魚(あの二人のどちらかに彼s……彼女がいるとは信じられません)


来ヶ谷(……)チラッ

理樹「――!!」ペチャクチャ

恭介「―――――!」サイトォォ!

来ヶ谷(彼氏、か)



葉留佳(ねぇねぇ小毬ちゃん、今日姉御とみおちんがやけに恭介さんと理樹くんを見てない!?)コソコソッ

小毬(ほえ?そうなの??何かあったのかなぁ??)コソコソッ

【放課後・グラウンド】


美魚(今日一日直枝さんを観察していましたが……)

「―――園、ドリンクもらえるか?」

美魚(やはり誰かと付き合っているという感じはないですね。そうなると……)

「おーい?西園?」

美魚「は、はい。すいません、考え事を……っ‼」


恭介「そうか。ファウルボールも飛んでくるし気をつけて……どうした?そんなに人の顔を見つめて」


美魚「……いえ、なんでもありません。ドリンクですね、どうぞ」スッ

恭介「ん。……っし、サンキューな」タッタッタ


来ヶ谷(……)ジーッ

【夜・来ヶ谷の部屋】


来ヶ谷(今日一日彼を観察したが、まるで彼女がいる雰囲気など無い)

来ヶ谷(おそらく明日以降観察を続けると今度は私が不審に思われるだろう)

来ヶ谷(ここは大人しく尻尾を出すのを待つか、美魚くんを問い詰めるか)

来ヶ谷(そもそも冷静に考えれば彼女のでまかせという線もあるな……)

来ヶ谷(昨日の感じでは彼女の名前については『言えない』ではく『知らない』だろうし)

来ヶ谷(四人の中で彼女の好みの二人を挙げたら、たまたま一人が当たったのかもしれないし……)

【理樹と真人の部屋】


理樹「来ヶ谷さんと西園さん?」スッ

謙吾「そうだ。今日その二人はやけにお前ら二人を注視していたが、何かやらかしたのか?」スッ

恭介「西園は気付いてたが来ヶ谷もか」スッ

真人「ちっ……てめぇらサラッとハートで縛りやがって。ハートは無いんだよ。パス!」

理樹「うーん、とくに何かをやらかした記憶はないけど」スッ

恭介「俺もだぜ。あ、パス」

謙吾「じゃあ何か疑われてるんじゃないのか?パス」

真人「だからハートはねぇよ。パス」

理樹「じゃあ流してっと……。でも僕と恭介が疑われること?」スッ

恭介「ホモ疑惑とかロり疑惑じゃ無いと良いが……」スッ

真人「疑惑も何もお前ロリコンじゃねぇか」

恭介「何を言ってるのかね、メイド好きくん」

真人「へっ……褒めんなよ」フッ

理樹「いや一ミリも褒めてないからね」

謙吾「いやもっと単純な疑惑じゃないのか?」スッ

理樹・恭介・真人「??」


謙吾「例えば二人には彼女がいるんじゃないのか、とかな」


恭介「……」

謙吾「昨日俺たちもあんな話をしたんだ。女子メンバーが同じような話題で盛り上がっても可笑しくないだろう」

真人「なるほどな。ぶっちゃけ女子のほうがそういう話好きそうだもんな」

真人「ま、日ごろ俺たちとこんな一緒にいるのにこの二人彼女なんて」チラッ

理樹「だね……ははは……」

恭介「おい理樹。なぜお前は視線を逸らした?」

謙吾・真人「!」

理樹「そ、そんなことないよ。僕、お風呂行くね!!」ドタバタッ

ガチャンッ

謙吾「あそこまで人が良いのも考え物だな」フッ

恭介「まぁ秋以降、ほんの僅かだかそんな気はしていたけどな」

謙吾「という事は彼女の目安もついているのか?」

恭介「目安というかほぼ100パー……おい、真人?」

謙吾「理樹に彼女がいたショックで燃え尽きている……だと」

真っ白になった筋肉「」

謙吾「というか俺的にはお前がショックを受けないことが意外だな」

恭介「だから俺はホモじゃねぇ!! まぁさっきも言ったが薄々は感づいてたしな」

謙吾「俺の予想が正しければその相手は鈴ではないと思うのが、それは構わないのか?」

恭介「別にそこまで強制する気はねぇよ。さて俺らも風呂行くか」スタッ

謙吾「……だな」スタッ

ガチャンッ

真っ白になった筋肉「」

美魚「大事な話があるという事ですが、どうしましたか三枝さん」

葉留佳「フッフッフ、みおちんが今日理樹くんと恭介さんをガン見していたのを知っているのですヨ!」ニヤッ


葉留佳「ズバリ!みおちんは理樹くんか恭介さんを好きとみたっ!」バーン


美魚(……単純ですね。大体どちらか好きならなぜ好きでないほうもガン見していたのでしょうか、わたしは)

美魚(わたしが好きなのはどちらかではなく恭介×理樹ですが……)

美魚「違いますよ、三枝さん。わたしはあの二人に彼女がいるという噂を聞いたのでつい意識してしまっただけです」

葉留佳「ええっ!!?理樹くんにも彼女がいるの!!?」ガーン

美魚「ええ、そういう噂を……?」


美魚「直枝さん『にも』?」

【美魚の部屋】


美魚「大事な話があるという事ですが、どうしましたか三枝さん」

葉留佳「フッフッフ、みおちんが今日理樹くんと恭介さんをガン見していたのを知っているのですヨ!」ニヤッ


葉留佳「ズバリ!みおちんは理樹くんか恭介さんを好きとみたっ!」バーン


美魚(……単純ですね。大体どちらか好きならなぜ好きでないほうもガン見していたのでしょうか、わたしは)

美魚(わたしが好きなのはどちらかではなく恭介×理樹ですが……)

美魚「違いますよ、三枝さん。わたしはあの二人に彼女がいるという噂を聞いたのでつい意識してしまっただけです」

葉留佳「ええっ!!?理樹くんにも彼女がいるの!!?」ガーン

美魚「ええ、そういう噂を……?」


美魚「直枝さん『にも』?」

葉留佳「」アセダラダラ

美魚「ということは棗さんに彼女がいるのは確定、ということですね」

葉留佳「いや……あのね、みおちん……えっとその……」アタフタ

葉留佳「はるちんスーパーエスケーーープッ!!!」ドタバタドタバタッ


ガチャンッ


美魚「行ってしまいましたか。嵐のような方ですね、本当に」ボソッ

美魚(しかし状況は大きく進展しましたね……)

・彼女がいるのは棗さん
・その彼女がだれかは来ヶ谷さんと三枝さんが知っている

美魚(それで……いったい誰なんでしょうか??)

【別の日・グラウンド】


恭介いったぞ、理樹!!!」カキーン

理樹「え?」トンネル


謙吾「三枝‼そっちだ!!!」

葉留佳「わ、わわわぁ!」ポロッ


鈴「よし!真人!!牽制だっ!」ビュッ

真人「へ……?あべしっ!!!」メギュッ


恭介「何やってるんだあいつらは。西園、真人に……」

美魚「……」ボーッ


恭介「………」

【練習終了後・部室】


恭介「よし、2人ともよく残ってくれた」

来ヶ谷「……」

謙吾「……」

恭介「話は勿論最近のリトルバスターズメンバー、中でも理樹と西園と三枝についてだ」

謙吾「それは大体わかっていたが、ならばなぜ能美や鈴や神北を呼ばなかった?」

恭介「あの3人は今からの話を聞いて西園や理樹のようになるのが目に見えているからな。その点お前らなら大丈夫だろう」フッ

来ヶ谷「……」

謙吾「なるほどな。それで具体的には何をするんだ?」

恭介「ああ―――いや、その前にあいつ等が最近練習にまったく集中していない理由を話そう」


恭介「おそらく理樹の恋人の件が理由だろう」


来ヶ谷「!」

恭介「謙吾は心当たりがあるだろうが、改めて来ヶ谷に説明しよう」

恭介「少し前に西園が俺を注視していた日があってな。そこで俺は「西園が俺や理樹に彼女がいると思っているのでは無いか」という話をしたわけだ」

謙吾「その時理樹は大いに動揺していたからな。まぁ彼女がいるのだろう」フッ

恭介「理樹は彼女の存在がばれたこと、西園は理樹に彼女がいたこと、三枝も……おそらく西園からこの話を聞いたことで動揺しているんだろう」フッ

来ヶ谷「なるほどな、大体の事情は呑み込めたよ。あの筋肉バカも理樹君に彼女がいたことにショックなのだな」

恭介「……」

謙吾「そういえば来ヶ谷、西園が恭介を視ていた日にお前も恭介を観察していたようだが?」

来ヶ谷「……ふむ、さすが謙吾少年だ。まぁ大方君たちの予想通りだ」


来ヶ谷「その前の日に美魚君に言われたのだよ。理樹君と恭介氏に彼女がいる、とな」

恭介「!」

謙吾「ということはすべての始まりは西園か」

来ヶ谷「そういうことになるが、それだと少し辻褄が合わない」

謙吾「確かに。なぜ情報の発信元である西園まで動揺しているんだ?」

恭介「例えばだが……」

謙吾・来ヶ谷「?」

恭介「西園はただ口から出まかせを言っただけなんじゃないのか?そしたら本当に理樹に彼女がいた、それで動揺しているとか」

謙吾「西園がそんな出まかせを言うとは思えないが……そもそも何のために?」

恭介「そりゃ、その直前の話題から話を逸らすため、とかか?来ヶ谷、その前は何の話をしてたんだ?」



来ヶ谷「その前か?確か……! そうだ、確か美魚君が真人少年の写真を持ってきてイケメンだと言っていたな」

謙吾「それはまた不可解な話だな」

恭介「まぁ真人がイケメンかどうかは置いておいて状況を整理すると……」


・西園が真人がイケメンだと来ヶ谷に言いにくる
・西園、その話を続けるうちに話題を逸らすため(?)、理樹と俺に彼女がいるという出まかせを言う
・そしたら理樹に本当に彼女がいて西園動揺。それを西園から聞いた(?)三枝も動揺。


恭介「こんなところか。いや、しかしこれは……」ゴクッ

謙吾「ああ……」ゴクッ


恭介・謙吾「西園は真人に気がある……?」


来ヶ谷「……いや、それは流石に暴論だと思うが」

恭介「まぁ冗談はさておき、だ。さっきの俺の仮説では不可解な点があるんだよな」

謙吾「そうか?筋がしっかり通っているように思えたが」

恭介「いや、おかしい。だって西園が来ヶ谷に言った『俺や理樹に彼女がいる』はただの出まかせだったはずだろう?」

来ヶ谷「!」

恭介「なのに今のあいつは理樹に彼女がいることを確信している、感じがする」

謙吾「つまり西園も誰かから理樹に彼女がいることを聞いたか……」

恭介「もしくは理樹とその彼女がイチャイチャしてる場面を見た、だろうな」

来ヶ谷「それで……恭介氏はどうする気だ?」

来ヶ谷「理樹君の恋人を炙り出そう……などと考えているのか?」


恭介「いや、それは無い」キッパリ


謙吾「ほう……」

恭介「まぁ本音を言えば俺には言ってほしかったし、理樹の彼女がだれか知りたいが」

恭介「あの理樹が俺達バスターズメンバーに内緒にしているという事は、だ」

恭介「それは本当に秘密にしておきたいことなんだろうと思うし、あいつなりに俺たちへの配慮もあると思うんだよ」

恭介「だからそれは無しだ」

謙吾「だが三枝や西園は理樹の彼女が誰か明らかにならなければ練習に身が入らないのではないか」

恭介「そうだろう。そこで来ヶ谷に頼みがあるわけだ。つまり―――――――」ニヤッ

謙吾「!」

来ヶ谷「面白い……!」ニヤッ

【その日の夜・理樹と真人の部屋】


理樹「えぇ!?偽物の恋人‼?」

恭介「そうだ」

理樹「な、なんでそんな事しなきゃならないのさっ!」アタフタッ

恭介「……理樹、お前だって気付いているだろう。最近三枝と西園が練習に身が入っていないのを」

理樹「う、うん……」

恭介「それはな……どうやらお前に彼女がいることを知り、それが誰か気になっているからだそうだ」

理樹「っ!!」

恭介「ただお前がその彼女の招待をばらされたくないのは分かっている」

恭介「お前をそれで気が気じゃなかったようだしな」

理樹「う……。それで……偽の恋人を作って二人をだます……ってこと?」

恭介「……ああ」コクッ


恭介「具体的な作戦はこうだ」


①理樹と彼女(偽)がイチャイチャする
②それを三枝と西園の二人だけが偶然目撃
③理樹と彼女(偽)が二人に口止めを頼む
④ハッピーエンド


恭介「どうだ?完璧だろう??あ、お前の彼女(本物)には事前に根回ししておけよ?」

理樹「いや③から④がいきなり飛びすぎじゃないっ!!?それに騙すってのは……」

恭介「……しかしこれは元はと言えば彼女がいるのを黙ってたお前の責任のような」チラッ

理樹「うっ‼」グサッ

恭介「プレーに身が入っていないと大きなけがにも繋がりそうだよなぁ……」チラッ

理樹「わ、わかった!やるよ、やりますー!!」

理樹「それでその彼女(偽)っていうのは?」

恭介「ああ、それは――――――」

てす

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月03日 (日) 04:30:30   ID: Rg2Za7lk

ええええええええ!?!???

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