貴音「ふぇありぃは765にて最強」 (17)



美希「……」モグモグ

響「はーい。できるだけ早く来てよね! 自分たちもうクタクタだぞ! ……うん。うん、それじゃ!」

ピッ

響「迎えに来るまで待機だって」

美希「ふーん……この差し入れのおにぎりおいしいよ。響も食べる?」

響「ほんと? 一個もらおうかな……」

美希「じゃあねー響にはこのネギトロおにぎりを」

響「それ……美希が苦手なのを自分に食べさせようとしてるだけでしょ」

美希「てへっ☆ バレちゃったの」

響「いいけどさ。自分も小腹がへってたし。……あむ」



ヒュオッ

パクッ

貴音「……」モグモグモグモグ

響「……」

美希「……」




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貴音「……」モグモグ ゴクン

響「えぇ……」

美希「……」

貴音「では、二人共」



貴音「最強のあいどるとは」

響「ちょっと待って」

美希「……あ、おかかもおいしい」モグモグ




貴音「なにか」

響「なんでおにぎり盗って食べたの」

貴音「はて」

響「まだ残ってるんだから、わざわざ自分から強奪しなくていいでしょ?」

貴音「響……あいどるとは弱肉強食」

響「ふぅん」



響「がぶっ」ガブ

貴音「いたたたた!」

美希「……あふぅ」




貴音「なにをするのですか」

響「弱肉強食」

貴音「そういうことでは」

美希「それで、なんの話?」

貴音「わたくしたちは、日々とっぷあいどるを目指して、活動しております」

美希「そうだね」

響「今日も三人でミニライブとトークショーに出たぞ」

貴音「そこでふと、思ったのです」



貴音「最強のあいどるとは」

美希「zzZ」

響「寝ないで美希! めんどくさいときの貴音の相手を自分一人に押し付けないで!!」




貴音「まずは、765で最も強いあいどるは誰なのか……」

美希「ライブバトルの実力ってこと? それとも、事務所内の力関係ってこと?」

貴音「いえ、単純に物理」

響「えぇ……」

貴音「肉弾戦の格闘能力で」

美希「……」




美希「ミキ的には、そんなの始めっからはっきりしてるって思うな」

貴音「どういうことでしょうか?」

美希「だって、腕っぷしなら真クンが一番に決まってるの」

響「それは確かに」

貴音「…………」



貴音「……………………」

響「あっ、で、でも、貴音もけっこう、いいとこ行くと思うぞ! 貴音の護身術でカウンターが入れば、真相手だってチャンスはある! それに体格の有利もあるし!」

貴音「そうですね……しかしやはり、地力は真がとっぷ……」

美希「でも、どういう条件で戦うかにもよるって感じ」

響「あぁー確かに、バトルロイヤルなのか、総当たりなのか」

貴音「では……勝ち上がり形式で想定してみましょう」

響「トーナメント戦ってことか? 一対一、なんだよね?」

貴音「はい」

美希「武器の使用はなし?」

貴音「まずは、拳のみで」

響「うーん……それなら」



響「意外とやよいかも」

貴音「なんと!」




美希「なんで? パワー系だから?」

貴音「確かに、あれでなかなか、力持ちだったりはしますが……」

響「いや、そうじゃなくて」


響「誰も本気で攻撃できないかなーって」

美希「あぁ……」

貴音「……」


貴音「いえ」

響「!」

貴音「全員が全員に対し、容赦なく攻撃できる想定で」


響「…………」

美希「…………」

貴音「なぜ距離をとるのですか」




響「こわいぞ……」

美希「あぶないの……」

貴音「なにがですか?」

響「貴音の想定上の765プロがこわすぎるぞ……なんで事務所内での肉弾戦闘に、そんな積極的なんだ……」

貴音「あくまで、想定です。仮定の話です」

美希「そう仮定しようとするところが、既にあぶないの……」




貴音「……とにかく、高槻やよいは、勝ち上がれはしないでしょう」

響「でも……乱戦混戦なら、雪歩とかがうっかり生き残ったりしそうだけど、トーナメントで一対一だと、やっぱり真なんじゃ……」

美希「戦う理由にもよるかな~」

響「戦う……理由? ……765のみんなが手加減なしで互いを潰し合うほどの?」

美希「たとえば……ハニーの所有権をかけて! とか」

響「う、うーん……確かに一部は容赦なくなりそうだな」

美希「この条件なら、ミキは真クンにも貴音にもぜっっったい負けないの!」

響「確かに、精神力は戦いを大きく左右するよね」

貴音「すべては心です」

響「あとは、トーナメントだからこそ、勝ち上がる人はたくさん戦わなきゃいけないから、……強い相手とばかりあたって消耗してる真なら、自分でも倒せるかも!」

美希「なんかずっこいね」

響「ず、ずるくなんてないぞ! 運も実力のうちさー! ……あーけど、それで言うと、案外春香あたりがまぐれ勝ちで優勝しそうな……」

美希「あー……実に春香らしいの」

貴音「精神力、そして運ですか……」




響「武器ありだと、雪歩が一気に強敵になるな! スコップで突いてよし! 叩いてよし!」

美希「強敵っていうか……死人が出そうって感じ」

響「う……それは……」

美希「『私の堀った穴……あなたの墓穴になっちゃったね……』」

響「うぎゃああ!! こわすぎるぞ!」

美希「でも響もなかなかのものなの」

響「? なんで自分?」

美希「ヘビとかワニとか繰り出してくるでしょ?」

響「自分、家族をそんな危険な戦いに巻き込めないぞ……」

美希「ミキも、おにぎり波~って出しちゃおっかなー」

響「それ、いそくさいだけじゃん……」

美希「おにぎり波ー!」

響「わぁあ! 自分にあてないでよっ!! ……うわいそくさっ!!?」




美希「……で、貴音的には、誰が最強か、分かった?」

貴音「えぇ……やはり」



貴音「仲間うちで争うなど愚かしきこと……平和が一番、ですね」

響「えぇえ…………」

美希「……なんなのなの」




貴音「団結~団結~♪ ときに乱闘~♪」

響「あ、迎えが来たみたいだぞ。ほら貴音、おいてくぞー」

美希「あふぅ……ハニー、ミキね、つかれたのー。いっぱいぎゅーってしてほしいなー」

貴音「あなた様、帰りがけにらぁめんを食べていきましょう。わたくし、おなかがぺこぺこで」

響「えぇっ貴音さっき自分のおにぎり食べたじゃん!」

貴音「あれはおやつです」

美希「ねーぇーハニーってばー」



アハハ ウフフ
キャッキャ ナノー ダゾー
ハヤー







おわり。




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