響「へっ?」
P「お前はアイドルだから、あまり恋愛について夢中でいられない面もあるかも知れない。
でもな、一番危ないのはそういう固定観念なんだよ」
響「い、いきなり何を言ってるんだ、プロデューサー?」
P「俺が昔好きだったアイドルも、気づくと皆婚期を逃して、今じゃバラエティ番組の弄られキャラになっている。
お前は小鳥さんを生き遅れだと言ってるけどな、俺に言わせればお前も同じになるぞ、このままじゃ」
響「じ、自分はぴよ子のこと、そんなふうに言ってないぞ!
ていうか、け、結婚なんて……!」
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P「プロデューサーである俺の経験から見て、今のお前に足りないものがある」
響「え……?」
P「危機感だ」
P「お前もしかしてまだ、自分には早いとでも思ってるんじゃないかね?」
響「いや、実際早いでしょ」
P「お前な、結婚は女性だと16歳からもうできちゃうんだぞ」
響「そうじゃなくて!
そりゃ自分だっていつかは結婚したいけど、まだアイドルに集中してたいの!」
P「だからぁ、いいかー?
そんなことばっか言ってると、あっという間に適齢期を過ぎちゃって、取り返しがつかなくなっちゃうもんなの」
P「お前だって、なるべく若くて体力のあるうちに赤ちゃんプリッと産みたいだろ?」
響「なんかその擬音やだぞ!」
P「とにかく、今のうちに結婚に関する正しい知識を身につけて、ライバルと差をつけておけ。
ホントに大変なんだから、後で遅れを取り戻すの」
響「なんか予備校の先生みたいだなー、プロデューサー」
P「じゃあさっそくいくぞ!
問題! ギャワーン!!」
響「えっ、クイズ? ていうか何その擬音」
P「結婚に関する次の言葉の中から、実際には無いものを一つ選びなさい」
①共生婚
②事実婚
③週末婚
④別居婚
響「え、えぇぇ……事実婚って何?」
P「それ教えたらクイズにならないだろ。想像しろ想像」
響「ぐぬぬ、そりゃそうだけど、なんか理不尽だぞ……」
響「うーん……別居婚ってさ、たぶんだけど、一緒に住んでないってことでしょ?」
P「ふむふむ」
響「せっかく結婚したのに、一緒に住まないなんて絶対おかしいぞ!
だから④だ!」
P「ブブーッ。残念、不正解だ響」
響「うぎゃあー! えっ、あるのこれ!?
ていうか正解どれさー!」
P「正解は「全部ある」でした」
響「は?」
P「お互い自由に過ごして干渉や束縛をしない共生婚、
婚姻届を出さない事実婚、
週末だけ一緒に過ごす週末婚……」
P「一緒に住まない別居婚というのも、実際ある。
価値観が多様化した今日では、結婚にも色々なスタイルがあるんだね、という話だ」
響「ひ、ひっかけじゃないか!
何が「一つ選びなさい」さー、ズルいぞ! ズルい!」
P「どれか一つが無いものだなんて俺言ってないもんねー!」
響「うぎゃー腹立つっっ!!」ワシャワシャ
P「でもな、響よ。
一緒に住まないなんて絶対おかしいなんて言うのは、そういう生き方を選択した人に失礼だぞ」
響「うっ、そ、そうだな……ごめんなさい」シュン…
P「ちゃんと謝れる響はかわいいなぁ」ナデナデ
響「えへへ」
P「よし、気を取り直して次に行くぞ!
問題! ギャワーン!!」
響「その擬音なんかモヤッとするなー」
P「結婚式を開くまでに必要な期間の相場として、最も適当なものを一つ選びなさい」
①1週間~1ヶ月
②1ヶ月~3ヶ月
③3ヶ月~6ヶ月
④6ヶ月以上
響「これも、全部正解とか不正解っていうの無いよね?」
P「これは無いぞ」
響「人によって様々だから間違いなんて無いぞ(キリッ)とかは無いよね?」
P「だから無いって。
よく見ろ、「最も適当なものを一つ選びなさい」だろ? だから正解は一つだ」
響「いきなりひっかけ問題なんて出されたら疑いたくもなるぞ!」
響「まぁいいや、えぇーと……」
響「いや、さすがに④は無いよなー」
P「お? ほうほう、何でだ?」
響「だって、「好きだ!結婚しよう!」ってなって、それから半年もかかるかー?
いくらなんでも前フリ長過ぎるさー」
響「やっぱ「好きだ!」ってなってから、すぐにでも結婚式やりたくなるはずだぞ!
だから正解は①さー!」
P「ブブーッ。お前全然ダメ、分かってない。正解は④です」
響「うぎゃあーーっ!!
えっ、④!? ホントに!?」
P「そういうとこだぞ響」
響「何でそんなにかかるんさー!? 半年て!」
P「式を開くには、両家にとって大切なご家族ご友人を招かなくちゃいけない。
十分な準備期間を設けて招待状を送るためのリストも、しっかり作る必要があるわけだ」
響「あぁそうかー。
急に「明日やるから来て!」とか言われても無理ってなるもんなー」
P「そうそう。それに、土曜日の大安とか、人気がある日ってのは、どこの式場も予約が混むしな」
P「おまけに、凝った演出にしようとすれば、プランナーとの綿密な打合せが必要になる。
会場のコーディネートとか料理とか、オプションも細かくあるから、悩んでるうちに自然とそれくらいかかるもんらしいぞ」
響「オプションかー。面倒だから全部つけるとかできないの?」
P「石油王みたいなこと簡単に言うな。ウン百万とかだぞお前」
響「うわぁ……じゃあますますトップアイドルになっていっぱい稼がないとだな!」
P「何でもアイドルへのモチベーションに繋げる響はえらいなぁ」ナデナデ
響「えへへ」
P「でもあまり仕事ばっかしてると、ワーカーホリックとかになって適齢期すぎて赤ちゃんプリッと産めなくなっちゃうぞ」
響「その擬音やめて!」
P「お○ぱいも垂れちゃうぞ」
響「うぎゃー! このヘンタイプロデューサー!」ポカポカ
P「ハッハッハ、いやーかゆいかゆい」
P「さて、いよいよこれが最後だ!
問題! ドゥードゥーダードゥ ドゥードゥドゥーダードゥー ギャワーン!!」
響「うわ、なんか擬音が豪華になった! ていうかもう最後か!」
P「我那覇響は今、結婚したい人がいる。さて、正しいものを一つ選びなさい」
①はい
②いいえ
響「え、えっ?」
P「これも正解は一つだ」
響「か、勝手に決めないでよ! 自分の問題じゃないか!」
P「でも俺はもちろん正解を知ってるぞ」
響「うっ、うぅ……い、いないぞ! 自分にはまだそんな人いないんだからね!」
P「ハッハッハ、顔真っ赤にしてそんな否定してちゃ、いるって言ってるようなもんじゃないか~」ニヤニヤ
響「うわーん! プロデューサーのばかぁ!」ポカポカ!
P「ハッハッハ、いやーゆかいゆかい」
P「それで、誰なんだ? ン?」ズイッ
響「そ、そんなの言えるわけないぞ……」
P「赤ちゃんプリッと産みたい相手は誰なんだ? ン?」ズイッ
響「その擬音やめてってば!
大体なんでいきなりこんな、結婚のことについて話をしだしたんさー?」
響「しっかり下調べしてるみたいだし、ぷ、プロデューサーこそ結婚したい相手がいるんじゃないのかー?」フフン
P「ふっふっふ、何でこんなに結婚について勉強して、お前にクイズまで出してみせたかって?」
P「それはな……お前を食うためさ」ニマァ…
響「なっ……なんだ、って……!?」
P「クックック、効いてきたかね?」
響「え、何のこと?
と思ったら、心なしか唐突にこう、身体が何というかこう、熱くなってきたような……!?」
P「それはな、さっきお前が飲んだお茶にだな、感度3000倍になるヤツをドバーッとな」
響「う、うそぉっ!? さんぜん!?」
P「いや、お前みたいな単じゅ、もとい純粋な子には、
そう言っておけばプラシーボ効果で2倍か3倍くらいになるかと思ったんだけど、どうだ? ン?」
響「逆に萎えたぞ……何で正直に言ったんさー」
P「話を戻すが、俺はお前を食いたいのさぁ響よ」
響「う、うぎゃあー!! そうだった、ヘンタイプロデューサー!」
P「ふっふっふ、もう逃げられんぞ。
これからお前とレッツ・コンバインしてやる」ジリ…
響「あ、あわわわ……!」
P「お前の体をオープンゲットして、パイルダー・オンからのヘルアンドヘブンをキメてやるぅー!」ガバーッ!
響「うぎゃああーー!! たしけてー!!」
P「ハァーッハッハッハー……!!」
ドォ―――z___ン!!
貴音「ズルズル……」←宮下あきら調
P「な、なにーーーっ!!」←宮下あきら調
P「こ、これは……!?」キョロキョロ
貴音「ズルズル……」
P「さっきまでいたエッチな響は……?」
貴音「これが真の現実です、プロデューサー」
貴音「私は最初からこうしてこの場を一歩も動かず、らぁめんを食べていただけ!」
貴音「つまり、あなた様は小鳥嬢の生み出した妄想の空気にあてられ、響の幻とイチャイチャしていたのです!」
P「ま、ま、ま、幻とイチャイチャしていた……!?」
貴音「でも、律子嬢がほんのちょっとだけ帰ってきた際、瞬間的に仕事モードになったので、妄想が解けたのです」
P「ほ、ホントだ……小鳥さんすごい形相でパソコン叩いてるフリをしてる……」
小鳥「そう簡単に結婚できるとでも思いましたか!」グリンッ!
P「うわっ、こっち話しかけてきた!」
小鳥「戯れ事は終わりました!」ガタッ!
小鳥「さぁ、プロデューサーさんはこれから私と一緒にNintendo Switchをしてもらいます!」ズイッ!
P「そ、そっちの方が戯れ事じゃないですか! 律子に言いますよ!」
小鳥「プロデューサーさんも共犯にしてやるってんですよー!!」ガバーッ!
P「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!」
貴音「ズルズル……」
響(どうでもいいけど、貴音ほんとにラーメン食べてただけだな……)
やがて、時が経ち――。
貴音は、会社員の男性と結婚し――。
貴音「笑いの絶えない、仲良しな家庭を築いてまいります」
響は、同業の男性と結婚した。
響「互いに尊敬し尊重しあい、たくさん精進していくさー!」
春香もまた、結婚を発表した。
春香「これまでの天海春香のまま、精いっぱい体当たりで心血注いじゃいます!」
そして、俺は小鳥さんと一緒に剣盾(ポケモンマスター)した。
小鳥「お願い、当たって!」
『コトリュウズの じわれ 攻撃!』
デュクシ!
『一撃必殺!』
P「いやああぁ!! ヨクバリツコー!!」
律子「おうふくビンタ」ビシビシ!
P「グワーッ!!」
~おしまい~
アイマス声優さんのご結婚を多く聞くことができた一年だったなぁと思い、書きました。
本当に皆さん、おめでとうございます。
お読みいただき、ありがとうございました。
結婚はいいぞ。したいぞ。じゃあの。
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