?「ひぃあああっ⁉︎」
男「……。」
男(深夜0時、明日というか、今日からゴールデンウィークな今現在)
男(アパートの台所の上には、まな板と捌き途中の鯵が1匹)
男(捌き終え、3枚に卸した鯵の切り身が2匹分置いてある)
男「そして…」
男(台所の窓を隔てて、こっちを覗いてくる変なヤツが一人)
?「ひぃ…あんなに血があぁ…」
男(…まぁ、とりあえず気にせず、コイツを捌き終わろう)
男(肛門から包丁を入れて、と)
?「うわぁ、うわぁ…」
男(内蔵をかき出して…)
?「ひいいぃ…」
男(…うるせぇ)
男(かれこれ魚を捌き始めて10分弱、ずっとこの調子だ)
男(窓を開けたままにしている俺もアレだが、なんというか、閉めるタイミングを逸してしまった)
男(…声、かけてみるか?)
男「…あの、ちょっと良いかな?」
?「あぁ、はい、なんでしょう…か……はっ⁉︎」
沈黙。
男「…。」
?「…。」
男「…君はー」
?「わ、私はっ!」
?「とっても怖いす、すとーかー女だす!…ですぅ」
男「ーお、おおう?」
男(ス、ストーカーってあのストーカーか?)
ー10分後。
男「はい、お茶どうぞ」
ストーカー女(以下、女)「…ありがとうございます」
男(あの後吹っ切れたのか、『ストーカーの何が悪いんですか⁉︎』と逆ギレかも分からない何かをされ、隣人に壁ドンを喰らったため、とりあえず家に招き入れた)
男(三つ編みに丸眼鏡という、天然記念物レベルの風貌で、背を丸めてちびちびお茶を飲む目の前の女の子が、まさしく自称ストーカー女の正体だ)
男「…。」
女「…な、なんでしょうか?」
男(…ストーカーって、バレないようにやるものじゃないのか…)
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