奈緒（いつも閑古鳥が鳴いてる店じゃないか！　だから家から遠くてもわざわざ選んで来たんだぞ！）

奈緒（みんなと一緒だと歌えない様なアニソンとか歌おうと思って張り切って来たのにっ！）

奈緒（駐車場にたくさん車停まってたから嫌な予感して外から覗いた覗いたら案の定だよ！）

奈緒（こんないっぱい並んでる所に入ってあたし一人で受付するなんて絶対無理なんだけど！？）

奈緒（しかも並んでるのリアルが充実してそうな方々ばっかだし！）

奈緒（一人で行ったら絶対笑われる……！）

奈緒（で、でも！　せっかく遠出してきたんだし……）

奈緒（ここは勇気を出して行ってみるか？）

奈緒（事務所のみんなと来た時の事を思い出してみろ！　そんなに周りのこと気にしてないだろ？）

奈緒（あの人達だっておしゃべりに夢中であたしなんて気にしない筈だ！）

奈緒（大丈夫大丈夫！　あたしなら出来る！）

奈緒（深呼吸して。……すーはー。……よし！　行くぜ、あたしーーー）ｺｿｺｿ

ｶﾗｵｹﾋｻﾋﾞｻﾀﾞﾈ


ｷｮｳﾊｲｯﾊﾟｲｳﾀｵｳﾈ


ｵﾈｶﾞｲｼﾝﾃﾞﾚﾗｯﾃﾄﾞﾝﾅｳﾀﾀﾞｯｹ?


ｵ・ﾈｶﾞｲ♪　ｼ−ﾝﾃﾞﾚﾗ♪


ｱ・ｿﾚｶ−


奈緒（…………やっぱ無理だぁぁぁぁぁあ！！）

奈緒（あの和気藹々としてる中に入るなんてあたしにはハードルが高すぎるっ！）


奈緒（一人で行ったら絶対注目される！　あーこの子友達居ないんだーって思われる！）


奈緒（違うんだよぉ……。みんなと一緒じゃ歌えないキャピキャピした歌とか、こっそり練習したい歌とかあるんだよぉ……）


奈緒（みんなと行くのも勿論楽しいよ？　でもそれとは別に一人で行って自由に歌ってみたいんだよぉ……）


奈緒（………………はぁ）


奈緒（……もういいや。駅前の本屋で漫画買って帰ろう）


奈緒（あたしには無理だったんだ。一人カラオケは……）トボトボ



？？？「……な、奈緒ちゃん？」



奈緒（……えっ？）

安部菜々「ど、どどどど、どうしてここにっ！？　お家はこっちの方じゃ無かったですよねっ！？」


奈緒（……呼び止められたから振り返ったら菜々さんがいた）


奈緒（マスクとサングラスでしっかり顔を隠してるけど、声とリアクションとポニーテールで丸わかりだ）


奈緒「……な、菜々さんだよな？　どうしてこんな所に？」


菜々「ええっと……。今日はレッスンもお仕事も無かったので久々に一人カラオケに……。っはっ！？」


菜々「……ち、違いますよ！　決してカラオケに行く友達が居ないとかではなくてですね！？　たまには一人で行くのもアリかなーとか思っただけでしてねっ！　決して友達がいないという訳ではっ！！」


奈緒「な、菜々さん！　みなまで言うな！　わかったから！　大体あたしと同じ事情だからっ！」

菜々「えっ、同じ事情って……。……も、もしかして奈緒ちゃんも一人でカラオケに？」


奈緒「……うっ。……うん。そうだけど。入りづらかったから諦めて帰るとこでさ」


菜々「そうなんですか。……あっ。な、なら奈緒ちゃん！　よけれ私とご一緒しませんか？」


奈緒「えっ、いいのか？　菜々さん一人で来てるのに邪魔しちゃうんじゃ……」


菜々「そんなことありませんよ。……実は一人で来てみたは良いんですけど、今日は人がいっぱいで入り辛くて……」


菜々「でも一人なら入り辛くても二人なら怖くありません！　私も今日は諦めて帰ろうかと思ってた所ですし、奈緒ちゃんさえ良ければぜひ！」

菜々「でも一人なら入り辛くても二人なら怖くありません！　私も今日は諦めて帰ろうかと思ってた所ですし、奈緒ちゃんさえ良ければぜひ！」


奈緒「……それならお願いしようかな。あの雰囲気の中だと一人じゃキツくて。だから渋々帰るところだったんだ」


菜々「そうだったんですか……。わかりますよ、奈緒ちゃん。若い人達に囲まれて一人で受付するのがどれほど辛いことか……」


奈緒（若い人って……。あの人達大学生くらいだよな？　17歳なら年上なんじゃ……。いや、触れないでおこう）


奈緒「よ、よし！　それなら早く入ろうぜ！　あんまり悠長にしてると部屋なくなるかも知れないし！」


菜々「はい！　じゃあ行きましょうか！」

～まね○こ店内～




奈緒「お待たせ、菜々さん。ウーロン茶で良かったよな？」


菜々「はい！　ありがとうございます、奈緒ちゃん！」


奈緒（……あの後。二人で入る事になったあたし達は大学生グループの中をなんとか切り抜け、こうして部屋を借りることが出来た）


奈緒（時間は二時間。あたしはもっと長くても良かったんだけど、あまり喉を酷使してはいけないという菜々さんの判断でこうなった）


奈緒（一人カラオケでは無くなってしまったけど、事務所じゃ数少ないアニメの話が出来る菜々さんと一緒だし結構楽しみだ）ｿﾜｿﾜ


奈緒（……先ずは何歌おうかな）ﾋﾟｯﾋﾟｯ

菜々（……思えば奈緒ちゃんとはよく話すのにカラオケに来た事は無かったなぁ……）


菜々（アニメは結構見てるみたいだし、アニソンで攻めるのが良さそう）ﾋﾟｯﾋﾟｯ


菜々（……あっ。これなんてベタだけどいいかも）


菜々「あの、奈緒ちゃん。私から入れてもいいですかね？」


奈緒「……あ、うん。どうぞどうぞ」


菜々「じゃあトップバッターは貰いますね！　ナナ、いっきまーす！」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

～そばかす　JUDY AND MARY〜




菜々『大キライだったそばかすをちょっと　ひとなでしてタメ息を一つ♪』


菜々『ヘビィー級の恋は見事に　角砂糖と一緒に溶けた♪』




奈緒（おお！　菜々さん上手い！）


奈緒（この曲カラオケの定番みたいになってるけど、凛達の前で歌った時に映像流れて気まずかったんだよなぁ……）


奈緒（でも菜々さんとなら安心だ。アニメの方見てるだろうし）


奈緒（……あっ。ならあれ歌おう


奈緒（映像出たらどうしようでずっと歌えなかったやつ。菜々さんとなら安心して歌えるはず）ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

菜々『想い出いつもキレイだけど♪』


菜々『それだけじゃおなかがすくわ♪』


菜々『本当はせつない夜なのに♪』


菜々『どうしてかしら？　あの人の笑顔も思い出せないの♪』




菜々「……ふぅ、懐かしいですねぇ。小学生の時を思い出します」


奈緒「な、菜々さんよかったよ！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　


菜々「そ、そうですか？　ありがとうございます！」


奈緒「菜々さんのカラオケ、初めて聞いたけど凄い上手だった！　この曲はよく歌うのか？」


菜々「はい。この曲はアニメ知らない人でも知ってる事が多いですし。映像が流れてもるろ剣なら安心ですし……。……って奈緒ちゃん、次の曲始まっちゃいますよ！」


奈緒「……えっ？　ああヤバい！　マイク持たないと！」

～コネクト　ClariS～




奈緒『交わした約束忘れないよ　目を閉じて確かめる♪』


奈緒『押し寄せた闇振り払って進むよ♪』




菜々（奈緒ちゃん、歌声可愛い！）


菜々（いつも男の子みたいな口調だから尚更そう感じるなぁ……）


菜々（このアニメ。ちょっと前に話題になった奴だよね）


菜々（奈緒ちゃん、よく話してたし。ここは私も少し新しい曲を……）ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

奈緒『目覚めた心は走り出した　未来を描くため♪』


奈緒『難しい道で立ち止まっても空は♪』


奈緒『綺麗な青さでいつも待っててくれる　だから怖くない♪』


奈緒『もう何があってもくじけない♪』




奈緒「…………うん。やっぱいいよな、まどマギ」


菜々「奈緒ちゃん良かったですよ！」


奈緒「あ、ありがとう菜々さん。なんか照れるな」


菜々「いやー。フレッシュな歌声で羨ましいです。ナナも高校生くらいの時は……」


奈緒「な、菜々さん！　ほらマイク！　曲始まるから！」

～冒険でしょでしょ？　平野綾～




菜々『答えはいつも私の胸に♪』


菜々『なんでだろう　あなたを選んだ私です』




奈緒（……おっ。確かあの有名なアニメのOPだよな。結構昔の）


奈緒（EDの方はかなり有名だけど。OPを選ぶとは流石菜々さん）


奈緒（……あたしもちょっとマニアックなやついこうかな）ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

菜々『冒険でしょでしょ　ホントが嘘に変わる世界で♪』


菜々『夢があるから強くなるのよ　誰のためじゃない♪』


菜々『一緒に来てください　どこまでも自由な私を見てよね♪』


菜々『明日過去になった今日のいまが奇跡　I　believe　you♪』




菜々「…………いやー。懐かしいですねー。ナナ、リアルタイムで見てましたよ」


奈緒「そうなんだ。あたしはDVD借りて見たかな」


菜々「奈緒ちゃん結構アニメ見てますよね。今度オススメ教えて貰えませんか？」


奈緒「それは良いけど……。菜々さんのが沢山見てるんじゃないか？」


菜々「最近のは結構見てなくて。だから良いのをピックアップしていただけると嬉しいです！」


奈緒「あ、うん。じゃあ今度オススメまとめとくよ」

～Q&Aリサイタル！　戸松遥～




奈緒『今日もこの胸は張り詰めたまま♪』


奈緒『放課後に包まれて君を見てるlady&Ready♪』




菜々（少女漫画原作で来たかぁ……。しかもかなり新しい曲だなぁ）


菜々（奈緒ちゃんがノリノリで楽しそう。こういうポップなラブソングみたいな曲が好きなのかな？）


菜々（じゃあ私もそっち系でいってみよう）ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟｯ

奈緒『飽きるくらい全部君が欲しいよ　ハートは涙でいっぱい　恋のいろはとかまだわかってないんだ♪』


奈緒『何度も繰り返すけど寸前でまた次回へ♪』


奈緒『Sweetな乙女心はあいにく取り扱って無いのです♪』


奈緒『ねぇ、これが　I　Love　you♪』




奈緒「……ふう。……ちょっとはしゃぎ過ぎたかな？」


菜々「いやいや可愛いかったですよ奈緒ちゃん！」


奈緒「いっ！？　いやいやっ！　そんなっ！　あたしなんか全然！　可愛くないって！」


菜々（顔を真っ赤にして否定する奈緒ちゃん可愛い）

やっぱり歌詞載せるの危ないですかね？
ヤバそうなら削除依頼してきます

<<31ご返答ありがとうございます。


利用規約に反していたので削除依頼を出して来ようと思います

目を通して頂だいた皆様、申し訳ありませんでした