にこ「一つの未来の話」 (80)
ラブライブ!のssになります。
勝手に考えた未来の話なので矛盾やあれ?って思うこともあるかもしれませんがそこは暖かい目で見守ってやってください。
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私が高校を卒業して、μ'sが解散してからはや4年。
アイドルになる夢を追いかけながら一人暮らしをしてた。
『してた』って言ってもアイドルになる夢を諦めたんじゃなくて、過去形なのは一人暮らしの方。
アイドルについては順調。たまたま事務所の社長と知り合い、その人が凄くいい人で、拾ってもらえたのだ。しかもそこの事務所はなかなか大手で、更にあまり仕事を詰めすぎないでくれるので、程々に忙しい毎日を続けている。
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話は変わって卒業してからのμ'sの交友関係について。
私が卒業してから誰と1番連絡を取り合っているか。と聞くと、おそらく希や絵里っていう答えが返ってくると思う。
だけど意外、正解は凛でした。
あ、勿論希とも絵里とも年に数回は会ってるんだけどね。最近は大学の卒業も近くなって大変みたい。
凛とはこの4年間、月に1回位会ったり、連絡もなかなか多くとっていた。
自分でも驚きなのだけど、今まで私の事をなかなか下に見る…とまではいかないにしても友達感覚で接して来てた凛が卒業した途端になんていうか憧れの先輩に接するような感じで私と接するようになっちゃって…今では元通りになったんだけどね。今思えばこの頃の凛も可愛げがあっていいかも知れないわ。
…っと、話がそれたわね。
とにかく、3年生の中でも特に私に懐いてくれていたのか凛から連絡をくれて暇な日に遊びに行ったり、たわいもないことや今日の学校や練習がどうだったっていう連絡を取り合ったりとかで結構仲良くしてたんじゃないかと私は思う。
で、だ。なんでわざわざこの話をしたかというと、高校を卒業して教職になるため進学を選んだ凛から私が今一人暮らししている所から学校が近いし親から離れる経験も必要だから一緒に住まわしてくれないかと相談されてルームシェアをしてるからだ。
丁度ひとりでは広いと感じていたし、なにより浮いた話もない私は少し寂しくしてたので了承して、今ではもう2年近くになるんだったかしら?
と、いうことで一人暮らしを『してた』という事になる。
季節は冬、もう数日でクリスマス!…まあ去年は凛と家でささやかにパーティーをしただけの私にはあまり大きなイベントじゃないのだけど、今年は違う。
穂乃果提案の、元μ'sのみんなで集まる会が開かれるからだ。
メンバー皆が集まるなんて数年ぶりの事。
というのも、ことりが卒業と同時に留学してからはあまり集まる事も無くなってしまい、ちょくちょく帰ってきてたみたいなんだけどなかなか皆予定が合わなくて…
クリスマスパーティーっていっても、皆もう20歳…(あ、花陽はまだだけど…)になってお酒を飲めるようになったから比較的大きい希の家にお酒を持ち寄る感じらしい。
別にうちでもよかったんだけど、ちょっと離れてたのと凛がうちに呼ぶのは微妙な感じだったのでやめ、真姫ちゃんの家は豪華な食べ物とか高級なシャンパンとか出してくれそうな気がしたので丁重にお断りした。
ガチャッ
「ただいま~」
お、凛が帰ってきたみたいね。
「お帰りなさい、なんか今日食べたいものある?」
「あ、にこちゃんもう帰ってたんだ!んー、久しぶりにハンバーグ食べたいなぁ…」
「ふふっ、凛はいつまで経っても子供みたいね。今から買い物に行くけど凛も行く?」
「行く!ちょっと待ってて、すぐ準備してくるね。」
と言って帰ってくるなりバタバタと忙しい凛。そんなに慌てなくても置いていったりしないのに…
「おまたせ、にこちゃん。」
「はやかったわね、じゃ、行きましょうか。」
「うん!」
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【近所のデパート】
「凛、晩御飯の買い物する前にちょっと服でも見ていかない?」
「うん、いいよ!」
少しぶりに2人でのショッピング。
最近はお互いちょっぴり忙しかったのでいい機会だ。
あと少しで凛も冬休みに入るので、私の都合が合えばもう少し出掛けられるんだけどね。
そういえば、この4年間で凛はとても可愛くなった。
元が良かったのもあるけど、髪の毛も大分伸ばしていて服装も可愛いし多分学校でもモテるんじゃないかしら?
何故か浮いた話は聞かないけど。
「ねぇねぇにこちゃん、これ凄く可愛くない?」
凛が指をさしたのは黄色の髪留め。
可愛らしくてあまり派手すぎない柄で、見ただけで凛に似合う姿が想像できる。
私的には隣にあるピンクの髪留めも可愛いと思ったけど、凛に似合うのは確かにこっちかもしれない。
「凛に絶対似合うわね。…あ、クリスマスだしプレゼントとして私が買ってあげるわ」
「えっ、そんな悪いよ!」
「いいわよ、ここは先輩に任せなさい!」
「ごめんね…そんなつもりじゃなかったんだけど、催促したみたいで……」
「気にしないの!凛のお陰で私も寂しい思いをせずに過ごせてるんだから、これはお礼よ。ちょっと待っててね、すぐ買ってくるわ。」
2つレジがあってその2つともが少し離れた所にあるから、凛には少し待っててもらう事になっちゃいそうね。
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「おまたせ。ごめんね、少し混んでておそくなっちゃった。」
「ううん、こちらこそごめんね?」
「いいの!…はいこれ、良かったら付けてみて。」
「うん!……どう、かな?」
やっぱり、想像通り似合ってる。
少し照れくさそうに笑う凛はつい数年前までは男の子っぽいって悩んでたとは思えないくらい女の子らしくて可愛かった。
「可愛いわ。宇宙No.1アイドルに匹敵するわね!」
「えへへ…ありがとうにこちゃん!」
「じゃあそろそろ晩御飯の買い物に行きましょう?」
「うん!」
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【食品売り場】
「おっ、丁度今日ひき肉が安いじゃない。」
「ホント?よかった~」
「そういえば凛、今日は学校どうだったの?」
「今日はね~…」
なんてたわいのない話をしながら食材をかごに入れていく。
ある程度今日の晩御飯に使う食材がそろったところで、凛が少し恐る恐るといった感じで口を開く。
「…ねぇ、にこちゃん。」
「なによ?」
「今年はさ、一緒に過ごせないね。」
「え?」
「クリスマス。」
さっきのクリスマスプレゼントの事で思い出したのか、少し凛は浮かない顔だ。
「一緒じゃない、凛も希の家に行くでしょ?」
「そうじゃなくて!…2人で。」
今年のクリスマスも2人で一緒に過ごすのを楽しみにしててくれたのかしら。
…少し照れくさいけど、凄く嬉しい。
「そうね…じゃあ今日はちょっと奮発してケーキとシャンパンでも買って2人でちょっと早めのパーティーでもする?」
「…する!」
不安そうな顔をしていた凛が、一転して嬉しそうな顔になる。
凛が喜んでくれると私まで嬉しくなるわね。
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食材も無事に買い終わり、帰り道。
冬だということもあり大分暗くなってて、寒い。
手先がとても冷えるので手で口元を覆い、息を吐いてあたためる。
まあすぐにまた冷えてしまうから意味はあまりないのかもしれないけどね。
「はぁ…寒いわね。」
「うん…ねぇにこちゃん、右側行っていい?」
「え?別にいいけど、どうしたのよ急に?」
今まで私の左側を歩いていた凛が右側にくる。
ギュッ
「えへへ、あったかいね!」ギュー
「ひゃっ…!びっくりしたわ。…確かに、あったかいわね。」
そっか、私が左手で買い物袋をもってたからこっちに来たがってたのね。
…でも不意打ちは卑怯だと思う、さっきまで凄く寒かったのに、顔が熱くなってる気がするわ。
手を繋いだまま、2人無言で帰る。
でもそこに気まずさはなく、妙な居心地のよさがあった。
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「ただいま~!」
「ただいま。今から急いでご飯作るわね」
「うん!なにか手伝おうか?」
「ううん、帰ってからすぐまた出かけたから疲れてるでしょ?少し休んでていいわよ」
「ありがとう!お言葉に甘えるね…」
やっぱり少し疲れてたのね、家に着いた途端眠たそうな顔をしていたので凛には休んでてもらう。
別に凛が料理出来ないから邪魔しないように言ったわけではないわよ?
一緒に住み始めてから凛にも料理を覚えてもらって、今では簡単な料理なら作れるようになってるし。
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「…よし、出来た!」
料理が完成したので机の上に並べにいくと、凛がそこで突っ伏すように寝ていた。
「凛、そんなところで寝てて風邪引いても知らないわよ?」
「……。」スースー
「りーんー?起きなさーい。」
なかなか起きない凛の肩を揺さぶる。
「…んー…にこちゃぁん…」
「ご飯出来たわよ、温かいうちに食べましょう?」
「…いい匂い……はっ!」
「覚醒したみたいね。じゃ、食べましょうか。」
「うん!」
シャンパンを開けてグラスに注ぎ、食事の準備は万端だ。
「いただきまーす!」
「いただきます。」
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「ご馳走様でした!」
「お粗末様でした。」
「やっぱりにこちゃんの作る料理は美味しいなぁ…」
「ありがと、凛も大分上手になってるわよ?」
「そうかな…でもにこちゃんの作る料理には追いつけなさそう。」
「料理は気持ちよ、きっと凛もすぐにもっと美味しい料理が作れるようになるわ。」
「うん、頑張るね!」
この1年でカップラーメンしか作れなかった凛が普通に作れるようにまで上達してるって事はすぐにもっともっとうまくなれると思うわ。
「ねぇにこちゃん、シャンパンもう空けちゃったけど今日はもう少し飲まない?」
「そうね、冷蔵庫に少しだけ缶チューハイもあるし、それを飲みましょうか。」
「持ってくるね、ちょっと待ってて!」
駆け足で冷蔵庫まで向かう凛。私も余りお酒強くないし、恐らくあと1本飲むくらいだろう。
「はい!この味でよかった?」
「うん、いいわ。ありがとね。」
「じゃあ、かんぱーい!」
「乾杯!」
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「そういえば凛は最近花陽と会ったりしてる?」
「うーん…高校卒業してすぐの時は結構頻繁にあってたんだけど、お互い忙しくなっちゃって…一ヶ月に1回会えるか会えないかって所かな。」
「そう…」
「でもね、今はにこちゃんがそばにいてくれるから大丈夫だよ!」
「そうね、私も凛が一緒だから色々頑張れるわ。」
と言って頭を撫でてあげる。
目を細めて嬉しそうに笑う姿を見ていると、猫というよりは犬みたいな感じがする。
「も、も~…くすぐったいよぉ!」
「ごめん、つい凛が可愛くてね。」
私も凛相手には高校生の時とは違って素直になれてるんじゃないかと思う。
ふふっ、これもこの4年間での成長なのかしらね。
…なんて話していたらあっという間に飲み終わってしまった。
「ふぅ、私はもう十分ね。凛はどう?」
「うん、凛も少し酔っちゃったみたいだしやめておくね。」
「じゃあそろそろぱぱっとお風呂に入っちゃいましょうか、お湯入れてあるから先に温まって来なさい。」
「うん……あのねにこちゃん…久しぶりに、一緒にお風呂入らない?」
「へっ………?」
今のは完全に予想外だった。
急にもじもじとしだしたかと思ったら、お酒が入って赤くなった顔で更に上目遣いで聞いてくる。
「き、急にどうしたの?…狭いわよ?」
「いいの…にこちゃんと、入りたい……ダメ?」
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チャポン…
あんなの断れるわけないわよね…!
誰に言い訳してるかわからないけど、これは仕方の無い事だと思う。
それはそうと凛と一緒にお風呂に入るなんて高校生ぶりくらいかしら。
「いいお湯だねぇ~…」
「そ、そうね…狭いでしょ?そろそろ私先に洗うわ。」
「あ、背中流そうか?」
「だ、大丈夫大丈夫。凛はそのまま温もってなさい。」
向かい合わせで湯船につかっていると目のやり場にも困るし、さっさと洗ってしまおう。
「ねぇにこちゃん、急に一緒にお風呂入りたいなんて言って迷惑だった…?」
「別に全然構わないけど、ちょっとびっくりはしたわね、なんで一緒に入りたいなんて思ったの?」
「…ちょっと寂しくなっちゃって…にこちゃんと離れたくなかったの。」
大丈夫だなんて言ってたけど、やはり小さい頃から一緒にいた花陽と離れる事は凛にとっても辛い事だったのだろう。
それに少し酔っている事もあり人が恋しくなってるのかもしれない。
「そう…じゃあ今日は宇宙No.1アイドルにこにーが寂しがり屋の凛ちゃんと一緒に寝てあげるにこ!」
「ホントに?……ありがとう。」
キャラの方にツッコミがなかったのが地味に痛い…
高校生の頃は『ちょっと寒くないかにゃー?』とか言われてたんだけどね。
それに大人になったのか『にゃー』もあんまり使わなくなってしまってちょっと残念。
「よし、そうと決まればもう時間も遅いし早くお風呂出て支度するわよ!」
「うん!」
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「じゃ、電気消すわよ~」
「うん!」
パチッ
電気のスイッチを消した音が静かに響く。
凛と一緒の布団に潜るとさっきまで寒かったのが嘘のように暖かい体温が私を包み、離さない。
離さ…ない…!
「凛、ちょ〜っと強く抱きしめすぎじゃないかしら?」
「……今日は離してあげないもん」
「…甘えん坊ね、こういう風に抱き着かれると高校生の頃を思い出すわ……」
「にこちゃんはあの頃からずーっと変わらないね。」
「ちゃんと少しは成長してるわよ……色々と。」
「ううん、そういう事じゃないよ。ずっとずっと優しくしてくれて…ありがとう」
「私だって凛には本当に感謝してるわ、1度穂乃果がやめそうになった時だって凛と花陽は私についてきてくれた。あなた達のおかげで諦めずにいられたのよ。」
「…そう言ってもらえると、嬉しいな。にこちゃんについて行ってよかった。」
「でも、花陽はわかるけど凛はどうして私とアイドル続ける気になってくれたの?」
「………これを言ったらにこちゃん怒っちゃうかもしれないんだけど、凛はにこちゃんに辛い思いをしてほしくなかったんだ。」
「……。」
「2度も仲間を失ってほしくなかった。悲しい顔をしてほしくなかった。だから…__________」
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「あんた達はどうするつもり?」
「どうするって…」
「アイドルよ、決まってるでしょ。続けるつもりは無いの?」
「……。」
「一緒に続けない?」
「にこちゃん……。少し、考えさせて貰ってもいい?」
「…そうね、急に聞いてごめんなさい。今日は解散にしましょう、返事はまた今度聞かせて。」
「いっちゃったにゃ…かよちん、どうする?」
「………。」
「迷ってるなら、続けようよ!凛と一緒に!」
「凛ちゃん…どうしてそんなに必死に…?」
「だって…だって…あんなにアイドルの事に必死になって頑張ったにこちゃんがまた1人になるなんてあんまりだよ……」ポロポロ
「…凛ちゃん……。」
「…凛はにこちゃんにわからないことだらけだったアイドルの事を沢山教えて貰ったにゃ、だからまだアイドルを続けていたい。かよちんはどうなの…?」
「私も……私も続けたいよ、大好きなアイドルを…!」
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このSSまとめへのコメント
おい・・・おい・・・続きくれよ・・・・・・