提督「ホワイトデーのお返しが」 (17)
「バレンタインデーの時と同じくらいあるわね」
「数だけならむしろ多いがな、やたらデカいのとか渡して来た奴もいたし、形もそれぞれ違ってたからなぁ」
「当然かもしれないけど提督のお返しは同じ物なのね?」
「まぁな、値段とか量とか考えると不公平と言われるかもしれんが、こちらにも財布とか時間とか諸々の都合があるから仕方ない」
「まぁそうよね、チョコをくれた子だけでも百人以上居たわけだし、それを全部合わせてお返しは無理よね」
「とりあえず不満を言われたら、何とか納得してもらうしかないな」
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「あら?そこの小さい包みは?あっちと比べて数も少ないし」
「これはくれなかった子用だよ」
「くれなかった子用?くれなかった子にも渡すの?」
「お返しとは言え艦娘への労いとかも含めてるからな、ここで何もないとそれこそ不公平に見えないか?」
「そうかしら?」
「まぁ来年は貰えたら嬉しいなってのもあるから一応な、単なる労いで渡すだけでもいいわけだし」
「ふーん、それで数だけなら多いのね」
「まぁそういうことだ、とりあえず赤城とかに気をつけとけばいいだろ」
「否定しきれないのがまたね……」
「まぁ執務室に来た子に渡していけば、その内皆来るだろうし、来なかったら後で見かけた時に渡せばいいだろ」
「ふーん……」
「どうした?」
「別に?……私も貰えるのかしら?渡してない子用の方」
「んー?そうだな、とりあえず仕事終わったらな」
「そう?まぁいいわ」
「とりあえず仕事片付けないとな」
「そうね……」
「思ったよりも来るな皆、昼前なのにほとんどなくなったよ」
「そうね、でも渡してなかった子は随分と困惑してたわよ?」
「長月とかな、でも来年は用意してくれるって言ってたし、やる気も出たみたいだから用意してよかったと思うよ」
「そうね、それよりお昼はどうするの?」
「……んーまぁさすがに大丈夫だとは思うが、まだ来てない子がいるからな、今日はここで食べるよ」
「そう?なら何か食堂でもらってきてあげるわ」
「本当か?助かるよ」
「いいわよそのくらい、それで?何がいいかしら?」
「任せるよ、美味しそうな奴で」
「それだとメニュー全部になるわね」
「それは胃と財布の両方が轟沈するから止めてくれ」
「ふふっ分かったわ、それじゃ適当に見繕ってくるわ」
「おうありがとな」
「ふむ、大体終わったな」
「どっちの事かしら?」
「仕事もお返しもだよ、もうこれだけだし」
「あと来てないのは誰だったかしら?川内とかは来てないわよね?」
「いや俺が昼飯を待ってる時に丁度来たんだよ、だからあとは遠征組だな」
「そうなの?ならあの子達ね」
「そうそう、まぁそれはそれとして仕事も終わりか」
「そうね、それじゃ私の分を貰えるかしら?」
「おう、これだ」
「……ありがとう……」
「ん?どうした?」
「別に……」
「自分で言ってただろ?渡してない子用のをって」
「……まぁそうよね……」
「それじゃ私はこれで」
「あとこれなんだが」
「……なにかしら?その大きな包みは?」
「実はな?あの日部屋に戻るとドアに包みが掛かっててな、中はチョコだったんだが差出人が不明でな」
「あら?手紙とかは付いてなかったのかしら?」
「付いてたけど名前は書いてなくてな、俺の本命かもしれない艦娘って書いてあった」
「へぇー」
「それで誰なのか分からなくてな、困ってるんだよ、心当たりとかはないかな?」
「悪いけど全然ないわね」
「そうか?なら仕方ないか、まぁあの話はここでお前にしかしてないんだけどな」
「あらそうなの?」
「……」
「……」
「……はぁ……まぁそれでな?もし良ければだが、探して渡しておいてくれないかな?あんな渡し方だから俺が自分で聞いても名乗り出てくれないかもしれないからさ」
「そうね、きっとその子もお返しを貰えたら嬉しいでしょうしね、渡しておくわ」
「おう、なら頼むよ」
「ええ、それじゃ今日はこれで」
「ああまた明日な」
「ええ」
「……意地っ張り……なのかな?あれは……」
「……ふふっ」
「あっ姉さんお帰りなさい、何だか嬉しそうだけどその包みは?」
「そんなに?」
「だっていい笑顔してるもの」
「む……これでどうかしら?」
「うん、いつも通りの姉さんね、もらえたんだねお返し」
「……まぁ……ね」
「良かったね姉さん」
「うるさいわよもぅ……とりあえず今日はもうお風呂入って休むわ」
「うん分かったじゃあね」
「ええ……嬉しそう……か……そりゃ嬉しいわよ……私は……ね」
終わり
お気に入りの艦娘でこの子ともう一人にだけボイスが無かったからムシャクシャして建てた、後悔はしていない、そろそろ来て欲しいと思いながら後でHTML依頼してきます
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