イヴ「スヴェン、禁煙しよ」 (30)

スヴェン「禁煙? 俺がか?」

イヴ「うん」

トレイン「姫っち、急にどうしたんだよ」

イヴ「あのね、この間本に書いてあったの」

イヴ「タバコを吸い過ぎると早死にするって」

スヴェン「……俺を……心配してくれてるのか?」

イヴ「うん」

トレイン「姫っちに心配されるのも無理ねーよ。 30ってより50の顔してるしな」

スヴェン「今、誰か喋ったか?」

イヴ「気のせいじゃない?」

トレイン「だーもう、冗談も通じねえのかよ」

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イヴ「私ね、スヴェンには長生きしてほしいの」

スヴェン「イヴ……」

トレイン「姫っちオカンみてーだなー」

イヴ「だから……禁煙してほしいの。 ダメ……かな?」

スヴェン「……ああ、しよう」

イヴ「!!」

スヴェン「紳士ってのはな、優しい女性の頼みは断らないんだ」

イヴ「スヴェン……ありがとう」

スヴェン「お礼を言うのは俺の方さ、イヴが言わなかったら吸い続けてるだろうからな」

トレイン「3日坊主になんなよ?」

スヴェン「お前じゃあるまいし」

イヴ「違うよスヴェン、トレインは1日坊主だよ」

トレイン「……俺ってそんなひどいイメージ?」

次の日

スヴェン「……ふあぁ」

スヴェン「どれ、一服……」

イヴ「スヴェン」

スヴェン「!!!!」

スヴェン(俺はなんて馬鹿なんだ……習慣でつい……)

スヴェン「……今日からだよな、禁煙」

イヴ「うん……ねえスヴェン」

スヴェン「なんだ?」

イヴ「禁煙って……やっぱり辛い?」

スヴェン「どうだろうな……生まれて始めてやるからな」

イヴ「私ね……あれから調べたの」

イヴ「喫煙者のほとんどの人はニコチン中毒でやめたくてもやめられないって……」

イヴ「私、口で禁煙しよって簡単に言ったけど……やっぱり難しいのかな」

トレイン「そりゃあ並大抵な気持ちじゃ禁煙できねーんじゃねーの?」

イヴ「トレイン」

トレイン「そうだな……姫っちで例えるなら本を読むのをやめるようなもんだからな」

イヴ「!!」

トレイン「本を読まない生活なんて想像できねーだろ? 姫っち、やることなくなっちまうよ」

イヴ「……」

スヴェン「おい、それはちょっと言い過ぎじゃねえのか?」

イヴ「……本が読めなくなっても大丈夫だもん」

トレイン「おっ? じゃあ読めなくなったら何すんだ?」

イヴ「スヴェンを観察する」

トレイン「それも禁止って言われたら?」

イヴ「トレインに稽古つけてもらう」

トレイン「それもダメって言われたら?」

イヴ「リオンとどこかで遊ぶ」

トレイン「あーもう!! 俺の負けだ俺の負け!! 面白くねーの」

イヴ「そういえばタバコを吸う原因はストレスって言ってた」

スヴェン「ストレス、か……」

イヴ「もしかしたらスヴェンからストレスを取り除けば禁煙できるかも……」

イヴ「……ねえスヴェン、スヴェンのストレスの原因って何?」

スヴェン「ストレスの原因、か……そうだな……」

スヴェン「俺がストレスを抱える都は大抵……」

スヴェン「……」チラッ

トレイン「?」

スヴェン「トレインが原因だな」

イヴ「分かった」パッ

トレイン「おい姫っち、変身(トランス)解除しろ」

イヴ「……ごめん、調べ直したらタバコが吸えないことがストレスの原因のこともあるって……」

スヴェン「喫煙者のストレスの原因は大抵それらしいな」

トレイン「ほら見ろ、俺は関係ねーって」

プルルルル……

スヴェン「お、電話だ」

ガチャッ

スヴェン「はいもしもし……」

数十分後

スヴェン「えーと確か……ここら辺だな」

イヴ「あっ! あそこに」

リンス「こっちこっちー」

トレイン「よー」

ギュウウウ

リンス「あああん!! 今日もイヴちゃん可愛いーーー!///」

イヴ「あ、ありがとう……」

スヴェン「イヴ抱っこしに来たってだけならもう帰るぞ」

リンス「こらこら帰るな!! ちゃんとおいしい話もあるんだから!!」

リンス「……ていうわけなのよ。 どう? あんた達にとってもいい話だと思わない?」

スヴェン「まぁそれだけの懸賞金が懸けられてたらな……」

リンス「……あら?」

スヴェン「どうした?」

リンス「あんた……今日タバコ吸ってないのね」

スヴェン「ああ、禁煙中なんだ」

リンス「急に禁煙だなんて……何かあったの?」

スヴェン「……禁煙してくれって頼まれてな」

イヴ「……」

リンス「!!! もしかして……イヴちゃんが!?」

イヴ「うん。 スヴェンに長生きしてほしいから」

リンス「いやあああああん!! イヴちゃん優しいいいいいいい!!!」

トレイン「うるせえな……」

リンス「イヴちゃんのためにも絶対禁煙しなさいよ!!」

スヴェン「ああ、そのつもりだ」

それから数日後……

スヴェン「……」

スヴェン(禁煙ってのは……思ってたのより難しいな)

スヴェン(たまに吸いたい衝動に駆られちまう)

イヴ「……」ジー

スヴェン「!!」

スヴェン(くっ……いかん、これもイヴの頼みだ)

スヴェン(ここで吸ったら紳士失格だ)

イヴ「……」

イヴ(ダメだよ私、こんなこと思っても口にしちゃダメ)

イヴ(今のスヴェンも十分かっこいいけど……)

イヴ(タバコ吸ってる方がもっとかっこいいなんて言っちゃダメ……)

スヴェン「……」

イヴ「……」

スヴェン「……」

イヴ「……」

スヴェン「なぁ……」

イヴ「ねぇ……」

スヴェン・イヴ「!!!」

イヴ「……先いいよ」

スヴェン「……いや、紳士は常に譲らねえとな」

イヴ「……分かった、じゃあ私から言うね」

スヴェン「ああ……」

イヴ「……スヴェン」

スヴェン「……?」

イヴ「……やっぱり吸ってもいいと思う」

スヴェン「!!」

スヴェン「イヴ……本当にいいのか?」

イヴ「うん、だって……」

イヴ「……」

スヴェン「……?」

イヴ「……スヴェンは今まで辛いことがあっても我慢してたと思うから……」

イヴ「だから今まで我慢した分、好きなことやっていいと思う」

スヴェン「イヴ……」

イヴ「ご、ごめんね……私、我が儘で……吸うなって言ったり吸えって言ったり……」

スヴェン「……我が儘なんかじゃねえさ」

イヴ「!」

スヴェン「お前が俺に色々言ってくれるのは……俺を心配してくれてるからなんだよな?」

スヴェン「心配は我が儘なんかじゃねぇさ」

イヴ「……ありがとう」

スヴェン「実はなイヴ……俺も吸いたくてしょうがなかったんだ」

イヴ「!」

スヴェン「だからその……これからも吸い続けるかもしれねぇけど……回数は減らそうと思う」

スヴェン「それで……いいか?」

イヴ「……うん!」

トレイン「ただいまー……ってなんで吸ってんだよ」

スヴェン「お許しを得た」

イヴ「我慢はストレスになるから……」

トレイン「なんだよ姫っちー。 折角我慢して発狂するスヴェンちゃん見たかったのにー」

イヴ「……じゃあトレイン、牛乳禁止」

トレイン「は!?」

イヴ「そうすれば我慢して発狂する自分自身が見られるよ」

トレイン「いや、別に牛乳飲まないぐらいで発狂はしねーよ」

イヴ「分からないよ」

トレイン「お前なぁ……」

スヴェン「あり得るな」

トレイン「おい」

イヴ「……」クス

トレイン「あっ!! 今笑ったな姫っち!!」

ギャーギャー……

スヴェン(こいつが帰ってきた途端、急に家が騒がしくなったな……)

スヴェン(……まぁうるさいぐらいが丁度いいか)

〜終わり〜

スヴェン「覚悟はいいな ウェポンケース!」

結城リト「ちょっまて・・・・」
スヴェン「イブのそっくりさんのはだかをみたやつは…[ピーーー]!」

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