【ガルパン】カルパッチョ「後日談」【コラボSS】 (47)

【ガルパンコラボSS】ヴェノム・スネーク「アンツィオ高校?」の後日談です。

全国大会編はまだ書いていませんが、ガルパンのOVAを見ていたら思いついたので投下します。

あまり長くはなりません。今日中に投下し切ります。

前スレの訂正:
105レス目、みほさんの『カバさんチームとアヒルさんチームは路地に入って待ち伏せしてください!それから、レオポンさんチームはエンジンが焼けない程度に動いて迎撃!アリクイさんチームとカメさんチームはレオポンさんチームの護衛に!』というセリフが抜けておりました。

また、パンター納車のシーンでアンツィオ戦車道履修者の人数が微妙に間違っていました。戦車の編成に組み込まれていない人数は10名です。

その他誤字・脱字が多く見られました。訂正しお詫び申し上げます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456395352

回想テープ:カルパッチョの日記

<再生>

ザザ

カルパッチョ「大洗との練習試合から一ヶ月が経った」

カルパッチョ「あれから皆俄然やる気を出し」

カルパッチョ「素晴らしいほど訓練に打ち込んでくれている」

カルパッチョ「もう今までのアンツィオではない」

カルパッチョ「次に控える全国大会は7月中旬に抽選会をし」

カルパッチョ「9月までに予選を経て」

カルパッチョ「決勝は10月の中旬という長い期間で行われる」

カルパッチョ「今は5月だから、私たちにはまだ時間がある」

カルパッチョ「とはいえあまり悠長に構えていれば、いつの間にか期限が迫っているのは世の常だから」

カルパッチョ「1日ごとにやるべきことをきちんとやっていこう」

カルパッチョ「アンツィオのトラットリアもかなり好調で、このままいけば業界トップも容易いだろうという話だ」

カルパッチョ「アンツィオのアイデンティティたる料理が世間により強く認知されるようになって行くに違いない。生徒の増加にも繋がってくれるだろう」

カルパッチョ「いずれスポンサーを必要としないほど、独立した学校経営ができるようになっていって欲しい」

カルパッチョ「いつまでも養われる立場では自立心が芽生えないからだ」

カルパッチョ「さしあたっては戦車道の強豪校にアンツィオの名を連ねることを当面の目標としよう」

カルパッチョ「そのためには_______」

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______
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マザーベース


兵士1「おっ、今日のデザートはイチゴタルトか」パアア

兵士2「こういう甘いものが嬉しくなる時期だなぁ。春になったんだな」ニコニコ

兵士1「マザーベースは快適だけど、食事は一番の楽しみだからな。食事が変わってからは任務にもっとやる気が出るようになったもんだ」パク

兵士2「ほんとだな。レーションを水で流し込んでた日々が懐かしくもなるが、二度とごめんだ」パリパリ

兵士1「全くだ。ああ、エスプレッソもまた旨い」ゴクゴク

兵士2「しかし、ハイスクールの生徒がこれほどの物を作れるなんて、一体どんな学校なんだ?」

兵士1「さあな」

司令室

オセロット「ボス、アンツィオの食品科による栄養指導が入ってからというもの、任務の成功率が指数関数的な飛躍を遂げている」

スネーク「指数関数って、そんな爆発的にか。確かに旨いが」

オセロット「今までよりも多少食費がかさんでいるが、それを補ってあまりある効果だ。やはり兵士の士気と食事は直結している」

スネーク「...食事の力は恐ろしいな」

カズ「スネーク!やったぞ、大成功だ」

スネーク「どうした」

カズ「トラットリア・アンツィオーネの売り上げが業界5位にまで昇りつめたぞ!各学園艦に支店を出す計画も持ち上がっている!」

カズ「やはり単なるピザ屋でなく、トラットリアにしたのは正解だった」

オセロット「急にそこまでの話になったのか?好調だとは聞いていたが...」

カズ「やはりアンツィオの実力は本物だ!今まで何故事業展開しなかったのか不思議だ。俺のハンバーガー屋が霞むほどだ」

オセロット「それで?釘を刺させてもらうが、あれはアンツィオ高校とうちとの合弁事業でありお前個人の事業じゃないぞ。俺達はあくまで彼らの技術と努力を金で買っているだけだ」

オセロット「それからあんな添加物だらけの公害みたいな食べ物とアンツィオの料理を同列に語るのはよせ。不愉快だ」

カズ「無粋なことを言うな。ダイアモンド・ドッグズとアンツィオ高校はギブアンドテイクの関係だ。おかげで彼らの懐事情は普通の高校レベルにまで良くなったじゃないか?」

カズ「とはいってもサンダース大附属ほどじゃないが。あそこのスポンサーは辿っていけばウ◯ルマートだからな...」

カズ「ところで、俺のケミカルバーガーが公害だと?抜かせ」

オセロット「ミラー。俺が懸念しているのはお前が事業に執着するあまり彼らの誇りや伝統すら切り捨てて全てを私物化しやしないか、または利潤追求をしすぎて彼らの料理をケミカル化しやしないかということなんだ」フウ

オセロット「それに、味が良かろうと虹色のハンバーガーを食いたがる奴がいるか?」

オセロット「イギリス料理でさえあんな原色は使わないぞ」フッ

カズ「ほう?お前こそ、あいつらに随分入れあげているようじゃないか。俺はお前が彼らに入れ込むあまりダイアモンド・ドッグズを脱退しないかと危惧していたのだが」

カズ「それにハンバーガーの色はそれほど重要じゃ_____」クワッ

スネーク「もうよせ」(呆れ顔)

スネーク「それで、アンツィオのトラットリアが業界5位の売り上げを達成してどうなったんだ」

カズ「ああ、学園長が主導でアンツィオの食品科の生徒と、そのOGの協力を得てひとまずアンツィオの学園艦に1店舗、それから静岡と栃木に数店舗開いたんだ」

カズ「まだ開店からそれほど長くはないが、毎日大盛況だ。東京への展開計画も検討中だ」

カズ「普段は家族連れが主な客で、学園艦の場合は生徒が始業前に朝食を買って行ったり学校帰りに買いに来ることも多い。地元住民によく愛されているトラットリアだ」

※秋葉原のケバブ屋のようなスタンドと、テーブル席のある普通のイタリア料理店を想像してください

カズ「アンツィオを視察に来た聖グロリアーナの生徒の一団に店で食事をとってもらったところ、是非我が艦にと言われたよ」

オセロット「結構なことだ。イギリスをモデルにしてるだけある」

オセロット「聖グロならお前の店の有毒化学物質バーガーでも喜んで紅茶と一緒に流し込むだろうさ」

カズ「なんだと...」ビキビキ

バン(机を叩く)

スネーク「止せと言っただろうが」イラッ

スネーク「それでカズ、俺が何か承諾する必要でもあるのか?」

スネーク「マザーベースの食事事情に関してはもうほぼカタがついたと言って良さそうだし、戦車道に関してもあとはあの子たちが自分でやっていけるだろうし、まだ特に新しい戦車を買うとかいう話も___」

カズ「あ、いや特にそういうのはない」

スネーク「なんだ、そうか」

オセロット (言いたかっただけか)

_______
______
_____

聖グロリアーナ女学院

午後

ダージリン「...はぁ」

オレンジペコ(このところずっとダージリン様はこの様子だ)

オレンジペコ(アンツィオの視察、それほど衝撃だったかしら?)

オレンジペコ(いかにもイタリア的な普通の学校だったけれど)

ダージリン「はぁ~」チラ

オレンジペコ「どうなさったのです?溜息ばかりついて」

ダージリン「...我が校は由緒正しき大英帝国(アルビオン)の伝統を受け継ぐ格式高い学校よ」

オレンジペコ「そうですが」

ダージリン「あらゆる校に引けを取らぬ素晴らしき高校よ」


ダージリン「それなのに何故、食事だけはあんなにも酷いのでしょうね?アンツィオで昼食をとって初めて感じたわ」

オレンジペコ (私の知ったことではありません、と言いたいのを堪えた)

オレンジペコ「さ、さあ、どうしてでしょうね」

ダージリン(内心見下していたイタ公の食事が美味しいのが口惜しいと察せないなんて、ペコもまだまだね)

オレンジペコ(英国人の思考とこの方のタチを考えればなんとなく察しはつくけど、黙っておこう)

オレンジペコ(二枚舌が常に良いとは限らないのだし、ヤブヘビで格言をひねり出されても鬱陶しいだけだし)

オレンジペコ(でも、アンツィオの食事は確かにとても美味しかった)

オレンジペコ(あの店がうちの艦にもあればと思うほど)

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_____

ペパロニ「今凄く馬鹿にされた気がする」

ペパロニ「でも同時に褒められた気もする」

ジャンドゥーヤ「どっちなんですかねぇ」

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トラットリア・アンツィオーネ学園艦店
厨房

カルパッチョ「マルガリータピザ焼けました!」カカッシュッ

店員A(以下イザルコ)「はいよー」カタ

カルパッチョ「ふぅー、暑い」

ワイワイ ガヤガヤ
カランカラン

店員B(以下ピアーヴェ)「Benvenute!」

ピアーヴェ「あら、ソアーヴェじゃない。グリッシーニも?今日は休みなの?」

ソアーヴェ「今日は午前で終わり。調理室も閉まってるし、屋台も休みだからここで食べようと思って」

※ソアーヴェはワインの名前で、ピアーヴェは川の名前で関係はありませんが二人は姉妹です

グリッシーニ「来ちゃいました!」

ピアーヴェ「嬉しいわね。ふふ」

ソアーヴェ「席は空いてるとこ座っていい?カルパッチョ姐さん!マリナーラ2人前お願いします!」

カルパッチョ「はーい!」テフリ- ニコニコ

ソアーヴェ「あとお姉ちゃん、オッソ・ブーコとカプレーゼいっこずつね」

グリッシーニ「炭酸水も二つお願いします」

ピアーヴェ「はい。注文は以上で?」

ソアーヴェ「おっけー」

ピアーヴェ「はーい。席はここ使って。ではお待ちくださいね」カリカリ パタン

スタスタ
ストン

ソアーヴェ「それにしても、うちの学校がトラットリア経営し始めるなんてね」

グリッシーニ「びっくりしたよねー、聞いたときは」

ソアーヴェ「今まであれだけ貧乏だ、ってみんなで必死こいてたのにね。正直、スポンサーついてから暮らしが楽になり過ぎた感じはある」

グリッシーニ「まあね。でも出資してくれるほど料理が認められたって思うと、なんか感慨深いなぁ」

ソアーヴェ「努力を買ってもらえるのは嬉しいよね。予算内で味と栄養を両立させるのに何カロリー分頭使ってきたことやら。高校入試の比じゃないよ」

グリッシーニ「でも次に入ってくる子達は貧乏だった頃のアンツィオを知らないで入ってくるんだよね」

ソアーヴェ「そうそう。限られた環境で最大限努力するっていうスタイルは受け継がせて行かなくちゃね。アンチョビ姐さんよりも上の世代の人たちから続いてきたことだし」

グリッシーニ「だよねー。特売の狙い目とか格安ルートでの買い付けとかそういうのも受け継いでほしいかな」

ソアーヴェ「戦車道のこともね」フフ

スタスタ

ピアーヴェ「お二人さん、炭酸水とカプレーゼね」コトリ コトリ

ソアーヴェ「おっ、来た来た」スッ

ピアーヴェ「待ちなさいったら」スッ

ソアーヴェ「ええー?」

ピアーヴェ「大事な一言を忘れてるでしょ。それにカルパッチョがまだピッツァを焼いてくれてるんだからもう少し待ちなさいな」

ソアーヴェ「あー、そうだね」

グリッシーニ「昔からこうだったんですか?」

ピアーヴェ「そうなのよ~小さい時なんかそそっかしくて、テーブルにあった誕生日のケーキ手に取ろうとして顔から被っちゃったんだから、この子」

グリッシーニ「ええー!なにそれwwwwww」

ソアーヴェ「その話もうやめてよー!未だに恥ずかしいんだから!」カァァ

カルパッチョ(あの子たちにもそういう時期があったのね)クスッ

カルパッチョ(そろそろ焼けたかな)カカッススッ

カルパッチョ「マリナーラ上がりです!」

イザルコ「はいよー!」ササッ

ピアーヴェ「はい、おまちどうさま!」

ソアーヴェ「よし、じゃあ...」

グリッシーニ「手を合わせて」

「「いただきまーす!」」

店員一同「召し上がれ!」

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______
_____

ソアーヴェ「う~ん。やっぱり美味しい」ムグムグ

グリッシーニ「学園艦の外でモノ食べれる気しないわ」パクパク

ソアーヴェ「それ心配なんだよね。舌だけ肥えちゃってるし、アンツィオ出たらほんとどうしようかな...もう2年だし」フ-

グリッシーニ「進路はねー。うちって進学率は意外と低いし」

ソアーヴェ「みんな料理の修業かな」

グリッシーニ「そうそう。イタリアまで行く卒業生もザラにいるってさ」

グリッシーニ「中には親の店とか農家継ぐためにここ来る子もいるみたい」

グリッシーニ「うちって食品科もそうだけど栽培科もあるから」

ソアーヴェ「へぇ~。食う専と作る専ばかりと思ってた。今年の入試倍率1.5だったっけ。増えた?」

グリッシーニ「結構生徒は増えたけど、戦車道はうちらの世代ほど増えなかったでしょ。来年はもう少し増やさないと」ゴクゴク

ソアーヴェ「学校自体の知名度をもっと上げないとね。去年よりも上目指していかないと」シャクシャク

グリッシーニ「やっぱり戦車道で優勝だよね。大洗は数十年ぶりの出場から全国制覇したわけだし」

ソアーヴェ「あれは別格でしょ...廃校かかってたから背水の陣で頑張れたんだろうし」

ソアーヴェ「それだけ努力したってことでしょ。その点を過小評価しちゃいけない」

グリッシーニ「あっ、そっか」

グリッシーニ「大洗の方角に頭下げとこ」ペコ

ソアーヴェ「はは。うちらだって入学した時はそんなに料理できなかったんだし、何かを身に付ける努力が大きなことなのは知ってるよね」

グリッシーニ「そうそう。トマトの皮もむいたことなかったのに、ここ来ちゃって大変だったなぁ。懐かしい」

ソアーヴェ「あれ?あんた食う専だったっけ」

グリッシーニ「最初はね。今でこそかなりできるようになったけど」

ソアーヴェ「トマトソースの鍋焦がしたのはグリッシーニだけだったなぁ」ケラケラ

グリッシーニ「黒歴史掘り返すのやめてよぉ!」

ソアーヴェ「さっきのお返し」ハハハ

グリッシーニ「ひっどーい!」プンプン

_______
______
_____

カランカラン

ペパロニ「おっ、お前らもいたのか」

グリッシーニ「あ、ペパロニ姐さん」

ソアーヴェ「姐さんもお昼ですか?」

ペパロニ「そりゃそうだろ。あとカルパッチョに相談があって来たんだ」

ペパロニ「カウンター空いてます?」

ピアーヴェ「空いてるわ。好きに座って」

ペパロニ「じゃあ遠慮なく。ラザニア一つと炭酸水ね」

ピアーヴェ「はーい」カリカリ

カランカラン

「あ、ソアーヴェ達もいたんだ」

「15人ですけど、空いてますか?」


グリッシーニ「今日もかな」

ソアーヴェ「昼ごはんが小宴会と化すのは日常茶飯事だけどね」

グリッシーニ「アンツィオのごはんとノリが成せる技、かな?」ニコニコ

ソアーヴェ「ま、こういうのもいいよね。賑やかで」フフ

ソアーヴェ(豊かな食卓に溢れる喜び)

ソアーヴェ(これがアンツィオの流儀の一つだ)

ソアーヴェ(この良さがわかるなら、皆アンツィオ生の一員だ)

思ったより短くなりましたが、以上で終わりになります。

読んでくださった方、ありがとうございました。

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