ピークォド「動物保護プラットフォームにクワイエットがいる」 MGS (59)

MGSTPPネタバレ注意

ピークォド「ミラー指令、何か御用でしょうか」

カズ「実はな、動物保護プラットホームのエサ担当の者がトラブルメーカーのせいでPTSDになってしまったんだ」

ピークォド「またですか……ボスもなんであの男を解雇しないんですかね」

カズ「能力は高いんだがな。まあいい、ともかくだ」

カズ「しばらく水曜日と金曜日だけ、動物保護プラットホームに顔を出して、動物たちにエサをやっておいてくれ」

カズ「ボスも随分とたくさんの野生動物を回収したようだからな」

ピークォド「了解です、指令」

ピークォド(面倒だが、やるしかないか)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442239278

ピークォド(ここか)

ピークォド「随分増えたな、ヤギにクマに、羊に」

?「♪~♪~」

ピークォド「? この鼻歌は……」

クワイエット「!」

ピークォド「クワイエット! また牢から!!」

クワイエット「」シュッ、ビューン!

ピークォド「……消えた」

ピークォド「なんだったんだ、何か動物に……」

ピークォド「おかしなことは、してないようだな」

ピークォド「たまに抜け出しているという話は聞いていたが、まさかこんなところに」

ピークォド「まあいい、おい、みんな、エサだぞ」

メー、メー、モー

ピークォド「ってことがあったんだ」

兵士1「あの化け物女が」

兵士2「食おうとしているんじゃないか?」

兵士1「ありえる」

ピークォド「いや、ボスから聞いたがあの女は光合成していて」

ピークォド「飯を食わなくていいらしい」

兵士1「なんだそれ、ますます不気味だな」

ピークォド「あのプラットホームで、なにを」

金曜日

ピークォド「この間の時間より早く来てやったぞ」

ピークォド「さあ、こい」

バチャチャチャチャチャ

ピークォド「?」

ピークォド「海からか?」

クワイエット「」バチャチャチャチャチャ

ピークォド(海上を、走っている)

ピークォド(不気味を通り越して感心する)

ピークォド(おっと、隠れなければ)サッ

クワイエット「♪~~♪~~」もふもふ

クワイエット「♪~~♪~~」なでなで

ピークォド(……俺の見間違いでなければ……)

ピークォド(動物と戯れている)

クワイエット「♪~~」ニコニコ

ピークォド「しかも満面の笑みで!」

ピークォド(冷血な女とも思っていたが)

ピークォド(あんな顔をするときもあるんだな)

ピークォド(ヘリの時も、ボスといるときはどことなく表情はやわらかいし)

ピークォド(案外普通の女なのかもしれない)

ピークォド(話しかけて、みるか)

ピークォド「おい」ざっ

クワイエット「!!」サッ

ピークォド「・・・・・・・また消えた」

ピークォド「よくボスはこんな女とコミュニケーションがとれるな」

ピークォド「動物と戯れていただけだった」

兵士1「そんな馬鹿な」

兵士2「何かの見間違いだろう」

ピークォド「俺も信じられなかったんだが」

ピークォド「案外普通のやつなのかもしれない」

兵士1「それはねえよ」

兵士2「ああ、ボスの命を狙っていたんだぞ、心があるとは思えん」

ピークォド「……そ、そうだな」

水曜日

ピークォド「今日も来るのか」

バチャチャチャチャチャ

ピークォド「きた」

ピークォド(ためして、みるか)

ピークォド「みんな、エサはあの女からもらえ」

スッ

ピークォド(餌袋を置いておく)

ピークォド(察するか?)

クワイエット「♪~」


クワイエット「?」

メーメー、モー、ワン

クワイエット「」ごそごそ

クワイエット「」(・ω・)つ

メー!モー!!

ピークォド(あげた、か)

ピークォド(どうやら、本当に動物が好きらしい)

ピークォド(思えばあの女)

ピークォド(ここでいるときは、ずっと牢で寝ているだけだと聞く)

ピークォド(ボスのミッションに行く以外、こいつに役割はないのか)

ピークォド(それはそれで)

ピークォド(気の毒かもしれんな)

ピークォド(よし)

次の金曜日

ピークォド「たしか、言葉は理解しているといっていたな」

ピークォド「うまくいくはずだ」

ピークォド「みんな、今日もエサはあの女だ」

メーメー! モー!


クワイエット「」ジー

ピークォド(餌袋のメモに気が付いたか)

『このプラットフォームにはAの袋のエサを、肉食動物のところにはBのエサをあげろ。P』

クワイエット「♪~」すっ

ピークォド「働き始めた」

ピークォド(だがこれを上に報告するわけにはいかない)

ピークォド(あの女と役割分担しながら働くことにするか)

ピークォド(俺も楽ができる)

クワイエット「♪~」

ピークォド(しかし、楽しそうだ)

ピークォド(あの女の鼻歌、妙に耳に残るな)

ピークォド(聞いたことがない歌だ。あの女のオリジナルか?)

クワイエット「♪~♪~~」

ピークォド「」

ピークォド「」メモメモ

ピークォド「ふむ、悪くない」

ピークォド(もうしばらく経つ)

ピークォド(だが、声をかけてはいけない気がする)

ピークォド(あの女の大切な時間なのかもしれない)

クワイエット「♪~♪~」

ピークォド(一度でいいからしゃべってもらいたいものだ)

ピークォド「おっと、今日もエサをやらなければ」

ピークォド「あの女の分を置き忘れていた」

ピークォド「・・・・・・」

ピークォド「まあ、近づかなければ、いいか」

ピークォド「おい! エサがあるぞ! クワイエット!」

クワイエット「」シュッ

ピークォド「また逃げたか」

クワイエット「」シュッ

ピークォド「うわっ!」

クワイエット「」ジー

ピークォド「ち、ちかい! ほ、ほら、エサだ!」

クワイエット「」コクン

クワイエット「」スッ

クワイエット「」(・ω・)b

クワイエット「」てくてく

ピークォド「……」

ピークォド「面白い奴だ」

ピークォド「さて、肉食動物のエリアに行くか」


ピークォド「毎回ここは緊張するんだよ」

ピークォド「檻を挟んでたとしてもな」

ピークォド「おい、エサだぞ」

狼「グルルルル」

ポト

狼「」ばくばく

ピークォド「ふう、これでよし」ッポロ

ピークォド「あ、しまった、メモ帳を」

狼「ワン!」

サッ

ピークォド「取られた! 最悪だ!」

ピークォド「あのメモだけは取り返さなくては」

ピークォド「もう少しで完成しそうなんだ」

ガチャ

ピークォド「よし、おちつけよ狼くん」

ピークォド「ほら、もう一つエサをやろう、これで」

狼「バウッ!!」

ピークォド「ひっ、く、来るな!」

バン!

ピークォド「・・・・・・・今の銃声は?」

狼「」ぴくぴく

クワイエット「」シュバッ

ピークォド「クワイエット」

ピークォド「お前が、その」

クワイエット「」つメモ

ピークォド「……」

ピークォド「あ、ありがとう」

ピークォド「別にたいした内容じゃないんだ」

クワイエット「」シュッ

ピークォド「……この死体、どう説明するか」

カズ「なるほど、つまり狼が襲い掛かってきて、慌てて打ったと」

ピークォド「は、はい」

カズ「・・・・・・・なぜ、嘘を吐く?」

ピークォド「い、いえ、真実しか、述べておりません!」

カズ「こちらもそれなりに調べさせてもらった」

カズ「銃弾はお前の持っている銃じゃない」

カズ「あの女、クワイエットのスナイパーライフルのものと、結果が出ているんだ」

ピークォド「」

カズ「なぜ素直に、あの女がやったと、言わなかった」

ピークォド「」

カズ「黙秘、か」

カズ「まあいい、とにかくだ。あの女の動物保護プラットホームへの出入りは禁ずる」

ピークォド「そんな!」

カズ「そもそも、あの女は独房にて拘束中のはずだろう。外に出ること自体がおかしいんだ」

カズ「あの女にも厳重にそう伝えておく。以上だ。配置に戻れ」

ピークォド「……」

ピークォド「はい」

医療プラットホーム クワイエットの独房

ピークォド「……クワイエット、すまん。もう少しうまくごまかせていれば」

クワイエット「・・・・・・・」

ピークォド「・・・・・・・」

ピークォド「じゃ、またヘリで会おう」

ヘリ内

ピークォド「♪~♪~~」

スネーク「おい、その鼻歌」

ピークォド「ああ、すいませんボス、うるさかったですか?」

スネーク「いや、いい。クワイエット以外がその鼻歌を歌っているというのは、なかなか新鮮だな」

ピークォド「なかなか耳に残りますよね」

スネーク「言われてみれば、そうだな」

ピークォド「そろそろ目的地に到着です」

ピークォド(ボスは任務に出た)

ピークォド(おそらくしばらくは時間がかかるな)

ピークォド(・・・・・・・)

ピークォド(よし)

ぱしゃっ!  ガー

ピークォド「なかなか便利なものだな、インスタントカメラというのは」

ピークォド「さすが研究開発班だ」

ピークォド「よし、あそこには狼が、お、羊もいるぞ」

パシャ、パシャ、パシャ

スネークミッション終了後、ヘリ内

スネーク「今日は随分と迎えが遅かったな」

ピークォド「す、すいません、つい」

スネーク「何かしていたのか」

ピークォド「い、いえ」

スネーク「その、カバンたくさんの写真はなんだ?」

ピークォド「」

マザーベース、医療プラットホーム

ピークォド「 見てくれ、動物の写真を、たくさん撮ってきたんだ」

ピークォド「アルバムにまとめた、きれいにとれたかどうかはわからないが」

ピークォド「よかったら、どうぞ」

ピークォド「・・・・・・・みたいな?」

ピークォド「な、なにを緊張しているんだ俺は」

ピークォド「よし、行くか」

ピークォド「クワイエットー」

ピークォド「って、返事するわけないか、よかったら、これ」

ポト

独房にははやりの音楽が流れているだけだった。

遠くから海の音や風の音が聞こえる。

いつも彼女が寝ているベッドには誰もいなくて、

てっきり俺は、またどこかに抜け出しているのかと思っていた。

兵士1「なあ、聞いたか?」

兵士2「ああ、聞いたぜ」

兵士2「あの女、ソ連軍に拉致されたんだってな」

ピークォド「」

ヘリ内

ピークォド「ボス」

スネーク「どうした」

ピークォド「い、いえ」

ピークォド「お気をつけて」

ピークォド(必ず、達成してください)

ピークォド(彼女を、救ってください)

上空

ピークォド「くそ、レーダーが乱れている」

ピークォド「二人を、うまく回収できるか……?」

ピコーン

ピークォド「ランディングゾーンへ指令!」

ピークォド「成功、したのか!」

ピークォド「くっ、砂嵐がひどい、位置もわからなくなった」

ピークォド「無線を使うか」

ピークォド「こちらピークォド! エイハブ! 応答願います!」

ピークォド「これ以上の待機は無理です!」

ピークォド「ボス! 応答を!」

そのとき、聞こえてきたのは

透き通るような、それでもどこか陰のある

初めて聞く女の声だった。

ピークォド(……?ボスか?)

ピークォド「エイハブ、聞き取れない、なんと言った!」

?「××、××××」

ピークォド「何を言っているのかわからない」

ピークォド(まさか、こいつ)

ピークォド「英語はしゃべれるか」

「」

ピークォド(応答がない)

ピークォド「こちらピークォド。エイハブ! エイハブ!」

「」

ピークォド「・・・・・・・英語はわかるか」

ピークォド「おい! 聞こえるか!」

「」

ピークォド(だめか)

ピークォド「これ以上は無理だ、視界がきかない」

ピークォド「一時退避! 通信を切る!」

ピークォド(たのむ、もう一度連絡を)

そう思った時だった

「ボスはここにいる」

ピークォド(きた!)

ピークォド「エイハブ本当か!」

ピークォド「誰だ、誰が話している」

なんとなく、わかっていた。

そのきれいな灰色の声は、何度も近くで、鼻歌を通して聞いていた。

「助けに来て、お願い」

ピークォド「・・・・・・場所を教えてくれ! 位置はわかるか!」

「・・・・・・・・・・・」

「駄目、離れてる」

「旋回して、八時」

ずっと、待ち望んでいた声を、聴いていた。

ピークォド「了解、誘導してくれ」



「十時の方向」

「戻して、一時」

淡々と冷静に、『声』は誘導を続ける。俺はただひたすら、その言葉に従った。

「微調整、左」

「そのまま直進」

「あと1.5」

「そう、もっと右」

「もう少し」

「そう、そっち」

「あと1マイル」

「風がくる、微調整、右」

「左、少しだけ」

「そう」

「方向を保て! 早く!」

「あと0.5!」

見えた。

二人の姿が。

今まで、動物と戯れていた、彼女の姿と。

その彼女が誰よりも慕う、ボスが。

クワイエット「ピークォド見えた! 機影を確認」

彼女のその声は、希望の光が差すように、耳に届いた。

ピークォド「エイハブ! こちらも見えた!」


クワイエット「ピークォド早く。急いで」

ピークォド(口を開いても、生意気なのはかわらないか)

ピークォド「君は」

ピークォド「そんなにおしゃべりだとは知らなかった、クワイエット」

クワイエット「ボスを助けて」

クワイエット「急いでピークォド、お願い」


ピークォド「医療班! 血清を!」

兵士「了解!」

ピークォド「蛇にかまれたのか、クワイエット」

ザッ

ピークォド「待ってくれ、クワイエット」

彼女に会ったとき、いろいろ言おうとしていたことがあったのだが

それはすべて吹き飛んでしまったようだった。

だから、代わりに歌を歌うことにした。

メモにしたためた、彼女の鼻歌に合う歌詞を。

へたくそながら、歌った。

するとクワイエットは

ボスと動物にしか見せていなかった、笑顔を

俺に見せてきた。

ほほを緩め、嬉しそうに、うなずいた。

それから彼女に、用意しておいた動物のアルバムを渡した。

お粗末ながら、手作りの

クワイエットはそれをゆっくりと受け取り、

(・ω・)b

いつものポーズをした。

その日から彼女は姿を消した。

なんとなく予想はできていたため、驚かなかった。

どうやら噂の声帯虫の英語株とやらに感染していたのは、彼女だったようだ。

真相を知っても、彼女が返ってくるわけじゃない。

途方に暮れ、動物保護プラットホームで、羊と戯れていた時だった。

スネーク「おい」

ピークォド「あ、ボス」

スネーク「このテープ、中にクワイエットのメッセージが入っていた」

ピークォド「ああ、おっしゃってましたね。ボス宛のメッセージ、でしたよね」

スネーク「そうだったんだが」

スネーク「B面を聴いてみてくれ」

激戦区にヘリ呼びつけてごめん
あとRETURNの指示出さなくてごめん

あとクワイエットは海の上でたら死んじゃうよ

カチャ

「ピークォドへ」

「動物にエサをあげさせてくれて、ありがとう」

「ボス以外で、私を怖がらないでいてくれたのは」

「あなたが初めてだった」

「ありがとう」

「私の歌に、歌詞をつけてくれて、ありがとう」

「とっても、素敵だった」

「少し、音痴だったけど」

「動物のアルバムをくれて、ありがとう」

「最後まで、大切にするね」

「さようなら」

>>47
右足が沈む前に左足を出せばなんとかいけるとか思ってみた

今でも俺は、あの牢獄にたまにくる。

一人で鼻歌を歌いながら。

また、いつかあの鼻歌が聞けることを、願って。

おわり

MGSTPP未プレイの方置いてけぼりのSSでした。

2次創作は久しぶりで楽しかったです。

また読んでくれたらうれしいです。

(あとクワイエット離脱阻止したから、ミッション45はようつべで見ました

オセロットが拷問で海水かけてたような
まぁなんにせよ乙

なんか真エンディングがあるらしくてPS3版だからと売っぱらったことを今後悔してる

>>52 忘れてましたごめんなさい
真END!?初耳です。もうちょいキープします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月13日 (日) 20:13:40   ID: xJxbToy0

ピークォドヘリ(船)の名前じゃないん?

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom