女「助けたんだから責任とってよ!」 男「え・・?」(178)

5日ほど前、俺は駅のホームから飛び降りた女の子を助けた。

電車とのすれ違いで俺も女の子もかすり傷程度ですんだのは運が良かったとしか言えないだろう。

ピンポーン。

男「あいあい。」

男「ん?」

女「・・・・・・・・・」

男「君は・・・あの時の?」

女「とりあえずあがらせてもらっていいですか?」

男の家

男「で、えーっと、今日は何の御用でしょうか?」

女「・・・・・・・・・」

男(この間助けたお礼に来てくれたのかな?やっぱり人を助けるってのはいいことなんだなぁ。)

女「あの・・・・」

女「なんであの時助けたんですか?」

男「・・・・・え゛?」

女「だから、なんであの時助けたのかって聞いてるの!」

男「そ、そりゃあしにそうな人がいたら助けるでしょ。」

女「余計なことしてくれちゃって・・!」

男「余計なことって・・・・」

女「いい?私は死にたかったの!それをあんたが邪魔したの!」

男「邪魔って・・」

女「おかげで死ねなかったじゃない!どうしてくれんのよ!」

男「どうするもこうするも・・・家に帰ればいいんじゃないかな?」

女「・・・・・・・!」

女「アンタ自分が何したかわかってる?アンタはあたしの人生を邪魔したのよ?!」

男「これから死のうとしていたやつが人生について語るなんて・・・」

女「うるさい!とにかくあんたには責任とってもらうからね!」

男「責任て・・・」

女「私は死んで全部終わりにするつもりだったのにアンタが私を助けたんだから責任を取ってもらうのは当たり前でしょ!」

男「具体的にはどうしろと・・・」

女「・・・・・フフ」ニヤ

女「この部屋、一人で住むには広すぎるわね。」

男「は?」

ピンポーン。

男「?・・はいはーい」

宅配「男さまのお部屋でよろしいでしょうか?こちらに印鑑かサインをお願いします。」

男「はい~。」

宅配「ありがとうござっした~。」

女「届いたのね。グッドタイミングよ。」

男「なんだこれ?うちの母さんからか?」

女「んなわけないでしょ。これは私が送ったのよ。」

男「はい?」

男「聞いてもいいか?」

女「駄目」

男「そのダンボールには何が入ってるんだ?」

女「駄目って言ったでしょ。答えないわよ。」

男「いやいやいやいや。俺の部屋あてに送っといてそれはないだろ・・・。」

女「・・・しょうがないわね。これには私の私物が入ってるのよ。」

男「?私物?」

女「そうよ。」

男「なんで私物を俺の部屋に?」

女「責任を取ってもらうからよ。」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

男「・・・・・・・・・・・・・え゛?!」

女「言ったでしょ?責任とってもらうって。」

男「責任って一緒に暮らすことなのかよ!?」

女「・・?。なんだと思ってたのよ?」

男「てっきりいちゃもん付けて金をむしりとりに来たのかと・・・」

女「あたしはんなことしないわよ!」

女「まぁアンタに拒否権なんてないけどね。」

男「・・・・お前ほんとに自殺しようとしてたのか?」

女「アンタがそれを邪魔したんでしょ?」

男「うぐ・・・・」

男「わかったよ・・・。もう好きにしてくれ。」

女「言われなくても勝手にするわよ~。」

男「で、具体的に俺は何をすればいいわけ?」

女「?。普通にしてればいいじゃない。」

男「え?そんなんでいいの?責任ってのはどこに行ったんだよ?」

女「だから私の世話をするのが責任でしょ?」

男「え~・・・。そうなの?え~・・・。」

女「なによその「え~・・。」ってのは」

男「いや~・・・。よくよく考えてみたらさ、俺も君も学校に行かなくちゃだめじゃん?世話云々の話じゃないと思うのよ?」

女「大丈夫よ。私学校行ってないから。」

男「え?行ってないの?」

女「なに?学校に行ってない女の子は駄目なの?」

男「そんなことはいってないけど・・。今時珍しいなぁと思ってさ。」

女「別に関係ないでしょ?」

男「まぁ・・・。じゃあいっしょに・・・暮らすってことでいいのかな?」

女「一緒に暮らす?・・アンタは私の世話係でしょ。」

男「お前~・・・。追い出すぞ!」

女「やれるもんならやってみなさい。ただし、男と女、裁判になったらどっちの立場が強いのかしらねぇ・・・」

男「・・・・ぐっ。」

男「じゃあ俺が学校のある日はどうするんだよ?」

女「いいわよ。その日くらい私が炊事洗濯をするわよ。」

男「・・・え?」

女「なに?私が家事をするのがそんなにおかしいの?」

男「いや・・・まぁ。今までの口ぶりからてっきり「そんなの知らないわよ!」とでも言われるのかと。」

女「んなこと言わないわよ!」

男「まぁそのことに関しては置いておくとして、君がうちに来ることをご両親は知っているの?」

女「ええ。どっちも快諾してくれたわ。」

男「・・・・・さいですか。」

女「・・・・・・。」

男「とりあえず腹が減ったな。買い出しにでも行くか。」

女「いってらっしゃ~い。」

男「いやいやスウェットに着替えてだらけてらっしゃいますけど、お前も行くんだよ。」

女「は?」

男「いやいや。は?じゃないだろ。食い物のほかにお前の生活品とかも買わなくちゃダメだろ?」

女「・・・・それもそうね。」

男「ほれほれさっさと気がえろ。」

女「これでいいでしょ?」

男「スウェットにパーカー羽織っただけかよ!」

女「スウェットだって立派な服よ。」

男「なんだかなぁ・・・。」

男「んで。なにか食べたい物とかある?」

女「油淋鶏」

男「ゆーりんちー?」

女「鶏肉の天ぷらみたいなものよ。」

男「じゃあ鶏肉を買っていけばいいか。あ、油も切れそうなんだった。」

女「じゃあ私は生活品を買ってくるわ。」

男「ん。あっ、金持ってるのか?」

女「そのくらいのお金くらい持ってるわよ。」

男(なんだかんだで一緒に暮らすことになっちまったけど、これ大丈夫なのか?)

男(まぁ家出だとすればそのうち親が連れ戻しに来るだろ。)

男(まてよ?連れ戻しに来た時あいつが俺に誘拐されてたとか言ったら・・・・)

男「俺の人生詰むな・・・・」

女(やっぱりあの人はお人よしだわ。)

女(正常な人ならすぐ追い出してハイ終わりってな流れなのに。)

女(本当にお人よしだわ・・・。)

男「買い忘れはないか?」

女「ええ。」

男「じゃあ帰るか。」

男「ただいまっと。」

女「ただいま~。」

男「さてと、飯を炊くか。」

女「おなかすいたわ。」

男「最低でもあと30分はかかるぞ。」

女「なんであらかじめ炊いておかないのよ!」

男「いやいや、理不尽すぎだろ!」

男「飯を炊く間にそのゆーりんちーだかってやつを作らないとな。」

女「お手並み拝見だわ。」

男「へいへい。ってか俺それ食ったことも見たこともないから全然作り方わからないんだが。」

女「さっきも言ったでしょ?鳥の天ぷらよ。」

男「とりあえず天ぷらにしてみた。」

女「すごい量ね。」

男「なんで800gも買ってしまったのか俺にもわからん。」

女「アンタって計画性がないのねぇ・・・」

男「うるせぇ!」

男「どう?」

女「・・・普通においしいわ。」

男「そうか。それは何より。」

女「まぁ上げるだけならだれでもできるだろうけどね。」

男「おまえなぁ・・・・はぁ。」

男「あっ!」

女「きゅ、急に何よ!ビックリさせないでよ!」

男「忘れてた。」

女「何を?」

男「布団がないよ。」

女「は?」

男「いや、正確にはあったんだが、友達がバケツ杏仁豆腐を布団にぶちまけちまったんで捨てちまったんだよ。」

女「アンタもあんただけどアンタの友達も相当なものね。」

男「おい、友達をけなすのはやめろ。」

女「別にけなしてないでしょ。」

男「あいつは少しドジなだけだ!少し・・・・少し・・。」

女「余程のもんなのね。」

男「まぁ友達の話は置いといて、布団をどうするかなぁ。」

女「あたしなら大丈夫よ。」

男「どうせ俺のベッドを使うとかって言うんだろ?」

女「ご明察。よくわかったわね。」

男「じゃあ俺はどうしろと?」

女「床があるじゃない。」

男「お前・・・・」

女「よかったじゃないこんな可愛い女の子に寝床を使ってもらえるのよ?」

男「可愛い・・・ね」

女「なによ・・。」

男「もう少し性格が丸くなればねぇ・・・」

女「持って生まれたものはしょうがないでしょ。」

男「とりあえず布団を買ってくるよ。」

女「いってらっしゃ~い。」ヒラヒラ

男「pcとかゲームとか勝手にやってていいから。」

女「もとからそのつもりよ。」

男「遠慮がねぇなぁ。」

女「今のうちね。」

カタカタカタカタ・・・

女「あいつったら、大学生の男子のくせにエロサイトの一つも行ってないですって?!」

女「これじゃあ弱みを握れないじゃない!」

女「こうなったら部屋を探すしかないわね。」

そのころ・・・

男「・・・とか考えてるんだろうなぁ・・・」

男(まぁ、そんなすぐ見つかるような場所に俺は隠さんがね。)

男「それにしても今日は出費が痛いなぁ・・・」

男「ただいまっとっと。」

女「おかえり・・。」

男(心なしか不機嫌だな。)

男「目当てのもんはみつかった?」

女「・・・何のこと?」

男「いやぁ、部屋がだいぶ散らかってるような気がしたからねぇ。」

女「・・・・チッ。」

男「ハッハッハ。まぁそう簡単に見つかるとは思えんがね!」

ピンポーン。ガチャッ。

友達「やったぞ男!ついに手に入れたぞ!念願の競泳水着の女の子の写真集だ!」


女「・・・・・・へっ」ニヤニヤ

男「nooooooooo!」

友達「いやぁ~お見苦しい姿をさらしてしまったね。」

女「いえいえ~。」

男「・・・・・・・・・・」

友達「俺は友達っていうんだ。男の昔からの友達で腐れ縁だ。腐ってると言っても腐女子的な意味じゃないぞ。」

女「私は男の親戚の女といいます。今後とも男のことをよろしくお願いします。」

男(おい親戚ってどういうことだ?)
女(そう言っておいたほうが簡単でしょ。)

友達「年下なのに男よりしっかりしてんなぁ。」

男「ほっとけ!」

男「さてと、もうそろそろ夜も更けるし、寝るか。」

女「おやすみ~。」

男「って早いなオイ。」

女「だって特にやることもないでしょ。」

男「まぁ・・・・」

男「ふぃ~。なんか今日はつかれたなぁ。」

女「・・・・ねぇ。」

男「ん?」

女「・・・なんでもない。おやすみ。」

男「はいはい。おやすみ~。」

翌朝・・・

男「んぁ・・・朝か・・・」

女「いつまで寝てんのよ。」

男「うわっ・・・・・!」

女「何をそんなに驚いてんのよ。」

男「・・・・あぁそっか。昨日から一緒に暮らし始めたんだっけ。」

女「正確には、アンタは私の世話係だけどね」

読んでる人いるかわからんですけど、いったん中断しますー

男「おっ、朝飯作ってくれたのか?」

女「昨日の残った鶏肉を使って炊き込みごはんを作ってみたのよ。」

男「へー・・・・。」

女「・・・なによ」

男「いやいやべつにー。」

女「・・・ムカツク。」

男「は~。うまかった。」

女「お粗末さま。」

男「お前普通に料理できるのな。驚いたわ。」

女「馬鹿にしてるの?あれくらい一般常識でしょ。」

男「そうか?俺は作り方しらなかったけど。」

女「あの程度のことも知らないなんてアンタって知識量が少ないのね。」

男「お前は何かにつけて悪口を・・・。」

女「言われるのもしょうがないでしょ?競泳水着くん?」

男「・・・・・それはやめろ・・・・。」

女「フフフ。」

すいません。
id変わっちゃってますけど気にせず読んでください。

男「話は変わるんだけどさ」

女「・・・なに?」

男「どして自殺なんかしようとしたの?」

女「・・・・そりゃ死にたかったからでしょ。」

男「いやいや。だからその死にたかった理由を聞いてるんでしょ。」

女「別にもう聞く必要なんかないでしょ。今は生きてるんだから。」

男「まぁ・・・それはそうだけどさ。」

男「でもそれでも助けた身としては聞いておかないと。」

女「あぁぁぁあ!もう!うるさいわね!しつこい男は嫌われるわよ!」

男「いやいやいや!そこまでしつこくないだろ!」

女「うるっさいわね!。言いたくないのよ!それくらい察しなさいよバカ!」

男「外に出て行ってしまった・・・・。あいつ何をそんなに怒ってたんだろ。」

男「・・・・・かたづけるか。」

~正午~

男「・・・帰ってこないな。せっかく昼飯作っておいたのに・・・。」

男「・・・まさか、また自殺しようなんて思ってないよな。・・・ないよな。」

~午後5時~

男「・・・・おそい・・・・。」

男(もしかして本当に事故ったんじゃ・・・)

ピッ 

ニュース(今日、電車に人がはねられ・・・・・)

男「!!」

ニュース(こちら現場の~~県××駅です。こちらは・・・・)

男「他の県・・・か。」

男「いくらなんでも遅すぎる。」

ガチャッ

男「どこ行ったんだよー!」

~駅前商店街~

男「はぁはぁ・・・あいつが行きそうなところなんて・・・わからん!」

友達「お~い、男~。」

男「・・はぁ・・・友・・達・・。」

友達「そんなに息を切らしてどうした?」

男「女を見なかったか?」

友達「ん~。いや見てないな。女ちゃんがどうかしたのか?」

男「急にいなくなったんだよ。昼にも帰ってこないし・・・。」

友達「なんかあったのか?」

男「・・別に・・・何にもないよ・・。」

友達「ふ~ん。まぁそれは置いといてだ。とりあえずさっさと探そう。」

男「でも俺あいつの行きそうな場所なんて・・・」

友達「あらそうなの。じゃあ違う方法で探すまでだな。」

男「違う方法?」

友達「もしもし。あっ源さん?大急ぎで人を探してほしいんだけどさ。」

友達「背丈は145~150で上下スウェットに赤いパーカーを羽織ってる女の子なんだけど。」

友達「分かったってさ。」

男「分かったって・・・。」

友達「あと2分もすれば返信が来るさ。」

pipipipipi

友達「ほらな。」

友達「源さんありがとう。え?そうなの?わかった~。」

男「それで?!。なんだって?!」

友達「いや、なんかさ。同じ恰好してるやつが2人いるらしい。」

男「え?」

友達「一人はあっちの河川敷。もう一人はあっこの丘ににいるらしい。」

男「・・・・・わかった。俺は丘のほうに行ってくる。友達は河川敷のほうを頼む。」

友達「はいは~い。」

女(・・・・・・・・・・・)

女(・・・・・・・・・・・)

男「やっと見つけた。」

女「・・・・あら。」

男「・・・・あら。じゃないだろ・・・。」

女「何しに来たの?」

男「探しに来たんだよ。また自殺なんて危ないこと考えてんじゃないかと思って。」

女「・・・しないって言ったでしょ。バカ。」

男「じゃあなんでいきなり出て行ったんだよ?」

女「・・・・・・・・・・・」

女「・・・・同情されたくなかったの。」

男「え?」

女「アンタに理由を話してこいつは可愛そうな奴だって思われるのが嫌だったの。」

男「そんなこと・・・・」

女「思うでしょ?アンタお人よしだもんねぇ。」

女「んしょっと。とりあえず帰るわ。せっかく迎えに来てくれたんだし。」

男「・・・・・・」

女「いつまでもそんなしみったれた顔してんじゃないわよ。」

男「バカ・・・人の気持ちも知らないで・・・」

女「・・・・・・・・・ゴメン」

女「なーんか安心したらおなかすいちゃった。」

男「さいですか・・・。おっと、友達に無事だったと報告しておかないと。」

女「他の人に頼ったの?」

男「あの状況で一人で探して見つかるかよ!」

女「まぁ・・・それもそーね。」

男「あれ・・・出ないな友達。」

女「家に帰ったんじゃないの?」

男「そうかな?まぁお礼はまた後日ってことにしておくか。」

男「ふう。やっと戻ってきたー・・・。」

女「お疲れ様ね。」

男「お前のせいだろ!」

女「ハイハイ・・・ありがとう。」

男「・・・・今何て?」

女「別になにも。」

男「さて、飯も食ったし風呂も入ったし・・・寝るか。」

女「そうね。おやすみ。」

男「あ~い。おやすみ~。」

女「・・・・ねぇ男」

男「・・んー?」

女「探しに来てくれたお礼に昔話をひとつ聞かせてあげる。」

男「昔話?」

女「むかしね、可愛い双子の女の子がいたの。」

女「姉は成績優秀でなんでもござれって感じのなんでもできちゃう人」

女「逆に妹は何にもできない落ちこぼれだったわ。」

男「・・・・・・・・」

女「勉強も、料理も、なにもかも姉のほうが上手だったの。」

男「・・・・・・・・・・」

女「男・・・たとえばの話よ?」

女「パンダっているじゃない?パンダってごくまれに双子を出産するんですって。」

男「ふーん・・・・・・」

女「でもね、親パンダは片方の子供しか育てないの。なんでかわかる?」

男「なんでって・・・・」

女「結局ね、優秀なほうがほしいのよ。親っていうのは。」

男「・・・・・・・・」

女「さっきの姉妹の話にしてもそう。」

女「姉は勉強ができる、妹はスポーツ万能みたいな感じなら優劣なんて些細なことなのにね。」

男「・・・・・・」

女「もういいわ。昔話はこれでおしまい。じゃおやすみ。」

男「・・・・おやすみ・・・。」

~翌朝~

男「・・・・思いのほか早くに目が覚めたな・・・。」

男「女はまだ寝てるし・・。今日は俺が朝飯つくるか。」

男「ハムエッグにサラダとトースト・・・コーンスープでいいか。」

男(昨日のあの話は・・・忘れたほうがいいのか・・・・。)

女「・・・・おはよう。」

男「おう、おはよう。」

女「今日は雨が降るかもね。」

男「なんで?」

女「アンタがこんなに早起きするなんて天変地異の前触れよ。」

男「お前は一日最低一回は俺を愚弄しないと気が済まないのか?!」

男「俺今日から大学いかにゃならんのよ。」

女「ふーん・・・それにしても早起きね。」

男「眼がさめちゃったんだからしょうがないだろ。」

女「で?学校だから何?」

男「これ。部屋の合鍵。」

女「アタシに渡していいの?何に使うか分かんないわよ?」

男「鍵は鍵の開け閉めにしか使わないだろ・・・」

~大学~

男「ふぃ~・・・。」

友達「よう男。」

男「ああ友達。昨日はありがとうな。」

友達「いいんだよ気にするな。」

男「ところで昨日電話したんだけどなんでつながらなかったんだ?」

友達「うーん・・・河川敷には魔物が住んでいたとしか言えないな。」

男「???」

男「そうだ。昨日世話になった源さんって人にもお礼を言わないとな。」

友達「あぁ、いいよ。俺から言っておくから。」

男「そうはいっても・・・」

友達「あの人も忙しい人だからな。」

男「そっか。」

~男の部屋~

女「・・・・・暇」

女「ひまぁ~・・・」

女「・・・・・・・・・」

女「買い物いこっと・・・。」

女(今日の晩御飯はなににしようかしら。)

女「・・・ん?」

モブ子「おかーさーん。」

モブ親「は~い~。」


女「・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・・・・」

女「・・・・・・カレーにしよ。」

男「ただいまーっと」

女「おかえりなさいあなた。お風呂にする?ご飯にする?それとも・・・・」

男「・・・・・なにやってんの?」

女「幼妻のマネ」

男「くだらねー・・・・」

女「うっさいわね競泳!」

男「それはもうやめろぉ!」

男「今日はカレーか」

女「私が作ったんだからちゃんと味わいなさいよ。」

男「はいはい。おっ、うまいよ。」

女「当たり前でしょ。私が作ったんだから。」

男「へいへい。」

男「ところでさお前って何歳なの?」

女「16。今月の終わりで17ね。」

男「・・・・・・・・・・・・」

女「なによ?」

男「いや、見た目的に13か14くらいなもんかと・・・・」

女「死ね」

男「なんだかなぁ。」

女「なによ。」

男「結婚するとこんな感じなのかねと思ってさ。」

女「用は一人暮らしかそうじゃないかの違いでしょ?」

男「女の子と二人暮らしってことがだよ。」

女「・・・・・ふーん。」

男「さて、今日も一日があっという間だったなぁ・・・」

女「爺くせぇ・・・・」

男「うるせー。」

女「・・・・今日はなんか寒いわね。」

男「・・・・そうか?」

女「そうよ。寒いわ。」

男「毛布もう一枚出すか?」

女「んなことしなくていいわよ。」

男「で、なんでこうなった・・・」

女「別にいいでしょ。アンタからしてみれば可愛い女の子と一緒に寝れる。私は暖をとれる。一挙両得じゃない。」

男「なんで急に一緒に寝たいなんて・・・」

女「・・・嫌なの?」

男「嫌じゃないけどさ」

女「ならいいでしょ。おやすみなさい。」

男(まいった・・・緊張して眠れん。)

男(いざ一緒に寝るとなったら体が動かん・・・。)

男(これもある種の金縛りと一緒だ・・・!)

男(てか、顔近い!)

男(寝息聞こえる!)

男(ん・・・・?)

男(・・・・・涙?)

ちょっとご飯作ってきます。

~翌朝~

男(・・・・・結局一睡もできなかった・・・・)

女「あら。今日もまたずいぶん早いのね。」

男「考え事をしていたら眠れなくてな。」

女「あたしと一緒に寝ていやらしい気持ちになっちゃったのかしら?」

男「・・・・・・・いや、そんなことじゃないよ。」

女「それを否定されるのはいささか腹が立つわ・・・。」

男(昨日の涙は何だったんだろうなぁ・・・。)

男「なぁ女。」

女「・・・・なによ。」

男「昨日なんか怖い夢でも見たのか?」

女「・・・・なんでよ?」

男「いや・・・昨日お前が泣いてるように見えたからさ・・・。」

女「・・・・・・・・・・・・・」

女「ずっとあたしの寝顔を見てたの?それが眠れなかった理由?」

男「いやまぁ・・・・それもだけど・・・。」

女「アンタ・・・・ちょっと気持ち悪いわ。」

男「おいおい・・・心配してるのにその言い方はないだろ・・。」

女「はいはい。・・・心配してくれてありがとう。」

男「そういえばさ、今日うちの母さんが部屋に来るんだが・・・」

女「へ~。」

男「へ~って・・・」

女「へ~以外にどういえっていうのよ。」

男「いや、だからさ俺は母さんにお前のことどう説明したらいいものかなって思ってさ。」

女「・・・・・・・彼女?」

男「お前の見た目的に俺が捕まっちゃう可能性も考慮してくれ。」

女「死ね!」

男「とりあえずお前からちゃんと説明してくれよ。」

女「は~いはい。」

男「11時ごろに来るらしいから。それまでに部屋の片づけだな。」

女「・・・・めんどくさい。」

ピンポーン

男「はいはーい。」

母「やっほー。元気してた~?」

男「いらっしゃい。十分元気だよ。」

母「それは何より。あら?」

女「はじめまして。男さんの彼女の女と申します。」

母「あら~・・・・はじめまして~。男~ちょ~っとこっちに・・・・」

男「な・・・何?」

母「アンタ彼女いたの?」

男「うん。」

母「あの子何歳なの?」

男「16」

母「あら~、ずいぶんかわいらしい子じゃないの。」

男「はは・・・・。」

母「とりあえず何かお昼でも作りましょうか。」

女「お手伝いしますー。」

母「じゃあこっちの野菜を切ってもらえる?」

女「はーい。」

母「あら、豚肉がないわ。」

男「じゃあ俺が買ってくるよ。」

母「じゃあお願いするわね。」

女「いってらっしゃ~い。」

母「女ちゃん?」

女「はい?」

母「女ちゃんは男のどこがよかったの?」

女「・・・え?」

母「あの子って特別イケメンってわけでもスポーツができるわけでもないでしょう?」

女「えぇ・・・まぁ。」

母「そうなるとどこを好きになったのか気になっちゃってね~。」

女「そうですねー・・・・。」

~20分後~

男「ただいまー。」

母「あらおかえり~。」

女「おかえり~。」

母「さてさて続きに取り掛かろうかね。」

母「これで完成っと。」

男「二人ともお疲れ様。」

母「さてと私はもう帰るわね。」

男「え?もう?」

母「このあと弟のところに行かないといけないのよ」

男「なるほどね。わかったよ。」

母「じゃあまたね。男、女ちゃん。」

女「今日はありがとうございました。お母さん。」

母「女ちゃん。」

女「はい?」

母「男のことをよろしくね?」

男「さてと、悪かったなつき合わせて。」

女「・・・別にいいわよ。」

男「さて、飯にするか。」

女「・・・・・・・・・・・」

男「どうしたんだよ?」

女「いえ・・・素敵なお母さんだったわね。」

男「そうか?」

女「・・・・そうよ。」

女「この煮物・・・おいしい。」

男「母さんの煮物はうまいんだこれが。」

女「・・・・・うらやましい。」

男「ん?」

女「なんでもないわよ・・・」

男「今日も一緒に寝るのか?」

女「・・・・・嫌?」

男「嫌じゃないけど・・・」

女「じゃあいいでしょ。」

男(今日は寝れるといいなぁ・・・)

女「男・・・寝ちゃった?」

男「・・・いや、起きてるよ。」

女「そう・・・・」

女「男・・・・」

男「・・・・なんだよ」

女「アンタに話しておきたいことがあるの。」

男「ん・・・?」

女「まず最初に嘘をついていたわ。」

男「嘘?」

女「最初にここに来た時にアタシ、親にここに来ることを断わってきたって言ったでしょ。」

男「そのことか。」

女「あれは嘘よ。だってアタシにはもう親なんていないもん。」

男「え・・・?」

女「私が15の時に両方とも死んだわ。なんでもできる姉といっしょにね。」

男「・・・・・・・・・」

女「確か車で海にドーンだったかしらね。その時私は風邪で自宅に残っていたから助かったんだけど。」

男「・・・・・・・・・・・」

女「その時は・・・・たぶんざまーみろって思ってたのかもね。私のことを見てくれない親とその原因が一緒にいなくなったんだから。」

女「でもね、いざ駄目なほうが残っちゃうと周りからの声が痛いのよ。」

女「姉のほうが残ってれば、とかね。」

女「でもね、そのくらいなら我慢できるのよ。当時アタシ中3にもなってたんだから。」

女「ただ、周りからの視線にはどうしても耐えられなかった。」

男「・・・・・・・・・・・」

女「私が嫌いだった人たちがいなくなった。私はそれで清々してる。なのに周りは私を可哀そうっていうの。」

女「今度は家族を失って可哀そうだってさ。」

女「姉がいれば比べられて、姉がいなければいないで可哀そうって言われる。」

女「それって結局さ、私の存在って誰からも認められてないってことじゃない?」

女「結局私は姉と比べられる存在でしかなかったんだよ。」

女「だから・・・姉がいなくなったら私の存在価値なんてもうないんだって思ったの。」

女「だからあたしは死にたかったんだ。」

男「・・・・・・・・・・・」

女「でもね。」

男「ん・・?」

女「私、男に助けられたこと・・・すごく感謝してる。」

男「女・・・・」

女「私バカだからさ。」

女「男から助けてもらったことで必要とされてるって勝手に思っちゃってるのかもしれない。」

女「生きててほしいって思われてるって勝手に思い込んでるだけかも知れない。」

男「思ってるよ。」

女「え?」

男「ちゃんと生きててほしいって思ってるよ。じゃなきゃこないだみたいに探しになんか行かないべ。」

女「・・・・・・・あぅぅ・・・ぅ。」

男「それに俺にはお前を助けた責任てのがあるんだろ?」

女「・・・・・・・ぅっ・・・ぅ」

男「俺にはお前が必要だよ。なんたって親公認の彼女なんだから。」

女「・・・・ひっ・ぅぅ・・・」

~翌朝~

男「腕が・・・・」

女「・・・・男?」

男「起きてたのか?」

女「・・・うん。」

女「昨日ね、男のお母さんに聞かれたの。」

男「なにを?」

女「男のどこを好きになったのかって。」

男「・・・・・・え?」

女「お母さんは男は特別顔がいいわけでもスポーツ万能でもないって言ってた。」

男「ハハ・・・・ハァ・・・。」

女「あたしもその時は優しいところって適当に答えちゃったんだけど。」

男「・・・ん?」

女「私、あの時助けに来てくれた男に一目ぼれしちゃってたんだ。」

女「私に生きる道を与えてくれた男に・・・。」

男「なんか改まって言われると照れるな。」

女「言ってるあたしのほうが恥ずかしいよ。」

女「男・・。」

男「ん・・?」

女「ちゃんと責任とってね?」


                           end

とりあえず終わりです。

長いようで短かったですけど見てくださった方ありがとー^^

後日談とかいりますかね?

じゃあ後日談の前に友達と源さんのお話を。

源さんからの電話後~河川敷~

友達「ここいらにスウェットと赤いパーカーを羽織ってる・・・いた!」

友達「おーーい!女ちゃーん!」

?「ウホッ?」

友達「!?」

~vs河川敷の魔物~

友達「こいつは・・・女ちゃんじゃない!てか人じゃないじゃん!」

ゴリ「ウホッ!」

友達「ゴリラに勝てるわけないよ!」

pipipipipi

友達「源さん?河川敷にゴリラがいるよ!助けて!」

源さん「任せろ・・・」

源さん「友達・・・そこから動くなよ・・・」

友達「え・・・!大丈夫なの源さん!?」

源さん「任せろ!」

ブロロロロロロロロォォ!

友達「源さぁぁぁぁぁぁあああん!!」

直後、源さんは軽トラックでゴリラとともに川の中へ消えていった。

すいませんおふざけが過ぎました。

後日談行きます。

~数年後~

男「おーい、あんまりはしゃぐと転ぶぞー。」

双1「へーきだよー」
双2「だいじょーぶだよー」

女「いい天気ね~。」

男「だな~。それにしても女」

女「・・ん?」

男「この晴れた日にスウェットはどうなのよ?」

女「いいじゃないべつに!スウェットも立派な服って前にも言ったでしょ。」

女「今思うと不思議。」

男「?。なにが?」

女「昔はあんなに双子っていうのが嫌いだったのに、今じゃ可愛くてしょうがないなんて。」

男「そりゃあ自分の子供だからなぁ。」

女「違うわよ。」

男「・・・?」

女「好きな人との子供だからよ。」

男「おまえ・・・またこっぱずかしいことを・・・」

双1・双2「おかーさーん!」

女「は~い~。」

双1「僕こんなのみつけたよー」
双2「あたしもこんなのみつけたー」

女「ふたりともすごいね~。」

男「お前たち二人ともきれいなもの見つけるのうまいなー。」

双1「ふへへ~」
双2「やった~。」


男「さてと、そろそろいこうか。」

女「そうね。ここに来るのも何年ぶりかしら。」

男「15ん時だから・・・8年ぶりくらいか?」


女「そうね・・正直な話あまりここへは来たくないわね。」

男「いまさら無駄な意地張ってどうするよ。」

女「来たくないものは来たくないのよ」

男「過去の因縁と決別する~とかなんとか言っといてそれじゃ話になんないだろ。」

女「う、うるさいわね!」

男「誰か来てたみたいだな。」

女「・・・・うん。」

男「それじゃあやることやっちまうか。新しい線香立ててくれ。」

女「・・・・うん。」

女「二人もちゃんとお祈りしてね。」

双1「これなに~?」

男「ここはね、お母さんのお母さんとお父さんとお姉ちゃんがいるんだよ。」

双2「いししかないよ?」

男「うーん、なんて言ったらいいのかな・・・」

女「ここの中からね、双1や双2のことを見守っててくれるんだよ~。」

双1「すげ~!」
双2「すご~い!」

男「はは、子供は素直でいいなぁ。」

女「・・・・そうだね。」

男「どうした?」

女「いやさ、実際に来てみるとそんなにいやな気持ちでもないんだなぁって。」

男「ん?」

女「あんなに嫌いだったのに、いざ来てみるとなんだかもうどうでもよくなっちゃった。」

男「過去とは清算できた?」

女「うん。・・・うんっていっていいのかわかんないけど、なんかすっきりしたよ。」

男「そうか・・。」

男「さ~て帰るか~。お前ら~戻るぞ~」

双1・双2「お~~~~!」

女「・・・男。」

男「ん~?」

女「ありがとね。」

男「はは。俺にはお前を助けたっていう重大な責任があるからな。」

女「くっさ~。」

男「ほっとけ!」

          end

短い間でしたが読んでくださった方ありがとうございましたー^^

おふざけも多少ありましたが楽しかったですー^^

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