【ゆるゆり】櫻子「名探偵櫻子ちゃんだ!」 (79)



テレビ「簡単な推理だよ、ワトソン君」



櫻子「・・・」


櫻子「か・・・」


櫻子「かっこいい・・・」





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【次の日の教室】

櫻子「うーん、ふむふむ・・・」

向日葵「どうしたんですの櫻子。虫眼鏡なんか持ってきて」

櫻子「あ、向日葵。今日から私、探偵になる事にしたんだ!」

向日葵「いきなり何ですの。それにその虫眼鏡は何ですの?」

櫻子「知らないの?探偵ったら虫眼鏡じゃん」



向日葵「・・・どうせ、昨日テレビでやってた名探偵特集に影響されたんでしょうけど。
今時虫眼鏡持ってる探偵なんて居ませんわよ」

櫻子「えー?昨日見た人は持ってたよ?」

向日葵「あれはお話の中であって・・・ちょっと櫻子どこ見てるんですの」

櫻子「うーん・・・。向日葵のおっぱいまたデカくなっただろう!」

向日葵「櫻子っ!」ベシ



櫻子「いてて・・・。推理、当たり?」

向日葵「いーかげんになさいな」

櫻子「おー、こわ・・・ん?これは・・・!」

向日葵「どうしたんですの櫻子」

櫻子「名探偵のカンが告げる!今日は、今日は・・・!」









【給食時間】

櫻子「今日の給食は磯辺揚げだー!やったー、推理、あったりー!」

向日葵「献立漂見ただけじゃありませんの」

あかり「良かったね、桜子ちゃん」

ちなつ「大好物だもんね」



櫻子「へっへー。どうだ名探偵櫻子ちゃんの完璧な推理は」

向日葵「だから推理ってのは、そういうのじゃなくて・・・ハァ」

あかり「櫻子ちゃんも昨日のテレビ見たの?」

ちなつ「あれ、面白かったよねー」



櫻子「みんなも見たの?」

あかり「うん。結衣ちゃんちでみんなで見たよ」

ちなつ「昨日、学校終わってからすぐ結衣センパイの家に全員で集まったんだよね」



向日葵「それを見て、櫻子が影響されちゃって朝からこうなんですの」

向日葵「だいたい、おバカな向日葵に探偵なんてできっこないですわよね」

櫻子「むーっ、言ったな向日葵!」

あかり「ま、まぁまぁ櫻子ちゃん・・・」



【放課後】

あかり「ちなつちゃん、部活に行こうよ」

ちなつ「ちょ、ちょっと待って・・・」

あかり「どうしたの?」

ちなつ「給食費がないの!」

>>8
セリフミス・・・
向日葵「だいたい、おバカな向日葵に探偵なんてできっこないですわよね」
              ↓
向日葵「だいたい、おバカな櫻子に探偵なんてできっこないですわよね」



あかり「ええっ!?」

向日葵「本当ですの?」

あかり「わ、忘れてきたんじゃないの?」

ちなつ「ううん、今朝、教室来てからも確かめたし・・・」



櫻子「どうしたの?」

あかり「あ、櫻子ちゃん。ちなつちゃんの給食費がバックの中になくって・・・」

櫻子「ああ、それなら」



櫻子「たぶん、あかりちゃんのバックの中じゃん」

あかり「え?」

ちなつ「は?」

向日葵「な、何を・・・?」



櫻子「いいからいいから。調べてみなって」

あかり「う、うん・・・」ゴソゴソ

あかり「・・・あっ、ちなつちゃん、コレ・・・」

ちなつ「あーっ、それ、私の・・・」

櫻子「ね?」



櫻子「へっへーん。推理、当たりー!」

向日葵「ど、どういう事ですの櫻子?」

櫻子「それはね・・・」



櫻子「まず、あかりちゃんのバックとちなつちゃんのバック」

櫻子「そっくりじゃん?」

あかり「え、うん・・・」

ちなつ「確かに・・・」



櫻子「それと、今日朝一回給食費出して確かめてたからさ」

ちなつ「う、うん・・・」

櫻子「間違ってあかりちゃんのバックにしまっちゃった可能性が1番高いと思ってさ」

あかり「へぇー・・・」



向日葵「誰かに盗まれたりとかは考えませんでしたの?」

櫻子「それはないよ。だって」

櫻子「今日は体育も教室移動もなかったんだしさ」

ちなつ「な、なるほどねー」

あかり「櫻子ちゃん、すごい!」



櫻子「ふっふーん。名探偵櫻子ちゃんと呼んでくれたまえ」

向日葵「たまたま当たっただけでしょう?」

櫻子「失礼な。ちゃんとした推理だよ」

ちなつ「櫻子ちゃん、ありがとう!」

あかり「ちょっと感心しちゃった」

向日葵「あんまり誉めると調子にのりますわよ」



櫻子「えっへん。さて、生徒会に行こうではないかワトソン君」

向日葵「誰がワトソン君ですの」










【生徒会室】




櫻子「こんにちはー!名探偵櫻子ちゃん登場!」

向日葵「いつまで続ける気ですのそれ」



綾乃「ああ、ないないナイジェリアよ・・・」

千歳「もう、先生に謝ったほうがいいんちゃう?」

向日葵「どうされたんですの先輩方?」

綾乃「それが・・・」



向日葵「先生に提出するプリントが無くなった?」

千歳「せや。それも全校生徒の分・・・」

綾乃「確かに、机の上に置いてたのに」

向日葵「消えてしまったんですの?」

千歳「せや。どうしたらええんやろ・・・」



向日葵「状況を説明してもらえませんか?」

綾乃「プリント集めて、確認したら例によって歳納京子の分がなくって」

千歳「ごらく部に行ったんや。あ、念のため鍵はかけてたで」

向日葵「帰ってきたらなくなってたんですの?」

千歳「せや。鍵はきちんとかかっとったし・・・」

綾乃「誰かほかの生徒が入ったとは考えられないわ」



綾乃「はぁ。私が副会長に就任して以来の不祥事だわ・・・」

千歳「綾乃ちゃん、そう気を落とさんと」



櫻子「・・・なーんだ。先輩方、プリントなら」

櫻子「職員室にあるはずですよ」

向日葵「はぁ?」

綾乃「え?」

千歳「ほんまに?」



千歳「生徒会室には、鍵がかかっとったんやで?」

綾乃「誰が持っていったって言うの?」

櫻子「まーまー。物は試しですよ先輩。歳納先輩のプリントも出さなきゃいけないでしょうし」

櫻子「職員室に行ってみましょう」



【職員室】

先生「おお、歳納の分のプリントか。ご苦労さん」

綾乃「先生、それで他の生徒の分は・・・」

先生「ああ、もうすでに提出してあるよ」

綾乃「え?」

千歳「ホンマに?」

向日葵「まさか・・・」


櫻子「ふっふーん。推理、当ったりー!」







【生徒会室】



綾乃「どうしてわかったの?」

千歳「ホンマやわ。教えてくれへん?」

櫻子「簡単ですよ。生徒会室に入れる人、もう一人いるじゃありませんか」



綾乃「え?」

千歳「あ・・・」

向日葵「そうですわ!」


綾乃・千歳・向日葵「「「会長!」」」



櫻子「そうです。生徒会に出入りが自由で、なおかつ気を回してプリント出しそうな人といえば」

櫻子「会長が出したんじゃないかなーって」

綾乃「大室さん、見直したわ!」

千歳「大室さん凄いわぁ」

向日葵「櫻子、今日はさえてますわね。頭でも打ったんですの?」

櫻子「うっさいなぁ向日葵は。まぁ、この名探偵にかかればこんなものですよ!」フッフーン



綾乃「・・・それじゃ、名探偵さん。もう一つ解決して欲しいことがあるの」

千歳「せやせや。これは大室さんの知恵を借りんとなぁ」

櫻子「どーぞ、何なりと聞いてください」エッヘン



綾乃「昨日、買って冷蔵庫に入れておいたプリンが」

綾乃「どういうわけか、無くなってて・・・」

櫻子「・・・へ?プリン?」

ーーーーーーーー


ーーーー


ーー



ーーーーーーー回想ーーーーーー

(昨日)
櫻子「こんにちはー!・・・って、誰も居ない」

櫻子「冷蔵庫あけちゃおーっと。フンフン♪」ガチャ

櫻子「おっ!プリンがあるじゃん。いっただきー!」

ーーーーーーーー


ーーーー


ーー



櫻子「ぷ、プリン・・・ですか・・・?」

綾乃「そうよ。楽しみにしてたのに・・・」

千歳「綾乃ちゃん、えらいガッカリしてたなぁ」

綾乃「犯人見つけたら、ギッタギタのギター侍よ!」

櫻子「ぎ、ギター侍ですか・・・」ダラダラ



千歳「それに、もし第三者が生徒会に勝手に出入りしてたんだとしたら問題やわ」

綾乃「そうだとしたら、犯人をメッタメタのデスメタルよ!」

櫻子「で、デスメタル・・・」ゴクリ

綾乃「大室さん、犯人の見当はつかない・・・?」



櫻子「そ、そうですね。あのプリンおいしかった・・・じゃなくって。うーん・・・」




櫻子「・・・全っ然、わかりません!」

櫻子「この事件は、迷宮入りであります!」

向日葵「・・・何だかイヤに早く諦めましたわね」



綾乃「そう。なら仕方ないわね。諦めるしか・・・」

向日葵「ちょっと、お待ちになって下さい先輩」

櫻子「うーん、この櫻子ちゃんの頭脳を持ってしても解けないとは・・・犯人め・・・」ウーン



向日葵「杉浦先輩。プリンはいつ頃無くなったんですの?」

綾乃「え?そうね。生徒会に来て、冷蔵庫に入れたの。それで少し用事があって席を外して、
帰ってきて、学校から帰るちょっと前に見たら・・・」

向日葵「・・・ふーん、そうですの。帰ってきた時櫻子は居ました?」

綾乃「ええ。大室さんが来てたけど・・・」

向日葵「・・・わかりました」



向日葵「・・・ところで櫻子。あなた昨日先に生徒会に行きましたよね」

櫻子「へ?そ、そうだけど・・・」

向日葵「何か、異変に気づきませんでしたか?」

櫻子「さぁ?なーんにも?」ヒューヒュー



向日葵「・・・」

向日葵「先輩方、ちょっと・・・」ヒソヒソ

綾乃「え?」

千歳「まぁ、ええで」

櫻子「な、何ひそひそ話ししてるの?」



向日葵「・・・はぁ、これは本当に難しいですわ」

向日葵「私じゃ解決できそうにありませんわこの事件は」フゥ

櫻子「でしょー?この事件は、解決不可能!」



向日葵「・・・なので、櫻子」

向日葵「あなただけが頼りですわ」


櫻子「へ・・・?」



千歳「せやで。ウチも頼むわ名探偵の大室さん」

綾乃「大室さん。見事な推理を期待してるわよ」

向日葵「お願いしますわ。天才名探偵の櫻子」

櫻子「て、天才・・・。えへへ・・・」



千歳「その推理力、ウチらのために役立ててーな」

綾乃「頼りにしてるわ。大室さんは生徒会のホープよ」

櫻子「ホープだなんて、そんな照れちゃいますよ・・・」



櫻子「・・・わかりました。それじゃあ天才美少女の名探偵櫻子ちゃんが」

櫻子「推理を披露しましょう!」

向日葵「何か、一言余計なものが増えましたわね」

千歳「どっかで聞いたことあるフレーズやわ・・・」

綾乃「IQがむやみやたらと高そうね」



櫻子「まず、先輩が席を外して、その間に誰かが生徒会に入ってここでプリンを食べちゃった」

櫻子「・・・となると、犯人は一般の生徒じゃないですね」

向日葵「あら、どうして?」

千歳「うーん、難しい・・・。わからへんわ・・・」



櫻子「簡単な事です。いつも冷蔵庫にプリンが入ってること知ってるのは、
生徒会の人ぐらいだもん」

千歳「おおー!さすが大室さんやわぁ」

綾乃「意外な盲点だったわ・・・。そこに気がつくとはさすがね」

櫻子「えへへ・・・」

向日葵「それで?」



櫻子「あと、歳納先輩もプリン入ってる事知ってるけど、犯人じゃないです」

千歳「何でなの?」

綾乃「うーん、難しいわね・・・」

向日葵「ぜひ推理を聞かせて下さいな」



櫻子「なぜなら、昨日は学校終わってすぐ船見センパイの家に集まったそうなので、
放課後に歳納先輩は学校に居なかったからなのです!」

向日葵「・・・そう言えば、給食の時にあのお二人がそんな事言ってましたわね」

千歳「完璧な推理やわぁ。惚れ惚れするわぁ~」

綾乃「大室さんは、もしかしてシャーロックホームズの生まれ変わりかしら?」

櫻子「そ、それほどでもぉ~・・・えへへ」



櫻子「なので犯人は、生徒会の人間であり、なおかつ杉浦センパイのいない間に
生徒会に来た人!つまり!」

向日葵「つまり?」

綾乃「犯人は?」

千歳「誰やの?」



櫻子「つ、つまり・・・」ダラダラ・・・











櫻子「あ、あかりちゃんかなぁ」目ソラシ

向日葵「何でですの!」

千歳「ないわー」

綾乃「・・・大室さん・・・」

今日はここまでにします。
明日また更新します



向日葵「・・・名探偵櫻子大先生によると」

向日葵「杉浦先輩が席を外して、戻ってきた時にいた生徒会の人が犯人なんですわね」

千歳「せやせや」

綾乃「そうなるわね」



向日葵「と、なると犯人は櫻子しか考えられ・・・」

櫻子「ちちち、違うよ!何言ってんの向日葵!?」

綾乃「あの焦り方・・・」

千歳「怪しいわぁ~・・・」



櫻子「そ、そうだ!他にいるじゃありませんか!」

櫻子「会長ですよ会長!」

綾乃「会長が?」

向日葵「杉浦先輩のプリンを勝手に?」

千歳「ありえへんわぁ~」



ガラガラ
松本「・・・・・・・・・」

西垣「やあみんな。今日は、と松本は言っている」

綾乃「あ、会長。丁度いい所に」

千歳「会長さん、冷蔵庫にあったプリン知りまへん?」

松本「・・・・・・・・・」

西垣「知らない、と言ってるぞ」



綾乃「・・・」ジトー

千歳「・・・」ジトー

向日葵「・・・」ジトー

櫻子「う・・・」ダラダラ・・・



櫻子「そ、そうだ会長!プリン・・・・・・ト持っていったの会長ですよね?」

松本「?」

櫻子「会長ですよね!?プリン・・・・・・・・・・・ト持っていったの?」

向日葵「往生際の悪い・・・」



向日葵「櫻子、いい加減になさいな!」ベシッ

櫻子「いってー・・・!」

松本「・・・・・・・・・」

西垣「プリントなら確かに私が提出した、と言っている」

西垣「プリンは知らない、と言ってるぞ」



西垣「一体、さっきから何の話なんだ?」

向日葵「実はかくかくしかじかで・・・」

西垣「なんだ、そんな事か。なら丁度いい。新しい発明品を試すいい機会だ」

綾乃「発明品?」



西垣「うむ。『1日前にプリン盗み食いしたかどうかがわかるぞマシーン』だ」スチャ

向日葵「何なんですのそのピンポイントな発明品は!?」



西垣「さあ、誰から試す?誰でもいいぞ」

向日葵「・・・じゃあ櫻子。試しなさいな」

櫻子「え?や、ヤダよ!」

向日葵「どうしてですの?無実を証明するいいチャンスじゃありませんの」

櫻子「だ、だって爆発するかも知れないじゃん?」



向日葵「・・・どうしても嫌だというなら」

向日葵「無理やりにでも試させますわよ・・・」ジリ

櫻子「うっ・・・」



向日葵「素直に白状するなら、機械を使うのはやめてあげます」

向日葵「・・・さぁ、どうしますの櫻子」ズイ

千歳「せやで大室さん」ズイ

綾乃「疑いたくはないけど大室さん。どうなの?」ズイ


櫻子「うっ、ううっ・・・」



櫻子「ごめんなさぁ~い!私がやりましたぁ~」

向日葵「やれやれ、やっぱり櫻子が犯人でしたのね」

千歳「まさか、探偵が犯人だったなんてなぁ・・・」

綾乃「何て意外な結末なのかしら」



櫻子「許して下さい・・・。先生の機械やだ・・・。あとギター侍もやめて・・・」

向日葵「・・・本当にすいません。櫻子のバカがご迷惑をおかけしました」

綾乃「・・・まぁ、しょうがないわね。許してあげましょうか」

千歳「おっ、綾乃ちゃんは優しいなぁ」



綾乃「さっきのプリントの件もあったし。ご褒美の代わりよ」

向日葵「杉浦先輩、本当にすいません・・・。ほら、櫻子もちゃんと謝りなさいな」

櫻子「うっ、うっ・・・。杉浦先輩、ごめんなさい・・・」

綾乃「いいのよいいのよ。顔を上げて大室さん」



西垣「どうやら、一件落着のようだな。・・・それでは」

西垣「『なんだかいい感じのムードになるマシーン』を起動しよう」

向日葵「それ、『1日前にプリン盗み食いしたかどうかがわかるぞマシーン』じゃ
なかったんですの?」



西垣「はっはっは。そんなわけあるまい。大室にちょっとカマをかけてみただけだ」

向日葵「そうだったんですの」

綾乃「すっかりダマされましたわ」

櫻子「えっ?えっ?鎌がどうしたの?」

千歳「あの機械はプリン食べたかわかる機械じゃないって事や」



西垣「この発明品は、いい香りを発しながらリラックスできる周波数の曲を・・・
まぁ、試した方が早いだろう」

西垣「それでは、スイッチ・オン!」

西垣「・・・あれ?」シューシュー・・・


向日葵「・・・これは」

綾乃「まさか・・・」

千歳「・・・名探偵でなくても次の展開が予想できるわぁ」



綾乃「に、逃げるわよ!」

千歳「ちょ、ちょっと待ってーな」

櫻子「・・・そうか、わかったぞ。これは爆発オチだ!」

向日葵「バカな事言ってないで逃げますわよ櫻子!」


ピカッ



櫻子「へっへーん、推理、当った」


ドッゴォォーーー・・・ン・・・






終わり

以上です。読んでくれて感謝です

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