ケンシロウ「世紀末からもう13年かぁ」(125)
199x年
世界は核の炎に包まれた!
海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた……
だが
ジャギ「ケンシロウ、雪掻き手伝ってくれ」
ケンシロウ「今耳掻きで忙しい」ホジホジ
ジャギ「……」
ケンシロウ「お、めっちゃ取れた」
ケンシロウ「そういえばジャギ、今年はまだお年玉をもらっていないが」
ジャギ「家の手伝いもロクにしない奴が何言ってんだ!」
ガラッ
ラオウ「ジャギ」
ジャギ「なんだ? まさかラオウ兄者までお年玉とか言い出すんじゃないだろうな」
ラオウ「そんな事言わん」
ラオウ「男子高校生の日常の新刊が出たようだ。買ってこい」
ジャギ「金の無心以下じゃねぇか!」
ケンシロウ「ジャギからお年玉を貰えなかった……去年までくれてたのに……」
シン「で、それを俺に愚痴ってどうするつもりだ」
ケンシロウ「お
シン「断る」
ケンシロウ「ユリアー!!」ガクゥッ
シン「やめろ! ユリアが可哀相になるから泣き叫ぶのはやめろ!」
ケンシロウ「……」スクッ
シン「?」
ケンシロウ「お年玉を貰う為に、地獄の底から這い戻ったぜ!」ビシッ
シン「お前の執念……というかプライドの無さには感心するわ」
ケンシロウ「お年玉を渡して貰おうか」バキボキ
クラブ「また始まった……」
モヒカン「kingも相手にしなきゃいいのに」
ダイヤ「というかそろそろ業務に戻って欲しい」
シン「ハァァ……」スス
シン「帰れケンシロウ!」バッ
ケンシロウ「フンッ!」ガシッ
シン「なに!?」
ケンシロウ「オオオオォォ……!!」ゴゴゴッ
ゴチンッ
ケンシロウ「いてっ!?」
ユリア「やっぱりシンの所にいた! 何やってんのよ!」
ケンシロウ「げぇ!? ユリア!」
ユリア「げぇって何よ、げぇって!」
ユリア「ごめんねシン、またケンシロウが仕事の邪魔して」
シン「いや、(ユリアに会えたし)全然構わん」
ケンシロウ「ほら! シンもこう言ってるし、お年玉争奪戦の続き」
シン「調子にのるなッ!」ズブッ
ケンシロウ「うぶぅ!?」ブシャッ
ユリア「ジャギさん、ケンシロウ連れてきたわよ」
ジャギ「やっと現れおったか」
ケンシロウ「寒っ!! 超寒っ!!」ガタガタ
ユリア「そりゃ革ジャン一枚じゃあね」
ケンシロウ「雪掻きとか……ジャギお得意のガソリン点火で済ませりゃいいだろ……」ガタガタ
ジャギ「そんなの頭おかしい人じゃあねぇか」
ジャギ「ほら、ちゃんと雪掻きしたらお年玉やるから」
ユリア「ジャギさん、あまりケンシロウを甘やかしちゃ……」
ジャギ「毎日毎日せびられる身にもなってくれよ」
ユリア「うー……」
ジャギ「な、ケンシロウ、兄者達も呼んできて……っていねぇし!」
ケンシロウ「あー、コタツあったかいわぁ」
トキ「ケンシロウ、雪掻きはどうした?」
ケンシロウ「俺には耳掻きがある」ホジホジ
ジャギ「何勝手に戻ってんだ!」ガラッ
ケンシロウ「だって寒いし」ホジホジ
ジャギ「もう絶対お年玉なんかやらんからな! いいか絶対だぞ!」
ケンシロウ「こんなに寒いの中、雪掻きせねばならぬのなら……お年玉など要らぬ!!」ピシャーン
ユリア「いいから外に出なさい」グイッ
ケンシロウ「いだだだだ!? 耳もげるって!!」
ジャギ「ったく……」
トキ「ケンシロウは仕方ないな」ハハ
ジャギ「いや、トキ兄者も今年こそ大学卒業しろよ?」
トキ「」
ラオウ「ジャギ、男子高校生の日常はあったか?」
ジャギ「いや、買いに行ってねぇし」
ラオウ「北斗剛掌波!」ゴウッ
ジャギ「ぎゃあ!?」ドカァッ
ジャギ「イテテ……何しやがる!」
ラオウ「うぬこそ、男子高校生の日常の新刊を買ってこぬとは何事だ!」
ジャギ「何事って、俺は兄者のパシリじゃねーよ!」
トキ「そうだぞラオウ」
ジャギ「おう、トキ兄者からも言ってやってくれ!」
トキ「ジャギは私達のパシリではない。身体を拭いてくれたり、点滴を替えてくれたり、ブザーを押すとすぐ」
ジャギ「介護士でもねーよ!」
…………
シュウ「いやー、凄い雪ですね園長」ザクッ
サウザー「うむ」ザクッ
シュウ「子供達は雪に大はしゃぎですね」ザクッ
サウザー「雪掻きは大変だがな」ザクッ
エンチョウセンセー
サウザー「ん?」
サウザー「ふむ、かまくらか」
シュウ「今年は大雪ですからね、さぞ大きいのが出来たでしょう」
コレダヨー
サウザー「!?」
ジャーン! スゴイデショ
サウザー「これは……聖帝十字陵!!」
ガシッ
シュウ「今飛び乗りそうになったでしょ」
サウザー「な、何の事かな?」ギクッ
……
センセーバイバーイ
サウザー「フハハ、風邪に気をつけるんだぞ」
サウザー「さて、子供達も帰ったし、事務処理を……」
サウザー「……しかし、この聖帝十字陵、よく出来てるな」
サウザー「……」ウズウズ
サウザー「南斗鳳凰拳奥義」ザッ
ズボッ
サウザー「!? 足が」
ボゴォ
ウワァァァァ…
ドドドドド
シュウ「雪が屋根から落ちたのか」
シュウ「何か、園長が穴に嵌った時の叫び声が聞こえた気がするけど……気のせいか」
シュウ「園長遅いなぁ。事務処理進まないよ」
3日後、冷たくなったサウザーが雪の中から発見された
ユリア「ほら、キリキリ動きなさい!」
ケンシロウ「うう……腰が」ザクッザクッ
グニュ
ケンシロウ「ん?」
ユリア「どうしたの?」
ケンシロウ「なんか変な感触が」パッパッ
ジュウザ「」★
ケンシロウ「!?」
冷たくなったジュウザ(ホームレス)も発見された
ラオウ「ぬう……仕方ない。出掛けるとするか」
トキ「いってらっしゃい」
ラオウ「時に、うぬはずっと座りっぱなしでつらくないのか?」
トキ「ああ、結構慣れてるしね」
ピキーンッ
トキ「あうっ!?」
トキ「足が……」
ラオウ「なんだ、痺れたか」
トキ「足が勝手に……!?」
北斗神拳奥義 残悔積歩拳
トキ「うわ!? え!? 嘘でしょ!?」ヨロヨロ
ラオウ「……」ガラッ
トキ「いやいや! 窓開けなくていいから! 止めて」
グラッ
トキ「あ――」
ボスンッ ←雪に倒れ込んだ音
ラオウ「……」
ラオウ
ラオウ「なんだ」
タスケテ
ラオウ「……」
サムイヨ
ラオウ「……」
ラオウ「体を愛えよトキ……」バサッ
エッ
ラオウ「走れ黒王号!」パシッ
イトエジャネーヨ!!
仕事いってくるので中断
ケンシロウ「シュウが失明したのって俺の所為なんだよな……」
シュウ「いや、ウチのかみさんの『だーれだ』が目にクリティカルヒットして」
ケンシロウ「普通は目にヒットすらしないだろ」
シュウ「他の女を見るとすぐ目潰ししてくるやつなんだ」
ケンシロウ「サウザーの額のポッチは何だ?」
サウザー「ただのホクロだ」
ケンシロウ「これに何か南斗鳳凰拳の秘密があるんじゃないのか?」
サウザー「無いって」
ケンシロウ「またまた」グニッ
サウザー「うっ」
ケンシロウ「えい」グニッ
サウザー「うっ」
ケンシロウ「えい」グニッ
サウザー「うっ」
サウザー「やめろ!」
ウィィン
ラオウ「ぬう……ここも取り寄せか」
ラオウ「隣駅のたちばな書店に行くしかないか」
黒王号「ブルル」
ラオウ「待たせたな黒王。寒かったであろう」パッパッ
ラオウ「!?」
ラオウ「サドルが盗まれた……」
ジャギ「兄者ー、昼飯は何に……って寒!?」
ジャギ「なんで窓開けっ放しなんだよ……」ガラ
ジャギ「…………? おかしいな、トキ兄者がコタツにいない」
トキがいない
窓開けっ放し
雪山に人型の穴
ジャギ「ああ!? 兄者ー!!」バッ
その後、雪山から無事冷たくなったトキが発見された
休憩終わり
次書き込めるのは明日になります
おやすみなさい
ラオウ「……」
ジャギ「兄者、いつまでも落ち込んでんなよ」
ケンシロウ「黒王の鞍なんか盗んでも邪魔なだけだろうに」
ラオウ「……」
ジャギ「気持ちは痛い程分かるぞ」
ケンシロウ「一昨年バイクをあべしされたしな」
ジャギ「……!!」グググッ
ケンシロウ「悪かった! あれは本当に悪かった!」グググッ
ラオウ「……」
ジャギ「……はぁ」
ケンシロウ「ラオウ、そろそろ3時だ。気分転換にホットケーキでもどうだ?」
ラオウ「……」
ジャギ「兄者の好きな蜂蜜も用意してあるぞ」
ラオウ「……」
ラオウ「マーガリンも付けてくれるのか……?」
ジャギ「ああ、出来立てにのっけてやる」
ラオウ「……」
ラオウ「ようやく哀しみを背負う事ができた……!」ムク
ジャギ「ほっ」
ケンシロウ(ラオウがまた一つしょうもない事で哀しみを……)
ジュー
ラオウ「ジャギよ、これはもう食べられるのか?」
ジャギ「まだひっくり返してねーよ。慌てるな」
ケンシロウ「何故ホットプレートなんだ? フライパンの方が早く焼けるだろうに」
ジャギ「馬鹿、目の前で出来上がった方が旨そうに見えるだろうが」
トキ「…………知らない天井だ」ムク
ケンシロウ「あ、生き返った」
ジャギ「知ってる天井だろ。自分ちなんだから」
ラオウ「もう食べられるか?」
ジャギ「焦るなって!」
スーパーサザンクロス
ケンシロウ「って感じで、ホットケーキを作ったんだ」
シン「ふむ」
ケンシロウ「子供向けの食べ物かと思ってたんだが、これが結構美味しくてさ」
シン「ほう」
ケンシロウ「最初はジャギに焼いてもらってたんだけど、見てる内にだんだん自分で焼きたくなって最後はヘラの取り合いになったよ」
シン「で、何が言いたい」
ケンシロウ「俺達もホットケーキを作ろう」
シン「ウチのスーパーの食材じゃねーか! しかもなんで肉が混じってんだ! 関係ないだろ!」
ケンシロウ「駄目かー」
シン「帰れ帰れ!」
ケンシロウ「待てって! せめて肉だけ」
バタン
シン「やれやれ……」
モヒカン「あ、本当にホットプレート用意してある」ガチャ
ダイヤ「ケンシロウの言う事だから、嘘だろうと思ってたけど、まさか本当だったとはなー」
シン「何の事だ?」
クラブ「やだな、ホットケーキパーティーの事っスよ」
シン「ホットケーキパーティー……?」
マッド軍曹「いやーたまにはいいですな、職場の仲間と職場でお茶会も!」
モヒカン「ですね! 年甲斐もなくワクワクしてきました!」
シン「……」
シン「おや? パーティーなのに飲み物がないようだが?」
モヒカン「あ! イケネ!」
カーネル「私が取ってきますよ」
シン「チョイスは任せる。残りはホットケーキのタネ作りにかかるぞ」
クラブ「合点!」
シン「ケンシロウ、今回の事は水に流してやる」
眠気が限界なので寝ます
おやすみなさい
ケンシロウ「世紀末からもう11年か」
これの続き? 作者本人?
おはようございます
仕事いってくるので、続きは明日の朝以降になります
>>58
そうです
……
ジャギ「なぁ、今週の日曜なんだが」
ケンシロウ「おまっ!? ジャスティスの一撃は止めろって言ったろ!」デストローイ
ラオウ「ぬぅはははははは! 気絶する方が悪いのだ!」
ケンシロウ「ならば俺もスレイヤーを出さねばなるまい」
ラオウ「スレイヤーなど微に砕いてやるわ!」
ジャギ「……」
トキ「今週の日曜がどうしたんだ?」
ジャギ「ああ、休みが取れたからどっか遊びに行こうかと」
ケンシロウ「よし、サイパンだサイパン」ポイ
ラオウ「この拳王の名を海外に轟かせる良い機会だ」ポイ
ジャギ「日帰りでサイパンなんか行けるか! 車で遠出する程度だ!」
日曜日
ジャギ「なんだかんだで結局行くのな」
ケンシロウ「暇だからな」
ジャギ「暇とか言うなら働けよ!」
ラオウ「俺は拳王! 拳王は決して職になど就かぬ!」
ジャギ「就けよ! 言ってて恥ずかしくないのか!?」
ケンシロウ「ジャギ」
ジャギ「なんだ」
ケンシロウ「ジャギはよく俺達を遊びに誘ってくれるが、友達いないのか?」
ジャギ「お前ぶっ飛ばすぞ?」
トキ「皆乗ったな? 忘れ物はないか?」
ラオウ「狭い……」ギュウギュウ
ジャギ「レンタカーなんだからあまり汚すなよ」
ケンシロウ「んぅ~~~ッ!!」グググッ
ケンシロウ「たわばっ!?」バリッ
ラオウ「ぬわ!? 何をやっておる愚弟が!」
ケンシロウ「ジャギ! ピザポテトがー!!」
ジャギ「お前言ったそばから汚してんじゃねーよ!」
トキ「うぷ……」
ジャギ「まだ発進してねーし!」
ブーン
ジャギ「何か音楽かけるか?」
ケンシロウ「む……そうか、cdか……盲点だった」
ジャギ「dvdも見れるっぽいな。tsutayaに寄るか?」
トキ「私は用意してきたぞ。ジャギ、イカちゃんを再生してくれ」
ジャギ「ブルーレイは無理だな」
トキ「もはやこれまでか……」ガクッ
ジャギ「露骨にへこむなよ」
ラオウ「ならば俺の用意したラーメンズのdvdを」
ジャギ(出た)
トキ(やっぱり出た)
ケンシロウ(これだからラーメンズ信者は……)
ジャギ「あまり画面ばかり見てると、トキ兄者が酔うんじゃないか?」
ラオウ「ぬう……だが気が紛れるやも知れぬぞ」
ジャギ「……それもそうだな」
ラオウ「よし、早速再生だ」ウィィ
ナカノオーエヌオージェーエフエム
ラオウ「プフフ……ッ」プルプル
トキ(見飽きた)
ジャギ(見飽きた)
ケンシロウ「お、滑らない話もある」ガサガサ
トキ「ジャギ、どこに向かっているんだ?」
ジャギ「ワカサギ釣りに行こうかと思ってる」
トキ「おお、釣りか」
ケンシロウ「釣ったそばから油で揚げて食べるやつか?」
ジャギ「そうそう。この間ジャコウ社長とその話題になってさ」
トキ「ワカサギの素揚げか……夢が広がるな」
ケンシロウ「考えたら涎が出てきたぞ」ジュル
ジャギ「自分で釣ったのを食うのは格別に美味いからな。腹空かせておけよ?」
トキ「ああ、わかった」
ケンシロウ「ジャギ、このおにぎり食べてもいいか?」
ジャギ「お前話聞いてなかったのか!?」
ショウガナイナーマキコチャンハ
ラオウ「ぬぅはははははははは!!」
ブーン…
……
ジャギ「着いたぞー」
ラオウ「はぁ……はは……腹が痛い」
ケンシロウ「!? うわ寒!?」ブルッ
トキ「ジャギ、私の分も楽しんできてくれ」バタン
ジャギ「戻るな! ちゃんとダウンジャケット用意してあるから!」
ケンシロウ「うまっ! 鮭おにぎりうまっ!」
ジャギ「馬鹿食うなやめろ!」
ジャギ「集合ー」
ケンシロウ「はい」
ジャギ「俺達の陣地はここ。で、氷に開いた穴からこの仕掛けを垂らす」
トキ「餌は?」
ジャギ「いきなり虫をつけるのは厳しいかと思って、人工餌を買ってきた。これ小さく切ってつけてくれ」
ラオウ「ぬう……小さ過ぎる……」チマチマ
ジャギ「そこからか……」
トキ「雪景色が美しいな……」
パシャ
ジャギ「トキ兄者は雪が似合うな」
トキ「はは……ありがとう」
チリン
ジャギ「お、引いてるぞ!」
トキ「よ、よし!」ジリジリ…
ピチピチ
トキ「とったぁ!」
ジャギ「やったな! 結構デカいぞ!」パシャ
トキ「命は投げ捨てるものではない」リリース
ジャギ「おぅ!? アホー!!」
ラオウ「冷えるな……」
ジャギ「ほら、卵スープ」
ラオウ「ぬ、助かる」ズ…
ラオウ「トキの方は入れ食いみたいだな」
ジャギ「群があの辺にいるのかな」
ジャギ「まぁワカサギは回遊魚だし、そのうちこっちにも来るさ」
ラオウ「そうだな」
ケンシロウ「撒き餌作戦!」ザーッ
ジャギ「うわ馬鹿! 何やってんだ!」
ケンシロウ「だって釣れないんだもん」
……
ジャギ「飯の準備出来たぞー」
ケンシロウ「待ってました!」
ジャギ「素揚げは今から作るから揚げたてを食ってくれ。そっちの網焼きはもう食べられるぞ」ジュワー
トキ「モグ……うん! 美味い!」
ケンシロウ「あひっあひぃ! れもうまい!」ハフハフ
ラオウ「ぬ……小さい形をしてなかなかジューシーではないか!」
ケンシロウ「ジャギ、ジャギ、あーん」
ジャギ「や、やめろよ恥ずかしい!」
ケンシロウ「あーーーん」
ジャギ「……あー……モグ。うめぇ!」
トキ「私が釣ったんだぞ?」
ケンシロウ「はいはいはい、トキにかんぱーい!」
ジャギ「あっという間になくなったな」
ケンシロウ「まだ少し物足りないな」
トキ「腹も膨れた事だし、そろそろ再開するか」
チリンチリン
ジャギ「ん? 誰かのがヒットしてるぞ」
ケンシロウ「ラオウのだな」
ラオウ「ぬぅ!?」
ジャギ「兄者、バレる前に早く!」
ラオウ「お、おう!」ドタドタ
ラオウ「くぁ!?」ズルッ
ズテーッ
ケンシロウ「プフッ」
ラオウ「かァー!!」グワッ
ジャギ「おおう! 立ち上がった!」
ラオウ「ぬぅあ!」ガシッ
ケンシロウ「ラオウ必死だな」
ラオウ「ぬぅ……ぬぅ……」ジリジリ
トキ「ラオウがワカサギ用の竿を持つと余計小さく見えるな」
ジャギ「手のひらサイズだからな」
ケンシロウ「凄くシュールだ」
ラオウ「ジョイヤッ」バシャッ
ジャギ「おお! いっぱい釣れたな」パシャ
ラオウ「ぬぁははは! 見たか!」
ケンシロウ「……ん?」
トキ「どうした?」
ケンシロウ「なんだか……ワカサギの様子が」
ワカサギ「……!!」ビチビチビチビチビチビチ
ジャギ「なんか……凄い暴れてるな」
ラオウ「むぅ……」ジロッ
ワカサギ「げぴっ!?」ビクッ
ラオウの前では、ワカサギも死を恐怖した
夕飯というか朝食というか
ご飯食べて来ます
ラオウ「ジャギ、早速唐揚げにしてくれ」
ジャギ「わかった。ちょっと待ってろ」
ケンシロウ「これで釣れてないのは俺とジャギだけか」
ケンシロウ「トキ、場所替わってくれないか?」
トキ「おっ、ちょっと待ってくれ。」チリンチリン
トキ「ははは、いやー楽しいなー」ジリジリ
ケンシロウ「……」
ケンシロウ「……ジャギ」
ジャギ「んあ? どうした、残悔拳食らったみたいな面して」ジュワー
ケンシロウ「トキが場所替わってくれない……」
ジャギ「あんだけ釣ってまだ釣り足りないか。トキ兄者もしょうがないな」
ジャギ「ラオウ兄者ぁ! 唐揚げ出来たぞー!」
ジョイヤーッ
ジャギ「じゃあ俺んとこで一緒に釣るか」
ケンシロウ「いいのか?」
ジャギ「気にするな。と言っても、俺もまだアタリが無いんだけどな」
ジャギ「じゃあ俺は穴開けてるから、ケンシロウはそこ使ってくれ」
ケンシロウ「わかった」チャッ
ジャギ「……待て待て」
ケンシロウ「ん?」
ジャギ「なんで丸々一本餌付けてんだ」
ケンシロウ「大物釣りたいから」
ジャギ「小さく切って使えって言ったよな!?」
ケンシロウ「聞いてなかった」
チャプ…
ケンシロウ「大物が釣りたいのに……」
ジャギ「そういうのは、一匹でも釣ってから言え」ゴリゴリ
チリンチリン
ケンシロウ「あ」
ジャギ「え!? もうヒットしたのか?」
ケンシロウ「ホォア~ッ!!」ジリジリ
ジャギ「ゆっくりだぞ? 俺らが本気で巻いたら簡単に壊れるからな?」
ケンシロウ「釣れた!」ピチピチ
ジャギ「3匹か! 上出来だな」
ケンシロウ「大物が釣りたい」
ジャギ「いや、これも結構デカいんだぞ?」
ケンシロウ「きた! またアタリだ!」ジリジリ
ジャギ「やったじゃないか」ゴリゴリ
ケンシロウ「2匹か。丸々太ってて美味そうだ」ピチピチ
ジャギ「ケンシロウ、それ子持ちだぞ。やったな」ゴリゴリ
ケンシロウ「こいつらは網焼きで食べよう」
ジャギ「焼いてくるか? 釣った魚を肴に飲みながら釣るのが、ワカサギ釣りの醍醐味だからな」
ジャギ「できたぞケンシロウ……って、またいっぱい釣ったな!」
ケンシロウ「ハハハ! もう入れ食いでさ、面白いように釣れるんだよ」
ジャギ「よーし、俺も負けねーぞ!」ゴリゴリ
ケンシロウ「うまっ! ワカサギうまー!」チャプ
ジャギ「うし! 準備完了だ。竿竿……」
ケンシロウ「はー……飽きた」
ジャギ「ええ!?」
…………
ジャギ「結果発表!」
パチパチパチパチ
ジャギ「一位はトキ兄者。62匹」
トキ「ワカサギが滅びぬよう手加減はした」
ジャギ「二位はケンシロウ。20匹」
ケンシロウ「60って異常だろ」
ジャギ「三位はラオウ兄者。15匹」
ラオウ「ぬう……ケンシロウに負けるとは」
ジャギ「ビリは俺。2匹。ボウズだけは避けたな」
ジャギ「楽しかった人ー!」
ラオウ「む、白鳥がおるわ」
ケンシロウ「痩せたな……レイ」
トキ「白鳥用の餌が売ってるぞ」
ジャギ「……」
こうして、北斗四兄弟のワカサギ釣りは終わった!
自分の力でワカサギを釣った時の喜び!
そのワカサギを食べた時の充実感!
ワカサギ釣りを通して様々な経験をしたケンシロウ達は、大きな達成感に包まれていた!
そして、口には出さぬものの、心の中で「ありがとうジャギ」と感謝の言葉を呟くのだった!
ケンシロウ「くかーっ」
ラオウ「ぐぉーっ」
トキ「ンガッ」ビクンッ
ジャギ「酒くせぇ……」
ブロロロ…
ピンポーン
ユリア「はーい」ガチャ
ケンシロウ「ユリア、これ」
ユリア「わ、何? プレゼント?」
ケンシロウ「ワカサギ釣りに行ってきたから、お裾分け」
ユリア「え、なんで誘ってくれないの?」
ケンシロウ「あ、忘れてた」
ユリア「……」
今日はここまでです
ご愛読ありがとうございました
初代スレ
ケンシロウ「世紀末からもう11年か」
二代目
ケンシロウ「世紀末からあと3ヶ月で12年か」
この辺読んでおくとより楽しめるかも
トキ「ラオウ、今度は貴方がみかんを取ってくる番だぞ」
ラオウ「拳王は決してコタツから出ぬ! そんなに食べたくば、自分で取ってくるんだな」モゾ
トキ「約束が違うぞ! ほとんど一人で食べておいて、その言いぐさはないだろう!」
ラオウ「ふん! トキが遅すぎるだけだ! 皮を剥くのにどれだけ掛かっているんだ」
トキ「ラオウは剥き方が汚すぎる。片付ける身にもなれ!」
トキ「さあラオウ! すぐに散らかした皮を片付けてみかんを取ってくるんだ!」
ラオウ「俺は誰の命令も受けぬ! 例え神の命令でもな!」
ガラッ
ラオウ「ぬ!?」
ケンシロウ「私は神だ」
ラオウ「……何を言っているんだ?」
ケンシロウ「傍若無人な奴め。貴様に罰を与えよう」
ケンシロウ「全ての神よ、そして全ての生命よ、この民に罰を与えたまえ」
ラオウ「ぬ!? 我が頭上に死兆星が!」
ラオウ「ぐぁ!? くっ、苦しい! この拳王がこのような形で……ぐうッ!」
ケンシロウ「かの者に死の恐怖と、己の業に対する後悔を。そして、100万年に渡り煉獄の炎で」
ラオウ「がぁ!! 胸が苦しいッ!! はっ、はがぁぁぁあ!?」
ラオウ「わたしだ」
ケンシロウ「お前だったのか」
ラオウ「また騙されたな」
ケンシロウ「全く気付かなかった」
ジャギ(またこの流れかよ……)ズズッ
ケンシロウ「暇を持て余した」
ラオウ「神々の」
ケンシロウ・ラオウ「遊び」
ケンシロウ「みかん持ってきたぞ」
トキ「ありがとう」
ラオウ「みかんには飽きた。塩辛い物が食べたい」
ケンシロウ「そんなに食べたいなら、自分で買いに行けよ」
ラオウ「拳王は決してコタツから出ぬ!」
トキ「ならばおとなしく夕飯を待て、ラオウ」
ラオウ「ぬぅ……」モゾ
ラオウ「あむ」モグ
ケンシロウ「結局食べるのか」
ラオウ「夕飯まで大分時間があるのだ。仕方なかろう」モグ
トキ「仕方ないで私達の倍以上食べられても困るのだが」
ラオウ「ぬ」
トキ「ひとの手は借りぬ! とか言っておきながら、みかんを食べるのですらひとの手を借りてるではないか」
トキ「全く、世紀末覇者というより、ただの意地っ張り」
ガシッ
トキ「ぐうッ!?」
ラオウ「トキ……俺を愚弄するのか!」グイッ
ケンシロウ「愚弄というか、事実だよな」モグモグ
ラオウ「黙れ愚弟! うぬはそこで大人しくすべらない話でも見ておれ!」
ケンシロウ「はいはい」
ドサッ
トキ「ゲホッゲホッ!」
ラオウ「さあ立てトキ! どちらが上なのかはっきりさせてやるわ!」ゴウッ
トキ「仕方あるまい……」スッ
ジャギ(……これも暇を持て余したネタの前振りなんだよな)ズズッ
ラオウ「はあぁぁぁ!!」ゴゴゴ
トキ「……」スススッ
トンッ
トキ「む!」
ラオウ「トキ、貴様の拳は受けの拳! この狭い室内では自由に逃げ回る事はできぬ!」
ラオウ「俺の剛拳いつまで受けきれるかな!?」グォッ
ジャギ「優勢に立つとラオウ兄者は強気だな」モグ
ケンシロウ「汚いなさすがラオウきたない」モグ
このSSまとめへのコメント
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