友 「よぅ、おはようさん」
男 「はよ…」フワァ
友 「眠そうだな」
男 「夜更かしって楽しいよね」
友 「まぁ否定はしないがな」
男 「最近深夜番組が面白くって…」
友 「どうせアメトークとかだろ」
男 「ナイトスクープだよ」
友 「分かってるなお前」
男 「ナイトスクープ以上に面白い番組は無いと思ってる」
友 「同意」
男 「もちろん一番は小ネタとパラダイスだよな」
友 「西田が泣く回に決まってんだろ」
男 「………」
友 「………」
男 「無駄な争いはやめておこう」
友 「そうだな…」
―教室―
男 「1限なんだっけ?」
友 「体育」
男 「バカでねーの?」
友 「うちは工業高校並みに体育に熱心なのさ」
男 「バカでねーの?」
友 「俺にバカバカ言うなよ」
男 「あーメンドクサイ…」
友 「フケんの?」
男 「中身によるかも」
友 「マラソン」
男 「俺は頭痛が痛いから保健室だ」
友 「そっくりそのまま伝えるな」
男 「やめてください」
男 「さてと…」
男 「定番の屋上にでも行くかな」
男 「実際屋上が開放されてる学校なんて少ないけどね」
―屋上―
男 「ふぃ、階段きっち…」
? 「意味わかんない意味わかんない!」
男 「?」
男 (誰かいる?)
女 「なんなのよもう…」グスッ
男 (うわ、泣いてるよ…)
男 (つかあれ隣のクラスの女じゃないか)
男 (あいつもサボりか、まぁ友達いないみたいだし)
女 「あーもう、さいてー…」グスッ
男 (どうするよ、俺)
男 (まいっか、黙ってベンチで寝てれば…)ガタッ
女 「!?」
男 (何故こんなところに備品のパイプ椅子が!?)
女 「なによアンタ…?」ナミダメ
男 「いやそのあの…」オロオロ
女 「ふんっ」プイッ
男 (そっぽ向かれたし)
女 「笑えばいいじゃない、高飛車な私が授業サボって一人屋上で笑ってるって」
男 (自覚あったんかい…)
男 「別に笑わないけどさ…」
女 「…あっそ」
男 「………」
女 「………」
男 (き ま づ い)
女 「………」グスッ
男 (まだ泣いてるし…)
男 (なにか話題、話題を…そうだ!)ピーン
男 「なぁお前さ!」
女 「なに」
男 「ナイトスクープ好き?」
女 「は?」
男 (ミスったー!)
効果音多すぎじゃね?
男 (関西でもないのに学生がそれも女子が知ってるわけが…)
女 「…パラダイスは面白いと思うわ」
男 「ははは、ですよねー」
男 (…あれ?)
女 「アンタも好きなの?」
男 「あぁ、うちは親が2人とも関西出身だから見るのが当たり前ってか…」
女 「…そう」ニコ
男 「おぅ」ドキン
男 (普通でもかわいい部類だけど笑うとなかなか…)
>>10
気になるなら減らすわ
女 「授業サボったの?」
男 「まぁ、体育めんどいし」
女 「そ」
男 (なんかいまいち距離がはかりづらい…)
男 「マラソン面倒だもん」
女 「どうして春にやるのかしらね」
男 「冬にやるのもわかんねーけどな」
女 「確かにね」
男 (機嫌はいいのか…?)
女 「…泣いてた理由とか、訊かないのね」
男 「あー、えと訊いて欲しかった?」
女 「いきなり訊かれたらキレてた」
男 (現代っ子怖い…)
男 「そりゃ泣いてる理由とか訊かれるの嫌でしょ」
女 「そうね、でもいるのよ」
女 「そうやって偽善を振りかざしてくるヤツって」
男 「さいですか…」
女 「もしかしたら話を聞いてほしいのかもね」
男 「聞こうか?」
女 「ふふ、初対面のクセに随分お人好しね」ニコ
男 「偽善かな?」
女 「まぁ、人の心にズカズカと入り込んでくるようなヤツよりマシなんじゃない?」
女 「そうね…」
女 「やっぱりいいわ」
男 「あらら」ズルッ
女 「大した話でもないし、聞くだけで苦痛になるほど面倒な話よ?」
男 「そこまでかよ…」
女 「ま、アンタに話してもいいと思える時までアンタと話す程の仲だったら聞いて頂戴」
男 「はーいよ」
女 「それじゃ、そろそろチャイム鳴るから」
男 「あぁ、じゃあな」
―教室―
友 「ただいまんもす」
男 「おつかれさまんさ」
友 「まったくお疲れだよまったくまったく…」
男 「よっぽど疲れたのな」
友 「あぁ、お前サボって正解」
友 「ちんたら走んなってキレられてよ、男全員グラウンド6周追加だぜ?」
男 「どんまい」
友 「はぁ、俺もサボりゃあよかったよ」
男 「まぁいいじゃんかよ別に」
友 「なーんか機嫌いいな」
男 「小一時間寝たからね」
友 「あぁそうかチクショウ」
―昼休み―
男 「めし!」
友 「今日私弁当なのよ」
男 「じゃあ俺は学食で一人飯ですね」
友 「友達いないのな」
男 「悲しいね」
モブ男 (お前の場合)
モブ女 (誰が誘ってもダメじゃん…!)
友 「学食行くならパン買ってきてくれよ」
男 「駄賃」
友 「あんぱん」
男 「よしきた」
―購買―
男 (俺もパンにしよ)
行列 「ズラリ」
男 (うと思ったんだがなぁ…)
男 (まぁいいか、並ぼ)
男 「お」
女 「あら」
女 「よく会うわね」
男 「そっすね」
男 「お前もパン?」
女 「パンじゃないのにここに並ぶ?」
男 「ごもっとも」
女 「後ろ、別に入ってもいいわよ」
男 「マジっすか!?」
女 「えぇ、私の順が変わるわけでもないし」
女 「なにより、知り合いでも無い男と密着なんて気持ち悪くて耐えられないわ」
モブ男 「ガーン」
男 (本人の前で言うなよ…)
男 「しかし俺も今日出会ったばかりの男なわけだけど?」
女 「そこのモブよりはマシよ」
男 「実は俺が変態、それもかなり特殊なタイプの変態だったらどうするよ?」
女 「例えば?」
男 「夜中に出会った女の子の髪をポニテにしちゃうとか」
女 「それはかなり特殊だけどまぁ今害が無ければいいわ」
女 「それに例えとして出してる地点でアンタは違うってことでしょ?」
男 「た、確かに…」
女 「それに人を見る目には自信があるの」
男 「そうね」
女 「バカにしてるでしょ。まぁ偽善者じゃないだけマシね」
男 「善人でもないよ?」
女 「それでいいのよ」
―屋上―
女 「で、どうして着いてきてるわけ?」
男 「俺特殊なタイプの変態だから一緒にパンを買った女の子をストーキングしちゃうの」
女 「それは難儀な性癖ね」
女 「まぁ別に構わないけど」
男 「心が広いっすね」
女 「器が大きいのよ」
男 「口も大きいみたいですが」
女 「褒めないでよ照れる」
男 「お前に口で勝てる気がしないわ」
寝ます
女 「それ、全部あんぱん?」
男 「モチのロンでさぁ」
女 「飽きないの?」
男 「あんぱんに飽きる奴は素人ですよ」モキュモキュ
女 「なによそれ」アムアム
男 「パンにあんこをぶちこむって発想がすげぇよね」
男 「ノーベル賞ものだよ」
女 「想像力の勝利ね」
女 「あとそのパン屋はあんぱんで世界の平和にでも貢献したの?」
男 「俺の胃袋に超貢献してる」
女 「それはノーベル賞ものね」
男 「で、そろそろどうよ?」
女 「はい?」
男 「君と飯を食えるくらいの仲にはなったけど、話す気には?」
女 「あぁそれ」
女 「まだまだね」
男 「そうけ」
女 「私はものすごーく性格がアレな上にものすごーく空気を読まないから」
女 「誰かに話す時はものすごーく面倒なお願いをすることになるかもね」
男 「なんだよそれ」
男 「ちなみにどれくらいアレなの?」
女 「話し相手がアンタしか居ないくらいにアレ」
男 「それは相当なアレだね」
女 「ほら、あれよあれ」
女 「僕は友達が少ない?」
男 「ごめん萌えアニメよく分かんない」
女 「あら、高校生で漫画好きの男ってみんなあぁ言うの観てるんじゃないの?」
男 「知りませんよ俺も友達が少ないですから」
女 「類友ってヤツね」
女 「じゃあ何なら分かるの?」
男 「ロボットとかアクションとか?」
女 「どうせあれでしょ? 種死おもしれーとか禁書やべーとかでしょ?」
男 「ボトムズ面白いですぅ」
女 「oh...」
男 「スクライドやべー」
女 「それは中々にやばいわね」
女 「ナイトスクープ好きだったり妙に古いアニメが好きだったり…」
女 「良く言えばセンスがいい、悪く言えばオヤジね」
男 「もうね、同世代が種おもしれーアクエリオンやべーけいおん神とか言ってたらイライラしてくる」
女 「そりゃあ友達もできないわね」
男 「でもアクエリオンの合体ギミックはカッコいいよね」
女 「本編は?」
男 「………」
女 「ようはにわかが嫌いなんでしょ?」
男 「別に好きだっていうのはいいけどさー」
男 「狭い了見の中でしか物を知らないのにしたり顔で語んないで欲しい」
女 「分からなくはないけどね」
男 (…なんでこんな話してんだ俺?)
女 「ごちそうさまでした」
男 「ごちそうさん」
女 「結局あんぱんだけね…」
男 「あんぱんおいひかったですぅ」
女 「別にいいけど。じゃ、教室帰るわね」
男 「はいよ、またな」
女 「えぇ、もしまた機会があればね」
友 「おぉぉぉとこぉぉぉぉぉぉ!!」
男 「………」
男 (残念だなぁ…)
友 「お、俺というものがありながらぁぁぁぁぁ!!」
男 「キモい」
友 「ナズェダー!!」
男 「落ち着け」
友 「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」
男 「ルラギッテ無いから、用件は何だ」
友 「女が出来たのかよー…」
男 「はい?」
友 「隣のクラスの女と飯食ったんだろ?」
男 「あ、はい」
友 「専らの噂だよ、誰ともつるもうとしない男と女が付き合い出したって」
男 「付き合ってねーし、今日初めて会ったよ」
友 「初めて会った奴と仲良く飯食うわきゃねーだろ!」
男 (めんどくせぇぇぇ)
男 「落ち着いた?」
友 「取り乱してすまん」
友 「オーケーブラザー状況を整理しよう」
男 「どんとかもん」
友 「ユーは体育をサボタージュして屋上に向かった」
男 「意味的にはボイコットの方が正しいけどね」
友 「すると女も同じく屋上でサボ」
友 「ここまではオーケー?」
男 「おけー」
友 「なんとなくウマが合った2人は仲良く歓談」
友 「一度はそこで別れそして昼休みに購買でばったり」
友 「そのまま軽い冗談を交わしながら一緒にランチ」
男 「大体そんな感じ」
友 「爆発しろ」
友 「ナズェお前ばかりにフラグが建つ!?」
男 「オンドゥルはもういいって」
男 「それにそんなにフラグとか建てた覚えないし」
友 「どの口が言うか!!」
男 「!?」
友 「むかしっから人畜無害な立ち振舞いとちょっと童顔で可愛いからってホイホイ女子を入れ食いしやがって!!」
男 「いや、彼女いない歴イコール年齢…」
友 「黙らっしゃい!」
友 「それに告白の断り方もイケメン過ぎるんだよ!」
友 「『好きって気持ちが無いのに付き合うのって、君に失礼だと思うんだ』」キリッ
友 「なんなんだよ! 漫画のキャラか!?」
男 (知らねぇぇぇぇ)
友 「ふーっ、ふーっ…」
男 「れれれ冷静になれ!」
友 「この毒虫めぇっ!」
男 「ひでぇ言われようだ」
友 「頼む、俺も混ぜてくれよ!」ドゲザ
男 「もう少し、ほんの少しでいいから話に整合性を持たせようよ」
男 「まあとりあえずだけど、無理だと思う」
友 「何故だ!」
男 (オンドゥルやめた…)
男 「お前みたいなタイプが一番嫌いそうだからな」
友 「根拠、根拠を!!」
男 「うるさい」
友 「ごふ!」
男 「めんどくさい」
友 「げふ!」
男 「しつこい」
友 「がふ!」
男 「あとうるさい」
友 「そげぶ!」
友 「って被ってるだろ!」
男 「つか女は他人嫌いそうだから、誰でも無理じゃない?」
友 「お前は!?」
男 「ほら、俺って一応この話の主役らしいから」
友 「そういう話良くないと思うんだ」
男 「場転したら君は全てを忘れているよ」
友 「は? 場転?」
男 「ほら、昼休み終わるよ」
男 「それとほら、あんぱん」
友 「先に渡せよ!」
―放課後―
男 「終わった終わった」
友 「あっれぇ…?」
男 「どしたん」
友 「いや何かでお前に注意をしたような気がするんだが…」
男 「…はっ」
友 「何その勝ち誇った笑顔というか嘲笑」
男 「君は知らなくていいことだよ」
友 「ゲーセン行こうぜゲーセン~」
男 「ふと時間が空いたときに暇だからゲーセン行こうかっていう発想に落ち着くのは甘えだと思う」
友 「なにその思想」
男 「だからいい子は黙ってお家に帰るべきだと思う」
友 「じゃあお前んち」
男 「嫌よ図々しい」
友 「そんなに?」
男 「今日は帰って録り溜めた番組を観るの」
友 「俺も混ぜてくれよ~」
男 「君は観てるとき五月蝿い」
友 「うっ、否定できない…」
男 「分かったらとっとと家に帰ってママンのパイパイでもしゃぶってな坊や」
友 「それ下手しなくても暴言だからな」
男 「もうめんどい…」
友 「寂しいこというなよぉ~」
男 「はぁ…」
女 「あら?」
男 「うん?」
友 「あい?」
女 「本当によく会うわね」
男 「まったくですなぁ」
女 「運命でも感じた?」
男 「生憎運命論は信じて無いんだ」
女 「奇遇ね。私もよ」
友 「おーい」
男 「運命だなんだなんて詭弁だと思わない?」
女 「そもそも運命論なんてものは宗教色が強いから、詭弁であって当たり前なのよ」
男 「なるほどなー」
友 「俺もいるよー?」
女 「でもたまには運命論を信じてみようかしら?」
男 「ほほう?」
女 「運命を感じた気がしたから一緒に帰ってみましょうか」
男 「オーケー把握」
女 「そう」
女 「それとそこのゲテモノは何かしら?」
男 「俺の連れのゲテモノだから無視していいよ」
友 「」
女 「そう、でもゲテモノが視界に入っているというのは耐え難い苦痛だわ」
友 「」グサッ
女 「ゲテモノはゲテモノらしくモザイクでもかかっていればいいのに」
友 「」グササッ
女 「いっそ名前を伏せ字にでもしましょうか」
女 「その方が色々と疲れないし目も汚さずに済むわね」
● 「」グサササッ
男 (うわぁ…)
● 「うわぁぁぁぁぁん!!」ダダダ
女 「台詞も伏せて頂戴な」
● 「●●●●●●●●●●」ダダダ
男 (やるのかよ…)
女 「これで視界が綺麗になったわね」ニコ
男 「あはい」
男 「なるほど、高飛車で毒舌って言われてる意味が分かったよ」
女 「毒舌はともかく高飛車はあまり納得いかないのだけれどもね」
男 「いや、十分だよ…」
女 「あらそう、誉め言葉として受け取っておくわね」
男 「ポジティブシンキングっすね」
女 「それにしてもあのゲテモノはよかったの?」
男 「自分で追い払いましたやん」
女 「まぁそうね」
男 「なんでそんなに男を寄せ付けないんだ?」
男 「実はレズビアン…」
女 「失礼ね、別に男だけ嫌いというわけじゃないわよ」
女 「人間嫌いとでも言っておこうかしら」
男 「すなわち俺は人間じゃないと?」
女 「自分が好かれていると思うなんて、とんだ自意識過剰ね」
男 「ま、運命だなんだと言われて嫌われてると思う人は多分病んでるよね」
女 「あら、論破されちゃったかしら?」
男 「論破ってほどかよ?」
女 「そろそろ学校からも離れてきたわけだけど、どこまで着いて来るつもり?」
男 「別に着いて来てるわけじゃないんだけどさ」
男 「君を家の前くらいには送ってあげるつもりだけど?」
女 「あら気が利くわね、そういう男はモテるらしいわよ」
男 「伝聞なんすね」
女 「実際それだけでモテるかどうかなんて知らないし」
女 「それにわざわざ送らなくてもいいのよ?」
女 「実は真逆に家がありますとかだったら悪いし」
男 「俺の家もこっちなの」
女 「そう」
女 「じゃあまた明日、会う機会があればね」
男 「おぅ」
女 「………」テクテク
男 「………」スタスタ
女 「………」ピッ
エレベーター 「ウィン」
女 「何階ですか?」
男 「七階っす」
女 「じゃあ一緒の階ですね」
男 「そうなんすか…」
女 「………」
男・女 「同じ家かよ」
男 「知らなかったぁぁぁぁ」
女 「私も流石に驚き呆れたわ…」
男 「運命感じる?」
女 「えぇ、中々にドラマチックだわ」
男 「これで隣の部屋同士とかだったら笑えるね」
女 「えぇ、最高に面白いわ」
男 「…やぁお隣さん」
女 「…お世話になりますお隣さん」
女 「呆れた、ここまで来ると最早ギャグね」
男 「いや、あんまり笑えない訳だけど」
女 「夜中にけらけら笑っているのはアンタだったわけね」
男 「え、そんなに五月蝿かった?」
女 「えぇ、響き渡ってるわよ」
男 「大分おさえてるつもりだったんだけどな…」
女 「…まさか」
男 「ん?」
女 「ちょっと、家にあがりなさい」
男 「ほぇ?」
男 (何故今日出会ったばかりの女子の部屋に上がり込んでいるんだろう…)
女 「はい、お茶」
男 「ありがとうござーます」
女 「お茶請けが欲しかったら自分の家に取りに行ってね」
男 「酷いなぁ」
女 「本当ならお茶を出さなくてもいいのよ」
男 「いただきまーす」
女 「どうぞ」
女 「で?」
男 「はい?」
女 「気づかないの?」
男 「何が?」
女 「…アンタの部屋の位置は?」
男 「西側ベランダ付き」
女 「ここのベランダから見える景色に見覚えは?」
男 「…めっちゃあります」
女 「部屋まで隣同士だったのね…」
男 「なんで気づかなかったのか」
女 「私が朝早いからじゃないかしら」
男 「そんなもんかねぇ?」
女 「それに、アンタ引っ越しの挨拶に来なかったでしょう?」
男 「…あー父ちゃんと母ちゃんに任せてた気がする」
女 「ま、子供には関係無いものね」
女 「人間って案外気づかないものね」
男 「興味がある範囲でしか物事を捉えないからね」
女 「その通りね」
女 「でも私に興味は無いのかしら?」
男 「今日と言う日がくるまではね」
女 「言ってくれるじゃない」
男 「意外と普通の部屋だね」
女 「失礼じゃなくって?」
男 「別に貶してるわけじゃないって」
男 「こう、普通に女の子っぽいってかさ」
男 「もっとこう、常軌を逸した部屋かと思ってた」
女 「やっぱり貶してるわけね」
男 「違うってばよ」
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