エリカ「私達の関係が噂されているわ」 (32)

みほ「どういうことですか?」

エリカ「恋人とか」

みほ「…どうして?」

みほ「私とエリ…逸見さんって本編だと一回しか会話してませんよね?」

エリカ「メタいこと言わないの。それとエリカでいいわ。私もみほって呼ぶから」

エリカ「私とあなたでドロドロとした関係だなんて噂されてるわ」


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みほ「そもそも私達の関係は」

エリカ「元同級生で戦車道の対戦相手。ま、精々友達よね」

みほ「友達…」

エリカ「ちょっと、何嬉しそうなのよ!」

みほ「えへへ」

エリカ「まったくもう、そんなところは変わらないのね」

みほ「そうかな?」

エリカ「そうよ」

エリカ「ところで珈琲のおかわりは?」

みほ「御願いします」

エリカ「ミルクと砂糖は二つずつよね」

みほ「覚えててくれたんですね」

エリカ「たまたまよ。たまたま!」

みほ「お茶請けが私の好きなマカロンなのも?」

エリカ「たまたまって言ってるでしょ!」

みほ「うふふ」

みほ「こうやって二人で話すのもいつ以来かな」

エリカ「みほが転校して以来かしらね」

みほ「あの頃は放課後こうしてお喋りしたね」

エリカ「私も少しは体を鍛えてるつもりだったけど練習はきついしで」

エリカ「基礎体力を付けるためのあそこまで走り込むことになるとは思わなかったわ」

みほ「そうかな?」

エリカ「貴方と隊長は西住流で鍛えられてたから平気なのよ」

みほ「エリカさんもすぐに慣れたじゃないですか」

エリカ「憧れの西住まほ隊長の前で情けない格好できるわけないじゃない」

エリカ「それに顔色一つ変えずにこなしていくみほに負けたくなかったし」

みほ「そうだったんだ」

エリカ「正直みほのことを侮っていたわ。しっかりした隊長とおっとりした妹なんて思ってたし」

エリカ「蓋を開けたらどっちも凄い技量の持ち主だもん」

みほ「エリカさんも十分凄いと思うよ?」

エリカ「それからはよくこうやって戦車道のことで話をしてたわね」

みほ「戦術論や陣形の細かい話から他の車両との連携について」

エリカ「その時のノートはまだ残ってるわよ」

みほ「ホントだ。懐かしいなぁ」

エリカ「このボコの書き込みはみほよね」

みほ「こっちは小梅さんかな」

エリカ「あの子もいたわね」

エリカ「努力のおかげで三人して車長になれたわね」

エリカ「って、ホントに戦車道のことばっかりよね」

みほ「元々黒森峰には娯楽が少ないから」

エリカ「流石にノンアルコールビール飲むのもねえ…」

エリカ「って、そうだ。忘れてたわ」

みほ「?」

エリカ「ほら、みんなでコンビニのジュースに付いてる応募券集めたじゃない」

みほ「ちょっと歩いてコンビニまで行ったよね」

みほ「お姉ちゃんにはロードワークって行っておいたけど」

エリカ「応募券を25枚集めて応募しよう!なんてみほが言い出すなんてね」

みほ「賞品が限定ボコぬいぐるみだったからつい…」

エリカ「みほが転校する前が締め切りでみほはそれどころじゃなかったけどね」

みほ「あうう…」

エリカ「さて、珈琲おかわりは?」

みほ「御願いします」

みほ「ところでエリカさん」

エリカ「なに?」

みほ「部屋の奥にある段ボールは?」

エリカ「……」


エリカ「みほが転校したあと、抽選が発表されたの」

エリカ「みほの分、小梅の分、私の分で送ったのだけど」

エリカ「何故か当選したのは私の分だった」

エリカ「あの頃は私もみほの転校がショックでそれどころじゃなかったし」

エリカ「急に副隊長に任命されて忙しくなってそれっきりだったのよ」

エリカ「別にみほのために残しておいたんじゃないんだからね!」

みほ「あ、はい」

みほ「じゃあ、まだ開けてないんですね?」

エリカ「そんなに目をキラキラさせたみほを見るなんて初めてよ」

エリカ「そうね、とにかく開けましょう」

みほ「はい!」

エリカ「えーと、限定ボコぬいぐるみセット当選おめでとうございます…セット?」

みほ「わあー限定のボコが二つも!」

エリカ「こんなクマのどこがいいのかしらね」

みほ「エリカさんはボコの可愛さが分からないんですか?」

エリカ「可愛いってのはぎりぎり理解出来なくもないけどどうしてこんなにボロボロなのよ」

みほ「それじゃあ今度ボコミュージアムに行きましょう!」

エリカ「ボコミュージアムって島田流がスポンサーになったって言うあれ?」

みほ「はい!」

エリカ「分かったわよ。あー、でも学園艦の寄港予定を見る限り行けるのは明日だけね」

みほ「すぐ行きましょう!」

エリカ「ボコのことになるとそうなるのも変わらないわね」

みほ「だってボコだから」

エリカ「はいはい」

エリカ「そのボコのぬいぐるみは持って帰っていいわよ」

みほ「本当に!?」

エリカ「元々巻き込んだのはみほじゃない」

みほ「それじゃあ半分こしましょう」

エリカ「まさか割るの?」

みほ「そこまではしません!」

みほ「この黒いのはエリカさん」

エリカ「こっちの白いのはみほね」

みほ「諦めてた限定ボコが手に入るなんて」

エリカ「そんなに喜んでてもらえたら十分よ」

みほ「ありがとうございます!」

エリカ「そろそろ暗くなってきたけど今日はこっちに泊まるんでしょ?」

みほ「そうなんだけどお姉ちゃんが実家に帰ってるから」

エリカ「しょうがないわね。今もう一つ布団出すから」

みほ「エリカさん!?」

エリカ「明日はボコミュージアムなんでしょ?大洗まで帰ってたら間に合わないじゃない」

エリカ「そっちに枕があるからそれを使って」

みほ「はい!」



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エリカ「ねえ、まだ起きてる?」

みほ「エリカさん?」

エリカ「大学選抜との試合、私はみほの役に立てたかしら?」

みほ「え?」

エリカ「みほが転校する前はね、凄く楽しかったの」

エリカ「まほ隊長がいて、みほがいて」

エリカ「小梅も一緒になって放課後に勉強会をして」

エリカ「それがずっと続くものだと思っていたの」

エリカ「去年の全国大会決勝戦」

エリカ「プラウダは強かったけど十分に勝ち目はあった」

エリカ「なんてたって天下の西住姉妹よ」

エリカ「それに自惚れだけど私だって少しくらいは何かが出来たと思う」

みほ「自惚れだなんてそんなこと」

エリカ「けどあの事故が起きた」


エリカ「みほのことを批難する人は多かったけど私は間違いじゃないと思う」

エリカ「だからみほが転校するって聞いたときは悔しくて悲しかった」

みほ「エリカさん…」

エリカ「その後は必死だったわ。みほの抜けた穴を埋めるのに」

エリカ「副隊長に任命されたのもその頃だった」

エリカ「みほみたいに上手く出来るか不安だったしね」

エリカ「抽選会でみほを見たときは複雑な気持ちだった」

エリカ「戦車道を辞めてなくて嬉しかった」

エリカ「けど、素直に喜べなかった」

エリカ「ルクレールでは意地悪なこともしちゃったしね」

エリカ「私はみほと一緒に戦車道がしたかったの」

みほ「私と一緒に…」

エリカ「みほが隊長で私が副隊長で…」

エリカ「小梅もいて、みんなで黒森峰で戦車道を」

みほ「…ごめんなさい」

エリカ「やめてよ。私がみほの立場でもきっとそうしてたわ」

エリカ「だから今回の大学選抜との試合は本当に嬉しかった」

エリカ「また一緒に戦車道が出来てよかった…」

みほ「私も…またお姉ちゃんとエリカさんと一緒に出来てよかった」

みほ「最後にエリカさん達がパーシングを倒してくれなかったらきっと負けてました」

エリカ「そう言ってもらえると嬉しいわ」

みほ「あの3台の連携は凄かったからセンチュリオンと合流されたら私とお姉ちゃんでも」

エリカ「よかった…」

エリカ「ねえ」

みほ「なぁに?」

エリカ「また一緒に戦車道、出来るわよね?」

みほ「…うん」

エリカ「約束よ」

みほ「うん、約束」

エリカ「じゃあ、早く寝ましょう」

エリカ「明日はボコミュージアムなんだから」

みほ「はい」

エリカ「おやすみ」

みほ「おやすみなさい」

エリカ「…ありがとう、みほ」



酔った勢いで書いたので変なところあるかも知れません
後でHTML化依頼出して来ます

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