―――屋上
泰葉「…………」
泰葉(まるで空を覆い尽くすような星の海……綺麗だな……)
泰葉「……手が届きそう」スッ…
泰葉(ふふ、なんて――)
がちゃ……ぎぃ
P「――あ。やっぱりここだったか、泰葉」
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泰葉「わっ、あ、Pさんっ……」
P「なにしてるんだ? 手なんか伸ばして」
泰葉「い、いえ……なんでもないですっ」
P「そうか?」
泰葉「は、はい。……えっと、私を探しに来てくれたんですか?」
P「ああ、いつの間にかいなくなってたからさ」
泰葉「すみません……一言声をかければ良かったですね。わざわざありがとうございます」ペコリ
P「ふふ、いえいえ」
泰葉「2人は……李衣菜と加蓮はどうしてますか?」
P「ん? 2人ならお祝いのジュースやらお菓子やらで、はしゃぎまくってたよ」
泰葉「お祝い……『スターライトステージ』でしたよね。出演するのが今から楽しみです」
P「うん。様々なプロダクションのアイドルたちが一堂に会して、それぞれが磨いたパフォーマンスを披露する……」
泰葉「まさに夢のような舞台、ですね。……そんなイベントに私たちが呼ばれるなんて……」
P「んー……信じられない、か?」
泰葉「……少しだけ。Pさん……Pさんは、今の私たちでも……通用すると思いますか?」
P「思うよ」
泰葉「そ、即答ですか」
P「だって、泰葉たちが俺を信じてくれたからな。だから俺も、みんなを信じてる」
泰葉「……!」
P「ずっと見てきたんだ。汗を流して一生懸命レッスンしたり、夜遅くまで特訓したりしてたこと」
泰葉「……そうですね。李衣菜や加蓮と一緒に……成功を喜んだり、失敗を悔しがったりしました」
泰葉「思えば……そのたびに成長してきてたんだな、って気がします」
P「だろ? だから大丈夫。お前たちなら必ず、最高のステージに出来る!」
泰葉「……ふふ。なんだかPさんと話していると、不思議と不安がどこかにいってしまいます」
P「あはは、そりゃ良かった」
泰葉「たしかに……そうでした。うん、私たちは……きっと、他のアイドルよりもずっとずっと輝けるはず」
泰葉「他の子には負けない。私と、李衣菜と、加蓮が一番だってこと……証明してきますから!」
P「お、急に強気になったな」
泰葉「ふふっ、ロックでしょう?」
P「はは、専売特許取られて怒るんじゃないか?」
泰葉「ふふふ♪」
P「まぁ……人気商売だから、勝ち負けもいいけど。楽しむことも忘れずにな」
泰葉「あ、それはもちろん。まずはなにより笑顔、です。私たちも、観客やファンの皆さんも」
P「あぁ。キラキラの笑顔、見せてくれ」
泰葉「はいっ。この、満天の星より……ずっとずっと清かな、最高の笑顔をみんなにお届けします……!」
P「おー、星よりも――って、たしかに今日の星空すごいな……! 都会でここまで星が見えるなんて」
泰葉「ふふ、さすがにプラネタリウムよりは少ないですけど……綺麗ですよね」
P「まぁ……人気商売だから、勝ち負けもいいけど。楽しむことも忘れずにな」
泰葉「あ、それはもちろん。まずはなにより笑顔、です。私たちも、観客やファンの皆さんも」
P「あぁ。キラキラの笑顔、見せてくれ」
泰葉「はいっ。この、満天の星より……ずっとずっと清かな、最高の笑顔をみんなにお届けします……!」
P「おー、星よりも――って、たしかに今日の星空すごいな……! 都会でここまで星が見えるなんて」
泰葉「ふふ、さすがにプラネタリウムよりは少ないですけど……綺麗ですよね」
なんだと……まさかの二重投稿
P「だな……。思わず手を伸ばしてみたくなるな」
泰葉「う」
P「……ん? あ、だからさっき手を伸ばしてたのか、泰葉」
泰葉「……なんのことでしょう」プイ
P「ふふ……照れちゃって」
泰葉「暗くて良かった……顔、多分赤いです」
P「星明かりで見えてるぞ?」
泰葉「もう……Pさんは無粋です。ふふっ……♪」
―――
P「――さて、そろそろ戻るか。いい加減冷えてきたし」
泰葉「はい。……あ、すみませんでした。せっかく呼び戻しに来てくれたのに、長話を……」
P「なんの、いつだって聞くよ。それが俺の役目だ」
泰葉「ふふ……。本当、Pさんがプロデューサーで良かった」
P「よせやい、へへへ」
泰葉「くすっ……♪」
P「足元気をつけてな、暗いから」
泰葉「平気です。だって、ほら――」
ぎゅ……
泰葉「こうすれば……暗くても、たとえ星明かりも届かなくても……」
泰葉「安心して、前に進めますから!」ニコッ
P「泰葉……!」
P「ほんと手ぇ冷たくなってるな。やっぱり冷えちゃったか」
泰葉「私がスベったみたいになってるじゃないですか! もう!」カァッ
―――
――
―
ちひろ「すぴー……ふにゃあ、もう飲めにゃいぃ……んふふへへぇ……♪♪」ムニャムニャ
P「ああもう! 性懲りもなくお酒隠し持ってたなこの人! あんだけ言ってなんで言うこと聞かないんだよ、ったく!」ガサガサ ゴトゴト…
泰葉「……やっぱりこうなってたのね」
李衣菜「あ、あはは……。加蓮と2人で、今度のイベントのことで盛り上がってたらいつの間にかね……」
加蓮「いっつも酔い潰れるまで飲むんだから、ちひろさんってば……すぐ寝ちゃうからこっちに害はないけど」
泰葉「Pさん、手伝いましょうか?」
P「あーいや、いいっていいって。大人の不始末は大人が、ってな……どっこいせっと、ほら自分で動いてちひろさん!」
ちひろ「うにゅぁ~……」
泰葉「そ、そうですか……」
李衣菜「泰葉、代わりにこっち手伝ってくれない? 空のペットボトルとかお菓子の袋とか……」
泰葉「ああ、うん。私がいない間もけっこう飲んだりしてたんだ」
李衣菜「ご、ごめんね。Pさんが探してすぐ戻ると思ってたからさ……」
泰葉「ううん、私の方こそごめんなさい……Pさんを独り占めにしちゃって。ふふ♪」
李衣菜「あー、それ言っちゃう? だったらとことんそっちのこと聞いちゃうけど?」
加蓮「もぐ。もぐもぐも、もぐもぐ?(泰葉。Pさんといったいなに話してたの?)」サクサクサク…
李衣菜「ってまだなんか食べてるし!?」
加蓮「ごくん。……ポテロング、食べる?」
李衣菜「食べ過ぎでしょさすがに……もういい時間なんだから控えめに――」
泰葉「さくさく。ん、おいひぃ」
李衣菜「食べちゃうんだもんなぁ」
泰葉「今日はあまりお菓子食べてなかったから……」モグモグ…
李衣菜「泰葉って泊まりに行くとお母さんみたいだけど、こういうときはかなり自由だよね……」
泰葉「ほら、ああいうのは使命感みたいな……お世話しなきゃ、って」
李衣菜「で、事務所とかでは私がお世話しなきゃいけない、と」
加蓮「もぐもぐさくさく」コクコク
李衣菜「なんか頷いてるけど、加蓮はどこ行ってもお世話されてる側なんだよ? 分かってる?」
加蓮「んふふ、いつもありがとね♪」
李衣菜「感謝の言葉が軽い……」
加蓮「ふふっ、そんなことないって。……それよりも、泰葉?」ズイッ
泰葉「え、な、なに?」
加蓮「とぼけないの。Pさんとなーにお話してたのかな?」
李衣菜「あ、そうだよそうだよ。私も気になる!」
泰葉「んー……秘密、じゃダメ?」
「「ダメー」」
泰葉「ふふ、そうよね……分かった、話すから。って言っても、今度の『スターライトステージ』のことだけだったけど」
加蓮「なんだ、いちゃいちゃしてるのかと思ったのに」
李衣菜「ねー、つまんないの」
泰葉「ふふ、そんなずるい真似しません。Pさんは、いつだって私たちを信じてくれてる……って。それだけの話」
加蓮「ふーん……」
李衣菜「……うーん。そういうの、私たち全員の前で言うべきだと思うんだけどなー」
加蓮「ふふ、LIVEの前とかにね。ここ一番、ってとこで決めてもらわないと、心に響かないよ」
李衣菜「そーそー、やっぱかっこよくビシッとロックにね!」
加蓮「胸がときめくようなのがいいな、私♪」
泰葉「ふふ。――だそうですけど?」
P「……んじゃ、今度のイベント、とっておきの口説き文句で奮い立たせてやろう。覚悟しとくように」
加蓮「ふふっ、期待しないで待っとくねー」
李衣菜「ハンパなのは許しませんよー、へへへ♪」
P「はいはい……というか早く片付けしろっての。こっちはもうちひろさん、仮眠室に運んじゃったぞ?」
李衣菜「わわ、はやっ! 泰葉、あっちからゴミ袋持ってきてっ」
泰葉「う、うん。待っててっ」タタッ
李衣菜「加蓮はとりあえずそこら辺のを――」
加蓮「もぐもぐ」
李衣菜「またポテロング!?」
加蓮「ううん、じゃがりこ」ザクザク
李衣菜「あぁもう! 間違って縦に噛んじゃって歯茎に刺され!」
加蓮「怖いこと言わないでよ!?」
泰葉「はい、ゴミ袋持ってきたよ」トテトテ
李衣菜「ん、ありがと泰葉。ちょっと広げてくれる?」
泰葉「こう?」ガサガサ
李衣菜「で、加蓮を入れる」
泰葉「なるほど、加蓮を入れる」
加蓮「ご、ごめん分かったからっ、ちゃんと片付けるから許して!」
泰葉「ふふ、冗談よ」
加蓮「目が本気だった……!」ガクブル
李衣菜「最初っから素直に言うこと聞けばこんなこと言わないのに」
加蓮「こ、今度ネイル綺麗にするから……」
李衣菜「もー、しょーがないなぁ。あはは」
泰葉「ふふ、じゃあ……イベント用の、『星明かり』にちなんだ可愛いネイル、期待しようかな」
加蓮「あ、それなら気合入れて仕上げてあげるっ。楽しみにしてて♪」
李衣菜「あっ、言ったな~?」
泰葉「アイドルに二言は無し……有言実行、よろしくね加蓮。ふふ♪」
加蓮「うんっ。星屑イメージでビーズとか――♪」
P「……片付けはどうなったんだ? 3人とも」
「「「あ。……えへへ♪」」」
P「ふふ……まったく」
>プロデューサーサーン…ハキソウ…ウォエ
おわり
というお話だったのさひゃっはあああああああああああああ
おめでとうおめでとうおめでとうおめでとうありがとうありがとうありがとうありがとう
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もう死んでもいい、死ぬ
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