泰葉「やることが……やることが多い……!」 (23)

○ドラマ撮影現場


オカザキサンハイリマース


泰葉(うぅ……何年やっても長台詞は慣れないなぁ……)

泰葉(特に今回は見開き丸2ページの超長尺だし、しかもワンカット……)

泰葉(さすがにキツいかも……今ヘタに話しかけられたら台詞全部飛んじゃいそう……)

泰葉「ふぅーっ…………」

泰葉「……よし」

泰葉「おはようございます」


パンッパンッ


周子「はい、という訳で今日7月16日はなんと岡崎泰葉ちゃんのお誕生日でーす。拍手ー」


ハッピーバースデイトゥーユー♪


泰葉「うわああああああ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1563208083

周子「やーすはっ。誕生日おめでとさーん」

泰葉「やっ、えっ、ちょっと待って下さい」

周子「どう? どうこれ? 実家のコネフルパワーで用意したんだけどさー、いやーこれが気合い入り過ぎててあたしもドン引き」

泰葉「嬉しい、嬉しいですけどっ」

監督「はいはーい記念写真撮るよー。皆集まってー」

泰葉「トんじゃいますから! 思いっきりトんじゃいますからっ!」

周子「おっどしたん。急にドエロいね」

泰葉「セ・リ・フ・が・で・す!!」


~~~~~~


泰葉「ふぅー……一時はどうなるかと思いました」

周子「それでもなんだかんだ2テイクでOK出すから流石だよね」

泰葉「……正直分かってやってましたよね?」

周子「まっさかー。企画したの局のプロデューサーだし。あの人あんまり現場に来ないから今日のシーンどこか分かってなかったんじゃない?」

泰葉「撮影後にしてほしかったですよ……まあ、その……とても嬉しかったですけど」

周子「でしょ? うりうり」

泰葉「もー、前髪はやめてくださいってば」

周子「そんで、この後って空いてる? この後寮でパーティーやりたいって悠貴ちゃんがねー」

周子「皆気合い入ってたよー。櫻井家からそれはもう冗談みたいなサイズの……おっとこれは着いてからのお楽しみかな」

泰葉「冗談みたいな何ですか!?」

周子「ヒント出すと……誰か結婚式でもやるのかと思ったね。あ、もしかして泰葉……」

泰葉「……。今のところは予定ありません」

周子「ふーんへぇーほぉー」

泰葉「そ、そんな目で見ないでください……」

周子「で、時間大丈夫そう?」

泰葉「一応空いてますけど、そんなには」

周子「あれ、先約入っちゃってるカンジ?」

泰葉「お仕事がもう一本と、それから夕方はPさんの取り計らいで家族との時間を過ごすことになってますから」

周子「夕方? 夜じゃなくて?」

泰葉「まあその……夜はまた別件が」

周子「仕事? それは残念。いっそ寮でパーッと一晩なんて思ったんだけど」

泰葉「ふふっ、すみません。今夜は外せなくて……」

周子「…………へぇー?」

泰葉「……なんですか」

周子「いやー? 随分ゴキゲンみたいだから」

周子「……ま、お仕事頑張ってね」ニヤニヤ

泰葉「あ、いえ。その、お仕事ではないんですけど……」

周子「でも職場の人と会うんでしょ?」

泰葉「…………っ!」

周子「あれ、おかしいなー? 泰葉って法律の関係で10時までしか働けないはずなんだけどなー?」

泰葉「もう分かって言ってますよね!? だ、大体っ、私一晩中だなんて一言も……!」

周子「一晩中なんだ?」

泰葉「~~~~~~っ」

周子「んふふ。まーあたしは応援してるよ。口裏も合わせとこっか? 今夜は寮に泊まったことにしといてあげる」

泰葉「…………お、お願いします……」

周子「はいよー」

○女子寮

桃華「ささっ、泰葉さん! ケーキ入刀を!」

泰葉「本当に結婚式のつもりでやってない!?」

桃華「あら、それもいいですわね。Pちゃまをお呼びしなければいけないかしら」

泰葉「えっ」

桃華「うふふ。ご参加の皆様方で取り分けるのですから、このサイズになるのは当然のこと。他意はありませんのよ?」

泰葉「そ、そう……」

千鶴「本当に大きい……かな子さんや菜帆さん達であっという間に食べ尽くしちゃうんだろうけど……ハッ!? え、えっと、別に食い意地が張ってるとかそういうつもりじゃなくて……!」

裕美「……墓穴掘ってるから」

千鶴「うぅぅ~~」

周子「やー、千鶴ちゃんは可愛いね。こりゃ今のユニットも充実してるでしょ?」

泰葉「ふふっ。ですね、本当に可愛い後輩達です」

周子「まっ、おねーさん役がいないから大変だろうけどさ。あたしにもいつでも甘えていいからね。ねー奈緒ちゃん」

奈緒「あっ、あたし!? ま、まあその……振り回されるのは慣れてるからさ。遠慮しなくていいぞ」

泰葉「ふふっ、頼りにしてます」

奈緒「お、おぉ……やっぱ芸能人のスマイルって凄いな」

洋子「奈緒ちゃんも芸能人だよ!?」

奈緒「あ、そうだったそうだった……」

洋子「やーそれにしても泰葉ちゃんも大人に一歩近付いたんだねー。あと……3年? 4年? あれ、あれれ??」

奈緒「うわあ! それ以上はよくない!」

洋子「まあいいか、なんでも! いつか一緒にお酒飲もうね!」

奈緒「洋子さん、めちゃくちゃ弱いって聞いたような……」

洋子「そ、その頃には飲み慣れてるよー!」

周子「……こりゃお姉ちゃんも増えてきたね。あたしもうかうかしてらんないなあ」

周子「まーどっちみち甘えっ子泰葉は今夜はPさんが独占するみたいだけど」

泰葉「えっ!? 周子さん!?」

奈緒「こ、今夜!? そっ、それって……」

悠貴「どういうことですかっ!?」

奈緒「うおっ」

周子「んー? これが終わったらじっくり話してあげる」

悠貴「はいっ! ぜひぜひっ!」

泰葉「だ、ダメですよそんな!」

周子「いや、皆にも口裏合わせてもらわないとだしさ」

泰葉「た、たしかにそれもそうですけど……!」

P「おーやってるやってる……うわすげえなコレ結婚式か」

周子「おっ来た来た」

泰葉「ひうっ! ……Pさん」

桃華「あらあら、ようやく来ましたわね。ささっPちゃま? こちらのナイフを……」

泰葉「も、もー桃華ちゃん!」

P「おう、やるか。泰葉、折角の機会だし」

泰葉「えっ……あ、その」

周子「はいはーいシャッターチャンスだよー」

桃華「皆様お集まり下さいましー♪」


~~~~~~


泰葉「さ、流石にあんなことした直後にお仕事って、ちょっと気まずいですね」

P「まあいいさ。この後のラジオでネタにすればいい」

泰葉「だ、ダメですよ。恥ずかしいですし……」

P「ラジオの方のメンバーは……ほたると清美だったか。まあそういう話題にはあんまり向かない顔ぶれだなあ」

泰葉「そうです。それに、これはプライベートの思い出にしておきたいですから」

P「芸能人は私生活を切り売りするもんだ。……はは、違ったか?」

泰葉「もう……意地悪なんですから。ふふっ」

泰葉「トーク用のお話は過去からいくらでも持ってこられるからいいんです。お客さんもその方が喜びますしね」

P「そうかな。皆今の泰葉の表情がお気に入りらしいぞ?」

泰葉「そうだと嬉しいですけどね。皆さんが今のアイドルとしての私を必要としてくれるなら、それはとても……」

泰葉「飾らない私……あたたかいばかりでも良いのなら」

泰葉「そんなアイドルでいいのかな、とは思いますけどね」

P「いいんだよ。周子とか見てみろ」

泰葉「ふふっ」

泰葉「でも、今日この大切な日はやっぱりPさんと二人で……。頑張ったご褒美、でいいですか?」

P「ああ。親御さんにちょっと悪いかなあ、なんてな」

泰葉「いいんです。Pさんのおかげで、家族との時間も沢山とれるようになったんですから」

泰葉「だから、今夜は……」

P「…………」

泰葉「な、何か言ってください……」

P「……ああもう、本当に……」

泰葉「い、いいんです! お父さんもお母さんもPさんのことは気に入ってくれてますから!」

P「変装は大丈夫? まあこのご時世あまり騒ぎにはならないだろうが、目立つのはな」

泰葉「まあ、私の場合前髪の分け目を変えてやれば……。それにほら、いつものだとバレちゃうので、プライベート用の眼鏡を新調したんです」

泰葉「じゃんっ、なんて……えへ。これ、水洗いできるんですよ?」

P「そ、そうか。水洗いできるのか……」

泰葉「はいっ、この眼鏡なら安心ですね」


~~~~~~


カァー カァー


周子「おーおーカラスが鳴いてる。そろそろ家族との時間もお開きかなー?」

悠貴「ということは……ごくり」

奈緒「く、口で言っちゃうなよ……」

周子「ここからが本番。オトナの時間ってやつ?」

悠貴「きゃーっきゃーっ! 凄いです! 流石です! 泰葉さんはオトナです!」

奈緒「い、いやいや……Pさんと二人きりでディナーに行ったってだけの話だろ? まさか、あの泰葉が……なあ?」

桃華「いいえ。むしろPちゃまと泰葉さんなら間違いないですわ。だってお二人ともとっても幸せそうなんですもの♪」

悠貴「ですよね!? ですよねっ!? ふわああ……今夜二人はついに……」

周子「さて……果たして『ついに』なのかな?」

奈緒「え、ええっ!? もしかしてずっと前から!?」

周子「何にしても、明日が楽しみだね♪ 色々聞き出すとしますか」

ほたる「ふぅ……あれ、まだ皆パーティーやってるんですか? 主役はもうとっくに……」

奈緒「おっ、ほたるお疲れー」

桃華「お疲れさまですわ。ジュースが沢山ありますから、いかが?」

ほたる「あ、ありがとう……」

周子「むしろここからが本番みたいな?」

ほたる「は、はぁ……」クピクピ…

悠貴「そうなんですよほたるちゃん! なんと泰葉さんはこれからPさんとホテルに行くそうなんです!!」

ほたる「」ブーッ!!!!

○???


泰葉「ふぅ……。ふふっ、なんだか今日は慌ただしかったですね」

泰葉「朝から現場でサプライズ。台詞が全部飛んでしまったり、それからお昼には寮で、午後は現場で、夕方はお家でお祝い」

泰葉「改めて……私は一人じゃないんだなって感じました」

P「はは、うちは毎日お祭り騒ぎだよ」

泰葉「ですね。プライベートな時間は多いのに、なんだかいつもより忙しくて。本当、やることが多いというか……」

泰葉「それでも、ようやくです。……なんて言ったら皆さんに悪いでしょうか。こうして大事な日をPさんと二人で過ごせるのが一番嬉しいです」

P「……ああ」

泰葉「本当に二人きり……」










泰葉「それでも……眼鏡、かけたままの方がいいですか?」


おまけ


○女子寮


泰葉「改めて、昨日は本当にありがとうございました」ペコリ

周子「あはは、わざわざ寮にまで来て。本当に真面目なんだから」

桃華「純粋に心からお祝いするのは当然のことですわ。泰葉さんだって他の子の誕生日を同じようにお祝いしてくださるじゃない」

泰葉「それはそうだけど。嬉しかったから、ね?」

周子「んー……泰葉は強情だからねえ。どうしてもお礼がしたいんでしょ?」

泰葉「ご、強情って程では……」

周子「ま、そっちがそのつもりなら丁度良いや」

泰葉「は、はい。……はい?」

悠貴「プロデューサーさん連れてきましたっ!」

P「おいおい、なんだ朝っぱらから急に」

奈緒「うわぁ~っ! ごめんな泰葉! 好奇心には逆らえない!」ガシッ

泰葉「え? あ、ちょっ」

周子「はいはーい興味ある人集まってー」

みく「お、なになに? 何の騒ぎ?」

響子「わ、私は別に……興味は……そろそろ道具を使うようになってるかもとか、どんなのを使っているのかとか、別に……」

泰葉「何を言ってるんですか!? 使ってません! 普通にしてます!」

奈緒「なぁっ!?」カアア

悠貴「きゃーっやっぱりですっ!」

ほたる「え? あ……あぅ……」

P「あ、おい!? 何の話してんだ!?」


劇終

おしまい

はいという訳で誕生日おめでとう泰葉好き
どうも頭がスケベ紙芝居に染まりつつある今日この頃とうとう誕生日SSすらこんな感じになっちめえやんの泰葉好き
みんなも奈緒とほたるの前で泰葉に暴露トークをさせてみよう泰葉好き

お話は以上です

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