提督「摩耶ー」

摩耶「……」つーん

提督「……寂しいなー」

摩耶「」ぴく

提督「(いけそう……)」

摩耶「……」ぷくー

提督「(膨れた……)」

摩耶「……」ぷくー

提督「……」


ぷすー


摩耶「！」

提督「」にやにや

提督「(余計に拗ねた)」

摩耶「……」つーん

提督「……摩耶ー」

摩耶「……」つーん

提督「……」

摩耶「……」つんつーん

提督「……ふむ」

鳥海「姉さんが拗ねて反応してくれない、ですか」

提督「そうなんよ」

鳥海「……また司令官さんが何か仕出かしたのでは？」

提督「俺何かしたかな」

鳥海「(無自覚ですか……性質の悪い)」

鳥海「思い当たる節はないんですね？」

提督「そうなるなー」

鳥海「性質が悪いですね」

提督「口に出してまで言うなよ」

鳥海「(……そういうところのことを言っているんですが)」

酉つけて今日は寝ます
おやすみなさい

鳥海「……とりあえず、私がそれとなく姉さんに訊ねてみましょうか」

提督「お、助かる。さっすが委員長」

鳥海「他にメガネに対する印象はないんですか」

こんこん　がちゃ


鳥海「失礼します。……あら、姉さんだけ？」

摩耶「……ん、鳥海か」

提督「(お、喋った)」←部屋の外

鳥海「司令官さんはどうしたの？」

摩耶「どっか行った」

鳥海「そうなの」

鳥海「何かあったの？」

摩耶「……鳥海には関係ねーよ」

鳥海「聞くくらいなら出来るわ？」

摩耶「……」つーん

鳥海「……」

鳥海「何やらかしたんですかクソ司令官さん」

提督「えっクソって」

鳥海「あり得ないくらい司令官さんらびゅーな姉さんがあれって」

鳥海「相当なことを仕出かしたに違いありませんよ」

提督「(らびゅーって)」

鳥海「なんですか」

提督「なんでもないです」

鳥海「とにかく、このままでは埒が明きませんので」

鳥海「司令官さんの昨日の行動を洗いざらい吐いてもらいます」

提督「えー……覚えてる限りでいい？」

鳥海「頑張って思い出してください」

提督「起きてから歯を磨いて朝飯食って朝礼、それからはずっと執務だったな」

鳥海「ふむ」

提督「昼飯までは特に何もなくて、昼飯は摩耶も含めた数人と食堂で食べたよ」

鳥海「ここまでは普通ですか……」

提督「摩耶とも普通に喋ってたしねぇ」

提督「で、昼過ぎからは○○鎮守府と演習で」

提督「夕飯も摩耶と食べてたなぁ」

鳥海「あ、あれ……？」

提督「んで、摩耶が寝る前にケッコンカッコカリの指輪を渡して」

鳥海「まって」

提督「え、何か分かった？」

鳥海「逆に何も分からないんですか？」

提督「ゆ、指輪……？」

鳥海「ええ」

提督「を、渡す際に？」

鳥海「そうですそうです」

提督「あっ、これからも主力で頑張れみたいな言葉がなかった！？」

鳥海「よーし歯ぁ食いしばってください」

提督「何がいけなかったんでしょうか」ひりひり

鳥海「ヒントは与えましたからあとはご自分で。ふんっ」

提督「えぇ……」

鳥海「(……姉さん、この人と添い遂げるのは茨の道です……)」

提督「摩耶ー」

摩耶「……」

鳥海「(大丈夫かしら……あの唐変木司令官さん)」←こっそり覗き見

提督「……機嫌直せよー」

摩耶「……」

提督「……あー！」

摩耶「」びくっ
鳥海「」びくっ

提督「俺も拗ねる！」

摩耶「！？」
鳥海「！？」

暁「あ、鳥海さん！」

雷「ほんとだ。こんなところで何してるの？」

鳥海「ふ、二人とも静かに」

暁・雷「「？」」

提督「……とか変なこと言ってる場合じゃないんだよな」

鳥海「」ほっ

摩耶「……？」

提督「うーん……もうちょっと心と時と場所の準備をしたかったんだけど」

鳥海「(……あ、あれ？)」

提督「……摩耶」

摩耶「……？」

提督「これを、受け取ってほしい」


摩耶「…………ま、また指輪か？」

提督「またとは何だ。今度のはちゃんとした、」

提督「婚約指輪だ」

摩耶「……え」

提督「カッコカリと混同したくなくてな……一緒に渡すのは何か違和感があって」

提督「本当なら何かレストランの予約のひとつでも取っておこうかと思ったんだけどな？」

提督「ただ、誤解を招くような行動を取ってしまったのも事実で「……ぷっ」……ん」

摩耶「あっはははは！」

提督「ま、摩耶さん……？」

摩耶「くっくく……いや、提督の慌てっぷりがツボった」

提督「何だと」

摩耶「ふー…………でもさ」

摩耶「唐変木なりに、考えることは考えてたんだなーって思ってさ？」

摩耶「なんか、どーでもよくなっちまったよ。ははは」

提督「摩耶……」

摩耶「……てーとく」

提督「摩耶……」







鳥海「(……この先を覗くのは、さすがに野暮というものです)」

鳥海「さ、見たいものは見られましたし、間宮にでも行きましょうか」

雷「えー！中が気になるー！」

暁「そうよそうよ！」

鳥海「はて。レディは駄々をこねないはずなんですが」

暁「雷、いい加減にしなさい！」

雷「ひ、ひっどーい……！」

提督「でも、拗ねてる摩耶も可愛かったなー」

摩耶「か、かわっ」

提督「ん？」にやにや

摩耶「……もう、知らねっ」ぷい

提督「あれ、摩耶さん？」






提督「また摩耶が拗ねたんだけど」

鳥海「もうお腹いっぱいです」