霧島「これが極大消滅砲撃です!」 (19)





――――――――――――――サーモン海域北方――――――――――――――




金剛「第一艦隊、出撃デース!」

霧島「姉妹全員でなんて、久しぶりね」

比叡「戦艦4隻が出撃するなんて、そうそうないもんね」

翔鶴「皆さん、よろしくお願いしますね」

榛名「こちらこそ、頼りにしています。翔鶴さん、瑞鶴さん」

瑞鶴「……! 敵艦隊を発見したわ!」

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金剛「Oh、編成はどんな感じですカー!」

瑞鶴「軽母ヌ級flagship1隻、重巡リ級elite1隻、軽巡ヘ級flagship1隻、駆逐イ級flagship2隻」

瑞鶴「それと……戦艦レ級が1隻!」

榛名「戦艦レ級……」

霧島「……来たわね」

比叡「一体何度やられたことか、戦艦レ級……」

榛名「私も何回も大破させられました……」

金剛「私もデース……」

翔鶴「私も……でも、今度こそは負けません!」

瑞鶴「先制攻撃よ! いっけぇー、妖精さん!」



レ級「レッ」



ドカーンドカーン
バシューン

金剛「状況はどうデース!?」

瑞鶴「艦載機攻撃でイ級一隻撃破! でも……」

霧島「レ級の雷撃で、翔鶴さんが中破です」

翔鶴「うぅ……またやられました……」

比叡「さすがに手ごわいですね……初戦ですし、戦闘後に帰港しましょう、お姉様」

金剛「ムー……残念ネー」

霧島「フフフ、その必要はありませんよ、金剛お姉様」

榛名「霧島?」

霧島「ようは、これから出会う全ての敵を、一撃で完璧に倒し続ければいいのでしょう?」

瑞鶴「何言ってるの。そんなこと、できるわけが……」

霧島「それが、できるのですよ。この新装備さえあればね」

比叡「新装備って……?」

霧島「比叡お姉様、出撃前にどのような装備を積みましたか?」

比叡「そりゃ皆と同じように、主砲2つに偵察機、それと私は一式徹甲弾を……」

霧島「申し訳ありませんが、勝手ながら、装備を少し変えさせていただきました」

比叡「え? どういう風に……」


・試製35.6cm三連装砲
・試製35.6cm三連装砲
・零式水上観測機
・間宮式徹甲弾


比叡「って、間宮式徹甲弾って何じゃあ!」

金剛「What!? 私も間宮式徹甲弾が積まれてマース!」

榛名「わ、私もです!」

霧島「これこそが、間宮さんにお願いして作ってもらった、我が艦隊の必勝装備です!」

翔鶴「間宮さんに……ですか?」

瑞鶴「……で、何なのコレ」

霧島「私たちの攻撃方法は、砲撃にしろ艦載機にしろ、相手を破壊し燃やす……いわば炎の攻撃ですよね」

瑞鶴「え、あー……まぁ、そう言えなくもないかもだけど……」

霧島「炎は正のエネルギー、すなわち物質の構成分子の運動をプラス方向に高めたもの」

霧島「そして冷気はその逆で負のエネルギー、マイナス方向に下げたものです」

瑞鶴「はぁ」

霧島「では、そのプラスとマイナスの力をスパークさせると、どうなると思いますか?」

翔鶴「……! まさか!?」

比叡「すべての物質を消滅させる、最強の力に!?」

榛名「なるほど! さすが霧島ね!」

金剛「そういうことデスカー! 優秀な妹を持って、私は幸せデース!」

瑞鶴「えぇ!? ちょっとちょっと、今の説明で納得しちゃうの!?」

榛名「でも、炎は普通の砲撃でいいけど、冷気なんてどうやって作れば……」

翔鶴「確かに、冷気攻撃なんて聞いたこともありません」

霧島「そうでしょう。そこで、あの新装備が出てくるわけです」

金剛「間宮式徹甲弾……デスカ?」

霧島「比叡お姉様。間宮さんといえば、真っ先に思い浮かぶのは?」

比叡「そりゃあ何といっても、アイス……あっ!」

霧島「お気づきになられましたね。そう、間宮式徹甲弾とは、徹甲弾をかたどった巨大なアイスなのです!」

瑞鶴「間宮さんに何てモノ作らせてんの!」

霧島「主砲にこの間宮式徹甲弾を込め、打ち出せば、全てを消し去る最強の砲撃になります」

霧島「これを私は、間宮と霧島という名前から『極大消滅砲撃(マミヤーマ)』と名付けました」

翔鶴「センス溢れるネーミングですね!」

瑞鶴「そうなの!?」

霧島「さて……残りは5隻ですね。瑞鶴さん、駆逐イ級flagshipはお任せしてもよろしいですか?」

瑞鶴「え、あ、うん、いいけど……」

霧島「お姉様方は軽母ヌ級、重巡リ級、軽巡ヘ級をお願いします」

霧島「そして……私はあの、レ級を吹き飛ばします! このマミヤーマで!」



レ級「レッ?」

霧島「さぁ、行くわよ! 砲撃準備!」

バチバチバチ

金剛「Wow! 霧島の主砲から、光の矢が飛び出して見えマス!」

榛名「何だか、綺麗……」

霧島「いくらレ級の装甲が鉄だろうと! 鋼だろうと! オリハルコンだろうと!」

霧島「この最強の技の前に、貫けぬものは無い!」




霧島「 極 大 消 滅 砲 撃 ( マ ミ ヤ ー マ ) ! ! ! 」

レ級「レーーーーーーーッ!」




ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァン

プスプス・・

榛名「あ、あのレ級が……消滅したわ」

翔鶴「なんという威力なの……」

瑞鶴「まさか本当にやるとは……」

比叡「凄いじゃん霧島! こんな大技を編み出すなんて!」

金剛「まさに鎮守府の賢者デース!」

霧島「フフフ、私を呼ぶなら大戦艦とでもお呼び下さい」

霧島「さて、まだ敵は残っています。お願いします、お姉様方!」

榛名「了解!」




金剛・比叡・榛名「「「 極 大 消 滅 砲 撃 ( マ ミ ヤ ー マ ) ! ! ! 」」」




ズガァァァァァァァァァァァァァァァァァァン

霧島「……勝った」

比叡「これがマミヤーマの力……」

榛名「いかに優れた装甲だろうと、かなわぬ砲撃があったのですね」

翔鶴「私たちも間宮さんに、アイス爆撃機とか作ってもらおうかしら。ねぇ瑞鶴?」

瑞鶴「う、うーん……」

金剛「さぁ、敵艦隊も殲滅したし、進撃デース!」

瑞鶴「……! また敵艦隊を発見したわ!」

比叡「編成は!?」

瑞鶴「空母ヲ級改flagship1隻、軽母ヌ級flagship3隻、戦艦タ級elite1隻、駆逐イ級flagship1隻」

金剛「ヲ級改flagship……強敵デスネ」

翔鶴「ごめんなさい、私はもう戦えそうにないです……」

榛名「大丈夫ですよ! マミヤーマさえあれば、どんな敵だろうと……」

霧島「……実は、マミヤーマには二つだけ、弱点があるのです」

瑞鶴「え?」

霧島「マミヤーマを打つ前と比べ、私に少し変化したところがあること、お気づきですか?」

瑞鶴「え? 変化って……」

翔鶴「あら……? 霧島さん、主砲はどうしたんですか?」

金剛「Oh、霧島の主砲が見当たりませんネ……って、私もデス!」

榛名「私も……霧島、どういうこと?」

霧島「マミヤーマは全てを消滅させる究極の砲撃を、主砲内部から打ち出す技……」

霧島「すなわち、打ち出すための主砲も同時に消し去ってしまうのです」

瑞鶴「は?」

比叡「……ということは……」

霧島「一度打ったが最後、マミヤーマはおろか、普通の砲撃すら出来なくなるのです!」

金剛「ナルホド、まるで蜜蜂の針デスネー。HAHAHA」

瑞鶴「って、笑いごとじゃないでしょ!」

翔鶴「……ちなみに、もう一つの弱点というのは?」

霧島「普通に避けられます。さっきはたまたま全員当たりましたが」

瑞鶴「全っ然ダメじゃないのおおおおおおおおおおおおお!」

比叡「あー……試製35.6cm砲を2つも失っちゃったけど、提督許してくれるかな?」

榛名「私は、最高値まで改修した35.6cm砲を……」

金剛「ダズル砲も失いマシタ。こりゃ参りましたネ」

瑞鶴「参りましたネ、じゃないでしょ! どうすんのよこの状況!」

榛名「私たちは置き物同然、翔鶴さんは中破……つまり……」

霧島「瑞鶴さん、ここはお任せします!」

比叡「がんばってください、瑞鶴さん!」

金剛「ガンバレ、ガンバレ!」

瑞鶴「ふざけんなあああああああああああああああ!」



その後、瑞鶴の奮闘むなしく、一同はボコボコにされて帰港した。
そして提督は、貴重な砲を8つも失ったショックで泡を吹いて倒れたそうな。



END

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