ジャン「よお!ミカサ」 (26)
ジャン「…おはよう。ジャン。あなたは今日も素敵ね」
ジャン「おはようって…ば、馬鹿。いきなり何言ってんだよ」テレッ
ジャン「ジャン、私は無駄な事を口にはしない。つまり、そういう事」
ジャン「…そ、それって…つまり」カァァ
ジャン「……あなたが、想像してる通りだと思う」
ジャン「…その、嬉しい、ぜ?ミカサ」テレテレッ
ジャン「そう、それじゃ、私は行くから。あなたも早く食堂に来て」
ジャン「おう!」
ジャン「…」
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ジャン「タッタッタッタ」
ジャン「ふぅ、食堂に着いたぜ。今日のメニューは何だかなぁ」
ジャン「あ、ジャン!今日も素敵ですね!パン下さい!」
ジャン「おわっ、いきなり抱きついてくるんじゃねぇよ、芋女!」
ジャン「もう!その呼び方やめてくださいってば、サシャですよ!ジャンが大好きなサシャです!」
ジャン「ば、馬鹿野郎皆見てるだろ。離れろっての!その…サ、サシャ?」テレッ
ジャン「えー良いじゃないですか!周りがどう思うか何て、コニーの髪の長さくらいどうでもいい事だと思いませんか?」
ジャン「俺は気にすんの!」
ジャン「ジャンは照れ屋さんですね。じゃ、これで離れてあげます」
ジャン「チ…チュッ」
ジャン「おわっ!おい!!」
ジャン「あはは!後で絶対構ってくださいねー」
ジャン「チッ、仕方ねぇなぁ」
ジャン「…」
ジャン「スタスタスタ」
ジャン「よお、この席良いか?」
ジャン「……ああ、ジャンか。私の隣にくる?」
ジャン「ちょっと、アニ。ジャンは私の隣って約束してるんだから!」
ジャン「……そうだっけ」
ジャン「おいおい、朝っぱらから何だよ。アニ、ミーナ。俺はそんな約束してねぇぞ?二人の間で良いだろ?」
ジャン「……別に、あんたが良いなら、好きにしなよ」
ジャン「アニ、耳まで真っ赤になってるよ?可愛いっ」
ジャン「……そ、そんなんじゃ無いって」
ジャン「お前ら仲良いよなー。嫉妬しちまうぜ」
ジャン「アニとは話が合うしね、でも、私もアニも…す、好きなのは…ね?」
ジャン「……まあ、ジャン…あんただけ、よ」
ジャン「お前ら…照れるな、おい」ヘヘッ
ジャン「…」
ジャン「ジャンは朝っぱらから大人気だな(友情しよ)」
ジャン「お、ライナーじゃねぇか。ベルトルトも一緒か」
ジャン「ライナー、ジャンはミカサを押しのけて成績第一位だから、人気も出るよ」
ジャン「そうだな、この間も対人格闘でエレンの奴をデコピン一発で倒してたものな。たいした奴だぜ、俺達のジャンは(尊敬しよ)」
ジャン「…ばーか。止せって。俺は内地に行きたくて必死なだけさ」
ジャン「ジャンのそういう正直な所が人気の秘訣なんだよ。君は気づいてないだろうけどね」
ジャン「そうか?しょっちゅうエレンの奴と喧嘩ばかりしてるんだぜ?」
ジャン「あれがミカサをお前にとられたエレンが騒いでるだけだ。いつもお前が大人の対応で嗜めてるだろう?男も女もお前には感心してるんだぜ?(恋慕しよ)」
ジャン「そうだよ、ジャン。君は僕達のリーダーだ。自信を持って良い」
ジャン「お前ら…」
ジャン「ちょっとージャンは私達と食事中よ、ライナー、ベルトルト」
ジャン「はは、悪いなミーナ。人気者に惚れちまった自分を恨んでくれ(結婚しよ)」
ジャン「……本当、惚れた弱みって奴だね」ハァ
ジャン「アニの言う通りだよ」
ジャン「皆で(ボソッ)…あはははははわははははうふふふふ」
ジャン「…」
ジャン「ふー、腹も溜まったな。味はともかく、そこだけは感謝だな」
ジャン「スタスタスタ」
ジャン「あ、ジャン!」
ジャン「タッタッタ」
ジャン「クリスタか、それにユミルも」
ジャン「ジャンさんか。クリスタが寂しがってたぜ?何で添い寝してくれなかったの?ってさ」
ジャン「ああ、言わないで!ユミルったら!」
ジャン「お前ら相変わらずだなぁ。おっと、とと、クリスタ、抱きつくなっての!」
ジャン「だってジャンお兄ちゃんに朝から会えて嬉しいんだもの!」
ジャン「ば、ばーか。誰がお兄ちゃんだっての」テレッ
ジャン「ジャンさん、今度はクリスタにもジャンさんの神懸り的な立体機動を教授しってやってくれよ。ま、まあ暇だったら、私も一緒に、さ」
ジャン「おう、仕方ねぇな。しかし、104期の女神様を独り占めしちまったら、他の野郎共から刺されちまうぜ」
ジャン「もう!私はジャンお兄ちゃんだけの女神なんだからそんな事気にしなくて良いの!」
ジャン「そういうこった」
ジャン「ば、馬鹿野郎」テレテレッ
ジャン「でもよ、まあ、何だお前ら…」
ジャン「…嬉しい、ぜ?」ヘヘッ
ジャン「…」
ジャン「ジャン先生、お待ちしておりました」
ジャン「ジャン先生!待ちくたびれたぜ。俺ずっと土下座して待ってたんだぞ」
ジャン「楽にして良いぜ、キース。おう、すまんすまん、コニー」
ジャン「ジャン先生は今日も凛々しくていっしゃる。教官として、あなた様のような優秀な訓練生を得られた事を神に感謝しております」
ジャン「神?髪に、だろ?教官様?」
ジャン「は、はは、は、これは手厳しいですな!ジャン先生」
ジャン「おい、ジャン先生!教官は良いから俺に先生の天才的な立体機動を教えてくれよ!」
ジャン「わかったわかった、袖を引っ張るなよ、コニー」
ジャン「行くぞ!」
ジャン「ぶしゅぅぅぅぅ」
ジャン「ここでアンカーを出す!」
ジャン「ひゅん」
ジャン「すこっ」
ジャン「す、すげー!雷より早いんじゃねぇか!?ジャン先生!」
ジャン「馬鹿、褒めすぎだ。お前もやってみろよ」
ジャン「よ、よーし!コニー・スプリンガー、ラガコ村の弾丸坊主、行くぜ!!」
ジャン「ぼしゅぅぅぅぅ」
ジャン「すてーん」
ジャン「…」
ジャン「おつかれさま、ジャン」
ジャン「おう、やっぱお前ってすげーのな、ジャン」
ジャン「アルミンに、エレンか。相変わらず男同士でむさくるしい奴らだなぁ」
ジャン「仕方が無いよ、僕らはジャンみたいにモテないからね」
ジャン「お、俺は別に巨人を駆逐するだけだから、モ、モテる必要なんかねぇんだよ!」
ジャン「そんなだからダメなんだよ、エレン。人生ってのは楽しんでなんぼなんだ。例えこんな世の中だろうとな」
ジャン「見てろよ」
ジャン「口笛(ボソッ) ぴゅー」
ジャン「あ、ジャン!どうしたの?」
ジャン「ハ、ハンナ!どうしてジャンのところなんかに!!」
ジャン「悪いな、フランツ。ははは」
ジャン「お、おい!何やってんだよジャン!ハンナの肩なんて抱いて、お、お前、ハンナはフランツの恋人なんだぞ」
ジャン「いつからそう錯覚していた?エレン」
ジャン「へぁ!?」
ジャン「もう、エレン。フランツとはただの友達だよ?ね!ジャン」
ジャン「…無駄だよ、エレン。この訓練場の全ての女子はジャンの恋人なんだ。でもそれはジャンが悪いんじゃない。彼は誠実で、どの子にも真摯に接してる。悪いのはモテない僕らだ」
ジャン「ア、アルミン!?お前までこいつを肯定するのか?」
ジャン「アルミンは良く俺を理解してるようだぜ?エレン。まあ、正妻はミカサだけどな」
ジャン「畜生!もう俺には巨人しかない!駆逐してやる、奴らを駆逐してやるぅぅぅ」
ジャン「はははは、お前も巨人以外に夢中になれる何かを手に入れるんだな。応援してるぜ?」
ジャン「…」
ジャン「ジャン、またエレンと何か揉めていたのか?」
ジャン「おう、マルコ…っと、ミ、ミカサ」テレッ
ジャン「エレンは子供。ジャンは大人なのだから、余りからかわないであげて欲しい」
ジャン「わ、悪いな。そんなつもりじゃねぇんだけどな、ミカサ」テレテレッ
ジャン「おっと、僕はお邪魔虫かな?ジャン、ミカサ、ごゆっくり」
ジャン「スタスタスタ」
ジャン「お、おいマルコ!まったく、あの野郎」
ジャン「マルコは気を利かせてくれた。ジャン、あなたは友人に恵まれている」
ジャン「ああ、あいつは俺には勿体無い友達だ」
ジャン「少し、嫉妬する」
ジャン「ば、馬鹿、ミカサ。友達とこ、恋人は違う…もんだろ」アセアセッ
ジャン「ジャン」
ジャン「ミカサ」
ジャン「ジャン。私はあなたとキスがしたい。あなたが望むのなら、それ以上も…」
ジャン「ミカサ…」
ジャン「ちゅ、ちゅぅぅ」
ガャッ
母ちゃん「ジャン!あんた布団に包まって何やってんだいっっ!!」
ジャン「ちゅうううううううううううううう!!!?!?!」ガバッ
母ちゃん「せっかくの休日だってのにあんたは!!」
ジャン「ババア、ノックしろってんだろがあああああ!!!」
ジャン「あああああああああああああああああああああああ!!」
ジャン「いやぁあああああああああああああああああああああ!!」
ジャン・キルシュタイン。104期訓練兵団随一の立体機動の名手は、今日も元気に生きています。
こんな時代だもの、布団の中でくらい、誰だって夢を見て良い。
若人達よ、夢にときめけ!希望に羽ばたけ!
ぼくたちのたたかいはこれからだ!
おわった
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