男「部活に青春を捧げるなんてバカのやることだよな」 (16)

男「部活に青春を捧げるなんてバカのやることだよな」

友人「え、どうして?」

男「だって、いくら頑張ったって、晴れ舞台である全国大会に行けるとは限らないし」

男「その道のプロになれるとも限らないだろ」

男「あんなもんに貴重な青春を費やすなんて、もったいないにも程がある」

友人「うーん、そうかなぁ」

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友人「なら……勉強に費やすってのは?」

男「10代中盤から後半なんていう人生最高の時期を勉強に注ぐとかバカだろ」

男「受験勉強の内容が将来の夢と直結してるならまだしも」

男「大抵の奴は学歴を手に入れるためのパスポート入手の手段として勉強してるだろ」

男「青春を捧げるほどのもんじゃないよ」

友人「直結してなくとも役に立つってことはあると思うけどなぁ」

友人「じゃあ恋愛は?」

男「この時期に恋愛したって、結婚までいけるケースは稀だろ」

男「なのに、愛しいあの娘のため、あの人のため~って四苦八苦するなんてバカすぎる」

男「練習程度に恋愛するならまだしも、青春を捧げるレベルでやることじゃないな」

友人「そうかぁ? 恋愛って本気でしなきゃ意味がない気がするけど……」

友人「じゃあさ、音楽なんかはどうだ?」

男「音楽で食ってけるなんて、それこそ一握り中の一握りだろ?」

男「仮に腕がよくても、ルックスやコネがなきゃ生きていけない世界だろうしさ」

男「輝ける時といったらせいぜい、文化祭でのライブぐらいのもんだ」

男「それだけのために頑張るなんてバカだろ」

友人「それだけって……バッサリいうなぁ」

友人「んじゃ、不良なんてのは?」

男「あんなもん、それこそバカの極みだろ」

男「ケンカで他人傷つけて、タバコや酒で体いじめて、バイク乗って事故る」

男「みんなに迷惑かけるだけで、百害あって一利なしじゃんか」

友人「まあ、たしかに迷惑かけるのはダメだけど……」

友人「だったら、ゲームはどうよ?」

男「目が悪くなるだけじゃん」

男「ゲームをクリアして、アイテム集めて、すごいスコア出して、強敵を倒して」

男「なにか得られるものがあるのか? なにもないだろ?」

男「ゲームに青春捧げるなんて、バカのやることだよ」

友人「うむむむ……」

友人「じゃあさ、お前はどうなんだよ?」

友人「さっきから、バカバカいってるけど、お前はなにに青春を捧げてるんだよ?」

男「そりゃもちろん――」





男「世界平和だよ」

友人「世界平和……? なんだそりゃ」

男「驚いたか?」

友人「驚くというより、呆れてる」

男「おっと、これからまた世界平和に貢献しなきゃならないんだ」

男「じゃあな!」

友人「……」

友人(どうせ、ゲーム内の世界を救うとか、そんなんだろ)

友人(一番バカなのは、あいつなんじゃなかろうか)

大気圏外――

宇宙人A「ケケケッ、いい星じゃないか。“地球”とかいうらしいぜ」

宇宙人B「おう、新兵器『フラワーファイヤー』を試すにはちょうどいいな」

宇宙人B「こんぐらいの惑星なら、一発で消し飛ばせるぜ!」

宇宙人A「よぉし、派手にパーッとぶっ壊すか!」



男「ちょっと待ったァ!」

宇宙人A「あ?」

宇宙人B「なんだお前は?」

男「あいにくだが、この星には下らないことに青春を捧げるバカがわんさかいるんだ」

男「そいつらが安心してバカやれるように、お前らみたいなバカは退治しないとな」

宇宙人A「ハァ? なにほざいてやがる」

宇宙人B「ちょうどいい。『フラワーファイヤー』をこいつに向かってぶっ放してやれ!」

宇宙人A「ち、ちくしょぉ……!」ガクッ

宇宙人B「バカな……こんな未開人にやられる、なんて……」ガクッ



男「ハァ、ハァ、ハァ……。こいつら手強かったな……」ボロッ…

男「しかも、こんだけやっても1円にもなりゃしない……」

男「一番の大バカは、こんなことに青春を捧げてるこの俺だな……」





                                     おわり

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