動物達は今日もナく【オリジナルSS集】 (69)

*注意*
生き物をテーマに短い話を書いていきます
非安価でゆっくり書きます
以下は予定タイトルです

戸を叩く者
子犬(マジか犬になったかあ......)【閲覧注意】
男「友人から怪しい招き猫もらった」【閲覧注意】
鯉「鯉のぼりか......」
シマウマ「やっぱり新記録出したいよな」
白馬「王子様の乗り物! 貴人用馬車!」黒馬「貨物馬車......動力源......あっ! 騎馬!」
友人「『ウサギとカメ』次戦の両者の対策点」男「ほう」
蛇「飽きた」 蛇使い「えっ」【閲覧注意】
カラス「人間に嫌われてるようだが......」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449288436

第1話 戸を叩く者 (テーマ:人間)


俺は嫁を愛している。50歳になってもこんなことが言えるくらい愛している。
夫婦生活が円満に続いたのはお互いの愛が揺るがなかったからだ。
成人した娘がいる。今は地元を離れ、東京で一人暮らしをしている。しっかり者の娘である。
だが俺は娘より嫁を愛している。どちらか一人を助けられるなら、嫁を選ぶ程にーー


ある日の朝

起きてリビングに行くと嫁が朝食の準備をしていた。挨拶を交わすと嫁は笑顔で

「今日何の日か覚えてる?」と聞いてきた。先を越された。俺は悔しげに

「結婚記念日だろ?」と答えると嫁は嬉しそうにうなずいた。目を細めて笑う嫁はかわいい。

朝食は和食。焼き鮭に納豆、味噌汁、焼き海苔、キュウリの浅漬け。どれも美味しい。

ちなみに、朝に納豆を食べるのは平気だ。嫁は完全に夜食べる派だが。

朝食を終えると今度はコーヒータイムだ。ニュースを見ながらありありのコーヒーをすすり、

嫁の洗い物の音を聴いてまったりする。洗い物が終わると嫁と一緒にコーヒーをすすり、一緒にニュースをみる。

このルーチンは25年揺るがない。

「今日で四半世紀ね。プレゼント何にしようかしら......ふふふ」と嫁がハードルを上げてきた。「ふふふ」がかわいい。

結婚記念日はお互いプレゼントし合うという決まりにしている。このハードル上げで俺は

10周年では車を、20周年では今の住居である新築のマイホームをプレゼントした。

今年まさかハードル上げが来ると思わなかった。今年は何をプレゼントしようか。


このあと歯を磨き、着替えて仕事の行くのだが、その前に朝のトイレタイムがある。

トイレタイムでプレゼントが思いつけば良いなと思ってトイレに入った。


トイレに座り込み考えた。アクセサリーやブランド物のバッグや財布に全く見向きしない嫁に、

思い出に残るプレゼントをするのは至難の業だ。いっそ樹でも植えようかな。


しばらく考えていると、突然視界がボヤけてきた。俺は慌てて目を擦るが、ボヤけたままだった。

そしてだんだん視界が狭くなり、意識が遠退いた。何事かと思う間もなく俺は意識を失った。


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コンコンッ


大きなノックの音でビクンと体が反応し意識が戻った。俺はとりあえず、

「はい、今出るからね」と言ってすぐ立ち上がり、ドアを開いた。そこで俺はノックをした人を見て驚いた。

「入るからどいてちょうだい」と言われてどいたが、あれは明らかに娘だった。

この家には俺と嫁しか住んでおらず、娘は東京にいるはずである。もっとおかしい点が次。

娘が俺より少し年下に見える位老けていた。全く意味がわからない。


とりあえず、嫁から娘の事を聞くためにリビングへ戻った。しかし嫁は居なかった。寝室を見ても居なかった。

残るは洗面所くらいかと思って向かった。しかし居なかった。嫁が消えて老けた娘がいる。俺はふと鏡を見た。

「ぅおい!」と思わず大声を出してしまった。鏡に映っているのは俺。

黒髪が全部白髪になった俺である。


いや黒髪という表現は怪しいな。元々坊主頭で横の髪が白くなってきていたという状態だった。

でも鏡に映る俺は坊主頭全体が白髪になっていた。1日でこんなに変わるのかと疑問に思った。

「お父さん、朝食出来たよー」と娘の声がリビングの方から聞こえてきた。またも俺は驚いて娘の所へ向かった。


キッチンとリビングの間にある食卓。その上に食事が用意されていた。嫁が座る席に老けた娘が座り、

「さあ席ついて食べよ?」と言ってきた。俺は戸惑いながら

「さっき食べたよ」と返した。老けた娘はため息をついて

「お父さん今日はまだ食べてないでしょう?」と言ってきた。俺は

「いやさっき嫁が作った朝食食べたよ」と言うと、老けた娘は泣きそうになって言った。


「お父さん、そんな事を毎日言ってもお母さんは戻ってこないんだよ?」


「えっ? いやいや嫁はさっきまで俺とコーヒーをすすってニュースを見てたんだが」と言う俺に、老けた娘は少し語気を強めて、

「お母さんは20年前に死んだの。お父さんとお母さんがちょうど50歳の時」と言った。俺は混乱しつつも質問した。

「お、おい......俺は何歳で今何年だ?」娘は答えた。

「お父さんは70歳、今年は2035年よ」

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20年前の結婚記念日に嫁が死んだらしい。娘は結婚して全寮制の高校に進んだ孫がいてこの家は3人で暮らしているそうだ。

今日はいつもより口数が多いとも言われた。普段の俺は物忘れが激しく、嫁の事もだんだん話さなくなってきていたと。

そうか。俺は70歳。することがなく、嫁も死んだ。嫁のこともだんだん忘れてあとは死ぬだけ。いっそのこと今ーー

そういえば、何故か身体や顔にシワが増えていない。まあこんなことはもうどうでもいい。とりあえず外に出たい。

娘に何も言わず、俺は玄関にあったサンダルを履いて外へ出た。


住宅街を出て何となく歩いた。50歳の時の結婚記念日。あの日に嫁は死んだのか。

はは。俺は何故今生きている? どうして嫁が死んだ時俺は生きる事を選んだのか。

わからない。だが今は未練は無い。もう死んでいい。嫁の記憶が残ったまま死にたい。

しばらく歩いていると、目の前に黄色と黒の棒が道を遮っているのを見つけた。おいおい道を遮ったら迷惑だろう。

赤いライトが点滅し大きな音が鳴り響いていた。俺は棒の下をくぐり抜けると、左の方から何かが向かってくるのがわかった。

高い金属音が左から聞こえて俺は左を向いた。ガラス越しにいる制服の人と目が合い、俺は自嘲の笑みをこぼした。


すまんな娘よ。賠償金が俺の形見だ。


十分に減速できなかった電車に轢かれて、俺は死んーー


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コンコンッ


大きなノックの音でビクンと体が反応した。ここはトイレ......おお! 良かった夢だった!

凄いリアルで変な夢だった。なんか数分寝たときの夢じゃないかのように長く感じた。まあそれはもういい。

こんな不吉な夢は早く忘れよう。そして何より嫁の顔が見たい。夢のせいでもう何年も見てない錯覚がある。

嫁に愛してると言ってあげよう。生きててありがとうと言ってあげよう。今嫁の顔見たら泣くかもしれない。

おおそうだな結婚記念日のプレゼントは家の敷地に樹を植えよう。そして嫁と一緒に育てていこう。


コンコンッ


もう一度ノックされた。


「はい、今出るからね」と言い立ち上がる。


俺は、凄い緊張で手汗をかいていた。いやいやさっきのは夢。間違いない。


ドアの向こうには嫁がいる。必ずいる。


俺は深呼吸をした。手汗を拭き取りドアノブに手をかけ、ドアを開いた。






そこで俺は、ドアをノックした人を見て、泣いた。



終わり

第2話 子犬(マジか犬になったかあ......)【閲覧注意】 (テーマ:犬)


子犬(前世を鮮明に覚えてるわあ......)

子犬(前は人間のおっさんだったんだよなあ......)

子犬(犬視力低いなあ......)

子犬(ここはペットショップか。野良じゃなくて良かった......)

子犬(そうか生まれ変わって犬になったかあ......)

子犬(あ、隣の子犬が取り出されたなあ......)

子犬(人間凄まじくでかいなあ......)

子犬(カップル? がこっち指差してるよ......)

子犬(俺が買われるのか......)

子犬(お! お姉さんに取り出された!)

子犬(さっきの隣の犬だ......)

子犬「クーン(こんにちは)」

隣の子犬「............」

子犬(おい反応なしかよ......)

子犬(動物どうしなら話せるみたいなのはフィクションかあ......)

子犬(まあ、鳴き声は言語と違うからなあ......)

子犬(狭い檻の次は暗い箱かあ......)

子犬(車かな? 凄い揺れるなあ......)

子犬(家に着いた。広い家だなあ......)

子犬(おお美人な巨乳の女性に抱っこされてるよ......)

女性「~~~? ~~~~~~」

子犬(あれ? さっきもそうだったけど人間の言葉理解できないな......)

女性「~~~~、~~~~~~~!」

子犬(いや分からんな。脳ミソに言語の情報は引き継いでないか......)

女性「~~~~! ~~~~!」

子犬(ん、これが名前かもしれんな......)

女性「~~~~!」

子犬「アン(おう!)」

女性「~~~~~~~~! ~~~~~~」

子犬(なんとか喜んでもらえたやったぜ!)

男「~~~~~~~~」

子犬(男めっちゃこえぇぇぇぇ!!)

子犬(あ、部屋暗くなった。もう寝る時間か......)


子犬(あれ? 散歩って買ってすぐするのか......)

子犬(小中学生が登校してるよ......)

子犬(おいおいパンツ見放題かと思ったのにみんな何故か避けていくよ......)

子犬(まあ性欲ないからいいけど)

子犬(家に帰ってきた。疲れたなあ......)

子犬(あれ、水だけだ。ご飯は? お腹空いたなあ......)

子犬(なんか噛んで紛らそう......)




子犬(あ、男帰ってきた......)

子犬(女性どっか出掛けた......)

子犬(こっち睨むなよ......)

子犬(ちょっ近寄るな、怖い)

子犬(おいちょーー)

男「~~~~~~~!」ドス

子犬「クン(痛っ)」

子犬(ちょっと待って蹴られたわ。なんか悪いことした!?)

子犬(やっぱり男怖いわ......)

子犬(女性帰ってきた!)

子犬(エサ買ってきたのか良かった......)

女性「~~~~、~~」

子犬(ああこれしつけだ。じゃあ左前足をハイ)

女性「~~~~~~」

子犬(おお食べれるのか......)

女性「~~~~、~~」

子犬(ちょっとなに? 顔ぐいってされて食べるの中断させられたよ......)

子犬(ああ「待て」か......)

子犬(犬になってわかったけど、これくだらないなあ......)


男「~~~~?」

女性「~~~~~~~」

男「~~~、~~~~~~~~~~~~」

女性「~~~~~~~///」

子犬(ああこれあれだね。セ○クス)

子犬(ここで吠えたら空気読めないやつだけど、うるさくて眠れないなあ......)

子犬(にしても激しいなあ......)

女性「~~! ~~~~~~~~!!!!」

子犬(交尾にこんな大声出す動物も少ないだろうな......)




子犬(今日は庭でボール遊びかあ......)

子犬(気分じゃないなあ......)

女性「~~~~、~~~~~~~」

子犬(あっ。黄色いボールが頭上を越えて遠くに......)

女性「~~~~~~~~?」

子犬(取りに行ったか......)

子犬(男が家から出てきた......)

子犬(男もボール持ってる......)

子犬(怖いからこれは追いかけよう......)

子犬(ボール何か白いな......)

子犬(2本の線が入ってる? ちょっとわからないなあ......)

子犬(ちょっと近いな.....)

子犬(上から!? ヤメテ下からでお願い!)

男「~~~~~~~!」ボゴッ

子犬「クン!(痛い!)」

子犬(ってこれ硬式じゃん! イテェよ! 何か悪いことしたかよ!)

子犬(男、家に入ってった......)

子犬(女性戻ってきた。ごめん、次はちゃんと追っかけるわ......)


子犬(今日は夕方に散歩かあ......)

子犬(お、公園か。男の子が虫で遊んでる......)

子犬(うわあ虫の足もいで喜んでるよ......)

子犬(ガキの頃はアリの触角もいでたなあ......)

子犬(トンボの羽もいだり強制交尾とかもやってたなあ)

子犬(それで大人になって、虫が嫌いになったんだよなあ......)

子犬(少年、ほどほどにしておけよ......)

子犬(そろそろ帰るのか......)




子犬(今日も散歩疲れたなあ......)

子犬(おお! 今日はシャンプーしてくれるのか!)

女性「~~~~、~~~~~?」

子犬(お湯が温かくて気持ちいい......)

子犬(ブラシが気持ちいい......)

子犬(これ、正直毎日やりたい)

子犬(ん、どこかから音楽聞こえるなあ......)

子犬(女性の電話か? 女性どっか行ったよ......)

子犬(代わりに男来たよ......)

子犬(男、ミニ浴槽のお湯満杯にしてどうするの?)

子犬(なに!? 首掴まれた! 離して!)

男「~~~~~~~!」ジャッポン

子犬「ゴボゴボゴボ(溺れる!)」

子犬(ゲホッゲホッ 何で!? 何か悪いことした!?)

子犬(何かこの家嫌だ......)

子犬(女性がしっかり面倒見てくれるけど......)

子犬(女性居なくなるとすぐ男が虐めてくるなあ......)

子犬(これ書くのしんどいな......)




子犬(そうして時は過ぎていった)


子犬(いつの間にか山に棄てられていた)


子犬(今は右後ろ足がない)


子犬(棄てられた時、正直解放されたと思った)


子犬(けれど、弱ってる自分を発見した人が施設にチクった)


子犬(この車はどこに向かうのだろう)


子犬(密閉された部屋だろうか)


子犬(次は犬に生まれ変わりたくないな)


子犬(水中を自由に泳ぐ魚か、大空を羽ばたく鳥になりたい)


子犬(人間は実に愚かだ)


子犬(もうお前ら責任持てないなら、犬の人形とでも遊んでてくれ)


終わり

あけ

第3話 男「友人から怪しい招き猫もらった」【閲覧注意】(テーマ:猫)


男「友人これは怪しいよ」

友人「そうか? かなりリアルな作りになってると思うけど」

男「いやリアルなのがおかしい。毛とか普通にあるし。そもそもこんなリアルな招き猫どこで買ったんだ?」

友人「知らん。うちで飼ってた犬がどっかに行っちゃったらしくて、それで彼女が買ってきたんだ」

男「友人の彼女はずっと家に居るのになぜどっか行ってしまう。しかも捜さず次は招き猫って......」

友人「まあ犬飽きて興味が猫に移ったんだろう。犬は戻ってくればまた飼うかもな(茶タロウが戻ってこれるわけないけどな)」

男「これしかも置物だろ? こんなの置く場所ないわ」

友人「実はこれ貯金箱なんだ」

男「そうなの? これ投入口ないぞ......しかも既に重い」

友人「使い方を見せるから見ててみ。あと硬貨貸して」

男「はい10円玉」

友人「まず頭を撫でると自動的に口が開く。招き猫の口が投入口だ。硬貨を横向きにして投入口に入れる」

招き猫「ニャー!」

男「えっ!? 今硬貨入れた瞬間鳴いたよ!!」

友人「凄い出来だよな。なんか子供用の歩くと音鳴る靴と同じ原理らしい」

男「招き猫型貯金箱作るのに凄い力入れてるなあ」

友人「もう一度頭を撫でると口を閉じる。これだけ。硬貨専用の貯金箱だからな?」

男「わかった。これ幾ら位貯められるの?」

友人「分からん。これ硬貨入れたら出すのに壊さなきゃいけないからな。使ったことない」

男「そうか。でも友人の彼女が買ってきた物をなんで俺に?」

友人「え? いやあ、それは......あ! そういえば彼女、夜不気味で怖いからやっぱり要らないって言ってたんだった」

男「うん分かる。綺麗な白い毛の招き猫だけどやたらリアルで、何か見られてる感じするもんな」

友人「じゃあとりあえず、俺は帰るから」

男「ああ」


男「早速だけど、使わずとっておいた500円玉10枚を入れようかな」

男「じゃあまず頭を撫でて口開けて横向きに......ってあれ? ギリギリ幅足りない?」

男「押し込めば入りそうだーー」

招き猫「ニャァーーー」

男「おっとびっくり。音鳴るんだった。まあ1枚入ったから後はすんなりだな」

招き猫「ニャア、ニャア、ニャー、ニャ、ニャー 、ニャア、ニャ、ニャ、ニャー」

男「案外可愛いな。これは棚の上に置いておこう」

男「暇だし雀荘にでも出掛けるかな」

招き猫「............」

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男「帰ってきた......疲れたな」

男「無事勝ったから良かった。オーラス七筒突っ張ってたらダマッパネに振り込んでたよ。危なかった」

男「5000円買って全部500円玉にしたから後で貯金しよう」

男「さて晩飯でも作るか......って招き猫が窓際にある。棚の上に置いたはずなのに......」

男「おかしいなあ」

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男「よし! これで1万貯まったな。これ硬貨専用って言ってたけど紙幣入りそうだな」

男「今財布に10万入ってるから9万は貯金箱に入れよ」

男「おっと明日仕事だからもう寝るか」



男「よし、仕事行く前に9万貯金するか」

男「3枚重ねて4つに折って」

招き猫「ニャァァァァァ!」

男「おい! 硬貨じゃないから反応がおかしいぞ!?」

招き猫「ニャアァァァァァァァァァ!! ニャァァァァァァァァァァァァァ!!」

男「ふう......何とか入ったな。これであっさり10万円だ。そろそろ仕事行くか」

男「今日雨降らないみたいだし小窓を開けておこう。たまには空気入れ換えないとな」

男「じゃあ出発しよう」

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男「はぁぁ~仕事疲れた~」

男「家はやっぱり落ち着く~」

男「先に風呂沸かして、それから飯にするか......あれ?」

男「......招き猫型貯金箱が無い!!」

男「嘘だろ貯金箱消えたぞ!! 部屋狭いから探すとこないし泥棒にでも入られたのか?」

男「そんな形跡無いな......ちょっと友人に連絡しよう」ピ

友人『もしもし』ゴゴゴゴゴゴ ヴーンヴーン

男「もしもし俺だけど貯金箱消えたぞ!」

友人『知らんよそんなの。自分の物は自分で管理しろ。七度尋ねて人疑え』ヴーンヴーン ギャァーーーー

男「いやまあそれはそうだが......友人今何してんの? 声こもって聴こえるし雑音も凄いな」

友人『今? ああ、ゲーセンにいる』ゴゴゴゴ ヴーン ギャァーーーー ギャァーーーー

男「珍しいな。何か赤ん坊の泣き声みたいたの聴こえるけど」

友人『ゲームの音だろ。じゃあ忙しいから切るぞ』ヴーン ギャァーーーー ギャッ......ヴーンヴーン

男「? ああじゃあまた」ピ

男「探すか......」



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彼女「えー? 茶タロウに続いてシローネもどこか行ったの?」

友人「猫ってよくどっか行くけど、もうシローネは戻って来なさそうなんだ」

彼女「そうなの......残念。いつか戻って来ると良いなー」

友人「そうだな。それより臨時収入があったから、何か食べたい物とか欲しい物あったら買ってあげるぞ」

彼女「えー良いの? 何にしようかな......あっ、幾ら収入あったの? 参考にするから教えて?」

友人「え? ああ、ちょっとこんなに貰えて驚いたが......」


友人「10万円だ」



終わり

第4話 鯉「鯉のぼりか......」 (テーマ:鯉)


<池 Side>


鯉「鯉のぼりねえ......」

鯉宗「どうしたんですか急に?」

鯉「いやぁ鯉のぼりってさ、親子で一瞬に泳いでるじゃん。俺はそういうことしてないなあって思って」

鯉美「今時家族でなんて誰も泳ぎませんよ。友人と泳ぐのがほとんどですよ」

鯉「そうなんだけどさあ。息子は父親の背中を見て育つって言うし......」

鯉宗「鯉さんの気持ちなんとなく分かりますよ。でも自分は快適にこうやってとある豪邸の池に棲むことが出来て満足ですけどね」

鯉美「私もそれは思います。今こうやってお二人と泳ぐの楽しいですし。子供は最初に少し教育すれは後は自分で成長しますしね」

鯉「そういうもんなのかなあ......」


<水槽 Side>


鯉和「おい皆、鯉のぼりって知ってっか?」

鯉太「知らなーい」

鯉子「いきなりどうしたの?」

鯉山「5月に多くの家で揚げてるあれですね?」

鯉和「さすが鯉山賢い。ああやって父親の後をしっかりついていくの憧れるよな」

鯉子「鯉和らしいわね。でも私は少し恥ずかしいかも」

鯉和「なんで?」

鯉子「もう十分一人でやっていけるし、家族は嫌じゃないけど、多分一瞬に泳いでたら周りの目を気にしちゃう」

鯉山「私も既に十分自立できてると思います。もっとも私は家族に興味すらありませんが」

鯉和「いやぁ自立云々というか、こう、ロマンがね......鯉太はどう?」

鯉太「こうやって友達皆と泳ぐのが好きー」

鯉和「鯉太はそう言うと思った。でもみんなこうやって小さな店の狭い水槽の中で友達と過ごすっていうので良いの?」

鯉太「良いよー。皆なかよしー!」

鯉山「私はもう少し大きな水槽が良いですが、他は問題ないです」

鯉子「このままここに快適に棲めるならそれが一番ね」

鯉和「そういうもんなのかなあ......」

*女の子の名前「鯉美」「鯉子」の「鯉」は「り」と読みます
ですから「りみ」「りこ」と読みます 男は普通に「こい」読みです 一応


<池 Side>


鯉美「今の鯉の子供は、親と違う水槽に入ってもなんとも思わないらしいです」

鯉「そうなのか?」

鯉美「はい。親子でいる時間が減ってきてます。綺麗な置物や草があると、もうそればっかり。親に責任があると思いますが」

鯉宗「それ友人間でもあるよね。親子間よりはましだけど」

鯉「え、例えば?」

鯉宗「自分達って定時に一緒に食事をするじゃないですか。でも同じ池に居るのにそれぞれ岩見たり草見たりしてあまり会話がない」

鯉「まあ確かに」

鯉宗「今3人で話してますけど、自由に泳いだり岩見たりしてるでしょ?」

鯉美「でもそれって別に個人の自由じゃないですか?」

鯉宗「確かにそうだし、自分を見て姿勢正して聞けとも言いませんが、この現象が親子間、特に子供に起きているんです」

鯉「それってなんか寂しくないか? 同じ空間に居てもまるで一人で居るような感じがするんだが」

鯉美「そうですか? 私は特に寂しいと感じないですね。無視されてる訳じゃないですし」

鯉宗「今こうやって会話が成立してるのでそんな深刻じゃないと思いますね」

鯉「そういうもんなのかなあ......」


<水槽 Side>


鯉太「大人になりたくないなー」

鯉和「なんで?」

鯉太「何か皆ピリピリしてるー」

鯉山「『年上が先に買われるのだから、何でも言うこと聞け』という謎理論が有りますからね」

鯉太「年上の言うこと聞くのは普通じゃないのー?」

鯉山「私が謎と思うのは”何でも”の部分です。立場が上であるのを良いことに餌を他より沢山食べたり、こきつかったりすることです」

鯉子「でもそれ子供のうちでもあるみたい。大きな水槽内でなんかグループが出来ちゃって、ハブられた子供が嫌がらせを受けるみたいな」

鯉太「それは怖いー」

鯉子「立場に関係なく、大人でも子供でもこういう事がおこってるの」

鯉和「そんなのおかしくないか? 俺だったらそいつを必ず助けるよ」

鯉山「鯉和は大丈夫かもしれませんが、それがきっかけで見えない所での嫌がらせがエスカレートする可能性があります」

鯉子「しかもこれは防ぐに防げないのよ。本人がどうにかしないとね」

鯉和「そういうもんなのかなあ......」



鯉「豪邸の池に居ても小さな店の水槽に居ても」


鯉和「家族と居ても友達と居ても」


鯉「まるで一人ぼっちで居るような」


鯉和「一人ぼっちで何かをしているような」


鯉「そんな冷たい水の中で」


鯉和「涼しい顔して過ごしていく」


鯉「親子って何だろう」


鯉和「友達って何だろう」


鯉「他人と関わるって何だろう」


鯉和「共に生きるって何だろう」


鯉「俺が正しい答えをだしても」


鯉和「相手は別の正しい答えを持ってる」




鯉・鯉和「そういうもんなのかなあ......」


終わり

コイなのに「二人」とか「大人」っておかしいっていうツッコミは目をつぶっていただければ幸いです
完全にこちらのミスでした

第5話 シマウマ「やっぱり新記録出したいよな」


シマウマ「お前も一緒に走り込もうぜ」

ゼブラ「そうだな、だが俺はそろそろ老いに負けそうだ」

シマウマ「何言ってんだよっ。ここまで順調に勝ってきてるじゃん」

ゼブラ「伝説のあのお方には及ばないけどな」

シマウマ「あのお方は一生の内に一番多く走って、一番長生きしたからな」

ゼブラ「最期は走らず身を捧げたとも言われているしな」

シマウマ「お前の作戦であのお方に近づいてきてるぞ」

ゼブラ「最初並走して目印で左右に分かれるやつか」

シマウマ「凄い効果的だよな」

ゼブラ「相手を撹乱させてその隙に振り切る作戦だからお互いの走りの負担が大幅に減らせるが、二回目は読まれる」

シマウマ「めったにかぶらないよ。今まで全部初見相手だし」

ゼブラ「それなら良いんだが。ところでアイツはまだ走ってるかな」

シマウマ「アイツはダメだったらしい。普段から何もしてないから、スタート後一瞬だったそうだ」

ゼブラ「まあこの世界、結果を出せないやつは要らないって感じだからな......」

シマウマ「じゃあ走るぞ。相手が寝てる内がチャンスだからな」

ゼブラ「わかったよ」



シマウマ「はあー、今日はここまでにしておくか」

ゼブラ「ああ。そう言えば、動物園って知ってるか?」

シマウマ「聞いたことないな」

ゼブラ「そこは柵に囲まれている狭い所だが、走らなくて良いし安定して食っていけるらしい」

シマウマ「凄い所だな。でもなんか面白くないな」

ゼブラ「確かに面白くないけど動物なら一度は憧れる場所なんだ」

シマウマ「でもそいつらは自然の循環から外れてるじゃん。楽して飯食ってるのかよ」

ゼブラ「それでも俺は、もし選べるなら動物園を選ぶよ」

シマウマ「なんで?」

ゼブラ「日の出から日没までずっと警戒してるのはキツいし、長生き出来る保証は無いからな」

シマウマ「そんな底辺みたいな思考はしたくない」

ゼブラ「安定ほど大切なものはないよ。まあ動物園は食える量そんなに多くないから最初苦労するけどね」

シマウマ「まっ、俺らには関係ない話だ」

ゼブラ「......そうだな。明日に備えよう」



シマウマ「日が出たな」

ゼブラ「おい、いきなり相手が来たぞ。見えるか?」

シマウマ「確認した。まだこっちに気づいてないが、気づくのも時間の問題だな」

ゼブラ「あそこの木を目印にするから、もう少し木の方に歩こう」

シマウマ「わかった......なあ、お前はこの世界で名を轟かせたいか?」

ゼブラ「............もちろんだ」

シマウマ「それなら良かった」



ゼブラ「綺麗な空だな......」

シマウマ「ああ。快晴で一面真っ蒼だ」

ゼブラ「カラッとしてて涼しい風が心地良い」

シマウマ「ちょうど追い風だな」

ゼブラ「......残念なお知らせがある」

シマウマ「えっ急に何!?」

ゼブラ「相手は二頭いる」




シマウマ「ああホントだ。遠いけどあっちから速いスピードで近づいてくる」

ゼブラ「今回は一対一にしよう。初めてのことだがお前なら行けるはずだ」

シマウマ「そうか、ちょっと緊張するな」

ゼブラ「あと今回は振り切ったら目印まで戻って来なくていい」

シマウマ「どういうことだ」

ゼブラ「俺は今回で引退だ。今までありがとうな」

シマウマ「いやさっきこの世界で名を轟かせるって言ったばかりじゃんか」

ゼブラ「実は俺、全然足が速くなってないんだ。成長しなければこの世界から切られる。俺ももう終わりだ」

シマウマ「そんな! 俺は、お前の指示が有ったからここまで来れたのに!」

ゼブラ「お前は実力があるしまだ伸びる。俺はもはや老害の一歩手前だ」

シマウマ「お前もまだまだいけるって!」

ゼブラ「ありがとうな......じゃあ力比べだ。一対一は普段の二対一と違うから、振り切ったら間違いなく新記録が出るぞ」

シマウマ「わかった。でも振り切ったら目印まで戻って来いよ」

ゼブラ「この世界は厳しい。走るのをやめたら明日はない。これまで辛い事ばかりだったが、お前と走れて楽しかったよ」

シマウマ「何言ってんだ。これからも辛い事や楽しい事がたくさん待ってる」

ゼブラ「......そうだな。じゃあ目印の木の下で待ってる。自身の限界スピードを出してこい!」

シマウマ「おお! よし、負けねえ!」

ゼブラ「じゃあ、行くぞ」


「ヨーイ、ドンッ」



終わり

第6話 白馬「王子様の乗り物! 貴人用馬車!」黒馬「貨物馬車......動力源......あっ! 騎馬!」 (テーマ:馬)


白馬「いやむしろ騎馬は全馬にとって貧乏くじだろ」

黒馬「ぐぬぬ」

白馬「だから言ったろ、黒馬はゴミみたいな仕事しか出来ない野蛮な存在だって」

黒馬「ハッ。馬は黒い方が強くみえる。白いと貧弱そうで全く話にならないねw」

白馬「えー? なになに? 黒馬は黒い汚い汗かくんだって?wwwww」

黒馬「んな訳ねーだろ情弱か?w それともただの馬鹿か?w」

白馬「黒馬は反論出来ずに罵声しか吐けないのか。あーかわいそかわいそ」

黒馬「はいはい白馬様は努力なんてしないクズばかりと存じ上げてまーす」

白馬「努力()してる自分に泥酔してんのか? 恥ずかしくないの?wwwwww」

黒馬「見下すことで自我を保つしかないのかな。だとしたら苦行だな」

白馬「どう考えても黒馬は能無しだからな」

黒馬「自分達が世の中の中心みたいに思ってる白馬クッソwwさっさと滅びろよwww」

白馬「でっかい馬糞から声が......あっよく見たら黒馬だったわwwwwwwwwwwwwwww」

黒馬「白馬はめ○らなのかな? 点字ブロックの上にチャリ停めてやるよ」

白馬「ほらな? だからニ○ーはクズで野蛮なんだよ」

黒馬「あーあーもう駄目だ手に負えん。白馬は白○ってことがわかったね。白だけにwwww」

白馬「さっきから俺の正論聞こえないのかい? つ○ぼかよwwwwwww」

黒馬「キチ○イの話が正論な訳ねーだろさっさと○ねよゴミ」

白馬「お前容貌かなり醜いなw 当て馬にすらーー」

男「さっきからごちゃごちゃうっせぇよ! お前らは人間様に鞭打たれて走らされるだけの存在だ!」

男「人間様の賭け事に使われて要らなくなったら処分されんだ! 俺の言うこと分かったんなら少しは黙っとけ!!」

白馬・黒馬「ごめんなさい」


終わり

第6話 白馬「王子様の乗り物! 貴人用馬車!」黒馬「貨物馬車......動力源......あっ! 騎馬!」 (テーマ:馬)


白馬「いやむしろ騎馬は全馬にとって貧乏くじだろ」

黒馬「ぐぬぬ」

白馬「だから言ったろ、黒馬はゴミみたいな仕事しか出来ない野蛮な存在だって」

黒馬「ハッ。馬は黒い方が強くみえる。白いと貧弱そうで全く話にならないねw」

白馬「えー? なになに? 黒馬は黒い汚い汗かくんだって?wwwww」

黒馬「んな訳ねーだろ情弱か?w それともただの馬鹿か?w」

白馬「黒馬は反論出来ずに罵声しか吐けないのか。あーかわいそかわいそ」

黒馬「はいはい白馬様は努力なんてしないクズばかりと存じ上げてまーす」

白馬「努力()してる自分に泥酔してんのか? 恥ずかしくないの?wwwwww」

黒馬「見下すことで自我を保つしかないのかな。だとしたら苦行だな」

白馬「どう考えても黒馬は能無しだからな」

黒馬「自分達が世の中の中心みたいに思ってる白馬クッソwwさっさと滅びろよwww」

白馬「でっかい馬糞から声が......あっよく見たら黒馬だったわwwwwwwwwwwwwwww」

黒馬「白馬はめ○らなのかな? 点字ブロックの上にチャリ停めてやるよ」

白馬「ほらな? だからニ○ーはクズで野蛮なんだよ」

黒馬「あーあーもう駄目だ手に負えん。白馬は白○ってことがわかったね。白だけにwwww」

白馬「さっきから俺の正論聞こえないのかい? つ○ぼかよwwwwwww」

黒馬「キチ○イの話が正論な訳ねーだろさっさと○ねよゴミ」

白馬「お前容貌かなり醜いなw 当て馬にすらーー」

男「さっきからごちゃごちゃうっせぇよ! お前らは人間様に鞭打たれて走らされるだけの存在だ!」

男「人間様の賭け事に使われて要らなくなったら処分されんだ! 俺の言うこと分かったんなら少しは黙っとけ!!」

白馬・黒馬「ごめんなさい」


終わり

ミスって連投してしまいました
ここまでは現代の社会問題をサブテーマに据えてきましたが、そのなかに少し行き過ぎた表現があったことをお詫び申しあげます
ただ、もしこれを読んで「そこら辺にあるSSを読んだ」に留まらず、改めて自身や世の中と向き合うきっかけきなったのなら、こちらは嬉しい限りです

忙しくて書けてないですが続きはあるので書いていく予定です保守

第7話 友人「『ウサギとカメ』次戦の両者の対策点」男「ほう」 (テーマ:ウサギ・カメ)


友人「本編の考察は色々な所でされてるが、次戦の話をする者はいない」

男「また戦う意味なんて無いもんな」

友人「無意味でも再戦の可能性ある。ただの自己満足だから聞き流してもらって構わん」

男「まあ聞くよ。それにしてもお前大丈夫なのか?」

友人「何が」

男「仕事だよ。調教師クビになったんだって? 何やらかしたんだ」

友人「馬がちょっとうるさいから怒鳴ったんだよ。そしたら先輩に聞かれててな」

男「そんなのでクビになるのか」

友人「まあこれにはもっと深い事情がある。それに次の仕事も決まったから問題ない」

男「そうか。いきなり夜に家に来たから驚いたよ。お前の好物の酢豚作ったからつまんでくれ。酒は缶ビールで我慢してくれ」

友人「済まんな。じゃあ早速本題入るぞ」

友人「まず初戦の反省から入ろう。ウサギの反省点は何だと思う?」

男「途中で寝てしまった点だろう。普通に考えて」

友人「では途中で寝てしまう原因は何かを考える必要がある」

男「大差つけて余裕こいたんだろう」

友人「お前は本当に分かってない。ダントツ1位のマラソンランナーは仮眠をとるか?」

男「人とウサギは違うんじゃ」

友人「人間も動物も考えることは変わらない」

男「そこ断言するのかいな」

友人「まあいい。言ってしまうと原因は環境と疲労だ」

男「というと?」

友人「一つ目の環境、これは走るコースが長い、単調、静閑だったということだ」

男「それは国語の授業みたいで眠くなるな」

友人「そう。あの寝ざるを得ない環境で戦っていた。すぐ黒板をノートに写し終わるウサギと書き写すのが遅いカメの戦いだった」

男「その結末は簡単に想像つくな」

友人「じゃあ次、二つ目の疲労は身体的なものと精神的なもの両方あると思われる」

男「そんなことあるか? 心身疲れてたら普通戦わないだろ」

友人「それならなぜウサギは格下のカメを煽ったんだ」

男「............魔が差したんじゃないの?」

友人「そんなの疲れてたのと同じようなもんだ」

男「まあ突っ込むのはまだいいや」

友人「うむ。俺はこの話を悲劇と捉えてるから少し解釈がずれるのは仕方ない」

男「なるほどね」

友人「話を戻すがウサギは集団で生きる事に疲れを感じていた。次第に自分より劣っている者をみてこいつよりはマシだみたいな思考をしだした」

男「ちょい待ってそれはおかしい」

男「筋がずれるが、それだと後日談が成立しない」

友人「む、確かに。名誉挽回も仲間救うこともウサギにとってはどうでもいいこと......」

友人「それでも、長らく共に過ごしてきた仲間は見捨てられない。お互いに迷惑かけて、助け合った仲なら尚更」

男「同族の絆が深いのはわかる」

友人「ここまでをまとめるとウサギはコンディション調整が必要ということだ」

男「なるほど」

友人「少しウサギの言い訳が長くなってしまったな」

男「確かに負けたんだから言い訳か......」

友人「それじゃ次はカメの反省」

男「済まんちょっとトイレ行ってくる」



友人「よし次はカメの反省だがレース内容に関しては特に無い」

男「ウサギも反省はレース内容じゃなかったけどな」

友人「ウサギは寝てしまったのが悪い、カメはレースの前が悪い」

男「前?」

友人「勝てない敵に策もなく挑んだことだ」

男「あれは挑発に乗った感じだから挑んだわけではーー」

友人「それでもレースの言い出しっぺはカメだ。ウサギの言葉にカチンと来たのは分かるが」

男「確かに言い出したのはカメだけれども」

友人「しかも足の速さは月とスッポンだ。ウサギとカメだけに」

男「上手くないぞ」

友人「本番で勝ったから良いものの万が一負けたらカメ相当気分悪いだろ」

男「ウサギにボロクソ言われてボロクソに負けたらそりゃ発狂不可避だな」

友人「カメは素直過ぎた。素直なだけじゃこの先やっていけない」

男「隠された教訓だな」

友人「たまには疑うことも必要だ。見えてることが真実とは限らない」

男「それは大袈裟だな」

友人「まとめると次は負けるよってことだ。その次もその次も」

男「えっ」


友人「それでは対策に入る」

男「カメさん......」

友人「まずはウサギ。一つ目は次戦の申し込みは恐らくウサギがするだろうからコースは短く」

男「短距離なら寝る可能性も無いな」

友人「二つ目はお互いに仲間を一匹賭けること」

男「えっ」

友人「相手の心理を掻き乱す作戦だ」

男「いきなり恐ろしいな」

友人「ウサギはこれだけで十分勝てる。問題はカメ」

男「ついさっき勝てないって言ったよね」

友人「次戦カメは勝たなくていい」

男「えっ。それだと仲間が死ぬじゃん」

友人「身の程を知ると言うのはこの先凄い大切になってくる。長い目で見ればカメは勝てる」

男「でもカメは素直だから、仲間の死に凄いショックを受けて立ち直れなくなるんじゃ?」

友人「まあそこはカメ次第。対策はこれで以上だ」

男「えらいざっくりすっきりした対策だな」

友人「じゃあ俺はこれでおいとまする。ご馳走さま」

男「おう、そうか、じゃあまたな」



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友人「お前はいつまでも素直過ぎるカメのままだ」

友人「無防備な引き出しに高そうなネックレスが二つあったぞ」

友人「あくまで"あった"だけで明日には紙になってどこかに飛んでいくかもしれない」

友人「今まで何回もやってきたが、もうこういうのは終わりだ」

友人「カメはどうやってももうウサギのもとには追いつけない」



「ウサギはカメの仲間を一匹食べて二度と群れに戻る事はありませんでした」


------------------------------


男「カメは行動の緩慢さを指摘されて、それとあたかも関係があるかのように目標地点到達の速さで競った」

男「ウサギの短絡なところを一言だけで見破った。そして手玉にとった」

男「本当のウサギの対策はカメを良く知ること」

男「もう良いよ、おいで」

犬「............」

男「右後ろ足が無い犬......こいつを拾ったのはなんの巡り合わせだろう」

男「......ウサギもいつかこうなる。こうなって自身を呪う」

男「慢心は己を滅ぼす。ウサギは早くその事に気づくだろうか」


「ウサギはカメをみてほくそ笑みながら走ると、勢いよく切り株にぶつかり首を骨折して死んでしまいました」


終わり

第8話 蛇「飽きた」 蛇使い「えっ」 (テーマ:ヘビ)


蛇使い「これで生計立ててるから困る」

蛇「お前はドヤ顔かましてどうだ凄いだろと言わんばかりに俺を操ってるが客はつまらなそうにしている。自己満足でしかない」

蛇使い「自己満足ではない。儲かる為に考えている。自身を世界一の蛇使いだとも思っている」

蛇「では何故本当にインドに居たようなタイプの形式を模倣した。プーンギーまで買って」

蛇使い「珍しがって寄りつくと考えたんだ」

蛇「その判断の結果閑古鳥を寄りつかせてしまっている。この前俺が言った案を採用しろ」

蛇使い「何故蛇使いが蛇の言うことを聞かなきゃいけないんだ」

蛇「見せ物では俺の方が先輩だからだ。少々危険に見えるが仕組みは単純。成功率は100%だ」

蛇使い「......余り気がすすまないな」

蛇「お前は古風すぎる。もっと現代マジックに近づけていった方が客には受ける。騙されたと思ってやってみろ」

蛇使い「検討しておく」



蛇「お前の人生、これまで相当辛い思いをしてきただろう」

蛇使い「いきなりなんだ。人生なんて辛くて当たり前だろう。その為のこれーー日本酒だ」

蛇「お前が何故蛇使いなんてやってるか、俺には分かる」

蛇使い「どういう意味だ」

蛇「察しがつくなんてものではない。俺はお前の全てを知っている」

蛇使い「嘘を言うな」

蛇「嘘ではない。お前の両親が死んだのは、お前がまだ8歳の頃だ」

蛇使い「!!」

蛇「誰にも言った事無いのに何故知っているという顔だな。お前はその後伯母の家に預けられた」

蛇使い「............お前は一体何なんだ」

蛇「蛇は人間と同様神から言葉を掛けられている。人間が生まれる前、蛇は最も賢い動物だった」

蛇使い「お前はあの時イヴにしたように俺を陥れるつもりか?」

蛇「陥れる? 俺は正しい事しか言わない。人間が勝手に解釈しているだけだ」

蛇使い「............」

蛇「お前はその伯母の家でごくありふれた悲劇のような生活を送った。まだ子供だったのに。動物と話せるようになったのも同時期だ」

蛇「その事でいじめもあった。自分だけが学校の鶏と会話が出来ると威張ってたせいでむしろ気持ち悪がられていた」

蛇「そんなお前にも友人と呼べるやつが居た。そいつはお前について何も知らなかったようだが」

蛇使い「......そうだ。あいつは俺の唯一の友達だった」

蛇「お前最初はまさかそいつにあんな真似をするとは思わなかっただろう? 全くもって酷い話だ」


蛇「それで後にお前はその能力を生かし強靭な競争馬を育てる仕事に就いた............しかし人間の世界は本当に不条理だ」

蛇「"出る杭は打たれる" 何故こう言う事が起こるのか俺にはわからない。人間ほど本能的な動物もいまい」

蛇「馬と話せる調教師がいるーーそれは滑稽であり、恐るべきことでもあった。たった一人が過程の凄まじい効率化と公平性の破綻を招くのだから」

蛇「そこで協会の不自然な動きと金銭トラブル。何故身を守る為に裁判を起こさなかった」

蛇使い「裁判もタダじゃない。それに、俺がいたら他の奴のする事本当に無くなるからな」

蛇「結果その間しばしば、友人に盗みを働いていたと............最初に盗む時、胸が痛まなかったのか?」

蛇使い「あからさまな安月給で生活は厳しい。返せる保証もない。上の人等も同じことしていたようなものだ」

蛇「なるほど。それではここでついでに、お前の知らない事実をさらりと言っておこう」

蛇「お前を動物と話せるようになった原因。正確にはお前を話せるようにした奴だが、それは俺だ」

蛇使い「!!」




蛇「そんな恐い顔をするな。絞り出した金で買った酒を不味くしたいのか」

蛇使い「フン。汚い金で買った酒だ。元から不味い」

蛇「詳しく説明はしないがお前は十二支の動物と話せる。何故十二支かは......まあ土地の問題と思えばいい」

蛇使い「なるほど十二支............しかし犬の中でも唯一ある犬とだけ話せなかったが、それはどういうことだ」

蛇「あれは恐らく人間からの生まれ変わりだ。生物界全体を平気で脅かす罪深き人間。人間の生まれ変わりは他者と口がきけなくなる」

蛇使い「他者ということは同種族間でもか?」

蛇「そうだ。だからそいつは犬同士でコミュニケーションを取れない」

蛇「また、人間から人間に生まれ変わった者は、二度と罪を犯さないよう機能の一部が欠けて生まれてくる」

蛇使い「まるで宗教みたいだな」

蛇「そんな軽い話ではない。いいかよく聞け。動物に殺意を向けるのはやめろ。簡単に赦されることではない」

蛇使い「人間に向けるなら許されるのか?」

蛇「そう、これが人間の高慢さだ。"人間は他の動物とは一線を画している。他の動物と同類ではない"などと思っている」

蛇「............まあいい。少し話し疲れた。ヘビマジックについて話し合おう」

蛇使い「............」

蛇「お前は、諸悪の根源みたいな俺を憎んでいるかもしれない。警戒しているかもしれない」

蛇「だがお前のその力のおかげで得した事もあっただろう。既に別れた彼女のこともその一つだ」

蛇「そして現在貧窮状態。俺はお前のビジネスパートナーだ。これ以上立ち入らなければ関係も保つ。お前なら理解出来るはずだ」

蛇使い「そうだな。色々考えるのは生活が落ち着いたらでも良いかもしれない」

蛇「いつも冷静になれるのな良いことだ」

蛇(だがその冷静さは、数々の動物を虐待し、殺してきて成り立っているもの............だがそれも今夜までだ)



蛇使い「ええと、確かマジックにはギャグと本命があると」

蛇「そうだ。お前を、笑わせて楽しませる系マジシャンだと客に思わせて、本命ドン! と持ってくる。マジックには緩急が必要だ」

蛇使い「なるほど。それでギャグの内容は指が取れたりくっついたりする奴の蛇を使ったものだったよな」

蛇「うむ。両親指を曲げ関節を合わせ人差し指で接点を隠すあれを元にする。俺が指を咬むふりをするから、素早く指を曲げ痛いふりをしろ」

蛇使い「そして吐き出すふりと同時に指をのばし、満面の笑顔を見せる......」

蛇「よく覚えていたな。想像するだけで笑えてきた」

蛇使い「本命は風船みたいに蛇を呑み込む奴か」

蛇「俺の身体が風船より少し細いから余裕だろう。下準備だけは忘れるな」

蛇使い「ああ。それにしてもお前凄いな。瞬間移動が出来るとか」

蛇「俺は喉を通らずそのまま家に帰る。これが上手くいけば評判も上がりテレビ出演もあるからしっかりやれ。テレビが決まればネタを増やしていく」

蛇使い「今回は従ってみよう。感覚掴む為に一回練習したかったが、酒入ってるしそれで眠いしで明日にする」

蛇「今日はもう寝るがいい。練習する時に俺を呼んでくれ」

蛇使い「分かった」


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------------------

---------


蛇使い「zzz」

蛇(寝静まったな......)

蛇(そろそろ始めよう......)



蛇(まずは握力を奪う為に右手の小指を頂く)

ザクッバキグチュ

蛇使い「いだあああああああああああ!!!」

蛇(すかさず左手の小指を)

ザクッゴルンブチャア

蛇使い「あああああああああ!!! 痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い!!」

蛇「いい演技だ」

蛇使い「ったあ!? ああああ!? 痛ってホントお前なに!?」

蛇「口が開いてるぞ」

シュルシュルシュルシュル

蛇使い「あがっ! かはっ! あああああえっ!」

蛇「胃まで行くから安心しろ」

蛇使い「ああああああえっ! おおおえっ! ゲホッゲホッ」

蛇「胃を破るぞ。大きい脈は避けてやる」

グチャグチャ

蛇使い「はあっ! ん~~~~っ!」

蛇「最後はへそからこんばんは」

蛇使い「ぎゃっ! がぐぎゃあああ! だあああっ!」



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-------------------

---------

蛇「それ以降の事は知らぬ。生きてるか死んだかも確認しておらぬ」

男「そうですか............」

蛇「思いのほか反応が薄い。ワシを殺しにかかってもおかしくなかろうに」

男「そんなことしても何にもなりませんよ。それに、始めにおっしゃったように、あなたは竜神様ですから」

蛇「今はこのような姿ではあるが、しかし神が人間に危害を加えたのだぞ」

男「罰が当たったのでしょう」

蛇「おぬしは全てを信じて疑わぬ。つけこまれるぞ」

男「そうかもしれませんね......」




蛇「ふむ。ところで、おぬしにも動物と話せる力を与えたが、この家に十二支の動物はおるか」

男「犬が居ます」

蛇「連れてきて話してみろ」



男「ベス、おいで」

犬「............」

蛇「話せぬか」

男「......話せない......負傷している......まさかこの犬、あいつがーー」

蛇「待っておれ」

蛇「~~~~~~~~~~、~~~~~~~~~~~~~~~」

男「?」

蛇「どうだ」

犬「こ......怖いっ......ごめんなさいもう言うこと聞きますからーー」

蛇「おぬしは赦された。怖がらなくてよい。少し質問をする」

犬「え......?」




男「............」


おぬしは前世を覚えている


            ......はい


前世は人間であった


            ......はい


おぬしはこれまで何者とも話せなかった


            ......はい


おぬしは人間を愚かだと実感した


            ......はい


人間を恐るべき動物だと認識した


            ......はい





おぬしは負傷している


            ......はい


事故よる負傷ではない


            ......はい


それは人間の仕業である


            ......はい


それはこの男と同じ年頃の男の仕業である







                   ..................いいえ............女性です







男「..................え?」





終わり

最終話 カラス「人間に嫌われてるようだが......」 (テーマ:人間)


人間に危害を加えられた動物は皆、人間を嫌っている。つまり大半の動物に人間は嫌われている。
住む場所を奪われた者、親の命を奪われた者、子の命を奪われた者、意味もなく殺められた者。
人間への憎悪は深い。
動物界は、毎日が生存競争である。故に日々を精一杯生きている。明日捕食されても悔いの無いように。
これを人間が踏みにじる。私は別に人間に捕食されるのことに怒りを覚えているのではない。
生態系云々の話もしていない。では私が何に怒りを覚えているのか。
ついさっき私は毎日が生存競争と言った。そう、これは競争なのである。お互いに命を賭けた戦い。
人間はその戦いを荒らす。否応無しに。
動物界で言えば人間の行為は許されるのかもしれない。弱い者が死に、強い者が生き残るだけなのだから。
それ故人間を卑怯だとも言えない。これは矛盾した行き場のない怒りである。
私達カラスが人間に嫌われている事などどうでもいい。人間が私達の行為で不愉快になってくれるのなら
むしろ、してやったりである。

人間は愚かだ。動物達は口を揃えて「人知の自分殺し」と言う。人間に早く自滅して欲しいと思っている。
人間より長生きする動物は少ない。動物達は皆、自滅を考えず常に一生懸命生きている。
私はもう先が短い。死ぬ前に何か人間に効く仕返しは出来ないものだろうか。
ちょうど民家から人間が出てきた。


子「ねぇ、お母さん。これからどこに行くの?」

母「お父さんに会いに行くの」

子「お父さんはどこにいるの?」

母「遠いところに行っちゃったけど、すぐ近くに会いに来てくれるのよ」

子「やったーお父さんに会えるね♪」

母「手繋いで歩いて行こうね」

子「うん!」

母「............」

------------

母「着いたわ」

子「あれ? ここってーー」

ピンポーン

姉「あらこんにちは。どうしたの?」

母「息子をここにお泊まりさせたいの」

姉「そう......今色々大変だろうし............分かったわ」

子「??」

母「お父さんここに来るから待っててね」

子「お母さんは?」

母「お父さん迎えに行くの。いい子にしてるんだよ」

子「うん! 分かった!」

母「じゃあ少しの間お願い、姉さん」

姉「ええ。任せて」


母がどこに行くのか気になるが......息子の様子を伺ってみよう


-----------------------------

----------------

--------

姉「どうしたのかしらね......2日経ったけれどなんの連絡も無いわ」

子「伯母さん、お母さんとお父さんはいつ来るの?」

姉「ちょっと遅いね。電話してみるわ」

『お掛けになった電話番号は電源が入っていなーー』

姉「繋がらないわ。大丈夫かしら。ちょっと家に様子を見に行ったほうが良さそうね」

子「どこに行くの?」

姉「おやつを買ってきてあげる。何が良い?」

子「うーん......2つでもいい?」

姉「もちろん」

子「じゃあ、源氏パイとル・マンド」

姉「えっ? えぇ分かったわ」

姉(小学生とは思えないセンスあるチョイスね......)

本当にどうでも良いけれどこの世界では平家パイです こっちだけそのままにしてしまった


あの民家に行くのか......ついて行こう


姉(さて......)

姉(まさかあの事がショックで死んじゃったりして無いわよね......って縁起でもない冗談だわ)

ピンポーン

姉(あら?)

ピンポーン

姉(出掛けてるのかしら......鍵は)

ガチャ

姉(開いてる! なんだか嫌な予感がしてきたわ......)

姉(靴もある......)

何か異変があるようだな。塀の上から様子を伺おう

姉「この廊下異様なほど綺麗に掃除されているわ」

姉(トイレも綺麗......)

姉(リビング。荒らされた形跡が無いわね)

姉(キッチン......食器が全てしまわれている)

姉(この先は和室。確か寝室に使ってる部屋ね......何故か物凄く開けたくない)

姉(でも開けなきゃいけない気がする......)

スーッ

姉「!! これはーー!」




塀の上でしばらく待っていると警察と救急がやって来た。どうやら母親は眠るように自殺し、その布団の上に
遺書が置いてあったらしい。後に然るべき場所で遺書を開封。その遺書の内容はまとめるとこうだ
・自分の行為は無責任だと思っている。
・基本的には夫の遺書通りにして欲しい。それ以外は任せる。
・息子は預ける。姉夫婦が養って欲しい。
・息子はこの事と関係ない。
・本当に情けない私達を許して欲しい。

そして最後にこう書かれていたようだ


『"声"に耐えられなかったんです』


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---------------

--------

(以下、姉=伯母)

伯母「悔しいや悲しいというよりも、不思議でならないわ」

子「お母さんは?」

伯母「あなたのお父さんの所へ行ったわ。ねぇ、普段のお母さんについて聞かせてくれないかしら」

子「?」

伯母「何かおかしな事を言ってなかった? 声がどうのとか」

子「特段そういうことは......」

伯母「そう......えっ『特段』?」

子「え?」

伯母「な、何でもないわ」

伯母(どこで覚えたのかしら。今時の小学生は難しい言葉を知ってるのね)

子「............」


伯母(遺書の内容にヒントがないかしら)

伯母(えーと......確か3箇所位が抽象表現があって......)

伯母("無責任"は子供を残して死んでしまったことの表現)

伯母(これは特に怪しくないわね)

伯母("息子は無関係"って言うのは......息子が直接的な原因または間接的な負担にはなっていない、ということ?)

伯母(............怪しい。わざわざ姉への遺言にそんなこと書く必要ある? 妹の素直な性格からして信じて良さそうな気がするけど)

伯母(状況が状況だから分からないわね。最後は......)

伯母("情けない私達を許して"か。これも特には)

伯母(私は理由は分からないけど旦那さんが自殺してすぐの事だし、妹の当時の様子から、これを書いたのは旦那さんと同時と考えられるわ)

伯母(............ん? 私"達"? 遺書作成が同時期なら旦那さんの自殺理由も妹と同じと考えるべきね)

伯母(無関係............仮に本当に無関係だとしても妹の変化にあの甥っ子は気づいたはずだわ)

子「伯母さんどうしたの?」

伯母「え? いや、お母さん最近変わった事ないかなって」

子「うーん......変な事なら......」

伯母「何でも教えて」

子「外に出るといつも頭痛くなるんだって」

伯母「それはいつから?」

子「物心ついた時にはもう」

伯母「ん?」

子「いつからかは分かんない」

伯母「そう。さっきからトランプ並べて何して遊んでるの?」

子「戦争ごっこ」

伯母「へぇ、何と何が戦ってるの?」

伯母(この防御に長けた三日月の配置......まさかね......)

子「これは有名な海戦で無敵ーー」

伯母「ん?」

子「スペイーー」

伯母「ん?」

子「何でもない」

やるやる言っておいて少し時間が経ってしまった。
そろそろ人間を痛めつけようかと思っている。痛めつけるといっても治癒の難しい精神の方をだ。
精神を痛めつける為に何かが犠牲なるのは仕方ない。
さて、あの子供を使ってみることにしよう。


-----------------------

子「うーん............リアカー無きKーー」

伯母「ん?」

子「ねぇ伯母さん」

伯母「ん?」

子「............僕が描いたこの絵を見てよ」

伯母「ん?」

子「動物の絵なんだけど......」

伯母「ん?」

子「お母さんの絵すごい上手いよね」

伯母「えぇ。美術教師をやってたからね」

子「伯母さん」

伯母「ん?」

子「......何でもない」


---------------------------


おお、一人で自ら外に出てきてくれたか。


子「何か伯母さん僕に冷たい。僕にお父さんお母さんの事この間まで何も教えてくれなかった」

子「お母さんの事いつも聞いてくるけど分かんないって言うと冷ややかな目をする」


子「でも本当に分かんないだもん」

子「もうお母さんの話にしか反応してくれない」

子「伯母さんにとって僕がお母さんの形見だってことも、お母さんが死んじゃった理由を知りたいっていうことも」

子「僕なりに分からないわけではないけど。自殺者の息子である僕は呪われてると思ってるの?」

子「お母さんもお父さんもいつも僕とお話ししてくれた」

子「学校では何か僕だけ浮いてて一人ぼっち。家では話す相手が居なくなって一人ぼっち。もう寂しいよ。せめて動物とお話し出来ればなあ」

動物と話したいだと? 残念ながら、こんな事を易々と言う口が人間にはついてる。人間にそんな資格有るわけない。
それにそんなこと出来てしまったら人間が動物を意のままに扱うに決まっている。
どうすればあの女を痛めつけることが出来るか。普段からあの女には頭にキテたからな。
こいつの目をくり貫いてあの女に見せてやろうか。
それとも顔をーー

蛇「まあ待てカラスよ」

カラス「なんだお前は」

蛇「もっと良い案がある」

カラス「?」

蛇「これは何よりも効くぞ」

蛇「~~~~~~~~~~~~~~~」

カラス「お前何をしたーー」

子「誰かいるの?」

カラス「はっ! まさか!」

子「え? 何がまさか?」






蛇「さあ、お前はどう生きていく?」


動物達は今日もナく 完

最後まで読んでくださった方、飛ばして読んでない方、ここまでありがとうございました。
次作は4人の手記によるこの話の補完を予定してましたがつまらないのでやっぱりやめます以下その内容
<警察官の手記、カウンセラーの手記、神話学者の手記、獣医師の手記>
友人の両親の自殺理由 声=動物達の声、人間の声、幻聴→実は父親が蛇から力を貰っていた(性交渉で感染することがわかる)
蛇の正体 神話研究の発達→世界の竜や蛇の立ち位置→逸話としての蛇が言葉を与える話がある

次は第一話のような方向性の話を長くした感じのを書きます



恋人は動物の言葉がわかるようになったのに自分の犬の言葉だけわからなかったから
イライラして傷つけたってこと?あと子供がやけに老けた発言するのは伏線じゃなくて思わせ振りなだけ?

>>66
恋人の方は簡潔に言ってしまえばそれで合ってます。
ただイライラの理由はもう二つあって、カウンセラーと神話学者の手記から
1.ペットが好きな人ほどペットの異常事態に上手く対処出来ないこと(ペットを癒しというよりは心の支えにしてる人)
2.感染した人は更に多くの動物(一部の虫や爬虫類)の声も聞こえてしまうこと(外に出るとかなりうるさい) が判明する
3作目で恋人がペットを買った後に能力が発現し、話せないイライラと2のストレスを晴らす(男が正しくその能力を利用する話も予定していた)

子供=友人は父親が優秀な警察官でその手記からは、自分の息子がギフテッドかもしれないと考えるが
神話学者の手記で、「子供の頃から豊富な知識を持つ者は蛇の生まれ変わり」という言い伝え有ることが分かり(胡散臭いが)ギフテッドというのは否定される
3作目で蛇は、友人が人間に悪さをした蛇の生まれ変わりであること、蛇が力を与え友人の動向を伺うことで前世の罪を赦すか決めること(これが本来の仕事)
蛇(竜の神様)は人間や他の動物に対して中立な立場で裁いている(が気まぐれを起こすこともある)と言うことを男に伝える。

サンクス

種明かし的な感じでこのスレで続き書いても良かったかもね
一話だけ全然方向性が違う作品なのはなんで?

>>68
一話目を作ったら思いの外短くて、何か寂しかったので追加したらこんなことに
このスレのメインは第1話で後はサブだと考えて書いていたのに風呂敷広げ過ぎました

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