うどんげ「とりあえずこのへんでいいかしら。ここなら人間の里にも近いし、人間と妖怪の両方のお客さんを見込めそうだわ」
主に竹で作られた粗末な屋台に、「うどんや(げ)」の看板を掲げる。
「うさ耳がついているだけの女子高生」、鈴仙・優曇華院・イナバのおうどん屋さん第一号店が誕生した瞬間だった
うどんげ「さあ頑張っておいしいおうどん作らないとね。料理はお餅以外作ったことないからちょっと不安だけど」
うどんげ「まずは材料をこねて」コネコネ
うどんげ「伸ばして細切りにしてっと・・・うーん思ったより均等に切るのって難しいのね」ネッチョネッチョ
うどんげ「お汁のだしはタケノコとかでいいのかしら?」グツグツ
試行錯誤を重ねること数時間、遂におうどんが完成した
うどんげ「これで準備完了ね。早くお客さん来ないかなぁ」
うどんげ「いらっしゃーい、おいしいおうどんやってますよぉ」
霊夢「あらうどんげ、あんたこんなところで何やってるの?」
うどんげ「いらっしゃいませー。いいところに来たわね霊夢、私今日からうどん屋を始めたの。良かったら食べていって」
霊夢「ふーん、じゃあ一杯いただこうかしら」
そう言って「食べれればなんでもいい巫女」博麗霊夢は竹でできた屋台のベンチに座った
うどんげは慣れない手つきで麺をゆでる
うどんげ「霊夢は記念すべき最初のお客さんだから、特別にお代はサービスするわ」
霊夢「そう、なんか悪いわね。ちょうどお金持って無かったから助かるわ」
うどんげ「うん、知ってた」
霊夢「しばくわよ?」
うどんげ「はい、おまちどうさま。ゆっくりしていってね」
霊夢「いただきます」
まずは一口汁を味わう霊夢。タケノコなどの23種類の食材の味が舌を喜ばせる。
予想外のおいしさに霊夢は顔をほころばせた
うどんげ「お味のほうはどうかな?」
霊夢「おいしいわ。タケノコその他23種類の食材がいい味を出しているわね」
うどんげ「よかった。それにしてもお出しに使った食材をすべて当てるなんてさすが何でも食べる巫女は味覚が鋭いわね」
霊夢「それ馬鹿にしてるわよね?」
うどんげ「ほ、ほら伸びないうちに麺のほうもどうぞっ(汗)」
霊夢「まあそうね、伸びてしまってはおいしくないわね」
パチンと箸をわって霊夢は麺を食べ始める。その姿を緊張の面持ちで見つめるうどんげ
霊夢「はむ・・・」
霊夢「・・・ん?・・・これ」
うどんげ「もしかして伸びちゃってた?」
霊夢「いや伸びてるといえば伸びてるんだけど・・・」
霊夢がくわえた麺は箸との間でうにょーんと伸びていた
霊夢「これうどんじゃなくて餅じゃないの!!伸びてるってレベルじゃないわよ!!」
うどんげ「え、お餅を細切りにしたらおうどんになるわよね?」
霊夢「なるかああああああああああああああ!!」
うどんげのおうどん屋さん第一号店はその後怒った霊夢のスペルカードによって物理的に閉店した
まだうどんげのうどん道は始まったばかりだ
おしまい
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