京太郎「みやながけ」咲「平行世界」 (1000)
1
不定期非安価
未来設定の京咲
頂いたお題から世界を構築
狭く深くのんびりやってます
今スレから平行世界で他カプもOK
カプにするなら咲照淡玄霞白セラからどうぞ
募集してない時でも雑談とかから拾います
・まとめwiki
http://www27.atwiki.jp/miyanagake/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449129501
・みやながけ
須賀咲
旦那さん大好きお母さん。周りに振り回されるが本人も大概。専業主婦のお嫁さん
須賀京太郎
嫁さん大好きお父さん。酔うとデレるサラリーマン。コミュ力お化け
宮永照
京咲大好きお姉ちゃん。実は乙女。トラブルメーカー兼プロ雀士日本代表
宮永界
家族大好きお爺ちゃん。娘たちにぞんざいに扱われる。まだ仕事してます
宮永母
常時迷子なお婆ちゃん。一緒に住んでるけど、原作に出るまで出番はない
京咲息子
わんぱくで外で遊ぶのが大好き。妹の面倒を良く見る
京咲娘
お父さんっ子、お兄ちゃんっ子。絵本が好き
咲ちゃん妊娠を機に、改修した宮永家に須賀夫婦が同居
表札には「宮永」「須賀」があり、みんなで住んでいる
・みやながけを取り巻く人たち
原村和
喪女その1。お見合い19連敗中。悪待ちだけは許さない。小学校の先生です
竹井久
喪女その2。アラサールートにずっぷり。デジタルだけは許さない。美人OLやってます
片岡優希
精神的にいい女に成長。常識的に京咲を守る子。社内のムードメーカー
染谷まこ
一児の母。厳しく強いお母さん。まこ娘と京咲子供は仲が良い。roof-topで頑張ってます
夢乃マホ
ギャルをコピーしたスーパーマホっち。男の弱い部分を攻める子。OLだよ
大星淡
「The Big Star」プロ雀士。最近みやながけに遊びに来ます
石戸霞
高校生から老いてません。本人が語るのは黒歴史かオカルトか? 結構売れてる小説家。京霞同人も作ってます
小瀬川白望
高校生から老いてません。霞さんと仲が良い。働かなくても生きる極致に到達しました
松実玄
無害な重力発生装置。既に死ぬまで独身を貫くつもりです。松実館に就職
江口セーラ
常識人なプロ雀士。乙女モードに入ったけれど、京太郎が既婚者だと知りません。だいたい照のせい
・ちょい役
薄墨初美
旦那を尻に敷く人妻。子沢山なしっかり者。薄墨家を継いでます
松実宥
大学に行ってお見合い結婚。松実旅館を継いでます。妹の行く末が心配
亦野誠子
淡を放っておけないとてもいい人。実は恋人がいるよ。OLやってます
狩宿巴
料理上手な人妻。霧島のおしどり夫婦。まだ子供はいないよ。狩宿家を継いでます
原村恵
娘が喪女になって壊れた。宮永界の旧友。最近お見合い相手を探すのが楽しい
高久田誠
京咲とは中高大と一緒。京咲のために大学の出席は代返してました
・1スレ目で頂いたシチュエーション
14
【仕事場にお弁当を届けに行く咲ちゃん】
72
【一緒にスーパーで買い物】
84
【休日にまったり耳かき】
151
【久しぶりに姉も誰もいない二人っきりの京咲】
158
【照にあすなろ抱きされて耳元で囁かれる京太郎】
159
【照の誕生日京太郎独占】
181
【照の誕生日京太郎独占権プレゼント】
125
【内弁慶】
148
【鍋料理】
149
【紅葉狩りに行く】
156
【子供達と一緒にお風呂はいる】
【川の字で寝る】
157
【旅館で家族風呂】
174
【子供に「伯母さん」と呼ばれる照】
180
【膝の上に座って充電】
152
【優希と和が訪ねてくる】
203
【高校時代の麻雀部員との会話】
150
【告白した時のこと】
235
【子供の名前を考える夫婦とDQNネームをつけたがる照】
75
【突然の大雨に濡れてしまったので三人でお風呂】
160
【宮永家全員とヤる】
275
【看病】
276
【酔っ払って前後不覚に陥りながらなんとか家に帰って玄関に倒れ込み、むくれながらスーツを脱がそうとしたらすごい勢いで手を振り払って「止めてくれ、家に妻がいるんだ」と喚いて気を失う京咲】
161
【子供の授業参観などの学校行事】
226
【夫婦喧嘩してから仲直りまで】
227
【子供達が京ちゃんを独占していることに嫉妬して、パパは10年も前からママのなのーって嫉妬する咲ちゃん】
277
【押入れを整理してたら高校時代のセーラー服出てきて、ついつい着ちゃう咲ちゃん】
274
【お産間際のみやながけ】
201
【咲ちゃんは友達が少ない】
271
【京咲家デートの割合】
↑投下済
・2スレ目で頂いたシチュエーション
864
【界さんが京ちゃん呼びする理由】
989
【両親視点での生活風景】
994
【出産前後の京咲】
988
【恋人になってからの初デート】
481
【京太郎と照の浮気疑惑】
996
【照と京ちゃん夫婦に間違われて咲ちゃん嫉妬】
990
【プロポーズ】
477
【結婚前、界さんに嫁さんにくださいな挨拶をする京ちゃん咲ちゃん】
863
【京咲が結婚後に宮永家に住んでなかったら】
987
【結婚初期の話】
476
【妊娠発覚時の様子】
993
【照視点で何か】
480
【バレンタイン】
998
【家族みんなでトランプ遊び】
999
【みんな幸せな風景】
888
【子供が風邪を引いたら自分が代わりになってあげたいと思う京咲】
992
【友情破壊ゲームをプレイしたのに、さらに絆が深まった京咲】
1000
【京太郎たちが3年の卒業式】
991
【重婚が法的に認められてテルーと京ちゃんの子が誕生、という照の夢オチ】
482
【カン(物理)】
67(4スレ目)
【咲ちゃんのお料理講座】
↑投下済
・3スレ目で頂いたシチュエーション
862
【京咲最大のプレゼントは感謝の言葉】
901
【女子会にて少女漫画などに良くある壁ドン顎クイetc.の話で盛り上がるもよく考えたら全て京ちゃんにされていた咲ちゃん】
984
【照とロッカーに入ってしまって嫉妬する咲ちゃん】
986
【何かと頼りにされる咲ちゃん(の夫)】
998
【京咲照で海水浴】
1000
【清澄麻雀部全員での同窓会で盛大にのろける京咲とかさ】
985
【子供たちの運動会とか】
989
【子供達がよその子とおままごとをしたせいで須賀夫妻の(主に夜の)家庭事情が赤裸々に】
905
【男女の双子について。ヨスガ】
127(4スレ目)
【子供が親の真似をしてキスとかしてた】
994
【タイムカプセル】
906
【ペットのカピバラと戯れる】
999
【高校時代にできた戦友】
987
【子ども達と一緒にスーパーで食材お買い物】
135(4スレ目)
【DNAに刻み込まれるレベルの迷子属性】
997
【京咲大学時代の照視点】
↑投下済
・4スレ目で頂いたシチュエーション
122
【照の試合中継をおうちでテレビ観戦京咲】
126
【いつもの調子じゃなくてガチ本気で京太郎に迫る照】
220
【ほのぼの定期って、次あたりでまた盛るんだろ!】
123
【照と京太郎のデート(with咲)】
331
【双子から何て呼ばれているか】
348
【すこやんをテレビを見た双子の反応】
121
【照に京太郎と結婚することを伝える時の咲さん】
242
【部長の話】
270
【10年後のスーパーマホっち】
442
【危しマホにちょっとデレてしまった京ちゃん】
434
【照のプロ仲間が家に遊びに来たりとか】
440
【照の女子(プロ)会】
436
【まこから見た和久マホ】
438
【子供達とまこの雀荘へ遊びに】
445
【まこさんは誰かと結婚したんだろうか】
439
【この前の霞さんの話のつつとか】
456
【京ちゃんエロ本所持なお巨乳もの】
495
【胸の大きい人を見て鼻の下を伸ばす京ちゃんを見て本気出す霞】
496
【息子が淡に麻雀を教えてもらう。そして娘の淡への反応】
523
【黒歴史ノートを読んで凹む霞パパ「今どき許嫁とかSOA…」】
444
【子供たちの七五三をする京咲】
528
【楽しそうに何故か姫様や六女仙の話をし始める霞さん】
542
【酔っ払った京太郎と二人きりになる久】
125
【宮永姉妹に襲われる京ちゃん】
443
【京太郎出世する】
616
【照に甘える淡と、淡に対抗して照に甘える兄妹 を見ている咲ちゃん】
615
【和久の逆光源氏計画(成功する見込みなし)】
437
【新婚旅行】
522
【霞さんも女子会()に参加してみよう】
525
【咲ちゃん以外が参加の女子会】
529
【夜中に一人でトイレに行けなくなったみやながけ一同】
617
【健康診断】
684
【京太郎とシロの出会い】
723
【グラビティクロチャーに救いの手を】
725
【クロチャー、長野に観光に来る】
715
【昔に京ちゃんに宛で書いたけど渡さなかったラブレターが発掘されて、なぜか京ちゃんに朗読する羽目になった咲さんとか見たいです(畜生スマイル)】
719
【偶然京太郎と出会ってしまう霞さん】
716
【京ちゃんが長期出張中の家の様子】
722
【宮永家に偶然知り合いが大集合】
712
【初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち】
712
【幼稚園の学芸会(お遊戯会?)で劇(シンデレラ、西遊記など)をする子供たちを見る宮永家】
789
【クロチャー、京ちゃんや子供と一緒にいて夫婦と間違われる】
754
【恵さんにものすごく孫自慢する界さん】
718
【京霞本を読んだ久と和の感想】
124
【京咲の結婚式での照と清澄の様子】
720
【双子の誕生日会を家で】
721
【京ちゃんの男子会】
812
【家の中でトルネードぶっぱする照】
788
【クロチャーに何か手紙を書かせよう】
926
【京ちゃん、麻雀で覚醒!】
925
【他人の家を掃除しだすクロチャー(平行世界)】
971
【霞さんの平行世界の話】
↑投下済
未投下
725
京ちゃん、咲照とドライブする
785
クロチャーのところに家族みんなで旅行に行こう
970
京白で最高に幸せな生活
972
白霞玄と卓を囲む照
977
テルーの公式戦を観客席の最前列で見学する京咲
978
照が京ちゃんへの恋に落ちる瞬間
ではまた来ます
前スレ埋まったら移行します
1/8
978
照が京ちゃんへの恋に落ちた瞬間
「照はどうしてその『京ちゃん』のことが好きになったん?」
そんなことを友人であり、ライバルである江口セーラに聞かれた。
この前の飲み会からこっそりと女の子ファッションなどを頑張っているらしく、恥ずかしがる姿がとても可愛い。
私の惚気でよければ、話しても大丈夫。
「京ちゃんと出会ったのは、妹と仲直りした後の話。
妹が『中学生時代に仲良くなったんだ』って言って連れてきたのが最初の出会い」
今でも鮮明に思い出せ……ない。人間の記憶って残酷だね。
それでも決して忘れない。あの時のことは覚えている。
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i:ハ: : : i: i 斤ハ ミ、 ゞi ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i
i:i .ト.: :i: :i. ', ⊃:::::ノ:i 弋:::::丿ソ i: : :./⌒ヾ: : : :.i
. ',} i:ヽ.:i: :i 弋二丿 ─ ´ j: : / i: : : :.|
i: : ヘ.: :i / ´ /: : : : | 「ちょっとだけ、長くなる」
i: : : : : ハ ' /.: :: : : :|
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. i/ ヽi 、/ /.ノ / /: :/ゞ _
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ヘ ',::', i´ `/
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2/8
……
…
咲と和解して、京ちゃんを紹介された。
その時には『つまらないものですが』なんて言いながらお菓子を渡された覚えがある。
私はすぐにお菓子に気を取られて、妹と同じ『京ちゃん』って呼び方をしたんだ。
何せ、それまで私は京ちゃんの本名より、何度も何度も繰り返す咲の『京ちゃん』って単語ばかり聞いていた。
会う前からはしゃぎながら『京ちゃん』の話を繰り返す咲。
/ \
/ .::::::::..::::::::. ::::::::::::.. ::::::::... ヽ
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i/ |::::::};ハ{. Lン|:::::;ル'^ }::::::|::::::::::::::::::: |
|:::ノ "" j/ /::::::|:::::::::::::::: :: | 私は見たこともない『京ちゃん』に嫉妬していた」
|::::.、 '^リ::::::!:::::::::::::::: : | |
|::::ハ` !:::::/:::i::::::::::::i: |ノ
|/ ヽ.__,..::、 /::::/:::/:::::::/:/!: /
V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\
,...-‐'" `ー- 、
r=、´ `ir、
/\ヽ、 ||.ト、
ハ | |:| ||.| |
. i ゙、 | |:| ||.|/!
| ゙、 !.i:i ||.||
咲が笑顔で接することができる相手。
気が弱くて人見知りの咲が、こんなにも懐いている。
気兼ねなく接して、強気に出られる咲なんて見たことがない。
私にとっての咲は、小さい頃にトテトテと後ろをついてきてくれた。
そして麻雀を覚えて、恐怖の目で私を見る、その姿が最後だった。
そんな咲が、昔の私以上に心を開いている相手がいる。
咲が一番辛かった時期に、側にいてくれた人がいる。
嫉妬していたんだ。
自業自得で、当たり前のことなのに、姉としてやるべきことが出来なかったことが辛かった。
だから最初は、いい人だとわかっていて好感を持っていたけれども、同時にちょっと苦手だった。
3/8
その後の切っ掛けなんて、特になかったよ。
京ちゃんはただ、普段通りに過ごしていただけだもん。
私だって咲ほどではないけれども他人と話すのは得意じゃない。
そんな私にも、彼は咲と同じように接してくれた。
『照さん! 新しいお菓子買ってきましたよ!』
『……! ど、どうして?』
『へ?
だって咲が【お姉ちゃんはお菓子が大好きなんだよ】って言うから、お土産に買ってきたんですよ』
『そんな、わざわざ買うなんて』
『いやぁ、界さんにもお世話になって……お世話してるのは俺か……?
ま、まぁ、これから照さんにもお世話になるかなァ? って!』
『賄賂?』
『そうです! 賄賂です!
是非受けてとってください【お姫様】』
『ふふふっ』
彼は私と咲の関係について聞くことはなかった。
4/8
『京ちゃんは、私と咲の間に何があったか気にならないの?』
『ちょっとは気になりますけど、話したくないならいいんじゃないですか?
誰にだって話したくないことくらいあるでしょ』
『京ちゃんにもあるの?』
『そりゃありますよ!』
『例えば?』
『中学生時代のハンドボール決勝の後、負けちゃって咲に……ってなに言わせるんですか!』
『ふふっ』
深く追求してこない、そんな関係がとっても心地よかった。
『照さん、これどうぞ』
『これは、クッキー?』
『ホワイトデーのお返しです! 咲と、照さんの分ですね!』
『し、市販のだったのに手作りでお返しなんて』
『いやぁ、俺のなんてすっごい不格好ですよ。
料理なんてタコスくらいしか出来ないですし』
『京ちゃんのタコス、今度食べてみたいな』
『おっしゃ! 任せてください!』
妹の幼馴染という、絶妙な距離感。
5/8
『照さん。咲と一緒で本が好きなんですね。
そんな照さんに、俺と咲からプロ記念のプレゼントです!』
『これは……、ブックカバー?』
『け、結構高いやつ奮発しました!
咲、そこに隠れてないでちゃんと渡そうよ!』
『う、うぅぅぅ』
『二人で、選んでくれたの?』
『はい! お気に召したらいいんですけれども』
『ど、どうかな。お姉ちゃん』
『……』
,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
.': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧
/: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
/: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : { \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :| 『ありがとう二人とも。
′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : | 一生大事にする』
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : |
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : |
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : |
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
6/8
『照さん、大丈夫ですか?』
『ちょっと辛いかな。
やっぱりプロは強いよ』
『照さんにそこまで言わせるなんて』
『でも、大丈夫。
私には力の源がある』
『へ?』
_. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
/: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
/: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
/ : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
|: : : ,: | , V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 『京ちゃん。お菓子』
|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
|: :/|: 从: : : . ‘ ’ イ |: :/ : : :/: : :/
|:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨: : : /: : :/
}' / ||:| ∧ /,': : : /: : .イ
/ ||:| / _,./ / : イ:/\
/ ∧:{ /⌒\´/ ´ ´ 、
, {:.:\、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、
/ ∧:.:.:. ∨ /_,.:.―:.:.´:.:.:.// Ⅵ |
{__ , \:.:.:{_/-- ´:.:.:.:.:.:.:./ , マ |
//≧=- 〉介、______/_ / } |
//> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄,:' | |
,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
7/8
……
…
「私は、咲を大事にしてくれる京ちゃんのことが大好き」
「お、お熱いなぁ。
でも、なんかこれといった切っ掛けーって感じやあらへんなぁ」
「私の場合は、気付いたら、って感じかな。
京ちゃんは人の心を溶かすのがうまいから、少しずつ好きになったんだと思う」
「へ、へぇー」
「一目惚れって人もいるだろうけれども、私はこうだよ」
「よっしゃ! 参考になったわ!」
「それならよかった」
「照はこれからもアタックするん?」
「うん。私は私なりに頑張る」
「そうか……。
こ、これからは麻雀だけでなくライバルになるかもしれんな!」
「? うん」
「ちなみに、ちょっと聞きたいんやけど……」
8/8
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`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
, . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
'´ /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
, : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
,ィ≦壬ニニニ{ }ニニニニニ≧s。
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 | 「(結婚してるから)付き合ってないよ」
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
,、
ー-..、 ',:\
_\::`ヽ、}: :ヘ
_,,,. . .-‐: : : ̄: : : : :`゙: : : ヽ: :},____
`''ー---: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ン’
/:^:´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゞ´ パァッ……
/: : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : :\: : :ヽ
,,ィ: '": ;_:ノ: : : : /: : : : : : : :i: : : : : :}: : :ヽ: : : : 、
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`7: : :r 、:{: : ,ィ==ュ、 /: : :/_´,,レ、: : }: : :,
/: : : {.{ヽレ"“㌢さ ’/:;/ ィチァヾ }: :.,': : : ., 「(よ、よし!)」
ノ- "7:;ゞュ」 ゝzシ´ '"´ 込ソ 〃}:/、: : : :ヘ
'´ ヽ: ヽ . ,': :":} `ー--ゝ
ゝ: i 、 r _ ァ ノ ヽ: : ,
_,,ィニ} .__ , ´ ヾ}
_,,ィ≦ニニニ<,,_ L}≧zzュx、
,'へニニニニニヘ`゙ -‐'iニニニニニ7` 、
〈 へニニニニニヘ i!ニニニニ=7 ,' }
i、 へニニニニヘ !ニニニニノ ノ ,
カン!
恋に恋する乙女セーラ
そろそろ淡出さないと……
乙です
和京でお見合いって書こうってしようしたけど候補に無かった(´・ω・`)
>>24
和京のお見合いネタやってみます
前スレ1000の化学反応どうしよう…
グラビティ(漢)とかグラビティ(物理)とかになるんじゃね(適当
1/11
24
和京のお見合い(平行世界)
原村和です。お見合い19連敗中です。
ここまで来て私は悟りました。
「間違っているのは私じゃない! 世界の方です!」
そう。現実世界で相手を見つけようとするからいけないのです。
よく考えてみてください。
ほうら、画面の中にはより取り見取りのイケメンがたくさんいるじゃないですか!
髪の色だって選び放題! 性格だって好きなだけ! 相手の職業だって好きに出来ます!
決して裏切られることもなく、好きなだけイチャイチャ出来るんです。
危なかった……。危うく三次元に惑わされるところでした。
そもそも、私はネトマで有名になったんです。
私の世界は電子の世界にあるんです!
2/11
「さて、今日もFF14をやりますか」
ネトマも一息ついたので、ネトゲに移ります。
天使のどっちのイメージが崩れる?
やれやれ、今時ネットゲームをやっていて2ch等と関わらないなんてありえませんよ。
ネトマの掲示板や情報一つ見ても煽り煽られ叩き叩かれの混沌。
超有名なニュースサイトも2ch・twiter・ふたばのまとめばかり。
否が応でもアングラサイトに触れてしまう昨今、それらに一切触れない女の子がいるでしょうか?
『私、ネット使うんだけど2chなんてわかんなーい☆』なんて言ってる子は絶対にアウトですよ!
大なり小なり関わってるはずです。
もちろん、『のどっちは運営の用意したプログラムだ』なんて言われた私がその世界にハマらないわけもなく……。
「また私に負けた人が騒いでいますね……。
IDを変えて、と。『負け犬の遠吠えじゃねーかwwwwww』
おっと、草を生やすのは時代が古いですね。
『負けたから文句を言うとか草生える』にしておきましょう』
ネットスラングも流行り廃りが激しくて困りますね。
かれこれ中学時代から10年以上ネットの世界に浸かっている私からしてみれば、新参に伝わらない言葉が多くて困ります。
3/11
「和、またお見合いの相手を用意したぞ」
……ついに来ましたか。20人目の相手。
ここまで、19人斬りを成し遂げた私にふさわしい相手が見つかるとも思えませんが……。
父もいい加減諦めてくれればいいのに。
いやまぁ、気づけば私も28になり、クリスマスケーキも半額以下のお値段で買えます。
お相手を選んでいる場合ではないのはわかりますが……私にだって夢があるんです!
「会うだけあって見なさい」
「はい。わかりました」
しかし家にいる間は両親に従順です。
父も私のことを心配してやってくれているのはわかりますし、それを無下にするのも気が引けますからね。
「相手の写真とプロフィールはここに置いておくから、目を通しておくんだぞ」
そう言って父は部屋の隙間からアルバムのようなものを差し込んできました。
以前、勝手に部屋に入った時に蹴り飛ばしましたからね。
最近は気をつけるようになったので、嬉しい限りです。
お相手の方も、ちゃんとプロフィールを見たいところですが、今は縄跳びの最中です。
後で見ればいいでしょう。
……その後ネトゲとネトマのループに陥った私は、相手の写真を見ることもなく本番に出向くことになったのでした。
4/11
「はふっ、はふっ」
「和、落ち着きなさい……」
お、落ち着けるわけがありません。
ここまで28年間、男性と話したことは数少なく、親しい男友達なんて一人しか出来ませんでした。
最後に会話を交わしたのは高校時代。その後のお見合いもいつもこんな感じです。
「お、落ち着きます。
デュフ、フヒッ、オゥフwwwwww」
「(今回もダメか……)」
父の哀れむ視線が痛いです……。
私だってこんなことになるなんて思いませんでしたよ!
ああ、高校時代が懐かしいです。
思えばあの時が私の黄金時代でした。
ゆーきと咲さんという友達がいて、全国制覇を成し遂げた時代。
あの一年が私にとっての絶頂期で、そこから先は転落するばかり……。
そう、全ては歯車が噛み合わなくなった、あの時に―――
5/11
,. --- 、 ____
/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
/ __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | |
.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ 「和……か……?」
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: /
///////// / }>、 ` イ |从
,'//////// / _ /--、l ` ̄ :, |--、
.///////// / イ/////\ {////} / 「///|
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///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
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,.' ´ ` 、
_,ィァ′ ヽ \
{少′ / ,i l ト、 i ,ィマ、
Y / /// | l| | ハ 辷='/|:..ヽ\
イ ′ / | { | 从、| } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
. { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、
リ、_! l リィチfト '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
l_,以 { ヒtリ ヒztリ |f リ| |:.:| |:.:|
「 l 「ト'" ' '""' _,イ | |:.:| |:.:| 「須賀、君?」
} } ハ tっ ィ' ) ,j リ 刀 「
/ /,イ| |l>、 ,ィ |ノイイ / リ |
/ /リ |:! !仏ィ_〕¨ 》,// / /| !
. / / r廾 .|「{: |-、 __ / // ,ヘ〔 .j {
〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
} } /`Y'| {:.:.:.:.:.l /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
j/ }`ー冫j\:.:.:| /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v' 人
. }/:.:. . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V / ∧
i':.:.:.. . . .: : :∧Ⅵ:.:.. . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
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_八 j:.:.!:..:|.. : : : : ノ{ {
{ i ヽ、._ |:.:.:.:.:|:: ,イ ヾ、_ |
∧ヽ { >=-.¨|:.:.:.:.:|==-__--,イ}:{ 丶、._〉
〉ヘ ':;:...| //´ |:.:.:.:.:|: : `¨ー= イ{l! ';:.. {
6/11
「おおっ!? 知り合いか!
じゃあ後は若い二人に任せよう」
父はそう言って私と須賀君を二人きりにしてしまいました。
……ものすごく気まずいです。
何せ、私と須賀君はあの高校一年生のインターハイが終わってから会ってないのですから。
「その、相手を聞いてなかったんだけどさ。
和だったら気兼ねしなくていいや」
「え、ええ」
そう、須賀君はインターハイが終わった後、私たちに何も言わず、転校していきました。
詳しい話を知っていたのは咲さんだけでした。
でも、咲さんは詳しい話を言おうとはしませんでした。
「今なら、聞いてもいいですよね」
「……大した話じゃないんだけどね」
おおよそ、お見合いの雰囲気とは思えない空気が場を覆っています。
「勝手な話なんだけどさ。
みんながインターハイで活躍してるのを見て、俺ももう一度頑張ってみたかったんだ」
「何を、ですか」
「ハンドボールだよ。中学生の頃にやってたんだ。
だからそこそこの強豪校に転向したんだ」
須賀君はバツが悪そうに頬を掻き、目を逸らしました。
7/11
「やっぱりほぼ1年間やってなかったブランクもあって、そんなに結果は出せなかったよ」
「そう、ですか」
「でも、あの時のみんなに少しでも近づけたんじゃないかって思ってる」
うっ、須賀君の笑顔が眩しいです。
い、言えません。その後の私たちはなんとなく気まずい雰囲気になって、まったく結果を残せませんでした。
咲さんはそれから隙間を埋めるように麻雀に打ち込みました。
ゆーきは須賀君のことが好きだった分ショックが大きかったようで、しばらくは消沈していました。
私は、その、寂しかったのは間違い無いんですが、二人ほど豹変したりはしませんでした。
問題は、夏休みが明けた後に起こったんです。
優勝したことが原因で入部希望者が殺到。
染谷先輩が頑張りはしましたが、もともと多くの人数を捌ける部活ではありません。
機材も何もかも足りませんでしたし、私たちは『男の子』のイメージがなかったのです。
ゆーきはそういった人たちにも素晴らしい対応を見せてはいましたが、染谷先輩とゆーきだけでは人手が足りず。
もともとの私たちの人数を遥かに上回る入部希望者によって、あの小さくとも居心地のいい空間はなくなってしまいました。
あの時、須賀君がいれば……なんて思うのは、さすがに身勝手が過ぎますね。
「それに、何より咲に見合う男になりたかったんだけどな……」
「?」
「いや、何でもないよ」
何処となく寂しそうな顔をする須賀君。
その意図を掴むことはできませんでした。
8/11
「そ、それで、和がこんなところにいるなんて意外だよね。
すごく美人になったし、男が放っておかないでしょ」
「び、びじっ!?」
い、いきなり何を言うんですかこの人は!?
「小学校の先生になりたいって言ってたもんね」
「しょ、しょれより須賀君は何をしているんですか!?」
「俺?
俺は日本ハンドボールのプロやってるよ。
あんまり有名な選手じゃないけどね。1.5軍くらいかな。ハハハ……」
そ、それでも十分に凄いじゃないですか!
よく見れば須賀君の顔にもハンドボールで受けたものか傷の跡がありますし、手のひらもボロボロです。
高校時代でも大きかった身長にさらに筋肉がつき、一回り大きくなったように見えます。
す、須賀君なら、私も素を見せられるかもしれませんし、高校時代のようになることが出来れば私だってお嫁さんに……。
勇気を出すのです、原村和! ここで彼を捕まえなければ一生独身ですよ!
「しゅ、しゅがくん!」
「お、おう?」
9/11
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/, ヽ ヽ
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 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
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´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ また今度暇なときにでも遊ぼうな……。
丶 ー ―‐ ' / |′
\ / | 今日はとりあえず帰るよ……」
__ i ー ' ! __
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ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
/ / ./ ,ィ ヽ ヽ_
/ / ./ // /! |l! .lY'::::::::::)
; i くlハ //,ィ / .| リ! j l }::::::::::l!
|イl! ' _`Vメ、 l / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
ゝゝ| ;´んィ:!` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
|| l 弋_丿 'んィ:!.ヽ// ,' ! } }
|| l 、、、 弋_丿 // .,ヘ .! j/
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|| ::ゝ. __ // ./. ! | 「ええ↑、じぇひ連絡をくだ↓さ↑い」
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|l!. l_L:;ノ:.ト!¨ T¨ェ:://.∥ll! l |
l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .! |
/-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .! !
. / | >ヽ ヽ:.:.:l l;'///: :/\ .| |
. / l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、 \ |
人.. V } :!:ヽV/'/l;;;_/ Y ..人 !
. / ヽl l ! [__] / .l i/ ヽ|
人と喋るのが久しぶりで、うまく喋れなかった気がしますが、次の約束を取り付けられたのでOKです! カン!
清澄優勝・京太郎が咲に告白できなかった+清澄から離れたのどっち次元
清澄優勝・告白できず・清澄在学から大学進学だとクロチャー次元
>>29
グラビティ(物理)…だと…?
京太郎が高校三年間同級生→小学校教師
京太郎が高校一年次で転校→ご覧の有様
ちょっと京ちゃん影響力強すぎんよー
1/8
943
宮永家の大掃除
須賀咲ちゃんです!
もうすぐ年末ということもあって、少しずつ掃除をしています!
いきなり大掃除をすると大変だから、少しずつ物を減らしているんだ。
掃除のポイントはどんどん捨てちゃうこと!
もったいない、って思うけれども、家のスペースはお金には変えられないからね!
……そして、大掃除と言えば!
「今年の京ちゃんのえっちな本チェックタイム!」
です。
毎年毎年、隠す場所を変えるから小賢しいよね!
パソコンの中に隠すこともあるみたいだけれども、私はパソコンが苦手なので探せません……。
でも京ちゃんは実際に本で見る方が好きなのか、結構な数のエッチな本があるみたいです。
無理やり聞き出した時曰く、『体勢とか……』と濁していました。
全く、お嫁さんがいるのに失礼だよね!
きょ、京ちゃんが好きならいつだって頑張るのに……。
そんなことを言いながらも、男の人は一人でしたい時もあるみたいなので、納得はできないけど許容しています。
いいお嫁さんの条件だもん。
2/8
ちなみに、高校生の頃は大きなおっぱいの本がたくさんあったんだよね。
そんなに胸が好きか……、そうか……。
でも和ちゃんのおっぱい揉んでると気持ちがわからなくもなかったり。
今は身の危険を感じるからやらないよ!?
その時の隠し場所はベッドの下。全部揃えてベッドの上に置いておいたらちょっとしたケンカになったこともあります。
『咲!? なんでこんなこと!?』
『きょ、京ちゃんには私がいるでしょ!』
『お、落ち着け咲。それに対応がオカン的な感じだぞ』
『お、オカン!? そんなにおばさんくさいって!?』
『違う、そうじゃない。
男の子にもいろいろあるんだよ!』
『へぇー……? ふーん?』
『それに、咲は咲で大事にしたいというか』
『女の子はちょっと強引な方がいいの! このヘタレ!』
『……じゃあ強引にしていいんだな?』
『い、いいけどまだ責任取れないんだから気をつけてよね!』
『どうしろと』
『なんでそこで下がるのバカァ!』
『理不尽!?』
全く、女心がわかってないよね!?
3/8
それから京ちゃんの隠し場所は少しずつ変わっていきました。
ベッドの下から普通の本棚。いくつか本をとると見えるようになる場所。
辞書の外側だけとって中にエッチな本を入れる。
机の二重底の下。……デスノートが流行ってた時期だね。
でも、それらが全てダミーだったのを知ったのは大学生の時だった。
『京ちゃん。ご飯作りに来たよー』
『ちょ、ちょっと待て咲!?』
『何さ今更……。台所借りるね?』
『お、おう』
何気なく備え付けのエプロンに着替えて料理を始めたけれど、京ちゃんの行動には気づいてたんだ。
実家に帰るときに使う、鍵付き旅行カバンの中……。
その日はあえてスルーして、京ちゃんだけ大学に行くときに散策しました。
,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
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'´ |: 八: :| ((__)) ((__)) |: :/} : ハ:| 「……これって」
|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }'
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个 . ー― ‐' 个从{
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l ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´ }
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4/8
そこにあったのは、幼馴染本の数々。
いわゆるシチュエーションを求めるえっちな漫画でした。
それも、最近のものだけでなく、出版日を見ると数年前の年季が入ったものまで。
使い込んだ形跡というか、折り目まであってなんか恥ずかしい。
……えっ、ということは。
おっぱい本はダミーで、幼馴染本が本命ってこと?
_........----......._
,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
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:': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
/: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
.': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
, : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
| : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
{: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
{八:{ \:{とヒこソ ヒこソっ: イ: :| \} 「ふ、ふーん?」
| 乂ム :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.: ムイl: /
从{∧ _ _ 人:∧{
|/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
/⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
{==、 {:\/ 〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
, \Ⅵ / | ,::::::::/イ:.:./ ∧
{ `| 、 |_/= ´イ:.:.:,イ / }
| Ⅳ \ | ̄´:.:.:.:/= }イ |
へぇー?
京ちゃんの趣味ってこういうのなんだー?
しかも内容的にはラブラブものばっかりだよねー?
ふーん?
うへへへへへへ!
5/8
……
…
その時はバレないように元に戻して、一回家に帰ってちょっとえっちな下着に着替えて出迎えてあげたりなんかしちゃった!
夫婦の性活を飽きないものにするためには、夫の最近の趣味を知ることは重要だよね!
さぁーて、今回はどこに隠しているのかなー?
気合を入れて京ちゃんのベッドを掃除しようとすると、一冊の本が出てきました。
……えっちな本だこれ!?
つ、使った後片付け忘れたのかな? 無用心だなぁ。
さて、今回の内容は……。
『幼馴染のお姉さんとラブラブえっち!』
,. . : : :――: : . .
,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
, :´: : : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
/: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
.': : : : /: /: :.|: |: : :|:|: : : |: : : : :.∨: : : : :.
/: : : : : |: ': :|: |: {:, -|:{---|、:|:|: : : |: : : : : : .
': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
/: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
|: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \ _)::刈 }: : // V: : : |
' l |: : :乂{ _):::} Vzり/:イ } ノ : /リ
|: ∧:.∧ Vり _,..イ:/}/ 「ゴッ潰すっ!」
|:/ V : :. ' イ:イ:/ /
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6/8
お嫁さんを放置してお姉ちゃんで抜くような京ちゃんの京ちゃんはいらないよね……?
一人で処理できないくらい搾り取っちゃえば出来なくなるもんね……?
許してあげるのはいいお嫁さんの条件? いや、それはそれとして!!!!!!
ううっ、京ちゃん最近満足できてないのかなぁ。
理屈ではわかるけれど、ショックだよぉ。
……でもなんか、京ちゃんのベッドから女の子の匂いがするような。
:_,. -─……─- :
:
.:´........................................................\:
:/.......................|........ト、..............................ヽ: ドタドタドタドタバタン!
:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|:
:|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............|:
: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|:
:i|...|....| |............|: 「さ、咲?」
:||...|..人 , _ 人.......l..|:
八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
;/ ̄ |:\ ∧ / /:::::/ \;
:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
:/ \:::::::Χフ:::::::::/
/  ̄/:Τ:< ̄ ',;
;\ | 〈::::∧:::〉 | /:
. / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
/ .:.:.:.|:.:.:.:.| :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
/ .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. / .:.:.:.: |:.:.:.:.| \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
ー |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ 乂ー-ソ j/ V:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「お姉ちゃん、どしたの」
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/
|:.:.:八|:.:.八 r-, /:.:.:.:/
|:./ \:.:{\ / |:.::/
|: \ > .. _ イ リ/
__] {___
_/三l /三三三≧=-__
_x<三ニ/´ / /ニ三三三三三三三>
. r≦三三ニニ/ /三三三三三三三>´
/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
7/8
ものすごい音を立てて走り込んできたお姉ちゃん。
よく見れば汗だくで、相当急いでいたみたい。
「そ、その、何してるの?」
「大掃除前に簡単に掃除してるんだよ。
お姉ちゃんは?」
「わ、私は、その……」
煮え切らない態度で震えている。
お姉ちゃんがこんな風になるのは珍しいかも?
よく見れば、お姉ちゃんの視線は私が持っているえっちな本にある。
「ち、違うよ。これはここで見つけたの!
私のじゃないよ!」
「う、うん。それはわかってる」
「?」
「そ、その、咲。それ渡してもらってもいい?」
「ダメー。これで京ちゃん叱るんだから」
「それ……京ちゃんのじゃない……」
「?」
8/8
-─===‐-ミ
´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:| -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/ |.: .:八ノ ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「わ、私の、です」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
___
,. : : : : : : : : : : : : : : .、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
{: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
|: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :.
|:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉
}' 、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Ⅵ/∧: :!
∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ u |/ ∨ 「……!?」
}:/\:|: : : : : : : : / 人
/ -从-----イ{ イ
_,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
/:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{ ,:∧
/:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/' }
{::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::| |
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´ T T ―r――r、―――――‐ ' }
カン!
1/11
1000
セーラとクロチャーの化学反応
, '{ _,,
./::,' , ィ ン´
`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
, . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
'´ /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
, : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
,ィ≦壬ニニニ{ }ニニニニニ≧s。
宮永照です。
いつもの飲みで会ったと思ったら、深刻な顔で相談された。
私としては、もじもじと恥ずかしそうに顔を赤らめながら聞いてくるセーラは十分女の子らしい。
それに、一部のスタイル……非常に認めたくはないが、胸部装甲も私より優れているはずだ。
これはもしかしたら相談を装った自慢なのかもしれない。
そう邪推したいところだが、彼女は聞いたことを後悔しているのか俯いてしまう。
私としても、プロとして10年間ライバルを続け、今となっては親友と言ってもいい彼女の相談を無下にすることはできない。
「私も意識したことはない。
そもそも女の子らしくって、自分で意識するものなのかな?」
「せやかて、照は女の子らしいもん……」
俯いたままボソリとつぶやく。
私が男の子ならば、こんなに弱っているセーラを放ってはおかないのに。
あっ、京ちゃん安心して。これは浮気じゃないよ。セーラは親友だよ。
2/11
「私のどんなところが女の子らしいの?」
「そ、その、『京ちゃん』のことについて話すところとか」
なるほど。それは一理ある。
私も恋する乙女。京ちゃんのことについて話すときには熱に浮かされてしまっているのかもしれない。
ちなみに、菫に京ちゃんのことを話すと『惚気はいらん』とバッサリ切られてしまう。
本気で聞いてくれる相手など、セーラしかいなかったのだ。
「もしそうなら、私は恋をしているからかもしれない」
「やっぱりそうかー」
「セーラは誰かに恋をしているの?」
そう聞くと、セーラは顔を真っ赤にしてわたわたとしだす。かわいい。
「そ、そんなわけないやん!」
「本当?
気になる人、くらいはいるんじゃないかな」
「……す、好きってわけやないけど、その、気になる人はおるねん」
「ふふっ」
「や、やっぱりおかしいん?
こんな俺が恋なんて」
「そんなことないよ。
だって……」
_. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
/: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
/: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
/ : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
|: : : ,: | , V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 「今のセーラは、とっても女の子らしいよ」
|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
|: :/|: 从: : : . ‘ ’ イ |: :/ : : :/: : :/
|:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨: : : /: : :/
}' / ||:| ∧ /,': : : /: : .イ
/ ||:| / _,./ / : イ:/\
/ ∧:{ /⌒\´/ ´ ´ 、
, {:.:\、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、
/ ∧:.:.:. ∨ /_,.:.―:.:.´:.:.:.// Ⅵ |
{__ , \:.:.:{_/-- ´:.:.:.:.:.:.:./ , マ |
//≧=- 〉介、______/_ / } |
//> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄,:' | |
,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
3/11
「そ、そうか?」
「うん。とってもかわいい」
「か、からかうなや!」
「からかってないのに……」
やっぱり女の子の魅力って、誰かに恋をしている時が一番だと思う。
咲だって京ちゃんと一緒にいて、甘えている時が一番かわいい。
セーラもこうして、恋に憧れている時が一番かわいい。
「でも、俺は服とか化粧とかどーしたらええかわからんし」
「うーん……」
私も最低限の身だしなみくらいにしか自信はない。
セーラが言っているのは普段の行いも含めた、女性らしい振る舞いを言うのだろう。
そう考えると、私の友人の中で妥当なのは一人しかいない。
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「私にいい案がある」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
4/11
……
…
'" . . . . . . . . . `
/ . . : : : : : : : : : : : : : : . . \
/ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/ . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
/ / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
/ /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
′ . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
|人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
__i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| | 「松実玄!
_/ { / //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
/ { /∨ ,イ〃h!i:i:i :! ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | | ただいま参りましたっ!!」
__/ ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ 込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
'" /\ノ:.|ハ , ハ: :. :.|: |
/ __ イ: : :i! """ __ """ iノ: : : l: :|
} /:.:|: : :.lヽハ i } 人 : : : : : |
//: : i!: : :|: : :.ゝ 、 ノ イ: :.:l:. :.:/ : :.l
__ '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :> __ <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
/ __. i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__ __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
/`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く 入__/^ヽ ` y/¨´: : : : : l
ハ \ \∧ ∧ / ` .:.:..l
. / ! 、 | x─‐ヘ x─‐┐ ’'ヽ
´ / `| 〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈 ハ
ー‐ | 〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉 ′ l
、 V 〉__/i! 〈\.:.:. :.∧ |
: : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : / }: :/ |: : : : : : : :}i: : : : : ゚。: : :ト :_:_:
` …‐- :_:_: : : : : : : : : ト .,_ : :  ̄ `ヽ/: / : : : : : : : :ハ: : : : : |: : :゚。
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/:: : : : : : : : : : -|: /: : : : /__/ィ′ \ | : : : : : : : : : //,.斗|'"´: : : : : :j |: : : : : ∧
. /.: -‐…|: : : : :/ |/ |: : :. イ¨んィi:≧=ュ、 !ハ: : : : : : ://´ j八: : : : : :ハ:!--== 、:
´ ̄ ∨: : :{ |: :./ { |:.:{lilノ:.:::::/∧ j′|: : : : :/斗:f斤「㍉}: : : : /: ||: : : : : : : {
∨{:∧ } / 乂: : ::jソ │: :/ んィilノ:::/ /.|: : : /:..:.リ: 、: : : : : :,
∨:ハ ″ `¨¨´ |/ {: : : :ソ /:.:|: : /: :ハ:.i| \: : : : :
〉: :\__ `¨¨´ /:..:.:|/: : :| Ⅵ \: : : 「おお、すまんな」
/ニリ : / ヽ :.:.:':':':.: 、 /⌒:, : : : : :.l リ \
/ニニr}/ \ :.:':':':. /\ ∨: : : :.′
ィニニニ∧ 、 `ー-- .,,__ /.| ヽ ∨: : /
/二ニニニニ∧ \ >=} } } ∧ 乂/
. /ニニニニニニ=∧ 丶 <二二// ∧
. /二二二ニニニニニ∧ / > -- <二二二二// \
/ニニニニニニニニニニ∧ / }ニニニニニニ// |
<二二ニニニニニニニニ∧__ / |二二二ニニ// / |
ニ> <ニニニニニニニニ∧ ` /|ニニニニ/イ / \
5/11
「玄。わざわざこんなところまでごめんね」
「いえいえ! 私が東京まで行っても良かったんですけど……」
「俺が相談する立場なのに、そんなことできへんわ!」
そう。私の友達の中で一番家庭的なのは玄。
咲は……、うん。当てにならない。
仮に連れてきたとしても、初対面の人とうまく喋れずにオロオロとして終わりだろう。
それに、咲は奥さんとしては頑張っているけれども、セーラの求めている女性像とは違うだろう。
その点、玄は女の子から見ても理想の女性像。
「直接やりあったことはないけど、10年振りかー!」
「そうですねっ。
えへへ、インターハイが懐かしいなぁ」
「なら、さっそく打つか!」
「もう、違うでしょ。
今日は女の子らしくなるの」
「そ、そうやったな」
さっきまでのテンションとは違い、『女の子らしくなる』という言葉を聞いたとたん顔を赤らめる。
「えっと、好きな人がいるんですよね?」
「えっ!? て、照!」
「ちゃんと相談する時には詳しく教えないと」
「俺やってこれが好きなんかわからんもん……。
ただ、ちょっとええなってくらいやで……」
私と玄は、それを聞いて思わず頬を緩ませる。
それを見て恥ずかしくなったのか、『もう知らん!』なんて言って歩き出してしまった。
「ごめん、からかいすぎた」
「でも、人を好きになるってとっても素敵なことだと思います!」
「えっと、玄でええかな。
玄はそんな相手おらへんの?」
6/11
-―……―-
...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
/.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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′::::i::::::|\:|.{:| ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|::|l:::::i:::::::::ト::{ ` \. ヾ ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
|::|l::::ハ::::::::ハ ___- 、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
|::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´  ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l 「えへへ、好きな人はいます!」
|::|l:{ i::::::l:::| 、、、、 , 、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
`O′ |::::::l从 j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l
/::j |::::::|::i::> ` ′ . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
{:::/ |::::::|::|:::::::::|> < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
|::{ .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
Ⅵ /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
/.::::::::::\r‐ '〃/レ 〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
'::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/ /::::::::/ ⌒ヽ:.:.:.:.:l
/::/:::::::::/ 廴_ 八 { /::::::::/ / V.:.:.::l
/:ィ:::::::::/ く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/ / V:.:.:.l
/〃 j::::::::/ レ } /  ̄ ./::::::::/ / }:.:.:.:.l
,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
.': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧
/: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
/: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : { \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : | 「(いるんだ。誰だろう?)」
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : |
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : |
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
7/11
「でもでも、私も彼氏なんていませんし、参考にならないかも」
「そんなことないで!
玄は見てて女の子らしいし!」
「そ、そうかなぁ?」
「玄はもっと自信を持つべき。
玄ならきっと、好きな人に振り向いてもらえる」
「あはは、それはないですよ。
じゃあ、今日は頑張りますね!」
……? なんで否定されたんだろう。
まあ、その辺を突くのも野暮かな。
「まずは何処に行くん?」
「えっとえっと、ちょっと待ってくださいね」
「ほら、セーラ。手帳を出しているよ。
これが女子力だよ」
「お、おおっ。これが噂の……」
「ふえっ!?」
「しかも女の子っぽく可愛らしいデコレーションの手帳に、可愛らしいボールペン」
「こう言う細かいところが違うんやなぁ」
「う、ううっ。私だって憧ちゃんに聞いたりしてるし……」
「来る前にちゃんと準備してくる。これも女子力」
「やっぱり女の子は違うなー」
「う、ううー」
玄が手帳で顔を隠してしまう。
うん、こう言う仕草がかわいい。玄がするとあざとくないのが卑怯。
8/11
「お二人は手帳とかは……」
「持ってないで」
「京ちゃんが全部してくれる」
「あ、あはは。
まずは服を見てから、小物を見ますか」
「一気に買うんやな!」
「ち、違いますよ。
私が友達と出かける時は服とか小物を見て、ご飯を食べながら考えて、最後に買うかなぁ」
「なるほど。何でもかんでも買うわけじゃなくて、考える時間をとるんやな」
「さすが玄。私が連れてきただけはある」
「その自慢は虚しくないんか?」
「でも、私は結構見るだけで満足しちゃったり……。
今度買おうかな、なんて思ってると時期を逃しちゃったりするんですよね」
「ほら、セーラ。
倹約家の女の子だよ」
「ほんまこの子かわえーな。
俺が嫁にしたいわ」
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/.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、 | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ
/:..:..:.:.: ′:.:.|:.:./〃 リ リヾ:、 :.:.:.:./.〃 ヾ:、リ .:.:.:.:i:..:..:..|
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j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:| ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧ 「う、うう……」
イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧
/:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、 r――――― 、 ι ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
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〃:..:/|〃 .:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.ハ:.:.:.≧==- __ -==≦:.ハ.:.:j:.:.:.:.|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:|i:..:.:.:.:.∧
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うん、いじりすぎちゃったかな?
9/11
「こんな感じのはどうかな?」
「ええっ、女の子みたいやん……」
「セーラは女の子でしょ」
「それにこれ動きにくいねん」
「一応私たちの年齢を考えると、あんまり露出したのは着られないよ」
「うう、照に言われるとなんか腹たつな」
「ひどい。この機会を設けたのは私なのに」
「す、すまんって」
「スタイルがすごくいいんで、ちょっと強調する感じとかどうかな?
……あっ、これなんか似合いそうです!」
「ちょ、ちょっと胸元が怖いわ」
「これでおもちを強調して、彼氏さんを悩殺するのです!」
「か、彼氏じゃないわ!
それはちょっとハードル高いで……」
「この素朴な感じの服、京ちゃんが好きそう……」
「へ、へー。『京ちゃん』ってこういうの好きなん?」
「うん」
「そ、そか。
俺はそれにするわ」
「? じゃああげる」
やっぱり男の人の意見があると違うのかな。
女の子の考える『かわいい』と男の子の考える『かわいい』は違うもんね。
10/11
「今日はほんまありがとな!」
「いえいえ! 私も楽しかったです!」
「玄は本当にいい子。
なんでもお願いを聞いてあげる」
「じゃ、じゃあ。また今度家に遊びに行ってもいいですか?」
「……?
そんなことでよければいつでも大丈夫」
「え、えへへ。やったぁ!」
「女性らしい仕草も教わったし、やったるで!」
「でも、セーラはいつもの自分を無理に隠す必要もないと思う」
「そうですよ!」
「そ、そんなこと言うて牽制やろ!?
『あなたなら今のままが一番可愛い』言う牽制やもんな!?」
「セーラが悪い子に騙されてしまった」
「ま、まぁそういう子もいますよね。
でも、今日のでバッチリですよ!」
「冗談やで!
俺、やってみるわ!」
「うん。じゃあまた今度遊ぼうね」
「はい!」
11/11
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.//.:/.:.:.:..:.:.:.l:.:.::八.:.:.:.:.| ´ ∨ }.:ハ.:.:.:|.:.:.:.:.|:.:.:.:.丶
/.:′|.:.:.:.:|.:.:.:|'⌒ \.:.{ ,.斗==ミ|.:.:.}:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.
./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.| \ " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
. / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气 ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
.:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ リ.:.:.:.:.:.:.:.:| 「(そう言えば玄とセーラ、何か話していたような)」
./.:. '" |i:.:.リ.:.:.:ハ ´"" ′ __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´ |i:/.:.:.:.:.:::::::. /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、 ´ ' イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::..... /|::::::/.:.:.:./ :リ
|.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_ |:::::/.:.:./ ′
八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く} ト/.:/
\{──<´ ̄ \\ |:イ \_
/⌒ \ ::::\ |:::| } =- .,_
/ 丶 、::::、 }:::} } 、
. / :::: /::/
/ `、 :::∨::/ ∧
≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
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/ソ|`::::::::::∥::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
. ∥ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::| ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ハ ィ.爪ハ .ヾ:i イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
. |::::::::::::i 弋っリ 込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
i:ハ:::::::::| xx , xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::| 「(私のデート体験を聞かれたけど、
o .i:::::::::i u |::::::::|:::::::::::::::::::|
i::| ト::::::ヽ. _ i::::::::|:::::::::::::::::::::| 参考にならないと思うのです)」
ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、 .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
/ノ | |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭 /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
|ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆' i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
|:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
|.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀 /.:.:.:.:./:::/ .ヽ|
|.:.:.:i::::::| > ,卅 / ノ.:.:.:.:/:::::/ /`.i
|.:.:.i:::::::/. <ヽ イ ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/ / .|
,、
ー-..、 ',:\
_\::`ヽ、}: :ヘ
_,,,. . .-‐: : : ̄: : : : :`゙: : : ヽ: :},____
`''ー---: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ン’
/:^:´: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゞ´
/: : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : :\: : :ヽ
,,ィ: '": ;_:ノ: : : : /: : : : : : : :i: : : : : :}: : :ヽ: : : : 、
`゙ー‐'フ: : : : : :./: : : : : : : ノ}: : : : : i!: : : :ヘヽ: : ヘ
`7: : :r 、:{: : ,ィ==ュ、 /: : :/_´,,レ、: : }: : :,
/: : : {.{ヽレ"“㌢さ ’/:;/ ィチァヾ }: :.,': : : .,
ノ- "7:;ゞュ」 ゝzシ´ '"´ 込ソ 〃}:/、: : : :ヘ
'´ ヽ: ヽ . ,': :":} `ー--ゝ 「(玄は結構重い子みたいやな。
ゝ: i 、 r _ ァ ノ ヽ: : ,
_,,ィニ} .__ , ´ ヾ} でも、ああいうのが男にウケるんやな!)」
_,,ィ≦ニニニ<,,_ L}≧zzュx、
,'へニニニニニヘ`゙ -‐'iニニニニニ7` 、
カン!
常識人の会話なので特に何も起こりませんでした
会話内容がアラサー付近というよりjkになってしまった
乙ー
何かとネタ扱いされがちだけど出来過ぎなぐらい嫁力高いなクロチャー
霞さん平行世界はガチ長編になるからまだ投下できないんだけど、幸せそうな霞さんが見たい
何か霞さんお題あればください
意外と負けず嫌いの霞さん
子守ってやったっけか
なんらかの事情で咲さんがでかけることになって子守とか
京太郎1人の時にこたつで雑談→仲良くうたた寝とか
おめでたいことがあってみんなにお祝いされるとか
咲さんに著書バレするとか
1/6
990
マスオさん状態の緊張を克服した京ちゃん
須賀咲ちゃんです。
最近少し悩み事があります。
「咲、何かダルかったりしないか?」
「私は大丈夫だよ」
「それならいいんだけどさ……」
「京ちゃんも落ち着きなよ」
「うっ……」
このソワソワと落ち着きのない京ちゃんです。
私が妊娠してから宮永家に移り住んで、みんなして世話を焼いてくれるようにはなったんだけれども、どうも京ちゃんの様子がおかしい。
みんながソワソワして私の世話を焼いてくれているのはわかる。
その中でも、京ちゃんに言い様のない違和感を覚えるのです。
「京ちゃん、何かあった?」
「俺?
……うーん、特にないけど」
「そっかぁ」
本人に聞いても、はぐらかされるどころか本気で心当たりがないようです。
京ちゃんが嘘ついたら咲ちゃんにはすぐ分かるからね!
そうなると、何が原因かなぁ。
2/6
「咲、お姉ちゃんにして欲しいことはない?」
「家事とか何もしないで欲しいかなぁ……」
「(´・ω・`)」
「昔はこうじゃなかったのに、お姉ちゃんは女子力をどこに置いてきたの……?」
「なんでもしてくれる京ちゃんが悪い」
「それならお菓子買ってくるのはやめますね」
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「ご、ごめんなさい」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
「お姉ちゃんも懲りないよね……」
「まァ、実際にはプロ活動で忙しくてそんな暇ないっしょ」
「京ちゃんは優しい。
私の自慢の義弟」
「もー……」
お姉ちゃんったら……。
あれ、そういえば京ちゃんの変な雰囲気が消えてる?
3/6
……
…
その時は気のせいだったのかな、なんて思ったけど、やっぱり違うみたい。
本人も気づかないところで、何か違和感がある。
埒があかないので、こっそり染谷先輩に連絡を取って聞いてみた。
『ふむ。妊娠してから京太郎がおかしい、と』
『そうなんです。不安なんですかね……?』
『うーん。
咲、引っ越すまでの京太郎には違和感はあったかの?』
『えっ?
その時は意識してなかったです』
『咲が気づけなかったっちゅーことは、なかったんじゃろ。
全く、他人の家の惚気話じゃの』
『えっ。わかったんですか!?』
『わしも旦那を家に迎えた時に旦那が同じ目にあっとるからの。
単純じゃ、お嫁さんの家が居心地悪いんじゃよ』
『……えっ!?』
『いくら京太郎がコミュ力高くて、宮永家と仲が良いと言っても他人の家。
慣れるまでにストレスがかかるのは仕方ないことじゃ』
『い、言われてみればそうかもしれません』
『まぁ、実際に見てもいないし、京太郎に関しては上から下まで咲の方が詳しいじゃろ。
あとは頑張りんさい』
『ちょっ、染谷先輩!?
……あぅ』
忙しくなったのか、惚気は聞いていられないのか、電話を切られてしまった。
京ちゃん自身すら自覚していない現状、私の考えすぎかもしれない。
……だけどね。
4/6
……
…
「京ちゃん、そこに座りなさい」
「お、おう」
何も言わず京ちゃんの裾を引っ張ってきてソファに連れてきて座らせる。
……ちょっとだけやつれたかな。もうちょっと太っていたと思う。
お仕事は大変で、妊娠した私のフォローをして、宮永家に溶け込もうとして。
私には不安がらせないように相談もできない。
もう、それで結局お嫁さんを不安にさせているんだから、やっぱり京ちゃんはダメダメだ。
「さ、咲」
「なぁに、京ちゃん」
「いや、なにこれ」
京ちゃんの頭をギュッと引っ張って無理やり抱きしめる。
……和ちゃんなら胸に顔を埋めさせるとか出来たんだろうなぁ。
「なにさ。ない胸は不満?」
「不満もなにも、いきなりどしたの」
「京ちゃんが疲れてるから、嫁さんパワーを充電してるの」
「俺、疲れてなんか……」
「疲れてるよ。私が見てるから間違いないよ」
「……はは、そりゃ間違いないや」
観念したのか、私の胸の中で大人しくなる京ちゃん。
そう、それでいーの!
5/6
「あー、なんか落ち着く」
「そう? 良かった」
「確かに、ちょっと疲れてたかも」
「でしょ。
確かに私は妊婦さんだけど、京ちゃんだって私の実家に慣れてないのに頑張りすぎなの。
結局私を心配させてちゃ意味ないもん」
「て、手厳しい」
「子供ができたらもっと厳しくなるよ!
ほら、触って」
京ちゃんの手のひらを無理やり掴んで、私のお腹にくっつける。
ちょっとだけ、お腹がたるんでないかな、なんて心配したりして……。
「この子が来たら京ちゃんを甘やかすのも半分になっちゃうんだよ」
「……そっか」
「いくら京ちゃんでも、疲れてる時は疲れてるって言えばいいの!
それが、ふ、ふ、夫婦でしょ!」
「……そこでどもらないで言えれば完璧なんだけどなー」
「う、うるさいよ!」
私だって、京ちゃんに保護されるだけじゃないんだからね。
支えあうのが夫婦、でしょ?
6/6
「……ありがと、咲。
落ち着いたよ」
「うん。まだしばらくは京ちゃんの特等席なんだからね」
「そっかー。特等席じゃなくなっちゃうのか」
「そうだよ。甘えられるうちに甘えときなさい!」
, ´ /V <⌒`
/, / ∨  ̄\___
' / ' ∨ 、 < ̄ ̄´
/ / , | V l | V \
' .' / l | | l | } 、 | } 、`
| | { |{ | {∧ l |//V / \
} ∧ ∨从>-、从 |'___}イ }、r----
/イ' 从 { =====∨\ }  ̄ |ノ `\ ____
乂 \ リ | ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
\__、 人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
/⌒7/{込、 , ―--‐ イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
/////\\//≧ __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : . っ 「咲のくせに生意気だ!」
{////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :. っ
///>-//}/////// ()//// 〈 {: / === /:イ: //\': :/: : : : :| 「ぅひ!」
,'////////≧=--- 、////////⌒ー--} |://:/}:\: / : : ,
{////////////////// ̄}¨´ r‐―ノ /' /、/イ: /`/: :
` <_////////////// | 〉 ヾ>jイ:イ: : /
|//// -=<__()__ノ--≦:く ,....::⌒\ /: : : : :,
|////////////////////乢\ `ヽ、:.:.:У ,:⌒V:∧: :{
|////////////()//// ̄Vノ >, __ ,イ_ノ/ \|
////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
//////// し'--く/ {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
,'/////////ノ---' \ ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
//////////∧ [二] ̄ ∧_二}´
「よし、嫁さんパワーを堪能したし、もう大丈夫だ」
「もー、次は気をつけてよね」
「その時は咲が気付いてくれるんだろ?」
「……ばか」
ふーんだ。気付いていても教えてあげるかは別問題だからね!
……よく気づけるなって? そりゃーもう!
私、いい嫁さんですから! カン!
1/9
989
姉妹喧嘩をうまく仲裁する京ちゃん
「お姉ちゃんなんて知らないもん」
「さ、咲……」
居間に行ってみると、プイッと可愛く目線を逸らす咲とオロオロする照さんの姿が目に入る。
一体何があったのか、と近づいてみると、俺に気付いた咲がいそいそとどこかに逃げていった。
「照さん?」
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
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} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
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/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「あっ、京ちゃん……」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
照さんが涙目だ。
あー、こりゃ喧嘩でもしたのかな。
そう考えれば咲の態度も見当が付くし、照さんが涙目なのもよくわかる。
うーん。嫁さんを放っておいて照さんを慰めるのもアレだけど、今は照さんを優先しよう。
2/9
「まぁ立ってないで座りましょうよ」
「……」
とりあえずソファに腰掛けて、横に座る。
無言。照さんもプイッと顔を背けて話したがらない。
こんな仕草は本当にそっくりなんだけどなァ……。
自分に都合が悪いと話さないところもそっくりだ。
「京ちゃん、笑ってる」
「えっ」
「何考えてたの?」
こういうところに気づくのも、姉妹だよなァ。
「咲と照さんの仕草がそっくりだったので、笑っちゃいました」
「……そう?」
「はい。こーんな風に頬を膨らませてますよ」
ちょっと大げさなくらい自分の頬を引っ張ってアピール!
膨れっ面だった照さんも、それを見てクスリと笑った。
「ほらっ、笑った」
「笑ってない」
「笑いましたー」
小学生みたいな言い争いだが、それが照さんのツボに入ったらしい。
可愛らしい笑い方を隠しているが、肩が震えている。
3/9
「落ち着きました?」
「うん」
「そりゃ、良かったです」
それだけ聞いて安心した。
冷蔵庫の牛乳を温めて、ホットミルクにして照さんに渡す。
甘党だから砂糖をちょっと入れてあげる。
ふーっ、ふーっと冷ましながら飲む照さん。
「……なんで喧嘩したのか聞かないの?」
「聞いて欲しけりゃ聞きますよ」
「京ちゃんのいじわる」
「なんとでも言ってください」
少し間をおいて、照さんは話し始めた。
「咲と喧嘩した」
「はい」
「ちょっとしたことだけれども、昔と同じようになるんじゃないかって」
「……」
「そう考えたら、震えが止まらない」
4/9
そう吐き出すと、照さんは肩を震わせる。
……やっぱり、昔のことはこの二人にとってのトラウマとして残っているんだろう。
俺は昔の二人がどうして喧嘩したのは知らない。
二人が話したがらない限りそこに頭をつっこむのはお門違いだ。
そばにいて、辛いと思った時に話を聞いてあげる。
それに対する答えなんて言わなくていい。ただ話を聞いてあげるんだ。
「照さん、ちょっと失礼します」
「?」
「ほら」
照さんの両手を借りて、俺の両手で覆う。
力を入れて、強く握る。
「震えは止まりましたよ」
「……!!?」
やってから思ったけど、キザすぎた。恥ずかしい!
照さんは咲に似ているから、どうしても同じような対応をしちゃうんだよなァ。
顔を真っ赤にする照さん。
お、怒ってるわけじゃないよね。大丈夫だよな?
「んじゃ、俺はもう一人のお姫様の対応をしてきますから、その後仲直りしましょ!」
_. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
/: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
/: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
/ : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
|: : : ,: | , V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 「……うんっ」
|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
|: :/|: 从: : : . ‘ ’ イ |: :/ : : :/: : :/
|:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨: : : /: : :/
}' / ||:| ∧ /,': : : /: : .イ
/ ||:| / _,./ / : イ:/\
/ ∧:{ /⌒\´/ ´ ´ 、
, {:.:\、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、
/ ∧:.:.:. ∨ /_,.:.―:.:.´:.:.:.// Ⅵ |
{__ , \:.:.:{_/-- ´:.:.:.:.:.:.:./ , マ |
//≧=- 〉介、______/_ / } |
//> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄,:' | |
,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
5/9
……
…
「お待たせしました、お姫様」
「……遅いよっ」
「やっぱ待たせた?」
「お嫁さんより先にお姉ちゃんのところに行くなんて……」
「ごめんって」
俺のお姫様はご機嫌斜めのようだ。
まァ咲ならわかってくれるだろと、ずさんに扱ったことは反省しなければいけない。
今回の場合、どうとってもどっちかが立たないんだけどね。
「喧嘩なんて珍しいじゃん」
「お姉ちゃんに理由聞いたの?」
「聞いてない。
適度な喧嘩は仲が良い証拠だろ」
「喧嘩しない方がいいに決まってるよっ」
「そりゃそうだ。
俺たちも結構喧嘩するしね」
「……」
関係ない話から咲の心の中に入っていく。
まぁ、コイツも照さんと同じ理由で悩んでるんだろうけどさ。
6/9
「ちょっとイラっときて」
「うん」
「軽い口喧嘩のつもりだったんだ。
でも、強い口調で喋るとどんどんイライラが募って。
続いたらこうなっちゃった」
「そうか」
「京ちゃんを見て逃げてきたら、さ。
お姉ちゃんが先に慰められてるんじゃないかって、けっこう嫉妬してた」
「うっ……、本当にごめん」
「ううん。京ちゃんはそれでいーの!」
さすが咲。許してくれてありがたいよ。
「まぁバレてると思うけれど、昔を思い出しちゃった」
「そうだろうなァ」
「でも大丈夫、京ちゃんを見たらそんな気持ちも吹き飛んじゃった」
「あなたの心の隙間お埋めします、須賀京太郎です!」
「ふふっ、ばーか」
「あー、ひでー。慰めに来たのに」
「慰めてもらってないんだけど」
「気は楽になったんだろ?」
「なんか納得できない」
「納得しなさい」
なんだかんだ言いながら、咲は克服しつつあるらしい。
姉妹喧嘩くらい出来ないと可哀想だもんな。
―――咲がじーっとこちらを見つめている。
わかってるよ、お姫様。
7/9
,. : : :  ̄ ̄: : : : .
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
/ : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
.': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
/: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \ イ_)斧ミ|/: ,.: :|
{:イ/ ': : Vl { Vzソ Vzソ / : イ : |
l' |: ,: {`\ `¨´ ' `¨´〈:イ )}: : , 「京ちゃん……」
|∧乂ム '''' '''' ムイ|: /
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' ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
_,..{ ' ' ノ {-く
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,. ´ __ `¨¨ヽ
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/ /,´ / | ヽ .
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l// / , / ' l| | | | | | | | | ダキッ
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | ' 「これでいいか?」
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
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、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
/| /////∧
「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
, </////// ∨__∨//////////////////>、
_........----......._
,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
:': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
/: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
.': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
, : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
| : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
{: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : : 「えへへ……。
〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
{八:{ \:{とヒこソ ヒこソっ: イ: :| \} 須賀咲ちゃん、行ってきます!」
| 乂ム :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.: ムイl: /
从{∧ _ _ 人:∧{
|/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
/⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
{==、 {:\/ 〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
, \Ⅵ / | ,::::::::/イ:.:./ ∧
8/9
あとは姉妹に任せて……、と言いたいが、ちゃんと和解したかを確認するくらいはいいよね。
先ほどまでの悩みが嘘のように居間に入っていく咲。
照さんは一瞬ビクッと反応したが、すぐに笑顔を作り直した。
仲が良い姉妹のあるべき姿って奴だな!
須賀京太郎はクールに去るぜ……。
……。
正直、な?
9/9
:_,. -─……─- :
:
.:´........................................................\:
:/.......................|........ト、..............................ヽ:
:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|:
:|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............|:
: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|: 「咲、プリン食べちゃってゴメンなさい」
:i|...|....| |............|:
:||...|..人 , _ 人.......l..|:
八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
;/ ̄ |:\ ∧ / /:::::/ \;
:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
:/ \:::::::Χフ:::::::::/
/  ̄/:Τ:< ̄ ',;
;\ | 〈::::∧:::〉 | /:
_____
... : ´: : : : : : : : : : `: : : ..
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : 丶
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : :\
. ′: : : : : : : : : : :|.: : : : : : : : : :.|: : : : : :ヽー'⌒
|: : : : : i: : : : : i: :l: : : : :i: : : : : :l\ : : : : |
|: : : : : |: : : : : |:∧: |: :.:l: : : : :.i:l⌒ヽ.: : :.|
|: : : : : |: : : : : |匕Ⅵ: /ト、: : /从 |: : : |
|: : : : 八: : : :.i:|:{ V ノ ∨ ,ィ |: : : | 「もー、この分はちゃんと買って返してよね!」
. : : : : : : ヽ: : 从 _ ≠⌒ Ⅵ:/}
\: : :{⌒\:.{ r==ミ , ::::::::::Y
乂: \r' ::::::::::: uノ
丶、:_ー‐、 r‐ ー' フ /
_ヘr─ァ、ー ┬ 、 ≦-─、
/⌒ヽ\ \ } ノ}\
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :. 「(うん、わかってた)」
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
___| |//////|
{|___ノ __|[_]//∧_
/// |____|///////////> 、
カン!
相変わらずアラサーの会話ではない
>>81-82
クロチャー可愛く書きたいなと思って原作見直すと、グラビティっぷりに引く
誰もいない教室を何回掃除したんだろ…
>>85-88
たくさんのお題ありがとうございます
ちょっとスランプ気味なので次は未定かもしれない
1/10
977
テルーの公式戦を観客席の最前列で見学する京咲
須賀咲ちゃんです。
今日はお姉ちゃんの試合を見に来ています。
身内権限でチケットを貰ったんだけれども、やっぱり重圧がものすごいよ。
普段の試合だけでこれだけ緊張するのなら、日本代表戦のお姉ちゃんはどれだけの緊張の中で戦っているんだろう。
ほーんと、麻雀に関して言えばすごすぎるんだから……。
日常でもそれくらいのやる気出してくれればいいのにねー。
「咲、それは違う。
日常でだらけているからこそこういう場で本気を出せる」
「心読まないでよ!」
び、ビックリした!
お姉ちゃんは本当に神出鬼没なんだから……。
「照さん、応援してますよ!」
「京ちゃん。わざわざ仕事を休んで来てくれてありがとう」
「いえいえ、照さんのためならこのくらい!」
「……えへへ」
2/10
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「公式戦の照さんは格好いいんだけどなァ……」
,. : : :¨¨¨¨: : .、 { _,ノ
/: :,: : : : : : : : : :ヽ人 _,..::ァ r }/
.': /:/:.,: {: :|: |:|: : !: :. ` ゝ - ' イ |/
/:イ: {:-{、从{ ィ七、|: : | ` ーr ´ ___|_ 「(悔しいけど同意だよ……)」
{从l芯ォ 芯ォ}-:/ ___| |//////|
ム 八" "人' {|___ノ __|[_]//∧_
: > _^ _イ /// |____|///////////> 、
/:{_,/::`\ ///// | /////////////////> 、
∧::::| /::::::イ∧/////// { //////////////////////}
3/10
「もー、お姉ちゃん。本当に大丈夫なの?」
「私より咲の方が緊張している」
「えっ」
「ほら、ちょっと襟がおかしいよ」
「わっ、わっ」
「スゲェ。照さんがお姉さんしてる」
「京ちゃんは失礼」
「20年ぶりくらいかも」
「咲も失礼」
ぷんすこ、ってしながら私の身だしなみを整えてくれるお姉ちゃん。
えへへ。たまにはこういうのもいいかも。
「基本的には大丈夫なはずだけれども、今日の公式戦は観客もカメラに映るかもしれないから」
「えっ、本当!?
やだよぅ」
「まぁ、映っても誰も気にしないっしょ」
「ううっ、緊張する」
「ふむ」
何か考え込むように顎に手を当てるお姉ちゃん。
少しすると、スタッフの人に呼ばれてどこかに行ってしまった。
「ホント、麻雀の照さんは別人だよね」
「もー、いつもこうとは言わなくても、もう少しこうならいいのにね」
「確かに」
そんな風に京ちゃんと笑いあう。
それにしても、嫌な予感がするなぁ。
4/10
……
…
/`ヽ . - ─ ─- .
/`ヽ . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼ .
/ /´ __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し ' r<´ |ll: | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
} └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
> ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
. /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
/: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧ 「チャンプは一人!
. /: : /人.N: : : | ⌒ ー '' 「笊ckくj /:/:./: /:.∧
/: : //: : ヽ!: : :.| """" 辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧ この私!!」
. /: : //__人_:j: : : | , """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
/: : //: :.`Y´.|: : : ト、 、_ /. :i: :.:| `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\ ー ' . イ. :人_ | i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|. \ . イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
\ \ !: : ::l:.|  ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l `Y´
\ \ 从: :.j:.| |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ l
ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
5/10
,. ---- 、
,.. -- /⌒´ _\
/ / \`
/ ' 、 ヽ、
/ | , \ _ \
.' { | |-{ヽ、} , \  ̄`
{ 、 : |Ⅵ从、 ∨ 从 }
,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、 ,\l | { {斧 ∨、 \
/: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ,- 从 マソ 、  ̄
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´ { L /
.': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : : 〉,乂_ _ ノ 「「……」」
/: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:| 込、 ´´{
.' : : : : : : : : : |: : : : : : :Ⅳ:{´ 从}: : :\从} ` ノ
|: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ Ⅵ:{ー' '´ ̄´
|: : : : : : : : : : :Ⅵ: : : :从 マソ 乂_〉_ |
,: : : : : : : : : :r \∧: : \ }:.:.:\ |
|: : : : : : : : : 乂 `  ̄ ∧:.:.:.:.`ヽ、 、
Ⅵ:∧: : : : : : : : ー 、 ´',: ` :.:._:\_,}、
从{ 、: : ,: : : : :从 > ..___/  ̄ }
∨ `ヽ: : { ,:.:.:.:.:.:.:\ |
__}Ⅵ {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ |
/ ̄一-- ̄ \ |`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:/ |
/ ,..:::―- 、 \ \ ∨}∧:.:.:.:.:.:{ |
/ /::::::::::\:::\ \ \'/ }:.:.:.:.:.| |
{ /:::::::::::::::::::、:::::` 、 ヽⅥ :.:.:. | |
、 ,:::::::::::::::::::::::::}:::::::::::::..、 〉:.:.:.:..| |
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` T¨¨ヽ、:::::::_」::::::::::::::{__}::::::, | |
|  ̄| ::::::::::::::::::::::::::::::| | :
| | ::::::::::::::::::::::::::::::| | }
6/10
や、や、や、やりやがったあの駄目姉!!
さっきから何か企んでいるような感じはしたけれども!!
と言うかお姉ちゃんがチャンピオンだったの10年前でしょ!
さらに言うとそれ負けフラグでしょ!!
元チャンプ言われるよ! 無職になるよ!?
よりにもよって私たちが観戦している時に何してんの!?
人目が痛いよ!!
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「(これで咲の緊張もほぐれたはず)」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
/ :::::/::::::::::::::::::::.:.::::::::::::::∧:::::.:.:.:|:..:.:.:.|:.:.:::|i::.:.:|
/ ! / ::::::/:::::::::::::::::|:| |::::::|:::|:::::..:.:i:::::::|:i:.:.:l
. /............|........|..//.ハ.......:.ハ..:::| | !: : |:: |:::....:...|:::::::|::.:.:|
/.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
/:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:|
// |/:::V::!| <ヽヽ:::| V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i| 「(って思ってる顔だアレ!!)」
!::::::::|:r-、弋ノ ヾ f´:i ヾ ゙、::::::/) }:ル'
r‐|::::∧:ト、.\ , _ゞ',、 / i:::/ ' /W
人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、 `i. ヽ ,..N./:.:.:.:`ー-、
,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、
! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
. /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\ ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/ i::!
i | ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ _, -‐'´i:.:/:./: / / i| リ
. i | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ / ハ |
| ゙、 ゙、 |\: : :\\i:.:.:/:.:.:.:.:.:..| : / / i | ノ
7/10
……
…
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
てるてるが壊れた!?
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan
この媚び女が……ッ!!
名前:以下、名無しに変わりまして地獄からお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:wasizu
うぉぉぉぉ……っ!! てるてる……っ!! わしじゃぁ……!!!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
放送事故だこれ!?
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sumire
おいカメラ止めろ
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan
私が同じことをやったらNG入るのになんで……!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:harvest
いや28でやるのもキツい……
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
てるてるなら許せる
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru
しげるーん♪
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
みなさんご覧ください。これが日本の誇る代表雀士です
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
なんでやてるてるかわいいやろ!
8/10
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
照「私に合う仕事がないんだから仕方あるまい!」
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
麻雀がなければそうなっていた可能性
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
でもプロレス的な演出としてはいいよね
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
よっしゃすこやんにもやらせよう!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan
いやだよ!?
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sumire
しかし、放送に強い照がどうしてこんな……
名前:以下、名無しに変わりまして地獄からお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:wasizu
にわか……っ! 圧倒的にわか……っ! てるてるの可愛さなら許される……っ!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
このクソコテどっから接続してんだ
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
これで負けたらアンチ(すこやん)が暴れますねぇ
名前:以下、名無しに変わりまして地獄からお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:wasizu
アンチなぞ儂が駆逐してくれる……っ!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru
まぁ任せときなって
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jun1rou
私に任せろ
9/10
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:harvest
負けたら暴れる。(勝ったら暴れないとは言ってない)
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan
ふ、ふふふ。絶対に許さないよ。じわじわと嬲ってあげる
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
通報対策してんじゃねーよ! パロるなら最後までパロれ!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
てるてるがネタに走ったのに一瞬で話題を持ってく怨念
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ほら、すこやんには10年前のアレがあるから……
名前:以下、名無しに変わりまして地獄からお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
晴絵「ここからいなくなれー!」
すこやん「私だけが行き遅れるはずがない。貴女の婚期も連れていく、赤土晴絵!」
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
ハルちゃんあれから男と会話しようとすると因果律に阻止されるらしいな
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sukoyan
抜け駆けなんてさせないよ
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:???
認めやがったーー!!?
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:jun1rou
お前らてるてるの話しろよ!!
名前:以下、名無しに変わりまして雀士がお送りします 投稿日: ****/**/ ** **:**:**: ID:sigeru
まぁ、今日のあいつは負けないだろうよ
10/10
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... ´. . . . . . . . . . . . . \
/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
/. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
/. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
. /: |l: : : |l ∨__|{ }: : / レ' }| }: : i: : : :i
/: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
// _ }ト: : :ハ 弋 ソ :::::: 厶イ: |: . . | 「勝ったよっ。ブイ!」
/^ / }|l: ≧ゝ} :::::: ′__ /-' i: :|: . . |
. ' .i / / }: : ::::::人 f ノ ./:::::: i: :|: : i |
. i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。.. < i::::::::/::/: :/: |
ノir―-ミ |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_
辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ
{ ̄` 入 i / | /:::| / . / ハ
. Y i 圦 |. `> 1 /::::|l ∧ _彡 /
ハ. // ‘, 」:::/ / |/::::::|l/ \ / |
. /八_// ‘ {:::;′〈 . |ト、/ 〉__ i \/
《`ーイ::: V:::{ ‘, |i i/ / | | 〉
ヽ:::::::::::::.. L::i ..........ゝ. У_彡 .........| | ./
マ:::::::::::. 八:::::::::::::\く L:::::::::::::| ′ {
`マ::::::::. :∧:::::::::: ヽ} ::::::::::::::::::::/ .j
マ::::::: }i :::i Oj ::::::::::: /
/:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
/:.:.:.:/:.:.:.:.:....i:.::::::|、:::..::i、::.:.i::::::..ヽ:::ヽ:.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:i:.:.:i:.::::::::|:::::|::| ゙、:::| ゙、 i::i ゙、:: ゙、 ゙、
/:.:.:.:|:.:|:::::|::::::|::i| ::|:| i .| i....|::|::::::::::i::::::i:::::::::i
i:.:.:.:.i.|:::| i| ||i..::::|:i i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
i |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、 「(素直に褒められないよ……)」
i | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
i ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ 彡‐'´ ̄`ノ'i::::/ /:::::i::|
..|/ |:::゙、::i゙、 .;==、 ,,,,, i::/ ノ:::::/V
i:::::::ヾ::、´,,,,, , """ u レ /i´:::::/゛
. i::::::;w、:゙、"" V'"`
゙、/ \丶 ー'´` , ゙、ー-、______
ヽ!`ー- __ , ´ /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
___`フ´_ヽ /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
/i:.:|.|:.:.:.:.:./ | /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/ / ゙、i
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/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
/ __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | |
.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ 「(なるほど。これなら俺たちの話題なんて出ないよね)」
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: /
///////// / }>、 ` イ |从
,'//////// / _ /--、l ` ̄ :, |--、
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カン!
久しぶりの掲示板ネタを一つ
1/11
972
白霞玄と卓を囲む照
須賀咲ちゃんです。
今日はroof-topに来ています。
子供達を回収しに来たんですけれども、そこで思わぬ人たちがいました。
「あれ、お姉ちゃん?」
「咲?」
「あらあら、咲ちゃんまで来るなんて偶然ね」
「……魔物姉妹」
「あはは……、毟り取られるのは勘弁してほしいかなー、なんて」
卓を囲んでいるのは、お姉ちゃん、霞さん、シロさん、玄さんの四人。
「集まったの?」
「えっと、私と照さんに約束があって、私を東京に運んでもらった時に……」
「いえいえ、偶然よ」
「?」
玄さんの口を押さえる霞さん。
お姉ちゃんはボケーっとしている。あっ、プライベートモードだ。
シロさんは面倒くさそうにお茶を飲んでいる。
……カウンターから『面倒ごとを起こすなよ』って染谷先輩が睨んでるよ!?
まぁ、この四人なら大丈夫だよね。
京ちゃんが絡まなければお姉ちゃんはまともだし、霞さんたちはしっかり者だもん。
これが和ちゃんとか竹井先輩だったら一目散に逃げ出してたかな……。
2/11
「まぁ、四人集まったから気楽に打とうって話になった」
「うう、照さんに勝てる気がしないよ……」
「大丈夫よ、玄ちゃん。
今日はプライベートみたいだから」
「うん。公式戦の力を毎回出すと疲れちゃう。
今日はフリーだからね」
「……私たちはもう麻雀から離れているし」
「そう考えると、この中で麻雀を現役で続けているのは照さんだけなのよねぇ」
「やっぱり専業プロとなれば実力が違うのです!」
「それに、プロ入りから常に最前線で戦っている宮永照さんともなれば、胸を借りる形で、ね?」
「(霞さんがおもちを借りたら大変なことになってしまうのです。
……照さんには借りるおもちもなさそうなのです)」
「玄、今日は楽しもうね?」
「な、なんにも考えてないよ!?」
お姉ちゃんにプレッシャーをかけられて、玄さんは涙目。
実際、淡ちゃんでも目が出るのに10年かかっているし、他の同世代も大苦戦。
ほとんどの人がインハイ、インカレで麻雀から離れていく中、新人からずっと代表として戦っているお姉ちゃんが抜けているのはわかる。
でも、なんというか、その……。
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//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
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/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ | 「……ダル」
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } /
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
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|::::i:::::l-\::::::l八 斧苧干 |:::::::|::::::::::::::|::::::|
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八::::l∧乂ソ , ″ |:::::::|::::::::::::::|::::::|
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. |::l::从 __ _ |:::::::|::::::::::::::::::::八 「少しは勝てたらいいんだけれども……」
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: ′ _ | 丁 | |` ミ \ ̄/,,_ |彡"彳/ /::::::::.___
: | 、__) ー | ,.:┐t'⌒{ } 入 | r v // r―::′
! r‐、} '^ | | {ニ=- ∨ _ノ┴ュ'′/ } 〈_/ \
し ー |ニニニ{ニ}ニニニニ} / ,ノ、 rヘ,_〉
} / ニニニィ¨ト=ニニ7 { ‘,  ̄}::.
. イ∧ /ニニニ/ マニニニ\ :, /し':::::::.
/ ゝ /'⌒ヽ/ マ> ´ \ /::::::::::::i::}
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:_,. -─……─- :
:
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:/.......................|........ト、..............................ヽ: プルプル
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: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|: 「ぐぬぬ……」
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: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|:
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八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
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:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
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,. . ―――. .、
,. :´ : : : : : : : : : : \
/: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
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/:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
/' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从 「(完敗だこれ……)」
Ⅳ乂{ "" "" ム':/
人 u r‐ - ‐v 人}'
>`二二´<
/::::::::::{ r/:::::::::\
∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
/| \\::::::、/::::::// |
/_| l{:.\\:Y:::/:イl/ |
 ̄ | |\:.:.:ー∧':.:./ |
| |  ̄`二イ | |
| | /:.:.:./ | |
| | /:.:.イ:/ { |
こう、麻雀で勝てても女として惨めになるというか……。
私ならすでに泣きながら敗走してるレベルだよ!
でも、お姉ちゃんが涙目でプルプルしているのはなんか面白いね!
あっ、適度に手を抜くためにも照魔鏡を使うみたいだね……。
7/11
……
…
む、胸で負けても麻雀では負けないもん。
ここで全力を出すなんて大人気ないことはしない。
ただ、ここにいる人たちはオカルトを持っている。
現役時代ほどの力はないようだけれども、一応照魔鏡で確認しておこう。
これは癖みたいなものだから、決して本気でやる前兆ではない。
/`ヽ . - ─ ─- .
/`ヽ . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼ .
/ /´ __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し ' r<´ |ll: | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
} └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
> ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
. /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
/: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
. /: : /人.N: : : | ⌒ ー '' 「笊ckくj /:/:./: /:.∧ 「(照魔鏡発動!)」キュピーン
/: : //: : ヽ!: : :.| """" 辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
. /: : //__人_:j: : : | , """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
/: : //: :.`Y´.|: : : ト、 、_ /. :i: :.:| `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\ ー ' . イ. :人_ | i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|. \ . イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
\ \ !: : ::l:.|  ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l `Y´
\ \ 从: :.j:.| |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ l
ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
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/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
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/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「ダル……」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
↓
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. / ヽ 、 ,
. γ i \ \ ′
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.| / i:. :、 i :| |\ i ヽ , ′
.|. / ′ :, \ l :|:, l -――}‐-. :, , \
.|ソ ' /ソi :|\ 、 \i } :| _.} __| i| i i \
.′ |;// | /:|i \ \_ ≧≠__厶,儿从{ i| l \=≧ .イ
./ |; |!/ イ{、 {い‐ ヽ. \ 爪 厂リ刈 /} i| | ≧=_彡′
/. |!/l r.、/ .彡丐ミ.、 i (`ー=≦ 乂辷iシノノハ\乂,│乂__\
/リ.. i イ乂{ |.ハ 爪辷うツ 从ハ 弋¨゚.、 :., \丿 \
../ / |i 八 | ト、>''"/ ) 〈丿 r― ⌒ヽ ', ゚,\≧=―‐ 「京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京
._彡イ 丿 i:. /| ト _ / ./ ) `ニ⌒{. ', ', { ノ 京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京京
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. /_彡. |!乂.〈 :, :, ./ / / _. = _ー _彡' 〉 } }i
乂{い. \} У ./ ∧ ⌒こ。 / /:|', お 姉 ち ゃ ん が 守 っ て あ げ る」
八 人 ヽ ヽ. \ l / | ′
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. < ̄  ̄>ヾ \ \ー‐イ ヽ | ′
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! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川 ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
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. l::::: :::.l. ャー‐ッ /:::l:/::: :.l
l:::: ::::::>... イ:::::/ :: ::::::l
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i.:.:/:.:/.:.:/.:.:/:.:,.斗 // i/ --、 i.:/:.:.:.:.:.:.:!:i
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| |.:.:i、.:i:.:|./ト:::::::i} ト::::心、!:/.:.:.:.:!:|
ヽ |.:.:iヽ:ヽト v':::::}| r':::::リ |/:.:.:.:/!.:| 「京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん
|イヽ..\ト. V少 vニソ 厶 イ:.:.!.:| 京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん
/ |:.:.:.:.:.:.:ハ ::::: 、 ::::: /ノ:.:.:.:.:.:!.:| 京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん京太郎さん
/ |.:.:.:.:.::!:.!ヘ、 r ァ /:.|.:.:.:.:.:.:.!.:|
/ |:.:.:.:.:.:!.:|.:.:.>、 ィ´:.:.:|.:.:.:.:.:.:.!.:| 私 が ず っ と 側 に い ま す」
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|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: {
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘
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/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
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l:;、 ヽ、_l;;;;;;;;;;;il, 四次元殺法コンビのAAで有名な俺の名前は悪魔超人ブラックホール!
ヽ ヽ /;;;;;;;;.;;;;;ヽ
ヽ `ー‐‐'゙;;;;;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、 一つ賢くなったな!」
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/) ヽ、;;;/;;l;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
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ノヾ `‐-" l , -‐"i:::::/;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
ノヽ | /::::::::ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
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( ヽノ .i i;::::::::::::::;ト,::::l ̄ノ::::;;:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| |::::| | .:;\;;-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ヽ、i \i;;;;;:));|l ニ l..:;;;;;;;;/:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
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11/11
……
…
「お姉ちゃん! お姉ちゃん!」
「さ、咲?」
「よ、良かった。
麻雀始めた途端倒れたんだよ……」
「良かったです……」
「もう、照さん。心配したのよ?」
「……心臓に悪い。しっかり休んで」
「ありがとう……?」
「お姉ちゃん疲れてるんだよ。
今日はゆっくりしよう?」
「うん。そうする」
「麻雀のしすぎで疲れているのね。
何か悪いものでも見たのかしら?」
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : /: : : : /i: : : : : : i: : i: : : : : : : ',: : : : : ',: : : : ヘ
//.: : : :′: : :/ i.: : : : : : |',: :i゙、: : : : : : ',: : : : : ',: : : : :.',
/ :/: : : : i: : : : :′l:',: : : : : :i ',: ',. 、: : : : : :i: : : : : :',: : : : :.',
/ ′ | : : : :i ',:',: : : : : i ',: ', 、: : : : :i: : : : : :.i: : : : : i
/ . : : :i.: : : : : :iハ : :i ',:ト: : : : :i ヾ_,‐弋: ̄:ハ.: : : : :.i: : : : : i
: : : : -|: : : : : :i. ',: i ̄` ',i ヽ.: : :i ´‐ 、 \:i i: : : : : i: : : : : |
´. |: i: : : :ハ ≧i ‐- \: i ‐彳干圷ヾ i: : : : :.リ: : : : : i
i:ハ: : : i: i 斤ハ ミ、 ゞi ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i 「(……全く覚えてない)」
i:i .ト.: :i: :i. ', ⊃:::::ノ:i 弋:::::丿ソ i: : :./⌒ヾ: : : :.i
. ',} i:ヽ.:i: :i 弋二丿 ─ ´ j: : / i: : : :.|
i: : ヘ.: :i / ´ /: : : : |
i: : : : : ハ ' /.: :: : : :|
. i: : : : : : :、 r‐‐ ´ : : : : : : :|
. i: : : : : : : :.、 - ─ イ::::::::::::. : : : : : : : |
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. i/ ヽi 、/ /.ノ / /: :/ゞ _
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y ヘ i. __ / ´
ヘ ',::', i´ `/
/ ', ',::', i /
※何もしなければ無害です
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85
意外と負けず嫌いな霞さん
87
ペットに京太郎との子供っぽい名前をつけてる霞さん
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/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「(ん、あれは……?)」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
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2/10
休日のお昼間。
運動がてら近くのコンビニまで歩いて向かった帰り道。
どこか見覚えのあるおっぱい……もとい顔があるなと思ったら、あれは霞ちゃんじゃないか?
おっぱいで人を判別するのは失礼この上ないが、さすがに霞ちゃんのは凄すぎると思う!
まさに人目をひくおっぱいすぎる……。
しかし、さっきからキョロキョロと周りを見回してどうしたんだろう?
霞ちゃんは一見しっかり者のようで、どこか抜けているところがあるから見ていて危なっかしいんだよね。
まるで咲みたいな感覚だ。ある意味では咲よりしっかりしているけれど、自覚がないから危ないイメージもある。
こんなところでふわふわした空気で歩いているなんて……。
はっ、まさか女子高生の如何わしい援交!?
いかん、いかんぞ! それは許されない!
あのたわわに実ったおっぱいが蹂躙されるなんてあってはならない!
……いや、俺は不審者じゃないよ?
そう考えている間に霞ちゃんは路地裏に入っていく。
冗談はここまでにして、ちょっと心配だから軽く見ていくか。
彼氏との逢いびきだったら悪いからね。
その時は咲の胸と見比べて静かに泣く。きっと泣く。
3/10
……
…
誰も、いないわよね?
ふふっ、こんなところを誰かに見られたら恥ずかしいわ。
地元じゃないから出来ることってあるわよね。
「お、おいでー」
「にゃぁー!」
わっ。たくさん来てくれたわ!
もうアラサーの私がこんな風に猫と戯れているなんて恥ずかしいじゃない。
ここは脾臓の野良猫スポット。
平行世界でカピちゃんと戯れて以来、たまに触らないと疼いちゃうの。
ふふっ、京太郎さんのせいで、満足できなくなっちゃったのよ?
ここにいる子たちも放っておいたら保健所に連れて行かれちゃうのかしら。
そうなる前に白望ちゃんのところに連れて行っちゃうのもありかしら。
白望ちゃんは嫌がりそうね。どうしましょう。
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|:::::::: l ::::::::::八::::::::::| ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/ ノ
|:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈 `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
|:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙ 乂廴ソ 乂_ソ ,′:::::::|
|:::::::: | ::::::::::::::::::::::| , ,′:::::::::|
|::::::::┃ : :::::::::::::::::| `` `` ,′:::::::::::| 「にゃぁ、にゃーん。
|:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\ r‐ ┐ 人::::::::::::: |
|:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::| ` ´ イ:::_:_:__::::::::八 にゃー?」
|:::::::::::::‘:::::::::::::::::::「:| ` ....::|:::::l:/ / /^Yヽ
|:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八 T7^\:::::|::: / / / /Y^,
|:::::::::::::::::‘:::::::::::::::|\\ // `丶/ / / / | !
|:::::: -‐ ‘:::::::::::: | \\ .//. / / / / .八 |
-‐'^´ ‘:::::::::: | \\ // / / / / / ト、
もう、元気で人懐こい子たちね。
ごめんね、野良猫に餌をあげると怒られちゃうから許してね?
4/10
「あっ」
猫ちゃんと遊んでいると、私のお気に入りの二匹が歩いてきた。
オスとメスの猫で、色は雄が茶トラのメスが黒色。
どことなく京太郎さんと私を連想させる二匹。
二匹ともすごく仲良しなのよね。カップルなのかしら。羨ましいわ。
「『純ちゃん』。『京子ちゃん』」
こっそりつけてあげた名前を呼ぶと、嬉しそうに近づいてきてくれる。
古風な名付け方だけど、私はこういう名前が好きなの。
純はスミと読むの。私と京太郎さんの子供だったらいいな、なんて……!
「いいこ、いいこー」
いやだわ、私ったら。
ペットを子供扱いだなんて。
でもやっぱり女の子の憧れというかなんというか。
京太郎さんと思いっきり純愛したいというか。
「京太郎さぁん……」
5/10
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | . 「あー、霞ちゃんかわいいなァ」
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
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::l:::::l:::l::l l: /l:::/ :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´ h_刈 |:::::::::::::| 「!!?!!?!?!?」
::l:::::| x≦芹⌒` 辷ソ |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈 ''' |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^ 、 |:::::::::::::|
ー || 八::::::::::
`ー:||、 _ /::::::::::::/
:::::::l|::\ ‘’ /:::::::::::::::/
6/10
「あっ、やべっ、バレた」
「きょ、きょきょきょきょきょ!?」
「京太郎さんですよー」
「京太郎しゃん!?
にゃんで!?」
「あれ、名前呼びはさすがに嫌だった?」
「嫌じゃないれふ!」
ちょっと待って!?
今日もまたなんで油断している時に限って!?
京太郎さん! 女の子は準備が必要なんですよ!
そ、それに心の準備をしてないと緊張してこうなっちゃいます!
「良かった。なんか石戸ちゃんって呼んでると他人行儀でさ。
おかしいかもしれないけど、霞ちゃんって呼んでる方が違和感ないんだよね』
あ、あれ?
これが白望ちゃんが言ってた別世界との混線かしら!?
咲ちゃんごめんなさい! たまに会うくらいは許して!
「ど、どうして!?」
「キョロキョロしてたから迷子かなーって。
あっ、ストーカーじゃないよ!?」
「大丈夫です! むしろどんとこいです!」
「それもどうなの?」
京太郎さんにだったら何をされても満足よ!
それにちょっと激しい方がいいというか!
7/10
……
…
『霞。今日は俺以外の男と喋ったらしいな』
『えっ、京太郎さん……?
そんな、あれはパートのお客さんです』
『誰が口答えを許したんだ?』
『ひぅ!?
ご、ごめんなさい』
『これはたっぷりお仕置きしなきゃいけないな……?』
『お、お仕置き、ですか?』
『なんだ。嬉しそうじゃないか』
『そ、そんな』
『俺から決して離れないように、しっかり縛っておいてやるよ。
縄で縛って、物理的にな……』
『はいぃ。
霞は京太郎様のものです!
絶対に離れません!』
, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
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. i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川 ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
| .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
l ::::::::l! .辷.ノ ー.― ll::::::::::::::.|
l :::::: l. ,,, ' ''' 'l:.:::::::::: .|
l::::::::::l /l:::::::::: .| 「(これくらいならありよね!?)」
. l::::: :::.l. ャー‐ッ /:::l:/::: :.l
l:::: ::::::>... イ:::::/ :: ::::::l
. l:::: :::::::::::::>.....___ < |:l:/:::: ..::::::'
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l:: .:::.::/ ゝ´ll /,':::::::::::::::::./> 、
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. l=;/ l / ,;:::::::::::::::,' / ! l
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8/10
……
…
「霞ちゃーん。おーい、霞ちゃーん?」
「ひゃい!?」
いけないわ! 妄想の世界に旅立っていたようね。
こういう平行世界もあっていいんじゃないかしら? ちょっと探してみましょう!
「しかし霞ちゃんはかわいいなァ。
こんなところで猫と遊んでるなんて」
「かわっ!?」
「しかも、『にゃー』なんて」
「も、もう!
からかわないでください!」
は、恥ずかしすぎて顔から火が出そう……!
よりにもよって京太郎さんに見られているなんて!
「霞ちゃんはどこか抜けてるよね」
「そ、そんなことないですっ!」
「だって俺に気づかないで、ずーっと猫の名前呼んでるし」
「ずっといたんですか!?」
「最初は声をかけないでいなくなろうと思ったんだけれども、つい」
「ふにゃぁぁぁぁぁぁ!!」
「おお、猫みたい」
うう、名前の由来まではバレていないとは思うけれど、恥ずかしすぎるわ……。
この人の前だと、大人な立ち振る舞いも忘れて石戸霞になっちゃうの……。
平行世界もこの世界も、人の本質は変わらない。
平行世界でコミュ力が高ければこちらでもそうだし、喪女気質ならば変わらない。
京太郎さんは、本当に変わらないのね。
だって私、気付いたらどもらなくなっているもの。
9/10
「今時の子はかわいいなァ」
「もう! 嫁さんに言いつけますよ!」
「そ、それは困る。
でもそんな言い方しちゃうなんて、霞ちゃんは負けず嫌いっしょ」
「そんなことないですっ!」
「ほら、やっぱり!」
「もう!」
「ま、もう直ぐおっさんの俺に『かわいい』なんて言われても嬉しくないよね」
「そ、そんな。
京太郎さんに言われるならいつだって……」
「本当!?
いやー、嬉しいな!」
「あっ、また!」
「へへっ」
やってやったーっと言わんばかりに笑顔になる京太郎さん。
その笑顔が本当に眩しくて、ついときめいてしまう。
「こんなところに猫スポットあったんだね。
今度俺も来るよ」
「ほ、本当ですか!?
ぜひ一緒に」
次の約束なんかもしちゃったりして。
「また、咲の相手を頼むよ」
「わかりました!」
家にお呼ばれなんかもしちゃったわ。
今日は不意打ちだったけれども、本当に幸せな1日でした。
10/10
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
\ / |
__ i ー ' ! __
, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
...-―――-...
/:::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::/:::::::::::::::::::::::::ト:::\::\
/::/::/:l::::l::::|l::l::::::::::::i‘:::::::ヽ::::ト、
.:::::l::::l:l:l::::l::::リ:ハ:::::::::リ-‘:::|::|l:::|i|
|:::::l::::l从/i::// }::::::/__ l::|::リ:::|i|
|:::::l::::|,斗≠ト 厶イ,斗=ミル::::::|i|
l::八:::l〈 V炒 V炒 〉|l::::::リ |
|:::::个ト、 ,, 、 ,,, ,小::/ !
. ‘::::::i:∧ __ //::/ ノ 「(今日のおかずは決まったわ)」
‘::::i::::分、 ` ' ...:i/::/i
‘::∨:::::::i〕i=- -≦::/::/:::|
‘::i:::::l:::|∧ l ∨:/::::::|
/‘:::::l:::| ∧_// ∨:/::::|
/ /‘卅li ∨/ Ⅳ:::::::ト 、
∠ i |:i::l|\ / |‘::::::::| \
. ∧ `ヽ l _|:l::リ_ヽ./ / ‘:::::|\ i‘.
′'. V´ ノ::/ / ̄\/ ‘:::\\i i
. \ //:::/ / /⌒ヽ ゞ===ニ≧ミi
i \::::/ / / ∨/ ∨ノ
i -==ミヽ /_ / }' ‘.
| 〃 / ̄ `丶 i i
〈 {i 〈 ,ィ 、 \ ノ ノ
|\八 ∨⌒ト、 〉 ! ! i/ /{
| \\ ヽ }/}_j_j_,ノ⌒>=-- -=≦ |
カン!
ネーミングは許して。無難にしておいた
残ったお題的にしばらくはほのぼのが続きそう
1/10
970
京白で最高に幸せな生活
993
白望の平行世界で幸せそうに暮らす京太郎
「んっ……」
唇に重圧を感じて目が覚める。
プニッと柔らかい感触。
全く、また悪戯しているな……などと思いながら舌を出すと、喜んで舐め取られる。
このまま朝から……というのはちょっと辛いので、名残惜しいけれど腕を掴んで離す。
ちょっと抵抗されるが、さすがに男女の力の差は覆らない。
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
/ //' ' / ' / l| | : : ∨ :
l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 「ぷはっ、おはよう、シロ姉」
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
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「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
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___/ / / \ \
⌒フ / , / l 〈 \\ \
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/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/}
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ | 「おはよう、京」
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ )
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
/∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
{ ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:| ∧
2/10
……
…
京と出会ったのは、高校三年生のお盆だった。
親戚の集まりだとかなんやかんや言われて東京にまで出向いた時の話。
聞け私の親戚はわりとお金持ちらしく、こうして親戚が集まることがあるらしい。
言われてみれば、小さい頃に何度か出向いたことがあった気がする。
ただ、当時の私にとっても高校生の私にとってもただの面倒臭い行事であることには変わりがない。
『いざという時には親戚のつながりが大事になるんだぞ』なんて親には言われた。
それを聞いて、親戚のつながりが必要になるような『いざ』なんて来なければいいな、と思った。
『あれ、シロ姉?』
『……あなた、誰?』
『あ、えっと……。
清澄高校の須賀京太郎です。昔会ったことはあるんですけど……』
須賀、京太郎。申し訳ないが覚えがない。
そのことを彼に伝えるが、ちょっと寂しそうな顔をされただけですぐに持ち直した。
それより気になったのは、清澄高校という名前。
インターハイで苦汁を飲まされた相手だ。
すでに割り切った、と言うほど私は大人ではないが、負けた相手に当たり散らすほど子供でもない。
なんとも言えない感情が胸の内を支配する。
3/10
「インハイでシロ姉を見たときはビックリしたよ。
……ああ、えっとビックリしました」
「敬語はいらない。前は使っていなかったんでしょ?」
「良かった。シロ姉相手に敬語ってなんか慣れなくてさ」
「それで、京は何の用?」
「あっ……」
自分の中で気づかぬうちに出てきた愛称。
彼はそれを聞くと少し嬉しそうに笑顔を向けた。
「……京、って呼んでいい?」
「もちろん!
シロ姉は俺のことをそう呼んでいたんだぜ」
「……ダル」
聞けば彼は年下だそうだが、年下の方が覚えているというのはどういうことか。
少し悔しいが、覚えていないものはどうにもならない。
「ここにいるのも面倒だし、ちょっと外に出ない?」
「……わかった」
一瞬の躊躇は、ここでだらけている方がいいか外の方が楽かを考えたものだ。
ここではあまりだらけている態度を見せられない。
覚えのない男性と外に出るのも億劫だったが、それを承諾したのは彼のことを少しでも覚えていたからかもしれない。
4/10
「シロ姉、アイス食おうぜ!」
「任せる」
結局デート染みたことをしている。
彼は色々な話題を持っていて、あまり会話が好きではない私を飽きさせなかった。
私が喋ることが億劫になった時は機敏にそれを察し、一人で場を繋いだり黙っていたりする。
これは随分と人とのコミュニケーションに慣れているものだ。どれだけの女の子を手篭めにしてきたことやら。
そんなことを聞くと、顔を真っ赤にしながら「そんな相手いねーし……」と俯いてしまった。
ちょっと言い過ぎたかな、と気にしてみると、「ハハッ、引っかかった!」と悪戯が成功したと喜ぶ。
少しムッとするが、年下にいいようにやられていることが癪なので気取られないようにする。
もっとも……、彼にはバレているかもしれない。
「東京は暑いよね。コンクリートの熱ってやつ?」
「知らない、けどだるい」
「照り返しもあるから気温以上に暑く感じるらしいよ。
あとは風も通らないよね」
「それはわかる……」
「あっ、シロ姉アイス溢れるよ!
ほら、拭いて拭いて」
彼は面倒見が良いのか、細かいことに気がつく。
面倒くさがりな私と相まって、何やら楽しそうにお世話を焼いてくれる。
それが何とも、ありがたくて、悔しかった。
5/10
……
…
「それじゃ、また」
「あ、うん……」
結局、数日間を彼と過ごした。
親戚の集まりも終わって岩手に帰ろうとすると、彼は寂しそうな顔でこちらを見てきた。
……?
「あのさ、シロ姉。
ラインとかしてもいいかな」
「……文字を打つのは面倒だから、通話で」
「……やった!
ありがとう、シロ姉!」
何やら嬉しそうにスマフォを掲げる京太郎。
こんな反応が薄い私と喋って何が楽しいのかわからない。
しかし、求められていることは面倒でも、嬉しい。
帰る最中、ジッとスマートフォンを見つめ続けた。
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ |
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 } 「……京、か」
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } /
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
, ´∠ニニ>、 _ ... イ / \
/ /ニニニニニ7 λ / /入
/ {ニニニニニ7/「八. / //二\
6/10
……
…
「それさ。
相手の男の子、シロのことが好きなんじゃない?」
新学期を迎えて相談してみれば、塞がそんなことを言い出した。
胡桃もウンウンと頷いて、二人して興味津々だ。
「いやー、シロにも春が来たかー」
「面倒見がいいならピッタリだね!」
宮守は女子校だ。
普段こう言った話題からは程遠いが、みんな女子高生だ。
一度話題に出てしまえば、絶対に離さないとばかりに食らいついてくる。
やっぱり相談するんじゃなかった。そう思ってももう遅い。
好き勝手に言われて、実際に通話するのは私なのに。
こう言われてしまっては少し意識してしまうではないか。
みんなに言われてラインを送ってみれば、今日通話することになってしまった。
……私から通話を誘うなんて初めてだ。
なんだ。何を話せと言うんだ。
時間が過ぎるのを憂鬱に感じながら、何を話せばいいのかを考える。
誰かとの会話内容を考えるなんて、初めての経験だった。
7/10
……
…
「それでさー、今日の体育の時間は凄かったんだぜ!
俺、運動得意なんだ!」
「……そう」
ああ、まただ。なんだかんだ言って京にリードを握られてしまう。
考えてきた話題なんて一瞬で終わってしまって、気づけば京が喋ってくれている。
とっても楽で、居心地が良いが、気を使わせているみたいでなんだかダルい。
「ねぇ」
「……?」
「京は、私と喋っていて楽しい?」
だから、思わず聞いてしまう。
「楽しいよ」
「そう」
「俺にとって、シロ姉は憧れの人だから」
「……えっ?」
「……うわっ。なんでもない!
き、切るね!」
最後に意味深な言葉だけを残して切られてしまった。
憧れの人、……私が?
自分で言うのもなんだが、こんなにダラけていて憧れの人なんて思われるタイプではない。
やるときはやるつもりだが、そんなことは滅多にない。
でも、一回だけ。
8/10
……
…
〃-‐‐-----‐'/´
,, - '' ー '、
´ ヽ\
/ / | | ヽ \
/ ,/ /| l _<
ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ
 ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃
j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ
/ 廴 | } 「ほら、行くよ、京」
{/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/
/ 〉 | 〉、 "
/`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
,' |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
l !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
└t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ
,.. / ヽ ´⌒> 、
/ \
/ | }! \⌒
. / / ! | | ヽ \
/ィ :| \∧ | /| |! トー―
| _|VT示r ∨j/示rx/ V( 「シロ姉!」
レ1( 弋,り 弋り {ソ V __
|/V{ ___ 从|>ー―――r―――/ /
___/>、 V / イ7 / /――-、 \
___/ | | ー 77 / / / ー―
ノ ( | | / / / /
/ \| | | / / /´ ̄ ̄ ̄
/ ! ∨∨ / /(
_/\ /|/ ∨ / / / ⌒ヽ
ー / \ / 人 〈 / / |
し′  ̄ , >==≠ | /⌒ ト{_
| | |/ |/| |::::}!
| \| {___/::/| |::/
―――そんなことも、あったな。
9/10
……
…
そのあとは、省略しよう。
簡単に言えば、岩手まで来た京太郎に告白されて、受け入れて、こうして東京の大学で同棲しているわけだ。
「京、お弁当を忘れないの」
「あ、ごめん……」
「ほら、身だしなみもしっかりする」
「うっ、わかってるよ」
「わかってない」
普段ダルダルしていることは変わらないが、ただ一人、京太郎の前でだけはしっかり者のお姉さんになる。
それが今の小瀬川白望だ。
大学の友達にも、塞や胡桃たちにも、『あまり京太郎君に迷惑かけちゃダメだよ』なんて言われているが、実際には逆だ。
どこか抜けている京太郎を支えてあげている。
最も、男ができて変わったなんて思われたくないから黙っている。
「京、行く前に」
「は、恥ずかしいよ、シロ姉」
「んっ」
行ってきますとキスをさせる。
「京、帰ってきたならすることがあるでしょ」
「手洗いうがい、だよね」
「それともう一つ」
帰ってきたらキスをさせる。
10/10
「ちょっ、シロ姉タンマ!」
「またない……」
「今日はもうキツいって!」
「今日、他の女の子に色目を使っていたでしょ?」
「使ってねーし!」
「もうそんなことはさせない」
「だから話を聞い……」
うるさい口は、黙らせる。
これが須賀京太郎と小瀬川白望の幸せな毎日。
/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「京は誰にも渡さない……っ!!」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
清澄優勝→咲への想いに気づかない→夏にシロと出会う→シロ次元
スタンダード次元のシロが京太郎を見た瞬間を書く前に、平行世界を先に書いてしまった
1/9
992
子供達から似顔絵をもらう須賀夫婦
88(4スレ目)
なんらかの事情で咲さんがでかけることになって子守とか
石戸霞よ。
今日は咲ちゃんがなんやかんやの理由で出かけることになったので、子供の子守をしているわ。
勝手に他人の家で子守をするのも気がひけるので、白望ちゃんの家で遊ぶことにしたの。
「私の家は他人の家に入らないの……?」
「そ、そんなことないわよ?
それに、白望ちゃんも子供と遊びたいでしょ」
「……うーん」
あれは迷っているふりをしているだけで、本当はワクワクしているはず。
本当に嫌だったり、ちょっとした照れ隠しにも『ダルい』って言葉を使うのに、それすらないんだものね。
「シロー!」
「はいはい。ちょっと待ってね」
それに、マヨイガに来ると聞いた途端、重い腰をあげて料理の準備なんか始めちゃったんだから!
いつもは私か、場合によっては玄ちゃんにやってもらっている料理を自分からするなんて、白望ちゃんを知る人からするとビックリよね。
「霞より私の方が料理上手いから……」
「ほ、本当のことだけれども、普段は作らせておいて言うことじゃないわよ?」
そう、白望ちゃんはやるときにはやる子だからか、料理も上手い。
さすがに本職プロの玄ちゃんには敵わないみたいだけれども、本当に美味しい料理を作るの。
う、うらやましいわ。私は料理が苦手だから……。
別に食べられないものを作るわけじゃないんだけれども、他人の舌に合うおいしい料理っていうのが作れないのよね……。
2/9
「それにしても、子供には美味しいものを食べさせたいなんて、白望ちゃんかわいいわ」
「……ダル。
背中に抱きつかないで、胸が邪魔」
「あー、カスミー!」
「あら、私も抱きつかれちゃって動けないわ」
//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
/ 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
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/ j:::::::/:::::::/__::/ |{ |:::i i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
{ /:::::/:::::/i{ |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
/7::::i::::/ ィ 弌ト、. 乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
_ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}` ´んぅト/ /!::::::リ::/
>、 } 〃〃 , ` ーrっ// ノ::八
/⌒ 〃〃/}_rくノ )}
/::::::::::/\ ^ ` ~ 、 / >=へ
{:::::从:{ > _ < /:i:::::::::::ヽ
ゝ:::(八 _}>-=≦/{_ {八::::::::ハ::}ト
/i | `>/::::\ }::/ レ'
---=ニ¨:::::::い / '::::::::::入 ´
そしてそんな私に娘ちゃんも抱きついてきてみんなで抱き枕状態。
ちょっと楽しかったんだけれども、「料理中は危ない……!」と本気で怒りそうになった白望ちゃんを察知してうまく逃げたわ。
「やるべき時はやるのよねぇ」
「霞がドジなだけ」
「ど、ドジじゃないわよ!?
これでも咲ちゃんには頼られているんだから!」
「いつ化けの皮が剥がれるか見もの……」
「もう!」
白望ちゃんも京太郎さんもひどいわ!
た、確かにちょっとドジで負けず嫌いなところはあるかもしれないけれども……。
長年の友人である白望ちゃんがそれを知っているのはともかく、一瞬で気づいた京太郎さんはやっぱりすごいよね。
3/9
「白望ちゃん。
ここに何か遊ぶものはあるかしら?」
「そんなものあるわけない……。
コタツとみかん、後は食料が常にあるくらい」
「うーん。困ったわね」
「こんなところに連れてくるから……」
「そうだ! 今日はお絵かきをしましょう!」
自分の画材道具を見ていい案が浮かんだわ。
もちろん、いつも自分が描いているものはとても見せられないから隠してあるわよ!
「今日は、パパとママの似顔絵を描きましょう?」
これなら、幼稚園なんかでもやる内容なはず。
アウトドア派の息子には辛いかもしれないけれど、京太郎さんも咲ちゃんもきっと喜ぶわ。
「パパもママも、きっと喜んでくれるわ」
その懸念はこの一言ですぐに崩れたようで、二人とも笑顔を浮かべてクレヨンを手に持った。
両親が喜ぶって言葉に反応するなんて、この子たちは本当にいい子ね……。
「霞も描けば?」
「わ、私のは人様に見せられるものじゃないわよ」
「二人が描いている間は暇でしょ。
私はご飯を作るから」
「う、うう」
同人誌を作っているけれども、職業は小説家。
とても人様に見せられるものじゃないのよねぇ。
まぁ、気を抜くと思って描いてみましょう。
4/9
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :} 「できた!」
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、-
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
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'´ `ヽ
. ! ((从リリ))ゝ
. !,(リ‘ ヮ‘ノ、!
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ヒヒ!
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ノ ((从从ル
. "ヾ(l ゚ -゚ノ"
(_ノ_,人_,ゞ.)
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5/9
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
. / : { : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !: |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「パパ、ママ!」
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ
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}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
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{从 | , ムイ r 、 }} /} \
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人 _,..::ァ r }/
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人 __ _ イ:/
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6/9
「すごいわよ! すごく可愛く描けてるわ!」
「えへへー!」
「やったー!」
「ほら、見て白望ちゃん!」
「霞は落ち着いて……、この子たちは天才なんだからこれくらい出来て当然……」
「……白望ちゃん」
私が言えることじゃないけれども、白望ちゃんは本当に過保護よねぇ。
あんなことを言いながら、二人の頭を同時にナデナデしてるのよ。かわいい!
特に娘ちゃんから見た夫婦はすごく優しい感じが伝わってきてかわいいわ。
「ご褒美に美味しいご飯……」
「おいしー!」
「シロー! すきー!」
, _
〃-‐‐-----‐'/´ ---、
,, - '' ー '、 / l
´ ヽ\ ! ん |
/ / | | ヽ \ ! | |
/ ,/ /| l _< | .| !
ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ /
 ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃  ̄
j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ
/ 廴 /// /// | }
{/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/
/ 〉 | 〉、 "
/`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
,' |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
l !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
└t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ
こういう可愛くて女の子らしいところ、京太郎さんにも見せればいいのに。
7/9
……
…
/::::::::::::::::::::::::::::::\
/:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
(_) /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
\ ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
{ V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
 ̄ヽ ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
ー- { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }
/ l ハ \ミ. .ヽV /. . 彡:フ ハ 「霞さん、いつもありがとうございます!」
し j ∧ ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/ ∧
/ 〈 \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
| \__ イ //∧ 〉、__ /
|人_ ハ } //!/∧/ ∧
ハ } {/∧//ハ / }
{ ヘ } !//∧/∧ / !_
∧ヘ } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
/./. ∧ ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
/./ . . ∧ !.!/j./ ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
/./ . . . .∧ !V./ ∧∨. . .\. \ . . ―. //
. /./ . . . . . . i ヽ./ /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
/./ . . . . . . . { Y ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./
/ / . . . . . . . . ゝ / /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃
. / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//
「いえいえ、こっちも子供と遊べて本当に楽しいのよ?」
「そう言ってもらえると助かります!」
「むしろ、また機会があったらこちらからお願いしていいかしら?」
「そ、そんな……ありがとうございます!」
楽しい時間もすぐに終わり、ちゃんと咲ちゃんのところまで連れてきたわ。
似顔絵を見せてあげるように言うと、息子さんの方が自慢げに見せる。
「わっ、かわいい!」
「やったー!」
「ほら、大丈夫だから見せてあげて?」
「うー……」
娘ちゃんの方は恥ずかしいのか、見せたがらない。
それでも意を決して見せると、咲ちゃんは飛び上がって喜んだ。
「すごくよく描けてるよ!
ありがとうねー!」
「えへへー!」
嬉しそうに双子を抱きしめる咲ちゃん。
うん。とっても幸せそうで、私まで嬉しくなっちゃうわ。
8/9
……
…
・その後
___/ / / \ \
⌒フ / , / l 〈 \\ \
/ / / / /| \ ∨ \ \
/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/}
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ | 「ほら、霞が描いたの見せて」
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ )
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
/∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
{ ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:| ∧
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
// .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
/,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;' .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
/.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
. i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川 ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
| .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
l ::::::::l! .辷.ノ ー.― ll::::::::::::::.|
l :::::: l. ,,, ' ''' 'l:.:::::::::: .|
l::::::::::l U /l:::::::::: .| 「や、やっぱり見せなきゃダメかしら?」
. l::::: :::.l. ャー‐ッ /:::l:/::: :.l
l:::: ::::::>... イ:::::/ :: ::::::l
. l:::: :::::::::::::>.....___ < |:l:/:::: ..::::::'
l::: .:::::: :::::/:::::l /:::::::::.:::::: /
. l::: :::::..:::/{:::::::| /::::::::.:::::::::/
l:: .:::.::/ ゝ´ll /,':::::::::::::::::./> 、
l: .::::::/// ! / /::::::::::::::: イ./ ヽ
. l:.:::::/ ,' / /::::::::::::::;.' / | .i
. l=;/ l / ,;:::::::::::::::,' / ! l
,':::l ./ i:::::::::::: / / / l! .l
/::丿, ' /!:::::::::::;' / / !
9/9
__
/´ ̄ \ ¨¨¨ 、
, -- | 、 、 \
/イ ,: | |、 \ \ \ \
/ / { ∧ \ \ ヽ |
/ / / 从 { 、\_ \ | ト、 、
/ イ / , { \ ∧ ´ \ | } /l } |`\
_...-――-Ⅵ / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ ,
,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= ` /' , / /
/: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{ 、 | ハ}
/: /: : :/: : : ,: : : : : : : : 、: : : :叭 v ― 、 , 从{
.': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ / |\
|: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´ ! 、
{/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :. / | ∨、
/} : : : { {^|: : /,{:/-- }: /,.イ: |: :.|: :.|/、 } ,: | 〉 \
/:イ 、: : 、 、: | 、__, /イ __,}:/: :.}、: |//\/ 〉 /////\_
_____________/ ,Ⅵ 、\  ̄ , `ムイ: , \///∧ //イ///////////> 、_______
二二二二二二二二二__,.....ィ::// . ,., ィ///∨//////∧___//\///////////////}二二二二二二
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カン!
今日はほのぼの
霞さんリクの残りが多いので他に何かあればどうぞ
1/10
725
京ちゃん、咲照とドライブする
785
クロチャーのところに家族みんなで旅行に行こう
「うえぇぇ……」
「咲、まだ半分も来てないんだからしっかりしてくれ……」
「京ちゃんお菓子」
「照さん、俺運転中なんですけど」
須賀咲ちゃんです。
今日は松実館まで家族みんなで旅行です。
前回行った時は新婚旅行で、お姉ちゃんも子供達もいなかったから改めて、ね、
いろいろと相談した結果、車で向かうことになったんだけれども思ったより遠い!
こんな距離を運転してくれている京ちゃんには頭が上がりません。
大体5時間くらいかかるみたいで、休憩も挟みつつ安全運転で向かっているんだけど……。
いかんせん、子供達が飽きちゃってるんだよね。
私とお姉ちゃんが交互に相手をしてあげているんだけれども、車の中じゃ出来ることも少ないし。
最初は寝かせておいたんだけれども、息子が起きて暴れだしました。
娘は慣れない長時間の車で疲れたのか、気持ち悪そうな顔をしています。
うーん、辛そうだなぁ。
「京ちゃん、次のサービスエリアに寄ろう?」
「そのつもりだよ。
俺も休みたいし、照さんがヤバそうだし」
「え?」
:_,. -─……─- :
:
.:´........................................................\:
:/.......................|........ト、..............................ヽ: プルプル……
:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|:
:|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............|:
: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|:
:i|...|....| |............|:
:||...|..人 , _ 人.......l..|:
八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
;/ ̄ |:\ ∧ / /:::::/ \;
:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
:/ \:::::::Χフ:::::::::/
/  ̄/:Τ:< ̄ ',;
;\ | 〈::::∧:::〉 | /:
あっ……トイレかな……?
京ちゃん急いで! このままだとプロ雀士がお見せできない姿になっちゃう!
2/10
……
…
「咲は失礼。
咲だって一個前のサービスエリアでトイレに行きたがってた」
「うっ、わざわざ言うことじゃないでしょ!」
ま、まったくもう!
とりあえず子供たちもトイレに向かわせます。次には到着の予定だからね。
京ちゃんは一旦休むといって車で横になってます。
目疲れにバッチリ、蒸気アイマスク!
休み時間に丁度いい10分間の蒸気で血行を良くするみたい。
京ちゃんもお姉ちゃんも愛用しています。
「咲ー。照さん。行きますよー」
おやすみが終わったのか、京ちゃんから声がかかる。
何か足りないものがないか確かめてみたけれども、荷物が増えちゃうと大変だからね。
さぁ、出発……って!?
3/10
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
_/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | | :
 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「照さん、どうぞ」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
|////} ` ー ´「////|
|////| :. / |/[__}/|
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_. . . . :´:  ̄ ̄ ̄ ̄: `: : : . 、
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': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
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: : : : : : : : : :/: : : : : : : : :/: : : : : : :,: : : : : : : : : : : : ヽ
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:|: : : :|: : : : : : : :{ { ∧: : 从{ {/ 「¨≧、 }:/: : :, : /: : .': :}_: : : \
:|: : : :|: : : : : : : :乂__)∧: :| /r' Y〃: /: /: : /: :/ ` ー '
:|: : : :|: : : : : : : / Ⅵ 〈ソ /イ /:イ: : :/ }/
:|: : : :|: : : : : : :,′ \ 乂 /: : イ /
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:|: : : : :l : : : 从| 、 / ぱ
从 : : ∧: : :| }' \ ,ィ-く く
{ \:.{ \:j ∧、`: . イ¨´ゝ \ ,rー---- 、
| \ \ / ノ }: : /:7´: :/ `\乂_ \
| ̄ ̄\ --/ ` <:∧:{ ( ̄ ̄`ヽゝ、 `ー--
| \ / `< `T¨¨¨¨ヽ `
| / >- 、 乂二二フ
| , -/ ,. <>´/⌒,ム 乂__フ __
| / ,. <> ´ イ マム ` ̄´
|_/ ,. <>´> ´:.:.:/ マム
ィ介ヽー― ´> ´イ:.:.:.:.:.:./ ∨}
4/10
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/: : : : : : : : : |: : : |ヽ:斗====ミ|.八: : : | 斗====ミ、 Ⅴ: i|: : : : : :i
. / : : : :__|: : :i|: : : |〃 ,イ斧心 ′ \: | 笊i心. ヾ | : リ: : : : : :|
´ ̄ ̄ il : :八: : :|″ ._)::::::hi} ヽ ._)::::::h} |: /: : :/ : : |
|i: : : |r\| 乂___ツ 乂___ツ . |/: : :/: : : :j
|i : : :|l`ハ `ー , ─‐ :' /: : ,イ: : :|: , 「な、何で『あーん』してるの!?」
|i ,: :∧ """" """" 厶イ'/:|i /|/
l/|: : :人__ ,__/: ル' '′
{ |: 八: : 从 ー─ /: : /'′
|/ \: : \ /´ ヽ ,イ: /
' \ ト、: , _, ─ ノ , : : /
ヽ \:> _ <: /
ヽ: : 〕 ─ 〔: :/l: /
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/ 「……照さん、それ酔い止めの梅こんぶです」
从 ' 八/
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
/////////\} 「/〈////////\
/////////////|--、 r-|/ イ//////////\
//////////////∧、__「//////////////// \
{//{////////////〈 ∧ }///////////////////}
|//|/////////////V/\ //////////////////'//|
-─===‐-ミ
´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ', ←甘いものだと思ってた
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:| \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:| -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/ |.: .:八ノ ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「うぐぐぐぐぐぐ……」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
5/10
……
…
もう、『あーん』してもらうチャンスだからって何食べるか気づかないなんて……。
お姉ちゃんらしいっちゃらしいけどさ。
ちなみに、甘いものだと思って食べたからとってもつらかったらしいよ!
そんな長い旅路も終わり、やっとの思いで松実館!
京ちゃん、本当にお疲れ様!
/ . . . . . . . : : : : : : : : . . . \
, . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
/ . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
/ :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
/ .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
|′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \ ヽ. \} :. : |: :{
i . .:.|:八.:.|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
| : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ ´ `'^| :. : |:.小
|.:/ :! .:.:.:.ハ ′ /i/, | :. : |:.|i
|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: { 「お待ちしていました!
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘
/:.{: :| .:.:.:. {:: 込 ` ´ /}::.:.:./::. :!:. ‘ 松実館へようこそ!」
/:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:..... .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
|{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂 / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
.′..:.八:!ム:.七¨⌒} >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
/ . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′:.:/ ヽ
. / . :′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ:.:.:.:′ / }
/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
.′. .:| \ 《 ハ下 . /.:.:.:.′ , 小
/ . . .:.{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./ / {:∧
. / . ./..:.:} . | く / } ;:.:.:.:.:′ .′/ {:. .‘.
/ . ./..:.:.:.i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′ }:. . ‘.
/ . :/′:.:.:.} ‘. V| ∨ |:ノ}:.:} j / / {:.:. . ‘.
,. . ―――. .、
,. :´ : : : : : : : : : : \
/: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
.': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
/:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
/' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从 「……あれ、玄さん?」
Ⅳ乂{ "" "" ム':/
人 u r‐ - ‐v 人}'
>`二二´<
/::::::::::{ r/:::::::::\
∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
/| \\::::::、/::::::// |
/_| l{:.\\:Y:::/:イl/ |
 ̄ | |\:.:.:ー∧':.:./ |
| |  ̄`二イ | |
| | /:.:.:./ | |
| | /:.:.イ:/ { |
6/10
え。
あれっ!?
玄さんが松実館にいるのは当然のようでおかしいよ!?
結構頻繁にお姉ちゃんと遊んでいるから、てっきりこっちの近くで就職したと思ったのに……?
ということは、お姉ちゃんは毎回ここから呼び出しているの!?
それはすごく大変じゃないかな!?
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「く、玄?」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
ほら、お姉ちゃん申し訳なさそうで泣いちゃってるよ!?
今まさに5時間以上かけてここまで来たわけで、その大変さがよくわかっているからね。
そうなると、私たちも玄さんに迷惑かけちゃってたね……。
7/10
_ -─‐- ..._
, '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
/. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
, '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ
. / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙.
/ . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ.
,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l
,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
|l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
|| l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
\Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク| 込_ク λ::::::i|:.:!
. |:l::!::::! ゙. ` ー‐'' ,, ,, ,' |!::::::|!:.:! 「……なーんて、私も今日はプライベートで帰ってきていたのです!」
. リ|:|::::l\! " " ′ jイ!:::::::i!:.:|
0::|:::::l::::|ヽ 「  ̄j ...イ|::|j:::::::l!:. !
/|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐ ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
. {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
`ハ::::!\、ヾ/:::ノ 〉-r< 〉:::/:/::':::::.!
/ .:::ヽ|::::::::::::l__| 人 λ //::::::::ト、::::ヽ.
. / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,' ` 、:、
/ .:/ | !|::::::::::|........,イrト、.........../ :::::::::::::,' ゝ、
. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::| / l
../ .:::::!. !: Уi!::::::,ィ|-、..../ ヽ_..ィ_/ .!::::::::: | ヽ ./ j !
' ::::::r'|. l:.:./ /:://,'/ `l / |::::::λ! |/ ./ |ヽ
:::::::::| |:.,' /|::'//' ヽ/ |::::::l ヽ !:.:/ ト、:ヽ
:::::::/ ::.Y .!:| ヽ \::ヽ、 |:/:. | /:::::\
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : : i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : /: : : : /i: : : : : : i: : i: : : : : : : ',: : : : : ',: : : : ヘ
//.: : : :′: : :/ i.: : : : : : |',: :i゙、: : : : : : ',: : : : : ',: : : : :.',
/ :/: : : : i: : : : :′l:',: : : : : :i ',: ',. 、: : : : : :i: : : : : :',: : : : :.',
/ ′ | : : : :i ',:',: : : : : i ',: ', 、: : : : :i: : : : : :.i: : : : : i
/ . : : :i.: : : : : :iハ : :i ',:ト: : : : :i ヾ_,‐弋: ̄:ハ.: : : : :.i: : : : : i
: : : : -|: : : : : :i. ',: i ̄` ',i ヽ.: : :i ´‐ 、 \:i i: : : : : i: : : : : |
´. |: i: : : :ハ ≧i ‐- \: i ‐彳干圷ヾ i: : : : :.リ: : : : : i
i:ハ: : : i: i 斤ハ ミ、 ゞi ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i
i:i .ト.: :i: :i. ', ⊃:::::ノ:i 弋:::::丿ソ i: : :./⌒ヾ: : : :.i
. ',} i:ヽ.:i: :i 弋二丿 ─ ´ j: : / i: : : :.|
i: : ヘ.: :i / ´ /: : : : | 「そ、それなら良かった……」
i: : : : : ハ ' /.: :: : : :|
. i: : : : : : :、 r‐‐ ´ : : : : : : :|
. i: : : : : : : :.、 - ─ イ::::::::::::. : : : : : : : |
i: : : : /i::::::::::> / |:::::::::::::i: : : : : :./i |
i: : : / i::::::::::::::::::::> __ ´ |:::::::::::::i: : : : :./. i i
. i: : / iハ:::::::::::::::::::::::::│ |__ .: : : : :/ . i/
. i: / ',::ゞ::::::::::: -┤ ゙y /: : :/
. i/ ヽi 、/ /.ノ / /: :/ゞ _
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y ヘ i. __ / ´
ヘ ',::', i´ `/
/ ', ',::', i /
8/10
_ __
 ̄ ̄ ̄ . ヽ _
/ '" ` 、 `
/ \ ^ヽ
/ \
/ / / ヽ
/ / .: : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : . . . }
{i / ′ ,′.: : : : : : : : ト、: : : : : : :|: : : : : |: :.、 ',
,′ l: : : :.! .: : : : : : !:.:. :.| !: : : : : :.|: : : : : |:.:.:.|: : :. 〈
l .: |: :. :.:| .: :. 斗匕 ̄ メ |: : : : :.:.ハ-┼- 、.:.:.|: : : :. 〉
| .:.:i!: : : :| /: :/: / l/ |: : : : :/ .l ∧:.:ハ ヽ!: : : : : |
| .:.:.i|: :. :.:|: : : :/x = x. |.:.: ハ/ j/ l: :|: : : : :
| .: :.:||: : : :|: : ,〃 ヾ j/ 〃 ̄`ヾ: ハ: : : : :: : .′!
| .:.:.::.||: : : :|/ {{ }} {{ jイ !: : : : : /
. /| : : : ||: : : :| ヾ _ '′ ヾ _ ノ .: : :// /
/: | : : : ||: : : :| 、 、 、 、 、 、 `¨¨¨´ ムイ´
{ │ : : : i:!: :. :.| ` ` ` ` ` ` ` |: : | | 「(玄ちゃん、『帰ってきている』としか言わないんだね……)」
ヽ. | : :. :.|:!: : : ト、 _, ~~ ┐ !: : ! !
i! : : ::.|:|: : : |: :.>、 丶 __ ノ _ ィ ,′ ′\
i! : : : | !: : :.: / __> _ .. - ´ /: :./: : :. ヽ
i| :. :.:.|: \: :、 \ .. - ‐ ムイ: : : : : i! !
. /:| : : :.|.:.:./ \\ \__  ̄ ̄ ヽ: : : : ハ
′| :. :.:|: / /`¨\ >'´ -‐∨.:/ !/
. / .: | :.:.:.レ′ _{__ .〕、__ イ / V
/ :.:| : : | /| / !\ . イ /
. レヘ : | .: :.:l / \/i/| ー '_| / |
\:|.:.:.:.:| ./ | / 、 ,′ \ |
,. : : :´: : : : : : : : : : : : `: : . 、
/: : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : /: : :,: : : : : : : : : : : : : : ヽ
,:': : : /: : /: /: ': : :/: : :,ハ: : : : : : : :、: : : : '.
/: : : /: : /: /: :,|: : :l: : : | | : : | : : : : ∨: : : .
/: : : :' : : :|: :| : /|: : : : : :.| |: :l|:|: : : |: : |: : : : :.
/: : : : |: :|: :{: :|: :! { : : |、: :| }: :l|:|: : : |: : | : : : : |
/: : :/ : |: :|--Ⅵ、{_从: :{ \{ ム斗|-: : |: : | : : : : |
l: イ {: : :从{ 比刈 比J刈 }イ : / 、: : : : '
' l |: : : : } Vzソ 弋こソ /: :イ }: イ: ,
|: ∧: | `¨ , `¨¨ ムイ__,ノ:/ }:/ 「(あっちが噂のお姉さんかな?)」
|/ }从 /: :/}/ /
/ }: 、 ‐-----‐ 、 イ: :/ /
l从` . ィ |:从
` ーr = ´ |、
/| |::\
,..:<:::::/ /::::::::>:..._
...:<:::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::> 、
9/10
……
…
そんなこんなで、女の子たちで温泉に入ることになりました。
京ちゃんはちょっと寂しそうだけどダメです! 私が今度一緒に入ってあげるから!
「玄は卑怯。
こんなに大きい胸があるなんて」
「ふえっ!?
わ、私のおもちなんて大したことないのです」
「玄さん! それは持たざるものをバカにしてますよ!」
「ううう……」
「むぅ、柔らかい」
「お姉ちゃん何してるの!?」
「揉んで吸収する」
「吸収できるの!?
……玄さん、失礼します」
「おもちは吸収できないよぅ!
く、くすぐったい!」
「やっぱりくすぐったいのかな。
咲はどうだろう」
「あんっ……!
お、お姉ちゃん!」
「咲、開発されちゃってるんだね……」
「咲ちゃんが大人なのです……」
「やめてよ、もー!」
//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
/ 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
/ / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
/ j:::::::/:::::::/__::/ |{ |:::i i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
{ /:::::/:::::/i{ |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
/7::::i::::/ ィ 弌ト、. 乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
_ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}` ´んぅト/ /!::::::リ::/
>、 } 〃〃 , ` ーrっ// ノ::八
/⌒ 〃〃/}_rくノ )}
/::::::::::/\ ^ ` ~ 、 / >=へ
{:::::从:{ > _ < /:i:::::::::::ヽ
ゝ:::(八 _}>-=≦/{_ {八::::::::ハ::}ト
/i | `>/::::\ }::/ レ'
---=ニ¨:::::::い / '::::::::::入 ´
娘が寂しそうに玄さんのおっぱいを触っている。
……ご、ごめんね? 何かごめんね!?
10/10
・男湯
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
\ / |
__ i ー ' ! __
, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :} 「わかった!」
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、-
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
/ | : :ハ : :! /| / i
/ __ i: . : :、/|__ ∠ / ‐ // |
/`-‐ / / | __ -‐/ / |
カン!
前スレ分のお題投下終了
乙です
毎日の様に行き来して、毎日の様に家に帰ってるけど、言葉が足らないだけで嘘は言ってないですもんね(震え声)
照はお土産の御菓子を(自分用に)大量に買い込むんだろうな…
穏乃の実家のお土産屋(和菓子屋?)で、お土産を買う場面とかいけそうならお願いします
1/8
88
京太郎1人の時にこたつで雑談→仲良くうたた寝とか
「あれ、霞ちゃん」
「ひゃい!?」
石戸霞です。
今日も咲ちゃんの家にお邪魔しているんだけれども、まさかの京太郎さんです。
今日はいないって言ってたのに、咲ちゃん!?
「きょ、今日は遅くなるって……?」
「ああ、咲に聞いていたのか。
ごめん、邪魔だったかな?」
「そんなことないです!
むしろいてください!」
「お、おう」
家主(?)を追い出すなんてとんでもないわ!
そ、それに、最近京太郎さんと会話することが増えて嬉しいなって。
わかってるわよ! 手を出したりなんかしないけれども、少しくらい幸せに浸ったっていいじゃない!
うう……、平行世界に行くにも限りがあるのよ……。
誰か京霞分を補充させて……自給自足よ……。
「えっと、言いにくいんだけど、俺もコタツに入っていい?」
「もちろんです!」
寒い思いをしている京太郎さんを放っておくなんてできないわ!
……あれ、これって。
同じコタツに足を入れてる、のかしら!?
も、もうダメ。沸騰して倒れそう……。
2/8
「咲はどうしたかわかる?」
「あの、ちょっとコンビニに行くと言って走って行ってしまいまして……」
「ハハッ、迷ってたりして!
……いや、笑えないぞ」
はうぅ……、冗談を言うためにニコッとする京太郎さんかわいい……。
そのあと真剣な表情で咲ちゃんを心配する京太郎さん格好良い……。
「あっ、みかん切れてる。
ちょっと取ってくるよ」
「あっ、私が……」
「場所わかんないっしょ」
京太郎しゃん……優しい……。
「咲に聞いたら、子供の面倒を見てくれてるんだって?」
「は、はい。
差し出がましいとは思いますが……」
「そんなことないよ!
むしろ一家の問題なのにこんなに親身に接してくれて本当に助かってるよ」
「はぅ!」
「ど、どしたの?」
「な、なんでもないです……」
ちょっと天国に昇りそうになっちゃっただけだから気にしないでください!
むしろ本望です!
3/8
へ、平行世界でアレだけ私に尽くしてくれた京太郎さん。
恩返しできるなら、なんだってできるわ。
それに、私としても京太郎さんと咲ちゃんの子供たちと遊ぶのは本当に楽しいの。
子供はみんなを笑顔にするとはよく言ったものね。
私たちにとっては、子供だけでなく京太郎さんと咲ちゃんの存在も私たちを笑顔にしてくれるもの。
みんなで守っていかないとね。
ピト
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::\
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ト、:::::::\::::::::::.
::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \::::: |:::::::::::.
::::::::l:::l:::::: /:::::::::::::: l::::::::::::::|-―‘:::::|:::::::::::::
::::::::l:::|::: /::::::::: /:::::l::::::::: |::| ‘::|:::::::::::::|
::::::::l:::|::/ l/: /::::/:l::::::::: |::l __, ‘|:::::::::::::|
::::::::l:::l::l'´|:::::/::::/ |:::::: /l/ ´ ,,____|:::::::::::::|
::l:::::l:::l::l l: /l:::/ :|::/ ,x≦斧⌒|:::::::::::::|
::l:::::|八{ l/´|/,,_ノ´ h_刈 |:::::::::::::| 「!!?!?!??!?!?!!?」
::l:::::| x≦芹⌒` 辷ソ |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈 ''' |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^ 、 |:::::::::::::|
ー || 八::::::::::
`ー:||、 _ /::::::::::::/
:::::::l|::\ ‘’ /:::::::::::::::/
4/8
きょ、京太郎さんの生足が私の太ももに……。
あっ、だめっ……!
神様……ここが天国だったのですね……!
でも、さっきまでは気をつけていたみたいなのに、どうしたのかしら。
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \ 「zzz……」
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
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{|___ノ __|[_]//∧_
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5/8
京太郎さんは机に突っ伏して寝てしまっていた。
疲れていたのかしら。
思えば、毎日仕事で忙しいはずよね。
それなのに、京太郎さんのことにまで気が回らず、私ったら……。
白望ちゃんに怒られちゃうわ。
そう言えば、咲ちゃんが『京太郎さんは寝たら起こすのが大変』って言っていたわね。
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|::l|:::l:::|::::::::::::|:::::l|从 \j八 ___,\:::: lノ \:::::::::l::| _____ |ノ|::::/|::::::::::::::从:::::::::::|
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|从::l::::::\::::::::\ 乂: ー‐: :ノ 乂: ー‐: :ノ ,:::::::/:::/::::::::/
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これ幸いと、京太郎さんの寝顔を凝視する。
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|:::::::: l ::::::::::八::::::::::| ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/ ノ
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|::::::::┃ : :::::::::::::::::| `` `` ,′:::::::::::| 「かわいい……!」
|:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\ r‐ ┐ 人::::::::::::: |
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|:::::: -‐ ‘:::::::::::: | \\ .//. / / / / .八 |
-‐'^´ ‘:::::::::: | \\ // / / / / / ト、
6/8
いつもの凛々しくて格好良い京太郎さんも良いけれども、寝顔は子供みたいでかわいいわ!
もう、白望ちゃんはこれをこっそり見ているのね。ズルいわ!
頬っぺたを突いてみる。ちょっと堅いわね。
惚れた弱みね、何をしていても愛しく感じちゃうの。
もう……、こんなところで寝ていたら風邪を引いちゃいますよ?
ああ、寝ている隙に胸板とか二の腕とか腹筋を触ったりしたらダメかしら!?
ダメよね……。
うう、こんなの生殺しよ。
それでも、せめて脳に刻み込むのよ!
頑張って石戸霞! 今力を使わないでどこで使うの!
……それにしても気持ちよく眠っているわね。
なんだか、私まで眠く……。
7/8
,. . ―――. .、
,. :´ : : : : : : : : : : \
/: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
.': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
/:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
/' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从
Ⅳ乂{ "" "" ム':/ 「ただいまーって、あれ?」
人 u r‐ - ‐v 人}'
>`二二´<
/::::::::::{ r/:::::::::\
∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
/| \\::::::、/::::::// |
/_| l{:.\\:Y:::/:イl/ |
 ̄ | |\:.:.:ー∧':.:./ |
| |  ̄`二イ | |
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:::::::::::l::/|::七| l::::::::::::::l::::::|:::::::::ヘ
:::::::::::|:{ j八( |:::::/::::ハ:ノ|:::ハl i
::::::r-l __ j/}/`/ ィ:/::::| |
::::::| } 、、 ̄` _ ィ::::::::::l ;
{::从_ '  ̄`∧::::::;' / 「zzz……」
:\::::圦 r , ;::::::::::
:::::::ヽ:::::\ ィ:::::::::;′
ヘ::::::::V >ー.<::::: |:::::::::i _
,..-―へ/ . : : :ヽー- 、
彡';´.:/.: : : ; : : ヽ: : .、ヽ
//: : i: : : : :ハハ: : ;ハ:i、 iヾ、
ー--‐':´: : : : |: : : | | ゙、: ! И人ト、
\__: : : /: :ヽ!、: |! V ハ
/ : /: : :/ r- 、 __, -‐' !
!:∠:イ´ 丶、 _ _,..ノ
|ハ:( U  ̄ ̄ / 「zzz……」
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\: ;ヽ、 r--‐'′
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ノ::::::::::::::|i ! _|O|_
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8/8
,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
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/ : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
/': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
/: :イ7: :{: :从{ __ {/\{ _从ハ : : /: : :.|
'´ |: 八: :| ((__)) ((__)) |: :/} : ハ:|
|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }' 「もー、二人とも風邪引くよ!」
|/ `ム , ‐--‐、 ムイ: /
个 . ー― ‐' 个从{
\:}`}>-<{:/}/
r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
/ ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
∧ \:\:::::::∧ /:::::::::::///
l ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´ }
| } \//ヽ、∨/´/// } |
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|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「(背中から毛布だけかけておいてあげよっ)」
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1/10
石戸霞です。
今日はちょっと機嫌がいいの。
なんと、私の書いた小説がドラマ化することになったの。
有名所を使うような大規模なものではないけれども、やっぱり嬉しいわね。
改変される恐れがある、って話を聞くけれども、原作者としてはドラマはドラマ、原作は原作で楽しんで欲しいわ。
ただちょっと不満なところがあるとするならば、俳優よ。
もちろん、大御所を起用しないことについて文句を言うような無粋なことは言わないわ。
ただ、私の小説のモチーフといえば、京太郎さん。
主に平行世界の経験を生かして作られた小説に、別の人を当てはめると言うのが納得できない部分も多いわ。
でも、そんな子供の理論を振りかざしたりはしないわよ。
もう10年もプロをやっているのだから、作品は作品、現実は現実で区別はついてますっ!
……うぅ、理想を言えば、京太郎さんと私の配役で小説を実写化したいわよ!!
でもそんなことを考えているとまるで読み通したかのように白望ちゃんにジト目で見られちゃうのよねぇ。
私、そんなにわかりやすいかしら……?
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::l:::::| x≦芹⌒` 辷ソ |:::::::::::::|
::l:::::l /{h_j刈 ''' |:::::::::::::|
八从{ 乂_少^ 、 |:::::::::::::|
ー || 八::::::::::
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2/10
「霞、また妄想してる……」
「い、いいじゃない! 白望ちゃんだって妄想くらいするでしょ!」
「……霞よりは少ない」
「そんなこと言って……。
私だって普段の白望ちゃんが何をしているのか知ってるのよ!」
「……」
「京太郎さんたちをずっと見ているんでしょう?
京太郎さんたちにもプライベートがあるんだからほどほどにしておいてあげてね?」
「ダル……(私は霞と玄よりはマシでしょ……)」
「もう……(私は白望ちゃんと玄ちゃんよりはまともよね?)」
そんな言い合いも10年来の親友ともなればよくあることです。
別に仲が悪かったり喧嘩をしているわけじゃないから安心してね?
そう、そんなことを言いながらも、今日は白望ちゃんのおごりでちょっとお高い店に来ています。
なんだかんだ言いながら、ドラマ化のお祝いをしてくれる白望ちゃん。素直じゃないけれど、本当に優しいのよ。
「今日は霞にサプライズを用意した」
「この催しがすでにサプライズなのだけれども……。
それは期待しちゃっていいのかしら?」
「うん。入っていいよ」
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彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___ ;==─-ソ::::::/ /:::!
ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄` ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ
ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;; , """ /ノ.;:‐'::/
i.;イ:::;ハ、::゙、 """ ___ /:::::/
ソ レ ` ヾヽ ヽ´ ノ ィ´::/リ 「お邪魔しまーす!」
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3/10
ちょ、ちょっと白望ちゃん!?
私が小説を書いていることは咲ちゃんには内緒なのよ!?
白望ちゃんに対し、オカルトを用いた念話で語りかける。
___/ / / \ \
⌒フ / , / l 〈 \\ \
/ / / / /| \ ∨ \ \
/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/} 「(大丈夫。ただの食事会って言ってあるから)」
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ |
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ )
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
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',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ: :、 : : ! 「?」
',: { 乂_ノ 乂ノ l: : } \ノ
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///∧ Kヽ、
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4/10
……
…
「みなさんもあの小説を見てたんですね!
私、大ファンなんです!」
それからと言うもの、咲ちゃんは興奮して私の小説を褒め倒してくれているわ。
普段口下手な人ほど、趣味の話は好きなのね。
早口で私の書いた小説の内容について語る咲ちゃん。
……これすごく恥ずかしいわよっ!?
あっ、白望ちゃんニヤニヤしてるわね!?
わかっていて呼んだんでしょう!
「(私は霞のファンを呼んだだけ)」
「(う、嬉しいけど、すごく恥ずかしいわ……)」
「それでね! それでね!」
「(褒めてくれている咲を放っておいて私と念話している場合じゃない)」
「(た、確かにそうね)」
思わず白望ちゃんの所に逃げちゃっていたけれども、あまり逃げてはいられないわ。
私の大好きな咲ちゃんが、私の小説の大ファン。
それだけで霞は果報者なのよ。
しっかりと対応して、これからも楽しんでもらえると嬉しいわね!
「あの、女の子が今までの親友や友達なんかを全て捨てて男の子に合うシーンが大好きで!」
「本当!? 嬉しいわ!
あのシーンはすごく悩んだの!
何日も悩んでやっと書け……」
……あ。
5/10
/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「(馬鹿……)」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ::::..ヽ
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// .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
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/.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
. i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...|
! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川 ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
| .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
l ::::::::l! .辷.ノ ー.― ll::::::::::::::.|
l :::::: l. ,,, ' ''' 'l:.:::::::::: .|
l::::::::::l U /l:::::::::: .| 「あうあうあうあう」
. l::::: :::.l. ャー‐ッ /:::l:/::: :.l
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,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ : 、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :} \ノ 「も、もしかして、霞さんって……」
',:乂_ ` .!ヘ:ノ
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ
ヽ{\ : : ㍉  ̄ ,, ''
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
6/10
「あ、あの小説書いているの……霞さんだったり……します?」
「……え、ええ。そうよ」
「(あーあ……)」
うう、白望ちゃんが呆れてるのがわかるわ……。
咲ちゃんはぽかーんとしているし。
顔から火が出るほど恥ずかしい!
いくらなんでも防御薄すぎよね……。一撃でバレたじゃない……。
また白望ちゃんに『霞はドジ』って言われちゃうわ……。
それに、咲ちゃんに失望とかされてたら、もう生きていけないわ……。
ごめんなさい出版社さん。現行は未完で終わります。私は平行世界に逃げますぅぅぅぅぅぅ!!
/: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
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_,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
` ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
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{八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ \| -- 从: : : :/}/: : : : : : ,: |
l 、 : |: V ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
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V{ :.:.:.:.:. / ノ 人:,:' /
人 __ _ イ:/ すごーい! すごーい!!」
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「あ、あれ?」
「私、生で作家さん見るの初めてです!」
「あら、そうなの」
「小さい頃からずっと本が好きで! こうして作家さんが身近にいるなんて夢見たいです!」
「よ、喜んでもらえて嬉しいわ」
「えへへ、霞さんの事ますます大好きになっちゃいました!」
「(咲ちゃんかわいいわね)
あら、ありがとう」
目の前で興奮する咲ちゃんを見て、どこか冷静になれました。
う、うーん。現実の作家を見て幻滅されなくて良かったと言うべきかしら?
7/10
「霞、喜んでもらえて良かった」
「なんかちょっと含みがありそうね……」
「えへへ。京ちゃんに自慢しちゃおう!」
「あっ、咲ちゃんそれは待って!」
そ、それだけは勘弁してください!
京太郎さんに小説を書いていることがバレたら本当に平行世界に逃げるしかなくなるわよ!?
そ、それに、そのあたりを話すってことは年下に見られている誤解もなくなっちゃうわけじゃない!
そうしたら気軽にタメ口で扱ってくれる京太郎さんがいなくなっちゃって……それは嫌!
「その、知り合いでもなるべく広まらないようにしたいの。
京太郎さんを疑っているわけじゃないのよ?
ただ、これは私と咲ちゃんの秘密、ってことじゃダメかしら」
「あっ……。
そうですよね。有名人が広まっちゃうと大変ですからね。
うちも駄目姉で身をもって体験してます。
わかりました! このことは私の胸の中だけで収めておきます!」
ふ、ふぅ。なんとかそれっぽいことを言って誤魔化せたわ。
あっ、白望ちゃんがジト目で見てる。
ふ、ふーんだ! 白望ちゃんだって年下扱いされて喜んでるじゃない! 私と同類よ!
この件は引き分けってことでいいじゃない!
8/10
_........----......._
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从{∧ _ _ 人:∧{
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{ `| 、 |_/= ´イ:.:.:,イ / } 「あぅ……えっと……」
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|: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
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八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :|
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9/10
「あら、お安い御用よー」
「す、すみません。
今日は霞さんのお祝いなのに……」
「そんなこと気にしなくていいのよ!
私のファンなんですから!
はい、『K・K』ってね」
「わぁ……!」
「それは見られてもいいけれども、私がK・Kだって教えちゃダメよ?」
「はい! 額縁に入れて飾ります!」
「大袈裟ねぇ。
ふふっ、あとはこれからも距離を離さないで接してくれたら完璧よ」
「大丈夫です!
そ、その、霞さんは私のお姉ちゃんみたいだと思ってますから」
「あらあら、本当のお姉ちゃんに怒られちゃうわよ?」
「その時は『少しはお姉ちゃんっぽいことをして!』って怒るから大丈夫です」
むくれながら言うけれども、照さんの事もちゃんとお姉ちゃんとして扱っているのよね。
10/10
. / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
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/ .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. / .:.:.:.: |:.:.:.:.| \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
ー |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ 乂ー-ソ j/ V:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「そう言えば、『K・K』って何なんですか?」
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/
|:.:.:八|:.:.八 r-, /:.:.:.:/
|:./ \:.:{\ / |:.::/
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_/三l /三三三≧=-__
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/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
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|::::::::l:::::::::::::l:::::::::::|:::| 「……そ、それは秘密よ」
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\ --- 、 __ノ_⌒ヽ
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/ / / / / / Y´
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八{ / j/ ll ∧ :|芹苧豕 /l/苧豕, ∧| | l|
/ イ / Ν/-、| | 乂_ソ}/ ヒソノ∧八 リノ
. { | \、_jノ 、 , ∨
\八 厂〕ト _ 人 i|\) 「(それだけはバラしちゃダメ)」
)/(\ノ/}> ´ イi:i:ト、)ノ /
(\\\ 爪 i:i:i:i:i:|∧
⊂ニ=---、__〉\:i:i:i:| \
/:i:i⊂ニニヽ \{\ |:i:i:i| } ̄ |
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/ ̄て二...__......_ `゙<:i:i\ ノ
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. `ト――┬く:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:|:i:i:i:i:i:
. | | \:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/|:i:i:i:i:i:
カン!
88
おめでたいことがあってみんなにお祝いされるとか・咲さんに著書バレするとか
>>88の4つのお題シリーズ 完
1/10
127
あわあわの誕生日を祝う京淡(平行世界)
「ぬわーん! 疲れたよもー!!」
家に帰ってベッドに身を投げる。
今日はもう何も考えたくない。辛いことが多すぎた。
「また負けちゃったよ……」
大学卒業から3年。
麻雀プロとなった大星淡は、未だに芽が出ないでいた。
自分のことを無敵だと思い、麻雀に絶対の自信を持っていたのは高校一年生の頃だ。
準決勝にて初めての挫折。
決勝戦にて宮永咲に敗退し、白糸台の三連覇を逃した戦犯として扱われることになった。
淡本人の成績が悪かったわけではないのだが、やはり最後の一人ともなればメディアの目が向くわけで。
それから個人戦も含めた3年間、淡は一度も宮永咲に勝利することができなかった。
高校三年時の敗退後に心が折れた淡は一時的に麻雀から離れ、プロ入りを辞退。
そこから大学に進学できた理由が麻雀推薦だというのは皮肉な話だ。
しかし、大学も4年間過ごせば就職から逃れることはできない。
心を持ち直した淡は麻雀プロ入りを決意するが、照や咲どころか、他の相手にも遅れをとる始末。
『麻雀プロ』として人生を賭ける者たちとの壁を感じ、潰されかけていた。
「会いたいよ、キョータロー」
大学時代に自分を立ち直らせてくれた恋人の名前を漏らす。
彼がいなければ、こうして再び麻雀と向き合うことすらできなかった。
2/10
……
…
大学に入ったのはいいが、目的も何もなかった。
普通の女子大生として青春を謳歌するには、挫折したものが大きすぎた。
「ここ、座っていいか?」
「好きにすれば」
相手の顔も見ずに了解を出す。
食堂でグデーンと人目を憚らずに机に突っ伏す。
「おいおい、混むんだから幅とるなよ」
「うっさい。人来たらやめるもん」
「もう来てるっての」
「あわっ、あわわ」
「あっ、すみません。すぐ退けますんで……」
「何さ、金髪が仕切っちゃって!」
「お前も金髪じゃねーか……」
初対面は、いい印象ではなかったと思う。
むしろ、友達がいない私に対して、横に座った人と仲よさそうに話す彼に嫉妬していた気がする。
「って、あれ。大星淡?」
「何さ、私のストーカー?」
「いや、お前有名じゃん。白糸台のエースって」
「……!!」
彼がどんな気持ちでそのセリフを言ったのかはわからない。
だけれども、その一言は私の心を抉った。
「帰る」
「おい、食器戻せよ……」
ガタンと大きな音を立てて逃げるようにその場を去った。
ああ、最悪の気分だ。
3/10
……
…
淡の通っている大学は非常に大きい。
スポーツなどの部門でも有名で、施設が充実している。
推薦で入った以上、インカレのためにも麻雀部に所属しているが、不良部員だった。
掛け持ちが可能なことも知っていたので、他に何かないかなどとサークルを巡ってみるが、やはり合うものがない。
各サークルの案内として一周してみてもダメだ。
案内はこれで終わり。最後の一つと周ってみたそこで、見覚えのある人がいた。
「須賀ァ、へばってんじゃねーぞ!」
「ハイ! 先輩!」
食堂で隣に居合わせた金髪がそこにいた。
おそらく先輩であろう人に扱かれ、誰よりも懸命にコートを走り回る。
スポーツ系の体質らしく、彼に向かって厳しい叱責が飛んでいる。
それこそ、淡は負けたっていつも誰かにフォローされてきたし、叱責されたことなんてなかった。
だが、彼は罵倒にも等しい厳しい叱責を受けながらも雑用に勤しみ、誰よりも走り回り、体を痛めつけていた。
ルールが全くわからない淡でも。彼が活躍していないことはわかった。
大学自体が優秀な選手が集まる以上、他は見てわかるほどレベルが高い。
その中、息を切らせながら必死にくらいつく彼のレベルが劣っているのは見て取れた。
それでも、どんなに劣っていようが叱責を浴びようが、くらいつく彼を自然と目で追っていた。
4/10
……
…
「あっ、金髪」
「お前もな。
って大星、前は俺が食器返したんだぞ」
「うん、それはごめん」
「うお? 素直じゃん」
少しして、また食堂で隣に合わせた。
今度は自分から声をかけて、前のことを謝る。
「いや、俺も何か怒らせちゃったみたいでごめん」
「うん、怒った。
でもこれでおしまい」
「ありがとうございます大星様ってね」
「なにそれ。つまんない」
「手厳しい!」
「金髪はスポーツやってんの?」
「何でいきなり」
「汗臭い」
「マジで!?
消臭してるはずなんだけど」
「んで、なにやってるの?」
「ハンドボール。あんまり有名じゃないからわからないかも」
口の中でこっそりハンドボールと呟く。うん、覚えた。
「そういや自己紹介もまだだったね。
俺は須賀京太郎」
「私の名前は知ってるくせに」
「そうだな。よろしく、大星」
そう言って握手する。
男の子とした握手は初めてで、大きな掌に包まれるようだ。
皮が破けてゴツゴツしていて、ボロボロの掌を忘れない。
5/10
……
…
それから淡は何度も、サークルを抜け出してはハンドボールを見に行った。
ルールがわからないとつまらないからネットで調べて、目立つ金髪を背伸びして探した。
結果的に、まだ一年の彼は雑用や基礎練習をしていることが多かったので、ルールを急いで覚える必要はなかったのかもしれない。
基礎トレーニングばかりしていて、球拾いをしている。
麻雀で言えば山の積み立て方やツモ切りの練習をひたすら繰り返しているものだろうか?
―――やっぱり、わかんない。
ずっとエースとして試合経験を積んできた淡には理解ができない。
楽しそうとは言えないが、黙々と基礎練習を繰り返す彼を理解できない。
たまには部内の練習試合を行っていて、その時には彼が出場することもあった。
だが、同年代に比べて体格や身長に恵まれている彼以上に、この大学には大きくて強い人たちが集まっている。
何度も弾き飛ばされて痛そうに起き上がる。
思わず目を覆ってしまったり、悲鳴をあげそうになったこともある。
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. {人_ .ヽ_ミx´,:.:.:./:/:.:.:.:ーx_ //ァ/ ./イ:.:.:.:.:.|.:.|.:.:|:.:ヽ.ヽ
. ゝ  ̄...:.:.:., |:.:./:.:':.:.:./ _≧≦_.´ ._x≠キ":.:.:.|.:.|.:.:|:.:.:.:》 〉 「(……頑張れっ)」
__`''ーt―r ' ./.:.,:.{:.l.:.:イ ',.〈丁≧ァ` k´r‐=≠、.:.:.:.!.:.:.:.:!;/,_'_
r''´,-=、::`''ー==≧:.:.:.{{::';|:/ ゝ_, r';_; }. ./ 5、_/;}lノ:.:.:.|.:.:.:.:|.// ,Xァ
.` .≧=-`''-、_.:.:.:.:.:.:.:r<ヘ:.|. ヘ ``'''. ヾソ-'./.:.:./|.:.:.:.:|/ / `、
 ̄´ /´.ヘ V :ヘ , /:.:.:/:/:.:ノノ /::: .∧
ト ./ ヘ ,ヘ ::::> _ __ __ ,/イノ::::レ'/ /:::l::: ∧
|:`,' :ヘ ヘ ::::::::::::>.、 _, =r<:.,'.:.:.:.://// :/::: ` ー、
八_} .:::.ヘ ヘ ::::::::∧‐- ./:/.:.:.:.:/::.//イ .l.::: .::::::::::: }
,イ .. ::::::::.ヘ .ヘ ::::::∧`''ー.〈_:ゝ、:.:∧//:/: |::::::::::::;:': .:::::: /
自分が彼を応援していることには気づかなかった。
6/10
……
…
「淡さまー。レディースランチお願いしますっ!」
「キョータローはたくさん食べないとダメでしょ!」
「ぐえー」
食堂で声をかけたり、ハンドボール部で見つかることが多かったので、気付いたら仲良くなっていた。
それはきっと彼のコミュ力のおかげで、彼は誰にでもこうだった。
自分が特別じゃないことがなんとなく悔しい。なんで悔しいと思うのかはわからない。
『おっ、また淡ちゃんが応援に来てるぞ』
『別にキョータローの応援になんか来てないし!』
『名指しで指名だ! おい須賀ァ! 一声かけてやれ!』
『あ、淡?
なんだかわからんがありがとうな!』
『あっ、スポーツドリンク渡しといてくれれば……』
『そこは直接手渡ししようよー。私たちと女子マネやらない?』
『賛成だ! 淡ちゃんが入ってくれれば男子もやる気が出る!』
『男子きもーい。淡ちゃんは須賀の嫁さんだしー?』
『よ、よ、よめさん!? 違うもん!』
『須賀の嫁さん、かァ……なんか複雑だな……』
『高久田ァ! サボってんじゃねーぞ!』
『ゲェ!?』
女子マネージャーの人たちともそこそこ仲良くなれて、お手伝いくらいはするようになった。
自分が第一線で戦うのではなくて、誰かを応援するなんて初めての経験だった。
それから1年、彼の応援を続けた。
7/10
……
…
「ねぇ、キョータローは怖くないの?」
「何が?」
「だって、レギュラー取れないかもしれないじゃん」
「やってみなきゃわからないっしょ。
確かに、みんなに比べたら一歩劣るけどさ」
「……なんでそんなに物分かりいいのかな」
「挫折ばっかしてるからなー。負け慣れてるのかもね。あはは……」
そう言って寂しそうに笑う。
ああ、辛いんだ。隠そうと笑っているのがわかってしまう。
ずっと見てきたから、彼の表情の変化がわかってしまう。
「わからないよ、わからないよキョータロー」
「何が?」
「だって、勝てないって怖くて、期待されることが怖くて、頑張っても届かないんだもん。
私だって、サキに勝てなかった」
漏らした言葉に後悔する。
つい、言ってしまった。
この1年間、京太郎が麻雀に関することを聞いてくることはなかった。
彼特有の察しの良さだったのか、非常に居心地が良かったのに。
泣き出しそうになるのを堪えて、俯く。
8/10
「俺は持ってないから」
「?」
「淡だって、3年間ずっと咲に挑み続けたんだろ。
俺だってそうだよ」
「でも、私は諦めちゃったんだよ。
キョータローとは違うもん」
「俺さ、ハンドボールやんの2回目なんだ。
中学生時代に3年間やって挫折して、高校では逃げて麻雀やってさ。
そっちでも挫折して、また出戻りだ。
淡が言うように格好良いものじゃない」
彼が初めて弱音を吐いた気がする。
今まで、そんな弱気な彼を見ることなんてなかった。
「人に説教なんて出来ないよ。
でも、淡が麻雀やりたいなら俺にできることはする」
「……麻雀やっても良いのかな」
「楽しければ良いじゃん。
勝てなくても、さ」
「……ふふふ」
/ \
_人_ ' ` 、 \
Υ'/ / / ト、 丶
/ / / | | | Χ }
.′ il / | | \ | / `、 リ |
i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } |
| | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j
| |l l|斗示芋ミ、 ''h!::::::::} ,′ ,
|l 八 И'h!::::::} 乂___ノ / / 「やるからには一番を狙うんだよ!
.八 ゝ /i/i/i i / / / / | キョータロー!!」
‘,\ ハ r ア /l/ / /:: |
ト、 込、 _ノ // ,イ::: l|
|l l\ \> .,_ /∨ /l|: 八_
|ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ
| | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧
| |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \
| | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶
9/10
……
…
それから色々とあって、恋人同士になって、同棲してる。
喧嘩もいっぱいしたし、時には『私はサキの代わりなの?』なんて詰め寄ったこともある。
それでも一緒にやってきたし、これからもやっていくんだ。
「淡ー! 誕生日おめでとー!」
「あわっ!」
精一杯の笑顔で彼をお出迎えする。
結局ハンドボールのプロへの道はあきらめて、普通に就職して淡を養ってくれている。
『俺が養うから失敗なんて恐れなくていい。麻雀のプロになれ』なんて言ってくれた。
私の大好きな王子様!
「もー、キョータローおそーい!」
「遅くなってごめん。
ケーキ買ってきたぞー」
「ケーキ!?」
「先にお風呂か晩ご飯食べてからなー」
「そ、それより、わ、私にする!?」
「……そっちはベッドに入ってから」
____
´ `丶
/ \
/ \ ヽ
/ ,イ ヽ .
// | | ' ト、 .
j/ ; | | │:!∧ i :
/ i |¬|ト│ |八--:一 i i
.: Ν 八八 Ⅴ´\ハ | | ┼ __ | \ (⌒⌒)
i: Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │ i │ レ(ノ\ レ 丿 \/
| i iハ . |.:| │ i │
| i i: :. " "" ; :| .:| i :.
| i:. ∨込. マ::::フ / イ :リ i :.
人八 ∨ 个ト ,,_ <「∨ :/i i :.
/\[ | __j_」 ∨∠:リ リ ::、
/ リ jレ'´ 乂 У∨ ∧ \
/ / /ー --/ / /⌒>、 \
/ / / / 广⌒゙ア / ///⌒\ \
/ / / / / 厶イ , \ \
/ イ\ ,゙ / __/ {// | \ \
// /イ 「\\_/ .:::´:::八 ∨ ′ | \ ヽ
(/ ノ 人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{ 人 ∨)_ノ
\{ / >::[_[\__;;;/ )У 〉 ト、 │
\__{ /::::::::几::::::\ 〈 /| |ハ |
[__∨::::::::∨| \::::::丶 込,,______ノ | / ∨
|__7 :::::::: ノ│ 〈:::::::::| 〈 [_____________〕 | , /
10/10
「わっ、チョコレートケーキ!」
「今年はこれにしてみた」
「えへへ。
そうだ! キョータロー、口開けて!」
「ん?」
「はい、あーん」
「うむ。
……淡が食べていいんだぞ」
「あーんをしたいの!」
「(あわいい)」
「ほら、今度は私にやるの!」
「はいはい。あーん」
「あーん!
……甘い! 美味しい!」
今でも麻雀では咲が遠い。
でも、それよりも大事なものがここにある。
だから負けてもまた立ち上がれるし、何度だって挑んで見せる!
でもね、キョータロー。
_, -──- .,_
'´ `丶、
/ \
, / \
. / . / ヽ
′ / / `、
. .' / /, // /| | `
i . / 」_ ′/ | | i| . i
. i | j/, /イ`メ、 | 小 || ト.!
j .| ∨/ / |/ ヽ | ァT丁l | |
ノ i| V j 抖竿ミ ノ ノ ,ノイjノ | i
___ ____彡' , i| i| j 八|:x:x: /ィ竿ミ 刈 | } 「(そろそろ須賀淡になりたいな。
 ̄¨ え≠ / 八 i|/l | | :x:x:/ ノ | ′
/ -‐ ' ハ 八 ト、 ヘ.__ ` 厶 イ ノ なーんて……えへへー!)」
/ __,.斗‐=≠衣 ヽ八\ 丶.__ソ . イ(⌒ソ イく
jア¨¨^\ \ \ >-=≦廴_ ア /ノヘ\
斗ァ'′ \ \ ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 | 、\ ヽ 、∨tl `ヽ . ∨ V\ i
{ `| Vi:\ ハ i } | } i } ∨,} }
≧=- | 辻_V\`i} i } | /} iハ} 辻ノ
ノ ¨〕V//リ iノ ////V〔 ¨〕
カン!
清澄優勝→告白できず→咲が淡を3年間撃破→淡が折れて高卒プロ入りせずに大学進学→あわあわ次元
今回は誕生日ネタだったので通しにしました。くっつくまでの細かい過程はお題頂いたときに書く感じ
シロ次元とかクロチャー次元も同様に、お題や雑談から思いついたら細かく書いていきたい
1/10
240
クロチャー、平行世界を夢に見る
今日はサークルでハイキング。
彼が嬉しそうにこちらに走り寄ってくる。
それを見るだけで自分も笑顔になっていくのがわかる。
「玄さん。いい写真が撮れたんですよ!」
「本当?
京太郎君も腕が上がってきたのかな」
「へへっ、天才なんですよ!」
「でも、本当にすごいよ!
京太郎君は天才だよ!
格好いいし、写真もできて、運動も出来るなんて本当にすごいなぁ……」
「あ、あの、玄さん。
そこはツッコミを入れていいところですよ?」
「ふえっ?」
本当のことなのに、と思うけれども、京太郎君がそう言うならば仕方ない。
京太郎君は写真サークルに入って一ヶ月。写真と言うものに慣れていなかった。
もともとスポーツに適した身体と生活、高校からは何を思ったか麻雀に走り、大学からは写真。
それでも失敗を恐れずに色々とチャレンジしてみる彼は私から見たら眩しく見えた。
私はいつだって、待つことしかできない。
だから彼に憧れる。
, ' / / \ \ ヽ
/ / , ' / \ ヽ ゙.
// .' / / ./! ヽ ゙、 l
// ,.' ,イ / i |、 l 丶 | !
,'/l| . l! __L!l._ ! |_L.L._ l l |
li! |! ||、´ ,' {.| -| l、 l|l-ヽ|、 ` .| | l
|| i!.|Yヽ|_,,,L_ lハ. |l!=込_\ ! || | l
. i! | | | /イ示ヾ \ {イ示ヾミ | .!| |. !
. } | l!ヽ辷ソ `ヽ辷ソ" .! ll| !. l
. | /| |l ,, ,, , ,, ,, ,! |i| ! | 「京太郎君、すごいなぁ……」
fj. ! l.! ノ| l | | l!
/ !. | | ヽ っ ..ィヽ! l ! !、. ゙、
,.'/{ | _! l'´| >、.. _ .. ィク ,' / トl. |. \\
!'/,l l'. ..ト ハ..l ヽ、 ,< / /!ノ/ .lヽ、ヽ \
, 'K. ヽ!. . ヽ\ヽ! , ヘ ゝl λ ,'ノ. . / |. . . `>、. \
. / /. ヽ. . . . . . .  ̄! /\ヽ '// \ /. . .,'/ |. . ,.'. . .ヽ ヽ
/ l. . . ヽ. . . . . ┌┴┴─┼|┴─┴-、,'/ .!. /. . . . .l ヽ
2/10
凝り性のようで、それでも男の子らしく微妙に荒々しい写真の撮り方。
神経質すぎるといつまで経っても一枚も撮れないことがあるんだけれども、彼は気になったらとりあえず撮ってみている。
写真にも色々と撮り方があって、完璧な一枚絵を目指す人もいるし、彼みたいにスマフォで撮る延長でサークルに入る人もいる。
うちのサークルはしっかりした人が多いので前者を取る人が多いが、一般的には後者の方が多いのだ。
前者の人は写真を撮ることに熱中しすぎて、楽しんで写真を撮ることが出来なくなる人も多い。
しかし彼はその真逆。何事も初めて数ヶ月が大事とは言うが、その一ヶ月目でこれだけ楽しんでもらえれば先輩名利に尽きる。
「いただきっ!」
「ひゃ!?」
「憂いに満ちた玄先輩の横顔ゲットです!」
「だ、ダメだよぅ……」
「本当にダメならすぐ消しますよ」
「うーん……。
だ、大事にしてね?」
「(この人、無防備すぎでしょ)
玄さん、なんかこう、気をつけてくださいね?」
「??」
た、確かに写真を撮られるのは恥ずかしいけれども、京太郎君が私の写真を欲しいって言うなら拒否なんて出来るわけがないのです。
京太郎君のためならなんだってしてあげたいな……。
3/10
「写真を撮るってことは、必然的にいろんなところに行くんですね」
「うん。大学周りばっかりとってもつまらないからね。
旅行とかも行くよ」
「旅行かァ。楽しみっすね!」
「えへへ。今年の旅行は私も楽しみかも」
/ . . . . . . . : : : : : : : : . . . \
, . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
/ . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
/ :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
/ .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
|′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \ ヽ. \} :. : |: :{
i . .:.|:八.:.|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
| : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ ´ `'^| :. : |:.小
|.:/ :! .:.:.:.ハ ′ /i/, | :. : |:.|i
|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: {
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘
/:.{: :| .:.:.:. {:: 込 ` ´ /}::.:.:./::. :!:. ‘ 「(京太郎君がいるからねっ!)」
/:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:..... .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
|{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂 / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
.′..:.八:!ム:.七¨⌒} >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
/ . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′:.:/ ヽ
. / . :′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ:.:.:.:′ / }
/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
.′. .:| \ 《 ハ下 . /.:.:.:.′ , 小
/ . . .:.{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./ / {:∧
. / . ./..:.:} . | く / } ;:.:.:.:.:′ .′/ {:. .‘.
/ . ./..:.:.:.i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′ }:. . ‘.
/ . :/′:.:.:.} ‘. V| ∨ |:ノ}:.:} j / / {:.:. . ‘.
「あっ!」
「?」
「今、玄さんスッゲーかわいい顔してたんですよ!
くそー、シャッターチャンス逃したー!」
「あうぅ……。
恥ずかしいよぉ……」
「もう一回、もう一回お願いします!」
「そ、そんなこと言われても」
その時の私、どんな顔をしていたんだろう?
京太郎君が前にいるんだもん。きっと笑顔だったよね?
そうだったら嬉しいなぁ。えへへ。
4/10
「玄さんは、なんで写真が好きなんですか?」
ハイキングからの帰り道、京太郎君が聞いてきた。
ちょっと暗い話になっちゃうからあまり言いたくないんだ。
あっ、京太郎君に言いたくないってわけじゃなくて、京太郎君とはもっと楽しい話をしたいってだけだよっ!
「あ、すみません。変なことを聞きました」
「ち、違うよ! そんな大層な理由じゃないよ!」
そう考えているうちに、よく気がつく京太郎君は私の一瞬の変化を悟ったらしい。
慌てて京太郎君のフォローをする。
こうなったら、ちょっと濁して聞いてもらおう。
「私が阿知賀で麻雀をやっていた時の話だよ。
中学一年生の頃までやっていた麻雀教室がなくなっちゃったんだ。
そうなるなんて予想もしていなかったけれど、もうちょっと写真を残しておきたかったな、って」
うん。これは嘘じゃない。
でも本当は、お母さんとの写真をもっと残しておきたかったことが理由。
現実は色々と変わっていくけれども、私は自分から変わることが出来ないんだってわかっている。
それに不満を持ったことはないけれど、楽しかった時を写真に残して、後で見直すことが出来ればどんなに幸せだろう。
それから、自然と写真のことが好きになった。
...´........................................................`....
/............................................................................ヽ
..:::::::::::::::::::::::::::::::::/::/::::::::::/:::::::::::i::::::::::::::::::::::::,
/:::::::::::::/::::::::::::|:::::/::::::::::::::::::::::/::::::|:::| ::::::::::::::: '
::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::|:::::::::::::|:厶斗 -ハ:::::::|:::|::::::!
|_ ノ:::::::|:::::::::::::::|/|::::::|:::::::::::::|_彡 〃__/::::/ ィ:::::/}|
|::::::::::::::|:::::::::::::::|/|::::::|:::::::::::::| ィ芹刈`;/ f竏;' 〃
|::::::::::::::|:::::::::::::::f^Y::::::::::::::::: | 《 乂 _ソ ソ
. ' ::::::::::::|:::::::::::::::| ^|::::从:::::::: | 乂
' :::::::::::|:::::::::::::::| 圦::ハ::::::::::::| ``` ′
i:::::::::::|:::::::::::::::|`ーo{ ;::::::::::| _
i:::::::::::|:::::::::::::::|::::::|:|. ':::::::::| ´’ィ 「写真にある風景は決して、変わることがないから」
|:::::::::::::::::::::::::::|l:::::|:| ';:::: |` . イ::|
|::::::::::::::::::::::::::八:_圦 ';:::::. 厂::{ l::::|:::|
. ′:::::::::::';::::::::::::〈./ \ 弋「./:::::::: j:::::〃
. /::::::::::::>ヘ::::::::::::∧ ヽ_ヾ \::V::/
/:> ´ V:::::::::::∧ /^' { ト _入:〈
. /〃 =- 、 ヽ::::::::::∧/\ .Ⅵ /}}\}:::`ー 、
/:,′ \ \::::::∧ { ̄`ヽ〃/ ̄}:i i
. /:::| ヽ::::∧i } 」 i::| l|
5/10
「……そう、ですか」
「ごめんね、暗くなる話だったかな?」
「そんなことないです!
そこまで考えているなんてすごいなぁって感動しました!」
「そ、そうかな?
引かれちゃうと思ったんだけれども……」
「引くわけないじゃないですか!
謙虚な玄さんかわいい!」
「ふえっ!?
も、もう! そう言っておけばごまかせると思っているんでしょ!」
「あっ、バレました?」
京太郎君に感謝だ。
こうして道化を演じて、場の空気を和ませてくれている。
どうも自分が話をすると空気が重くなってしまうことは自覚している。
それでも、こうして場を整えてくれる京太郎君。
本当に、大好き。
彼のために、何かできないかな。
_, ⌒\/ ̄ ̄ \
,  ̄ ̄ / 、 _\
´ / \ `ヾ
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/ | { :. | | ∨、\ \__
′ | l| } | |、 | |\ \ ̄ ̄´
. { 从 /-}/-Ⅵ { ヽ |
/ ,.-从 | }/ ィ≧、 { \ }'
/イ { ⌒\ { 、 Vj ∨、 \
八 、 \ ヽ  ̄
Ⅵ ,ー、 ,:' 「それに俺も、同じ理由ですよ」
ヾ\ / ∧ -,
ヽ /{/ 、 '
_从/____ > __ノ
|///////////l :l//|
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, <////////////////\l/、
//////////////////////\l、
ボソッと、聞こえないような声で呟いたつもりなのかもしれない。
でも私にはそれが聞こえたし、それを呟いた時の彼の表情も忘れない。
いつも彼のことを見ている私には、よくわかった。
6/10
......-‐……‐-.....
.......................................................、
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/.........................:.:.:.:....:.:.:..............................\
.................:.:.:.:.:::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:....\....................
/......./...:.::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:...ヽ:..................,
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;..../|::::i:::|:::::i斗‐|::{ :::::::::i:::「\:::\::::::i:::::::::|::|:::::::::::::i
|:/ :|::::i::l|:::::i:::| |八 :::::::i:::| \:::\|:::::::::|::l:::::::::|:::|
|i |::::l::l|:::::iΝ: \:::∨ ≫ぅ弌ミj|:::::::::|::l:::::::::|:::|
{; |::::|八::::i≫ぅ斥 \ r'::ノrい》:::::::::Ll:::::::::|::::
|::::|:::::ヽ《 r'::ぃ ∨:.(ソ |::::::::::ト|:::::::::|:::::,
|::::l:::::::::: V(ソ |::::::::::|:!:::::::::|:::::′ 「(ああ、京太郎君には好きな人がいるんだ)」
|::::i::::::::小 ,,, , '''' |::::::::::|j::::::::::|::::::::
乂j::::::::::い |::::::::::|:::::::::::l:::::::::
[_] :{::::::::i:人 ー ' |::::::::::}:::::::::::}::::::::|
/:::{ :{i:::::::i:::::::>... / }::::://::::::::::/:::::::::|
|:::{ 八:::::{::::::::::::i::::::≧ァr /::://::::::::::/::::::::::::|
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∨\;;|::i:::\:::::/::::::// 廴厂〉 :|::::::::::::::l\:::::::::|
|::i::::::::::厶イ /| | :/∧ |::::::::::::::| ニ=-
|/::::::::/ ∨ | | 厶=ーx' |::::::::::::::| \
/::::::::/ 厂 ̄ ̄ア7゙ ノ |::::::::::::::| ⌒`:.
. i ::::::::/ 〉 《__jヽ | |::::::::::::::| / .
| |::::::| { ノ八 | |:i::::::::::::|. / i
| |::::::| ∧_/ /| \__,ノ |:i::::::::::::|| / |
| |::::::|: / // :| } |:i::::::::::::|| , |
7/10
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/ .: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . ヽ
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/ ./ // .:.:.:|.:.::斗| .:.:.:.:.:.:.:.:i .:.!:.:.:.:.:.: .:.‘. .:.:.:.:.: .:.:. .!
. / | .:.!.!.:. .:.:.|:.::./|:.| .:.:.:.:.:.:.:..! .:!:.:.:.:.:.: .:.:‘. .:.:.:.:.:..; :.. .:
;. / .:.|.:.:!.! .:.:.:/!:./ |:.! .:.:.:.:.:.!:|l:.:ト:..!:!:!:.:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:.; :.:. |
|/! .:.:|.:.!!|:.:.:./ |/ !ハ .:.:.:.:..!:||:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:.; :. |
|i ! .:.:|.:.从:./x==ミリ ∨:.:.:||:.|:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:; :.: |
{;.| .:.:.!:.:.: |}|《 {h//} ∨:.:|V x==ミ .:.:‘. .:.:.:.:.:; :. |
| .:.:.!:.:..:.:!. Vrツ \| {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::. ;
| .:.:,|:.:.::.:.:, :.:.:.: Vrツ /. .:.:.:.:.;. :..: :
`O:.|:.:.::.:... ' :.:.:.: /. .:.:.:.:.:;. :.: ; ! 「(私にも何か、お手伝いできたらいいなぁ……)」
|:.|:.!:.:.:.:八 ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; |
イ !:.!:V:.:.:.:个 、 人. .:.:.:.;. :.: ; |
/ l /ト:.!:.V::.:.:.:.| ト、 `  ̄ イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ; !
. ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
. ; ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.! ヽ ィ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.::..: / ヽ
. ; |jr-―二___ヽ / ` ´¨l __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/ ∧
; ',.! ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/ , ' |
; ! ___ ヽ」'ノl__ノ l_______ ` 、:.:.:.// .;
; | __ .ヽ」 / !\!,---- l:.:/ / ∨
. , 7| (__ノ!___/ .! !、 !:ノ/ /
, ! l::! /:7`! .! 〉-l /ヽ ./
. , V≧ 、___/イ ! ノ/ l::::::! .j::/ | ハ
, V !_/ V \.:! l:イ .! l
. , /ト、____ イ! ! ` ‐‐‐´ !、 /
, ! V l ヽ / l /
―――心の底からそう思った。
8/10
……
…
「今日はとてもいい夢を見られて、元気いっぱいなのです!」
夢はすぐに忘れてしまうから、起きてすぐにお姉ちゃんに話す。
お姉ちゃんは神妙な顔をしてこちらを見ている。
「く、玄ちゃんの好きな人って既婚者なんだよね?」
「そうだよ?」
「だったら、諦めて次の恋を探さないと幸せになれないよ!」
お姉ちゃんが珍しく声を荒げた。
なるほど、私のことを心配してくれているんだ。
こんなにも優しい姉にそう思わせていたと思うと、胸が痛くなるよね。
だからちゃんと、誤解を解いておかないと……。
「お姉ちゃん。前にも言ったけれど、私は略奪なんてするつもりはないよ?」
「だったら、次の恋に……」
「でも、新しい恋を探すつもりなんてないんだ」
「えっ」
「だって私、今すっごく幸せなのです!」
「な、なんで?」
「?」
9/10
_ -─‐- ..._
, '"´. . . . . . . . . . . . . . . .、
/. . . . . . . ..................... . .. . . . . . .、
, '. ./. . .. .:::::::::::::/::::::::::::::::::::\::\ . . ヽ
. / . ./. .:/..:::::::::::::/::::::::::::::!:::::::::::::゙.::.ヽ.::. ゙.
/ . .'. .:/:/:::::::::::/!:::::::::::::::|、:::ヽ::::::::.:::..ヽ.
,',イ . .!..::!::|::_::-─ |:|:::::::::::l::!ゝ--!、:::::l:::::..l:゙.. .l
,'/ !. . |.:::!;ィ´:::::!:L. |:l!::::::::::l::{-ヽ::|ヽ`::l:::::::.l::!. |
|l |. .::|.:::!:|\:::||L,,.ヾ\:::::ヾ:;ァ=リxzレ!:::::::l::!: !
|| l. .::|::::トゝ,ィ'ヌ :::`ト \`ーY´{c::::。i} !:::::::l:|: |
\Y:::|::::|ゝ{! {c:::ク| 込_ク λ::::::i|:.:!
. |:l::!::::! ゙. ` ー‐'' ,, ,, ,' |!::::::|!:.:! 「私の大好きな京太郎君が、咲ちゃんと結婚してとっても幸せな毎日を送っている」
. リ|:|::::l\! " " ′ jイ!:::::::i!:.:|
0::|:::::l::::|ヽ 「  ̄j ...イ|::|j:::::::l!:. !
/|:|::::l::::::l:::l:::::>....._` ‐ ィ、:::::|:!:/:::::::|!:.:.|
. {iλ!:::|::、:::l:l:::::,':::::∧| ー ´/ \ヽl:::::/!':|:.:.:!
`ハ::::!\、ヾ/:::ノ 〉-r< 〉:::/:/::':::::.!
/ .:::ヽ|::::::::::::l__| 人 λ //::::::::ト、::::ヽ.
. / .::; r‐'|:l::::::::::!.... ̄.フt≦ ̄ ̄.7´/:::::::::::,' ` 、:、
/ .:/ | !|::::::::::|........,イrト、.........../ :::::::::::::,' ゝ、
. / .::,' ハ ||:::::::::l|─''....八...ヽ_ノ、 |:::::::::::| / l
../ .:::::!. !: Уi!::::::,ィ|-、..../ ヽ_..ィ_/ .!::::::::: | ヽ ./ j !
' ::::::r'|. l:.:./ /:://,'/ `l / |::::::λ! |/ ./ |ヽ
:::::::::| |:.,' /|::'//' ヽ/ |::::::l ヽ !:.:/ ト、:ヽ
:::::::/ ::.Y .!:| ヽ \::ヽ、 |:/:. | /:::::\
-―……―-
...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
/.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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' :::::::::::::::::::: |::::::::::::l:::::::::::::::ヽ::::::::'::::::::::::':.:.:.
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/..../::::: !......〃/ .!:::::::::: l\:ヽ::::::::::i::::::::|::i:::::::::l:.:.|
′::::i::::::|\:|.{:| ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|::|l:::::i:::::::::ト::{ ` \. ヾ ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
|::|l::::ハ::::::::ハ ___- 、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
|::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´  ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l
|::|l:{ i::::::l:::| 、、、、 , 、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l
`O′ |::::::l从 j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l 「私にとってはそれが一番の幸せなのです!」
/::j |::::::|::i::> ` ′ . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
{:::/ |::::::|::|:::::::::|> < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
|::{ .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
Ⅵ /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
/.::::::::::\r‐ '〃/レ 〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
'::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/ /::::::::/ ⌒ヽ:.:.:.:.:l
/::/:::::::::/ 廴_ 八 { /::::::::/ / V.:.:.::l
/:ィ:::::::::/ く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/ / V:.:.:.l
/〃 j::::::::/ レ } /  ̄ ./::::::::/ / }:.:.:.:.l
10/10
,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
. /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
/:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!
{:| |:l: : :|:i:斥寸 弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
ヾ !:|: : :抖乂ソ `"" !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
| !: : :l:! ,, ", ""|: : : :| |!: : : : .!: . l
|λ: :l:l |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
jt |: : |l _ っ !: : : j´:|: : : : : |: . .!
/ :| ゙: : |:ヽ/ノ .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .| 「それに、何かとお手伝いさせてもらえるし……」
,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ .. ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ
lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :} //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
,' ´-ヽ:.:|: : :| " У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
l -テ!:,': _ノ /: / \ ハ
/| l´/ニ__ /: : ,' ヽ∧
,' ! !' ` ,.': : : : :| ,'. . ヘ
l. ノ ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ /: . . . \
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| .:| .: i.:.!.: o|: .: .: | { ∨ .:'|.: .: .:| 「こんなに幸せな女の子、他にいないよっ!」
| .:| .: i: ∨八|.: .: |> . __ノ イi |.: .: .:|
j.:│ .: .:│ .:∧| .:{__`_ ┬<: .:Vi |.: /| |
,'.: .: : .: .: |/l人人 :∨゙ \ト∧.: .: :i |:/ :|/
/ .: .: .\.: .: .: .: \ヽ{ 「∨トヘ: .: ∨
/.: .: .: .: .:.i\.: .: .: .: ヽ \. |_」儿_∧.: .: :.
/.: .: .: .: .: .:i/\ . : .: . ヽ \人≫、}レ'ヘ:.: .: :.
. / .: .: .: .: .: :/ ___ \ . : .: .ヽ 〈 ,z={}∧.: .: :.
/ .: .: .: .: .: :/{/ `ヽ \ . : .: :. マ´ _八_.ム.: .: :.
. / .: .:. .: .: .: /:V \.:.: .: :. ゙T |\∨.:.|
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クロチャー平行世界編第2話
クロチャーの写真好き公式設定は色々と妄想を刺激するよね
1/9
195
しっかり者ののどっち
「原村せんせーー!」
「はーい。どうしたのかな?」
私は原村和。小学校の先生をやっています。
この仕事は子供の頃からの夢でした。
一時期は麻雀もせずに、一生懸命勉強してこの仕事に就けたことは誇りに思っています。
男の子に呼ばれたと思ったら、もじもじと顔を赤らめる。
チラチラと視線は私の胸に向いている。
ちょっと年期が入った男の人ならば気分も悪くなりますが、この年頃の男の子なら可愛いものです。
ニコニコと対応していると、女の子がやってきました。
「ちょっと男子ー!
原村せんせーが困ってるでしょー!」
「大丈夫ですよ。
でも、あまり胸を見ると女の子に嫌われちゃいますよ?」
「み、みてねーもん!」
「ほらっ! いくよ!」
「ひっぱんなって!」
あの二人は私の生徒。
初めての勤務から、奇妙なことにずっと同じクラスにいます。
二人は幼馴染のようで、女の子は私を見ていた音の子に嫉妬しちゃったみたい。
ああ、子供って可愛いですね。
2/9
「なんなんだよ! いてーからひっぱんな!」
「うるさい!」
あらあら、ちょっと喧嘩しちゃってます。
可愛らしい喧嘩ですが、子供達にとっては死活問題。
___
,. : ':´: : :.:.: : : : `:ヽ___
,.-、r/: : : ; : ; :.:.:,:.:.:.;.: ヽ: :`〈:::::::i
|:::::/: :/:/:/:.:/i i: :!:i: ハ:、:.:゙、:..、゙、:::{
}:: i :.:i:.:i.:i| :.:|:.!:|:.:|:.|_!_゙、、:.:i|:.:|.:.!:::|、
,!::| || || ;!-‐!ハ:!: :!ハ-!`|iヽ!|:.:i:.|‐'ヾゝ
∠/:i.:|:|.!:.|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ!:ノノ!_,、_〉
|:.`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi: : :| 「ほら、そんなことしてると嫌がられちゃいますよ?」
|: :.:.|:|ゝ、 '''''' __ ''"" /:| !: : :!
i: : :/ リ/i \_ ´ー ′ /|:.:|:|.: : :|
r-、 //: /:.ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ |:./: : : :.!
ヽヽ.//: /:./ァ' ̄/:::r' |;:\/: : : i|:|
.,)┴'ヽ/:./':.:.::/:::::::ト、 __/:::::::|.: : : :||:|
;' 、ヽノ|./:.:.:/:::::::::::ト--へ/::::::::::| : : : :||:ト、
|ヽJ┘ノ/:.:.:/\:::::::::| /::::::::::::|...: : : ||:| |
女の子を嗜める。
自分を構って欲しかっただけだとは思いますが、男の子にそれを悟れというのは無理があるでしょう。
女の子は膨れっ面からプイッと顔を背けて、俯いてしまいます。
「ごめん。やりすぎた」
「う、うん。
俺も言い過ぎたよ」
なんとか仲良く一件落着。
子供時代に起こったことは一生引きずっちゃうこともありますし、先生の役目は重要です。
もちろん、私に出来るなんて限られてはいますし、過剰な干渉を避けるべき場合の方が多いです。
でも、こうして自分に関わってくれた子に少し道を示してあげるのは悪いことではないでしょう。
二人は先ほどまでの雰囲気は嘘のように漫才をしています。
ふふふ、まるで漫画の幼馴染関係みたいですね。
咲さんと京太郎君を思い出します。
3/9
……
…
「原村先生。この仕事には慣れましたか?」
「もう3年ですから」
「そういえばそんな時期ですねぇ。
だいたい3年もすれば初めての異動も見えてきますよ」
そう。先生といえば別の場所への異動が常です。
そうなると先ほどの子達ともお別れになってしまいます。
ただ、それはこの仕事を選んだ時点でいずれ来る未来ですから、覚悟はしています。
「原村先生は新人の時からよく働いてますからねぇ」
「そ、そんな……」
そんなことを言われると、初年度に頑張りすぎて熱を出してしまったことを思い出してしまいます。
良い意味で『適度に手を抜く』という意味がわかってきたのは、ここ最近の話です。
生徒から見れば神様みたいな立ち位置だった教師だって、実際は人間。
まして多くの人たちと接する以上、ストレスもかかります。
うまくやっていく、というのはとても大事なことでした。
「でも、寂しくなっちゃうわねぇ」
「ちょっと、やめてくださいよ! まだ原村先生が異動するって決まったわけじゃないのに!」
「さすがにもうちょっといるんじゃないかな」
何かと手を貸してくれた職場の人たちにも感謝です。
皆さんがいなければ、私は辛くて倒れてしまっていたでしょう。
初めての勤務先が恵まれた場所であったことが私にとっての幸運でした。
4/9
楽しかったことだけではなく、辛かったことも非常に多いです。
子供との距離感もそうですが、何より彼らの親の存在がプレッシャーになりました。
理不尽な要求だとか、給食費の未納だとか、数を上げればキリがありません。
それに、解決もしようがない話を考えているだけで気分が悪くなってしまうので、考えないようにしましょう。
「さて、テストを採点しますか」
今日はいつもよりお仕事が多いです。
みんなが一生懸命解いてくれたテストの採点をします。
ミスのないように○と×を上からつけていきます。
このテストも自分で作ったものと考えると、それを解いてくれたというだけで達成感が湧き上がってきます。
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r' ー--イ ト‐‐‐、 /: : /: : : : : : : : : \
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ト-┬‐‐'' / T\ 「/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ゙、
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Y : \ / ___ |: |: : : :/: : :/ / : /: : :| : : : : : i: i:゙、
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.../: / : : : : :./:|: : : : : : | : | イ  ̄/: :./
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: /: : : : : :/: : :|: : :| : : : | :| > 「次の子は……」
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: : : : :|: / |: : : :゙; : : : : : : : : :゙, | | し | .| |
5/9
……
…
「今回はみんな頑張ってくれたみたいです」
教室で答案を返却するときに一人一人褒めてあげます。
とはいえ、今回はちょっと簡単すぎましたかね。
簡単にして自信をつけさせてあげるのはとても重要です。
同時に、あまり簡単にしすぎると勉強をしない癖がついて中学、高校でついていけなくなってしまいます。
そのあたりの機微がとっても難しいですね。
「やりー、俺の方が点数高い!」
「む!」
いつもの幼馴染もお互いの答案を見せ合っているようです。
あの子達は負けず嫌い同士ですから、次は女の子が勝つでしょう。
いいライバルがいると、負けたくないと思ってどんどん伸びていきます。
, ―<>‐'´, \ >-、
{:::::::: j ::::::::::::} // / 、 、 `マ::::::}
} :::::印フ::::::::{ // / / ハ ハ `ト、ヽヽ 、 ヽ::〈
{:::::: У::::::::::::} l / / / } } | l l l l li ', ヽ l::}
ゝ=イj、::rーr' | il l | | | | | | | l l| i l i l l l l::}
/// : :| | | il l | | | | | | |ハノ| i l i l l | |::ト、
/:::// ::::::| | | 从 乂 ! ノイ ノ ハノx==リ<イイ!イ l | l:::\>
{f^〈:rヘ::j ト、ily{frうr1 ´frうr1}y!ノ ル'j | lヽ:::::〉
l | ト、 ` 込:ン 込::ン ' ∧乃_ | | ∨
l | | r' .::::::::: , .::::::::. /ノi l l | |
イ /l | ト--、 / li l l | |
/ //! | | | i {\ ー‐ / li l l | |
/ // | | | | i | l>、 , < | l |i l l | | 「(頑張ってくださいね)」
,イ // /| | | | i |_| ` ー ´| | l |i l l | |
// // //| |_| |_リ:::::l 「>-ト-、_l |i l l l 乂
/ / // / | l::| |::::::::::{ L::::::::\ f^Y^ヽ | \
/ / // />' | l::| | :::::::::ヽ__, _ノ | ::::::::::::fr'ニニム ,
/ / //// : ::::::| l::| | :::::::::::::',-―――┤::::::::::::{レ―-、 iハ ,
/ / /イ//rへ、 | l::| |:::::::::::::::::', /:::::::::::::::{レ―-、 | ハ |
l / / レ ∧ `1 l::リ:::::::::::::::::::', /::::::::::::::::/Y7Ti ト、ハ |
l / / / / ヽ l ト、:::::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::::/,ノl:::::::| ト、 ハ |
6/9
……
…
仕事が一通り終わって、今日は休日。
……ええ、何の予定もありません。
何もすることがなく家でゴロゴロしていてもいいのですが、それはあまりにも無益です。
ここは、私が恋人、および結婚をするためにどうしたらいいかを考えましょう。
婚活サイトにでも登録してみますか? いえ、お見合いを失敗している私がネットから始めてもどうにもならないでしょう。
同僚でも合コンなどが起こる機会はほとんどないです。
大学の友達も誘ってくれません。
大学初期こそ『和で釣って男漁りしようぜー!』と誘われていましたが、中期辺りから『和はほら、ね?』と生温かい目で見られるようになりましたからね……。
私だって盛り下げていた自覚はありますよ! ええ悪かったですね!!
婚活の一環でお料理教室に通おうと考えたことがありました。
そう、お料理教室というのは名ばかりで男の胃を掴むことを考えている人が集まるからです。
しかし、よく考えてみれば私は料理が得意です。
それで料理教室に行くのもどうか……と考えているうちに無為に時が過ぎていきます。
このままだと、いつもと同じ休日になってしまいますね……。
発想の転換をしましょう!
コロンブスの卵と同じです。気づけばなんてないことだった、という回答が必ずあるはずです。
身近な男の子……京太郎君ですね。
身近と言っても一方的に覚えているだけで、最近はプライベートでの関わりがほとんどないんですよね。
どこぞの悪待ちも同窓会的なイベントでしか喋れてないと言っていましたが、私はそれに加えてたまに遭遇するときくらいはあります。
でも冷静に考えて、あの悪待ちと同レベルの戦いをしている時点でダメなんですよ!
京太郎君と親しくなるには、やはり咲さん……。
うう、咲さんは京太郎君とエッチなこともしてるんですよね。経験がないから羨ましいです。
咲さんが京太郎君のアレを受け入れて乱れてる姿、京太郎君も咲さんも必死になっちゃって……じゅるり。
うう、私はまず殿方とキスを経験してみたいです。
甘くとろけるような恋人のキスってどんな味がするんでしょう。
……ハッ!?
7/9
. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
: : : : /. . : /:/: : /:!: : : : : : :.|: : :゙、: : :!: : . . 寸三}
: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
: : / . .:Ll-┼┼-l、: :|: : : :.!|ヽ,r|''T:ーt、: : : :├'ヾ、
: :,'. : :.´!.! |:∧ | l.| ! ,'|:.l: : :|| |: !:||: |: : :.l: : ! ヽ、
: :l{: : : :|!| i' ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i! i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'| ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃ /'´ ┃//┃ イ'l/: :,イリ
: : : : | ‘ ━ ’ ‘ ━ ’ '://: |
: : : : | ,':´:!: : . .! 「私が咲さんとキスをすれば、京太郎君とキスをしたことになるのではないですか?」
: : : : L """ ' """ |: : |: : . .l
: : : : ト.ヽ イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ ⊿ .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l} ` _ _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
: : : : ゙、/ 7"/': : :.,': : :./:/ |: : !: : : . .ト、゙、
: : . : : lヽ ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
: : . . : :゙、:\ ∧:::::::::::-.:_//' !: :.|: : : : . ! l:l
ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ ヽヽ::::::::::::|!`! |: : !: : : : . | リ
8/9
,∠、 / ヽ
/ |: :/ \へ
/ ̄¨ヽイ |:/ / / /||:! ! | ! .|
!: 〈〈: /:{: ': ,': ':::|::|: l::l: l::l ,ィ: ! l ,!
∨ ノ¨ト==イ: :! l斗十ナナノ.:|: /::l. /十ト、l: i〉
¨フ´/ !: : : :! 、トト、!ィチ^:丁:::}/ :::}'::::::!ノ :: !: l リ
. /: 〃 |: : : :|ミソ :::〈 l{::::::::| :::::::::::::::rf示、 ノ ノ/ /
レイ ト、_|: : : :l ヽ 弋:zソ !::::}l }イノイヽ
|.: : :|: : : : .: | :::::::: , 辷リ !:. :. :.:ト、 \
|.: : :|: : : : .: ト、 :::::: |: : : : | ⌒ 「それはつまり、京太郎君のアレを私が咥えたと言っても同義!!」
/ : : :|: : .: .: lミ、Y ‐ - ノ: : :. :.|
. /, : : : |: : .: .: l ! ヽ イ|: : !:.|
// : :|: : : : :ハ | ` . _ x<: : |: :!: : :|:. :!
. // . :/!: : : : ∧. ! | |: : : :.|: :!: :. :.、|
// . ::/∧: : .: ∧`ヽ. l ヽl、:: : |: :l : : : : ト
. // . ::/厶 ヘ.: ∧ \ `ヽ. ヽl : l : : : : | ヽ
// , < \ \ \ ∨ `|: :. :. :.| \
/ / ./ ,ィ ヽ ヽ_
/ / ./ // /! |l! .lY'::::::::::)
; i くlハ //,ィ / .| リ! j l }::::::::::l!
|イl! ' _`Vメ、 l / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
ゝゝ| ;´んィ:!` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
|| l 弋_丿 'んィ:!.ヽ// ,' ! } }
|| l 、、、 弋_丿 // .,ヘ .! j/ / ̄ \
|| l ' 、、、 // ./イ | | ア |
|| ::ゝ. __ // ./. ! | | リ .!
|| | l > ´‐-' _イ//∥| l | <. で |
|l!. l_L:;ノ:.ト!¨ T¨ェ:://.∥ll! l | .| す !
l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .! | .! ね .!
/-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .! ! \__/
. / | >ヽ ヽ:.:.:l l;'///: :/\ .| |
. / l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、 \ |
人.. V } :!:ヽV/'/l;;;_/ Y ..人 !
. / ヽl l ! [__] / .l i/ ヽ|
9/9
……
…
・電話
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i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i! | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ / i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「咲さん! キスしましょう!!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
| |: : : : : :.:i:.:|\ ∨__ノ) / /: : : : : :.:i.:|////
|:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、  ̄ ̄ / / : : : : : :.:|/////
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,. . . -――- . . .、
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/ : : : : : : : : : : : : / l: : : : : ト、: : : : : : :.
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,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ: :、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :}\ノ 「(また発作……)」
',:乂_ ` .!ヘ:ノ( ヽ
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ .|てヽ)
ヽ{\ : : ㍉  ̄ , イ|__|てヽ)
`^≧| ┬ァiフ¨ {|___| ノ
///∧ Kヽ、 乂 /
//////∧ }//> , 、 } l
/ \//////∧ー―l///// } .l l
霞白玄も京太郎と喋ったことがほぼない。故に電波組
ネタ切れ感あるのでネタください
京ちゃん主役の有珠山編が来たので速攻で予約注文した(ダイレクトマーケティング)
京咲でイチャイチャする本が欲しいよ…
1/10
25
母校を訪れ、いろいろな思い出を語る京咲
須賀咲ちゃんです。
今日は同窓会帰りに清澄高校に寄って見ました。
もう夜遅いし、入校なんて出来ないので外に車を止めてちょっと見ています。
「懐かしいなァ」
「インハイ優勝から10年だもんね」
「もうこんなに経ったんだって感じだよね」
「えへへー。いい旦那さん捕まえましたー」
「お、おい。咲」
そう言って腕を組んであげる。
ふふっ、京ちゃん嬉しい?
私は同窓会でちょっとだけお酒を飲んだので場所を構わずデレてます。
お姉ちゃんはすぐ倒れちゃうけど、私は一杯くらいなら飲めるもん。
それ以上飲むと所構わず京ちゃんを探し出すらしいけど……。
ちなみに京ちゃんは車なので飲んでません! 残念でした!
「だ、誰かに見られるだろ」
「夜だから誰もいないよー。
ねー、ちゅーしよー?」
「ほんと、酔ってんな」
「京ちゃんだって酔ったらひどいもーん」
京ちゃんだってすぐに酔ったらすぐに押し倒してくるくせにー。
まぁ、嬉しいんだけどね。えへへー!
2/10
……
…
「……なんか、めっちゃ部員増えたね」
「うぅ、京ちゃん。私ちょっと怖いかも」
「咲は人見知りしすぎ」
全国大会で清澄高校が準優勝した次の年、結構な数の新入部員が入ってきました。
もともとが麻雀強豪校どころか出場すら危うかった高校でも、共学だし公立だし入りやすいという理由は強かったみたい。
麻雀部の雰囲気は1年前とは様変わり。
そこそこの実力の人も入ってきたけれども、全国区とは程遠い。
良くも悪くも『公立高校の普通の部活』になったと京ちゃんは言っています。
みんな一生懸命だけど、全国に全てを賭けるほどではなく、みんなで楽しくやっている。
皮肉にも、身内で楽しんでいた去年よりも『部活』としては成立していた。
それは別に良かったんだけど、男女問わず『宮永先輩!』なんて呼ばれるのは私には荷が思いよ……。
,. : : :  ̄ ̄: : : : .
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
/ : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
.': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
/: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \ イ_)斧ミ|/: ,.: :|
{:イ/ ': : Vl { Vzソ Vzソ / : イ : |
l' |: ,: {`\ `¨´ ' `¨´〈:イ )}: : , 「きょ、京ちゃん……」
|∧乂ム '''' '''' ムイ|: /
' }:∧个 r 、_- - イ : /|/
' ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
_,..{ ' ' ノ {-く
r<........../\___}__,/........> 、
「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
/⌒ `ー{ \__/,イ......../イ´ ∧
{ / V--:.:.´:/ V / |
| ,: /==r- ' V |
| / /__ノ }
| ´ //:.,.:.} , {
V / ,:.:.:|:.:| { |
{ イ {:.:. |:.:| | |
\_,/ |:.:.:.|:.:| | |
| ∨:j:./ | |
呼ばれるたびに京ちゃんの方をチラ見してしまいます。
3/10
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/
从 ' 八/ 「ちょっとは慣れた方がいいって……」
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
/////////\} 「/〈////////\
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京ちゃんはそんなことを言いながらも話を合わせてくれる。
いくらなんでも甘えすぎとは自覚しているけれど、みんなの私を見る目が怖いんだ。
中学校の頃に高久田くんたちと喋れてた頃とは違う。
あの時は『何をやってもドジな宮永咲』や『京太郎のおまけの宮永咲』として見られていた。
今は『清澄高校の伝説』や『インハイ個人戦3連覇宮永照の妹』だとか、私には合わない羨望の眼差しで見られる。
お姉ちゃんは常にこういう立ち位置にいて、あんな営業スマイルを習得したんだと思うと尊敬した。
「おい後輩どもー!
俺の咲にちょっかい出すなよー!」
「やべーぞ、須賀先輩だ!」
「いやそんな、須賀先輩の彼女に手を出すなんて恐れ多いっすよ!」
「むしろ俺は須賀先輩狙いっすよ!」
「そんな……俺はずっと前からお前のことが……」
京ちゃんに相談したら、京ちゃんはすぐに対応してくれた。
今までとは打って変わって私との恋人関係を強調し、後輩に対するキャラ付けで私に遠慮するようにしてくれた。
中学校の頃から後輩に人気だった京ちゃん。
今も急に変わった麻雀部の様子にいち早く適応し、みんなのまとめ役として活躍してくれている。
それは優希ちゃんも同じだ。
優希ちゃんは副部長として染谷先輩を支えている。
2個年上の染谷先輩には言いにくいことでも、1個年上の優希ちゃんには言いやすい人も多いみたい。
それの男子側が京ちゃんだ。
麻雀の強さは相変わらずな京ちゃんだが、それを気にさせないほどのコミュニケーション能力。
二人には感謝してもしきれないよ……。
でも、ある日のことだった。
4/10
……
…
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ノ:::::::::::! └_、_:::::::::::::i::::::::|
/::::::::/ニ=、 ./ ,オ:::`N;::::N::::::::::i
. ん::::/:i´{.|:::oi.|-{ i;;;;oノ'/V;r-、:::::| 「京太郎、なんで残らせたかわかるか?」
\|ァ人 ー'ノ, `ー---' ^.}:::ヾ:、
/::;:::::! ̄ __,ノ:::i::::ト、i
|/|:::::丶  ̄` ,.イ:::::::;ィi::|::ノ リ
):人N`ー、__ / |;:、:/ |人|
'´ '^ヽ;;| !
,r/ >ヽ------、_
_,.-':.:.ト__-‐/:.:.:.:.:.:.:// ゙、
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/ヽヽ:.:.:.:.:.i /:.:.:.:..// / |
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/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
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.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: / 「……そーっすね」
///////// / }>、 ` イ |从
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///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、
5/10
染谷先輩が京ちゃんを居残りさせ、私は先に帰っていた。
ふと忘れ物に気づいて部室に戻ると、京ちゃんが叱られていた。
「咲は咲でいつか慣れなければいかんことじゃ」
「返す言葉もないです」
「前にも言うたが、咲が麻雀から離れつつあるのは構わんよ。
所詮、高校生の部活じゃ。青春を優先するのは構わん」
「はい」
「だが、これは何か違うじゃろ?
これからずっと、咲の側に張り付いているわけにもいくまいよ」
「その通りです」
「人の恋路にどうこう言いたくはないが、何事もほどほどにの」
「わかりました。これから注意します」
「よろしい。
まぁ、咲も羨望の眼差しで見られて参っているのは間違いないんじゃ。
そこを守ってやっている京太郎は、わしも男らしくていいと思うよ」
「あ、ありがとうございます」
「ただ、一つだけお節介を言わせてもらっていいかの」
「?」
6/10
____
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::ト;;::|:::::::::::)
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|,:ハ:::::::::::::::::::::::::\ \;/ ヽ、//:::,:::ハ::|
゙、:::::::::::::::::::::::::/ ""|/!;::ハ:ハ|
|ハN:::::::::::::::八 ,、 〉 「そんなに咲に依存しなくても、みんな京太郎のことを評価しておるよ」
)::::::/ \ L >,-´
_,.K´/ 冫 、 /
_,..-‐.:´.:..:..:.\ イ、 `ー '
/‐‐>、__.:..:..:..:..:..:..\__ ヾヽ
|::/__ \:..:..:..:..:..:..\-‐\\
. |::y'´  ̄`! \;,,;,:..:..:..:..:.\ ゙、:.丶、
__,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
> ´ ̄ / ` `、 、
、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | .
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } |
从Ⅵ /.: ノ |
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 U イj / / 「……染谷先輩には敵わないっすね」
:. < |' /}/
、__ ´ } イ从/
| |/
「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
|//l| |//////// 、
,. <// ∧ |//////////> 、
7/10
「それじゃ、あとはカップルで解決せぇ。
咲、いるんじゃろ?」
「ぅひ!?」
染谷先輩は勢いよく扉を開けると、私の忘れ物をひょいと手渡して去って行った。
京ちゃんは座り込んで俯いている。
「そ、その、京ちゃん。
ごめん。私のせいで」
「違うよ、咲。
染谷先輩はそこを怒ったんじゃないんだ」
「えっ?」
私が後輩とコミュニケーション取れないから、京ちゃんが守ってくれて、それで怒られたんじゃ?
わ、私としても頼りすぎかな、って思ってたもん。
「……俺は麻雀が弱いからさ。
咲の面倒を見ることで誤魔化してたんだよ」
「……そ、そんな」
「そこをちょっと怒られちゃってさ」
私にとって京ちゃんは麻雀があってもなくても側にいてくれる存在だった。
京ちゃんは私に弱みを見せないようにしていたんだ。
麻雀が強い後輩とも円滑にコミュニケーションをしていて、飄々としていて。
そんなことにも気づけなかったんだ。
8/10
「……うん!」
「咲?」
「京ちゃん、これから私、頑張るから!」
「お、おう?」
「京ちゃんが自分でわからないような体調も見抜いちゃうようないい彼女さんになるから!」
「さ、咲?」
「だから、その、元気出して?」
「……ははは」
「何笑ってるのさ。
もー、京ちゃんは落ち込みやすいんだから!」
, ´ /V <⌒`
/, / ∨  ̄\___
' / ' ∨ 、 < ̄ ̄´
/ / , | V l | V \
' .' / l | | l | } 、 | } 、`
| | { |{ | {∧ l |//V / \
} ∧ ∨从>-、从 |'___}イ }、r----
/イ' 从 { =====∨\ }  ̄ |ノ `\ ____
乂 \ リ | ,. : :´: : : : : : : : : :`: : : .
\__、 人/: : : : : : : /: : : : : : : : : :`: 、
/⌒7/{込、 , ―--‐ イ/: : ,: : : : : :/: /: :/: : : : : : : : : : ヽ
/////\\//≧ __ ィ///: : : :/ : : : /|_/: :/: :/: :/): : : : : : : . っ
{////// V///// ̄} //////,--、/: : :/_ /`ー'--'-/-く: : :/: : : : : :. っ
///>-//}/////// ()//// 〈 {: / === /:イ: //\': :/: : : : :| 「言ったなー、このー!」
,'////////≧=--- 、////////⌒ー--} |://:/}:\: / : : ,
{////////////////// ̄}¨´ r‐―ノ /' /、/イ: /`/: :
` <_////////////// | 〉 ヾ>jイ:イ: : / 「言ったもん! 言ったもん!」
|//// -=<__()__ノ--≦:く ,....::⌒\ /: : : : :,
|////////////////////乢\ `ヽ、:.:.:У ,:⌒V:∧: :{
|////////////()//// ̄Vノ >, __ ,イ_ノ/ \|
////////rく(ヽr,// く...、......∧---/........\/: イ ̄ }://イ
//////// し'--く/ {:.:`\....、 /........//r、/ )-、
,'/////////ノ---' \ ` ー-`、∨.....イ/r'-、 ーく
//////////∧ [二] ̄ ∧_二}´
9/10
……
…
「えへへー」
「そ、そんなこともあったか?」
「あったよー。もー、きょうちゃんったらー」
「う……」
「でももう完璧だよー!
京ちゃんは自分のことに鈍感だからー。
うちに来た時自分が疲れてることに気づかないしー。
風邪ひいても会社行こうとするしー。
上司に怒られて悩むしー」
「うるせー」
「でも、咲ちゃんにはお見通しなのだ!」
「……!」
「ねぇ、京ちゃん」
10/10
______
,. : : : :´: : : : : : : : : : : : : `: :.、
, . : ´: : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : ://: : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ: ヽ
 ̄ ̄ ̄/': ': : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.、
//: /: : :--/-|、 : |: : : : : |: : : : : : : : : :.
/ /: :': : : : :,: l: |: : : |: : : : : |:i: : : : : : |: : :|
/: : :|: : : :/_ l: |: : : |: : : :`ヽ、: : : : : |: : :|
|: : /|: |ィ´斧ミ从: : ∧:{、 : : |:|\: : : :': : :.'
|: /イⅥ:{ 比::(_, 、{ ィ斧ミ:/:|:|: ヽ: /: : /
|' |:/|、|弋zソ ん::::(_ ∨:}: : :/: : /
|Ⅵ :.:.:.: , 弋こソ l/|: :イ: : , 「いい嫁さんでよかったでしょ!」
人 、 :.:.:. /: j' ,ノ/:/
、 ´ ム:イ-' /:イ
/ ::`:::-,--==≦「イ:/:イ
{ {:::::::::∧ , -┴::::ヽ
| ∧:::::/ ノ /:::::::::::::::::::::\
| {:.:.、/¨/:::::::::::::::::_::::::::::\
| Ⅵ:{/::::::/´>----、\::::::
∨、ー'-<:.:.:/ ヽ\\|
{ /、ノ、:.:.// __ . \}
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{:.:.∧:.:.| 、 | ,.: | |
|:./ \〉 } , / { ∧
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/{::::{{::::::::::::`∨ , | ヽ
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, ´ {::::{{ ̄::::::::::、 \ l | ノ
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
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/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /// /!}/ ′
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, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
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ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
カン!
京咲を自給自足
のどっち次元で京太郎がいなかった~の下りと対になるお話
1/9
303
初々しい京咲
宮永咲です。
冬にもなると外に出かけるのも億劫になるので、必然と家の中で過ごすことが多くなるよね。
だから私が出不精になるのも仕方ない。うん、私は悪くない。
そんな私でも、外に出る用事はあるんです。
「京ちゃん。待たせた?」
「よっ、咲。
そんなに待ってないよ」
「そこは今来たところって言ってよねー」
「うるせー。
どうせ本読んでてギリギリまで粘ってたんだろ」
「うっ」
な、なぜバレたし。
でもでも、キリがいいところまで読みたくなるのが文学少女なんだよ!
全く、京ちゃんは乙女心がわかってないんだから!
「じゃ、じゃあちょっと待たせちゃった京ちゃんにお詫びです」
「?」
2/9
`¨ - 、 _
| `Tー´  ̄ _ ̄)
| ! `ヽ
r / ヽ ヽ
、 /´ \ \ \_j
` ー ヽー--、ヽ,ヽ__j´
_........----......._
,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
:': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
/: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
.': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
, : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
| : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
{: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
{八:{ \:{とヒこソ ヒこソっ: イ: :| \} ジー
| 乂ム :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.: ムイl: /
从{∧ _ _ 人:∧{
|/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ 「ほら、私の手であったまっていいよ」
,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
/⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
{==、 {:\/ 〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
, \Ⅵ / | ,::::::::/イ:.:./ ∧
{ `| 、 |_/= ´イ:.:.:,イ / }
| Ⅳ \ | ̄´:.:.:.:/= }イ |
| / } /-r ´ |
∧ , | /__」 , |
{:::, / | ,:.|:.:| {
L∧ / / /:.:|:.:.. | |
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| ` ー ´|:.:.:.:|:.:.:.:.マ:.:.| {
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Ⅳ ,:.: ∧:.:.:.:.:.:/ ∨ |
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、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
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.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: / 「ったく、調子がいいんだから」
///////// / }>、 ` イ |从
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.///////// / イ/////\ {////} / 「///|
'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
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3/9
京ちゃんの手は大きくて、固い。
ハンドボールをやっていたからかな。手の皮も厚い。
前に手を繋いでいた時は特に意識していなかったけれども、夏に恋人同士になってからはドキドキする。
でも、手を繋いじゃうと手汗が気になったり、動きにくかったりするのが難点です。
やっぱり、本みたいに綺麗な恋愛って難しいんだよね。
「つ、冷たいっ! やっぱなし!」
「ゼッテー離さねー。
咲の熱を奪ってやるー」
「ぅひ!
は、離してぇ」
「とかなんとか言ってる隙に」
「ひゃう!?」
京ちゃんの右手を振り払おうと振り回している隙に、左手が私の頬を触ってきた。
急な冷たい感覚に思わず悲鳴を上げてしまう。
「ひ、ヒキョーだよ!」
「うるせー」
わたわたと騒ぐが、抵抗はしない。
京ちゃんに触られていると胸がドキドキして、嬉しいから。
嫌よ嫌よもなんやかんやって、本当だったんだね。
4/9
「も、もー。私が冷たくなっちゃうよ」
「わりーわりー。
今度は俺が暖めてやろうか」
「……へ、へー。本当?」
「おう。ホッカイロでも買うか?」
「じゃ、じゃあさ」
少しの勇気を振り絞る。
指を伸ばして自分の唇を指す。
「こ、ここが冷たいかなー、なんて」
「……」
そう言った途端、触れるようなキスをされた。
周りに誰もいないような場所だったけれども、ちょっと大胆だったかも。
_,.......---............_
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
.': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
|: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
|: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
{: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :| 「……っ!」
`\}、: 、 /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
, --r--,\ ,-- 、_____ 人: / \〉
/ |::| |::::::> ____ソイ⌒∨
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| \、\::::::::::∨- /:::::://:/
| { 、、\:::::::∨/::::://:∧ |
| | \__>、_}'__>´/} |
| | `ー=-r-- ´ ,: |
恥ずかしくなって、顔を背ける。
う、うう。しばらく京ちゃんの顔見られないかも。
それでも繋いだ手はそのままで、京ちゃんのゴツゴツした手のひらに神経を集中させてしまう。
や、やっぱりやらなければよかったよぉ。
5/9
……
…
デートはいつもどおり、ショッピングモールに寄って本屋さんに行く。
欲しかった新刊を買ったら、京ちゃんちでお茶を飲む。
その際には喋ったり、喋らなかったり、私にとっての居心地のいい空間。
「今日はやけに静かだね」
「カピも寝てるし、親もいないしね」
「……ふーん」
ドクン、と胸が高鳴るのを感じる。
京ちゃんは……見た感じいつも通り。
私は新しく買った本に集中しているように見せかけて、チラチラと京ちゃんを見ている。
……。
そ、その、すごく怖いけれど、私だって男の人の部屋に来るって意味はわかってます。
学校に行くときはともかく、デートの際には油断しないようにかわいい下着を履いています。
自分からガツガツいくような積極性なんてないけれども、いざ京ちゃんに迫られた時に幻滅されたくないという乙女心があるんだよ。
男の子がそういうのに興味津々なのと同じで、女の子だってすごく気にしてるんだから……。
今までは恋人になる前と代わり映えのないデートを繰り返していて、たまーにキスする程度でした。
ただ、ここ最近は寒くなってきたことも相まって、体の密着が増えてきたり、キスをおねだりしたり。
他の女の子にアピールするように、京ちゃんの腕を組んでデートしたりなんかしちゃってます。
一度でも枷がゆるくなると、あとは転がり落ちるがまま。
今日は、かなり期待してきました。
6/9
京ちゃんはハンドボールの雑誌を読んでいます。
……でも、さっきに比べてちょっと落ち着きがないのに気づく。
う、うう。こういうのは男の人が強引にやってよ。
でも、私のことを大事にしてくれているのかもしれないし、うう……。
何気なく、本を読む足を体育座りにして気づく。
……あっ、これちょっと見えちゃうかも。
や、やだ。やっぱり恥ずかしい!
そう思った時にはもう遅く、気づけば本に陰が射し。
さっきみたいに、キスされた。
「そんな誘われて、我慢できねーぞ」
「さ、誘ってなんかないし」
「強引にしちゃって、いいんだよな」
お、女の子に言葉にさせるなんてサイテーだよぉ。
京ちゃんの雰囲気がいつもと違って、優しい京ちゃんとは違う。
焦っているようで、我慢しているようで、ちょっと怖い。
それでも私を傷つけないように優しく肩に手を乗せているのが伝わってきて、可愛くて愛おしい。
,. : : :  ̄ ̄: : : : .
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
/ : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
.': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
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/: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \ イ_)斧ミ|/: ,.: :|
{:イ/ ': : Vl { Vzソ Vzソ / : イ : |
l' |: ,: {`\ `¨´ ' `¨´〈:イ )}: : , 「……」コクッ
|∧乂ム '''' '''' ムイ|: /
' }:∧个 r 、_- - イ : /|/
' ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
_,..{ ' ' ノ {-く
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「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
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{ / V--:.:.´:/ V / |
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V / ,:.:.:|:.:| { |
{ イ {:.:. |:.:| | |
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| ∨:j:./ | |
言葉には出来ないけれど、頷いた。
7/9
最後の歯止めがなくなったように、京ちゃんは私の唇にむしゃぶりついた。
たまにする、ディープなキス。
何かの味がするわけではないけれども、そうするととっても興奮する。
京ちゃんがいつもと違って、私を強く抱きしめる。
痛いくらいに抱きしめられて、唇の中を犯されているのに気持ちが良い。
ああ、京ちゃんかわいいな、なんて気持ちが湧いてくる。
思わず頭を撫でたくなったけれども、本気で抱きしめてくる京ちゃんに敵うわけもなく、一方的に蹂躙される。
空気が変わった京ちゃんのことを怖いと思うけれど、同時に京ちゃんのためになんでもしてあげたいな、なんて思った。
服をめくられ、ブラを見られるのが恥ずかしい。
いざこの場面になったら『小さくてごめん』なんて言おうと思っていたけれども、そんな余裕もない。
むしろ『下着が可愛い』なんて褒めてくれたことが嬉しくて、恐怖が少しずつ消えていく。
今までにないくらい京ちゃんが近くて、京ちゃんの匂いが強くてクラクラする。
少しずつ、でも慣れていないからか荒々しく京ちゃんに侵略されていくのがとても恥ずかしい。
二人とも初めてだから、恐る恐るだったけれども。
きっとこの体験は忘れない。
∨: : ::/: : : : ::/: ; ≠/77─.-: /!: | !: : :‐ト l、!: : |: : : : ',: : : : : : |: : ',
∨: /: : : : イ´: :/ // : : : : :/ : :! |: : : l l::!l:`:ト、: : : :! : : : : : | : : \
',::l: : : : : : l: : / /' ,'⌒: / /:/ : : イ` !: |::∧|:\: | : : : : : l:!:l: : : : :
ト、: : : : : j: / / /: :/. ,': l: ::/ リ レ lヘ: : :|: : : : : :l:ト|: : : : ヽ
| :!: : !: : V |_ 三!∠、 / : :/--_./- ヽ ',: :! : : : : :, :! ヽ: : :\
|: : l :| /{:::;、:::::::::::/ト レ' イ::::::三::::ト、 ヽ:!: : : : :/::l  ̄
ト、: ',:l ヽ 廴Y二!ニヽ .::::::::::::::.... 廴Y::ノ::イ` ゞ/:y: : :ノ:/: : !
. ∧:',:! :::::::::::::::::::::::  ̄ ̄ {イ: /:': : : :{
:| \ ///// ' /////⊂ レ イ:i 、: : ::
:| !:ト、 ,' /::/ \: ', 「んっ……」
| ::| ',:li:ヽ `ー -- ノ: :{ \
', :| l::li::::'., ノフ ヽ:',
', :| ::li:::::::ト <{: / 丶
:| /∧::li::::::ヽ > イ `
', // ',::::li::::::::\ ` - ´ ,'
',. // ∨:li::::::::::::\ {.、
8/9
……
…
「どうだった?」
「ど、どーっていわれてもな」
情事が終わって京ちゃんに抱きつきながら感想を聞くと、目を逸らして誤魔化される。
こういうことに貪欲なのは女の子って言うのは本当みたい。
照れて何も言いたがらない京ちゃんが可愛くて、鍛えられた腹筋に頭を乗せてグリグリする。
「さ、咲は?」
「それ聞く?」
「ゴメンナサイ」
私は女の子なんだから、察してよね……。
未だにお腹に異物感があるし、ジンジン痛む。
明日くらいまで痛みが残ることもあるって聞くし、仕方ないよね。
それでも、とっても幸せな時間だったよ。
男の子の所有物になりたいって、女の子の夢だもん。
:.:.:.:.:.:::::::::::-、:__ /\\\:::\::ヽ:::::::::\
:.:.::::::::::..:.:丶: ヽ /ー-、:::\\ヽ\゙、::゙、::::::::::\
:::::::::::::::::::: `ヽメ、\/`>ヌ´二`ヽヾ:::ト、::::::__:::ヽ ,イ´\ーr-、 ____
::、:::::,、:::: ..:::::::ヽ\`V/f.:.::::::::し、` ゙、i ヽ::::ミ、ー-ヽ /:.:.:.゙、:.:.゙、 ゙、 `ー-、
:::゙、::::ヽ\\:::::::::::゙、 ヾ! ゙、.:.:::::::::.:.:i リ\i ヾ、 /:.:.:.:.:.:.:.:゙、:.:.゙、 ゙、 `ー-、
::::::゙、 \\゙ヽ:::::::::i 丶:::i)::::ノ;;;;;;;;; ヽ、:::゙、 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:.゙、 ! /
、:.. ヾ、::::::\ \::::i  ̄ ;;;;;;" i ヾ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:.゙、゙、 /
::ヽ:::/\ミメ-、_、_ヽ| |'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙、::.゙、.〉ヽ /
.:::::ミヽ:::::\_/,イ':::.:.:::i ヽ / |ー--、_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙、:.:i /
:、:::|:、:ヽ`ー|li:.:.::::::::::`':i |`ー-、 !`‐r、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ヽ! 「えへへ……」
::::\::\`ー|l ゙、:.::::r、:.:.ノ;;;;;;;, / i i i `ー-、:.:.:.:.| 、_ \
:、::::::`ー-、ヾ゙、 `ー-‐' ;;;;;;;;;" ノ ゙、/ \__! ┴ー、__)
:::::`ー-、_::::`ー----‐ノ ,.. ' ´ _, | ,ノ-‐-、 \
`ー-、_:::`ヾニ二ニ'ー-=ノ---<__ /__/-―――/_ `ーr-、)
 ̄`ー----、:::::、:::::二ニ`ー---―‐':.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈  ̄!)---f'´
は、恥ずかしいけれども、京ちゃんから誘ってきたらまたしてあげようかな!
私じゃ自分から誘うなんて、今後もずっと出来ないだろうなぁ……。
9/9
……
…
・現代
,. . : : :――: : . .
,. : ´: : : : : : : : : :_: : : :`: .、
, :´: : : : : : : : : : : : : : \: : : : :\
/: : :, : : : /: : : : | : : : : : : ヽ: : : : : ヽ
.': : : : /: /: :.|: |: : :|:|: : : |: : : : :.∨: : : : :.
/: : : : : |: ': :|: |: {:, -|:{---|、:|:|: : : |: : : : : : .
': : : : : : :|_{:__|: {: :V: :V\: }、:|:|: : : |: : : : : :.:|
/: :/: ,: : :´|:|V:{:从: { \}ィチ雫ミ: : : ,:_:_: : : : :|
|: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \ _)::刈 }: : // V: : : |
' l |: : :乂{ _):::} Vzり/:イ } ノ : /リ
|: ∧:.∧ Vり _,..イ:/}/
|:/ V : :. ' イ:イ:/ / 「京ちゃんもっとエッチしようよ!」
}' {/ 人 v ァ ..: |/ '
` イ |
`_ T´ |⌒\
r-,-、 _,....´./' /´............`:......_
/ / /`>、 _,.. <.........../-、 r/...................................>、
{ ' / ∨{...\.........../ `/......................_> ´ ̄ V..、
, 〈`、ノ,:|:.\.\_{ /---__,...>:.:.´/ , -- |...|
}\_∨/ 乂:.:.:.` ̄`Vイ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.> ´ | / ...|
|\_ ̄ 〉∨` ̄「 ̄ ̄/ ̄ ̄´==== ∨ |..|
|............. ̄}/ L__/ l { |..|
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「 ` ̄ ̄ ̄} ,:.:./:.:.:.:| V} |..|
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| | ,:.:.:.: |:.:.:.: | ::. /| }'
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
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/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
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__ i ー ' ! __
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, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
カン!
京咲増えろマジ増えろ
1/8
199
雪かきをしながら雪ダルマやかまくらを作って遊ぶ京咲&照さん
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :} 「ゆきだー!」
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、-
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
/ | : :ハ : :! /| / i
/ __ i: . : :、/|__ ∠ / ‐ // |
/`-‐ / / | __ -‐/ / |
,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
--/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
/ : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
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/: :イ7: :{: :从{ __ {/\{ _从ハ : : /: : :.|
'´ |: 八: :| ((__)) ((__)) |: :/} : ハ:|
|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }' 「あーあ……」
|/ `ム , ‐--‐、 ムイ: /
个 . ー― ‐' 个从{
\:}`}>-<{:/}/
r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
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l ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´ }
| } \//ヽ、∨/´/// } |
2/8
須賀咲ちゃんです。
昨日から長野全体に大雪が降っていたんだけれども、見事に積もっちゃいました。
息子は雪に大はしゃぎして一人で外を駆け回っています。
子供にとっての大雪は本当に嬉しいもんね。
でも、大人にとっては……。
,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
/:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
/.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
!::|::|:::i| }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
. ノ::|::i!::i:| ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
`┼'7 リ /::ト! 「京ちゃん、雪かきするぞー」
. | ヽ ィイ:::::|
、 -―‐ / }:!:::トヽ_
丶 `゙ ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
"',、__,,、ヽ ! / | `ヽ
// \ i /_ ! _冫ー、
/ /n ハ | \. | / ヾ、
. / //ノ {_ ! /f'" \! / :/: i
/ レ \_ |` イ ′:!: |
ハ `ヽ ノ ハ / /: |
,. --- 、 ____
/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
/ __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | |
.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: / 「うーっす」
///////// / }>、 ` イ |从
,'//////// / _ /--、l ` ̄ :, |--、
.///////// / イ/////\ {////} / 「///|
'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、
3/8
ご覧の通り、生活に関わるので雪かきをします。
車が走れなかったり屋根が危なかったり、大人にとっての雪は本当に危険。
はしゃぐ余裕なんてないんだよねぇ……。
私は主婦だからいいけれど、二人の会社は休みにならないし、ただ大変な1日になっちゃうのが雪なんだ。
幸い今日は休日。雪が固まって大変なことになる前に、家族総出で雪かきをしちゃいます!
「京ちゃん、気をつけてよね」
「いやぁ、俺より咲が気をつけるべきでしょ。
ゼッテー転ぶから」
「こ、転ばないもん!」
「京ちゃん咲はドジだから仕方ないよ。
……きゃっ」
「おっと。
照さん、大丈夫ですか?」
「あ、ありがと、京ちゃん」
「ちょっと! なにお姫様抱っこしてるの!?
……きゃっ!」
「ほいっと。
この順番も予測できてたよ」
「う、うるさいっ」
案の定お姉ちゃんと順番に転んで、京ちゃんに抱きかかえられる。
ちょっと! お姉ちゃんいつまでくっついてるの!?
あっ、最近ご無沙汰だったからって京ちゃんの体を堪能してるね!?
4/8
「とりあえず、照さんは子供みといてください。
俺と界さんで雪かきしちゃうんで」
「私は?」
「咲は家のことしといてよ」
「わかった。
お姉ちゃん、危ないことしないでよね?」
「子供が関わっていたらしないよ」
やっぱり、さっきのは確信犯か……。
「じゃあ私たちは雪だるまでも作っておく」
「道を阻害しないように作ってくださいねー」
「私は何か温かいものでも作っておくよ」
「んじゃ、始めますか」
こう、雪とお姉ちゃんの組み合わせ自体が怖いけれど仕方ないよね。
正直、私でも変わらないと思うし……。
5/8
……
…
「なんとか終わりましたね」
「もう一回降らねーことを祈るまでだな」
「って界さん。何ゆきだるま作ろうとしてるんですか」
「バレたか。
よいしょ、さよならなのだ……」
「そんな縁起でもない……」
「京ちゃん、後世には原作に『さよならなのだ』と言うセリフはない。攻略本が初出だと伝えてくれ……」
「すげーどうでもいいです」
「釣れないなぁ……ッッッ!?」
「ぁァァァぁぁぁぁぁぁがが!!」
「界さん!?」
「お父さん!?」
なにやらものすごい叫び声が聞こえたので思わず外に飛び出しました。
するとドン引きしているお姉ちゃんと息子。うずくまって動かないお父さんとその近くでオロオロする京ちゃん。
お父さんはプルプルと身体を震わせるけれども、一歩も動きません。
「……京ちゃん、どしたの?」
「いや、雪を崩そうとしたら急に界さんが……。
まさか……」
「お父さん、ぎっくり腰?」
「いいか、絶対に動かさないでくれ……」
「わかった。じゃあみんなは戻っておもち食べよう。
温かいよ」
「咲ィ!?」
「じょ、冗談だって」
さすがの私もそこまで鬼娘じゃないよ!?
6/8
……
…
ものすごく苦労しながらお父さんを運んで、なんとか一息つきました。
動けるようになったら鍼灸院にでも連れて行かないとダメかなぁ。
もー、大変なことをしでかすんだから……。
「いいか、咲。
ぎっくり腰は本当に笑い事にならないんだぞ」
「知らないよ……」
「しかも男女関係なく起こるんだ」
「うっ」
確かに、ぎっくり腰の痛みは尋常じゃないって聞くよね。
楽な体勢がないから常に辛いとかなんとか。
ううっ、怖いこと言わないでよね。
「こう、物を持ち上げるときはちゃんと腰を下ろして持ち上げるんだぞ。
上半身の力だけで持ち上げようとすると……」
「こうなる、ってこと?」
「はい」
「まぁお父さんはいいけど、京ちゃんは気をつけてよね!」
「京ちゃんにも起こりうるから、ちゃんと下半身の力を使うんだぞ!」
「目の前でこんなんなってたら気をつけますよ……」
「ところで、お姉ちゃん達はどうしたの?」
「まだ外で雪だるま作ってるんじゃないか」
「じゃあ、温かいものもできたし、呼びに行ってくるねー」
7/8
……
…
,.. / ヽ ´⌒> 、
/ \
/ | }! \⌒
. / / ! | | ヽ \
/ィ :| \∧ | /| |! トー― 「できた!」
| _|VT示r ∨j/示rx/ V(
レ1( 弋,り 弋り {ソ V __
|/V{ ___ 从|>ー―――r―――/ /
___/>、 V / イ7 / /――-、 \
___/ | | ー 77 / / / ー―
ノ ( | | / / / /
/ \| | | / / /´ ̄ ̄ ̄
/ ! ∨∨ / /(
_/\ /|/ ∨ / / / ⌒ヽ
ー / \ / 人 〈 / / |
し′  ̄ , >==≠ | /⌒ ト{_
| | |/ |/| |::::}!
| \| {___/::/| |::/
/⌒ヽ、
, -――< /
'" ` <
´ ' ,
/ミ≧zzy、 zz≦三≦ i
_ト、 | (::::) ´ <三ヌシ´l ∠ \
_> ‐- 、 i  ̄ i { } ヽ
≧ ヘ > ', / <ヽー ノ
/イ } /\ ヽ {三三三三} ヘ /ヽ ヽ /
∨ \/ `' ___ / `'、/ `´´¨
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`i'- , イ
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. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「力作ができた」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
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/ニニニ二二三三三三三三三三|
ノ--―――――- :三三三三三|
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. : : ´ ノ: : :ゞ//ノ : :::::::::::::::::::::::::::::::: : :Ⅵ//\ :,
. : : ´ ,. ´: : : : : : : : : :::::::/三三≧:、::::: : : :\//∧ ′
,. '" : : : : : : : : : ::::::::/三三三三厶:: γ7/ヽ`¨´
,. '" : : : : : : : : ::::::::::マ三三三三三} : ゞ//ノ i
,. '" | : : : : : :ヾ\::::::::::ゞ三三三三ノ |
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i:.:.:.:.i.|:::| i| ||i..::::|:i i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
i |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
i | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
i ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ 「(なんてものを作ってるの……)」
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ 彡‐'´ ̄`ノ'i::::/ /:::::i::|
..|/ |:::゙、::i゙、 .;==、 ,,,,, i::/ ノ:::::/V
i:::::::ヾ::、´,,,,, , """ u レ /i´:::::/゛
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ヽ!`ー- __ , ´ /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
___`フ´_ヽ /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
/i:.:|.|:.:.:.:.:./ | /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/ / ゙、i
1/11
294
ハーレム
須賀咲ちゃんです。
うーん。なんか今日は気持ちよく寝られた様な気がする!
目覚ましが鳴る前に起きられたんだもんね!
さて、何時かな……って。
,. . . -――- . . .、
,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
/. . . . . . . . / l: : : : : ト、 : : : : : :.
,' : : : : : : : : : : : : / l . . . . l .',: : : : : : : :.
,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ : 、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :} \ノ
',:乂_ ` .!ヘ:ノ
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ 「寝過ごしたー!?」
ヽ{\ : : ㍉  ̄ ,, ''
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
えっ、なにこれどういうこと!?
ちゃんと目覚ましをセットしたはずなのに、止めちゃってた!?
気づけば横で寝ている京ちゃんもいないし!
ううっ、私は家族の分の朝ごはんのお弁当を作らなきゃならないのに!
急いで起きて、準備しないと……。
2/11
-―━━―-
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
. /::::::::::/::::::/:/::::::::::::::::::}::::::::::::::::.
j{:l::::::|:l::::::/:/|::/|:::::::::::/ ':::::::::::::: |
j{::l::::::|:l:::/l/ ノ' |::::::: /-、|:::::::|l:::::|
. j{ 八从l:芹ぅト |:::/- |:::::::リ::: |
j{::::|::::::::| ヒソ ノ'´竿ぅト.j::: /:::::/
. j{:::::|::::::::| , ヒソ 厶厶イ
j{::::::|::::::::| /::::::::::::|
. j{:::::::|::::::::| 、 ` ‐ /:::::::::::::八 「あら、もう少しゆっくり寝ていていいのよ?」
j{::::::::|::::::::| \__ . -=≦::::::::::::/
. j{:::::::::|::::::::|、 ト、::::::::::::|::::::::::::/
. |:::::/|::::::::| \ ‘,:::::::|:::::::: /
|: / 八:::::::∨ \ |\:::|:::::::/
|/ ゙:::::::∨ | `|::::/
. /⌒\ \:::',\ | 八/ 〉
.. ,′ \ \', | |Χ
| \| \ | | `丶、
| l }l | | ゙ 、
| \ | ノ' | | |
「か、霞さん?」
あれ、朝から霞さんがいる?
おかしいな、まだ寝ぼけているのかな。
「ほら、お布団の暖かさが逃げちゃうわよ」
「きゃっ」
「咲ちゃん、お布団から出たばかりだから暖かいわねぇ」
「か、霞さん!?」
霞さんがぎゅーっと私を抱きしめてくる。
なにこれ!? 柔らかっ!? いい匂いがする!?
これがおっぱいを持つ女の子の柔らかさだというのかっ!
霞さんに抱き枕状態にされてしまう。
いやほんと、柔らかすぎて寝ちゃいそう……。
はっ、ダメダメ。おっぱいの魅力には負けない!
「わ、私は色々とやらなきゃいけないことがあるんで!」
「あら、そう?」
名残惜しくも霞さんから離れて、台所に走り込む。
ううっ、身だしなみを整える暇もないよ。
3/11
……
…
___/ / / \ \
⌒フ / , / l 〈 \\ \
/ / / / /| \ ∨ \ \
/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/}
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ |
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ ) 「咲、朝ごはんはできてる」
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
/∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
{ ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:| ∧
台所に走り込んで見れば、そこには可愛いエプロンを身にまとったシロさんの姿が!
えっ、シロさん昨日うちに泊まったっけ!?
なんにせよ、お客様にご飯を用意させるなんて恥ずかしい……。
「すぐお手伝いします!」
「いいから。早くご飯を食べて」
「う、うう」
有無を言わさぬ雰囲気に、着席を余儀なくされる。
朝食とは思えない色とりどりのバリエーション。
ちょ、ちょっともたれちゃうかも。
でも美味しい! うう、料理の腕でも負けちゃってる……。
……はっ、京ちゃんとお姉ちゃんの準備を手伝わないといけないし、子供の相手もしないといけない!
「ごちそうさまです!」
「食器は私が洗うから」
「いえっ、そういうわけには」
「いいから」
また有無を言わさず没収されちゃった……。
こ、この恩はいつか返せばいいよね!?
4/11
……
…
,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
.': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧
/: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
/: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : { \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : |
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : | 「咲、おはよう」
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : |
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
「あっ、お姉ちゃん」
台所から出ると、お姉ちゃんが待機していました。
急いでお姉ちゃんを人様に見せられる状態にしないと、と思ったら……。
お化粧バッチリ、髪の毛バッチリ、身だしなみバッチリの状態だ!?
誰だこれ!?
「ほら、ご飯粒ついてるよ」
「ぅひ」
お、お姉ちゃんに指摘されるなんて、不覚。
「髪の毛もボサボサ、まったくもう」
「お、お姉ちゃんに言われたくないし」
「? 何を言ってるの」
そう言いながら、優しく髪の毛を梳いてくれる。
あっ、これ昔想像してた理想のお姉ちゃんだ……。
やだ、女の子っていい匂いする……。
お姉ちゃんは私の髪の毛を梳くと、一回ギュッと抱きしめてくれた。
う、うひひひひ。
じゃないよ! 京ちゃんどこ!?
5/11
……
…
/ . . . . . . . : : : : : : : : . . . \
, . . . . : : .:. .:..:.:.:.:.:.:. .:. .:.:.:.:.:..ヽ:. . :. ヽ
/ . . . : .:.:.:.:.:.:.:′.:.:.:.:. i{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:..‘. ∧
/ :/ :/:/ ..:.:.:.:.:.:.:.| :.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨. ‘.. .
/ .イ ′:.:.:.:.:.:{:.:.:.:,| ...:.:.:.: {∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:. :. i
././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
|′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \ ヽ. \} :. : |: :{
i . .:.|:八.:.|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
| : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ ´ `'^| :. : |:.小
|.:/ :! .:.:.:.ハ ′ /i/, | :. : |:.|i
|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: {
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘ 「咲ちゃん。おはよっ」
/:.{: :| .:.:.:. {:: 込 ` ´ /}::.:.:./::. :!:. ‘
/:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:..... .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
|{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂 / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
.′..:.八:!ム:.七¨⌒} >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
/ . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′:.:/ ヽ
. / . :′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ:.:.:.:′ / }
/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
.′. .:| \ 《 ハ下 . /.:.:.:.′ , 小
/ . . .:.{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./ / {:∧
. / . ./..:.:} . | く / } ;:.:.:.:.:′ .′/ {:. .‘.
/ . ./..:.:.:.i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′ }:. . ‘.
/ . :/′:.:.:.} ‘. V| ∨ |:ノ}:.:} j / / {:.:. . ‘.
「出たー! お嫁さんだー!」
「???」
なんとなく流れからくると思ったよ!
割烹着をつけて、三角帽子を被っている玄さんのお嫁さん力が高すぎるっ!
見ればうちの息子と娘を着付けて、幼稚園に送り出せるようにしている。
いつも活発で準備に手間取らせる息子がじっと玄さんの胸の中で抱きかかえられている。
やっぱりおっぱいか! おっぱいがいいのか!
「忘れ物はないよね。
気をつけてね。心配しちゃうよ」
「「わかった!」」
あ、あれ、お母さん力で負けてる!?
ぐぬぬ、私が本当のお母さんだもん! 負けないもん!
なんだかわからないけれど、子供たちの準備も終わっているならあとは京ちゃんだ!
6/11
……
…
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
/ //' ' / ' / l| | : : ∨ :
l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 「咲、おはよう」
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
/| /////∧
「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
, </////// ∨__∨//////////////////>、
/: : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : : : ヽ
/: : : :,: : : : : : : : : ://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∨: : : : : : : .
_,. :´: : : : :/: : : : : : : :/:/ ': : : : : : : : : : : : : : : : | : : : : : : : : : ∨: : : : : : :.
` ー /: : : : : : :-/:/-|: : : |: : : : : : : : : :|--- 、: : |: : : : : : : :V: : : : : : |
': : : : : : : /|/ |: : : |: : : : : : l: : : |、: :|: :`ヽ、: : : : : : :.|: : : : : : :|
/:,: : : : :,: / { {∧: {: : : : : 从: : :| \{、: : :|: : : : : : ,: |: : : : : : :| パァァ……
': |: : : :/: | {从: : : : :' \{ \: |: : : : : :/: |: : : : : : :
|: |: : : ': /| -- \: : | V: : : : : :': .' : : : : : : |
{八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ \| -- 从: : : :/}/: : : : : : ,: |
l 、 : |: V ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/ 「よ、良かった」
\|: , :.:.:.:. ' |:/ /⌒} }: : :/}/
V{ :.:.:.:.:. / ノ 人:,:' /
人 __ _ イ:/
` 乂 ̄ ー‐ァ イ: :/: : :/
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7/11
「ん、どうした?」
「いや、京ちゃんは普通で良かったなって」
「?」
そこにいたのは、スーツを着て仕事に行く準備を整えている京ちゃんでした。
いつもと変わらない朝の風景に安心する。
ちょっと泣きそうかも。
「京ちゃん。なんかみんながおかしいよ。
と言うかなんで霞さんとシロさんと玄さんがいるの?
昨日泊まってたっけ?」
「なんかおかしいか?」
「おかしいよ!
100歩譲って三人がいるのがおかしくないとしても、お姉ちゃんがしっかりしているのはおかしいよ!」
「照さんェ……」
「京ちゃん何か知って……」
そこから先は言う前に唇を塞がれちゃいました。
えっ、なにこれどういうこと!?
ちょっ、京ちゃん朝からなんて珍しい!?
やだ、出勤遅れちゃうよ。
も、もー、だめでしょ。嫁さんとして叱らなきゃ。
あぅ、準備OKになってる自分の体が憎い……。
京ちゃんが執拗に舌を絡ませてくるのがいけないんだもん……。
何十秒も絡ませた後、とろんとした私を横たわらせました。
8/11
/ / | ハ | | i 、 ヽ \ \_
. i / | | | | | |、 i ゙、 、 \_ _>
| i | i | | | | ハ ハ _i!_ i \ ヽ` ̄ ̄
| | |+--|、_|! | | i! ,/.ィ'|"i´ ハ | i ヾ 、 ヽ
| | |.|ヽ |、_|王!ー |./i .;"´/=、!/ | ! | \ 、i 人
. !. r| i.|、!,,ィ'":::._iミi! |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_ \ `Y´
. | |^!. N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
! | i、i、 ゙、 ` ̄ ̄ メ( /^|イ `、|
ノi \ヾi:.、、 i! i ノリ `
| ヽ__i |イ|/ 「だってこの世界は、『咲のハーレム』世界だろ」
ヽ i、 i ____...., |/
ヽ!、 i\ `ー-- ―'´ /、!
i !i 、 \  ̄´ /!/ 人
|ハ,i、! 、 \ / ./.| `Y´
ト、! ゙、 `ー---'′ /|V
_..................._
,. : : :´: : : : : : : : : : : : `: : . 、
/: : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : /: : :,: : : : : : : : : : : : : : ヽ
,:': : : /: : /: /: ': : :/: : :,ハ: : : : : : : :、: : : : '.
/: : : /: : /: /: :,|: : :l: : : | | : : | : : : : ∨: : : .
/: : : :' : : :|: :| : /|: : : : : :.| |: :l|:|: : : |: : |: : : : :.
/: : : : |: :|: :{: :|: :! { : : |、: :| }: :l|:|: : : |: : | : : : : |
/: : :/ : |: :|--Ⅵ、{_从: :{ \{ ム斗|-: : |: : | : : : : |
l: イ {: : :从{ 比刈 比J刈 }イ : / 、: : : : '
' l |: : : : } Vzソ 弋こソ /: :イ }: イ: ,
|: ∧: | `¨ , `¨¨ ムイ__,ノ:/ }:/ 「あっ、そういうのいいです」
|/ }从 /: :/}/ /
/ }: 、 ‐-----‐ 、 イ: :/ /
l从` . ィ |:从
` ーr = ´ |、
/| |::\
,..:<:::::/ /::::::::>:..._
...:<:::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::> 、
9/11
……
…
目覚ましの音が鳴るのを止める。
一瞬で止めたので京ちゃんはまだ寝入ったままだ。
横を見れば昔と変わらないとぼけた顔で京ちゃんが寝ている。
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :. 「zzz……」
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
___| |//////|
{|___ノ __|[_]//∧_
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/////// { //////////////////////}
//////////∨///////////////////////|
うん。あんなキラッキラな顔した京ちゃんとか気持ち悪いよね。
うちの旦那さんはヘタレで、よく気が利いて、私のことをバカにして、やるときはやって格好いいけれども。
あんなキラキラした完璧超人じゃない。
それに、連れ合いが一人でも大変なのに数人なんて、男の人の考えるハーレムってよくわかんないなぁ。
私だったら絶対に嫌なのに。
京ちゃんが起きたら聞いてみようかな。ちょっと憧れてたらほっぺたつねっちゃお。
そう考えながら、寝ている京ちゃんのほっぺを抓る。
結局抓るんじゃないかって? これは夫婦の特権です!
10/11
……
…
「京ちゃんもやっぱりハーレムとかに憧れるの?」
「一人でも大変なのに二人目とか考えられるわけねーだろ」
「そうだよ、咲。
それに女の子はみんな自分だけを見て欲しいんだよ」
「こう、お姉ちゃんが言うな感がすごいよね」
「逆の立場になって考えると、咲の旦那が俺以外にいるようなもんだろ?
しかも夫婦ってことはそれなりのことしてるわけで。
ゼッテー我慢できねー……」
「きょ、京ちゃんったら、妄想の男に嫉妬しないでよ、もー!」
「咲。嬉しそうな顔しちゃって」
「え、えへへ」
11/11
,.': :/:/: : /!|: : ;' |: :__: : :.|: : : :|: :l: . . .ヽ
. /:, :,': :!:,': ! ||i: : | !l_、:ヽ ̄:ト: : : |.: :l: . : . .゙、
/:,1:,'.: :|:レ|´l|ヽ: ゙、 ヽ_\l\!: : : :!.: :|: : : . |. l
,':/ !:l: : :!:| リニ、 \!イ斥"寸、!: : : :!:ヽ!: : : . !. .!
{:| |:l: : :|:i:斥寸 弋しソノ|: : : :|:ヽ|: : : : |:. .|
ヾ !:|: : :抖乂ソ `"" !: : : :!=、l.: : : :.|. . !
| !: : :l:! ,, ", ""|: : : :| |!: : : : .!: . l 「うーん……。
|λ: :l:l |: : : :| ,ィ.: : : : :|: . .!
jt |: : |l _ っ !: : : j´:|: : : : : |: . .! (私なら旦那さんがそうしたいのなら許しちゃうのです)」
/ :| ゙: : |:ヽ/ノ .ィ.: : :,': :,'.:/: : : :|: . .|
,'/l | ゙: :y' ,ィl>... _ .. ´ l: : /: :/:/: : : : :!: : ハ
lj ヾ、 ∨/>!: : |: : :} //|: /´: : : : : ノ: : : .ヽ
,' ´-ヽ:.:|: : :| " У: :_ - "´ `ヽ: . .゙、
l -テ!:,': _ノ /: / \ ハ
/| l´/ニ__ /: : ,' ヽ∧
,' ! !' ` ,.': : : : :| ,'. . ヘ
l. ノ ∧ァ__r‐-/: : : : ;ィ /: . . . \
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| { 「ヒィ!?(正夢っ!?)」
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| }
. { レヘ::八 _.. ‐~‐-、 イ ::::::::::::/ {
} ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ:::/|/∨
\| _≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス
r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧ }
{ ∧i:i:i:i:i:i:i:i:| /i:i:i:i:i:i:i/ / ∧ {
} / {\/⌒)_∠二二/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i:i:i:i:i|\ |
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〈 Ⅵ:i:i| | }
、___/ Ⅵ:i| | {
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. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j 「あっ、昨日玄が泊まったのを言い忘れた」
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ |
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
京咲祭り…なぜクロチャーがここに、自力で脱出を?
有珠山編次第ではオカルトリオがオカルテットになるかもしれない
1/11
243
そろそろ女子会が見たい
「希望があったので女子会です」
「私はもう勘弁してほしいよ!」
「私なんて女子会以外で出番がないじぇ」
須賀咲ちゃんです。
はい。定期女子会です。
相変わらず和ちゃんが計画して、私と優希ちゃんを集めました。
やっぱり、社会人だと三人くらいで集まるのが限界だよね。
「のどちゃんは最近どうよ」
「最近ですか。
そろそろ異動という話が出てきていて、ちょっと憂鬱ですね」
「(あ、あれ。和ちゃんが日本語喋ってる……)」
「せっかく慣れてきた子供達と離れるのは寂しいですね」
「あぁー。のどちゃんは感情移入しすぎちゃうもんな。
私なんか結構割り切っていろんな人と仲良くなるじぇ」
「学生の頃は『教師ってドライですね』なんて思っていましたけれど、自分がそうなっていくのを感じます」
「そりゃそうでしょ。
頑張っても心を開いてくれない子供もいるし、親には何をしても批判されるし、無難なことしかできなくなるもんだじょ」
「(あ、あれ?
いざ社会人トークされると私が何も喋れない)」
「それも一年の付き合いだったりしますしね。
最近は慣れましたが、前は現実に打ちのめされそうになってましたよ」
「あー、あの時期ののどちゃんは荒れてたもんな」
「(何それ、私知らないよ!?)」
「ああ、私疲れちゃったので咲さん成分を補給させてくださいね」
「え、えっと」
「咲ちゃん咲ちゃん。ここまでの会話の流れは全部罠だから断っていいじょ」
「そ、そうなの?」
の、和ちゃんの目が据わってる……。
2/11
「さて、咲さんいじめもこの辺にしますか」
「えっと、愚痴なら聞くよ?
いつも聞いてるし、私には聞くくらいしか出来ないもん」
「出た出た出ました!
こっそりのろけるパターンですよ!」
「いつも誰から愚痴を聞いてるのかなー? 咲ちゃーん?」
「そ、そんなつもりじゃないもん!」
「あっ、いじけちゃいましたね。
咲さんかわいい!」
「どーせ膝枕でもしてあげながら愚痴を聞いてあげてるんだろー?
それでそのまま一回戦かー?」
「見てたの!?」
「「……」」
……はっ!?
「あの、咲ちゃん。
そういう反応されるとこっちとしても引くって言うか」
「いいんです……。
私には最近発売されたカスタムホスト3Dがありますから……」
「なにそのいかがわしいタイトル!?」
「知らないんですか?
自分好みのイケメンを自分で作成して、ゲーム内にある好きなCVをつけられる良ゲーですよ」
「ほほう。
それを見ればのどちゃんの趣味がわかるな!」
「私はこんな感じのを作りましたね」
「……これ京ちゃんじゃん!」
ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !: }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //. /: :/ !: :!/!/ !从:/|:.| !∧冫
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂ ::::::::::::::::::::: ! :::::ィ./ .ト,ムノ:!
:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ ::::::::::::::::::::::::':ゝ-.″ | }: : : :|
',:{ :::` 、 .レ′ : :!.
..',\ ノ: ::::! 「今時金髪イケメンなんて珍しくもないと思いますよ?」
: : :| `ー´\ ,____.,. / !:! ! !
: : :|. ` 、 `ーi!′ /|: :. !:! ! ::!
: : :| }` .. __ , イ |::|: |:|: :| |
: :: } ィ‐┤. ├ .、|::|: |:|: :| {
3/11
「うっ、言われてみればそうかも……?」
「ちなみにCVは福山潤です」
「おい原村」
「なんですか宮永」
「須賀だもん!」
もー、京ちゃんおっぱいに弱いんだからそういうのやめてよね!
いやでも、昔なら和ちゃんが京ちゃんを迫ったら……なんて不安に思っただろうけど、今は全く不安じゃないのは何故だろう。
「あー、咲さんかわいいです」
「ああ、うん、そうだね」
何故、人はここまで残念になれるのか。
いや確かにちょっと、かなり残念だけれども、和ちゃんなら引く手数多だと思うんだけれどもなぁ。
私たちの知らないところの和ちゃんはもっとひどいんだろうか。
「京太郎そっくりのゲーム……」
「これ、結構スペック必要なので優希のノートパソコンじゃ出来ませんよ」
「ちぇー。
独女ってお金貯まるからパソコンごと買っちゃうか迷うじぇ」
「でも基本はタブレットでごろ寝しながらネットですよね。
最近、パソコン開くのも億劫になってきました」
「あー、わかるわかる。
どんどん女として死んでいくのがわかるじょ。
でも実際みんなそんなもんだじぇ」
「優希が言うなら間違い無いですね。
安心しました」
「ぱ、パソコンもタブレットも使えないよぉ」
「「あざとい」」
「ぅひ」
だ、だって苦手なんだもん!
4/11
「じゃあ料理を作るときなんかどうしてるんですか?」
「料理の本を買ったり、図書館で借りたりしているよ!」
「なんかそういうのも憧れるなー。
昔ながらの女の子って感じだじぇ」
「どうしてもタブレットを使わなきゃいけない時は、お姉ちゃんのを借りてるかな。
最近は音声で検索できるから便利だよね!」
「えっ、あの機能使ってる人いるんだ……」
「近所の奥様会だとみんな使ってるよ?」
「意外です……。
年配の方が使っているんですね」
「咲ちゃんの検索履歴が気になるじょ」
「そんな変なこと検索してないし。
料理とか、旅行とか」
. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、 ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! | ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i! | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ / i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―- 「つまり咲さんがエッチなことを調べるときには、
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 恥ずかしそうに言葉にしながら検索してるんですね!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
| |: : : : : :.:i:.:|\ ∨__ノ) / /: : : : : :.:i.:|////
|:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、  ̄ ̄ / / : : : : : :.:|/////
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/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
.': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
|: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
|: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
{: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :|
`\}、: 、 /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{ 「し、してないから!!」
, --r--,\ ,-- 、_____ 人: / \〉
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{ ,::, {::::::::::::∧-, r/:::::://| }
| \、\::::::::::∨- /:::::://:/
| { 、、\:::::::∨/::::://:∧ |
| | \__>、_}'__>´/} |
| | `ー=-r-- ´ ,: |
5/11
あ、これやばいよ。
いつものノリの匂いがする!
「で、実際どんなエロワードを検索してるんですか?」
「ううっ」
「咲ちゃん。こういうのは隠すとためにならないじぇ」
「そうですよ。
どうせ恋人として夫婦として十年以上ヤりたい放題しているのにカマトトぶらないでください」
「か、かといって恥じらいを捨てるのもどうかと思うよ!」
「そんなことはどうでもいいんです。さぁ!」
「はよ!」
「うっ、ううっ……」
な、なんでこんなことに……。
「お、男の人って1回やったら満足するって言うよね?」
「おっ、咲ちゃんもノってきたじぇ」
「優希。静かに聞きましょう」
「高校時代の話なんだけれども、京ちゃんは一人ですると2、3回は余裕で出来るみたいで」
「ほ、ほほう。京太郎君のそういうのも気になりますね」
「でも、私とやると一回で満足しちゃってて」
「ふむふむ」
「漫画とか小説だと男の人が絶倫なパターンも多いんだ。
だから私じゃあんまり気持ちよくないのかなぁ、って思って調べたことがあったりなかったり……」
「ズバリ、その結果は?」
「なんか一人ですると何回でもできるけど、えっちだと一回か二回が限界って人は多いみたい」
「女の子にはわからん気持ちだじぇ」
「京太郎君は絶倫ってわけじゃないんですね」
「あとは少しでも気持ちよくなってもらいたいから、どうすればいいかを調べたり……」
「えっちなテクニック(咲さんボイスで検索)ってやつですね」
「うわぁ。咲ちゃんえろーい」
「言わせといて何!?」
もー、いい加減に怒るよ!
6/11
「でもなんだかんだで『こいつらまた盛ってんな』ってくらいには盛ってるじょ」
「なんか私の匂いを嗅いだら興奮するらしくて……。
でも一回終わったら結構辛そうだよ」
「匂いフェチなんですかね」
「そういうわけじゃないと思うなぁ。
私も京ちゃんの匂いを嗅いだら興奮するし」
「ほほう。咲ちゃんは匂いに弱い、と」
「に、匂いに弱くない女の子なんていないもん!
それに匂いだけじゃなく、キスされても準備満タンになるし!」
「(いざ生々しく言われると結構心にキますね)」
「(身を削って咲ちゃんを弄ってる気分だじぇ)」
「そ、それなら二人はどんなことをしたら興奮するのさ!」
「……どんなことをされたら興奮するんですかね」
「想像もつかないなぁ。咲ちゃんひどいなぁ」
「もー! 何その反応!」
「いや、結構心削られたじょ」
「昔は胸を見てくる男性が嫌で仕方ありませんでしたが、今なら胸でもなんでも使って堕としたい気分です」
「私も本気出しちゃおっかなー」
「優希ちゃんならすぐ彼氏出来そうだよね」
「咲さん。私は?」
「お世辞でも嬉しいじょ。
実際、男友達は多いし、やろうと思えばできるはずだじぇ!」
「結婚式には呼んでよね!」
「ゆーき。私は?」
「……それに、京太郎との約束もあるしな」
「何か言った?」
「なーんでも」
「私は?」
7/11
……
…
いい感じにお酒もまわってきました。
優希ちゃんはお酒に強いんだけれども、私と和ちゃんはそんなに強くない。
それでも、この日は結構飲んじゃって……。
「それでね!
京ちゃんが強引にねー!」
「奇遇ですね!
私の京太郎君(妄想)も強引にキスとかしてくれるんですよ!」
「あははー!
和ちゃんとおそろいー!」
「やべー惨状になってるじょ」
「私はやっぱりキスされるのが一番気持ちいいなぁ。
大事にされてるって感覚がしてー、気持ちよくてー、興奮しちゃうのー」
「須賀夫婦は酔うとロクでもないな!」
「あー、どこかに長身金髪イケメン気遣いができるイケメンCV福山潤落ちてないですかねぇ」
「のどちゃん、どれだけ高望みする気?」
「えへへー。
イケメンかどうかよりもー、京ちゃんってことが大切なんだよー」
「惚気乙。っていうか、そろそろ京太郎が来てくれないと収拾が……」
8/11
__,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
> ´ ̄ / ` `、 、
、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | .
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } |
从Ⅵ /.: ノ | 「咲ー。迎えに来たぞー。」
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 イj / /
:. < |' /}/
、__ ´ } イ从/
| |/
「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
|//l| |//////// 、
,. <// ∧ |//////////> 、
,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
.': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧ ← 少し前に回収された
/: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
/: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : { \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : | 「あれは、はらむらわ?」
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : |
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : |
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
9/11
/r"´`ヽ ./ / /i / / i | : : :!: ! : : : : :l O l': :、: : ヽ、: .`ヽ
ハ 、 ノ/ / l i ,ハ ハ | i.|: : |: :ハ : |.:!: : i: :ト.、._ ,.イ|i: : .\: :ヽヾ、:
: //:7:r' ヽ:i: : :i.!: : :|:!,.-|-|、.! !|i: : !.! :‐!-|-!、|_ト、: :!: ゙、: : : :|:|:、: : : :ヽ: : ゙、 ヽ
|': : : :ト、!O: : !i: : :!:!ヽ、.! ヽ! ヽ! ゙、! |/ リ |:ノ !: /i: : :/:i: |: : : :i| i: : :|
!: : : : |、/゙:\:! \:| _, 、 リ |/ /: : : / /i : : :i|ヽ| : i|
゙、.:: : .レ: : : : :! ≡≡三彡 ミ三≡==、 /: : ノ ;/:/: : ///.!.: ;l 「京太郎、遅いじぇ……」
i: : /; : : : :/ ::::::::::::::::: :::::::::::::::::: //` ‐:´ / : :/'"//: :ハ
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l:::::/ / / . :/ /: : /| ::| : : :|: : : :ト、:|:|: : }´:::::::|ト__:/
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/:| ハ: :| |: :l | `ト、}lヽ: :'、: :ト、斗匕/ l | ||| l::r‐く|ヽ/{´
ヽl |_l: : |: :|: :|rテ干示ト'\lヽl´::rf苡圷¨} |/-|:  ̄:|: :l |
レ \ト、 \ヽ 弋:ツ : : ::. ::. ゞ夕 ノ/ ´|: : : :|: :| |
イl| |\}l`.:xwx:. , .:xwx::. _ノ; ::| | |
/ j|! ハ // | : :|:l: : :| 「……咲さんが二人!?」
/ .イ j|l介 、 /´ ! : :!:l: : : |
/ /| ||l|{ 、 ´ ` イ_ | : :l l: : 八
/ / l| |l||| __」 ̄ {、:::::ヽ、 | : :| !: : : ∧
/ // l| ||厶斗‐::´:r‐! /::::::::::::`::| : :ト、: : : : ハ
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|ハ }ァ'./ { `ー-ゝ、レ_∠≠=- ´ / . :/ l| ト:l | l: :ハ|
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/ / イ 八l /:/:::Y // l |/ Y |::l / リ|
l〃/l| \ {::八::::} / |ハ| } ;/ |::| /|
10/11
「京太郎君!
咲さんが二人いるなら片方もらってもいいですよね!?」
「えっ、なにそれこわい」
「咲が二人?」
「のどちゃんはなにを言っているんだ」
「じゃあいただきます!」
:_,. -─……─- :
:
.:´........................................................\:
:/.......................|........ト、..............................ヽ:
:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|:
:|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............|:
: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|:
:i|...|....| |............|: 「!!?」
:||...|..人 , _ 人.......l..|:
八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
;/ ̄ |:\ ∧ / /:::::/ \;
:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
:/ \:::::::Χフ:::::::::/
/  ̄/:Τ:< ̄ ',;
;\ | 〈::::∧:::〉 | /:
「のどちゃんそれ咲ちゃんのお姉さんじゃ……」
「あ^-ぁぁぁ咲さんかいぐりかいぐり」
「えっ、ちょ、助けて京ちゃん!!」
「和。その辺にしてやれ……」
「は、はらむらわ! わ!」
「のどっちのどっちです!」
「京ちゃん! わが! わが!」
「のどっちです!」
11/11
……
…
・帰宅後
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「わがこわい……」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
,. : : :´: : : : : : : : : : : : `: : . 、
/: : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : /: : :,: : : : : : : : : : : : : : ヽ
,:': : : /: : /: /: ': : :/: : :,ハ: : : : : : : :、: : : : '.
/: : : /: : /: /: :,|: : :l: : : | | : : | : : : : ∨: : : .
/: : : :' : : :|: :| : /|: : : : : :.| |: :l|:|: : : |: : |: : : : :.
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/: : :/ : |: :|--Ⅵ、{_从: :{ \{ ム斗|-: : |: : | : : : : |
l: イ {: : :从{ 比刈 比J刈 }イ : / 、: : : : '
' l |: : : : } Vzソ 弋こソ /: :イ }: イ: ,
|: ∧: | `¨ , `¨¨ ムイ__,ノ:/ }:/ 「私もこわい(お姉ちゃんを捧げれば逃げられるのか)」
|/ }从 /: :/}/ /
/ }: 、 ‐-----‐ 、 イ: :/ /
l从` . ィ |:从
` ーr = ´ |、
/| |::\
,..:<:::::/ /::::::::>:..._
...:<:::::::::::::/ /:::::::::::::::::::::::::::> 、
投下終わりです
1/11
296
盛ってる京咲をシロが覗いてる
301
京太郎の浮気疑惑に慌てるシロ(平行世界)
「んじゃ、シロ姉。今日も帰りは遅くなるよ」
「……わかった」
最近、京の帰りが遅い。
バイトを始めたというのが原因だが、それだけではないのがわかっている。
京から女の匂いがする。
本人は気づいていないつもりでも、女の子は男の匂いに敏感だ。
ふと漂う香水の匂い一つから疑いを持つ。
大学生では京の付き合いもあるわけで、そこまでを制限はできない。
そうして全てを制限してしまえればどんなに楽かと思えるが、そこまでの自由を奪ってしまっては京ではなくなってしまう。
これも惚れた弱みかと思いつつも、彼の着ていたシャツの匂いを嗅ぐ。
「香水……」
べっとりと付いたわけではないが、確かにいつもの香水の匂いがする。
彼が働いている現場の同僚がつけている香水かもしれない。
匂いというのはかなりきつくつくもので、彼と触れ合っていなくても同じ空間にいればついてしまうこともあるだろう。
冷静に自分に言い聞かせるが、感情が納得してくれない。
2/11
「なんで京と同じ空間に女がいるの」
「違う。
それじゃ京の自由がなくなってしまう」
「京には私だけいればいい」
「違う。
たまたま同僚にこの香水の人がいただけ」
「同じ空間に存在すること自体が許せない」
「ダメだ。
そんな無茶は通らない」
「なんでそんなに我慢するの。
京に近づいた女が悪いでしょ」
「……やめて。
そんな考えじゃ、私も京もダメになる」
3/11
どんなに理屈で説得しても、感情は反発する。
不安で胸が押しつぶされそうで、吐き気とめまいに襲われる。
もし、自分から京が離れてしまったら、別れようなんて言われたら壊れてしまう。
私を安心させて欲しい。
もう家から出ないで私だけを愛し続けるといってほしい。
外に出るだけで雌猫どもは京に色目を使う可能性が出てくる。
そんなの嫌だ。京は私だけのものだ。
不安だ。不安だ。
どうすればいい。
……京が私の元から離れないようにするには、どうすればいい?
それは恋人の誰もが持つ些細な不安。
それでも、その時の私にとっては押しつぶされそうな不安。
誰かを取られたくないなんて初めての経験で、気持ちをどう落ち着けていいかわからない。
どんなに深呼吸をしても、鼻を刺激する香水が全てを壊していく。
もし、京と私だけの楽園があれば―――
4/11
___/ / / \ \
⌒フ / , / l 〈 \\ \
/ / / / /| \ ∨ \ \
/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/}
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ | 「それがあったら、どうするつもり?」
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ )
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
/∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
{ ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:| ∧
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ |
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } / 「……私?」
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
, ´∠ニニ>、 _ ... イ / \
/ /ニニニニニ7 λ / /入
/ {ニニニニニ7/「八. / //二\
5/11
音もなく現れて目の前にいるのは、見間違うこともない自分の姿。
鏡などは置いたつもりもないし、目の前の自分は好き勝手に動いている。
「あなたの理想郷は存在する」
「……!!」
「働く必要もない。他のすべてと関わり合うことはない。
あなたと京だけの理想の園」
「そんなもの……」
「信じられなければ見てみればいい」
まるで新幹線が動く瞬間のような違和感を覚えたと思ったら、そこには異世界。
岩手の田舎を思い出すような緑の世界に、大きな屋敷。
季節を無視した様々な花。
美しいとしか形容のできないその姿に、圧巻した。
「ここならばあなたと京は静かに暮らせる」
「……」
「あなたなら、どうする?」
目の前の自分は手を伸ばした。
私は、その手を―――
6/11
……
…
「ただいまー」
なんだかんだで思ったよりも遅くなってしまった。
シロ姉、怒っているかな?
どうも心配性だから、しばらくはムスッとして怒られるかもしれない。
電気が消えているから、もう寝ちゃったかもしれない。
明日は朝一で謝らないといけないな、などと考えていると、机に突っ伏して寝ているシロ姉を見つけた。
「おかえり、京」
「シロ姉!?」
「私、待ってたよ。ここで、待ってた」
どこか虚ろな眼差しをしている。眠いのかな?
あんまり心配させるのも彼氏失格だよな。
「シロ姉、起きてたならこれ」
「?」
「初任給で買ったプレゼント。
これから寒くなるからさ、マフラー買ったんだ。
それに、シロ姉カッコイイ系だし、似合うと思って」
シロ姉がマフラーをしているところを想像する。
ボケーっとしている時ならともかく、真面目な表情ならばさぞ似合うだろう。
7/11
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ | 「……ありがとう」
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } /
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
/.:.:/:.:.:./‐/ >、 _ ... イ ゝ ヽ
l.:.: ′:.:.|‐| λ´ ` < _
. 人::|:.:.:/::|‐| `ヽ ィ´ / 7:.:.:. ’,
Y:.:.:.';:.:/:.:.:|‐| / /:.:.:.:.:.:.:.:
}.:.:.:.Ⅳ.:.:.:.|‐| , ' ソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
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__ i ー ' ! __
, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
8/11
……
…
「霞、ありがとう」
「私は何もしてないわよー」
結局、私の手を受け取らずに待つことを選んだようだ。
胸が痛くて、苦しくて、何もできない中で待つのはとてもつらい。
それでも我慢して、京を信じることが出来たみたいで良かった。
「相手を信じられなければ、いつか必ず破局する」
ふと、こちらの京を見る。
9/11
「うげー、気持ちわるー」
「あっ、京ちゃんおかえりなさ……。
また飲まされたの?」
「いや、酒は控えめにしてたんだけどさ。
連れてかれた店が臭くてなんのって……」
「……そう。
おっぱいが大きなお姉さんはいた?」
「いやもう、すごい人が……。
あ、あの、咲さん?」
「香水の匂いでわかるよっ!
キャバクラにでも連れて行かれたんでしょう!?」
「ゲーっ!?
つ、付き合いでな!?」
「ふーんだ!
とりあえずその匂い、全部洗い流すんだからお風呂に入るの!」
「あ、はい。
……あ、あの咲さん、なんで一緒に脱いでるの?」
┐
/::::/
/ /::::::::/...-―≠ニア{
/{ /:::::::::::::::::::::::::::::::-=<...
{::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::-=く:::::\
〉::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\⌒
/:/:::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
/:::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.⌒丶 __
⌒i::|:::|:::::|::|:::::::::|:::|::::::::|::::::::: |::::::|乂__ /: :.:|
|::|:::|:::l:|::|::::l:l::|:::|::::::l:|::::l:::: |:l::l:| ̄/: : : : |
|::|:::|:::l:|::l::::l:l::|:::l\从:::l:::: |:l::l:l/: : : : : :/ 「匂いを洗い流したら、上書きするからだよ?」
|从:|::从八从乂{´廴}乂::::从劜: : : : : :./
)イ::圦 , ∧/----: : :__:_/
}//> . - . イ:::::: : : : :/´ ̄∨ ̄ ̄\
. ___∠{: : : : : :| ̄ _」::: : : : :./ l| | |__
// ∧: : : : :.ー―.:: : : :/} ___ } リ リ
ノノ \{ {\: : : :. .: : :/ニ/ l/ ̄\__彡'-- 、 \
{ {  ̄ハニ、:_:_:.//ニニ/ | \ \
/\ ___/ |`ー ‐┼┼≦___} -=ニ三三三三ニ=- \ \
/ / ̄ ̄ 八 ,{三三三三三三三≫  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` \
. ´ / } \三ニ=- ̄{ ̄ ̄ \
/ / | \三三三ニ=- __
/ / _| /≧=====┬=ニ三三三ニ=--
. / / {廴___/´ / ̄ ‘, ___ .... . -――-
/ / ____. .: ::| \ ___/ --- ‘, /: : : : : : : :./::}:_:_:_/::
,/ / ̄ ̄/: : : : : /: : :人  ̄ ̄ /: :|: :\: : ̄: : : : : : : : : :/::/: : /::::::
10/11
……
…
あそこまではいかなくても、生きていく上で相手を信じなければやっていけない。
「ねえ、少し聞きたいんだけれども」
「どうしたの?」
神妙な顔で霞がこちらを見つめてくる。
「もし、あの子がマヨイガを求めていたらどうするつもりだったの?」
ああ、確かにそれはあり得る話だ。
あれだけ追い詰められていれば、目の前に差し出されたご馳走に手を出してしまうこともあり得るだろう。
それがいけないことだ、なんて言うつもりはない。
……客観的に見れば、の話だ。
もし、その手を取ってしまうのであれば―――
11/11
/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「京を悲しませるのなら、自分だって許さない」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
1/10
「たまには運動しないと太っちゃうわよ?」
「……」
巫女服とパソコンという、不思議な組み合わせに説教される。
しかし、家を占領して小説を書いている人が言う言葉じゃない……。
「私は監視役」
「はいはい。
そんなこと言っていないで、たまにはちゃんとお外に出なさい」
「用事がない」
「それなら、あそこの大型デパートで京太郎さんたちへのクリスマスプレゼントを買ってきてくれないかしら?
お高いのでいいわよ。お金は後で出すから、ね_」
「クリスマスプレゼントを代理で買いに行かせる人がどこにいる……」
「だ、だって締め切り間際なんだもん!」
霞に呆れて溜息をつきたくなるが、何かと世話になっている相手だ。
私としてはイベントはどうでも良いのだが、霞はイベントに目がない。
巫女としてそういうものに関わっていなかったから関心がある、などと十年前には聞いたが、今考えるとたくさんの少女漫画に影響されただけだろう。
呆れながらも、霞には貸しも借りもある。
不本意ながら、外に出向くことにする。
2/10
……
…
_ \ー- 、
∠二 _  ̄\ヽ !
-=_,,ニ二_ ヽ )} }
/ _,, -‐ ゝ ノ、
/ / ヽ
/ / }
.ノ / ヽ`ヽ、
/. / / l ! l ヽ
/ / / / / .} l .l }ヽl⌒ )
./ / / /}∠!_ ./l__l__ l l l
/ ./ / { /7____| /´j_∠!_/! リ }
(/{ { / \{/(。::厂`;ノ ´(。厂)トノ\人
乂 .八ハ / l ,,,`¨ ¨,,, ∧ ,ゝ
` )/从 l、 ` / } .l 「んー……」
_,,,../l \{::\ , 、 ./、ノヽ/)ノ
,, -<//////∧ \::::>..._ ,,..イ∧ ヽ
/ \ ヽ/////∧ \ / .}///l }
./ .、.}/////∧ 〉∧ .|///l l
/ }.l//////∧ ,.ヘV∧ .l.//∧ .l
/ ////////∧/ }::::} Y////∧ノ
.〈 , イ/////////∧ノ:ハ:ヽl.//////\
./\ / }////////////∧イ Vl.////////ハ
いざ外に出てみれば、寒い、だるい。
今年の夏は異常気象だなんだと騒がれていたのも懐かしい。
気づけば冬は寒いではないか。なんだ、いつも通り。
そう考えると、マフラーや手袋を買うのも悪くはないかもしれない。
だが、そもそも暖かくなるまでマヨイガから出なければいいのではないか。
……ふと、雪ではしゃぐ京の子供達の姿が目に浮かぶ。
やっぱり、少しの防寒具は揃えてみてもいいかもしれない。
大型デパートの婦人服売り場はクリスマス前ともあって、店員が待機している。
少し見ているだけで声をかけられて、ダルい。
こういう場所では、ほとんどが女性客、店員も女性なのが普通。
その中、居心地が悪そうにキョロキョロと辺りを見回す男が一人いた。
3/10
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/
从 ' 八/ 「(居心地わりー……!)」
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
/////////\} 「/〈////////\
/////////////|--、 r-|/ イ//////////\
//////////////∧、__「//////////////// \
{//{////////////〈 ∧ }///////////////////}
|//|/////////////V/\ //////////////////'//|
なんだ、あれは京だ。
なぜあんなところでフラフラしているのだろうか。
ふと声をかけようとして、自分の身だしなみに気づく。
そこまで悪いわけでもないが、好いた男に自信を持って見せられるような格好ではない。
少し顔を赤くして、その場を去ろうとする。
「あっ、シロちゃん待って!」
「!?」
後ろから呼び止められる。
こうして人を間違えることを恐れずに呼び止めるのは京の美徳だろう。
声をかけられるだけで、先ほどまで焦っていた自分の姿などが吹き飛んで、嬉しさが胸を飛来する。
ニヤける頬を一生懸命ポーカーフェイスに持ち直し、くるりと振り返る。
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ |
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } / 「……何?」
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
, ´∠ニニ>、 _ ... イ / \
/ /ニニニニニ7 λ / /入
/ {ニニニニニ7/「八. / //二\
4/10
「よかった。シロちゃんで合ってた」
「よくない。
未成年を呼び出す成人の男……」
「わわっ、彼氏と待ち合わせとかだったらごめん!」
「……違う。彼氏なんていない」
気遣いとはいえ、自分が京以外の男に目を向けると思われているのが癪だ。
京以外の男どころか、京以外すべてがなくなってもいいと思っていたこともあるのに。
……今は、霞、咲、玄、そして子供達と私の世界が広がった。
恥ずかしいから、霞に言うことはないけれども。
「ちょっとお願いがあるんだけれども」
「何?」
「そ、その、クリスマスプレゼント選びの間、アドバイスくれないかな?」
「え?」
「婦人服コーナーって男一人だとめっちゃ居づらくてさ……。
今までは本当大変だったんだ。シロちゃんが良ければ、だけどさ」
「……いいよ」
「よっしゃ!」
「でも、(見た目)未成年に貢ぐ成人男性にしか見えない」
「じ、事情を説明すれば大丈夫だし!
ほら、俺とシロちゃん似てるから兄妹ってゴリ押そう!」
「……ふふっ」
事情を説明するときには私の本当の年齢もバレてしまうのだろうか。
私は構わないけれども、芋づる式で霞の年齢がバレるのはかわいそうだ。
それにしても。
5/10
_,,.. -=Z__
. -‐=二..,,_ '"´⌒``ヽ、
. -‐=く `ヽ、
/ `ヽ、 `ヽ、
. , ´ '~ア , \ `ヽ、 `ヽ、
, ´ / / :| ヽ、 `、 ー-ミ
,′ イ :| :|\ `ヽ、 `、 `ヽ、 {
{/ ;ノ| . :| :, j| `ヽ、 `、 `、 \;
{/:ノ ;八 { 八( ̄ ̄\ 〈\} }\`, `、
. {: .;ノ|:┼‐ \ \_Z斗≠=ミ\ヽ、! } } :}j ;
. 乂l 人」斗=ミ\Ζ 乂_,ノ }ハノ `,丿 \j
人 ハ}乂丿 | \ `;(\ノ
\ハ , ノ `:, }ミ、
. } 厂`、 :}} ;ハ 「姉弟、か」
∧ . : ! ; 从 ;八j
/ /\ '⌒ . : . : . j j ;,:仏イ
. / / : : ;ヽ、 _...:::ア . :/|人ノ
. {ー|: :/{: : : : :Tニニア¨}:/___/ /⌒\
. 人:{ \_(\_厶ミ{∧ ,: \__
_//{ ∨⌒;〉 . ´ /⌒\
,:´:| ,′〉に)/ ∨ / . \
_/ :丿 j/ ∧ \/ ,: . . . ‘,
/.:/ {___/ }____ノ .′. . . |
「や、やっぱり不満?」
本当はとても嬉しいのだけれども、それは決して顔には出さない。
自然と出てくる単語でもあるまい。
けれども、まずはどちらが姉か、兄か、わからせてやる必要があるようだ。
6/10
……
…
「それで、何を買うの」
「子供達の分はおもちゃとかを買ってあるんだ。
嫁さん用にマフラーと手袋を、ね」
「へぇ……」
「なーんか連れ添いも長くなるとプレゼントもループしちゃうんだよねー。
ってこんな話されても嬉しくないか」
嬉しくなくて、嬉しい。
あなたがそうして見ている女性が私でないことがちょっと悔しい。
それ以上に、あなたが幸せそうに咲について話すことが嬉しい。
京と私が親戚同士なんて、この世界の京は知らない。
だから私は姉でもないし、恋人でもないけれども、京の幸せを祈っていいはずだ。
そう、もし京の幸せを阻害しようというのなら……私も……。
「うりゃ」
「?」
「シロちゃんの髪の毛って綺麗だから、こういうの似合いそうだよねー」
「……」
「そういうビジュアル系の服装もカッコイイけど、こういうのイイよね」
そう言って私にいろんな服を当ててはウンウンと唸り始める。
……本来の目的と違うでしょ。
7/10
/ / | | | | | : l :l | | :| | |
/ / | |__ | | | | | : l :l: /| | :| | |
. /// | |\ |‐\八 | | | |__,l /-|‐ :リ リ | |
/ / - 、 :| x===ミx|‐-| |:`ー /x===ミノ// / :∧{
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いくつか品物を漁っていたと思えば、急に思い立って商品を手に持つ。
何を思ったか、いきなり私の前にやってきては、自信満々にマフラーを巻いてくれる。
京の体が近くて、大きな背丈にドキッとして、肩幅の広さからくるコートの大きさにキュンときて、男の子の匂いにクラッとくる。
でも、気づいてしまう。
そういえば、平行世界の自分は京にマフラーを買ってもらっていた。
私はこうして、それを目の前で見ているだけだ。
全て咲へのプレゼント選びのための代替に過ぎないと考えると、どうしようもなく胸が痛くなった。
「やっぱこれだな!」
「嫁さんへのプレゼントは、決まった?」
絞り出すように声を出す。
京を不安にしてはいけない。
「?
これはシロちゃんへのクリスマスプレゼントだよ」
「え?」
「今日付き合ってくれたでしょ。
そのお礼。シロちゃんにはお世話になってるし、どうぞ!」
「……これ、結構するよ」
「しゃ、社会人の財力を舐めちゃいけないな」
「お小遣い制なのに?」
「な、なぜ知って……、とにかく、これは俺が君にプレゼントするの!」
もう決めた! と言い切って店員さんを呼んでいる。
店員さんと京が表に出していない在庫の確認をして、どうやら見つかったようだ。
「じゃあ、包装してください」
「ここでつけてく」
「あっ、寒いからその方がいいかもね」
「……うん」
8/10
<
// ´ ! 丶、 \ \
/ / / ! ', ヽ ヽ \ \
/ ,' l ', \ ヽ、 ヽ \
' ,' !',, ', ` 、、 ヽ ヽ ヽ
{l ,' l . l ヽヽ ヽヽ ヽ \
/ ,' l | \ \ヽ"'' - ,, ヽ~\ ヽ
! | !| \ < ~ "' 、 ', ! ヽ , \ ヽ
,' /! .∧ __ ~ー ヽ < ,,x≦ }ヾy、', / }
,' l ,'! l !l 、~ ',丶-- `  ̄彡ヤ"::o:::::} }/ }/i / \ ヽ ,'
{ ,' !| |! ∧ヾ __ ≦ ===ミ 弋:::::::::ノ ./、 ヽ |/
、 . ! | | | ∧ .|l ヤ:::::o::::} ¨ ! } \ ',
、| |.∧ 、 廴::::::ソ | / ヽ ,
| 、∧ , |' ヽ ヽ / 「ここで、つけたい」
| | ヽ ', /// /// / ',ヽヽ }
| ', ∧ ,' } ヽ! /
/ \ヽ 、 ,-_‐、 イ ヽ! //
', ! ', 、ー > |
丶 丶、 \ > イ .!__
 ̄ -| ` ‐ | 八
/ ヽ! / ヽ
/ \ イ |::::<..
,, - ''"| ` ヽ / 、 l:::::::::::::::::::...<
9/10
……
…
そのあとは、京のクリスマスプレゼント選びに付き合わされた。
咲の分が気合が入っているのは当然として、お世話になっているからと霞の分、玄の分、照の分まで買っていく。
そんなにお財布の中身は入っていないだろうに、背伸びをしているようだ。
少し聞いてみたら『それでも男には見栄を張らなきゃいけない時がある!』なんて力説された。
あとはお礼として少しスタバでコーヒーを飲みながら談笑をして、解散した。
最後までずっと、家まで送ると言い続けていたが、それは逆に困ってしまう。
私にはマヨイガがあるのだから、外に出るときにマフラーをつけることも少ないのだけれども。
しばらくはマヨイガの中でもマフラーを付けてしまうからもしれない。
そのことについて、霞に言及されたらどうしよう、なんて思ってしまう。
〃-‐‐-----‐'/´
,, - '' ー '、
´ ヽ\
/ / | | ヽ \
/ ,/ /| l _<
ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ
 ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃
j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ 「ダル……」
/ 廴 /// /// | }
{/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/
/ 〉 | 〉、 "
/`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
,' |:::::ヽ「」/::::::ヽ,
l !:::::〈/ヽ〉:::::::::}
└t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ
いつもの口癖が漏れてしまう。
恥ずかしくなってマフラーで口元を隠す。
京の選んでくれたマフラーが顔一杯に広がって、ますます顔が赤くなる。
今日はダメだ。もう、誰にも顔は見せられなそうだ……。
10/10
……
…
「え、えらいもん見てもうた……」
自分のライバルの想い人が、まさか援交をしているなんて……。
チラッと見たくらいだが、そこそこの年齢差があってお互い親しい仲に見えた。
仕草から自分の想像してた通りの優しい人だったことがわかって嬉しいが、それとこれとは話が別だ。
まずは、やらねばならないことがある。
, '{ _,,
./::,' , ィ ン´
`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
, . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
'´ /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
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/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ 「て、照にも伝えんと!」
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
,ィ≦壬ニニニ{ }ニニニニニ≧s。
,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、 ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
/ ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、 .i!ニニニニニニン ,
カン!
298
不意に接触したり密着して慌てるシロ見たいな
300
勘違いの深まるセーラ
>>1にある通り、久出せなくてごめんね。シチュだけはなんとか
1/11
319
宮永家の忘年会
宮永照です。
今日もセーラと二人でお食事会。
二人して一緒に遊びすぎと思われるかもしれないけれど、毎回それなりの期間が空いていると思って欲しい。
今回もセーラに『相談事がある』と呼ばれて来てみれば、もじもじと顔を赤くする女の子がそこにいた。
一度女の子っぽい仕草を教えてからはすごく可愛い。
いつもならば後ろから陽気に抱きついてくるだろうし、一体どうしたんだろう。
「あ、あのな。照」
「うん」
「落ち着いて聞いてほしいんやけど……」
神妙な顔つきで顔を上げる。
この感じは……、前と同じで恋の相談かな?
それならばまたとしても恋の伝道師マジカルテルーが一肌脱いであげるしかない。
あっ、安心して京ちゃん。私が肌を見せるのは京ちゃんの前だけだよ。
そ、そんなに見たいなら、京ちゃんのためならいつだって……。
「そ、その、この前照の言う『京ちゃん』を見かけたんやけどな」
「?」
トリップするところを現実に引き戻される。
京ちゃんの話?
偶然京ちゃんを見かけるなんて、本当にすごい確率だね。
一体どうしたんだろう。
2/11
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./::,' , ィ ン´
`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
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,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
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, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
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/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ 「そ、その、女子高生っぽい女の子に何かをプレゼントしてたんや」
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
,ィ≦壬ニニニ{ }ニニニニニ≧s。
,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、 ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
/ ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、 .i!ニニニニニニン ,
, ヘニニニニニニ=i!´ `i!ニニニニニン ,
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/: : : /: : : : /i: : : : : : i: : i: : : : : : : ',: : : : : ',: : : : ヘ
//.: : : :′: : :/ i.: : : : : : |',: :i゙、: : : : : : ',: : : : : ',: : : : :.',
/ :/: : : : i: : : : :′l:',: : : : : :i ',: ',. 、: : : : : :i: : : : : :',: : : : :.',
/ ′ | : : : :i ',:',: : : : : i ',: ', 、: : : : :i: : : : : :.i: : : : : i
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i:ハ: : : i: i 斤ハ ミ、 ゞi ち:::::::;ハ ゞ: : : :/ : : : : : :i
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3/11
「よ、よく似た別人かもしれへん」
「そ、そんな……」
「俺だって考えたくないけど、どう見ても援交にしか見えへんかったし」
「きょ、京ちゃんがそんなことするわけないよ」
「そ、そうやな!
すまん。きっと俺の見間違えやわ!」
「見てた感じはどうだったの?」
「そんなに凝視してたわけやないけど、やけに楽しそうやったな。
婦人服売り場に男がいたから珍しいなーって思ってみたら、よく似てたんや」
「わかった。ありがとう」
「あ、あの、照……」
「セーラ、大丈夫だよ」
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|l: : : : : : λ , ハ: : : : : : :|
i|: : : : : : :込、 __ __,. ,イ: ! : : :、 : :| 「私にいい考えがある」
__|: : : : : : : : :|__,. ー‐ ´ ./|:|: : : : : ハ: :|
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|l : :八: : : : |.:::′ /:::::|: /|: :/_ '}
八:/ \: : |:::|-- 、 --/ .:::::|:/ |:/
\|:::ト-========イ }' .ノ'
4/11
……
…
須賀咲ちゃんです!
今日は宮永家の忘年会!
クリスマス前にやっちゃうのは、みんなの都合です。
まぁそんな改まってすることじゃないけれども、こういうのは形が大事だよね!
家族みんなで揃って乾杯の音頭をとって、集合することが重要なんだ。
「さて、今日は飲むぞー」
「お父さん、また酔いつぶれたら外に放り出すよ」
「手厳しーな、咲……」
「京ちゃんも酔うと面倒臭いんだからほどほどにしておいてよね!」
「そう言いながら後ろにめっちゃ酒が見えるんですが……」
べ、別に京ちゃんを酔わせてデレさせようなんて考えてないよ!?
今日は家族もいるから、あんまり激しいのは……って何を言わせるの!
そうだ。お姉ちゃんはお酒を飲まないように注意しないとね。
そういえば、お姉ちゃんの姿が見当たらないなぁ。
さっき準備しに行くって言ったけど、何を準備しているんだろう。
5/11
……
…
/`ヽ . - ─ ─- .
/`ヽ . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼ .
/ /´ __.rr.─‐┐ノ:´Y´ .: : : : : : : : :_ 人 _: \
し ' r<´ |ll: | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ ←白糸台の制服
} └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
> ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
. /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧ 「vチョリースv
/: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
. /: : /人.N: : : | ⌒ ー '' 「笊ckくj /:/:./: /:.∧ みゃながてるだょ」
/: : //: : ヽ!: : :.| """" 辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
. /: : //__人_:j: : : | , """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
/: : //: :.`Y´.|: : : ト、 、_ /. :i: :.:| `マ}
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\ ー ' . イ. :人_ | i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|. \ . イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
\ \ !: : ::l:.|  ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l `Y´
\ \ 从: :.j:.| |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ l
ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
--/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
/ : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
/': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
/: :イ7: :{: :从{ __ {/\{ _从ハ : : /: : :.|
'´ |: 八: :| ((__)) ((__)) |: :/} : ハ:|
|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }'
|/ `ム , ‐--‐、 ムイ: /
个 . ー― ‐' 个从{
\:}`}>-<{:/}/
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∧ \:\:::::::∧ /:::::::::::///
l ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´ }
| } \//ヽ、∨/´/// } |
6/11
「……お、お姉ちゃんが壊れた。
年明け前に壊れた」
「うわぁ……。
照、その年になってそれは……」
「照さん何やってんですか」
「 禾厶 レよ 普 ぇ甬 ナニ″ ょ 」(私は普通だよ)
「いやそれが普通なら放送事故起きますから」
「京ちゃ ω レよ ⊇ ぅ レヽ ぅ @ カゞ 女子 、キ ナょ ω τ″ ι ょ」(京ちゃんはこういうのが好きなんでしょ?)
「はぁ!?」
「ちょっと! 京ちゃんまたなんかしたの!?」
「またって何だまたって!
何もしてねーし照さんどうしたんですか!?」
「京ちゃん、羨ましいぞ!」
「お父さんうっさい!
出てくると話進まないから端っこにいて!」
「いくら何でも手厳しーぞ、咲……」
「 ⊇ @ 前JK ー⊂ 歩 レヽ τ ナニ っτ」(この前JKと歩いてたって)
「……京ちゃん?」
「えっ、誤解だ誤解!」
7/11
. ¨  ̄ ̄ ¨ .
. ´ `ヽ
. ´ :.
′ :.
/ :.
,′ ;.
/ /
/ { ニニ二三三二ニニ /
/ \ ニ二二三三三二二ニ / イ
/\_ \ ___ ニニ二三三二ニニ ∠ イ |
/ ,ィ  ̄ ̄三三|:ニニ三王 三l 三|ニニニ= | | |
. 厶イ | i 二| 三トニ二三ト、三ト、 ト、ニニ= | |/
j j从| | |、 | | | ト、ニ王ニ{{ o }}ニ= | ! 「この前の制服えっちじゃ物足りなかったの……?」
| ト、圦乂| 乂| \{ \| ヽ{ヽ{ イノ
乂_{ jハ 从イ/´
-=ニ`ト . - .イ二ニ=‐- 、_
r=ニ =ニ二|`ト _ . r |二ニ ニ7 }ニ〉
ハ マニ ニ二ハ !二ニ / / /ヽ
. / Vハ \ ニ二ハー- -一 j二ニ / / / ∧
′ \\\ ニ二ハ───‐/二ニ //イ /
| \\\ 二∧ /二ニ ///,/ ,/ 1
| }八 {\\\ 二∧ /二 /// // ∧ |
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
\ / |
__ i ー ' ! __
, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
/:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
/.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
!::|::|:::i| }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
. ノ::|::i!::i:| ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
`┼'7 リ /::ト! 「うん」
. | ヽ ィイ:::::|
、 -―‐ / }:!:::トヽ_
丶 `゙ ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
"',、__,,、ヽ ! / | `ヽ
// \ i /_ ! _冫ー、
/ /n ハ | \. | / ヾ、
. / //ノ {_ ! /f'" \! / :/: i
/ レ \_ |` イ ′:!: |
ハ `ヽ ノ ハ / /: |
8/11
「ちょっと待って!
私も着てくる!」
「いや着なくていいから! どうしてそうなった!」
「母さん何処行くんだ?
母さんまで着ようとするのは無理があるってレベルじゃねーぞ!
……あっ、やめて首締めないで連れてかないで」
「そしてお父さんは退場した。
それで、どうかな京ちゃん」
「いや……、まぁ……(可愛いけど28でそれは何も言えねぇ)」
「(´・ω・`)」
「似合ってます! めっちゃ似合ってます!」
「(`・ω・´)」
「ほ、ほら! 京ちゃん着てきたよ!」
「咲、着替え早すぎ……。
じゃなくて、無理に着ようとして下着とか色々見えてるから!」
「ど、どーせ脱がすんだからいいじゃん!」
「いや、見えそうで見えないものを侵略する方が……。
じゃねーよ! 子供もいるんだってばいい加減にしなさい!」
9/11
……
…
「な、なるほど。
シロさんとクリスマスプレゼントを選んでいたんだね。
確かに女子高生に見えるね」
「(見えるも何も女子高生だろ)
まさかこんな最悪の雰囲気でクリスマスプレゼントを渡す日が来るとは思わなかったよ」
「京ちゃん、ありがとう」
「照さんにも誤解は解けてよかったです」
「?
誤解なんてしてないよ」
「え?」
_. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
/: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
/: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
/ : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
|: : : ,: | , V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 「京ちゃんが浮気なんてしないことはよく知ってるから」
|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
|: :/|: 从: : : . ‘ ’ イ |: :/ : : :/: : :/
|:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨: : : /: : :/
}' / ||:| ∧ /,': : : /: : .イ
/ ||:| / _,./ / : イ:/\
/ ∧:{ /⌒\´/ ´ ´ 、
, {:.:\、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、
/ ∧:.:.:. ∨ /_,.:.―:.:.´:.:.:.// Ⅵ |
{__ , \:.:.:{_/-- ´:.:.:.:.:.:.:./ , マ |
//≧=- 〉介、______/_ / } |
//> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄,:' | |
,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
10/11
/ / /| | | ヽ \
. / / / / / | |. | | | | ', ヽ ∧
/ / /./ / | | | | _|L.--|.,,,_ | | :l ',
/ / | ト|_,r|''´|`:| | |\ | `ト| :| | :|
/ | | ィ| |─ト :|ヽ | / ̄V| | :| | | |
/ | レ´| \|_\| ト、. |::::彡三=、 :| ./ / / !
/彡イ | ト| 彡 ─ヾ:\|::::\::::/,'⌒ヽ \/ / / |、
. | ヽ ゝ///;'⌒',ヽ:::::::::::::::::::::|:!::::::::::!:| ||イレ' | ハ!
. | ト、 || | ';::::::::!:|:::::::::: ヾ、;;;;;;;ノ |/ ハ / | 「じゃあ何でこの騒動起こしたの……」
. | ハ, \:::ヾ.;;;;;...' , ハ / /
. | /ヘ ヽ..ハ ハ// /
/ \トハ ー_,ア ノ'´//
|ゝ、 //イ/
|人> ._ <:| / /
\|\| ー< :|´
| :|> 、
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~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「きょ、京ちゃんに褒めてほしくて……」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
11/11
……
…
・その後
「京ちゃんに聞いてみたけれど、誤解だったよ。
知り合いの子だったみたい」
「そ、そか。
いやー、よかったわ!」
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「うん。京ちゃんは制服好きだった」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
',、 ,-‐,-
',`::.、 ,-..´/___
,..-‐`:::::`ー´::::::´:::::::::::::, ´
,....‐´::::::,::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー-、
,´ ̄ ̄>´/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:::::::::::::::::::::::::::::::/`
/:::::/://:;:::,|::::::::::::::|、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/:::::::|//::/ |:::i::::::::::|ヽ:::::::::::::::::::::、::::::::::::: ̄>‐、
/.:::::::::::::|::|:/\ i:::|、::::::| ', 、::、:::::、丶:::::::::<´
/_::,::-‐/::/ ``|| マ::::|,-‐´丶',、::.',:::::|:::::::::::| ̄
/::::/|´| ̄`iヾ マ:|イ ̄ `ヽ ',:i::/:::::::、::\
/,-‐/i^|. |つ:::| `i |つ:::::::ノ` ',/‐、::::|\:::ヘ 「!!!?!!?!?!?!?
/::ト.| ー‐ ー‐‐´ ヒ ノ、:ヘ、.\|
// | //// //// ,‐´::|`ー丶 (お、俺も制服……、現役でも着られなかったのに着られるわけないやろ!)」
´ 丶、 ┌―‐, ノ i、:::|
` ‐ `ー‐_ -‐ ´N` \|
,┌/ iニヽ- 、
,-‐´;;;;/`ー‐´|;;;;;;;/;;`ー、
,-〈;;;;;,;;;;/_ |;;;;;i;;;;;;;;;;;;;,`ー、
カン!
電波組だすと収拾つかなくなっちゃうので
1/11
214-215
家族で奈良観光。お土産を買う
304
取り込まれるユウチャー
須賀咲ちゃんです。
いつぞやの奈良旅行の続きだよっ。
「やっぱり旅行はいいなァ」
「最近あまり出かけないもんね」
「咲は前から出不精だろ」
「む」
うう、痛いところを突かれたかもしれない!
まぁ、人には人の好みがあるから仕方ないよね。
私は外でアクティブに動くよりも家の中で京ちゃんとイチャイチャしてる方が好きなの!
言わせないでよ恥ずかしい!
「時間があるうちに会社の同僚にお土産を買っておこうかな」
「京ちゃん、お菓子?」
「そうですね。うちで食べる用のお菓子も買いますか」
「それで理解できるんだ……」
同じ『京ちゃん、お菓子』にも色々な意味があったらしいです。
お嫁さんを差し置いてお姉ちゃんへの理解を深めるなんてどういうこと!?
むー! もうちょっと私への気遣いともなんとかかんとか!
「いや、咲へも頑張ってるでしょ」
「ぅひ」
や、ヤダ、心読まれた!?
呆れたような顔をするのやめてよ!
2/11
「奈良って何が名物なんだろうな?」
「大仏プリンとか聞いたことあるよ」
. :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、 イ
/: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : . ニlニ
/: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧ |
/: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :, イ
 ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
. 八: : { l ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l 「プリン!?」
/:リ \N '~⌒`` ´⌒``〕/ ;__: :八
. /:/: : : :ハ """" ' """" '// /: 〔、: :、
.: /:__: : : :圦 lヽ r ┐ // /: : /): :\
/: l l\\: : : :| .! ノ .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ
.' |八 :\\__| .!> __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
. .′ V.rヽ _|___ | /_〔 ̄ | V 〕
//.へ`ー-:.、Υ 八 l |
|{/´ ̄〕 !、___/ヽ /' \
. 八 '′ l / ∧ 〈 、 \
/ \ .'. / /_ ∨´ \
/ -‐== / ∧ / / :_ :./⌒ヽ. >
\............./ =- V / -‐=':._ ∨ヽ__/
Υ⌒/ .′.:〔二〕´ :._ V´/
|ニ/ : ∧〔\ 八 ∨
|_V .! :/ N' \ 个:、_/
「……咲。プリン買って帰ろうか」
「……そだね。うちで食べるようにいっぱい買っておこうか」
プリンと聞いた途端、お姉ちゃんが目を輝かせて京ちゃんを見つめている。
もー、隙あらば私のプリンを食べるし、本当にプリンに弱いんだから……。
「京ちゃんプリン!」
「いい子にしてたら買ってあげますから」
「えへへ」
この姉、アラサーである。
というか、京ちゃんもお姉ちゃんに甘すぎるんだよ!
3/11
「もー!
玄さんのお姉さん、他に何かいいお土産はありますか?」
. / : : : : : : : : : : : 〃: : : : : : : : ::|!: : : : ::|: : : : : ::|: : : : :
′ : : : : :〃: : ,' |: |: : : :: :: :: ::|V:::: :::::|: : : : : ::|: : : : :: |
′ : :|: : : : : : :Y'イ: ::′! :!,: : : : : : :w! V: :: ::|l: : : : : :|: : : : :: | }; !
l: '|: : :| : |: : : : : j: { !: :{ノ^~:|∨: : : : : : |^>:、:_| V!,::: :::|: : : : :: | |; !
|j l:::::::| : |: : : --|l--‐ヘ7 V 八: : : : 乂! \:!`ー─+: : : :: |ミ′ ′
|i' !::::::|: : V、: : : |V /⌒l \: : ヘ /⌒li Y: : : :: :: | ″
|l V:::|: : ::ゞ入: | {! }! `ー'' {i }l |: : : : :: 〃: : :
´ ∨: : : : : :レ |! |! 、 r !l |! 、j: : : : : j/: : ::
|: : : : : コ! ! j' }==( |! j' )コ:: : : :: /: : : 7
|: : : : : : ゝ 、 乂ノ ノ ゝ 乂,ノ イ: : : : : : :': : : 〃
|: : : :: ::|  ̄ ̄ ー─ ´ ': : : : : :/: : : : イ 「わわっ」
|: : : :: ::| """"" """" ′: : : :/: : : : : /{
|: : : :: ::ヘ /⌒ー'⌒ー' ⌒ヽ ′: : ::/: : : : : /::′
|: : : : : : v\, { __ _ ) ,ノ: : : ::/: : : : : /: :{
: : : : : ::∧ >- ー '  ̄´ `二´-─</:: :: ::/: : : : : /: : :|
∨: : : : ::∧  ̄`´ /: :: ::ノ: : : : : /: : : :|
〉: : : : : :∧ ´ ̄ /: : //: : : : :/|: : : ::乂
/: ∨: : : : :∧ ノ: イ: :/: : : : :/ `ヽ: : : ::\
急に声をかけられてびっくりしたようだ。
思えば、私が率先して誰かに声をかけるのも珍しいと思い、自分でやっておいて恥ずかしくなる。
しかしそこは長年の客商売で経験が培われているのか、すぐに持ち直して笑顔で対応してくれる。
「えっと、奈良漬けや鹿サブレが有名ですよ」
「奈良漬けはお姉ちゃんには合わなそうだね」
「甘いものがお好きなら、生チョコもオススメです」
「チョコ!?」
お姉ちゃんが甘いものに反応してガタッとこちらに振り向く。
……玄さんのお姉さんと私のお姉ちゃんって同じ年齢だよね。
ああ、この人のお姉ちゃん成分が少しでいいから私のお姉ちゃんにあればなぁ……。
「あとは実際に見て決めてみるのがよろしいかと」
「それじゃあ、この辺りにいいお店ってあります?」
「当旅館でもお土産屋はありますが、専門のお店もありますよ」
そう言って何箇所か教えてくれたので、そこに行ってみることにしました。
4/11
「ここかー」
「京ちゃん、お疲れ様」
「そういやこのお店、インハイの時に咲と打った高鴨さんのところらしいよ」
「わわっ。そう思うと緊張してきた……」
「なんで……?」
コミュ力高い京ちゃんにはわからないのかもしれないけれども、前に会ったことがある人って逆に接しづらいの!
一方的な知り合い感覚で接されて、こっちが覚えてなかったりするともう……。
「あの子はコミュ力高そうだし」
「それが怖いの」
「はいはい」
あっ、ちゃんと聞いてない!
もー、そういうところは減点だよ!
「早くプリンとチョコ」
「いや、ここで売っているかはわかりませんよ」
「(´・ω・`)」
お姉ちゃんはお菓子が絡むと知能が低下しすぎじゃないかな?
ちょっと緊張しながら、お店に入ります。
5/11
__
. : :´: : : : : : : : :`: .
/: : : : : : : : : : : : : : : : \
.´: :/: /: : : :∧: : :ヽ: : : : : ヽ
/: : / : :/ : : : / ヽ : : ヽ: : :',: :ハ
/: : :,': : /: : : /,′ }:i: : : !: : : i: : :';\
': !: : !: _ハ:{: : ハ! }ハ: :_:レ: :}}: : : ! : ヽ
{:i: : :{: :/Tニヽ {! jイ:ノハハハノ : !:}: :ヽ:ヽ
i:ハ: :ハ: i/ん:ハ` ゙ん:ハヽi: :i :ハ}i: : : ヽヽ
iハ: ハゝ 辷ソ 辷ソ "ハ:レ: ノ: : : : ヽ:ヽ
/人 ! ' /.ィ:}: : : : : : : ハ:.}
{:{ ', "" r――┐ "" ′V}: : : : : : : } }:}
{:{ ゝ, ヽ ノ イ ∧: : : : : : :/:/ 「いらっしゃいませー」
,ヾく: ̄::i:::::ェ- --ェ彡!: ̄::::ハ}: : : : : //
. /:::i:::::::::::::ヽ\::YY:/:丿::::::::´::ハ} : : : //
/:::::::へ┐::::::\:::l l::::/::::::::::::::::j:::V : ノ
ノ:::/ヽ‐二>、:::::::::`:l l:´:::::::::::::::::::V:::::Vノ
ノ::ィ::ヽ::`<´,.)::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::!:::::::ハ
/::/:::\:ヽヽ:::フ::::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::}::::::::::ヽ
. /:ノ::::::::::::::::ー:Y:::::::::::::::::! !:::::::::::::::::::::::j:::::::i::::::ヽ
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,. . ―――. .、
,. :´ : : : : : : : : : : \
/: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
.': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
/:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
/' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从 「またこのパターンかっ!」
Ⅳ乂{ "" "" ム':/
人 u r‐ - ‐v 人}'
>`二二´<
/::::::::::{ r/:::::::::\
∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
/| \\::::::、/::::::// |
/_| l{:.\\:Y:::/:イl/ |
 ̄ | |\:.:.:ー∧':.:./ |
| |  ̄`二イ | |
| | /:.:.:./ | |
| | /:.:.イ:/ { |
6/11
思わず声に出してしまい、わかりやすく『?』を浮かべる高鴨さん。
うん、見た目変わってないよね!
でも霞さんとシロさんの見た目が変わっていないのは意外だけれど、高鴨さんの見た目が変わっていないのは何となく納得できるっていうか……。
「よー、シズ。
お前相変わらずちんまいなー」
「あー! 京太郎!」
「あ、あれ、知り合い?」
「いつぞや玄さんを送り届けた時に挨拶だけ、な」
そのちょっとの間に女の子と名前呼びの関係になるってどういうこと!?
「身長伸びてねーのな」
「うるさーい!
京太郎は相変わらずおっきいんだから、このー!」
「わはは。効かんぞ」
「ぐぬぬ」
「ちょっと鍛えた女の子にやられるほど筋力落ちちゃいねーし」
「でも、腕の筋肉落ちてるよ。ぷにぷにー。
あっ、お腹もちょっとたるんでるかも」
「うげっ、マジ!?」
ちょ、ちょっと仲良すぎじゃない!?
ふーんだ! 私なら京ちゃんを(性的に)倒せるもんね!
7/11
「シズ、そろそろやめい。
咲が嫉妬してるから」
「し、してないもん!」
「あれ、咲?
……わー、咲だ!」
私の両手を掴んでぶんぶん振り回す高鴨さん。
わわわっ、痛い痛い痛い。
「懐かしいなー!
あれ、二人してどうしたの?」
「俺の連れだよ」
「連れ?」
「嫁さんってこと。ほれ」
そう言って京ちゃんは結婚指輪を見せる。
ううっ、よくそうやって恥ずかしがらずに見せられるよね。
私は恥ずかしいので俯いちゃってます。
/:/ /: :/: : :イ\:// / /:/ : : : : : ノ: : : : : : :
{/ {: : {: : /ハ:ハ:\ { /:/: : : : :ノ:ノ: : : : : : : :
l i: :ハ:/:!/7c=ミヽ ノ/: : : :ノ:ノ:ノ: : : : : : : :/
∨ V:ハ ん///゙ zヒ三/ァ'-<: : : : : : //
/:/ 辷:ソ 7C≧、ノ /: : /://: :
/:/ "" ん///ハ /ィイ彡: /:/:
_{:ハ ´ 辷z:ソ ノ /:/⌒Yイ: : :
/::/.{:{..\ "" /:/ ノ/: ;/: : 「……そっか。京太郎、結婚したんだ」
イ:::::::i....{{.../r\ ヽニ> u ,.、/:/..イ /:/'/: :
/:::{:::::::i.....i{...{::{ヾ::ヽ.._.........―::::´:::/:/:::::::\:/ /: :
:::::::::::::::::V:::::{..........{:::::ヽ:::《:====:":::/;イ::::::::::::::::::::ヽ: : :
8/11
/: /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`:ヽ.、
/: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/: : : ': : : : : : : : : : / : : : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : :ヽ
,:´: : : :!: :ヽ: : : : : : :/ : : : : /: : : : :/ ヽ:、: : :ヽ: : : :ヽ:ヽ
/: : : : : :!: : ヽ: : :\:/: : : : : ィ: : : : :/ ヽ:レ:‐:┼: : : : ハ:,
. /: : : : : : :V: : : \ : / : :_∠i:l―: !:! iハ: :ハ: : : : :ハ!
/: : : : : : : : :V:、: : : : :i:i: : : :/ {ハ: : ハi _レzレ !: : : : ハ!
/:/: : : : : : : : :ヽ:\: : :ハ: : : i _彡示i ん゚:}"/: : ノ:ノ ′
/:/: : : : : : : : : : :∨⌒ヾ!`N:〃ん/ハ {r:ソ ,: :ィ レ
. /:/: : : : : : : : : : : :ハ !:.{゙ 込/ソ `´,,, i: : j
./:/: : : : : : : : : : : : { \ {: ! ,,, ` ハ :/ 「おめでとうございますっ!」
i:.ハ: : : : : : : : : : :/: |  ̄>: ! ┌‐ 7 イ/:/
{:ハ: : : : : : : : : :/: :{ _/iハ:!ヽ ヽ ノ ∠__/:/_
{:! !: : : :>::: ̄::: ̄::/:::/ ヽ i:! `7―-,イ::::::::::::レ::::::\
{:! V: /:::::::::::::::::::::::/::::/ \ ノ }::ヽ:::::::::::::::::::i::::l
`ヽ ∨:::::::i:::::::::::::::/:::::::i / ヽ/ \ }::::ヽ:::::::::::::::::i::::}
_,.......---............_
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
.': : : /: : : : : :/: : : :/: :.| : : : : |: : : : : : : :、: : :.'.
|: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
|: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
{: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :| 「あ、ありがとうございます」
`\}、: 、 /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
, --r--,\ ,-- 、_____ 人: / \〉
/ |::| |::::::> ____ソイ⌒∨
{ ,::, {::::::::::::∧-, r/:::::://| }
| \、\::::::::::∨- /:::::://:/
| { 、、\:::::::∨/::::://:∧ |
| | \__>、_}'__>´/} |
| | `ー=-r-- ´ ,: |
9/11
……
…
その後はちょっとサービスしてあげつつ、三人を見送った。
うーん、やっぱり物事って変わっていくんだなー。
子供麻雀クラブがなくなってしまった時を思い出す。
あの時も自分は変わらないままで、周りの環境ばっかり変わってしまった。
今もそうだ。
自分は何も変わっていないが、京太郎と咲は結婚して幸せな家庭を築いている。
宥さんが結婚した時も驚いたけど、その時と同じくらい驚いたよ。
うーん、私も結婚とか意識したほうがいいのかなぁ。
,. :´: : : : : : : : : : : : :`:ヽ、-.、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:\
/: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
/ : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
/: :/ : : : : / : / ヽ: : :}: : : : : : :ヽヽ: : }: : :ヽ
{:ハ: : : :i: i`'ト:L__ vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ
ハ: : :ハ! V レ ` V: /:}:./: : : : : : ハ
ヽ: ハ 三三 三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ
V: } ww ww }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ 「わかんないっ!」
i:{ 、_,、_,、_, u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
V>. 、_ ー―' z≦ !:. :/ }: j : : : : : :} ヽ
ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/ |:∧: : : : /:}
_ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく レ i: : : :ハi
/::::::::::::ヽjj:::―::: ̄:::::::::::::::::ヽ }: : / ノ
/:::i:::::::::::::《::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i !: /
j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::} レ'
l::::::V::::::::::ll::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::;
. j:::::::{:::::::::::ll:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::/
まずは目下、うちを紹介してくれた宥さんにお礼を言いに行かないとね!
10/11
……
…
「宥さん! ありがとうございます!」
「ううん。なんてことないよ」
「そ、それで、今日はちょっと相談があって」
「?」
「宥さんみたいに結婚して幸せになるのって、どうすればいいのかなぁって」
「わわわ。そ、そんなこと言われても」
「こんなこと聞けるの宥さんしかいないんです!」
「うう……、私より玄ちゃんのほうが適任だよぉ」
「?
玄さんは結婚してないですよね」
「そ、そうだけど。女子力というか、女の子の感覚は玄ちゃんのほうが……」
「うう、ダメですか?」
「わ、私に出来ることなら」
/{__/: : : /: : : : 八: : : : : : : : : :、: ヽ
/_____:′‘; :イ : : : : { |: :|: : :|: : : : : ゚,:い
/:/: : :|: : :/ヽ{: : :/|: | ∨l: : :|: : :-=ニ{:..:}: i
. /:イ: : : {: :/ ゚:。: | j:ノ v;. 斗 '": : : :|: :|: |
リ{: :/:.:|ィγ⌒ヽリ ´乂乂ト:. : : {:.゚,:ノ: | 「やった!」
∨イ:} 乂_,,ノ γ⌒ヽ:。:..いン: :!
{ j/ , , 乂_,,ノ /トミ: :八
Y{ >―- ィ , , /: |イ: : : : \
___{圦 { } : : |ノ: : : : : : :\
/{ニ{ニニニム:j|\ 、 ノ ノ:| :|: : : : : : :\: :\
ー┴=ニニニニリニ7ニ=- _¨¨¨´_ ィニニ| :|ニニヽュ: : : :゚,ー=ミ
`¨¨ マニ/ニニニニニ||ニニニニニ|ニニニイノニニニ}iノン: : :,
11/11
/: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : ヘ
. /. : : : : : :/: /: : : : : : /: : : : :',: : : : : : : : : |ヘ : : : : : : : : : : : : : ヘ
l : : : : : : :{: :|: : : : : : /: : : : : : l: : : : : : : : |ヘ : : : : : : : : : : : : : :ヘ
. { : : : : : : :|: :|: : : : : : l: : : : : : :.}: : : : : : : : :.l | : : : : : : : : : : : : : : ヘ
i: : : : : : : :|: :|: : : : : : |: : : : : : /: : : : : : : : : } |: : : : : : |: : : : : : : |ハ
| : : : : : : .|:/|.: : : : :ム: : -‐:/´/ |: : : /: / |ヘ/|: : : :}: : : : : : : } |
| : : : : : : :|:/|.: : : : : :|: : :/ |:/ /: :/j / |: :/ | `ト、| : : :|: /| }
{ : : : : : : :レ|: : : : : : |/r=ニ示心 / ===、 |/: : : : |: / |/
. l : : : : : :|_」: : : : : :| /{ {::::::j::::| ∥::}:::ト、/: : : : 〃 /
', : : : : : :|´`l: : : : : :.|《 っ ノ::::ノ {っJ::::} 》: 孑 ´ |
. ∧ : : : : :| |: : : : : :.| ≧ ≦ _ ─ _≧≦ i : : : : |
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ム、 V: : : : -‐ 、 ヽ、 ̄|//////////////////////ヽ 、`‐-、
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「えっとね。
私も玄ちゃんに教えてもらったんだけれども、デートの時には早く起きてお弁当を作ったり。
ご飯の栄養バランスなんかも考えてあげてるかなぁ。
あっ、結婚前の話のほうがいいかな。
私はお見合いで結婚したんだけれども、『周りも結婚してるよ』って焦らせて。
結婚前から子供の話をして将来の話を促したり、旦那さんの家にお中元を送ったりしてたかなぁ。
あっ、でもやりすぎると玄ちゃんみたいになっちゃうから、控えめに気をつけてたよ」(早口)
//|: : : : | : : // |:∧/ |/ |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
|:| |: : : : | : /: ≫去干气ト ィ去干气≪ |: :/: : : : |\
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. 乂 \{\: Ⅵ とつ'⌒~ /////// `⌒とつ /|: : //: : : : : :∧
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|: :从,_| ´ ` 厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧ 「ヒィ!?」
|: :| 人 人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
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__ 从 ー---〈 ∥---―=彡〈 ∧/ : : : : : : : : : : / /
/  ̄¨ニ=- _幺 ー―===У===-一 r公=―=ニ¨ ̄ ̄ \:/
周りにクロチャーいたら感覚狂うよね
奈良のお土産なら粉団子を薦めたいな(県民並感
ちなみに阿知賀からだと車で30分ほど走って橿原市まで行くと
「だんご庄」というきな粉団子の老舗がありますよ照さん
1/10
437
粉団子とテルー
. . .-‐…‐-. . .
... ´. . . . . . . . . . . . . \
/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
/. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
/. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
. /: |l: : : |l ∨__|{ }: : / レ' }| }: : i: : : :i
/: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
// _ }ト: : :ハ 弋 ソ :::::: 厶イ: |: . . | 「>>437さんありがとうございますっ!
/^ / }|l: ≧ゝ} :::::: ′__ /-' i: :|: . . |
. ' .i / / }: : ::::::人 f ノ ./:::::: i: :|: : i | 京ちゃん、お菓子!」
. i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。.. < i::::::::/::/: :/: |
ノir―-ミ |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_
辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ
{ ̄` 入 i / | /:::| / . / ハ
. Y i 圦 |. `> 1 /::::|l ∧ _彡 /
ハ. // ‘, 」:::/ / |/::::::|l/ \ / |
. /八_// ‘ {:::;′〈 . |ト、/ 〉__ i \/
《`ーイ::: V:::{ ‘, |i i/ / | | 〉
ヽ:::::::::::::.. L::i ..........ゝ. У_彡 .........| | ./
マ:::::::::::. 八:::::::::::::\く L:::::::::::::| ′ {
`マ::::::::. :∧:::::::::: ヽ} ::::::::::::::::::::/ .j
マ::::::: }i :::i Oj ::::::::::: /
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,  ̄` / ヽ `ヽ
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/ /,´ / | ヽ .
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 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 「はいはい、寄りましょうか」
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
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「 | //////////> 、
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2/10
創業明治11年、だんご庄。
奈良旅行の最中、地元民の方(きっと私のファンだ)と喋っていたらお勧めのお菓子があると言っていた。
この宮永照。お菓子と聞いては黙っていられない。
売り切れ次第なくなると言うので、京ちゃんに無理を言って連れてきてもらった。
「京ちゃん、早く早く!」
「照さん、こういう時は早起きなんですね」
「うん!」
私にとって、お菓子は人生で三番目に大切なものだ。
お菓子と麻雀をのどちらかを取れと言われたら迷わずにお菓子を取る(キリッ)
京ちゃんや咲とお菓子のどちらかならば……、京ちゃんと咲。
「でも楽しみですね。
なんでも県民のオススメですから」
「お土産に出来るかな」
「保存はあまりオススメしないってありますけど……、聞いてみますか」
そう言って京ちゃんの車の助手席に乗り込んだ。
3/10
思えば、来る時の助手席には咲が乗っていた。
京ちゃんが迷子になった私を迎えに来てくれる時はいつも助手席だけれども、こうして旅行に来て私が助手席に乗るのは珍しい。
ちょっと意識してしまい、京ちゃんの横顔を見る。
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.:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ リ.:.:.:.:.:.:.:.:| 「(男の子だなぁ)」
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i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::..... /|::::::/.:.:.:./ :リ
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八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く} ト/.:/
\{──<´ ̄ \\ |:イ \_
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運転している男の子の格好よさは5割増しだとか聞いたことがあるが、その通りだと思う。
いつも格好良い京ちゃんがさらに格好良く見える。
こうして何気ない男らしさで女の子をドキドキさせるのはずるい。
咲が助手席に座りたがたる気持ちが良くわかる。
……私だって、迷子の時には座ってるもん。
「照さん。照さん」
「ん」
何だろう?
愛の告白かな?
4/10
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
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, ´ / ,' : 、 ヽ
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 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「はい、梅こんぶ」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
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人_ u j.: .:| 「うぐぐぐぐぐぐ」
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i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
『照さんは酔いやすいんだから我慢してください』なんていう京ちゃんは、ちょっと意地悪だ。
何でも、先ほど地元民の方から聞いた限りだと阿知賀から30分ほどかかるらしい。
酔いやすい体質だとほんの少しの距離でも油断はできない。
酔い止めを飲んでもいいけれども、京ちゃんがあーんしてくれるなら、こっちのほうがいいな。
5/10
……
…
「着きましたよー」
「わぁ……!」
着いた場所には、歴史を感じさせる看板に石柱。
建物自体も民家の延長線上のようなもので、何とも地元のお店のようだ。
東京に住んでいた頃はこういうものは一切なかったな、などと思い出す。
こういう雰囲気のお店というものは、それだけで何となく楽しくなってしまう。
隣にいるのが京ちゃんならば尚更だ。
「照さん、落ち着いてください」
「京ちゃん、お菓子だよ!」
「おお、定型文が変わった」
「早く早く」
「じゃ、入りますか」
思わず京ちゃんの手を引っ張ってお店に入る。
……入った後、手を繋いでいることに気づいて顔を赤くする。
先導しているから、京ちゃんには気付かれないよね?
京ちゃんの手のひら、皮が厚くて暖かい。えへへ……!
6/10
「きょ、きょ、きょ、京ちゃんすごい!」
「本当にすごいっすね。
手作りで作っているところを見られるんだ……」
中に入ると、注文カウンターの奥で手作りでだんごを作っていた。
実際にこういう現場を目の当たりにすれば、その商品への信頼も増す。
ますます食べたくなっちゃって、京ちゃんの手を振り回す。
「いろいろとパッケージがありますね。
数によって違うのかな?」
「いっぱい買う!」
「いやいやいや、自分たちの分と、何人かのお土産にしましょう」
「(´・ω・`)」
「俺たちの他にもお客さんが来るんだから、その人たちの分をなくしちゃダメですよ」
あっ……。
そういえば、売り切れ次第終了って言っていたよね。
そこまで気が回らなかった。
京ちゃん、ありがとう。
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「うん。気をつける」
「じゃあどうしましょうか。
俺は先日買った分があるんで、ちょっとだけにします。
霞ちゃんとシロちゃんの分だけ買うか。
……玄さんは地元だし、どうすっかな」
「こういうのは気持ちが大事。玄の分も買っていこう」
「そうですね!
照さんはどうします?」
「私は……」
すぐに思いつくのは淡の分。
私からのお土産がないと聞いたら泣いてしまうかもしれない。
あとは、お世話になっているのは玄とセーラ。
玄の分は京ちゃんと一緒にして、セーラと『もう一人の親友』の分を買っていこう。
「そうすると、結構な量になっちゃいますね」
「お土産には向いてないって……」
「ま、そこは頑張って渡しましょう!」
「うん」
結構な数を買ってしまった。
あとは自分用に、いくつ買おうかな。
8/10
……
…
「照さん、良かったんですか?」
「うん?」
京ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「いや確かに50本入りって相当ですけど、家族で分けたら結構少なくなりますよ。
もっと買うのかな、と」
「お土産用に買ったから、他の人の分も残さないといけない。
京ちゃんが言った」
「そ、そうですけど」
京ちゃんは失礼。
私だって注意されればちゃんとする。
「それに、ね。京ちゃん」
「なんですか?」
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': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : |
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : | 「また来れば、また買えるよ」
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\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
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「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
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´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
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そう言って京ちゃんは笑った。
また京ちゃんに頑張ってもらうことになってしまうけれど、そこは頑張ってもらおう。
その代わり私は、また旅費を稼ごう。
そして家族でまた来れれば、とっても幸せだ。
……でも、ちょっとだけわがままを言ってもいいかな?
「ねぇ、京ちゃん」
「何?」
家族用に買った団子を開封して取り出す。
追加のきな粉をふりかけるか迷ったが、まずは何もかけないで食べてみよう。
そのまま京ちゃんの手に持たせて、口を開く。
ちょっと、いやかなり恥ずかしい格好になってしまったけれど、京ちゃんは察してくれた。
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从 : : ∧: : :| }' \ ,ィ-く く
{ \:.{ \:j ∧、`: . イ¨´ゝ \ ,rー---- 、
| \ \ / ノ }: : /:7´: :/ `\乂_ \
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| \ / `< `T¨¨¨¨ヽ `
| / >- 、 乂二二フ
| , -/ ,. <>´/⌒,ム 乂__フ __
| / ,. <> ´ イ マム ` ̄´
|_/ ,. <>´> ´:.:.:/ マム
ィ介ヽー― ´> ´イ:.:.:.:.:.:./ ∨}
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/:リ \N '~⌒`` ´⌒``〕/ ;__: :八
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.: /:__: : : :圦 lヽ r ┐ // /: : /): :\
/: l l\\: : : :| .! ノ .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ 「京ちゃん。美味しい!」
.' |八 :\\__| .!> __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
. .′ V.rヽ _|___ | /_〔 ̄ | V 〕
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. 八 '′ l / ∧ 〈 、 \
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\............./ =- V / -‐=':._ ∨ヽ__/
Υ⌒/ .′.:〔二〕´ :._ V´/
|ニ/ : ∧〔\ 八 ∨
|_V .! :/ N' \ 个:、_/
カン!
また名前だけは出てる新キャラが出る予定
リク消化遅くなるかもしれませんが良ければどうぞ
未投下
86
酔っ払った勢いでおもちで京太郎を誘惑してしまう霞さん
196
須賀家スキー旅行
259
頑張って家事の手伝いをする双子
1/12
【真打登場】
「今年ももう終わりやな」
「そうだね。
来年はもうちょっと頑張りたい」
「おーおー、日本代表は言うことが違うなー。
俺やって来年は負けへんで」
「うん。楽しみにしてる。
私も同期には負けたくない」
「そ、それに麻雀だけでなく負けへんで」
「?」
宮永照です。
今日は麻雀プロになった同期との忘年会。
集まって飲んで近況報告をします。
「そろそろ来るかな」
「誰か呼んだん?」
「今日は同期の忘年会って言ったでしょ」
「そやったっけ?
ってことは……」
うげっ、と苦々しい顔をするセーラ。
もう、二人とも仲が良いくせにそんな反応をする……。
2/12
-‐ 、
_ _/: : :._ハ
,. :'": : : : : : : : : `ヽ
_,../: : : : : : : : : : : : : : :\
_,, -‐: :'"´/: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
!I /; :'-ァ'´: : : :,;イ : : : : : : ;ィ: : : : : : i: : : : : : `ト\ ガラッ
||. /:./ /: : : : : :./: : : : \/ .i i: : : :ハ.|\/: : : :i. )
|| {.:/ ,': : : : / ./ ;ィ: :. :ハ l.\!ハ: : | リ/`ヽ: : : :}
|| {' {: : : ::;' .{: :i.|l: : i x=テ芹 \i 斧テ=x! : : ノ
|| ';: : : :i. `ヾリ\i 乂り 乂:ソ.厶イ
||i;,, \: :i 从 ' i/ | 「セーラが色ボケしたと聞いてやってきたで!」
||::し/, `ヾ、 //. 丶 (⌒) ノ i:.|
|| イ,;/,; {:i > .__,, イ i.:i
゙ii;ヾ;;,,,.vV;:| i/;// ,//;.., リ, --‐i `i__,ィ´\//_
\゙ミi;,,;' ヾ ! /;:;''/ ,,/. .-‐‐ ´ ! ハ .ト、,ハ ,i/ `ヽ
\V \ イ イ ∠.._ | `ー=ニテXく ̄ ヽ \
ヾ \ 彡| /\ i //i.|. } } | 〉 \___
≧;;,,_ ,/し/ ,___ \ / _,,_,, . 斗‐_つ V \ `ヽ
< :.≦=--  ̄ ̄ `''"´ -‐ -‐'ァ⊃ }! }
-==> ≦=---. _,, 、_ ‐- - チ_) 八 /\
=≦_ <. ≦ .i  ̄` ー - ‐'′ /. \_ -<. \
',、 ,-‐,-
',`::.、 ,-..´/___
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/::ト.| ー‐ ー‐‐´ ヒ ノ、:ヘ、.\|
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3/12
「そう、彼女こそ私のもう一人の友人。愛宕の面白い顔の方」
「そーそーおもろい方……って違うわ!
自分視点を口に漏らすなや!」
「い、色ボケって言うなや!
誰が漏らしたんや!」
「いやぁ、誰にも聞いとらんで」
「へ?」
「最近ー?
オシャレな服装だとかー、お化粧の値段が変わった女の子がおるらしいですよ照さん!」
「ふふっ。
セーラはかわいくなったよ」
「か、からかうのも褒めるのもやめーや!」
「セーラめ……この裏切り者がぁ!
十年以上前から一緒に男に縁がなくて生きていこうなって約束したやないか!」
「してへんもん!」
「いーや、覚えてるで!
それこそ昔はうちより男に縁がなかったやん!」
「そんなことないわ!
0と0で同レベルやろ!?」
「うっさいわ!
うちにはオトンがいたし!」
「俺にだっているわ!」
「(私には京ちゃんがいる)」ムフー
「ふふーん、女子からばっかりラブレターもらってるセーラがメスの顔をしとるで」
「ヒロかて高校時代、『ら、ラブレターもらってもうた!』とか言いながら相談しに来たことあったやん!
実際に来たのが女の子やったって話は笑わせてもろうたわ!」
「グッサー!?
な、なんてこと思い出させんねん!」
4/12
「『俺らにゃ恋愛は無縁やなー』なんてイケメンフェイスで言ってたセーラちゃんが男に拐かされてもうた!」
「そ、そんなことないわ!」
「そういえばプロに入ってからは洋榎がセーラの服を直してあげてたね」
「あんなに着崩して服を着ていたセーラがメスの顔して化粧品探してるとは思わんかったで」
「洋榎は意外としっかり者だよね。
ちゃんと服を着こなしたりしてる」
「そうそう。……って意外ってなんやねーん!」
「いい加減うっさいわ!
この、愛宕のうっさい方!」
「お?
この程度でうっさいとは関西人を名乗らせへんで。
オカンや絹も大概うるさいんやからな」
「愛宕の結婚出来ない方。とかどうかな
「よー、愛宕の結婚出来ない方!」
「うっさいわ!」
ちなみに洋榎の妹さんの絹恵さんは結婚しているよ。
洋榎はこう見えてしっかり者だし、面倒見もいいけれども、なぜか結婚出来ないんだよね。
5/12
「ほんま。あの母親とあの妹の間にこれがいるのが笑えるわ」
「おお? 言うてはならんことを言ったな?
オカンに小さい頃から『お前は橋の下で拾ってきたんやで』って言われ続けてきた気持ちがわかるんか?」
「それ、本当のことなんやないか?」
「やめーや!
こうなったら麻雀で決着をつけるで!」
「おー! やったるわ!
メンツが一人足らへんけどな」
「照、日本代表の実力見せてもらうで!」
「33-4」
「「なんでや阪神関係ないやろ!」」
-─===‐-ミ
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.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
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.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:| -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/ |.: .:八ノ ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「(頑張らないと会話に混れない……)」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
6/12
……
…
「二人とも、お酒のペース早い」
そろそろ帰る時間」
「こんな時くらいいいやないか!
んで、セーラの恋路はどうなん?」
「茶化すなや!
その、本当に好きなんかもわかってへんし……」
「そうだよ。人の恋路を探るのはよくないよ」
「せやせや。
そんなんやから妹に完敗すんねん」
「うっさいわ!
絹がとっとと結婚した時にオカンがなんて言うたか……。
『あんたにゃ期待してへんから安心しろ』やで!?」
「あー……」
「プロ雀士は結婚出来ないっていうジンクスも、オカンが結婚してるから何も言い返せへんし」
「洋榎も誰かを好きになって頑張ればいいのに」
「す、好きになるなんてありえへんし」
「(ほんま面倒やなコイツ。
いや、俺が言えることでもないか)」
「そんなことを言う照は好きな人おるんかー? おうおう」
「うん。いるよ」
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:\
: : : : \: : : : ; イ: : : : : : : : : .i:.: : : : ヾ\ つ
: : : : /\/ .,': : : : : : ハ: : :.}: : : : : :.i//
: :ハ;/ \//i : :/ !: :/i: : : : : : :i′
:/ 气テテZ=, // -‐‐''" !: : : : : : :}
{. l::::;;;::::i テ=ェx_ /: : : : :.}:.;'
乂::::ソ |::;;;::「./: : : : :./i/
xxxx 乂ソ厶イ:_;ィ′ 「お、おう」
:、 "" i : :ノ \\
\ r‐ ― ァ U 八i' //
..r‐/≧:..._  ̄ __, イ: :i /
" \ /  ̄ !: :i
i /‐'iハ |:.;'
ハ__,/》《∧_}\. |/
,/ /|| |ト、! \
7/12
「聞いといて照れんなや!」
「直球で返ってくるなんて思っとらんし!」
「女の子に好きな人がいるなんて、恥ずかしがることじゃないよ」
「そ、そうやな!」
「ぐぐっ、心に響いたわ……」
んで、セーラはどんな男にメスにされたん?」
「まだされとらんわ!」
「ほー、まだとか言っちゃうん?」
「言葉の綾や!」
「別にええやん。減るもんやなし。
せめてどんなことがあったかくらい教えてーな」
「どんなことがあったか、って言われてもな……」
8/12
, '{ _,,
./::,' , ィ ン´
`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
, . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
'´ /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
, : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ 「何かあったって言うか、ちょっと見ていいなって思っただけやで」
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
,ィ≦壬ニニニ{ }ニニニニニ≧s。
,ヘ’ニニニニニニニi! ‐- 、 ,, -‐i!ニニニニニニニマヘ
/ ヘニニニニニニニi! ,,ィー‐ 、 .i!ニニニニニニン ,
/: : : : : : : : : : : : : : : :Λ
,. . .-.‐:…ー:‐:-:. . 、: : : :.Λ
,.: '´: : : : : : : : : : : : : : : : : : `:. 、: ',
〃: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽハ
. /: : : : : : : : : :,イ: : : : : : : :l V: : :.',: : : : : :ハ: :Λ
,:': : : : : : : : : /: / !: : : : : : : :.l ':,: : l: : : : : : ハ:.ヽ':、
. /: : : : : : : : : ,:.、:,' l: : : : : :l: : :l V:.l、.: : : : : :l: : ヘ':、
,: : :.,': : : : : : /: :./\!: : : : : l V:.',/ ',::l V: : : : : :l:V: :ヘ:.、
. l: : /: : : : : : :,' V:l _ V: l: : :ハ V:L_ !:.l l: :/: : : l;ハ: Λ':,
. l: :,l: : : : : : : l ヾ, __ ヽマ: : ヘ_ヾ、_ }:/ !:/: : : /: :/ハ: :l: ヘ
V:.l: : : : : : :≫末宕丁 ` \:ヘ 洋宕末≪,/: :ア、/:/:.l: :!: :.ハ
. V!ヽ: :ト、: Λ. し::::ハl し:::::::} /:/!: :.V Ⅵ: :': : .:ハ
',l 入:lヽ: ハ Vぅソ Vぅソ イ: : :l、: :.Λ ,j:/: : : : ハ 「そんな簡単に惚れるなんてありえへん!
/: :/l: : :l:! : : : , : : : : l: : :.l V: : ヘ }':,: : :l: :',
. ,': :./ l: : :l l l: : :lノ ',: : : l l: :}: : l l:.l 即落ち2レスなんて都市伝説やで!」
,: : :' l: : :l ', _ _, -!: : l V: : l l: ハ: :l l: l
V: l !: : :! ‘ 、  ̄ /,:' ': :.,′ }: :/ /:' }: l l:/
ヾヘ l: : :l ` 、 , イ:/ ,: :/ // 〃 ,: / ,'
\ l: : :l r>‐ ´ lTヘ ,: / / /:,'
V: :.', / l } У V:/ 〃
_入:.ハ-ァ´ ゝ、 / /:/ Yー= - 、
γ´ ヽ:.V λY 〃 } ヽ
/ l / }‘, / / ‘,
. / l / l ‘, / / ‘,
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,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
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l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 「照さん。迎えに来ましたよ」
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
/| /////∧
「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
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/: : :______/ / : : : : : / /: / |: : : : : :|ヽ: : : : :ヽ\
/: ''7´: : ∧: : :/:/ : : : : : / ∨ / :|: : : : .:.: ||',: : : : :‘,\
,'/ /: : : : |: :\:||: : : :/ /Χ : : : : / || ',: : : : : ‘,: :
(:( /: : : : : |: >┘|: : :.:/ _,,x====ミ \ ′ : // :リ ': : : : : :.|ヽ |
\/_: : : /: : _: :∧: : |⌒ん::::::l | /: : /厶斗<| : : : | ト | |、
. / ̄: : : / : / |: :|V\| | {::::: リ ,厶イ 宍ミ、 |: : : : :| |: |∧ヽ
/: : : :.:.:八: 圦 |: :|: 乂_少' ん::l|\./|: : : : :| |ノ ': i 「!?」キュン
. /: : : : : : : :.:\(ヽ|: :| ////// | {:::リ {/: : : :./l/ }ノ
/ : : : : : : : : : / \|: :|ヘ ヒ少 _/ : : :/ノ _/
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/: : : : : : : : : : :/ |: :|Y \ ., 乂 \ ||:| ) )
: : : : : : : : : :.:〃 八::l | \≧x._ ‐---‐' ,.ィ: |:| /
: : : : : : : : :/{___ | | / \ニニ===ニ二 :|:|
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: : : : /_ ∨ ├{ { 、 } /:/
: :/{ \ /| | ノ }/ T /|
10/12
「(ちょっ、セーラ! あのイケメンは誰やねん!)」
「(照の知り合いで、想い人やで。
……いい人や)」
「(なんやて!?
なんて優良物件抱えてるんや……)」
「(は? ヒロ、お前も……)」
「(ちゃ、ちゃうわ! 惚れてへんし!
ちょっと胸がキュンってして、未だにドキドキしてるだけやで!)」
「(完ッ全に惚れとるやん!
なんや! 会話すらしてへんで!
これが伝説のスーパーチョロインの力か!)」
「(誰がスーパーチョロインや!
……ところでセーラ、さっき『お前も』って言うたな?)」
「(うっ)」
「(こうなったら一蓮托生や!
麻雀だけでなくこっちでも勝負や!)」
「(ま、負けへんもん!)」
「(ふふ、うちだって負けへん)」
11/12
_,. .-‐-、 |!
_ /: : : : : : :ヽ \_人_,ノしん__,ノ/
,. :''"´: : : : :`ヽ、 /: : : :_; : : :-:‐:-. . . ._ ) (__
/: : : : : : : : : : : : : : : : :‐-. . . .-‐ ''ン; : ''": : : : : : : : : : : : : :`:ヽ _,) 洋 後 /
/: : :_; : : -‐-x: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ \ 榎 .ひ (
/: :, '"´ , : ''"´: : : : : : : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::. \. と っ /
. // /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ _). は か \
{.i /: : : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\ \. け (
. |j /: : : : : : : ; ''"´  ̄ ー-‐‐7: : : : : : : /l: : : : : : : :iハ: :ヽ`/: : i : : : : : : :}`ヽ ) の <
{: : : : : ./ //: : : : : : : / .l: : : : : : : :i .i: i/ i: : : :}: : : : : : : i : : : . 、 /i /⌒Y⌒i (
i: : : :/ /:.:/: : : : : ∧7‐-=ミ:ハ : : : :.!/ j: :ハ∧.: : : : :ト,:i  ̄ `ヾ;,. / .| / /⌒\
i: : :/ /:.:/{:.i: : : :.i:i リ i:./ _\: : :i =ニテオ=z≦!: : : : :} '! /: :} \人_,ノ \_,ノ( //
ヾ: :i /:./ i:ハ: : : |:| _,z=オ芹「 \:! i:::;;;しイ j: : :./:V /:/ .\ う (
\__, 'イ lj ヾ: :i:| '"i::::;;;しイ. 弋::::::ソ ,厶イ:.:ハ :i / __) .ち /
`ヾ=---' //\!ト、 弋_::_;ソ  ̄ i |: !: i i }/ ..\ の (
// |: :i ∧ '_ i |: : .i i:.! \ こ \
{:.i .|: :!: :∧ / `ヽ イ l: : :i // _,ノ と <
ヾ\ |:.:i.:/ ` . i__,ノ / iリ |: :// ) や (__
i:.:i/ ≧- _ イ ,/ i:/ て で /
i:.| 八| ,ハ__ / ) ! ! (
';.! _,, -‐f´ \ / i ` ‐- _ / (
, ''" {. ∧_∧ } `ヽ /⌒Y⌒i /⌒\
/ /. \. _/x==x`ヾ_,ノ i | /
// i ___{{__〃V \ i \ !/
/ .l. / ,、ヽヽヽヾ! i\,ノ ./ \_
/ i / ゝ_/_/_/_/ー-、. \ V  ̄_`ヽ
∠__ / _,, イ ̄ 〈 /::::i i
{::::/ `ヽ. / -‐‐''" .| }::.i /\:::ノ ノ
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……
…
ー‐‐-. . ゝ、: :\: : : : : ヽ},ィ‐.‐.'':":^: ー.、
、: : : : : : : : ヽ: : :`: : : : : i!: : :-=< "  ̄
,≧=-: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . .、
,:ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヘミ: : __: :ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ: : 、: : :ヘ:ヾ ` -ゝ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘヾ;}ヘ: : ヾ:ヽ
:/: : : : : : : : : : : : : i!: : : : : : } 心、ヘ: :ヘ`゙`
: : : : : : : : : : : : :i!: :!、: : : : : :!λJ゙,、: :}
:/: : : : : : : : : : : i!、:i__ヾ: : : :.} ゞソ ',从
: : : :/{: : : : : : :i! ヾァチ=`゙ヾ} 、 .}ヾ
: :/: : {: : :/!: : :.iィ'{ ::: 心, ´ , ,'ヽ
/: : : : :i: :/: i: : : iゞヘ;:::;ン ,ィン .ノニヘヽ
/ : : : :,i;/{^ヾ: : :.ト、 `´ /ニニヘ 〉 「照に聞いた限りじゃ付き合ってる人はおらんみたいや」
:/ ヾハ√レヘ:.! } {,`゙≪ニニニニ} ヽ
i!ニニマ "ソ\ニニ} ヽ
∧ニマ,_ _,ィ' ノ ヽニ7 ヽ
ハニニニニ≧s。´ー '" ヘ7 __
ハニニニニニニニニニニニニ≧s。,,_}}ミュ;;;;;;;;;`;,,、
ハニニニニニニニニニニニニニニニ≫,'ヾイ ̄`ー、;;;ゝ
/ニ≫=≪ニニニニニニニニニ≫" /;;;;;{;;ヘ
ハン" `゙ー-ニニ≫'" ヾ;;;;;`;;ン
{ニ{ `ヽヽ `ー"
ヘ=∨ ヾ }
(`ヽ ___
ヽj /: : : :/:.\
‐‐‐- ..〈:.:.: : :\
/: : : : : : : : : : : : : `:::.、: : ヽ
.. , ':: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : ',
. //: : : : : : : : : : : : : : : : : : :..:.∧: : i
,':/: : : ィ : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ : j
ノ/: : : / |.: : : :.:/|: j.\: : : :ヽ: : : : :i: :!
//Y: : :/ ̄!: ll :..:l i: i‐ 、ヽ.: : : :Yヽ: l: :l
. // |: :/ ヽl:',:..:! .l/ .j : :丿:i\\:l
(:( ∧':.:i-=v. ヽ:!-___ 丿イj:丿: :j: :.)
\i/ |:.ノxxx , '' ̄ヽ |:.|ヽ、://i
. 人U xxx |:.!. ):)イ: : :i 「ナイス情報や! 正々堂々勝負やで!」
. |:l > 、~_っ _..ィフl:.!// . !: : :i
. l:i /  ̄ フ ='' ¨ア ̄ !:!ー-、:l: : リ
エセ関西弁が酷いことになってる……。わかる人は教えてくれたら嬉しいです
スレ立て三ヶ月目にしてやっと、京咲(こま盛)、霞白玄(電波)、照洋セラ(純粋)、和久マホ(喪女)、淡(ぼっち)に分かれました
こんなに続いていたのもレスをくれる皆さんのおかげです。いつも感想ありがとうございます
乙乙
関西弁のは大方大丈夫よー
どっちかってーと大阪弁っぽいから問題なし
1/13
259
頑張って家事の手伝いをする双子
452
クリスマスパーティー
須賀咲ちゃんです。
今日はクリスマス。子供達がソワソワしているのが伝わってきて、思わざニヤニヤしちゃうよ!
あー、こんな時代があったなーって気持ちになる。
これで休日ならば完璧なんだけれども、今日は平日のクリスマス。
ちなみに、イヴはちょっと集まれないとのことでクリスマスの夜に集まることにしたのでした。
次の日が休みだから少しくらい無茶しちゃってもいいしね!
集まる場所は閉店後のroof-top。
さすがにうちじゃそこまで大所帯になっちゃうと入りきらないので、相談してみたらOKだそうです!
時間的に子供たちの分のクリスマス会だけ早めにやっちゃって、そこから大人の夜を過ごす感じになるかな?
その代わり、roof-topのクリスマスイベントのお手伝いをすることになりました。
2/13
「roof-topクリスマスイベント!」
・店内にいるサンタコスの店員を飛ばしたらビール飲み放題!
なんて大々的に宣伝されちゃってる。
うーん、まぁ確かにお姉ちゃんならそうそう飛ばされないと思うけど、どうかなぁ。
「何考えてるんじゃ。咲も出るんじゃぞ」
「ぅひ!?」
思わぬ振りで混乱してしまう。
わ、私なんてお姉ちゃんに手も足も出ないし、高校からまともに麻雀やってないのに!
「今日クリスマス会に出る人にはみんなやってもらうぞ?」
キラーン、と眼鏡を光らせながら自信満々に答える染谷先輩。
__ ___
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. /:::::::ドミシ""' \_:::::::::::、::r-、゙:::::::::::::゙、
..(::::::::::|::::/ /,|ナヘ∧〉;;:::::::::::::::::::ヽ、
〉:::::::∨ /,彳r三うヽ、\,へ:::::::::::::ヾヽ
. /::::::::::::〉,-一 { ' b:::::。ノ ! √ 〉:ヽ::::::::);;)
. |:::::::::::〈/ ̄ Y弋 ^'''/ __/::::::゙、::::::|
〉/|:::::N | ` ̄ ̄ r'::::::::::人:::/ 「だから『タダでうちを使っていい』って言ったんじゃよ?」
V `ー|\_/' _, -‐'1 /|:::::::::/!人:|
. 〉:::ハ __/i / / |::::;N
/∧:::`、 `┴‐' /_,. ┴'‐┐
|/ |:::::`;ー-、__ <, ‐':..:..:..:..:..:..\
. \:::人 \N ∠_.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:\
.Y ` / ̄ ̄\.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:\
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,. : : :  ̄ ̄: : : : .
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
/ : : : : : : : ,: : : : : : : : : : ヽ:ヽ
.': : :,: : /: :/: :|: : ||: :V: :V : |: :V:.
' : : /: /|:_/__ノl: : |{:、_|_|: : |: : |: :.
/: : : :|: |:_V {:/:从: :| 、{ \:l从|: : | : i
': :,ィ/: |: |: ,イ_)笊 \ イ_)斧ミ|/: ,.: :|
{:イ/ ': : Vl { Vzソ Vzソ / : イ : |
l' |: ,: {`\ `¨´ ' `¨´〈:イ )}: : , 「ううっ、頑張ります……」(染谷先輩にはかなわないや)
|∧乂ム '''' '''' ムイ|: /
' }:∧个 r 、_- - イ : /|/
' ヽ: :/ / }-、_,.ィ : /: イ
_,..{ ' ' ノ {-く
r<........../\___}__,/........> 、
「\..、...rく\___,/ /.........../..>、
/⌒ `ー{ \__/,イ......../イ´ ∧
3/13
……
…
前日から準備して、朝起きたら子供たちを連れてroof-topに向かいます。
お昼頃から始まるけれど、開店準備もあるからね。
今日は一生懸命頑張らないと!
子供達は打たせられないので、いろいろお手伝いに専念してもらいます。
それに、今日クリスマス会に来られるのは仕事の都合があった人だけだからね。
私以外だと誰がいるんだろう。何人か誘ったけれども……。
---
...::´:::::::::::::::::::::::::`::...、
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. ′ /:::/:::::/|::::/:::/:::::::::/:::∧::::|::|:::l:::.
|::::::|::::|::l:::|-|:::l:::/:::/:::/::::/ l::::|::|:::|l::|
|::::::|::l:|::|八 !从{:::/:::/::::/--.l::::|::|:::|l::|
|:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
|::::::::| |l^乂_ツ 斧ミv' 厶イ: 八| 「咲ちゃん、おはよう」
|:::: 人|l 、、 Vツ }/:::::::::/ ノ
|::::::::::从 ' 、、 /:::::::::/
|::::::::::::::l\ `ー ..イ::::::::/
. 八::::::::::: l ┬‐=≦:::|::::::/
-\:::::::|\ h\|:::::::|:::::′
. ´ 〈 |∧::::| \ ノl l゙` |::::{
/l l |: : }=| \/ :| |::::|\
. / ll l |: : l:::|\ 〉 :|: : :.\!
/ l l Lノ: : :l:::|: : \ ./ |: : : : :.\ |
./ ll / /ミ| / 从 `゙丶
リ / |:::〈 / / ,
/〈 | 八::::l / / ′
l }:::l ./ / |
| : : : . /::ノ/ /: : . . . . : :,
\ 人: :./:://: : : : /.: : : : : : : : : : : : : : :./
\ \{ Χ://\__/: :-‐=‐-: : : :___.. イ |
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ | 「……ダル」
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } /
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
/.:.:/:.:.:./‐/ >、 _ ... イ ゝ ヽ
l.:.: ′:.:.|‐| λ´ ` < _
. 人::|:.:.:/::|‐| `ヽ ィ´ / 7:.:.:. ’,
Y:.:.:.';:.:/:.:.:|‐| / /:.:.:.:.:.:.:.:
}.:.:.:.Ⅳ.:.:.:.|‐| , ' ソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
λ.:.::´:/.:.:}‐{ ! / , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }
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|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }' 「こんなの卑怯だよ! 勝てるわけないよ!」
|/ `ム , ‐--‐、 ムイ: /
个 . ー― ‐' 个从{
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爆乳クールメイドと爆乳メイド巫女の横でメイド服を着ろってか! 着ろってか!
晒し者状態じゃん! これが比較対象です、って横に置かれるタバコのケースか!
でも、確かにこの二人ならまず麻雀で負けないし、染谷先輩大儲かりだよね。
ううっ、考えることがすごいなぁ。
そういえば、玄さんはも来るのかな?
なぜかこの二人がいると玄さんを連想するんだよね……。
「この時期の玄ちゃんはさすがに忙しくて来られないのよ」
霞さんが説明してくれる。
そうだよね。この辺りで就職したとしても、この時期は一番忙しい。
夜遅くなっても来れないってことは十分あるよね……。
でも、私たち三人だけじゃ大変だよぉ。
5/13
……
…
・夕方
. √¨廴__. :'′: : : : : : : : : : : : : : :.\ー┐
. [_ [¨¨¨]/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .-= ┐
. |_,..√ _} : : : : i|: :|.:|: : : : : |: : : : : : : : Ⅵ |
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. ,′ /ー=ニ] : |:./|八∧|: : : i N⌒X|i: : : : :i|__}
′ √ _]:.: : :.|,斗七⌒! : :八|x=㍉ |.:.: : :.八
. : : : |_____}:. .:.:《 _〕i::ハ |/ _〕i:ハ |.:.:.:И__}
|:i : : :| Y\ : :| 弋^`ン 弋^ンムイ|_厂
|:i : : :|:.乂_,\| ':':':':' 、 ':':':'j{: :i: : :|
|:i : : :|.: :.Ⅵニ=- ,゚ | i: : :| 「麻雀天使、のどっちです!!」
|:i : : : : : : :| 〕ト ´' ,. イ : | i: : :|
|:i: : : |:.: : .:| [_,|__ Tち |i:.:i : :| i: : :|
. 从.: : :| : : |:|____,,√ ̄廴__Lつx-=ミ: : :i: : :|
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|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ|
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|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/ 「お、おう」
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_x<三ニ/´ / /ニ三三三三三三三>
. r≦三三ニニ/ /三三三三三三三>´
/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
仕事が終わったのか、テンションの高い和ちゃんが入ってくる。
そういえば和ちゃんは公務員だったね。京ちゃんより帰りが早いんだ。
和ちゃんが入店した途端、沸き立つ男の人たち。
ああっ、和ちゃんの外面だけ利用する気だ!
さっきカンペで『和はロンなどの麻雀用語以外を喋るのを禁じる』って書いてあったもん!
迂闊にも和ちゃんが暴走しだしたら……、染谷先輩のゲンコツが来るよ!
うう、メイドさんのおっぱい率が高くてメイド服を着たくないよぉ。
京ちゃん早く来てぇ。
6/13
・夜
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' ` 「仕事終わりましたー……。
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/
从 ' 八/ ついでに染谷先輩のお目当てもお連れしましたよ」
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
/////////\} 「/〈////////\
/////////////|--、 r-|/ イ//////////\
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. . .-‐…‐-. . .
... ´. . . . . . . . . . . . . \
/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
/. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
/. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
. /: |l: : : |l ∨__|{ }: : / レ' }| }: : i: : : :i
/: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
// _ }ト: : :ハ 弋 ソ :::::: 厶イ: |: . . | 「プロ雀士、宮永照です!
/^ / }|l: ≧ゝ} :::::: ′__ /-' i: :|: . . |
. ' .i / / }: : ::::::人 f ノ ./:::::: i: :|: : i | よろしくお願いします!」
. i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。.. < i::::::::/::/: :/: |
ノir―-ミ |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_
辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ
{ ̄` 入 i / | /:::| / . / ハ
. Y i 圦 |. `> 1 /::::|l ∧ _彡 /
ハ. // ‘, 」:::/ / |/::::::|l/ \ / |
. /八_// ‘ {:::;′〈 . |ト、/ 〉__ i \/
《`ーイ::: V:::{ ‘, |i i/ / | | 〉
ヽ:::::::::::::.. L::i ..........ゝ. У_彡 .........| | ./
マ:::::::::::. 八:::::::::::::\く L:::::::::::::| ′ {
`マ::::::::. :∧:::::::::: ヽ} ::::::::::::::::::::/ .j
マ::::::: }i :::i Oj ::::::::::: /
ああ、京ちゃんがやっと来た。
お姉ちゃんが後ろからひょっこり現れた時にはちょっとビックリしたけれども、一番の客寄せになるよね。
私たちが来た時以上の大歓声。
何せ、日本代表選手が雀荘でクリスマスイベントに参戦だもん。
きっとネットとかツイッターは大荒れなんだろうなぁ。
7/13
/ \
_人_ ' ` 、 \
Υ'/ / / ト、 丶
/ / / | | | Χ }
.′ il / | | \ | / `、 リ |
i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } |
| | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j
| |l l|斗示芋ミ、 ''h!::::::::} ,′ ,
|l 八 И'h!::::::} 乂___ノ / /
.八 ゝ /i/i/i i / / / / |
‘,\ ハ r ア /l/ / /:: |
ト、 込、 _ノ // ,イ::: l|
|l l\ \> .,_ /∨ /l|: 八_
|ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ
| | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧
| |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \
| | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶
> : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __
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. /: : : : :/: : : : : :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : :./:/: : : : :/|: : : : : ト、: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
:/ /: : : : :|: : :.:十―八: : :.:| V─一: : : :.|: :\: : : :.
/: : : : : :|: /|:/=ミ、 \: | r=≠ミ、: : : :.|: : : :\ : :.
. /: : : : : : :|/: 〈{ rし心 "rし心}〉: : :.八: : : : |\|
/ : : : : : 7:/: : : 弋ぅツ 弋ぅツ |: :/^:: : : : :.|
 ̄ ̄ //|: : :| , ,,, |:/ ,:.|\: : |
|: 从_} /: | \| 「江口セーラやでー」←京ちゃんに釣られた
|:./ 八 r- , u/|: /\|
\ イ /j/
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f´ | r=≦ニ三|
| >―i |ニニ三三|__
,=≦ニニ/ニ/__ _|三三三三三≧=-
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(:( /: : : : : |: >┘|: : :.:/ _,,x====ミ \ ′ : // :リ ': : : : : :.|ヽ |
\/_: : : /: : _: :∧: : |⌒ん::::::l | /: : /厶斗<| : : : | ト | |、
. / ̄: : : / : / |: :|V\| | {::::: リ ,厶イ 宍ミ、 |: : : : :| |: |∧ヽ
/: : : :.:.:八: 圦 |: :|: 乂_少' ん::l|\./|: : : : :| |ノ ': i
. /: : : : : : : :.:\(ヽ|: :| ////// | {:::リ {/: : : :./l/ }ノ
/ : : : : : : : : : / \|: :|ヘ ヒ少 _/ : : :/ノ _/
/: : : : : : : : : :./ __.|: :「`,>、 l⌒ 、 //// TTТヽ\
/: : : : : : : : : : :/ |: :|Y \ ., 乂 \ ||:| ) ) 「愛宕洋榎参上や!」←チョロい
: : : : : : : : : :.:〃 八::l | \≧x._ ‐---‐' ,.ィ: |:| /
: : : : : : : : :/{___ | | / \ニニ===ニ二 :|:|
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/: : : : : : : : : |: : : |ヽ:斗====ミ|.八: : : | 斗====ミ、 Ⅴ: i|: : : : : :i
. / : : : :__|: : :i|: : : |〃 ,イ斧心 ′ \: | 笊i心. ヾ | : リ: : : : : :|
´ ̄ ̄ il : :八: : :|″ ._)::::::hi} ヽ ._)::::::h} |: /: : :/ : : |
|i: : : |r\| 乂___ツ 乂___ツ . |/: : :/: : : :j
|i : : :|l`ハ `ー , ─‐ :' /: : ,イ: : :|: , 「プロ集団だー!?」
|i ,: :∧ """" """" 厶イ'/:|i /|/
l/|: : :人__ ,__/: ル' '′
{ |: 八: : 从 ー─ /: : /'′
|/ \: : \ /´ ヽ ,イ: /
' \ ト、: , _, ─ ノ , : : /
ヽ \:> _ <: /
ヽ: : 〕 ─ 〔: :/l: /
そこには思いもよらない、テレビの中でしか見ないような人たちが勢ぞろい。
淡ちゃんはたまに遊びに来るけれども、お姉ちゃんの人脈ってやっぱりすごいんだなぁ。
和ちゃんが来た時を遥かに超える熱気が雀荘を包む。
もうこれ、コンサート会場ってレベルだよ!
染谷先輩がすごく嬉しそうだ!?
ほんっと、商売上手だよね……。
9/13
というわけで、大人組はメイド服を着て店内で麻雀をして回っています。
こ、これも深夜からのクリスマス会のため!
うう、麻雀なんて久しぶりだよ。さすがに飛ばないけどさ。
あっ、京ちゃんに麻雀やらせると飛んじゃう可能性もあるからウェイターをやってもらっています。
そんな中、子供達が不安になっていないか心配になる。
普段は霞さんやシロさんが目を光らせているんだけれども、二人とも麻雀をしながらだとさすがに、ねぇ。
あっ、それでも不安なのかチラチラ見てる!
ふふっ、うちの子をそこまで気にしてくれているのが嬉しいよ!
……あっ!
思いは無残に消え、緊張してビールを運んでいた娘がこぼしちゃったみたい。
初老の男性の高そうな革靴にビールがかかってしまった!
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/::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
/ 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
/ / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il フラッフラッ
/ j:::::::/:::::::/__::/ |{ |:::i i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
{ /:::::/:::::/i{ |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
/7::::i::::/ ィ 弌ト、. 乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
_ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}` ´んぅト/ /!::::::リ::/
>、 } 〃〃 , ` ーrっ// ノ::八
/⌒ 〃〃/}_rくノ )}
/::::::::::/\ ^ ` ~ 、 / >=へ
{:::::从:{ > _ < /:i:::::::::::ヽ
ゝ:::(八 _}>-=≦/{_ {八::::::::ハ::}ト
/i | `>/::::\ }::/ レ'
---=ニ¨:::::::い / '::::::::::入 ´
すぐに親として謝りに行かないと、と思って立ち上がる私と京ちゃん。
同じく反応する霞さんとシロさん。いや、これは親の役目ですっ。
しかし、ビールをかけられたお爺さんはそれを手で制した。
普通ならばそれでも駆け寄るのが当たり前なのに、その人の表情を見ていると安心させられた。
10/13
___ ,.. -─z:._
`~`''‐、 ``ヽ, ' ll '´ lll ``ヽ、
. ,. ‐''"~´ ̄ ` ll lll ll `ゝ
∠.. --ー;:=‐ lll lll ll ll ヽ
,r''´ ll ll ll lll ll i
/ ll ,. lll ll lll ll !
, ' ,. / ll , '|.ll ト. ll i lll lll | ←宮永照ファンクラブ会員1号(鷲巣麻雀で乗っ取った)
. / ' ´, ' ll lll ,イl/::::::l l:ヽ |ヽl!ト、 、 ll |
/ イ / , '::l/ー--:ヽ.!::ヽ!;:ゝl-ヽヽ ll ll |
//.イ ,イ ̄`ヽ、 ×´ヽ. ヽ::::::::`i lll |
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l: ` ー-'/::::. ー-‐ '´:::::::| !'`! | l|
. l:`ー-/::::::::. ー--‐:'´:::|l!'^l l |
!::::/::::::::__-, ー-、 .::::::::|!_ン l|
i.`"-----------ヽ:::/;ヽ lll |ヽ.
!. ___ ..:::::/;; ヽ |;';';ヽ. 「よく一人で謝れたな。気にすんな、嬢ちゃん。
ヽ  ̄ ̄...::::::/;;; ヽl |;';';';';'ヽ
. /ヽ ..:::::::/;;;; ヽ|;';';';';';';|`:.ー これもいい機会だ。なんかあったら相談しろ」
_,, -‐''7;';';';';ヽ::::::/;;;;;; /;';';';';';';';|`:.ー
‐''"~_,,:..:-‐/;';';';';';';';l`'´;'|;;; /;';';';';';';';';';';|:..:..:.
:..:..:..:..:..:./;';';';';';';';';';l;';';';';'| /;';';';';';';';';';';';';';';';';'|:..:..:..
,! ハ ヽ
,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ l //:::::::::::::ぐ ̄
彡ソ'/ i、 | く l /::::::::::`ニン 「そうですね。
l.::从,.弋 ヽ ⌒ '" ./::::::::::::ミ
乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ /: :lリ \l 変な人に絡まれたら言うんですよ?」
|三:.\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ
|三三 >,,, ヽ ゙"''''"" /
ノ三三三三>ミ\ イ
斗≦三三三三三三三≧ 付
≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
/ _ ! _._ `ー=ニ ` 、
/ /ミミミ、 ! ////∧、 ヾミ三ニ─´ _ .
/ ノリ /ミミミミゞ ! l// `ミミヽ、 _ /
| // /ミミヾゞヾゞV ミミミ .、¨_¨─ ´ _
| /ミミヾゞヾゞ _..',Y ∧  ̄ ¨/ ←宮永照ファンクラブ会員3号
| /三ミ / ',Y 〉 ─ ´
ー .ヽ彡 i i イfェュf´ |) ./ミミミヾ、
ノノ〃ヽ´"fェュ、 ''"´ ノ|¨ゞゞ、三=='
-=彡≡彡 `¨´ i / |ハゞゞニ='
ミ三=´川ゞ i / .| ヽ  ̄ 「うむ。
川ゞゞ、 、 _ . / .∧ _
ヾll| ゞゞヽ i` ._. / ./ ∧ヽ イジメなどを受けたら相談しなさい」
ゞ ` ヽ、_¨-―- ./ ./ .|: :\
lハ 、_ .´ / l: : : :| ¨ ・ .
/| \ / l: : : :|: : : : : : `: ・ .
//: :|. `_´ /: : : ::|: : : : : : : : : : : :
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/ )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:| __ ,.-‐┐
___ ,:=''"/ .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ / ノ
( ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ// /
`ー-、__/ ` !\::.ム.! ー―' , ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ / / \_
___ノ ノ )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / // /、`ヽ、 `ヽ
f __ ∧ ,.へ iヽ! \ 、___ノ / / / // / / / '"  ̄ヽ!__/ 「!!」
`ー-----r‐'" i r/ / , |ノ! `ー----ァ'" / i! '" / 〈 i  ̄ `ヽ
\ ヽ !_ノ _/__ノ ヽ、 \ / / !、 i V 、_ 、____ノ
) | 、ヽ_,ノ、_/---、〈 `ーァ、___,、_/ !: : ̄ヽ,_/ ` )
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ヽ | |: : : : : : :/ 〈 \ 《 ゛、 /゙、: :/ ,.---‐二ノヽ___!、 \
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,. . ―――. .、
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{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从 「(懐いたァァァーーー!?)」
Ⅳ乂{ "" "" ム':/
人 u r‐ - ‐v 人}'
>`二二´<
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| |  ̄`二イ | |
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しょ、正直堅気の人には見えないよ!?
一人は教科書で見た人によく似ているけど気のせいだよね!?
嬉しそうに飛び乗る娘に困ったような眼差しを向ける初老の方々。
もちろん、私たち親もすぐに謝罪に行きました。けじめはつけないとね!
しかし交換条件としてお姉ちゃんのサインをねだられたので、即決でOKしておきました。
また京ちゃんとお姉ちゃんがデートすることになっちゃった……。ぐぬぬ……。
ちなみに、あの人達が口に咥えているタバコのようなものはチュッパチャップスでした。
12/13
……
…
・宮永家前 深夜二時
≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ ← 遅くなったので自力で来た
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
/ ヾ:::::::::::i i:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::ヒ.i
/ソ|`::::::::::∥::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
. ∥ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::| ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ハ ィ.爪ハ .ヾ:i イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
. |::::::::::::i 弋っリ 込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
i:ハ:::::::::| xx , xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::| 「誰もいないよね?」キョロキョロ
o .i:::::::::i u |::::::::|:::::::::::::::::::|
i::| ト::::::ヽ. _ i::::::::|:::::::::::::::::::::|
ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、 .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
/ノ | |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭 /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
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|i ! .:.:|.:.从:./x==ミリ ∨:.:.:||:.|:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:; :.: |
{;.| .:.:.!:.:.: |}|《 {h//} ∨:.:|V x==ミ .:.:‘. .:.:.:.:.:; :. |
| .:.:.!:.:..:.:!. Vrツ \| {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::. ;
| .:.:,|:.:.::.:.:, :.:.:.: Vrツ /. .:.:.:.:.;. :..: :
`O:.|:.:.::.:... ' :.:.:.: /. .:.:.:.:.:;. :.: ; !
|:.|:.!:.:.:.:八 ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; | 「起こさないように、気づかれないように……」コソコソ
イ !:.!:V:.:.:.:个 、 人. .:.:.:.;. :.: ; |
/ l /ト:.!:.V::.:.:.:.| ト、 `  ̄ イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ; !
. ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
. ; ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.! ヽ ィ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.::..: / ヽ
. ; |jr-―二___ヽ / ` ´¨l __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/ ∧
; ',.! ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/ , ' |
; ! ___ ヽ」'ノl__ノ l_______ ` 、:.:.:.// .;
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, ! V l ヽ / l /
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|::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´  ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l 「メリークリスマス、なのです!」(プレゼントをポストに入れる)
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/::/:::::::::/ 廴_ 八 { /::::::::/ / V.:.:.::l
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././ ′:!.:.|.......:小:.:.ハ__ .:.:.:.:iハ 斗:十:.ト:. .|:.:... i:. :
i:.′} . :|. :! :.:.:斗{:.:「 丁i .:.:.:.ト:.V ヘ:.{\:.:.`!:.:.:. |: :|
|′.′::l .:|.ト:. .::| ヽ 气{\:.:{ \ ヽ. \} :. : |: :{
i . .:.|:八.:.|ヽ{ _ \ ,z≦ミ、| :.: :.!:. |!
| : /|.::.:.:.::! ,ァ= =ミ ´ `'^| :. : |:.小
|.:/ :! .:.:.:.ハ ′ /i/, | :. : |:.|i
|:′:} .:.: :| ∨ /i ' .:. :. :.!:. l: { 「明日もあるからすぐに帰らなきゃ!」
○: :′.:.:.ト. . , 八:.:..:}:. l:.‘
/:.{: :| .:.:.:. {:: 込 ` ´ /}::.:.:./::. :!:. ‘
/:;:.|:.::| .:.:.:. |:::::::个:..... .イ::∨:.:.:/:/.:.′:∧
i:/{:.! .:| .:.:.:. |:::::::/:::::::::ノ}≧ - ´ {入:/.:.:./i/:.:.′:. . ‘.
|{∧{..:.i:.:{:.:.:‘:.:.::::::::/ 乂 / /:.:.:/V:.:.:.{:.:.:. . . ‘.
.′..:.八:!ム:.七¨⌒} >t_ん /:./「/:.:.: 厂 ̄ ≧ 、
/ . rヘ´ ヽ \ | ∧ ∧'ィ斗v′:.:/ ヽ
. / . :′ 八_{ ̄≧ V__/イ´ {'リ:.:.:.:′ / }
/ . . {⌒ヽ 八 z__{ }___, {.':.:.:./ / |
.′. .:| \ 《 ハ下 . /.:.:.:.′ , 小
/ . . .:.{ ヽ } ∧__/ }ハ ≧7.:.:.:./ / {:∧
. / . ./..:.:} . | く / } ;:.:.:.:.:′ .′/ {:. .‘.
/ . ./..:.:.:.i ∨ } `≧-ヘ ∧ノ}:.:.:.:.{ . { .′ }:. . ‘.
/ . :/′:.:.:.} ‘. V| ∨ |:ノ}:.:} j / / {:.:. . ‘.
カン!
クリスマスだからと詰め込みすぎたしAA多すぎた、反省
そろそろ平行世界編のストーリーを進めていきたい。あと京咲書こう
86
酔っ払った勢いでおもちで京太郎を誘惑してしまう霞さん
196
須賀家スキー旅行
451
名古屋飯
追記
>>474
関西弁チェックありがとうございます
1/7
健全な雀荘もなんとやら、プロ雀士が3人もゲストで来ている状態になのに抑えが利くわけがない。
気づけばどこからともなくお酒が入り込み、一部の人たちに配られていた。
染谷先輩は『すまんすまん』などと言ってはいたが、あれは狙っていたんだろう。
途中から分かっていて配膳していた俺にも罪があるし、そこは目を瞑ろうか。
「咲もなんとかやってるな」
咲の方を見ると、なんとかかんとか麻雀をやっているみたいだ。
本気で勝負をするのは何年ぶりか覚えていないだろう。
知らない人との戦いもあって、結構苦戦しているみたいだ。
今は照さんと『なんとかポイント』(なんの話かは聞き取れなかった)を競って勝負しているようだ。
遠くて何を言っているかは聞こえないが、相当盛り上がっているみたいだ。
「お姉ちゃん、今日だけは負けないんだからね!」
「それはこっちの台詞。
私に負けが込んだからといって迂闊に京ちゃんポイントを掛けたことを後悔させる」
「ふ、ふーんだ!
勝ったら没収なんだからね!」
「その代わり、私が勝ったら現ポイントを二倍にしてもらう約束」
ずいぶん血気盛んだが、姉妹仲が良いことはいいことだ。
2/7
……
…
「ぐ、ぐぬぬぬぬ」
「ふふん。
日本代表をなめてもらっては困る」
「なんとかお姉ちゃんを引き摺り下ろすんだもん!」
「咲さん。ここは私と愛の合体攻撃を加えましょう。
京太郎君も読んで3人プレイなんてどうですか?」
「ちょっと和ちゃん、今は相手をしてあげてる余裕はないの!」
「(いざそういう扱いをされると寂しいですね)」
「ふふふ、そんなことを言うならボーナスを上げる。
私に直撃させたら私の負けでいいよ」
「な、南三局が終わった後に言うことじゃないよね!?
そこまで言うなら絶対に勝つもん!」
「(だっていくら衰えていても咲相手じゃ普通に負けることもありえたし)」
「仕方ありません。ここは咲さんを援護させてもらいますか」
「和ちゃん! これは姉妹の戦いなの!」
「わかっていますよ。
麻雀の中ではコンビ打ちなんてしません」
「?
じゃあ何を援護するの?」
「ふふふ。私にはもう一つ武器があるのを忘れましたか?」
3/7
,>─.:::.──- .ィ─-、._
__┌.、/ \/:::::|
|:::::::∨′ .: : : : : : :. : : :. ',::::::::}
. ,ゝ::::/ : : : : : : : : : : :ト、:: : : : :∨::::゙i
{::::/ ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
/ |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
├┤| :沁 :::::::: :::::::: ノ/: : ! 「咲さんのお姉さんが負けたら、のどっちのどっちの刑も加えましょう!」
|:.:.|',| : :人 r─‐┐ ハ/ /:|
|:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
|:.:.|::| .:|ィ‐=_,,} ー {.__//゙ /_.| i|
|...:|::| ! :リ.|::::{_ __.//゙ / ヽ!|
|:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
|:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:| |_ ||
|:.:.|:.i!:../. ::: .:. . |:∨ ゙< 小.
|:.:.|:.{ ! :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
|.:.:| | { .::: :} ! :!
|:..:|∧ ',: : . .: : . : i. ..ノ|: | リ
|:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
ゝ | `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
| ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙ {"
∧ ::::\ } : ::::: ::/ ∧
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
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} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| }
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「!?」
. { |:::::::::八 _.. ‐~‐-、 イ:::::::::::::::| {
. } |::::::::::::个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ::::::::::::::::::|
レヘ::::::::::::::::::::::_≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス::::/
∨\::/r ̄ ̄ ̄7____/ / ∧/ }
{ ∧ | / / / ∧ {
} / {\/⌒)_∠__/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i: ハ:i:\ |
/ /:i:i:i:ハ:i:i:i:i:丶 ... ______丿
〈 i:i:i:i/ :i:i:i:i:i| | }
、___/:i:i:i:i/ Ⅵ:i/ | {
4/7
「そ れ だ。
和ちゃんナイス!」
「わ、わには関係ない!」
「ええ。確かに関係ないですね。
じゃあ関係ないんで、勝敗関係なく襲ってもいいですか?」
「!?」
「照さんが勝ったら今日は我慢します。
まぁあと南四局だけですし、日本代表なら余裕ですよね!」
「(和ちゃんえげつないよ……)」
「私は負けない!」
「……ところでお姉ちゃん。
さっきまでの流れと同じルールだから、責任払いはあるからね」
「え?
……まさか」
「カン!」
//:::::::::::::::::::::::\
///:/::::ハ:::;;;::::,::::::::::\
////::/,ィ://i:/ll:::ハ::::ii:ii:::::? __
ハ/::/::iイl::{T{:{ {{::|7:::ハ:i:::::::::l/ \
||:::i:::i|,イ三i`? ヾィ三メソi::i::/ お ?
{|ハ:{ト,,ヽシ , Lツ }j::::j:| 姉 |
{{?:| __ ''//:/::| ち ?|
ゞ\ `ー’ ////:| ゃ |
?:;|\_..,,,-ー//___| ん |
__ | ?|_ | ! |
,...---..、,,,,,,,--'´ iノ-、,-‐/  ̄ ̄ー- | s /
/ 嶺 ?ヽ:::::::::::l ̄ ̄7::::::::::/,.ィ´_.? : /
?| 嶺 |l\ヽ:::::l /::::/:// {ノ \__./
?| 開 レ?;;\ヽ:| //;;;/;;/へ| ?i ?
_,,,.-,| 花 .| `ー-r--〈;;;;::-‐'´ | l ?
? /7 / / | | |rr-ノ ?| l ___
.{ {?| 'r'| 死 | l /;リ;;|;| | l/___`
? ?}?| |::| .ね | li {;;|;;;;ハ;;} l __/ //--r-、
?.?ノ-| ! /?ll |;;|;/;;;|;;| l{ \'´ 、????
---,`´--\__/-----,-----,----,----.、----、----
-- '------'---- '-----.'---- '----.'---- '-----'----
5/7
/ )---、
〈 イ_{┌‐‐
└'‐ク }
\ { |┐
λ / ∧
〈-=彡' ∧
∧__彡' 〉
{ {
∨ ∧
| / リ
__ | ,/ /{
---- 〈:::::\ | / / {
´ /\-、\ | ,/ l|
-/ \ 〈::::::::/\Χ__ | / |
{/ / / \\ ヽ\/:::::∧ ∨:.} /| {
. ///| | | lト、 l l イ:::∧ ∨ } l| \ヽ l|l|l|l|l|l|//
| l | |l l | | l| 八从li |:::::::∧ ∨ \ /
| l | |l l\l\八从芹苅 i | ̄|l i/ ll 二 . 二
八l | |l |芹苅 乂ツ 'l | l l||_// l| / ― │ ―
. /::\八从乂ツ .::::::. l | レ´// } ,/ 二 で 同 と 二
. ⌒/ / / ∧ .:::. '__, ∧l| |:./{ } /. ― き 性 い f⊃ ―
/ / / / 个ト . イ| || l/ } / 二 る の う | 二
. / / / / l|| | 〕i千 /:.:| ||/ / ∧. ― ら 間 の _ ―
/ / / / ||_|//-,/.:.: | || / / \ ,二 し で で (_ 二
. / / / / /_|/:./ /:.:.:.八 ∨ / // \.― い も 、_) ―
/ / / / //:.:.:.:./ /:.:/ ∧ ∨ / /. 二 で 子 二
. / / / / /人:.:.:.:{/:.:/ \ \{ -‐ ― す 供 糸田 ―
. / / / / / \ヽ/:.:/ : : : :}\ \'´ \ ,二 二
/ / / / / }::.:.:/: . . . . . . . : : : :| /:.\ \ ― 月包 ―
./ // / ,/{: : . . . . ノ:.:.:.|: : : : : : : : : : : :八\:./\ \ // \
:_,. -─……─- :
:
.:´........................................................\:
:/.......................|........ト、..............................ヽ:
:/.........../ .....|.._|_八......| \__....|............i:
: ̄ ̄ ̄|...|....| [ \| \|....|............|:
:|...|....|┬─┬ ┬─┬ |............|:
: |...ト..| 乂:::ノ 乂:::ノっ|............|:
:i|...|....| |............|: 「き、京ちゃ……」
:||...|..人 , _ 人.......l..|:
八Λ.....> _ . <......../|/
\|\_,ノ⌒ 〈___/ ⌒>‐-ミ:
;/ ̄ |:\ ∧ / /:::::/ \;
:/ |:::::::\ ∨_/:::::::::/ ハ:
:/ \:::::::Χフ:::::::::/
/  ̄/:Τ:< ̄ ',;
;\ | 〈::::∧:::〉 | /:
※この後めちゃくちゃくすぐられた
6/7
……
…
・おまけ 別の卓
「嬢ちゃん、なかなか筋がいいじゃねーか」
「うむ。若い力こそ今後の日本国を背負っていくのだ」
「?」
「この二人の言うことは真に受けないでくださいね」
「しかし、何の賭けもしないってのもアレだな」
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
. / : { : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !: |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \ 「?」
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. > . __, . - "〃ヽ \,.' ヾ: : : : : : ヽ
: : : : : __/ ' ,: : \ {__,.. ' ノ:\
7/7
/ _ ! _._ `ー=ニ ` 、
/ /ミミミ、 ! ////∧、 ヾミ三ニ─´ _ .
/ ノリ /ミミミミゞ ! l// `ミミヽ、 _ /
| // /ミミヾゞヾゞV ミミミ .、¨_¨─ ´ _
| /ミミヾゞヾゞ _..',Y ∧  ̄ ¨/
| /三ミ / ',Y 〉 ─ ´
ー .ヽ彡 i i イfェュf´ |) ./ミミミヾ、
ノノ〃ヽ´"fェュ、 ''"´ ノ|¨ゞゞ、三=='
-=彡≡彡 `¨´ i / |ハゞゞニ='
ミ三=´川ゞ i / .| ヽ  ̄ 「お年玉には日本(表)をあげようか」
川ゞゞ、 、 _ . / .∧ _
ヾll| ゞゞヽ i` ._. / ./ ∧ヽ
ゞ ` ヽ、_¨-―- ./ ./ .|: :\
lハ 、_ .´ / l: : : :| ¨ ・ .
/| \ / l: : : :|: : : : : : `: ・ .
//: :|. `_´ /: : : ::|: : : : : : : : : : : :
/: :/: : | /:::::`:...、 ./: : : : : |: : : : : : : : : : : :
___ ,.. -─z:._
`~`''‐、 ``ヽ, ' ll '´ lll ``ヽ、
. ,. ‐''"~´ ̄ ` ll lll ll `ゝ
∠.. --ー;:=‐ lll lll ll ll ヽ
,r''´ ll ll ll lll ll i
/ ll ,. lll ll lll ll !
, ' ,. / ll , '|.ll ト. ll i lll lll |
. / ' ´, ' ll lll ,イl/::::::l l:ヽ |ヽl!ト、 、 ll |
/ イ / , '::l/ー--:ヽ.!::ヽ!;:ゝl-ヽヽ ll ll |
//.イ ,イ ̄`ヽ、 ×´ヽ. ヽ::::::::`i lll |
/ |/ l====。、 ,,,====。=:::|ll|'⌒i |
l: ` ー-'/::::. ー-‐ '´:::::::| !'`! | l|
. l:`ー-/::::::::. ー--‐:'´:::|l!'^l l |
!::::/::::::::__-, ー-、 .::::::::|!_ン l|
i.`"-----------ヽ:::/;ヽ lll |ヽ.
!. ___ ..:::::/;; ヽ |;';';ヽ. 「日本(裏)をくれてやろう」
ヽ  ̄ ̄...::::::/;;; ヽl |;';';';';'ヽ
. /ヽ ..:::::::/;;;; ヽ|;';';';';';';|`:.ー
_,, -‐''7;';';';';ヽ::::::/;;;;;; /;';';';';';';';|`:.ー
‐''"~_,,:..:-‐/;';';';';';';';l`'´;'|;;; /;';';';';';';';';';';|:..:..:.
:..:..:..:..:..:./;';';';';';';';';';l;';';';';'| /;';';';';';';';';';';';';';';';';'|:..:..:..
,! ハ ヽ
,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ l //:::::::::::::ぐ ̄
彡ソ'/ i、 | く l /::::::::::`ニン
l.::从,.弋 ヽ ⌒ '" ./::::::::::::ミ
乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ /: :lリ \l 「普通のものをあげなさい!」
|三:.\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ
|三三 >,,, ヽ ゙"''''"" /
ノ三三三三>ミ\ イ
斗≦三三三三三三三≧ 付
≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
493
京ちゃんポイント没収される照
また3人組が出来たけどさすがにゲストだから…
1/8
86
酔っ払った勢いでおもちで京太郎を誘惑してしまう霞さん
夜も遅くなり、子供は咲が家に帰して寝かせました。
とは言っても、まだまだ大人の時間。残る人はそこそこいます。
一般人からしてみればプロ雀士と打てる機会なんてそうそうないからね。
一番人気の照さんを筆頭に、江口さんや愛宕さん、淡も大人気だ。
淡なんかはあの性格で他の人に話しかけられたら少し落ち着かなくなるのが面白いよね。
高圧的というか、ちょっと生意気な態度で上から目線なのも淡のファン的にはポイント高いらしい。
淡のことを知らない時には、あの年齢なら少しは落ち着いた方がいいんじゃないかと思っていたが、詳しくなればなるほど親しみを持てる。
そんな不思議な雰囲気を持っているやつだ。
そういえば、子供たちを帰した時に、何か引っかかりを覚えたんだよな。
何か忘れているような……。
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|::::::|::l:|::|八 !从{:::/:::/::::/--.l::::|::|:::|l::|
|:::八从斧苧ミxl厶厶イ- 、从::::|:::|l::|
|::::::::| |l^乂_ツ 斧ミv' 厶イ: 八|
|:::: 人|l 、、 Vツ }/:::::::::/ ノ 「うふふ……」ジー
|::::::::::从 ' 、、 /:::::::::/
|::::::::::::::l\ `ー ..イ::::::::/
. 八::::::::::: l ┬‐=≦:::|::::::/
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. ´ 〈 |∧::::| \ ノl l゙` |::::{
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. / ll l |: : l:::|\ 〉 :|: : :.\!
/ l l Lノ: : :l:::|: : \ ./ |: : : : :.\ |
./ ll / /ミ| / 从 `゙丶
リ / |:::〈 / / ,
/〈 | 八::::l / / ′
l }:::l ./ / |
| : : : . /::ノ/ /: : . . . . : :,
\ 人: :./:://: : : : /.: : : : : : : : : : : : : : :./
\ \{ Χ://\__/: :-‐=‐-: : : :___.. イ |
2/8
「うおっ」
何やら視線を感じてみれば、そこには霞ちゃんが立っていた。
しかしこれ、破壊力高すぎじゃねーか?
ドジっ子黒髪長髪爆乳メイド巫女女子校生とか属性てんこ盛りすぎる!
あざとい女の子はお嫌いですか?
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「(俺は大好きだ!)」
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
___| |//////|
{|___ノ __|[_]//∧_
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「京太郎さん」
「霞ちゃん、どうしたの?」
ほのかに顔を赤らめた霞ちゃんが近づいてくる。
うーん、何か違和感あるんだよなぁ。
……そうだ。霞ちゃんは女子高生だろ!? こんな時間に外にいちゃダメじゃないか!
雀荘やゲーセンって立ち入り禁止時間があったよな……。
それに、いつもと違ってシャキッとして口調も安定しているような氣がする。
3/8
「霞ちゃん、そろそろ帰ったほうがいいよ。
俺が送るからさ」
「うふふ。京太郎さんは優しいですね。
でも、私は大丈夫ですよ」
「いや霞ちゃんが大丈夫でも世間は大丈夫じゃないし……」
染谷先輩にも責任が行っちゃうしね。
っていうか、みんなは何で止めないんだ。
「京太郎さんって、体ががっしりしているんですね」
「そうかな。最近は色んな人にダメ出しされているんだけど……」
お淑やかに近づいてきたと思ったら、俺の二の腕を触りだす。
振り払うことも出来たけれども、年下の女の子相手にそうするのも気がひけるのでされるがままだ。
役得だとか考えてねーし!
しっかし霞ちゃんはいい匂いがするな! 女の子って何でこんなにいい匂いがするんだろうな!
咲なんか俺を誘惑するフェロモンでも出してるんじゃないかと疑わしいレベル。
おっと、咲のことを考えている場合じゃ……。
「わっ」
「ふふっ、かわいい」
首筋に人差し指を垂らされて思わず悲鳴を上げしまう。
それを見て、妖艶に笑う霞ちゃん。
な、何だろう。霞ちゃんすっごくエロいぞ!?
こんな魔性のおっぱいに誘われたらドキッとするのは仕方ないよね!
しなかったやつはロリコンかEDだ。
4/8
「さ、さすがにそれは止めとこうよ」
「ダメですか?」
「ダメ、じゃないけど」
「じゃあ、こうしますっ」
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_____ /:::/::::::|:::|:|八::::::::// |::::|l::|::::::::|::::.
⌒>――‐ ..、 | /|::::::::|从{-‐)ハ{ _‐从八|::::::/::::::l
/::: --- 、::: \ li |::::::l ,斥苅` ´斥苅ト リ::::/:::::::::|
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|:′ /  ̄ ̄ .. |::::::::l (⌒ヽ {::///⌒i:/ 「えいっ」
i / ` 、 |:::::八.. -‐  ̄ ̄ ̄ ‐ {:{//__ノ ′
′ \// `ト、/
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八:::. |
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――‐ 、\ -、 /
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/ {∠二二二二二二ニ=\ //
/ _ノ二二二二二二二二二≧=- ___ -= /
/ {二二二二/二二二二\二二二\ / /
-―――-
「ふおおおおおおおおっ!?」
急に押し付けられるたわわに実ったおっぱい。
この世のものとは思えない!
信じられない感触だっ!
5/8
「わぁ……、京太郎さんって、体が硬くて、大きいんですね……」
「ちょっ、まっ、ヤバイって!」
霞ちゃんは座っている俺の頭に思い切り抱きついたようだ。
実際にはそんな冷静に状況を判断できないけどな!
顔面全体に伝わる未知の感覚。
咲はもちろん、照さんとロッカーに入った時もこんな感覚はなかった!
須賀京太郎の人生で初めて味わう感覚!
高校時代、和の胸の中に飛び込みたいと思った男子は多いだろう!
俺は今っ! それ以上のものに包まれている!
その感覚はまさに……!
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
丶 ー ―‐ ' / |′
\ / |
__ i ー ' ! __
, ィ'´:.:/-‐ ´} / `Y´:.:.\
, -‐'' ´:.:./:.:.:./― - 、 ,/__ /:.:.:.:.:.:/`丶、
ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
/:.:.:.i:.:.:|,':.:i:.:.:.:.:! ヽ / /:.:.:.:.:.:/:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:,.ヽ
うん、おっぱいに埋もれて窒息って本当にあり得るんだね。
感触を味わっている間もなく、命の危機に晒されている。
本で見る分には男の夢のシチュエーションなのに、それどころじゃないっ! 死ぬっ!
6/8
/ / , \
/ / /| | ', ', ヽ
γ/ / / .! | \ヽ\ ', , ヽ
./_ __/ / / _ ! | _ ヽヽ ヽ , ' 、 \
 ̄ 〃 /~ ´`´ ', |´` ヽ~ 、 .! ! ',\ ヽ\、
/ !/ { 〃 ! ! ヾ ヽ| |ヽ ヽ、 }
/ , ./ ! _ ≧==== ヽ! \ _|=====≦ ||l | | | ヽ, /
./ 、{ ! ̄{::::o::::::} {:::::o::::::::} ミ、| l ' 〃 ',
/ 〃 | 弋::::::::ノ 弋::::::::::::ノ 〃 | / \ '
// .! / ムイ \ |
!,'! /, ' .| ' ' ' ' ' ヽ 、ヾ |
|!% /,' ,' | { 、 ', ,/ 「それ以上はダメでしょ」ポカッ
% |!' ! ' / .| !
l ヽ ,-‐-‐--, ノ ヽ |
,! ヽ  ̄ ̄ ィ-- | ヾ | |
丶 { | 、 イ /l ' | | / '
\! ! ! _ < |/! / ! イ / }/ /
ヾ _| | ! V ムイ
._ ヘ--! ----―‐、
/ <三三ニ>'" ', ! /| ヽ--==ニ> ̄ ̄`ヽ
/ /三三>'" V / | /三三三" ヽ
-――-
/ . : : : : : : : . \
/ : :::::::::::::::::::: : : : : \
′:::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|:|
|::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::|八
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|::::::::l:::::::::::::l:::::::::::|:::|
|::::::::l:::::::::::::|::::::::/|:::| 「うっ」バタッ
/|::::::::l:::::::::::::|:::::/ `゙丶
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/ !:::::|:::::::::::::/ / ∧
// { !::::|::::::::::/ / { ',
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. / | /::::/∨____/__/_| /,
/ |l/:::::::/|ニニニニニニニ| / |
. / /::::::::::/,人ニニニ二二二二l / |
7/8
「え、えっと、シロちゃん?」
「もう大丈夫。霞はこっちで処理しておくから……」
「いや霞ちゃんが大丈夫じゃなさそうなんだけど」
「手刀は霞の技だから、受けた時も大丈夫なはず。……多分」
「どんな理屈!?」
「霞はちょっと飲みすぎて酔っていただけ、次には思い出して前以上にどもると思う」
「(未成年飲酒を叱るべきなんだろうか……?)」
「ちなみに私はザルだからいつでも付き合ってあげる」
「はいはい。成人したらね」
「……」
//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ | 「……(私も酔ったふりをして押し付ければよかった)」
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } /
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/
/.:.:/:.:.:./‐/ >、 _ ... イ ゝ ヽ
l.:.: ′:.:.|‐| λ´ ` < _
. 人::|:.:.:/::|‐| `ヽ ィ´ / 7:.:.:. ’,
Y:.:.:.';:.:/:.:.:|‐| / /:.:.:.:.:.:.:.:
}.:.:.:.Ⅳ.:.:.:.|‐| , ' ソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
λ.:.::´:/.:.:}‐{ ! / , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }
/.:.:..:; ':.:.:.:.:. l‐l , ´ / ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 从
. /.:.:.::.:,:.:.:.:.:.:.ハ ', / ヽ V ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
, ':.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.; ':.:.:.:./., , ' ゝ!.::.: V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
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l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.; ゞ==-≦::.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:| :.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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. 入:.:.:.:. ';.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.:.:.::.l:.:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:. /
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入.:./:.:.:.:.:.:.:.:丶:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:;′:.:.:.:.:/:.:. /:.:.:.:.:.:.:.: {
8/8
・別の卓
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./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
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!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i! | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ / i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「なんでおっぱいの話で私が絡まないんですか!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
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カン!
今日はほのぼの
なぜかよく続くクリスマス会編
なぜか双子に異様に警戒される人物とかいないのかな
1/7
525
近代麻雀三大神にいどむプロ
「連戦連勝!
ドヤァ! これがプロの力や!」
「洋榎は間違いなく強いよ。
麻雀は」
「そうやな。麻雀は」
「そうそう麻雀以外は壊滅的……ってなに言わせるんや!」
日本の誇る女子麻雀プロ!
スレンダーな美人!
お嫁さんにしたい女子麻雀プロナンバー1!(自分調べ)
そのうち宮永照を超える女!
愛宕の名を継ぐ者!
愛宕の面白い顔の方!
愛宕の結婚出来ない方!
_,. .-‐-、
_ /: : : : : : :ヽ
,. :''"´: : : : :`ヽ、 /: : : :_; : : :-:‐:-. . . ._
/: : :_; : : -‐-x: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: :, '"´ , : ''"´: : : : : : : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
. // /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
{.i /: : : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\
. |j /: : : : : : : ; ''"´  ̄ ー-‐‐7: : : : : : : /l: : : : : : : :iハ: :ヽ`/: : i : : : : : : :}`ヽ
{: : : : : ./ //: : : : : : : / .l: : : : : : : :i .i: i/ i: : : :}: : : : : : : i : : : . 、
i: : : :/ /:.:/: : : : : ∧7‐-=ミ:ハ : : : :.!/ j: :ハ∧.: : : : :ト,:i  ̄ `ヾ;,.
i: : :/ /:.:/{:.i: : : :.i:i リ i:./ _\: : :i =ニテオ=z≦!: : : : :} '! /: :}
ヾ: :i /:./ i:ハ: : : |:| _,z=オ芹「 \:! i:::;;;しイ j: : :./:V /:/
\__, 'イ lj ヾ: :i:| '"i::::;;;しイ. 弋::::::ソ ,厶イ:.:ハ :i / 「愛宕洋榎とはうちのことやで!」
`ヾ=---' //\!ト、 弋_::_;ソ  ̄ i |: !: i i }/
// |: :i ∧ '_ i |: : .i i:.!
{:.i .|: :!: :∧ / `ヽ イ l: : :i //
ヾ\ |:.:i.:/ ` . i__,ノ / iリ |: ://
i:.:i/ ≧- _ イ ,/ i:/
i:.| 八| ,ハ__ /
';.! _,, -‐f´ \ / i ` ‐- _
, ''" {. ∧_∧ } `ヽ
/ /. \. _/x==x`ヾ_,ノ i
// i ___{{__〃V \ i \
/ .l. / ,、ヽヽヽヾ! i\,ノ ./ \_
/ i / ゝ_/_/_/_/ー-、. \ V  ̄_`ヽ
∠__ / _,, イ ̄ 〈 /::::i i
{::::/ `ヽ. / -‐‐''" .| }::.i /\:::ノ ノ
2/7
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/:::::::::::::|::|\::::::|:::::::::::::::::::::::゙、::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙、
!:::::::::::::::::::::〉'" ゙、:::::::::::::::::::::::::::::━┛ ┗━::::::::::::::゙、
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|::::::::::::::::::::::ハ _, -‐ ´ /;:/⌒ |::::::::::::::::::::゙、::::::::::::|
.゙、::::::Nハ:: ノ=、/ ,、 , /:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| 「うるさいわ!」
\| | / \ ν ノ:::::::::::::::|:::::::/|:::::::::N
| / _/ | ノ ̄ |:::/:::::::::/:::::/ |:::ハ::|
... | , ‐ ´ _, ‐ ´ 〉 |/::::::::::/:;::/ レ |/
. >、 \ ' _, -‐ ´ \::::/|//
| \.`ー '" _, 、 V /
. | \_, -‐ ´ | \ //
| | | ト、_ | / /
. | || | \.\ ' /
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:\
: : : : \: : : : ; イ: : : : : : : : : .i:.: : : : ヾ\ つ
: : : : /\/ .,': : : : : : ハ: : :.}: : : : : :.i//
: :ハ;/ \//i : :/ !: :/i: : : : : : :i′
:/ 气テテZ=, // -‐‐''" !: : : : : : :}
{. l::::;;;::::i テ=ェx_ /: : : : :.}:.;'
乂::::ソ |::;;;::「./: : : : :./i/
xxxx 乂ソ厶イ:_;ィ′ 「す、すまん」
:、 "" i : :ノ \\
\ r‐ ― ァ U 八i' //
..r‐/≧:..._  ̄ __, イ: :i /
" \ /  ̄ !: :i
i /‐'iハ |:.;'
ハ__,/》《∧_}\. |/
,/ /|| |ト、! \
_/ .|| || i }
/ハ! ,/ i
{ / .!
i/ |\
} \
/ /
3/7
……
…
照もセーラも別の卓に入ってもうた。
なんや、かわいいかわいい洋榎ちゃんを求めている卓はないんか?
「おう、やっぱり嬢ちゃんはセンスがいいな」
「うむ。この年でこれだけ打てるのは珍しい」
「あのですね。あんまり子供に無理をさせないでくださいよ」
おおっ、あそこの卓なんか強そうやな。
しかし、イカつい連中やなぁ。その中に子供が混じっているってシュールやで。
「おう。うちも混ぜてもらってええか?」
「いいぜ。誰が抜ける?」
「じゃあ……」
「では、私が抜けよう」
「純ちゃんは嬢ちゃんの後ろで見ていてやってくれ」
「いや、子供にまだ打たせるんですか」
「任せておけ」
「兄ちゃん、安心せえや。
この愛宕洋榎、子供に全力を出すほど大人気なくないで!」
「はぁ……、わかりました」
なにやら説得を諦めたようにため息をつく兄ちゃん。
この中で一番若く見えるで。苦労してるんやなぁ。
しかしこの卓から異様な雰囲気を感じたんやが、気のせいやったか?
4/7
//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
/ 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
/ / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
/ j:::::::/:::::::/__::/ |{ |:::i i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
{ /:::::/:::::/i{ |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
/7::::i::::/ ィ 弌ト、. 乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
_ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}` ´んぅト/ /!::::::リ::/
>、 } 〃〃 , ` ーrっ// ノ::八
/⌒ 〃〃/}_rくノ )}
/::::::::::/\ ^ ` ~ 、 / >=へ
{:::::从:{ > _ < /:i:::::::::::ヽ
ゝ:::(八 _}>-=≦/{_ {八::::::::ハ::}ト
/i | `>/::::\ }::/ レ'
---=ニ¨:::::::い / '::::::::::入 ´
ここらで花を持たせてやるのがプロってもんやな。
残り二人は鳴かず飛ばず、振込みもせずあがりもせずと言ったところ。
ふむ、なかなか打てる見たいやないか。
「あっ」
そんな折、嬢ちゃんが緊張したのかツモった牌を落としてもうた。
「私が取ろう」
後ろで見ていたおっちゃんが代わりに拾う。
なんや、イカつい顔やけどいいとこあるやないか。
5/7
/ ! ヽ/´ ̄¨ミヽ、
/ !、 ミ! _ \__,.
/ /ミヽ ミ! /,ハ ミ ヾミ三ニ
__,,. - ´ // ,/ミミミ:ヽ l ///∧ `ー=ニ
二ニフ /ミミヾゞヾミ V ///,ハ
`ス=、_ミくく 三三ミ''` _ {ミ ` ー―‐
\_ミ三_ゝミ、彡 ! i ! _∠_´ ヾミ 三 彡
ーr=彡巛T { ,rェ=ェ、」 V/'宀¨ ` 「ヾ、 三彡
_\彡ヾミミ\ `二`λ h ノ トソミミ≧= 「(轟盲牌ッ!!)」
/L」.}_,. >-ミ ミZニ__ ! ! : |ミミヾミ`
/__ ///`ー'フ 彡ミミ=' r'._,. ┘ヽ jミミ三ー
/ ̄/7´ γ´彡ノソハ /, -―-._ 、 / Vハ「
「゙ヽ/''=ナ/¨`!/,.rー T¨ヾ彡llト ., ¨二 ̄-' !/ V`
/ ! / !ノ 〃 ,.-ニ二_`ヾ| >、__,./ ̄¨¨ ‐r-、
| !「 r 7 〃ヽ _,ノ _⊥‐'´ /:.\ \
| /l ! 〈 ノ 厂 ノ! /:.:.:.:.:.:.:\ |
| _! 「 / /// ./ !:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ\ |
| 「,','//,ハ / 〉―ー┬' \ //
」 |,','//,//| / /:.:.:.:.:.:.| ////
/ ̄ ̄ 〉 /,','/,///ハ /:.:.:.:.:.:.:.| //////
/,',',',',',∧ /,',' /////ハ /::.:.:.:.:.:.:.:.| ////////
/,',',',',/,'\\ _/,',', /,/////∧ /:.::.:.:.:.:.:.:.:.:|/////////
/,',',',','/,',',',',','\\ γ,',',',',' く////////V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.://////////
6/7
┌───┐ l ...ノ┬┬┬┬ __ __
│─┬─│――|―― ┼┼┼┼ ノ ノ
│ ┼、 │ | ┴┴┴┴ . × ×
│─┴─│ _|_ ノ \\\ / ヽ/ ヽ
└───┘
/:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
/:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
/、 / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
/ )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:| __ ,.-‐┐
___ ,:=''"/ .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ / ノ
( ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ// /
`ー-、__/ ` !\::.ム.! ー―' , ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ / / \_
___ノ ノ )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / // /、`ヽ、 `ヽ
f __ ∧ ,.へ iヽ! \ 、___ノ / / / // / / / '"  ̄ヽ!__/ 「らいじんぐさん!」
`ー-----r‐'" i r/ / , |ノ! `ー----ァ'" / i! '" / 〈 i  ̄ `ヽ
\ ヽ !_ノ _/__ノ ヽ、 \ / / !、 i V 、_ 、____ノ
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(_ノ ソ /:.: : : : : : _〉 ,," ゛、 ノ: : : :/ _` / (ヽ
ヽ | |: : : : : : :/ 〈 \ 《 ゛、 /゙、: :/ ,.---‐二ノヽ___!、 \
i | ゙、: : : : : i ゛、 ラー=-|:(__,..イ `ー'´ 7\_ )
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│一│九│一│九│一│九│ │ │ │ │ │ │| |
│萬│萬│索│索│筒│筒│東│南│西│發│中│ │| |
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//.イ ,イ ̄`ヽ、 ×´ヽ. ヽ::::::::`i lll |
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!. ___ ..:::::/;; ヽ |;';';ヽ. 「プロに勝っちまったな」
ヽ  ̄ ̄...::::::/;;; ヽl |;';';';';'ヽ
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_,, -‐''7;';';';';ヽ::::::/;;;;;; /;';';';';';';';|`:.ー
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:..:..:..:..:..:./;';';';';';';';';';l;';';';';'| /;';';';';';';';';';';';';';';';';'|:..:..:..
,! ハ ヽ
,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ l //:::::::::::::ぐ ̄
彡ソ'/ i、 | く l /::::::::::`ニン
l.::从,.弋 ヽ ⌒ '" ./::::::::::::ミ
乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ /: :lリ \l 「(またこっそり新しい牌と交換しなきゃ……)」
|三:.\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ
|三三 >,,, ヽ ゙"''''"" /
ノ三三三三>ミ\ イ
斗≦三三三三三三三≧ 付
≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
カン!
>>530
すでに呼び捨てにされている人物が2名……
196
須賀家スキー旅行
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名古屋飯
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須賀家に来るマホ
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須賀家に来るマホ
マホです! 久しぶりの出番です!
今日は随分前に約束した京ちゃん先輩の実家にご挨拶(意味深)に来ました!
「忙しくて遅くなっちゃったね」
「いえ、先輩も忙しいですし仕方ないですよ」
ここは一歩引いて貞淑さをアピールします!
きっとデジタル先輩とか悪待ち先輩だったらガツガツして引かれてると思いますよ!
それに、京ちゃん先輩だってお仕事は忙しいと思いますし、無理は言えません。
マホはお嫁さんになった後のことも完璧です!
女は男の仕事に文句を言ってはならない、って聞きました!
でも、やっぱり構ってもらえないと寂しいですよね……。
「カピーと会うのも久しぶりだなー」
「もしかして、京ちゃん先輩がカピちゃんと会いたかったんじゃないんですか?」
「ち、ちげーし!?」
「ふふっ」
ああっ、先輩かわいいですっ。母性本能をくすぐられます!
先輩みたいに身長が高くて体ががっしりしている人がペット好きってかわいいですよね!
あっ、もちろん『※ただしイケメンに限る』ですよ?
2/8
「こ、ここが先輩の実家ですか?」
「おう。帰ってくるのも久しぶりだなー」
えっ。
えっ、えっ。
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
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_, -――- ,_ ,ィマママム
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/: :/ : : //: : : :/: : : :ト、 : : 丶: :付寸ママママママム
/: :/.: : :///| : : |: : : : |: :丶 : :ハ: :寸マママママメメ、
|: :l : : _jレ代ト、: :ト、: : :.ト、 ,ハ: :ト、i: : 寸ママママママ
|: :| : : | ハ|∧ l ` 'l: :l: :l: : : 寸マママママ
人∧,ハl \l l: :i: :| i : : :.寸ママママ
l : : 刈,r==く ,zx、ノノイ / : ::/`マママ
| : : : :| l/l/ , ⌒ヽ. レ⌒Y
| : : : :| ┌ ―┐ l/l/l ノんノ
| : : ,仆、 マ. 丿 rく__/| 「……えっ?」
l : : !i ト、「>rf^h_, ィ ノ|人|: :/
/イ: :|寸〈V j i | i匕>、 レ′
人| ,rく〉V l i | ̄>′ \`
〉 i_〉⊥i, hく ∧
∧/ ,r一' |rヘ、 /ヽ',
/ r| 〈 / ̄ヽ >く l∧
/ 〈 \レ': : : :/ `ヽノj_, / !
/ | `ー\::/  ̄`ヽ ト一
V ∧ `|
V / \ |
〉ー< \ , イ
/ >---く |
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,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
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, ´ / ,' : 、 ヽ
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/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「? 俺の実家だけど」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
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何気なく言う京ちゃん先輩。
マホは今まで見たことがないような大豪邸にビックリです。
マホだって先輩がカピバラを飼っていると聞いてすぐに調べました。
とっても育成にお金がかかるとのことでしたので、ある程度は予想していました。
それでも目の前に広がった光景は予想外です!
時代劇で見たような昔ながらのお屋敷が広がっています。
「せ、先輩、おっきいですね……」
それでも発言にはちょっと含みをもたせて恥ずかしげに言います!
性的アピールです! 興奮してください!
「そういや実家はでっかいな。
今の俺にはあんまり関係ないけど」
「そ、そうなんですか」
こ、これは気合を入れなおす必要がありそうです。
こんなことで圧倒されていたら京ちゃん先輩のお嫁さんになんてなれません!
マホは先輩が貧乏でも裕福でも関係ありません! 先輩だから好きになったんです!
4/8
……
…
マホはその日、和先輩や優希先輩と同じ清澄高校に入れてとっても喜んでいました。
インターミドルで全国制覇した和先輩、そのまま高校でも好成績を残して有名になっていました。
そこまでとは言わなくても、マホにとって二人は大好きな先輩です。
憧れの和先輩と優希先輩と同じ高校というだけで、浮かれていたんです。
気づけば早足で麻雀部を探していました。
だから、曲がり角で注意することが出来なかったんです。
「きゃっ」
「うおっ?」
誰かにぶつかって弾き飛ばされました。
思わぬ衝撃に体がすくみ、とても固いものにぶつかった感覚。
マホはみんなに心配されるようにちょっと小柄です。
見事に弾き飛ばされて、浮遊感が身を包みました。
「(あ、ああ……)」
一瞬のことで何が起こったのか理解できなかったんですが、そこから先はやけに長く感じたのを覚えています。
宙に浮いて、地面に向かって落下。
痛みが来る前に目を瞑ると、力強い何かに抱えられました。
/ / / / 〃 i{ | \
/ / / / 〃 | i{ |
/ / / / i{ | i{ l ',
__/ / ′ 〃 /{ ハ { | |ヽ
⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ア i{ l l i{{ l i{ { | | } i{ /
. / ィ' i{ | l 从| l i{ { | | } 从 〃 ′ l
{/ / i{ |jI斗===ミ i{ { | 厂}/}/ }/ } /⌒ 、
' ∧ 狄Ⅵ汞≧八 {\ | ィ'“ 汞笊ぅ/ / 厂^ l ′
/ / { ', { ∨こリ \l 、! / Vこツ{/i / 从 ′
/ / 人 ', ',{ }ノ }/ / ハ/
∠ ∠ イ l\ 、 V } / /
八 ! Ⅵ ヽl j l=‐≦/
\〉 v 汯 { 爪 〃
} ∧ / // 「大丈夫かっ」
\{ 込、 ___ /{ ィ/
_ -=\ に ̄ ̄_) {从
〃 }N\ / j_ノ_}Y
ri{ i{ 、 /_ -=ニニニニ|
|ム i{ ー―― r≦ニニニニニニニ=|
|ニ} /{ |ニニニニニニニニ=‐ |
5/8
「ひ、ヒィ!?」
痛みは訪れませんでしたが、慣れない男の人がすごく近くにいて怖かったのを覚えています。
高身長にがっしりした体。漫画で見たような金髪。
マホを包み込んでしまえるような体格がとっても怖かったんです。
, ──-、
. , ‐-、. {::::::::::::::::::}
/::::::::::\\::::::::::::ノ
. {::::::;/  ̄ ̄ ̄ `゙ 、
〉゙´, ヽ
/ / / ハ ヽ ヽ ', ',
,' / ! .│_|_,}! }| .トー、}. }゙ }
{ ,'. { ‐ナレ゙レ|ノ |丿|从.ノ.!.|
| } |\つ、、、 、、|
} | | / ̄ ̄} ! 「ご、ごめんなさいぃぃぃ」
. 丿, | ト 、. _ { /ノ
リ、. !ィ〉,}. ー,‐、' ゙
. >゙ \ ! } `ー-、
/、 \___| ∥
「あ、いえ、こちらこそ……」
「うえーん!」
「な、泣かないで」
今までの浮かれた気持ちが全て霧散して、大泣きしてしまいました。
その後、先輩がオロオロしていて、私たちに気づいてくれた優希先輩が来てくれるまでこの場所を動けませんでした。
先輩なりに何かしようとしたらしいんですが、近づこうとするたびに私がビクッとしていたので何も出来なかったみたいです。
今思えば、一方的にぶつかって助けてもらったのに大泣きするなんて失礼ですよね。
マホ、反省です……。
6/8
……
…
/ / | | | | | : l :l | | :| | |
/ / | |__ | | | | | : l :l: /| | :| | |
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/ / - 、 :| x===ミx|‐-| |:`ー /x===ミノ// / :∧{
/ | :.八 _/ {::{:::刈`| | l: /´{::{:::刈\,_| イ /ー―‐ ..__
. / / :| ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
. // /| ::l、 : ー‐ \{ | / ー‐ j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
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/ :.:.:.:.:{ ::|\ハ_, ノ ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧
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. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::| 、 、 _ -‐' /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.: 「マホちゃん、麻雀打とうぜ!」
/\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´ ∨\/ ̄ )  ̄ ̄ / /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.:
/:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ ----- 、 ∨/ / 、 / ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / ‘, ‘, ./、 \ / /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:/:.:.:.:.:.{ ---- 、 ‘, } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.:
:.:./:.:.:.:.:./ ‘, ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´ \:.:.:.:.:
:/:.:.:.:.:.:.{: . . : ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\ /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/ \:.:
:.:.:.:.:.:.:.: }: : : :--:/\: . ノ:r/ / .: .:.:.:.:.|:.:.:.:\ ,/:.:.:. |:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
その後、マホは先輩に苦手意識を持ってしまいました。
それでも先輩は諦めずにマホに話しかけてくれました。
ちょっと距離をとって話してくれて、驚かせないようにしてくれたり。
麻雀の弱いマホに対して、自分だって弱いと慰めてくれたり。
怒られるようなミスをしたマホに、こっそり買い食いでクレープを奢ってくれたりしました。
先輩にとっては妹や後輩にしていた当たり前のことだったのかもしれません。
それでもマホにとっては、初めて男の人に優しくしてもらえたです。
先輩は大きくて、頼り甲斐があって、優しくて、ちょっと意地悪で。
買い食いみたいなちょっと悪いことも教えてくれた。
宮永先輩の恋人だってわかっていました。
それでも、マホにとっても初恋だったんです。
7/8
……
…
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「あぁぁぁぁーかぴーかわいいー……」
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
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{|___ノ __|[_]//∧_
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だらしなく口を開けてカピちゃんを撫で撫でする先輩。
京ちゃん先輩の方がかわいいです、という言葉は胸にしまっておきます。
「先輩、私も触っていいですか!?」
「おお、もちろんだ!」
「えへへ」
カピちゃんに触る振りをして、先輩の横に座れました。
肩が触れそうで触れない距離。
今の私と先輩はこの距離が限界です。
これ以上近づくのは、宮永先輩の特権ですから。
それでも、私は京ちゃん先輩を諦めません。
優希先輩は別の恋を探す、と言っていましたが、私は諦めません。
だから宮永先輩、覚悟してくださいね。
___
´ `丶、
/ \ /\
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/:: :: :/:: :: :: :: / / :: :: :: |:: :: :: ::く │
//:: ::/:: :: |:: ::/|:: :: :: :: |: | :: :: :: ::.〈_ __/
i : : :: :: :: 八\ |│:: :: ::|/|::..:/|:: :: :ヤ ⌒\
|:| :: ::|::|: |≫‐ミト|:: :: :: j斗|七|:: :: ::.| 〉
|八:: ::..|Y ん゚い 八:: ::N≫ーミ|:: :: ::.| /
/ :\:从弋:::ツ \| ん゚いノ:: ::/:リ 〉
/ :: :: ::(| 、、、 , 弋:::ツ7イイ\/
/ :: :: :: :从 、、、/_ノ:│
;: : | :: :: :: | \ ( ) イ:: ::.:|│ 「油断してたら、奪っちゃいますから!」
|: 八ト、 ::.:| _,,〕ト _,,... <:: :: :: ::人|
|/∠⌒\]I⌒∀ 厶イ::/]/
xz‐=ニマ \┃ ∧ \〕く_
〈/_  ̄\_ ┃ ー-、 ‐リ ニ=┰x
___/ `ヽ ∨^〉|┃ マ⌒∨ ┃|∧
/ 〈_ノ }__ノ //|┃ , / |│
. / 〈 │ }ー マ / i|┃ ∨ ┃| \
\ ヽ、{ _λ `≪__i|╋━━__厶__━- ┃| \
ー宀ー'^ー=ミ `ヽ ̄ ̄ V7⌒ニ=ー╋|/
|个ーァ'’ 爪 / ̄
[ノ { |ハ 〈\
8/8
……
…
・過去
/ : : : : : : : /: |i: : : : : : : / : : / | : : |\: : : :|: \: : ::∨: \
. / : : : : : : : : : : : |i:: : : : : ::/ : : >ト ., | : : | |: : ∧ : : : : : :|: : : ::ヽ
. .: : : / : : : : | ::八 : : : : /{/,.斗=ミ. |: : / |< ̄:|: : |:::∧: : : : :.
′: : : : : : : : : :|: : : : : : : / . ,ィ´ん):iト, |/ .斗=ミ|::| : :Ⅳ ∧:: : :::|
| : : : |i::∧: : : : :!: : : : :\{:| 〈 {h:::iノ } ん)ト |/!/ |: :∧ : : |
: : ::|i::|.∧ : :: :|:: : : : : : : :, .乂こン {h:iノ} ゚: : :| : : | : : :/
. \八| |:: :::|: : : : : : : : :, .,.,.,. , 弋こソ {: : : ::|: : ノ }/
|: :\! : : : : : : : : :, ,.,., : : : : |/
|: : : : : : : : : : : : : :, ゝ , } : : : |
|: : : : ::|i: : : : : : : : : イ : : :/ 「のどちゃん帰りになんか食べに行こうじぇー」
|人:: : :|i: :|: : :|:::|i: :}> イ: :|: : :
. \八/\人八/} ー┬‐ ≦: :人/|/
{^辷ー^ヽ/\/ヽア:/
. ,r‐=ニニ二二二\ 〈二ニニニニニニ┐ :/
. / -=ニニニニニニニ.\ ∧ニニニニニニニ.!∨ /
. / -=ニニニニニニ\ Y⌒Y⌒Y}ニニニニニニニj{. ∨
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、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「私は須賀君のアレをペロペロしたいです!!!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
| |: : : : : :.:i:.:|\ ∨__ノ) / /: : : : : :.:i.:|////
|:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、  ̄ ̄ / / : : : : : :.:|/////
|.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ ' ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////
/: : : :.:.:, : :.:!:.:.:.:.:.:.:,、:.:.ヽ:.:. :ヽ/::::::::::::::::::::::::::_;::-'
/ : : .:./:.:.:/.!.:.:.|.:.:.ハ .:! ヽ....iヽ.......゙、_;::===ニ二.._
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i ハ ..|.:!:.|リ´、:.|'ヾ \! ヽ! '"r‐-、 ヾ |:.ハ!:.ヽ::::/
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|:| |:.:.:.゙、:i.、イ f'::ヽ <:_ノ }:.| 「うわぁ……」
.fヽ f`h !| |:.:.:.:..ヽ:!.{ <:ン:::::::::::::::::::: " " ,.イ.:.:!
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ヽ、、j `' | | :.:.:.:.:.:.:.:i ! __ノ / Vレ
゙、 !〉 ! .:|.:.:.:.:.:.:i`ー 、 ヽ-‐'´ ___/_,..-―┴―--、
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.!_,..--、__|_ i:.:!:|:.:.:.:. |、! / ̄ ̄`ヽ ヽヽ `ヽ
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| ヽ | \ / ,..-ー' / ゙、゙、 ゙、
マホが和に憧れていた時代もありました
某三人レギュラー化やリクの声が多くてびっくり
196
須賀家スキー旅行
451
名古屋飯
545
ファンクラブのおじ様(お爺様)方に孫をとられて、悔しがる(寂しがる)界さん
1/10
【キッカケ】(平行世界編2話)
サークルの案内で見かけてから、あの目立つ金髪を自然と視線を向けてしまう。
目立つ金髪に、高い長身がいけないんだ!
私だって156cmあるし、女の子の中では小さい方ではないはずだもん。
平均身長には微妙に足りないのが悔しい! もうちょっと伸びろ!
横で見ている女子大生、いわゆるJDは高いヒールの靴なんかでアピールしている。
机に突っ伏して話を聞かないように努めているが、キンキン響く大声で話されてはたまったもんじゃないよ!
曰く、『彼氏が身長が気になるからヒール脱げとか言うんだよねー』だそうだ。
うるさいうるさい。なんでそんなことを大声で漏らす必要があるんだ。
きっと、女子内での権力闘争のために『彼氏がいるアピール』をしているんだろうね。
実際に女子の間に入っているわけではないので聞いている限りだけど、こういう奴らには2パターンいる。
一つは『私彼氏いないし』とアピールするタイプ。本当は彼氏がいても、協調するために隠すタイプ。
酷い奴だと今の彼氏より良い男を探すために合コンに呼ばれるように隠しているみたいだ。
一つは『彼氏いるよ』とアピールするタイプ。自慢のためにさらけ出すタイプだ。
だが、そういうタイプはその女がいない時に悪口を言われてたりする。
……もう一つは、私みたいに友達がいないタイプ。
高校生の頃のトラウマは未だに抜け出せない。
サークルを見て回ろうと決意できただけでも成長できたと思うべきなんだと、自分に言い聞かせる。
あの時のことを考えると、やはりあの金髪が思い浮かぶ。
2/10
あの男は、なんであんなに頑張っていたんだろう。
机に伏していた頭を上げ、教室の中心を見る。
偶然にも同じ授業を取っていた彼はみんなの中心で笑っていた。
彼がずっと話しているわけでもなく、たまに相槌をうったり、小話を挟んだり、周りを飽きさせない。
横で見ていれば、彼が中心にいるのはよくわかる。
自分と正反対なことが恨めしい。
今ここで机に顔を突っ伏して、彼を見ている私。
みんなの輪に入って、誰にでも好かれる彼。
それなのに、サークルでは逆なんだ。
私は適当にやっているだけでも負けなしの強さ。
彼は真摯にやってもなんども叱責を浴びる。
そのことに少し優越感が湧いて、優越感が湧いたことに自己嫌悪。
それから、彼をずっと見ていたから中心にいるように見えていたということに気づくまで、5分ほどの時間を要した。
3/10
……
…
「(またやってるよ)」
授業終わりに体育館を覗いてみれば、前と同じようにコートを走り回る彼がいた。
体格でもセンスでも劣っているのが見てわかる。
生き生きと動く他の人たちに対して、明らかに動きが硬い。
競技が違っても、ああいう人は見たことがある。
『典型的な弱い奴』だ。
麻雀でも迷う時間が長いだとか、ツモ切りの動作に自信がない奴。
私の中での強い人は迷いを持たないし、自分の読みと心中するような人たち。
私にとっての、宮永照と……宮永咲……。
サキ……っ!!
私の高校三年間を潰したサキのことを思い出して胸が痛くなる。
そうだ、私だって人のことをバカになんてできないんだ……。
苦しいよ、辛いよ、助けてよ……。
泣きそうになるのを堪えながら頭を上げる。
そこには変わらずにハンドボールに打ち込み、叱責されている彼がいる。
特にすごいことなんて何でもないし、他にも同じように叱責されている人なんていっぱいいるはず。
それでもなぜか、彼から目を離せなかった。
4/10
……
…
『よろしく、大星』
それから食堂でお互いの自己紹介。
笑った彼の顔を思い出す。
硬い手のひら、皮が破けてボロボロ。
仲直りした後でもすぐに仲良くなるなんてありえない!
私自身の性格も相まって、仲良くなれるなんて思っていなかったんだ。
気づけば講義と講義の間で机に頭を突っ伏している自分。
アイツと自己紹介したからって何も変わらない。
私はここで時間を潰す。アイツはみんなに囲まれて仲良くしている。
そう、何も変わらないんだ。
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
/ //' ' / ' / l| | : : ∨ :
l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | ' 「よぉ、大星も同じ講義だったんだな!」
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' /
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
/| /////∧
「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
, </////// ∨__∨//////////////////>、
変わらない、はずだった。
最初は気のせいだと思ってそのまま突っ伏していた。
「おーい、大星。寝てるのかー?」
気のせいだ。私に話しかける人なんていないんだもん……。
高校三年の頃もそうだった。私に話しかけているふりをして、反応を伺うようないじめだ。
「大星、教授きたぞ!」
「うそっ!?」
「うそ」
「こ、このっ」
「だって大星反応しねーんだもん」
5/10
「なんで話しかけたのさ」
「え、知り合いがいたら話すだろ」
「……」
ふーん、そんな風に話しかけられるタイプなんだ。
私だって、私だって照たちの前ではそうだったんだよ!
無性に悔しくなって、でも当たり散らすほどの元気はなかった。
「ふーん。かわいい淡ちゃんと仲良くなりたいんだ」
「うるせー。俺だってイケメンだし」
「ププッ、自分でイケメンとか言っちゃうとか!」
「大星だって自分でかわいいって言っただろぉ!?」
「ふふーん、淡ちゃんは許されるのだ!」
「まぁ、確かに大星は平均以上あるよね。
仲良くなりたいってのはあるよ」
「えっ、ガチナンパ?
それは引く」
「違うって」
戯れるように話しかけるも、私の話し方に合わせてくれているのかな?
まるで旧知の友のような感覚を覚えて不思議に思う。
私ってそんなに仲良くない相手にこんな話し方をしてたっけ?
……ああ、そうか。
きっと、テルーたちと喋っていた感覚が恋しかったんだ。
6/10
「ふーん。私と仲良くなりたいんだ」
「おお。知り合い多くていいじゃん」
「金髪はもう知り合い多そうだけど?」
「そうかな?」
「そうだよ」
「ってかお前、その金髪って呼び方やめろよ。
須賀でも京太郎でもいいからさ」
「何か金髪の言う通りにするのヤダ」
「お、お前な」
「金髪だって『お前』ってやめてよ」
「大星って呼んでるじゃん。
淡でもいいのか?」
「金髪は他の人をなんて呼んでるの?」
「俺は名前で呼ぶことが多いかなぁ」
「じゃあ、私も名前でいい。名字は呼ばれ慣れてないし」
「んじゃ、よろしくな。『淡』」
「うん。よろしく、『キョータロー』」
「あれ、『京太郎』は嫌なんじゃなかったのか?」
「イントネーションが違うもん!」
7/10
なぜかキョータローと喋っていると心が躍る。
出会ってからまだ数回しか喋っていないのに、こんなに仲良く話せる!
横にいるだけで楽しい人っているけれども、キョータローがそうなのかな。
「じゃ、俺は席に戻るぜ」
「あっ……」
そう言ってキョータローは元の席に戻ってしまう。
その席では、残った時間で多くの友達と喋る彼の姿が見える。
そうか、キョータローにとって私はその他大勢の一人なのか。
この白糸台のエース、大星淡を『その他大勢』扱いするんだ。
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ノ, : : : // : : : : ;.ィ: : :∧: : : : : :|: ゙、
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(:( i/: /: /: : : :// : // i:| |: : : |: : :!: : |゙、
シ;.ィ: : : : /:/ /: // !:|/: : : :|: : :|: : | ゙、
r;='"´//i: : : ://ーメ<_ ! /__,..」:! : | : | ヽ,
リ / !イ: : : ハ! .,ィ=≧ミ、 ,/._,∠二/!|: : !: :| ノ
,..-:.‐:.':.´: : : ノ| : ;、'^ 〈 !;::::::::i゛ //イ!::;レ7:/i|: : !: ;! / 「(……生意気っ!)」
i: :r―ー-‐'"/: :!: i:.丶.i ヒ二⊥ ,/ /ヲ-:!/ ;! :/:/リ
. |: | ノィー|: |‐-‐'゙、 """ レ′ / /: /://
ー=ノノー---< ,.┤ |:.| \ ' _ノ/: :/、
'" `ヽ、: : :/ ! |:| iー- 、` ´ _,..-‐'/: :/  ̄/7ヽ,
\/ ゙、 !| |  ̄,.:'.;"´: :/ // /ヽ
/ ゙、゛、 |_ //;.イ´ // ゙、
/ ヽ ヽヾ ト、 ` i / ̄/ // |
r'"´ \ ト、、 ! フノ―/ /// i |
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゙、. | i::\\ i / //::::::::/_ // ゙、
|、ヽ λ |:::::::\\! / //:::::::::::/ ̄ノ l
8/10
……
…
ポツンと一人、食堂でご飯を食べる。
寂しいよ、テルー。
最近は食欲がないからレディースランチを食べている。
いろいろなおかずを少量で食べられるからお得だ。
他の人たちはグループを組んで食べている。
まるで、初めてキョータローと会ったあの時のようだ。
こうして憂鬱な気持ちでご飯を食べていた時に、後ろから……。
_ , 、
/ィ--∨ :.- 、
__/ , ,: } l \
` ー-, | /{ { l | | .
/_/ | / 从 : ,-}/、 |l |
/ 从 -rォⅥ /rォ- }イ {
_` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ } }∧
Y {{ |Y } 从∧ _ 八{
「l | || | | | Ⅵ 、 ` ー` イ / ' 「よっ、淡」
{ ー '' ' | /^〉 「//}` ー ´r'-、
| ' ノ_,」// | |/()|
:. /´ //////∧_ r '///>- 、
∧ _人 イ///////∧-}//////////> 、
{//\___「///////// ∨////////////∧
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「キョータロー?」
後ろから、声をかけてくるんだ。
9/10
「あれ、一人?」
「そうだよ。悪い?」
「別に、俺も一人だしー。
一緒に飯食わね?」
「……いいよ」
「そのエビフライ美味そうだな。
今日の定食?」
「残念でした。レディースランチだからキョータローは食べられないのだ」
「えっ、レディースランチ!?」
「何その反応」
「だって美味そうじゃんか!
なんでレディースランチは女子しか頼めないんだろう」
「男でレディースランチに興味持ってる奴なんて、初めて見た」
「い、いいだろー!
……ところで淡さん。お願いがあるんですが」
「なにー?
言ってみなよキョータロー。
頼み方次第では寛大な淡ちゃんが聞き入れてあげるかもしれないよ?」
「ぐ、ぐぐぐ……」
/ / | ハ | | i 、 ヽ \ \_
. i / | | | | | |、 i ゙、 、 \_ _>
| i | i | | | | ハ ハ _i!_ i \ ヽ` ̄ ̄
| | |+--|、_|! | | i! ,/.ィ'|"i´ ハ | i ヾ 、 ヽ
| | |.|ヽ |、_|王!ー |./i .;"´/=、!/ | ! | \ 、i 人
. !. r| i.|、!,,ィ'":::._iミi! |/ /彳:::: r:!ヽ,| ,イ | 、_ \ `Y´
. | |^!. N 《 _、o;;;;i_ 丶、/ / ┴゜‐'"´ !イ | λ i` ー--ヽ
! | i、i、 ゙、 ` ̄ ̄ メ( /^|イ `、|
ノi \ヾi:.、、 i! i ノリ `
| ヽ__i |イ|/ 「あわいさま、俺の代わりにレディースランチ頼んでくださいっ」
ヽ i、 i ____...., |/
ヽ!、 i\ `ー-- ―'´ /、!
i !i 、 \  ̄´ /!/ 人
|ハ,i、! 、 \ / ./.| `Y´
ト、! ゙、 `ー---'′ /|V
10/10
/ \
_人_ ' ` 、 \
Υ'/ / / ト、 丶
/ / / | | | Χ }
.′ il / | | \ | / `、 リ |
i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } |
| | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j
| |l l|斗示芋ミ、 ''h!::::::::} ,′ ,
|l 八 И'h!::::::} 乂___ノ / /
.八 ゝ /i/i/i i / / / / |
‘,\ ハ r ア /l/ / /:: |
ト、 込、 _ノ // ,イ::: l|
|l l\ \> .,_ /∨ /l|: 八_
|ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ
| | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧
| |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \
| | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶
レディースランチを代わりに頼んであげるなんて、淡ちゃんくらいだもんね!
「レディースランチ好きなんだけど、頼む相手がいなかったんだよね」
「だっさー!
私がいる時なら条件次第で聞いてあげなくもないよ?」
「うぐぐ、背に腹は変えられない。
これからお願いしますっ」
……これから、話し相手が出来るのかな?
キョータローのレディースランチを頼んであげられるのは私だけ。
これで、私にも友達が出来たのかなっ。
_, -──- .,_
'´ `丶、
/ \
, / \
. / . / ヽ
′ / / `、
. .' / /, // /| | `
i . / 」_ ′/ | | i| . i
. i | j/, /イ`メ、 | 小 || ト.!
j .| ∨/ / |/ ヽ | ァT丁l | |
ノ i| V j 抖竿ミ ノ ノ ,ノイjノ | i
___ ____彡' , i| i| j 八|:x:x: /ィ竿ミ 刈 | }
 ̄¨ え≠ / 八 i|/l | | :x:x:/ ノ | ′ 「えへへっ」
/ -‐ ' ハ 八 ト、 ヘ.__ ` 厶 イ ノ
/ __,.斗‐=≠衣 ヽ八\ 丶.__ソ . イ(⌒ソ イく
jア¨¨^\ \ \ >-=≦廴_ ア /ノヘ\
斗ァ'′ \ \ ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ
/圦 | 、\ ヽ 、∨tl `ヽ . ∨ V\ i
{ `| Vi:\ ハ i } | } i } ∨,} }
≧=- | 辻_V\`i} i } | /} iハ} 辻ノ
ノ ¨〕V//リ iノ ////V〔 ¨〕
続く
あわあわ次元の詳細も続けていきます。そんなに長くはなりません
1/10
【年越し】
須賀咲ちゃんです。
今年も一年、いろいろあったよ。
もう、毎日何かしらのイベントがあった気がする……。
今日は宮永家だけで一日中家でまったり過ごす予定です。
お父さんはお母さんとゴロゴロしているし、お姉ちゃんは本を読んで、私と京ちゃんは子供と遊ぶ。
「咲」
「なぁに、京ちゃん」
「なんか買い残したものあるか?
今のうちに買いに行った方がいいんじゃね」
「大丈夫。全部あるよ」
「ホントかー?
咲はドジだからなァ」
「ム」
もう何回年越しの準備をしていると思っているのさ!
それに、今日は本当に年越しをするだけだから何もないよ。
「何もないもん。
もしかして京ちゃん、私と出かけたかった?」
「うっ……」
あれ、もしかして図星?
「ふーん?」
「なんだよ……」
「じゃあ、コンビニでもいこっか」
もー、京ちゃんはしょうがないなー!
2/10
「京ちゃん、ここのコンビニすごいよ。
もう恵方巻きの準備してる……」
「最近はイベントごちゃごちゃだよね。
クリスマスに正月用品売ってるし」
「いちいち棚の商品を入れ替えるのも大変だもんねぇ」
「コンビニでサクッと揃えられるようになったのも大きいよね」
それもあるし、みんなイベントへの関心が減ってきているような気がするよ。
小さい頃はクリスマスやお正月は一大イベントだったんだ。
子供が出来てからは少しだけ前の気持ちに戻ったけれども、今は一年がとっても早い。
京ちゃんと恋人になってからだって、最初はいろんなイベントに参加してた。
それが今じゃ、年越し前にちょっとコンビニに出かけるくらいだもんね。
「京ちゃん、今日どこか行きたかった?」
「いや別に。
ずっと家にいるのもなんだから、外に出たかっただけだよ。
もう満足したから帰りたい」
「やっぱり京ちゃんはアウトドア派だね」
「もう何年もそんなことしてねーけどな」
それこそ昔は除夜の鐘を聞きに行ったり、特別な過ごし方もした。
昔にこんな過ごし方をしていたら『京ちゃんはつまらなくないかな?』なんて思ったかもしれない。
でも、今は京ちゃんが本当に満足しているのがわかるよ。
なんでかって? 嫁さんですから!
3/10
……
…
「結局アイスだけ買ってきてしまった」
「こたつの中で食べるアイスって格別だもんねぇ」
「アイス!?」
アイスという単語に惹かれたのか、コンビニに行っている間子供と遊んでくれていたお姉ちゃんが飛び出してくる。
「京ちゃん、お菓子」
「はいはい。ハーゲンダッツ買ってきましたよー」
. :´: : : : : : : : : : : : : : : : :` 、 イ
/: : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : . ニlニ
/: : : : : : : : : : ,イ: : : : : : : : : : : : : ∧ |
/: : : :/: : : | l: : :/ | : : : : |!: : |: :|: : : : : :, イ
 ̄ ̄ ̄| : : : N: :/__:| : : : : ト、__|: :|: : :|: : :′
i| : : : | ∨ 八:ト、: : | N: リ: : :|l : : |
. 八: : { l ____ ` \| ___|/ | : 八: : |l
/:リ \N '~⌒`` ´⌒``〕/ ;__: :八
. /:/: : : :ハ """" ' """" '// /: 〔、: :、
.: /:__: : : :圦 lヽ r ┐ // /: : /): :\
/: l l\\: : : :| .! ノ .:'_/ 厶 "/: ト、: :ヽ 「京ちゃん!!」
.' |八 :\\__| .!> __ . イ´ 、__フ‐<ヽ.: :| \:|
. .′ V.rヽ _|___ | /_〔 ̄ | V 〕
//.へ`ー-:.、Υ 八 l |
|{/´ ̄〕 !、___/ヽ /' \
. 八 '′ l / ∧ 〈 、 \
/ \ .'. / /_ ∨´ \
/ -‐== / ∧ / / :_ :./⌒ヽ. >
\............./ =- V / -‐=':._ ∨ヽ__/
Υ⌒/ .′.:〔二〕´ :._ V´/
|ニ/ : ∧〔\ 八 ∨
|_V .! :/ N' \ 个:、_/
もー、お姉ちゃんったら年越しだっていうのに……。
「それが今年のお菓子納めだからね!」
「うん。わかった」
「あと、お蕎麦を食べるんだから他に何か食べちゃダメだよ!」
「うん!」
そう言って贅沢にハーゲンダッツを食べるお姉ちゃん。
本当、お姉ちゃんはお菓子を食べている時が幸せそうだなぁ。
4/10
……
…
「みんな、お蕎麦できたよー」
私の声に反応してゴロゴロしていた宮永家一同が集まってきます。
お姉ちゃんもアイス以外には何も食べなかったようで、ちゃんとお蕎麦を食べている。
子供達もお蕎麦は食べ慣れていないけれども、美味しそうに食べてくれてよかった。
「咲、今日はお蕎麦だけなの?」
「今日の私は省エネ咲ちゃんなの。
お父さんは文句があるなら自分で作ってよー」
「ビール……」
「冷蔵庫に入ってたでしょ。
今日の咲ちゃんは動きません。
自分で取りなさーい」
そう言うとお父さんがしょんぼりしながらビールを取りに行く。
今日は咲ちゃんはお蕎麦の片付けをしたら何もしないつもりだもん。省エネ省エネ。
普段なら飲みすぎないように、なんて付け加えるんだけれども、今日は何も言わないであげます。
せっかくの年越しだもんね。お父さんだって自重するはずだもん。
もし飲みすぎたら、家の中で年が越せなくなるだけだからね!
5/10
「暇なだなァ」
「麻雀でもする?」
「準備するのも片付けるのも面倒」
そんな風に京ちゃんとぐだぐだしてます。
子供達も去年よりしっかりしているので、今日は年を越そうと頑張って起きています。
それでも眠くなってきたのか、口数が減っているみたい。
「そんな無理しないで寝ちゃってもいいんだよ?」
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、-
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i 「起きてるー!」
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
/ | : :ハ : :! /| / i
/ __ i: . : :、/|__ ∠ / ‐ // |
/`-‐ / / | __ -‐/ / |
「もう、声だけは元気なんだから……」
完全にだらけきっているお父さんを叩き起こして自分の目を覚まそうとしているみたい。
飲んだ後にあれは辛そう。
「よーし、おじいちゃんが遊んであげるからな!」
「またそんなこと言って……」
あとで吐かないでよね。
自分で掃除させるからね!!
6/10
……
…
,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
/:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
/.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
!::|::|:::i| }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
. ノ::|::i!::i:| ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
`┼'7 リ /::ト! 「京ちゃん、俺はもうだめだ……」
. | ヽ u ィイ:::::|
、 -―‐ / }:!:::トヽ_
丶 `゙ ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
"',、__,,、ヽ ! / | `ヽ
// \ i /_ ! _冫ー、
/ /n ハ | \. | / ヾ、
. / //ノ {_ ! /f'" \! / :/: i
/ レ \_ |` イ ′:!: |
ハ `ヽ ノ ハ / /: |
そう言い残して潰れるお父さん。
うん、吐かなかったしお風呂入ったし、自分の布団で寝てるね。
お父さんと遊んでいて力尽きた息子も寝ちゃったみたい。
お布団に運んであげて、毛布をかけてあげる。
もう、すぐに蹴り飛ばしちゃだめでしょ。
「おーい、咲。こっちもダメそうだ」
「んー?」
そうしていると寝室に京ちゃんが入ってくる。
腕の中にはお姫様抱っこされている娘の姿。
//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::/::::::/:::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::ヽ
/ 〃7/:::::::::::::::::/::::::/7:::::从::::: |ト::::::::::i:::::::::::::::ハ
/ / //:::::::/:::://i:::::/ /i::::| ':::::|l :::::: i:::::::::::i:::::il
/ j:::::::/:::::::/__::/ |{ |:::i i:::ハ.∧:::::|: i:::::::i:::::|l
{ /:::::/:::::/i{ |{ ̄~|圦:::; i/ j/-j::::/:::|::::::il::: |l
/7::::i::::/ ィ 弌ト、. 乂/'-/=ミ::/ j::i:::::::|l::::リ
_ / |{::::ト::{〈 ら:::::::}` ´んぅト/ /!::::::リ::/
>、 } 〃〃 , ` ーrっ// ノ::八
/⌒ 〃〃/}_rくノ )}
/::::::::::/\ ^ ` ~ 、 / >=へ
{:::::从:{ > _ < /:i:::::::::::ヽ
ゝ:::(八 _}>-=≦/{_ {八::::::::ハ::}ト
/i | `>/::::\ }::/ レ'
---=ニ¨:::::::い / '::::::::::入 ´
「寝ちゃいそう?」
「そろそろ限界みたい」
起きていたいのか、京ちゃんといるのが嬉しいのか、京ちゃんにがっしり抱きついているようだ。
それに対して、京ちゃんが優しく頭を撫でてあげている。
娘が満足するまで、ずっとやっている。
気づけば力が解け、完全に寝息が聞こえてきた。
子供達が起きて年越し出来るのは何年後かな?
7/10
「咲、京ちゃん。
私も寝る」
「あれ、お姉ちゃんも早いね」
「本読んでたら目が痛くなった」
こ、子供かっ!
眠そうに瞼を掻くお姉ちゃん。
「わかりました。
俺と咲で電気とかは全部消しておくんで、寝ちゃってください」
「ありがとう、京ちゃん。
良いお年を」
「こちらこそ、良いお年を」
「あっ、お姉ちゃん!
明日はみんなでお雑煮食べるんだからちゃんと早く起きてよね!」
-─===‐-ミ
´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:| \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:| -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/ |.: .:八ノ ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「うぐっ」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
それじゃあお姉ちゃんも、良いお年を!
8/10
,. : : : ¨¨¨: : : .、
/: : : : : : : : : : : : `: 、
,:': : : : : : : : : :,: : : : : : : : .、
/: : : : : : : : :/: : : : : : : : : `:、 ___
': : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : :. _ - /`ヽ´-<⌒
/イ: : : : : : :./: : : : : : : :/: /: : }: : . , ´ / 、 ヽ
| |: : : : :_:_:/:,: : :/: -/-、'}: :/: : :.| / / / | ヽ \
{ {: : : :/-、{イ : / ,ィ斧ミ' /: ,' :/ : | .' | /|_,/l_イ| \ \_
八 : : 、 |: /{ 〈ソ /: イ: / \{ } { | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
}: :イ八 }/ :.:. ( {:/イ ` ,' | 芯 {、 从}
r―く_/ 、 、_ ノ ` /イ {⌒Ⅵ 、\{ 「みんな寝ちゃったね」
_/ --- 、`ヽ、 /_>-- ´ 、ト 乂_ ノ `
「 / ̄::`ヽ Ⅵ、ヽ-、 }∧ /从 ー '
| /l::::::::::::::::::∨ヽ}` { ∧ __/' ' _ / 「そうだなァ」
| イ::|::::::::::::::::::::∨ \〉' } , - ≧=- 、 ,.:'  ̄
| ハ::Ⅵ::::::::::::::::::∨、_{ ∧ , ´ , ´: : : : : :ヽ / `ヽ、
Ⅵ|::::::、::::::____〉::|!:l「:::::::. / /: : : : : : : : :}:、_ r-/:/ ハ
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|::::::::: ̄:. Ⅵ!:{:::} |' / Ⅵ: : : : : : : : |  ̄ : : : |
|::::::::::::::::::. マ::::::| | / } : : : : : : : : | / : : : : |
いつもは私たちの他に起きている人も多いんだけれども、今年は全滅みたい。
まぁ、私たちも寝ちゃうときはあるからね。
思えば、最近は京ちゃんと二人っきりになる時間が少なかった気がする。
子供がいたり、お姉ちゃんがいたり、クリスマス会をしたり、忙しかったもんね。
京ちゃんだって休みの日はゆっくりさせてあげたいし、ちょっと我慢するくらいなんてことないもん。
……確かにちょっと寂しかったけど!
「こうして何もしないで年を越すのって珍しいよね」
「前は何してたっけ。
紅白見てた年とガキ使見てた年はあったよな」
「子供たちの夜泣きをあやしてたら気づいたら年を越してたこともあったよ」
「除夜の鐘を聞きに行ったこともあった」
「あとは……」
,. - ――-- 、
, -、´ - 、 、
,.:/ \ \
/ ' | 、 \ \ ヽ
/ | | | ヽ l ヽ :. |
/ _,∧{ | _|__,从 | |-、 l |
 ̄ / ∧ {'Ⅵ___ ヽ、 l ノィ { ∧{
{ /ィ从\ Vソ ' ∨| |、 从{ \ 「えっちしながらとか……」
,. : : :¨¨¨¨ ー: :': : :〃 u /イ}/ } /∧
,. :´: :,: : : : : :、: : : : : :/ ` ー、 _ //////{
/: : : ,: : :∧: : :|: : :|: : : 、 `ヽ`_....イ </////`> 、 「恥ずかしがるなら言うなよ……」
.': ,: :/:.|、/__{,: : |、__,lィ: |: :ヽ _}/∧ \/////////>
{: {: :|: :|/__ 从: { }:_/ヽ:}:、:∨,ィ////〈 「//////////////> 、
'.: : {: :|{{__}} ∨{{__}} }∧\}'///////{ ///////////////////}
∨从{u //////// ム: } ///////// Y////////////////////|
乂_\ ∠ヽ 人∨///////// (_)////////////////////|
__l、_,.- ≧r- r≦_と,..--ィ `¨¨ヽ、//////////////|////////|
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乂 /∨´ 、 }イハ/////// {////////\//// }////////}
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乂__ノ\____/__乂//////////\//////////////////
9/10
わ、若さゆえの過ちだもん!
若い頃って本当、特別なことをしようとしちゃってた気がする。
「こう言う年越しは嫌い?」
「むしろこう言うのが好きかもしれないな。
それに咲は出不精だからなァ」
「ム」
「咲は、どう?」
「どうって、何?」
「何もしない年越しってどうかなって」
「私は出不精だからこう言うのが好きですよーっだ」
「悪かったよ……」
「……えぃ」
「ん」
「肩貸してくれたら許してあげる」
「お安い御用です。お姫様」
10/10
__
/´ ̄ \ ¨¨¨ 、
, -- | 、 、 \
/イ ,: | |、 \ \ \ \
/ / { ∧ \ \ ヽ |
/ / / 从 { 、\_ \ | ト、 、
/ イ / , { \ ∧ ´ \ | } /l } |`\
_...-――-Ⅵ / 从- \ { ,ィ==从}/ イ_,ノ ,
,. : ´: : : : : : : :/ イ/ ∧ ィ= ` /' , / /
/: : : : : : : : : : : : : : :/ イ从{ 、 | ハ}
/: /: : :/: : : ,: : : : : : : : 、: : : :叭 v ― 、 , 从{
.': /: : :/: : : /: : /: : : : : : }: : : : ::. \ `こ / |\
|: ': : :/: : : /: : /: : :イ: !: /: : : : :∧:、` r ´ ! 、
{/: : : r-、/: : :/': / l: l , : ,:.|: : : : |:_\ :. / | ∨、 「「zzz……」」
/} : : : { {^|: : /,{:/-- }: /,.イ: |: :.|: :.|/、 } ,: | 〉 \
/:イ 、: : 、 、: | 、__, /イ __,}:/: :.}、: |//\/ 〉 /////\_
_____________/ ,Ⅵ 、\  ̄ , `ムイ: , \///∧ //イ///////////> 、_______
二二二二二二二二二__,.....ィ::// . ,., ィ///∨//////∧___//\///////////////}二二二二二二
, 「::::::::::::::/ 、 l:. ` -- 7´///////////\/∧ ///////////////////|
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, |:.,:::::::::::{\___/::::::::::::,: |//∨//////////////| //////////////////,/// |
/ Ⅵ、:::::::| /::::::::::::/ , |///∨/////////////∨//////////////////////!
, l 、:.:.\::::.、 /::::::::::::イ/,: / |////}/////////////////////////////// //////}
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京咲で今年を〆。みなさん良いお年を
有珠山編が期待以上だった。爽を出したいがネタがない
1/10
【新年】
/::::::::::::::::::::::::::::::\
/:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
(_) /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
\ ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
{ V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
 ̄ヽ ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
ー- { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }
/ l ハ \ミ. .ヽV /. . 彡:フ ハ 「あけましておめでとうございます!」
し j ∧ ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/ ∧
/ 〈 \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
| \__ イ //∧ 〉、__ /
|人_ ハ } //!/∧/ ∧
ハ } {/∧//ハ / }
{ ヘ } !//∧/∧ / !_
∧ヘ } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
/./. ∧ ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
/./ . . ∧ !.!/j./ ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
/./ . . . .∧ !V./ ∧∨. . .\. \ . . ―. //
. /./ . . . . . . i ヽ./ /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
/./ . . . . . . . { Y ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./
/ / . . . . . . . . ゝ / /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃
. / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//
家族内でも挨拶は大事! 須賀咲ちゃんです。
年末に大体のことを終わらせたので、新年はゆっくり出来るよー。
今日一日は家族みんなで過ごす予定です。
昨日もそうだったんだけれども、何もしないって意外と大変だよね。
「うーん、やっぱりいつもと同じ時間に起きちゃうなー」
「京ちゃんはお正月くらいゆっくりしててよー」
「そんなこと言ってもさー」
家族はみんなまだ寝ているみたいだけれども、京ちゃんだけ起きてきたみたい。
もー、ゆっくりしてていいのに。
「お正月は寝正月、なんて言ってたでしょー」
「でも起きちゃったし、他のみんなもまだ起きてないからなァ」
「一足先に朝ごはん食べる?」
「いや、みんなと食べるよ」
ちなみに私は家を暖かくするためと、朝ごはんの準備でいつも通りの時間に起きてたんだ。
今はもう終わって、コタツの中でダラダラしているんだけれどね。
京ちゃんも寒くなったのか、コタツの中に足を入れてくる。
2/10
「やだー、京ちゃんつめたいー」
「はぁ……、咲ぬくい……」
「もー、さっきまで布団に入っていたのになんでこんなに寒くなっちゃうの?」
「ちょっと外でたらもう寒くなっちゃって」
「私はぬくぬくしてるんだから足くっつけないでよー」
「そう言って、足摺り寄せてきてるのは咲じゃん」
「もー、仕方ないから温めてあげてるの。
お嫁さんは大変だよねー」
「大変だなー」
なんて言いながら二人で足を触れ合わせる。
最初は冷たかった京ちゃんの足もすぐに暖かくなりました。
「おー、ありがとなー」
「もー、京ちゃんはダメダメなんだからー」
「うるせー。咲だってドジだろー」
「あー、そんなこと言うと私が朝ごはん作らなくなくなっちゃうよー」
「そしたら他の人のご飯もなくなっちゃうぞ」
「そうだねー。大変だよー」
「大変だなァ」
そんな風にイチャイチャする時間が楽しい。
3/10
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
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ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
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{八: : :|:,: :},ィ≠≠ミ \| -- 从: : : :/}/: : : : : : ,: |
l 、 : |: V ィ≠≠ミ、 / |: : : イ/⌒V: : : :/:/
\|: , :.:.:.:. ' |:/ /⌒} }: : :/}/ 「えへへ(みんな、もうちょっと遅く起きてこないかな?)」
V{ :.:.:.:.:. / ノ 人:,:' /
人 __ _ イ:/
` 乂 ̄ ー‐ァ イ: :/: : :/
rrr==≧=- ` -- ´ r_:_´/|イ{: イ
/|.||...................../ ̄| ̄´ 7......`.. ̄ ̄≧=-、
,イ |.||.....................{---- 、 /...............///⌒ヽ
/ |..V、.................| /.............../// ∧}
4/10
……
…
お正月といえばお餅です。
宮永家ではお正月に一回はお餅を食べよう、と準備してあります。
「お雑煮できたよー」
「待ってましたっ」
私の声に京ちゃんがはしゃぐ。
京ちゃんはお正月にお餅を食べるのが大好きです。
「おもちっ、おもちっ」
「はしゃがないの。
子供達が真似しちゃうでしょ」
もー、お正月になるとおもちおもちうるさいんだからー。
京ちゃんの実家は古風だから、よく食べていたのかな?
息子もおもちが好きみたいなんだよね。
お雑煮だとか焼き餅だとか、宮永家のお正月はお餅づくしです。
そういえば、玄さんも『おもちが好き』って言ってたよね。
今度一緒に食べられたらいいな。
5/10
「咲ー、俺の餅はー?」
「お父さんの分はこっちにあるよ。
はい、これ」
「おー、サンキューな」
「そういえばお父さん、毎年日本ではお餅を詰まらせて死んじゃうお年寄りが多いみたいだよ」
「えっ、なんでこのタイミングで言うの?
俺はもう老人扱い?」
「お父さんはもうお爺ちゃんでしょ。
ちゃんと切って食べてよね」
「おー、気をつけるわー」
「界さん界さん、咲のやつ心配してるんですよ」
「そーなのか? 咲。
おとーさんは嬉しいぞ!」
_,.......---............_
,. : ´: : : : : : : : : : : : : :` : : . 、
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. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : / : : : : : : : : : : : |: : : :ヽ: : : : : : : : : : :'
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|: : : |: : : : 、|__/_}__/Nノ: : N、|_}_,:|: : : : | : : :'.
|: : :ハ: |: : : ハ: / /:イ }: :/:/ }: ∧:/: : : : ト、}: :.|
{: : {-从: : :{/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫}: : /:/:| リ\}
八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :| 「し、心配してるわけじゃないもん!」
`\}、: 、 /:/:/:/:/:/:/:/:/ ム:/:人: :{
, --r--,\ ,-- 、_____ 人: / \〉
/ |::| |::::::> ____ソイ⌒∨
{ ,::, {::::::::::::∧-, r/:::::://| }
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| | \__>、_}'__>´/} |
| | `ー=-r-- ´ ,: |
6/10
「うぅ……」
「あっお姉ちゃん。早起きだね」
「新年くらい頑張って起きる……」
「照さん照さん。寝癖すごいです」
「!?!?
ちょ、ちょっと待って直す!」
「あっ……、気にしなくてもいいのに」
「お姉ちゃんだって乙女なんだから気にするよ……」
「でもほら、咲だって寝癖取れてないぞ」
「なんでさっき言ってくれないの!」
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/ 「理不尽だ……」
从 ' 八/
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
/////////\} 「/〈////////\
/////////////|--、 r-|/ イ//////////\
//////////////∧、__「//////////////// \
{//{////////////〈 ∧ }///////////////////}
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7/10
お姉ちゃんと隣り合って身だしなみを整える。
京ちゃんに同じことで注意されているあたり、姉妹だってことを否定できないよ……。
「咲、あけましておめでとう」
「あっ、あけましておめでとう。
こんなところで言うとは思わなかったよ」
「うん……。まだねむい……」
「お姉ちゃんだけあとで食べる?」
「ううん。一緒に食べる」
「じゃあ準備するね。……お姉ちゃん、私の寝癖なくなった?」
「なくなった。
咲、私は?」
「お姉ちゃんもバッチリだよ!」
_....................._
,. : ´: : : : : : : : : : `: : .、
, :´: ,. : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: :/: : : :,: : ´: : : : : : : : : : : : :ヽ
/: :/ : : : /: : : ,: : : : ,: : : : : : : : : : .
.': :/ : : : : /: :/: :/: : ,.イ: /: : : : :|: |: : : :.
|:〃: : : : /: :/-:/-、/ ': :': : ': |: :|: | : : :∧
}'.': : :/^/: :/ {:/ {:/ /: /: :/: :}: :|: |: : :|: : :.
{: |: { |: ,: /' /' /イ//':-/、:': : : : :ト: : ::.
|:从::. :.:.:.:. _ /イ: :/: :,: :.|
/ Ⅵ ' `ヾ / イ: :/}: / 「(お姉ちゃんとこうするの、嬉しいな)」
______| 、 「 v :.:. イ: :/:イ/イ
/<_:::::::::::::::::::\_ `ーr---- =彡j/
{¨7=ミ、< 、::::::::::::::\___〉>、
_| , ∨、:` < 、:::::∧ |::::::::::ヽ
/ ̄:::::::// | }、:.:.:.:\、::::::. |:::::::::::/〉、
\___ 〃 | / \:.:.:.\、::Ⅵ:::::/イ ∧
 ̄¨/ ∨ `ー ≧='-´:/ ハ :.
/ / {二「 } |
' ∧ /:.:∧ ,
/ / } /:.:.〈:.∧ { |
, / | /:.:.:.:.∧:.:| | |
8/10
「それじゃ、いただきます」
「ちゃんと子供達の分は小さく切ったか?」
「うん。詰まらせちゃうといけないもんね」
-─===‐-ミ
´.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: 、
/.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: \
.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :ト、: .: .: .: .:`、
.: .: .: .: .: .: .: .: .|.: .: .: .:| \.: .: .: .: ',
.: .: .: .: .: .: .: : |.: .: .: .:| \|.: .: : :.
.: .:|.: .::| |.: :‐/、|.: .: :l .:| -‐.:|、.: .: ::.
.: .:|.: .::| |.: :/ |.: .:八ノ ハ:.:|::. :.
.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「ムグムグ……」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
「ちょっ、照さん大丈夫ですか」
「いきなりたくさん頬張りすぎだよっ。
お菓子じゃないんだから!」
「ぐえー」
「あっ、なんとか飲み込めたみたいですね」
「おもちうにょーんってやりたかった」
「食べ物で遊ばないの!」
それに年を考えてよ!?
9/10
「そう言えば、初詣には行かないの?」
「そうですねぇ。
咲、どうする?」
「うーん。子供達が行きたがるなら行くけど……」
「まぁ行くにしてもすぐには行けないよね」
「えっ、なんで?」
「咲と照さん連れてあの混雑に行くとか考えられねー。
もうちょっと人が減ってから行きましょう」
「む」
「私たちだって毎回迷子になるわけじゃない」
「いやいや、去年なんか一回迷子になって、その後また迷子になってたじゃないですか!」
「否定はしない」
「きょ、京ちゃんが手を離すのが悪いんだよっ」
「離してねーよ!
気づいたら手袋だけになってたんだよ!?」
「ここは民主主義らしく多数決で決めよう」
「はい、私も京ちゃんが悪いと思います!」
「えっ、咲、探してもらっておいてそれは……」
「まさかの裏切り!?
お姉ちゃぁぁぁん!?」
「はいはい。仲良くしましょう」
「「はーい」」
10/10
……
…
_........----......._
,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、
:': : :,: : : : : : : : : : : : :、: : : : : : : : ヽ
/: : :/: : : :/: : : : : : : : : |: |: : : : : : : ∧
.': : : ' : : : / : /: :,: : イ: : :|: }: : |: : :|: : :∧
, : : : |: : : / : /l: /: / }: : ,:.イ : /: }: :}: :!: : :.
| : : : |: : /:{:_/_}ム/ / : /、_|:_/: /: /: :|: : : :.
{: / : | : ィ´}//イ /}: / / }/`ヽ:イ: : ': : : : :
〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
{八:{ \:{とヒこソ ヒこソっ: イ: :| \} 「(今年の姫始めにも期待しちゃうよ?)」
| 乂ム :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.: ムイl: /
从{∧ _ _ 人:∧{
|/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
,.. <:::::::::::::::{======ミ`ヽ|〉::`::::...._
/⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
{==、 {:\/ 〈7 ー、{ ̄|:::::::::::://,ィ^.
, \Ⅵ / | ,::::::::/イ:.:./ ∧
{ `| 、 |_/= ´イ:.:.:,イ / }
| Ⅳ \ | ̄´:.:.:.:/= }イ |
| / } /-r ´ |
∧ , | /__」 , |
{:::, / | ,:.|:.:| {
L∧ / / /:.:|:.:.. | |
、 ' /:.:.:.|:.:.:| | |
\ }|.:.:.:|:.:.::., | |
\ /:|:.:.:.Ⅵ:.:.} , |
| ` ー ´|:.:.:.:|:.:.:.:.マ:.:.| {
| / :,:.:.: |:.:.:.:.:.}:.:.| | |
Ⅳ ,:.: ∧:.:.:.:.:.:/ ∨ |
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
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 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「(って顔してる。やばい)」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
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京咲スタート
今年もよろしくおねがいします
1/8
545
ファンクラブのおじ様(お爺様)方に孫をとられて、悔しがる(寂しがる)界さん
須賀咲ちゃんです。
今日は宮永家の黒歴史の一つ、家族麻雀の日です!
ずいぶん前にも言った通り、今の家族麻雀はお年玉を賭けたりしないでみんなで楽しむ日です。
この前にやった時はみんなに冷やかされた挙句、京ちゃんに押し倒されちゃったし……。
あの時の京ちゃん、すごく強引でかっこよかっ……、って違うそうじゃない!
ちなみに、息子は麻雀に興味がないのであまりの人と遊んでもらっています。
「うがー、またラスだー!」
「ふふふ、京ちゃんがいると俺のラス率が二分の一になるぜー」
「お父さん、それ情けなくないの?」
「うるせー咲!
お前ら加減しろよ!
京ちゃんも俺も燃え尽きてるじゃねーか!」
そんなこと言いつつ手加減すると怒るんだもんね。
本当、男の人って面倒臭いんだから。
まぁ、京ちゃんのそんなところも可愛いんだけれどね!
あっ、お父さんはウザい。純粋にウザい。
2/8
. / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
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|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「次やる人ー」
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/
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( ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ// /
`ー-、__/ ` !\::.ム.! ー―' , ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ / / \_
___ノ ノ )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / // /、`ヽ、 `ヽ
f __ ∧ ,.へ iヽ! \ 、___ノ / / / // / / / '"  ̄ヽ!__/ 「!!」
`ー-----r‐'" i r/ / , |ノ! `ー----ァ'" / i! '" / 〈 i  ̄ `ヽ
\ ヽ !_ノ _/__ノ ヽ、 \ / / !、 i V 、_ 、____ノ
) | 、ヽ_,ノ、_/---、〈 `ーァ、___,、_/ !: : ̄ヽ,_/ ` )
(_ノ ソ /:.: : : : : : _〉 ,," ゛、 ノ: : : :/ _` / (ヽ
ヽ | |: : : : : : :/ 〈 \ 《 ゛、 /゙、: :/ ,.---‐二ノヽ___!、 \
i | ゙、: : : : : i ゛、 ラー=-|:(__,..イ `ー'´ 7\_ )
3/8
あれ? 今までは麻雀に積極的じゃなかった娘が参加している。
私としても無理に麻雀を教えるつもりはないんだけどなぁ。
クリスマス以降、何かと麻雀牌で遊んでいるんだよね。
うちとしてはお姉ちゃんがいるし、周りの環境もいいから麻雀をやるのも悪くないと思うけどね。
本気でやるにしても趣味に収めるにしても、麻雀って楽しいからねっ。一緒に楽しもうよ!
「よーし、爺ちゃんに勝ったらお年玉を弾んでやろう」
「お父さん本当?
私頑張る!」
「お父さん、覚悟して」
「いやいや娘ズにはやらねーって!
お前ら自立してるだろ!」
「!!」
「えっ、マジでこのメンツでやるの?
京ちゃん助けて!」
「はーい。お父さん連行ー」
「ひでー!
娘たちなんかに絶対負けない!」
4/8
……
…
,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
/:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
/.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
!::|::|:::i| }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
. ノ::|::i!::i:| ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
`┼'7 リ /::ト! 「麻雀プロには勝てなかったよ……」
. | ヽ ィイ:::::|
、 -―‐ / }:!:::トヽ_
丶 `゙ ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
"',、__,,、ヽ ! / | `ヽ
// \ i /_ ! _冫ー、
/ /n ハ | \. | / ヾ、
. / //ノ {_ ! /f'" \! / :/: i
/ レ \_ |` イ ′:!: |
ハ `ヽ ノ ハ / /: |
. . .-‐…‐-. . .
... ´. . . . . . . . . . . . . \
/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
/. . ./. : : : : : : : : : : : i: . . . . ハ
/. ./. . ./: : i: :i: : : : :i: : : i: ',: : : :i: : :,
′ー―ァ: :/: :从: : : ト--ミ: i: : : :|: : :'
′: : : ://⌒/ }: : :リ }: :ハ:|ト: : :i: : : ,
. /: |l: : : |l ∨__|{ }: : / レ' }| }: : i: : : :i
/: :从: : 八《´んハ. j/ r==ミ /: ::/| . . .|
// _ }ト: : :ハ 弋 ソ :::::: 厶イ: |: . . |
/^ / }|l: ≧ゝ} :::::: ′__ /-' i: :|: . . |
. ' .i / / }: : ::::::人 f ノ ./:::::: i: :|: : i | 「即落ち二コマお父さん!」ブイッ!
. i し' ./ .i} i: ::::i:::::>o。.. < i::::::::/::/: :/: |
ノir―-ミ |:∧:::八::::::::::r'ス´ / ゝ-、 :/}: / }/
f入 `ー 〉 /' V_ゝ/.〈 Ⅹ / i`/イ、_
辷ーく / / / rヘ/__rヘ_/ | ヽ
{ ̄` 入 i / | /:::| / . / ハ
. Y i 圦 |. `> 1 /::::|l ∧ _彡 /
ハ. // ‘, 」:::/ / |/::::::|l/ \ / |
. /八_// ‘ {:::;′〈 . |ト、/ 〉__ i \/
《`ーイ::: V:::{ ‘, |i i/ / | | 〉
ヽ:::::::::::::.. L::i ..........ゝ. У_彡 .........| | ./
マ:::::::::::. 八:::::::::::::\く L:::::::::::::| ′ {
`マ::::::::. :∧:::::::::: ヽ} ::::::::::::::::::::/ .j
マ::::::: }i :::i Oj ::::::::::: /
5/8
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
. / : { : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !: |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ 「!!」ブイッ!
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. > . __, . - "〃ヽ \,.' ヾ: : : : : : ヽ
: : : : : __/ ' ,: : \ {__,.. ' ノ:\
,. : :´: : : : : : : : : : : : : `ヽ、
,. : :´: : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : ヽ
--/: : : : : : /: : ': : : : : : :V: : : ∨: : ',
/ : : : /: ': /l:|: :|:!: : :!: :、: |: : l: : :V: : :
/': : : /: ': :{:/ハ七从: : |\:`lー/: : : | : : |
/: :イ7: :{: :从{ __ {/\{ _从ハ : : /: : :.|
'´ |: 八: :| ((__)) ((__)) |: :/} : ハ:|
|: 人\〉:.:. :.:/:イ ノ: , }' 「あーあ……」
|/ `ム , ‐--‐、 ムイ: /
个 . ー― ‐' 个从{
\:}`}>-<{:/}/
r<:´::::::::::::{--、 , -|:::::::::`ーr-、
/ ∨:、::::::::::∧, ---、/::::::::::::::/::/∧
∧ \:\:::::::∧ /:::::::::::///
l ヽ \ー<、_∧ ,:::::::::> ´ィ´ }
| } \//ヽ、∨/´/// } |
6/8
「ど、どこでこんなに麻雀が上手くなったんだ……」
「クリスマスでみんなに鍛えられてたからねー」
「私の姪っ子だもん!」ムフー
「!!」ドヤァ
「えっ、なんかあったの?」
「雀荘でおじさんたちに鍛えられてたんだよ」
「じーじ! じーじ!」
「あの人たちにお礼言わないとね」
「!!?!?!?!?」
「どしたの」
「お、お爺ちゃんって呼ばれるのは俺の特権だー!
そんな誰とも知れん馬の骨に孫を可愛がらせはせんぞー!」
/:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.ヽ:.:.、:.:.:`ヽ
/:.:.:.:/:.:.:.:.:....i:.::::::|、:::..::i、::.:.i::::::..ヽ:::ヽ:.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:i:.:.:i:.::::::::|:::::|::| ゙、:::| ゙、 i::i ゙、:: ゙、 ゙、
/:.:.:.:|:.:|:::::|::::::|::i| ::|:| i .| i....|::|::::::::::i::::::i:::::::::i
i:.:.:.:.i.|:::| i| ||i..::::|:i i:::| |::ハ:|:::::::::::|::::::i::::::::|
i |.| i |il..:::::i::|゙、::::i゙、__.i::| |ハ||:::::::::::|::::::|::::::::゙、
i | .!:::i::::|!゙、;::::::i ヽ:! ヽヾ ̄ ̄ |::|:::::::|-、::|:::::::i、i
i ,,,::::|:::i::::|゙、|メヽ::::i ヽ'´_,........_ |:i|:::::/`ヽ.}::::: i リ 「(確かにちょっと見た目が怖い人たちだったよね)」
. i ..::;::-|::i:::゙、:|'´ ー ヾ 彡‐'´ ̄`ノ'i::::/ /:::::i::|
..|/ |:::゙、::i゙、 .;==、 ,,,,, i::/ ノ:::::/V
i:::::::ヾ::、´,,,,, , """ u レ /i´:::::/゛
. i::::::;w、:゙、"" V'"`
゙、/ \丶 ー'´` , ゙、ー-、______
ヽ!`ー- __ , ´ /:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:./<ヽ
___`フ´_ヽ /:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/ ,;===、ヽ
/i:.:|.|:.:.:.:.:./ | /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:/ / ゙、i
7/8
・その頃
_. -‐- 、 ,. -─;-
>- !i! ′ !i!  ̄`>
. / i!i !ii i!i i!i \
'7"´!i! i!i ,.、 i!i !i! ゝ
. イ !!i , ,ィ /-ヽ. ト、 ii! ii |゙
| i!i /l/‐K ̄ ,ゝl‐ヽ!、i! |
,h ノ==。= , =。== i r〈
|f_|.| `二ニ | | ニ二´ |.|f,| 「ほら、言われた通りポチ袋に収まってるじゃねーか」
ヽ_|| , -‐' 、|_レ ー-、 ||:ン
ハ l ー───一 l ハ
_,.. -‐1:(:lヽ. == /l:((!`''ー-
...l.....l....|::):l ::\ / l::)):|....l.....l
...l.....l...|((:)l. ::::`ー'´:: ,'((::(| ..l.....l
...l.....l...|::))(:ヽ. :::::: /;リ::)):|...l.....l
...l.....l..|::((::));.ヘ /へ:((:(:|...l.....l
,! ハ ヽ
,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ l //:::::::::::::ぐ ̄
彡ソ'/ i、 | く l /::::::::::`ニン
l.::从,.弋 ヽ ⌒ '" ./::::::::::::ミ
乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ /: :lリ \l 「中に入ってる小切手を抜き取りなさいっ!
|三:.\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ
|三三 >,,, ヽ ゙"''''"" / 入れていいのは千円までです!!」
ノ三三三三>ミ\ イ
斗≦三三三三三三三≧ 付
≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
8/8
/ _ ! _._ `ー=ニ ` 、
/ /ミミミ、 ! ////∧、 ヾミ三ニ─´ _ .
/ ノリ /ミミミミゞ ! l// `ミミヽ、 _ /
| // /ミミヾゞヾゞV ミミミ .、¨_¨─ ´ _
| /ミミヾゞヾゞ _..',Y ∧  ̄ ¨/
| /三ミ / ',Y 〉 ─ ´
ー .ヽ彡 i i イfェュf´ |) ./ミミミヾ、
ノノ〃ヽ´"fェュ、 ''"´ ノ|¨ゞゞ、三=='
-=彡≡彡 `¨´ i / |ハゞゞニ='
ミ三=´川ゞ i / .| ヽ  ̄ 「もうこれでよかろう」っブラックカード
川ゞゞ、 、 _ . / .∧ _
ヾll| ゞゞヽ i` ._. / ./ ∧ヽ
ゞ ` ヽ、_¨-―- ./ ./ .|: :\
lハ 、_ .´ / l: : : :| ¨ ・ .
/| \ / l: : : :|: : : : : : `: ・ .
//: :|. `_´ /: : : ::|: : : : : : : : : : : :
/: :/: : | /:::::`:...、 ./: : : : : |: : : : : : : : : : : :
__、─- 、
> ,, ` ,, '´ ゙̄,Z._
, ' i!i i!i !ii !! <
. / ii! !! i! , ii ハ ii! ii! ヽ
l i! i!! ,イ /l./--l ト ii ii l ━━┓┃┃
| i!,.、ii /‐l/-'、 ̄,V-|ハ ! N ┃ ━━━━━━━━
|!i.|.f1.| ===j= ,,r ==j=lW ┃ ┃┃┃
|.i!|.「l | `ニニ´ ヾ二 l ┛
|ii ヾlノ. , -‐' r _ \l
/| ii /'\ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚
_/):| / 。≧ 三 ==-
‐..T....|((::K -ァ, ≧=- 。
.....|.....|::)):l(ヽ イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
... |.....|((:(:l)ゝ(:> ≦`Vヾ ヾ ≧
カン!
3が日の間はみやながけ原点を意識してます
1/11
451
名古屋飯
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
. {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ←451
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
r ‐、 :::::::, =‐ 、:::::::::::, - 、::l!
、::::::::::::::::::: ̄:::::::::::::::{:::=´/
ヽ、 ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::/ 「名古屋飯ってめっちゃうまいんすよ!
ハ:::::::::::ヽニニニニ7, '
/:::::ヽ、::::::: ̄ ̄ ̄ :,′ あと名古屋にはおっぱいの大きい美人がいます!」
/:::::::::::::::\:::::::::::: /
,x<::::::::::::::::::::::::>-<
-‐==::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::>
:::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::‐-:::::::、::::::r‐=:::: ̄::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
_,...---、_,.、
/ : /: : / : : ヽー-、
/. : :, !: iハ!/メ、.i | \
イ : :{ ヽN 'i:!/!人iヽi
_1: : :i( _ 丶:\
/ `Yリヽ '、_)'´!`ー`
/:::.. | ,. _/ 「帰りは名古屋に寄るぞー!!」
. /.::、:: ト、ィ'
/ ::::::|:: !;-!
/ ::::|:: ! ヽ、 ,:-‐クヽ
/ ::!::.. ⊥__!_ / ..:ノ)
/ |::::..  ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
. /: |::::..... ..............:::_,:::-‐'′
/:: `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__ /! i / iu-゙、
/----、\ ::::/ |:: ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::. _,.-‐'"
,. . ―――. .、
,. :´ : : : : : : : : : : \
/: :,: : :,: : :|: : :、 : 、: :、:ヽ
.': /: /: : /: :/|: : : |: : ∨:',: :.
/:.ィ: : ': _,/ィ:/{:{: : : }、:_|:|: :|: :|
/' |: : {: /从:{ 从 : / }:/ |: : : :{
{: :/从 ○ }/ ○ }イ|: 从
Ⅳ乂{ "" "" ム':/
人 u r‐ - ‐v 人}' 「男の人って単純だなぁ……」
>`二二´<
/::::::::::{ r/:::::::::\
∧::、:::::::::、__/::::::::::::::∧
/| \\::::::、/::::::// |
/_| l{:.\\:Y:::/:イl/ |
 ̄ | |\:.:.:ー∧':.:./ |
| |  ̄`二イ | |
| | /:.:.:./ | |
| | /:.:.イ:/ { |
2/11
奈良旅行もそこそこに、出会った人たちとすぐに仲良くなってしまう京ちゃん。
今回は名古屋が地元だと言う人と気が合ったみたいです。
曰く、名古屋飯が美味しいだとか、名古屋には美人が多いだとか、おっぱいが大きいだとか。
横でほっぺたを摘んだけれど、名古屋の魅力をたっぷりに語られました。
私でさえちょっと名古屋のご飯に興味を持ってしまうほどの内容。
どうせ帰りにどこかを観光していこうと思っていた私たちは、急遽大幅にルートを変更して名古屋に寄っていくことにしたのでした。
「奈良から名古屋に寄って長野に帰るってどんなルートなのさ……」
「止めるな、咲!
名古屋飯が俺を呼んでいる!」
「ふーん?
おっぱいの大きな美人さんに釣られたわけじゃないよね?」
「あ、あの、咲さん?
その怖い表情を止めてくれると嬉しいなァ」
もしそんなことを言い出したら、女の人を見るのが嫌になるくらい搾り取っちゃうよ!
もう! 京ちゃんには咲ちゃんっていう可愛い嫁さんがいるでしょ!
全く、失礼しちゃうよね!
でも、名古屋飯には興味がある、かも。
3/11
「でも、結局どこ行くのさ」
「観光ついでにご飯を食べるつもりだから、熱田神宮にでも行こうかな、って」
「なんでさ」
「だって、草薙剣って男の子のロマンだろ!?」
「はいはい」
「あっ、咲。わかってねーなー」
「私、女の子だもん」
私の胸を見て男の子とか言ってたら、京ちゃんのをもぎ取って女の子にしてあげるからね。
そうすれば男女で夫婦の関係は変わらないからね! 絶対に許さないよ!
「ご飯は付近で適当に食えばいいだろ。
そこまで細かいのはわからないし」
「さっき聞いてて何か食べたいものはなかったの?」
「それはあるけど、やっぱり現場に行ってみないとなんともね。
匂いとかで刺激されたらそれ食べたいし。
あっ、ジャンボエビフライうまそうだよな!」
「それ、名古屋飯じゃないよ……」
私、名古屋って言ったらお味噌のイメージしかないなぁ。
お姉ちゃんならういろうを食べたいって言うかもね。
4/11
散々悩んだ挙句、味噌煮込みうどんを食べることになりました。
いろいろと候補はあったんだけれども、さすがに1日じゃ周りきれないしね。
「スッゲー、なんか味噌を煮込んでる味だね」
「名古屋の人に怒られるよ」
「じゃあ咲ならなんていうんだよ」
「えっ。
お出汁がお味噌汁みたいな味だよね。
あとかなり硬めにしてるのかな」
「咲だってあんまり変わらないじゃん」
「ム。
これでも主婦なんだよ!
私は味で語るの!」
_. . : :―――: . .
,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
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.:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
/: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
, : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
/: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Ⅵ : : | : |: : |
/: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
 ̄´ |: }从:{ ⌒Y ∨ ⌒Y }: :/}/Y : ′
|: : : :/ 乂_ノ 乂_ノ /:イ /: :,′
|: : : { r-: ': : /
从: : 乂 ^ー( イ: : :/: :/
∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
\| / \ ∨^/ />/' }:/
/ |乂\∨_,イイ/ }
{/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
{`ー∧ /:∧:.、 |- r'
__________乂ノ 「iY{:/__}:./, -=- } _____
ゝ ――‐ '
「半熟卵と硬い麺。本家の味は甘くないんだね。
仕事で食べた時は本家じゃなかったから若干甘かったんだけど、こっちの方がうどんとしては好み。
味が濃くて硬いけど癖になりそう。
あっ、子供達には噛み切れるように注意してあげないとダメだよ」
「「……」」
「なに?」
「いや、お姉ちゃんってなんのプロだったっけ、って思って」
「照さん、お菓子ばかり食べているのに舌が正確ですよね」
「二人とも、失礼」
やっぱり仕事モードのお姉ちゃんとだらけモードのお姉ちゃんの落差には慣れないよ……。
5/11
……
…
そんなこんなでやってきました、熱田神宮。
京ちゃんお目当ての草薙剣はすでに現存しないらしいけれど、雰囲気だけでも味わってきてよねー。
/ / | | | | | : l :l | | :| | |
/ / | |__ | | | | | : l :l: /| | :| | |
. /// | |\ |‐\八 | | | |__,l /-|‐ :リ リ | |
/ / - 、 :| x===ミx|‐-| |:`ー /x===ミノ// / :∧{
/ | :.八 _/ {::{:::刈`| | l: /´{::{:::刈\,_| イ /ー―‐ ..__
. / / :| ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
. // /| ::l、 : ー‐ \{ | / ー‐ j/ /}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.
/ _,/:.:..| ::| \ ! j/ ′/:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
/ :.:.:.:.:{ ::|\ハ_, ノ ,___/{:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.∧ 「なんかすげーよな!
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. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′_,ノ⌒ヽ::| 、 、 _ -‐' /:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/:.:.::/:.: こう、パワーを感じる!」
/\:.:.:.:.:.:.:r‐ ' ´ ∨\/ ̄ )  ̄ ̄ / /.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:.:./:.:.:
/:.:.:.:.:.:.\:.:.ノ ----- 、 ∨/ / 、 / ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:/:.:/:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / ‘, ‘, ./、 \ / /.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.://:.:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:/:.:.:.:.:.{ ---- 、 ‘, } /:.:.:} ̄ \ ̄ ̄ ̄/ ̄ /:.{/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-<⌒:.:.:.:.:
:.:./:.:.:.:.:./ ‘, ‘,「l /⌒^\________/}/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/´ \:.:.:.:.:
:/:.:.:.:.:.:.{: . . : ‘, 人U{:.:.:.:.:.:.:.|:\ /:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.―‐┐:/ \:.:
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. / .:.:.:.: |:.:.:.:.| \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
ー |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ 乂ー-ソ j/ V:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ|
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/ 「はいはい」
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/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
もー、京ちゃんはホント、子供なんだからー。
そわそわして落ち着かなくなってるし。
「子供たちと見てきていいよー」
「よっしゃ! 咲、照さん、先に行ってます!」
6/11
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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./.:.i{.:. |.:.:.:.:|:.:.:.| \ " 乂ソ |.:./.:.:.:ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.
. / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气 ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
.:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ リ.:.:.:.:.:.:.:.:| 「……京ちゃん、気をつけてね」
./.:. '" |i:.:.リ.:.:.:ハ ´"" ′ __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´ |i:/.:.:.:.:.:::::::. /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:|
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、 ´ ' イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::..... /|::::::/.:.:.:./ :リ
|.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_ |:::::/.:.:./ ′
八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く} ト/.:/
\{──<´ ̄ \\ |:イ \_
/⌒ \ ::::\ |:::| } =- .,_
/ 丶 、::::、 }:::} } 、
. / :::: /::/
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,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
_/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | | :
 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「? はい、わかりました」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
|////} ` ー ´「////|
|////| :. / |/[__}/|
,...<////∧ , |/////> 、
, <///////////\ ///////////> 、
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7/11
「お姉ちゃんも心配性だね。京ちゃんなら大丈夫でしょ」
「……違う、そうじゃない」
「?」
「熱田神宮の主祭神は熱田大神。
草薙神剣を神体とする天照大神」
「えっ?」
「そして、草薙剣といえば素戔嗚尊」
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「京ちゃんに何か影響があるかもしれない」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
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/. . . . . . . . / l: : : : : ト、 : : : : : :.
,' : : : : : : : : : : : : / l . . . . l .',: : : : : : : :.
,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ : 、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :} \ノ 「何言ってだコイツ」
',:乂_ ` .!ヘ:ノ
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ
ヽ{\ : : ㍉  ̄ ,, ''
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
8/11
「そもそも、神の名を持つものは牌にも愛される。
天照大神の私や淡、櫛名田比売の咲もそう」
「いやそんなの初耳だしそんなオカルトありえないよ!?」
「咲は麻雀をやめてしまったから、感じられなくても仕方ない」
「お姉ちゃんが和ちゃん並みの電波さんになっちゃったよぉ」
「咲、それだけは失礼。
わと一緒にするのだけは訴訟も辞さない」
「ごめんね、お姉ちゃん。
言いすぎたよ。私が悪かったの」
「うん。これからもそれだけは気をつけてほしい」
・同時刻、和の実家
. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、 ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! | ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i! | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ / i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「なんでですか!!!!!!!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
| |: : : : : :.:i:.:|\ ∨__ノ) / /: : : : : :.:i.:|////
|:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、  ̄ ̄ / / : : : : : :.:|/////
|.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ ' ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////
,.ィ:、フ、: : \:`:ヽ.、
/ :ハ:!-‐i: 、:ヽヽ-、: ゙、
/ /:ハ: 、 }ハ:j!`、i!ト、:、\
i.i : | __,...__ iリ _ル.._|:i:iー-ゝ
|:!_:i! rェ:ェ、,. /ィ:ェ、 };!!
{^}j 、 i !}
!、_, i ,. 〉 'i 「!?」ビクッ
i: i ! , _.. .._ /
゙i"\ ` 二 /
/i_ \___,.イ
_/ \_ /,ノ\
_,..-'′\ /―< ト、_
_,....-‐''" \ ∧::_::;!\ | `ー--、
/'" `′ヽ::::i `゙′ \
9/11
「まぁ、意味がわからないのは仕方ない」
「うーん。お姉ちゃんの言っていることがあっているとしてね。
一つおかしくないかな?」
「何?」
「神様の名前にあやかっているだけで牌に愛されるようになるなら、京ちゃんが麻雀強くないとおかしいよね」
京ちゃんに素戔嗚尊なんて大層なもの自体が似合わないんだけどね。
京ちゃんったら麻雀本当に弱いし、役と計算は覚えたけれどツモが悪すぎるし。
ここぞ、って勝負どころでは絶対に不要牌を引いてくるのは一種の才能だと思う。
「随分前に、お姉ちゃんが言ってたよね。
京ちゃんは『牌に愛されていない』って」
「うん、言った。
その時は理由がわからなかったけれど、今ならわかるよ」
「?」
「あの時、咲は言ったよね。
『牌に愛されていない代わりに嫁さんに愛されているからいい』って」
「そ、そんなこと言ってないもん!」
「言った。確かに覚えている」
う、ううう。なんで私の黒歴史ばっかり覚えているのかな!?
「そこでわかった。
京ちゃんが牌に愛されていない理由」
10/11
_ , 、
/ィ--∨ :.- 、
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` ー-, | /{ { l | | .
/_/ | / 从 : ,-}/、 |l |
/ 从 -rォⅥ /rォ- }イ {
_` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ } }∧ 「おーい! 咲、照さん、早く行きましょうよー!」
Y {{ |Y } 从∧ _ 八{
「l | || | | | Ⅵ 、 ` ー` イ / '
{ ー '' ' | /^〉 「//}` ー ´r'-、
| ' ノ_,」// | |/()|
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∧ _人 イ///////∧-}//////////> 、
{//\___「///////// ∨////////////∧
|////()/}//////////{/////====/// //|
////// //////////(_)//////////|////|
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マ//// |//////////(_)///////// {//////}
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//==///////////////==/\///イ
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,. : : : :´: : : : : : : : : : : : : `: :.、
, . : ´: : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : ://: : : : /: : : : : : : : : : : : : : ヽ: ヽ
 ̄ ̄ ̄/': ': : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : ∨:.、
//: /: : :--/-|、 : |: : : : : |: : : : : : : : : :.
/ /: :': : : : :,: l: |: : : |: : : : : |:i: : : : : : |: : :|
/: : :|: : : :/_ l: |: : : |: : : :`ヽ、: : : : : |: : :|
|: : /|: |ィ´斧ミ从: : ∧:{、 : : |:|\: : : :': : :.'
|: /イⅥ:{ 比::(_, 、{ ィ斧ミ:/:|:|: ヽ: /: : /
|' |:/|、|弋zソ ん::::(_ ∨:}: : :/: : /
|Ⅵ :.:.:.: , 弋こソ l/|: :イ: : , 「もー、京ちゃんが急ぎすぎなのっ。
人 、 :.:.:. /: j' ,ノ/:/
、 ´ ム:イ-' /:イ お姉ちゃん、また今度聞いてあげるから早くいこっ」
/ ::`:::-,--==≦「イ:/:イ
{ {:::::::::∧ , -┴::::ヽ
| ∧:::::/ ノ /:::::::::::::::::::::\
| {:.:.、/¨/:::::::::::::::::_::::::::::\
| Ⅵ:{/::::::/´>----、\::::::
∨、ー'-<:.:.:/ ヽ\\|
{ /、ノ、:.:.// __ . \}
/:.:.「 ´ {/ ̄ ̄\ | |
/:./:.| | | |
/:./:.:.{、 | | |
/:.:.{:.:.:.| :. | /: | |
{:.:.∧:.:.| 、 | ,.: | |
|:./ \〉 } , / { ∧
_|'___ / { | \
/{::::{{::::::::::::`∨ , | ヽ
_>〉:||::::::___∧、 :. | }
, ´ {::::{{ ̄::::::::::、 \ l | ノ
11/11
……
…
_. . : : : : ̄ ̄ ̄: : : : : . 、
,. : : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
,. :´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: :,: : : : : :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/: : :/: : : : : /: : ,: : : : : : : : : : : : :,: : : ヽ: : : : : : .
,: : : /: : : : : /: : /: : : : :|: : : : : : : : |: : : : :∨: : : : :.
/: : /:,: : :_:_:/: : /: : : : : :i: : : | : : : : l: : : : : :|: : : : : :
/: : :从|: : : :/|:`イ: |: : : : ∧: :.:|: : : : /: : : : : :|: : : : : |
/ : : : ィ: :{: : :/ィ-、 }:∧: : : | -}:|-|---く: : : : : : ,: : : : : :|
 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
|: : : ,: | , V:::::ノノ' : : イ:.イ: : : : : : ,′ 「きっと、麻雀の神様が咲を京ちゃんに取られて嫉妬しているんだと思うよ」
|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/
|: :/|: 从: : : . ‘ ’ イ |: :/ : : :/: : :/
|:/ 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨: : : /: : :/
}' / ||:| ∧ /,': : : /: : .イ
/ ||:| / _,./ / : イ:/\
/ ∧:{ /⌒\´/ ´ ´ 、
, {:.:\、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、
/ ∧:.:.:. ∨ /_,.:.―:.:.´:.:.:.// Ⅵ |
{__ , \:.:.:{_/-- ´:.:.:.:.:.:.:./ , マ |
//≧=- 〉介、______/_ / } |
//> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄,:' | |
,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
随分前の伏線をようやく回収出来ました
やっぱりシリーズは一気にやらないとダメですね
1/11
【理由】(あわあわ次元3話)
「センパーイ。
体調悪いので早退けしまーす」
「あっ、大星さん!」
いつも通り、嘘をついてサークルを抜ける。
麻雀推薦で入ったとはいえ、適度に抜けても怒られない程度だ。
もっとインカレに力を入れている場所だったらダメだったと思う、
サークルから抜けて、私物を鞄に押し込む。
いそげ、いそげ。
はやる気持ちを抑えようとするけれども、全く収まってくれない。
いそげ、いそげ。
もう鞄の中がグチャグチャでもいいやと、無理やり抱えて走りこむ。
これじゃ体調が悪いなんて言い訳通じないかもしれないよ。
でも、今の私にはそんなことにすら気づかない。
いそげ、いそげ。
部室から抜けて、いつものルートを走り抜ける。
最短で迎えて、この時間なら人も少ないし、走り抜ける。
無駄に広い大学が恨めしい。
道路を挟んで、広い体育館に駆け込んで、やっと到着!
/ ヽ \
/ ./ :.
/ ′ /| :∧ ::.
. / 7 | ./ ! | ∨ | |
′ ! | / ̄`∨ |´ ̄Ⅵ | |
| | r≠ミ、∨ | r≠ミx | |
| | 从 r':::::}!八 〃r'::::::}!》 | |
| | ハ弋)ソ \{ 弋)ソ | | |
{ | :i ,,, , ,,,, / 八 !
. | :} /7 / | 「(着いたっ!!)」
八 人 v フ / /} 八
\{\( >... 仏イ/ /: \
. / ≧ー < |/ /: \
/ 厂 ̄ | / /:. \
// / /| / ∧::.. ::.
. //' / ∧ // / \::. |
. // / / /\ / / / \::. |
l( / / / / / / \:.. |
2/11
そこは怒号が響くハンドボール部の活動場所。
190センチを超える身長の人たちの中からお目当てを探そうと、一生懸命背伸びして探す。
ムー、おっきい人ばっかり! 淡ちゃんが小さいのが悪いわけじゃないもん! 平均だもん!
アイツはここの人に比べれば若干小柄だ。
ちゃんと探せば、私と同じ金髪がそこにいるはずっ!
「……いたっ!!」
. , ´ ` 、
/ \
//: ..:: ....:.:ヽ
//:.:.:.:/.:. ..:.:.:.:.:.∧
// :.:.:´:.:.:.:.:....:.:.: ... .......:.:.:.:.:.:.:.:、: ',
.1} } .:./ .: ::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト;.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:. ', .',
. 7ミニ彡 .:/:.:.:// / ://}.:.:/ ,' .ヽ:.:. .',.:. 、.:.: |..:.∧
__ { ,'.| /}/:.:.://:/:.:.:.:.:..´/. ./ ./ / V...ノ:.:.:.',.:.:|.:.:|:∧
. /7} ヽ{| ./.ノ.:.:.:./:/.:.:.:.:.:./ メ;..':.:/. .V.;.:.:.:.:.}:::|.:.:|:.トヘ
. {人_ .ヽ_ミx´,:.:.:./:/:.:.:.:ーx_ //ァ/ ./イ:.:.:.:.:.|.:.|.:.:|:.:ヽ.ヽ
. ゝ  ̄...:.:.:., |:.:./:.:':.:.:./ _≧≦_.´ ._x≠キ":.:.:.|.:.|.:.:|:.:.:.:》 〉 「(あそこだっ!)」
__`''ーt―r ' ./.:.,:.{:.l.:.:イ ',.〈丁≧ァ` k´r‐=≠、.:.:.:.!.:.:.:.:!;/,_'_
r''´,-=、::`''ー==≧:.:.:.{{::';|:/ ゝ_, r';_; }. ./ 5、_/;}lノ:.:.:.|.:.:.:.:|.// ,Xァ
.` .≧=-`''-、_.:.:.:.:.:.:.:r<ヘ:.|. ヘ ``'''. ヾソ-'./.:.:./|.:.:.:.:|/ / `、
 ̄´ /´.ヘ V :ヘ , /:.:.:/:/:.:ノノ /::: .∧
ト ./ ヘ ,ヘ ::::> _ __ __ ,/イノ::::レ'/ /:::l::: ∧
|:`,' :ヘ ヘ ::::::::::::>.、 _, =r<:.,'.:.:.:.://// :/::: ` ー、
八_} .:::.ヘ ヘ ::::::::∧‐- ./:/.:.:.:.:/::.//イ .l.::: .::::::::::: }
,イ .. ::::::::.ヘ .ヘ ::::::∧`''ー.〈_:ゝ、:.:∧//:/: |::::::::::::;:': .:::::: /
金髪でちょっと小柄で、動きが硬いのがキョータローだ!
やっと見つけた!
思わずニヤける頬を無理やり引っ張って抑える。
別にキョータローのことなんてどうでもいいもん。
相変わらず、他の人に比べて小柄だったり、ちょっとバテていたりするみたい。
他の部員の人に気づかれないように、って言っても限界があるけど、邪魔にならないように移動する。
そのくらいはあわいちゃんでも出来るよっ。
3/11
そしたら、ジッと見ている。
今日のキョータローは練習試合に参加しているみたい。
友達が評価されたことが自分のことのように嬉しいなんて初めてだ。
「やっちゃえ、キョータロー」
ぼそっとつぶやく。
ハンドボールのルールなんて全くわからない。
それでも、テレビの中で見るスポーツと実際に見るスポーツでは迫力が全く違う。
お互いの体がぶつかり合い、競い合う。
そんな中、キョータローと他の人が空中で交錯した。
「痛っ!!」
思わず自分で叫んでしまう。
キョータローは空中で吹っ飛ばされて、受身も取れずに叩きつけられた。
「キョータロー!」
なんとか起き上がるも、立ち上がったキョータローはすでにフラフラだった。
本人はまだまだやりたそうだったが、すぐに控えの人と変えられてしまった。
変えられたキョータローはとっても寂しそうな目をしていて、私の胸が痛くなった。
4/11
「おーい、淡!」
控えに回って横になっているキョータローに呼ばれて体を竦ませる。
あ、あれ!? バレないようにしていたはずなのに、キョータローって超能力者!?
「誰が超能力者ですか。
あんなに100面相してりゃ誰でも気づくっての」
「わっ、頭の中まで読まれた!
ぐぬぬ、エスパー相手でもあわいちゃん負けないよ!」
「声に出てますから……」
知らないうちに声に出ていたみたい。気づかなかった!
気づかれてしまっては仕方ないので、キョータローの近くに寄る。
「格好悪いとこ見せちまったな」
「キョータロー、自分が格好いいと思ってたの?」
「うぐっ、痛いとこつくじゃねーか……」
「ハンドボールってすごいんだね。
こう、バーってどがーってうわーって!」
「うん、わからん」
「キョータローはダメだねー!」
「あれ、なんで俺が負けてるの?」
「キョータローがあわいちゃんに勝利することなんて今後一度もありえないのだ!」
「な、なんですと。この、俺にだってなあ!」
「レディースランチ……」(ボソッ)
「うぐっ」
/ \
_人_ ' ` 、 \
Υ'/ / / ト、 丶
/ / / | | | Χ }
.′ il / | | \ | / `、 リ |
i | _|l__∧ト、八 | メ´ ニニ / } |
| | || `>x、\| 斗チ芋ミ、∨ ,′j
| |l l|斗示芋ミ、 ''h!::::::::} ,′ ,
|l 八 И'h!::::::} 乂___ノ / / 「レディースランチが惜しくば、負けを認めろー!」
.八 ゝ /i/i/i i / / / / |
‘,\ ハ r ア /l/ / /:: |
ト、 込、 _ノ // ,イ::: l|
|l l\ \> .,_ /∨ /l|: 八_
|ヽ. 八l_\ \-─=ー ァ--< / / 八 { \ `ヽ
| | ./ /´ ハ 〕 { 〉 ,′ / ` ヽ \∧
| |/─、_ / |∨ __ Ⅴ__=| / 〕\ \
| | Y´ \\.ノ (`ヽ \\) | ,′ \ 丶
5/11
ふっふっふ、キョータローがレディースランチを頼めるのはこの世であわいちゃんだけだからね!
キョータローにとってはあわいちゃん=レディースランチ、レディースランチ=あわいちゃんと言っても過言ではない!
あわいちゃんの機嫌を損ねたらキョータローには大打撃なのだ。
「わかった、わかった。
俺の負けでいーよ」
「わかればいーのだ!」
「んで、何の勝負してたんだっけ」
「さぁ?」
∧ ト、\ヽ ヽ 〃⌒》
/ハ/ } |ヽ , -‐ ! l 《
ハ_」/ .| | /Vり l | __ o
ィチ∨_ ̄`| l ィ巧ミ< | | ⌒》 /
|ァ豸坏| ソ ' i::::::} 〉| ! ヽ。 / ま
l〈 {:::::::j レ' -‐'' リ 八 / っ
ト `  ̄ ' "" ノ ハゝニニ二! た
ヽ "" ∧ ノ人\ヽ | く
.\\ゝ し' / } \\ < も
\ \ ヽ ー- r i, -- / \ヽ! \ | っ
\ } }-、 r‐/ / \ ヽ!ヽ | て
ヽ. ト j !` ̄ / / \ | }
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/
从 ' 八/ 「お前なァ……」
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、
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6/11
「そんでさ、キョータロー」
「何だ?」
「それ、ダイジョーブなの?」
地面にぶつかった時に痛めたのか、足首を冷やしている。
「これぐらい大したことねーし」
「ホント!?
じゃあつついていい!?」
「やめてくださいしんでしまいます」
逃げる京太郎を追いかけて、アイスノンをつついてみる。
「まァ、そこならいーけど冷たいよ」
「わっ、つめたっ」
「言わんこっちゃない」
「こんなに冷たいのを押し付けるんだ……」
「そっか、淡は麻雀部だから使ったことないのか。
怪我とかしたことないの?」
「あわいちゃんは健康優良児だよっ!」
「うん、それはわかる」
「えっ。
やっぱりキョータローってエスパー?」
「同じネタはもう良いって」
私の頭に当たらない程度のところまでチョップするキョータロー。
髪の毛に触れないように気を使っているのがわかる。
ふーん、やるじゃん。
7/11
「迂闊に女の子の髪の毛に触らないのはポイント下がらないよっ」
「減算式なのか」
「当たり前じゃん」
「そりゃそーだ」
「女の子は1日の髪の毛にすっごく気を使ってるんだからねっ。
許可なしで触るなんて許されないよ!」
「その辺、男にはよくわかんねー感覚だよ」
「だって、毎朝一時間以上鏡とにらめっこしてるもん」
「淡って身だしなみに気を使ってるのな」
「女の子なら当たり前だよ!
前髪切るのに失敗した時なんて……」
前髪を適当に切って大失態を犯した時を思い出す。
あの時はテルーたちに散々迷惑かけた挙句、勝手に納得して終わった話。
もー、キョータローのせいで一番楽しかった時を思い出しちゃったじゃん!
「キョータローが悪いっ」
「俺はどこでお姫様の機嫌を損ねてしまったのか」
いきなり怒り出す、そんな私の無茶振りにも笑って対応してくれた。
やっぱりキョータローって、誰かと話すのが慣れてるよね。
みんなの中心になっている理由がよくわかる。
今、すっごく楽しいもん。
8/11
「淡は自分で髪切れんの?」
「女の子なら切れるでしょ」
「そっか。美容院とか気を使ってるイメージがあるんだけど」
「もー、それは長く整えるとき!
毎日ちょっと伸びてバランスが崩れちゃうじゃん。そういう時に自分で切って整えるんだよ!」
「うわー、俺じゃゼッテーできねー。
男でよかったー」
「ふふーん。キョータローなんてその不良ヘアーか坊主くらいにしか出来なさそうだもんね!
あわいちゃんなら他の女の子の髪の毛を切るのもお茶の子さいさいなのだ!」
実際に切ったことがあるのはテルーの髪の毛だけなんだけれども!
「坊主かァ。それでハンドボールうまくなるなら剃ってもいいんだけど」
「そ、それはヤダ」
「えっ、なんで?」
「……やだもん」
キョータロー、ひどい。
そんなことしたら、講義中だとか、食堂だとか、体育館だとか。
私がちょっと見上げるように首を上にあげた時に、とっても目立つ金髪がなくなっちゃうじゃん。
……いや別に、キョータローがみつかんなくたっていいんだけど!
ただ手間が省けるっていうか! 私と同じ金髪なのにもったいないじゃん!
「ハンドボールで思い出したんだけどさ」
「あわ?」
「淡、なんでこんなとこいるの?
ハンドボールに興味でもあるのか?」
-‐==‐-
´ `
/ ヽ
/ , ! : | | i
. / |i , ‐‐i| .:ト、_|‐‐ | :i| |
l :/:|i | |/八 .:| | | :i| |
|/ :〔!| N ○ \| ○ |ノ ,リ
. 〔 八! l圦 ,, ' ,, l // | 「あわわっ?」
N | . v ァ . ∨/ .:|
ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′ 八
ノ厂| l 〔, / / `丶、 `
/∧ i| | 「⌒ / / /∧
/ イ′ j ト、∧ / ′´ .イ
:' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 :
/ ノ〈 i i >ニ| | ´y' ! |
.' / 〉 / j / ノ<i| | 〔___! ト、〕
. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′
9/11
「だって、この時間はサークルの時間じゃん。
この体育館使ってるのうちだし、場所的にもハンドボールの練習くらいでしかこないでしょ」
「う、ううう」
「?」
「そ、そーだよ!
あわいちゃんはハンドボールマスターなのだ!」
何言ってんだ私!
ハンドボールなんてルールも知らないよっ!
そもそも、そんな競技があること自体最近知ったんだもん!
「おー、観戦するタイプ?」
「そーだよ!
あわいちゃんレベルになるとキョータローがダメダメなこともわかるのだ!」
「て、手厳しーな。
事実だけどさ」
「ご、ごめん」
「それならさ、俺のダメなところがあったら教えてくれよ」
ニヤニヤとこっちを見てくるキョータロー。
……これ、私のが嘘だって気づいてる!?
それならよーしゃしないもん!
「……動きがぎこちない」
「ぐはっ」
「動作に迷いがある、練習が足りてない」
「がふっ」
見ていて思ったことを素直に言ったら、それなりに効いたみたい。
「すげーな。そんなことわかっちゃうのか」
「トーゼンだよ! ハンドボールマスターだもん!」
「それならさ」
10/11
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
/ _ ,: ∨ 、 :.
/ /,´ / | ヽ .
/ //' ' / ' / l| | : : ∨ :
l// / , / ' l| | | | | | | | |
_/ ィ / { l |__|_{ |∧ }/ ' / l | ∧
 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' /
、 v ァ / 从/ 「時間があったら、俺の駄目なところ指摘してくれよ」
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
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「 | //////////> 、
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/ / // . :〃 . :iト、|:. | ヽ ヽ ヽ
乂 .′ / ,イ .:/ ! . :i| |:. |\: . ハ
.′ i`ーァ′/ ! .:i | . : | |:. | \: . ヽ: . ____ i-‐ ´ .
.′ !/ . : ′| .:| | . : | |:. | \: .  ̄| ̄ ̄ `ヽ:
/i| :|. :| | .:| | . : ! |:. |_,,-‐====‐\ . : :| . :|: . i
j〃 . :i| :|. :|‐===┼- | : j -‐ \: . . : | . :|: . |
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′ . : 八 Ⅵ ≫=ミ、 . : ! ≫≦Y⌒'マハ:、 . : .′ . :|: . : .\
i . :i . :\{ハ 《 )i:::::::ハ\{ ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : / . :/!: . \: .\
| . :| . :i '. ヾ い;::::::jj 八∨乂 _;ノ:ノ . :/ . : |: . : .`ー- 「しっかたないなー!
| . :| . :| . :| . :l'. V辷ク ゞ゚-‐ ' . :/ . :/ . :|: . .
| . :| . :| . :| . :|ハ / . :/ . :/ .:.:|: . : . あわいちゃんにまかせなさーい!」
| . :| . :| . :| . :| :. , / . . : .′ . / . : :|: . : : . .
| . :| . :| . :| . :| :. / ,. : ,イ . :/ . : 人: . : : : . . .
|..:i:| . :| . :| . :| ゝ. 、 ノ .′ // / . : : / . :.:/ \: .\: .
l :从 . : :| . :| . :{ / > . { /' / . : / . : : .:′ \: .\: .
乂{: \. : :!\〉、:\_/ . : .:〕jッ。. . ィV`ヽ /. :/ . . : :/ \: .\: . .
`\ \{ \;/ . : .://{{ ` ´ | |│ ,// . : .:/ \: .\: . .
11/11
……
…
・家に帰った
´ \__
/ マ三三三三三三ニ=-
/ / \ ∨ /⌒> 三三三ニ=-
,′ ヽ \三三三ニ=-
/ _/ │ ∧ . | ニ二 -=ニ\三三三ニ=-
. / / /│ '| |\ :. :. i |\  ̄`丶三三三
__/ / / │/│ | :. |\ :. | \三三
_/´/ / /| \| | | | |│ ::. | 八 ー―‐=ニマ三\ マ三
厂| |∨// 人 レl | ト-| | |│ ::. │ \ \ `マ三) }三 「あわー!!」グデーン
__,,... -┤│レ/゙∨ /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│ ー=ニ二 `マ /_三
││|{ {. / ∧ンリ 乂ツ \|斗テ外、.| 卜、 丶、______ く_三三
| ∨\八 { / Y::/::/ , 乂)ツ 》│ | /\ \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人 ::/::/ / リ│ │ >ー──=ミ〃 `ヽ∨ニ三
 ̄ \__,)) ヽ ∠/_7 イ /⌒)丿 \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
≧=‐ -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
/ / 厂∨ / -――=マ 〉| |
((⌒´ ∨ 〈 ∨/l. │
`ーヘ ∨| │
`、 ヽ、____丿
\ \
とにかく急いでハンドボールのルールを調べないと!
そう考えながらパソコンの電源をつける。
あれ、そーいえばさ。
これって、私がハンドボールの練習を見に行く理由になるのかな。
キョータローに頼まれたから仕方ないって言えばいいもんね!
____
´ `丶
/ \
/ \ ヽ
/ ,イ ヽ .
// | | ' ト、 .
j/ ; | | │:!∧ i :
/ i |¬|ト│ |八--:一 i i
.: Ν 八八 Ⅴ´\ハ |
i: Λ x= ミ \ル‐ =ミV:| │ i │
| i iハ . |.:| │ i │ 「それなら仕方ないもんねっ!」
| i i: :. " "" ; :| .:| i :.
| i:. ∨込. マ::::フ / イ :リ i :.
人八 ∨ 个ト ,,_ <「∨ :/i i :.
/\[ | __j_」 ∨∠:リ リ ::、
/ リ jレ'´ 乂 У∨ ∧ \
/ / /ー --/ / /⌒>、 \
/ / / / 广⌒゙ア / ///⌒\ \
/ / / / / 厶イ , \ \
/ イ\ ,゙ / __/ {// | \ \
// /イ 「\\_/ .:::´:::八 ∨ ′ | \ ヽ
(/ ノ 人;::::\[__/ ::::::/::/ \∨{ 人 ∨)_ノ
\{ / >::[_[\__;;;/ )У 〉 ト、 │
\__{ /::::::::几::::::\ 〈 /| |ハ |
[__∨::::::::∨| \::::::丶 込,,______ノ | / ∨
|__7 :::::::: ノ│ 〈:::::::::| 〈 [_____________〕 | , /
あわわ次元3話。お題あればどうぞ
wikiが見にくかったので、シリーズごとに編集
1/8
【名探偵クロちゃん】(平行世界)
「京太郎君はどんな女の子が好みなの?」
「ぶっ」
いつものサークルで雑談の最中、いきなり聞いてみた。
私の勝手な想像なんだけれども、きっと京太郎君には好きな人がいる。
だって、私の大好きな京太郎君のことだもん。
ずっと、ずーっと見ているからわかるよっ。
だからこそ、私に何か出来ないかな、なんて思って聞いてみる。
「い、いきなりどうしたんですか」
「?」
何かおかしいことを聞いたかな、なんて思う。
あっ、もしかしたら聞かれたくないことだったのかもしれない。
これで京太郎君に嫌われるのは、嫌だなぁ。
でも京太郎君の嫌がることをしちゃったんだもんね。仕方ないよ。
「ご、ごめんね。京太郎君。
私のこと嫌いになったよね。すぐに帰るから」
「ちょっ、何でそうなるんですか!?
いくら何でもその質問は恥ずかしいです。あと……男にそういうこと聞くのよくないですよ」
____ ___
,, :´ : : : : : `: . / \
. : : : : : : : : : : : :\ {___j⌒ヽ ゚。
/: : : : : : : : : : : : : :.ヽ ___,ノ ノ
{ : : /: : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い / --- ´
. / \__/: : :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,: ‘, ゚. 乂,ノ
/ー―――:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚◯
. / : : | : : :|丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :.゚
i: i: : |: : : |ハ!ハl リ い、 :小 乂{\: |: : : :|: : i
|| |: |: : : |〈 _)トJi:| `¨ _)トJi:| 〉|: : : |: : |
|| |: |: : : l ,込rク 込rク :.: :...|: : |
リ |: |: : : |i 。 。 |: : : |: : | 「?」
. {: } : : ト:.:':':': ′ :':':': イ: : :.l: : |
C|: : : |:ハ へ /::|: : :。.: : !
/:||i: : :{: 个: .  ̄ イ: :,゚: :.,゚: : :.|
|: ||ハ: : :。: : : i > ___ ィ: : : :i{: /: :/: : : j{
|: ||: :゚。: :゚。: : i r‐| |┐: : }/: :/: : : :ハ
|: ||: : :゚。: :゚。/ \ / \:/: :/: : : :.,゚: :゚,
|i ゚。>''ゞミ{ ,八八 ノイ、|: : : : |: : :|
ィリゝヘ r=====ミ___,ィ=====ュ |: : : : ト、:..|
2/8
, ⌒ ー  ̄ ̄ 、
/_,. - \
/´ / /⌒\ ヽ
, ´ , V :.
/ / / / / | V : V |
/-- ´' / / / l|{ | l| | | {
/ イ { ':|_,斗| | 、_l__/_ィ |l∧
/ ,: ∧ | {∧{ { 、 /}/}/ } /∧|
/ イ / {∧{ 、__,.V {∨ 、_,/ イ}' `
 ̄´ V∨乂l \ ムイ/
从 ' 八/ 「そんなこと男に聞いたら、
-〈〈/\ v-っ イ》く__
/////∧\} > -- < |//}///> 、 『俺に気があるのか』なんて思われますよ」
/////////\} 「/〈////////\
/////////////|--、 r-|/ イ//////////\
//////////////∧、__「//////////////// \
{//{////////////〈 ∧ }///////////////////}
|//|/////////////V/\ //////////////////'//|
/:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.:.:.ハ:.:.:.:j:.:.:.:.} ゚。:|\ :.:.:.:.:.|:..:。:..:..:..:.\
/:..:..:..:/:.:.:.:.:.:.:.:/|__;.ム斗:./ |:.:.:.し:.:.;\_}:.:|__ ゚。.:.:.:.|:.:..゚。:..:..:\:.゚。
/:..:..:..:/ :.i:.:.:.:i:.:/│:./ |:.′ |:.:.:.:.:.:./ Ⅵ :。:.:.:|:.:.:..:。:..:..:..:}ⅵ
/.......:.:.,:.:.:.:|:.:.:.:レ彡|:./三ミ:{、 | :.:.:.:./ 彡=リ三ミト、 :.:.|:.:.:.:.:゚:..:..:..:| リ
/:..:..:.:.: ′:.:.|:.:./〃 リ リヾ:、 :.:.:.:./.〃 ヾ:、リ .:.:.:.:i:..:..:..|
/:..:..:.:. イ:.:.:.:.:.| /il{ }li }:.:./ il{ }li | .:.:.:.:|:..:..:∧
/:..:..:./ :|.:.:.:.:.:リ il{ }li l/ il{ }li | :.:.:.:.|:.:.:..:.∧
/:..:./..:.:.:.|.:.:.:.:.:.| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | :.:.:.:.|:.:.:.:..:.∧
j:./ .:..:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:| ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ :.:.:.|:.:.:.:.:..: ∧ 「あっ……」
イO/:.:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|////////////////{ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:..:..∧
/:..// .:..:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|、 r――――― 、 ι ノ :.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.. ∧
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3/8
思わず顔が赤くなってしまう。
京太郎君のことが大好きなのは本当だけれども、やっぱり本人にバレちゃうのは恥ずかしいよね。
それに、京太郎君には好きな人がいるのにそんなことがわかっちゃったら、迷惑になっちゃうもん。
女の気配に気づいて牽制するような、そんな重い女の子にはなっちゃダメだよね!
「う、ううう」
「あ、う、ゴメンなさい!
そういう意味じゃなくて」
で、でも、京太郎君のお嫁さんになれたらいいなぁ、とは思うんだ。
ううん、私なんかよりもっといい女の子がいるよね!
「そ、その、女の子の好み、ですか」
「う、うん」
お互いその部分には深く触れないようにして会話を続ける。
「……難しいですね」
「そうかな。
この前、高久田君と話していた時には楽しそうだったけど」
「聞いていたんですかっ!?」
「?」
「ああ、もう……。
そうですね、あんまり露出とかの激しくない、家庭的な女の子ーって感じの子ですかね」
「髪型とかの好みはある?」
「うーん、その辺りについては特に考えてないです。
あと、こう、慎ましやかな人だといいですね」
「ふむ、おもちはどう?」
「おもち?」
「む、胸のことだよ」
「ちょっ、玄さん……。
お、大きいことに越したことはないんじゃないですか……?」
「わかったよ!」
これ以上は京太郎君が辛そうだからやめるのです!
今もらった情報だけで、京太郎君の恋のキューピットになっちゃうよ!
「私、頑張るね!」
「はい?」
松実玄、頑張ります!
4/8
得られた情報はとっても少ない。
それでも、大好きな京太郎君のために頑張ろう。
「露出が少なくておもちが大きい……」
真っ先に思いつく人物が一人いる。
´ ̄ ̄ ` 、 ‥
. / \ .
: / / ヽ :
. / /| | 、 ! :
: ′ 斗匕 :! ` ー-| i .
i /===ヘ. |r==弋 乂爪 i :
: l Ⅳ/:::::::Ⅵ/:::::::`ーl | ` | : ←露出が少なくておもちが大きい
: | }込////ノ込////少リ 川
| { 三 ̄ =ニ三 / ./ リ
〉 廴_ -=====- / /イ{_ :
. ∧ i 「:::::::::::::::::::::::/ ./:::::::::::| :
: /::::\ ヽ::ミ==彡:::/ /:::::::::::八 .
∧::::::::::ヽ Y:::::::::::::イ /::::::::::::/::::へ :
/ヽ:\__:::::::Ⅵ::::::::::::::| ./::::-=≦く::::::/:::::::〉 .
/::::::::::\:/⌒ヽ/⌒ヽV::::_/::::::\{::::::/ :
: |:::::::::::::::/ 〃 ∨ /\::::::::::::\{ :
L:::::::::::::{ {{ 〉●}_ >=-:::::::}
: 丁¨¨¨\ 辷才 イ / >::| .
: | / > ./ /\{ _ ∧:}| :
. : 八 ∧__ >=く _.ノ\/ / }:l| :
. 〈 ∧ @ ) } 「@ / ̄ヽ / l::l| .
j/ / ` ̄ 入  ̄ ̄ 〉 / j::l| :
〃〈 ∧ / {:::l|
∧ ...:/=}\ / |:::{| :
/{::廴 / |´ __/ |:::||
〈::|:::/ `¨¨¨¨¨´ ! |:::}|
そう、うちのお姉ちゃんだ。
間違いなく露出が少ない(きっと日本でも有数の少なさだと思うんだ)、私が確かめる限り、おもちも大きい。
慎ましやか……かどうかはともかく、京太郎君の好みに合致している。
ただ、お姉ちゃんと京太郎君には面識がない。
この前もお姉ちゃんについての話をしたけど、特に興味もなさそうだったと思う。
それに、家庭的かというと……。
5/8
_
_ -‐  ̄  ̄ ‐- __
_ -‐ ‐- _
/ニニニニニ=====-- __ __ -=ニニニ={
/⌒ ‐=ニニニニニニニニニニニニニニニ=-- ___ __ -=ニニニニニニニ=― 、
′ ⌒ -=ニニニニ{ニニニ=‐ ⌒ \
/ _ -‐ ', 、
' / ', \ ←家にいるときのお姉ちゃん
/ / ', \
' ', _ ‐ 、
/ _ -‐  ̄ ̄ ̄ ‐ _ ', __ ‐ ノ
/ {/ ___ - _ ', _ ‐ ⌒ _ ‐
'^⌒ 、 \} _ =7 ̄「__) ̄ - __ ‐ _ ', _ ‐ _ ‐
{ Y ⌒/: :人 「__)ト. __ ‐ ___ ,'´ _ ‐
ー ⌒ ーi{/: : ≧s。 -‐- ノ:ノ: : : 7s。 _ } _ ‐
_ -‐ ⌒ ̄ ̄__\  ̄__ア⌒_ア: : : :ィ___)_ > __ ノー
{⌒\ _ - ⌒  ̄ ̄⌒ア⌒ {/⌒{⌒ ̄
{/{/{/{ア^ {⌒ ̄ ̄⌒{
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...:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
/.....:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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/..../::::: !......〃/ .!:::::::::: l\:ヽ::::::::::i::::::::|::i:::::::::l:.:.|
′::::i::::::|\:|.{:| ::ト::::::::ト、 \::/:i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|:: '::: i:::::乂:::ト{:|_、{ \::{__ 斗へ:::::i::::::::|::|::::::::|:.:.|
|::|l:::::i:::::::::ト::{ ` \. ヾ ヾ|::::::::l::|::::::::|:.:.|
|::|l::::ハ::::::::ハ ___- 、___ ,、|::::::::|イ::::::::|:.:.|
|::|l::/ ::::::l:::} ´` ̄´  ̄´ .|::::::::| }::::::::l:.:.:l
|::|l:{ i::::::l:::| 、、、、 , 、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l 「うん、お姉ちゃんは絶対に違うね!」
`O′ |::::::l从 j:::::::〃:::::::ィ::.:.:.l
/::j |::::::|::i::> ` ′ . ィ:::::::/i::::::::::|::.:.:.:l
{:::/ |::::::|::|:::::::::|> < {::::|:::::/:/::::::::::|:.:.:.:.:l
|::{ .从:::Ⅵ:::::::|l:::: r‐}`´ __ ノ }/:::/:/:::::::/:::|:.:.:.:.:.l
Ⅵ /::::ヾ::::{:::::::|l::ノ ∧__∧ ∠::::/_'::::::::/:::::|:.:.:.:.:.:l
/.::::::::::\r‐ '〃/レ 〃ヽ 厶イ /:::::::/\_|:.:.:.:.:.:.l
'::::::::::::::/ ` 厂 ̄`r=く  ̄}/ /::::::::/ ⌒ヽ:.:.:.:.:l
/::/:::::::::/ 廴_ 八 { /::::::::/ / V.:.:.::l
/:ィ:::::::::/ く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/ / V:.:.:.l
/〃 j::::::::/ レ } /  ̄ ./::::::::/ / }:.:.:.:.l
6/8
それに、京太郎君がお姉ちゃんのことを好きだったら、さすがに辛いかもしれない。
うーん、他に候補はいないかな?
さっきは『家庭的』というキーワードに引っかかっちゃったから、そこから考えてみよう。
おもちが大きくて家庭的、つまり料理がうまい女の子。
私の知る限り、一人いる。
l:.. / . : : : : : :/ l: : :.l.:|! : :.l: : :ヽ: :.',: : : :V: :,ノ:.. |
|:.. / , : : : : : : / : |:jl: :|.:|| : :.ト、: : :ト、:ハ:.:.: :j!: く/⌒ ,ノ
〉: ,′ /: : / l: : /|:__:|:||: :|小、孑代汁仆|l|:. :||: .:j|:. 〈
く:. i /: :.:,':.厶rj´|l : |从.:| ヽ \| ∨从|l|:. :|L _/⌒ヽ /
|:. | :,'j: :.:.j|:.:||: :l 八_」_ \ ィf乏[うメ、|: :从: :/ ヽ.-r'
L l :l | l: :|| 八,ィ圻圷、 {ト _jハ.}}:∧|:.:.:| } ',
. Ⅵ,| |:.从 { {{゙ {ト、_jハ 弋jy沙 / i: :.:レi⌒jレ'´〉
/ 八::{:.:\ Vj沙′ ,,,,、 i: : :.:.:|:.:|:.:.|
厶__/ \:.|ハ ,,,、 ' ,′:.:.:.:|:.:|:.:.l
| :.:.:l:.:ヽ', /7 / : : l .:l:.:.l 「嘘、私のヒロイン力、高すぎ……?」
| ::l:.:.l八 r_ヽ .イ/ /: : : ,′l.:. l
| ::l:.:.l:.:.:{丶. ,.イ|'/ / : : :/ : :.l:.:.:l
| ::|:.:.|:.:.:ヽ:.:.:.:> .、_,. < / / : :./ :.:.: :l:.:.:l
| ::|:.:.ト、:.:.:.:\:.:.:.ヽ} _,../ / : :./ |:.:.:.: :l:.:.:l
. /´} :|:.:lト、\:. : :\__」 _/ . ′..: :.:.:.∧ |:.:.:.:.:.l:.:.:l
,x‐く ̄∨ .:|:.:l| \,_,>'"´ / :.:.:.:.:.:, ′\: :.:.:.l:.:.:l
,. ‐く \ ヽ ∨:|:.:ll. / / / : : :.:.:;/ ̄\ ヽ:.:.|: :.l
. 厶ヘ、ヽ ∨: l| / / / : :.:.:.;.'′ ヽ. ∨:.:.:l
l l : :ll/ / , ′ :.:.:,.'′ ハ:.:',:.l
| l : :// / / :,.ィ゛/ ̄ ̄ ̄\ .:|:.:.i:.:.l
l ,′j厶ィ´ / / :/ / ヽ .::i:.:.:l:.:.l
', ハ/} 厶rヒ'7 /.:/ / ',::/:.:. l:.:.l
厶r '´ ̄`Y´〉 ,′.:/ / .:/ .::∨:.:.:. l:.:.l
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そう、和ちゃんだ。
とっても家庭的で、料理も上手。
おもちも大きい。
おもちも大きい。
それに、京太郎君と同じ清澄高校出身だ。
もしかしたら、京太郎君が和ちゃんのことを好きだたなんてこともあるかもしれない。
むしろ、ここまで特徴があっているとそうとしか思えない。
7/8
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;\:::\:\;;;::::::::: (_゙、_ , ノ/ >、._/;|:|::::/::/ |::/|:;:ト|::/ |├,,|:/:::|::|:::|
\___\;;:::::`ー--/:/`´`^ー/:::::::,--、|::::|:::|´ /5):| ゛| ゙、::::::::゙、
___.二..-‐::´/:::::::/:::::/ \:( ⌒ \|V ` ー'" `! |::::::::::|
;;;;;::-‐ ´::::::;::::::'´:::::;/:::::;∠__`ヾ、___ """" / /:::/:::/
::::::::::::::::::::::::_,:::-‐;´,::-‐:´::::::::::::::::: ̄/ ` 、 ´/、 /::/::/ 「やっぱり時代は京和ですね」
:::::::::_, -‐;;´-ァ ´ __ ̄ ̄`゛ー--、_,.イ、`ー-、__`__>- 、__ .ノ .Y´:/::;:ノ
_, -‐´ ̄//-‐::´:::;; ̄二ニ-‐ ´ ゙、 ``ニァ--イイ ̄ | | ̄ ̄
/::::::;: -‐ ´ / ト、 |`´ ̄イ>、_/ 、 |
.. /:::::/ / ! ゙、___,,イ \_ |_,┤
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レ' | , , / \ 〈!`l_
(`(ー、_,、__,t、ィ|/ / \ (`! |┼、.
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イ/ ///, --、___ `ト ニ!ニ!ニ!ニ!〉_〉=========、h‐n|〉/´,.\)´ |
7 //´/ \  ̄`.| |彳Y ̄!二!ー!┬!-ト、)__|ニtケト'´!`i |‐-、
__// / `ー―‐| ト'`´ ̄ ト| ||ζ | | |. 〉 ト-、ζ
でも、一つだけ難点がある。
「和ちゃんの私服って、露出が激しいんだよね……」
そう、今度は『露出が激しい』に引っかかってしまうのだ。
わざわざ特徴として言うってことは、きっとそのあたりもポイントなのかなぁ。
あっ、でも高校時代の和ちゃんの露出が激しくなかったかもしれないよね。
現状だと和ちゃんのことが好きって可能性が高いのかな。
……やっぱり、ちょっと胸が痛いかも。
それでも、応援するって決めたんだもん。
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|/! .:.:|.:.!!|:.:.:./ |/ !ハ .:.:.:.:..!:||:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:.; :. |
|i ! .:.:|.:.从:./x==ミリ ∨:.:.:||:.|:.:!|:.|:.!| .:.:.:.:‘. .:.:.:.:.:; :.: |
{;.| .:.:.!:.:.: |}|《 {h//} ∨:.:|V x==ミ .:.:‘. .:.:.:.:.:; :. |
| .:.:.!:.:..:.:!. Vrツ \| {h//} 》 l. .:.:.:.:..; :.::. ;
| .:.:,|:.:.::.:.:, :.:.:.: Vrツ /. .:.:.:.:.;. :..: :
`O:.|:.:.::.:... ' :.:.:.: /. .:.:.:.:.:;. :.: ; !
|:.|:.!:.:.:.:八 ./. .:.:.:.:.:;. :.:. ; | 「ズバリ、京太郎君の好きな人は和ちゃん!」
イ !:.!:V:.:.:.:个 、 人. .:.:.:.;. :.: ; |
/ l /ト:.!:.V::.:.:.:.| ト、 `  ̄ イ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. ; !
. ; ∧ l |:.リ:.:.:リ.:.:.:.:.! ∧ 、_ イ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.: :.:. / ト、
. ; ∧! |:.:.:.:.:.:..fi___.! ヽ ィ ´ ./. .:.:.:.:.;. :.::..: / ヽ
. ; |jr-―二___ヽ / ` ´¨l __/. .:/ノ. .:.:.:.:.:/ ∧
; ',.! ___.ヽ |≧--≦l_∠_ ヽ//. .:.:.:.:.:/ , ' |
; ! ___ ヽ」'ノl__ノ l_______ ` 、:.:.:.// .;
; | __ .ヽ」 / !\!,---- l:.:/ / ∨
. , 7| (__ノ!___/ .! !、 !:ノ/ /
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. , V≧ 、___/イ ! ノ/ l::::::! .j::/ | ハ
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|::i::.::.:|::.|::`ト| | :|::.::.::.L イ::.::|::.| ::.|
|::i::.::.:|::从≫=ミ|八 .::. 抖=ミ从::| ::.| 「恋のキューピットは、
|::i::.::.:|::.:|{ rJハ \_{.rJハ }|::.:| ::.|
V|::.::.|::.:| 弋ツ 弋ツ ::. | ::.| 松実玄におまかせあれ!」
/Ⅵ:|::.:|'. ::、::、 ' ::、::、 /|: | ::.|
,::/゚|::.l :.仏 __ 厶|: | ::.|
.:/::.:|::.| :.|:个: . . ‘ ’ . :介/::/::八
/::{/{∧::.::.i.::|〈 {≧ ‐≦} |/::.::.: /ヽ::..
/ ::.::/ _V^>、|∧ ∨ーヘ. /iレく∨ ∧.::.、
. / ::.::.」 // \く>、∨| /∨rく_ン⌒∨ |::.::.\
/::.::. 〔/ //⌒7┴ヘ_,//ー| ̄\\.\ 〕 .::.::.:\
/::.::.:/ 〈 -={_}=ー 〉` \ .::.::.::.::\
. /.::.::/{ 人_,/| |\_人 ト、.::.::.::.::.: \
京玄次元3話
お題ありがとうございます
1/8
657
膝枕をするシロ(平行世界)
「京のお世話が大変」
「またまたー。須賀君に迷惑かけすぎちゃダメだよ?」
「……」
急に塞が電話をしてきたと思ったら、内容はお節介にも現状の確認。
やれだらけてないかだとか、やれ外に出ろだとか、やれ困ってないかだとか、まるでおばあちゃんみたい。
それを塞に言っても、『私はおばあちゃんかっ』と怒り出す。
挙句、京をお世話してあげていると言っても全く信じてもらえない。
別に、信じてもらう必要もないのだけれども、毎回こう言われると少しだるい。
「コタツ持って歩いてたシロが何言っても信用できないって」
ケタケタ笑いながらそう言われると、ぐうの音も出ない。
そんなこともあったなと、三年前を思い返す。
思えば、三年前から自分がこんなに変わるなんて思ってもみなかった。
あの時はみんなにダラダラしていると散々言われ、少し真面目に動くだけで驚愕されていた。
一人の時は前と変わらないけれども、今は少しだけ違う。
「京、ご飯できたよ」
「やたっ。シロ姉のご飯美味しいからなァ」
京が嬉しそうにトテトテとこちらに来る。
その大柄な体とアンマッチした動きに笑みがこぼれる。
でもそれが恥ずかしいから、すぐにその笑みを隠す。
2/8
「俺、シロ姉の味付け好きだよ」
「……」
恥ずかしげもなく言ってくれるその一言が嬉しい。
私は一人暮らしするまで料理なんてほとんどしていなかった。
こうして京と同棲するようになって、京の好みがわかっただけだ。
「変なことを言っていないでちゃんと噛んで食べる……」
「ひっでー。褒めたのに」
恥ずかしいだけだ。そんなこと言わなくてもわかってほしい。
「そうやって京が人を褒める時は、何かやましいことがある時」
「そ。そんなことねーし」
「何かあったの?」
小さい頃、人を褒め倒して自分のいたずらを誤魔化そうとしていたことは少なくない。
じっと京を見つめるが、本人はどこ吹く風のように目をそらす。
そんな対応をされれば何かあるのは丸わかりだけれども、ため息ひとつで許してしまう。
最近はそういう京の態度も許せるようになってきた。マフラーをプレゼントしてもらって以来、少しは私も成長できたのだろうか。
3/8
その日はそれからも京がソワソワしていた。
何かとこちらをチラチラと見ている。
ため息を一つ吐いて、エプロンを正して洗い物を終わらせる。
その間、先ほどの比ではない視線を感じる。
さっきまではこちらに気取られないようにチラチラと見ていたのが、今は後ろ姿だからじーっと見られているようだ。
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
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/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :. 「(家事してるシロ姉、いいなァ)」
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
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{|___ノ __|[_]//∧_
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⌒フ / , / l 〈 \\ \
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/ / / /-~/-| { \~ー 、' \ )
〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′
/ l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ
〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/}
八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ
. { / }\__ ′ |
. 从 八{ 込、 ∠> . イ^| }八
∨ \从_}> . __ イ 八jノ ) 「(もう……)」カチャカチャ
/ \__ Κj/
_/ //〉_∧ ‘,
/:.∨ ,/// ∨ }: : ..
. .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
/∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
{ ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:| ∧
4/8
「なー、シロ姉ー」
「なに?」
「その、さー。
ちょっとー」
「もう」
なにやら要領を得ない京の手まねきに近づいていく。
「うりゃっ」
「……」
「シロ姉、無反応だとちょっと寂しい」
「いきなりどうしたの」
思いっきり引き寄せられて抱きしめられた。
びっくりして何かを感じる前に疑問が口から出る。
それに対して、京は一言返しただけで私を抱きしめたままだ。
ギューっと強めに抱きしめられて、ちょっと体が痛い。
同時に、京がその気になれば私は抵抗できないんだなと思い、ドキドキし始める。
「もう……」
結局、数分間そのまま抱きつかれていた。
5/8
「それで、どうしたの」
「いや、その……」
「答えて」
今度は有無を言わさない。
いきなり抱きついてきてそのままくっついているのだ。
満足したから離したよ、なんてされても納得がいかない。
「ちょっと辛くて」
「……」
ぽりぽりと頬を掻きながら言われてしまえば何も返せない。
京にだって何か辛いことがあったんだろう。
私だってそんなことにまで言及するほど空気が読めないわけじゃない。
6/8
「京」
「?」
「こっち」
そう言いながら自分の膝を見る。
積極的に膝に抱き寄せられないのは性分だ。仕方がない。
「いいの?」
「いらないなら……」
「いるいるいる!」
「はい……」
ポフンと、ゆっくり京の頭を膝に乗せる。
慣れない正座の上に京の頭の重みはちょっと痺れる。
その輝くような金髪に触ってみると髪質は固い。
こういうところは、やはり男の子なんだなぁと思わされる。
何も言わず、京の頭を撫で続ける。
京は気持ちよさそうに私になされるがまま。
先ほどとは打って変わって私が一方的に撫でられる環境に、笑みがこぼれる。
さっきとは違って京の角度から私の笑みは見られないから安心。
7/8
「シロ姉ー」
「京は甘えん坊」
「太ももが気持ち良い」
「……おろすよ」
「あっ、待って……」
「もう」
「なんかシロ姉に甘えたくなって」
「京はいつだって甘えん坊でしょ」
「うっ。
し、シロ姉の前だからだし」
「……ダル」
普段みんなの前でしっかりしている京。
そんな京が自分の前だけでは甘えん坊になることに母性本能が刺激される。
自分自身も逆で、みんなの前ではだらけているのに京の前では頑張っている。
二人だけしか知らない事実に、胸がドキッとした。
8/8
/\-――‐- 、
, --=7 丶 `ヽ
/, ヽ ヽ
∠/ / 、 、 丶 i
/ i ! l. l i. i |
/ ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、
/_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`
 ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !|
´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ
´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′
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ハ:.:.:.i:.,:.:,′:.:i `  ̄ /:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:.:.丶、
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//ア / / イ :ト、 \ \ \ \
. // / / / | | \ \ \ \ \
. /′i / /i | │ \ `ヽ `ー- 、 Y⌒ヽ}
{ | ,:イ :ハ`¨´`T´ | 、 \ト、 ヽ `ー- 、 \_ }
| | | ト、ハ≫=zzz、 ! `¨´`¨´`¨´`¨´ | |\ ヽ`ヽノ\
. 人 | | | 代 { __} \| ィ=- ..,,__\ト、 j │ \ } \
\! 〉、 ! :. 乂_フ ´下¨¨“_卞ゝ jイ ノ ヽ ノ i
/ ヽ ハ 弋 `フ ノ j/`ヽ j/ |
. / / / :. , `¨¨´ ノ ト、 ト、 }
i | i :从 / ト、 | ヽ. ; } / 「はいはい。
l 人 ト、 ト、 _ rー-イ イ ! \ ! } / j/
∨ \! ∨V .> ` イ {ス人jヽノ jノ jノ j/ (京、ニヤけてる)」
/.:.:/:.:.:./‐/ >、 _ ... イ ゝ ヽ
l.:.: ′:.:.|‐| λ´ ` < _
. 人::|:.:.:/::|‐| `ヽ ィ´ / 7:.:.:. ’,
Y:.:.:.';:.:/:.:.:|‐| / /:.:.:.:.:.:.:.:
}.:.:.:.Ⅳ.:.:.:.|‐| , ' ソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
λ.:.::´:/.:.:}‐{ ! / , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }
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入.:./:.:.:.:.:.:.:.:丶:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:;′:.:.:.:.:/:.:. /:.:.:.:.:.:.:.: {
ほのぼの京シロ次元
引き続きお題募集してます。そろそろ尽きたかな?
196・655
スキー旅行
654
釣りに行く
575
仲良く鍋をする京淡(平行世界)
が抜けてた
1/14
575
仲良く鍋をする京淡(平行世界)
今日も今日とてキョータローのハンドボールを見に来たよっ。
まだまだ入ったばかりのキョータローは雑用や筋トレなどの地味な作業が多い。
見ていてつまらないな、なんて思うこともあるけれども、たまに試合なんかをすると胸が沸き立つ。
やっぱりキョータローは活躍できないんだけれども、試合をしているのはとっても楽しそう。
そうだよね。麻雀だって牌磨きするより実際に打ってた方が楽しいもんね!
私だって、雑用しているキョータローを見ているよりも試合しているキョータローを見ている方が楽しいもん。
「よっしゃ、今日は結構動けてたはずだ!
どーだ、淡!」
「すごいじゃんキョータロー!
褒めてつかわそう!」
「やっぱり偉そうなのな」
「ふふーん。レディースランチがかかっているからね!」
「うぐっ。
しかし、淡に褒められるなんて初めてじゃないか?」
「そ、それだけキョータローがダメダメだったってことじゃないかな!」
「うっ、否定できねーし」
そ、そんなことないもん。
キョータローがすごく頑張っているのは伝わってくるし、ただちょっと結果に出てないだけだもん。
そう思っていても、口から出てくるのはいつもの悪態。
……うん、素直なあわいちゃんなんてなんか違うもんね!
2/14
「はい、これ」
「えっ」
「スポーツドリンクだよ!」
「え、えっ」
目を見開いて私の方を凝視する。
何かおかしいことやったかな?
「淡がそんな気遣いしてくれるなんて……」
「むっ、失礼だよ!
そんなこと言うならいらないよね!」
「い、いるいる!
いやー、あわいさまは優しいなー!」
「ふふーん。
あわいちゃん優しいでしょ!」
意外だなんて失礼だよっ。
そういえば、誰かをこうやって労わるなんて初めての経験かな?
そ、そんなことないもん。ほら、テルーたち相手に……。
3/14
「(やったことない……かも……)」
そう考えると、頬が熱くなってくる。
今までこんな、女の子らしいことなんてした覚えがない。
レギュラーになってから、同年齢や後輩に無理をさせてたことはある。
ただ、こんな風に男の子に甲斐甲斐しくするなんて初めてかもしれない。
「(こ、こんな、コイビトとかフーフみたいな!?)」
「あわわっ! 返せっ!」
「えっ、もう飲んじゃったけど」
「はやっ」
「運動した後ならフツーだろ」
「う、ううー」
なんか気恥ずかしい。絶対顔赤くなってるよ……。
「んじゃ、もう一回行ってくる!」
「あっ」
顔の火照りが収まらぬまま、キョータローは行ってしまった。
うー、誤解されたらどうするの!
キョータローのことが好きとか、そういうのじゃないんだからね!
4/14
「ねぇねぇ。大星さんって須賀君の恋人なの?」
「あわっ!?」
そんなことを考えていたら、後ろから女の人に声をかけられた!?
この人は見覚えがある。他の人に色々と差し入れをしてた人だ。
「マネージャーさん、ですか?」
「そうよー。大星さんがよく来てくれるって、須賀君が言ってたわ」
「わわわわ」
「だから、恋人なのかなーって」
「ち、違うもん違うもん! 誰がキョータローの恋人なんか!」
「ふーん……。
じゃあ私がアピールしてもいいかなぁ」
「だ、ダメダメ!」
「あっ」
「うへっ」
なんでか理由はわからないけれども、それはなんかやだ!
だって、私に恋人がいないのにキョータローが先に恋人を作るなんて生意気じゃん!
うっ、この人ニヤニヤしてる。そんなんじゃないもん。
「やっぱりハンド部に関係ない人がずっといるっていうのは問題なの」
「う」
「だから、みんなで考えたんだけどね。
須賀君の専属っていう形でもいいから、うちのマネージャーにならないかな」
う、うう。
「でも私、麻雀部で……」
「うーん、それじゃあ仕方ないよね。
一応、他の人には大星さんがたまにくることは伝えておくからっ」
「あ、ありがとう、ございます……」
な、なんだかキョータロー以外の人と話したのは久しぶりな気がする。
あわいちゃんがキョータローのマネージャーかぁ。
……えへへ。
5/14
……
…
「あわいさまー!
レディースランチお願いしますっ」
「ダメ!」
「えっ」
「キョータローは体を鍛えないとダメだよ!」
「そ、そんなァ……」
いつものようにレディースランチを頼みに来たキョータローを一刀両断!
ほ、ホントはちょっと怖い。
これで『じゃあいいや』なんて言ってキョータローとの繋がりがなくなるのが怖い。
私にとって、キョータローとのレディースランチは特別な繋がりなんだ。
でも、キョータローならそんなことはしないはず。
「お肉食べよっ」
「お前、花の女子大生がお肉って」
「私は食べないよっ。
キョータローがお肉食べるの!」
「ど、どうしたんだいきなり」
「ハンドボール部のマネージャーの人に頼まれたんだよ!
あわいちゃんはキョータロー専属のマネージャーなのだ!」
「げっ」
「……いやなの?」
いつもみたいに元気が出ない。
こんな風に管理されるなんて嫌かもしれない。
「いや、俺から言い出したことだろ」
「えっ」
「『ダメなところがあったら言ってくれ』ってな」
「……うん!」
6/14
「それで、俺は何を食べればいいんだ?」
「やっぱり、体を大きくするって言ったら……ちゃんこ鍋とか!」
「力士か!
軽快に動けなくなってもダメじゃね?」
「でもキョータローはまず体を鍛えないとダメだよ。
横で見ていても他の人より細いもん」
「うぐっ」
「確かに、運動してない人よりは大きいけどね!」
「ぐぬぬ、高校時代サボっていたのが響いてなァ……」
「あれ、高校時代はやってなかったの?」
「別の部活やってたんだよ」
「ふーん」
ちょっと気になるけど、今はキョータローの食生活!
「とにかくお鍋!」
「じゃあ晩飯にでも食べるか。
さすがに学食に鍋はねーし」
「うん!
じゃあうちで食べよっ」
「えっ」
「?」
「淡の家で?」
「……あっ」
-‐==‐-
´ `
/ ヽ
/ , ! : | | i
. / |i , ‐‐i| .:ト、_|‐‐ | :i| |
l :/:|i | |/八 .:| | | :i| |
|/ :〔!| N ○ \| ○ |ノ ,リ
. 〔 八! l圦 ,, ' ,, l // | 「あわわっ?」
N | . v ァ . ∨/ .:|
ヽ|:| l_≧=ァ≦ト /_,′ 八
ノ厂| l 〔, / / `丶、 `
/∧ i| | 「⌒ / / /∧
/ イ′ j ト、∧ / ′´ .イ
:' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 :
/ ノ〈 i i >ニ| | ´y' ! |
.' / 〉 / j / ノ<i| | 〔___! ト、〕
. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′
7/14
「それはまずいだろ……」
「だ、大丈夫だもん!」
「ホントかー?」
「女に二言はないよ!」
「いや別に二言はあってもいいんじゃ……」
「いいから来るの! 今日来るの!」
「いぃ!?
今日でいいのか!?」
「何さその言い方!
まるで私の部屋が汚いみたい!
別にあわいちゃんには見られて困るものなんてないもん!」
「お、おお、そうか」
「信じてないね!?
絶対絶対、今日はお鍋だからね!?」
「お、おお。わかった……」
8/14
……
…
「ま、またやっちゃったよぉー!!」
いつもの大口でとんでもないことを言っちゃった!
よりにもよって今日とか!
一人暮らしの部屋はぐっちゃぐっちゃだし、何にも準備していない!
それに、男の子を部屋にあげるなんて……。
う、ううううう。
バタバタと部屋を片付けながら、もやもやと妄想が浮かぶ。
キョータローが部屋に来るなんて……うう……。
そ、それに気をつけないと、いくらキョータローがハンド部の中で細いと言っても、それは比べる対象が悪いだけだもん。
一般人の男の人から比べれば、圧倒的に屈強なキョータローに襲われたらいくらあわいちゃんでも手も足も出ない。
そ、そんなの嫌だよ。私だって初めては好きな人としたいもん。
キョータローは……、ううん、まだそういうのは考えられないし!
でも、きっと、キョータローなら大丈夫……だよね?
急に不安になる。
や、やっぱり早まったかな?
でもここで負けるなんてあわいちゃんらしくないもん!
急いで部屋を片付けなきゃ!
……いちおー、シャワーを浴びてかわいい下着にしとこ。
9/14
……
…
キョータローと一緒に準備してお鍋の具材を買いに行って、一緒に作り始めることにしたよ!
家に食材がない、というか料理したことなんてないからなんだけれども、何とか誤魔化せたはず!
「おーなべーの具材ー!」
「なんの鍋にするんだ?」
「……お鍋って何入れればいいのかな?」
「おい」
む、お鍋の具材なんて食卓によって違うでしょ!
別にあわいちゃんが料理できないこととは関係ないもん!
「は、白菜とお肉が入っていれば何でもお鍋だよ!」
「間違ってはない……のか?」
どーせキョータローも料理できないんだから、バレないよね!?
そうだ! 今回の目標はキョータロー改造計画だもん!
とにかく筋肉になりそうなのを入れるんだ!
「まずはお肉!
安くて美味しい豚肉!」
「いいねー!」
「キョータローはいっぱい食べてね?」
くるくる回ってキョータローをじっと見る。
あっ、顔を逸らした! あわいちゃんの魅力にやられちゃったかなー?
10/14
……
…
「お、おおおおっ?」
「ちょっ、その包丁の持ち方と切り方は違うっ!」
そしていざ作り始めると、嘘の砂上の楼閣は脆くも崩れ去っちゃった。
何とか部屋の掃除を間に合わせて家に入れたまでは良かったんだ。
でも料理が始まると、普段包丁やら何やらを使ってないことがバレバレ。
場所がわからなかったり使い方が怪しかったり、すぐにバレちゃった。
「俺だってタコスくらいしか作れねーってのに」
「キョータロー、タコスなんか作れるんだ?」
「タコスしか作れないんだよ」
「タコスなんてめずらしーじゃん!」
「まぁ、確かに」
料理すらしたことない私に比べればキョータローはまだ出来た。
もちろん、サクサクーってお料理番組みたいに出来るわけじゃなくて、たどたどしくて形もバラバラだ。
それでも、キョータローは『淡に包丁握らせるよりはマシ』なんて言って自分でやり始めた。
ムググググ、悔しい!
「隊長! 灰汁取りはいい感じであります!」
「うむ、精進したまえ」
結果、あわいちゃんは灰汁取りという重大任務を任されたのだっ!
これだって美味しくお鍋を食べるのには必要なことだもん!
11/14
……
…
そんなこんなで、お鍋は完成!
あんまり時間をかけて煮込めなかったんだけれども、見た目は美味しそう!
「キョータロー、料理できるんだ」
「鍋は料理に入るのか?」
「それじゃ私が鍋すら作れない女の子になっちゃうじゃん!」
「それは、まぁ?」
「むきー!!」
そんなやり取りをしながら、キッチンから鍋を運ぶ。
一年中、出しっぱなし予定のコタツに移動し、早速食べ始める!
「フツー」
「普通、だな」
「美味しいけどフツー」
「淡の灰汁取りが足りなかったんじゃないか?」
「むむ! あわいちゃんの灰汁取りは完璧だよ!
灰汁取りマスターだよ!」
「ハンドボールマスターから灰汁取りマスターですか」
ケタケタ笑うキョータロー。
ムー! キョータローだってたいしたことしてないじゃん! お鍋だもん!
「おっ、ハンドボールの雑誌あるじゃん」
「あわわわわっ!?」
「本当にハンドボールに詳しかったのな」
そんなことを言いながら雑誌をペラペラめくる。
……急いで勉強しようとして、買ったやつだ。
12/14
「キョータローは、さ」
「ん?」
「ハンドボール好きなの?」
決定的なことを聞いた。
ずっと気になっていた。
「そりゃまぁ、好きだからやってるんだろ」
「好きでもさ、結果が出なかったら辛くない?」
「……辛いよ」
キョータローが俯いた。
「すごく辛い」
聞いたことを後悔した。胸が痛くなった。
「それでも、俺に自慢できそうなのはこれしかなかったんだ」
「へ?」
キョータローはすぐに頭を上げ、自信に満ちた声て言った。
「俺だって負けねーんだよ、スゲー奴なんだよって」
「……」
「淡みたいに全国大会で活躍するようなスゲー奴にさ。
『俺だって負けねーぞ』って胸張って言えそうなのが、ハンドボールしかなかったんだ」
ううん。
私なんて全然すごくない。
普段は考えるだけで否定するけど、今だけは頭の中で考える。
私がキョータローのことを気にするのは、そうやって頑張れる人だからだ。
もしキョータローが才能の塊だったり、あるいは負けることを悔しがる人じゃなかったら気になんてならなかった。
全力で頑張って、それでも芽が出るようには思えなくて、それを全力で悔しがって、あきらめない。
私は、そんなキョータローだからこうしている。
13/14
「……それじゃ、頑張って肉食えー!」
「入れすぎィ!」
「体鍛えろー!」
なんか恥ずかしくなってキョータローの器に鍋の肉を一気に入れる。
私はサキに負けて、それが辛くてこんな風になっちゃった。
もう辛くて辛くて、麻雀だってやりたくないとすら思っていたけれども。
キョータローを見ていたら、もう一回チャレンジできる気がする。
だって、サキにはキョータローはいないけど、私にはキョータローがいるんだ。
「それなら、高校でもハンドボールやってればよかったのにね。
『動きが硬い』のって、ブランクのせいだったんだ」
ずっと思っていた違和感。
一番最初にキョータローを見たときに感じたそのつっかえがようやく取れた。
「まァ、高校時代の経験があるからハンドボールに戻ったとも言うんだけれど」
あれ、高校時代はスポーツ自体もやってなかったのかな?
ちょっと気になるかも。
「高校時代、何やってたの?」
そんな、軽い気持ちで問いかける。
今ならキョータローに、素直になれる。
きっとキョータローに辛いことがあったなら、聞いてあげることだってできるもん。
「あれ、言わなかったっけ?」
「聞いてないよっ!」
14/14
__,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__
> ´ ̄ / ` `、 、
、 - ´ / ' } ヽ ヽ\ \
`  ̄ >' / ,: | ∧/! | } ヽ ヽ
/,ィ / ' / /| _/,.ム斗}-/ ハ :.
{/.' ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ } | .
/ イ/{ : ! ィ斧从}/ Vzソ ノ /イ ,:
<__ ´// 从{ Vソ / / イ- 、 |
{'{ { , ' /' ⌒ } |
从Ⅵ /.: ノ | 「俺、清澄高校麻雀部出身なんだぜ。
叭 v_ ̄ヽ ,rー' 从
、 イj / / だから淡のことも知ってたんだ」
:. < |' /}/
、__ ´ } イ从/
| |/
「 ̄| 「 ̄ ̄ ̄ ̄}
|//l| |//////// 、
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リ / !イ: : : ハ! .,ィ=≧ミ、 ,/._,∠二/!|: : !: :| ノ
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ー=ノノー---< ,.┤ |:.| \ ' _ノ/: :/、
'" `ヽ、: : :/ ! |:| iー- 、` ´ _,..-‐'/: :/  ̄/7ヽ,
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|、ヽ λ |:::::::\\! / //:::::::::::/ ̄ノ l
あわあわ次元四話
お題ありがとうございます
196・655
スキー旅行
573
会社の中で京久マホ
654
釣りに行く
683
麻雀プロになった宮永姉妹を支える京ちゃんでオナシャス
684
あわあわとロッカー
687
平行世界の記憶が少し戻ってドキドキしてしまう電波組
688
娘が急に結婚すると言い出して驚愕する京太郎
688
京太郎の誕生日とその準備(誕生日まで一ヶ月を切ったので)
688
宥のアドバイス?を聞いた穏乃の婚活
689
照夫婦(大嘘)の日常生活を想像する洋セラとか見たいっす
1/10
689
照夫婦(大嘘)の日常生活を想像する洋セラとか見たいっす
「何度考えても笑えるで。
セーラがこんなメスの顔してんやで!」
「メスの顔ってどんなんやねん!」
「こーんな顔やー!」
「ほっぺた触んなや!」
「ペロッ、これは化粧!」
「わ、悪いか!」
「(二人とも元気だなぁ)」
いつもの三人で新年会。
やっぱり、気を許せる人というのは貴重だと思う。
テレビの番組や、プロの相手はどうしても気疲れしてしまう。
その点、この二人ならばボーッとしていても何も言われないからとても気楽だ。
強いて難点を挙げるならば、会話に入るのが困難ということだろうか。
「いやー、おもろいでー。
今年も一年笑って過ごせそうやなー」
「俺はヒロのおもろい顔で年がら年中笑えるわ」
「ちょい待てや!
誰がおもろい顔やねん!」
「新年一発目の麻雀プロ格付けチェックには笑わせてもろたで!」
「あれはスタッフの罠や!
あんなん台本になかったんや!」
「……あれ、台本になかったんだ」
お正月に放送された麻雀プロ格付けチェックを思い出す。
いわゆる、芸能人格付けチェックの麻雀プロバージョンだ。
その風景が思い出される。
2/10
……
…
「今年の麻雀プロ格付けチェックも熱いですね」
4年連続一流麻雀プロ、宮永照の牙城は崩れるのか!?」
「(帰ってお菓子食べたい)」
「ちなみに小鍛冶健夜プロは38年連続彼氏なしです!」
「こーこちゃん、今それ関係ないよね!!?
なんでそんなプライバシーばら撒いてるの!?」
「えっ、いやそんなこと10年以上前からみんな知ってるし……」
「ちょっとやめてよ、その哀れみの目!」
「ちなみにすこやんはここまで10年連続不正解! 番組開始からここまで連続で『彼氏できる価値なし』だよ!」
「いつものことだけどなんで私だけ称号が違うの!?」
「でも全問不正解するすこやんも悪いと思う」
「うぐっ」
とっても騒がしいけれども、ちょっと疲れる。
いつもの営業スマイルを維持したまま京ちゃんと遊ぶ妄想をしてやり過ごそう。
「照!
今日こそは負けへんで!」
「いや……、洋榎はもう『映す価値なし』寸前だし、私が不正解でも」
「最後の一問は100点分の価値があるんやで!」
「(昔はそういうのあったなぁ)」
「さぁ、照!
どこからでもかかってこいや!」
3/10
……
…
・数分後
. / /: :.,ィ: : : : : : : : : : : : : : : \i
/ / / i: : : : : : : : : :i: : : : : : : :.\
__i / /: : : : : : : ;ィ: :}: : : : : : : : : : :.
i 「`7 /!: : : :∠」_ ハ: i: : : : : : : : :i
=-x /// : :/ ! 「 卞}: : : : : : : : :}
::::i. / / ==ェx、_ i/i: : : : : : : :/
:C !::::::::::「ヾ' i: : : : :..:/
''′ |::::::::C /イ: : :/
∨::::ソ i,厶イ\
 ̄` .!: : / \\
}: :.! )::) 『愛宕の結婚出来ない方』
/\ ノ|: .:| //
;,、  ̄ ̄ _,, < |: :.!//
| ̄ !: :|/
|∧ |: :|
ヽ_,/ ',__ |: :i
_/ ヘ .i \. !:/
》ェ≪ | \ /
.|| || 》__/ `ヽ
4/10
……
…
「そんなことないもん……。
うちだって絹みたいに幸せな家庭作れるもん……」
「お、おう。
て、照。ヒロが落ち込んだからなんとかせー」
「落ち込ませたのはセーラでしょ……」
「もー、自分から振っといて落ち込むとか!
こいつほんま面倒いわ!」
「なんやて!
おーおー、さっきのうちの態度にツッコミ入れられなかった時点で関西人としては負けやで!」
「(アレ、ネタ振りだったんだ……)」
「(悲痛すぎてツッコミきれんかったんやで……)」
「その哀れみの目ェやめーや!」
「お正月からエラいもん見せられたで……」
「お正月と言えば、何して過ごしたんや?」
「俺は家族と過ごしたなぁ」
「お?
ねぇちょっとセーラさん。愛しの彼と進展はないんかー?」
「またその話か! やめーや!」
「連れないやっちゃな。
照は何してたん?」
5/10
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「私は京ちゃんとおもちこねこねしてた」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
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| | |
, '{ _,,
./::,' , ィ ン´
`ヽ- 、 ,': :{/:/r-‐.‐.‐. . ,__
,_>、`ヽ: : : '"´: : : -=ニ,_'"´
, . : '": : : : : : :.∨: : : : : : : : : : : : `: . . 、
,ィン-‐ '"ン": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、: : :ゝ.、
'´ /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :ヽー- - 、ゝ
, ': : : : : /: : : : : :./: : : : : : i!: : : : : :ヘ: : : : : : :ヘ
, : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : i!: : : : : : : : : : : : : : : :,
/: : : : : :/: : : : : : : /{: : : : : : : :iヘ: : : : : : : : ヘ: : : : : : .
, : : : :.//: : : : :./ ,,_ ヽ: : : : : { __,,,,ヽ: : : : : :ヘ\: : : : ,
γ '"´ ,': : : :./,ィ'"て沁、\: : : { ち 心㍉、: : : :}ヘ ヽ: : : ,
´ {: :.〆ヘ ゝ ∨ リ ヽ: { .{ リ }:`゙:ゞ}: ヘ `ー-ゝ 「!!?」
i: /i:ヽ6ヘ ゝ,シ ヾ `ー° ,':,,ン´、: : ヘ
i/ !: : '>ヘ /i/i/ , /i/i/ /ノ ゙ ー-ゝ
i: / }、 ,
レ" }: iヽ ー ,ノ}
},ノ 从:`. ァ , ィ: :ハ{
ヽ: }  ̄ {ノ
_, ィ '彡! ',`゙≧ x 、
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6/10
「えっ、照は『京ちゃん』と付き合ってないんやろ?」
「うん、付き合ってないよ?」
「何や、セーラ。
どうしたん?」
「ちょっとヒロ、こっちこいや!」
「?」
「照、ちょっと席外すで」
「わかった」
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
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´ |i:/.:.:.:.:.:::::::. /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:| 「?」
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八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く} ト/.:/
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/ `、 :::∨::/ ∧
7/10
……
…
「いきなりどしたん?」
「俺、玄に聞いたねん」
「まず玄って誰や」
「えっと、照に紹介してもろた女の子や。
何でも、お嫁さんにしたい重力ナンバーワンだとか」
「人間じゃないん!?」
「凄まじい女子力を見せつけられたで……」
「お、おう。その子がどうしたん?」
「それやけどな。
その子に聞いたんやけど、ぉっぱぃ……のことをおもちって言うらしいで」
「は? よく聞こえんで」
「せやから、おっぱい、や……」
「こ、こんなところで何言うてんねん!」
「ちょっ、声が大きいわ!」
「そ、それはつまりアレか。
照は新年早々『京ちゃんとおもちこねこね』してたってつまり……」
「そ、そういうことやないか?」
「でも照は付き合ってないって言うてたよな?」
「う、うん」
「まずいで、セーラ。それはつまり……」
8/10
……
…
「きょ、京ちゃん……」
「なんだよ、照」
「う、ううん。なんでもない。
ここに今月分のお金置いておくから……」
「日本麻雀プロともなるとお金があっていいねぇ。
じゃあ、約束通り抱いてやるよ」
「ほ、ほんと?」
「勘違いするなよ?
付き合ってやるわけじゃねーからな」
「うん……。
私はそれで十分だから……」
「それじゃあ、よっ」
「あっ……」
「照のおもち、たっぷり味わってやるよ……」
「京ちゃん……。
お金ならあるから、私を見て……」
9/10
……
…
「あ、アカンて、それ以上はアカン!
セーラ、親友として照を止めるで!」
「で、でも、『京ちゃん』がそんなことをするような人には見えへんかったし……」
「アホ!
確かにあの金髪イケメンで優しそうな雰囲気で良物件やけどな!
ああいうのが内側で何考えてるのかわからんのや!
あんなんに言い寄られたらうちかて貢ぐわ!」
「やっぱヒロってチョロインやな……」
「誰がチョロインやねん!」
,. . : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : : . . .、
,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `: . 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :\: : : : : \
.': : /: : :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : :ヽ: : : : ヽ : : : ∨: : : ∧
/: :〃: : :|: : : : : |: : : : : : :|、: : : :|、_: :|: : : : :|: : : : : :.
,: : :':|: : : :|: : : : : {: : : : : : :| \イ:l´\: : |: : : , :|: : : : : : .
/: : :|:|: : : :|: : : :_,∧: : :| : : { \},.ィtr‐、: : /}/: : : : : : :|
′: : |:{: : : :{:´「´: | 从:{\: :\ ィ雹(_心 イ: /⌒Y: : : |: : |
': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : |
,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : |
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : | 「二人とも、何してるの?」
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ . ←絶壁
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
10/10
/: : :______/ / : : : : : / /: / |: : : : : :|ヽ: : : : :ヽ\
/: ''7´: : ∧: : :/:/ : : : : : / ∨ / :|: : : : .:.: ||',: : : : :‘,\
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(:( /: : : : : |: >┘|: : :.:/ _,,x====ミ \ ′ : // :リ ': : : : : :.|ヽ |
\/_: : : /: : _: :∧: : |⌒ん::::::l | /: : /厶斗<| : : : | ト | |、
. / ̄: : : / : / |: :|V\| | {::::: リ ,厶イ 宍ミ、 |: : : : :| |: |∧ヽ
/: : : :.:.:八: 圦 |: :|: 乂_少' ん::l|\./|: : : : :| |ノ ': i
. /: : : : : : : :.:\(ヽ|: :| ////// | {:::リ {/: : : :./l/ }ノ
/ : : : : : : : : : / \|: :|ヘ ヒ少 _/ : : :/ノ _/
/: : : : : : : : : :./ __.|: :「`,>、 l⌒ 、 //// TTТヽ\
/: : : : : : : : : : :/ |: :|Y \ ., 乂 \ ||:| ) ) 「……コネる餅はないから誤解やな!」
: : : : : : : : : :.:〃 八::l | \≧x._ ‐---‐' ,.ィ: |:| /
: : : : : : : : :/{___ | | / \ニニ===ニ二 :|:|
: : : : : : / ̄ | ′ ', ) /\´ ̄\:|:|
: : : : /_ ∨ ├{ { 、 } /:/
: :/{ \ /| | ノ }/ T /|
ー‐‐-. . ゝ、: :\: : : : : ヽ},ィ‐.‐.'':":^: ー.、
、: : : : : : : : ヽ: : :`: : : : : i!: : :-=< "  ̄
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,:ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヘミ: : __: :ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ: : 、: : :ヘ:ヾ ` -ゝ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘヾ;}ヘ: : ヾ:ヽ
:/: : : : : : : : : : : : : i!: : : : : : } 心、ヘ: :ヘ`゙`
: : : : : : : : : : : : :i!: :!、: : : : : :!λJ゙,、: :}
:/: : : : : : : : : : : i!、:i__ヾ: : : :.} ゞソ ',从
: : : :/{: : : : : : :i! ヾァチ=`゙ヾ} 、 .}ヾ
: :/: : {: : :/!: : :.iィ'{ ::: 心, ´ , ,'ヽ
/: : : : :i: :/: i: : : iゞヘ;:::;ン ,ィン .ノニヘヽ
/ : : : :,i;/{^ヾ: : :.ト、 `´ /ニニヘ 〉 「せやな! 安心したで!」
:/ ヾハ√レヘ:.! } {,`゙≪ニニニニ} ヽ
i!ニニマ "ソ\ニニ} ヽ
∧ニマ,_ _,ィ' ノ ヽニ7 ヽ
ハニニニニ≧s。´ー '" ヘ7 __
/: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|. |: : : :|: :| _i: :∧: :|i: :
/: : : : /.: : :|: : : :i: :| |.:/ `ヽ |: : : |i: :| '´ |:/ V .|::
/: : : : : : !: : : :i: : : :|ヾ| , ィ, ニ、ヾ、 .|: : :八/ ,=ヾ,ニ、ヾ、 |::
/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
. i: : : : |:::::::ハ 气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
. l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ 乂ZZソ 「!?」
|: : : : |:::::::j ,
|: : : : |:::::::{
|: : : : |::::::::ヽ ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
|: : : /|: |:::::::::::> . `-⌒ ⌒'‐′ . <
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洋セラで話し始めると終わらない件
まだ新年明けてから霞白玄も出来てないからやりたい
1/10
688
宥のアドバイス?を聞いた穏乃の婚活
「婚活するぞー!」
いまいち何をすればいいのかわからないけれども、何をするにしても行動しないとね!
男の子に女の子らしく尽くしてあげればいいって宥さんが言ってた!
でも、その『男の子』っていうのが誰もいない。
うーん、どうやって男の子と接点を持てばいいんだろう?
ずーっと女子校だったからわかんないや。
「なら、共学に行った友達で、男の子の友達が多そうな人に聞けばいいや!」
ふふーん。友達の中で男の子ウケが良さそうな人!
と、なれば和しかいないよね。
憧は男の子が苦手だからこういうことはダメそうだし。
和は同じ部活に京太郎がいたからきっと大丈夫だと思う!
「よーっし、電話だー!」
まずは電話して、和と長く話せる時間を作らないと!
そうと決まれば、早速……だと仕事時間に悪いかな。夜に電話しよう!
2/10
……
…
「久しぶり、和!」
「いきなりどうしたんですか?」
長野と奈良はとっても距離が遠い。
1日で往復なんてとても出来ない距離だ。
本当は会いに行きたいけれど、とてもじゃないけれど無理。
でも、今なら電話もあるから連絡を取るのは楽ちんだよね!
「和に聞きたいことがあってさ」
「ふふっ、まだお勉強がしたいんですか?」
「それはもうだや!」
和は小学校の先生になった。
うう、また学校の勉強なんてしたくないよ。
きっと美人でモテモテなんだろうなー。
「今日、宥さんにも聞いたんだけれども、いまいち要領を得なくて」
「?」
「そ、その、和みたいに男の子にモテるのってどうしたらいいのかな?」
3/10
____
,.' ´ ` 、
_,ィァ′ ヽ \
{少′ / ,i l ト、 i ,ィマ、
Y / /// | l| | ハ 辷='/|:..ヽ\
イ ′ / | { | 从、| } |彡' /|:.:i:.:.|,∧
. { | l |ィ爪 {(リ八「了 メ、 彡个rイト、
リ、_! l リィチfト '行タト、彳,ィl |:.:| |:.:i
l_,以 { ヒtリ ヒztリ |f リ| |:.:| |:.:|
「 l 「ト'" ' '""' _,イ | |:.:| |:.:| 「えっ」
} } ハ tっ ィ' ) ,j リ 刀 「
/ /,イ| |l>、 ,ィ |ノイイ / リ |
/ /リ |:! !仏ィ_〕¨ 》,// / /| !
. / / r廾 .|「{: |-、 __ / // ,ヘ〔 .j {
〈 イ ∧V /:.:.: :|__´_./: :./ /:.:.:.:.>))
} } /`Y'| {:.:.:.:.:.l /: : 〈 〈:.:,イ´ /{,
j/ }`ー冫j\:.:.:| /: : : :___)ノ/i´r‐'='}
ト ン′`ヾ >-r'< ̄ _彡冫=v' 人
. }/:.:. . :.:.[二]-:.―'´. : :.:.:.:.:V / ∧
i':.:.:.. . . .: : :∧Ⅵ:.:.. . . : :.:.:.:.:.:i // ,/ イ
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_八 j:.:.!:..:|.. : : : : ノ{ {
{ i ヽ、._ |:.:.:.:.:|:: ,イ ヾ、_ |
∧ヽ { >=-.¨|:.:.:.:.:|==-__--,イ}:{ 丶、._〉
〉ヘ ':;:...| //´ |:.:.:.:.:|: : `¨ー= イ{l! ';:.. {
4/10
「へへっ、和ってかわいいし、みんなから人気あったじゃん。
それで共学高校に行ったならモテモテだったんじゃないかなって」
「そ、そんな時期もありましたが……」
「やった! 予想通りだ!」
「(しまった)」
「私、可愛くないし、ちんまいからあんまり参考にならないかもしれないけど……。
それでも、和のそういう話聞ければいいかなって」
「(そういう話なんてありえません)」
「ねー、聞かせて?」
お願いをしてみると、少し迷っているようだ。
や、やっぱりいきなりだったから引いちゃったかな?
「ご、ごめん。
でも和みたいにモテそうな人いないんだもん。
美人で、料理も出来て、気遣いもできて、む、胸も大きいとか、男の子の理想なんでしょ?」
「ピクッ」
「ねー、お願いっ!」
「ふ、ふふふふふ」
「おおっ」
「そこまで言うなら」
-‐…‐-
´: : : : : : : : : : `` .
/: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
. : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈
. / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
/:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
, : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|
. ,: : : : : :|: Ⅵ斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
′:: : : ::|: : | 乂rツ ヒrツ.ムイ: ::|
.: : : : : ::|: : | ,.,.,. 、 ,.,. .′:: ::|
,:: : : : : : ::|: : | 、 , , : :|: : :| 「恋の100選練磨(乙女ゲー無敗)のどっちが!
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト イ: : :|: : :|
:: : : : : : : ::|: : |::j{ うr≦: : : |: : | : | 恋愛のイロハを教えてあげますっ!」
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\ }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|
5/10
「さすが和!」
「ふふふ、もっと褒めてくれてもいいんですよ?」
「……(あれ、和ってこんなキャラだっけ?)」
「ペンとメモの準備を……穏乃ならいらなそうですね」
「むっ」
「穏乃ならそのままで覚えられるってことですよ」
「そ、そうかな」
「(ちょろい)」
「じゃ、じゃあ。どうすればいいかな?」
「そうですね。まずは……」
6/10
___
,. : ':´: : :.:.: : : : `:ヽ___
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}:: i :.:i:.:i.:i| :.:|:.!:|:.:|:.|_!_゙、、:.:i|:.:|.:.!:::|、
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∠/:i.:|:|.!:.|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ!:ノノ!_,、_〉
|:.`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi: : :| 「高身長金髪イケメンを見つけてください」
|: :.:.|:|ゝ、 '''''' __ ''"" /:| !: : :!
i: : :/ リ/i \_ ´ー ′ /|:.:|:|.: : :|
r-、 //: /:.ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ |:./: : : :.!
ヽヽ.//: /:./ァ' ̄/:::r' |;:\/: : : i|:|
.,)┴'ヽ/:./':.:.::/:::::::ト、 __/:::::::|.: : : :||:|
;' 、ヽノ|./:.:.:/:::::::::::ト--へ/::::::::::| : : : :||:ト、
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/: : : : : : : : ∧: : : : : : : : : : 、 : : :ヽ:ヽ
/ : : : : : : : : : / ヽ: : : }: : : : : : ヽ: : : ヘ: ヽ
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{:ハ: : : :i: i`'ト:L__ vi:,レへ:{\: : : }:!: :/: : : : :ヘ
ハ: : :ハ! V レ ` V: /:}:./: : : : : : ハ
ヽ: ハ 三三 三三三 i:V: :.ハ: : : : : : : : :ヽ 「!!?」
V: } ww ww }: : : レi: : : : : : : :ハ:ヘ
i:{ 、_,、_,、_, u イ: : :/ !: : : : : : : :ハ:i
V>. 、_ ー―' z≦ !:. :/ }: j : : : : : :} ヽ
ヽヽ: ヽ {::::エニ彡:::::ニ:}_/l: :/ |:∧: : : : /:}
_ゞくトニiiニニ-:´ノ::::レく レ i: : : :ハi
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j::::::!:::::::::::〃:::::::::::::::::::::/:::::::::::} レ'
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7/10
「身長は182cmくらいあると好ましいですね」
「えっ? あっ……?」
「私くらいの用意(PCの)が必要になりますが、よければ穏乃の分も一緒に見ましょう」
「そ、そうだよね。(化粧品や服の)用意が必要だよね。
ところで、その条件ってなんの意味があるの?」
「?
前提条件じゃないですか。
1+1はなんで2になるの、って話ですよ?」
「(その理屈だと結婚できる男の人が少なすぎて地球滅びちゃうよ!)」
「おっぱいはあるに越したことはありませんが、なくてもなんとかなるみたいですね(咲の話)」
「う、うう。やっぱり胸かぁ」
「ない人が好みって人もいますし、大丈夫なんです!!」
「(私をフォローしてくれるっていうより、自分に言い聞かせてるような)」
「それでですね、準備満タンにしたら男の人相手に」
/:/ /: :/: : :イ\:// / /:/ : : : : : ノ: : : : : : :
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l i: :ハ:/:!/7c=ミヽ ノ/: : : :ノ:ノ:ノ: : : : : : : :/
∨ V:ハ ん///゙ zヒ三/ァ'-<: : : : : : //
/:/ 辷:ソ 7C≧、ノ /: : /://: :
/:/ "" ん///ハ /ィイ彡: /:/:
_{:ハ ´ 辷z:ソ ノ /:/⌒Yイ: : :
/::/.{:{..\ "" /:/ ノ/: ;/: : 「ゴクッ」
イ:::::::i....{{.../r\ ヽニ> u ,.、/:/..イ /:/'/: :
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8/10
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!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
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ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「レズっぷりを見せつけてください!!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
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|:| |: : : : | : /: ≫去干气ト ィ去干气≪ |: :/: : : : |\
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|:| ∨: : :乂{::::〈{ V辷七歹 V辷七歹 }〉/ : : : : /: : : :∧
. 乂 \{\: Ⅵ とつ'⌒~ /////// `⌒とつ /|: : //: : : : : :∧
/ `トh ///////////////// ハl/Ⅳ: : : : : : : :∧
{ |: : :|ハ | ! : | }: : : : : : : : :∧
. 八|: : :l } /~⌒^⌒^ヽ j | : レ : : : : : : : : : ∧
|: :从,_| ´ ` 厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧ 「ヒィ!?」
|: :| 人 人 : : : |: : : : : : : : : : : | }|
|: :| > < |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
|: :| > < |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
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__ 从 ー---〈 ∥---―=彡〈 ∧/ : : : : : : : : : : / /
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9/10
「男の人はレズっている女の人を自分のものにしたがるんです!」
「えっ、えっ、えっ」
「だから目の前で女の子同士のスキンシップをしながらちらっと横目で見るんです!
征服心を煽るんです!
するとどうでしょうか、男の人は人のものを奪いたくなって襲いかかってくるじゃありませんか!
女の子は荒々しく扱われたいからwin-winの関係です!
あとは男の人のをなんやかんやすれば終わりです!
これが答えです! Q.E.D-照明完了-」
「の、和!
ごめんちょっと用事が出来たから切るね!」
. . :´:_: : : : : : : :`\: : : \
/: : : : : : : : ̄: : 、:/: /: :ヽ: : : \
/: : : : : : : : : : : : : : :\: : : :/: V : : : \
/: /: : : : : \/ヽ: : : : :ヽ: :/: : :ヽ: : : : : ヽ
/: :.{: : ハ: : :イVハ-、ヽ: : }-、: : : :ハ: : : : : ハ
/: : :i: : :i ヽ: :}-r⌒ヽ VV }: : : } V: : : : :ハ 「私の友達に和なんていない……」
/i: : : V: rく レV \::ノ ハ:} イ: : : } /: : : : :ハ}
ハ: : : V:ハ rへ ''/ i: } ヘ∠、/: : : : : ハ!
{ ヽ: :ハ: :ヽ\:) ′}: ! /://: : : : : /――-...、
八ハ:ゝゝ\,,′ っ j://::/::::/: : : : :/::::::::::::::::::::\
` ` V:} 、_ ///::::::/: i: : : V::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ
ノ:ノ レ 〉:::/::::::V: : :ヽ:::::::::::::::::::::::::::';:::::ヽ
// /:::::(::::::::::::\: : :ミー::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
( /:::::::::::::::::::::::::::`ヾミゝ:::::::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
10/10
……
…
この日、私の友達が一人消えた。
とっても悲しい事件のはずなのに、何も感じなかった。
感じる心をなくしてしまったかのように、ただぼーっとしていた。
「結局、何だったんだろう」
やれレズだとか、なんやかんやだとか、高身長金髪イケメンだとか。
そんな都合のいい存在、いる訳が……。
「そう言えば……」
高身長金髪イケメンには覚えがある。
この前にうちに来てくれた京太郎だ。
顔は整っているし、背も高いし、控えめに言ってもイケメンの部類に入るだろう。
確かに、ああいう人と結婚したいという和の気持ちはわからないでもない。
でも京太郎は友達だし、そもそも既婚だ。
お嫁さんがいるのに、こんなことを考えるなんて失礼だよね。
「う、ううう」
それでも、悶々とした気持ちが収まってくれない。
和のせいだ。和のせいでこんなに京太郎が気になるんだ。
「参考にしたほうがいいのかな……?」
宥さんと、和。
モテそうな二人に聞いて、どっちもちょっとずれてるなって感じた。
でも、モテない私がそう考えること自体がずれているのかもしれない。
「う、ううううー!!!」
参考にするかどうかはともかくとして、だ。
まずはこのよくわからない悶々とした意識をなんとかしなければどうにもならなそうだった。
カン!
住民によってシズが魔改造されていく…
1/10
687
平行世界の記憶が少し戻ってドキドキしてしまう電波組
「新年明けましておめでとうございますっ」
「玄ちゃんも来たし、三人で新年会ね」
「毎年やらなきゃいけないなんて、ダル……」
石戸霞よ。
今日は三人だけで新年会です。
白望ちゃんと二人で新年の飲みはしていたけれど、玄ちゃんを含めてするのは初めてなのよね。
玄ちゃんは年末年始、仕事に忙殺されていたのだから仕方ないわよね。
「いつも霞さんにはご迷惑をかけて……」
「もう、玄ちゃんったら。
水臭いわよ。そんなに負担じゃないんだから、気にしないでほしいわ」
「そういう風に思われる方がダルい……」
「そうそう。
それに、クリスマスには一人で無理して行き来してたでしょう?
夜遅くで女の子が一人なんてダメよ!」
「次にしたら許さない……。相談して……」
「えへへ。頼れるお姉ちゃんが二人出来たみたいです!」
「(深夜に一人で来てプレゼントだけ入れて帰ったって聞いたときには血の気が引いたわ)」
「(正直、引いた……)」
( )
i ニlニ○ _L/、 / (⌒ ⌒)
{ cト ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ て人_)
. ―― ..
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' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ /
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:.. :/ } ハ
/::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.  ̄
/::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
{: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三 三ミメ.|:/|:.ト{ \
/:{ V:|::.|::.:.|´i `|:: |:.|
|:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__ /// |::.i!:.!
{i:{:: :ハ::.: 込{. __ (__ ノ .ィ}:リ|: 「(おもちの大きなお姉ちゃんが二人出来たのです!)」
乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
/:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/| ( )
イ.:/::.:.:.:. / /\ { {:小{ (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ |! 人.}:.{ て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人 ,八 ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、 / 乂 /:.:|
2/10
パアッと笑顔になる玄ちゃん。
もう、本当に可愛いわね。
咲ちゃんもそうだけれども、妹みたいで可愛いわ。
『霞』
『あら、白望ちゃん。念話なんてしてどうしたの?』
『玄からは目を離さないほうがいい。
……色々と心配』
『そ、そうね。
……色々と』
白望ちゃんも同じ考え見たい。
もう、白望ちゃんったら、咲ちゃんの事も玄ちゃんの事も甘やかすんだから。
私と白望ちゃんも一般の人とは感性が外れている自覚はあるけれども、そんな私たちから見ても玄ちゃんは危なっかしいのよね。
「今度松実館に来てくれたらサービスするのです!
お金なんていりませんから!」
「玄ちゃん、その手には乗らないわよ」
「きっと、私たちの分を自費で賄う気……」
「う、うぐっ」
「実家だからといってそんな優遇できないでしょうし」
「おみとおし……」
「さ、流石なのです」
「もう。そんなことはいいから、ね?」
全く、玄ちゃんはいつも自分を犠牲にするんだから。
まぁ、私たちがいる限りそんなことはさせないわよ。
話題を変えないといけないわね。
……そうだ、ちょっと自慢したいこともあるし、これでどうかしら。
3/10
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‘:::::::::::::::::|:::::| ′:::::::::::; 「それより、みんな初夢はどうだったかしら?」
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/ \:: ∧ \ソ' | \::::::: | \
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' ,' !',, ', ` 、、 ヽ ヽ ヽ
{l ,' l . l ヽヽ ヽヽ ヽ \
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,' /! .∧ __ ~ー ヽ < ,,x≦ }ヾy、', / }
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、 . ! | | | ∧ .|l ヤ:::::o::::} ¨ ! } \ ',
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| 、∧ , |' ヽ ヽ / 「ッッッ!!」
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| ', ∧ ,' } ヽ! /
/ \ヽ 、 ,-_‐、 イ ヽ! //
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/ ヽ! / ヽ
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4/10
……
…
「霞さん。霞さん。朝ですよ」
目を開けると、そこには眩しい金髪の髪の毛が目に映る。
今にもキスできそうな距離に、起きた途端に心臓が跳ね上がる。
何年も一緒にいて、一緒に寝るようになっても未だに慣れない。
「も、もう。京太郎さんったら!
いつもは私の方が早く起きるのに……」
「へへっ、たまには俺の方が早く起きるんですよ。
新年明けましておめでとうございますっ」
「あっ、先に言うなんて、もう!
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね」
いつものように彼の手玉に取られることが悔しくて、起き上がる前に胸板をポカポカと叩いてみる。
ハンドボールのプロとして鍛え上げられたその胸板は私の細腕ではビクともしない。
硬い鉄板というと言い過ぎか、それに近いものを叩いているような気分になる。
やっぱり、男の人なんだなって部分を感じて、顔が赤くなる。
新年明けて早々だけど、仕返しに私から誘ってみてもいいかしら……。
「かかさまー?」
「おー、かかさま起きたぞー」
「あ、あら」
そこには、小さい頃の自分そっくりの娘がいたので、湧き上がる熱を押さえつける。
父親のことが大好きで、今も右腕の脇の下に頭を無理やり押し込んでひょっこりと頭だけ出している。
まるでかまってほしい犬か猫のようで、我が娘ながら愛らしい。
「ととさま!」
「霞さん、一緒におもち食べましょう!」
「ふふっ、ちょっと待ってくださいね」
夫を先に向かわせ、鏡で軽く身だしなみを整える。
もう、寝起きなんて見せられたものじゃないのに……。
でも、新年最初に夫の顔を見れたことが嬉しくて、顔の熱が収まらなかった。
5/10
「久しぶりの実家はどうですか?」
「いやぁ、俺はカピーを触れて満足できてますけど、霞さんは居心地悪かったりしませんか?」
「いえいえ、お義父さんもお義母さんも本当に良くしてくれて……」
「ジジさま、ババさま、やさしい!」
「それならいいんだけどさ……」
もう、そんなこと心配しなくてもいいのに……。
いつもいつも頑張ってくれている京太郎さんが休んでくれれば私は満足なんです!
「折角だし、初詣には富士山の見えるところに行こう!」
「富士山、ですか?」
「ほら、一富士二鷹三茄子って言うじゃん」
「もう、それは初夢に出たら縁がいいって話ですよ」
「少しでもあやかって、さ。
お前も行きたいよなー?」
「ととさまー!」
「この子は京太郎さんと一緒ならなんでも楽しいですよ」
「霞さんは?」
「も、もう、私だって同じですよ」
「霞さん、かわいい!」
「きゃっ、いきなり抱きつかないでください、びっくりしますから!」
「いきなりじゃなければいいんだ?」
「う、ううう」
京太郎さんったらいつも意地悪なんだから……。
結局、その日は家族三人で富士山を見に行って、幸せな初詣になりました。
6/10
……
…
「京、起きて」
「シロ姉、まだ寝てたいよ」
「ダメ」
新年を開けてお正月。
きっと高校生時代ならばほとんどの時間を睡眠に費やしていたけれども、今は違う。
布団の中に潜り込む京を引きずり出して、朝食を食べさせないといけない。
「お雑煮があるから」
「まだ寒いよ……」
「もう……」
「シロ姉がデレてくれたら起きるかもー」
「……」
少し頭を抱えるが、姉のことを舐めているようだ。
そんな弟に、どちらが上位か教えてあげるのも悪くはない。
「んっ」
「!!?」
「ほら、起きて」
「は、はい……」
毛布の中に入り込んで無理やり唇を押し付ける。
京にとっても予想外だったのか、顔を真っ赤にしている。
「わ、わかった。起きるから!」
「先に行ってる」
振り返らずにキッチンに向かう。
その最中、自分の指先で唇を触る。
当然だが、毛布の中には京の匂いが充満していた。
……顔が冷めるまで、見せられなそうだ。
7/10
「俺、初夢に鷹が出てきたんだよ!」
お雑煮を食べながら興奮している。
そういえば、一富士二鷹三茄子といったものがあったか。
「岩手とかって、鷹はいないの?」
「知らない……」
「……今調べてみたけれど、保護対象でほっとんど見られないらしいよ」
「地元民でも、そんなところまでいかない」
「そりゃそっか」
京がちょっと残念そうにスマートフォンを閉じる。
「見たいなら」
「?」
「動物園にでもペットショップにでも行こう」
「……うそっ」
「……なに?」
「シロ姉からどこかに行こうなんて言われるなんて、ビックリだよ」
「……生意気」
本当に、京はどちらが上かわかっていないようだ。
席を立ち、もう一回知らしめるように近付く。
しかしよく見れば、そんな私を見てワクワクニヤニヤした表情を見せている。
……なるほど、誘導させられていた。
それに気付き、そのまま反転し、京に背中を向ける。
背中向きだが、明らかにがっくりしたようなため息が聞こえた。
そしていきなり振り向いて、もう一度唇を押し付ける。
今度こそビックリしたようで、目をパチクリさせながら顔を赤くしている。
どうかそのまま、私も赤くなっていることに気づかないでいてくれると嬉しい。
8/10
……
…
「京太郎君、新年明けましておめでとうございますっ」
朝から京太郎君のお家にお邪魔する。
迷惑かな? とは思ったんだけれども、京太郎君の了承を得られたからいいんだ。
それに、いつでも入っていい、なんて言われて合鍵も渡されちゃったし……えへへ。
……
…
「こ、これって」
「俺がいなくても入っていいですよ。
(放っておくと寒くても家の前で何時間も待ってるみたいですからせめて温まってください)」
「(もっとしっかりしろってことだよね?
頑張って京太郎君の迷惑にならないようにしなきゃ!)」
…
……
年末年始だけれども、京太郎君は実家に帰らないそうだ。
それを聞いたので、私も実家に帰るのはやめて京太郎君のお手伝いをすることにしました!
お正月だし、お雑煮とおせちが鉄板かな?
予め家で準備しておいた重箱を机に置いて、お雑煮を温める。
よいしょっと、さすがに重箱五つとお鍋は重かったかも。
でも、京太郎くんのためならへっちゃらだよっ。
「あとは、お年玉!」
先月の自分のバイト代をそのまま入れる。
これで足りるかな……?
京太郎くんだってもうすぐオトナだし、お金はあって困らないもんね!
もし足りなかったら、お金をおろしてこないといけないなぁ。
えへへ、喜ぶ京太郎くんの顔を早く見たいのです!
9/10
「あっ、玄さん、おはようございます」
「おはよう京太郎君!
あけましておめでとうございますっ」
「あけましておめでとうございます。
……あれ、それって」
「うん、お正月だと思ってちょっと張り切っちゃって……。
良かったら京太郎くんに食べてもらえないかなぁ、なんて」
「新年明けていきなり玄さんの料理を食べられるなんてご褒美ですよ!
早速いただきます!」
「(京太郎君、優しいなぁ)」
「(これで三が日分くらいかな?
重かっただろうに、なんか悪いな)」
「(明日も作ってこないと)」
「あれ、茄子が入ってますね」
「えへへ、新年に縁起がいいかなって作ってみたんだ」
「俺からしたら年明けで玄さんを見られたわけで、十分縁起がいいです!」
「も、もー、そう言ってもらえると嬉しいなぁ。えへへー」
「(かわいい)」
うん、やっぱり京太郎君は凄く格好いいなぁ。
私も、最初に見れたのが京太郎君でとても嬉しい。
京太郎君のためならなんだって出来るよっ。
おせちもお雑煮も喜んでもらえたし、あとはこのお年玉だけ。
えへへっ、京太郎君。これも喜んでもらえたら嬉しいな!
10/10
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j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「……」
`ヘハ ト U j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
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イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
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/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
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|::|l:{ i::::::l:::| 、、、、 , 、、、、 |::::::::|/::::::::i:.:.:.l 「みんないい初夢が見れてたんだね!」
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/:ィ:::::::::/ く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/ / V:.:.:.l
/〃 j::::::::/ レ } /  ̄ ./::::::::/ / }:.:.:.:.l
カン!
新年初の霞白玄
油断すると京玄が普通にイチャイチャしだすからもう別スレ建てるしか……
せめてお前一緒に料理する夢とか見ろよォォ!
1/12
196・655
スキー旅行
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/ .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. / .:.:.:.: |:.:.:.:.| \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
ー |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ 乂ー-ソ j/ V:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「よし、頑張るぞー!」
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/
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/`ヽ . - ─ ─- .
/`ヽ . - ───<_人 _ : : : : : : : : :.┼ .
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し ' r<´ |ll: | : : : : : : /. : : : : : :.`Y´. : : : ヽ
} └ .─ ┴‐─ ┴,. : ://: : : : / : : : : :!: : : : : _人_
> ´  ̄ フ./: : :/: : :.// :./_:/_:/:_: /. : : : : :/:/: : :! : : : ∧
___..斗< /: : :/i: : : :{: : /: /: /: : /`ヽ. :./:/: :i: :.! : : :/:∧
. /: : /´:!: :.:从: :芹竿ミx.:|: : :./:/:`メ: :.! : :/:/:.∧
/: : /!/ |: : : |人{弋 _メckj /:/:/. :ム:リ :/:/: /:.∧
. /: : /人.N: : : | ⌒ ー '' 「笊ckくj /:/:./: /:.∧
/: : //: : ヽ!: : :.| """" 辷..ソXl|: : :/: /: /:.∧
. /: : //__人_:j: : : | , """ノリルイ⌒ `ヽ/:.∧
/: : //: :.`Y´.|: : : ト、 、_ /. :i: :.:| `マ} 「私なら完璧!」
ー/: : //: _人_: :.j: : :.:|:.|\ ー ' . イ. :人_ | i
∨`Ⅴ「ー`Y´─.! : : |:.|. \ . イ: :.!:.`Y´. ! ___ 人 ___
\ \ !: : ::l:.|  ̄「:i: : : : :j: :.:|: : :l: :.:l `Y´
\ \ 从: :.j:.| |N\: : :l: : :!: :.リ:.:.リ l
ト、\ 人: l:.| } jト、 \j : リ: :/: :/
| .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <': :./
|:::\\ \ \ ⌒ } i `<}ト、
|: :: :::\\ \ \ .N // ト、
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/_,..- ヽ ` 、
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, ´ / ,' : 、 ヽ
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 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「(旅行先を間違えた感がすごい!)」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
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2/12
須賀咲ちゃんです。
今回は京ちゃんとスキー旅行に来ています!
来ることになった発端は、京ちゃんとの言い争い。
……
…
「ううっ、ちょっと筋肉痛だよ」
「咲は本当、運動不足じゃないか?」
「きょ、京ちゃんだって最近は怪しいじゃん!」
「うるせー。咲ほどじゃねーし」
「私と比べている方がだらしないよっ」
「言ってて虚しくならない?」
「……少し」
「咲、昨日は家にいたと思うけれど、運動なんてしてたの?」
「お、おおおおお姉ちゃん!?
いやほら、お姉ちゃんがいない昼間にね!?」
「そ、そうですよ照さん。咲だってちょっとは動きますよ!?」
「?」
そんな話から助長して、ちょっとした夫婦喧嘩で、『私にだってスキーくらいできるもん!』なんて言ったのが原因です。
それに対して京ちゃんが『咲と照さんには無理だって』なんてケタケタ笑っていました。
その時は京ちゃんの胸を叩いて反論したけれども、本当はスキーなんて出来ない。
お姉ちゃんは黙秘を貫き、お茶をすする。
騒がしいようでいつもの宮永家。次の日にはみんな忘れていつも通りの日々に戻るはずだったのに……。
3/12
・次の日
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「スキー旅行のチケット取ってきた」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
/. . . . . . . . / l: : : : : ト、 : : : : : :.
,' : : : : : : : : : : : : / l . . . . l ',: : : : : : : :.
,' : : : : : : :l: :,i : : / l: : : : :l ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : / .レl: : :ノ .__ ',: :l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ: :、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ l: : } \ノ
',:乂_ ` !ヘ:ノ
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ヽ{\ : : ㍉ ,, イ
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
4/12
……
…
「咲、照さん、スキー経験は?」
「ありません……。
強がりました……ゴメンなさい……」
「ない」
「お姉ちゃんはなんでドヤ顔してるの!?」
「はぁ……、怪我させるわけにもいかないんで、しっかり教えますよ」
「ううっ、お願いします」
「期待してる」
「俺も最後に滑ったのは子供の頃だし、自信ないんだよなァ……。
一回滑ってきます!」
いろいろな前準備を済ませて、私たちを置いてリフトに乗る京ちゃん。
そのまま上に登って、ちょっと不安そうなことを言っていたのとは裏腹に、凄まじいスピードで右に左に動く。
私たちがいるのが初心者用のコースというのも相まって、すぐに私たちの元にまで戻ってきました。
「いやァ! 風を切るって気持ちいいですね!」
「ぐぬぬ……」
「京ちゃん、すごく格好良かった」
「照さん、ありがとうございます」
「私だって京ちゃんのこと格好いいって思ったもん!」
「お、おう。ありがとうな」
素直に京ちゃんのことを褒めるお姉ちゃんに嫉妬し、よくわからないことを言ってしまった。
我ながら十年以上も素直になれないのはどうなんだ……。
実際、完全防具でスポーツをこなす京ちゃんは格好良かった。
ほんと、なんのスポーツをやっていても絵になるし、卑怯だよっ!
5/12
「咲、咲ー?」
「京ちゃん、咲はトリップしているから早く行こう」
「してないもん!
と言うかお姉ちゃんはなんでそんなに自信満々なの!?」
「京ちゃんに教えてもらえるから大丈夫」
ぐっと親指を立てるお姉ちゃん。
いやそれ、なんの解決にもなってないから!
私たちの身体能力の低さを甘く見ちゃいけないよ!
ほら、京ちゃんなんて顔面蒼白だよ! これ、絶対に連れてきたことを後悔してる顔だよ!?
「二人とも、いいですか?」
「「うん」」
「スキーは怪我をすることも多いですし危険です。
細かい練習からするんですが、まずは一個目からやりましょう」
「り、リフトに乗るの怖いもんね」
「咲はどうやって上に登るつもりなんだ……。
ともかく、まず大事なのは転び方ですっ。変な転び方をすれば骨が折れたりする原因にもなります。
無理に滑って大事故を起こすくらいならば転んだ方が全然いいんです」
「それなら大丈夫。
私たちは転ぶことのプロ」
「お姉ちゃん、多分京ちゃんの言っている転ぶと違うと思うよ……」
「ヤベーヨこれ、もう諦めて帰りたい」
「京ちゃん京ちゃん、心の声が漏れてる」
「お姉ちゃん……京ちゃんがそんな風になるなんてすごく珍しいんだよ……」
わ、私も正直怖いもん。
6/12
「いやね。他のスポーツとかならテンポを合わせたり庇ったり出来るんですがスキーはね?」
「庇ったりなんかしたら京ちゃんが危ないじゃん!」
「咲の言う通り。
京ちゃんはもっと自分を省みるべき」
「俺の体を張れるくらいで二人を守れるならいくらでも張りますよ!?
転んで下になったり、何かが来たら庇ったりなんかで済むならいくらでもやります!
(ゼッテー周りに損害与えるだろ!)」
「「キュン」」
ぅひ……。
も、もー、京ちゃんったら、もー!!
もー! そんなことばっかり言うんだから、もー!
ぅひひひひひ。
お姉ちゃんもメスの顔をしてるけどこれは仕方ないかなー。
私の旦那さん格好いいからなー!
うらやましいでしょー! 私の旦那さんなんですよー!
___,-、 _, ---- 、
, ´ / ` < ⌒\
/ | :. `ヽ、
/ / / l| V ` 、
.' / , { { | | | 、 、_ \_
| | | | |∧| { : ハ V 、\  ̄´
| | {/--{ 从 | , |-|、 | 、 \`
' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、
/イ{ { r 从 { Vソ ∨' Vソ/イ |∧}
∨乂 \ |/ j' リ
}∧ ー:. ` ムl/
/ 、 八 _ _ 人 「話を聞いてくれてない……」
}イ/|\ /
「<l| ` .__/_
|////>、 | 「/|
-=≦、[二]//l} |、}l∧_
-=≦///////////\ |/////≧=-
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7/12
……
…
京ちゃんに何度も何度も繰り返し転び方と滑り方を教わって、いよいよ滑ることになりました。
私は慣れているからともかく、密着して手ほどきを受けていたお姉ちゃんが顔を真っ赤にしていたのが印象的だよね。
もー、お姉ちゃんかわいいな、卑怯だよー。
「京ちゃん! リフト高いよ怖いよ!?」
「いやいや、それはどうしようも無いから我慢してくれ。
とりあえず咲を降りれたみたいだから……」
「京ちゃん! リフトから降りれない! 京ちゃん!
京ちゃん助けて!!」
「絶対やると思いましたよ!
咲、そこで待ってろ、上に行ってくる!」
「えっ、京ちゃん、ちょっと!!?」
そう言って京ちゃんはリフトに乗って行ってしまった。
……えっ、私ここで動かないことが精一杯なんですけど!
嫁さんを助けてよ! いやでも、本気で絶叫しているお姉ちゃんもかわいそうだし……。
ふと、滑った先を見てみるが、遠い。高い。怖い。
あれ、これ詰んだんじゃない?
__,. : : : ¨¨¨¨: : : . 、
,. :´: : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、
/: ,: : : : : : : : : : /: : : : : : : : :\
.': : :/: : :,: : /: :/: /: : : : : :.|: : 、: : :ヽ
/: : :/: : :/: : ': : :': :i: : : |: ! : |: : : ,: : : : :.
.': : : ': : :.:|:{: :|: : :|: :{: : : |、|:_/: :|: :|: |: : : ::.
|: : : {: : :^{从ィ笊ミ、 ∨ ,ィ笊ミ/}: /: : | \}
|: : :∧: : | { ん::刈 ん:刈ムイ : : |
|: : :{ \:、 r弋こソ 弋zソcl:.|、: :| 「きょうちゃぁぁん……」
从: : 、 ' 乂ノ:.:.:. ' :.:.: |/ \:}
Ⅵ、: ー: .、 ___ 人 `
乢: : :| . (__,.---- 、_) イ
从 :| > __. ´
Ⅵ |、
/::::::\ ,::::\
/:::::::::::::::::\___{::::::::::\
8/12
「わわわっ」
恐怖が先に来ると、体のバランスが崩れる。
そもそも、何もなくても転ぶのにスキーで転ばないはずないじゃん!
や、ヤダ、転んで動けなくなれば……。
「ってなんで滑るのー!?」
いざ転ぼうと思うと足がすくんで転べず、滑り始めてしまった。
先ほど習った滑り方なんか一瞬で頭の中から出て行ってしまった。
その上、なんか加速しているみたい!?
ヤダヤダヤダ! 助けてー!?
というか、下にいる人たちに突っ込んじゃうよー!!
~~ ~~
-―――- ~
~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ }
} .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
{ /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
} /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
/::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\| 〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::| } 「やだぁぁぁぁぁ!!」
 ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ {{ }} }|/| ::::::|::::| {
{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| }
. { レヘ::八 _.. ‐~‐-、 イ ::::::::::::/ {
} ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ:::/|/∨
\| _≧=一ァ 〔/⌒T:iT7ス
r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧ }
{ ∧i:i:i:i:i:i:i:i:| /i:i:i:i:i:i:i/ / ∧ {
} / {\/⌒)_∠二二/| / ∧
/ ゙T{ 二(__ `ヽ _ヽ
/ ∨ハ. {_ / \/ _〉
. { /\ _ | ノ _) 人._ |_/|/ }
} \_____,|/ /i:i\  ̄ ̄`ヽ j {
∨ / /|i:i:i:i:i|\ |
/ /´|i:i:i:i:i| 丶 ... ______丿
〈 Ⅵ:i:i| | }
、___/ Ⅵ:i| | {
9/12
……
…
「……さき、咲!」
「まだ眠いよ京ちゃん……」
「起きろっ!」
「ぅひ!?」
いい気持ちで寝ていたところを京ちゃんに叩き起こされる。
もー、一体なんなの!? お布団返してよ!
……あれ、お布団がない。というかここどこ!?
「無事でよかった……。
いなかったから下に転がっていったのかと思ったよ……」
「うー、よく覚えてないかも……」
「びっくりして意識を失ったんだと思う。
一応病院に寄っていこう」
「お、大げさだよぉ」
周りの人に聞くには、下まではゆっくりとしたスピードで滑ってきて、理想的な転び方をしたそうだ。
……全く覚えていない。
「咲、ごめんね。
私がスキー場のチケットなんて用意したから……」
「ううん。私が不注意だっただけだよ!」
「咲……」
「とりあえず、今回はこの辺にしておいて、周りの観光でもしましょうか」
「そうだね。……あっ!」
「どしたん」
「こ、腰が抜けて……」
それに加えてビックリしてしまったせいか、震えが止まらない。
もー、スキーなんて懲り懲りだよ。
10/12
「ほらっ」
「わわわっ」
完全防寒具の私を難なく持ち上げる京ちゃん。
こ、これってお姫様だっこじゃん!
うう、衆目に映るのは恥ずかしいよぉ。
「大変だったんだから、ゆっくりしてな」
「京ちゃん、荷物は私が持つね」
「重いのは肩にかけてるからダイジョーブっす。
周りに板がぶつからないかだけ見ておいてください」
/. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . \
. / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヘ
. / .::: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::: : i
/ .::::: .:/ . /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ .::::::: i
. / :::::/ .:::::/: : .::::..::::::::: : : :::::::::::::::::. :. : : . : ヽ:::::::. i
′ ./ .:::::/ .::::::/::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::. : ::::. ハ:::::: i
′:. / ::::/ :::::::/:::::::::/ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::, :::::::: i::::: |
. /:::::::: ′.:::/:::::::::/:::::::::/:从:::::::::::::::::::::::::::::::::::::. . ...i:::::.i
/::::::::::′:::::′ .′:::/:i:::i::i:::::::::::::::::::::::::: ...::::::::|::: :|
. /::::::::::::i::i::::::i:::::::::.i 从:: i::i :::: .::::::::::::::::::::::::::i:::::i::::::i 「……うん」
. /:::::::/.i::i::::::i::::::::::i:::::::i::::i:::i:::i::::::::i:::::::::::::::::::::::::::i::::::i:::::i::::::i
/:::/ |::i:::::i:::::::::i:i::::::i:i::i:::i::::i::::::::l:::::::::::::::::::::::::::l:::::i::::::l:::::i
.// ヾi:::::i:::::::i:i:i:::::i:i:::i::|:::::i::::::::i'::::::i::::::::::::::::::′i:::::/:::::i
.´ 少:::::::',:::::l:i::i:::::i:゙、ト:|::::ヘ:::::::i:'::::|:゙::::::::::::/i::/i::/::::::::i\
/ |::::::::::、:ハ ヾ:i 、.i ヘ::::i::',::i ゙、:::::/ iノ. i/::::i:::::i \
/ |::::::::::ハ ヾ ゞ. ,丶i ゙:j ヘ/ / 厶::::ハ:::i 丶
∧ヾ |:::::::/ ヽ.、 ._ ヾ., イ /::/i::::′ ゝ_
../ ∧ヽ. |::::/. i > _  ̄ . r ./. // i:/ /.:/i_
.i ∧ヽ |:/ 丶  ̄ / / レ /.:// ヽ
あっ、これお姉ちゃんショック受けてる。
スキーに誘ったことを後悔してるんだ。
もー、そんなのお姉ちゃんの責任じゃないでしょー!
「もー! お姉ちゃんったら、これは私の不注意なの!」
「咲?」
「だから、気にしないで。
ほら、京ちゃん。私の次はお姉ちゃんをお姫様抱っこしてあげてよ!」
「えっ、まぁいいけど……」
「元気出して、ね?」
_. . : :―――: . .
,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、
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.:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
/: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
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/: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Ⅵ : : | : |: : |
/: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
 ̄´ |: }从:{ ⌒Y ∨ ⌒Y }: :/}/Y : ′
|: : : :/ 乂_ノ 乂_ノ /:イ /: :,′ 「……うんっ!」
|: : : { //// ////r-: ': : /
从: : 乂 ^ー( イ: : :/: :/
∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
\| / \ ∨^/ />/' }:/
11/12
……
…
・マヨイガ
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/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;、:.:.:.:.:.:.:::::ヽ:::..:.ヽ
// .:./..::::/.:::;:::::::::::/ ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:';::::....;
/,'::.:::;'.:::::/.:::l!::::::::::;' .';::::::::::l:::::::::l:::.:.:..i
/.i::::::::|:::lL::-亠 : :::l  ̄丁T!::‐!::::::l:l:::::.:.::|
. i !:、::::l::::l!、:_」L::::l:::l --+HL_:::l:::.;リノ:::.:.:...| ←神降ろし中
! .l:::::トゝ:!´__::_ヽ:川 ,,z=-zy/j;イ:::::::::::::::.|
| .l :::::. lv'筰:卞 ヽ. ´ b::::::::jヽ .!l::::::::::::::.|
l ::::::::l! .辷.ノ ー.― ll::::::::::::::.|
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l::::::::::l U /l:::::::::: .| 「あうあうあうあう。
. l::::: :::.l. ャー‐ッ /:::l:/::: :.l
l:::: ::::::>... イ:::::/ :: ::::::l 間に合った間に合ったよかったよかったわ……」
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∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「ふー、ふー……(心臓がはち切れるかと思った)」
`ヘハ ト U j /´j} ハ ノ
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イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
12/12
'" . . . . . . . . . `
/ . . : : : : : : : : : : : : : : . . \
/ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/ . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
/ / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
/ /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
′ . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| | ←お茶会に来てた
|人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
__i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
_/ { / //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
/ { /∨ ,イ〃h!i:i:i :! ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
__/ ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ 込 _ン'′!:. :.:.:|:.| 「私も機会があったら命をかけて守りますっ!」
'" /\ノ:.|ハ , ハ: :. :.|: |
/ __ イ: : :i! """ __ """ iノ: : : l: :|
} /:.:|: : :.lヽハ i } 人 : : : : : |
//: : i!: : :|: : :.ゝ 、 ノ イ: :.:l:. :.:/ : :.l
__ '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :> __ <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
/ __. i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__ __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
/`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く 入__/^ヽ ` y/¨´: : : : : l
ハ \ \∧ ∧ / ` .:.:..l
. / ! 、 | x─‐ヘ x─‐┐ ’'ヽ
´ / `| 〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈 ハ
ー‐ | 〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉 ′ l
、 V 〉__/i! 〈\.:.:. :.∧ |
,,.-‐―- 、
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l:::::::::/ ̄`゙'ヽ;;;;;;;i
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l::::::| l;;;;;il, 「お、おう」
ヽ::::ヽ /;;;;;;;;.ヽ
ヽ::::::`ー‐‐'゙;;;;;;/i;;;;;;;;ヽ、
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ヽ、;;;/;;l;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、
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, -‐"i:::::/;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ,
/::::::::ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li
.i i;::::::::::::::;ト,::::l ̄ノ::::;;:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l::/_,-‐ 、:;| |::::| | .:;\;;-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
/::|:::|i;;;;;:))|l ニ l..:;;;;;;;;/:::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/
/::;::|:::|i;;;;;;:);|l |:::| |;;;;;;;/::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;i
投下終了
>>760見て笑ってしまった
おつー
霞さんGJ
玄が原村と並ぶオチ要員として確立されてしもた…
1/8
688
娘が急に結婚すると言い出して驚愕する京太郎
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
. / : { : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !: |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「わたしけっこんする!」
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. > . __, . - "〃ヽ \,.' ヾ: : : : : : ヽ
: : : : : __/ ' ,: : \ {__,.. ' ノ:\
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
_/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | | :
 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
|////} ` ー ´「////|
|////| :. / |/[__}/|
,...<////∧ , |/////> 、
, <///////////\ ///////////> 、
, </////////////////}____{/////////////////> 、
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2/8
・電波を受信
/ // 彡/ { u \ミヾミ、ミ
. /彡 / | l / J ヾ、ミミミ
彡 __/ミヾ| l ,' _,,. ヾミ
. ヽ く≪ミミヾヾ:| ゙v l _∠ニ-一- lミ
ミ `゙ーミ、ヾミ| ヽ 、\ | _,. =r''¨___ u ljj
¨゙ミ、 ヾ{/,こニ'`v‐->_>'ー=<_/r<二 ラ¨ ̄ lj
\ヾ 、\ =ラ}⌒/⌒ 、 ―- _ li
}ミ、 | / / ヽ ,....':: l 「戦争だ」
__/ノ/ 川{ / / / ,....::::: j
\ ̄二 ハ / / / ,.....'::::: /
. ヽーミ三三彡',ノ∨ / / ,:'
\ =彡/ _ '
ヾ、ー=三∧__ 〉 _
`ミ三ニ三弋ヽ ` ̄ \ /
、‐- 、 ,. -- _
,ゝ ̄ ` ′゙,∠.._
/´ " " " ゙ ゙ ゙ .<`
. i " " " ゙,.ィ / \ ゙ ` ゙ \
. | " " ,ィ/‐l/、 ,ゞト、゙ 、゙ヽl
| r=、 l.f´_・_j!_ ,f´_・_j! ゙ N
. | {にl l ` ̄ _ \´ハN
,l ヾ=lノ __ ‘ ‐ ゝ 「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!」
_./:l "./ ヽ. ∟..二ニ7/
‐''"´:/::::::| / \ 一 /、
::::::::: !::::::::l′ \ ,イ:::::\
::::::::::l::::::::::l /:`:::l::::::::::::\
::::::::::|:::::::::::\ /:::::::::::l::::::::::::::::::\
::::::::::|::::::/\ヽ l::ヘ::::::::l:::::::::::::::::::::ハ
::::::::::l/:::::::::::o:ト .」::-:::::\::!::::::::::::::::/::::l
,! ハ ヽ
,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄
.ヽ_-、 .ー彡 _/:::::::::/ / l::::} \l::::::|::::::(:(::::《:《::::\_二ニフ::::::::::(
: ''―::::::::l::::l. ゙l゙l. i::::/ 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l:|::::::l::::::::::_ ノ
:::::::::::::::yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l::::::::::::::::\
::::::::::::::ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ//:::::\  ̄ ̄ヽ
::::::::::::::::::\_j リ l レ l //:::::::::::::ぐ ̄
彡ソ'/ i、 | く l /::::::::::`ニン
l.::从,.弋 ヽ ⌒ '" ./::::::::::::ミ
乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ /: :lリ \l 「落ち着け! あと若返るな!」
|三:.\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ
|三三 >,,, ヽ ゙"''''"" /
ノ三三三三>ミ\ イ
斗≦三三三三三三三≧ 付
≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_
三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-
3/8
須賀咲ちゃんです。
娘が爆弾発言をしました。
拙い言葉に可愛らしい笑顔。
やっぱりこのくらいの時にするそういう発言ってかわいいよね!
……っと言いたいところだけれど、それをダメな意味で受け取りそうな人がここに一人。
「そ、そっかァ。
結婚かァ」
「京ちゃん、目が据わってるよ」
「俺は冷静だよ?
俺を怒らせたらたいしたもんですよ」
「絶対に冷静じゃないよ!?」
「許さん……。どこの馬の骨ともわからんやつに娘は渡さん」
「あー、もー!!」
親バカモードに入った京ちゃんを宥めようとするも、全く話を聞いてくれない。
これ、すっごく面倒くさいやつだ!
「止めるな、咲!
刺し違えてでもやらなきゃならないことがある!」
「何アホなこと言ってるの!
ほら、正気に戻る!」
「やだぁぁぁぁ! 嫁に出したくないのぉぉぉぉ!!」
「ダメだこれ」
一生懸命、耳と頬をつねって説得するも、全くだめだ。
娘はパパが何で怒っているのかわからないのか、キョトンとした顔でこちらを見ている。
4/8
「このくらいの子が言っていることくらい許しなよ」
「許さんっ!
幼稚園に入れてから結婚なんて言葉を言い出したってことはそういうことだろ!?
娘に不純なことを教えたやつは抹殺する」
「もー、面倒臭いなぁ……」
「誰と結婚する気なのか聞かないと……。
でも聞きたくない……」
/:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
/:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:..:..:..:..:ヽ
ノ:..:..//:./:./:./:.:.:.;、:.:.:i.:.:.:.:.:..:.:、:.゙、
/、 / ,ィ_,A:.ハ.i.....i !|__|___|、:.:.:.:.i:.:i
/ )_:.i:.´|V ソ .|!:.:.:| !ト、:!、:|`|:i:.:.:|:.:| __ ,.-‐┐
___ ,:=''"/ .//:.:.|:.:.|ィ≠=、 !、:.:| z≠=、ハ:.:.i:.:.l/-―ァ / ノ
( ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ //:.:.:.:ト、;!b:;;;;: ! ヽi b:;;;;::i ソ:/:./_:.:.:.:. ̄`ヽ// /
`ー-、__/ ` !\::.ム.! ー―' , ┴--' ノ:/:ノ ):.:.rv‐/ / / \_
___ノ ノ )、ヽ:、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / // /、`ヽ、 `ヽ
f __ ∧ ,.へ iヽ! \ 、___ノ / / / // / / / '"  ̄ヽ!__/ 「パパとけっこんする!」
`ー-----r‐'" i r/ / , |ノ! `ー----ァ'" / i! '" / 〈 i  ̄ `ヽ
\ ヽ !_ノ _/__ノ ヽ、 \ / / !、 i V 、_ 、____ノ
) | 、ヽ_,ノ、_/---、〈 `ーァ、___,、_/ !: : ̄ヽ,_/ ` )
(_ノ ソ /:.: : : : : : _〉 ,," ゛、 ノ: : : :/ _` / (ヽ
ヽ | |: : : : : : :/ 〈 \ 《 ゛、 /゙、: :/ ,.---‐二ノヽ___!、 \
i | ゙、: : : : : i ゛、 ラー=-|:(__,..イ `ー'´ 7\_ )
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ーー……!
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/ パパと結婚しようなァ!!」
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
___| |//////|
{|___ノ __|[_]//∧_
/// |____|///////////> 、
///// | /////////////////> 、
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5/8
___
,. : : : : : : : : : : : : : : .、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、
': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
{: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
|: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :.
|:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉
}' 、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Ⅵ/∧: :!
∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ u |/ ∨ 「もー、京ちゃんは……」
}:/\:|: : : : : : : : / 人
/ -从-----イ{ イ
_,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
/:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:/`ヽ
,::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ {::{ ,:∧
/:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/' }
{::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::| |
|::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::| |
|::|| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | |::| |
|:::ー====================_'_」::| |
´ T T ―r――r、―――――‐ ' }
散々怒っていたのは何処へやら。
娘の一言でデレッデレになって、?ずりし始める。
もー、単純なんだから……。
娘もパパに構ってもらえて嬉しそうだ。
まぁ、お兄ちゃんと結婚するって言い出すよりかは良かったかなぁ。
いつぞやチューしてた時もあったけれど、そっちの方だとなんかリアルで焦るよ……。
「パパとずっと一緒にいようなァ!」
「うん!」
「約束した! 今約束したからな!」
「京ちゃんうっさい!」
これ、実際にお嫁さんに出すときにはどうなってしまうのやら。
さすがにそれまでには娘離れをしてくれたらいいんだけれども。
こういうのはお父さんが許してくれなくて、お母さんが寛容だって聞くけれど、その気持ちがわかるなぁ。
6/8
……
…
「もー、いつかはお嫁さんに出すんだよ?」
「ヤダヤダヤダ。聞こえない聞こえない」
その後、京ちゃんにお説教中です。
それにしても、いつもと違ってヤケに聞き分けが悪い。
なんか私のお父さんみたいで面倒くさい!
「まーまー、咲」
「あっ、面倒くさいおとーさん」
「えっ、俺は何でディスられたの?」
そう考えていると、本当にお父さんが口を挟んできた。
タイミングばっちりでビックリだよ。
「男親ってのはそーいうもんだ。
京ちゃんにもいつかわかる時が来るさ」
「そうなの?」
「そーなの。
だからその時が来るまでゆっくり待ってやれ。
わかるって言っても納得は出来ねーんだけどな」
そこか黄昏ているような雰囲気で諭される。
ちょっと大人っぽくて悔しいな。
やっぱり、男の人にしかわからないのかなぁ。
「ふーん。お父さんもそうだったんだ」
言葉にできない感情が胸に渦巻く。
お父さんが私を京ちゃんにあげるとき、どんな気持ちだったんだろう。
7/8
,..-、_,.ィ⌒:.ー-、
/:.:.ハ:.:..ハ::::i:::::::.::.:.ヾー:、
/.::::::::トヽYハ!:i:|::i:::::i:::::::|:.:.:.ヽ
!::|::|:::i| }:ハ:ハ:::!:}:::i|:::::::..:i
. ノ::|::i!::i:| ノ-j;!‐!:|:i:::i:|:::::::::.:i
人:i:::{:、ト|-_ r‐彳テiY |;:ィ::i,:_::::.::!
仟ィiテ)⌒ー―'′ハ!:i'^ヽ::::!
`┼'7 リ /::ト! 「まー、俺の場合、
. | ヽ ィイ:::::|
、 -―‐ / }:!:::トヽ_ 京ちゃん以外にお前を貰ってくれそうな人がいなかったってものあるなー」
丶 `゙ ,、 ゙ ′i リ!y′ |`ー-、_
"',、__,,、ヽ ! / | `ヽ
// \ i /_ ! _冫ー、
/ /n ハ | \. | / ヾ、
. / //ノ {_ ! /f'" \! / :/: i
/ レ \_ |` イ ′:!: |
ハ `ヽ ノ ハ / /: |
/ / /| | | ヽ \
. / / / / / | |. | | | | ', ヽ ∧
/ / /./ / | | | | _|L.--|.,,,_ | | :l ',
/ / | ト|_,r|''´|`:| | |\ | `ト| :| | :|
/ | | ィ| |─ト :|ヽ | / ̄V| | :| | | |
/ | レ´| \|_\| ト、. |::::彡三=、 :| ./ / / !
/彡イ | ト| 彡 ─ヾ:\|::::\::::/,'⌒ヽ \/ / / |、
. | ヽ ゝ///;'⌒',ヽ:::::::::::::::::::::|:!::::::::::!:| ||イレ' | ハ!
. | ト、 || | ';::::::::!:|:::::::::: ヾ、;;;;;;;ノ |/ ハ / | 「私だって、京ちゃん以外はお断りだよっ!」
. | ハ, \:::ヾ.;;;;;...' , ハ / /
. | /ヘ ヽ..ハ ハ// /
/ \トハ ー_,ア ノ'´//
|ゝ、 //イ/
|人> ._ <:| / /
\|\| ー< :|´
| :|> 、
/| / \
8/8
……
…
/ _ ! _._ `ー=ニ ` 、
/ /ミミミ、 ! ////∧、 ヾミ三ニ─´ _ .
/ ノリ /ミミミミゞ ! l// `ミミヽ、 _ /
| // /ミミヾゞヾゞV ミミミ .、¨_¨─ ´ _
| /ミミヾゞヾゞ _..',Y ∧  ̄ ¨/
| /三ミ / ',Y 〉 ─ ´
ー .ヽ彡 i i イfェュf´ |) ./ミミミヾ、
ノノ〃ヽ´"fェュ、 ''"´ ノ|¨ゞゞ、三=='
-=彡≡彡 `¨´ i / |ハゞゞニ='
ミ三=´川ゞ i U / .| ヽ  ̄ 「パパ相手なら仕方あるまい……」
川ゞゞ、 、 _ . / .∧ _
ヾll| ゞゞヽ i` ._. / ./ ∧ヽ
ゞ ` ヽ、_¨-―- ./ ./ .|: :\
lハ 、_ .´ / l: : : :| ¨ ・ .
/| \ / l: : : :|: : : : : : `: ・ .
//: :|. `_´ /: : : ::|: : : : : : : : : : : :
_.. -‐  ̄ ミ、
_ 二ニ= \
/__/ " ヽ
/' ´ / ゙ l
/_ " ゙ |
/// ゙ |
// / " ゙ j
/ / /" ゙ ,.-く
/ /7 / " " ヒ }、
// / /1 / " " 、 ゙ ヽ ∨|jソ:ハ:\_ 「未来でも結婚なんてヤダヤダヤダァ!!」
j/ / / .| イ .:i ./| /\ ヘ、 |ヽ|リ_/ハ、 : \
_| /':´|"/ | / | /:::|" | i::::ヽヘⅣ .ハ : : : ∧: : : :`: : . 、
. ,. : ´: / : : !/ : レヘ:./ | /| l \ / ∨: : :∧: : : : : : :
/: : : : : : : : :|. : : : : ∧ / :| l / :| : : : : |: : : : : : :
/: : : : : : : : : /: : : : : : |: ヽ ー:し'=='´/ j: : : : : |: : : : : : :
/: : : : : : : : : : /: : : : : : : |、 : ヽ ー .:' _/ : : : : :|: : : : : : :
. /: : : : : : : : : : : :/ : : : : : : : ト. ._. \ / ./ : : : : : :|: : : : : : :
`ー≠彡7アイ介、ミ≧ー フ、_ァメハ イア′
ーァ7 个´{ ハ ハ 彡´ }/ / 八スィ
彡ノ ,イ 八 人 ゝーァォスー个ァー彡≧ }7
个7} }イ />ー' トミ_zォ´ 7 }/ j { リ小、ーァ彡
ノ 7 八{レ{ ! 从rァ' O ノ /イ 川ハ`j/_フ
彡イノトzュミ、{、弋´ニー‐ ´ (ハ从八{ 人水
ァ' 7{ (´、__Oz} `ー ヾ{ Y7ハ
八人/个 ̄ j! 7ソトハ
乂ノjハ、 i / {!入
⌒ ´{ハ .ヘ L_ ´ _.. -' U ;: Уニ
ソ八ヘ ー= ´ -ニニニ 「いつまで言ってるんですか……」
ノ `ハ `ー / -ニニニニ
'、 / -ニニニニニ
\ ,,イ -ニニニニニニ
ー '「ニニニニニニニニ
`ニニニニニニニニ
-ニ、ニニニニニニニ
-ニニニニニニニニニニニ
-ニニニニニニニニニニニニ
カン!
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>>778
今更だけど、このスレでオチ村さんって語感を考えた人はすごいと思った
1/16
684
あわあわとロッカー(平行世界)
そのあと、お鍋を食べる気はしなかった。
露骨に口数が少なくなった私をキョータローは心配してくれていたけれど、そんな気遣いに答える余裕もなかった。
いろいろなことを問い詰めたい気持ちも強かったけれど、それだけはかろうじて押し殺すことができた。
それだって理性が勝ったから黙っていられたわけじゃない。
ただ単に、衝撃的すぎて何も言えなかっただけ。
私がおかしくなったこと、キョータローは気づいていたと思う。
けれど、『今日は終わり!』と言ってしまえばそれ以上言及してこない。
それは気遣いが出来るキョータローだからこそ、これ以上踏み込んでこない。
それもすべてわかった上で、キョータローを引き離した。
家で一人になって、ベッドに倒れこんで枕に顔を埋める。
「また、清澄高校」
三年間苦汁を飲まされた相手。
私がこうなった原因。
何をどうしても勝てなかった、サキがいる高校。
「清澄高校に恨みがあるわけじゃない」
自分に言い聞かせるように呟く。
でも、あまり意味はなかった。
恨みにも似た思いが、トラウマが胸を刺激する。
キョータローのおかげで彼方に去ったはずのものが、キョータローによって飛来した。
2/16
「別に、キョータローが咲と関係があったわけじゃないかもしれないし!」
バッと枕から顔を上げる。
よし、声質はいつものあわいちゃんに戻ってきたぞ。
「白糸台にだって、人はいっぱいいたもん!」
仲がいい人もいれば、悪い人もいる。
たまたま同じ部活だっただけだ。
サキと関わりがあったとは限らない。
「サキは同じ一年生」
私と同じだ。
「キョータローとも同い年」
ぼっちの私に話しかけてくれたキョータローが、サキと関わりがなかったことなんてありえるのかな。
「清澄の部員は少なくて」
1年目の清澄は人数ギリギリだったハズだ。
女子は5人で、男子は1人。
『それでも、俺に自慢できそうなのはこれしかなかったんだ』
キョータローの言葉を思い出す。
『俺だって負けねーんだよ、スゲー奴なんだよって』
『淡みたいに全国大会で活躍するようなスゲー奴にさ。
『俺だって負けねーぞ』って胸張って言えそうなのが、ハンドボールしかなかったんだ』
ねぇ、キョータロー。
3/16
「誰にそうやって言いたかったの?」
4/16
……
…
結局、あまり眠れないまま次の日を迎えた。
とはいえどんなに辛くても、人間の体は一睡してしまえばある程度元気になる。
昨日胸を貫いた一言も、ある程度は飲み込めるようになった。
「よしっ」
あわいちゃんは大丈夫。
昨日みたいなことにならない。
身だしなみを整えて、講義に出ないといけない。
今日の講義はキョータローと一緒だ。
昨日のことをちょっとだけ謝って、いつも通りに過ごそう。
「お化粧整えてー」
いつも通り、朝の身だしなみを整える。
そうだ。いつも通りでいいんだ。
「そういえば、サキはどうだったのかな」
大会で見た限りでは、そういうところには無頓着に見えた。
……時計を見る。
「もうちょっとだけ、時間あるよね?」
気づけば、いつもより多くの時間、身だしなみを整えるのに使っていた。
5/16
……
…
「よっ、淡。
今日はギリギリじゃん」
「うっさいキョータロー!
女の子の朝は忙しいの!」
「おー、そういやそんなこと言ってたよね」
朝の講義、キョータローはいつも通りに話しかけてくれた。
昨日、いきなり帰したことなんて全く気にしていないように見える。
そのことにちょっとホッとして、何よりいつも通りのやり取りが出来たことが嬉しくて、ニヤけちゃう。
「ねぇ、キョータロー」
「ん?」
「昨日はいきなり、ごめんね?」
「いや、気にしてないよ。
そもそもが急だったしね」
「……うん」
「何だよー、淡が俺のことを気遣ってくれるなんて、珍しいじゃん。
こりゃ雪が降るな!」
「む!」
「悪かったって」
笑いながらからかってくるキョータローに安心する。
私でも、気を使われてることくらいわかるよ。
いつものノリにしてくれようとしてるんだ。
それなら、私だって。
「そんなこと言うなら、レディースランチ頼んであげないよ!」
「うへっ、それは勘弁。
昨日も頼んでくれなかったじゃん!」
「ふーんだ」
「あわいさまー!」
両手で拝むように謝ってくる。
最初に謝ったのは私なのに、こういう風になるようにしてくれた。
……ありがと、キョータロー。
6/16
……
…
「今日は特別にレディースランチを頼んであげよう!」
「えっ、昨日ぶりなんだけど」
「ほ、ほらっ、気を抜く必要もあるし!」
「ダイエットを1日で諦める人みたいな理屈だな!」
「うるさーい!
レディースランチ食べたくないの!?」
「今日のレディースランチはエビフライなんです!
あわいさまー! お願いします!」
食堂で代わりにレディースランチを頼んであげる。
それだけのことなんだけれども、優越感に浸れる。
キョータローのために頼んだんじゃなくて、自分のために頼んだんだってわかってる。
それでも、目をキラキラとさせてお願いしてくるキョータローは私だけのものだ。
……何でこんなに、キョータローに執着してるのかな。
京太郎が清澄高校出身だったと知って、なおさら執着が強まったのを感じる。
「毎回思うけれど、何でレディースランチが好きなの?」
「そんなの、いろんなおかずが付いていてお得感があるからだよ!
一個一個頼むとさすがに食えねーし、高くつくし」
「運動部なら全部頼んで食べるくらいすればいいのに」
「学食って、単品で頼むと量が多すぎて飽きるじゃん。
その点レディースランチって完璧だよな!
飽きない程度にいろんなものを食べられるんだぜ。
何より、男じゃ食べられないっていうプレミア感がな!?」
「はいはい」
「聞かれたから答えたのに興味ないのな……」
「だって、思ったよりフツーの理由だったし」
「どんな理由なら満足したんだ」
「……親の仇?」
「仇を頼むのかよ!」
くだらない会話をしながら一緒にご飯を食べる。
それだけで、なぜかにやけてしまった。
7/16
……
…
そんなこんなでサークルの時間。
今日は最後の講義もキョータローと一緒だったから、一緒にサークルに向かうことにしたよ!
「それじゃあ、今日もあわいちゃんがキョータローに教授してあげよう!」
「ホントかー?
本当に教えられるのかー?」
「ふふーん、あわいちゃんのマネージャー力を甘く見てはいけないのだ!」
「スポーツドリンクを差し入れしてくれたくらいじゃねーか」
「へー、そんなこと言うならスポーツドリンクもあげないもん!」
「ウソだって。
なんだかんだで女の子に差し入れもらえるのって嬉しいし」
「ホント?
私に差し入れもらって嬉しい?」
「おー。
美少女あわいちゃん、だろ?」
「えへへー!
キョータローのくせによくわかってるじゃん!」
冗談みたいな掛け合いでも、キョータローに美少女って言ってもらえて嬉しい。
ニヤける表情を抑えようとも思わない。ずっと笑顔!
「それじゃ、準備してくるよ」
「あいあいさー!」
元気に返事をして、了解です、なんてジェスチャーをしてみせる。
キョータローが見えなくなると、途端に寂しくなる。
……ムー。
8/16
「あっ、ちょっと待ってキョータロー」
「お”ま”っ!」
扉を開けて中に入る。
するとそこには上半身裸のキョータローがいた。
あ、あわわわわっ!?
「な、なんで脱いでるの!?」
「いや、着替えないと出来ないだろ、フツー」
「そ、そうだった」
運動用の服に着替えるのはフツーだよね。
な、なんでそんなことにも気がつかなかったのかな。
「わっ、キョータロー腹筋割れてるじゃん!」
「これでも鍛えてるんだぜ!
いつ海に行ってもいいように!」
「誰かと行く予定でもあるの?」
「ないです……」
しょんぼり項垂れるキョータロー。
そっか、誰か一緒に海に行ってくれる人はいないんだ。
「それなら、今度あわいちゃんが付き合ってあげよう!」
「えっ、泳げるの?」
「失礼だよ!
あわいちゃんだって浮かべるもん!」
ちょっと悔しくて、高校時代から成長してきた胸を強調してみる。
……あれ、キョータローが恥ずかしそうにそっぽ向いちゃった。
ふっふっふ、あわいちゃんの魅力にやられちゃった?
9/16
「ねぇー、キョータロー。
腹筋触ってもいい?」
「年頃の女の子がそういうこと言うんじゃありません」
「ちぇー」
「ほら、ここは女子禁制だからさっさと出てった出てった」
無下もなく追い払われて、あひる口にして撤退しようとする。
すると、足音が聞こえてきて―――
,. ´ ̄ ̄ ` 、__
/ , / /⌒Y
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.:' ' /__/ , | \__
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/イ ,.. 、イ /}/⌒ヽ、/´ // / 、 、
{ { Ⅵ / Vオ {从 /-}/-、 } 、 \
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/ 乂 u ::::::: Vソ' ,l ∧l |
/イ , 八 ,...、 ' /ムイ,'∧ |
/\ / 、 〈- 、\__ ム/ / \ 「やっべぇ!」
>----イ///\ . ` ー ' イ/从
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/ ヽ \
/ ./ :.
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. / 7 | ./ ! | ∨ | |
′ ! | / ̄`∨ |´ ̄Ⅵ | |
| | r≠ミ、∨ | r≠ミx | |
| | 从 r':::::}!八 〃r'::::::}!》 | | 「あわっ?」
| | ハ弋)ソ \{ 弋)ソ | | |
{ | :i ,,, , ,,,, / 八 !
. | :} /7 / |
八 人 v フ / /} 八
\{\( >... 仏イ/ /: \
. / ≧ー < |/ /: \
/ 厂 ̄ | / /:. \
// / /| / ∧::.. ::.
. //' / ∧ // / \::. |
. // / / /\ / / / \::. |
l( / / / / / / \:.. |
10/16
自分の意思とは関係なく、急に風景が暗くなる。
ガタッ、と大きな音を立てて身動きが取れなくなった。
「(ムグっ?)」
「(静かに静かに)」
動こうと思っても、身動きひとつ取れない。
自分の意思で体が動かせないというのは未知の体験だ。
最初は暗くて何も見えなかったけれど、次第に目が慣れてきて状況がわかってくる。
えっ
何でキョータローに抱きつかれてるの!?
わずかに入る光から察すると、ここはロッカーの中!?
「(さっき言ったろ、ここ女子禁制だから、俺が怒られるんだよ)」
「(で、でも)」
「(何もしないから、大丈夫だから。
いやほんと怖いんだ許して!)」
ちょっ、耳元で囁くのやめてぇ!
思い切って動こうとするも、キョータローは怒られるのが怖いのか、ピクリとも動かない。
男の子に身動きが取れなくされるっていうシチュエーションって、こういうのなの!?
「(謝るから! 後で何でもするから!)」
「(ムググー!)」
キョータローの匂いが近い。
鼻がくすぐったい。
悪い臭いとは思わなかった。
11/16
不本意だけれども、私の不注意でキョータローが怒られるのも忍びないし、黙ることにした。
しかし、キョータローの巨体が入るロッカーなんて初めてみた……。
それにしても全く身動きが取れない。
キョータローなんか、そのままじゃ入れないから頭を下げて身を小さくしている。
それはつまり、全力で私に抱きついていると言うことだ。
「(わーっ!!)」
男の子の体って、固い!?
テルーとかに抱きついた時とは全然違うよ!?
あっ、テルーは違う意味で硬かったけれど……。
それに、キョータローはさっき着替え中だったから上半身裸だ。
こんなのもうゴーカンだよ!
鍛え上げられた筋肉が直に肌に触る。
「(ぐぬぬ……)」
なんだか悔しくて、さっき言ってた腹筋を触ってみる。
「(ひゃぁ!?)」
「(お?)」
キョータローが必死に悲鳴を抑えている。
いきなり触られてびっくりしたのかな。
「(く、くすぐったいからやめろって)」
「(やめない。こんなゴーカン紛いなことして!)」
「(悪いって! ひゃう!?)」
「(面白い!)」
自分のものとは違い、鉄板のように固い胸板と腹筋。
ゴツゴツした骨の感覚は触っていて飽きない。
キョータローにしてはなかなかいいものを持ってるじゃん!
12/16
「出て行ったみだいだね」
「……ふーん」
「いやほんと、ごめん」
わずかに入る外の風景から確認し、ロッカーから解放され、やっと外に出られた。
「私じゃなかったら大問題だよ!」
絶対に先輩に怒られた方がマシだよ!」
「た、確かに、強姦未遂より事情を説明して説教された方が……」
「それに、キョータローが一緒に入る必要なかったじゃん!」
「ごもっともです、ごめんなさい!」
「キョータローのバカ!」
「ごめん」
両手を合わせて頭を下げている。
どうやら、本気で謝っているらしい。
「……なんでも言うこと聞いてもらうんだからね!」
「わかりましたあわいさま!」
「ゆ、許してあげる」
本当は、あんまり嫌じゃなかった。
男の人と密着するなんて考えたこともなかったのに。
フツーだったら絶対に怒って絶交して、警察に突き出すのに。
キョータローと一緒なのは、嫌じゃなかった。
何故か頭の中にサキの顔が浮かんでくる。
サキとは、こういうことはしてないよね?
……なんでこんなことを考えているんだろう。
「誰か来る前に外に出てくれ……」
「はーい」
終始申し訳なさそうにドアを閉めるキョータロー。
ふふん、なんでも言うこと聞いてもらう、か。どーしよーかなー?
13/16
今度はドアの前で一人で待機。
何人かとすれ違ったので、ペコリと頭を下げておく。
正規マネージャーでもないのにこうしていられるのは、みんなが優しいからだもん。
それくらいの常識は学んだよ!
ふと、服についたキョータローの匂いが香ってくる。
さっきまでは皮膚の感触に気を取られていたけれど、今はキョータローの匂いに敏感になる。
嫌な、匂いじゃ、ない、かも。
「なんだ、高久田か」
「なんだとはなんだ」
ドアの外で待っていると、キョータローの声が聞こえてきた。
タカクダって、キョータローと仲がいい人だっけ。
一緒にハンドボールをやっていたのは覚えている。
でも、キョータローより運動神経が悪そうで、あんまり本気でやっているようには見えなかった人だ。
「大星が外にいるけどどーしたん?」
「うるせー。
ここは女子禁制だろ。待ってもらってるんだよ」
「わざわざ待ってもらってるのか!
くー! 美少女の専属マネージャー持ちは違うねェ」
「こんなことになるとは思わなかったよ」
「自分がどれだけ恵まれてるかわかってるのかァ!?
だいたい、マネージャーもレディースランチも、咲ちゃんにやってもらってたろォ!?」
14/16
「えっ?」
15/16
それはきっと、キョータローたちにとっては何気ない会話。
でも、私には聞きたくなかった事実。
また、『サキ』だ。
何で、何で、何で?
麻雀だけじゃないの?
キョータローも、サキのものなの?
ハンドボールのマネージャーって、私だけじゃなかったの?
レディースランチを頼むのは、私だけじゃなかったの?
全部、サキがやっていたことをなぞっていただけ。
私がサキから逃げて心の拠り所にしていたものは、全てサキが持っていたもの。
16/16
「いやだよ、キョータロー……っ!」
あわあわ次元5話
完結までお付き合いいただければ幸い
【思い出】(平行世界)
もう何が何だかわからない。
思わず膝の力が抜け、扉に背中を強くぶつけてしまう。
「何の音だ?」
キョータローの声が聞こえて、慌てて立ち上がる。
もう嫌だ。キョータローの顔が見られないよ。
私には何もかも無くなっちゃった。
全部全部全部! サキに奪われた。
新しく手に入れたものも、サキが持っていたものだった。
こんなに無様な話ってある?
人の価値を、サキに勝つ理由にしたバチが当たったのかな。
私の中に、ひとつでもサキに勝っているものってあるのかな。
ひとまず、駆け足でその場を去る。
もう、どーでもいーや。
…
……
……
…
「団体戦優勝は、清澄高校です!」
アナウンサーの声が会場に響き渡る。
指先がピクリとも動かない。
目の前で仲間に抱きつかれているサキの姿が見える。
ああ、この図はよく見たことがある。
今の私は、私が今まで蹴落としてきた奴ら。
今のサキは、今までの私。
悔しい、って気持ちすら浮かばない。
本当にこれが現実なのかすらわからない。
これは悪夢で、起きたら決勝戦が始まって、テルーたちが苦戦して、あわいちゃんが大逆転勝利する。
私の中では、それしか考えてなかったんだ。
これは、夢だ。
「よく頑張ったな、淡」
後ろから亦野先輩が私を抱きしめる。
準決勝であんなことを言ったのに、力強く慰めてくれた。
「淡は悪くない。泣くな……」
何言ってんの。そんなことないじゃん。
亦野先輩は私に繋いでくれた。
全ては失点した私のせいだ。
尭深も、菫先輩も駆け寄ってくる。
私に抱きついて、諭してくれる。
「淡はよく頑張った」
「うん。ここまでこれたのも淡ちゃんのお陰だから」
本心で言っているのかすらわからないよ。
だって、白糸台は今まで2連覇していたんだよ?
私がいなくたって、私がいなかった方が優勝できてたってことじゃん。
私のお陰なんてことは、絶対にありえない。
「淡」
一番来てほしくない人がここに来る。
口下手だからか、オロオロとしながら私を抱きしめてくれる。
「よく頑張ったね……」
ようやく言葉を発したかと思えば、そんなことだ。
何よりも嬉しいはずの、何よりも心を癒してくれるはずのその言葉。
ただ一つの事実がそれを打ち消す。
「(テルーは、サキのお姉ちゃんなんだよね)」
決して聞けないけれど、決して言えないけれど。
こうやって、サキを慰めたことがあるのかな。
……
…
それから、個人戦でもサキに負けた。
しばらく落ち込んでいたけれども、そんな私に亦野先輩が声をかけてくれた。
「白糸台敗北の戦犯は私だ。
メディアでもそう言われているだろ」
そう言い切ってくれた。
私なんかより、もっと辛い立場なはずだよね。
新しく部長となり、様々な重圧がのし掛かっているんだ。
「だから、淡の力が必要なんだ」
そう言って私の手をとって握りしめる。
「今度こそ優勝しよう」
そんな亦野先輩は何かを吹っ切って、大きく見えた。
「準決勝で落ち込んでいた私を励ましてくれたのは淡だ」
「あんなの、励ましたに入らないよ……」
「淡が後ろにいる。それだけで私は強く打てた」
そう言ってくれた亦野先輩のために、もう少し頑張りたい。
「一緒に行こう」
今度こそ、『サキに勝つ』んだ!
……
…
私にとっての地獄はそこから始まる。
公式戦では全てサキに敗北。
私もサキも上位まで残るから、結果的に毎回当たって負けちゃう。
そして、1年後の団体戦でも清澄高校に敗北。
個人戦でも、負けた。
「ごめんな、淡」
そう言って私を抱きしめて泣きじゃくる亦野先輩が忘れられない。
『白糸台は宮永照が凄かっただけ』なんて言われ出したのがこの辺りからだ。
違う。
白糸台には私がいる。
亦野先輩も尭深もいるんだ。
テルーだけの白糸台じゃない!!
「ダイジョーブですよ。先輩」
「淡?」
「来年こそ!
もっともーっと反省してテクニカルになったスーパーノヴァあわいちゃんが、サキをボッコボッコにするもん!」
そう伝えた言葉は、亦野先輩に届いたのかな。
……
…
それから再び敗北して、強さすら誇示できなくなった私には友達も残らなかった。
三年間が終わり、もうサキ相手にリベンジする気力も残っていなかった。
サキ以外には大きな戦果をあげていたからプロの声はかかっていたんだ。
でも、大きな問題があった。
『プロに入れば、またサキと戦わなきゃいけない』
私から全てを奪い取ったサキ。
三年間でこうなったのに、人生ずっとサキと戦い続けるなんて考えたくもない。
白糸台の栄光も丸つぶれだ。
麻雀なんて、したくない。
「プロに行かないのね」
「……うん」
進路指導の先生と話す。プロに行かない決意は固い。
「大星さんは、もっといろんなものを見つめるといいかもしれないわ」
「そうなのかな」
「麻雀以外のものを見てみるのもいいわ。
大学に行ってみて、いろんなことを試してみるのがいいわよ」
みんなが悩む進路なんて、考える余裕もない。
ずっとずーっと前から麻雀プロになることしか考えていなかった。
そんな私に、他の何かなんてあるのかな。
「わかった……」
言われるがままに麻雀推薦で大学に行くことにした。
フツーの試験で行かなかったのは……。あわいちゃん、頭悪くないもん。
……
…
それから大学に入って、キョータローを見つけた。
何かをしようと麻雀以外のサークルも見て回って、唯一目に留まったのがキョータロー。
明らかに才能がないし、他の人に劣っている。
それでも楽しそうに、一生懸命プレイしている姿が目に入った。
私はもう麻雀を楽しく打つなんて出来ないもん。
それでも、フツーに打つだけでその辺の人には負けない。
キョータローはどんなに必死にプレーしても、ハンドボール部で活躍できるようには見えなかった。
「私と違う」
私には麻雀の才能があった、と思う。
今でこそ自信なんてカケラもなくなっちゃったけれど、負けることなく麻雀を続けてきた実績はある。
努力なんてしなくてもほとんどの人には負けない。
だからこそ努力した上でサキに勝てなかったことが辛くて折れちゃった。
負けても楽しんで、自分の実力を分かった上で戦う。
その気持ちが全く理解できない。
絶対に勝たなきゃいけないと思った末に、一度も勝てなかった。
だからあの時、こう聞いたんだ。
『好きでもさ、結果が出なかったら辛くない?』
それでもやるんだと、力強く肯定した姿が思い出される。
その姿が、とっても格好良かったんだ。
自分に出来なかったことをやっていて、心折れずに戦い続けるキョータロー。
「誰とでも仲良くなって」
「私とも喋ってくれた」
「おバカな会話が楽しかった」
自分とこんな風に喋れる同級生なんていなかったもん。
「そんなの、好きになっちゃうじゃん……」
なんとなく、だけど確実な気持ちが胸の中でじんわりと伝わってくる。
ポカポカと暖かくて、ちょっと切ない。
自分以外の誰かを考えていると、ムカッとする。
ずっと前からわかっていたけれど、自覚したのはあの時だった。
そして同時に、キョータローはサキのために頑張っていたんだってことがわかった。
「そんなの、わかるよ」
「好きなんだもん」
「キョータローが何を考えてるかなんてわかるし」
私はハンドボールマスターなんかじゃない。
「キョータローマスターだから、キョータローが何を考えてるかわかるんだって……!」
キョータローが疲れているかわかる。
お腹が減っているのかわかる。
何を食べたいのか、何となくわかる。
ハンドボールの動きが固いのだって、いつも見ているからわかる。
誰を目指してハンドボールを始めたのかだってわかる。
昨日、気づかない振りをしていた。
きっとキョータローは、サキに近づきたくてハンドボールを始めたんだと思う。
それは推測だけれども、間違い無いと思う。
キョータローが私の中にサキを求めていたのか、そこまではわからない。
でも、女の子だもん。
好きな男の子のことくらい、わかるもん。
「キョータロー」
会いたい
「キョータロー……」
会いたい
「キョータロー……!」
会いたいよ!
無意識に食堂に向かっていた。
今朝気合いを入れた化粧は泣きじゃくったせいで崩れていて、誰にも見せられない。
時間が時間だから食堂はもう直ぐ閉まってしまう。
ラストオーダーも終わっていて、席を取っている人も少ない。
ここなら少し泣けるかな。
机に顔を突っ伏して泣きじゃくる。
嗚咽は漏らさない。
いくら人が少なくても、何人かはいるんだもん。
堪えることが辛くても、誰かに見せたくない。
本当は家でわんわん泣きたいけれど、少し吐き出さないと帰れそうにない。
だからここにしたんだ。
あと少しで出なきゃいけないから、ここにしたんだ。
そうだ、いつだってここから始まっていた。
ここで初めてキョータローと会ったんだ。
そのあと、ここで仲直りした。
レディースランチを頼んであげて、それが仲良くなるキッカケになったんだ。
いろんなところで話すようになって。
キョータロー専属のマネージャーみたいなことして。
やっぱりここでお鍋を企画して、私の家に来ることになって、そこで好きって気持ちになった。
それらすべての思い出が辛い。
こんなに気持ちが悪いなんて、初めてキョータローと会ったあの時のようだ。
こうして憂鬱な気持ちでご飯を食べていた時に、後ろから……。
「よっ、淡」
後ろから、声をかけてくるんだ。
あわあわ次元5話投下終了
本編はあと1話だけ、お付き合いいただければ幸いです
1/17
【 The Big Star ! ! 】(平行世界)
胸が沸き立つ。
ドキリと音がする。
それはいつも聞き慣れているはずの声で、私の大好きな声だ。
こんなところにいるはずがない。
だって、さっきまで着替えてたんだもん。
それに、ここにいるって言ってない。
そもそも、いなくなったことだって知らない筈だ。
外に出て私がいないことに気づいても、すぐにここに来るなんて思わない。
これは都合の良い幻聴だ。
そうじゃないと、ロマンチックすぎるじゃん。
「おーい、『大星』。寝てるのかー?」
おちゃらけたように、あの時のように。
「俺がなんでここに来たのか、って思ったろ」
ドキリ
なんで、なんでわかるの?
「エスパーだから」
「キョータローッ!」
その言葉に涙腺が決壊する。
涙で化粧がぐちゃぐちゃなのも構わず、キョータローに抱きつく。
「キョータロー、キョータロー!」
「ちょっ!」
いきなり抱きついても微動だにしない体幹。
それでも抱きつかれることに慣れていないのか、慌てているのが伝わって来る。
抱きしめてくれてもいいのに、律儀に両手を広げて空に向けている。
ふふっ、なんかカッコ悪い!
でも、それが可愛い。
「ひとまず、どっか行くか」
「ヤダ」
「……わかったよ。
ゆっくりしていーぞ」
さっきまで泣いていたのに、そんな気持ちは全部吹っ飛んじゃった。
腕の中でキョータローの胸板に頭を押し付ける。
「グリグリー」
「うがががが」
「痛い?」
「いや全然」
「えへへー。いい匂いー!」
「お、おい」
持て余した手で首筋を掻いているようだ。
あっ、恥ずかしがってる!
……
…
少し抱きついて満足して、場所を移動した。
ロマンチックなところがいい! なんて言ってみたら、大学の屋上に連れてきてくれた。
「及第点かな!」
「偉そうに」
「女の子は偉いんだよ!」
「はいはい」
「屋上って初めて来た!」
「屋上ってロマンじゃね?
高校だと入れねーけど、大学だと入れるからすぐに来てみたんだ。
すぐに飽きたけどなー」
「ふーん、わかんない!」
さっきまで泣きじゃくっていたのが嘘のように晴れやかな気持ちだ。
サキやキョータローへの複雑な感情は渦巻いているけれども、それ以上にキョータローと一緒にいることが嬉しい。
キョータローがきてくれたことが嬉しい!
お化粧は落としちゃったから、もうちょっと気合を入れたい気分だけれども、今はそんな場合じゃない。
「ねぇ、キョータロー」
「なんだ、淡」
「……聞いてくれる?」
「おう、なんでも!」
ドン、と自分の胸を叩いて胸を張ってくれている。
本当に、ありがとう。
キョータローは私の話をじっと聞いてくれた。
時折頷いたり、相槌を打ったりしてすごく話しやすかった。
高校時代に辛かったこと、麻雀でサキに負けて悔しいことも喋った。
キョータローに興味を持った理由や、好きだってことは、まだ言えないけれど。
「ねぇ、キョータロー」
「おう」
「キョータローとサキって、どういう関係?」
それを言うとさっきまでの自信満々な表情から一転、少しだけ陰りを見せる。
「中学校と高校のクラスメイト、だよ」
「それだけ?」
「関係はそれだけだ」
「ふーん」
安堵はしない。だってわかるもん。
「キョータローってさ。
サキのこと好きだったんでしょ」
「……」
表情の変化だけじゃない、キョータローにしては曖昧な返答。
自分でも嫌な言い方だと思う。
でも、覚悟は決めたんだ。
全部聞いて、全部言うって決めたから、言葉は飾らない。
「好きだった、のかな」
「え?」
「自分でもよくわからない。
本当だよ」
遠い目をして屋上の手すりに手をかける。
嘘は言ってないと思う。
「中学校からの腐れ縁でさ。
俺が声をかけたのがきっかけで仲良くなって、いろいろと付き合ってもらってたんだ」
「レディースランチ、とか?」
「なんでそれを……。そんなこともあったよ」
「ふーん……」
「それから高校までは俺が面倒見てやってたんだ。コミュ障だったし。
アイツが麻雀できるって知って、高校の麻雀部に連れてきた。
俺と咲の関係はそこで終わりだよ」
「……え?」
ポカーンとしてしまう、それだけ?
「麻雀を始めてから自然と離れていった。
インターハイで活躍する咲は俺の知っている咲じゃなかった。
それを凄いと思ったと同時に、もう隣にはいないんだな、って感じてさ」
「うん」
「決勝戦、優勝した時に思った。
離れて欲しくない、って」
ズキリ、と心が痛んだ。
「それから二年間、麻雀頑張ったんだけどさ。
これが全く上手くなれねーの。
少しずつ疎遠になって、卒業して、この大学に入った」
キョータローが息を止める。
コクリと頷いて話を促す。
「あの瞬間のみんなは輝いてた。
俺は違った、咲は離れていってプロになった」
「俺一人だけみんなと違ってしまったのが悔しかった」
「もし、俺が咲と隣に入れたなら今と違う関係だったかもしれない」
「自身も何もなくて、何も声に出せなかった」
「だからハンドボール部に戻ったんだ」
「前に淡が言ったような、大層な人間じゃないよ」
「最初は逃げてただけだ。
『俺だって負けねーんだよ、スゲー奴なんだよって』
それをみんなに、咲に伝えたかったのかもしれない。
終わってから、もう遅くても、それでも続けたかった。
一度挫折していたからこそ、もう一回は嫌だった」
キョータローは目を逸らさない。
じっとこっちを見てくる。
「でもさ、俺ってそんな出来た人間じゃないんだよ」
「……うん」
「ハンドボールやってて、中学生の頃より出来なかったり、体の動きが硬かったり。
ずっと努力してきた人には敵わなくて、努力の成果だって全く出ない。
これから頑張って行っても何にもならないかもしれない。
高校三年間は無駄だったんじゃないかって焦燥して、ズタボロだったんだ」
「そ、そんな……」
「そんなときにさ。
隣にいてくれたやつがいるだろ」
キョータローが一歩近づいた。
息を思い切り吸い込んだ。
「俺、淡のことが好きだ」
「あ、あわわわわっ!?」
顔が真っ赤になる。
熱くなっているのを感じる。
後で言おうと思っていたことがいきなり出てきた!?
う、嘘っ!?
な、なんでなんでなんで!?
「やっべぇ、はっずい……」
キョータローも俯いている。
状況が全く理解できないよっ!?
なんで告白されてるのっ!?
「こ、こんなところで言う予定じゃなかったんだけど」
「わ、わ、わ」
「……だってさ。無理だろフツー。
そんな精神状態で、献身的に接してくれる美少女とか、惚れるっつーの」
「び、びしょ!?」
「?
いつも自分で言ってるじゃん」
「言ってるけど!」
そうじゃないよ!
私が胸の内を吐いて、キョータローに告白して、これから少しずつ好きになってもらおうと思っていたから予想外!?
「私だってキョータローのこと大好きだしっ!」
「えっ」
「あわわわあぁぁぁーー!?」
もう自分が何を言っているのかすらわからない。
とりあえず、私が想定していたようなロマーンチックな告白にはならなかったみたいなのは確実だよっ!
「いよっしゃぁぁぁ!!
これで両思いだよな!?」
「う、うん」
な、何か納得いかない。
「キョータロー」
「?」
「咲のことはいいの?」
「えっ、いやそう言われても俺が好きなのは淡だし」
「だ、だって咲に伝えたかったんじゃ……」
「うーん。当時もよくわかんなかったんだよね。
思い出は美化されるし、薄れるし。
俺の隣に淡がいればそれでいいんだ」
「いいの?」
「恥ずかしいから何度も言わせんなって。
むしろなんで俺に構ってくれてるのかが知りたかったくらいだよ」
あっ、そういえば大事なことを言ってない。
「き、嫌われちゃうかも」
「どんとこい!」
「う、うううううー!」
「さっき言った通り、サキに三年間麻雀で負け続けてプロやめたんだけどね?
麻雀以外のサークルを探してたらキョータローを見つけて。
『コイツなんで才能ないのに頑張ってんだろ』って思って」
「うぐっ」
「ご、ごめん」
「大丈夫大丈夫。続けてくれ」
「私は辛くて逃げちゃったから、頑張ってるキョータローの姿が新鮮だったんだ。
それから食堂とか講義で話しかけられて、気付いたら……」
「そ、そうだったのか」
「キョータローは卑怯だよ!
イケメンのくせにぼっちで突っ伏して寝てる女の子に声をかけるとか!
そんなの惚れちゃうじゃん!」
「はぁー!?
美少女に弱っちぃハンド部員の専属マネージャーになられる方が惚れるだろ!
卑怯なのは淡だし!」
「キョータローだ!」
「淡だ!」
「傷心の女の子につけ込んで!」
「傷心につけこまれたのはこっちも同じだ!」
「ムー!」
「ぐがー!」
しばらくそんな風に言い合って、二人とも疲れて息を切らす。
「お互い様だったんだな」
「そ、そうだね」
「スゲー奴に心を折られて、自分なりに頑張ってるところを好きになったんだ」
「うん」
「でも、それでいいんじゃないかな」
「そうなの、かな」
「努力してもどうしようもないことはいっぱいある。
俺は麻雀でもハンドでもそうだけど、大半の人間ってそうじゃん」
「そっか、そうだよね。
私は自分が特別だと思ってただけなんだ」
みんな自分が特別じゃないって気付いて、妥協していくんだと思う。
私は人より麻雀の才能があったから特別だと思っていたけれども、そうじゃなかっただけなんだ。
「そんなことねーぞ。
淡は十分特別だし!」
「えっ、そう?」
「ほらっ、俺にとっての特別、だろ?」
キラッ、なんて擬音をつけて笑うキョータロー。
うぷぷっ。
「くさーい!」
「うぐっ」
「そんな口説き文句聞いたことないよー!」
「うるせー! どーせモテねーし!」
「そんなキョータローにはー、仕方ないからあわいちゃんが特別になってあげるのだー!」
そう言って身を縮めてキョータローに近づく。
「ねぇ、キョータロー」
「なんだ」
「こういう時は、抱きしめるんだよ?」
「いい、のか?」
「何も言わないで抱きしめてくれたらポイント高かったのになー」
「うるせー。おとなしく抱きしめられてろ」
「ふみゅっ。
……えへへ。頭撫でていいよ」
「だ、だってお前、気軽に髪に触っちゃダメって言ってたし」
「……サキにはしてあげたことある?」
「ないけど」
「ふふーん。
じゃあ髪も触っていいよ」
「お、おう」
「あっ、セットは崩さないようにね!」
「わかった……」
「何でそこで先っぽ触るのかな!」
「いや、撫でたらどうやっても崩れるじゃん」
「ほかの人とロッカー入ったことある?
入ってたら通報しないといけないかも……」
「ないですないです! あれは本当にごめんって!」
「……今度からは、好きにやってもいいんだよ?」
「!」
「ねぇ、キョータロー」
「キスはしたことある?」
……
…
夕日が落ちて、家に帰る。
心配だからと、キョータローに送ってもらっている。
嬉しくなって、ニヤけてしまって、思い切って腕に抱きついてみる。
「これでカップル成立だね!」
「あ、ああ」
「あれー、キョータロー照れてる?」
「その、腕を組まれると胸が……」
「当ててるのだー!
……さ、触るのはまだダメだからね!」
「お、おう」
それはまだダメ。そのうち、ね?
だ、だって、私もハズカシーもん!
「あっ、これからはレディースランチ頼んであげないから!」
「うげっ、マジで!?」
「ふふふー、せっかくの恋人同士なんだもん。
これからはね!
食べさせあいっこするんだ!」
「別のを頼んでってか。
いいのか?」
「あーんってしたいじゃん!」
「いきなりデレデレだな」
「嬉しくない?」
「嬉しい」
「でしょ!
だってさ。
麻雀でも負けて、ハンドでも負けて、あわいちゃん泣かせて、レディースランチなんか食べちゃって」
「うぐっ」
「サキと離れて寂しがるような寂しがり屋で、女の子を泣かせちゃうようなヘタレで」
「俺も泣いちゃう……」
「でもねでもね!」
「そんなキョータローのことが大好きなんだもん!」
あわあわ次元、全7話終了。全部回収出来たハズ
温度差あるから別スレ建てるべきだったな、と反省。次に京咲と京霞の長編書くときは別スレ建てます
拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました
1/9
【京咲書きたい】
_,...---、_,.、
/ : /: : / : : ヽー-、
/. : :, !: iハ!/メ、.i | \
イ : :{ ヽN 'i:!/!人iヽi
_1: : :i( _ 丶:\
/ `Yリヽ '、_)'´!`ー` 「咲、咲、咲! うおぉぉぉぉぉ!」
/:::.. | ,. _/
. /.::、:: ト、ィ'
/ ::::::|:: !;-!
/ ::::|:: ! ヽ、 ,:-‐クヽ
/ ::!::.. ⊥__!_ / ..:ノ)
/ |::::..  ̄`''''''' ′..::::::::::ノ
. /: |::::..... ..............:::_,:::-‐'′
/:: `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__
./__ /! i / iu-゙、
/----、\ ::::/ |:: ⊥ __,...-‐'.i...:ヒノ
 ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ |::. _,.-‐'"
. / :.:.:.|:.:.:.: /^l:.: : ||:.:.:.:.:.:.:| ヽ:.:.:.:.:.ハ:.:.:|:.:.:.:.:.:.ヽ:.::.:.::.
/ .:.:.:.|:.:.:.:.| :.: : ||:.:.:.:.:.:.:| |:.:.\ | :.:|:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.
/ .....:.|:.:.:.:.| /: :.:|ト:.:.:.:.:.:.| |:./_\:/|:.:.:.:.:.:.:八:.:.:.:::
. / .:.:.:.: |:.:.:.:.| \||:.:\:.:.::. ィX笊竺心j:/|:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.|
ー |:.:.:.\| i| ノ{:::::ハ 乂ー-ソ j/ V:.:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ|
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/ 「おかえりー。新年会おつかれさまー」
|:.:.:八|:.:.八 r-, /:.:.:.:/
|:./ \:.:{\ / |:.::/
|: \ > .. _ イ リ/
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_/三l /三三三≧=-__
_x<三ニ/´ / /ニ三三三三三三三>
. r≦三三ニニ/ /三三三三三三三>´
/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
2/9
淡ちゃんかと思った?
残念! かわいいかわいい須賀咲ちゃんです!
今、会社の新年会から帰ってきた京ちゃんを介抱しています。
京ちゃんはいつも通り酒癖が悪いのでグデングデンになりながら高久田くんに背負われて帰ってきました。
「ほーい、咲ちゃん。
旦那さんお届けー!」
「わわっ、いつもありがとうございますっ」
「高久田ァ!
咲と喋ってんじゃねェぞォ!」
「京咲見続けて12年だか13年だかの俺がそんなこと考えるわけねーだろ、と」
「もー、京ちゃんったらまーた酔っぱらって」
「咲ちゃんも嫁さん言われても赤くならなくなっちゃったなァ」
「そりゃ、嫁さんだもん」
「板についてることで」
ううっ、高久田くんには和ちゃんや優希ちゃんにすら知らない私と京ちゃんのエピソードを知られているから頭が上がらないよ。
結局、中学高校大学と私たちと一緒で、入る会社まで京ちゃんと一緒になるとは思いませんでした。
実は男の人の中ではお父さん、京ちゃんに続く付き合いの長さです。
「んじゃ、あとはよろしくー」
「あっ、お茶でも……」
「俺の描写は需要ないからお気になさらず!」
お、おう。
3/9
……
…
「さきー、さきー!」
「はいはい……」
お風呂に入れようとするけれど、ものすごく拒否られて抱きしめられています。
とりあえず私にくっつきたいみたいだからソファーまでは動いてもらってじっとしています。
昔だったら顔を真っ赤にして背中をポカポカ叩いたりしていたんだけれども、今はもうそんなことないよ。
酔っぱらった京ちゃんがこんな風になるのなんて一度や二度じゃないし、その度に一緒に発情してたら大変だもんね!
いやまぁ準備は出来てるんだけれども! 生理現象だし!
「もー、京ちゃん。
早くお風呂はいろー?」
「やだぁ……。
もう仕事行きたくないよぉ」
「もー……」
私を抱きしめて愚痴りだす京ちゃん。
それを言われちゃうと何も言えないよー。
お仕事を頑張っているのは京ちゃんだし、私は主婦としてそれを支えることしかできないんだもん。
「家にいる間にゆっくり休も?」
「うん……」
背中をポンポンと叩いてあやしてあげる。子供か!
まぁ京ちゃんが弱気になっているのも母性本能がくすぐられるけれども!
4/9
だいたい10分くらい京ちゃんをあやしています。
家事は終わっているんだけれども、子供の相手とかしないといけないんだけどなぁ……。
「おーう、咲。
俺は寝るぜー」
「あっ、お父さん。
最近寝るのが早くなったねー」
「大人は規則正しく生活してんの!」
「そういえば老人になると早寝早起きになるって言うもんね」
「咲は俺をなんだと思ってるんだ!?」
いや、お父さんもいい歳じゃん。
これからどんどんそうなっていくんだから、気をつけてよね。
「あっ、寝る前のビールは控えてよ!」
「逃げろー」
「こらー!」
こ、子供か!
もー、後で後悔するのはお父さんなんだからね!
全く、うちの男の人はみーんな子供なんだから!
……あれ、何か違和感があったような。
なんて思っていたら、お姉ちゃんと子供達がトテトテと近づいてきました。
「咲、お菓子は?」
「この時間から食べる気!?
教えないよっ」
「む……」
ショボーンとした顔でむくれるお姉ちゃん。
そんな顔をしてもあげないよ!
子供と一緒に来たってことは、みんなで食べに来たんでしょ?
それこそダメです! 子供に夜お菓子は食べさせません!
5/9
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、-
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ 「ママ! パパ!」
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
/ | : :ハ : :! /| / i
/ __ i: . : :、/|__ ∠ / ‐ // |
/`-‐ / / | __ -‐/ / |
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
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/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「いつもの!」
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. > . __, . - "〃ヽ \,.' ヾ: : : : : : ヽ
: : : : : __/ ' ,: : \ {__,.. ' ノ:\
,. . . -――- . . .、
,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
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!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l: : : : : :l
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ: :、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ l: : } \ノ 「?」
',:乂_ ` !ヘ:ノ
',: : : : 丶、 ー-‐ j
ヽ{\ : : ㍉ ,, イ
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
6/9
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ /
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「二人がイチャついてるのはいつものことってことでしょ」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
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,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
/. . . . . . . . / l: : : : : ト、 : : : : : :.
,' : : : : : : : : : : : : / l . . . . l .',: : : : : : : :.
,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ : 、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :} \ノ 「!?」
',:乂_ ` .!ヘ:ノ
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ
ヽ{\ : : ㍉  ̄ ,, ''
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
__ /⌒ヽ
⌒\ ∨ ヽ___
_, ----` ∨ `ヽ、
/´ | \
/ ____ / l| | :. \
/// / | |l | : ヽ
/ / // ,∧ / ,イ l| :. . .
/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{
{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「うへへ! さきー!」(すりすり)
{ _,ノ
人 _,..::ァ r }/
` ゝ - ' イ |/
` ーr ´ ___|_
___| |//////|
{|___ノ __|[_]//∧_
/// |____|///////////> 、
///// | /////////////////> 、
/////// { //////////////////////}
//////////∨///////////////////////|
7/9
えっ、えっ、ええぇぇぇ!?
「子供にすらそういう目で見られてたの!?」
「毎回やってるから……」
「さっきお父さんにはスルーされたし……」
「何を今更。
日常風景」
「そんなにいちゃついてないよ!?」
「鏡持ってこようか?」
「うぐっ!?」
お、お姉ちゃんに呆れられてる……。
あのお姉ちゃんに面倒臭そうな態度をとらせたっていうのが何かもー悔しいよ!?
子供達においでー、って手を出しても『邪魔しちゃダメ』と言わんばかりに手をつないでどこかに行っちゃった。
「きょ、京ちゃんが悪いんだし!」
「代わろうか?」
「それはダメ!
……あっ」
「京ちゃんポイント」
「う、うぐっ」
思わず口から言葉が出て、京ちゃんポイント贈呈。
これも全部京ちゃんが悪い!
8/9
「酔った京ちゃんを時々迎えに行ってくれることだけははらむらわを尊敬する」
「えっ、和ちゃんを尊敬するとか本気で言ってるの?」
「すごいことを言ってしまった。死にたい」
「お姉ちゃん、疲れてるんだよ。
早く寝よう?」
「そうする。咲、おやすみ」
・受信
. /: : : : : : : |: : .:i:.|:.:.:.:i| |:.:.:.:.:.:.|!:.:|i:.:| 、:.:.゙、::、 ゙、゙、:::::::::::;::イ/:::::::::::::::i:::::
./ : : : |: : :i:.|:.:.:.:i:.|:.:.:.i| |:.:.:.:.:.:.:.|!:.| i:.:i 、:.:.:、:.、::.:.:.!:.:iヽ/:.:.:.|/:::::::::::::::::i::::
i: |: : : |: :.:|:.|:.:.:.:i|:|:.:.:.| ! | ..:|i. | .i: i ゙、:.:.i.;A-‐ハ:.!:.:.:.:.:.:.:..!:::::::___|::::
!:.i |: :.:| .:.:.i:.!:.:.:.|!.i! :l |:.:!:.:.:.:.:..i:.:.i ゙、! _/ハ:ハ/ |ィ;.:.,.-‐-、!:/.:.:.:.:.V/
i :|.| :.:.:i i i_:|、!、:.:.! i:!、i:.:.:.:.:.:.i:.:.i _;彡';tr=、 ヾ、"' /ヽ |':.:.:.:.:.:.i:.:|:.:.:.:
. ! i:i! | ..:i :i:.:.:i`iー>ト-!、丶:.:.:.:.:i:、^V i_;:::::::ヽ / i: : : : :.:|:.:|:.:.:.:
、:!:i、:.:.i:.:.:.:.|:.i:、:.7メ'f:::::::ヾー\:.:.:.:、`ヾ <;;;:ン ′ ノ : : : :.:.:!:.|:.:.:.:
ヾi 、:.\:.:\:.]〈 っ::::;:i  ̄` _,∠|:|: : : : .:|:.|―-
ヽ!:.i、`゙ー-r≧ >≠ , " " / |:! : : : :.:|:.!////
|:.|:.:.:.:.:.:.:\! ,, ,, / i!: : : : : ::i:.i//// 「なんでや! 私関係ないやろ!」
|:.|: : : : :.:.:.i i r== "ヽ / i: : : : : :.:i:.|////
| |: : : : : :.:i:.:|\ ∨__ノ) / /: : : : : :.:i.:|////
|:| : : : : :.:.|:イ |:::|l`ー-..、  ̄ ̄ / / : : : : : :.:|/////
|.|: : : : : :.:|:∧ i:.:!i::::::::::::::`i ー-‐ ' ,..-‐:/: : : : : : :.:.i!/////
・裏
/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「(実は私もキツイんだけどな……)」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
9/9
……
…
お姉ちゃんも子供達も寝て、気づけば京ちゃんもウトウトし始めています。
もー、酔っ払って帰ってくるたびにこんなに甘えられちゃたまらないよー!
……笑ってないもん。にやけてないし。
「ほら! 寝る前にお風呂入って歯を磨く!」
「あ、あれ、咲?
わかったよ……」
「もー、京ちゃんは!
私がいないとダメなんだから!」
「ううっ……頭痛い……」
京ちゃんが倒れないか気をつけながらお風呂場まで付き添う。
起きたなら介護の必要はないよね!
「それじゃ、下着とパジャマ置いとくから!」
「うい……」
力なくお風呂に入っていく京ちゃん。
京ちゃんが脱いだ洗濯物をまとめて運ぼうとする。
「お酒臭い……」
鼻を近づけなくてもお酒の匂いが漂ってくる。
くっつかれてる時はお酒臭いし大変だよ。あまりタバコ臭くないのが救いかな。
……お酒の匂いに混ざって香る京ちゃんの匂い。
「たまになら、ね?」
酔っ払って帰ってきてもいいかな……?
カン!
投下終了
乙
オチ村さんはいつオチ村を脱却出来るのか……ww
京ちゃんが会社の健康診断にひっかかって検査入院
その時、宮永家はッ!?みたいなパターンってあったっけ?
【大星淡-エピローグ-】(平行世界)
キョータローと恋人になってから三年!
いっぱいイチャイチャして、恋人らしいことをしたよ!
大学で有名なバカップルなんてあだ名まで付いちゃった! えっへっへー!
……とまぁ、良い事ばかりじゃないのが人生なんだよね。
キョータローのおかげで麻雀にも復帰し、インカレでもそこそこの成績を残ることはできた。
麻雀プロのスカウトも来たんだよ。……経歴が経歴だからあんまりいい条件じゃないんだけどね。
すぐにクビを切られかねないし低年収。
夢を追おうと思わなければとてもやっていけない。
それでも、私にとって麻雀プロは夢だった。
一方キョータローは、お世辞にも良い成績を残せたとは言い難かった。
キョータローの頑張りは私が認める。キョータローの努力をバカにする奴は私が許さない。
麻雀に時間を取られている以外の時間は全部キョータローの専属マネージャーをしていた。
だからこそ、キョータローが辛くてもハンドボールを続けていたのがわかるんだ。
恋人になってすぐ、キョータローに聞いた事がある。
……
…
「ねぇ、キョータロー。
やっぱりまだハンドボールを続けるの?」
「?
そりゃまぁ、やること自体好きだしね」
「その、結果を出せたらサキに教えたり、する?」
一番不安だったのはそこなんだ。
自分でも嫉妬深いし、浅ましいと思う。
でも、私にとってサキはトラウマそのもので、もしキョータローがサキに取られてしまったらって考えちゃうんだ。
「あっ、俺が咲に取られるんじゃないかって考えたろ」
「なっ、なんでわかるの!?」
「エスパーだから!」
「もー! それ恥ずかしいからやめてよ!」
事あるごとにそのネタで弄られちゃう。
ぐぬぬ……。大人になるにつれて昔のノリが恥ずかしくなってきたよ!
キョータローと恋人になってから三年!
いっぱいイチャイチャして、恋人らしいことをしたよ!
大学で有名なバカップルなんてあだ名まで付いちゃった! えっへっへー!
……とまぁ、良い事ばかりじゃないのが人生なんだよね。
キョータローのおかげで麻雀にも復帰し、インカレでもそこそこの成績を残ることはできた。
麻雀プロのスカウトも来たんだよ。……経歴が経歴だからあんまりいい条件じゃないんだけどね。
すぐにクビを切られかねないし低年収。
夢を追おうと思わなければとてもやっていけない。
それでも、私にとって麻雀プロは夢だった。
一方キョータローは、お世辞にも良い成績を残せたとは言い難かった。
キョータローの頑張りは私が認める。キョータローの努力をバカにする奴は私が許さない。
麻雀に時間を取られている以外の時間は全部キョータローの専属マネージャーをしていた。
だからこそ、キョータローが辛くてもハンドボールを続けていたのがわかるんだ。
恋人になってすぐ、キョータローに聞いた事がある。
……
…
「ねぇ、キョータロー。
やっぱりまだハンドボールを続けるの?」
「?
そりゃまぁ、やること自体好きだしね」
「その、結果を出せたらサキに教えたり、する?」
一番不安だったのはそこなんだ。
自分でも嫉妬深いし、浅ましいと思う。
でも、私にとってサキはトラウマそのもので、もしキョータローがサキに取られてしまったらって考えちゃうんだ。
「あっ、俺が咲に取られるんじゃないかって考えたろ」
「なっ、なんでわかるの!?」
「エスパーだから!」
「もー! それ恥ずかしいからやめてよ!」
事あるごとにそのネタで弄られちゃう。
ぐぬぬ……。大人になるにつれて昔のノリが恥ずかしくなってきたよ!
「続けるよ」
「そうなんだ」
「言っただろ、『俺だって凄いんだって伝えたい』ってさ」
「……うん」
やっぱり、キョータローの中にはサキが残っているのかな。
ズキリ、と胸が痛んだ。
「凄い奴の隣に立ちたいって気持ちは変わらないよ。
淡の隣で胸を張って立ちたいんだ」
「……あわっ?」
キリッと真面目な表情でこちらを見るキョータローに、少し顔を赤くする。
「わ、私なんてあんまりすごくないよ?」
「いやー、十分凄いだろ。
麻雀復帰して速攻レギュラー。インカレで大暴れしてプロのスカウトも来てるんだろ?」
「で、でも本当に強い人たちはもう高卒プロになっちゃってるし。
こう言うと恥ずかしいけれど、テルやサキにはかなわないし……」
「それでも、俺からしたら天界の人なの!
俺は凡人代表だから、せめて淡に見合う男にならないとな!」
キョータローがグッとガッツポーズする。
……やばい、超嬉しいかも。
すっごく愛されてるってわかる。
キョータロー大好きだよ……!
「ふふーん、じゃああわいちゃんに合わせられるように頑張りなさーい!」
「任せろ!」
「私も一緒に手伝うから、ね?」
「淡、それ反則だろ……」
なぜか顔を真っ赤にして目を逸らされた。
ムー、確かに素直に嬉しいって言えなかったけれどその対応はないよ!
……ってあれ、照れてる?
手伝ってもらえることが嬉しいのかな、えへへー!
……
…
そんな呑気でいられたのは、ハンドボール最後の大会が終わるまでだった。
ハンド強豪校のうちではキョータローは1.5軍。
何回か出番はまわってきたけれども、特別活躍出来たとは言い難かった。
それでも、あわいちゃんは知っている。
そもそもキョータローがこの大学で1.5軍になるために、どれだけ努力したのかを知っている。
並大抵の努力では2軍3軍の雑用で終わっていたと思う。
それを、私のために貫き通してくれたという事実に顔が赤くなる。
キョータローが格好いいのが悪いっ!
なんと、うちの大学はそこそこいい所まで勝ち進みました。
お世辞にもキョータローが活躍したとは言えないんだけれども、私はずっとキョータローを見てたよ!
そして負けてしまった瞬間を見たんだ。
ベンチからの途中参戦とはいえ、試合が終わった瞬間にコートに立ち尽くすキョータロー。
とても見ていられなくて、本当は走って行って抱きしめてあげたかったけれど、それは出来ない。
キョータローは男としてあそこに立って戦い抜いたんだ。
讃えこそしても、私から慰めるなんて絶対に違うもん!
……こんな考え方、キョータローと会うまでは絶対にしなかったよね。
それでも、遠くから見て立ち尽くすキョータローの姿は、私の胸を痛めた。
キョータローの活躍でも、プロのスカウトは来た。
それはとっても生活も苦しくなるような条件での契約。
もともとハンドボール協会がそこまで大きくないもんね。
キョータローのために何かしてあげたいけれど、何もできない。
一つだけ考えついたことがある。
麻雀プロの道を蹴ることだ。
すごく、すごく考えたんだ。
麻雀プロにはなってみたい。
あの時と違う私がどれだけ通用するか試してみたい。
サキにもテルにもリベンジしたい。
私の試合をみんなに、キョータローに見てもらいたい。
でも現実、私の実力じゃテルやサキには及ばない。
安定した収入は難しい。
でも、フツーの企業に就職すれば収入は安定するよね。
そうやってキョータローを支えてあげれば、キョータローのハンドボールはまだ続けられる。
仕事しながら、主婦みたいに支えてあげるんだ。
昔だったら絶対に考えられないよね。
でも、今はそうしてあげたいと思った。
ずっとずっと続けてきた麻雀を辞めることには抵抗が強かった。
それでもキョータローのために何でもしてあげたい。そう思ったんだ。
それを切り出そうとした日だった。
私とキョータローは同棲みたいな状態になっていて、同じ家に帰ってくる。
家事は分担だけれども、今日は張り切ってちょっとだけ奮発しちゃった。
キョータロー落ち込んでると思うから、せめて美味しいものだけでも食べて欲しいな、って。
お肉なんかも用意して、エビフライも用意して、準備万端!
「淡ー」
「あっ、おかえりキョータロー!」
エプロン姿でキョータローに抱きつく。
えへへー、あざといけどかわいいでしょ!
落ち込んでるキョータローにはそれくらいがいいの!
「話があるんだ」
「えっ」
私を抱きつかせたまま、深刻な顔をして宣言した。
「とりあえずご飯食べるか」
「う、うん」
胸の内は不安でたっぷりだ。
目標を達成できなかったから別れてくれって言われるんじゃないかとか。
そんなこと言われたら引っ叩いちゃうもん!
……ムリ、多分泣いちゃってそれどころじゃなさそう。
「淡」
「は、はい」
「その、な」
とても言いづらそうに首筋を掻いている。
もー、あわいちゃんも気が気じゃないんだけど!?
「俺、ハンドボールやめる」
覚悟を決めた表情で言われた。
あまりに真剣だったから、止めようとすら思えなかった。
「俺はもう上に行けない。
わかったんだ」
「そ、そんなことないもん!
キョータローが努力してきたことは私が知ってるもん!」
「もう就職しなきゃいけない。
いつ首を切られるかわからないような不安定な状況でハンドボールを続けられない」
それは現実的な考えだった。
私が考えていた理想とは大きく離れていて、それでも事実なことはよくわかっていた。
「じゃ、じゃあ」
「普通の企業に就職するよ」
「そ、そっか……」
この結論を出すのに、どれだけの苦悩があったのかな。
私が麻雀を捨てる決意をするのだってすっごく大変だったんだもん。
キョータローのため、って思わなかったらそんな考えなんて浮かばなかったと思う。
「俺、スッゲー格好悪いよ。
すごくなって淡の隣に立つ、なんて言っといてこれだ」
「そんなこと、そんなことないもん!」
「だけどさ」
キョータローが手を私の唇に当てて遮る。
やだよ、別れるなんて言わないで。
どんなキョータローでもいいから、一緒にいてほしい!
「俺、淡から離れたくないんだ」「やだよ離れないでよお!」
「あれ?」
「あわっ?」
「いや、幻滅したろ?」
「するわけないじゃん!
キョータローすごく頑張ってたし、それを横で見てたのはあわいちゃんだよ!」
「約束守れなかったし」
「関係ないよ!」
「そっか……そっかぁ……」
キョータローが泣きそうになっているのが伝わる。
「それでも、ハンドボールは辞めるよ」
「う、うん」
「これまで俺の夢に付き合ってくれてありがとう。
……だからさ」
「今度は俺が、淡の夢に付き合う番だ」
「えっ」
「麻雀プロ、未練があるんだろ?」
ドキッと胸が打たれた。
あわいちゃん専用エスパーのキョータローには見抜かれているのかな。
本当は、麻雀をしたい。
麻雀って、本当に楽しいんだ。
キョータローがそれを教えてくれた。
私には麻雀しかなかったから、ずっと麻雀だけをやってきた。
それがなくなって初めて、世界は曇った。
そしてキョータローがその世界を照らしてくれた。
照らされた世界でする麻雀は本当に楽しかった。
「でも、高校の成績も相まってあまりいい条件が来てないってことは知ってる」
「うぐっ」
「だからさ、俺が普通の企業に就職して養うよ」
……あわっ!?
「や、養うって……?」
「言葉の通りだよ!
あー、もう!」
キョータローが顔を真っ赤にしていることしかわからなかった。
「俺が養うから失敗なんて恐れなくていい。麻雀のプロになれ!」
正直、急展開でついていけない。
キョータローが言っていることは、私が考えていたことと同じだ。
不安定な麻雀プロの道を蹴って、その道がクビになったとしても私の収入で養っていく。
さっきまで、そう考えてた。
「で、でも」
「でもじゃない。
淡は麻雀プロ、やってみたいんだろ?」
「でも!」
「でもじゃなくて、やりたいかやりたくないかを教えてくれよ!」
「……やりたい、よ」
「私には麻雀しかなかった。
キョータローと出会ってから、また麻雀を楽しめるようになった。
どれだけ戦えるか、やってみたい!」
「ならやればいいさ」
「だって、私のスカウト条件じゃいつクビになるか……」
「なったら俺が全部養ってやる。
俺の給料で生活させてやるから」
「ね、ねぇ、それってつまり……」
「淡、結婚しよう」
「……ふみゅ」
「卒業してすぐに……とはいかないかもしれないけれど、淡のことは絶対に責任取る。
もし麻雀プロがダメだったら……、その、嫁に来い」
「キョータロー……!」
「な、泣くなよ……」
「バカ! バカ! 本当にバカ!」
「な、なんで怒ってるのさ」
「私だって同じ気持ちだったのに……」
「俺は淡のおかげで夢を追えたんだ。
格好悪い終わり方だったけれど、今度は淡のために尽くしたい」
「……そんなこと言われたら、やるしかないじゃん」
「麻雀は嫌いか?」
「ううん」
「麻雀って、楽しいんだ」
……
…
・数年後
『やるからには一番を狙う』と約束した。
麻雀よりも大切な人が私のことを応援してくれている。
今の私は『サキを倒す』ためじゃなくて、一人の麻雀プロとしてここに立っている。
ルーキーオブザイヤーの称号をもらって、日本代表選手と挑むためにここにいるっ!
まだまだ実力差はすごく遠い。
今戦っても勝てないかもしれない。
それでも私にキョータローがいる限り!
だから負けてもまた立ち上がれるし、何度だって挑んで見せる!
「チャレンジャーはルーキーオブザイヤー!
与えられた初号は『The Big Star ! !』
そして対戦相手にも因縁があります!
高卒でプロになった同年齢の日本代表相手にどう戦うのか!?」
大音響で流れる実況も聞こえないほどに集中する。
これは宣戦布告なんだからね!
対戦相手を見据えてから、カメラに向かってVサイン。
大きく息を吸い込んで……。
「未来の須賀淡ちゃんは負けないのだ!」
エピローグ完。そして1話へ。リクやシチュがあればこの平行世界でイチャイチャさせます
>>886
【京ちゃん、麻雀で覚醒!】の反応が似たような感じですね
せっかくなんで別パターンも考えてみます
1/11
688
京太郎の誕生日とその準備
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|: :イ |: : :|:从ィ雫ミ \ _)::刈 }: : // V: : : |
' l |: : :乂{ _):::} Vzり/:イ } ノ : /リ 「よしっ、やるぞー!」
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': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
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,': :/ |: : : : :从\:. 乂zリ /: |: |: : : : :|: : | 「京ちゃん、喜んでくれるかな……」
ー ´ : : : : : : |: : ∧ ' ム: |: |: : : : :|: : |
,: : : : : |: : {:∧ _ , イ |: : |: |: : : : :|l : |
Ⅵ: : : :|: : |: :个:.. < |: : |: |: : : : 从: !
∨ : : ∨ |: : {: : : : : :≧=-r ´ /⌒|:/: : : :/ Ⅵ
\: : :\}: : \: ヽ : / ∧ _,/ /'/: : ,.く
\: } \>:,.イ /⌒\/ ,.- /:/、 \
\ // ,' / / /イ- 、 \ ∧
/,イ / / //´ \ \∧
_/// / ̄/ /,.イ/ ∨ } ∧
「{ / ,:.:/ / / _,/:.:// }/∧ .
_ | | { /{:.{ / ´ ̄ ̄:.:.:.:.:// ,′ ∧ }
/ Y| | Ⅳ ィ介、:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ / /////∧〉
r ¨´ 、 Ⅵ V:.://:.:.} ̄ ̄ / {//// /
「´ ヽ ヽ}|) {:./ {:.:.:.| 乂 ´∨_/
2/11
須賀咲ちゃんです!
今日は姉妹の力を駆使して誕生日プレゼントを買いに行くよっ!
京ちゃんの誕生日といえば、宮永家では一大イベントの一つ。
普段お仕事を頑張ってくれている京ちゃんのために、ささやかなものをプレゼントするんだ!
……とはいえ。
「もうネタがないんだよね……」
「(´・ω・`)」
そう、私もお姉ちゃんもネタ切れです。
かれこれ誕生日プレゼントだけで十年以上、クリスマスなどを含めるともっと増えるし。
年々どうしようもなくなって行く感じがするんだよね。
マフラー・手袋なんかから始まって、ボールペン・ネクタイみたいな大人向けのものも渡してます。
京ちゃんと二人して「もうプレゼントのネタもないから適当でいいよー」なんて言い合っているけれども、いざ時期が近づくと気合を入れちゃいます。
京ちゃんだってお小遣いは少ないはずなのに、クリスマスにはしっかりプレゼントをくれたし、私も何かお返ししないとね。
ま、まぁ、私が使うのは京ちゃんが稼いでくれたお金なんだけど……。
「お姉ちゃんはどうする?」
「何も浮かばない……」
「だよね」
「肩たたき券?」
「子供かっ」
3/11
……
…
・その頃
_ -‐==‐-
/. . . . . . `
-‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ
/ : . . .
/ / / `ヽ : : : :
/ / .i .ト : : : . __ニ=-.
./ . :/ | | ヽ : : : :\
/ . :/ { i‐-ヽ : : : :._\ \
./ .: :{ i ', ! ___\ .: : :/ ヽ:\: : :ニ=- ̄
/ : : :| i : :| | |≠r:::rュミヾ i{ .ハ ∨:∨ミ、
./ /|: : :i :.{ : : !`ヽ !| {つ:i!::::} `ヽ| 〉j. 〉: : :}
// |: : ', : :i: : :!ニミヽi\{ 乂zzソ /|: : !|
|: :i:ヽ : ム:.:|fっi!:} {: :i : :|‐-─ 、- 「出来たー!」っ肩たたき券
|: ト: : \ヽ|匁ソ , / i/| : :|:.:.:.:.:./ ヽ
|:.| }: : : :ゝ ‐- / !/i|:.:.:/ i
t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、
\ -‐ /. : / ヽ
>‐──.、. : : :. / -‐‐、 /
_,「 . : :): . / イ ニ=- ~
/ f .:| : :r / // ~ ‐-ヽ
/ | : :ハ : :! /| / i
/ __ i: . : :、/|__ ∠ / ‐ // |
/`-‐ / / | __ -‐/ / |
/ : : : : .:|:.:|: : :| : :./! :.,.'|: : : |',: : : : ト: : :ヾ:: ',
. / : { : !_,|.-‐|‐:.,' {: : :| |: : :ィ¨',゙ ̄:|ヾ、, : !: |:: i
/: : : : |: : |: :ィ":,'マ:.!::,' .',.:.::| |: : : | _,.',: : | ヽ:`ト:. : : |:: |
: : : : : {: : { :,'.|:.| ',:レ ヽ;| |: : : | ,≧:|_ マ:|',:. : |:: }
__,.ィ: : '.: :',:.{:.|/ _,.ィ==ミ ヾ,: :! ィ ,..'⌒.ヾ、.ソ !!: : :リ::./
. l: : : ',:.:.',', ィ".,' ⌒: ヽ ヽj i_::::::::: !ヽ .リ:.: :,'::/
. |: : : : :,:.A | { :::::::::: } .ィ゙::::::::: ノ / /: /!/
. |: : : : /\'ヽ. 辷;;;;;ノ `゙'''''´ .//ノ-‐''" ̄ ヾ 「!」ブイッ
.レi: : / ヽ∧ ⊂⊃ ` ⊂⊃ " /: : : :..: : : : ̄` ' 、
ー==,.∨ ̄ミ=', .___, . /≡ィ゙\: : : : : : :
_/ .: : ゙∧ /ヽ `ヽ\: : : : :: : : : \
_/ : : : : : : /{"゙,ヽ , へ :: - \: : : : : : : ヾ
/: : : : : :ィ‐'"__} ',:. > . __, . - "〃ヽ \,.' ヾ: : : : : : ヽ
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!::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
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. !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ 乂_ソ ;:::::::::::::::;
. ‘:::::::::::::\}:::::| 、、、 , 、、 ,:::::::::::::::;
‘:::::::::::::::::|:::::| ′:::::::::::; 「うふふ。良くできてるわよー。
‘:::::::::::::::|:::::|\ 、 _, .イ::::::::::::::/
‘:::::::::::::|:::::|:::::l` . . イ::::|::::::::::::/ (肩たたき券なんて、京太郎さんはすごく喜びそうね)」
. ‘:::::::::::|:::::|:::r| ` ┬=≦l |:::::|:::::::: /
\::八::::|:∧\ l| |\ノ |:::::|:::::::::|
_\:::::|':::∧、\ l| | ⌒i|:::::|:::::::::|
/ \:::::::∧\\ l| | 八:: |:::::::::ト、
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4/11
……
…
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. / .:八:.:{.:.:.:.:ト.:i:.| 斗=气 ´ "" }/ }/ |!.:.:.:.:.:.:.丶
.:.:.:.:.:.:.:.:.イ.:.:i|::乂〃 Уソ リ.:.:.:.:.:.:.:.:|
./.:. '" |i:.:.リ.:.:.:ハ ´"" ′ __/::}.:.:.:.:.:|:.:.|
´ |i:/.:.:.:.:.:::::::. /:::::i|::/.:.:.:.:.i|.:.:| 「とにかくデパートに行ってみよう。
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:込、 ´ ' イ:::::::リ/.:.:.:.:.:八:i|
i:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|:::::::..... /|::::::/.:.:.:./ :リ 見ていれば何か浮かぶはず」
|.:.:.:.:.:.ト.:.:.:.:.|:::::::::::::>.、_ |:::::/.:.:./ ′
八.:.:.:|.:| \:|:::::::::|i::_, く} ト/.:/
\{──<´ ̄ \\ |:イ \_
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/ 丶 、::::、 }:::} } 、
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↓
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': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :、: : :.
{: : ,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}: : l: 、
|: :,: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /): :|: : |、: :. 「お姉ちゃんどこ行った!?」
|:∧: : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ{∧:|:|: : | \〉
}' 、: : : : : : : : : : : : : : : : l: / Ⅵ/∧: :!
∨:、: : : : : : : : : : : : :/イ u |/ ∨
}:/\:|: : : : : : : : / 人
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_,.::―/:::::::::::::::::::::::::::≧≦--r---、
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/:{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |::|/' }
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´ T T ―r――r、―――――‐ ' }
5/11
即落ち1レス迷子だよ!?
2レス持たなかったよ!
状況を振り返ってみよう。
結局いい案が浮かばなくて、二人で大型デパートを探索しようって話になったんだ。
デパートに一緒に入って、案内板を見た所までは一緒にいた……はず……?
そのあと横を見たらお姉ちゃんがいませんでした!
よく考えれば私とお姉ちゃんの二人で買い物に来るって自殺行為だったよ!
でも京ちゃん連れてきたらサプライズにならないし……、いつも頼んでいた和ちゃんは忙しいみたいだし……。
一人で買い物くらいなら出来るんだけれども、誰かといるとはぐれちゃうんだよね。
それにしても困ったよ。
このままだと館内放送でお姉ちゃんを呼び出さなきゃいけない。
携帯電話で合流? そんなことしたら日が沈むよ!
最悪、探し出そうとして別の建物にまで行きかねません。……私がやりました。
でもでも、こんなところで『迷子の宮永照さん』なんて呼び出ししたらお姉ちゃんのブランド力が……。
お仕事に差し支えるってレベルじゃないし、それは出来ないよね。
うー、どうしよう……。
6/11
'" . . . . . . . . . `
/ . . : : : : : : : : : : : : : : . . \
/ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
/ . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
/ / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
/ /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
′ . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
|人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
__i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
_/ { / //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
/ { /∨ ,イ〃h!i:i:i :! ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
__/ ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ 込 _ン'′!:. :.:.:|:.| 「松実玄!
'" /\ノ:.|ハ , ハ: :. :.|: |
/ __ イ: : :i! """ __ """ iノ: : : l: :| 『二人』を回収しましたっ!」
} /:.:|: : :.lヽハ i } 人 : : : : : |
//: : i!: : :|: : :.ゝ 、 ノ イ: :.:l:. :.:/ : :.l
__ '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :> __ <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
/ __. i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__ __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
/`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く 入__/^ヽ ` y/¨´: : : : : l
ハ \ \∧ ∧ / ` .:.:..l
. / ! 、 | x─‐ヘ x─‐┐ ’'ヽ
´ / `| 〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈 ハ
ー‐ | 〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉 ′ l
、 V 〉__/i! 〈\.:.:. :.∧ |
-‐──‐-
. ´ `ヽ、
/
/ ,
/ / /| ト、 ′
∠._/ / i| i \ 〕
〔 |/ 八〔\ .' \ / ヒョコっ
. |∧ :| ┯:┯ V ┯:┯∧ / j
' ∧| 乂ノ 乂ノ ∨、 |
. /:Ⅴ "" ノ | 「もう、迷子になっちゃダメでしょ」
/::::入_ _ < / /| /
/\ /∧ノ へ ̄ ̄/ \リイ/ / 〔′
 ̄\\ r‐' \/ //\ /
\ヽーヽ └─ー/─' \
丶ー| 〉 〈 | 〈
| .〈∧/ !__/
| | |
,. :' : : : : : : : : : : : : : : : :>.、
./ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : ,ィ: : : : : : : : : : : :ヽ
/. . . . . . . . / l: : : : : ト、 : : : : : :.
,' : : : : : : : : : : : : / l . . . . l .',: : : : : : : :.
,' : : : : : : :l: :,i : : / U l: : : : :! ',: : :l: : : : :.
i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
!: : : : ;、: :レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ: :l : : : : : !
',: : f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ : 、 : : !
',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :} \ノ
',:乂_ ` .!ヘ:ノ 「迷子になったのはお姉ちゃんでしょ!
',: : : : 丶、 U ,--、 u ノ
ヽ{\ : : ㍉  ̄ ,, '' って玄さん!?」
`^≧| ┬ァiフ¨
///∧ Kヽ、
//////∧ }//> , 、
/ \//////∧ー―l///// }
7/11
どうやら、偶然買い物に来ていた玄さんがフラフラしているお姉ちゃんを見つけてくれたらしい。
そのまま私を探してくれて、今こうして一緒にいます。
「えへへ。事情は聞きました!
デパートの案内は松実玄におまかせあれっ」
「もう、玄さんには何から何まで……。
(じ、地元は私たちなのに……)」
「玄、まずはご飯でも食べよう」
「照さん、お腹すきました?」
「うん」
「うーん、お弁当を作ってくれば良かったなぁ。
あっ、でもこうしてお出かけしたんだから外食するのもいいですよね!」
「(お姉ちゃんお姉ちゃん! 良妻賢母だよ!?)」
「(玄の女子力は全てを塗りつぶすからね)」ドヤッ
「(なんで誇らしげなの!?)」
玄さんがものすごく頼りになるのは嬉しいけれど、こんな駄目姉のお世話までしてもらって罪悪感がすごいです……。
≦:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ:: :: ::.::.::ヽ
ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i
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/ソ|`::::::::::∥::i |:::::::::::::::;| .i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
. ∥ |::::::::::::ハ::|. {:::::::::::::::| ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ヾ|`|/ヽ|ソヾ:::::ハ|ー≦\::::::::::::::::::::::::::::|
|::::::::ハ ィ.爪ハ .ヾ:i イ斤心 }:::::::|ヽ::::::::::::::|
. |::::::::::::i 弋っリ 込:::リ.|:::::::i |:::::::::::::::|
i:ハ:::::::::| xx , xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::| 「(霞さんから『絶対に迷子になるからお願い』って言われたんだよね。
o .i:::::::::i u |::::::::|:::::::::::::::::::|
i::| ト::::::ヽ. _ i::::::::|:::::::::::::::::::::| でも、黙っておいたほうがいいよね。楽しいお買い物になるといいなぁ……)」
ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、 .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
/ノ | |.:.:.:i::::::::::::::::ソ` 夭 /|::::::ソ:::::,:::::::::::::::::::|
|ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆' i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
|:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
|.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀 /.:.:.:.:./:::/ .ヽ|
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|.:.:.i:::::::/. <ヽ イ ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/ / .|
8/11
……
…
「なるほど、プレゼントをどうするか困ってるんですね」
「うん。玄ならどうする?」
「私もお姉ちゃんやお父さんへのプレゼントに困ったりもしますよ。
でもやっぱり、最後は気持ちがこもっているかどうかだと思います」
「気持ち、ですか?」
「同じものをプレゼントしちゃいけないってことはないもん。
私のお姉ちゃんにはよくマフラーや手袋をプレゼントするけれど、喜んでくれるんだ。
考えた末に出した結論だったら、目新しくなくてもきっとわかってくれるよっ。
それに、咲ちゃんの旦那さんだもん。絶対にわかってくれるよっ!」
「ぅひ。そ、そうかな」
「だって相手の気持ちなんてわからないもん。
プレゼントって、相手のためを想ってやることだけれども、自分のためでもあると思うんだ。
咲ちゃんが『これでいい』って決めたなら、それが一番いいと思うよ」
「く、玄さん。すごいですね……」
「えへへ。そんなことないよ。
旅館だとお土産をどうするかの相談が多かったから、年長の従業員さんの受け売りなのです」
それでも、天使のような笑顔で後押ししてくれる玄さんが輝いて見えるよ!
ううっ、やっぱり凄いなぁ。
玄さんのお嫁さん力は高すぎるよっ。私がお嫁さんに欲しいもん。
京ちゃんが見たら私なんかより好きになっちゃいそうで怖いかも、なーんてね。
「うん、決めた!」
「私も決まった」
「それなら良かったです!
案内するから買いに行こう!」
今回の京ちゃんへのプレゼントはこれだっ!
9/11
そして玄さんの先導で、仲良く女子トークをしながら買い物を済ませたのでした!
えへへ、自分のために買う。って言うのが今回のきっかけになりました。
お姉ちゃんも満足した買い物ができたみたい。
それからは折角なので3人でウインドウショッピングをお楽しみ。
やっぱり、玄さんと一緒にいると癒されるなぁ。
「玄さんにはいつもお世話になっているから、何かお返ししたいです」
「ううん、私も楽しいもん!」
「だーめ!
私のために、お返しされてください!」
「あうっ。そ、それを言われたら何も言えないね……」
「何かないかなー」
「そ、それなら!
咲ちゃん。一つお願いがあるんだけれど、いいかな」
「何ですか?」
「その、私も京太郎くんに誕生日プレゼントを贈ってもいいかな?」
「えっ、そんなの玄さんへのお返しにならないですよ」
「ううん、そんなことないよ。
お世話になったこともあるから贈りたいんだけど、お嫁さんがいるのに女の子からプレゼントはどうかな、って遠慮してたのです」
「そんなの、いいに決まってるじゃないですか!
でも、それとは別に私からお礼しますから、覚悟してくださいねっ」
「あうっ。……えへへ。
ありがとう、咲ちゃん!」
年甲斐もなく玄さんに抱きついて甘えたり、お姉ちゃんもうずうずしていたりととっても楽しい一日でした。
京ちゃん、今年は尋常じゃなく祝ってあげるから楽しみにしててね!
10/11
……
…
「咲ちゃんは優しいなぁ」
思い切ってプレゼントしてもいいかを聞いてみたら、すぐにオーケーをもらえちゃった。
普通なら他の女の子からのプレゼントなんて嫌だと思うんだけれども、すごく優しい。
「ううん。咲ちゃんの優しさに甘えすぎちゃダメだよね。
あんまり高いものとかはあげないようにしよう」
私にとって、京太郎くんも咲ちゃんも大好きなんだ。
だから、一人の人間として遠慮するところはしないといけないよねっ。
「手作りのマフラー……」
よくお姉ちゃんにプレゼントするモノだ。
正直、結構自信があるのです。
「これにしよう!」
そう、これを二つ作って咲ちゃんにもサプライズでプレゼントするんだ。
色違いのマフラーを夫婦でしていれば誤解もされないもんね!
これなら『他の女の子から手作りのマフラーをプレゼントされた』なんて邪推する人もいないだろうし。
咲ちゃんの気遣いにはこっちも気遣いで返さないといけないよね!
「頑張るのです」
マフラーを作る準備を整える。
気持ちを込めるときには、必ず考えて作るんだ。
もらった人が喜ぶ顔を想像して作れば、自分も楽しい!
( )
i ニlニ○ _L/、 / (⌒ ⌒)
{ cト ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ て人_)
. ―― ..
/ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ /
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:.. :/ } ハ
/::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.  ̄
/::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
{: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三 三ミメ.|:/|:.ト{ \
/:{ V:|::.|::.:.|´i `|:: |:.|
|:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__ /// |::.i!:.!
{i:{:: :ハ::.: 込{. __ (__ ノ .ィ}:リ|: 「二人とも、喜んでくれると嬉しいなっ!」
乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
/:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/| ( )
イ.:/::.:.:.:. / /\ { {:小{ (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ |! 人.}:.{ て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人 ,八 ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、 / 乂 /:.:|
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……
…
・オチの時間
/ / ./ ,ィ ヽ ヽ_
/ / ./ // /! |l! .lY'::::::::::)
; i くlハ //,ィ / .| リ! j l }::::::::::l!
|イl! ' _`Vメ、 l / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
ゝゝ| ;´んィ:!` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
|| l 弋_丿 'んィ:!.ヽ// ,' ! } }
|| l 、、、 弋_丿 // .,ヘ .! j/
|| l ' 、、、 // ./イ |
|| ::ゝ. __ // ./. ! | 「今年こそ処女をプレゼントします」(真顔)」
|| | l > ´‐-' _イ//∥| l |
|l!. l_L:;ノ:.ト!¨ T¨ェ:://.∥ll! l |
l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .! |
/-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .! !
. / | >ヽ ヽ:.:.:l l;'///: :/\ .| |
. / l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、 \ |
人.. V } :!:ヽV/'/l;;;_/ Y ..人 !
. / ヽl l ! [__] / .l i/ ヽ|
-‐……‐-ミ
. ´ `ヽ
. ' ヽ
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// |// . : .:/ |ハ: : | \ト、 : : : : .: .:|
〃 ′ . : :/ 乂{ _,,-‐ ¨ ヽ.: .:|.: .:.|
{{ i :| . : :/ー-- ′イニミ、 :i: : |Y: :|
{! | :| . :/ _ ニミ ィf乏心 〉!: :.|ノ. .′ 「ダメよ須賀君。私初めてなんだから……っ」(妄想中)
`ー- ヽ| : :i 〃乏ハヾ 乂zク ′ノ.: .:,'
ヽ.:.:.:|ハ乂zク /:/:/:/ :イ: : :/―_ァ 、
. 人.:{ヽV:/:/: ′ (イ. ! :ノニニ/`ヽi
_ヽ_:込、 ~~´ .ィ)j=={ニニ7
__∧ニ厂「`≧=- <ニニ/. : :{ニニ/ マニニヽ
. ´ =ァ :`¨¨´. :ノニニニ|-‐‐-「ニニi : : 人_/ マニニ〉
〃 / : : :/:/ニニニニ{ !ニニニ| |: : :{>、) ___マア
{{ { : /: :ハ:i:iマニニニハ |ニニニj人: : :ヽ ノ 〈
\ 人{: : : { マi:i:`マニハ ムニア´i:i:i:>、: :} / ___
/ `ー-、) ヽマi:i:i:`マャjア´i:i:i:i:i:/Уjノ , イ_ ノ }
. { ̄`ヽ、 `ヽ._| `ー-[二]-‐‐一'' / _,/ ! __ノ
\ `Tヽ、_| /i:i:i:| 〈イ レ'´
投下終了
玄「心を込めるなら素材から手作りしないとダメだよね!
すいませーん!」(専門家を訪ねる音)
1/8
914
淡を慰めつついちゃいちゃする二人(平行世界)
「うぐぐぐぐ」
家に帰ってベッドに身を投げ出す。
やる前から覚悟はしていたけれど、やっぱりトッププロは強いよね。
私だって負けるつもりはないけれど、あっちは高校卒業から最前線で戦い続けているんだもん。
その努力の差が今日の負けに繋がったと思う。
努力をしている人の大変さは、キョータローを見ていたからよくわかる。
気遣いできるように、あわいちゃんだって成長してるんだもん!
「でも、次は負けないし」
私だって生半可な気持ちでプロになったわけじゃない。
キョータローが支えてくれるんだ。
簡単な気持ちで諦められるもんか。
とは、思ったんだけれども……。
´ \__
/ マ三三三三三三ニ=-
/ / \ ∨ /⌒> 三三三ニ=-
,′ ヽ \三三三ニ=-
/ _/ │ ∧ . | ニ二 -=ニ\三三三ニ=-
. / / /│ '| |\ :. :. i |\  ̄`丶三三三
__/ / / │/│ | :. |\ :. | \三三
_/´/ / /| \| | | | |│ ::. | 八 ー―‐=ニマ三\ マ三
厂| |∨// 人 レl | ト-| | |│ ::. │ \ \ `マ三) }三 「ぐや”じぃ”ー!!」
__,,... -┤│レ/゙∨ /\l |_|斤テ外八 ^ト--|/--│ ー=ニ二 `マ /_三
││|{ {. / ∧ンリ 乂ツ \|斗テ外、.| 卜、 丶、______ く_三三
| ∨\八 { / Y::/::/ , 乂)ツ 》│ | /\ \≫==≪\ マニ三
__,,,... -‐ヘ_ \,,>\∨廴_,人 ::/::/ / リ│ │ >ー──=ミ〃 `ヽ∨ニ三
 ̄ \__,)) ヽ ∠/_7 イ /⌒)丿 \_ノ{ -‐~‐- }ノ三三
≧=‐ -=≦ / ∧|/ / ,.二二二二∨|\___/| ̄ -=
/ / 厂∨ / -――=マ 〉| |
((⌒´ ∨ 〈 ∨/l. │
`ーヘ ∨| │
`、 ヽ、____丿
\ \
2/8
もともと負けず嫌いな私の性格が治ったわけじゃないもん!
もうすっごく悔しい!
インカレはプロに行かなかった人が多かったし、かなり優秀な成績を残せていただけに久しぶりの挫折だ!
「しかも、カメラであんなこと言っちゃったし……」
全国放送だよね……。
「あわぁぁぁぁぁ!!」
テンションと雰囲気に合わせてとんでもないこと言っちゃった!
誰もキョータローのことなんか知らないだろうし、そもそも『大星淡』自体もそこそこの成績を残す一選手でしかない。
そんな人がいきなりあんなことを言い出すなんて、どう考えても引かれるよね!?
っていうかあれ、生中継じゃないよね?
編集でカットされるよね? 大丈夫だよね!?
生中継だったら生きていけないよ! 恥ずかしすぎるよ!
全部キョータローがいけないんだもん!
私悪くないよ!
キョータローのせいでちょっと浮かれちゃったんだもん!
うん、あわいちゃん悪くない!
とりあえず、キョータローが帰ってくる前に言い訳を考えて……。
3/8
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
_/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | | :
 ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ |: , ´/}/_}∧ | | |
/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「ただいまー」
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ //
_ヽl\ //イ__
|////} ` ー ´「////|
|////| :. / |/[__}/|
,...<////∧ , |/////> 、
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, </////////////////}____{/////////////////> 、
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¨ ̄ ̄ ̄¨ 、
/ _/ ̄} ̄`ー-、
/ ./ /{____:}⌒ _ \
/ ./ /└.//-‐ /l \ \
| |. /'‐-// |. / .i-‐''\ \
/ .| {.〃⌒ヽ |/〃⌒ヽ |:| 》
// ./| |.{i. (^ノ i} {i (^ノ i}リノ / 「私はあわいちゃんじゃないよっ!!」
-‐=ニニ二二二二二二 / ./:::|::::ヾ 二ノ ヾゝ.イ|: /
. / / ./:: ∧::∧ 丶 フ |:|r,人
(( // ./::::/::::\. \┌--‐ /「/^i \
. ヽ /.::/ ./ /: ‐-┐ヽ. / { ヽ\ 二二二ニニ==‐
/..::::/ /:〈 -==} i} } .}\\ ヽ
/ // / :∧:::} : // ̄\/ / / \\ ノ
/ /.::/ / /∧{ : {.{\. \/ / \\ /
/ ./| / //└-=:\\ / \\
( (. | / ::/:::∧:::::::〉 \/ ) )
ヽ } / ̄{{__ .// }::: / //
\ / :. \.. ´ 《∨ /
/ .|::. -===={ }=r‐-==‐-┐
ノ {/\ / / / ̄ ‐-
-‐=='´ ∨/ ‐-‐::::::/ / }
< i/ ∨/// / / |
\ i ∨//// { /‐-===┐ :|
\ ∨// ヽ../ } :|
/\ |-‐  ̄ ̄ |
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. / ,. ` | |
/ ,. ` |. |
. rr/ ` |. :|
. / {冂./ | |
/ / } |
. {{. { {二二二ヽ_
. \__〕 {_____〕
4/8
「……そっかァ」
「そうだよっ。
通りすがりの金髪美少女なのだ!」
「いやー、不審者が家に入っちゃったなー」
「た、大変だねぇ」
「これは通報しないといけないなァ……」
「つ、通報はやりすぎなんじゃないかな!?」
「むしろそんな格好している淡がやりすぎなんだよっ!」
「なぬ!?
ど、どこからどう見てもあわいちゃんじゃないし!」
「もうちょっと頑張って変装するなり隠れたりしろよっ!?」
「違うし! あわいちゃんじゃないもん!」
「ほほーう、そんなこと言うのか。いいんだな?」
「な、何さ」
とっても嫌な予感……。
「俺はエスパーだから、淡かどうかなんて一発でわかるのさっ」
「あわぁぁーっ!
それ言い出すのはヒキョーだよ!」
「バカなことやってないでそれやめなさい!」
「はい……」
ぐぬぬ、完璧な変装だと思ったのに……。
5/8
「正座」
「うむ」
「うむじゃない!
まァ、こんなことをした理由もわかるけど……」
うえっ!?
ま、まさか見てたの!?
キョータローは仕事中だったはず、試合なんて見てなかったよね!?
「試合に負けちゃったことは聞いたよ」
「そ、そっか」
それくらいなら……。
本当はそれだけでも悔しいんだけれども、誤解してもらえるならありがたいかな!?
「……えい」
「あわっ」
急に引き寄せられて、抱きしめられる。
スーツのままだからシワになっちゃうよ、とかちょっと汗の匂いがするな、なんて細かいことが先に浮かんだ。
それから数秒して、キョータローに抱きしめられている事実を認識した。
「ふみゅ」
「全く、次勝てばいいだろ」
「えへへー!」
そう言ってゆっくり抱きしめてくれる。
恋人になった時はおっかなびっくりだった手つきも、安心させるように背中を撫でてくれる。
負けちゃったけど役得かも。
6/8
「キョータロー、汗臭い」
「おまっ、慰めてやってるってのに」
「えへへー。急いで帰ってきたの?」
「う、うるさい。
じゃあ風呂に入ってくるよ」
「ダメ。もーちょっと!」
「ほんと、わがままなお姫様だな」
「お姫様だもーん。ワガママでトーゼンじゃん!」
「はいはい」
今度はゆっくり頭を撫でてくれる。
むっふっふー。あわいちゃんの頭を撫でていいのはキョータローだけなんだからね。
それに、キョータローの匂いは嫌いじゃないよ?
えへへー、今更だもんね。
キョータローのことはなんでも大好きだもん!
そうやってしばらく慰めてもらっちゃった!
背中を撫でる手が痛い、なんて言い出したけれど止めさせないもん。
「それじゃ、これくらいにするか」
「あう」
「あうじゃない。キリがないし」
「ムー」
可愛い彼女なんだからもっと甘やかしてくれてもいーじゃん!
7/8
キョータローがスーツの上を脱いだから、それをハンガーにかけてあげる。
えへへー、お嫁さんみたいでなんかいいよね!
「ああ、そうだ」
「なにー?」
キョータローの方を振り浮くけど、キョータローは顔をこっちに向けてくれない。
わずかに見える首筋が赤くなっているのが見える。
どーしたのかな?
「その」
「なにさー」
「なんつーか」
「もー、勿体ぶっちゃだめー」
「……あー、もう!」
,. --- 、 ____
/, ´ ̄ ̄` '⌒´ \
、_/_/⌒ヽ , / ヽ
,---、 / // : ヽ :.
, / ̄-/ /' { | | | :
/ __  ̄,./ /-' l| l | |___ l | |
.:' / ,イ _| | |ア__l { { | / }`| | |
/ ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 | |
/\'´ /{ | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
////\ r--- ´八 !∧  ̄ ,: :.:.: }/ノ/ リ 「須賀淡は、もうちょっと待ってくれな」
. ///////\ \}∧ u 八/
//////////〉 込、 __ ,.: /
///////// / }>、 ` イ |从
,'//////// / _ /--、l ` ̄ :, |--、
.///////// / イ/////\ {////} / 「///|
'//////// /´// {////////ー '|////| , |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \ |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、
8/8
ボンっと顔が爆発したように赤くなった。
キョータローも恥ずかしいのか、急いでカッターシャツを脱ぎ始める。
「そ、それじゃ風呂入ってくるから!」
まるで逃げるようにその場を去ろうとするキョータローのシャツを掴んで止める。
考えてやった行動じゃない。無意識に掴んでいたんだ。
「キョータロー……」
「な、なんだよ」
そのままボフン、とベッドに仰向けで転がる。
顔が熱っぽくて、目が潤ませる。
/ / // . :〃 . :iト、|:. | ヽ ヽ ヽ
乂 .′ / ,イ .:/ ! . :i| |:. |\: . ハ
.′ i`ーァ′/ ! .:i | . : | |:. | \: . ヽ: . ____ i-‐ ´ .
.′ !/ . : ′| .:| | . : | |:. | \: .  ̄| ̄ ̄ `ヽ:
/i| :|. :| | .:| | . : ! |:. |_,,-‐====‐\ . : :| . :|: . i
j〃 . :i| :|. :|‐===┼- | : j -‐ \: . . : | . :|: . |
/ . :i| :{. :! \八 . : | jノ , -‐ __,,.⊥ . : } . :|: . 人
′ . : 八 Ⅵ ≫=ミ、 . : ! ≫≦Y⌒'マハ:、 . : .′ . :|: . : .\
i . :i . :\{ハ 《 )i:::::::ハ\{ ″{ .)::i::::::::::}::} 》 . : / . :/!: . \: .\
| . :| . :i '. ヾ い;::::::jj 八∨乂 _;ノ:ノ . :/ . : |: . : .`ー- 「ヨコー練習、してもいいよ?」
| . :| . :| . :| . :l'. V辷ク ゞ゚-‐ ' . :/ . :/ . :|: . .
| . :| . :| . :| . :|ハ / . :/ . :/ .:.:|: . : .
| . :| . :| . :| . :| :. , / . . : .′ . / . : :|: . : : . .
| . :| . :| . :| . :| :. / ,. : ,イ . :/ . : 人: . : : : . . .
|..:i:| . :| . :| . :| ゝ. 、 ノ .′ // / . : : / . :.:/ \: .\: .
l :从 . : :| . :| . :{ / > . { /' / . : / . : : .:′ \: .\: .
乂{: \. : :!\〉、:\_/ . : .:〕jッ。. . ィV`ヽ /. :/ . . : :/ \: .\: . .
`\ \{ \;/ . : .://{{ ` ´ | |│ ,// . : .:/ \: .\: . .
……
…
結局、お風呂に入るのは1時間後になりました。
カン!
投下終了
1/11
683
麻雀プロになった宮永姉妹を支える京ちゃん
いい匂いにつられて目が覚める。
これは目玉焼きの匂い……。ベーコンとウインナーの匂いもする。
急いで台所に向かおうと思ったけれど、お布団の暖かさが恋しい。
ぐぬぬ。それでもお布団なんかに負けてはいられない。
勇気を出して、さぁ一歩を踏み出そう。
「おねえちゃん……」
一緒のお布団で寝ている咲の寝言が耳に入る。
咲はとっても甘えん坊で、起き上がろうとする私を離そうとしない。
「もう……」
ポンポンと頭を撫でてあげると、『にへへ』なんて笑い出す。
ほんと、どんな夢を見ているんだろうね。
頬っぺたをツンツンとつついて見ると、『うぐぐ』と呻きだす。
もーちょっとだけ、お布団の中にいようかな?
2/11
「おはようございます!」
「おはよう」
「京ちゃんおはよー……。
まだ眠いよぉ」
「ほらっ、寝癖がすごいぞ」
「わわわっ。自分で直せるよぉ」
「いいから動くなって。
ご飯食べるときにもちゃんとしなさい」
朝から京ちゃんとイチャイチャする妹を見て、ちょっとムッとする。
私はちゃんと髪だけでも整えてきたのに、何も言ってくれない。
それに、京ちゃんに髪の毛を整えてもらえるなんて羨ましい。
ムッとして頭を京ちゃんに差し出すと、『あはは……』なんて笑いながら体ごと抱きしめられる。
むふー、咲に勝った。
「あー! お姉ちゃんずるい!」
「ずるくない。
咲だって髪の毛を整えてもらっていた」
「はいはい。
言い争いは後にして朝食食べますよ」
「「はーい」」
そんな些細な姉妹喧嘩も、京ちゃんの前では形無しだ。
一度ご飯を食べ始めれば『今日も朝食美味しいね』とか『ウインナーの焼き加減が最高!』なんて話題で埋め尽くされる。
そうして褒められて照れている京ちゃんを見るまでが朝の出来事だ。
3/11
「お姉ちゃん、麻雀は別腹だからね!」
「ふふっ、咲。
別腹の意味がおかしいよ」
「あ、あれっ?
その、麻雀では手加減しないんだからね!」
ちょっとポンコツな咲が可愛らしくて、年甲斐もなく抱きしめたくなる。
私たち姉妹は麻雀のプロ、そして京ちゃんは私たちを公私ともに支えてくれるマネージャーだ。
二人して全日本代表となって、仲間であると同時に所属チームは違うからライバルでもなる。
咲とこうして一緒に戦い、競い合う。
本来ならばどちらかしか出来ないような夢だったのに、咲はそれを叶えてくれた。
「前に一緒にいられなかった分、今甘えるんだもん」
「咲は本当に甘えん坊」
「えへへー!
そのために頑張ったもん!」
トテトテと私のあとをついてくる咲の頭を撫でてあげる。
もう、いくつになっても甘えん坊なんだから……。
「咲、照さん。準備できましたよー」
「お姉ちゃん、行こっ」
「二人とも酔い止めはしっかり飲んでなー」
そして高校でも大学でも、プロになっても辛い時に支えてくれた京ちゃんがいる。
そう、私たちは絶対に負けないんだ。
4/11
「疲れたよぉ」
「確かに、疲れたね」
プロとしていろんなところを飛び回る以上、仕方ないことだ。
それでも慣れるのには時間がかかる。
まして、海外にも行くこともある。
今回の遠征は本当に疲れた。
「今日は私の日だよね?」
「違う、私の日」
「ぐぬぬ……」
「譲らないもん」
家に帰って京ちゃんのご飯を食べて、京ちゃんが洗い物を始める。
そんな時に始めるのは、今日の京ちゃんのお相手の話だ。
ちゃんと分担して、京ちゃんの体力も加味して日程を組んでいるんだから、そうそう譲ることはできない。
こればかりはいくつになっても譲らない。
「咲は疲れたんでしょ」
「お姉ちゃんだって言ってたじゃん!」
「これは別腹」
「疲れた時には京ちゃんに甘えたいの」
「それは私だって同じ」
ムムム、と二人でにらみ合う。
正確には今日は『京ちゃんの休養日』なのだが、疲れているからと甘えていれば頑張ってくれることを知っている。
だから『お誘い』するのはどっちか。そういう骨肉の争いなんだ。
5/11
「ったく、何やってんだか」
「あっ」
「きょ、京ちゃん」
食器洗いを済ませ、手を拭きながらこっちに向かってくる。
困った。喧嘩しているところを見られたかもしれない。
喧嘩をしていると両成敗で『今日はなし』なんて言われちゃうかも。
そうなってしまえば姉妹喧嘩どころではなくなり、二人がかりで京ちゃんに謝り始めるのだ。
「こ、これはね?」
「喧嘩してないよ!?」
「咲、誤魔化しが下手」
「お姉ちゃんもそれ言っちゃダメじゃない!」
「二人ともなァ……」
うぐっ、これは怒られる。
二人してちょっと涙目になりながら京ちゃんの言葉を待っていると、京ちゃんはニヒルに笑った。
「二人ともまとめて相手にしてやるってのに、ずいぶん余裕じゃん」
「「ぁぅ」」
『キラーン』なんて聞こえてきそうな笑いに、咲と二人で顔を俯ける。
京ちゃんは両腕で私と咲を抱きかかえ、そのままベッドに運んでくれた。
二人同時に運ぶなんて、男らしい……。
あっ、京ちゃ……。
6/11
……
…
「朝だからみんな起きてきなさーい」
気だるさを感じて目蓋を開ける。
あれ、咲の声だ。
朝食のいい匂いが鼻を刺激する。
宮永家の朝食はベーコンエッグにウインナー、ワカメと絹豆腐のお味噌汁だ。
毎日嗅いだその匂いが、それを現実だと教えてくれる。
「あっ」
さっきの、夢だったんだ。
それに気づいたと同時に顔が真っ赤になる。
ま、また京ちゃんと一緒になってる夢を見ちゃった。
京ちゃんと一緒で、咲もいる。私にとって一番幸せな世界。
恥ずかしくて恥ずかしくて、起き上がるのを拒否して布団の中に潜る。
咲が引き?がしに来る前に、顔が赤くなっているのを直さないと……っ!
「?」
と、思っていたら布団の中に異物を感じた。
7/11
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/ イ / // : l | ' / ! 从 | : :.
.'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | .
}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
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{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「zzz……」
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人 _,..::ァ r }/
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8/11
「きょうちゃ……!!」
声を上げる寸前で押さえ込んだ。
何で京ちゃんが私の布団に寝ているんだろう。
ますます顔が赤くなって、冷静な判断ができなくなる。
どんな麻雀の大会よりもパニックになっていると思う。
とりあえず服を確認するが、二人ともパジャマを着ている。
よ、よかった……?
「これはまずい」
昨日のことをよく覚えていないが、よくないパターンなのはわかった。
そのうち咲が私たちを起こしにくるだろう。
その時にこの状況を見ればどうなるか、……京ちゃんポイントの没収は確実だ。
それは避けなければならない。
でも、京ちゃんは私の腕を掴んで離してくれない。
あまり強く掴んでいないから起き上がろうと思えば起きあがれるけれども、私の意志が弱すぎて離れられない……。
「こ、これは……」
毎朝こんな思いをしながら、宮永家を支えるために一番早く起きる咲の凄さを知った。
咲はすがりつく京ちゃんを振り払って早く起き、暖房で暖まるまで寒い家の中で朝食を作っているんだ。
私なら思い切って京ちゃんの胸の中に飛び込んで二度寝する。
今も正直危うい状況だ。京ちゃんの匂いと胸板という狂気の前に理性が決壊寸前だ。
「うぐぐぐぐ……」
とにかく、起き上がらないと……。
9/11
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|:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ .:.:.:.:ハ| 「二人とも起きろー」
|:.:.:.:.:.:.∧ ′ "" /:.:.:./
|:.:.:.:.:.:.:.:ハ "" 厂:.:.:/j/
|:.:.:八|:.:.八 r-, /:.:.:.:/
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|: \ > .. _ イ リ/
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_x<三ニ/´ / /ニ三三三三三三三>
. r≦三三ニニ/ /三三三三三三三>´
/|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \
-─===‐-ミ
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.: 八.: :|┬─┬}/ ┬‐┬‐ .:.:|`ヽ}
.:/⌒ヽ} | :::::: | 三 | :::::| .'.:.::|
.:{ '└─┘  ̄ └‐┘ l.: .:|
人_ u j.: .:| 「!?」
i.:.: .: .> )‐┤ イ.l: ::'
i.: .: .:i .: : _;〕ト _/| h ≦.:.:.|: 八/
ト、.: .:|/⌒ 、_| | | | ト、`〉、|/
| \{ .,_ \| |/ ハ
/ ヽ > | ノ / ∧
10/11
「あっ、お姉ちゃんは起きてるじゃん」
「咲、これは……」
なんとか弁明しようとするけれど、言葉が出てこない。
咲は『?』なんて表情をしていたけれども、やがて状況が把握できたのか、こちらに近寄ってくる。
「お酒は抜けた?」
「え?」
「もー、昨日は京ちゃんもお姉ちゃんも酔って帰ってくるから大変だったんだよ。
寝ちゃったから二人で転がしておいたんだ」
よく見ればここは咲と京ちゃんの部屋だ。
ああ、なるほど。そういえば昨日は友達と飲んで帰ってきた気がする。
名残惜しいけれど起きないとな、と思ったところで咲に制される。
「?」
「しっ、静かに……」
可愛らしく指を唇に当てて『しー』なんてしてくる。
何が何だかわからないうちにお布団をゆっくり剥がされ、寝ている京ちゃんが露わになる。
「ほら、いじって大丈夫だよ?」
「!?」
「京ちゃんはなかなか起きないって知ってるでしょ?
起きない方が悪いからイタズラしちゃお?」
咲はそんな小悪魔な笑みを浮かべながら京ちゃんのほっぺたを引っ張っている。
私も恐る恐る胸板を突っついてみる。……ずいぶん前にそんなことをしながら思わずキスをしてしまったことを思い出して真っ赤になる。
11/11
_........----......._
,. : ´: : : : : : : : : : : : :`: : 、
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〉,: :, {: : | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} : /:|\: : |
{八:{ \:{とヒこソ ヒこソっ: イ: :| \} 「えっへへー、起きるまでイタズラしちゃうぞー」
| 乂ム :.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.: ムイl: /
从{∧ _ _ 人:∧{
|/ >:../^} /⌒l、` .イ }:./ リ
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/⌒\\:::::::/`ヽ:::::::::::∨, {::::::::::::::::::>-、
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|: : : :/ 乂_ノ 乂_ノ /:イ /: :,′ 「(……幸せ)」
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从: : 乂 ^ー( イ: : :/: :/
∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
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/ |乂\∨_,イイ/ }
{/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
{`ー∧ /:∧:.、 |- r'
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/ i ! l. l i. i |
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カン!
投下終了。新スレはもうちょい埋まったら建てます
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934.936.939
クロチャーの手作りマフラー
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.{ : : | : : : 」; 斗七´/.}:/.}: : : :リノ }`ト;、: :}:}:: l ; ;} }
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}::l : : :l: : : ::{ .j : : :リ: | 「玄ちゃん……、素材から手作りとかしないよね?」
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ノ : : :ヽ: : :ヽ:\ヽ  ̄ ` ヽ、{ _, r' フ: ::/:: /
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V ∧ ノ' .|: : : : :} `ー-'´ ヽ、: : l:ゝ /.}
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/::/:::::::::/ 廴_ 八 { /::::::::/ / V.:.:.::l
/:ィ:::::::::/ く __ ノ 辷=- _〉/::::::::/ / V:.:.:.l
/〃 j::::::::/ レ } /  ̄ ./::::::::/ / }:.:.:.:.l
「そんなゼロから栽培したって専門家さんには敵わないからね!
心を込めるなんて言って、作った物の質が落ちるなんて論外だよ!
あっ、もちろんその行為自体を否定するわけじゃないんだけどね。
私は毛糸自体はしっかりした質の物を買って作るつもりだよっ。
それに手作りだと気付かせないなんてしたら咲ちゃんに悪いでしょ?
ちゃんと二人に説明して、受け取ってもらうつもりだよ。
ちょっとお高い毛糸を使うのは許してもらっちゃうもん。
もー、お姉ちゃんったら何言ってるの!」
〉 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::\ 〈
〈/: /: : : : : : :/::/: : : : : : : : : :ヽ: ヽ: ::ヽ
/: : /: : :/: : : :/::/: : : : : : : : : : : :ヽ::ヽ: ::ヽ
〈 i:/:::/: :::/: : : :ノ:::ノ: : : : : : |: : : : : ::ヽ: :ヽ: :、i 〉
〉j::i: :/: :::/|: : :/.|::j.|: : : : : : |、: : : : : :::i: : :i: :::i:i 〈
〉 |::i:::i: : ::jノ_,:r+ー:''|'.!: : : : : ::|'ゝ-::、: : :|: : :|: : |:i
i::|:::|: : ::|i´: ::j -!::| !:r::::ゝ::::|-ゝ:ヽ:`:、|: : |: ::|::|
〈 |::|:::|: : ::ハゝ::j_ヾ ヾ.ゝ:、ー!__\.、::|: : :|: ::|:::| 〉
.〉|::|:::|: : ::|.' .r´:::::::ミヽ '':::::::ミヽ V: ;::|: ::|:::|
〈 .i::|::::|: : ::ト∥っ::::::リ っ::::::リ } |: : :|: ::|::::|
〉|::|:::::|: : ∧ ヾ==' ヾ=='' j: : :|: :::|:::|〈 「う、うん……」
.|::|:::::|:: :::|ヽ ' ' ' ' ' ' ' ' ' ./|:: : |: : |:リ 〉
.!:|: : ::!: : :|、! ./ノ: ::リ: : |:リ
〈 〉!: : :ヽ: : !::ゝ .r--.っ .ノ:::j: : :i: : :|/
〉.i:|: ::ヽ、: ::ヽ--ゝ.、  ̄ _ ''--y: : /: : ノ 〈
〈 //: ::ヽ:!:、:::ゝ ` ヽ`iゝ-___.イー ''´ /://: : :/| 〉
.〈〈!: : :ヽ|ヾゝ:ゝ /イ:/: ::/、:ヽ
./ヾ、: : ::Y ./: : : :/ .ヽ\
〈 /: ::_>、: : : ヽ_ /: : : :/r-- f'_: :\ 〈
〉/: :::! ヽ: : : ::ヽ`ゝ 、____,__,__, r-./: : : :/ /. ヽ: ::\ 〉
3/4
……
…
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/: /: : :/: : :/< : : ハ: ! }:ハ: : : : :ハ: : : : : :ヽ: : } : : : : : : ハ
: // : /: : :ハハ:\:! {:{ }:レイ: :√}: : : : : i: }: : !: : : : : : : :ハ
. {:ハ: : l: : : ハハ: : i ̄{{  ̄/ ハ:ノ !:!: : : :ハj : ;′: : : : : : : ハ
Vハ: :ハ: : ハ〃rV/云 〒冗示ミ j:ハ: : /: : : ': : : : : : : : : : :}
∨ V: ハヾ{7///} {7///} 〉 /:/ヽ: :/: : : : : : : : : : : }
ハ:ハ 弋//ソ 弋//ソ イ: ! }:/: : : : : : : : : : :}: :}
{: :ハ ,:,:,:,:, ,:,:,:,:, }: :} /: : : : : : : : : : : : ハ: }
|: :| ! ′ u }: jイ: : : : : : : : : : : : : :} }:j
|: :| ヽ 、_,、_, /}:.j ヽ: : :! : : : : : : : : : ! i:}
l: :l > ヽ ノ ´ト // !: : j: : : : : : : : : : Ⅳ 「そ、そんなことがあったんですか」
ヽ:ヽ r≧....._ <..-‐: ̄//} }: : ハ: : : : : : : : : :}
ヽヘ 〉::::::::゙Y ̄::::::::::::::::::::彡::ヽ j: :ノ }: : : : : : : : : :}
__ゝ.イ:ヾ===ハ====:::"//::::/::::::::<__: : : : : : :j
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.|: : :|:::::::::ト:!.ヽ:::| .! ヾ.ヽ:!ゝ::::| 〉_ヽ\::::::::!:::::::|: : :l
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|: : ::|::::::::ト! ゝ)::::oノ 〉.):::oノ Y!:::::::::!: : ::|
|: : ::!:::::::::!}.  ̄ ̄ ,  ̄ ̄ l'|:::::::::|:::: ::|
.|: : :|::::::::ト ! ''''' __ ''''''' ! !::::::::j:::: ::j 「お姉ちゃんとして玄ちゃんを見張らなきゃ!」
}: :::::!:::::::!、l /´ ヽ .j/!::::::::l:::: :/
.ヽ::::::!::::::::!::\ { j .ノ::j::::::::j::: :/
〉、: ::!::::::!:ゝ、 ゝ、 ゝ-- ' ___ r '_/::/:::::::/::::人
ノ'´´/ \:::ヽ::r-っ rv-、/::/:ノ::/.〉`ヽ: ::\
,/::/ ` ゝ 、.}::/__./_ )-、_ rヘ´ヽ. ヽ::::::::/ r'´ .ヽ: : : :ゝ
../:r ‐' ./ ̄ ` '' 、)_.r´)r ' ̄ ̄`ヽ:/ `ー-: :
': { ゝ l ).ノ' Y , r' .}:::
: ノ \ .j j.{ { __,, r '´ }::
Y ` ./ ` ヽ、 __ l l __ ,, ' ヽ }/
\ { ゙゙゙ { ノ .| }
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. /: : : : : : :V: : : \ : / : :_∠i:l―: !:! iハ: :ハ: : : : :ハ!
/: : : : : : : : :V:、: : : : :i:i: : : :/ {ハ: : ハi _レzレ !: : : : ハ!
/:/: : : : : : : : :ヽ:\: : :ハ: : : i _彡示i ん゚:}"/: : ノ:ノ ′
/:/: : : : : : : : : : :∨⌒ヾ!`N:〃ん/ハ {r:ソ ,: :ィ レ
. /:/: : : : : : : : : : : :ハ !:.{゙ 込/ソ `´,,, i: : j
./:/: : : : : : : : : : : : { \ {: ! ,,, ` ハ :/ 「宥さんならどうします?」
i:.ハ: : : : : : : : : : :/: |  ̄>: ! ┌‐ 7 イ/:/
{:ハ: : : : : : : : : :/: :{ _/iハ:!ヽ ヽ ノ ∠__/:/_
{:! !: : : :>::: ̄::: ̄::/:::/ ヽ i:! `7―-,イ::::::::::::レ::::::\
{:! V: /:::::::::::::::::::::::/::::/ \ ノ }::ヽ:::::::::::::::::::i::::l
`ヽ ∨:::::::i:::::::::::::::/:::::::i / ヽ/ \ }::::ヽ:::::::::::::::::i::::}
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゚ . : . 。 : .| . : . :|. : . 斗匕"「||. : . ト、 : :。_/i! :
.° . : . ゚ : /| . : . 斗匕´: ./: / j/1 . : / | |\: .! ̄`ヽ} }
′. : . |..: .|. : . : | . : イ:/ 〃 ′:../j:/ jノ |: .|: . || |
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. : . : . | 〃:。 . : . : .| 〃|゚:i:i:i:i:i:i:|/イ 示ミ|ィ: . / / j:′
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. : . : ..゚:|\__,゚. : . :, |: . | 「私の香水の匂いを染み付かせるかなぁ。
. : . : 八.--〈 ゚, . : . ′ ( ー―ァ 丿.:..│
. : . : . : \. .\:,. : . ,  ̄ -=ニニニヽ:.ノ 他の女の人が近づかないようにするんだ」
\.. : . : . : \ . ゚, . : .′ __ ィニニニニニニム.―┐
. . .ゝ . : . : . : ヽ..゚,__/ヽ ¬/ ノイニニニニニニニニム 「ヽ
. . . . \> 。: . :/ ヽ ‘ , }ニニニニニニニニニニニ} } 「}、
. . . . . . \. . .}\ / \ ‘:, } ノニニニニニニニニニニニ|..ノ // 〉
//|: : : : | : : // |:∧/ |/ |八∧/ \ |;ハ: : :| : : : |)〉
|:| |: : : : | : /: ≫去干气ト ィ去干气≪ |: :/: : : : |\
|:| |: : : : |: :|:::; 〃 んJ:::::::爿 トJ:::::::::::爿ヾ |:/: : : : :/ : ∧
|:| ∨: : :乂{::::〈{ V辷七歹 V辷七歹 }〉/ : : : : /: : : :∧
. 乂 \{\: Ⅵ とつ'⌒~ /////// `⌒とつ /|: : //: : : : : :∧
/ `トh ///////////////// ハl/Ⅳ: : : : : : : :∧
{ |: : :|ハ | ! : | }: : : : : : : : :∧
. 八|: : :l } /~⌒^⌒^ヽ j | : レ : : : : : : : : : ∧
|: :从,_| ´ ` 厶イ : |: : : : : : : : : : : ∧
|: :| 人 人 : : : |: : : : : : : : : : : | }| 「もーやだぁ!!」
|: :| > < |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
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人_| r=≦}___ T爪 {≧=ミ, |: : : :|: : : : : : : : : : : | ||
|{  ̄`Y^Y´ ̄ } | : : / : : : : : : : : : : /∥
__ 从 ー---〈 ∥---―=彡〈 ∧/ : : : : : : : : : : / /
/  ̄¨ニ=- _幺 ー―===У===-一 r公=―=ニ¨ ̄ ̄ \:/
埋めネタでした。シチュエーションで埋めていただけると幸いです
カプにするなら京咲照淡和霞白玄洋セラだと書けません
単ヒロインになります
次スレ
【咲-Saki-】京太郎「みやながけ」淡「京淡!」咲「京咲だし!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453294261/)
【没ネタ】
-‐= :_: - . .
` 、: : 、
. . : : ¨¨¨ヽ: :≧: : . .、
,. 斗=: .、 ´: : : : : : : -‐: : : : : : : : `: . 、
/'´ ヽ: :. /: : : : : :>´: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : ,
,. -──-. . . 」__レ´: : : : >´ : : : : : : : : : : イ: : : :‘.,: : : :
/: : : : : : : : : :-‐:7: : : : :/: : : : : : : : : : : : /: i : : : : :‘,: : : : ‘,
. /: : : : : : :, : ´: : //: : : /: : : : : : : : : : : : イ : ∧: : : : : ‘,: : : : ‘,
. /: : : : : : : :/: : : / ,′: :′:__: : : : : : :/ }: / ヽ__:‘,:゚。: : :‘
/: : : : : : : : : ‘,: / !: : ′:´ : : : : : : : >´ ,: :′´ ヽ: : :‘, ゚, : :
‘,: : : : : : : : : : Ⅵ Ⅳ : : : : : : : : >´ /:.' ゚。: : i: : ゚ : : ! 「カムイでエロ同人みたいにしてやるー!」
. \: : : : : : : : : :‘, .i!: : : : : : :.> ¨¨ /'′ ¨¨ ゚。: !: : キ : !
. 〉: : : : : : : : : イ i! : : : : : 斗笊.示ト、 斗笊.示ト、、 ゚: : : :ハ: :!
. / : : : : : ィ: : : ′ i: : : :/ {{ { ト::リ } { ト::リ } }ト }:f´`! i: !
/: :斗 ´ |: : / !: : ∧ 乂 .ノ 乂 .ノ !:i / .レ
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|:::::::: l ::::::::::八::::::::::| ,,xぅ斧笄ミ\::::::::|斗ぅ斧x )/:::::/:/ ノ
|:::::::: l ::::::::::::::::\::::| 《 h __j刈 `ー┘ h__j_| 》厶イ イ
|:::::::: | ::::::::::::::::::::个゙ 乂廴ソ 乂_ソ ,′:::::::|
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|:::::::::‘:::::::::::::::::::::::|\ r‐ ┐ 人::::::::::::: |
|:::::::::::‘:::::::::::::::::::::|::| ` ´ イ:::_:_:__::::::::八 「エロ同人に出ていいのはヤってヤられる覚悟がある人だけよ」
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|:::::::::::::::‘:::::::::::::::::|八 T7^\:::::|::: / / / /Y^,
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-‐'^´ ‘:::::::::: | \\ // / / / / / ト、
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_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i 佞i「ヽ. ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ `芒!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ヽ! 〈 /フ j! / リ 「(ダメだこれ)」
`ヘハ ト j /´j} ハ ノ
` \ ゚ ` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
「 ̄`ヽ-―‐---、__
{:.. ,..-f( ))-、  ̄}
广}___クーく.___{ ̄`ヽ ..:::/
/ ,..-‐r:r―┬r::r--、 }!V、_
/7'..:::i::|^!...:::i:| |:ヒjハi::ヽ|! ヾヽ
{ハ:::::::f':n:i、:::::{"{::n:ヾi:::.:|! }!'^゙
|丶弋ツ `゙ 弋;ツ}::::.|! }!
|:::|:i| " '_ " .!::::.{! o|!、
|、::|ハ:.,、 、ノ ,..ィ:ノ::リ;》=《i ゙、 「最近ネリーにキャラ喰われてる人がいまーす!」
/.:ヽハ!:r‐` T"´ !イ':":.:.:.:.:\i!
r:<>、.:.:.:.:.:.ト--、 ,..-/:.:.:,:イス) >_>、
ζ√ーァ\:.:.:.ヽ /:fィ_トrJ しイ.,>イ
∀ ! `Zf┬‐-≧ーイ:.:r'´ |_)i::}
/ .,.:彡ミy' /_,.-< ̄`ヽ::::.. !::、:::i!
<  ̄ ノ''" ...::::..... ::::::::. ,.ィ:::::i!:::|
,.へ / ........:::::::::::: ::::. ::: ,:<_,.ノ::::::|:i::|
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l |:::::::::|::::::|、 〉:∧|::::::::::|:::| 「痴女ルックなだけじゃ生きていけない世界なんだ!」
Ⅵ::::::::|::::::|、::,、 「 フ {:イ l::|::::::::::|:::|
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_l∧:::|:::从ノ ` r-=≦-、_,.._/::イ::::::/ |:/
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/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
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/ : : : : : : : : : / \|: :|ヘ ヒ少 _/ : : :/ノ _/
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こっそりJKトークしてるといいよね…
あとはリクエストなりなんなりでどうぞ
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