【安価】京太郎「雀死代行……須賀京太郎だ」【咲×BLEACH】 (621)


●咲(キャラ)とBLEACH(設定&ストーリー)の二次創作です

●何百番煎じのカスカス茶葉の京太郎主人公スレ

●ゆるーい更新(週1とかザラ)

●咲キャラが戦闘します(死者は出ない)

●シリアス(ギャグ)スレ

●恋愛描写アリ

●時たま安価で能力や方針などを決めます

●ルキア奪還編終了くらいまでの予定(伸びる可能性もアリ)

●ほぼ原作を咲キャラでなぞるだけ(時たま改変)


 以上がよろしい方はこれからよろしくお願いします


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391772502

藤孔雀だな中の人的に

立ったか 先ずは乙

アニメと漫画どっちなん原作は?


>>3
単行本読みながら書くので漫画準拠です
ただアニメネタも時たまに挟むかもです

>>2
これも追加しておきます

●キャラの中の人がそのまま適用されるとは限りません



京太郎→弓親 ×
咏→織姫 ×



では書いていこうと思います




 ――我らは点無きが故にそれを畏れ――



【清澄 午前二時二十三分】



?「この辺り……かな?」スタッ

 宵闇に浮かぶ三日月がほのかに照らす清澄の街中
 そこに、黒装束を身にまとった一人の少女が降り立っていた

?「うん、強い雀動を感じる……」バラバラッ
 
 折りたたまれた白紙を広げ、何やら思案する少女
 やがて何かの力を感じ取ったのか、少女は視線を上へと向ける


?「ふっ!」シュッ


 そして人間離れした跳躍を見せると少女は闇の中へと消えていく

 まるで初めからそこには誰もいなかったかのように……
 ただ静寂だけが世界を支配していた
 


<Death & Quadrillion>


 
 斯くて刃は振り下ろされる。



~~~B・REACH~~~




【清澄 午後七時十三分 金曜日】


男A「何だァ!? イキナリ出てきて俺らにココをどけだァ!?」

男B「何考えてんだてめ? 死ぬか? あァ!?」


                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、



京太郎「……」アセダラダラ


 須賀京太郎/15歳

 髪の色/ブロンド
 瞳の色/ブラウン
 職業/高校生


男A「何とか言えこの……」ズンズン


 特技/


京太郎「す、すみませんでしたぁぁぁ!!」ズザァァァァ!!

男A「あ?」

男B「な、なんだコイツ!?」

男C「いきなり土下座だとぉ!?」

男B「な、何だか知らんがダセェ……あんな見事な土下座見たことねぇ……」

男C「あいつ絶対アレだ……あんなの殴ったら俺達ただの弱いものいじめだ……!」

 ザワッ

京太郎「あ、あの。一つ、いいですか?」オズオズ

男A「あ?」

京太郎「ぜ、全員アレを見ろ!!」ビッシィ!!

全員「はぁ?」クルッ



倒れた花瓶「」ドドドドドドド



これって当てはめるキャラは決まってる感じ?



>>8
 ある程度は決まってます
 ただリクエストがあれば反映するかもです


京太郎「問1!!」

男ABC「!?」ビクッ

京太郎「アレは一体何でしょうか!? ハイそこの一番カッコイイ人!」ビシッ

男A「え? あぁ……こないだココで死んだガキへのお供え物」

京太郎「大正解!!」アクシュッ

男A「あ、あぁ」ニギニギニギ

京太郎「問2!!」

男B「なんなんだよ……」

京太郎「じゃあ、どうしてあの花瓶は……倒れてるんでしょうか?」スッ


 須賀京太郎/15歳

 髪の色/ブロンド

 瞳の色/ブラウン

 職業/高校生


男C「そ、それは……」

男B「俺らがスケボーしてて倒しちゃった……から?」


 ドドドドドドドドドドッ

京太郎「そうか……」


 特技/”ユウレイが見える”


京太郎「それじゃあこの子に謝らないとぉぉぉぉぉぉ!!!」


 ドンッ!!


血濡れの少女「あぅ~~」

男ABC「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

血濡れの少女「あぁぁぁ」ズルズルビタビタッ!

男A「ごめんなさいごめんなさい!!」

男B「ごめんなさいもうしません!! ごめんなさーい!!」


 ドドドドドッ


京太郎「……ふー」

血濡れの少女「……」フワフワ

京太郎「こんだけ脅せばもう来ないだろ。ごめんな、こんなやり方で」

血濡れの少女「ううん。お願いしたのはあたしだし、このぐらい協力する」エヘヘ


咲世界のオカルトを戦闘に転用する的な感じ?



京太郎「それじゃ、またな、新しい花は今度また持ってきてやるから」ニコッ

血濡れの少女「……うん、ありがとう優しいおにいちゃん。これで静かに過ごせるよ」

京太郎「どういたしまして。頑張って成仏しろよなー」ブンブン


 そう 俺はユウレイが見える男


【須賀家】


 実家は普通の家
 親はガキの頃に亡くし、今は無駄に広いこの家に一人暮らしだ

 結構苦労もあるが、今じゃ随分慣れたもんで

 物心付いた頃からあたりまえにように見えていたユウレイも……
 今じゃいい話し相手だったりする

京太郎「ただいま」ガラガラ

 だから、こうして独り言のように喋ってしまう
 誰も聞いていないなんて思わない

 ダレカが聞いていると知っているから

京太郎「……」トントン

 ホントウに物心ついた頃にはあたりまえのようにユウレイが見えてた
 普通の人間を見るのと同じように

京太郎「宿題やんねーとなぁ」テクテク

 だから

京太郎「その前に借りたゲームでもやるかな……」ガチャッ


 ”雀死”なんてものの存在は


 ヒラヒラッ

京太郎「ん? 黒揚羽? 何だコイツ? どこから入って――」ギィィィ


                 ~~    ~~
                   -―――-    ~
              ~ .....::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::`丶
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\  }

            } .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. {
           { /::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
           .:::::::::::::::::::::::::::│::::::::::|\:::|\::::|:::::::::::::::::::::::. }
         } /::::::::::::::::::|::::: / | ::|:::::::ト- ::|--∨\ ::::::::::::::::| {
       { /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
      /::::::::::::::| :: /-匕-=ミ\|\|  〃⌒゙ヾⅥ :::::::: |::::|  }    ココどこ…
        ̄ ̄ |::::::|::イ /〃⌒ヾ     {{    }} }|/| ::::::|::::|  {
      {  |:: 八ハ{ {{   }}     ゞ==(⌒) | :: /:::::|

       } |/|::: {. ハ (⌒)==''         ///  |/}:::::|
            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  }
.          { レヘ::八     _.. ‐~‐-、   イ ::::::::::::/  {
           }   ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ:::/|/∨
                 \|  _≧=一ァ  〔/⌒T:iT7ス
                r=Ti:i:i:i:i:i:7____/i:i:i:i:i:i:i/ ∧  }
               {  ∧i:i:i:i:i:i:i:i:|   /i:i:i:i:i:i:i/   / ∧ {
                } / {\/⌒)_∠二二/|    / ∧


 考えたこともなかったんだ


京太郎「……な……!?」

?「ふぇっ……」ブルブルブル


これにより照のポジが確定しました

鰤全く分かりませんが見ていいですか(小声)

>>11
 基本的にそうですが、鰤の能力をそのまま植え付けることもあります

>>15
 むしろその為だけなんだよね

>>16
 大歓迎ですが、分からないネタあったらごめんなさい




 スタ……

咲「あぁ、どうしよう。迷っちゃった……」オロオロ

京太郎「……」

咲「うぅ、でもその前にトイレに」スタスタ 

京太郎「その前にトイレ、じゃねぇーよ!」ゲシッ


 スコーン!!

咲「あぶべっ!」ドサッ!

京太郎「随分のんびりした泥棒だなおい! トイレってのはなんだ? 余裕か? 余裕の現れか!?」クワッ

咲「ふぇ? も、もしかして私が見えるの? というか今蹴り……?」オドオド

京太郎「? 何言ってるんだ? そんなもん見えるに……」

咲「ううん。常人には私は見えないよ」パタパタ

京太郎「は?」


咲「私は――”雀死”だから」ニコッ


 こうして、俺は出会った
 自分の運命を変える――


京太郎「”雀死”……だと?」


 最初の出会いに




~~十数分後~~


京太郎「……そうか、つまりお前は”雀死(じゃんし)”で……」

咲「……」コクコク
      
京太郎「その雀卓界(マージャンソサエティ)とかいう所からはるばる悪霊退治にやってきたと?」

咲「うん、そうだよ」ニコッ

京太郎「よし! 信じよう!!」

咲「えへへ、ありがとう」

京太郎「……って!」

 ガバッ

京太郎「信じられるかぁぁ!!」

ちゃぶ台「(ノリツッコミ時以外使用不可)」ドンガラー!

咲「ひぃっ!?」ビクッ

京太郎「大体なんだよそれ!? マージャンソサエティとかバカじゃねぇのか!?」セイロン

咲「……幽霊は見えるのに"雀死"は信じてくれないの?」

京太郎「当たり前だ。生憎、死神ならまだしも”雀死”なんて見たことがないんだよ」

咲「……うむぅ」

京太郎「急に現れたことといい、人間じゃないことは信じるよ。でも遊びならよそでやってくれ」グイグイ

 フニュンッ

咲「ちょ、ちょっと……//」カァッ

京太郎「あ、悪い。凹凸が無くて胸だと分からなかった」

咲「!!」ビキッ

京太郎「いいから帰ってくれって、な?」

咲「言ったね……」ブルブル

京太郎「へ?」

 キィィィィン

京太郎「!?」

 突然だった
 いきなりその女の子が発光しだしたかと思うと、次の瞬間には――

咲「縛道の一!! 塞!!」シャッ!


 ビキンッ!!


京太郎「ぐぁっ!?」ググググッ


 な、なんだこれ!?
 体が……動かない!?


京太郎「いてててててぇ!? なんだこれ!? なにしたんだお前!?」

咲「ふーんだ。動けないでしょ? これは【雀道】といって、雀死にしか使えない高等な呪術なんだよ?」フフッ

 そう、自信満々に告げる少女
 そのドヤ顔が以上にイラっとくるな、おい

 




咲「私はこれでもあなたの10倍は生きてるんだから。あまりバカにしないでよ」

京太郎「ぐっ、いいから解けよ!」モガモガ

咲「ダメ。今から説明するから、終わるまではそのまま」

京太郎「は、はぁ!?」

咲「まず、この世には2種類の魂魄があるの」

京太郎「おーい、別に聞いてないんだけどー?」

咲「一つは【整】(プラス)と呼ばれる通常の霊。普段目にするユウレイはほぼこれだね」

京太郎「……」ズゥーン

 もしかしてこいつ、このままずっと話し続ける気なのか?

咲「それともう一つが【虚】(ホロウ)と呼ばれ、生者・死者の区別無く魂を求めて食らう、悪霊」

京太郎「悪霊なんてもんもいるのな」フーン

咲「そして、私達雀死の主な仕事は2つ」エッヘン

京太郎「無い胸を張るなっての」ボソッ

咲「ムッ……一つは整を雀卓界へと導くこと」グリグリグリ

京太郎「あだっあだだだっ!?」

咲「二つ目が虚を昇華・滅却すること。そして、今回の私の任務もそれなんだ」エッヘン

京太郎「立派な胸をおもちですね、こんちくしょう!」

 人が動けないのをいいことに……
 
 って、ちょっと待てよ?

京太郎「お前がその任務でここにいるってことは、その虚ってのがこの近くにいるのか?」

咲「うん。そうなるね」アッケラカン

京太郎「なっ!? おいおい! じゃあこんなとこにいないでさっさとソイツ片付けてくれよ!!」ジタバタ

咲「えと、でもそれが……さっきから全然そいつの気配が感じられないの」シュン

京太郎「な、なんだよそれ? どういう――」


 ウォォォォォォォォォォオォン!!


京太郎「な、なんだ今の……?」

咲「うーん。私の方向音痴とは関係無い気も」ブツブツ

京太郎「おい! おい雀死っ!!」ズルズル

咲「何?」

京太郎「何じゃねぇって! 今のスゲー声聞こえなかった!? ありゃ一体なんなんだ!?」ビクビク

咲「凄い声? そんなもの聞こえ――」




 ゴォアァァァァァァアアアアアアアアアアアアァァァン!!



咲「!?」ゾクッ





咲「(聞こえた!? これは間違いない……【虚】の声!」

京太郎「な? 聞こえたろ?」

咲「(でもまだ何か見えないフィルターにかかったように……この感覚は何なの?)」ブルッ

 オォォォォォン

咲「(それにこの人……この声に私よりも早く気づいた?)」

京太郎「……?」



??「だじぇぇぇ!?」



 ガシャァァァァン!!

京太郎「!?」

咲「今の声は……!?」

京太郎「優希だ……近所に住んでる、俺の同級生」

咲「!! もしかしてその子って麻雀部!?」

京太郎「あ、ああ。そうだけど」

咲「このままじゃまずいっ!」ダダッ

京太郎「あ、おい!! 待てよ!! どこ行くんだ! さっきのはやっぱり虚の声なのか!?」

咲「そう! 私が片付けてくるから、ここにいて!」

京太郎「バカ言うな!! 襲われてんのは俺の友達だぞ!! 解けよ、この術!! 早く!!」ジタバタ

咲「何言ってるの? アナタがいても変わらない。焼き鳥が増えるだけだよ!!」

京太郎「知るか、そんなこと!!」

咲「私に任せて大人しくここにいて! お願い!」ガチャッ

 ゴォォォォオッ!!

咲「なっ!?」ブワッ

 ゴゴゴゴゴッ

咲「(なんて雀圧……!? これに今まで気付かなかったなんて)」ギュッ


咲「もう、手遅れかもしれない……」ボソッ

京太郎「っ!?」ギリッ

 ギシッ ビキンッ! ベキベキッ

咲「!? な、何をしてるの!?」

京太郎「ぐっ、がぁぁぁぁ!!」グググッ

 ギシギシッ!! ベキベキベキッ!!

咲「やめて! それは人間の力じゃ解けない! 無理をすればアナタの魂が――!」

京太郎「うああぁぁああああああ!!!」グググッ

 バキィ!!

京太郎「っらぁ!!」

咲「嘘……」

京太郎「はぁ、はぁ……」タッタッタッタ!

咲「(人間が雀道を自力で解くなんて……そんな話聞いたことないよ……)」

京太郎「優希!! 待ってろよ!」ダダッ

咲「待って!!」バッ

 トトトトトッ!!

咲「(あの人は一体――!?)」

 ガチャンッ!!

京太郎「優希の家はこっち! 間に合――」

 その瞬間だった

 自宅を飛び出し、道路に出て

 優希の家の方角を振り向いたその瞬間


 ドゴォッ!!

優希「っぁ……」ヒュゥゥ


 あの、優希の小さな体がボールのように跳ね飛ばされたのは


京太郎「優希ぃぃぃぃぃ!!」

 ドシャッ

優希「……」


京太郎「てめぇか!!!」ザッ

 視線を横へと向ける
 街灯の光の向こうで黒く映る……その影


虚「……」グルンッ

 その、異形の怪物の姿

京太郎「!?」ゾックゥ!!

 人間離れした巨体
 白い仮面のような顔に、獰猛に剥き出された牙と爪

京太郎「(こ、こいつが――虚……」ゾクゾク



 ドドドドドドドドドドドドド!!


京太郎「(悪霊って言うから人の姿だと思ってたのに……バケモノじゃねぇか!?)」ガタガタガタ

虚「……」ズンズンッ

京太郎「あ、あぁ……」ガチガチガチッ

 ガシィッ

京太郎「(お、落ち着け! 何をびびってんだ俺は!!)」キッ

 怖くねぇ!
 あんな奴なんか、怖くない!

 今まで腐るほどユウレイを見てきたんだ
 あいつも所詮、同じユウレイなんだ……!!

京太郎「だから!!」

 ドドドドドドドド

虚「……」ガシッ

優希「う、うぅっ……」ブラン

京太郎「優希!!」

優希「……きょう、たろー?」

京太郎「う、うああぁぁあっぁぁ!!」ダダダダッ

 走る
 奴に捕まった優希を助ける為に


 ただ我武者羅に拳を振り上げていた

虚「……」ブンッ

 ゴダンッ!!

京太郎「がっ!?」ドシャッ

 
 しかし、その儚い反抗もすぐに終わる
 虚がその右手を振るうだけで

 まるで羽虫を払うかのように、俺は簡単に吹き飛ばされてしまう

京太郎「げぼっ、は……っ、がはっ!?」

虚「……」ズンズン

京太郎「!?」

虚「……」ブンッ

 ゴォウッ!!

 そして、その右腕は再び高く振り上げられる
 優希を掴んだその手が
 
 恐ろしい破壊の力を持ったその腕が


京太郎「うわぁぁぁぁぁ!?!」


 まっすぐと俺の元へと振り下ろされてくる






 ザンッ!!

虚「アアアアアア!!!」ブシャッ!

 それは一瞬だった
 
咲「ふっ!!」シュタッ

 さっきの雀死が……颯爽と現れて虚の右腕に一太刀を浴びせる
 あいつ、刀なんて使えたのか……

優希「っ……」ヒュゥウン

京太郎「優希!!」ドサッ

 今の一撃で虚の右腕から解放された優希を受け止める
 
京太郎「優希! 大丈夫かおい!? 優希!」ユサユサ

咲「落ち着いて! まだその子は魂を食われていない!!」

京太郎「え? ちょ、ちょっと待てよ!」

咲「……」

京太郎「虚ってのは魂を食うために人を襲うんじゃなかったのかよ? それじゃどうして!?」

咲「虚の特徴……より強い雀力を持つ人間の魂を求めて彷徨っている。その際に無関係な人間も巻き添えを受けるの」

京太郎「どう、いう……?」

咲「私は…雀死が見えて、雀道を自力で破る人間……それほどの雀力を持つ人間を見たことも聞いたこともなかった」

京太郎「意味が分からねぇよ!! 雀力ってなんだ!? 何が言いたいんだ!!」ダンッ

咲「恐らくだけど、あいつの狙いは……アナタなの」チラッ

京太郎「!?」


虚「ハァッ! バハァッ! ハァァァ!!」メリメリメリ


京太郎「ちょ、ちょっと待てよ……俺は、麻雀なんて打ったことも無いしルールなんて」

咲「虚にとって現在の実力は関係ない。潜在能力が高い魂を取り込めば同じだから」

京太郎「それじゃ……これは俺のせいだってことか?」

 フラッ

京太郎「優希が血だらけで倒れてんのは全部、俺の……」ガクガク

咲「待って! 私は別にそんなつもりじゃ――!!」

虚「バハァァァォォォォ!!」ブンッ

咲「しまっ!?」

 ドゴォォォン!

咲「」ヒュゥゥッゥウン!!


 ドグシャァァァァン!!


京太郎「雀死!!!」



虚「ハァァァァ……」ズンズン

京太郎「……いいかげんに、してくれよ!!」ググッ


 ガラガラッ

咲「くっ……敵の前で油断するなんて……迂闊だっ――!?」フラッ
 

 ザッ!


虚「……」

京太郎「よぉ、お前。俺の魂が欲しいんだって?」

虚「……」ジュルリ
                 ショウブ
京太郎「だったら俺とサシで対局しろ!! 他の奴は関係ない!!」


咲「バカ!!」ダッ


虚「……グパァァ」ゴゴッ

 俺の言葉を理解しているのか
 奴はおもむろにその異形の口を大きく開く

 そして、そのままその口で俺を丸呑みするように

虚「ゴァァァァァ!!!」ヒュンッ

 俺の目の前に――


 バギャッ!!


京太郎「っ……」ブルブル

 閉じられた視界
 いつまでたっても衝撃は襲ってこない

 これは……?



咲「……」ポタッ

 
 恐る恐る開かれた視界
 その先にいたのは

虚「グァグァ」ガジガジ

 俺の身代わりになって……

咲「ぁっ」


 虚に体を食われている、雀死の姿


 ブシャッ

咲「くっ」ドサッ


虚「ボゴァァァア!!」


京太郎「なっ!? お、おい!? お前どうして!?」


咲「ば、バカ……アナタじゃ勝てないって言ったでしょ」ハァッハァッ

京太郎「……ごめん。俺が犠牲になれば優希は助かるかもって……」ブルブル

 俺のせいだ
 こいつはもうとても戦える身体じゃない

 俺が、こいつの言うことを聞かなかったから
 
 こいつの邪魔をせずに、部屋に残っていれば……


咲「バカ。……それじゃ、勝てる可能性が消えちゃう」ググッ

京太郎「え?」

 勝てる?
 まだ……この状況で勝てる可能性があるのか?

京太郎「あるのか!? あいつを倒す方法が!? 教えてくれ!!」バッ

咲「一つだけ。いや、一つしかないというべきかも」ググッ

 スラァァッ  ビタァッ!

京太郎「その刀……?」

咲「アナタが、雀死になるの」ハァハァ

京太郎「!! なっ!? 何言ってんだ? そんなこと……」

咲「できる。この雀魂刀を胸の中心に突き立てて、そこに私の雀死の力の半分を注ぎ込む」

京太郎「胸に!?」

咲「そうすれば一時的にオカルトの力を得て、雀死として戦える筈」

京太郎「……そんなことして、本当に大丈夫なのか?」

咲「……分からない。成功率は低いし、失敗すれば死ぬかも」ウツムキ

 死ぬ?
 だけど、これをやらなければどっちにしてもあいつに……

咲「他に方法は無いの。迷っている暇も」

京太郎「っ」ドクン

 ドクンッ ドクンドクンドクンドクン


優希「きょ、きょうたろ……う……どこ?」ゲホッゲホッ!


京太郎「優希……怖い夢でも見てるのか……?」



優希「来ちゃダメだじぇ……危ないから、早く逃げて……きょうたろぉ」グスッ



京太郎「!?」

 なんで、なんでだよ?
 自分が死にかけてる時に……どうして、俺の心配なんかしてんだよ?

 それじゃまるで

 自分のことでビビってる俺が……


京太郎「バカみたいじゃねぇかよ!!」グッ




京太郎「……よし」グッ

咲「……(いい瞳。やっぱり、この人似てる。あの人に……)」ドクン

京太郎「刀を貸してくれ雀死! お前のアイデアで行く」

咲「雀死じゃない」

京太郎「ん?」

咲「宮永咲。私の名前」クスッ

京太郎「そうか。俺は須賀京太郎。お互い、最後のアイサツにならねーように祈ろうぜ」ニカッ

咲「うん」



虚「ブォォォォォォ!!」ゴゴゴッ



咲「虚が来る。急がないと」グッ

京太郎「お、おう!」ドキドキ

 ガシッ

咲「……準備はいい?」

京太郎「……」



 安価下 2

1 はい、はい

2 はい





京太郎「ああ、勿論だ」

咲「行くよ」


 ズ……

 ドドドドドッ


京太郎「……」ドクンドクン

咲「……」ドクンドクン

 ドクンドクンドクンドクン

虚「ボアァァァァ!!!」ダダダダッ

 それからの事はコマ送りのように覚えている
 
京太郎「うぉぉぉぉぉ!!」グイッ

 勢いに任せて俺の胸に突き立てられた刀

 
 ドスッ!!

 その瞬間

京太郎「っ!?」

 
 ドンッ!!

 爆炎とともに視界が真っ白に染まり


虚「!?」ザシュッ

 ビンッ!!


 気が付けば俺は……


虚「グギャァァァア!?」

 ヒュゥゥゥン! 

虚の腕「」ボトッ!!




/     ,     /   /   / /             |   |  :.   .   :.
    /     /   /    '    |   |     |   |  i|   |    .
  イ        '   /|    /|  l   |   |     |   |  l|   |    |
// /      |   | {   ' :.     |   |     }   |  l|   |   {
 ' 〃         |   |  | |   ト,  :     /| /| /|    '  ∧|
/ / .'   ,:  ' Ⅵ |_'. |  | |   | l   |     ' }/ }/ :  /  .イ `\
{/ /   / /  / {  |  Ⅵ≧!、,|   | 、 |   _/ム斗七    /:. / }'
 '   ,イ / | { 从 | イ  {::しメ∧   l  Ⅵ   イ {::し刈 `ヽ'  ' }/
'  / /イ Ⅵ :.  Ⅵ    Vzり \  、 }  /  Vzり   }/  /
/        | 从   |            \ ∨/        ,  /
       _∨∧ :.             ` \           ,:_ノ> 、_
 ,  <//////{/{{`∧         、              /  }}//////> 、
´//////////// l| ,∧             _    ∧  ||///////////>
/////////////从 {   、         _  ィ -vノ    ' } /'/////////////
/////////////{/∧   l\   ー=≦__ ,   ´   /' / イ∧/////////////
/////////////|//∧  :. \               / / /'////}/////////////


京太郎「……」ド ン!!

 雀死になっていた


ここで安価出す意味は、なにかあるのか?

一話から全部やるつもりなのだろうか
マユリ様期待支援

>>52
 飛ばす話もあります
 

咲「嘘……半分のつもりだったのに、全ての力を奪われちゃった……?」


京太郎「お、ぉぉぉぉ!? な、なんだこれ!? す、スゲー!?」マジマジ


咲「(しかもこの感覚は――あの時の)」


~~~~~~

咲「(でもまだ何か見えないフィルターにかかったように……この感覚は何なの?)」ブルッ

咲「(なんて雀圧……!? これに今まで気付かなかったなんて)」ギュッ

~~~~~~


咲「この人、だったんだ……」


京太郎「服装まで変わっちまってる」クルクル


咲「(あの部屋にはこの人の雀圧が満ちていた。それが私の感覚を――)」


虚「グアァァァ!!」ドドドッ


咲「(雀死が見える人間、雀道を破る人間など見たことがなかった)」ギュッ


京太郎「うぉぉぉぉぉ!!」


咲「そして、個々の雀死の力に応じて姿を帰る雀魄刀が――」


京太郎「らぁぁぁっ!!」ブゥゥゥン!!

 ズシャッ!!

虚「キュイッ!?」


咲「あんなに巨大になったところも見たことないよ……」


京太郎「俺のダチに手を出した罪! 思い知れこの野郎!!」ブンッ!!


咲「(この人は本当に一体――)」


 ザンッ!!


京太郎「らぁぁぁぁっ!!」

咲「何者――なの?」



虚「ギャァァァア!」 ブシャァァァ!


 シュゥゥゥゥゥウ!




咲「須賀、京太郎……」


 シュゥゥゥゥ…… 


京太郎「……」


 須賀京太郎/15歳


 髪の色/ブロンド


 瞳の色/ブラウン



 職業/


京太郎「おらよっと!」ブンッ

 ザンッ

京太郎「……いっちょあがり!」

咲「あ……あはは……本当に、勝っちゃった」ヘナヘナ

 スタスタ

京太郎「よぉ、大丈夫か?」ニッ

咲「……そっちこそ」ニィッ




 職業/高校生:雀死






<2 Slow Starter>


 ズルッ ズルズルッ


優希「きょうたろぉ……どういうことだじぇぇ」フラフラ

京太郎「ひ、ひぃっ?! 優希!?」

優希「お前が私を助けるんじゃなかったのかぁ……いだいよぉ、苦しいじょぉ」チダラケ

京太郎「ぎゃぁぁぁぁ!! 成仏してくれぇぇぇ!!」ガタガタガタガタ


咲「ごめんね。手遅れで」エヘヘ


京太郎「て、てめぇぇ!! そんじゃ俺はなんの――」グッ


 ダダダダッ!!


??「お・き・ろぉぉぉぉぉ!!!」

京太郎「へっ!?」


 ドゴォォォォン!!


【翌日 京太郎の寝室】


京太郎「ぎゃぁぁぁ!!」ゴロゴロ

優希「えへへ、ダイブだじぇー♪」ボフボフ

京太郎「ゆ、優希? お前……朝っぱらからなんつー……」ズキズキ

 また勝手に人の家に入ってきやがって……

京太郎「って、ん? お前、ケガはもういいのか?」

優希「じぇ? ケガ?」キョトン

京太郎「いや、昨日のだよ」

優希「はぁ? この無敵の優希様がいつケガしたって?」フフン

京太郎「……?」


 これは一体……どういうことだ?




【通学路】

優希「しっかし、トラックが事故だなんて大変だったじょ」

京太郎「あ、ああ」

優希「お陰でウチの前がメチャメチャだー」スタスタ

京太郎「(コイツの傷は綺麗に消えてるし、道路の損傷は事故ってことになってる?)」スタスタ

 これが雀死流のアフターケアって奴か?

京太郎「……」

優希「ふんふーん♪」

 あいつは――咲は雀卓界ってとこに帰ったのか?

京太郎「……」

【清澄高校 午前八時二十分】

和「はぁ……」ボヘー

 ガラガラ

優希「おっはよー!」

和「あっ……!! あ、おはようございます」シュン

優希「およ、のどちゃんどうしたー?」

和「別に、なんでも……」

優希「ハッハーン、もしかしてあのバカ犬のことかなぁ?」ニヤリ

和「え?」

優希「あいつなら先にトイレに行ってから教室に来るって」ニマニマ

和「な、なななんの話ですか?」アセアセ

優希「京太郎のことを考えてたんだじぇ?」

和「ち、違います!!」アセアセ

優希「……」ジィーッ

和「……//」カァッ


 ……


優希「ねぇ、のどちゃん。あれのどこがいいんだじょ?」マガオ

和「へ?」

優希「アホだし髪は金髪だし、ガキだし、スケベだし、アホだし、犬だし、アホだし」ペラペラ

和「……」

優希「正直のどちゃんならもっといい男を――」

和「面白いところ、でしょうか」

優希「へ?」キョトン

和「須賀君のスケベな顔を思い浮かべると……」モワモワ


~~~京太郎「のどかぁ……」デレーン~~


和「ぷっ、ふふっ……最高です」クスクス

優希「そ、そうかなぁ?」ドンビキ


 ガラッ

京太郎「よーっす」

優希「お、噂をすればなんとやら」

和「須賀君!」

京太郎「おはよう和(相変わらず天使だなぁ)」デレッ

和「お、おおおおはようございますっ!」クハー!

京太郎「お、おう? なんか今日も幸せそうだな」キョトン

 和は少しおかしい時もあるが、成績優秀、品行方正のマドンナだ
 とても俺なんかが触れていい存在じゃないよなぁ

京太郎「はぁ……」

優希「そういえば、今日は転校生が来るって聞いてるじぇ?」

京太郎「そんな話あったか??」

和「それなら、もう席についていますよ」

優希「なぬー!? 勿体ぶっての登場じゃないのかー!?」

和「そんな漫画的な」

京太郎「へぇー。で、どこだ?」キョロキョロ

和「須賀君の隣ですよ」

京太郎「隣?」チラッ


                  ,. : : : : :  ̄ ̄ ̄: : : .、
               ,. : ´: : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ、

              /: : : ,: /: :/: : : イ: :|: : ,: : : 、: :ヽ
             /: : : : /_/_:/:': ': : / |: _}_:/: :|: :.∨: : :.
           /: : : :.,ィ/://:l{: |: |: :.| }: /:/:}`: : : :|: : : :.

            /: :.//: :|: {:{:从:{从: :| /:イ:/:イ/ |: : :|: : : :.|
              {:/  ' : : {: |/' Ⅵ  \  / '   }: : :, : : : }
              {: :,: :从 ィ=ミ     ィ≠ミ/: : /-、: /
              |:/: : :{` :.:.:. '     :.:.:.:. ム: :/ Yl}ィァ
               ∧: :从     __   _   /:イ__///ア
               ∨  、   V  ノ 、 ヽイ: : ////
                   ` .   ....:::}  }'/ 〃- く
                ___   `T ´/:|    /, - }-、
                /:/::::::`ー-´l/::イ}   とイ-、 ノ、\
                 /:/:::::::/-/:/:.:八      / ∨ \
               /{::{:::::::/ /:/:.:./  \'  /:.、  ∨__〉
              , Ⅵ::::,/:/:.:./   /__/::::/∧  ,
              {  {:.∨:イ:.:./    ∨二二 イ:::∧  :.
              | ∧:.}':.:./       \__,/  、 ,

咲「宮永咲です。よろしく、須賀君」ニコッ

京太郎「」

咲「よ・ろ・し・く」ニコニコ

京太郎「な、なんでお前がここに……?」ギギギッ

咲「……友情の握手しようよ」スッ


咲の手「(喋ったらカン(物理)する)」ゴゴゴゴゴッ


京太郎「(カ、カンってなんだ!?)」ガビィーン!!

咲「ふふふ」ニヤリ


 ど、どういうつもりだこの女!!?




【昼休み 校舎裏】


京太郎「で、どういうつもりだ?」

咲「何? こんな場所に呼び出して」

京太郎「説明だよ、説明。お前の用事はもう済んだんだろ?」

咲「……うん。任務である虚の討伐は完了したね」

京太郎「ならなんて俺のクラスに潜り込んだ? 雀卓界に帰ったんじゃなかったのか?」

咲「ばか……雀卓界に戻れるのは雀死だけ。今の私はもう帰れないの」

京太郎「は? それってどういう……」

咲「私はもう、雀死の力を失ったの」

京太郎「なっ!?」

 あっけらかんと、とんでもねぇこと言い放ちやがった!?

京太郎「で、でももう俺は雀死じゃねぇよな? じゃあその力ってのは?」

咲「多分、あなたの中。肉体じゃなくて魂が雀死になっちゃったの」

京太郎「俺の、魂……」

咲「とにかく。昨日、私の力は殆ど失われちゃった……」

京太郎「そ、そうか。そりゃ悪い……」ポリポリ

咲「私に残ってるのは僅かな雀道を使う力だけ。今もこうし義骸に頼っているし」

京太郎「ぎ、ギガイ?」

咲「緊急用に雀死に支給されている仮の肉体のこと」

京太郎「へぇ。だから他の連中にもお前が見えたのか」

咲「ふふん、すごいでしょ?」ニッコリ

京太郎「で、その力を失った雀死が俺に何か用なのか?」

咲「そう! だから、これから私の力が戻るまでの間。雀死としての仕事を手伝って貰うの!」

京太郎「……」

咲「……」ニコニコ

京太郎「い、いやいや!? なんでだ!?」

咲「当たりまえでしょ。今、雀死の力を持っているのは……」ジィーッ

京太郎「いや、そうだけど……」

咲「私もできるだけサポートするから。お願い!」パンッ!

京太郎「……」



 安価下 2


1 断る!

2 OKする

今のとこ基本的にストーリーは原作ままだけど。安価反映しつつオリジナルの展開も盛り込んでく感じかな?


京太郎「……わかったよ」ハァ

咲「え?」

京太郎「オーケーだ。手伝えばいいんだろ、その雀死ってのをよ」

咲「……」ポカーン

京太郎「なんだよ?」ジトッ

咲「あっ、ごめん。正直、断られると思ったから」

京太郎「……だって、俺しかいないんだろ?」

咲「う、うん」

京太郎「だったら俺が戦う。あんなバケモノが、もう人を襲うことなんてねーように」スタスタ

咲「でも、また死にかけるかもしれない。あんなバケモノと命懸けで戦うんだよ?」

京太郎「あのな……見くびってんじゃねぇよ」ポンッ

咲「へっ?」

京太郎「誰かが傷つくのをわざわざ見過ごすくれーなら、死んじまった方がマシだって」ニィッ

咲「っ!!」


~~?「よう咲。お前は真面目だなぁ」~~


咲「潤ちゃん……?」

京太郎「は?」

咲「はっ!? う、ううん! なんでもない!」アセアセ

京太郎「???」

咲「とにかく、素直でよろしい!」エッヘン

京太郎「だから無い胸を張るなって」ペシッ

 イラァッ!

咲「……」ギュッ

京太郎「な、なんだ? そのグローブ?」

咲「ふんっ!!」ドゴォッ!!

京太郎「!?」ズルンッ

 ズシャァァ

京太郎(身体)「」チーン

京太郎(雀死)「お、おわぁ!? なんだこりゃ!? 魂が抜けてる!?」

咲「このグローブは魂を抜き取ることができるの」

京太郎「そういうのはちゃんと説明しろって!!」



【公園】


京太郎「……おい、ここで何するんだ?」

咲「ここにもうすぐ虚が現れる」

京太郎「!?」

咲「この携帯を見て」

京太郎「……なんだこれ?」

咲「雀卓界からの指令。午後12時前後15分、この公園から半径20km以内に虚が出現するみたい」

京太郎「ま、まじか?」ビクビク

咲「……!」


 ウォォォォォォオン!


京太郎「来たか!?」ビリビリッ

咲「あっち!」ザッ

 この肌のやけつくような感覚……
 間違いない、昨日感じたものと同じ

京太郎「この先に、虚がいる!!」ダダッ


 ズザァッ!!


虚「ゲッゲッゲッゲ」カサカサ



京太郎「き、気持ちわりぃ」オエー

 駆けつけた京太郎の前に現れたのは蜘蛛のように多脚で歩行する虚だった
 どうやら、獲物を求めて彷徨っているらしい

咲「気をつけて。昨日の奴よりも素早い!」

京太郎「お、おぉ……」チャキッ

虚「ゲケケェー!!!」ダダダッ

京太郎「ギャァァァ!! やっぱりこえぇぇぇ!!」ダダッ

咲「あっ」

虚「クケー!!」ブンッ

京太郎「あがっ!?」ズシャッ!

 ズザァァァ!

京太郎「ぐ、いってぇ……」ヒリヒリ

虚「クケケケケケッ!」カサカサ




咲「一旦距離を取って!! 落ち着けば見えない動きじゃない!」


京太郎「……」ビタッ


虚「ケケケケェー」ズザザザザ

咲「なんで止まって……!」

京太郎「……分かんねぇ」


 そもそも、なんで俺はこんなバケモノと戦わなくちゃいけないんだ?
 これまで普通に暮らしてきて、不自由もあったけどそれなりに幸せで

 だけど、だけどそれで満足だった


虚「ケェー!」ジャキッ


京太郎「はぁぁぁぁ!!」ダダダッ


咲「なっ!? 突っ込んで……!?」

京太郎「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」ブンブンッ


 相変わらず戦い方なんか分からねーし
 正直、今だってこのバケモノは怖い


 痛い想いをするのだって嫌だ


京太郎「でも、決めちまった。約束しちゃったんだよ」チャキッ


 だから、戦わなくちゃいけない
 

京太郎「もう、誰も傷つけさせてたまるかってんだぁぁぁぁぁ!!」ブンッ

咲「!!」


虚「!?」


京太郎「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
  


 コンマ 下2

00~49 外れる

50~99 直撃



京太郎「らぁっ!!」ザシュッ!

 バリバリバリドンッ!!

虚「グゲケケケェーッ!」ブシャァァ!

 ズゥゥゥゥゥン!

京太郎「はぁ、はぁ……」

虚「」シュゥゥゥウ

 シュゥゥゥゥ……

咲「か、勝った……」

京太郎「っ……」フラフラ

咲「だ、大丈夫!?」タタッ

 ガシッ

京太郎「……おい、咲」

咲「えぇ!? い、いきなり呼び捨て!?」ガビーン

京太郎「……俺はビビリだし……ホントにヤバくなったら逃げ出すかもしれねー」フラ

咲「うん……」

京太郎「でも、お前に助けられちまったから。お前は俺の恩人だから」ポリポリ

咲「須賀君……」

京太郎「俺は俺のできる限り、お前を助けてやる! それで文句ねーだろ!?」


咲「……」クスッ


京太郎「? 何がおかしいんだ?」

咲「ううん、なんでもない。なんでもないよ」ニコニコ

京太郎「??」

咲「さぁ、帰ろう」

 ザッ

咲「京ちゃんっ」パァッ!

 

 スッ

?「……雀死か。どうやら、今回はこの弓は必要なかったようだな」ザッ

 だが、次はこうはいかない
 雀死なんて……この世界には必要ないのだから


~~~~~~~~


【清澄高校 校舎裏】


和「きゃ、きゃぁぁぁ!! 須賀君が死んで――!?」

京太郎(身体)「」チィーン

和「きゅう」バタン

京太郎(身体)「」チーン

和「」ブクブクブクブク



 取り敢えず導入編はここまでとなります
 本編丸焼き直しのつまらない文をお見せして、大変申し訳ないです

 次回から色々と鰤本編以外のネタもやっていこうかと思っていますので多少はマシになるかと


 それと現段階で決まってることだけ載せておきます

・ 主人公メンバーの配役

・ 護卓十三隊メンバーの配役

・ 三番隊、五番隊、九番隊が裏切るとは限らない

・ 護卓十三隊にプロはいない ※全員学生です
 


 逆に決まっていないこと


・ 主人公メンバーの能力

・ 護卓十三隊メンバーの能力



 能力や方針なんかは安価でこれから決めて行こうかと
 現状で問題が多々ありますが、ご指摘を活かして改善していきますのでよろしくお願いします 

 それでは今日の更新は以上となります
  


 最後に更新中に触れられなかった質問に関しましてお答えしておきます


>>50
 ロマサガ2ネタを挟みたかっただけです
 わかりづらくて申し訳ありません

 一応、無駄に見える選択肢も後で意味ある予定です

>>70
 その通りです
 日常話とかもちょくちょく入れつつSS編に入ろうかと


【雀死代行編】

【日常】

【雀卓界編】

【続くor終了】

【破仮面編】

【清澄決戦編】

【ED】

 破仮面編以降は死者が出るような戦いになっちゃうので考え中です
 綺麗に終わるにはSSか決戦編だと思うので、このどちらかは確定です


 
 

総隊長:大沼プロかトシさん
愛染:すこやん
になるとばかり…


 今日は氷雪系最強の隊長が猛威を奮っていますね
 ということで今日の更新を行いたいと思います


>>87
 最初は大沼プロで構想を練っていたんですが、プロ組は十刃で使おうと思い保留中にしています
 


 その前に決めておきたいことというか、相談したいことがあるのですが


・ 護廷メンバーは明かしてもいいか

・ 明かした上で細かい入れ替え、選出など安価した方がいいか

・ 育成的な要素はあった方がいいか


 よろしければ意見もらえると助かります

 
 

育成的要素は特にはいいかな

護廷メンバーは明かさない方が面白い
少しずつ明らかになる方が
ところで志波姉弟と浦原ポジはいるの?

>>95-96
 了解しました
 ただ、好感度処置や能力取得でちょこっと数値貯めはやる予定です

 今後展開がマンネリしたら育成採用しだすかもですが、現状はこのまま行きます

>>97
 浦原、夜一は決定済みです
 志波姉弟は未定


 それじゃあ護廷メンバーは明かさない方向でいきます
 ちなみにプロ込みで考えていたときの隊長達はこんな感じでした

【没案】

一番隊
大沼秋一郎

二番隊
戒能良子

三番隊
赤坂郁乃

四番隊
熊倉トシ

五番隊
赤土晴絵

六番隊 
宮永照

七番隊
瑞原はやり

八番隊
愛宕雅恵

九番隊
野依理沙

十番隊
神代小蒔

十一番隊
天江衣

十二番隊
久保貴子

十三番隊
善野一美

夜一→咏
浦原→健夜

 
 今はもう殆ど入れ替えていますが、これでやってみたかった気も……
 では、今日の更新を始めていこうと思います
 



 雀死代行として、咲の仕事を手伝うことを決意した俺
 ぶっちゃけ分からねーことだらけだけど……

 借りはキッチリ返さねーといけねぇ

 だから――


<2.5 Gonna Be Strong>



【京太郎の寝室】


 一人で住むには無駄に広く、掃除がめんどくさいことこの上ない俺の家
 しかし、その広さも今はそこまで気にならなくなっていた

 少なくとも、以前の"半分"は……

 
京太郎「んで、これがこうで……これが、アレで?」カチャッ

咲「違うよ。そこでそれを切ってどうするの?」ハァ

京太郎「いや、それはそうだけど……」

咲「全然ダメ。もう一度やり直し」

京太郎「うがぁぁぁぁ!!」ガチャーン!

咲「もう、これで何度目?」ハァァ

京太郎「うっせー! 俺は麻雀なんて打ったことないんだよ!」クワッ

 そう、俺は今麻雀を打っている
 それも雀死の咲による指導という名目で

咲「本当にルールも知らないんだ」ヤレヤレ

京太郎「まぁな。役くらいならなんとか言えなくもねーけど」ポリポリ

咲「ふーん。じゃあ、牌効率は?」

京太郎「ハイコウリツ?」

咲「ま、そんなもの雀死にはいらないんだけど」

京太郎「いらねーのかよ!」ビシッ

 とまぁ、こんな感じで朝からずっと二人で麻雀を打っているわけだ

咲「それでね、ここはこう打つんだよ京ちゃん」スッ

京太郎「……」

咲「……? どうかした?」キョトン

京太郎「いや、二つ程聞きたいことがあるんだけどさ」

咲「何?」

京太郎「まず一つ目、その【京ちゃん】ってのは何なんだ?」

咲「えっ?」

京太郎「いや、別に嫌じゃないんだけど少しむず痒くてさ」

咲「うーん、なんかこれが一番しっくり来るんだよね」ウウムムム

京太郎「しっくり、ねぇ」

 そう言われると、確かにそんな気もする
 こいつに須賀、だとか、京太郎、だとか呼ばれるのも違和感がある

咲「そもそも京ちゃんだって私のこと呼び捨てだし」

京太郎「そういやそうだな。悪い、確か年上だったよな」

 最初に会った時に俺の十倍は生きているとか言ってたし

京太郎「待てよ? ということはお前……ひゃくごじゅ――」


 ボキィッ


咲「ん? 何?」ニコッ

京太郎「お、おまっ……」ブルブル

咲「それ以上……余計なこと言ったら、ね?」ニコニコ

京太郎「……ああ。覚えておく」

 女ってのはどうやら複雑らしい

咲「それで、もう一つの聞きたいことって?」

京太郎「おう。それなんだけど」

咲「うん、なんでも聞いて」

京太郎「……なんで俺達は麻雀してんの?」

咲「えっ? 分からない?」キョトン

京太郎「分からないから聞いてんだけど」

咲「えぇー?」ドンビキ

京太郎「いやいや! ドンビキするようなことかよ!」

 そもそも、もう数時間も麻雀打ち続けている
 いい加減くたびれちまうっての!

咲「あのね。これは修行」フンス

京太郎「修行? 麻雀が? なんの?」

咲「麻雀は雀死としての修行なんだから、知らないの?」

 いや、知ってるわけないだろ
 というかなんで麻雀で強くなるんだよ、意味不明だよマジで

京太郎「(なんてのは口にしない方がいいか)」ハァ

 そんな俺の心情を察したのか、咲はおもむろに口を開く

咲「雀死としての力は、麻雀の強さ……つまり雀力で決まる」

京太郎「雀力?」

咲「そう。だから麻雀が強くなれば雀力が上がって戦いが楽になるよ!」ニコッ

京太郎「……」

 とてもじゃねぇけど信じられねぇ

京太郎「大体、麻雀素人の俺が今まで虚を退治してきたのはどういうことなんだ?」

 そうだ。
 雀力=強さならこれはおかしいことになる

咲「それは私の力! 京ちゃん一人なら今頃100回は死んでるんだから!」プンプン

京太郎「いや、そんなには死んでねぇよ!」ズビシッ






咲「とにかく、麻雀を打てばいいの!!」

京太郎「はいはい。わかったよ」カチャカチャ

 結局こうなるのか
 そもそも、麻雀なんて好きじゃないんだが……

咲「ああもう! 何度言ったら分かるの!?」

京太郎「……はぁ」

 しかもこいつの教えは地味にスパルタ
 こんなんじゃやる気も起きないってもんだ

京太郎「うぅ……こんなことなら和に押して貰いてぇよぉ」シクシク

咲「のどか? 原村さんのこと?」

京太郎「ん? ああ、そっか。お前も同じクラスだもんな」

咲「確かに原村さんからは強い雀力を感じた。これからも伸びると思う」

京太郎「インハイミドルチャンプだぜ? そりゃつえーよ」カチャッ

咲「いんはい? それって凄いの?」カチャッ

京太郎「いや、なんでもねぇ」 カチャッ

 やっぱりこいつはこっちの住人じゃねぇんだな
 見た目はこんなに変わらねぇのに

京太郎「……」カチャッ

咲「……」カチャッ

 よくみりゃ可愛い顔してるし……本物の人間みたいだ
 胸は無いけど、いい尻してるっぽいし

京太郎「……」カチャッ

 麻雀にも飽きたし――そろそろ息抜きでもしようかな



 安価下 2


1 咲に悪戯する

2 真面目に練習する

3 咲と出かける



咲「はい、和了!」パタッ

京太郎「あーもう! 無理だって!」グテーン

咲「……全然成長しないね。呆れて言葉が出ないってこのことだよ」ハァ

京太郎「前々から気になってたけど、お前ってさり気なく酷いこと言うのな」ペチッ

咲「ひゃっ!? な、何すんの!?」ヒリヒリ

京太郎「そろそろ息抜きしようぜ。買い物だ買い物」

咲「買い物?」

京太郎「ああ、夜飯の食材とかも買い足さないと」

 昨日からこの咲も俺の家に住んでいるからな
 予備の布団が無ければソファーで寝るところだったぜ

咲「分かった。じゃあ一緒に行く」

京太郎「ん? 別に俺一人でもいいけど」

咲「お世話になるわけだし、家でじっとしてられないよ」

京太郎「へぇ、意外と律儀だな」

 常識があるというかなんというか
 150年近く生きてれば当然なの……かも

京太郎「じゃあ行こうぜ。ついでに街も案内してやるよ」

咲「うんっ!」トテトテ

     /::.:.:.:.:!:.:.:.|.:.:.:.:.:|: : ::| : : : :|: : | | .i: : | | i:. :.:.:.:.i:.:.:.:.|
.    / : : : :i: : : |: : : | ! : ::| i: : :.:|::|::::::i i::::|::|::|::::::::::::i:::::::|
   / : : : : |: : : :!:.:.:.:ト、ヽ:.;!、i: :.:.:|::|、゙、'i´|:フiナi:|::::::::::::|:::::::|

   / : .:.:.:i:.:|:.:.:.:.:ヾ、:.'i´ヾ.::|!ヾ、:::゙、ヽハハヽハノ |ハ::::::::::|:::::::|
.  /.:.:.:.;ィ'|:.:.:i:.:.:.:.::i ヽ:|  ヽ!  ヽ::ゝ  `'  リ |::::::i:ノヽ:::|
 彡 '´ リ i:.:.ヽ:.::.:.:゙、 ヽ___       ;==─-ソ::::::/ /:::!
      ヽ|:.:.ヾ:.、::ヽ≠'´ ̄`     ;;;;;;;;;;;; ノノ:ノ /;イノ

         ソ:.:.:::/::ヾー-;;;;;;;;;  ,     """ /ノ.;:‐'::/
       i.;イ:::;ハ、::゙、 """    ___      /:::::/
       ソ レ  ` ヾヽ    ヽ´  ノ   ィ´::/リ
              ` 、__    ̄  , ' |!;/
                 _"_〕ー--‐'    |__
                /:.::/:|       |:/\

 ガチャッ 

京太郎「……」
  

 やっぱりあいつ……可愛いな


京太郎「あー、ちくしょー」ボソリ

 
 バタンッ






【街中】


 こうして、俺は咲と一緒に買い物へと出発した
 街は休日ということもあり、そこそこ人も多いようだ


京太郎「結構混んでるな、はぐれるなよ咲」


 そう言いながら咲がいるであろう後ろを振り返る
 しかし、そこに咲の姿は無い


京太郎「あれ?」

 おかしい
 さっきまではすぐ傍にいた筈なのに……

京太郎「咲ぃー!」


咲「うわぁぁぁ! 京ちゃぁぁーん!」モガモガ


京太郎「お、いた」

 どこに行ったかと思えば人混みに飲まれてたのか
 というかまだ家を出て五分も経ってないぞ?

京太郎「ほら、こっちだ」グイッ

咲「ぷはぁっ、何これ? 人間ってこんなに多いの?」

京太郎「そりゃなぁ。東京なんかだともっと多いらしいな」

咲「決めた。私、絶対に東京には行かない」キリッ

京太郎「カッコつけて言うことかよ」オイオイ

 やっぱりどう見てもこいつ人間だよな
 それなのに、本当は雀死で……普段はあのバケモノ退治をしてる

京太郎「……」

咲「京ちゃん?」

 俺のせいで力を失って、今はこうしているけど
 もし……力が戻ったらこいつは

京太郎「……なぁ、咲」

咲「なに?」

 もう、二度とこうやって普通の人間のようには過ごせないのかもしれない

京太郎「……」

 だから、俺は――




 次話 ルート安価下2


1 図書館に連れていく Easy
・和やかな時間を過ごせそうです

2 まっすぐデパートに行く Normal
・苺が特売のようです

3 公園に行く Hard
・綺麗なスミレが咲いているようです



京太郎「……いや、なんでもない」

咲「え?」

 何も言えなかった
 雀死に戻りたいのか? なんて、とてもじゃないが聞けなかった

 だって、そんなの答えは決まってるから

京太郎「ほら、行こうぜ」ニッ

 こいつは雀死で、俺は人間
 俺が人間で居続けたいように、こいつだって……雀死でいたい筈なんだ

 だから、俺には何も言う資格は無い

咲「あ、待って!」トテトテ


 でも俺は……こいつに人間として生きて欲しい


京太郎「……」スタスタ

 そう、思っちまった


【デパート サトーココノナガノー】

 
京太郎「さて、買うぞ!」

咲「うわぁ、美味しそうなのがいっぱい!」キラキラ

京太郎「そういや、雀死って何食うんだ?」

咲「え? 食べ物?」

京太郎「ああ。その、雀卓界ってのでも飯はあるんだろ?」

 まさかとは思うが魂を食ったりはしてないだろう
 仙人のようにかすみだけで生きているわけでもねーだろうし

咲「うーん。普通に現世と同じじゃないかなぁ」

京太郎「そうなのか?」

咲「うん。とは言っても、こんなに種類は多くないけど」ワクワク

京太郎「へぇ……」

 確かにジャンクフードやパッケージお菓子なんかは無いだろう
 それは咲の視線の先を見れば一目瞭然だ

咲「……」ジィーッ

京太郎「……」

咲「あ、あれいいなぁ。美味しそうだなぁ」ワクワク

京太郎「咲」

咲「へっ!? な、なに!?」ビクッ

京太郎「……好きなの買ってきていいぞ」

咲「い、いいの?」オズオズ

京太郎「ああ。買いすぎるなよ」

咲「ありがとうっ!」パァァァ

京太郎「っ!」ドキッ





咲「えへへっ!」タタタッ

 まただ
 あいつの笑った顔を見ると、胸が痛くなる

 なんなんだ、コレ?

 この感覚、俺は一体……?

京太郎「……あーもう、やめだやめ!」ブンブン

 なんで俺があいつのことでこんなに悩まなきゃなんねーんだよ
 そもそもあいつの力が戻れば俺はもう用済みなんだ

 あいつはマージャンソサエティに帰って、それで終わり

京太郎「それで終わりなんだ……」


 ドンッ


?「きゃっ!?」グラッ

京太郎「あ、すみません!」バッ

 しまった、考え事していて前が見えてなかった!
 謝らねぇと……って、あれ?

?「あっ!」

京太郎「誰かと思えば……」

?「京太郎も買い物? 奇遇じゃな」ニコッ

         ,. . .-―: : : : : :―-. . _
        . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
     /: :': : : : : : : : : : : : : : : : : : ': : :`: .
.    ,. : :/: : : : : : : : : :': : : : : : 、: : 丶: : : :.`ヽ
.   / : : ': : : : :./: : : /: : : : : : : : ヾ: : ヽ: : : : : :ヽ
.   ': : : :i: : : : :/: : : / !: : : : : ト、: : !、: : :ヽ: : : : : :.}
  {: : : :!:l: : : :!_!: : :゙‐{: : : : :!:!‐!: : }_l: : : lヽ: : : :,.'

.   ヽ:、:.:{: : :.! ヾ:{  ヽ、: : };' ノ:ノ  l: : : :リ: : :/
    ゙、i ゝ、: :{ ,ィ兀下     '"兀心、l !/: -‐'ソ
      l: l: : : :! 比少       込刈. !: : : :.l: :l
.    ; :l : : l:.i   ,,,   ,.    ,,,  .!: : : : !: :l
     , :.! : : l: ト、              ,.':{: : : :l:!: :、
.    /,' : : : :.!:l: :> 、  ` ´  ,. <〃l.: : :l: :、: :、
    '〃: !: : :!:{: :l: : :l:.i.      !: :l: :{!: :.!: :.!: :.ヽ :゙、
.   {;'゙!: :、: : :!:ゝヽ/\    /\:.:゙、: }: ;': : : :): ;!
    ゙、、ヾ;ヽ:.;..'"ソ!   >ー<   !`ヽ'{:/:_: : ;'. '"


京太郎「ちゃちゃのん!」

いちご「いかにもちゃちゃのんじゃ」デデーン




京太郎「ちゃちゃのんも買い物?」

いちご「今日は苺が特売でのぅ」ホクホク

京太郎「あ、ホントだ。俺も買ってこうかな」
 
 ちゃちゃのんの言うとおり、色鮮やかな苺が大変お買い得な値段で陳列されている
 これはまさしく買わねば損というものだ

いちご「買うならちゃちゃのんが選んでやるけえ」ワキワキ

京太郎「うーん、でも今日はちょっと連れが……」

いちご「連れ?」


 トタタタタタタッ


咲「京ちゃーん」トテテテッ


 噂をすれば咲の奴がお菓子をカゴいっぱいに詰め込んで走ってきた
 なんて満面の笑みをしてやがる……

咲「あれ? 誰、この人?」キョトン

京太郎「ああ、俺の先輩で……」

いちご「この子が連れ?」ジッ

京太郎「ああ。ちょっと色々あってさ」

いちご「……」ジーッ

京太郎「ちゃちゃのん?」



 ちゃちゃのん好感度


 コンマ一桁下2

0~3 友情

4~6 親友

7~8 LOVE

9 LOVE&JOY



いちご「まーた女の子引っ掛けて……」ハァ

京太郎「人聞き悪い!」ガァーン

咲「随分と仲よさそうだね」

京太郎「んー、確かに先輩だけど友達だしなぁ」

いちご「親友じゃな」ポンポん

京太郎「よろしければその先に進展したいかなーなんて」エヘヘ

いちご「願い下げじゃ♪」バッサリ

 ズシャッ

京太郎「ぐはっ!!?」ブシャッ

 バタリッ

京太郎「さ、咲……俺はもう、だ、ダメだ」ガクガクガク


 通算数十回目の失恋だ(その大変がちゃちゃのんだが)
 もう俺に生きている価値なんて存在しない…… 


咲「お店の人に迷惑だからそういうのやめようよ」

 ガバッ

京太郎「すみませんでした」ペコリ

咲「うん、よろしい」エッヘン

いちご「(もう手懐けられてるんじゃな)」ドンビキ

咲「京ちゃんと同じクラスの宮永咲です」スッ

いちご「三年の笹野いちごじゃ」ニッコリ

 ニギニギ

咲「……?」ピリッ

京太郎「ちゃちゃのんも麻雀部でな、そこそこ強いぞ」

いちご「そこそことはなんじゃ、そこそことは」ペチペチ

京太郎「事実じゃんかよー」ペチペチ

 ペチペチペチペチペチ

咲「あの、なんでおでこをぺちぺちしあってるの?」

京太郎「いや、なんでだろう?」ペチペチ

いちご「分からない……」ペチペチ

咲「あ、そう」

 
 ペチッペチッペチペチッ


三人「(何この空気)」ガビーン

佐々野じゃなかったっけ?

>>122
 ごめんなさい、次から気をつけます


咲「でも三年生なのにタメ口なんだね」

京太郎「ん? まぁ、ちゃちゃのんはちゃちゃのんだし」

いちご「どういう意味?」

京太郎「可愛いってこったよ」キリッ

いちご「ハッキリ言ってきもいんじゃが」バッサリ

 グサッ

京太郎「」ガタガタガタガタ

咲「えー? またこれやるの?」

いちご「毎回会うたびやっとるけぇ」クスクス

京太郎「チャチャノォン……」ブツブツ


咲「京ちゃんは置いといて、佐々野先輩はそれでいいんですか?」

いちご「……実はタメ口をお願いしたのはちゃちゃのんの方なんじゃ」クスクス

咲「え? どうしてですか?」

いちご「まぁ、色々あってのぅ」


京太郎「モウヤダァ……」ブツブツ


咲「もう、いつまでやってるの?」グイグイ

いちご「情けない」バッサリ

京太郎「たまには褒めてくれよなぁ」ハァ

いちご「……」ウーン

京太郎「え? そこまで悩む? ちょ、マジで凹むんだけど」ガァーン

咲「だからいい加減にしてってば」プンプン

京太郎「わ、悪い。中々慣れないんだよ」ハァ

いちご「お、そうじゃ。そろそろ帰らないと」

 チラッと店内時計を見ると、確かにそろそろ日が落ちる頃だ
 少し長居しすぎたらしい

京太郎「そういや……今日は一人か?」

いちご「そうじゃが……何、もう大丈夫じゃけぇ」ニコッ

京太郎「防犯ブザーは持ってるか?」

いちご「勿論!」ジャラッ

京太郎「催涙スプレー、スタンガン、金属バット」

いちご「当然!」バチバチバチ

京太郎「よし。んじゃ、帰りは人通りの多いところを通れよ」

いちご「口うるさいのぅ。ちゃちゃのんは子供じゃないんじゃが……」ムスッ


京太郎「いちご」

いちご「っ!」

 ぐっと、空気が重くなる
 俺がいちごを名前で呼ぶのは、それだけ真剣だということをいちごも知っているからだ


京太郎「なんなら送るぞ」

いちご「心配性じゃな。でも、今日はまっすぐ変えるけぇ」

京太郎「……」

いちご「じゃあ、宮永さん。また今度」ニコッ

咲「あ、はい」

いちご「……」クルッ 


 ヒラリッ


京太郎「ん?」チカッ!


いちご「……」スタスタ  

 スゥゥゥゥゥ……


 なんだ、今の?
 いちごの身体から、赤い糸のようなものが……

咲「どうかした?」

京太郎「あ、いや。気のせいか?」ゴシゴシ

咲「……」

京太郎「悪い、錯覚かなんかだ」アハハ

咲「……違う」

京太郎「え?」

咲「それは、きっと錯覚じゃない」

京太郎「はぁ? いきなり何を――」

咲「何を見たの? 正直に答えて!」ジッ
 
 そう言って、咲は俺をまっすぐ真剣な目で見る
 そのあまりの剣幕に気圧されながらも、正直に答える

京太郎「いや、ちゃちゃのんの身体から赤い糸のようなものが伸びてて……」

咲「赤い糸?」

京太郎「一瞬だけだったんだけど……」

咲「赤い糸……麻雀部……」ブツブツ

京太郎「咲?」

 咲は何か思い当たることがあるのか、しきりに頷いたりつぶやいたりしている

咲「ねぇ、そういえば佐々野先輩にさっき言ってたことって?」

京太郎「ん? それが何か関係あるのか?」

咲「分からない、でもお願い。今は私を信じて」ジッ

京太郎「……ああ、分かった」

 正直、あのことを第三者に話すのは気が引けるが……
 いちごの身に何か危険が迫っているなら、仕方ない

京太郎「あれは……半年くらい前のことだ」



 思い出すのも忌まわしい、あの”事件”




【公園前 午後六時四十二分】
 

いちご「……」テクテク

 京太郎と出会った帰り道、いちごは妙に気落ちしていた
 久しぶりに京太郎に出会ったこともそうだが……
 
 なぜだか脳内にずっと”あの日”の記憶が焼きついて離れないのだ

いちご「ちゃちゃのんは、死神じゃ……」ギュッ

 アイドルと呼ばれていた頃
 みんなから慕われ、愛されていたあの頃

 それが、突然失われた

 あの日から自分は死神と呼ばれ、悪魔と囁かれ
 ついには、誰も寄り付くものはいなくなった

いちご「じゃが、まだ京太郎がいる」クスッ

 そう、須賀京太郎
 佐々野いちごを知る者で、あの少年だけが普通に接してくれる、微笑んでくれる

 それが、佐々野いちごの何よりも大切なモノ……


男A「お、可愛い子いるじゃん!」

 しかし――それすらも奪おうとするかのように
 運命の残酷な輪は回り始める

いちご「え?」ドキッ

 
男A「俺、シブタク。へへ……付き合ってよおねーさん」ニヤニヤ 

 サングラスを外し、流し目をしてくる醜悪な男
 いつの間に目の前まで接近してきていたのか、いちごはまるで気付かなかった

いちご「い、いやっ……近づかないで」ゾクッ

 慌てて距離を取ろうとするが、後ろには公園の柵
 これ以上下がれないとふんだいちごは慌てて防犯グッズを取り出そうとするが……
 
男A「いいだろ、なぁ」グイッ

いちご「いやっ! ちゃちゃのんに触ったらダメじゃ!」

 防犯グッズよりも、まずは自分に触ろうとする男を静止しなければならない
 しかし、当然男はそんな言葉に耳を傾けたりなどしない

男A「ちゃちゃのんて言うのか、可愛い名前だね」グヘヘ

いちご「ダメ、触ったら……触ったら!!」ブルブル

男A「俺、どうにかなっちゃいそぉぉぉ~~♪」スッ

 ガシッ

いちご「あっ」ゾクッ

男A「へへっ、捕まえた」ニヤリ

いちご「あ、あぁっ……ダメ、なのに……」




男A「へへへ、何がいけないのかな?」ニヤニヤ

いちご「……」

 もう遅い

男A「それじゃあ公園のトイレま――」ドクンッ

 いちごに触れた時点で、この男の運命は決まってしまった

 シュルルルルッ

男A「あっ、がぁっ!?」

いちご「あ、あぁ……」ヘナヘナ

 いちご、男ともに見えない何か
 その鮮血のように赤い糸が、男の首を締め上げる

男A「ひっぐっ、だずっだずげでぇっ!?」ジダバタッ!

 だが、男はなおも高く高く釣り上げられていく
 見えないロープに吊るされるかのように――家畜のごとく

男A「あ、あがっがっ」ビクッビクッ

 遂に白目を剥いて、泡を吹き出しても男の体は宙に浮かんだままだ

 シュルッシュルルルッ

 そして、その男に巻きついている赤い糸が静かにその先端を鋭く尖らせていく

いちご「もう、やめてっ……」ガタガタガタ

 ドシュッ!!

男「」ピクッピクピクッ


 鋭い音とともに、その赤い糸は男の心臓を貫く
 血も流さず、穴の一つも空けずに


?「オマ……ハ……フ……クナイ」


 ただ、刺し貫いた


男「」ドシャッ

いちご「あっあっ、あぁっ……」ブルブル

 糸を切られた操り人形のように、力なく地面崩れ落ちる男
 その顔に生気は無く、遠目からでも死んでいることは容易く理解できた

いちご「ま、また、またちゃちゃのんのせいで……」


 その男の死因は心臓麻痺


いちご「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 佐々野いちごの前で心臓麻痺を起こした、十人目の男であった


【デパートからの帰り道 午後六時三十分】


 あんなデパートの真ん中で話すわけにもいかず、俺は咲と一緒に帰り道を歩いていた
 どこから話していいものか分からなかったが、何か手がかりになればと最初から話すことにする

 ちゃちゃのんにはまた今度謝ればいい

 今はただ、あいつのことが心配だった

京太郎「ちゃちゃのんは元々、あの美貌で絶大な人気を誇ってたんだ」

咲「……誇っていた?」

京太郎「ああ。クラスだけじゃない、学校中……いや、街中があいつのことをアイドルのように扱ってた」

咲「……」

京太郎「そこそこ麻雀も強いし、愛嬌もある。誰もがあいつのファンになって、応援していた」

咲「……でも、今は違うの?」

京太郎「……ある日、あいつが部活で遅くなった帰りだ」

 俺も現場を見たわけではないので、細かくは知らない
 だけど、それはあまりにも酷い話だった




【半年前】


 人気者の佐々野いちごのクラスメイトに、一人の男がいた



 その男はお世辞にも人並みとは言えない醜悪な容姿を持っており、それを補うだけの人格も持ち合わせていなかった
 
 成績は下から数えた方が早く、勉強もせずに人を妬んでばかり
 そのくせ自尊心ばかりが強く自分は何よりも特別な存在と信じていた

 勿論、そんな男はクラスで孤立し友達の一人もいなかったが、彼は気にしなかった

 特別な存在である自分と釣り合う者などいない

 それが彼の答え
 だからそれゆえに輪を形成するものが滑稽に思えて仕方なかった

 
 いつか自分を見下した者を見返してやると、野心ばかり抱き
 常に悪意と敵意を育みながら、男は成長した


 そして、高校生活三年目を迎えた日のことである


いちご「佐々野いちごじゃ、よろしくのぅ」ニコッ


 それは――自分の隣の席に座る少女
 これまで、一度と同じクラスになることはおろか……会話すらしたことのない少女

 
 一目惚れだった








 思えば、自分に対して純粋な笑顔を向けられたのはいつ以来だろうか
 あの両親すらも、自分を厄介者だと思っている

 友達もいない彼にとって、仲良く談笑できる相手などこれまでいなかった

 しかし、目の前の彼女はどうだ?

いちご「?」ニコニコ

 今まで自分の価値を理解出来なかったクズどもと違い、彼女だけは自分を認めてくれた
 彼女こそが、自分に相応しい女性なのだ


男「あ、あぁ。よ、よよよよろしく」


 そして、それからが彼の人生のスタートとなった

 
 佐々野いちごが麻雀部だということを知り、麻雀のルールを調べた
 家にいる間は常にネット麻雀を行い、どんどん実力を付けていく

 彼女の行動も調べた
 帰り道、家、出されたゴミ

 趣味、趣向、考え

 それら全てが彼の中でどんどんと広がっていった


 もう、彼女無しの人生は考えれない
 そしてそれは佐々野いちご自身も同様だと、男は確信していた

 なぜなら毎日彼女は自分に笑顔で挨拶してくれる
 変える際にはまた明日と微笑んでくれる


 これは愛だ


 二人は永遠に結ばれるべき存在なのだ


男「俺の、ちゃちゃのん……俺だけの」ブツブツ


 やがて、男は行動に移る
 彼女の真の理解者は自分なのだ

 ならば、告白しよう
 女性相応に恥ずかしがり屋の彼女の背中を後押しするのだ

 そうすれば、きっと――




 だが





いちご「ごめんなさいっ!!」バッ

男「えっ?」


 返ってきた答えは、男の予想の正反対のものだった





男「な、何を……」

いちご「気持ちは嬉しいんじゃが、ちゃちゃのんはそういう事には……」

 男はただ困惑した


 目の前の女は何を言っている?
 この俺が告白したのに、コトワル?

 ナゼ?

 テレテイルノカ?


男「だ、だって、お、俺のこ、ここと見てくれて、笑ってくれて」ブツブツ

いちご「それは、隣の席じゃったから……」

男「す、好きな筈だ。お、おおお俺のこここっことを!」ズイッ

いちご「ひっ!?」

 男が距離を詰めると、いちごは怯えるように退く
 それが明確な拒絶だということは、流石に男にも理解できた

 そしてそれは――

男「あ、あぁっ……」ブルブル

 男の中の最後の希望すらも奪い去ることでもあった


男「あああああああああああああああああっ!!!!!!」ガリガリガリッ

いちご「きゃああああっ!?」

 狂乱しながら自分の胸を掻き毟る男の姿は、まるでバケモノだった
 目は血走り、涎を垂らし……髪はぼさぼさに逆だっている

男「佐々野ォォォォ!!」ガシッ

いちご「きゃっ!? いやっ!? 離して!!」

 男はもはや理性を失い、本能ままにいちごに襲いかかる
 どうあがいても力は男の方が上

 いちごは為すすべも無く押さえつけられる

男「はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁ!!」 ビリッ

いちご「や、やめてっ!?」

 制服の裾を破ろうと力づくで引っ張る男
 この後、何をしようとしているかを察し、いちごは恐怖した

 こんなところで、無理やり

 それは絶対に――嫌だ

いちご「い、いやあああああ!!」ドンッ

男「がっ!?」ドシャッ

 まさに、火事場の馬鹿力だった
 いちごの放った渾身の一撃が、運良く男の胸を突き上げたのだ

 しかし、それは逆に不幸な事故を招いてしまう


男「あ、ああっ、ががっ!?」ジタバタ

いちご「えっ……?」

 突然胸を抑えて苦しみ始める男
 その様子は、とてもじゃないがまともには見えない


男「あ、あっ……ちゃ、ちゃ……の」グッ

 もがき、苦しむ男がそっと手を差し伸べてくる

いちご「い、いやっ!」ダッ
 
 パシンッ

男「あっ……」

 しかし、それをいちごは跳ね除けて走り出す
 振り返りもしなかった

 ただ、この恐怖から逃れようと必死だった

いちご「はぁ、はぁっ……!」タタッ


男「……」

 そんな去りゆくいちごの後ろ姿を、男はただずっと見つめ続けていた
 ずっと、ずっと

 その命が尽きる、その瞬間まで


男「」ドシャッ


 その男が心臓麻痺で亡くなったということをいちごが聞いたのは――
 その次の日のことだった



【デパートからの帰り道 午後六時三十五分】


京太郎「ていうのが、最初の事件だ」

咲「そんなことがあったんだね……」

京太郎「それから、いちごを口説こうとしたり乱暴しようとすると心臓麻痺するって噂が流れた」

咲「噂?」

京太郎「ああ。誰が言い出したかは分からねーけど、学校中もちきりだった」

 いちごの人気に嫉妬した誰かの冗談だったのだろう
 しかし、先だっての事件の大きさと同調して噂も大きくなっていったのだ

京太郎「それで、お調子者が数人……いちごにちょっかいを出した」

 肝試しのようなものだったのか、×ゲームだったのかは分からない
 だが、ハッキリしているのは全員がいちごを口説こうと近づき、無理やり抱きつこうとしたりしたのだ

咲「そ、それで……?」

京太郎「……死んだ」

咲「え?」

京太郎「全員死んだんだ。いちごの目の前で、心臓麻痺だってよ」

咲「!!」ゾクッ

京太郎「それからだ。いちごが死神いちごだとか、死神代行佐々野いちごだとか言われ始めたのは……」

 今思い出しても酷い有様だった
 今までチヤホヤしていた全員が手のひらを返し、いちごを虐め、蔑んだ

 まるで、化物を見るような瞳で










咲「そう……」

京太郎「詳しくは知らないけど、相当やばかったらしい」

 だけど、下手に手を出すと心臓麻痺だから直接暴力は振るわれなかったようだ
 しかし無視されたり、物を隠されたり落書きされたりは毎日のように行われていた

咲「辛かったんだろうね……」ウルウル
 
京太郎「ああ。それで、見兼ねた俺があいつに告白した」

咲「は?」

京太郎「全校生徒の前で【好きだ!】って宣言して抱きついた」

咲「え、ええええええ!?」

京太郎「……思いっきり叩かれたなぁ」ボンヤリ

 神速の一撃だった
 心臓麻痺こそしなかったが、ある意味ショックで死にそうだった

咲「……」ジトォッ

京太郎「な、なんだよ? そこはキャーカッコイー! って場面だろ?」

咲「いや、バカだと思う」ボソッ

京太郎「酷くね!?」

 とまぁ、それが効果あったのか以前ほどは酷い虐めはされなくなったらしい
 
咲「だからさっきの茶番なの?」

京太郎「おう。どうやら俺は死なないみたいだから、あいつに会うたびに告白してるんだ」

 そうやって俺が生き続ければ、周りも変な噂をやめていくだろう
 そういう考えだった

咲「……なるほどね。全部繋がったよ」

京太郎「繋がった?」

咲「急がないと、佐々野さんが危ないかも!」ダッ

京太郎「あ、おい!」

 ピリリリリッ

咲「!?」チャッ

京太郎「それって、あの虚の情報の……」

咲「まずい、まずいよ京ちゃん!」スッ

京太郎「何がまずいんだ?」

咲「もうすぐ、近くの公園で虚が現れる。恐らく……」

京太郎「近くの公園って、おい! その方向はいちごの家が――!!」

咲「このままじゃ――!!」






【公園 午後七時】


 いちごの目の前で男が死んで数分、未だに放心しているいちご
 本当なら逃げ出したい

 ここから逃げ出して、京太郎に連絡を取りたい
 
 声を聞きたい、会いたい

いちご「うっくっ……」ググッ

 それなのに、体が動かない
 まるで縛られているかのように、クモの巣に捕まった蝶のように
 
いちご「あ、あぁっ……」ビクビク

 そして、身動きの取れないいちごを怯えさせるもうひとつの要因

 それが――

?「やっと、やっと十人目だよ……」ズルズルッツ

 
 先ほどから聞こえる、姿なきモノの声だった


いちご「だ、誰なんじゃ……? いつも、いつもぉ……」グスッ

?「君には見えないのかい? 僕と、君の運命の糸が」

いちご「運命の糸……?」

?「こんなに強く、複雑に絡まって……綺麗だ」

 恍惚とした声はだんだんと強くなっていく
 どこかで聞いたことがあるような――だけど思い出したくないその声

?「やっぱり、君も僕と同じにならなきゃダメなんだね」

いちご「え? えっ……?」

?「痛くしないさ。だから安心して――」

 シュルルルルッ

いちご「きゃっ!?」バッ

 フッと、体を拘束していた見えない何かが解ける
 しかし……腰が抜けてしまって動けない

?「一撃で、楽にしてあげよう」

 ギリギリギリッ

いちご「な、何をする気なんじゃ……」ガクガク

 ギリッギリギリギリギリッ

 いちごの目には見えない、"赤い糸"の先端が徐々に鋭さを増していく
 その矛先はが定めるのは……いちごの心臓


?「ちゃちゃのん、愛し合おう。これからもずっと」

いちご「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」


 ギュルルルルルルルルルッ!!!


 針のように鋭い"赤い糸"がまっすぐにいちごの胸を穿つ為に直進する


?「さぁ、俺と同じ苦しみを味わえ佐々野ォォォォォ!!」 
 

 何かが起きようとしている、それも自分の命を奪おうとする何かが

 だが、姿も見えず何が起きているか理解していないいちごに避ける術はない

 ただ、死を待つのみ

 それが訪れる瞬間すらも分からず、ただまぶたを閉じるだけ


いちご「京太郎っ!!」ギュッ


 願わくばこの悪夢が――


「うらぁぁぁぁぁぁ!!」ガギィィィィィィン!!


いちご「えっ?」


 覚めてくれるようにと


?「なっ!? お、お前は――!?」

 うろたえるような謎の声、それとさっき聞こえたのは――

?「貴様、なぜ邪魔をする!! 貴様は一体なんなんだ!!!?」

 怒りの咆哮
 それが誰に向けられたものなのかいちごには分からない


いちご「い、今のは……?」

「俺か? 俺は――」ジャキッ


 だけど、この後に確かに聞いた

 自分の求めていた、あの人の声



京太郎「雀死代行……須賀京太郎だ」



 優しいあの人の、暖かい声を――


 
~~To Be Continued~~




 ということで今日はここまでとなります
 なんとかオリジナルを頑張って見てますが、やはり面白くないです申し訳ありません

 次回の戦闘で少しは盛り上げられるよう頑張りたいです


オリジナルいいと思うよ

>>145
 そう言って頂けると嬉しいです



 今日は更新出来そうにないので、明日投下します

 少し話が単調になっているので、戦闘システムの採用&テストをやるつもりです
 希望などございましたら、気兼ねなくどうぞ

りょーかい
戦闘システムってどんな感じを考えてるの?


>>150
 まだざっくばらんですが


<<ステータス>>

【雀力】
・戦闘、ダメージで使う数値

【オサレ値】
・能力攻撃の発動に消費するMPのようなもの
・0になると強制敗北
・戦闘中、オサレな行動を取ることで回復もできる

【能力】
・始解攻撃
・卍解攻撃
・その他


<<戦闘システム>>

【行動選択】

1 通常攻撃
・雀力+ダメージコンマ判定

2 会話する
・説得、説教の再安価

3 能力
・どの能力を使うか再安価

4 逃げる 
・逃げ判定



【相手の行動】 ※ ここはこちらで決めるか、コンマランダム

・ 通常攻撃

・ 能力を使う

・ 逃げる


 ざっと考えているのはこんな感じです
 できればもっと簡略化したいと考えてます


 お待たせいたしました
 本日の更新をしたいと思います

 今日は戦闘システムの実践&京太郎のステを決めたいと思っているので、
 ご協力をお願いします


 まずはステータス解説
 基本3種のステータスに、LVが上がる毎にボーナスを割り振るマ●オRPGシステムで行こうかと思います

<<ステータス>>

【LV】
・HP=LV×50
・LVが上がる毎に雀力取得

【雀力】
・攻(ダメージ判定)
・防(ダメージ軽減判定)
・速(ダメージ回避判定)


【オサレ値】
・能力の発動に消費するMPのようなもの
・0になると強制敗北

【能力】
・始解攻撃
・卍解攻撃


 ステータス例

<<須賀京太郎>>

【LV1】
HP=50

【攻撃】 5
【防御】 5
【速度】 5
【オサレ値】 5
【雀魄刀】
・通常
【能力】
・なし

 ここで虚などを倒してLVをあげると

【LV2】
HP=50→100
【攻撃】 5→6
【防御】 5→6
【速度】 5→6
【オサレ値】 5→6
【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 更にレベルが1上がるごとに、好きなステをもう一度上昇させます
 ここで安価を出し、攻撃が選択された場合


【LV2】
HP=50→100
【攻撃】 6→7
【防御】 6
【速度】 6
【オサレ値】 6
【雀魄刀】
・通常
【能力】
・なし

 このような感じで能力を特化させたり、満遍なく上げたりもできます
 




 次に戦闘時の判定について


・通常状態の場合
 (コンマ+自攻撃-相手防御)×2=ダメージ

・始解状態の場合
 ※それぞれの始解毎に能力があるので、それにより変動
 (コンマ+自攻撃-相手防御)×5=ダメージ

・卍解状態の場合
 ※それぞれの卍解毎に能力があるので、それにより変動
 (コンマ+自攻撃-相手防御)×10=ダメージ

 
 回避判定

1 (自分速-相手速)×5=補正 

2 100-補正>コンマで回避

※ これらも始解や卍解で大きく変動します


<<戦闘システム>>

【行動選択】

1 通常攻撃
・ダメージコンマ判定

2 会話する
・説得、説教の再安価

3 能力
・どの能力を使うか再安価

4 逃げる 
・逃げ判定


【相手の行動】 ※コンマランダム

・ 通常攻撃

・ 能力を使う

・ 逃げる


 とまぁ、文字で説明してばかりでも難しいと思うので実際にやって確認していこうと思います
 進むにつれてどんどん修正する予定なので、不便なところがあればご指摘ください






 自分がどの瞬間死んだのか、なんてのは覚えていない
 ただ覚えているのは……自分が死ぬ前に見たあの光景


 好きだった人の裏切り――


 自分の助けを振りほどいて走り去る少女の後ろ姿


 ああ――なぜ

 
 こんなにも努力して、あんなにも求めて
 ただ君だけいればよかった

 君だけが僕を理解してくれればよかった

 それなのに、なぜ?

 なぜ君は傍にいない?


 ああ――なぜ


 君は、こんなにも遠いのか――

 

<<3 Red string of fate>>

【公園 午後七時】


?「さぁ、俺と同じ苦しみを味わえ佐々野ォォォォォ!!」 
 
いちご「京太郎っ!!」ギュッ



 ギュルルルルッ!!


「うらぁぁぁぁぁぁ!!」


 ガギィィィィィイン!!


?「貴様、なぜ邪魔をする!! 貴様は一体なんなんだ!!!?」


 月夜に照らされる公園に響く、異形の叫び
 そして、それに対するのは――


京太郎「雀死代行……須賀京太郎だ」



 漆黒の衣を身に纏う、一人の少年



オサレ詩…だと…

>>166ー168
 やめてくれェ……



 
いちご「この声は……?」フラッ

 自身の身に迫っていた脅威から救われた開放感からか、その場に倒れ落ちるいちご
 どうやら意識を失ってしまったようだ

 そして、その場に残ったのは――


京太郎「……」

?「おのれ、おのれおのれおのれおのれ!!」ギチギチギチギチッ

 京太郎の前に立ちふさがる、その異形の魂
 八つに別れた多脚に、全身を覆う強靭な鎧


蜘蛛虚「須賀京太郎ォォォォオォォオォォ!!!」ビリビリビリビリッ

 
 それはもはや、ただの怪物


京太郎「昨日の蜘蛛より、デケェ……」ザッ


 
~~~数分前~~~


 虚の出現を察知し、俺達は必死に公園へと足を進めていた

京太郎「なんでだ!? なんでちゃちゃのんが危ないんだよ!?」

咲「恐らく、最初に死んだ人が虚になって佐々野さんにとり憑いているんだと思う!」タタッ

京太郎「ハァ!? なんだよそれ!? どういうことだ!?」タタタッ

咲「虚というのは元々全て――普通の人間なの!!」

京太郎「なん……だと……?」

咲「だから、自分の好きな人に近づく男をみんな殺していたんだと思う」

 咲の言った言葉がしばらく理解できなかった
 俺が今まで倒してきた虚が人間?

 それじゃあ俺は――

咲「迷わないで!」

京太郎「っ!?」

咲「大事なのは今でしょ!? 今、ソイツを倒さなければ誰かが死ぬんだよ!?」

京太郎「……」グッ

 納得できないことは多い
 でも、咲の言う通りだった

 俺が戦わなきゃ優希は死んでいた
 そして、今回戦わなければきっと……ちゃちゃのんも

 だから――





京太郎「おい! 俺を雀死にしろ!!」

咲「えっ!?」

京太郎「そっちの姿になった方が早く走れる!」ザッ

咲「……いいの?」

京太郎「ああ! だが、後でお前には言いたいことが山ほどある!」ビシッ

咲「ふふっ……分かった。だったら、ちゃんと戻ってきてね」ザッ

 走りを止め、お互いに向きあう
 そして咲が例のグローブを右手にはめ、そっと手を伸ばしてくる

京太郎「修行の成果、見せてやるよ」ニィッ

咲「うん。見せて貰うよ!!」ゴッ


 ズリュッ!


咲「!?」

 咲が俺の魂を押し出し、俺の体は漆黒の装束に包まれる
 そして、背中には――

京太郎「!!」

咲「な、何……この、雀魄刀の……大きさ!?」ドキッ


 初期Lv決め

 コンマ一桁下3

0=Lv10
1~9=それぞれの数値=Lv

ゾロ目=京太郎の雀魄刀 13km 


 


<<須賀京太郎>>

【LV7】
HP=350

【攻撃】 12
【防御】 12
【速度】 12

【オサレ値】 12

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


 6Pだけボーナス割り振れますが、今回は極振りで行きます

安価下2

好きなステを選んでください


<<須賀京太郎>>

【LV7】
HP=350

【攻撃】 12
【防御】 12
【速度】 18

【オサレ値】 12

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


 ついでに虚のステータスも


<<蜘蛛虚>>

【LV5】
HP=250

【攻撃】 10
【防御】 15
【速度】 10

【オサレ値】 10

【能力】
・Red string of fate (Hit時 2ターン拘束)

斬月になるなら速度極振りしたいよね


>>181
 斬月かどうかは決めてません
 オリジナルになるか、安価で決めようと思います


京太郎「ん? 少し小さくなったか?」ズザァァ

咲「嘘、どうして……?」

 咲の疑問はもっともだ
 始めて京太郎が雀死になった時の雀魄刀は今よりも巨大だった

 しかし、今は一回りほど小さくなってしまっている

咲「(これは雀力が弱くなったの? それとも……)」

 咲の脳内にある可能性が思い浮かぶ
 しかし、それはありえない

 なぜなら、自分の雀魄刀のサイズを自在にコントロールできるのは……

京太郎「今なら、間に合う気がするぜ!」ググッ

 ドンッ!!

咲「なっ!?」

 ブワァァァッ!!

咲「速い――!?」

 昨日までの動きとはまるで違う
 
咲「成長、してる……?」

 それも、急激なスピードでだ
 
咲「京ちゃんって一体……?」


【公園 午後七時】


蜘蛛虚「須賀京太郎ォォォォ!!」

京太郎「なんだよ、さっきから人の名前呼びやがって」ジャキンッ

蜘蛛虚「お前が、お前っ、おま、お前が……!」カサカサカサ

京太郎「俺に見覚え……あんだろうなそりゃ」

 もし、咲の言うとおりこいつがいちごにとり憑いていたなら、それこそ毎日のように

京太郎「だけどよ、お前は俺を殺さなかったな」

蜘蛛虚「!?!」

京太郎「理屈は分かんねーし、理由なんざどうでもいい」スッ

蜘蛛虚「す、須賀須賀、きょきょきょ京太郎! こ、ころころころ殺す!!」カサカサ

京太郎「だけど、一つだけハッキリしてんのは――」ググッ

 ブンッブンブンブンブンッ!!

京太郎「ハァァッ!!」ブンッ

 ズォァァァァァァア!!!

蜘蛛虚「うがっ!?」ズザァァァァ!!

京太郎「テメーに俺は殺せねーってことだ!!」ビシッ




蜘蛛虚「殺す、殺す、今度こそ殺す……」ブツブツブツ

京太郎「やらせてたまるか!」

 とは言ってもこいつは相当強そうだ
 油断すると本当に殺さねかねない……怖い

 でも――

京太郎「……いちご」チラッ

いちご「……」スースー

 振り返れば、そこに護りたいもんがある
 大切な友達を……助けたい

京太郎「だから、俺が戦う」

蜘蛛虚「グゲゲゲゲゲッ!!」カサカサカサカサ!!

京太郎「行くぜ!!」


 バトル スタート!!


<<須賀京太郎>>

【LV7】
HP=350

【攻撃】 12
【防御】 12
【速度】 18

【オサレ値】 12

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


<<蜘蛛虚>>

【LV5】
HP=250

【攻撃】 10
【防御】 15
【速度】 10

【オサレ値】 10

【能力】

消費10
・Red string of fate(Hit時 2ターン拘束)



【勝利】
・蜘蛛虚のHPを0にする
・Red string of fateを被弾し、拘束を解除する

【敗北】
・自身のHPが0になる



京太郎「はぁぁぁ!!」ダダダッ

蜘蛛虚「ブシュルルルッ!!」ギュィィィ!

京太郎「!?」

 こいつ、見た目通りやっぱり蜘蛛か!?
 口から糸なんか吐きやがって――

京太郎「ハッ!」ヒラッ

蜘蛛虚「グギャギャ!!」ブンッ

京太郎「おわっ!?」ズザッ

 糸を回避したところに多脚の複数攻撃
 こいつ、やっぱり厄介だ

京太郎「だったら、さっさと倒させてもらうぜ!」グッ

  

【行動選択】

1 通常攻撃

2 会話する

× 能力 
現在使用不可

4 逃げる 
ハリベル「逃げちゃダメだ逃げちゃダメた逃げちゃダメだ」



 安価出し忘れてましたすみません

 このレス安価下2

【行動選択】

1 通常攻撃

2 会話する

× 能力 
現在使用不可

4 逃げる 
ハリベル「逃げちゃダメだ逃げちゃダメた逃げちゃダメだ」


京太郎「……」

 でも待てよ、あいつは確か元人間なんだよな……?

蜘蛛虚「須賀京太郎……!!」ガサガサ
 
 だったら、なんとか説得できないか?

京太郎「おい、お前!!」

蜘蛛虚「……」ピタッ

京太郎「どうしていちごにこんなことするんだ!? お前だって元人間だろ!?」

蜘蛛虚「……ニンゲン」

京太郎「だったらこんなことはもうやめろよ! なんの意味があるんだ、こんなこと!!」

 あらん限りの声で説得する
 どんな悪霊でも元は人間、生前の記憶だってあるはずだ
 
 それならば、この言葉は届く筈……!


蜘蛛虚「おれ……ニンゲンだった……」ブルブル

 どうだ……?

蜘蛛虚「でェも、でもデモでモぉ!!」グケッグケケケッ

京太郎「!?」
 
 蜘蛛の異形は嗤う
 それは自分をなのか、それとも

蜘蛛虚「もうニンゲンじゃない! 佐々野はオレのモノ!! オレノモノダヨォ!」ゲラゲラゲラ

 自分がこうなってしまった運命に対してなのか――

京太郎「チッ、ダメかよ!!」


 説得に失敗しました



※説得、会話はオサレ値の回復or雀死に対して大きく有効です

 自我が弱い虚などにはあまり意味がありません
 現在はオサレ値がMAXなので、無効となりました



蜘蛛虚「だからまずはお前をコロス! コろスぞ須賀ァァ!!」ダダダッ

京太郎「!?」


 コンマ判定下2


【虚の行動選択】

0~6 通常攻撃

7~9 能力攻撃

勝利条件って片方達成すればいいの?
それとも2つ達成しないといけないの?

>>195
 どちらか片方でOKです

蜘蛛虚「ブジュルルルルッ!!」ブシャァァッ!

京太郎「ぐっ!?」サッ!

 蜘蛛虚の口から大量の糸が吹き出す
 恐ろしい粘性を持っているのが、遠目に見ても分かる

京太郎「(これに捕まったらまずい――!?)」ダダダッ

 距離を取りながら、様子を見る
 一方の蜘蛛虚はその白い糸を自身の周囲に張り巡らせていく

 地面を走って蜘蛛虚に近づくのはとても難しいだろう

京太郎「(どうにかしてあいつに近づかないと……)」タタタッ

蜘蛛虚「ウゲッゲッゲッゲッゲッゲッゲ!!」ブシュルルルルッ!!

 だが、京太郎の考えを見越しているのか蜘蛛虚はなおもその周囲を白い結界で包んでいく

京太郎「くっ!? 卑怯だぞ!!」

蜘蛛虚「グゲゲゲッ!」ニヤァァァ

 ようやく準備を終えたのか、蜘蛛虚の動きが止まった
 しかし、時既にその身は白い粘糸の結界によって強固に守られている

京太郎「……」

蜘蛛虚「ドウジダ? 攻撃してこないノカ?」カサカサ

京太郎「お前こそ、どうやって攻撃するつもりだよ?」

 そう、確かにこのままでは京太郎も攻撃できない
 だが蜘蛛虚自体も結界の中にいてはこちらに攻撃しようがないのだ

蜘蛛虚「おれ、オレには力がある。ちゃ、ちちゃののんとの、あ、赤い糸」ジュルジュルジュル

京太郎「……」

 京太郎は蜘蛛虚の挙動を観察する
 さっきまでと違い、蜘蛛虚の動きに変化がおきたからだ

京太郎「(口じゃなくて、ケツを動かしてる?)」

 蜘蛛特有の尻部がヒクヒクと蠢き、こちらに向けられる
 その時、京太郎は思い出した

京太郎「(最初に受けた一撃、あれは赤い糸だった――)」

 いちごを拘束していたあの技――

京太郎「(待てよ……アレを利用できれば)」

 京太郎の脳裏に、ひとつの案が浮かぶ
 しかし、それはとても危険な選択と言える

蜘蛛虚「邪魔させない、俺と、俺とちゃちゃのんは永遠に一緒なんだ……!」ギュルギュル

京太郎「(どうする!?)」ギリッ

蜘蛛虚「一緒ナンダァァァァ!!!」ブジュルルルルッ!!

京太郎「!!」



 選択下2

1 よける

2 わざと受ける
 



 蜘蛛虚から放たれる真紅の糸

京太郎「うぐっ!?」ギュルルッ

 それが京太郎の身体を巻き取っていく
 上半身を縛られ、まるで動けない状態だ

蜘蛛虚「グケッ……かかったな。かかったなァ!!」ガサガサ

京太郎「く、くそぉっ……」


 ダタタッ


咲「きょ、京ちゃん!?」

京太郎「咲!?」

 京太郎が赤い糸によって拘束された瞬間、遅れていた咲も到着する
 しかし、その光景はあまりにも絶望的すぎた

咲「なっ……」ガクッ

京太郎「く、くるなぁー咲ー」ジタバタ

蜘蛛虚「おわ、おわおわ、終わりだ。ゲヒヒッ、終わりだ……」ズルズル

 ググググッ

京太郎「お、おわー」

 拘束された体を宙高く上げられていく京太郎
 
咲「京ちゃん!!」

蜘蛛虚「お、俺とちゃ、ちゃ、ちゃのんの運命の糸に絡み付くなんて、ぶ、無粋なやつだ」ゲケケケ

京太郎「……くっ!?」

蜘蛛虚「死ネ!!」ブゥン!!


※京太郎2ターン 行動不可 回避不可 



【虚の攻撃判定】 下2

 (コンマ+10-12)×2=ダメージ



 ゾロ目は特に設定していなかったので、今回は通常でいこうかと思います
 チュートリアルみたいなものですし、申し訳ありませんが今回はお許しください


 350-150=200
 計算式により、勝利確定となります





蜘蛛虚「グケェー!!」ブンッ

京太郎「っ!?」

 ドゴォォン!!

京太郎「がっ……!?」ガラッ

 赤い糸により身動きができない京太郎はまるでおもちゃのように振り回される
 地面、木、街灯など、様々なモノに強烈に打ち付けられ、その体からは血が流れ始めた

京太郎「っ……」

咲「京ちゃぁぁぁん!!」ダダッ

京太郎「さ、き……」ダラン

 力無く抵抗の意思を見せない京太郎
 今ので、かなりのダメージを負ったようだった

蜘蛛虚「ま、まだマダ……こんなものじゃない」グググッ

 蜘蛛虚はなおも京太郎を引き上げる


 高く高く――月まで届くかのごとく、高く


 そして



蜘蛛虚「ギャヘハッ!」ブンッ



 ドゴォォォン!!




京太郎「」


 なおも、京太郎は地面に叩きつけられる


咲「い、いや……」ブルブル


京太郎「」パラパラ……

 叩きつけられた京太郎を中心に大きなクレーターが出来上がる
 その大きさが、京太郎へのダメージの大きさを物語っていた



京太郎「……」ブランブラン

蜘蛛虚「う、動けない……お前はもう、動けない」ググッ

 シュルシュルシュル

京太郎「」ズルズル

 京太郎が動けなくなったことを確認して満足したのか
 蜘蛛虚は攻撃をやめ、京太郎を自身の元へと引き寄せる

 そして、そのまま自分の眼前へと吊り下げる

 何もできない京太郎をあざ笑うかのように

蜘蛛虚「おま、お前はちゃちゃ、佐々野にふさわしくナイ……」

京太郎「……」


咲「京ちゃん!!」


蜘蛛虚「お前はさっき、なぜこんなことスルカと、聞いたな?」

京太郎「……」

蜘蛛虚「それはな、ソレハ、ソレハダネ」ニヤァァ

 異形は嗤う
 自分は間違っていないと、盲信するかのごとく

蜘蛛虚「そういう運命だからだっ! 俺はあいつと繋がっている!! この運命の赤い糸で!!」

 ただ異形は叫ぶ
 自分こそが正しいのだと宣言するかのように

京太郎「……」

蜘蛛虚「運命の赤い糸だ! 誰にも邪魔させない! 俺と佐々野は結ばれるんだ!」ゲラゲラゲラ


京太郎「……せぇ」ボソッ


蜘蛛虚「この力は邪魔な奴を消す為のモノだ! 俺はこれからもずっと佐々野と一緒だ! ずっと! ずっとずっと!!」


京太郎「……うるせぇよ」グッ


蜘蛛虚「それがあいつの幸せなんだ! 俺といることが佐々野にとっての一番の――!!」


京太郎「うるせぇってんだ!!!」


蜘蛛虚「!?!」


咲「きょ、京ちゃん……?」


京太郎「テメェなんかに何が分かる!?」

 虚の攻撃により既に満身創痍の身体の京太郎
 それでも、京太郎は叫ぶ

京太郎「いちごはずっと苦しんでた。お前のことも、その他の人のことでも!!」

 何が正しいかなんてどうでもいい
 運命だろうとなんだろうと、関係ない

蜘蛛虚「な、ナゼ動け……る?」

 初めて会った時は泣いていた

京太郎「運命だとか、くだらねぇモノでアイツを縛ってんじゃねぇ!!」グッグググッ

 二度目に会った時は、俺を引っぱたいた

蜘蛛虚「無駄ダ、この糸は千切れナイ。俺と佐々野のヨウに……」ギュゥゥ

 三度目からは、笑ってくれるようになった 

京太郎「これがお前とあいつの運命の糸だって言うなら……」グググッ


 そんな佐々野いちごを――  
 俺の親友を苦しめるようなモノがあるというのなら――!!!


京太郎「そんなもん、俺がぶった斬ってやる!!!」ギリギリギリギリギリッ


いちご「きょう……たろぅ……」フラッ

             ____

           . . : : : : : : : : : : . .
           /: : : : : : : : : : : : : : \
        /: : :/: : :.!: : : : : :.!: : : ヽ: \__

      _./: : :〃:.:_/i: : :i: l: :.ト:_:_:.:.:ト:: : \`ヽ
    〃: :.′: : lイ.:l:||:.l:l: |i: :} ‘: `トi |: : : :.}: : :.
    |: : : |: : :l: i八从八从八ノ ノノリi |i: : : :|: : : i

     {: : 八: : i: i ,ィテ斤     乍テ刈ノi: : :八: : リ
    八: : : {ヽ:从〈cV少   ,   V少ぅ'厶イ:{ }:i/
      ヽ:_:乂{:i{  ij.::::.       .:::. }: : : Vノ'
      ./: :./: 小. i   ´  ̄`ヽ    .∧: : : :.
     /: :./ : : i:込、  ー‐一 '  ..イi: :iヽ: : :.
.    /∧:{ : : : !: : :个ト . _  . イ: :i:i: :{: :}: : :}
.     {:{ }:.\ : !: : :.:|:.|:_〕    〔:.:i: :リ:}: :∨: :∧
     ゞ.ノ: }: :}: |: : :.リイ \__/`ヽ':/: :.〈: :〈: :.}
    /: ;イ:.∧リ ̄/.| / `i }\ i:{ : /}∧:.∨
   /:./ _j:.{_,ノ'   ノ/ヽ≧≦/ \乂_{   )ノ\
  .{: i / ゞ=-'       VニV          ∧
  八:.{,/   /         }ニ{         / ‘,
.   ∨   ‘,i }       |ニニ!       ∨ /
   /     ∨         |ニニ|        ∨   :.
  ./     {          .|ニニ|        }

 

 ブチン

咲「あっ」
 
蜘蛛虚「ゲゲッ?」

京太郎「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ギチギチギチギチギチ!



 ブチブチブチブチブチブチブチッ!!


京太郎「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ブッチィーン!

  
蜘蛛虚「あ、あぁっ……アアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」



咲「嘘……虚の拘束糸を……無理やり!?」


蜘蛛虚「あ、あぁっ、おれ、オレと、ちゃちゃ、佐々野の運命の糸ががが」ワナワナ

 ヒュゥゥゥン

京太郎「違う!!」グッ

蜘蛛虚「ッ!?」

 宙高く釣り上げられていた京太郎が、蜘蛛虚目掛けて降下する
 先ほどの拘束が解けたことで自由を手にしたのだ

京太郎「運命なんて言葉、チャラチャラ口にすんじゃねぇ!!」ブンッ

蜘蛛虚「須賀京太郎ォォォォ!! お前は、お前はオレの佐々野に相応しくないんだァァァ!」ブンッ!!


 ザシュゥゥゥゥウ!!


京太郎「……」ズザァァァ!!

蜘蛛虚「あ、がっ……」グラッ

 二つの影が交差し、その力が激突する

京太郎「……」ジャキンッ

 そして、勝ち残ったのは一人

蜘蛛虚「あ、あぁっ……ちゃ、ちゃ……」フラフラ

 ドシャァァァァアン

京太郎「お前こそ、佐々野いちごにはふさわしくねーよ」

蜘蛛虚「そ、ン、ナ……」ピクピク

 ジュゥゥゥゥゥゥ


咲「京ちゃん!!」タタタッ

京太郎「さ、き……」ガクッ

咲「もう、なんであんな無茶をしたの!?」

京太郎「わ、わりぃ……こんな方法しか、思い浮かばなかった」フラァ……

 ガシッ

京太郎「あ、れ……?」


いちご「……」ギュゥゥウ


京太郎「いち、ご……?」

咲「え? どうして……?」


いちご「バカ。見えなくても、分かるに決まってるんじゃ」グスッ

京太郎「いちご……」

いちご「……京太郎」ギュッ



蜘蛛虚「……」ジュゥゥゥゥ




  


京太郎「なっ!? こいつ、まだ生きて――」

咲「京ちゃんは下がって。私がトドメを……!」

いちご「待って……」スッ

咲「えっ?」

いちご「……そこに、いるんじゃな」スタスタ

 何を思ったのか、京太郎から離れ……異形の蜘蛛の元へ向かういちご

京太郎「やめろっ! 危ない!」

いちご「……」スタスタ
 
 いくら致命傷を受け、弱っているとはいえ強力な虚だ
 もしいちごが一撃でも受ければ命は無いだろう

蜘蛛虚「ちゃちゃ……」ズルズル

いちご「声しか、聞こえないけど……やっと思い出せた」スッ
 
 化物はただ救いを求める
 
蜘蛛虚「あ、あぁ……」

 自分がニンゲンだった頃
 死ぬ直前にそうしたように……

 今もまた、ただ求めた

蜘蛛虚「ちゃちゃ……のん」

 彼はきっと、自分が佐々野いちごにふさわしくないことを悟っていた
 自分では彼女を幸せにできないことを知っていた

 だからこそ、諦めきれなかった

 こんなバケモノに身を堕としてでも、夢を追い求めたかった


いちご「手を、握ってやるけぇ」ギュッ

蜘蛛虚「あっ……」


 あの時に跳ね除けられた手を――


いちご「もう安心じゃ」ニコッ

蜘蛛虚「……」ポゥッ


 跳ね除けられた手を、優しく握ってもらう


蜘蛛虚「ありが、とう……」ジュゥゥゥゥゥ



 ただ、それだけが望みだったのだ

  


 シュウゥゥゥゥゥ

咲「……終わったね」

 こうして、佐々野いちごを苦しめていた虚は消滅した
 その最後は実に呆気なく
 
 そしてその最後は彼の生涯からは想像できないほどに

京太郎「……いい顔して逝きやがって」

 幸せに満ちたものだった

いちご「……幸せそうじゃった?」

咲「……うん。すっごく」

いちご「そっか。それは複雑じゃのぅ」

 今まで自分を苦しめ、数多の人間の命を奪ってきた悪霊
 その最後が幸せなものであることを、誰が良しとするであろうか?

いちご「……」

 だからこそ、なのかもしれない
 世界中の誰もが彼の幸せを祈らないというのなら、せめて

 せめて自分くらいは祈ってあげてもいいのではないだろうか?

いちご「そう、思っただけじゃ」

咲「……優しいんですね」

いちご「……そうかのぅ?」

 彼がなぜ蘇ったのか、そして姿の見えない京太郎のことなど気になることは数多くある
 だけど、そんなこと今はどうでもよかった

 それよりも、佐々野いちごの言いたいことは一つ

京太郎「いちご」

いちご「……京太郎!!」クワッ

京太郎「へっ?」
 
 バチコンッ!

いちご「よくも人の運命の糸を切ってくれたのぅ!!」

京太郎「オブベッ!?」ズシャッ


 ヒュゥゥゥウゥゥン!!  ドゴンドゴンドゴォォォォン!!


京太郎「」ピクピク

咲「京ちゃぁーん!?」ガビィーン

いちご「一生結婚出来なかったら、どうするんじゃ!?」プンプン

咲「え、えぇ……? なんでこの人京ちゃんを殴れるの……?」ガビィーン


京太郎「ま、待てちゃちゃのん! 話を聞け! あれはあいつの”自称赤い糸”であって!」アセアセ

いちご「それでも、女の子の気持ちは複雑……じゃけぇ」モジモジ

 姿は見えないが、声のする方に向かって話すいちご
 見えていないハズなのにまるで見えているかのようである


 


いちご「とにかく、この責任は……いずれ取って貰うけぇのぅ」プンプン

京太郎「で、では清い交際からですね!!」シュバッ

咲「ふんっ!!」ドゴォッ

京太郎「ラリアット!?」ズゴン

 いちごの元に飛びかかる京太郎にラリアットを浴びせる咲
 その動きはまるで鬼神のようである

いちご「京太郎!?」ガビーン

咲「全く、すぐ調子に乗るんだから」ズルズルズル

いちご「あ、ちょっ!」

咲「ごめんなさい佐々野さん。今はちょっと事情を話せないけど……」

いちご「……」

 二人は見つめあう
 お互いに言いたいことは数多くあるが、そんな時間が無いことは明白だった


 ファンファンファンファンッ!


いちご「!!」

咲「さっきの騒ぎで人が集まろうとしてる。佐々野さんも逃げた方がいいよ」

いちご「そう、じゃのぅ」 
 
 今この場には凄惨な戦闘の跡と、一人の死体が転がっている

 こんな場面を誰かに見られでもしたら厄介なことこの上ない

いちご「……次は、ちゃんと説明してくれる?」

咲「……はい」

京太郎「」ブクブク

 咲は嘘を吐いた
 もし次会うことがあれば、記憶を消さねばならない

 今そうしないのは、彼女の身を案じてのこと

京太郎「……」

 こんなにもボロボロになって京太郎が守った少女を、咲も護りたかった

咲「……それじゃあ」

いちご「うん、また」

 二人は走り出す
 それぞれの思惑を胸に残しながら、それでいて瞳はまっすぐ前を見据えて


 夜の月が輝きを増したように光る
 その幻想的な月下で、一人の少女がその美しい髪を風に靡かせながら微笑む


「須賀京太郎……見つけた」ニィッ


 白い羽織をはためかせ、少女はその場から姿を消す



 周囲にはなんの痕跡も残らない
 残ったのは、静寂のみであった



 To Be Continued




【戦闘ボーナス】

・勝利 レベル+1

・特殊勝利達成 レベル+1


合計レベル上昇+2
※その他にもノーダメ勝利、一撃勝利などでレベルが上昇することもあります


  
<<須賀京太郎>>

【LV9】
HP=450

【攻撃】 14
【防御】 14
【速度】 20

【オサレ値】 14

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし




<<須賀京太郎>>

【LV9】
HP=450

【攻撃】 14
【防御】 14
【速度】 20

【オサレ値】 14

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


 割り振りボーナス


安価下2、3

 好きに上げたいステータスをお選びください


 ということで今日はここまでとなります
 慣れない点も多くて、少々進行がgdgdになって申し訳ありません

 次からはもっとさっくり進められるように頑張っていこうと思います
 改善して欲しい点やご希望がございましたら、お願いします



<<須賀京太郎>>

【LV9】
HP=450

【攻撃】 15
【防御】 14
【速度】 20

【オサレ値】 15

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 
<<ヒロイン>>

・宮永咲 (♥♥♥)

・佐々野いちご (♥♥♥♥♥)

乙ー
速度特化も良いが攻撃翌力も上げたい所
始解・卍解はだいぶ先だろうけどオサレ値使うような能力は何時頃手に入るんだろう?
あとオサレ値使わずに発動するパッシブスキルみたいなのはあるのかな?

乙ー
京ちゃんの卍解が速さ重視なのか攻撃特化なのかとかも気になるな
より一層オサレにするためにも速さと攻撃はバランスよく上げたい

>>232
 近いうちに雀道とかを咲から教わるイベントやろうかと思ってます
 始解はMS突入編からなのでもうちょい先ですね

>>233
 隊長数人はもう決定してるんですが、決めていない人のほうが圧倒的に多いです
 なのでこのキャラにこんな卍解! みたいな案があればお願いします

 京太郎的には須佐之男で草薙とかがいいのでしょうかね?


 本日は遅くなって申し訳ありません
 今からちょこっとだけ再開しようと思います


 色々な意見ありがとうございます
 全ては採用出来ませんが、いくつか参考にしていくつもりです



 零れ出した君の雫を受け止める


 ただ、受け止め続ける


 自分という器がひび割れ、受け止めきれていなくても
 

 ただ、受け止め続けたかった


 いつか君の雨が晴れるまで――
 

 
<<3.5 Wonderful Distance>>



【京太郎の寝室】


 蜘蛛虚との熾烈な戦いの翌日
 京太郎が体中を襲う激痛に苛まされたのは、起きてすぐのことだった

京太郎「あだっ、あだだだっ!?」ズキズキ

咲「もー、じっとしててよ」ペタペタ

京太郎「お前な、もっと優しくしろよ!!」

咲「十分やってるでしょー」ペチン

京太郎「」ヒョー

 今は咲によって身体の手当が行われているところだ
 もっとも相当手荒で、痛みを伴うものだったが

咲「だから昨日言ったのに、体に戻ると痛みが戻るって」カチャカチャ

京太郎「言っとくけどダメージの半分はお前のラリアットだからな……」ムックリ

 そもそもなぜあの状況で自分が攻撃されねばならないのか
 少しふざけたとはいえ、頑張った後だから少しくらい多めに見てほしいものだ

咲「それは、その……」プイッ

京太郎「雀死ってのは真面目だな。そんなに俺のことが信用ないかよ」

咲「えっ」

京太郎「仕事は真面目にやるって。お前が元に戻るまでは俺が虚を倒す!」グッ

咲「……」

京太郎「それじゃあ、飯にしようぜ」

 立ち上がってキッチンに向かう京太郎
 それを追うように、咲もとことことついてくる

京太郎「……」ピタ

咲「……」ピタ

京太郎「……」スタスタ

咲「……」チョコチョコ

京太郎「……」ピタッ

咲「……」ピタッ

京太郎「……」

咲「……」

京太郎「なんだよっ!?」ガビィーン!?
 



咲「えっ?」キョトン

京太郎「いやいや! 別に付いて来なくていいって」

咲「え、でも……」

京太郎「?」

咲「えと……その」マゴマゴ

 京太郎の問いに要領を得ない咲
 おかしな奴だと思いながら京太郎は続ける

京太郎「朝飯作るくらい一人できるから、大人しく待っとけよ」

咲「……うん」

京太郎「おう。じゃあ行くぞ」クルッ

 スタスタ

咲「……」トコトコ

京太郎「……」ピタッ

咲「……」ピタッ

京太郎「……」

咲「……」


京太郎「ストーカーかっ!?」

咲「ち、ちがうよっ!!」アセアセ

京太郎「いや、冗談だけどよ。なんだお前、寂しがり屋か?」

咲「だから、そんなんじゃないって!」ムッ

京太郎「ならなんで付いてくんだよ!」

咲「……」プイッ

京太郎「あのなぁ……」

 別に京太郎自身、付いて来られるのが嫌なわけじゃない
 ただ、咲の付いてくる距離が気に入らないのだ

京太郎「付いてくるなら隣に来いよ」

咲「……」

京太郎「なんで三歩下がってちょこちょこ付いてくるんだ? 大和撫子気取りかっての」ペシペシ

咲「うぅっ」

京太郎「なぁ、おい?」

咲「……ごめん」

 京太郎は知る由もないが、先のこの行動には意味がある

 だけど、咲はそれを言えない

咲「……ごめんなさい」

 言えば嫌われてしまうから

京太郎「……」

 この関係が、壊れてしまうような気がするから

 


 何度聞いても、きちんとした返事をしない咲に京太郎は苛立っていた
 まだ僅かな間だが、それなりに良好な関係を築いていると思っていたのに

 これではまるで――

京太郎「……もしかして、俺を監視してんのか?」

咲「っ!?」ドキッ

 京太郎の言葉に対し、明らかに咲がうろたえる
 それは――

京太郎「そう、かよ……」ギリッ

 京太郎が"誤解"をするのに十分な仕草であった

京太郎「じゃあ好きに監視してろよ。どうせ俺は信用ねーし」プイッ

咲「ち、ちがっ! 違うよ!」アセアセ

京太郎「そりゃそうだよな。俺はお前の代理なんだから、変なことされたら困るってか」スタスタ

咲「だから、違うの……これは」

京太郎「……これは?」

咲「これは……」

 それでも、言えない
 もし言えば、自分でも気づいてしまうから

咲「今は、言いたくない……」

 自分が、いかに最低な行いをしているのか

京太郎「……勝手にしろ」

咲「……」


 結局咲は何も言えず、京太郎との間にわだかまりを残したままとなった




~~数十年前~~


 それは、もう二度と戻らない思い出――


?「おい、咲。見ろよ、この腕章!」ニッ

咲「うわぁ、凄い!! 副隊長になったんだ!!」パチパチ

?「あのボイン三席の奴、びっくらこいてたぜ……!」イヒヒ

咲「四席から一気に副隊長なんて初めてだよ!」

 自分と同期の幼馴染
 その少年はたぐいまれなる才能と、人望を持ち合わせる男だった

?「俺だってやりゃできんだよ。天才だからな」ドヤァ

咲「……私も負けられないなぁ」
 
 自分だけが置いていかれる感覚に苦しみながらも笑顔を崩さない
 不思議と彼の前では、嫉妬や焦燥などが他愛ないことに思えて仕方なかった

?「大丈夫だって才能なら咲の方が上だ。なんてったってあの人の妹だからな」ポムッ

咲「それ、園城寺隊長にも言われたけど……信じられないよぉ」

?「そうか? じゃあ俺を信じろ」

咲「えっ?」

?「お前は俺を信じて付いてくればいいんだよ。ずっと、な」ポリポリ

咲「……うんっ!」パァァ

 それから、自分はずっと彼の後を付いて回った
 彼の補佐として後ろ三歩下がり、信じて付いていった


 そして今は―― 
 


~~~


【翌日 須賀家 咲の寝室】

 ガバッ

咲「……」

 また、あの頃の夢
 忘れなきゃと思っても、とても出来そうにない日々――

咲「……ごめんなさい」ボソリ
 
 そう呟く
 誰も聞いていないであろう部屋に――



 ――あの人のいない世界に向かって







【京太郎の家 リビング】



 咲とのちょっとした衝突の翌日
 目覚めた京太郎がリビングにて発見したのは――


「さがしてください by咲」 


         / .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
        /  ....:.:.:.:|.:.:.:.:/|:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
.       / .:.:/ .:.:斗─- l{:.:.:.:.:/|:./|:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.  r-、   / /7 :.:./ |:./  Ⅳ / ―- 、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
 八 ヽ     .:.:r- .rテ≠ミ ∨    |/  \/:.:./⌒):.:.:.:
   ヽ ‘, /^l|:/| i{ ん,ハ         j/}/:{  ⌒)::
    〉⌒ヽ、| |/圦.._}弋うン     __  /:/ ̄ ̄:./
    ノ  ⌒ヽ'.  lN i//)  '    ´ ̄ ̄`    ノ:.:.:.:|/
   〈  ⌒ヽ| i  .八     _   (//) rイ:.:.:./|
   {  々ノ     \  マ  ノ    /|:./j/
   ‘,   |   __≧...   _   イ  /ニニ\
    ,〉   从 /|ニニニニニニ7ヽ    /ニ二二\

   /7   ,')]/  :|ニニニニニ7__    /ニニニニニ二>、


 なんとも独創性溢れる書置きだった


京太郎「いや、さがしてって言われてもな」
 
 なんで家出してんだよ、というのが本心だ
 そもそも昨日はあんなに躍起になって監視してたっていうのに

京太郎「……」

 とは言っても、探さないとまずい
 雀死になるには咲の助けがいるし、そもそも出現場所もあいつから聞かないとダメだ

京太郎「ああもう!! 世話を焼かせやがって!!」ムキィー!

 とは言ってもどこを捜せばいいのか検討もつかない
 街を白み潰す他に無いかもしれないな

京太郎「今日は学校もあるってのに……」ハァ

 世話のかかるお姫様だ 
 見つけたら散々文句を言わなければいけない

京太郎「……さて、どうすっか」


 
 安価下2


1 取り敢えず学校に行ってみる
・次話 和ルート

2 図書館に行ってみる
・次話 菫ルート


これ、難易度って前回から変化無し?

時系列が若干前後するだけで選ばれなかった人の話もやるのかね?


>>272
 変わりないですが、京太郎がレベルアップしてるので割と楽かもしれません

>>273
 全員レギュラーメンバーなのでやります
 ただ話がちょこっと変化していく感じですね



京太郎「まずはしらみつぶしに行くか」

 学校には休むって電話を入れよう
 これも街の平和を護る為だ、仕方ない

京太郎「よし、行くか」

 最初は街に出てみよう
 早く見つかればいいんだが……


【図書館】


             ____
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      \__: 、 ∨: 从   ::......___,..イ==- 、

        `ー-_、\ }: : { \    / ̄´:::// `_ヽ::\
       と二二_ヽ ∨、:ミ    /:::::::::::// /  \::\

        /ィ-r、  }:::「'   _/:::::::::::/イ /    ∨:::::.
        ´ ,、 Ⅵ   ,:::|_/ /:::::::::://:,Ⅵ       ∨:::}
          ∧::、 ,:  Ⅵ、   /::::::::::/イ:/ 〉       ∨'

咲「」

京太郎「」

 いた

 僅か十数分で見つかるとは思わなかったぞ、おい

咲「な、なななななんで!?」ガタガタガタ

京太郎「いや、なんでって言われてもな」

 そういう気配がしたというか、ここにいそうだったっていうか

京太郎「とにかく、見つけたぞ」

咲「嘘! やだ、やり直し! もう一回捜してよ!」

京太郎「はぁ!? なんでだよ!?」

咲「だって、うぅっ……まだ心の準備が」モジモジ

京太郎「……なんだってんだよ」

 本当によく分からない奴だ
 それなのに、なぜか憎めなくもある

京太郎「いいから行くぞ。ここじゃなんだろ?」

咲「で、でも!!」

京太郎「ばっ、だから騒ぐなって……!」シィーッ

 動揺のせいか、やたらと騒ぐ咲をたしなめる
 さっきから周囲の目が痛くて仕方ない


咲「もう一回! ねぇ!」

京太郎「いいから黙れって!」ガバッ

咲「もがもがっ!」

 これ以上騒ぎ出す前に、取り敢えず口を塞ぐ
 これでなんとか大人しくなるか?

咲「……」

 抑えられたことでようやく冷静になったのか、黙りこむ咲
 何はともあれ、もう怒られることはないだろう

?「おい」

 と、思っていた

?「ここをどこだと思っている?」ザッ

京太郎「え?」

咲「?」モガモガ

 声の方を振り返ると、そこには一人の少女がいた

                  ---、...--<¨\-...、
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                八:::::::´:::l八|   ̄ =苧芹|::::::::::|:::::::
               |`¨Τ=苧芹     V_ノ |::::::::::|:::::::|
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               |::::::::::|::::::::::Τ    ∨|:::::::|:::::::|
               |::l:::::::|:::/У     り:::::: l―┴ 、
               |::|:: 斗{/-、 , -/|::::::::::|   /-、
            ┌‐  ̄    |´ ̄ ̄/  :|::::::::::|--//
               ∧  \    |  /    .::::::::::///    |
              { `ト  \   l /   . -=/:::::::/´ /     {
           ノ |二ニ=- {  -=ニ二/:::::::::{  /      \
          /  /\二二ニ、∠二ニ= i::::|::::::|         }

            /  /   >‐〈ニニ/ニニ\ |::∧::::|    \__/  /
.          ∨ {  /二ニ/¨¨゙\ニニニl/、∨|  l「 ̄ ̄ ̄ `く
           ∨--/二ニ/  }  `¨¨¨¨¨   /{ニニニニニニニ |
              } 厶=イ    〉          /::|_ ┬―‐┬v'
          /__}     {         /::::::`¨|   :|¨′

 綺麗な長髪を切りそろえた、なんとも凛々しい顔立ち

京太郎「わぁ……」カァッ

 思わずその美貌に見惚れてしまう
 それほどまでに、その少女は魅力的な女性だった

菫「ここは図書館だ。最低限のマナーは守ってくれないか?」

京太郎「あ、すいません! もう出ますから!」アセアセ

咲「!!」モガモガ 

京太郎「お前も謝れ、ほら!」グイッ

咲「むむぅ……」ペコリ

 渋々と言った感じで咲が頭を下げる
 色々と言いたいところだが、今は我慢だ我慢!

京太郎「それでは、失礼します」ペコリ

咲「もがもがー!」ズルズル



京太郎「ほら、行くぞ!」

咲「……」コクリ

菫「……」ジィッ

京太郎「本当にすみませんでした」ペコッ

 手短に挨拶をして、その場を切り抜ける
 あの人美人だったけど、どこか怖い雰囲気もあったし

咲「……?」チラッ

菫「……」ジィーッ

京太郎「何してんだ、来いって」グイグイ

咲「うん……」スタスタ


菫「雀死……」


       !:.::.:::: :: ::|.....::::|::::::::::::::|:::|:!:|__!........|:.   ゙、:、::ヾ、
     |   ..::::::::i::::::::::|:|::::::::::::|:::|:「!::::i:!:`ヽ!|::::::::::.:.i: i. ト、!
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     i:.:.::::::::::::::::i::::::::i::|:|::::::::::::::i:::|! ー-'..ヾ::::::::`iヽ!ノ;ノ:;i |
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    i::::::::::::::://; ' ´ ̄ ̄`ヽ     ̄     /:::::::::::|:!
  /::::::::::::::://'           \  r-、__ ノ:-、_;::|i|
  /::::::::::::::::/        :::::::::...\::::|:::::::|:::|   `ヾ!
 /:::::::::::::::/          ::::::::::::...ヽ ::::::|:::|
../::::::::::::::/ :::..         \:::::::::::::.i ::::|:::!
/::::::::::::::/ :::::.            \:::::::::! :/:/
::::::::::::::/ノ :::::::.           \:::|i \



菫「……その実力、見せてもらおうか」ギュッ



【図書館外】



京太郎「このバカ姫が!!」ペチコン!

咲「ひゃうっ!?」ズキィーン

京太郎「何勝手に家出してんだ!」

咲「だ、だって……」

京太郎「だってもクソもあるか!!」

咲「ひっ!?」ビクッ

 京太郎のあまりの剣幕に、咲は怯える
 そもそも、なぜ京太郎がこんなに怒っているのかが理解できない

京太郎「人に仕事を手伝って言っておきながら、自分からいなくなるんじゃねぇよ!」

咲「それは、その……ごめんね」

京太郎「……」




京太郎「……」

咲「……」ウルウル

 お互いに見つめ合う
 しばらくの沈黙の後、先に折れたのは京太郎だった

京太郎「……はぁ、悪かった。ごめんな、咲」

咲「えっ?」

京太郎「昨日はあんな言い方して……俺がガキだった」

咲「そ、それは!?」

京太郎「でもよ、一つだけいいか?」

咲「……」

 先の言葉を遮り、京太郎は続ける

京太郎「俺は雀死代行だけど、その前に須賀京太郎なんだ」

咲「っ……」 

 その言葉は、今の咲にとってもっとも聞きたくない言葉だった

京太郎「だから、お前が俺に対してどう思っても構わない。でも……」

咲「……」ブルブル

京太郎「少しは”俺”を、見てくれよ」

 見透かされていたのだ 

咲「……」グスッ

 自分があの人を、京太郎に重ねて見ていたことを
 あの人の代価品にしようとしていたことに

京太郎「今は無理でも、いつかきっとさ」ポンッ

咲「ごめっ、なさい……ごめんなさい……!」ゴシgソヒ

京太郎「バカ、泣く奴がいるかよ」ヨシヨシ

 京太郎は知らない
 咲がこれまでどんな人生を歩んできたのか、何を失ってきたのか

 でも、だからこそ
 それを知らない京太郎だからこそ

          /   /     |   | |   | |  :       l :l   |  |   :|   | |
       / /    |    |__ | |   | |  |  :   l :l:  /|  |   :|   | |
.      ///     |    |\ |‐\八 |  |  |    |__,l /-|‐ :リ   リ  | |
     /  /   - 、     :|   x===ミx|‐-|  |:`ー /x===ミノ//  /  :∧{
       /   |  :.八   _/ {::{:::刈`|  |  l:  /´{::{:::刈\,_|  イ  /ー―‐ ..__
.      / / :|  ::|/ \{^ヽ 乂辷ツ八 |\| /' 乂辷ソ ノ^l/ } :/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `「⌒:.
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京太郎「今は黙って俺に付いてこい」ニィッ

咲「……うん!」

 この少女の抱える闇を、救えるのかもしれない



京太郎「……ほら、帰るぞ」ギュッ

咲「うんっ!」ギュッ

 全てに納得したわけじゃない
 それでも、今はこれでいいと思った

 自分達は今、ここにいるのだから

京太郎「……」

 これから知っていけばいい
 理解し合えばいい

 それだけの時間はあるのだから――


 
?「仲睦まじいな、雀死」ザッ



京太郎「えっ?」

咲「!?」ピリリリリリッ

 声がした
 ついさっき聞いたばかりのような、凛とした美しい声


咲「通信……!?」カチャッ


 その瞬間――
 唐突に現れたのは


咲「虚の出現!? 場所は――!!」チャッ!


?「さぁ、見せて見ろ。雀死の実力を――」


 ドシィィィィィイン!!


咲「嘘……でしょ?」

京太郎「こ、こいつは……!?」ゾクッ

獅子虚「バルルルルルル……」ドシンッ!!

 テレビで見たことしかない、百獣の王
 それを模したような巨大な獅子の身体――

京太郎「ぐっぁ……!?」

 相対しただけで体が焼かれるような痛み
 コイツは―― 


<<獅子虚>>

【LV20】
HP=1000

【攻撃】 25
【防御】 25
【速度】 25

【オサレ値】 25

【能力】
消費10
・An irrational blow  【攻撃+10】


 マジで、ヤバイ


獅子虚「……」ズンッ

 獅子虚はゆっくりと、その歩みを進める
 その姿のなんと雄大で、雄々しいことか

 倒すべき存在でありながら、畏怖すら覚えるその凛々しさ

京太郎「は、ははっ……やべぇなこりゃ」

咲「ありえない、こんなレベルの虚がこんな場所に……!?」


獅子虚「グォォォォォォン!!!」ビリビリッ!!


咲「っ!?」ゾクッ

京太郎「チッ! 咲!」

咲「う、うん! 気を付けて!」グイッ


 ドンッ!!


京太郎(雀死)「はぁぁぁぁ!!」ダダッ

獅子虚「ガルァッ!!」ガギン!!

京太郎「ぐっ!?」

 速い!? 
 それになんて重たい攻撃だ――!

京太郎「……」

獅子虚「グルル……」ズンズン

京太郎「……こいつは、メンドくさくなりそうだな」チャキッ


 突如現れた強大な虚


?「……」クスッ


 そして、京太郎達を監視する謎の少女
 一体――京太郎達の身に何が起ころうとしているのか
 

京太郎「らぁぁぁぁ!!」ダッ

 
 京太郎の運命は――!?



 To Be Continued



<<雀死図鑑>>


【図書館 京太郎が到着する前】


咲「ふーんだ、京ちゃんのバカバカバーカ! オタンコナッスゥ!」テクテク

 ヒョイヒョイ

咲「アホ! 鈍感! 変態! えっち! アホ! おまぬけ! でもちょっとカッコよくて、優しくて、あの人に似てて、ちょっと好きかも!」ンションショ

 ドサッ

咲「もうっ! 迎えに来るまで本を読みあさっちゃうだから!」パラパラ

 
~~本の題名「オサレの法則 著:久保〇人」~~

 パラパラ

咲「ぷっ、あはは……ありえないよー」クスクス

 パラッ

咲「へぇー、こんなことあるんだー」フムフム

 パラッ

咲「あ、凄い! これ試してみようっと!」エヘヘ

 パラッ

咲「これも――」

京太郎「なぁ、おい」ツンツン

咲「ふぇ?」 


京太郎「お前、黙って本読めないの?」プークスクス



咲「」



菫「(うるさいな)」イライラ



 カンッ!!



 今日はここまでとなります
 次回で菫編を終わらせる予定です

 それと今回からエピソード終わりに雀死図鑑やってこうと思います
 本編のおまけみたいなものなので、時系列とか設定とかはギャグだと思ってください

 

乙ー
いきなりレベル20って……負け前提のイベント戦かな?
若しくは勝ったら超ボーナス

これあれだ勝っても実質負けみたいな事になるイベントだ


 本日は更新無理そうなので、報告します
 明日は再開出来ると思いますので、少しお待ちください


>>287
 勝っても負けても進むイベントです
 勝てばぐんとレベルUPすること間違いなし

>>289
 そんな無粋なことはしませんとも


 それと今更ですが、咲の幼馴染(〇山潤)さんという若干オリキャラがいます
 少し本編に関わりますので、一応明かしておきますね

 海燕的キャラなので鰤を知っている人は分かると思いますが、苦手な方には一応謝っておきます

久しぶりに鰤のアニメop観たらほんとオサレだなぁって思った(小並感)



 お待たせしました、再開します
 今回は戦闘を頑張っていきたいと思うので、協力お願いします

 基本的に負けても話は進むので、気にせずガンガンやっちゃいましょう

 ぐだったりしたら途中でシステムj見直すかもしれないので
 あらかじめお詫び申し上げます



               ̄ ̄ ̄
         ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
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    ′: : : : ∨  | : i| : : :| ´ ̄ :}: : i| : }i: :|: : : : :.
   .:: : |: : : : :〔´⌒ヽ八: : :|  ∨リ : : |: :八_|: : : : : .

.   /:: : :|: : : : i{   __   \{ ,イ庁不、〕/   }: : : : : :.  済まぬ――
  /__! ト、: : {ィ芹示、     乂:ソ  ′ 人: : : : : :
     八| \{  乂ソ          ,r: :´: :|: : : : : ::
       /: : ∧    `         /: : i: : :|: : : : : :i
       .′::/: : .       _     _: : : :|: : j : :! : : l|
      .: : :/: : :个    `    イ〔_: : リ: /|: : |: : ::リ
     : : : :l/ i|: :! : : :≧. . .-r ´    ヽ\/: !: :ノ,イ:/
.    / : | /  {: : ∧: : :ト、=´〕      /  =‐- .,_ '
      〔′  ヽ〔 _,. -‐ ' |     /    γ⌒ヽ
           ∧      :|__,. イ     /
             / 丶     :|   /'      /    i



 
 彩られる
 
 今日も明日も――変わることなく

 いずれ過去すらも時間とともに彩られていく
 

 ねぇ――もしも、願い事が叶うなら


 色の無い絵の具が欲しい
 

 そうすれば、私を誰にも知られずに済むから

 
<<4 Jonggcy Sharp Shoot You>>


【図書館前】


獅子虚「……」ズンッ

京太郎「は、ははっ……やべぇなこりゃ」

咲「ありえない、こんなレベルの虚がこんな場所に……!?」


獅子虚「グォォォォォォン!!!」ビリビリッ!!


咲「っ!?」ゾクッ

京太郎「チッ! 咲!」

咲「う、うん! 気を付けて!」グイッ


 ドンッ!!


京太郎(雀死)「はぁぁぁぁ!!」ダダッ

獅子虚「ガルァッ!!」ガギン!!

京太郎「ぐっ!?」


獅子虚「グルル……」ズンズン

京太郎「……こいつは、メンドくさくなりそうだな」チャキッ


?「……」クスッ


京太郎「らぁぁぁぁ!!」ダッ

獅子虚「ガァァァァッ!!」ブンッ!!

 ドゴォンッ

京太郎「ぐぁっ!?」ズザァァァァ!!


咲「京ちゃん!!」タタッ

京太郎「まさか刃が通らねぇなんて……やっぱり半端じゃダメか」チャキッ

咲「やっぱりダメ。今の京ちゃんじゃ勝目が無いよ!!」バーン

京太郎「……マジ?」ビクビク

咲「大マジだよ!!」クワッ


最高にオサレだがそんなにオサレポエム連発して大丈夫か?



京太郎「で、でも少しくらいは勝ち目が……」

咲「いいから落ち着いて聞いて。京ちゃんが今10の力を持っているとするでしょ?」

京太郎「あ、ああ」

咲「そしたらあいつはいくつだと思う?」

京太郎「……」ウーン

 思案する京太郎
 確かに相手は強大な力を放っているが、自分だってそう負けていない筈だ
 つまり、格上だとしてもそんなに差は無い筈だ

京太郎「12くらい……?」エヘヘ

咲「20」キッパリ

京太郎「えっ? 10?」

咲「に!! じゅう!!」クワッ

京太郎「」

 前言撤回
 完膚なきまでに大敗していた

咲「今の京ちゃんじゃ逆立ちしたって勝てないよ!」

京太郎「う、うるせぇ! やってみなきゃ分かんないだろ!?」

 そうだ
 実力が上の相手でも、知恵や仲間との絆で……

咲「知恵があるの?」ジトーッ

京太郎「」

咲「私は戦えないし……絆ってほど仲良くも」

京太郎「おぉぉぉい!? それはちょっと待てよ!?」


獅子虚「……」ポカーン


?「」



京太郎「と、とにかくあいつがめちゃくちゃ強いってのは分かった」

咲「でしょ? だったら今はここを――」

京太郎「……」

 確かに咲の言う通り、俺はこいつに勝てないかもしれない
 でも、もし俺が逃げたら

京太郎「……悪い、咲」ズイッ

咲「えっ?」

京太郎「俺、やっぱ逃げねぇ」ジャキッ

咲「嘘……でしょ……?」

京太郎「俺が逃げたら、また誰かが傷つくことになっからな」ポンッ

 








咲「バカッ! 本当に死ぬよ!!」

京太郎「死なねぇよ」ズンッ!

 ドンッ

京太郎「言ったろ? 俺はもう誰も傷つけさせねぇって」ギンッ

獅子虚「っ!!」ザッ!

京太郎「……お前は下がってろ」ドドドドドドッ

咲「う、うん(また、この感じ……?)」

 咲は前々からおかしいと思っていた
 戦闘、それも追い詰められた状態になると跳ね上がる京太郎の雀圧

 それはもはや別人と言っても差し支えないレベルの上昇量

 一体この力の源はなんなのか……?


京太郎「よう、にゃんころ」

獅子虚「……グルルル」

京太郎「行くぜ……雀死代行、須賀京太郎が相手だ」ドンッ

 シュバッ

獅子虚「がぁ!!」ガギィィィン

京太郎「ぐっ……らぁぁっ!!!」ブゥゥン!



~~バトルスタート~~  


<<須賀京太郎>>

【LV9】
HP=450

【攻撃】 15
【防御】 14
【速度】 20

【オサレ値】 15

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


<<獅子虚>>

【LV20】
HP=1000

【攻撃】 25
【防御】 25
【速度】 25

【オサレ値】 25

【能力】
消費10
・An irrational blow  【攻撃+10】


 


【勝利】
・獅子虚のHPを0にする

【敗北】
・京太郎のHPが0になる



京太郎「はぁっ!!」ガギンッ

 ブンッ!

獅子虚「ガルルアァァァァ!」グンッ


 ザシュッ ガギンッ!


咲「凄い戦い……これじゃあ近づけない」ゴクリ

 咲の目の前で繰り広げられる死闘
 敵虚の強力さにも驚きだが、それ以上に奮闘している京太郎も凄まじい

咲「この戦い、一体どうなるの……!?」


京太郎「はぁぁぁぁっ!!」ダダッ


安価下2


【行動選択】

1 通常攻撃
・ダメージコンマ判定

2 会話する
・説得、説教の再安価


 能力
※持っていません

 逃げる 
・逃げられないっ!

1しかねーじゃんか


>>317
 それもそうですね
 じゃあ、この戦いにおいては敵の行動判定とダメージ判定の殴り合い応酬だけでよろしいですか?


1 京太郎の攻撃ダメージ判定

2 相手の行動選択

3 相手の攻撃ダメージ判定

4 以下繰り返し

 特に異論無ければこれで行こうかと思います
 まぁ、会話を選んでジャンシーの反応を見ると言うのもできますけどね


 それと、回避判定についてですが
 前回提示したものが意味不明すぎるので変更します



 自分の速度10
 相手の速度5

 それの場合、差の5に5をかけた数5が補正となります


 式にすると

 (自分速度-相手速度)×5=補正

 そして、安価を出します

自分 下2
相手 下3
 
 それに補正である数がのっかり


下2+補正
下3


 これで相手より上を出せばHIT


 ということでまず初回のテストを兼ねてやってみたいと思います


(京太郎速度20-獅子虚速度25)×5=-25


 戦闘安価


京太郎 コンマ下2 -25

獅子虚 コンマ下3 
  

当たっていた場合のダメージ判定

コンマ下4


なんかすまんな




京太郎「どりゃぁぁ!!」ズオッ!

 ヒュンッ

獅子虚「ガルッ!」ヒュバッ!

京太郎「疾いっ!?」ザザァァァ!!

獅子虚「グルルッ……当たらんなぁ」ニヤリ



咲「!?」

京太郎「!?」



獅子虚「次はこちらの番だ」ズンッ



京太郎「おい、あいつ喋れたのか……」ヒソヒソ

咲「そりゃ虚だからしゃべれるよ」ヒソヒソ

京太郎「えー? 完全に理性無かった感じだろあいつ」ヒソヒソ



獅子虚「おい」ギリギリ



?「(喋れたのか……)」ドキドキ



獅子虚「ふざけた奴だ……ガルルルルゥッ!!」ドンッ!!

京太郎「っ!?」


敵の行動選択 このレスのコンマ一桁

0~6 攻撃

7~9 能力


攻撃だった時の判定

獅子虚 下2 +25

京太郎 下3

ダメージ 下4

雀圧が消えそう



(獅子虚攻撃25-京太郎防御14+75)×2=172

 450-172=278

 京太郎の残りHP 278


獅子虚「ガァッ!」ブンッ

 ダンッダンッ!

京太郎「おわっ!? 爪の攻撃か!?」ガギィィィン

 獅子虚の繰り出してくる鉤爪の猛攻


 ギィンッ! ギンッギンッギィィィィン!

京太郎「こなくそっ!!」ブンッ

 必死にいなす京太郎
 だが、獅子虚の猛攻はそれだけではない

獅子虚「グルァァァァァッ!!」グパァァッ

 大きく開かれた口、そしてその中に広がるのは獰猛な牙
 それがまっすぐに京太郎の肩へと――

京太郎「ぐぁぁぁぁぁあっ!?」ブシュゥゥゥゥ!!

獅子虚「グハハハハハッ!! どうだ、雀死!! 痛いか!?」ガジガジ

京太郎「ぐっ……てめぇ!!」ブンッ

 ドンッ

獅子虚「チィッ!!」ズザァァァ!!


京太郎「うぐっ……」フラッ

咲「京ちゃん!」

京太郎「かすり傷だ。気にすんな……」フラッ

 咲に心配かけまいと咄嗟に嘘をつく
 本当はむちゃくちゃ痛い
 だが、泣き言を言ってもどうにもならない

京太郎「じゃあ、次が俺の番だ……!!」

 ただ、前に進むのみ――!



(京太郎速度20-獅子虚速度25)×5=-25


 戦闘安価

獅子虚 コンマ下2

京太郎 コンマ下3 -25


当たっていた場合のダメージ判定

コンマ下4

おまかせあれ!



京太郎「だらぁぁぁぁ!!」ダダダッ


 モワァァアァッン


京太郎「っ!?」ドクンッ
 
 視界が霞む、これは……

京太郎「なんだ、これ……」フラッ


咲「京ちゃんっ!!」


京太郎「嘘だろ……俺、魂だけの筈なのに」フラフラ

獅子虚「グハハハッ、何も知らないのか雀死」

京太郎「何?」

獅子虚「魂といえど傷つけば血を流す。つまり、このままではお前は死ぬのだ」ニヤニヤ

京太郎「なん……だと……?」

 つまり、この出血のまま戦えば――

京太郎「……」ゴクッ

 ここに来て、京太郎の中にあるビジョンが浮かび上がる
 それは……明確な死の恐怖

 目前に迫る死神の鎌の存在に、ただ震える

京太郎「う、うぅぁ……」ガタガタ

獅子虚「隙だらけだなぁ、雀死!!」ダダッ


咲「京ちゃん!! 避けてっ!!」

 ドヒュン!

獅子虚「ガルァァァァァ!!!」


敵の行動選択 このレスのコンマ一桁

0~6 攻撃

7~9 能力


攻撃だった時の判定

獅子虚 下2 +25

京太郎 下3

ダメージ 下4



(獅子虚攻撃25-京太郎防御14+3)×2=28

278-28=250


京太郎「う、うわぁぁっ!?」ドシャッ

 ズバッ!!

京太郎「あがっ!?」

獅子虚「ちぃっ!!!」ドンッ

 獅子虚の攻撃を運良く躱す京太郎
 もしも怯えて怯んでいなければ……あの鉤爪は京太郎の体を貫いていただろう

京太郎「あ、あぁっ……」ガタガタ



?「もうここまでか。これ以上見る価値は無いな……」スタスタ



咲「もう無理だよ!! 下がって京ちゃん!!」


 ドンッ!!


獅子虚「小娘、邪魔をするな……」

京太郎「くっ……」フラフラ

 このままでは確実に殺される
 どうにかして、この場を切り抜けなければいけない

 だが、どうやって?


京太郎「(どうすりゃいい、どうすれば……)」

 力の差は歴然
 傷は酷く、まともに逃げるのも難しい

京太郎「力があれば……力が」グッ

 もっと、もっとだ
 あいつを倒す力さえあれば――

京太郎「……」ドクンッ

 ザワッ


咲「っ!?」ビクッ


?「……?」ピタッ


京太郎「……」



 戦闘安価


京太郎 コンマ下2 -25

獅子虚 コンマ下3 
  

当たっていた場合のダメージ判定

コンマ下4



KUA!


京太郎「……」ドンッ

 ブンッ!!

獅子虚「っ!!」ヒュンッ



?「(速い……だが、それではまるで足りない)」


咲「京ちゃん!!」


京太郎「……」ブンッブン!

獅子虚「ぐっ、がぁっ!」ガギンガギン!!

 先ほどまでとは打って変わって、防戦一方の獅子虚
 だが、京太郎の猛攻も虚しくその一撃が通ることは無い



?「(しかし、なぜ急に動きが――)」


獅子虚「図にのりやがって――!!」ブンッ

京太郎「……」ズザァァッ! 

獅子虚「死にぞこないが……ガルルルゥァァァ!」ブンッ



?「(まさかここに来て、隠している力があるとでも――?)」





敵の行動選択 このレスのコンマ一桁

0~6 攻撃

7~9 能力


攻撃だった時の判定

獅子虚 下2 +25

京太郎 下3

ダメージ 下4

なんでこんなにコンマ負けするんだよwww



 ドゴォォン!


京太郎「がはっ?!」ドシャッ

咲「京ちゃん!!」


 ドシン


獅子虚「小癪なガキが。もう、手加減はせん……」ゴギッメギメギメギッ

 ゴゴゴゴゴッ

咲「な、何……?」

 突然、虚の体が変形を始める
 それは怒りを体現しているのか、それともそういった能力か何かなのか

 それらは咲にはまるで分からなかったが、一つだけ理解できたことがあった


~~An irrational blow~~  攻撃+10


獅子虚「グルァァァァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」ビリビリビリビリ


 こいつには、勝てない


京太郎「……」

咲「京ちゃん……」


 頼みの綱である京太郎は重傷
 これ以上戦えるかどうかさえ怪しい


京太郎「さ、き……下がってろ」フラフラ

咲「で、でも!」

京太郎「言ったろ? 俺は、お前を手伝うって……」

咲「そんなこと、もういい! このままじゃ殺されちゃうよ!!」

京太郎「ばーか……俺は死なないって言ったろ」フラッ

 ジャリッ


獅子虚「……」ズシンッ

京太郎「デカくなったからって、威張ってんじゃねぇよ」ジャキッ

咲「ダメ、もう無理だって!!」グイグイ

京太郎「……」


?「……」



 選択安価下3


1 このまま戦い続ける

2 諦めて敗北する
※ペナなどは無し

1





<<須賀京太郎>>

【LV9】
HP=450→250

【攻撃】 15
【防御】 14
【速度】 20

【オサレ値】 15

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


<<獅子虚>>

【LV20】
HP=1000

【攻撃】 35
【防御】 25
【速度】 25

【オサレ値】 15

【能力】
消費10
・An irrational blow  【攻撃+10】



京太郎「俺は負けねぇ!!」

獅子虚「……」ズンッ


?「口ばかり立派な素人が、まるでカカシだ」ザッ


京太郎「……ハァァァァァァ!!」

 
 ド   ン  !!


 ビリビリビリビリビリ!


咲「嘘っ……!?」

獅子虚「!?」


?「まさか、あの男――!?」バッ



京太郎「これが俺の――!!!」ダッ

 ズザァァァ!

京太郎「全力だぁぁぁぁぁ!!!」



 コンマ安価下3


00~89 普通に攻撃判定

90~99 精神世界へGO  

頼むよ

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


京太郎「うぉぉぉぉ!!」ダダッ


 そこからは、まるでスローモーションのようだった
 一歩ずつ虚に近づくごとに時間の感覚が長く感じて


 脳内を、今まで過ごしてきた思い出が駆け巡る


 楽しかったこと、辛かったこと


 色々あった


 あれ、俺は今どうしてこんなことを思い出してるんだっけ?


 そもそも俺って――


~~~~~~~~~~~~~~


――「聞こえるか?」


京太郎「誰……だ?」


――「お前は何をしている?」


京太郎「えっ?」


――「こっちだ」


 バ  ンッ!!


京太郎「こ、ここは!?」

 一体いつからここにいるのか――
 気が付けば、京太郎は無数のビルが立ち並ぶ雑踏の中に立ち尽くしていた

京太郎「あれ、虚は? 咲は?!」キョロキョロ

 一体なぜ自分は図書館前から移動してしまったのか?
 咲はどうなったのか?

 頭の中を巡るのは混乱ばかりであった


――「安心しろ、宮永咲もお前もまだ死んでいない」


京太郎「そ、そうなのか……」

 どこからともなく聞こえる声に安堵する京太郎
 だが、その声の主はどこにも見当たらない

京太郎「おい、あんたどこにいるんだよ?」

 
――「ここだ」


京太郎「えっ!?」バッ

 唐突にクリアに聞こえた声
 その声が聞こえた咆哮――上を振り向く

 そこにいたのは――


   



 と、ここで斬月のおっさん的ポジが出てくるんですが、どうしましょうか?
 まだ京太郎の能力を考えていなかったので、ここで決めちゃうのも手なんですが


1 ここで始解取得 これ以降は使いこなせない

2 ここでは能力UPのみ 始解取得フラグだけ


 どちらがよろしいでしょうか?




2だな
お楽しみは取っておこう

2、まだ意見とかアイディア募集してるのかな。


>>379
 隊長格の数人しか決めてないので、全然募集してます
 ただもうすでに決まっている隊長への意見などは採用できないかもしれないです



 では始解は取得しない方向で行きます

 では次に残月のおっさん的キャラを決めたいと思います
 この中から、後で多数決撮ります


 ※ そのキャラで能力が決まるわけではありません


1 黒仮面 黒マントの男

2 なんかぬらってる男

3 どことなく孔雀っぽい奴 

4 赤いマフラーを巻いた浅黒い奴

5 白い京太郎

6 全裸の男



 ではそろそろ決めます


安価下1~5 で一番多いキャラ


1 黒仮面 黒マントの男

2 なんかぬらってる男

3 どことなく孔雀っぽい奴 

4 赤いマフラーを巻いた浅黒い奴

5 白い京太郎

6 全裸の男

5




虚太郎「ようやく見つけたか」

京太郎「お、俺ェ!?」ガビィーン

 上を見上げた京太郎
 その瞳に映るのは――服装、肌の色まで何もかもが白い京太郎

 ただ一つ、その体で異を放っているのは

虚太郎「俺のことはどうだっていい」スタッ

 白目に当たる部分が、漆黒に染まっているということ

京太郎「おわっ!? 急に降りてくんなよ!?」

虚太郎「ああ、悪い」ポンポン

 こともなさげに京太郎の肩に触れる白い京太郎
 こいつは一体何者なのだろうか?

京太郎「お前は……?」

虚太郎「見てたぜ。お前があの虚にボコボコにされてるの」

京太郎「!?」バッ

虚太郎「無様だな。あれだけ大口叩いて負けるなんてよ」

京太郎「お、俺は負けてねぇ!!」

 そう
 まだ戦いは終わっていない

 だから、決着はまだ――

虚太郎「いいや、死ぬね、間違いなくお前は殺される」

京太郎「なん……だと……?」

虚太郎「俺が保証してやるよ。なんなら賭けたっていい」

京太郎「……」ググッ

虚太郎「お前は弱い。そもそも、力の使い方を知らねぇ」

京太郎「力の使い方――?」

虚太郎「まぁ、今のお前には難しいか――」ジャキンッ

京太郎「なっ!?」

 いつから持っていたのか
 身の丈をゆうに越す刀を構える白い京太郎

 咄嗟に京太郎も雀魄刀を構える

虚太郎「おいおい、そう構えるなよ。何もしねぇから」

京太郎「信じられるか!?」

虚太郎「ホントだよ。それよりも、ゲームをしないか?」

京太郎「ゲーム、だと?」

虚太郎「ああ。チャンスは三回」

京太郎「……」

虚太郎「もしお前が俺に攻撃を当てられたら、力をやる」

京太郎「!?」

虚太郎「だが、失敗すればお前はあの虚に殺されるだろうな」ニヤリ

おっ「なん…だと…?」回収か

白い京太郎とか益々シロ姉弟説が……



 >>399
 むしろシロにすりゃよかったと思いました


【能力UP 対決ルール】


虚太郎と京太郎のコンマを取ります

虚太郎 12

京太郎 25

 この場合、一桁のみの対決となり5で京太郎の勝ちとなります
 そして、この時点で京太郎のレベルUPが5確定します

 ※0は10扱い 
 
 これを三回繰り返し、合計値の数だけ京太郎のレベルが上がります

 つまり、三回0で勝てば30レベル上がります

 ※ 一桁が同数の場合は十の桁で勝負 全くの同数なら京太郎の勝ち


 ちなみに上昇合計が10以下の場合、強制的に10レベルUPとなります



       オサレ・コンマ
 皆さんの絶対的運命力を期待しています 




京太郎「本当に、力をくれるのか?」

虚太郎「ああ。だが、簡単にはくれてやらねぇけどな」

 京太郎は悩む
 そもそもここがどこか分からない上に、自分と同じ姿をした奴が目の前にいるのだ

 だが、選ぶ答えは一つしかない

京太郎「……」ジャキッ

虚太郎「お、構えたってことはやる気ってことでいいのか?」

京太郎「……他に戦う力を得られる方法がないからな」

 迷うことはない
 強くなれる可能性があるなら、それにすがるだけ

 強くなって、咲を――

 みんなを護る為に


虚太郎「おりこうだな。そういう奴は嫌いじゃねぇ――ぜ!!」ブンッ

 ガギィィン!

京太郎「なっ!?」ギリギリ

虚太郎「ハハハハッ!! 油断してると俺がお前を殺しちまうぞ!!」ギリギリ

 ガギンッ ギィンッ! ギィン! イチマルギンッ!

京太郎「ぐ、こいつ……つえぇ!?」

虚太郎「ほらほら、まず一回目のチャンスだ!!」ブァッ

京太郎「!?」


【一戦目】


虚太郎 安価下2

京太郎 安価下3 



イヤッー!



 なんかネットが切れてて書き込みできなかったみたいです
 お待たせしました



  上昇+8


京太郎「うらぁぁぁぁ!!」ザシュッ!!

 ズバァァァ!!

虚太郎「ほー、やるじゃねぇか」ニヤリ

京太郎「なっ!?」

 驚く京太郎
 だがそれも無理もない

 明らかに致命傷な一撃を与えたというのに、目の前の男は何事もなく立っているのだから

京太郎「バケモノなのか?」

虚太郎「んー、まぁ遠からずってとこだ」シュゥゥゥ

 自分が付けた傷がみるみる塞がっていくのを唖然と見つめる京太郎

虚太郎「それじゃあレッスン2はもっと厳しく行くぜ」ゴゴゴゴッ

京太郎「!?」ゾクッ

 今までとは違う、圧倒的な雀圧
 これはまるでさっきまで戦っていたあの虚と同じレベルの――

京太郎「ぐっ?!」ビクビク

虚太郎「小便は済んだか? 神様にお祈りは?」ズンズン

 先ほど受けた傷の痛みが蘇る
 死にかけた恐怖、恐れ……それらが京太郎を支配していた

京太郎「う、うぁっ……」ガタガタ

虚太郎「部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする準備は――」ジャキンッ

 ドンッ!!

虚太郎「終わったか!!!」ブゥン!

京太郎「う、うわぁぁぁぁ!!」


【二戦目】


虚太郎 安価下2

京太郎 安価下3 

お前らオサレすぎて濡れる


 合計17


虚太郎「ヒャッハァァァァ!!


 怖い――
 ダメだ、死ぬ

 俺はここで殺される
 もう、無理だよ

 戦えない――


「チガウヨ」


京太郎「えっ?」


「キヅイテ――」


京太郎「何に?」


「ワタシヲシンジテ――」


京太郎「この感覚は――」

 そうだ
 俺は知ってる、この感覚を

 あの時、オヤジとお袋が死んだとき――

 俺は見たんだ


:ニニニ/⌒)      \/     〃  |:.:|.:.:.:.|ハ   :::::::::::::::::::::::::::::    ハ|:.:.:.:.:.| ./    /ニニニニニニニ〉    /
=ニ/   _}ヽ   ー=彡'´    |:.:|.:.:.:.lヽ{        '         }ノ|:.:.:.:.:.| | __/===ニニニニ/⌒\/
/   __)   }          |:.:|.:.:.:.|:.人     __ ,      人 |:.:.:.|: | | |=====ニニニ/O  Y
  /  / \/  ___________}\ |:.:|.:.:.:.l: :|:.:|:...    ̄ ̄    イ:l:.: :|:.:.:.|: | | |===ニニニ/ `¨´ /|
/ニニニ〉    Y  {ニニニニニニニニY.|八:.:.:.ト、|:.:|:.:.r‐}` ー--‐  {‐ァ: |:.|: : |:.:.:.|: | ∨ニニニニ/     / :|
\===/     |   〉ニニニニニニニニ   \l:_:|-‐'{厂         ア}ー- .:_:|:.: 八|===ニニ/       /  ヽ___/
  \/    /  /====ニニニニニ_ ,. <     |        |    ノ/=ー-、ニニ〈    〃   /ニニニニニニニニニニ
   `¨´ ̄ ̄`ヽ====ニニニニニ〈           |        |            〉/\_//   {ニニニニニニニニニニニ
⌒ヽ ー───ニニニニニニニニニ∧           ヽ       /           ∧    { {____/ニニニニニニニニニニニ


両親を殺した――



京太郎「っ!! らぁぁぁぁ!!」ガギィィィン!!

虚太郎「なにぃ!?  この力は!?」ギッ、ギギギギッ!

京太郎「はぁぁぁぁ!!」ザシュッ!!


 ズバァァァン!!


虚太郎「がはっ?!」ズザァァァァ!!



京太郎「はぁ、はぁっ……」

 なんだ、今の感覚?
 俺の中で何かが爆発したような――

虚太郎「……」シュゥウゥゥ

京太郎「取り敢えず、あいつは撃退できたらしいな」グッ

虚太郎「……」ムクッ

京太郎「やっぱり効いてねぇのか」

 あれだけの一撃を叩き込んでも、すぐに再生しちまう
 あんな奴、どうやって倒せば――

虚太郎「あのババァァァァァァァ!!!!」ビリビリッ

京太郎「!?」ビクッ

虚太郎「よくも、よくも俺とこいつのゲームを邪魔してくれたな……」ギロリ

京太郎「ば、ババァ? なんの話だよ?」

虚太郎「……行き遅れのアラフォーサウザウンドが。テメェごと叩ききってやる!」ゴゴゴゴゴッ

 バキッバキバキバキバキッ

京太郎「な、なんて雀圧だ……」

 白い京太郎の叫び声に呼応するかのようにこの二人を包む世界が崩壊していく
 まるで、破壊の嵐に巻き込まれたように
 ただ傍若無人な雀圧だけが荒れ狂っている

虚太郎「覚悟はいいか、京太郎よォ」

京太郎「……」ゴクリ
 
 こいつは、あの虚とは比べものにならねぇ
 さっきの一撃だって、どうやって防げたのかも覚えてないし

 正直、勝算は薄い

京太郎「……」ザッ

 だけど、ここで勝たなければいけない
 勝って咲の元に戻る

 そして――

京太郎「俺が、アイツを護る!!」ブワッ

 ゴゴゴゴゴゴッ!!

虚太郎「ハッ! その程度の雀圧で何が出来る!?」

京太郎「何が? 決まってんだろーが」ズンッ

 ブンブンッ ピタッ

京太郎「お前に勝てる」 ド ン! 


虚太郎「抜かせェェェェ!!!」ドンッ

京太郎「ハァァァァァァァ!!!」ダッ

 そして、黒と白が――

 交差した

 
【三戦目】


虚太郎 安価下2

京太郎 安価下3 


 合計26レベルアップ
 皆さんオサレすぎですね……



京太郎「う、ぐぁっ……!!」


 爆発的なまでに膨れ上がった強力な雀圧
 二つの大きなエネルギーが交差しあった瞬間――


虚太郎「ギャハハハ!! 終わりだよ、京太郎ォ!!」

京太郎「ぐっ……」ズザァァッ

 押される
 余りの圧倒的な力の奔流に――

 このままでは流されて終わる


「ミテ――」

京太郎「!?」バッ


 しかし、京太郎は見た
 不思議な声の導きによって


京太郎「(これは――!?)」
 
 京太郎と虚太郎の雀圧がぶつかりあう空間
 そこに生じた、一筋の裂け目

京太郎「っ!!」ザッ

 なぜ体が動いたのかは理解出来なかった
 だが、今この瞬間自分が生き残る為に――


京太郎「ハァァァァッ!!」ズバァァッ!!


 無意識の内にそれを切り裂いていた


虚太郎「な、なにぃぃぃ!?」


 ズォァァァァァァァァァァ!!


 均衡を保っていた雀圧が、一気に開かれた空間に流れ込む
 その先にいるのは


虚太郎「ぐぁぁぁぁぁっ!?」ザシュザシュザシュッ

 白い京太郎であった






 そして、激しい嵐のような雀圧は次第にやみ
 残されたのは――

京太郎「はぁ、はぁ……」

虚太郎「」ジュゥウゥゥゥゥ

 倒れ伏す虚太郎と、京太郎
 勝ったのは――京太郎であった

京太郎「うぉぉぉぉぉぉぉお!!」

 叫ぶ
 あらん限りの声で、誰へ聴かせるわけでもなく

 ただ、叫びたかった

京太郎「……ふぅ」ガクッ

虚太郎「ひゃ、ひゃはは、やるじゃ、ねぇか」フラフラ

京太郎「お前、まだ――!?」

虚太郎「今日はここまでだが、次はこうはいかねぇぞ」シュゥゥ

京太郎「お前――消えるのか?」

虚太郎「バーカ、俺は消えねぇよ。お前が生きている限り、ずっとな」シュゥゥン

 ポーン

京太郎「……消えた」

 一体あの男は何者だったのか?
 そして、今の自分はどういう状況に置かれているのか

 まるっきり分からないことばかりだ

京太郎「でも……一つだけハッキリしてることがある」

 それは自分が強くなったこと
 あの虚を倒せる強さを手に入れたということ

京太郎「……」スゥゥゥ

 さぁ、戻ろう

 
~~~~~


 戦いの、中へ

京太郎「はぁっ!!」ド ンッ!

 ブワァァァァ!!

獅子虚「!?」ゾクッ

 ゴゴゴゴゴッ

京太郎「吹っ飛べ!!」ブンッ

獅子虚「グァッ!?」ドゴンッ

 バキバキバキ!! ドゴォォォォン!

獅子虚「ぐ、グルァァッ……」フラッ


咲「嘘……でしょ……?  何、この雀圧――?」ガタガタッ



京太郎「よー、どら猫。さっきはよくも、痛めつけてくれたな」ジャキンッ




?「まさか、ここに来て覚醒するとはな――」ザッ


咲「京ちゃん! 大丈夫なの!?」

京太郎「ああ、もう大丈夫だ。だから――」

 ザッ

京太郎「一瞬で終わらせてやる」ゴゴゴゴッ

獅子虚「ぐ、ぐぁっ……」ゾクッ


 迸る雀圧、みなぎる力
 もう負けない

 これからは――もはや次元が違うのだ

京太郎「俺がお前を倒す!」


 そして、京太郎の戦いを監視していた少女――
 弘世菫は深い溜息とともにその場を後にしていた

菫「ふぅ……賭けはまた私の負けか」スタスタ

                ,. -‐ 、
            ,. /  ∠`ヽ 、‐= 、
        / /   /     `ヽハ
       / //   /         ’.
          /    |─+ ミl /  l|
    /  .:,′   |_|_イイ   |_  ’
    .′  |     |《ん㍉ミ`¨¨`jハ_`  |
    i    |     | ゞ-'     ィ=r、`|_|!
    |   |└┬ー┘      ヒソ/ ′ |
   .′     |            '   :    |
    | l | l  小      _      i   |
    | l | |   | ト、       `   人___|
   .′l   |   | |  丶.      イ
.  /  l| l |   | |     r‐ ´  l|
 /  l,.≦:   V、     |    i|
./  /ニ=-人   V\.   |    ||


菫「お前の言った通りの展開だぞ」

 かつての友の言葉
 まるですべてを見透かしていたように、彼女は言っていた

菫「なぁ、照――お前は知っていたのか?」

 それは誰にも分からない
 分かるのはきっと、彼女本人だけだろう

 だが、菫にはもはや関係のないことだった
 彼女の残した言葉に、惑わされるのはもうたくさんだ 


菫「照、お前は必ずこの手で――」ザッ


 届く筈の無いつぶやきは街に溶けて消えていく
 残ったのは――

 
京太郎「……」

獅子虚「……」


 静かに決着の時を待つ、戦いのみであった


 To Be Continued……


 今日で菫編終わるとか言ってすみませんでした
 次回でようやく終わると思います
 レベルUPイベントも出来たのでサクッとMS編に進むのも可能になりそうです
 

<<須賀京太郎>>

【LV35】
HP=1750

【攻撃】 41
【防御】 40
【速度】 46

【オサレ値】 41

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 

 ではボーナス26Pの割り振りをやりたいと思います
 ただ、まだ始解もしてないのにステばかり上がるのもアレなので少しばかり調整します



【攻撃】 41→50 9
【防御】 40→50 10
【速度】 46→50 4

【オサレ値】 41→44 3

 合計26消費


 始解を会得するまでは50を上限にしたいと思います
 ボーナスポイントは他のことに使っていこうかと

 取り敢えず現状はこれでよろしいでしょうか?

 


 能力カンストは確かに速いですが、逆にサクサク進めそうでいいのではないのかなと
 それに恐らくMS編では相手の能力がチート連中なので、帳尻合うかと

 主人公はチート能力を実力でねじ伏せた方がオサレだと思うので

 それでは今日の更新は終わりとなります
 ありがとうございました



<<須賀京太郎>>

【LV35】
HP=1750

【攻撃】 41
【防御】 40
【速度】 46

【オサレ値】 41

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 
<<ヒロイン>>

・宮永咲 (♥♥♥)

・佐々野いちご ♥♥♥♥♥




 上昇値ミス訂正です


<<須賀京太郎>>

【LV35】
HP=1750

【攻撃】 50
【防御】 50
【速度】 50

【オサレ値】 44

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 
<<ヒロイン>>

・宮永咲 (♥♥♥)

・佐々野いちご ♥♥♥♥♥


 それと死神図鑑忘れてましたが、ぶっちゃけいらないですよね?
 なので閉まっておきます

 あと次回からポエムも自重した方がよろしいでしょうか?





死神図鑑もオサレポエムも毎回楽しみにしてる
ので、>>1の負担にならない限りはやって欲しい

 
 分かりました
 オサレ尽きるまで奮闘させていただきたいと思います


>>445 
 
【雀死図鑑】 


 イッシュンデオワラセテヤルー! キョウチャンガンバッテー!


菫「お前の言った通りの展開だぞ」

照「……うん」ポリポリ

菫「なぁ、照――お前は知っていたのか?」

照「うん」ポッキーポキポキ

菫「照、お前は必ずこの手で――」ザッ

照「手で?」カチャカチャ

菫「……」チラッ

                 _. . : :―――: . .
             ,. : :´: : : : : : : : : : : : : : :` : 、

            /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
           .:' : : /:,: : : : : : : : : 、: : : : : : : ヽ : : ヽ
           /: : :/: :/:/: :, : : : : : : |: : :!: : : |: : ∨: :∧
          , : : /: :/:/ : / 、: : : : :.ト、: |:|:{: :|: : :.| : |: : .
           /: : 〃:/:/|:从-、}:、: : : :.|-从}-Ⅵ : : | : |: : |
         /: : ィ: : :{: |r----从\: : |, ---- ミ: : :,: :/: : ,
          ̄´  |: }从:{   ⌒Y   ∨  ⌒Y }: :/}/Y : ′
           |: : : :/   乂_ノ     乂_ノ /:イ  /: :,′
           |: : : {                 r-: ': : /
              从: : 乂      ^ー(    イ: : :/: :/
            ∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
               \|  / \ ∨^/  />/' }:/
                 / |乂\∨_,イイ/  }
               {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
               {`ー∧ /:∧:.、  |- r'
  __________乂ノ 「iY{:/__}:./, -=- } _____

                 ̄`, {====}-、 ̄ ̄
                   ゝ ――‐ '

照「むぐっ?」

菫「いたのか!?」

照「最初からね」モグモグ

菫「なら最初から言え!!」バンッ!


淡「出番まーだー!?」ジタバタ


菫「お前もかっ!?」

 


京太郎「いやいや、戦いの邪魔すんなよっ!!」

咲「おねえちゃん……」ホロリ


獅子虚「うわぁ、宮永照さんだぁーサイン欲しいなぁ」ソワソワ




E N D


メノス's「ぼっちじゃないよー」ワラワラ
こわい(戦慄)


 金曜日は更新できず申し訳ございません

 夢中でAA作ってたらこんな時間になってました……
 土曜は予定無しなのでしっかり更新しようかと思います


 それと今回で隊長全員分のAAを作るのは無理っぽいのがわかったので



 これが……最後のAA合成だ


  
 

            x≦¨¨≧x
         /      \
       /    /    .\               x≦¨¨¨≧x
     /    /         \            /       \
           /‐- .,                  /              \
    /           .,      ',       /     ゚  。      \
       /                ',    /         >          ,
                 ヽ    }   /      > ´     \      ′
                  \  !‐‐/  > ´             \       ,
                ´   ∨l{ニ} /    `           \    ′
            /     -=ニ三三三ニ=-    \            \    , 
          /                     ∧            \    ,
         /                       ∧           \  ′
         /  /   /'´           `\ \.   ∧              }
 ∧      / /                ヽ    ヽ   ∧            ゚。}
 /∧    /  i     /  /  i!      |     |    |   ∧               ヾ
 ∨∧   /  .|    i  /   |     |     |    |     ハ
 . ∨∧. /    !    { i!  ,.イ|     |     |    |     | |
 . ∨∧     ',  i ∧{i>く 从!    | i!   !i!   i!ハ   i!ト、
 ..  ∨∧    ∧ i!.|r芹ぅ.ミ\i!   } !|.|  ,リ!   }! i!   ハ|. \
  / ∨∧   ∧ .从 {:{fj:}:}ヾ |   . イ从| .//|   ./i! |  / i!   \
  /   ∨∧ /    \{ .乂zク :::::|./:::::'/'///'/ ./ /,イ ./ /'     \
       ∨∧     |ハ      ´     ´  厶イ  ////           \
     / ∨∧   !.∧             / i! /' /'.\          \
    / / ∨∧   |'  \   `   ´   /   |      \          \
    /< << ゝ_ム. ハ   `i::....    ....イ   .l       \          \
   / /  `ヽY/ >―、   | ^. `¨´ ^ |    |         \
   / /  _l |'/: : : : :∧  |l        i!  '.、 |           \
  //- ´   | ∧: : : : : ∧  !|   '.  /  ハ   |- .          \
  |::ヽ    l.′∨: : : : :∧ .!.i ー 、  , -/ ,!  }    `丶         \ 
  l::::八       ∨: : : : :∧!ハ    ヽ  / /|  | !        \         \  
  |::///\      ∨: : : : : ∨ハ    / //|  | l         i          \     
  |/////ハ      V : : : : : V∧   / ///|  | l     :.    |           \       
.  ///////∧     ∨: : : : : ∨ハ  / ////!   | l     !:.                \        
 /////////∧     ∨: : : : : ∨ハ/ /////l  |    |: 〉  .!          


<<天江衣>>

【所属】
・?番隊 隊長

【雀魄刀】
・兎猴捉月 (とこうそくげつ)

【始解】 改号:沈め――
開放時 斬り合い・鍔迫り合いにおいて必ず持ち主が勝利する
※ あくまで斬り合いのみであり、長距離からの斬撃、白打、雀道などには全く効果が無い

卍解 ??? 


 衣ファンの方には申し訳ないですが、格キャラの雀魄刀を私が決めるとこんな感じですという告知に使用
 オサレの欠片も無い、こんな感じでよければ他のキャラも決めちゃおうかなーと思います

 質問、リクエストも随時受け付けておりますので何か思いついた方は遠慮なくどうぞ




 まだ早い時間ですが、人がいれば再開したいと思います
 今回ボス戦があるので、人数少なければ小ネタを投下する予定です

 
  


                         ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、
                         /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ
                        ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
                      .': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : :
                      /: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:|
                     .' : : : : : : : : : |: : : : : : :Ⅳ:{´ 从}: : :\
                     |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Ⅵ:{ー'                       _ , 、
                     |: : : : : : : : : : :Ⅵ: : : :从 マソ  乂_〉                  /ィ--∨  :.- 、
                       ,: : : : : : : : : :r \∧: : \     }                 __/  , ,:   } l \
                      |: : : : : : : : : 乂 `    ̄      /              ` ー-, | /{ { l  | |
                      Ⅵ:∧: : : : : : : : ー 、      ´,                     /_/  | / 从 :  ,-}/、 |l |
                     从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/                     /   从 -rォⅥ /rォ- }イ {
                           ∨ `ヽ: : {     ,                    ` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ  } }∧
                             __}Ⅵへ\  {                            从∧  _    八{
                              ´//∧∨/ヽヽ\                        Ⅵ 、 ` ー` イ / '
                            /////∧∨//ヽ\\                     ____________/::::: }` ー ´r'-
                      ////////∧∨///,\ヽ 、              ___////////∧∨∧::`  .\
                      ///////////∧∨///// ____       ///////////////ハ∨∧、   { l:ト、
                    //////////////∧ __x≦///////≧x、、___///////>==≪7-<Ⅵ/ハ\   l:|/|\、、
                     _////////////////...ぐ/////////////////////// / ̄/´    `V/ハ.ヽ\,l:|/|///ハ┐
                    /////////////////// .∨゙//>─────────≪≪≧-、 l l l lぐK} ̄i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            ____彡'//////////////////  ∨/゙>─────────≪≪≧__j j j j jぐ K}_!_____________
            /////////////////////////////∨∧..`ヾ///>、、_______x≦≧x`ー''"ー'ー'ー'とノⅥソ////ハ,|//////i
        〈///////////////////////\///////////.∨////////////////////≧=≦////∨/////////!//////|

.           ∨///////////////////////∨/ _////////.∨////////´ ̄ ̄ ̄` <////////,∨/////////∧////}/|
            ∨///////////////////////}\,,////////∧.` ̄ ̄ ̄´           `ー┤:i  ///////////∧ ∨//∨!
  (´(     ,r―――‐-y .,--,   r----y r----, ,-----、 ,r-ァ ,r-y     ) ヽ..xX/      ∨才//////////∧ ∨//∨/|、、
  ヽ、`ヽ __ 一7 /'7  } / /  / / ̄  .//l  l´ / / 7 // /_/ / _  ,r´,r´ ./       .∨//////////∧ ∨///∧/|//> 、、
   ,/ / l (  /   ̄ <´/ /  / └‐ァ //_l  l / / '--' / _. / )ヽ ヽ ヽ、..|          /∨//////// //////∧//∨////\
  / (  ) ヽ, / /'7 / / /  ./ / ̄ //~~l .l / /./ ̄// / / ./ ノ (  )  )..|       ./////////// /////////∧ :::::Ⅵ//////\
./l ヽ-、`''´ /___ー'_,ノ /__'--ァ/___'--ァ/_/  l_-'_'-'__ノ/__ノ/___'--y__ `~ ,--' lヽ       .`ヾ/////// /////////////::::::/,///////
.l ヽ_ノ   .7∠ニニニニニニ フ--y〃/ / _ _┬∠ニニニニニニニフ/  ヽ,_ノ/          }ミ冬、、////////////才{::/,////////



 おお、たくさん人がいるのでこのまま戦闘に行きたいと思います
 その前に一つだけなんですが

 前回ボコられた獅子虚ですが、補正の関係上必ず勝てます
 なので戦闘をスキップしたいのですが、どうでしょう?


1 それでもコンマでタコ殴りしたい(出来レース対決)

2 雑魚戦はスキップしてボス戦からスタートでいい(VS菫)



 すいません、ポエム作成に時間かかってました
 それでは雑魚戦からスタートします

 と、その前に今までの話の邦題を載せておきます


<1 Death & Quadrillion> ~~雀死と京太郎~~

<2 Slow Starter> ~~覚悟を決めろ~~

<2.5 Gonna Be Strong> ~~強くなろうとは思ってる~~

<3 Red string of fate>  ~~運命の赤い糸~~

<3.5 Wonderful Distance> ~~アイツとオレの距離~~

<4 Jonggcy Sharp Shoot You> ~~ジャンシーがアナタを狙ってる~~


 雰囲気だけで楽しみたいという方もいるかもなので、希望無ければこれからはこちらで訳しません
 邦題が欲しいという方がいれば、英語・日本語両表記で進行したいと思います



 どんなに嘘を重ねて愛を叫んでも


 君の居た世界にはもう帰れない


 憧れだけを抱いて
 あの頃の思い出に縋っても

 ――それはもう君じゃない


 二人はもう二度と巡り会えないのだろう

  
 愛を失った心が静寂を射抜く


 それは思い出すらも凍てつく世界――
 


<5 The Dry Shout>



咲「京ちゃん! 大丈夫なの!?」

京太郎「ああ、もう大丈夫だ。だから――」

 ザッ

京太郎「一瞬で終わらせてやる」ゴゴゴゴッ

獅子虚「ぐ、ぐぁっ……」ゾクッ


京太郎「俺がお前を倒す!」

咲「……」

 咲はただ困惑するばかりであった
 僅か数分前まで疲労困憊し、死の手前であった少年が息を吹き返し

 それどころか、あの圧倒的な敵をも上回る力を発している

咲「京ちゃん、この力は――?」

京太郎「俺にも分かんねぇ。でも、ハッキリしてんのは――」ジャキンッ

 ゴゥッ!!

獅子虚「!?」ズシャァァ!!

京太郎「もうこいつは敵じゃねぇってことだ!!」ニィッ




 すみません、推敲の文が残ってました
 本来ならこうなる予定でした




 どんなに嘘を重ねて愛を叫んでも


 君の居た世界にはもう帰れない


 憧れだけを抱いて
 あの頃の思い出に縋っても


 ――それはもう君じゃない






【なぜかくっついていた駄作】

 二人はもう二度と巡り会えないのだろう

  
 愛を失った心が静寂を射抜く


 それは思い出すらも凍てつく世界――


※こっちは作成途中で破棄した奴です
  どうか忘れてください




下のはシャープシューターさんのか

>>490
 その予定で作っていた奴です




咲「やっぱり、この力はおかしい……」

 急な雀圧の上昇もそうだが、その上がり幅だ
 修行もせずに倍以上の雀圧を放つなど、そんなことがありえるのだろうか

咲「(雀圧だけならもう、副隊長クラス……かも)」ゴクッ

 ズォァッ!!

京太郎「うぉぉぉぉ!!」

獅子虚「ガルルルァァ!!」ドンッ

 ガギィィィン!!

京太郎「ハッ、軽いぜ」ギリギリギリ

獅子虚「ぐっ……」

京太郎「うぉぉぉぉ!!!」 


<<須賀京太郎>>

【LV35】
HP=1750

【攻撃】 50
【防御】 50
【速度】 50

【オサレ値】 44

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし


<<獅子虚(強化)>>

【LV20】
HP=1000

【攻撃】 35
【防御】 25
【速度】 25

【オサレ値】 15

【能力】
消費10
・An irrational blow  【攻撃+10】



(京太郎速度50-獅子虚速度25)×5=125


 戦闘安価

獅子虚 必要無し

京太郎 必ずHIT

当たっているのでダメージ判定

コンマ下2



(コンマ78+京太郎攻撃50-獅子虚防御25)×2=206

 1000-206=794

京太郎「くらえっ!!」ザシュッ

 ブシュゥゥゥ!!

獅子虚「お、おのれぇぇぇ!!」ザッ

 右腕に大きな傷を受けながらも、獅子虚はその獰猛な牙を京太郎に突きつける
 しかし、それは虚しくも宙を舞うだけであった

獅子虚「なっ?!」

 ヒュンッ

京太郎「おい、どっち見てやがる?」

獅子虚「!?」


咲「あ、あれは雀歩!? 嘘……!」

 雀歩、雀死の使う高速移動術
 それを今、京太郎はあっさりとやってみせた

 その存在、やり方など知るはずもないのに

咲「一体、どうしちゃったの……?」

京太郎「俺はこっちだ」ブゥンッ


(獅子速度25-京太郎速度50)×5=-125


 よって、獅子虚の攻撃は絶対にHITしない

 京太郎に攻撃権が移ります


(京太郎速度50-獅子虚速度25)×5=125


 戦闘安価

獅子虚 必要無し

京太郎 必ずHIT

当たっているのでダメージ判定

コンマ下2


 
 
(2+25)×2=54


 794-54=740


京太郎「おらぁ!!」ザシュッ

獅子虚「ちぃぃぃ!!」ダダダッ

 背後から一撃を繰り出す京太郎だが、虚は必死の抵抗でそれを回避する
 無論避け切れる筈もなく被弾するが、そのダメージは低い


京太郎「なんつー逃げ足だよ!?」ヒュンッ

獅子虚「はぁ、はぁ……逃げなくては」ザッ

 ビュンッ!

京太郎「そうは行くか!!」ジャキンッ

獅子虚「!!」

京太郎「うらぁぁぁぁ!!」グルッ



当たっているのでダメージ判定

コンマ下2


 ただ殴り続けるだけじゃ脳が無いので、特殊条件
 これから獅子虚を倒すまでに判定でゾロ目が出れば、技習得(始解ではない)





(82+25)×2=214

 740-214=526



京太郎「ハァッ!!」ブンッ

 ズバァァァ!!

獅子虚「ぐ、グァァアァ!?」ズシィィィン!

 京太郎の放った一撃が獅子虚に直撃する
 しかし、その硬い皮膚を完全に切り裂くには力が足りなかったようだ

京太郎「違う、この感覚じゃねぇ……」グッ

 自分の内なる世界
 もう一人の自分との戦いで掴んだ何か

 それを、もう一度引き出したい

京太郎「(この戦いの中で!!)」ドンッ!

獅子虚「ひ、ひぃぃっ!?」ザッ

京太郎「逃がさねぇって、言っただろうが!!」グッ

 再び京太郎の高速移動が虚を追い詰める
 その姿はさながら、獲物を屠る狩人のようだ

京太郎「ハァァァァ!!」ブンッ



当たっているのでダメージ判定

コンマ下2


(42+25)×2=134

 526-134=392


 ザシュッ

獅子虚「ガッ!?」

京太郎「うぉぉぉ!!」ググググッ

獅子虚「ぐ、グァァァァァ!!!!」ガギンッ!!

京太郎「!?」ギィンッ

 ズザァァァ!!

京太郎「くそ、またダメか」ギリッ

獅子虚「ゼーッ、ゼーッ――」

 京太郎の連撃により、疲弊しきった様子の獅子虚
 ここに来て、すでに自身の消滅が免れないことを悟っていた

 しかし、逃げ場などは無い
 
 仮にここを逃げ出しても

 あの冷たい目の女に殺されるだけなのだから

獅子虚「ひ、グヒヒッ、グハハハハハッ!!」

京太郎「……なんだ?」

獅子虚「お前には分からない、お前などにはな」フラフラ

京太郎「……」

獅子虚「所詮オレもお前も、手のひらの上で踊らされているにすぎない」

京太郎「何? それはどういう――」

獅子虚「……グァァァァァァ!!」ダダダッ

 京太郎の言葉を待たずに攻撃を仕掛けてくる虚
 これ以上の問答は望んでいないらしい

京太郎「なら、無理やり聞くまでだ!!」ドンッ!


 戦闘安価

獅子虚 必要無し

京太郎 必ずHIT

当たっているのでダメージ判定

コンマ下2



(94+25)×2=238

 392-238=154


京太郎「どりゃぁぁッ!!」ザシュゥゥ!

獅子虚「グァッ!?」ズンッ

 ドゴゴゴゴゴォン

京太郎「ふぅ、一丁あがり」

獅子虚「が、がっ……」ピクピク

 必死の抵抗も虚しく、京太郎の反撃に沈む虚
 前足と後ろ足を両断され、もはや逃げることはおろか動くことすらままならない

咲「京ちゃん!!」タタッ

京太郎「咲、もう大丈夫だ」ニッ

咲「う、うん。凄いよ!」

獅子虚「ぐ、ぐぅっ……」

京太郎「それじゃあ、さっきの話の続きを聞かせてもらうぜ?」ジャキンッ

獅子虚「……」

 京太郎はトドメを刺すことになる刃を虚に向ける
 だが、虚はピクリとも動かない

京太郎「……何か言えよ」

獅子虚「嫌だ。話せばあの女に殺される」

咲「あの、女?」

京太郎「どういうことだ?」

 二人が驚くのも無理はない
 虚が死を恐れるのはまだ分かる、だがあの女とはどういうことだ?

 この街にいる死神は京太郎と咲
 咲が戦えない以上、少なくとも一人は虚を殺す者がいるということだ

獅子虚「死神に殺されても、俺は転生できる。だが、奴は――」ガクガク


 怯えたように震える虚
 長年生きている咲でも、こんな光景を目にするのは初めてのことだった

 
京太郎「おい、それはどういう意味だ?」

獅子虚「……」

 気になることは山積みだ

 だが虚は黙り込む

 これ以上は話す気が無いのだろう

京太郎「分かった。なら、こうしてやる」ジャキッ

 そして京太郎は雀魄刀を振り上げ――

京太郎「はぁっ!!」

 まっすぐに振り下ろした



 ダメージ判定 下2




(28+25)×2=106
 154-106=48

 補正により50は確定しているので、次で必ず死にます


 ザグッ

獅子虚「ギャァァァ!!」

京太郎「どうだ? 話す気になったか?」グリッ

獅子虚「ぐ、グァッグゥゥゥゥ!!?」

 雀魄刀を突き立てられ、焼けるような痛みを感じる虚

獅子虚「ウッ、グゥッ」ジュゥゥウゥ

 しかし、よほどその女が怖いのか
 声にならない叫びをあげながらも、それでも何も話そうとはしない

咲「この虚、完全に怯えてる。多分、これ以上は意味がないよ」

京太郎「……くそっ」

虚「ぐ、グハハ……そうだ。話すことなどは何もない、殺せ」

 敵ながら見上げた奴だ、と京太郎は思う
 だがそれでも虚は虚

 打ち倒すべき、敵なのだ

京太郎「そうか。それじゃあ――」ググッ

獅子虚「……」

京太郎「じゃあな」ブンッ

 トドメの一撃が今、振り下ろされ――


?「……」ザッ

 キリキリキリキリッ

?「……疾ッ!!!」ドギュゥゥン!!


 るかのように思われた




 ダメージ判定 下2  

ゾロ目 能力取得

それ以外 ??




 キュアアアアアアアアアアアアア!!!!

京太郎「!?」ザッ

咲「!?」

 ガギィィィィィン!!

京太郎「なっ――!?」ガガガガガッ

 唐突に飛来してきた謎の光線状の攻撃
 それは京太郎の雀魄刀に直撃し、そのまま押し進んでいく

京太郎「が、ぐぎぎぎぎっ!?」ジリジリジリジリ!!


 ギャリギャリギャリギャリギャリ!!


 膨大なエネルギーが金属音を上げて弾けていく
 その威力の高さに京太郎はただ、こらえるだけしかできない


 そして――


京太郎「弱まってきた――?」

 シュゥゥゥ――

 なんとか耐え切ったのか、その攻撃はようやく霧散していく
 

咲「今のは――?」

京太郎「分からねぇ。でも、一体――」


 と、ホッと胸を下ろそうとしたその時だった


 キュアアアアアアアアアアアアア!!!!


京太郎「 !? 」

 先ほどと全く同じ音で、再びあの攻撃が飛来してくる
 
京太郎「(しまった!? ガードが間に合わ――)」

 刀をあげることをできず、そのまま攻撃を受けてしまうかのように思われた――
 
 だが

獅子虚「!?」

 ド ンッ!!

獅子虚「ギャァァァ!!」バシュゥゥゥン!


京太郎「えっ?」

咲「虚に……当たった?」

 その光の矢は、まるで紙を切り裂くようにあの硬い虚の体を貫く
 そして、その光はそのまま虚の体を包み込み

獅子虚「」シュゥゥゥウ

 虚は、消えてなくなってしまった


京太郎「な、なんだよ、これ……?」




 虚を消滅させる攻撃が、どこからか飛んできた
 それだけでも二人を混乱させるに十分だったが、何よりも恐ろしいのは相手が見えないということ

京太郎「狙いは虚なのか――それとも!」

 自分を狙って放たれた可能性もある
 そう思うのも無理はない

京太郎「咲、俺の後ろに隠れろ!」

咲「う、うんっ!」ギュッ

 咲は京太郎の背中にピッタリと背中を合わせ、後方を警戒する
 360度、どこから攻撃が来てもいいように

 だが

京太郎「……」

咲「……?」

 一向に待っても、次の一撃がくる気配はない
 相手はもう過ぎ去ったのだろうか?

 そう、二人が思った瞬間であった


 ザッ


?「やはり、仲睦まじいな」スタッ

 凛とした声

京太郎「なっ!?」

 その、美しすぎる長髪

?「せいぜい今のうちに手を取り合うといい」

 忘れもしない
 つい先ほどであったばかりの――

京太郎「お、お前は――!?」



| |.     ',
| l      ',
| |       ',                  ,  -=<ヽ
| |       ',               /::::::/::::::::`::::⌒ヽ
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!          ',             ノ/ 、///_人_/:::ノ:::::i
  ',  /〃   ',  _        /::::i ヽ    Y//::::::::/
 Ⅵ∨/、 __',__>- 、--=彡--:込     <::::::::/:
 √ V ノ _ ̄彡⌒/   {斗r≦ニニ≧s=- r彡イ:/::::/
 i: 0 |ヽ   -=彡 /--- /⌒Yニ=----====彡:::::/:::::::/
__乂ノ、: :\¨ < __/  乂ノ::::::/ノ-      ̄i::::::::::::'
__ , '/ヽ: :i==ミx 、     <::/ニ (__        八::::::::i
    '/ i八 ̄ ̄ ̄\\     ノ<=ミ    /::::::::::::::|
  / /i: : :∧     \\/´ / ⌒>ヽヽ  /:::::::::::::::::|
 ,/ /_i|: :/: ∧      r ', /   /-=彡⌒ ::::::::::::::::::|
)Ⅹ(彡ヽ: :/: ∧__    >彡ヘ  イ:::/::::/::::::::::::::::::::::::::|
/∧  =≦=/_  ヽ<_/  ', ´ <::/::::/::::::::::::::::::::::::::::|
/  ゞ'   ノ〃/ _ }i_ノ- ≦ ',    \:/:::::::/::::::::::|i::::::::|
      ゝ'_/- ノ /       ', _   \: / ::::::::: |i::::::::|
        '/: :∧'     //      ヽ::::::::::::::|i::::::::|
          '/:/:∧   // ',         ̄ ̄ ̄ ̄

菫「もうすぐ、その温もりは冷たさに変わる」

京太郎「なん……だと……?」


 図書館で出会った、あの少女





 目の前に現れた少女は、その光る弓を携えながらこちらに歩み寄ってくる
 その威圧感は――先ほどの虚など比べれるまでもない

京太郎「さっきの攻撃は、アンタがやったのか?」

菫「そうだと言ったら?」

京太郎「っ!!」ググッ

 雀魄刀を構える京太郎
 一瞬の油断もできない、それほどまでに目の前の敵の力は大きい

咲「雀子の弓――!? もしかして!?」

 ここで咲が目の前の少女の正体に気づく
 だが、それはありえない

 なぜなら、あの一族は――

咲「だって、”あの一族”は……もう!!」

菫「ほぅ、知っているのか宮永咲」

咲「!?」

京太郎「お前――なんで咲の名前を知ってるんだ!?」

菫「さて、どうしてだろうな」スッ

京太郎「!!」ザッ

咲「京ちゃん!! ちょっと待って!!」バッ

京太郎「咲?」

 攻撃の構えを取る京太郎を、咲が制する
 その瞳には、少しばかりの迷いがあるように見えた

咲「アナタが……弘世、菫さん。ですか……?」

京太郎「!?」

菫「……ああ、そうだ」

咲「!?」ドクンッ

菫「ふふっ、そうか。照はお前に話していたか……あいつらしい」

咲「で、でも待って!! おねえちゃんは――!!」

 何かを伝えようと、身を乗り出す咲
 しかし、菫はそれを拒む

菫「やめろ。弁明などは聞きたくない」スチャッ

 ゴゴゴゴゴゴッ!!

咲「っ!?」ゾクッ

京太郎「咲!! 下がれっ!!」バッ

菫「ただ一つハッキリしているのは――」

 ギリッ

菫「アイツが、私の一族を滅ぼしたということだ!」バシュッ!


 ギュァァァァ!!


京太郎「ちぃっ!! どりゃぁぁっ!!」ガギィィィン!

菫「……ほぅ、やるな」

 
 




菫「この矢を弾くとは、それなりの力はあるということか」

京太郎「咲! 話は後にしろ、今はこの人を倒す!」
 
咲「で、でもっ!!」

京太郎「とてもじゃねぇけど、話を聞いてくれそうに無いだろ!」

 今の攻撃もそうだが、目の前の少女はあの獅子虚を京太郎達にけしかけた
 京太郎がもし、勝てなければ――

 二人は確実に死んでいただろう

京太郎「お前は下がってろ!!」

咲「……うん!!」ザッ

菫「安心しろ。私の用があるのは――お前だ」

京太郎「!?」バッ

菫「お前のことはここしばらく観察させて貰っていた。正直、賞賛に値するよ」パチパチ

 にこやかに手を叩く菫
 それを見て、京太郎は静かに息を呑む

京太郎「……おい咲、これって」ブルブル

咲「う、うん。相手はきっと――」


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ

: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


京太郎「俺のこと、好きってことなのか!?」バーン!!


菫「」

咲「」


京太郎「顔は綺麗だし、しっかりしてそうだけどおもちが足りないな……いや、でも全然あるし」ブツブツ


菫「おい、ふざけてるのか?」


京太郎「でも、やっぱり俺にはちゃちゃのんと和がいるし。よし、ここは一途?で行こう、そうしよう」ウンウン

咲「きょ、京ちゃん?」ポカーン


京太郎「おい! アンタ!!」

菫「なんだ……?」

京太郎「あ、あの……最初は、そのお友達からってことで……//」テレテレ


菫「」

咲「」



菫「……宮永咲、そういうことだ」


京太郎「ああ、まずはお友達から――」


咲「うん。そうだね、弁明なんて……意味ないよね」


京太郎「おーい?」


咲「でも、これだけは信じて。おねえちゃんはあんなこと本当は――」


京太郎「聞いてるー?」


菫「言っただろう。結果が全てだと」スチャッ


 ドドドドドドドドドドッ!!


京太郎「修羅場か……」ウーン

咲「ふざけてないでちゃんと構えて!!」

京太郎「あ、ああ」ザッ

菫「宮永咲の力を借りただけの男に、私は倒せない」

京太郎「アンタも咲も、俺のことを馬鹿にしすぎだっての」ザッ

 ゴゴゴゴゴゴッ

京太郎「そういうのは、勝ってから言えよ」

菫「ああ、そうさせてもらおう」

 バチッバチバチバチッ

 二人の巨大な雀圧が重なり合う
 その余りの力の波が衝撃をうみ、渦を起こす

菫「さぁ、始めるぞ」

京太郎「俺が勝ったら、お友――」

菫「疾ッ!!!」ギュァンッ

 ギュァァァァァァ!!!

京太郎「!?」


 そして――遂に二人は激突する



 というところで、一旦休憩します
 先ほど出ていましたが、このままでは長期戦になりますので

 システムから一つ変更点を出します
 敵、味方ともに通常攻撃の倍数は2ではなく3とします

 そして、この菫戦でも京太郎のダメ判定でゾロ目が出れば技習得
 こういう感じで行きましょう



<<須賀京太郎>>

【LV35】
HP=1750

【攻撃】 50
【防御】 50
【速度】 50

【オサレ値】 44

【雀魄刀】
・通常

【能力】
・なし

 

<<弘世菫>>

【LV40】
HP=2000

【攻撃】 55
【防御】 45
【速度】 40

【オサレ値】 50

【雀子兵装】
・雀聖滅矢

【能力】
消費10
・見敵必殺 ~エス・シーベットゥ~(攻撃が必ずHITする)

獅子虚を倒したボーナスはありませんか?(期待の眼差し)




>>537
 今回ゾロ目で技を取得する条件の継続ってことで



 では再開します

【ヒント】
・勝てない相手は逃げるのも手、心を突くのも作戦の一つ
・ただし失敗すればこちらも痛手を負うでしょう
・真正面から倒せれば、素敵なイベントがあるかも?




 雀圧の渦が勢いを増すのと同時に、お互いに動き出す
 まず、先手を取ったのは京太郎――


京太郎「はぁっ!!」ダダッ

 ヒュンッ

菫「速いな、だが――」ヒュンッ

京太郎「!?」

 京太郎の一撃をなんなく回避し、菫は距離を取る
 そのスピードは京太郎とほぼ互角だ

菫「飛雀脚――足元に作った雀子の流れに乗る移動術だ」ヒュンヒュンッ

京太郎「俺だって!!」

菫「雀死が使う雀歩と同じような技だが、私達は動きながら攻撃ができる」バシュッ

京太郎「!?」ガギィィン!!

菫「どうした? 足が止まっているぞ?」ギュァァァッ!!

京太郎「ちぃっ!?」ギィッン!!

 遠距離武器である弓と、近接武器の刀
 この距離を保たれたままで戦うには、あまりにも相性は最悪だ 

京太郎「(なんとか近づかねぇと……)」

 菫の攻撃は連射が使える
 ならばやはり近接で一気に仕留めるべきだ

京太郎「はぁっ!!」ダッ

 なんとしてでも、動きを止めなければならない
 その為には――


【行動選択】 下3


1 通常攻撃
・ダメージコンマ判定

2 会話する
・説得、説教の再安価

 能力
・能力がありません

4 逃げる 
・逃げ判定



 ちょっと菫さんが鈍重すぎたので少し調整しました


<<弘世菫>>

【LV40】
HP=2000

【攻撃】 55
【防御】 45
【速度】 45

【オサレ値】 50

【雀子兵装】
・雀聖滅矢

【能力】
消費10
・見敵必殺 ~エス・シーベットゥ~(攻撃が必ずHITする)


【京太郎の攻撃】
  
(京太郎50-菫45)×5=25


 回避判定

菫 安価下2

京太郎 安価下3 +25

 当たっていればダメージ判定


安価下4

>>545
確かに
速度上げたんだから防御下げるべき


>>551
 了解しました

<<弘世菫>>

【LV40】
HP=2000

【攻撃】 55
【防御】 40
【速度】 45

【オサレ値】 50

【雀子兵装】
・雀聖滅矢

【能力】
消費10
・見敵必殺 ~エス・シーベットゥ~(攻撃が必ずHITする)


(32+京太郎50-菫40)×3=126
 2000-126=1874

京太郎「ハァッ!!」ヒュンッ

 シュバッ

菫「言っただろう? お前の動きは読め――」ヒュンッ

 ザッ

京太郎「なんだって?」ガシッ

菫「なっ――!?」

 飛雀脚を駆使し、虚太郎の斬撃を躱した菫
 京太郎はさらにその菫の後ろに回り込んだのだ

京太郎「まずは、さっきの借りを返す!」ズァッ!!

 シャッ!

菫「ぐっ……」ポタッ

京太郎「当たった!?」

菫「ちぃっ!」ヒュンッ


 シュタッ!


菫「……やるな」

京太郎「あっ……その……」

 刀が掠った肩を抑え、キッと京太郎を睨む菫
 その抑えた肩口からは一筋の赤い雫が流れ出している

京太郎「ご、ごめんなさっ――!」

 ギュァァァァ!!

京太郎「!?」ガギィィィン!

咲「京ちゃん!!」


菫「何を謝る必要がある? これは殺し合いだ」


京太郎「で、でも……」

 動揺するのも無理のない話だった
 これまで、京太郎は誰かを暴力で傷つけたことなどない

 ましてや、自分と年の同じ頃の少女など

速度極振りなのがクインシーな気が



>>554
 京ちゃんが速過ぎるだけです


菫「さぁ、次はこちらの番だ」

京太郎「やっぱり、こんなことは――」

菫「世迷言を――!」ギュァッ!

 バシュゥゥゥン!

京太郎「っ!?」ヒュン

 ドゴォォンッ

京太郎「なっ……!?」

菫「どうした? 顔色が悪いぞ」

京太郎「さっきまでと威力が違う……なんなんだ、その弓!?」

 京太郎の雀魄刀と違い、遠距離の武器
 それだけはない何かが、あの弓には秘められているように思える

菫「滅雀師(ジャンシー)というものを知っているか?」

京太郎「ジャン……シー?」

菫「古い名だ。とうに廃れ果てた、古き一族」グググッ

 バシュゥゥゥッ!!

京太郎「くそっ!!」


【菫の行動選択】 コンマ下2


0~6 通常攻撃

7~9 能力

>>558
 見ろよこのコンマ
 安価を刈り取る形をしてるだろ――?

 檜佐木副隊長 お疲れ様です




京太郎「ぐっ!?」ヒュンッ!

 菫の霰のような射撃を、間一髪で躱していく京太郎
 まだ動きに迷いがあるがそれを補うだけの圧倒的な速度が京太郎にはあった

菫「なるほど、速度は私より上か」

 菫もそれを察したらしく、その弓を下げる

京太郎「なんだ、もう終わりか……?」ザザッ

菫「だが、見えていても避けようのない攻撃がある」スチャッ

 菫が構える
 先ほどと寸分変わらない、全く同じフォーム

 ただ違うのは――

菫「エス・シーベットゥ」ゴゴゴゴゴゴッ!!

 その強大な雀圧

京太郎「これは――」ゾクッ

菫「Auf Wiedersehen――」バシュゥゥン!!


~~Hit確定~~


 ダメージ判定


安価下2


 ダメージ判定

(53+55-50)×3=174
1750-174=1576



 菫の手から鋭い矢が放たれる
 これまでより巨大で、より青白く光る矢――

京太郎「遅いっ!!」ヒュンッ

 先ほどよりも数段威力は高そうだが、スピードは並みだ
 これなら労せず避けられる

 そう、思った時だった

菫「Flucht」バシュッ!

 続いて菫がもう一度矢を放つ
 それは先ほど放った巨大な矢に向かって、まっすぐ進んでいく

京太郎「なっ――」

 ガガガガガガガガガッ!!
 
 そしてその二本目の矢が一本目の矢に当たり
 
菫「Es kann stromen.」

 バラララララララッ!!

京太郎「ぐぁっ!?」ザシュッ!

 矢を形成していた雀子が、まるで花火のように四散する
 それは針のように研ぎ澄まされ、その速度は先ほどの倍以上だ

京太郎「っ!?」ガギギギギギギィインッ!

 雀魄刀で必死にそれを受け流し、京太郎は後退する
 背中には、被弾した矢により赤黒い傷が出来上がっている

菫「やはり、これは効果がある」

京太郎「ぐっ……なんて技だよ」

 自分が射た矢をすかさず打ち抜くなんて、並みのことではない
 一体どれほどの集中力があれば可能なことなのか――

菫「さぁ、焼き鳥にならない内に負けを認めてもらおうか」

京太郎「……嫌だ。トんだって認めるもんか」

 だが、そう何度も使える技じゃない
 直感的に京太郎は理解していた

 ならば、先にこちらが倒してしまえばいい

京太郎「次はこっちの攻撃だ――!!」ダンッ!


【行動選択】 下3


1 通常攻撃
・ダメージコンマ判定

2 会話する
・説得、説教の再安価

 能力
・能力がありません

4 逃げる 
・逃げ判定



菫「……」バシュッ!

 無言で矢を放つ菫
 先ほどの技はどうやら使わないらしい

京太郎「それなら、こちらのチャンスだ!!」バッ

 狙いを定め、高速で距離を詰める

京太郎「うぉぉぉお!!」ダダダダッ!

 
咲「京ちゃんっ!!」


菫「……!」

京太郎「くらえぇぇ!!」ブンッ!



【京太郎の攻撃】
  
(京太郎50-菫45)×5=25


 回避判定

菫 安価下2

京太郎 安価下3


 当たっていればダメージ判定

安価下4


 そういえば勝利条件忘れてました


【勝利】
・弘世菫のHPを1000以下にする
・弘世菫の説得の成功

【敗北】
・京太郎のHPが0になる
・弘世菫の説得の失敗



(32+50-40)×3=126
1874-126=1748


京太郎「ハァッ!」ブンッ!

菫「くっ!?」シュバッ!

京太郎「まだだ!!」ズイッ

 すぐに追撃しようと距離を詰める京太郎だが、菫は素早く矢を構える
 その色は――

京太郎「青!?」ヒュンッ

 慌てて距離を取る
 これだけ離れればそうそう当たらないだろう

菫「よく気づいたな。もう少しで終わったものを」

京太郎「その技、もう打たないで欲しいんですけど……」

 心からの言葉だった

菫「ご希望とあればいくらでも披露しよう」チャッ!

京太郎「……マジ?」

菫「マジだ」

京太郎「……」ウルウルウル

菫「……」ジィーッ

京太郎「ホントのホントに?」キラキラキラ

菫「しつこい男は嫌いじゃないが――」フゥ

京太郎「!」パァァッ!
 

 ギリギリギリギリ


菫「お前は好きじゃない」


 バシュゥゥウゥッン!!



京太郎「クソぉぉぉぉ!」ヒュンッ!



【菫の行動選択】 コンマ下2


0~6 通常攻撃

7~9 能力




菫「疾ッ!!」バシュッ!

京太郎「うぐっ!?」ギィィン!

菫「バランスを崩したな――」ギュァァァ!!

 バシュンン!!

京太郎「ぐぁっ!?」ギャリギャリギャリ!!

 菫の容赦の無い連撃が京太郎を襲う
 そのスピードは見えていても、こう数が多くては捌ききるのは難しい

菫「さぁ、もう一本行くぞ」ギリギリギリ!

京太郎「く、くそ!!」


【菫の攻撃】
  
(菫45-京太郎50)×5=-25


 回避判定

菫 安価下2 -25

京太郎 安価下3


 当たっていればダメージ判定

安価下4



 菫の判定、三連続でゾロ目ですね
 いや、どうって話でもないんですが何かボーナス上げたい所存


 バシュゥンッ!

京太郎「うぉっ!?」ギィン!

菫「しぶといな……」

 数々の射撃をかいくぐり、京太郎は未だに一撃も受けずにいた
 やはりあの技でなければ傷つけるのは難しいらしい

菫「――ますます好みの男だよ、須賀京太郎」クスッ


    __,.ィ ̄ ̄`ヽ/ヽ__

      > ´ ̄  /   `   `、  、
、 -  ´    /   '     } ヽ ヽ\  \
 `  ̄ >'  /   ,: |    ∧/! |   } ヽ  ヽ
   /,ィ  / ' / /|   _/,.ム斗}-/  ハ   :.
  {/.'   ,| ,.|-}/-{ | / ,ィチ斧ミ }/ }  |    .
  /  イ/{ : ! ィ斧从}/   Vzソ ノ /イ ,:
<__  ´// 从{ Vソ /         / イ- 、  |
     {'{  { ,    '   /////// /' ⌒ }  |
      从Ⅵ//             /.: ノ  |
       叭   v_ ̄ヽ      ,rー'   从
         、           イj   / /
            :.          < |'  /}/
            、__   ´    } イ从/
               |        |/

京太郎「えっ!?」ピクッ


菫「な、なんだ?」

京太郎「今、俺のこと好きって――」ドキドキ

菫「」


咲「言ってない! 言ってないよ京ちゃん!!」


京太郎「悲しいな……こんなにも愛し合っているのに」グスッ


菫「お前は一度頭の検査をした方がいい」ハァ

咲「私もそう思います」スススッ



京太郎「おい咲! なんでそっち側にいるんだよ!」


咲「わ、わわっ!? ついっ!」アセアセ


菫「ふん。言った筈だ、私の狙いはあくまで須賀京太郎だと――」チラッ



京太郎「や、やっぱり――」キュンッ


菫「死ねっ!!」バシュンッ!!

京太郎「ぐぉっ!?」バチッ!!

 ズシャッ!!

京太郎「あ、あぶねぇ……」ドキドキ

菫「……チッ」



 すいません、いいところですがこれから仕事の電話がくることになったのでここで中断します
 もしかするとこのまま再開できないかもしれないので

 今日はここまでとしておきます
 次こそ、次こそは菫編を完結にしたいと思います


おまけ1

今日作ったAAの単体





                                          _ , 、
                                        /ィ--∨  :.- 、
                                      __/  , ,:   } l \
                                    ` ー-, | /{ { l  | |
                                     /_/  | / 从 :  ,-}/、 |l |
                                      /   从 -rォⅥ /rォ- }イ {
                                    ` ̄´ { {rI ゞ ,}' ゞ  } }∧
                                    从∧  _    八{
                                      Ⅵ 、 ` ー` イ / '
                                   ____________/::::: }` ー ´r'-
                           ___////////∧∨∧::`  .\

                  ____       ///////////////ハ∨∧、   { l:ト、
             __x≦///////≧x、、___///////>==≪7-<Ⅵ/ハ\   l:|/|\、、
.              ぐ/////////////////////// / ̄/´    `V/ハ.ヽ\,l:|/|///ハ┐
           ∨゙//>─────────≪≪≧-、 l l l lぐK} ̄i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

               ∨/゙>─────────≪≪≧__j j j j jぐ K}_!__________________________________
                `ヾ///>、、_______x≦≧x`ー''"ー'ー'ー'とノⅥソ////ハ,|//////i
                    ∨////////////////////≧=≦////∨/////////!//////|
                  ∨////////´ ̄ ̄ ̄` <////////,∨/////////∧////}/|
                     ` ̄ ̄ ̄´           `ー┤:i  ///////////∧ ∨//∨!
                                  ∨才//////////∧ ∨//∨/|、、

                                      ∨//////////∧ ∨///∧/|//> 、、
                                  /∨//////// //////∧//∨////\

                                  /////////// /////////∧ :::::Ⅵ//////\
                                      `ヾ/////// /////////////::::::/,///////
                                        }ミ冬、、////////////才{::/,////////
                                      __}三三二二ニニ==r≠y彡},//////////
                                   ///7ァァ≦厂 ̄二ニ=}__}小///////才´
                                     /////////ハ\   / //∨∧∨////
                                    ,////////∨く  j/ / / / / ∨Ⅳ/
                                 /////////∨∧jて ̄  // ∧  ,小'′
                                 /ィ////////∨∧//V⌒Ⅵ///77乙ノ/ハ
                           /,イ/////////∨∧//////////////////∧
                           /,,///////////∨∧////////////////////∧
                           //////////////∨∧//////////////////////∧
                     /ィ/////////////∨∧////////////////////////∧


乙ー
真正面から倒した方がボーナス入るし、1000まで減らせばいいだけなら説得する必要ないよね

>>593
  説得した方が早く済むのと、うまくいけばフラグが立ちます



 おまけ2


                         ,. : : : ̄ ̄ ̄ ̄: : : : .、
                         /: : : : : : : : : : : : : : : : : :`ー: イ
                        ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
                      .': : : : : : : : : : : : : : : |: : : ,: : :、: : :
                      /: : : : : : : : : : : : : : : :{: : :ハ: |:|: : {:|
                     .' : : : : : : : : : |: : : : : : :Ⅳ:{´ 从}: : :\
                     |: : : : : : : : : : {: : : : : : :|ィ斧ミ  Ⅵ:{ー'
                     |: : : : : : : : : : :Ⅵ: : : :从 マソ  乂_〉
                       ,: : : : : : : : : :r \∧: : \     }
                      |: : : : : : : : : 乂 `    ̄      /
                      Ⅵ:∧: : : : : : : : ー 、      ´,
                     从{  、: : ,: : : : :从 > ..___/
                           ∨ `ヽ: : {     ,
                             __}Ⅵへ\  {
                              ´//∧∨/ヽヽ\
                            /////∧∨//ヽ\\
                      ////////∧∨///,\ヽ 、

                      ///////////∧∨/////ヽ\
                    //////////////∧∨////// ヽ\
                     _////////////////∧∨///////ハハ
                    ///////////////////∧∨///////ハ}
            ____彡'//////////////////∨∧//////∧/}                ___
            /////////////////////////////∨∧/////∧/ {                /辷》
        〈///////////////////////\/////////////∧// |          /xX/

.           ∨///////////////////////∨/ _////////∧///∧           /xX/
            ∨///////////////////////}\,,////////∧/////∧ , 、   /xX/
             ',ヽ'/////////////////////|,'/////////∧/ //////∨ ノ___/xX/
               , \ //////////////////|/ ̄二ニ=─=ミ/////ノ Y才,xX/
             ,.、 \'////////////////|{ ̄     _二ニ=ーへ、ノ|《iX/|
                ', ヽ  ヽ//////////////}{___二二二ニ7⌒Y 「「| 》刋i |
                \ \  \///////////} }////////////イ  i:| 弋从赱У
                \ \  \////////V∧///////// {  从__,小 ヽ
                 ヽ | ヽ.  ヽ/////V∧/////////⌒ヽ`T升'⌒ヾ   \
                  |  \  ∨//V∧/////////'////∨/i|⌒Y´\  /ハ
                  |   ハ  V//////////∨∧//////i|//ハ//,∨//}
                     ハ..} ,///////////∨∧///////i|/∧ \////|
                   |   i/ イ'//////////∨∧////////i|//∧   \//
                   |   | /////////////∨∧/////////i|/i'/∧
                   l   } / //////////∨∧////////∨i|/|'//∧
                    /,l   \ / ////////∨∧////////∨/i|/|'///∧
                ////!     ∨///////∨∧////////∨∧i|/|'////∧
                 , /////,{    ト ∨ ////∨∧////////∨∧/i|/|'/////∧
            ///////.ヘ\\弋.ノ'////∨∧////////∨∧//i|/|'//////∧

              //////////>-=彡'////∨∧////////∨∧///i|/|'///////∧
.             //////////'//////////∨∧////////∨∧////i|/|'////////∧
            //////////'//////////∨∧////////∨∧/////i|/|'/////////∧


 それではまたの更新にて
 今日もありがとうございました


【雀死図鑑】


京太郎「ちくしょー! マイハニーの奴、すげぇ技使うなぁ」オーイテテ


菫「マイハニー!?」ガビーン


咲「ねぇねぇ、それより気になるんだけど」ヒョコッ

京太郎「お、なんだ?」

咲「さっき菫さんが使ってた技だけど、途中でブツブツ何か言ってたよね?」

菫「あ、ああ……」

咲「あれって、なんて意味?」

京太郎「シーッ! そういうのは聞いちゃダメなんだぞ!」コラッ

咲「え、えぇっ!? そうなの!?」

菫「いや、べ、別に聞いてもいいというか、気にしてないというか……//」テレテレ


京咲「「めっちゃ照れてるぅー!!」」ニヤニヤ


照「私が説明する」ズイッ

咲「お姉ちゃん!?」

照「最初に言ったエス・シーベットゥ。これは技名だね」

菫「照っ! 貴様!!」ハッ

照「次のAuf Wiedersehen――これはドイツ語でさよならって意味。全然さよならじゃなかったけど」

菫「う、うるさいっ!」カァァァ

照「Flucht、これは逃げろっていう意味なの」

京太郎「へぇー」

咲「勉強になるなぁ」メモメモ

照「最後のEs kann stromen。これは降り注げってこと」

京太郎「なるほど! だから矢が降り注いだのか!?」

照「別にドイツ語の意味って無いよね」プークスクス

菫「」

咲「とにかくこれで次からは意味が分かるね!」

京太郎「ああ。わからなくてモヤモヤしてたんだ」スッキリ

咲「これで私達もジャンシーだぁー!」


三人「わーいわーい!」キャッキャ



菫「いっそ殺せ……」ガクッ



淡「苦労してんねー」ケラケラ


E N D

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