キョン「・・・は?」
ハルヒ『6月6日よ!今からUFO探しに行くから支度して集合しなさいっ!』
キョン「ハルヒ、今何時だと思ってるんだ?」
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ハルヒ『ちょうど日付が変わったところ。つまり今この瞬間から6月6日ね』
キョン「こんな時間にいきなり電話してきて、なにを素っ頓狂な事を言ってやがる。良い子は寝る時間だぞ?」
ハルヒ『ならアンタは寝る必要ないわね!それより、急いで支度して。UFOは待ってはくれないわ!』
キョン(やれやれ。やはりハルヒは俺の意見を聞き入れるつもりはないらしい)
キョン「なんで6月6日だからってUFOを探すんだ?」
ハルヒ『はぁ!?アンタそんな事も知らないの!?SOS団の団員としての自覚が無いわっ!自覚がっ!!』
キョン「あー、そいつはすまんな。で?どうしてなんだ?」
ハルヒ『ああもうっ!面倒臭いわね!会ってから直接説明するから今から学校の校門に集合しなさい!以上!』
キョン「お、おいハルヒ!」
ブッ、ツーツーツー
キョン「・・・やれやれだ」
ハルヒ「来たわね?」
キョン「まったく、こんな夜中に呼びつけやがって。一体全体何を考えてやがる?」
ハルヒ「それで、UFOを呼ぶ準備はしてきたんでしょうね?」
キョン「全然聞いてねえな」
キョン(道すがら古泉や長門に電話をかけたが、全く繋がらなかった。これもハルヒの力が影響しているのだろうか?)
キョン「まあいいさ。ところでハルヒ、俺はまだどうして6月6日にUFO探しをするのか聞いていないのだが?」
ハルヒ「絵描き歌よ」
キョン「絵描き歌?」
ハルヒ「某国民的ロボットアニメを思い浮かべなさい!あのタヌキ型ロボットの絵描き歌の歌詞に、
『6月6日にUFOが』って部分が出てくるのよ!」
キョン「せめてネコ型ロボットと呼んでやれ。まさか、たったそれだけで呼びつけやがったのか!?」
ハルヒ「ええ、それだけよ!ただし、それなりに根拠があるわっ!!」
キョン「もうやめてくれ。頭痛がする」
ハルヒ「あの絵描き歌はね、UFOを呼び出すための暗号が隠されているのよ!!」
キョン(ああ、やっぱり頭痛がする話になりそうだ)
ハルヒ「あの絵描き歌には奇妙な部分が多いの!きっと未来からの隠れたメッセージに違いないわ!」
キョン「奇妙な歌詞じゃない絵描き歌があるのなら、教えて欲しいもんだね」
ハルヒ「その暗号を私が解き明かしたところによると、
あの歌は6月6日にUFOを呼び出すためのミステリーサークルを描く絵描き歌になってるのよ!!」
キョン「お前は人様を呼びつけるだけじゃ飽き足らず、今度は宇宙人様まで呼びつけようってのか?」
ハルヒ「ええそうよ!宇宙人でもなんでも呼びつけて、いっしょに遊ぶのがSOS団の目的でしょう?」
ハルヒ「私の推理を続けるわね。あの絵描き歌はダルマ型ロボットを描くためじゃなく、ミステリーサークルを描く絵描き歌
歌詞を読み解くと、おそらくこの形が正解の形だと結論したわ!この紙を見て!」ペラッ
キョン「ネコ型ロボットと呼んでやれ。おい、この珍妙な図形のどこに『丸書いてチョン』や『お池が二つ』の要素があるんだ?」
ハルヒ「歌詞をそのままの意味でとらえたら暗号の意味が無いじゃない!
一つ一つ説明したところで、アンタのお粗末な頭じゃ理解できっこないわ!」
キョン「ああ、俺もそう思うよ!」
ハルヒ「ともかく!この図形を6月6日に地面に描けば、必ずUFOが現れるわ!」
キョン「地面に描く?誰が、どこに、どうやってだ?」
ハルヒ「アンタが、校庭に、白線引きを使ってに決まってるじゃない!」
キョン「学習しない女っっ!!」
ハルヒ「誰が学習しない女よ!」
キョン「ハルヒ、お前、今度こそ前科がつくからな?二回目じゃ容赦されないからな?」
ハルヒ「そんなもんしらばっくれれば大丈夫に決まってるじゃない。アンタが証拠を残さなければいいのよ!」
キョン(これだから・・・)
キョン「・・・まあいい」
ハルヒ「やってくれるのね?」
キョン「渡りに舟・・・は、少し違うか。
ここまで来たんだ。きっちり仕上げてやるよ。お前のミステリーサークルをな」
キョン(初めてというわけでもないし、な)
ハルヒ「それでこそSOS団員よ!アンタは一番下っぱなんだから、私の手足のように動きなさい!」
キョン「だれが下っぱだ!お前も描けハルヒ!」
ハルヒ「私は団長なんだから、ここでアンタに指示を出すのが仕事なの!」
キョン「バカ言うな!見つかったら終わりなんだぞ?二人でさっさと終わらすぞ!」
ハルヒ「むぅ・・・」
キョン「ほら、ライン引きもう一台持ってこいよ」
ハルヒ「・・・しょうがないわねぇ」
キョン(ふふん。そう何度もコキ使われてたまるか。俺はお前と違って学習する男なのさ)
ハルヒ「いい?キョン!正確に描くのよ?ちょっとでもズレたらベギッよ!ベギッ!」
キコキコキコキコ
キョン「なにをされるんだよ、それ」
キコキコキコキコ
ハルヒ「ベギッはベギッよ!団長の私を現場に動員してまでしくじったら許さないんだから!」
キョン「へいへい」
キコキコキコキコ
ハルヒ「返事は一回!マジメにやりなさい!」
キコキコキコキコ
キョン「わかったよ!・・・ところで、この図形はなんて描いてあるんだよ?」
キコキコキコキコ
ハルヒ「・・・知らないわ」
キョン「あん!?」
ハルヒ「わかるわけないじゃない!でも私の推理に間違いがない以上は、宇宙人にとっては何らかの意味がある図形よ!」
キョン「お前が間違ってる可能性は無いわけなんだな?」
ハルヒ「当然よ!この絵描き歌には、金ピカのロボットが真っ青なおっさん体型型ロボットになるほどの衝撃が隠されてるんだから!!」
キョン「ネコ型ロボットと呼んでやれ!」
ハルヒ「いいから、口より手を動かす!時間が無いわよ!」
キョン「はぁ、まったくやれやれだ・・・」
キコキコキコキコキコキコキコキコ
キョン「まーるかいててー♪おっこちててー♪」キコキコ
ハルヒ「えらく懐かしいわね」
キョン「ああ、今となっては古き良きFLASH全盛期だな」
ハルヒ「今の小学生も知ってるのかしら?」
キョン「ウチの妹は知ってたぞ?やっぱり定番らしい」
ハルヒ「なるほど。それでも私たちだけなのね」
キョン「どういう意味だ?」
ハルヒ「ふふっ、大勢の人間があの絵描き歌の歌詞を知りながら、その真実にまで到達出来たのが私たちだけって意味よ!!」
キョン「・・・ああ、お前と同じ考えを持った人間は他にはいないだろうな」
ハルヒ「ふんっ!例えそうだったとしても、宇宙人にとってはそうじゃないわ!」
キョン「6月6日にコレを見れば、宇宙人がやってくる、か」
ハルヒ「そうよ!爆釣よきっと!」
キョン「その割にはえらく静かだな・・・っと」
キコキコキコキコキコキコキコキコ
キョン「そら、終了だ。気が済んだなら帰るぞハルヒ」
ハルヒ「まっ、まだよ!6月6日はまだこれからでしょう!?」
キョン「そうだな。まだ夜も明けてない」
ハルヒ「そうよ!あとは待つだけよキョン!」
キョン「待つって、どれくらいだ?」
ハルヒ「決まってるわ!宇宙人が来るまでよ!」
キョン「・・・今日はこの後学校なんだが?」
ハルヒ「おっと、それもそうね・・・」
ハルヒ「それなら、私寝るからアンタ見張りしてなさい」
キョン「はっ!?」
ハルヒ「私は昨日から働き詰めで疲れてるの!アンタが変わりに起きてUFO探しなさい!」
キョン「んな無茶苦茶な・・・」
ハルヒ「無茶じゃないわよ!アンタは朝まで起きてることくらい楽勝でしょう?私は疲れてるの!」
キョン「・・・仕方ない。お前ちょっと休んで寝ておけ。何かあったら起すから・・・って!」
ハルヒ「すー、すー」zzz
キョン「えらく寝つきのいいヤツだな」
ハルヒ「zzz、zzz」すかー
キョン「さて、と・・・」
キョン「誰か、いるのか?」
・・・
キョン「誰も居ないか。古泉や長門・・・朝比奈さんも関係無しねぇ」
キョン「いったいどうしろって言うのやら」
チカッチカチカッ
キョン「・・・ん?」
コォォォォォォォォ
キョン「うわっ・・・」
ユンユンユンユンユンユンユンユン
キョン「本当に来やがったよ」
キョン「さて、どうしたもんかね・・・?」
ウィーン
ガシャ
「〜〜〜〜!」
キョン「ははっ、すげえダミ声」
キョン「あー、なんだ」
キョン「こいつは全部間違いなんだ」
キョン「この絵は消しておくから、今日のところはお引き取り願えないだろうか?」
キョン「・・・と、言ったところで通じる話じゃなさそうだし」
キョン「はぁ、長門〜来てくれ〜」
「〜〜〜〜!」
チカッチカチカチカッ
キョン「・・・はっ!」ビクッ
キョン「・・・。」
キョン「ここは、俺の部屋?」
ジリリリリリ!
キョン「うおっ!?」ビクッ
キョン「なんだ、めざましか」
キョン「なるほど。全部夢だったわけか」
キョン「えらくリアルな夢だったな・・・いかにもハルヒがやらかしそうな」
長門「夢ではない」
キョン「うおおっ!!?」ビクゥ
長門「あなたは確かに地球外生命体と接触し、しばらく地球から離れていた」
キョン「な、長門っ!」
長門「間違いなく涼宮ハルヒが呼び寄せたもの」
長門「そう。あなたと同様に涼宮ハルヒにも眠った後の記憶は無い」
キョン「そりゃ良かった・・・のか?」
長門「一つ言えるのは、校庭には間違いなく彼女が描いたミステリーサークルのみが残されている」
キョン「なんだ。それは残ったままなのか・・・」
長門「涼宮ハルヒに対して、適当な言い訳を考えておくべき」
キョン「ああ、そうするさ」
キョン「ところで長門。あのミステリーサークルの図形はなんて描いてあったんだ?」
長門「『すぐに集合せよ』」
キョン「・・・やれやれ。やはりあいつは地球内外問わずに人様を呼びつけるのが好きらしいな」
終わり
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