女騎士「両親の日記」(101)

飽きるまで続けます




 天戸岩の洞窟 内部




神父「天叢雲剣、八尺瓊勾玉、八咫鏡……三種の神器は揃い、復活の魔方陣は描き終えた」ニヤリ

神父「これでオロチを!! ヤマタノオロチを呼び出し、私の下僕にしますっ!!」


神父「……」チラッ

神父(左腕と両足が義手に義足。心肺機能も壊れ、たった一キロも走れば息が乱れて動けなくなる)



神父(これが私の体なのか? こんな情けない体が……)

神父「私の体なのかぁぁぁァァッ!!? おのれぇ、おのれおのれおのれおのれおのれぇぇっ!!!」ギリィッ



神父(これも全ては、あのガキ……勇者のせいだっ!!)

神父(勇者だけはっ、勇者だけは悪魔に魂を売ろうとも、必ず殺す!!)



女騎士「珍しいな。洞窟の中なのに、隙間から光が射しているのか」タッ

神父「むっ!?」クルッ


神父「……」

神父「誰です貴女は?」



女騎士「初めまして神父様。こっちは、お前の事を知っているんだがな」

僧侶「神父様……」タッ


神父「僧侶っ!?」ビクッ

神父「っ……きぃさぁまぁぁぁぁっ!! どの面を下げて会いに来たぁっ!!!」



僧侶「お願いです、おヤメくださいましっ!!」ペコリ

女騎士「最初で最後の警告だ。神父、その儀式をヤメろ。呼び出そうとしているオロチは、貴様の手に負えるモノではない」


神父「フッ、何かと思えば……私はこのオロチの力で、必ずあの勇者を殺します!!」グッ

僧侶「神父様、そこまで……」



女騎士「怨恨節操に駆られ、時代に取り残されたか? せっかく拾った命を、無駄にするとはな!!」ジャキッ

女騎士「あ」



女騎士「先に言って置く……」

女騎士「私は、弟ほど甘くは無いぞ?」ニヤリ



女騎士「っ……」ボソッ

神父「は?」


女騎士「っ……」ボソッ

神父「ハッキリと、聞こえるように言いなさい!!」




女騎士「……」

女騎士「行くぞっ!!」ダッ


女騎士「ハッ!!」ブォン

神父「遅いですねぇ」スゥッ



神父「フンッ!!」ガシィッ

女騎士「はやっ……あぐぅっ!?」


神父「このまま、首を握り潰してあげしょう!!」メキメキィッ

女騎士「ガッ、あ……」ガクンッ



僧侶「勇者様っ!?」

神父「なんと他愛ない」ニヤリ


女騎士「……」ドサァッ

神父「フッ、フハハハハハハハッ!! 見なさい僧侶!! これこそが神の奇跡!!!」



神父「私の腕がっ!! 私の足がっ!! 本来の肉体に戻っているッ!!」

僧侶「まさか、そんな事が……」ビクッ


神父「これが神の奇跡と言わずしてどうするぅぅっ!!?」

神父「神は、私を見放してはいなかったのだ!!!」



僧侶「……」ジリッ

僧侶「ここで、止めなければっ……」


僧侶「バギッ!!」バッ

神父「バギマァッ!!」バッ



僧侶「きゃあああああああ!?」ザシュゥッ

神父「……」


僧侶「うぅっ……」ドサァッ

神父「安心なさい。裏切ったとしてもかつての部下、無駄に苦しまぬよう」



神父「フンッ!!」ガシィッ

僧侶「っ!? ぐあ、ぁっ……」ピクピクッ


神父「すぐにヘシ折ってあげますっ!!」メキメキィッ

僧侶「ぁ……」ガクンッ



僧侶「……」

神父「フッ……」


神父「フフッ、フハハハハハハハッ」

神父「アアハハハハハハハハハハハハハッ!! グヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!! ヒィィッ」






女騎士「ジャスト30秒」

女騎士「良い夢は、見れたか神父?」


神父「ひ?」クルッ

女騎士「幻覚魔法マヌーサ。以前の貴様なら、こんな魔法には掛からなかったんだろうがな……」



僧侶「神父様……」

女騎士「私達は死んでいないし、貴様の手足は義手に義足のままだし」


女騎士「貴様が握っているのは……ただの石ころだ」

神父「……」



神父「嘘だ、嘘だァッ!!」ブルブルッ

神父「私の手がっ、私の足がぁぁっ!!!」



神父「ぐううっ、ならば、この魔法で逝きなさい!! バギマッ!!!」バッ

女騎士「……」



女騎士「何かしたか?」ニヤリ

神父「……」


神父「なに?」

神父(マホカンタで跳ね返された訳では無い。奴に届く寸前で、私の魔法が消えた!?)



女騎士「……」

神父「これはっ、どう言う……」ギリッ


女騎士「マホステだ」

神父「マホステ?」



女騎士「去年辺りに開発された魔法なんだが……こんな所に閉じ籠っていた貴様では、知るよしも有るまい」

神父「ぐっ、ぐぅっ、こうなればっ、首を絞め殺してやる……」


神父「死ねええええええええええ!!」ダッ

女騎士「成敗……」




女騎士「でえぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」ブォンッ

神父「グアアアアッ!? こっ、こんな筈ではぁぁぁぁっ!!!」ズバァッ


神父「っ、うぅっ……」フラフラ

神父「……」ドサァッ



女騎士「復讐の為に三種の神器を集めるのは結構だが、貴様は形振りを構わな過ぎだ」チラッ

女騎士「世界中から指名手配されてどうする?」


僧侶「この遺体は、如何なさいますでしょうか?」

女騎士「国へ連絡し、他の者に引き取らせよう。それても、弔いたいか?」



僧侶「いいえ……わたくしが弔う事を、神父様は良しとされないでしょうから」

女騎士「そうか……」


女騎士「では、報告も兼ねてアレフガルドへ戻ろう。コイツのせいで旅立ちが遅れてしまったが、明日、改めて出発する!!」キリッ

僧侶「はい、勇者様っ」ニコリ




 その夜 アレフガルド 宿の一室



僧侶「ふふっ。女の身で在りながら、股の間からおぞましい男性器を生やし」フミフミ スリスリ

女騎士「んんっ、言わ、ないでぇっ……」ビクビクッ


僧侶「しかも、それを足で踏まれて喜ぶとは、救いようの無いブタですね?」グリグリ グリグリ

女騎士「ぎひぃぃっ!? うあっ、あっ、あっ、あんっ!!」




僧侶「汚ならしい声をあげないで下さいまし!!」グリッ

女騎士「んぎぃっ!? 痛いっ、痛いぃぃぃっ!!」ビクンッ



僧侶「くすっ。ぺニスをこんなに膨らませて……痛いのが気持ちいいのでしょう? ブタはブタらしく、もっと汚い声でお鳴きなさい!!」グリグリィッ

女騎士「ん゙あ゙ああああああああああああ!!?」ビュルビュルビュルッ



僧侶「……」

僧侶「あの、ご満足頂けましたでしょうか?」


女騎士「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」ピクッ ピクッ

女騎士「んっ、ああ。すまないな僧侶。どうやら私は、SとMを両方持ち合わせているらしいんだ」



女騎士「仕事だと攻めばかりで……それはそれで良いんだが、被虐の欲求も溜まってしまってな」

女騎士「たまにこうして、罵られたくなる……」


僧侶「なるほど。それをわたくしが理解する事は難しいですが、こうやって手伝えたのは喜ばしい事。また、何なりとお申し付けくださいまし」ニコリ

女騎士「ホント、助かるよ……」




 ── 追憶の鏡 ──


 指定した人物が、過去にその場所で何をしたのか、何を考えていたのかを、鏡に写し出して覗く事が可能な鏡。

 女騎士はその鏡で少年の行動や思考を覗き、足取りを逆に辿りながら、アレフガルドから西方向への旅立ちを決意するのだった。




第五話

女騎士「両親の日記」

と言う話。

残った伏線は、女騎士の方で回収してきます。


おやすみ



  少年の追憶 アレフガルド



少年『見つからないなぁ……どこに居るんだろ? でも、焦る事は無いよね? この街に居るのは分かるんだ』

少年『きっと、ボクの復讐を恐れて、ビクビク隠れ住んでるに違いないよ。それとも、子供を捨てといてのほほんと暮らしてるのかな?』


少年『ふふっ。ボクを捨てた言い訳……なんて言うのか楽しみだよ』クスッ

少年『お前たちの幸せは、絶対メチャクチャにしてやるから……』




 ガキーーン!!

女騎士『もう止せ貴族!! これは授業だぞ!?』

貴族『うるせぇ!! そこをどきやがれぇぇ!!!』




少年『なんだろう、大きな声……』ピクッ

少年『アッチからかな?』タタッ



貴族『俺の成績が全部、親のお陰だとかぬかすからよぉ!! 実力を見せてやってんだろぉが!?』

女騎士『やり過ぎだと言っている!! それに、荷物を取りに戻った教師も、すぐ戻って来るぞ!?』


女騎士『お前も謝れっ!!』チラッ

男生徒『ほ、本当の事じゃないか!? 偉いのは親なのに、お前まで偉そうにしてっ!!』



貴族『お、親は関係ねぇだろ親はぁぁっ!! 俺は、俺なんだよ!! 剣も魔法も、俺の実力だ!!!』

貴族『もう一度言ってやる。そこをどけ女騎士、まとめてブッ飛ばされたいか!?』キッ


女騎士『くっ……』

男生徒『どうせ先生が来て止められるんだ!! 謝らない、僕は謝らないぞっ!!』ブルブル



貴族(チッ。一言謝れば、こっちだって引けんのによぉ)ギリッ

貴族『大馬鹿ヤロウがぁぁっ!! 爆裂魔法、イ……』バッ



少年『マホトーン』

貴族『オ』



少年『ボミオス』

貴族『ぐおっ!?』ガクッ



少年『ボミオス、ボミオス』

貴族『ぐぐっ、かっ、からだがっ……重っ』ドサッ



女騎士『……』

女騎士『ふぅっ。すまない、助かった』ペコリ



少年『いえ』チラッ

女騎士『ところで、お前は誰だ?』


少年『……』ジィーッ

女騎士『ん、どうした? 私の顔に何か付いてるか?』



少年『見付けた……』ボソッ

少年(この人、ボクと血が繋がってる。年上そうだし、お姉ちゃんかな?)


少年『あ、すみません。ここ、学校ですよね? 校庭? 野外演習場かな?』キョロキョロ

少年『まぁそれで、今度ここへ入るから、見て置こうかなぁと』ニコリ



女騎士『そうか……転入とは珍しいな。小等部、いや中等部か?』

少年『貴女は?』


女騎士『私か? 私は高等部だ』

少年『じゃあボクもそれで』



女騎士『じゃあって……お前な』

少年『ボク、用事が有るんで。またねっ』タタッ


女騎士『おっ、おい!! せめて教師が来るまで……』

女騎士『っ……行ってしまった』



少年『……』タッタッタ

少年『キヒッ、ヒヒッ、キヒヒヒヒヒヒヒ』


少年『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!』

少年『見付けた、見つけた、みつけたミツケタミツケタ!!』



少年『アイツにしよう。お父さん、お母さん、アイツが……二人分の愛情を注いで育ててる娘なんでしょ?』

少年『奪ってやる。ボクに依存させて、ボク無しじゃ生きて行けなくしてやる!!』


少年『そうしてから、改めて……会いに行くからね?』クスッ

少年(まずは、王様に会おう。アイツと、同じクラスになれるよう手配して貰わないと)




 アレフガルド 宿の一室



女騎士「……」ジィーッ

僧侶「勇者様、また鏡を覗かれていたのですか?」


女騎士「ああ」

僧侶「だいぶ旅立ちが遅れておりますが……」



女騎士「実は、もう一人仲間にしたい八が居てな」

僧侶「仲間?」


女騎士「聞いた所によると、修行が今日まで掛かるらしくて、待っていたんだ」

僧侶「なるほど……ではこれから、その仲間を迎えに行かれるのですね?」

>>35
×女騎士「実は、もう一人仲間にしたい八が居てな」
○女騎士「実は、もう一人仲間にしたい奴が居てな」



女騎士「そうだな、そろそろ行ってみるか」スタッ

女騎士「ルーラでここから飛ぶ。窓を開けてくれ」


僧侶「かしこまりました」ガチャッ

女騎士「えーーっと、ここからだと……南西の方だったな」



女騎士「……」

女騎士「見付けたっ!! 僧侶、しっかりと私の腕に掴まって欲しい」


僧侶「はいっ」ギュッ

女騎士「ルーラッ!!!」




 アレフガルドより南西 忍びの里



師匠「これより、一子相伝の拳……『天下五拳』の、伝授の儀に移る!!」

師匠「武闘家よ、目隠しは終えたか?」チラッ


武闘家「はい。用意された黒布で目を覆い、キツく後ろで結びました」キュッ

師匠「うむ、よかろう……」



師匠「では、最後に問う。天下五拳とはなんぞや?」

武闘家「天下五拳とは、正拳、平拳、抜手、掌底、指拳。この五つの拳の握りを以て、剣や魔法に頼らず、己の拳のみで敵を打ち砕く戦闘術」


師匠「その心、いつまでも忘れるでないぞ?」

武闘家「はいっ!!」



武闘家「して……伝授の儀とは、この状態で一体なにを?」

師匠「武闘家よ? 目隠しをしたまま、この老体を倒してみい!!」スッ


武闘家「師匠を!?」ビクッ

師匠「心の眼なら開いておろう? ならば、実際の目が見えようが見えまいが、関係ないはずだ!!」



武闘家「師匠……」

師匠「構えい武闘家ッ!!」


武闘家「はい、よろしくお願いします!!」スッ

師匠「行くぞ……」



武闘家「……」

師匠「じゃいッ!!」ダッ


武闘家「お世話に、なりました……」

武闘家「ハァッ!!」ダッ





師匠「天下五拳奥義」

武闘家「天下五拳奥義」



師匠「狼星魄撃掌!!」バッ

武闘家「狼星ッ、魄撃掌!!」バッ




 ドンッッ!!!


師匠「……」

武闘家「……」



武闘家「ぐっ!?」フラッ

師匠「……」




師匠「武闘家よ」

師匠「見事」ドサァッ



武闘家「貴方の拳、確かに受け継ぎました。今後は、夢で有った女遊びを存分に楽しんでください」ニコリ

師匠「うむ。ワシはもう少し寝とる。どこへでも行けい」ニヤリ



武闘家(目隠しも不要だな)シュルッ

武闘家「では師匠、二年にも満たない短い期間でしたが、ありがとうございました」ペコリ


女騎士「おっ? ちょうど良く終わったようだな?」シュタッ

僧侶「ととっ」シュタッ




武闘家「……」チラッ

武闘家「女騎士か……」


女騎士「久し振りだな貴族?」ニコリ

武闘家「フッ、その名は捨てた。家柄も、名も捨て、ここに居るのは拳の道に己を捧げる、ただの武闘家よ」



女騎士「……」

武闘家「……」


武闘家「両親からの重圧と、姉や兄と比べられる劣等感。ただただ、家柄に振り回されるだけの人生だった」

武闘家「なのにプライドだけは人一倍で、いつもイライラしている。好きな女に告白する勇気も無かったクセによ」



女騎士「貴族……お前、私の事を」

武闘家「しまいには、突然現れたガキにその女をかっ浚われ、勝負を挑んだ所で、『戦う資格は無い』と相手にもされない」


武闘家「フッ、苦い思い出だ」

武闘家「できるなら、そのガキをブッ飛ばし、全てを帳消しにしたかったが……」



武闘家「今じゃあ、それも叶わぬ夢幻よ……」

武闘家「だからせめてっ、アイツが倒せなかった魔王を、この俺が代わりにブッ倒し!!」グッ


武闘家「俺はアイツを超えたんだと、自分の中でケジメを着けたい」

女騎士「……」



女騎士「貴族、もう一度言わせてくれ。私の仲間になって欲しい」

武闘家「俺は武闘家だ、そう呼べ……」


女騎士「武闘家、私の仲間になってくれ!!」ペコリ

武闘家「フッ。勇者の頼みとあっちゃあ、断る訳にも行くまい」ニヤリ



僧侶「おやっ」クスッ

師匠「若いのぉ……」ニヤリ


武闘家「……」

武闘家「チッ」プイッ




女騎士「よし、随分と延期してしまったが……ようやく」

女騎士「出発だっ!!」

僧侶「お待ちくださいませ」

女騎士「っと、どうかしたのか?」



僧侶「勇者様?」

僧侶「わたくしから、最後の試験がございます」ペコリ


女騎士「試験? 今さらテストなんて……」

僧侶「武闘家さんもいらっしゃるとは、ちょうどよき展開」



僧侶「お二人は、まだクリアしていない課題が有る筈です」

武闘家「すまんが、見当も着かないな」


僧侶「……」

僧侶「では、『焦土になった街』へ参りましょうか? 勇者様のルーラなら、すぐでしょう?」


おやすみ

わざとなのか判らないけれど
けじめを付ける
見当を付ける
だからな




 ジパング南部 焦土になった地



武闘家「ここは、あの時と変わらねぇな。相変わらず焦げた地面が広がってるだけだ」キョロキョロ

女騎士「……」


女騎士「それで、試験とはなんだかん僧侶」チラッ

僧侶「この地は、どうしてこうなったか知っておられますか?」



武闘家「あ? ヤマタノオロチってドラゴンの炎に焼かれたんだろ? アイツが言ってたじゃねぇか」

女騎士「ヤマタノ……」


女騎士「っ!?」ビクッ

僧侶「はい、ヤマタノオロチと言うドラゴンは存在致します。しかし、遠い昔に封印されたまま」

>>50
携帯の予測変換で出てきたのをそのまま使ってるんで、たぶんそんな間違いは多くなると思う。ゴメンね



僧侶「そして封印は、今も解かれていません」

女騎士「……」


僧侶「勇者様が、それを一番ご存知かと」

女騎士「ああ、私が阻止したんだからな」



僧侶「で、有るならば、何故……ここは焦土となったのでしょうか?」

武闘家「アイツが嘘を付いた。もしくは、勘違いしてたってとこか?」


女騎士「思い返せば、アイツはルーラで私達をここへ連れて来た」

女騎士「それは即ち、以前に一度でもここへ来た事が有ると言う事」



武闘家「……」

僧侶「……」


女騎士「……」

女騎士「いやっ、だが、それは余りにも……」フルフル



僧侶「どうか、なさいましたか?」

女騎士「ああ。有り得ないと分かっていても、最悪な事を考えてしまってな」コクリ


僧侶「最悪な事?」

女騎士「アイツが……ここを燃やしたと、そんな考えが頭を過ってしまうのだ」



武闘家「アイツ、勇者だったんだろ?」

武闘家「その勇者が……ここに存在した、村だか街だか知らねーが、そこを燃やしたってのか?」


女騎士「わ、私だって有り得ないと前置きしたろ!?」

女騎士「しかし……」



武闘家「……」

武闘家「案外、そうかもな」ボソッ


武闘家「確かにアイツは勇者だったが、人の味方かってーと、そうでもねぇ」

武闘家「相手が人だろうが、それが悪なら容赦なく裁く……正義の味方だったろ?」



武闘家「が」

武闘家「が……だ!!」グッ


武闘家「やり過ぎだよコレは、どんな理由が有ろうとな?」

武闘家「どんな理由が有ろうと……人が居て、生活する家が在って、そこを焼き払って良い理由にはならねぇ!!」ギリッ



僧侶「では、覗いてみますか?」

武闘家「覗く? どこをだよ?」


女騎士「あ……そうかっ!!」ポンッ

僧侶「追憶の鏡を使い、ここで有った過去の出来事を、『あの人』の選択を、覗いてみましょう」ニコリ

おやすみなさい


それと、
初めて台本形式で書いたやつで相当つたないですが、暇で暇で死にそうだと言う人は、これをどうぞ

勇者「見守る愛もある…」
勇者「見守る愛もある…」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1362901228/)


ごめん、ガラケーから見たらスレ落ちしてしまっているようなんだが…

>>63
残念…。
他場所で確認したけど、確か2スレをフル完走ぐらい長かったから、相当時間を使わせるし、読めなくても気にしなくてOK




  少年の追憶 オロチが住むと言われた村



巫女『今まで、ありがとうございました。立派に役目を果たして参ります』ペコリ

母親『うぅっ……頑張るんだよぉ』ポロポロッ


父親『俺は、お前のような娘を持てて幸せだったぞ!!』ポロポロッ

巫女『泣かないで下さい。これも、全ては村の為……』



長老『巫女よ、今夜は存分に宴をするがええ。最後の晩餐じゃからのぉ』

巫女『いいえ。村の食料を浪費する訳にはいきませんわ』フルフル


巫女『親友はみな逝きました。今年は、私がオロチ様の生け贄になる番です……』

巫女『これでまた、村に平和が訪れますね?』ニコリ



少年『ちょっと待って貰えますか?』タッ

巫女『へっ?』クルッ


長老『貴方は……』

少年『ボクは勇者です。このジパングを救う為にここへ来ました』



巫女『っ!?』ビクッ

長老『おおっ、勇者様!?』


少年『事情は聞いてます。確認もしましたし』

巫女『あのっ、勇者、さま?』



少年『……』

少年『なんですか?』


巫女『とてもありがたい事なのですが、私がオロチ様の生け贄になれば済む事ですし』

巫女『わざわざ、勇者様のお手を煩わせるまでも有りませんわ』



少年『オロチ?』

少年『オロチ、と言うのが、居るんですね?』


巫女『はい、如何に勇者様と言えど……』コクリ

少年『心配は要らないです。ボク、強いんで』



長老『勇者様、その巫女の言葉を、尊重してやってはくれぬか?』

父親『そうです!! それに、もしオロチの怒りに触れてしまったら……この村は滅ぼされてしまう!!』


母親『勇者様だって、オロチに必ず勝てる保証は無いじゃありませんか!?』

少年『……』



少年『ハッキリ言います。戦わなくたって分かる。ボクは、世界を脅かしている魔王より、遥かに強い』

少年『少なくとも、そう自惚れています』


巫女『っ……』

少年『そのボクが、勇者が、オロチを倒すと言ってるんですよ? 拒む理由、ないですよね?』



巫女『いっ、いい加減にしてください!! この村の事は、この村の皆で解決します!!』

少年『……』


少年『すみません』ペコリ

少年『言葉を、間違えました』



少年『この国を脅かす魔物は、ボクが倒します。邪魔をしないで頂けますか?』

巫女『っ、勇者さまっ!!』ビクッ


長老『どうして、オロチを倒そうとする!?』

巫女『私が生け贄になれば、人柱になれば済むと、何度も申しているではありませんかっ!!』



少年『……』チラッ

少年『ふぅっ』


少年『もしボクが、人を喰らうオロチだったとして……』

少年『更に空腹だったとしても、この村の人間を食べようとはしませんけどね』



巫女『それは、どう言う意味でしょうか?』

少年『どう言う意味?』


少年『自分の事なのに、分かりませんか?』

少年『それとも、既に感覚が麻痺しちゃいました?』



母親『いくら勇者様でも、娘を侮辱しないでちょうだい!!』

少年『貴女の娘だけじゃ有りません。皆ですよ、皆、皆、皆っ!!』


少年『骨に皮を纏っただけな痩せ細った体の、オロチはどこを食べる?』

父親『し、仕方ないだろっ!! 食料が少ないんだから!!』



少年『なぜ、少ないんですか?』

父親『頭の悪い奴だなっ!! この時期になると、オロチが畑の食物を枯らしてくんだよ!!』ギロッ


少年『……』

少年『だったら、こんな土地……出て行けばいい』



長老『勇者様、そんな殺生な事は言わんでくだされっ!!』

少年『……』


長老『ワシらはここを愛しておる!! 離れるぐらいならば、死を選ぶぞ!!』

長老『そうだっ、村人は皆、長老と同じ考えだぜ!!』





少年『あ』

少年『言い忘れてました』


少年『ボク、卑弥呼さんに頼まれてこの村へ来たんで』

少年『何度も、何度も、立ち退き勧告……言い渡されましたよね?』



長老『っ!?』ビクッ

少年『話を聞いてれば、オロチだ何だって戯れ言ばかり……』


少年『オロチなんてここには居ない!!』

巫女『オロチ様は居るんです!! 居るっしゃるんです!!』



少年『違いますね。全ては幻覚です』

母親『村人が全員、同じ幻覚を見るんですか!?』


少年『伝承や噂は有ったんでしょう? だから、ちょうどいいから、それにした……』

少年『この村の地中から吹き出し続けているガスは、微量の麻薬成分を含んでいるそうです』



少年『気付かぬ内に麻薬を吸い続け、頭がオカシクなり』

少年『そのガスが食物を枯らせていたとしても、麻薬中毒になった皆さんは、この土地から出て行く事ができない』


巫女『もうヤメてっ!!』ブルブルッ

父親『帰ってくれ、帰ってくれ!!』ブルブルッ



少年『だから、出て行かなくて済む理由を作り上げた』

少年『そう言えば、ヤマタノオロチの伝説が……』


少年『じゃあ、畑を枯らせているのはオロチだ……』

少年『それなら、生け贄を捧げよう……と、ここまで想像するのは容易いです』

>>74
×長老『そうだっ、村人は皆、長老と同じ考えだぜ!!』
○父親『そうだっ、村人は皆、長老と同じ考えだぜ!!』


おやすみなさい



長老『お前にワシらの何が分かるっ!!』

少年『ボクもたくさん薬を射たれたんで、多少の気持ちは分かるつもりですが……』


少年『……』チラッ

巫女『うぅっ……』ブルブルッ



少年『その麻薬は、食物や植物にも付着します』

少年『そして麻薬まみれの花粉や胞子が風に乗り、いつかはジパング全土を覆い尽くす』


少年『解決するには……この土地を燃やし、ガスの噴出が止むまで、草木の生えない焦土に変えるしか有りません』

少年『お願いします。協力してください』ペコリ



少年『協力して頂けるのなら、今よりも質の良い暮らしが出来る土地を、卑弥呼さんが用意してくれるそうですが……』

母親『帰って!! 私たちはここが好きなの!!』


父親『そうだっ!! 生まれた土地から離れるぐらいなら、死んだ方がマシだ!!』

巫女『早くっ、帰ってよぉぉっ!!!』ブルブルッ



少年『……』

少年『この村、若い人が居ませんね? これまでに何人、生け贄を捧げて来たんですか?』


少年『どれぐらいのペースかは知りませんが、こんな様じゃ、すぐに人が居なくなりますよ?』

少年『村も、集落も、成り立ちません。ついでに未来も有りません』



長老『それは……』

少年『変わりましょう!! 変わるなら今しか無い!! 今が変わるチャンスなんです!!』


少年『皆さんも、心のどこかでは分かっているでしょう? このままじゃ駄目だって!?』

巫女『勇者、さま……』



少年『良い暮らしは、必ずボクが保証します!! 納得してくれるまで、何度でも卑弥呼さんに掛け合います!!』

少年『こんな野菜も育たない土地なんて、こっちから捨ててやるんですよ!!』


母親『っ……』

父親『そう、なのかもな……』



少年『ここから北に在る大木の下で、明日の朝まで待っています』

少年『変わりたいと思う人は、そこへ来てください』ペコリ


長老『……』

長老『止めぬっ!! 村の者達よ、行きたくば行くが良い!!』



少年『長老さん……』

長老『ワシらも、変わらねばならね時が来たのかも知れんな』ニコリ


巫女『私も』

巫女『私も変わりたいっ!!』ポロポロッ



母親『あなた、三人で……やり直しましょう?』

父親『ああ、今度こそ幸せになろう!!』コクリ


少年『……』

長老『勇者様、待っていてくだされ。荷物の整理には時間がかかるじゃろうからな』ニコリ



少年『はいっ』ニコリ

長老『ワシも、ばーさんの遺品整理でもするかのぉ』


巫女『勇者さま、ありがとうございますっ!!』ペコリ

少年『いえ。では、明日の朝まで待ってるんで……』




  翌日 オロチが住むと言われた村



少年『……』

長老『おや? どうかなされましたかな?』


少年『……』

少年『誰も、来ませんでした』



長老『うひひひひっ。そりゃそうじゃろう。誰がここから離れるかアホたれ!!』

母親『あははっ、ここなら、住んでるだけで幸せになれるのよ?』


父親『ぐひひひひひひひひっ。慣れると、ここで育った野菜も美味い!!』

巫女『今までの生け贄はね? 友達わね? うふふふふふっ。食べちゃった♪』



長老『勇者サマも、ウマソウじゃのウ』ジュルリ

少年『そうですか』


少年『じゃあ……食料の心配とか、しなくて良いようにしてあげますね?』

巫女『ヒミコさまに、食料を持ってこさせるようにイッテヨ!!』




少年『……』

少年『救えない』





少年『死ねば、食料の心配をしなくて済みますよ?』

少年『ドラゴラム……』




 ジパング南部 焦土になった地



女騎士「……」

僧侶「……」


武闘家「……」

武闘家「そして、巨大なドラゴンに変身したアイツが、火を吹いてここを焦土へ変えましたってか?」



僧侶「お二人は、これを知ってどう思われましたか?」

武闘家「あ?」


女騎士「その問いが試験か?」

僧侶「そう考えていただいて構いません」コクリ


休憩



女騎士「……」

武闘家「……」


武闘家「まぁ、理解は出来る」

僧侶「左様ですか」



武闘家「が」

武闘家「納得はできねぇ!!」ギリッ


僧侶「勇者様は?」チラッ

女騎士「私も、武闘家と同意見だ」コクリ



武闘家「だいたいよぉ、アイツなら他に方法が有ったんじゃねぇか?」

武闘家「魔法で眠らせて、強制的に連行するとかよ……そこで麻薬依存が抜けるまで治療できたはずだぜ?」


女騎士「うむ」

女騎士「勇者として甘いと言われればそれまでだが、アイツは決断が早過ぎだ。人の命だぞ!?」



女騎士「確かに……ここの村人を他に移住させても、そこでトラブルを起こしたかも知れない」

女騎士「最終的に見れば、アイツの決断が最良だったかも知れない」


女騎士「しかしっ!! アイツの選択は余りにも極端だ!!」ギリッ

女騎士「もう少し悩んでも良かったと、私は思う……」



女騎士「僧侶……」チラッ

僧侶「……」


女騎士「これが私の本心だ。やはり、甘いだろうか?」

僧侶「はい、甘いと思われます」



女騎士「そっか。じゃあ……」

僧侶「これからも、よろしくお願いいたします」ペコリ


女騎士「……」

女騎士「私は、前勇者と考えが違うぞ?」



僧侶「その人は、魔王に破れたのですよ?」

武闘家「……」


僧侶「あのお方と同じ考え、同じ行動をしていては、魔王に勝てません」

僧侶「わたくしは……甘く、悩む、そんな勇者様だからこそ、勝機が有ると思います」



女騎士「……」

女騎士「そう、だな。改めてよろしく僧侶」ニコリ


武闘家「こっちも、よろしくな?」

僧侶「はいっ」ニコリ



女騎士「だが、私は例え一人だろうと、旅を続けていただろうがな」

武闘家「勇者の宿命ってか?」


女騎士「そんなんじゃないさ」フルフル

女騎士「私には、アイツが死んだとは思えない。きっとどこかで生きている。そう、信じたい……」



僧侶「……」

女騎士「そしてもし会えた時、私はアイツに『コレ』を渡してやりたい」ゴソゴソ


武闘家「なんだ? 本か?」

女騎士「アイツが見たがっていた物さ」



僧侶「日記……」ボソッ

女騎士「そうだ、両親の日記だよ」コクリ


武闘家「ん? ん?」

女騎士「ああ、武闘家には言って無かったか? アイツは、私の……」



武闘家「言うなっ!!」

女騎士「武闘家?」


武闘家「教えなくていい。余計な事は知りたくもねぇ!!」

武闘家「分かってくれ。この拳を、鈍らせたくないんだ……」



女騎士「……」

女騎士「そうだな……」


女騎士「私達の最終目的は一つ!! 魔王を倒す事だ!!」

武闘家「俺は、それだけを考え、それだけに全てを捧げたい」



僧侶「ふふっ。勇者パーティーの結成ですね?」ニコリ

武闘家「で、次はどこに行くんだよ?」


女騎士「ん、ああ。次は決まっている……」

女騎士「次は、砂漠の国だ」ビシッ



武闘家「っと、待ってくれ。一応、妹に挨拶して置きたい」

女騎士「では、ルーラでアレフガルドに戻るか?」


武闘家「すまねぇ。両親も、姉も、兄も、くたばっちまえと思ってんだが……妹だけは、なついてくれてたから可愛くてな?」

女騎士(は? このシスコンがと言ってやりたいが、私も似たようなものか……)



女騎士「ほら、私の肩を掴め。飛ぶぞ!? ルーラッ!!」

僧侶「……」ギュッ




僧侶「あ、言い忘れておりました。わたくしを、あまり信用なさらないでくださいね?」


僧侶「最後には、勇者様の大切なモノを、奪うでしょうから……」クスッ



おわり

女騎士編は、こんな感じでスタート。

次は、もしかしたら殆どエロパートになるかも知れない…

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