男「カップル撲滅委員会……?」(34)
男「何それ」
友「何って、カップルを撲滅するんだろ?天意に代わって」
男「何故それが学校に設置されている」
友「若者の性観念の緩み、蔓延する不純異性交遊の産物らしい。教師と風紀委員では手におえないからと」
男「何故そんなものに俺が……?」
友「昨日休んだとき、推薦しといた。ほれ、これサブマシンガンな」
男「おう……。!? ってことは、お前も!」
友「あぁ」
友「彼女と仲良く保健委員だ」
友彼女「と、友君……///それじゃぁ今日も保健室に……///」
友「おうさ。じゃ、見逃し頼んだぜ、親友」
友彼女「お願いね、男君?」キャピッ☆
男「……」グッ
アンッ……トモクッ……タハゲシィッ……!!
カノジョォッ……カノジョォッ――ウッ――
ズダダダダダダダダダダダ
男「悪く思わないでくれ、これも仕事なんでな」
友・友女「「」」シュゥゥゥ……
男「やれやれ、とんだ場末に来ちまったもんだぜ……まったく」
男「ん?あれは……」
妹「……///」
妹彼「……///」
男「……最近、ちょっと綺麗になってきたかと思ったら、なるほどね」
男「……」グッ
妹『私、大きくなったらお兄ちゃんと結婚するの!』
男「とか言ってたのになぁ……悪く思ないでくれよ、ファッキンビッチ」
ズダダダダダダダダダダダ
キャッ……ナニ――カレクン!?カレクン!!
男「……」
「やらないのか?」
男「ウホッ……あんたは?」
阿部「阿部だ」
男「阿部さん……」
阿部「お前の働きは見せてもらった。とても、初心とは思えない動きだな」
男「別に……ただ、人より裏切られた数が多い。それだけの話です」
男(大好きだった母は親父と……そして次に愛した姉ちゃんは昨年六月に結婚……一生童貞を誓った友、妹にまで裏切られ……俺は……)
阿部「……」バッ
男「……」スッ
男「阿部さん……あんたは一体何者なんだ?」
阿部「何処にでも居る、いい男さ」
それから俺は、その阿部という男が何者であるかを教えてもらった。
いい男、そして――カップル撲滅委員会会長。彼についてはそれだけで十分だ。
彼がゲイなんてことはどうでもいい。頻りにスキンシップという名目の凌辱を回避しながら、俺は阿部、それから他の会員に手厚くもてなされた。
皆――ブスとか不細工とか、いかにもモテなさそうなやつばかりだった。
阿部「うれしいよ、此処にはお前のような男が少ないからな」
男「やらないぞ?」
阿部「手厳しいじゃないの」
俺はその中でも特に、bという不細工と親しくなった。
bは気さくな男だった。
b「やっぱり外見だよね」
彼は自身の容姿を受け入れながらも、明るくそういう。
b「人間外見じゃないっていうけどさ、でも外見から中身を知ることなんて簡単なんだよね。
だって外には必ず中があるんだからさ」
男「盗まれた手紙か?」
b「うん?何それ?」
男「いや、なんでも……でも、俺はお前が不細工だと思うけど、嫌いじゃないよ。お前は良いやつだ」
b「……ありがとう。男は正直だね。でもそんなところ、結構好きだな」
俺もbのそういうところが好きだった。
俺たちは順調に委員会を執行してきた。
v『b、bbbbbぎゅんっ!?こ、ちだっ』ブツンッ
y『bbbbbbbbbbぃぃぃ殿ぉぉぉぉぉぉ誘導、順調でありまひゅ』ブツンッ
男「b、聞こえるか。今そっちに目標が向かっている。準備は」ズドゥン
b『……誘導、お疲れ様。目標のデリートを確認。帰投しよう』
遠くから響いた、爆音の余韻と、風にのった、仄かな爆炎の臭い。
b『はぁ……』
無線機から聞こえてきた、bの溜息。そして慌てて彼が無線機の電源を切る音を聴いて、俺は委員会棟に向かった。
阿部「皆、ご苦労様。今日も学校の秩序は守られた。これはみんなのおかげだ」
自分の正義に従わぬ者は人ではない――それが阿部という人間だ。
阿部「今日はもう帰って良い。ゆっくり休んでまた明日に備えてくれ、それから男、お前は」
b「男、ちょっと良いか」
また阿部さんの誘いを固辞しようとしたら、bが先んじて俺を呼びつけた。
b「話があるんだ」
bに連れられてきたのは――初めて俺が委員会を執行した、保健室。
友と友彼女の遺物はもう既に、残されておらず、整然としている。
b「……単刀直入に言う」
男「……?」
b「委員会を抜けよう」
男「!?」
男「お前、一体何を考えて!」
b「ずっと考えていたんだ。ずっと……」
bの表情が苦悶にそまっていくと、俺までも先ほどの緊張をほだされてしまった。
b「もう、辞めにしたいんだ、こんなこと……」
男「……」
……俺たちは皆、私怨でこれを始めた。学校が掲げるような高尚な意思などない。委員会に尊厳はなかった。委員会にいることに誇りなど、ただの一度も持ったことがない。
いつだって、自分の醜悪さと対面し、軽蔑しながら俺たちは事を行ってきた。
尽きるのが、こんなにも早いのは当然だ。それもbのような男なら尚更――幼馴染にふられて魔が差した、という程度の燃料で、彼が今まで尽きなかったのがおかしかったほど。
いや、すでに、尽きていたのか。
あの溜息が、耳元で繰り返された。
男「……行けよ」
b「男――」
男「ただし俺たちは――反乱分子に容赦はしない……覚えておけ」
bは息を呑むと、ゆっくりと歩き始めた。うつむいて、俺は彼が隣を通り過ぎるのを、ただ待っていた。
ピシャッ
『我々は蹶起する』
明日、学内である騒動が巻き起こった。
≪反カップル撲滅委員会設立≫
登校する生徒たちに誇示するようにしてその横断幕は校舎に掛けられていた。周囲からは狂ったような雄叫び、
その英雄的な活動に対する感動の言葉が叫ばれていた。
v「……テロリスト共め」
y「戦争を祭りと勘違いした猿共が」
ぽつりと、隣に立っていたブスと不細工が言った。
男「……」
屋上に昇り、組織の設立を高らかに豪語する集団の中に――
bが、いた。
阿部「諸君らも既に知っているだろうが」
阿部さんは事務的に某反勢力について触れると、皮肉気に笑った。
阿部「まぁ、無駄なことだな」
一斉に阿部さんの言葉への賛同の声が上がる。今朝のリア充たちの騒ぎには劣るが、
反リアも学生らしく精を出していて、それはどうしても、今朝の様子を思い出させた。
阿部「慢心するのも良いが、諸君、警戒は怠らぬように」
「「「「「「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
男「……了解」
妹「お兄ちゃん」
男「……妹か」
廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。久しぶりに妹の声を聴いた。
妹の彼氏を殺してから、妹は塞ぎ込んで他人とあまり接触しようとしていなかった。
ちなみに妹は、俺が彼氏を殺したことを知らない。
妹「私も、入ったんだ」
男「……そうか」
何に、とは聞かなかった。盛り上がったスカートの裾が、そこに何があるのかを教えてくれていたからだ。
妹「お兄ちゃんは、委員会の人間だよね」
男「そうだよ」
俺はなるべく柔和に彼女に言った。今更彼女に虚勢を張れる立場ではないというのは分かっていても、癖がそうさせる。
男「……」
妹「……」
しばらく、互いに黙り込んだ。妹は何かを言いたげだ。その言いたい事をいくつか思い浮かべて、俺は腰のホルダーに手を触れた。
妹「……お願い」
死んで――?
妹「……裏切って」
男「……っ」
予想していなかった訳ではない。ただ、楽観には臆病になっていたのだ。だから動揺した。それだけだ。
男「……」
妹「……お願い、お兄ちゃん」
妹「お兄ちゃん、わたしと一緒に来て……お願い、優しいお兄ちゃんならわたしのこと、解かってくれるよね?」
――解かってくれるよね?
『親子なんだから、解かってくれるよね?』
『姉弟なんだもん、解かってくれるよね?』
好きだけど、愛しているけど、駄目――
解かって、くれるよね?
男「……フフッ」
妹「お兄ちゃん、お願い……お兄ちゃん?」
男「ふふふ――あっはっはっはっはっはっは!!」
妹「お、お兄ちゃん?今、笑うところじゃない、わたし真剣に」
男「妹……お前がそっちに入ったのは、彼氏の仇を討つためだよな?」
妹「――!うん……そうだよ……だから、お兄ちゃんも一緒に――」
男「ならお前……考えることがあるだろうが……!」
妹「えっ……?」
男「――俺がお前の彼氏を殺した奴かもしれないってことだよ……」
妹「――!?お、お兄ちゃんが!?嘘!そんなのっ……!」
男「可能性の話だよ」
妹「か、可能性っ……そうだよね……お兄ちゃんがそんなことするはず……」
男「100%の話だけどなぁ」ニヤッ
妹「……!?」
妹「嘘……え……?え……?」
男「お前、頭は悪くないだろう?それなら俺の言葉の意味が理解できるよな?」
妹「……そんなのって……」
男「事実だよ。お前の彼氏は――俺が、殺した」
妹「――うっ、うあああああああああああああああああああああああ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「――他生徒ならびに妹ちゃん――下がれえええええええええこいつはああああああ記念すべき一人目の復讐だああああああ!!」
男「……盛りのついた豚どもが……解かっているなら人間様に逆らうなよ」
男「――俺たちがお前らを数える時……そのとき使う単位は人ではない」
男「匹だ」
男「……解かっただろう?それがどういうことか――俺たちに刃向うっていうことがどういうことなのか、な」
妹から奪い取った拳銃が空になったのを確かめて捨てると、号泣し、嘆きながら、弾丸に穿たれた右足を擦る妹を見下ろした。
妹「い、痛い痛い痛いぃ……!痛いよぉ……痛いよぉ……!」
血だまりを、ぴちゃぴちゃと進んで、妹に近づく。そこではっと妹は俺を見上げた。
妹「お……お兄ちゃんっ……!」
妹はまだ、俺をお兄ちゃんと呼んでくれた――
妹「た、助けて――」
男「やだ」
こいつはみせしめだ。生半可な気持ちで俺たちに刃向うことがどういうことなのか。すべての豚に刷り込んでやろう。
阿部「よく集まってくれた、諸君」
体育館に集められた生徒たちの前で高らかに阿部さんは言った。
阿部「緊急の集会を開き諸君らの時間を頂いたこと、心よりお詫び申し上げよう」
阿部さんの高圧的な態度は不快感を煽るが、それをわざわざ態度にする人間はいないし、苦言を呈す者もいない。
彼が一体どういう人間で、何を率いているのか、生徒たちは十分に承知しているからだ。
阿部「先日の、本校生徒諸君を喜ばせる有志のサプライズに習い、我々も一興、用意させてもらった。どうか本日は諸君らに
それを楽しんでいただたらと心より想う。では、始めよう」
阿部さんが仰々しく指をパチンと鳴らした。すると、後ろのカーテンがどんどん開かれていく。ほの暗く、何が在るのかはっきりとは見えないが、
開ききった瞬間、一斉に橙色の照明が点灯した。
「えっ……?」
誰もが絶句する――何故ならそこには、仮面を被った裸の男たちが、首輪をつけて震える全裸の妹を弧に囲んでいたからだ。
阿部「彼女は、醜い」
阿部さんが言った。
阿部「悪戯に異性の心を煽り、羞恥を忘れ、あまつさえ、秩序を乱した」
阿部「よって我々は、この醜い豚を再教育する!!」
阿部「諸君らには今日!秩序を乱すということがどういうことか!悪戯に姦淫することがどういうことなのか!!
それを学んでいってほしい」
阿部「では、先生方、よろしくお願いします」ペコリ
阿部さんが頭を下げて檀上から降りると、教師たちは一斉に、妹の首から伸びた紐を引っ張り、彼女を吊し上げた。
妹「いっ――いああああああああああああああああ!!」
妹が叫ぶと、教師の一人が彼女の尻を叩く。そして一人、二人と彼女の胸に触れ、そのままなめらかな手つきで彼女の乳首を抓んだり、しゃぶりついたり、吸い上げたりして、
もてあそぶ。荒々しく叫ぶ妹。その口を、一人が塞いだ。
妹「――――!!」
入念にキスされながらも妹は身をよじる。……だがその動きは、やがて下半身ばかりが激しくなっていく。妹の陰唇、そして肛門を彼らは容赦なく嬲っている。
それからしばらくして、彼らは一斉に妹から離れた。
「では……」
「うむ……」
がくがくと、体を震えさせて、もがきながら、なんとか逃げようと、無駄な足掻きをする妹に、一人が近づく――ほかよりも、どっぷりとした肥満な小男――それだけで誰だかわかる。
校長だ。
丁度いいとばかりに、四つん這いになった妹の腰を、校長は力強く掴んだ。首だけは俊敏に動いて、妹は校長に振り向く――
妹「いやっ……!」
集音マイクが拾った、妹の声……そして。
ブチッ
彼女の処女膜を破り裂く音。
校長「――教育的指導!!」
妹「いやああああああああああああああああああああああああああああ!!」
校長「教育的指導!!」
校長が叫ぶ。
妹「いやあああいやあああああああああああああああああああああ!!」
妹が叫ぶ。
「教育的指導!」
男たちが、再び妹に迫る。
「教育的指導!教育的指導!!」
妹「いやああああああだじゅげでええ――」
バキッ
一人が、泣き叫ぶ妹の顔面を殴った。
「――教育的指導!!」
そいつは叫ぶと、呆けた妹の口に自分のいきり立ったそれをねじ込み、腰を振る。
「教育的指導!教育的指導!!教育的指導!!!」
本行オーバーで書いてたのが消えて鬱になった
読んでくれた人ありがとう
俺もなんでこうなったのか分からん
んじゃめな
阿部さんはカップル撲滅なんかに興味なさそうなイメージなんだがなぁ
モテないから男に走ったわけじゃないだろうし むしろ出会ったばっかの道下を食っちゃうくらいだから割と軽いノリのイイ男ってイメージ
阿部さんじゃないがヤマジュンの漫画にはホモだけど性欲処理の為に女キープしてるって奴もでてくるし
>>27
この阿部さんはその阿部さんじゃない
勢いで出てきた阿倍みたいなもん
女「やめなさいよブサイクども!!!」
女「そんなんだからもてないってことに気づきなさいよ!!」
阿部「誰だ!?」
女「そこのゲスな男にそそのかされて……ほんとは恋愛したいんでしょ!!!」
隊員「……」
女「あなたたちはみんな鈍感なだけ……高い理想を求め自分を本当に必要としている人に気づかない……」
女「ただしい目で見ればあなたを大切に思いあなたが大切にしたい相手が見つかるはずよ!!!!」
隊員「!?」
阿部「惑わされるな撃て!!!」
女「きっとあなたにふさわしい人がいるはずだからバカなまねはやめて!!!」
そうして突如現れた女は
かわいいとか
きれいとか
うつくしいとか
その昔僕らが求めていた女の理想要素は
全く持ち合わせていなかった
僕らと同じブサイク……。
ただ
その女の顔はまぶしかった
阿部「我が同士を惑わすなーー!!!」バン
「「「「「!?」」」」」
阿部さんの、阿部の撃った弾は
一筋の赤を生み出した
b「人の……彼女に…なにすんだよ……」
そこにはおれたちの元仲間で
俺よりブサイクで
すごくうらやましくて
最高にかっこいいあいつの姿があった
女「b!!!」
阿部「おのれ裏切り者めぇぇぇぇぇ!!!!」
いや……さ
>>1が書けないとかいうからノリでさ?
場面強引だけどべつにさ?
ちょっとぐらいいいかなって……。
もうしません
失礼しました
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