サンタ「メリークリスマス!」 男「今8月なんだけど」 (16)


サンタ「えっ」

男「えっ」

サンタ「……アハハ、またまたご冗談を~」

男「事実だし、実際暑いだろ」

サンタ「え?クリスマスって暑いものでしょ?」

男「えっ」

サンタ「えっ」

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男「いやいや、一般的にクリスマスって言ったら寒いでしょ」

サンタ「え?クリスマスはあったかいですよ」

男「………」

サンタ「全く、寝ぼけてるんじゃないですか?」

男「こっちのセリフだ」

サンタ「だいたい考えてもみてください。もしクリスマスが寒いんだとしたら私のようなミニスカサンタなんて存在しませんよ!」

男「いや、そこは男の願望……的な?」

サンタ「サンタを性的な目で見てるんですか?最低ですね」

男「」


男「というか、お前本当にサンタなのか?」

サンタ「失礼な!私は立派なサンタですよ!」

男「にわかには信じがたいが」

サンタ「こんな格好ですよ?ミニスカですよ?もうどこから見てもサンタじゃないですか」

男「そんなのクリスマスになればいやってほど見れるよ」

サンタ「じゃあどうすればいいんですか!!!」

男「俺に言われても」


男「・・・・・・とりあえず警察に連絡するか」

サンタ「ちょっと!私は怪しいものじゃありませんよ!サンタですよ!」

男「この時期にそんな格好してたら十分怪しいけどな」

サンタ「サンタクロースだから仕方ないじゃないですか」

男「だからそれを証明しろってば」

サンタ「そんなこと言われてもどうすれば・・・・・・」

男「あ、じゃあトナカイとか見せてよ」

サンタ「え?」

男「いや、だってサンタってトナカイのそりに乗ってくるんでしょ?」

サンタ「あ、すいません。私トナカイの免許持ってないんで」

男「トナカイって免許制なのかよ」


サンタ「あ、免許で思い出しました。サンタクロースの免許証がありました!」

男「サンタクロースも免許制なのね」

サンタ「これを見せればサンタって信じてもらえますね」

男「いや、そんなもの見せられても――」

サンタ「免許証忘れました」

男「もうお前帰れよ」


サンタ「子供たちの笑顔のためにも今帰るわけにはいきません!!」

男「その志は立派なんだけどね」

サンタ「あ、そうです!これがありました」

男「ん?どうした」

サンタ「ジャジャーン!四次元サンタ袋~!」

男「なんだそれは」

サンタ「フフフ見ててくださいよ~・・・・・・ほら!」ポイ

男「おお!袋の中からラジコンカーが!」

サンタ「いくらでも出せますよ~!ほら!ほら!」ポイ!ポイ!

男「おお~!!」

サンタ「ほら! ほら !ほら!」ポイ!ポイ!ポイ!

男「ってラジコンカーしか出てこないじゃねーか!!」

サンタ「あ、私ラジコン専門なので」


男「・・・・・・まあ、お前がサンタなのは認めよう」

サンタ「やっとですか」

男「しかし今は8月だ。帰ってください」

サンタ「またそれですか、私は騙されませんよ?」

男「ほら、カレンダー見ろよ」

サンタ「・・・・・・半年もカレンダー変えてないんですか?」

男「ちゃんと毎月めくってるよ!現実を受け止めろ」

サンタ「だって、ほら。今はこんなにあったかいじゃないですか」

男「だからなんでお前の中ではクリスマスはあったかいんだよ」


サンタ「見解の相違ってやつですかね」

男「こんな見解の相違は初めてだけどな」

サンタ「あ」

男「ん?どうした?」

サンタ「あ……アリジゴクってなんか格好いいですよね」

男「ずいぶん雑なごまかし方だな」

サンタ「ごまかす? な、何のことですかぁ?」

サンタ「・・・・・・あーそれじゃあ私はそろそろ帰りますね」

男「おいこら待て」


サンタ「なんですか!さっきは帰れって言ったじゃないですか!」

男「帰るならさっきの『あ』を説明してからにしろ」

サンタ「アリジゴクってなんか格好いいですよね!」

男「まだそれを言うか」

サンタ「アリジゴクってなんか格好いいですよね!!」

男「どんだけアリジゴクが好きなんだよ」

サンタ「いや、そこまででも」

男「そこは貫けよ」


男「――それで?なんだったんだ?」

サンタ「いやー、ちょっと勘違いしてまして」

男「勘違い?」

サンタ「私前まで南半球の担当だったんですよ。ほら、南半球って北半球と季節が逆じゃないですか?それで勘違いしちゃったんですね」テヘペロ

男「なるほど、確かに南半球じゃサンタがサーフィンしてたりするもんな」

サンタ「サンタがサーフィンなんてするわけないじゃないですか」

男「・・・・・・」

男「・・・・・・しかしいくら去年まで南半球の担当サンタだったからって間違えるか?」

サンタ「あたたかったので寝過ごしたかと思って」

男「ずいぶん規模の大きい寝過ごしですね」


サンタ「まあそういうことですいません、私の勘違いでした」

男「別にいいよ、面白い体験だったし」

男「まあ、いきなり深夜に知らない女が部屋にいてびっくりしたど」

サンタ「それでは私は帰ります、クリスマス前もサンタのやることは盛りだくさんなので」

男「ん?そうなのか?」

サンタ「ええ、子供たちへのプレゼントを買うお金をためないといけないのです」

男「あれって自腹なんだ」

サンタ「あ、寄付は一口100万円から受け付けてますよ?」

男「高すぎだろ」


サンタ「高いですか?」

男「寄付が集まらないのは確実にそれが原因だからな」

サンタ「なるほど、参考になりました」

サンタ「気が向いたら上司に提言してみます」

男「気が向いたらなんだ」

サンタ「それじゃあ今度こそ帰りますね」

男「ああ、バイトがんばれよ」

サンタ「ええ、ではまたクリスマスに逢いましょう」

男「おう」


男「・・・・・・」

男「サンタってちゃんと玄関から出てくんだな」


―翌日―

サンタ「こんにちは」

男「えっ」

サンタ「えっと……メリークリスマス?」

男「なんでいるんだよ、帰ったんじゃないのかよ」

サンタ「クリスマス以外の四次元サンタ袋の使用は認められてなくてサンタ免停になっちゃいました」テヘペロ

サンタ「ということなのでしばらく厄介になりますね」

男「帰れよ」

一応これで完結です
ありがとうございました

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