英玲奈「これ、お土産だ」 (19)

穂乃果「あ、いちごがいっぱいっ!」

英玲奈「いちご農園をやってる親戚から送られてきてな」

穂乃果「穂乃果いちご大好きっ♪」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

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別の日




英玲奈「これ、お土産だ」



ことり「わっ、もしかして…!」

英玲奈「チーズケーキだ、パティシエの親戚に分けてもらってな」

ことり「おいしそ~っ、私チーズケーキ大好きなんです♪」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」



にこ「これってあの有名デパートの…!」

英玲奈「詰め合わせお菓子だ。そこで働いてる親戚に頂いてな」

にこ「や~ん♪にこってぇお菓子大好きなんですぅ」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」



絵里「まあ、チョコレートね!」

英玲奈「チョコレート工場で働いてる親戚から届いてな」

絵里「ハラショー、直送品を食べられるなんて素敵ね」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」ドサッ



真姫「ダンボール?…わあ、トマトがいっぱいね」

英玲奈「トマト農園をやってる親戚から送られてきてな」

真姫「…いちご農園の親戚とは違うんですか?」

英玲奈「…まあな、トマトは嫌いか?」

真姫「す、好きですけど……ありがと」クルクル

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」ゴトッ



凛「こ、これはラーメンの匂い…!」

英玲奈「ラーメン屋の親戚から送られてきてな」

凛「おいしそうにゃ…でも、一杯しかないの?」

英玲奈「案ずるな、今家庭科室を借りて麺を茹でているところだ」

凛「すごいにゃー!ラーメン祭りにゃー♪」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」パカッ



花陽「こ、これは炊き込みご飯!?」

英玲奈「米農家の親戚から送られてきてな」

花陽「ず、ずいぶん農業の親戚がいるんですね」

英玲奈「…そういう家系なのだろう」

花陽「…」ウズウズ チラッ

英玲奈「ふふ、こっちが気になるか」パカッ

花陽「ピャアっ、やっぱり白米だ!お米が立ってて美味しそう…♪」

英玲奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

別の日



英玲奈「これ、お土産だ」



希「わわ、お肉がいっぱい!」

英玲奈「精肉店の親戚から送られてきてな」

希「も、も、もしかして焼肉ご馳走して頂けるん?」

英玲奈「…その演技は少々頂けないな」クスッ

希「ありゃ、ばれた?…まあさっきから肉の焼ける良い匂いが漂ってたからね」

英玲奈「また家庭科室を借りているよ」

希「じゃあ例によって…」

英例奈「たくさんあるから皆で食べてくれ」





海未「…」

1時間後



凛「あーおいしかったぁ!」

花陽「焼肉のたれが絡まった白米もまた至高です♪」

真姫「まあまあのお肉だったわね」

にこ「とかいって美味しそうに頬張ってたわね~」

真姫「べ、べつにいいじゃないっ」

絵里「それにしても英玲奈さんのお土産にはいつも驚かされるわ」

ことり「まるで私たちの好みを熟知してるみたいだったね」

穂乃果「うらやましいなぁ、穂乃果も美味しいものくれる親戚が欲しいよ」

にこ「それにしたって親戚多すぎよ。やっぱりUTX生徒は生まれの環境も違うのかしら…」

希「それはどうかなぁ?」

凛「どういうこと、希ちゃん?」

希「ふふっ、…そういえば海未ちゃんはどこいったん?」

ことり「食べ終わったあと、英玲奈さんと一緒に歌詞作りに戻ったみたい」

花陽「あれ、そういえば海未ちゃんの好みって…」

にこ「穂むらのおまんじゅうよね?流石に穂むらに親戚はいないわよ」

穂乃果「英玲奈さんと親戚だったら美味しいものおすそ分けしてもらえたのかな?」

ことり「そういう問題じゃないと思うな…」

凛「でも海未ちゃんちょっとかわいそうにゃ」

真姫「そもそもお土産ってそんな期待するものでもないと思うけど…」

希「…ええんとちゃう?」

穂乃果「へ?」

希「あの2人はあの2人で、『うまく』やってると思うんよ♪」

~~~




英玲奈「…」カタカタ

海未「…」カリカリ


英玲奈「…ふう」

海未「…ここらで一息入れましょうか」

英玲奈「そうだな、目がチカチカしてきたよ」

海未「膨大な量ですからね、お疲れ様です」

英玲奈「君もな」

海未「お茶を淹れますね」

英玲奈「ありがとう。こちらもお茶請けを用意するとしよう」ゴソゴソ

海未「いつもありがとうございます。……ふふっ」

英玲奈「どうした?」

海未「いえ…そのお土産は親戚からもらったものですか?」

英玲奈「む…」

海未「日に日に親戚が増える家系なのですね」クスッ

英玲奈「…気を使わせないためだ、君もなかなかに意地が悪い」フイッ

海未「すみません、ですがそれは皆で食べないのですか?」

英玲奈「穂むらの娘がいるのにこれもどうかと思ってな」

海未「嫌な顔はしないと思いますけど…」

英玲奈「…まあ、それは建前さ」

海未「…?」

英玲奈「君と食べようと思ってね」

海未「私と…ですか。何故…?」

英玲奈「…」



英玲奈「…もっと知りたいのさ、君のことを」

英玲奈「君のことを知って、より深く理解出来れば」

英玲奈「きっと得られるものがあると、そう思ったのさ」

英玲奈「大和撫子の、園田海未さんのことを…な」


海未「…」

英玲奈「…」

海未「…照れているのですか?」

英玲奈「…赤くなっている君に言われたくない」

海未「…」

海未「…私はまだまだ未熟者です」

海未「ですが、そう思っていただけるのは」

海未「光栄です、英玲奈さん」

英玲奈「そうか」

海未「そうですとも」


英玲奈「…ふっ」

海未「ふふっ」

英玲奈「…まあ、そのためのお茶請けだ」

英玲奈「君の好みがこれで良かったよ」

海未「穂むらのおまんじゅう…おあつらえ向きですね」

英玲奈「縁側でないのが悔やまれるな」

海未「そうですね。……お茶が入りました」

海未「では今はじっくりと…」

英玲奈「ああ…」







英玲奈「このお土産は、2人で頂くとしよう」

おわり

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