卯月「肝っ玉プロデューサーさん……ですか?」 (28)


ちひろ「肝っ玉プロデューサー?」
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~~大体は言われてもやらない~~

――事務所

ガチャッ!

卯月「ただいま戻りましたー!」

ちひろ「おかりなさい卯月ちゃん」

P「おかえり……あっ、卯月あんた、帰って来たなら自分の部屋の掃除しなさいよ」

卯月「は、はーい……」ソソクサ

ちひろ「どうしたんですか?」

P「いやね、あの子の部屋いっつも汚くてねー。掃除しなさいっていつも言ってるけど掃除しなくてね」

ちひろ「卯月ちゃん、お掃除苦手って言ってましたもんね。プロデューサーさんがお部屋の掃除してあげればいいんじゃないですか?」

P「小さい子じゃないんだし自分でやらせるよ」

……
…………

――しばらくして

ガラッ!

P「卯月、あんたちょっと仕事の打ち合わせするから下に降りてきなさい……って」

卯月「あ……」ピタッ

P「あんた、部屋片付けなさいって言ったのにベッドに寝転がって雑誌なんか読んで!後で困るのは自分なんだよ!!」

卯月「え、えっと……ちょっと休憩してからやろうかなって……」

P「ちゃんとやりなさいよ?それより、明後日のラジオの台本届いたから下で打ち合わせやるよ」

卯月「はーい、わかりました」


……
…………

――その後

卯月「プ、プロデューサーさん!!」ダダダダッ!!

P「ん、どうしたんだい?もう少しでラジオ局行くんだから早く支度しないと」

卯月「あっ、あの……今日のラジオで使う台本なくしちゃって……」オロオロ

P「えっ!?アンタ、昨日部屋で読むって持って行ったじゃないの!部屋の中にあるんじゃないの?」

卯月「そ、それがどこに置いたか見つからなくて……」

P「もう!だから部屋片付けなさいって言ったのに!早く見つけないと仕事間に合わないよ!!」タタタッ!

卯月「は、はいー!」タタタタッ!!

~~知らない人から見ればどれも同じ~~

――某デパート

カラカラ……

奈緒「ん……Pさん、ちょっと寄っていいか?」

P「なんだい?」

奈緒「いや、いま見てるアニメの新しいオモチャがあってさ、ちょっと見たいなーって」

P「仕方ないね。戻ったら仕事もあるんだし、ちょっとだけだよ」

奈緒「すぐ済むから!」タタタタッ


<ウオオオオ,アタラシイプリ○ュアノヘンシンアイテム!!


P「あの子も仕方の無い子だねまったく……ん?」

『特価!!仮面ライダード○イブ 変身ベルト DXドラ○ブドライバー&シフトブレス』

P「おや、これは確か光が好きなテレビの……そういえばあの子最近テレビ見ながら……」


光『うわー、アタシもベルト欲しいなー……だけどこの仕事入ってから時間もないし……』


P(赤札も貼られてるし、あの子も仕事頑張ってるし……たまには買ってあげようかね)

P「すみません、店員さん……」

……
…………

――事務所ルーム

P「光、ホラこれ、何とかレンジャーのおもちゃ、あんた欲しがってただろう?」

光「ん?Pさん、これ……」

P「今日出先の帰りに奈緒とデパート寄ってね、最近頑張ってるしご褒美だよ」

光(ドライ○ドライバー……家にあるんだよな。新作の仮面ライダーゴー○トのゴ○ストドライバーは欲しかったんだけど)チラッ

P「ほらこれ、車のおもちゃも一緒についてるみたいだよ」ニコニコ

光(……うむ)

光「そうだな……わざわざありがとうPさん!○ライブのスペシャルショーも近いうちにあるし、これ持って見に行くよ!」

P「そうかい、よかったね」

光「あとこれスーパー戦隊のおもちゃじゃなくて仮面ライダーの変身ベルトだよ」

P「そうなの?よくわかんないけどね」



麗奈「……ん?アンタそれ――」

光「シッ!いいんだよ……せっかく買ってくれたんだから」

P「奈緒!あんたおもちゃでばかり遊んでないでレッスン行きなさいよ!」

奈緒「はーい」

~~上には上がいる~~

あい「……なるほど、次のCM起用は私たちということか」

真奈美「実際に家具のモニターをした上でのインタビューか。普段のレッスンの合間にやれるいい仕事だな」

P「すみませんね2人とも。よろしくお願いしますね」

みく「ここにきて大人組の戦力が一気に増したにゃ」

真奈美「任せてくれ。仕事に手を抜くつもりはないさ」

あい「皆と共同生活というのも、中々新鮮で面白そうだしね。いい機会と思ってやらせてもらうよ」

あい(聞いた話によると、プロデューサーも中々苦労しているそうじゃないか。少しくらいは力になってあげようか)

……
…………

――その後

P「あいさん!着替え、ここ置いとくよ。風呂上がったらこれ着なさいよ!」

<スマナイネ



P「ほら真奈美さん、鞄だよ。スタジオ行くときは車に気をつけるんだよ」

真奈美「ああ、わざわざすまない」



あい「さて……この時間ならまだ皆起きていないだろう。朝食の準備でも……」

P「おやあいさん、おはよう。早起きだね」

あい「あ、ああ……」

P「裕美たちももう少しで起きてくるからね。テーブル拭いといてくれるかい?」

あい「わかったよ」フキフキ



真奈美「む、あれは……?」キョロキョロ

P「新聞かい?ほら、いま読み終わったよ」スッ

真奈美「そうか、すまない」バサッ

P「その前に真奈美さん、そろそろ早苗さんたちを起こしてきてくれませんかね。いつまで経っても起きやしなくてね」

真奈美「もうこんな時間か……分かった。叩き起こしてこよう」


……
…………

――事務所

ちひろ「お2人ともどうですか?事務所ルームでの生活は」

あい「いや、なんというか……」

真奈美「実家にいるかのような錯覚を覚えてしまうな……」

ちひろ「はあ……?」

あい「あそこにいると自分に甘くなってしまって恐ろしいね……」

~~不幸と感じる前に片が付く~~

――事務所ルーム

P「今日からほたるもモニターに参加するからね。みんな仲良くするんだよ」

ほたる「よ、よろしくお願いします……」

卯月「よろしくお願いしますね!」

凛「よろしく」

みく「ここではルームに入居した順に年功序列制度が導入されてるにゃ」

光「おい、そんなの初めて聞いたぞ。嘘教えるなよ」

美由紀「よろしくねー!」

P「みんなで暮らしてるからね、ほたるにも色々お手伝いしてもらうからね」

ほたる「は、はい……」

……
…………

――ある日のこと

パリーン!!

みく「にゃっ!?ほたるチャンと藍子チャンが台所にいるときに奈緒チャンのお皿だけいきなり流し台に落ちて割れたにゃ!?」ビクッ!

藍子「だ、誰も怪我していませんか?」

ほたる「き、きっと私が台所にいるせいで……」

ガチャッ

P「ただいまー……ん、あんたたち何かあったのかい?」ドタドタ

藍子「あ、Pさん、実はいま奈緒ちゃんのお皿が割れちゃって……」

ほたる「私のせいで……うう……ご――」グスッ

P「あ、そう、丁度よかったね。今日デパート行って奈緒の新しいお皿買ってきたんだよ、セーラー○ーンのやつ」

奈緒「違うよプリキ○アだよ!」

ほたる「ごめんなさ……あれ……?」

P「手怪我すると困るからね、あんたたちちょっと台所から離れてなさいね」

……
…………

――またある日のこと


ほたる「今日はいつもより早起きできた……ふふ、ちょっと運がいい日なのかな……」

ほたる「この時間はみんなまだ寝てる時間なのかな……テレビ見てよう」

ドドドドドドド!!

ほたる「え……?」


卯月「ねねね寝坊しちゃいましたー!!」ドタドタドタ!!

みく「にゃああああ今日はデパートの屋上でミニライブなのに!!」ダダダダッ!!

凛「ちょっと加蓮、早くトイレから出てよ!!急がなきゃ間に合わないって!!」ドンドンドンドンドン!!

友紀「これ遅刻したらさすがにマズいよー!!」ダダダッ!!

ほたる「そんな……実はみんな寝坊してたなんて……き、きっと私が早起きしたせいで……ご――」グスッ

ガチャッ

P「おや、どうしたんだいあんたたち、随分早起きだね」

みく「Pチャン何のんきなこと言ってるにゃ!早く準備しないと今日のライブ遅刻しちゃうにゃ!!」

P「何言ってんだい?設営準備の都合で開始時間が後ろ倒しになったじゃないか」

凛「あ……」

卯月「そ、そっか……そうでしたね。それならまだ全然間に合いますね」

P「そうだよ。あんたたち今日は早起きなくらいだよ」


ほたる「ごめんなさ……あれ……?」

P「おや、ほたるも早起きさんだね。せっかくだし朝ごはん作るの手伝っておくれよ」

ほたる「は、はい……」

友紀「あーびっくりした……もうちょっと寝てよ」

P「友紀!あんた二度寝したら起きないでしょ!顔洗ってきなさい!!」

友紀「へーい……」

ほたる(私、もしかしたらここにいると不幸じゃないのかな……)

~~大家族ならよくあること~~


美波「……よし、これで準備は大丈夫かな?」ギュッ

凛「美波、何やってるの?」

美波「明日ラクロスの試合があるから……ちょっと道具の準備をしていたのよ」

P「おや美波、もう準備できたのかい?」

美波「はい、あとは明日の朝にチェックすれば大丈夫です」

P「そうかいそうかい。こういう仕事してると中々試合なんて出来ないからね、頑張りなさいよ。怪我だけには気をつけるんだよ」

美波「大丈夫です。無理はしませんから」

P「まあ美波なら安心だよ。仕事の手が空いたら様子見に行くからね」

美波「ふふっ、ありがとうございます」

――翌日、某所

美波「……」ハァ、ハァ……

美波(いまのゴールで10対6……点数はこっちが勝ってる。このまま逃げ切れば……)チラッ

<オヤ、マダヤッテルネ

美波「……あれは」ピクッ


P「美波も頑張ってるみたいだね。あっちが美波のチームみたいだね……」


美波(Pさん、見に来てくれたんだ……)

美波「よしっ、残りも頑張らないと――」

ゾロゾロゾロゾロ

凛「ふーん、これがラクロスの試合……まあまあかな」

奈緒「サッカー場みたいなとこだなー」

裕美「あ、美波さんあそこにいるよ」

美由紀「美波さんがんばれー!」フリフリ

光「アタシたちが応援してるからなー!」

みく「根性見せるにゃー!」

藍子「頑張ってくださーい」

智絵里「ま、負けたら……チョップしますからね……」

友紀「プロデューサー、今度はキャッツ試合見に行こうよー」

P「ちょっとアンタたち!騒ぎになると面倒だから大人しく見てるんだよ!」

ゾロゾロゾロ


美波(え、えええー……な、何でみんなで来てるのー!?)カアアアアッ

モブ子「ちょっと美波さん!ドローするよ!前見て前!」

~~頼りたいこともある~~

――事務所

P「三船さん、ちょっといいかい?」

美優「はい……なんでしょうか?」

P「ちょっと仕事の話でね。商談室空いてるからちょっと来ておくれよ」

美優「はい……?」



P「えっとね、いまウチでやってる事務所ルームの家具モニターとCMの打ち出し、よかったら三船さんにも参加してほしくてね」

美優「私が、ですか……?」

P「相手さんからは直接オファーが来たとかじゃないんだけどね、どうしても三船さんにも企画に参加してほしくて……」

美優(それって、プロデューサーさんが私を推薦してくれているってことかしら……)

P「どうだい?みんなとの共同生活だし無理にとは言えないんだけど」

美優「……やります。みなさん楽しそうですし……それに、私も色んなお仕事に挑戦してみたいので」

美優(頑張ろう……せっかくプロデューサーさんが私に期待してくれているもの……)グッ!

――その後

千佳「わーい!大きいお部屋ー!!」ドタドタ!

舞「いっしょうけんめい頑張りますね」

小春「ヒョウくんぺろぺろですー」

仁奈「家具の気持ちになるですよ」

若葉「やっぱりオシャレな家具はお姉さんじゃないと使いこなせませんからね!」

ワイワイガヤガヤ

P「それじゃ三船さん、これから凛たち送っていかなきゃならいから小さい子たちの面倒、お願いしますね」

美優「はい、道中気をつけてくださいね」

P「いやー、三船さんが着てくれてホント助かるよ。小さい子たちの面倒見るのも大変でねー」ガチャッ!

パタンッ……

美優「……」

<ミユオネーサンモキグルミキルデスヨー

美優(まさか、私は最初からこのためだけに呼ばれて……!!)ハッ!



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